財務省財務局60年史 【第3章 管財編】

第4節 普通財産事務


1.売却促進

バブル経済崩壊以降、地価の下落や土地取引の停滞等を背景として、多くの不動産が相続税物納され、平成11年度末の未利用地のストックは約15,000件となったことから、未利用地の売却が喫緊の課題となり、平成12年度以降、既存ストックを全件入札に付すとともに、物納財産は引受け後1年以内に入札に付すための計画を策定し、新規発生以外の誤信使用財産の処理等、不急と判断された業務については、処理を留保し入札業務に傾注した。また、売却促進するため、最低売却価格を公示した入札等の新たな売却手法を導入した。

  • (1)多様な売却手法等の導入

    • イ.期間入札(郵送による入札)

      平成11年度に、入札を行うにあたって一定の期間を設け、当該期間内に入札書を財務局長宛に郵送することによって入札に参加する制度(期間入札)を導入した。

    • ロ.インターネットの活用による売却情報の公開

      平成10年度以降、各財務局等において、入札等対象物件及び今後売却を予定している物件の情報をホームページに掲載した。

      以降、物件調書(図面を含む)、現地写真等を閲覧できるようにする等、掲載内容を充実させている。

    • ハ.処分型土地信託の導入

      • (イ)概要

        平成14年度には、現状のままでの売却が難しい未利用国有地について、分筆、造成工事、ライフライン整備、あるいは隣接民有地との交換分合等により付加価値を高めて処分する処分型土地信託を導入した。

        この処分型土地信託は、一件の契約で大量の土地を一つのロットとして信託することに特徴がある。

      • (ロ)処分型(未利用地)土地信託の仕組み

        処分型(未利用地)土地信託の仕組みのイメージ
        • マル1マル2 委託者である国が、受託者である信託銀行等と信託契約を締結する。

          土地の所有権は受託者に移転し、国は信託受益権を取得する。

        • マル3  受託者は、土木建築業者等に対し造成工事等の工事を発注する。

        • マル4マル5 受託者は、造成費等の必要資金の借入れを行い、土木建築業者等に対し造成工事費等を支払う。

        • マル6マル7 受託者は、造成等の行われた信託財産を売却し、代金を受領する。

        • マル8  売却代金の中から報酬、諸経費、借入金を返済する。

        • マル9  受託者は、残りの差額を、信託配当として委託者である国に対し交付する。

        • マル10  信託期間が終了した時点で、財産が残れば国に引き渡す。

      • (ハ)実施状況

        処分型土地信託の実施件数

        (単位:件、ha)

        実施財務局契約年度件数面積
        関東財務局平成14年度30945
        平成15年度28041
        平成16年度30841
        平成17年度15312
        平成18年度4611
        近畿財務局平成16年度7216
         
        累計1,168165

        (注)単位未満四捨五入のため、内訳と累計は必ずしも一致しない。

    • 二.最低売却価格を公表した入札

      平成14年度には、国有地の入札に個人や中小企業の購入希望者が応募しやすい環境を整備することにより、入札参加者の拡大を促し、未利用国有地の更なる売却促進を図るため、相続税物納不動産について、新たに最低売却価格を公表した入札制度を導入した。

      • (注)本制度の導入により、平成6年度に導入した価格公示売却制度は廃止した。

    • ホ.電子入札の導入

      平成18年度には、応札者が自宅や事務所からインターネットを利用して入札できる電子入札を導入した。

    • へ.売却を円滑にするための交換制度

      平成18年度には、接面道路が建築基準法の基準に満たないものや不整形地等売りにくい国有地、借地契約の対象となっている国有地を売りやすくするために、隣接地と国有地の一部を交換して進入路の確保や土地の整形化を行うこと、借地権と底地である国有地の一部を交換して国有地部分の借地権を消滅させるといった交換制度を導入した。

  • (2)権利付財産の売却

    物納が急増した平成5年度以降、権利付財産(貸付財産)の引受件数は毎年1,000件を超え、貸付財産のストックが累増した。このため、平成16年度以降、全借地権者に対し、おおむねの価格(取得目安額)及び延納制度を活用した場合の支払額を記載した文書を送付する「新たな貸付財産の買受勧奨」を実施し売却促進に取り組んだ結果、平成16年度から平成19年度に約9,000件を売却したが、近年の権利付財産の引受の増加もあり、平成19年度末のストック件数は30,000件を超えており売却促進の継続が必要となっている。

    なお、平成21年度以降、底地の信託・一般競争入札等の更なる処分促進策の実施を予定している。

2.資産・債務改革への対応

平成17年から、経済財政諮問会議において、政府資産・債務の規模や管理の在り方について議論が行われてきたが、平成18年の経済財政諮問会議の具体的な取組みに、歳出歳入一体改革の一つとして、資産・債務改革が盛り込まれた。

こうした議論を受け、行政改革推進法(平成18年法律第47号)が制定され、売却が可能と認められる国有財産の売却を促進するとされており、不要になった庁舎及び宿舎の跡地、物納財産等について積極的に売却促進を図っている。また、平成18年7月閣議決定された「骨太の方針2006」において、国有地の売却収入の目安として、平成18年度から27年度の10年間で約3.6兆円(未利用国有地等の売却2.1兆円、庁舎・宿舎跡地の売却1.5兆円)を見込んでいる。

特に、移転・再配置計画の実施によって生じる跡地については、売却収入による財政収入への貢献だけでなく、跡地活用による地域活性化、行政効率化の改善などの効果も期待できるところである。

  • (1)効率性を重視した未利用国有地等の管理処分通達

    • イ.背景

      平成18年1月18日財政制度等審議会において「今後の国有財産の制度及び管理処分のあり方について」が検討され、改革の具体的方策として効率性の向上を図るための手続等の面における透明性及び公平性を確保するため、

      • (イ)未利用国有地の売却手続の明確化

      • (ロ)優遇措置の運用の見直し

      • (ハ)機会費用の算定及び公表

      • (ニ)情報提供の拡充

      について答申がなされた。

    • ロ.「効率性を重視した未利用国有地等の管理処分について」通達

      前述イ.の財政制度等審議会答申「今後の国有財産の制度及び管理処分のあり方について」を受け、平成18年3月17日付財理第1044号「効率性を重視した未利用国有地等の管理処分について」通達(以下「効率性通達」という。)が発出され、主な内容は次のとおり。

      • (イ)基本方針

        未利用国有地等の処分等に当たっては、公用・公共用利用優先の考え方を原則としつつ、効率性の向上を図る観点から、より速やかに、かつ、透明で公平な手続きに従って行うこととする。

        また、補助金的な性格を有する優遇措置については、国の財政事情の悪化、対象施設の相当程度の整備及び未利用国有地等の地域的な偏在による受益面での不公平性を考慮し、運用を見直すこととする。更に、未利用国有地等の処分等までの間、民間等による暫定活用を積極的に推進するとともに、地方公共団体等への処分等を実行するまでの間の機会費用を公表し、処分等促進及び暫定活用の推進を図るものとする。

        なお、これらの手続き、財産の状況等に関する情報提供を積極的に行うものとする。

      • (ロ)未利用国有地等の売却手続の明確化

        • A.情報提供の方法

          • (A)財務局等ホームページへの掲載

            未利用国有地等の所在地、区分(種目等)、数量、都市計画上の制限、処分等相手方、処分予定時期及び図面等の情報を速やかに財務局等ホームページに掲載するものとする。

          • (B)地方公共団体に対する文書による周知等

            財務局等ホームページへの掲載を開始した日と同日に、当該未利用国有地等が所在する地方公共団体に対して、その所在地、区分(種目等)、数量及び図面等の情報を記載した文書を送付し、取得等要望の有無を確認するものとする。

