財務省財務局60年史 【第1章 総論】

第5節 予算


国の予算と財務局予算の推移

  • (1)概説

    バブル経済崩壊後の度重なる財政出動等を原因に、我が国財政は主要先進国中最悪といえるほどに危機的な状況に陥ったため、平成9年度を「財政構造改革元年」と位置付け、聖域を設けることなく徹底した歳出の洗い直しに取り組んだ。更に平成9年6月には「財政構造改革会議の推進について」が閣議決定され、財政構造改革のための方策と枠組みを法律により明確化するため、11月には「財政構造改革の推進に関する特別措置法(財政構造改革法)」が制定された。このため、平成10年度予算においては、財政構造改革法に従って、主要な経費ごとに量的縮減目標(キャップ)を定め、歳出全般について、聖域を設けることなく徹底した見直しが行われた。

    しかしながら、平成9年秋以降、金融機関の相次ぐ破綻に端を発する金融システム不安と貸し渋りの発生、企業倒産の増加による雇用不安の増大等によって、消費や設備投資等の最終需要が減少し、景気は急速に悪化した。また、アジア地域の通貨・金融市場の混乱の影響もあって、我が国経済は、平成10年度にはマイナス成長に陥った。

    このような状況の下で、経済情勢に弾力的に対応するため、「総合経済対策」(平成10年4月)が策定されるとともに、特例公債発行枠の弾力化等を図るため、財政構造改革法が改正された(平成10年5月)。更に、当面の景気回復に向けて全力を尽くすとの観点から財政構造改革法が停止されることとなった(平成10年12月)。このため、平成11年度予算は景気に最大限配慮して編成され、平成11年6月には「緊急雇用対策および産業競争力強化対策、11月には「経済新生対策」が策定され、2度にわたる補正予算が編成され、平成12年度においても10月に、「日本新生のための新発展政策」が策定され、補正予算が編成される等、景気回復に向けた取組みが積極的に進められた。

    こうした取組みもあって、我が国経済は、平成11年度初から緩やかな景気回復過程をたどったものの、その足取りは弱く、平成12年度末までには後退に転じ、景気回復局面は短期間にとどまった。このため政府は、平成13年4月以降、構造改革への取組みを抜本的に強化し、「改革なくして成長なし」との基本的考え方の下、6月には「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」(以下、「骨太の方針」という)、平成14年1月には「構造改革と経済財政の中期展望」を閣議決定し、日本が目指す経済社会の姿と、それを実現するための構造改革を中心とした経済財政運営について将来展望を示した。

    その後、平成14年6月には「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」、平成15年6月には同「基本方針2003」、平成16年6月には同「基本方針2004」、平成17年6月には同「基本方針2005」が閣議決定された。平成18年7月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(以下、「基本方針2006」という。)では、国・地方あわせた長期債務残高の対GDP比が先進国中で最も高いなど、我が国財政が極めて厳しい状況にあることを踏まえ、歳出削減と歳入改革を両輪とする「歳出・歳入一体改革」の基本的考え方が示された。具体的には、2010年代半ばまでに、安定的な経済成長を維持しつつ、国・地方それぞれの債務残高対GDP比を発散させることなく、安定的に引き下げることを目指して、2011年度には国・地方あわせた基礎的財政収支を確実に黒字化する目標が掲げられた。

    我が国経済は、平成14年初めから息の長い景気回復を続けてきたが、平成19年半ばごろからサブプライム住宅ローン問題を背景とする金融資本市場の変動、原油・原材料価格の高騰、更には、平成20年9月中旬以降、欧米各国で金融機関の破綻が相次ぎ、金融市場の機能不全が生じ、世界的な景気後退が見られる中で、外需面に加え国内需要も停滞し、景気の下降局面にあった。このため政府は、平成20年8月には「安心実現のための緊急総合対策」、10月には「生活対策」、12月には「生活防衛のための緊急対策」を決定した。

