報道発表
令和元年9月25日
財務省
令和元年上半期の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況
不正薬物の押収量が上半期で1 . 5トン超え
財務省は、令和元年上半期(平成31年1月から令和元年6月まで)に全国の税関が空港や港湾等において、不正薬物の密輸入その他の関税法違反事件を取り締まった実績をまとめましたのでお知らせします。
1.不正薬物の事犯
不正薬物*1全体の摘発件数は571件(前年同期比41%増)、押収量*2は約1,581kg(前年同期比約 2.7倍)となった。押収量は、上半期で既に1.5トンを超え、特に覚醒剤は史上初めて“4年連続の1トン超え”が確実となる大量摘発となった。この様に、我が国への不正薬物の流入は引き続き拡大傾向にあり、極めて深刻な状況となっている。
*1 覚醒剤、大麻、あへん、麻薬(ヘロイン、コカイン、MDMA等)、向精神薬及び指定薬物をいう。
*2 錠剤型薬物を除く。
〔覚醒剤事犯〕
摘発件数は207件(前年同期比約3倍)、押収量は約1,460kg*3(前年同期比約2.8倍)となり、摘発件数・押収量ともに増加傾向が続いている。
*3 薬物乱用者の通常使用量で約4,867万回分、末端価格にして約876億円に相当。
- “大口事犯の摘発及び航空機旅客等の摘発が大幅増加”
1回の押収量としては過去最高となる洋上取引での約1トンの摘発のほか、航空機旅客の摘発件数103件(前年同期比約2.9倍)、押収量約218kg(前年同期比約3倍)、航空貨物等の摘発件数55件(前年同期比約9.2倍)、押収量約122 kg(前年同期比約22倍)等、大幅な増加となった。
〔大麻事犯〕
摘発件数は137件(前年同期比43%増)、押収量は約53kg(前年同期比6%増)と、摘発件数は約1.5倍となったものの、押収量はわずかな増加にとどまった。
- “大麻樹脂等*4の増加顕著”
大麻草の摘発件数が横ばいで推移する中、大麻樹脂等の摘発件数は75件(前年同期比約2.8倍)、押収量は約15kg(前年同期比約2倍)と増加が顕著となった。特に、大麻リキッド、大麻菓子等の摘発が相次いだ。
*4 大麻樹脂のほか、大麻リキッド・大麻菓子等の大麻製品を含む。
〔麻薬*5事犯及び指定薬物*6事犯〕
麻薬事犯については、摘発件数は135件(前年同期比27%増)、押収量は約55kg(前年同期比約2.9倍)と、摘発件数・押収量ともに増加した。
一方で、指定薬物事犯については、摘発件数は86件(前年同期比21%減)、押収量は約12kg(前年同期比6%減)と、摘発件数・押収量ともに減少した。
*5 ヘロイン、コカイン、MDMA等の薬物。
*6 医薬品医療機器等法第2条第15項に基づき厚生労働大臣が指定する薬物(いわゆる「危険ドラッグ」。)。
2.金地金の密輸入事犯
摘発件数は9件(前年同期比99%減)、押収量は約146kg(前年同期比92%減)と、摘発件数・押収量ともに大幅に減少した。
3.知的財産侵害事犯
商標権を侵害するオリンピック記念メダル等の密輸入事犯7件を告発した。
4.ワシントン条約該当事犯
カワウソ、爬虫類等の密輸入事犯6件を告発した。
5.不正輸出事犯
盗難中古重機等の密輸出事犯3件を告発した。
6.その他の事犯
偽造商品券、偽造クレジットカード等の密輸入を告発した。
【参考資料】
問い合わせ先
財務省関税局調査課 代表03-3581-4111
(内線) 5389