        • B.地方公共団体等に対する処分等手続

          • (A)取得等要望等の受付

            • a.受付期間

              地方公共団体への文書送付日から起算して3か月間とする。

            • b.取得等要望書及び地域の整備計画等に関する意見書の受理

            • c.取得等要望の周知

              要望書を受理した未利用国有地等については、速やかに財務局等ホームページにおいて、地方公共団体等からの取得等要望があり、その適否について審査中であるため、一般競争入札を留保する旨を掲載する。

          • (B)財務局等の審査

            • a.審査期間

              取得等要望書については、原則として受付期間終了後2か月以内に、次の審査項目に基づいて審査を行い、処分等相手方の決定等を終えるものとする。

            • b.審査項目

              • (a)事業の必要性

              • (b)事業の緊急性

              • (c)事業の実現性

              • (d)利用計画の妥当性

              • (e)都市部所在財産に関する留意事項

                都市部に所在する未利用国有地等については、特に残り少ない国民の貴重な資産であることから、防災上の向上や都市環境の改善に資するような公園等のオープンスペースなど、より広範に便益を享受できる公共性の高い用途に活用されるべきであり、これらの観点に留意しつつ、総合的に審査する。

            • c.複数の取得等要望書が提出された場合の取扱い

              • (a)同一の未利用国有地等に対して複数の地方公共団体等から取得等要望書を受理した場合は、個々に審査を行い、特に、利用計画の妥当性については、慎重に確認するものとする。

              • (b)処分等相手方を決定できない場合は、国有財産地方審議会にマル1いずれの者に処分等することが適当であるかについて諮問するものとし、マル2処分等相手方を決定することができない場合(マル1によっても決定することができない場合を含む。)には、処分等価格が国にとってより有利な者を相手方として決定することについて諮問するものとする。

            • d.処分等相手方への決定通知等

              審査等を経て、処分等相手方を決定した場合は、速やかに文書により取得等要望者に通知するとともに、当該審査結果を財務局等ホームページにより公表するものとする。

          • (C)契約締結期限

            処分等相手方として決定した地方公共団体等と契約を締結する期限は、決定通知送付の日から起算して原則として2年以内を限度とする。

          • (D)契約締結期限までの暫定活用

            未利用国有地等の国の維持管理費を軽減する観点から、決定した処分等相手方に対して、契約締結期限までの間、一時貸付又は管理委託するよう折衝するものとする。

        • C.取得等要望書の提出がなされなかった財産等の取扱い

          受付期間内に取得等要望書の提出がなかった財産及び契約締結期限までに契約がなされない財産は、原則として、速やかに一般競争入札により売払いするものとする。

        • D.財務局長等の判断により処分等の方針決定を留保した財産の取扱い

          個別の事情を考慮したうえで、可能な限り、前述A及びBの規定に準じた取扱いを行うものとする。

      • (ハ)処分等を行うまでの間の暫定活用の促進

        • A.暫定活用形態

          暫定活用の形態については、民間への一時貸付を推進することを基本とし、地方公共団体等から管理の受託要望があった場合においては、その内容を十分審査し管理委託を行うものとする。

        • B.一時貸付の取扱い

          • (A)財務局等ホームページへの掲載と併せて、民間への一時貸付を推進する方針及び手続きを掲載することとし、未利用国有地等に関する情報提供を行うものとする。

          • (B)相手方の選定基準

            公平性、透明性確保の観点から、一定期間、公募により利用要望を募り、原則として一般競争入札により相手方を決定するものとする。

          • (C)貸付条件等

            貸付料その他の取扱いは、平成13年3月30日付財理第1308号「普通財産貸付事務処理要領」通達に定めるところによるものとする。

        • C.管理委託の取扱い

          原則として、昭和48年10月23日付蔵理第4676号「普通財産の管理を委託する場合の取扱いについて」通達の規定により管理を委託するものとする。

      • (ニ)処分等を留保した財産に関する機会費用の公表

        機会費用の算定

        • A.算定期間

          • (A)地方公共団体等へ処分等を行うものとして決定したもののうち、当該相手方に対して管理委託又は一時貸付することができなかった財産等

            処分等相手方への決定通知の日から処分等の契約締結期限までの期間とする。

          • (B)財務局長等が特に処分を留保する必要があると判断した財産

            財産を引受け等した日から処分等予定時期までの期間とする。

        • B.算定方法

          当該財産を仮に駐車場等として運営した場合の運営収支によるものとするが、財産の立地、形状、周辺の状況から勘案して駐車場運営収支によることが実情にそぐわないと認められる場合においては、草刈り等維持管理実費相当額又は一時使用を前提とした期待利回りを当該財産の相続税評価額に乗じた額とすることができる。

        • C.公表の時期及び方法

          算定後、速やかに財務局等ホームページにおいて公表するものとする。

      • (ホ)優遇措置の是正

        • A.基本方針

          国有財産を処分等する場合において、様々な法律において優遇措置が適用できることと規定されているが、こうしたもののうち、補助金的な性格を有する優遇措置については、国の財政事情が著しく悪化していること、対象施設が相当程度整備されてきていること及び未利用国有地等の地域的な偏在により受益面で不公平が生じていることを考慮し、未利用国有地等のうち以下のものについては、優遇措置を適用せず、全面積を時価売払いするものとする。

          • (A)物納財産

          • (B)国が移転経費を要した財産

        • B.留意事項

          • (A)上記以外の財産について、優遇措置を適用する場合の取扱いは、平成14年3月29日付財理第1169号「優遇措置の取扱いについて」通達(以下「優遇措置通達」という。)によるものとする。

          • (B)優遇措置通達において対象外としている以下の財産については、本通達においても対象とならないことに留意すること。

            • a.優遇措置通達記1(2)マル1の財産

            • b.優遇措置通達記4の特別な事情等に基づくもの

  • (2)類型ごとの処分方針の明確化及び売却方式の多様化

    平成19年6月の閣議決定「経済財政改革の基本方針2007」において、実物資産の類型ごとの処分方針の明確化や売却等における民間提案を活かす仕組みについて平成19年内を目途に具体化を行うこととされ、平成19年11月、「国有財産の有効活用に関する検討・フォローアップ有識者会議」において、「宿舎・庁舎の跡地の有効活用の基本方針」が取りまとめられた。

    • 【報告書のポイント】

      • イ.まちづくり・価値向上型(地区計画等活用型一般競争入札、二段階一般競争入札)

      • ロ.公用・公共用用途型(随意契約)

      • ハ.処分不利・価値向上型(信託方式)

      • ニ.一般型(価格競争型一般競争入札)

    上記報告を踏まえ、平成20年6月、まちづくりに配慮した土地利用を行いつつ、民間の企画力・知見を具体的な土地利用に反映させるため、「効率性を重視した未利用国有地等の管理処分について」通達が改正され、二段階一般競争入札、地区計画等活用型一般競争入札の具体的仕組み等が定められた。

    • (注1)二段階一般競争入札とは、土地の利用等に関する企画提案書の内容が一定の水準に達すると認められる参加者を選定した上で行う一般競争入札。

    • (注2)地区計画等活用型一般競争入札とは、地方公共団体と協議し、国有地を含む一定の区域を対象に地方公共団体が、地区計画等の都市計画決定を行った上で行う一般競争入札。