    一方、我が国財政は、平成20年度補正(第1号)後予算では公債依存度が30.6%にも及び、国・地方合わせた長期債務残高が平成20年度末においてGDP比150%程度となる見込みであり、主要先進国中最悪の水準であるなど、極めて深刻な状況にあった。こうした厳しい財政事情を踏まえ、政府は、「基本方針2006」で示された、国・地方の基礎的財政収支を平成23年度までに黒字化させるとの目標を達成すべく努力するものの、歳入環境が急速に悪化している状況も念頭に置き、国民生活と日本経済を守ることを最優先し、必要な対応を図ることとした。

    平成21年度一般会計の予算規模は88兆5,480億円、同一般歳出(国債費及び地方交付税交付金等以外の歳出)は51兆7,310億円であって、平成12年度当初予算に比し、それぞれ4.2%、7.6%の伸び率となっている。なお、平成21年度予算は、基礎年金の国庫負担割合の引上げや道路特定財源の一般財源化等により、平成20年度予算に比べ、大幅な増額となっている。平成20年度一般会計の予算規模83兆613億円、同一般歳出47兆2,845億円と平成12年度当初予算を比べた場合には、それぞれ△2.7%、△1.7%と縮減されている。

    このような中で、財務局予算は、いわゆる経常部門の経費がその大宗を占めていることから、厳しく抑制されており、平成21年度予算額は64,594百万円であって、平成12年度当初予算に比し、△6.5%と縮減されている。ただし、その大きな要因としては、近年の予算編成において、歳出全般にわたる徹底した見直しが行われ、決算結果の反映等が求められたことによるものであり、決算額と比較すれば解るが、財務局の業務運営に必要不可欠な経費については、所要の予算が確保されている。

    (別表1)

    当初予算額等の推移

    (単位:百万円,%)

    当初予算額等の推移

    (別表1)拡大画像へリンク

    (別表2)

    財務局予算の科目別推移

    (単位:百万円)

    研修体系の概要

    (別表2)拡大画像へリンク

    平成21年度までの推移を科目別にみると、人件費については、人事院勧告で平成14年、平成15年及び平成17年が月例給の引下げ、また、平成11年から平成15年までが5年連続で特別給の年間支給月数の引下げとなったこと等を受けて、平成19年まで減少傾向が続いた。

    物件費については、平成16年度に政府全体の取組みとして、行政効率化関係省庁連絡会議において取りまとめられた「行政効率化推進計画」において、公用車の効率化、公共調達の効率化、出張旅費の効率化等が掲げられ、効果的かつ効率的な予算の執行が求められてきている。また、平成19年度予算からは、一定率での節約が廃止され、予算へ的確に執行実績を反映するよう強く求められてきたことにより、財務局の活動費である旅費の類、庁費の類等については、減少傾向が続いている。

    旅費の類については、パック商品等の利用促進など出張旅費の効率化に取り組んだことを反映して、職員旅費及び国有財産管理処分旅費について、減少傾向が続いている。一方、金融機関等検査旅費については、インサイダー取引等の違法行為の防止を図り、規制の実効性を確保するため、金融商品取引法の一定の規範の違反者に対する金銭的負担を貸すための課徴金調査や市場の公正を害する悪質な行為に対して行う犯則調査に必要な旅費の充実を図ってきている。

    庁費の類については、随意契約の見直しなど公共調達の効率化やムダ・ゼロに取り組みつつ、予算の執行実績を的確に反映して、庁費及び国有財産管理処分庁費について、減少傾向が続いている。このような中で、OA機器の整備等のための情報処理業務庁費については、財務局LANシステム、総合的文書管理システム、モバイルシステム、給与計算システムなど、年々の充実が図られてきたところである。

  • (2)平成12年度以降の状況

    • イ.平成12年度

      我が国経済は、平成10年秋頃には、金融システムに対する信頼の低下や雇用不安などを背景として、いわば「不況の環」とも呼ぶべき厳しい経済状況の中にあった。こうした状況から脱却するため、政府は、平成10年11月に「緊急経済対策」を決定するなど、財政、税制、金融、法制のあらゆる分野の施策を総動員して、金融危機、経済不況の克服に取り組んできた。更に平成11年11月には、景気回復の一段の推進に努めるとともに経済社会構造の改革を実現することを目指して「経済新生対策」が決定された。

