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令和元年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況(令和2年2月12日)詳細

1.不正薬物等

不正薬物全体の摘発件数は1,046件(前年比20%増)、押収量は約3,318kg(前年比2.2倍)と、史上初めて3トンを超えた。

不正薬物の摘発件数と押収量の推移
グラフ不正薬物の摘発件数と押収量の推移)

(注)その他とは、あへん、麻薬(ヘロイン、コカイン、MDMA 等)、向精神薬及び指定薬物をいう。なお、指定薬物は平成27 年4月に「輸入してはならない貨物」に追加された。令和元年の数値は速報値。

(1)覚醒剤

  • 覚醒剤の摘発件数は、425件(前年比約2.5倍)と大幅に増加し、過去最高を記録した。 覚醒剤の押収量も、約2,570kg(前年比約2.2倍)と大幅に増加し、史上初めて2.5トンを超えるとともに4年連続1トン超えとなった。さらに、洋上取引2件で計約1.6トンに上り、押収量全体の約半数以上を占めた。

  • 覚醒剤の押収量は、不正薬物全体の約8割を占め、我が国への覚醒剤の流入が特に深刻な状況となっている。

  • 押収した覚醒剤は、薬物乱用者の通常使用量で約8,566万回分、末端価格にして約1,542億円に相当する。

◆主な摘発事例

[事例1]洋上取引(過去最高の押収量)

鳥島南西方沖において洋上取引された覚醒剤約1トンを静岡県賀茂郡南伊豆町の海岸において摘発

(令和元年6月・東京税関等)

事例1

[事例2]洋上取引(過去3番目の押収量)

東シナ海において洋上取引された覚醒剤約587kgを熊本県天草市魚貫おにき町の港において摘発

(令和元年12月・門司税関等)

事例2


  • 密輸形態別

    全体の摘発件数の約半数以上を航空機旅客が占めた。航空機旅客の摘発件数は前年比約2.5倍、押収量は同比約2.6倍と大幅増加となった。

    商業貨物のうち、特に航空貨物の摘発件数は前年比約8.2倍、押収量は同比約14倍と著しく増加した。

    国際郵便物の摘発件数は前年比63%増、押収量は同比約3.7倍と増加した。

    船員等(洋上取引等を含む。)の押収量は、前年比約11万倍と著しく増加した。

密輸形態別の摘発件数・押収量の推移
グラフ(密輸形態別の摘発件数・押収量の推移)

(注)航空機旅客には、航空機乗組員を含み、船員等には、洋上取引、船舶旅客を含む。

航空貨物には、航空での別送品を含み、海上貨物には、海上での別送品を含む。

◆密輸形態別摘発事例

[事例3]航空機旅客

マレーシアから那覇空港に到着したポーランド人女性の携帯品(サンダル)に隠匿された覚醒剤約0.9kgを摘発

(令和元年10月・沖縄地区税関)

事例3

[事例4]航空貨物

アメリカから到着した国際宅配貨物(自動車用マフラー)に隠匿された覚醒剤約1.6kgを摘発

(令和元年5月・大阪税関)

事例4

[事例5]海上貨物

メキシコから中国を経由して到着した海上貨物 (船舶用減速機)に隠匿された覚醒剤約43kgを摘発

(令和元年5月・東京税関)

事例5


  • 密輸仕出地別

    摘発件数ではアジアが48%と半数近くを占める。これに次ぐ北米と欧州の3地域で全体の約8割を占める。

    押収量では、アジアが11%、北米地域が13%、その他が62%を占める。その他が62%を占めるのは、鳥島南西方沖において洋上取引された約1トン及び東シナ海において洋上取引された約587kgの仕出地が不明であるためである。

    アジア地域では、特にタイ、マレーシアの摘発件数が顕著な増加となった。

覚醒剤・仕出地域別件数
円グラフ(覚醒剤・仕出地域別件数)
覚醒剤・仕出地域別押収量
円グラフ(覚醒剤・仕出地域別件数)