  • (3)未利用国有地等の売却促進

    未利用国有地については、平成18年3月17日付財理第1037号「未利用国有地の総点検に係る実施要領について」通達に基づき、総点検のうえ処理促進を図ってきた結果、順調に残高が減少している一方で、境界未確定の財産等の処分困難財産等の残高に占める割合が増加していることから、平成21年2月27日付財理第814号「財務省所管一般会計所属の未利用国有地等の売却促進について」通達が発出され、一層の売却促進を図ることとなった。

    【未利用国有地等の状況(一般会計)】

    ・ 一般競争入札による売却状況

    一般競争入札による売却状況のイメージ

    ・ 未利用国有地のストックの推移

    未利用国有地のストックの推移のイメージ

    主な内容は次のとおり。

    • イ.国において利用する予定の財産

      現に国利用の要望がある財産について、国の利用が確実と見込まれる場合には、原則として平成21年度中に所管換の手続きを行うこととし、処理予定時期が明示されない等処分を留保する必要性が認められないものについては、当該部局長に対し他者に処分することを通告のうえ、速やかに処分するものとする。

    • ロ.瑕疵等明示売却の取扱い

      土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第2条に規定する土地区画整理事業の施行地区内に所在し使用収益が停止されている財産、地下埋設物があるなど瑕疵のある財産等について、売却促進の観点に立ち、瑕疵等を明示することにより売却することが可能と認められるものについては、瑕疵等を補正することなく、その内容を明示のうえ売却するものとする。

      • (イ)土地区画整理事業の施行区域内に所在する財産

        事業者に事業の進捗状況を確認し、次のとおり分類するものとする。

        • A.事業が順調に進捗し比較的短期間(概ね2年)に使用収益が開始されると見込まれる財産

          原則、使用収益の開始が確実となった段階で売却を行う。

        • B.上記A.以外の財産

          原則、組合等に売却することを通知し、速やかに売却するものとする。

      • (ロ)境界未確定財産

        • A.概ね2年以内に境界確定作業が完了できると判断される財産

          速やかに境界確定作業を開始し、境界が確定され次第、売却するものとする。

        • B.筆界特定制度を活用する財産

          境界確定が困難な財産については、不動産登記法(平成16年法律第123号)第123条に規定する筆界特定を行い、筆界が特定され次第、速やかに売却するものとする。

        • C.訴訟手続等を依頼する財産

          境界の確定のため訴訟手続等を必要とするものについては、速やかに法務局長等と協議のうえ、法務局長等に訴訟手続等を依頼するものとする。

      • (ハ)地下埋設物がある財産

        現に地下埋設物が確認されている財産については、原則として、平成21年度中に試掘調査を行い、地下埋設物撤去後の売却見込額と撤去に必要な費用を勘案のうえ、売却等の対応を行う。

    • ハ.財産の特性に応じた売却促進

      • (イ)大規模等財産

        • A.大規模財産や立地、規模等からみて、入札参加者において開発計画等の検討が十分に行われる期間が必要と判断されるものについては、他の財産と区分して期日入札を活用し、十分な入札準備期間を設定するものとする。

        • B.周辺において大型開発計画等が進展又は計画され、開発にあわせて売却するほうが有利であると判断される財産については、当該計画等の実現可能性を十分検討し、処理方針、処理予定時期を明確にしたうえで、売却を留保することができるものとする。

      • (ロ)事業用定期借地権の設定による活用が見込まれる財産

        複数回入札に付しても落札に至らない財産のうち、借地借家法(平成3年法律第90号)第23条に規定する事業用定期借地権を設定する要望等が寄せられた財産又は事業用定期借地権を設定することによる活用が見込まれる財産については、当分の間、売却を留保することができるものとする。

  • (4)貸付中の財産の売却促進

    貸付中の財産については、従来から貸付料改定時等の機会を捉えて貸付相手方に対して買受勧奨を行う等、売却促進に努めてきたところであるが、現状の買受勧奨の手法では売却が進まずストックが高止まっている状況にあることから、借地権付財産のうち、構築物の敷地として使用が可能となる土地を国が完全所有するために当該借地権を取得する必要があるものについては、平成18年4月、国有財産特別措置法(昭和27年法律第219号)第9条第2項が改正され、国の所有する底地と借受人が所有する借地権との交換を行うことが認められ、これを受け、平成18年4月28日付財理第1713号「普通財産を円滑に売り払うための交換の取扱いについて」通達が発出され、交換にかかる具体的な取扱いが定められた。

    また、貸付相手方の権利に配慮しつつ、歳入の確保及び資産の圧縮を図るべく、貸付中の財産の新たな売却促進策として平成21年2月19日付財理第584号「貸付中の財産の売却促進について」通達が発出され、主な内容は次のとおり。

    借地契約中の財産を、

    • イ.権利者が法人であって貸付面積が500平方メートル超の財産(下記ニ.に属する財産を除く。)

    • ロ.権利者が法人であって貸付面積が500平方メートル以下の財産又は権利者が個人であって居住用以外の目的で使用している財産(下記ニ.に属する財産を除く。)

    • ハ.国有財産特別措置法第10条の2に規定する特定普通財産及びこれに準ずるもの(下記ニ.に属する財産を除く。)

    • ニ.その他

      • (イ)物納撤回期間中の財産(下記(ロ)を除く。)

      • (ロ)公共用、公用又は公益事業の用に供している財産

      • (ハ)貸付料改定未済又は収納未済債権がある財産

      • (ニ)境界未確定財産や相続人未確定財産等、財務局長等が買受勧奨等を行うことが不適当と認める財産

    に分類(地域の実情に応じて、その面積基準を変更すること及び財産の立地や権利者の属性・規模等を勘案し、他の分類とするができるものとする。)し、原則、買受勧奨等により権利者への売却に努めるものとし、具体的な手順を以下のとおり定めた。

    • マル1 売却財産の選定

      毎年3月末までに、翌年度一般競争入札に付す財産を選定する。

    • マル2 権利者への買受勧奨

      当該財産の平成21年4月2日以降最初に到来する貸付料改定期に、買受勧奨を行う。

    • マル3 同時売却

      権利者に対し同時売却、共同信託、借地権と底地の交換等(以下、「同時売却等」という。)を慫慂する必要があると認める場合には、上記(2)にかかわらず、買受勧奨とともに同時売却等を慫慂することができる。

      この場合、権利者から同時売却の申し出があった場合には、借地権譲渡の承認手続きを経た上で、権利者が所有する借地権を第三者に売却するのに併せて借地権の譲受人に財産の売却を行うものとする。

      • (注1)同時売却とは、権利者が所有する借地権付建物を借地権譲渡の手続きを経た上で、第三者へ売却する場合に、これと併せて、国が所有する底地を当該第三者へ売却することをいう。

      • (注2)共同信託とは、権利者が所有する借地権付建物と国が所有する底地とを信託会社へ共同で信託することをいう。

      • (注3)当該財産が所在する地域において、同時売却時に名義書換承諾料の授受の慣行があると確認される場合を除き、権利者からの名義書換承諾料は不要とする。

    • マル4 同時売却先の紹介

      権利者から同時売却先の紹介依頼があった場合には、権利者に国が行う紹介のスキームを説明し、了解を得た上で借地権売却先の紹介を希望する旨の依頼書を提出等させるものとする。

