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日EU財務金融ハイレベル協議(仮訳)(2003年11月19日、ブラッセル)

(プレスリリース)

日EU財務金融ハイレベル協議(仮訳)

2003年11月19日、ブラッセル



 例年の日EU財務金融ハイレベル協議が、2003年11月19日、ブラッセルで開催された。欧州委員会からはレグリング経済財務総局長及びシャウブ域内市場総局長が、日本側からは溝口財務官が共同議長を務めた。金融庁細見参事官が双方の担当者とともに出席した。

 全体的に深まるEUと日本の関係を背景に、日EU行動計画の枠組みの下で、建設的で友好的な雰囲気の中で、日本及びEUのマクロ経済動向、金融サービス分野における規制・監督の問題、国際分野における双方の共通関心事項について、幅広い意見交換が行われた。

 グローバリゼーションや知識主導型経済、経済成長の促進や金融市場におけるコンフィデンスの拡大といった共通の課題を念頭に置きながら、両者は政策対応に多くの類似性を見出し、日EU財務金融ハイレベル協議への取組を再確認した。

 マクロ経済のセッションにおいては、2003年上半期におけるEUの成長の停滞について留意されたが、EU側は、足下において経済活動に好転の兆しがあることを強調した。回復は、マインドの改善や低金利、金融状況の改善、国際環境の改善に支えられている。金融政策のスタンスと財政政策の動向についても議論された。

 日本側は、本年上半期に緩やかに改善している経済状況が、民間設備投資の強い回復に支えられているとの説明を行った。日本側は、金融・企業分野の構造改革の進展が企業のコンフィデンスの回復にプラスに貢献していることを強調した。また、長引くデフレと財政政策への取組についても議論された。

 両者は、勢いと回復力を増している現在の世界経済の回復の見通しを含む、世界的な問題についても意見交換を行った。

 両者は、日本の金融及び企業部門におけるリストラの進展、EU拡大の経済・金融・法制上の影響についても、情報・意見交換を行った。

 金融サービスセッションにおいては、EU側は、EU金融サービス行動計画の最新の動向について説明し、経済状況の悪化にもかかわらず、計画どおり法制上の措置の採用に向けた進展は維持されていることを説明した。欧州理事会と欧州議会は、欧州議会の選挙に先立ち、2004年4月までに行動計画の残された措置を決定する必要があり、2005年までの行動計画の実施はいまなお目標となっている。

 日本側は、金融サービス分野における最近の動向を含む、日本における金融分野の改革の進展について説明した。

 両者は、コーポレートガバナンス、会計監査問題、新バーゼル協定に関する問題等の国際的な共通の関心事項についても意見交換した。

 両者は、既存の枠組みにおける金融サービス分野の当局間のインフォーマルな対話に取り組むことを再確認した。


以 上
   

[英文]