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20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2018年7月21-22日 於:アルゼンチン・ブエノスアイレス)

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  1.  世界経済の成長は引き続き強固であり、失業率は10年に1度の低さとなっている。しかし、足下では成長の同時性が失われつつあり、短期から中期にかけての下方リスクは増大している。こうした下方リスクには、金融上の脆弱性の増加、貿易及び地政学上の緊張の高まり、グローバル・インバランス、格差、そして特にいくつかの先進国における構造的に弱い成長が含まれる。我々は引き続きリスクを監視し、それらを緩和するよう行動を起こし、もしリスクが実現した場合は対応する。多くの新興市場国は、変化する外部条件に適応するための準備が以前より整っているものの、市場の過度の変動、資本フローの反転その他の課題に未だ直面している。

  2.  我々は、強固で、持続可能で、均衡ある、かつ、包摂的な成長を支えるため、引き続き、全ての政策手段を用いる。金融政策は引き続き、中央銀行のマンデートと整合的に経済活動を支え、物価の安定を確保する。財政政策は、経済・金融の強靭性を高め、また債務残高対GDP比を持続可能な道筋に乗せることを確保しつつ、機動的に実施し、成長に配慮し、質の高い投資を優先したものにすべきである。構造改革の実行を続けることは、我々の潜在成長力を高める。我々は、3月に行った我々の為替相場のコミットメントを再確認する。我々はマクロ経済政策と構造政策について明確に意思疎通する。国際的な貿易及び投資は、成長、生産性、イノベーション、雇用創出及び開発のための重要なエンジンである。我々はハンブルク・サミットでの貿易に関する首脳の合意を再確認し、リスクを緩和し信認を高めるための対話や行動を強化する必要性を認識する。我々は、我々の経済に対する貿易の貢献の強化に取り組んでいる。

  3.  技術変革を取り入れるに際して、我々はその便益が広く共有されることを確保し、技術変革によって個人、事業及び政府にもたらされる課題に取り組む。我々は、成長と生産性を強化するために技術を活用し、移行期に人々を支え分配の課題に対処し、持続可能な課税制度システムを維持し、可能な限り最善の根拠に基づき我々の意思決定が行われることを確保する助けとなる、「仕事の未来のための政策選択メニュー(以下、メニュー)」を支持する。メニューは国際協調及びジェンダー間の平等の促進の重要性をも強化する。我々は、個々の国の状況を考慮しつつ、技術変化の影響に対応すべく、メニューを参考として活用する。

  4.  インフラ投資をさらに押し上げるとともに、成長と発展を支えるため、我々は、「インフラを投資対象とするためのロードマップ」の進展を歓迎する。我々は、プロジェクトの意義、選択肢の査定、商業的継続可能性、長期的観点での費用負担可能性、及び遂行可能性の評価を改善することで、民間投資家にとって魅力的な、よく準備された融資可能な事業のパイプラインの提供を助ける「インフラプロジェクト組成段階に係る原則」を支持する。我々は「ロードマップ」の下で、リスクの低減と信用補完、データ利用可能性、契約上・金融上の標準化といった分野における主要な進展が2018年末までに達成されることを期待する。「民間部門諮問グループ」は、民間投資をインフラに惹きつけるうえで重要な課題についての作業に対する情報提供を継続する。我々はグローバル・インフラストラクチャ―・ハブのマンデートを2022年まで延長することに合意する。作業の重複を避けるため、我々はMDBs及び他機関による現在の活動間の調整を求める。

  5.  金融市場や資本フローの最近の過度の変動に対し、我々は、国境を越えた資本フローの継続的な監視や、各国がリスクを管理しつつ資本フローのもたらす便益を享受することに資する利用可能な措置の検討を含む、3月に合意した取組を引き続き進めていく。

  6.  我々は、強固で、クォータを基礎とし、かつ、十分な資金基盤を有するIMFを中心としたグローバル金融セーフティーネットの更なる強化へのコミットメントを再確認する。我々は、第15 次クォータ一般見直しを完了することと、ダイナミックな国々のシェアが、これらの国々の世界経済における相対的な地位に沿って増加し、その結果新興市場国・途上国全体としてのシェアが増大しうるような、クォータシェアの調整の基礎としての新たなクォータ計算式に合意すること、一方で最貧国のメンバーの発言権と代表性を保持することを、2019 年春会合まで、遅くとも2019 年年次総会までに実施するようコミットしている。