    • マル5 底地入札の実施

      マル1分類に区分した財産のうち、権利者が、買受勧奨から6か月以内に買受等の意思を示さなかった財産については、底地入札を実施する。

3.物納引受業務

物納とは、金銭で相続税を納付することが困難な場合に、相続した財産で納税することをいい、物納申請された不動産は、国が管理又は処分をすることについて適当か否かの審査が行われ、また、物納許可された不動産は、国税当局(税務署等)から財務省(財務局等)に引き継がれ普通財産として管理処分を行うこととなるが、従来の物納制度については、次のような問題点があった。

  • ・ 物納申請から許可までに長期間を要するケースがある。

  • ・ 物納の許可基準が明確でなく分かりにくい。

  • ・ 許可基準を満たすための措置(補完措置)のルールが不明確。

  • ・ 敢えて市場価値の低い相続財産から物納申請する納税者の存在。

このため、手続き等を明確化し納税者の利便性を向上するため、平成18年度の税制改正により、相続税の物納制度について、見直しが行われた。

  • (1)新たな物納制度の概要

    • イ.物納不適格財産の明確化等

      • (イ)物納不適格財産の改正

        抵当権が設定されている不動産、境界が不明確な土地等の一定の財産を物納不適格財産(管理処分不適格財産)として定め、その範囲を法令で限定する。

      • (ロ)物納劣後財産の創設

        市街化調整区域内の土地、接道条件を充足していない土地(無道路地)等の一定の財産を物納劣後財産(物納の順位が優先される他の財産がある場合には物納に充てることができない財産)として定め、その範囲を法令で限定する。

    • ロ.物納手続きの整備・明確化

      • (イ)物納手続きに必要な書類の制定

        物納財産を国が収納するために必要な書類として、物納財産の種類に応じ、一定の書類(物納手続関係書類)を法令により定めるとともに、申請者は、これらの書類を申請書に添付して提出する。

      • (ロ)物納手続きに必要な書類の補完要請規定の創設

        提出された物納手続きに必要な書類の記載に不備又は提出漏れがあった場合には、税務署長は、当該書類の補正又は提出を申請者に求める旨の通知をする。この場合において、通知後20日以内に申請者が補正又は提出をしなかったときは、物納申請を取り下げたものとみなす。

      • (ハ)収納に必要な措置命令規定の創設

        税務署長は、1年以内の期限を定めて、廃棄物の撤去その他の物納財産を収納するために必要な措置を執ることを申請者に命ずる旨の通知をする。

        この場合において、期限内に当該措置が執られなかったときは、税務署長は物納申請を却下することができる。

      • (ニ)条件付許可制度の創設

        税務署長は、物納の許可をするにあたって、物納財産の性質等に照らし必要があると認めるときは、当該許可に条件を付して通知する。

      • (ホ)物納許可の取消制度の創設

        上記(ニ)の場合において、通知後5年以内に、当該条件に従って期限を定めて一定の事項履行を求める旨の通知をしたにもかかわらず申請者から当該一定の事項の履行がないときは、税務署長は、当該物納の許可を取り消すことができる。

    • ハ.物納申請の許可に係る審査期間の制定等

      • (イ)税務署長は、当該物納申請の期限から3か月以内に、物納申請の許可又は却下を行わなければならない。ただし、物納財産が多数となるなど調査に3か月を超える期間を要すると認める場合には、審査期間を6か月以内(積雪など特別な事情によるものについては、9か月以内)とすることができる。

      • (ロ)上記(イ)の審査期間内に税務署長が物納の許可又は却下をしない場合には、当該物納の許可があったものとみなす。

    • ニ.物納申請を却下された者の延納の申請

      物納の許可を申請した者について、延納による納付が可能なことから物納申請の全部又は一部が却下された場合には、当該申請者は、当該却下の日から20日以内に、延納の申請を行うことができる。

    • ホ.物納申請を却下された者の再申請

      物納申請された物納不適格財産又は物納劣後財産に該当することにより物納申請が却下された場合において、申請者は、当該却下の日から20日以内に、一度に限り物納の再申請を行うことができる。

      上記物納制度の改正が行われたことを踏まえ、平成18年6月29日付財理第2640号「物納等不動産に関する事務取扱要領について」通達が発出され、平成18年4月1日以降発生の相続に係る物納申請不動産の取扱いを定めたところである。(平成18年3月31日以前の相続に係る物納不動産については旧制度により取り扱う。)

    • へ.特定物納制度の創設

      相続税の延納の許可を受けた後、延納が困難となった場合に、申告から10年以内の申請により、分納期限が未到来の税額について、物納の許可をすることができる。

  • (2)物納引受の現状

    新規物納引受件数は、地価の動向及び新制度への移行等の影響から、ピーク時(平成7年度)の7,032件から平成19年度は3,051件と激減している。また、売却対象となる未利用地についても、従前、権利付財産の引受件数を上回っていたが、平成17年度よりこの比率が逆転し、新規に売却に付すことが可能な財産についても大きく減少している。

4.業務委託制度

普通財産のうち相続税法等の規定により国に物納された財産、契約未済財産(誤信使用財産)等及び貸付中の財産の売払い等又は貸付けに関して、「中央省庁等改革基本法」(平成10年法律第103号)及び「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本的計画」(平成11年4月27日閣議決定)に基づき、可能な限り包括的民間委託を進め、国の事務及び事業の減量、効率化を図ることを目的として、平成11年7月1日付蔵理第2616号「普通財産の売払い等又は貸付けに関する業務委託取扱要領について」通達(以下、「業務委託通達」という。)の発出により、業務委託制度が導入され、従来の仲立委託制度は平成12年3月31日に廃止された。

  • (1)委託業務

    委託業務については、当初、売払い等又は新規貸付契約に係る業務及び継続貸付財産の管理に係る業務としていたが、事務の効率化等のため、順次対象に関する通達を発出している。

    • マル1 旧法定外公共物等に係る境界確定等業務(平成16年12月追加)

    • マル2 新たな交換制度(国有財産特別措置法第9条第2項)に基づく交換業務及び貸付財産に係る立会協議等(平成18年4月追加)

    • マル3 取得時効処理業務(平成19年3月追加)

  • (2)業者選定

    業務委託に係る委託業者の選定にあたっては、従前、企画競争方式により決定していたところであるが、平成18年8月25日付財計第2027号「公共調達の適正化について」通達が発出され、全面的に契約方式を随意契約から一般競争入札等に移行するとされたこと等を受け、平成21年1月、業務委託通達が改正され、随意契約から一般競争入札(総合評価方式)に変更が行われた。

5.大口返還財産の利用

  • (1)返還財産の概要及び経緯

    「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」により、在日米軍に提供しているいわゆる提供財産で、在日米軍が自発的に又は日本側の返還要求に基づくなどして返還されてきた財産を返還財産と称している。

    大口返還財産(首都圏に所在し、30haを超える返還財産11跡地)については、昭和48年1月開催の日米合同委員会において合意された「関東平野における合衆国軍施設の整理統合計画」(いわゆる「関東プラン」)等の日米合意により、それ以降、数次にわたり返還されてきた。

    大口返還財産等主要な返還財産の返還後の利用については、昭和48年4月に開催された第22回国有財産中央審議会に包括的に諮問され、これまでに、いわゆる三分割答申の外、大口返還財産11跡地すべてに係る処理大綱の答申を得ているところである。その経緯の概要は次表のとおりである。