      一方、我が国財政は、平成11年度末の公債残高が約335兆円にも達する見込みであるなど危機的な状況にあった。

      平成12年度予算は、我が国経済が厳しい状況をなお脱していないものの緩やかな改善を続ける中にあって、これを本格的な回復軌道に繋げるため、経済運営に万全を期すとの観点に立って編成された。なお、極めて厳しい財政状況に鑑み、財政構造改革の基本的考え方は維持し、限られた財源の中で経費の一層の合理化・効率化・重点化が図られた。

      平成12年度一般会計予算の規模は84兆9,871億円、対前年度当初予算3兆1,269億円(3.8%)の増加となり、このうち一般歳出は48兆914億円、対前年度当初予算1兆2,036億円(2.6%)の増加となっている。

      財務局予算は、69,085百万円で、対前年度3,045百万円(4.6%)の増加となり、このうち人件費は1,217百万円(3.7%)の増加、物件費は1,828百万円(5.5%)の減少となっている。

      総務・理財系統経費については、マル1平成12年4月から信用組合の監督事務が国の直轄事務となることに伴い、信用組合の監督体制の強化及び事務の移管に必要な経費、マル2大蔵省行政情報化推進計画の一環として、全財務事務所及び出張所へのLAN等の整備に必要な経費、マル3有価証券報告書電子開示システム(EDINET)の整備に必要な経費、マル4釧路財務事務所の移転等に必要な経費、マル5証券総合システムの運用に係る経費の増額、マル6政府系金融機関の監督に係る経費の増額、マル7たばこ小売販売業許可台帳システムの開発に必要な経費、マル8平成13年1月の省庁再編に伴い、庁舎看板改修等に必要な経費が認められた。

      また、管財系統経費については、マル1一般競争入札・価格公示売却、売払・新規貸付、未利用地管理の外部委託に必用な経費の増額のほか、新たに継続貸付の外部委託に必要な経費及びこれら包括的民間委託に伴う事務補助経費(賃金)が認められた。また、マル2新普通財産統計システムの開発の継続に必要な経費、マル3国有財産情報公開システムの開発の継続及び運用に必要な経費、マル4地方分権一括法の施行に伴い増加が見込まれる法定外公共物の譲与申請を円滑かつ適正に処理するために必用な経費、マル5行政財産使用状況実態調査の継続に必用な経費、マル6国有財産台帳価格の改定に必要な経費が認められた。

    • ロ.平成13年度

      我が国経済は、平成10年には、「不況の環」とも呼ぶべき厳しい状況にあったが、同年11月に決定した「緊急経済対策」により、デフレスパイラルに陥りかねない危機的状況からの脱却に成功した。その後、平成11年11月に決定した「経済新生対策」の推進を通じ、景気回復の一段の推進と経済社会構造の改革の実現に努めてきた。こうした政策の効果もあって、経済は企業部門を中心に緩やかな改善を続けていたが、依然として雇用情勢は厳しく、個人消費もおおむね横ばいの状況にあるため、平成12年10月、急激な公需の落ち込みを回避し、我が国経済を自律的回復軌道に確実に乗せるとともに、21世紀にふさわしい経済社会を構築するため、「日本新生のための新発展政策」が決定された。

      一方、我が国財政は、平成12年度末の公債残高が約365兆円にも達する見込みであるなど、依然として厳しい状況にあった。

      平成13年度予算は、我が国の新たな発展基盤の構築に資する施策に一層の重点化を図りつつ、公需から民需へのバトンタッチを円滑に行い、我が国経済を自律的回復軌道に確実に乗せるとの観点に立って編成された。あわせて、厳しさを増している財政状況に鑑み、財政の効率化・質的改善を図り、公債発行額を可能な限り縮減することとし、公債発行額は、前年度当初発行予定額より4兆2,920億円減額し、28兆3,180億円とされた。

      平成13年度一般会計予算の規模は82兆6,524億円、対前年度当初予算2兆3,347億円(2.7%)の減少となり、このうち一般歳出は48兆6,589億円、対前年度当初予算5,675億円(1.2%)の増加となっている。

