財務省財務局60年史 【第3章 管財編】

第5節 徴収・訟務事務


1.徴収事務

  • (1)電子計算機による事務処理(歳入金)

    債権管理事務及び歳入徴収事務については、昭和63年度までに会計センターの官庁会計事務データ通信システム[通称ADAMS(アダムス)]に移行され、機械化による省力化が図られてきたところであるが、平成21年1月から後継の新システムである官庁会計システム[通称ADAMSローマ数字2(アダムスローマ数字2)]へ移行されたところである。

    新システムへの移行に伴い、それまでの独立端末機での操作から各担当者のクライアントパソコンを使用する操作へと変更され、システムの利用効率が大幅に改善された。

  • (2)電子計算機による事務処理(保管金)

    保管金の受払い及びそれに伴う帳票類の記帳管理について、平成18年7月から電子入札システム(徴収担当ではシステムのうちの出納官吏機能で入出力)が導入され、入札保証金と契約保証金のすべてが当該システムによって出納管理されることとなった。

  • (3)入札保証金に係る銀行振込方式の実施

    平成13年度からの郵送による期間入札の実施に伴い、入札者が納付する入札保証金について、財務局長等が指定する金融機関の預金口座への振込による提出が可能となったものであり、この銀行振込方式は期間入札を円滑に実施していくうえで必要不可欠なものとなっている。

  • (4)契約保証金に係る銀行振込方式の導入

    平成20年11月13日規制改革推進本部において、全国規模の規制改革要望に対する政府の対応方針が決定され、この中で「国有地売却の代金等については、契約保証金も入札保証金と同様、振込による納付ができるようにする。これにより、売買代金等のすべてについて、振込による納付が実現する。」こととされ、所要の通達等整備のうえ平成21年度上半期中に導入されることとなった。

  • (5)収納未済債権の処理

    収納未済債権については、従来から鋭意回収に努めてきたところであるが、平成17年度からは、物件貸付料債権について法的措置も視野に入れる方針のもと、訟務担当及び法務局の協力も得ながら、より一層積極的な債権回収に努めているところである。(平成16年度以降における管財関係歳入実績年度別推移は以下のとおり。)

    【管財関係歳入実績年度別推移】

    (単位:件、千円)

    区分

    年度

    徴収決定済額収納済額不納欠損額収納未済額
    件数件数件数件数
    金額金額金額金額
    16289,974251,56410138,309
    427,789,259423,077,62169,2834,642,356
    17286,807249,25041637,141
    342,687,259338,071,17335,9984,580,088
    18284,302247,72597335,604
    263,821,587259,425,154205,8604,190,574
    19288,576255,04392432,609
    289,111,169285,300,213107,9573,702,999
    20196,007168,41954527,043
    159,943,652155,468,33792,0314,383,284

    (注)単位未満四捨五入のため、金額欄は一致しない場合もある。

2.訟務事務

  • (1)収納未済債権の法的措置に係る処理体制の強化

    貸付料債権に係る収納未済事案の解消を図ることを目的として、平成17年6月、財務省理財局より、債務者が滞納したとき、支払意思がない場合は、原則として契約解除すべきであり、支払意思がある場合でも、延滞した債権の返済を受けるに当たっては、債権管理上、一括返済が原則であるとする基本的な考え方が示された。これにより、債務者と折衝するに当たっては、最終的には訴訟等法的措置を採ることを念頭においた対応を行うことが基本スタンスとなった。

    平成17年度以降、財務省として収納未済債権の解決に向けた取組みを「国有財産行政に関する重要課題」と位置付け、各財務局で体制強化を図るとともに管轄法務局との連携を密にして、貸付財産に係る訴訟等法的措置を積極的に行って処理促進を図っているものである。

    関東財務局においては、平成17年11月、訟務課内に収納未済事案処理PT(上席専門調査員2名、国有財産訟務官3名及び専門調査員1名)を設置し、法的措置等による債権回収の処理促進を図ることとした。他の財務局等でも、平成18年に近畿財務局では訟務室から訟務課に組織変更、平成19年に福岡財務支局では訟務室が設置されるなど各財務局の体制強化が図られている。

  • (2)近年における訴訟等事件の特色

    国を被告とする瑕疵(地下埋設物又は土壌汚染等)担保責任に基づく損害賠償請求事件及び物納者に対する地下埋設物撤去費用等請求事件が発生している。訴訟にまで発展する事案は少ないものの、今後とも法的措置による解決が求められる同訴訟事件の増加が見込まれる。

    また、国が原告となる貸付契約の解除に伴う建物収去(又は明渡)土地明渡請求事件及び明渡しに応じない者に対する強制執行申立事件も増加してきている。

  • (3)法務省検事による法律問題検討会等の活用

    平成18年6月以降、法務省大臣官房財産訟務管理官付検事による「法律的な問題テーマ」の講演を拝聴するほか国有財産の管理処分上の法律問題の討議を内容とする法律問題検討会が全国財務局で開催され、積極的な意見交換を行うとともに管轄法務局との良好な関係形成に努めている。また、平成18年度以降は、法務省・法務局による「法律意見照会制度」を積極的に活用して、法律問題の適切な解決及び訟務事務の円滑な事務処理に資するよう努めている。


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