    【大口返還財産の審議の経緯の概要】

    年月事項
    S48.1

    日米合同委員会において、関東平野にある米空軍施設を横田基地(東京都福生市ほか)に移転集約することにより、その施設を全面又は大部分返還するという「関東平野における合衆国軍施設の整理統合計画(いわゆる「関東プラン」)」について合意

    S48.4

    関東プラン等により、返還されてくる財産が従来にない大規模なものでありその利用に関し社会的関心が強いため、主要な米軍提供財産(10ヵ所)の返還後の利用について包括的に国有財産中央審議会に諮問(S54.11柏通信所の利用について追加諮問)、同審議会においては返還財産処理小委員会を設けて審議することを決定。

    S51.6

    国有財産中央審議会から、米軍提供財産の返還後の利用に関する基本方針について答申。(いわゆる三分割答申)

    S49.3〜H6.6

    国有財産中央審議会から、11の跡地の処理の大綱について答申。

    S54.11〜

    国有財産地方審議会で、国有財産中央審議会答申に沿い処理案を付議、答申を得て順次処理。

    S62.6

    国有財産中央審議会から、留保地の取扱いについて答申。

    H2.3

    国有財産中央審議会へ、留保地の処分条件について報告し、了承を得る。

    H15.6

    財政制度等審議会から、留保地の取扱いについて答申。

    H20.6

    財政制度等審議会へ、留保地答申を踏まえ関係地方公共団体から提出された利用計画を報告。

  • (2)返還財産利用の基本方針

    〔三分割答申(昭和51年6月国有財産中央審議会答申)〕

    • イ.処理基準

      大都市及びその周辺に所在する大規模な返還財産(10万平方メートル程度以上の土地)については、特別なものを除き、その面積を概ね三等分し、それぞれ次のように処分する。

      • マル1 地方公共団体の利用

      • マル2 国、政府関係機関などが利用

      • マル3 当分の間、処理を留保(留保地)

      (三分割の趣旨)

      大規模な財産が多数返還されつつあるとき、統一的な原則なしに利用計画を策定しようとしても、各方面からの競合する要望の調整は困難であり、各地元相互間で不公平な結果を招きかねない。返還財産の有効利用を早期実現するために、統一的な処理基準を設ける必要がある。

    • ロ.処分条件

      原則として有償処分とし、法令上優遇措置の認められている用途に充てる場合は、その優遇措置の適用限度について、全ての返還財産を通じて統一を図ることとする。

      • (注)答申を踏まえ、昭和54年12月返還財産の処分条件を決定

  • (3)留保地の利用「原則留保、例外公用・公共用利用」

    昭和51年6月の三分割答申において、予想されない将来の公的需要に備えるため当分の間その処理を留保することとされた財産(いわゆる留保地)については、その後一切の利用を認めなかったが、昭和62年に至り、個別跡地の利用計画大綱の答申後相当期間が経過し、答申に沿った処理が進められてきていることや、地方公共団体等から留保地の利用要望が高まってきたことを背景として、同年6月留保地の利用に関する答申が出された。

    • イ.利用を認める基準

      個別跡地の処理大綱答申後5年以上経過し、留保地以外の跡地の処理率が80%以上の跡地であって、その利用用途に必要性、緊急性が認められるもの。

    • ロ.処分条件

      三分割答申以後、一般国有地の処分条件が変更されたことなど諸事情の変化等を踏まえ、処分条件のあり方を検討する。

      • (注)答申を踏まえ、平成元年1月留保地の処分条件を決定。

  • (4)留保地の利用方針転換「原則利用、計画的有効活用」

    平成15年6月の財政制度等審議会答申において、従来の「原則留保、例外公用・公共用利用」の考え方を転換し、原則利用の考え方に基づき留保地の活用を促進するという新しい発想の下で、地域の特性や土地利用計画との調和を図りつつ、都市部に残る大規模な国有地の計画的な有効活用を促進する基本方針が出された。

    • イ.留保地の活用に向けた具体策

      • マル1 利用計画の策定

        • ・ 関係地方公共団体が、国と緊密に連携しつつ、主導的に実現可能な利用計画を策定していく。

        • ・ 留保地の活用を促進するためには、できるだけ早期に利用計画が策定されることが望ましく、規模や立地条件に見合った合理的な期間としては5年程度が妥当である。

        • ・ 民間の発想やノウハウを活用した開発事業手法を積極的に取り入れる。

        • ・ 策定された利用計画は、策定後の情勢の変化等に応じて、機動的に見直しを行うことができるように仕組むことが適当。

      • マル2 関係地方公共団体に対する支援措置

        • ・ 留保地の売却条件については、留保地と一般の返還財産との区別がなくなること、関係地方公共団体による利用計画の具体化を円滑なものとする必要があることから、一般の返還財産の売却条件にそろえる。

        • ・ 関係地方公共団体による暫定的利用については、本格的な利用計画策定がおろそかになったり、暫定的利用が恒常化することがあってはならないため、関係地方公共団体が実現可能な利用計画を策定した場合には、その利用計画が実現するまでの間、暫定的利用を認める。

      • マル3 民間に対する処分等

        • ・ 国と関係地方公共団体との間で協議を行い、土地利用の条件を設定した入札や提案方式による入札などの売却方法を採用する。

      • マル4 国による暫定的利用の拡大

        • ・ 有償貸付、あるいは管理委託等を活用して速やかな売却の支障とならない範囲で、積極的に取り組む。

      • (注)答申を踏まえ、平成20年6月末に関係地方公共団体から利用計画が提出され、次表「大口返還財産の留保地等の利用計画策定状況について」のとおり取りまとめのうえ財政制度等審議会に報告した。

    【大口返還財産の留保地等の利用計画策定状況について】

    跡地名関係地方公共団体答申(15年6月)までの処理済面積15年6月以降の留保地等の処理面積15年6月答申以降の処理事例未処理面積今後の利用計画

    立川
    飛行場

    459.9
    ha

    ローマ数字1

    (ABC街区)

    立川市348.9
    ha
    13.7ha

    国立国語研究所(2.4ha)

    人間文化研究機構・情報システム研究機構
    (6.2ha)

    東京地方裁判所
    (1.5ha)

    東京地方検察庁
    (0.6ha)

    立川拘置支所
    (2.0ha)

    市道用地
    (0.5ha)

    調整池
    (0.5ha)

    97.3
    ha
    3街区(A、B、C 計9.0ha)について、地区計画型の一般競争入札を実施予定。
    なお、C街区(2.5ha)については、一部に国の合同庁舎をPFI方式により建設予定。

    ローマ数字2
    (お祭り広場)

    一般競争入札により処分予定(3.6ha)。

    ローマ数字3
    (青梅線沿い)

    一般競争入札により処分予定(2.0ha)。

    ローマ数字4
    (北側)

    本地は、砂川地区に隣接していることから、その歴史的経緯に鑑み、本地と隣接する砂川地区を含めた地域を対象として、平成20年1月「立川市新庁舎周辺まちづくり協議会」が立川市、地元住民代表らにより発足。平成21年度中に利用計画を策定するとしている。

    ローマ数字5
    (昭島地区)

    昭島市
    立川市

     国際法務総合センター(法務省)、国家公務員宿舎の建設、立川市の公園整備等を予定。その他は、民間売却を予定。

    府中空軍施設

    58.8
    ha

    府中市43.3
    ha
     15.5
    ha
    国立医薬品食品衛生研究所の本地への移転及び府中市の公園整備を予定。その他、民間売却もしくは国家公務員宿舎の設置を検討中。

