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G20財務大臣・中央銀行総裁代理会議 麻生大臣開会挨拶(仮訳)

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財務大臣挨拶
G20財務大臣・中央銀行総裁代理会議(仮訳)

 G20加盟国の皆様、招待国、国際機関代表の皆様。ここ東京でG20財務大臣・中央銀行総裁代理会議に皆様をお迎えできることは大変光栄であり、嬉しく思っている。

 東京は、イノベーションと伝統が共存している都市である。今回、この都市で、イノベーションと高齢化についての事前会合を開催したのは、偶然ではない。

 昨日行われたイノベーションに関するセミナーと本日行われた高齢化に関するシンポジウムは、我々G20諸国の未来にとって重要な問いを投げかけている。このセミナーやシンポジウムでの議論が、2019年G20財務トラックのキックオフとして重要なこの会合に向けたウォーミングアップとなったのであれば幸い。

 今回の会合の話に入る前に、国際社会が直面する課題及び日本議長下においてG20が実現を目指すミッションについての考えを共有したい。

 近年、経済成長は鈍化し、金融の脆弱性も高まるなど、様々な下方リスクが存在する。加えて、世界は、高齢化社会への対応や気候変動対策など、数多くの根深い課題を依然として抱えている。多くの国における基礎的なインフラ・社会保障制度の整備も積年の課題だ。また、急速な技術革新は新たな機会と課題をもたらしている。

 このような状況下で、国際経済秩序や国際協調といった価値は危機に瀕している。この秩序はこれまで世界に平和と繁栄をもたらしてきたものだが、経済成長の果実の分配の不均衡から、一般市民の不満が高まっている。このままでは、国際社会は分断され、各国はいよいよ閉鎖的となってしまう。保護主義や不公正な貿易慣行は、経済の悪化と社会の不安定化の悪循環を助長する。国際経済秩序と国際協調といった価値へのコミットを新たにすべき。

 振り返れば、日本は、第二次世界大戦後の国際経済秩序と国際協調から最も多くの恩恵を受けた国の一つである。既に先進国となった日本は、これらの秩序と協調の価値を守る責務と使命を担っている。

 実際、このような責務と使命は日本のみならず、私自身のバックグランドにも根付いているものである。2008年11月、ワシントンDCにおける初のG20首脳会合に、私は総理大臣として出席した。世界金融危機の克服のために設立されたG20は、世界恐慌の再発を防ぐため、共通の目的と決意をもってこの危機に立ち向かった。我々G20諸国は、金融規制や拡張的財政政策を始めとする様々な政策に合意し、実施してきた。

 この第1回首脳会合の重要な成果を思い起こしてほしい。我々は、保護主義、経済のブロック化、通貨の競争的切下げに反対し、『開かれた世界経済』に対するG20のコミットメントを表明した。以来、それはG20の世界経済に対する根本的な共通スタンスとなった。これは、強調してもしきれぬ重要な成果だ。

 今日、私はG20の本質的な価値である国際経済秩序と国際協調に引き続き注力していくことを約束したい。

 G20の本質的な価値を効果的に実現するため、我々G20の関心事項に焦点を当て直し、国際社会を広く支えるべきである。これがG20を再活性化させるための唯一の方法である。

 このような背景から、日本議長下では以下の3つのテーマに注力したい。

 まず第1に、グローバル・インバランスや高齢化など、長期にわたる構造問題を含む、世界経済のリスクと課題の整理に取り組む。

 第2に、成長力強化のための具体的取組をG20としてどのように加速させるかについて議論する。これには、質の高いインフラや人への投資や、低所得国における債務持続可能性をいかに確保するか、を議論することが必要。

 第3に、技術革新・グローバル化がもたらす経済社会の構造変化を取り上げる。特に、経済の電子化への課税上の対応や金融市場の分断、金融技術革新に関する事項について議論する。

 このような主要テーマについて、G20の場を活用し、活発で建設的な議論を行うことを期待している。

 2008年に達成出来たように、G20が持続可能で包摂的な成長の基盤づくりに向けて協働していけることを確信している。

 この目標を達成させるためには、ここにいる皆様一人ひとりの活躍が必要不可欠である。今年のG20の成功に向けた皆様の真摯な取り組みに、前もって謝意を示したい。