財務省財務局60年史 【第1章 総論】

第8節 事務の効率化・情報公開制度等


1.財務局提案制度等

「財務局提案制度」は、財務局の事務運営に関し、広く財務局職員の創意工夫により、財務局事務の改善、合理化の促進を図ることを目的としている。

平成3年4月1日に制定された制度においては、「自由提案制度」(財務局の事務に関する職員の自由な改善意見を汲み上げる)に、「課題提案制度」(制度改正を含む事務の改善を目的に特定の課題について財務局において検討を行い、財務局の総意としての改善案の提案を求める)を組み合わせる制度としていた。

しかし、「課題提案制度」については、別途実施している事務考査と明確な差がないことなどから、事務考査に一本化することとし、平成13年6月29日付で通達を廃止のうえ、「財務局提案及び表彰制度について」を新たに制定(平成13年7月1日から適用)した。

このほか、平成16年12月24日付閣議決定「今後の行政改革の方針」における定員削減計画等への対応として、平成17年度以降、財務局の業務の減量・効率化に係る提案(平成19年度より業務の合理化・効率化と改称)を求め、大臣官房地方課業務調整室において検討を行うこととした。

これらの提案に加え、事務考査の結果等を通じて、本省庁と財務局における現状認識及び問題意識の統一を図り、財務行政の刷新向上に努めることによって、財務局が国民生活にとって価値ある行政機関として社会的意義を高めることが期待されている。

2.財務局の行政情報化

  • (1)電子政府推進計画と業務・システム最適化計画

    電子政府の推進のため、政府は、「電子政府構築計画」(2003年(平成15年)7月17日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)等を策定し、利用者本位の行政サービスの提供、簡素で効率的な政府の実現を目指して各種施策を講じてきた。

    これらの各種施策をより確実なものとするため、「電子政府推進計画」(2006年(平成18年)8月31日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)が策定され、政府全体として、業務・システムの共通化、集中化、共同利用化等の最適化の推進を目指すこととなった。

    財務省では上記計画を踏まえ、平成18年3月までに四つの府省共通業務・システム、五つの個別府省業務・システムについて最適化計画が作成され、現在、計画に基づき実施しているところである。

    財務局においては、個別府省業務・システムの最適化計画として平成18年2月に策定された「財務省ネットワーク(共通システム)最適化計画」に基づき、財務局LAN及びWANの合理化・効率化、基本システムの統一について、平成22年度を目標として最適化に取り組んでいるところである。

  • (2)行政情報化の現状

    財務局LANは、平成9年度に近畿財務局の本局職員に一人1台のパソコンを配備後、順次、各財務局へ配備し、平成13年度に全財務局職員への配備完了により全国財務局ネットワークが完成したほか、平成15年度には職員が出張先から財務局LANにアクセスできるワイヤレスモバイルシステムを構築している。

    また、平成20年度には、財務局LAN機器等の一括更新を行うことで、「財務省ネットワーク(共通システム)最適化計画」に基づく、財務本省と財務局のインターネット接続ポイントの集約によるセキュリティ対策の包括的実施やグループウェアの統一のほか、調達時期の統一化を図った。

    行政手続き等のオンライン化推進については、平成14年度に財務省部門及び金融庁部門に関する国民等からの電子申請に対応する総合的文書管理システムを導入し、利用者視点に立ったシステムの整備を図っている。

3.情報公開制度

行政文書の開示を請求する権利について定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにすることなどを目的とする、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」(以下、「情報公開法」という。)が成立(公布:平成11年5月14日、施行:平成13年4月1日)した。

情報公開法により、「行政文書」が定義され、何人も行政機関に対し「行政文書」の開示請求を行うことができること、行政機関は、法令で定める不開示情報が記録されている場合を除き開示を行うことなどが規定された。

財務局においても、開示請求に対する開示決定等の権限が、法令に基づき委任されるとともに、各財務局、財務事務所、出張所に情報公開請求の受付等を行う情報公開窓口が設置されるなど、情報公開法に基づく事務が平成13年4月より開始した。