    関東村住宅地区

    61.3
    ha

    府中市33.9
    ha
    [東京外国語大学(11.5ha)]12.2
    Ha
    警視庁が第七機動隊及び第八機動隊の一部、軽自動車検査協会が多摩支所の設置を予定。国家公務員宿舎の設置及び民間売却について協議中。
    調布市3.7
    ha
    公園調布市が防災・スポーツレクリエーション機能を有する公園を整備予定。

    横浜海浜住宅地区

    32.5
    ha

    横浜市24.1
    ha
    4.9
    ha
    公園(4.9ha)
    [民間売(0.1ha)]
    3.4
    ha
    横浜市が下水道施設及び公園等公的施設を整備(検討中)。その他、民間売却(一般競争入札により処分予定)。

    キャンプ淵野辺

    66.3
    ha

    相模原市49.8
    ha
     16.5
    ha
    相模原市が公園として利用するほか、文化、研究、教育施設等、公的な利用を計画。

    柏通信所

    152.2
    ha

    柏市136.7
    ha
    0.6
    ha
    民間売却
    (0.6ha)
    14.9
    ha
    東京大学柏キャンパスの拡張用地(12.8ha)として、同大に処分する。その他、民間売却(一般競争入札により処分予定)。  

    キャンプ朝霞

    301.5
    ha

    朝霞市272.2
    ha
    270m2市道用地27.9
    ha
    朝霞市が防災機能を備えた公園、シンボルロードを、国がPFI方式により公務員宿舎(総戸数約850戸)を整備予定。その他、業務系施設、複合公共施設を設置予定。
    和光市1.4
    ha
    理化学研究所
    (1.1ha)
    消防署
    (0.3ha)
    最高裁判所が研修所施設等、和光市がこども総合施設、理化学研究所が研究所拡張を計画。
    新座市 国家公務員宿舎(総戸数約650戸)の整備を予定。

    ジョンソン飛行場住宅地区

    168.3
    ha

    狭山市124.0
    ha
     44.0
    ha
    稲荷山公園駅周辺は、民間事業用地として、信託の活用を含め民間売却を予定。稲荷山公園に隣接する部分については公園として、市道に隣接する部分については道路緑地として整備予定。
    入間市0.3
    ha
    航空自衛隊入間基地入間市駅前について、入間市が都市施設、文化施設等を整備、一部は民間売却予定。東部(28ha)について、入間市が緩衝緑地及び多目的広場等の整備を予定。

    水戸対地射爆撃場

    1,181.4
    ha

    ひたちなか市
    東海村
    1,003.6
    ha
     177.8
    ha
    県による本地ひたちなか地区の整備(港湾、工業団地等)に合わせて、民間売却、ゴミ処理施設、多目的広場等として処分予定。

    大和空軍施設

    34.3
    ha

    東大和市
    立川市
    34.3
    ha
      

    北富士演習場

    214.4
    ha

    富士吉田市
    山中湖村
    214.4
    ha
      

    合計

    2,730.9ha

    2,285.2
    ha
    24.6ha
    [11.6ha]
    405.7
    ha
    [3.8ha]
     

    ※1 「15年6月答申以降の処理事例」及び「未処理面積合計」欄の[  ]書は三分割答申の国利用分であり、留保地等の外書きである。

    ※2 大和空軍施設は、留保地も含め都営住宅、公園、看護専門学校等として全面積処理済である。

    ※3 北富士演習場は、山梨県へ林業整備事業用地として全面積処理済である。

  • (5)大口返還財産の具体的処分

    国有財産中央審議会で答申された処理大綱に沿って、跡地の所在地を管轄している関東財務局において、国有財産関東地方審議会で具体的な利用計画について適当である旨の答申を得たうえで処理を行ってきており、その処理状況は次表「大口返還財産の跡地別処理状況一覧」のとおりである。

    【大口返還財産の跡地別処理状況一覧】

    (平成20年6月26日現在、単位:ha)

    跡地名所在地返還
    面積
    留保地地元利用国利用
     処理済未処理 処理済未処理 処理済未処理
    立川飛行場立川市
    昭島市
    459.9108.937.7
    (13.7)
    71.2222.0196.223.8131.0128.72.3
    府中空軍施設府中市58.815.50.015.525.525.50.017.817.80.0
    関東村住宅地区府中市
    調布市
    61.36.00.06.021.114.9
    (3.7)
    6.234.234.2
    (11.5)
    0.0
    横浜海浜住宅地区横浜市32.58.06.1
    (4.9)
    1.915.815.80.08.77.21.5
    キャンプ淵野辺相模原市66.317.71.216.530.930.90.017.717.70.0
    柏通信所柏市152.244.930.0
    (0.6)
    14.954.854.80.052.552.50.0
    キャンプ朝霞朝霞市
    和光市
    新座市
    301.575.954.2
    (1.1)
    21.7131.2125.0
    (0.3)
    6.294.494.4
    (0.1)
    0.0
    ジョンソン飛行場住宅地区狭山市
    入間市
    168.343.20.4
    (0.3)
    42.873.872.61.251.351.30.0
    水戸対地射爆撃場ひたちなか市
    東海村
    1,181.4337.8161.4176.4506.3504.91.4337.3337.30.0
    大和空軍施設東大和市
    立川市
    34.36.06.00.018.318.30.010.010.00.0
    北富士演習場富士吉田市
    山中湖村
    214.40.00.00.0214.4214.40.00.00.00.0
    11跡地 2,730.9663.9297.0
    (20.6)
    366.91,312.11,273.3
    (4.0)
    38.8754.9751.1
    (11.6)
    3.8

    ※ カッコ書きは、答申(平成15年6月)以降処理した数量

6.日本アルコール産業株式会社の株式売却

  • (1)日本アルコール産業株式会社の設立

    長らく国による専売制がとられてきた工業用アルコール事業は、民営化の議論を経て、平成11年4月27日の閣議決定において「アルコール専売を廃止し、NEDO(現・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に暫定措置として5年間を目途に一手購入機能を付与するとともに民営化の準備を行い、当該期間終了後、NEDOの製造部門を暫定的な特殊会社とし、2年以内に民間への売却を開始し、できるだけ早期に完全売却を図る。」とされた。これを受け、平成13年4月1日にアルコール事業法が施行され、同時にアルコール専売法が廃止された。

    平成18年4月1日には暫定措置期間が終了し、国による認可価格制度及びNEDOによる一手購入・販売制度が廃止され、アルコール事業法の下で自由化がなされた。また、同日、日本アルコール産業株式会社法により、日本アルコール産業株式会社(以下、「会社」という。)が設立された。

    日本アルコール産業(株)の資本金等(平成18年度末)

    資本金

    30億円

    総資産

    284億円

    純資産

    204億円

    発行済株式数

    6万株

  • (2)株式売却の実施

    • イ.会社の株式は上述の閣議決定に従い、会社の設立から2年以内の平成20年3月末までには売却を開始しなければならないこととされた。

      また、平成18年7月、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」において、国の資産を約140兆円規模で圧縮することが決定され、民営化法人への出資についても国有財産の売却の一部として、市場の状況等を踏まえつつ売却を進めていくこととされた。

    • ロ.平成18年11月24日、会社の株式の処分について財務大臣が財政制度等審議会に諮問し、同日、同審議会から答申がなされた。答申においては、売却方法についての基本方針が以下のとおり示された。