(2)大麻

  • 大麻の摘発件数は241件(前年比11%増)と僅かに増加した一方、押収量は約78kg(前年比50%減)と半減した。なお、摘発件数については、2年連続200件超えとなり、平成27年から倍増した。

  • 大麻のうち、大麻草の摘発件数・押収量は減少した。

    一方で、大麻樹脂等(大麻樹脂のほか、大麻リキッド・大麻菓子等の大麻製品を含む。)は、摘発件数(131件(前年比46%増))、押収量(約17kg(前年比31%増))ともに増加した。

摘発件数と押収量の推移
グラフ(摘発件数と押収量の推移)

[事例6]

アメリカから韓国を経由して福岡空港に到着した日本人男性が体内に飲み込んで隠匿した液状の大麻約85gを摘発

(令和元年11月・門司税関)

事例6※写真は、飲み込んだ液状の大麻

[事例7]

フランス等から到着した国際郵便物に隠匿された大麻合計2件・約168gを摘発

(平成31年4月及び令和元年5月・横浜税関)

事例7


(3)麻薬

  • 麻薬(ヘロイン、コカイン、MDMA等)の摘発件数は209件(前年比7%減)と僅かに減少したものの、押収量は約656kg(前年比約4.1倍)と大幅に増加した。

  • コカインの摘発件数は52件(前年比10%減)と僅かに減少したものの、押収量は約638kg(前年比約4.2倍)と大幅に増加した。

  • MDMAの摘発件数は67件(前年比14%増)、押収量は約6万1千錠(前年比91%増)と摘発件数・押収量ともに増加した。

[事例8]外国貿易船(コカインで過去2番目の押収量)

三河港(豊橋)に入港した外国貿易船の船底にある海水取入口に隠匿されたコカイン約178kgを摘発

(令和元年8月・名古屋税関)

事例8

[事例9]海上貨物(コカインで過去最高の押収量)

ブラジルから到着した海上コンテナ貨物に隠匿されたコカイン約400kgを摘発

(令和元年10月・神戸税関)

事例9


2.金地金の密輸入事犯

  • 金地金*1密輸入事犯の摘発件数は61件(前年比94%減)、押収量は約319kg(前年比84%減)と、摘発件数・押収量ともに大幅に減少した。

    *1金地金には、金塊に加えて一部加工された金製品も含む。

  • 令和元年10月の消費税率引き上げ後は、摘発件数に増加傾向が見られた。

【過去10年間の摘発状況】
H22H23H24H25H26H27H28H29H30R1
摘発件数(件)151718121194658111,3471,08661
押収量(kg)9263791334492,0322,8026,2772,036319

(注)平成30年、令和元年の数値は速報値。

  • 密輸形態別では、摘発件数61件のうち、航空機旅客によるものが57件となり、全体の約9割を占めた。

  • 密輸仕出地別にみると、全てアジア地域からの密輸入であり、韓国からの摘発件数(21件)が最も多く、全体の約3割を占めた。

密輸形態別の摘発状況(R1)
密輸形態摘発件数(件)押収量(kg)
航空機旅客57161
航空貨物2132
船員等226
合計61319

(注)航空機旅客には航空機乗組員を含み、船員等には洋上取引、船舶旅客を含む。航空貨物には、航空での別送品を含む。

密輸仕出地別の摘発件数(R1)
円グラフ

[事例1航空機旅客による密輸入事犯(消費税率引き上げ後初)

令和元年10月、韓国から福岡空港に到着した韓国人男性が使用する手荷物カート内に隠匿された金地金約9.5kgを摘発し、その後の調査により、同人を関税法違反で告発した。

(令和元年10月・門司税関)

写真(手荷物カートに隠匿された金地金1)

写真(手荷物カートに隠匿された金地金2)
写真(隠匿された金地金約9.5kg)

[事例2航空機旅客による密輸入事犯(未遂・既遂)

平成27年8月、マレーシアから台湾を経由して成田国際空港に到着した日本人女性の着用中ブラジャー内に隠匿された金地金計約4kg(未遂)、日本人男性2名がポケット付き半袖シャツに収納し、シリコンマットを被せて隠匿した金地金計約8kg(既遂)を摘発し、本件共犯者として日本人5名を特定し、計8名を関税法違反で告発した。