      財務局予算は、70,709百万円で、対前年度1,624百万円(2.4%)の増加となり、このうち人件費は220百万円(0.6%)の減少、物件費は1,843百万円(5.2%)の増加となっている。

      総務・理財系統経費については、マル1全職員へのパソコン整備等、行政情報化の推進に必用な経費、マル2たばこ小売販売業許可台帳システムの機能拡張開発及び全財務事務所への展開に必用な経費、マル3証券総合システムの全財務局への展開に必要な経費、マル4東京財務事務所の移転等に必要な経費、マル5佐世保出張所の移転等に必用な経費(初度整備経費)、マル6金融機関モニタリング・システムの全財務局への展開に必要な経費、マル7経済調査事務の充実・強化に必用な経費の増額、マル8有価証券報告書等の開示書類の電子化の本番運用に必用な経費が認められた。

      また、管財系統経費については、マル1一般競争入札・価格公示売却、売払・貸付、未利用地管理の外部委託に必用な経費の増額及びこれら包括的民間委託に伴う事務補助経費、マル2新普通財産統計システム及び国有財産情報公開システムの運用に必要な経費、マル3国有財産関係の報告事務のペーパーレス化を推進し、事務の簡素合理化を図るための国有財産総合情報システムの開発に必要な経費、マル4法定外公共物の譲与申請を円滑かつ適正に処理するために必用な事務補助経費、マル5実態把握が困難な契約未済財産の現状調査を外部に委託するために必用な経費、マル6独立行政法人化に伴う国有財産の現物出資に係る台帳整理に必要な事務補助経費が認められた。

    • ハ.平成14年度

      我が国経済は、平成11年初から緩やかな景気回復過程をたどったものの、その足取りは弱く、平成12年末までには後退に転じ、景気回復局面は短期間にとどまった。このため政府は、平成13年4月以降、構造改革への取組みを抜本的に強化し、「改革なくして成長なし」との基本的考え方の下、6月に「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」を決定した後、9月には「改革工程表」により構造改革の道筋を提示し、更に10月には構造改革を加速するために「改革先行プログラム」を決定し、これを受け、第一次補正予算を編成するなど、経済・財政、行政、社会など各般にわたる構造改革を推進した。その後、米国における同時多発テロの発生を契機に世界経済が同時不況に陥るリスクが高まる中、我が国の景気は、生産、設備投資が減少し、個人消費が弱含むなど、一段と悪化した。こうした経済環境の急激な変化に対応し、構造改革をより一層推進しつつ、デフレの進行とあいまって景気が加速度的に悪化することを回避するため、政府は、12月に「緊急対応プログラム」を決定し、これを受けた第二次補正予算を編成することとした。

      一方、我が国財政は、平成13年度末の国と地方を合わせた長期債務残高が約675兆円にも達する見込みであり、主要先進国中最悪の危機的な状況であった。また、かつてのような高い経済成長に依存した税収の伸びが期待できない中で、急速な人口の高齢化等に伴う経費の増大や公債の累増に伴う国債費の増大等により、歳入歳出構造について思い切った見直しがなければ歳出と税収の多額のギャップは年々拡大する可能性が強かった。

      平成14年度予算は、財政構造改革の第一歩として、「国債発行額30兆円以下」との目標の下、歳出構造を抜本的に見直す「改革断行予算」と位置付けられた。厳しい経済情勢の中で、既存の制度・施策を転換し構造改革を推進することは容易なことではなかったが、「改革なくして成長なし」との精神で新しい未来を切りひらくことは緊急の課題であり、平成14年度予算では、いわゆる「5兆円を削減する一方で重点分野に2兆円を再配分する」という理念を踏まえつつ、予算の配分を大胆にシフトすることによって経済構造の転換を促進した。その際、「民間でできることは民間に、地方でできることは地方に」との原則を踏まえ、歳出全般について根底から見直すことにより、国・地方を通じ財政の関与を真に必要なものに限られた。また、すべての歳出は究極的には国民の税金で賄われているとの認識に立脚し、コスト意識を持って施策の効果や行政の効率性を点検することにより、歳出のムダを省き削減すべき経費は徹底的に削減することとされた。