      • マル1 平成19年度の売却に当たっては、証券取引所が定める上場基準の達成や収益見通し等の検証が十分に行なわれることができる状況にないと考えられることから、証券取引所への上場を行なわないことが適当である。

      • マル2 売却方法については、証券取引所への上場を行なわないことも踏まえ、公正・公平な売却方法という観点から、一般競争入札による売却が適当である。

      • マル3 売却数量は、民営化の主旨を踏まえれば、発行株式数の少なくとも2分の1以上を売却する必要があるが、一方、会社の経営の安定化の状況を見極めるため、当面、議決権の3分の1を超える株式数について国に留保することが適当である。

      また、入札実施に当たって留意すべき事項として、入札参加者へのリスク周知の徹底や、申込株式数の最低単位、最高数量の制限、入札予定価格の考え方等が示された。

    • ハ. 株式の売却は、財政制度等審議会答申を踏まえて一般競争入札によることとし、過去のNTT株式やJT株式の入札と同様、関東財務局において実施することとされた。平成19年6月22日付で財務大臣から関東財務局長へ事務委任がなされ、関東財務局では同年7月1日にプロジェクトチームを設置し、一般競争入札を次のとおり実施した。

      <一般競争入札実施概要>

      マル1入札株式数39,999株
      マル2入札の公告等平成19年12月25日(火)
      官報への掲載、関東財務局のホームページへの掲載(全国の財務局等のホームページにリンク設定)、全国の財務局等の掲示板への掲示、同日付で全国紙5紙に新聞広告
      マル3入札書等の用紙の交付公告日から平成20年1月11日(金)17時までの間、全国の財務局等において交付
      マル4入札説明会の開催平成20年1月7日(月)14時から開催
      さいたま新都心合同庁舎1号館講堂
      マル5入札書の受付平成20年1月15日(火)から平成20年1月18日(金)17時までの間、関東財務局において郵送により受付
      マル6開札平成20年2月15日(金)から関東財務局で実施
      マル7落札者の決定平成20年2月25日(月)
      マル8株式名義書換平成20年3月31日(月)
  • (3)売却結果

    一般競争入札の結果、全国から24者(個人21者、法人3者)の応札があり、落札者は3者であった。入札株式の39,999株全てが落札され、145億円の歳入となった。

    なお、最高落札単価は40万円、最低落札単価は34万円、加重平均落札単価は36万2,527円であった。

7.誤信使用財産の処理促進

誤信使用財産は、占使用者において自己が正当に使用することができる財産であると誤信し、国有地である旧法定外公共物(道路、水路)、国有畦畔、脱落地等を、住宅の敷地等として使用してきた財産である。

誤信使用財産の処理については、平成13年3月30日付財理第1267号「誤信使用財産取扱要領」通達により、新規に売却申請されたものに関しては、その処分を直ちに行うこととするが、過去に売却申請等されたが、売却価格等が折り合わず、そのまま処理が滞っている事案については、未利用地の売却が喫緊の課題であったことから、「財産の沿革に鑑み、また事務の経済性を考慮し、事案の管理を中心としつつ当該財務局等の事務の繁閑に応じ処理する。」との対応を行ってきた。

この結果、相当数の誤信使用財産の処理が滞留することとなり、各財務局等においては、資産債務改革に対する取組み等他の重要施策も同時に遂行していることを鑑みると、誤信使用財産の処理にのみ注力することは困難ではあるが、国民共有の財産である国有地の適正な資産管理に対する社会的要請の高まりからストックの解消に向け処理促進に努めることとした。

このため、一層の適正な管理処分を図るため、平成21年度から原則として2次6年間の処理計画を策定し、計画的に処理促進を図ることとして、平成21年2月19日付財理第666号「誤信使用財産に係る既存事案の処理促進について」通達が発出され、主な内容は次のとおり。

  • (1)既存事案処理のための折衝の端緒が比較的明確なもの及び財産価値の高いもの等を優先して取り組むために、財産ごとに第1位から第5位までの優先順位を付したうえで、年次計画を策定し処理していくこととした。

  • (2)誤信使用財産の処理にあたっては、既存事案については、従来は相手方に測量を求めていたが、所有者である国が自らの財産の保全管理をなすことが基本と考えられることから、原則として国において測量を行うこととした。

8.分権譲与

平成10年5月29日に閣議決定された地方分権推進計画において、いわゆる法定外公共物のうち、里道、水路(ため池、湖沼を含む)として、現に公共の用に供しているが、道路法、河川法等の公物管理法の適用若しくは準用のない公共物で、その地盤が国有財産となっているものについては、その財産を市町村に譲与し機能管理及び財産管理ともに市町村の自治事務とされ、また、機能を喪失しているものについては、国が直接管理することとされた。これにより、「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(平成11年法律第87号)第113条により国有財産特別措置法の一部改正が行われ、法定外公共物である里道・水路のうち現に公共の用に供されている国有財産を市町村に譲与するための根拠規定として第5条第1項に第5号が設けられた。

このような法定外公共物は、平成11年度までは国からの機関委任事務として、平成12年度以降は国からの法定受託事務として、都道府県が管理する国有地(注)であったが、法定外公共物である里道・水路は国民生活に密接に関係するものであることから、実質的に機能管理している市町村が財産管理とも行うことが適当であると判断したものである。

分権譲与は、原則、平成12年4月1日から平成17年3月31日までの5年以内で、市町村等の譲与申請に基づき国土交通省より財務省に財産の引き渡しが行われたのち、財務省から市町村等に譲与を行うスキームで実施された。

平成17年4月から、財務局において直接管理することとなった機能を喪失している法定外公共物は、明治以前に既に存在していたが、厳格に管理されることなく放置されていたものが少なくなく、大部分が登記のない土地であり一部を除いては国有財産台帳に登載されておらず、その境界が確定されてこなかった。

そのため、財務局等においては、法定外公共物に隣接する土地所有者等からの境界確定の申出については、迅速に境界確定事務を行う必要があることから、平成16年11月1日付財理第3936号「旧法定外公共物に関する境界確定事務等取扱要領」通達が発出され、国の処理期間や申請書記載要領などを設けて早期処理を図っている。

(注)昭和22年以前内務省所管、昭和23年以降建設省所管、平成13年以降国土交通省所管

9.国有財産の電算処理

  • (1)国有財産総合情報システムの開発及び稼動

    従前、管理処分事務及び法令等に基づく決算関係報告書の作成等については、「貸付財産管理システム」、「未利用財産オンラインシステム」、「普通財産統計システム」等(以下「旧システム」という)を開発し、財務省共同利用センターのホストコンピューター等を利用して個々に運用してきたところであるが、各システム内の財産情報が共有されてないため、管理処分事務の一元的な情報管理を行い、最新のストックデータの適時の把握等、時代のニーズに対応させる必要が生じ、また、各省庁が所管する国有財産の増減及び現在額報告等については、財務省において、紙ベースでの報告を基に報告書及び統計資料等を作成していたため、効率のよいものとは言えない状況であったこと等から、平成12年度に、旧システムの改善・更なる機能強化、事務の省力化や効率化を実現するとともに、国有財産の管理及び統計に関し全省庁ネットワーク化を図り、報告書等のペーパーレス化を図ることを目的として、国有財産総合情報システム(以下「総合情報システム」という。)の開発に着手した。