なお、金融庁から委任を受けている業務に関する行政文書について開示請求が行われた場合には、金融庁へ事案を移送し、金融庁において開示決定等を行う事務体制となっている。

4.個人情報保護制度

高度情報化社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み、個人情報の有用性について配慮しつつ、個人の権利利益の保護を目的とする、「個人情報の保護に関する法律」及び「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」(以下、両法をあわせ「個人情報保護法」という。)が成立(公布:平成15年3月30日、施行:平成17年4月1日)した。

個人情報保護法により、「個人情報」や「保有個人情報」等について定義され、「個人情報」についての保有制限、利用目的の明示等、正確性の確保など、行政機関が守るべき取扱いのルールが規定されるとともに、「保有個人情報」についての開示請求権などが規定された。

財務局においても、開示請求に対する開示決定等の権限が法令に基づき委任されるとともに、各財務局、財務事務所、出張所に開示請求の受付等を行う個人情報保護窓口が設置されるなど、個人情報保護法に基づく事務が平成17年4月より開始した。

なお、金融庁から委任を受けている業務に関する行政文書について開示請求が行われた場合には、金融庁へ事案を移送し、金融庁において開示決定等を行う事務体制となっている。

提案制度等に関する本省表彰一覧表(11〜20年度)

年度提案業務の合理化・効率化提案
件名財務
局名
備考件名財務
局名
備考
11(該当なし)
12宿泊料実態調査の電話処理について関東
13

マル1支出負担行為実績計画承認にかかる箇所別情報処理システムについて

関東

マル2売払済財産にかかる地下埋蔵物のトラブル対応手続きのマニュアル化について

関東

マル3たばこ小売販売等業許可業務のパソコンシステム化について

関東
14

マル1不法投棄車輌の撤去対応マニュアルについて

関東

マル2公示送達マニュアルの作成について

関東

マル3市町村合併に伴う財政融資資金借用証書の記番号付番システムの開発について

中国
15預金等受入金融機関の検査に係る検査手引書について関東
金融庁
16

マル1 土地信託マニュアルの作成について

関東

マル2 期間入札に伴う入札保証金提出書と振込入金状況とのパソコンによる照合について

関東
17(該当なし)
18貸金業検査の手引について関東
金融庁
19

マル1共済組合支部等に対する介護休業手当金等支給額計算作業表及び短期給付一覧の作成・配付

関東

マル1「共済組合事務に関する文書決裁の委任事項」の見直し

東海

マル2FABNET利用促進のためのPRキャラクターの作成

近畿

マル2PFI事業等における土地利用計画業務の民間委託について

関東

マル3セクハラ相談員のための相談対応マニュアルの作成

北海道

マル3事務計画の策定及び実績把握の弾力化

四国
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マル4特々会計における合同宿舎事案の処分財源の所管換等手続きについて

北海道
20

マル1「非常勤職員採用手続きマニュアル」の作成

北海道

マル1法人企業統計調査における還元資料の本省一括送付について

近畿

マル2法人企業統計調査票等のオンライン回収について

北海道

マル2当座預金口座における契約保証金の受入について

北陸

(注1)平成20年4月に「財務局提案及び表彰制度について」通達を改正し、17年度以降、地方課業務調整室で検討を行っている財務局の業務の合理化・効率化に係る提案についても表彰対象とした。

(注2)備考欄の「※金融庁」は、金融庁において表彰を実施。

本省事務考査テーマ一覧表(11〜20年度)

年度考査テーマ
11年度情報公開法施行に向けた体制整備
財務事務所の機能強化
12年度統括官制の現状評価
財務局LANの積極活用
13年度主計事務の在り方
14年度財務局における融資事務について
財務局のクライアントパソコンの活用による事務の効率化について
15年度財務局の広報活動について
財務局の行う事務考査及び事務監査について
16年度理財課関係業務の効率化・合理化について
財務局における対外広報(ホームページ)について
17年度財務局における文書管理の現状と課題
財務局における事務処理の進行管理について
18年度効率性重視に向けた国有財産行政について
19年度財務局における金融監督部門及び市場監視部門の現状と課題
20年度財務局における予算執行調査事務について
財務局における超過勤務の縮減について

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