また、その後の犯則調査により、同様の手口で同年6月に金地金計約20kg(既遂)を密輸入した事実を認め、日本人計9名を関税法違反で告発した。

(令和元年12月・東京税関)

写真(ブラジャー内に隠匿された金地金計約4kg)
写真(ポケット付き半袖シャツに隠匿した金地金計約8kg)

【摘発件数と押収量の推移(四半期毎)】
グラフ(摘発件数と押収量の推移(四半期毎))

3.知的財産侵害事犯等

(1)知的財産侵害事犯

  • 時計等の商標権を侵害する物品の密輸入事犯14件を告発した。

[事例1商標権を侵害する物品の密輸入事犯

香港から航空小口急送貨物により
商標権を侵害する時計20個
を密輸入しようとした日本人男性を関税法違反で告発した。

(平成31年3月・東京税関)

写真(商標権を侵害する時計20個)

[事例2商標権を侵害する物品の密輸入事犯

中国から国際郵便物により
商標権を侵害するスマートフォンケース393点
を密輸入しようとした日本人男性を関税法違反で告発した。

(令和元年8月・長崎税関)

写真(商標権を侵害するスマートフォンケース393点)

[事例3商標権を侵害する物品の密輸入事犯

中国から国際郵便物により

  • 商標権を侵害する腕時計ベルト9点
  • 商標権を侵害する腕時計ベルト及び部分品計112組

を密輸入しようとした日本人男性を関税法違反で告発した。

(令和元年11月・名古屋税関)

写真(商標権を侵害する腕時計ベルト9点・商標権を侵害する腕時計ベルト及び部分品計112組)

(2)ワシントン条約該当事犯

  • サル、カワウソ等の密輸入事犯7件を告発した。

[事例4サル等の密輸入事犯

タイから航空機により
ガラゴ科ショウガラゴ属のサル等計10匹
等を密輸入しようとした日本人男性を関税法違反で告発した。

(令和元年6月・東京税関)

写真(ガラゴ科ショウガラゴ属のサル)
ガラゴ科ショウガラゴ属のサル
※同サルは希少種

写真(コモンマーモセット)
コモンマーモセット

[事例5カワウソの密輸入事犯

タイから航空機により
コツメカワウソ2匹
を密輸入しようとした日本人男性を関税法違反で告発した。

(令和元年12月・大阪税関)

写真(コツメカワウソ1) 写真(コツメカワウソ2)

(3)不正輸出事犯

  • 牛の受精卵や北朝鮮へ向けた家具等の密輸出事犯7件を告発した。

[事例6牛の受精卵等不正輸出事犯

中国へ外国貿易船により

  • 牛の精液を注入したストロー130本
  • 牛の受精卵を注入したストロー235本

を不正に輸出した日本人男性計3名を関税法違反で告発した。

(平成31年3月及び4月・大阪税関)

[事例7北朝鮮向け不正輸出事犯

最終仕向地が北朝鮮であるにもかかわらず、香港向けと偽り
家具・ガスコンロ・電気洗濯機等620パッケージ
を不正に輸出した日本人男性を関税法違反で告発した。

(令和元年8月・大阪税関)

 

(4)その他の事犯

  • 動物の肉等の密輸入事犯を告発した。

[事例8動物の肉の密輸入事犯

フィリピンから航空機により

  • 偶蹄類を含む動物の肉を原料とするソーセージ83.7kg
  • 偶蹄類の動物の肉8.2kg

を密輸入しようとした日本人男性2名を関税法違反で告発した。

(令和元年8月・門司税関)

写真(偶蹄類を含む動物の肉を原料とするソーセージ約83.7kg)

[事例9偽造クレジットカード等の原料となるべき
カードの密輸入事犯

マレーシアからタイを経由して航空機により
偽造クレジットカード等の原料となるべきカード750枚
を密輸入しようとした台湾人男性を関税法違反で告発した。

(平成31年2月・門司税関)

写真(偽造クレジットカード等の原料となるべきカード750枚)