    具体的には、財務省(関東財務局)に情報を一元管理するサーバを設置し、各省庁からは、霞が関WAN等を通じてウェブ画面から入出力を行うとともに、個々に運用していた旧システムの機能は継承し、更に一層の省力化、効率化、情報の充実化及びペーパーレス化等の機能強化を図ったうえで、各システムの財産情報を極力共有できるようシステムを再構築し、庁舎等使用現況等の未電子化情報についてもシステム化を含め、情報資産の管理運用の一元化を図った。

    総合情報システムは、マル1国有財産情報管理システム、マル2省庁財産情報管理システム、マル3財務局財産情報管理システム、マル4国有財産電子入札システムの四つのサブシステムから構成されている。

    このうち、財務局・財務事務所等の国有財産担当職員が利用するマル3財務局財産情報管理システムは、平成12年8月より東海財務局において試行運用を開始し、平成14年10月に全国の財務局等において本格運用を行った。

    財務局財産情報管理システムの導入に当たり、以下のとおり、既存の機能を活用しつつ新規に機能を整備し、法令帳票の随時の出力、業務の目的に応じたストックデータの活用を可能とした結果、管理処分の迅速・効率化に加え、司計統計事務の円滑な処理が可能となった。

    • ○ 平成10年度より事務処理の迅速化と利便性の向上を目途として機能改修を図っていた普通財産統計システムについても、改修後のシステムを総合情報システムの一部として取り入れた。

    • ○ 業務の民間委託推進の一環として外部委託業者による総合情報システムへのデータ入力が可能となった。

    • ○ 操作端末に入力されたデータは、各財務局・財務事務所等に設置された管理用サ−バから、財務局LANを通じて翌日に関東財務局に設置されているサーバに反映されるため、最新のストック等のデータを常時把握することが可能となった。

    • ○ システム上で、売払申請書などの各種申請書、貸付や売払等の決議書を一元管理することにより、法令関係報告書や統計関係資料等定型帳票の随時出力、システムから目的に応じた各種データの出力、加工が可能となった。

    また、マル4国有財産電子入札システムは、平成13年に策定された「e−Japan戦略」等における「実質的にすべての行政手続の電子化を行う」との方針を受けて開発され、平成18年7月から運用を開始した。

    国有財産電子入札システムは、応札者がパソコン等からインターネットを通じて国有地の入札に参加できるほか、応札者の情報を一元管理することにより、各財務局・財務事務所等の入札事務担当職員が開札業務に必要な書類を作成したり、ADAMSと連携して入札保証金等を受払いすることが可能となった。

  • (2)国有財産総合情報管理システムの開発

    平成15年7月、電子政府構築計画(各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議)において、業務・システムの最適化により費用対効果を高め、人的・物的資源の効率的な活用を通じた行政の簡素・合理化を図ることにより、予算効率の高い簡素な政府を実現することが主要目標の一つとされた。

    上記計画を受けて、平成16年2月、CIO連絡会議において、国有財産関係業務(官庁営繕業務を除く。)については、各省各庁に共通する府省共通システムとして位置付けられ、制度を所掌する財務省理財局が担当府省となり、平成17年度のできる限り早期に業務・システム最適化計画を策定することとされた。

    財務省理財局では国有財産企画課国有財産情報室を中心とした体制を整備したうえで検討を進め、平成17年6月、最適化の基本理念及び具体的な改革事項を内容とする業務・システムの見直し方針を取りまとめた後、平成18年3月、国有財産関係業務(官庁営繕業務を除く。)の業務・システム最適化計画を立案し、同計画がCIO連絡会議において決定された。

    平成19年7月以降、平成22年1月からの稼動開始を目指してシステムの開発を進めているところであるが、国有財産総合情報管理システムのサブシステムとなる財務局財産情報管理システムについては、システム方式をクライアントサーバ方式からWebアプリケーション方式に変更することにより、各財務局及び事務所ごとに設置されているサーバ等機器の集約化を図ることとしている。

    財務局・財務事務所等で処理する管理処分関係の機能については、原則、総合情報システムのサブシステムである財務局財産情報管理システムの機能を踏襲することとしているが、各省各庁財産(行政財産)への決議書方式の導入、国有財産台帳の電子化等により、国有財産に関する情報がデータベースで一元管理されることから、各種報告の省力化や業務処理の正確性の向上が期待される。

    また、現在ホストコンピュータ(共同利用電算機システム)で処理されている宿舎統計情報や国有資産等市町村交付金情報について、機能を移管することとしているほか、貸付料等債権については官庁会計システム(ADAMSローマ数字2)と連携し業務効率化を図ったうえで、貸付相手方の利便性向上や貸付料等債権の確実な徴収を目的として口座振替機能を新規に整備する予定である。

    この最適化計画の取組みについては、システム運用等に係るランニングコストの削減のみならず、職員の業務処理時間の削減が目標値として設定されており、システムの稼動開始以降も、毎年の評価内容に応じて業務処理に係る継続的な見直しを図っていく必要がある。

10.その他

読谷補助飛行場返還跡地の等価交換について

  • イ.財産の沿革

    読谷補助飛行場は、昭和18年から昭和19年にかけて旧日本陸軍が民有地を買収し、「沖縄北飛行場」として建設したもので、昭和47年の沖縄の本土復帰までの間は米国民政府(USCAR)が日本の国有財産として管理し、沖縄の本土復帰以降は、沖縄総合事務局が移管を受け、在日米軍への提供財産として、米軍のパラシュート降下訓練場及び隣接する楚辺通信所(通称「像のオリ」)の電波緩衝地帯として使用されてきた。

    同飛行場は、昭和53年に旧滑走路東側が一部返還された。その後、平成8年の沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告で移設条件付き全面返還が合意され、平成18年7月31日に約140ヘクタールが、同年12月31日に約51ヘクタールが返還された。これにより読谷補助飛行場の全面返還が完了した。

  • ロ.等価交換契約までの経緯

    平成14年に策定された内閣府の「沖縄振興計画」において、「読谷補助飛行場跡地は個性豊かな田園空間の形成を図る」と位置付けられ、読谷村が策定した「読谷補助飛行場跡地利用実施計画」は、平成17年5月の沖縄振興審議会においても「沖縄振興計画の位置付けに沿ったもので、沖縄の振興に寄与するものと認められる」と報告された。

    これを踏まえて、平成18年6月の国有財産沖縄地方審議会において、同飛行場内の国有地と読谷村が嘉手納弾薬庫地区(米空軍施設)内に所有する村有地との等価交換契約等の処理方針を適当と認める旨の答申が出された。

    これを受けて、国(沖縄総合事務局財務部)は、同年7月31日に国有地約139.7ヘクタールと村有地約14.1ヘクタールを、平成19年1月5日に国有地約38.5ヘクタールと村有地約1.6ヘクタールの等価交換契約を締結した。

  • ハ.跡地利用の基本方針

    「読谷補助飛行場跡地利用実施計画」では、土地利用を公共用地と農業用地に分け、公共用地では、健康増進センターや陸上競技場、公園等の公共施設の整備、農業用地では、旧地主等で組織する農業生産法人への土地の貸付、高収益型農業を目指す先進農業地域としての整備が進められている。

    この等価交換は、戦後処理問題として長年懸案となっていた返還跡地の有効活用について、地元読谷村の自主性を尊重しつつ、沖縄防衛局、沖縄県等、関係機関との連携を密にし、沖縄の振興に寄与するという方針で処理を行ったものである。

    【跡地利用計画図】

    跡地利用計画図

    (資料出所:沖縄県読谷村)


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