  7.  我々は、低所得国における債務脆弱性を引き続き懸念をもって注視する。正確かつ包括的な債務データは、健全な借入及び貸付の慣行を確保する上で必要不可欠である。我々は「G20持続可能な貸付に係る実務指針」を改めて歓迎し、公共財政管理における能力構築や国内政策枠組みの強化、情報共有の促進が、低所得国における新たな債務破綻を避ける助けとなりうることに合意する。我々は低所得国の債務に関するIMF、世銀グループ、及びパリクラブにおいて進行中の取組を支持する。我々は債務の透明性及び持続可能性の向上や、債務者及び公的・民間双方の債権者による持続可能な金融慣行の改善に向けて取り組む。

  8.  我々は「グローバル金融ガバナンスに関するG20賢人グループ」による報告書を期待している。

  9.  金融システムは引き続き、開かれ、強靭で、成長を支えなければならない。我々は金融危機後の規制改革の完全、適時、かつ、整合的な実施及び最終化と、その影響の評価を行うことに、引き続きコミットしている。我々は、FSB及び基準設定主体による、規制改革がインフラ金融及び店頭デリバティブの清算集中を促すインセンティブに与える影響についての評価の進捗を歓迎し、サミットまでに最終的な結論が得られることを期待する。我々は強靭な市場型金融の達成に向けたFSBの継続的な進捗を期待する。我々は、金融システムにおいて生じつつあるリスク及び脆弱性を引き続き監視し、必要に応じ対処する。

  10.  暗号資産の基礎となるものを含む技術革新は、金融システム及びより広く経済に重要な便益をもたらし得る。しかしながら、暗号資産は消費者及び投資家保護、市場の健全性、脱税、マネーロンダリング、並びにテロ資金供与に関する問題を提起する。暗号資産は、ソブリン通貨の主要な特性を欠いている。暗号資産は、現時点でグローバル金融システムの安定にリスクをもたらしていないが、我々は、引き続き警戒を続ける。我々は、FSB及び基準設定主体からのアップデートを歓迎するとともに、暗号資産の潜在的なリスクを監視し、必要に応じ多国間での対応について評価するための更なる作業を期待する。我々は、FATF基準の実施に関する我々の3月のコミットメントを再確認し、2018年10月に、この基準がどのように暗号資産に適用されるか明確にすることをFATFに求める。

  11.  我々は、世界規模で公正、持続可能、かつ、現代的な国際課税制度を支持する。我々は、「税源浸食と利益移転」パッケージの世界的な実施の重要性を再確認する。我々は、経済の電子化が国際課税制度にもたらす影響に対処するための、合意に基づいた解決策を、2019年に進捗状況を報告の上、2020年までに追求すべく共に取り組むことに引き続きコミットする。我々は、全ての法域に対し多国間税務行政執行共助条約への署名及び批准を求める。2018 年中に税に関する 金融口座情報の自動的交換を開始する予定の法域は、必要なすべての措置が期限内に講じられるよう確保すべきである。我々は、国際的に合意された税の透明性基準を満足に実施していない法域を特定するためのOECDの強化された基準を支持する。リストに載った法域に対しては、防御的措置が検討される。我々は税の安定性、及び「税に関する協働のためのプラットフォーム」の傘下である世界的な「税行政に関する知見共有プラットフォーム」などを通じた税に関する能力構築支援の向上を支持し、ブエノスアイレスにおける「ラテンアメリカ租税犯罪捜査アカデミー」を歓迎する。

  12.  持続可能な資金の動員及び金融包摂の強化は、世界の成長にとって重要である。我々は、持続可能な民間資本の展開を支援するための自発的な選択肢を提示する「G20サステナブル・ファイナンス統合レポート2018」を歓迎する。我々はまた、個々の国の状況を考慮しつつ、デジタル金融サービスを促進するための自発的な政策勧告を提供する「デジタル化とインフォーマリティに係る金融包摂のポリシーガイド」を支持する。金融包摂のためのグローバル・パートナーシップ(GPFI)を通じ、金融包摂の向上に重要な進展が見られてきたが、我々は、GPFIが経済成長、金融の安定及び格差の縮小を引き続き支えていくため、その作業計画及び体制を合理化することを求める。

  13.  テロ資金供与、マネーロンダリング及び大量破壊兵器拡散資金供与との我々の闘いは続いている。我々は、FATF基準の完全、効果的、かつ、迅速な履行を求める。我々はFATFに対し、大量破壊兵器拡散資金供与対策の取組の更なる強化を求める。我々はテロリスト集団を支える金融網を撲滅するため、個別及び共同の取り組みをさらに進めることにコミットする。

(以 上)