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全国財務局長会議大臣挨拶(要旨)

平成28年8月2日

全国財務局長会議の開催に当たり、一言挨拶申し上げます。

まず、本日夕刻にも閣議決定される見込みの経済対策について申し上げます。

日本経済は、雇用・所得環境の改善など、確実にアベノミクスの成果が生まれているものの、少子高齢化や潜在成長力の低迷といった構造的な要因も背景となって、個人消費や民間投資は力強さを欠いた状況にあります。

また、新興国経済の陰り、さらには英国のEU離脱等、日本経済をとりまく外的環境にも変調が見られ、成長の減速リスクも懸念されるところです。

こうした中で、デフレから完全に脱却し、しっかりとした成長に道筋をつけるため、安倍総理大臣の指示を踏まえ、総合的かつ大胆な経済対策を取りまとめているところです。 

対策にあたっての考え方をいくつか申し上げれば、まず、「金融政策・財政政策・構造改革の一体的な活用」という視点です。日本銀行とも連携しつつ、金融政策、財政政策、構造改革を総動員してアベノミクスを一層加速することが必要です。また、関連して、低金利状況の積極的な活用も重要です。

次に、「中長期的な成長を見据えた構造改革」という視点です。潜在成長率を向上させる上でも重要となる、働き方改革をはじめ、社会保障・地方行財政・税制等の構造改革についても、確実に取り組んでいく必要があります。

最後に、対策の名称にも入る見込みですが、「未来への投資」という視点です。当面の需要喚起にとどまらず、民需主導の持続的な成長などにつながる施策への重点化が重要と考えます。

政府としては、今回とりまとめられる対策も踏まえ、引き続き、デフレ脱却と経済成長の実現に向けて、日本銀行とも緊密に連携しつつ、金融政策、財政政策、構造改革を総動員し、一体となって取り組んでまいります。

対策の策定に当たり、2020年度の財政健全化目標は堅持することとされております。日本への国際的な信認を確保し、社会保障を次世代に引き渡していく責任を果たすため、財政健全化の旗を降ろすことなく、引き続き、2020年度のプライマリーバランス黒字化に向け、経済再生を進めながら、歳出改革を聖域なく着実に実行してまいります。

歳入改革につきましては、「骨太方針2016」において「経済社会の構造変化を踏まえた税制の構造的な見直し」について、「政府税制調査会が取りまとめたこれまでの論点整理に沿って、同調査会における更なる議論も踏まえつつ」行うこととなっており、引き続き対応を進めてまいります。

地域経済につきましては、各財務局からの管内経済情勢等の報告を踏まえ、本年7月の全局総括判断を「弱さがみられるものの、緩やかに回復している」とし、前回から判断を据え置いています。

各財務局においては、引き続き、国際金融資本市場の変動や、経済対策の効果も注視しつつ、地域の経済状況を、きめ細かく把握するとともに、地域の経済界等との意見交換や国の施策の説明をしっかりと行い、地域経済の発展及び地方創生に貢献するため、全力を尽くしてもらいたいと思います。

国有財産行政に関しては、「一億総活躍社会」の実現に向けて、介護施設や保育施設の整備などにおいて国有地の活用に取り組んでいただいているところです。引き続き、地方公共団体と連携し、国有地の有効活用に積極的に取り組んで頂くようお願いします。

金融行政については、本事務年度において、三つの課題に重点的に取り組んでいきます。

これまで、検査・監督のあり方を見直してきましたが、いわゆる「金融処分庁」から「金融育成庁」への転換を徹底し、定着させるため、新しい検査・監督の考え方や手法を整理し、財務局等とも共有していきます。

また、地域経済の発展のため、企業の生産性向上につながるコンサルティングや融資などの地域金融機関による取組みを促進していきます。こうした取組みは、企業価値の向上を通じた地域経済の発展につながり、結果として、地域金融機関自身の経営の持続可能性を確保することにも寄与すると考えています。

さらに、国民の安定的な資産形成が重要な課題となっていることから、少額からの積立・分散投資を通じた資産形成を政策的に後押ししていきます。金融機関に対しては、顧客の安定的な資産形成に資する良質な商品・サービスの提供を促していきます。良質な商品等を提供することは、将来の顧客基盤・収益基盤の拡大を通じ、金融機関自身の安定性・安全性にも貢献すると考えています。

各財務局長におかれましても、これらの課題に関する認識を共有し、企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大が実現するよう、取り組んでいただきたいと思います。

以上のお願いを申し上げて、私の挨拶とさせて頂きます。