      平成14年度一般会計予算の規模は81兆2,300億円、対前年度当初予算1兆4,224億円(1.7%)の減少となり、このうち一般歳出は47兆5,472億円、対前年度当初予算1兆1,117億円(2.3%)の減少となっている。

      財務局予算は、67,472百万円で、対前年度3,237百万円(4.6%)の減少となり、このうち人件費は416百万円(1.2%)の減少、物件費は2,821百万円(7.6%)の減少となっている。

      総務・理財系統経費については、マル1パソコンの更新、セキュリティ対策の強化、財務局WAN回線の増強等、行政情報化の推進に必用な経費の増額、マル2有価証券報告書等の電子開示システムの運用に必要な経費の増額(インターネット回線の増等)、マル3東京財務事務所庁舎の維持管理に必要な経費の増額、マル4内部者取引規制充実強化のためのクイックISの増設に必要な経費、マル5財務局への申請・届出等手続の電子化に必要な基盤整備に係る経費、マル6文書管理システム等の開発に必要な経費、マル7財務局給与システムのペーパーレス化のための開発に必用な経費、マル8公共事業等実施計画承認事前審査に必用な経費、マル9予算執行状況調査に必要な経費が認められた。

      また、管財系統経費については、マル1一般競争入札・価格公示売却に係る売払事務委託手数料、未利用地管理外部委託手数料など、管理処分の外部委託に必用な経費、マル2普通財産維持費のうち、国有崖地等に係る補修工事費の増額、マル3国有財産情報の一元管理、国有財産諸手続のペーパーレス化及び売却対象財産の情報提供推進のためのシステム(国有財産情報公開システム・国有財産総合情報システム)の開発・運用に必要な経費の増額、マル4特別借受宿舎について、特定国有財産整備特別会計を活用した一括購入が認められた。

    • ニ.平成15年度

      平成14年度の我が国経済は、年初来の輸出の増加や生産の持ち直しの動き等により、景気に一部回復の兆しが見られるものの、年後半にかけて世界経済への先行き懸念や株価低迷の影響等が最終需要の下押し要因となる可能性が見込まれるなど、引き続き厳しい局面が続いていた。政府は、経済社会の活性化を通じた民間需要主導の本格的な回復軌道に乗せるため、6月に「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」を策定した。その後、12月には、金融経済情勢の不確実性の高まりを踏まえ、日本経済再生のための総合対応策を補完・強化する「改革加速プログラム」を策定するとともに、これを実施するための平成14年度補正予算を編成することとした。

      一方、我が国財政は、14年度末の公債残高が約428兆円にも達する見込みであり、主要先進国中最悪の危機的な状況であった。また、かつてのような高い経済成長に依存した税収の伸びが期待できない中で、急速な人口の高齢化等に伴う経費の増大や公債の累増に伴う国債費の増大等により、歳入歳出構造はますます硬直化しており、財政構造についての思い切った見直しがなければ歳出と税収の多額のギャップは年々拡大していく可能性が強かった。

      平成15年度予算は、活力ある経済社会と持続的な財政構造の構築を図るため、「改革断行予算」と位置付けた平成14年度予算の基本路線が継承され、歳出構造改革を推進するとの観点から、活力ある経済社会の実現に向けた将来の発展につながる分野に予算の重点的な配分を行い、当面の経済情勢を踏まえ、民間の潜在的な活力を顕在化させる効果及び雇用創出効果を重視するとともに、改革に伴う影響に対応し、雇用や中小企業のセーフティネットに万全を期すこととされた。

      平成15年度一般会計予算の規模は81兆7,891億円、対前年度当初予算5,591億円(0.7%)の増加となり、このうち一般歳出は47兆5,922億円、対前年度当初予算450億円(0.1%)の増加となっている。

      財務局予算は、67,963百万円で、対前年度491百万円(0.7%)の増加となり、このうち人件費は261百万円(0.8%)の減少、物件費は753百万円(2.2%)の増加となっている。

      総務・理財系統経費については、マル1財務局WANの円滑な運用の基盤となる機器の更新・集約化など、行政情報化の推進に必用な経費、マル2財務局への申請・届出等手続の電子化のための文書管理システム等の運用に必用な経費、マル3モバイルコンピュータシステムの導入に必要な経費、マル4有価証券報告書等の電子開示システムの運用に必要な経費の増額、マル5松江財務事務所の移転に必要な経費、マル6自動車運転業務の外部委託に必要な経費、マル7たばこ経営実態調査に必要な経費、マル8貨幣受払い事務に必要な経費、マル9証券取引検査及び審査事務等に必要な経費の増額が認められた。

      また、管財系統経費については、マル1一般競争入札(価格を公表して入札に付するものを含む)に係る売払事務委託手数料、未利用地管理外部委託手数料など、国有財産管理処分事務の外部委託に必用な経費及び国有財産評価等手数料の増額、マル2売払件数が著増する関東財務局を中心に、非常勤職員に係る経費、マル3地下埋設物調査、土壌汚染調査に係る経費の増額、マル4法定外公共物譲与事務に係る市販ソフトウェアの購入経費等が認められた。

    • ホ.平成16年度

      平成15年度の我が国経済は、年度当初には踊り場的な状況が見られた後、米国をはじめ世界経済が回復する中で、輸出や生産が再び緩やかに増加していくとともに、企業収益の改善が続き、設備投資も増加するなど、企業部門が回復していき、これにより、我が国経済は、民需中心に緩やかに回復していくものと見込まれた。デフレについては、物価の下落幅は縮小していくものの、デフレ傾向はなお継続するものと見込まれた。

      一方、我が国財政は、バブル経済崩壊後、総じて景気回復を優先した財政運営を行ってきた結果、平成15年度末の公債残高が約459兆円にも達する見込みであるなど、世界の先進国の中でも最悪の水準にあった。平成15年度予算では、国債発行額を極力抑制することとしたものの、公債依存度は44.6%に達していた。

      平成16年度予算は、これまでの「改革断行予算」という基本路線を継続し、「官から民へ」、「国から地方へ」、「利用者の選択の拡大へ」、「ハードからソフトへ」といった基本的考え方に沿って、制度・政策の抜本的見直しを行うとともに、政府全体の歳出を国と地方が歩調を合わせつつ抑制することにより、政府の大きさ(一般政府の支出規模のGDP比)を極力抑制し、持続可能な財政構造の構築を図り、将来においても我が国経済の活力を維持するため、一般会計歳出及び一般歳出については実質的に平成15年度の水準以下に抑制し、これによって国債発行額を極力抑制することとされた。

      平成16年度一般会計予算の規模は82兆1,109億円、対前年度当初予算3,218億円(0.4%)の増加となり、このうち一般歳出は47兆6,320億円、対前年度当初予算398億円(0.1%)の増加となっている。

      財務局予算は、67,970百万円で、対前年度7百万円(0.0%)の増加となり、このうち人件費は250百万円(0.8%)の減少、物件費は257百万円(0.7%)の増加となっている。

      総務・理財系統経費については、マル1財務局の情報受信発信機能強化のために必要な諸謝金等の増額、マル2財務局LANシステムに係る運用経費とともに、クライアントパソコンの更新経費、ホームページバリアフリー化経費など、行政情報化の推進に必要な経費、マル3財務局への申請・届出等手続の電子化のための文書管理システムの運用等に必要な経費の増額、マル4モバイルコンピュータシステムの機器の増設に要する経費、マル5有価証券報告書等の電子開示システムの運用やセキュリティ強化に必要な経費の増額、マル6建設工事競争参加資格審査の一元的な受付に必要な経費、マル7貸金業に対する監督及び検査に必要な経費の増額、マル8たばこ自動販売機の実態調査に必要な経費の増額が認められた。

      また、管財系統経費については、マル1一般競争入札に係る売払事務委託手数料等、国有財産管理処分の外部委託に必用な経費の増額、マル2売払件数の増加に対応するための非常勤職員に係る経費、マル3売払物件に係る瑕疵を原因として必要となる賠償金の増額、マル4電子入札システムの開発に必要な経費、マル5地方分権推進計画に基づく法定外公共物の譲与等事務に対処するため、図面管理用コンピュータシステム経費の増額及び非常勤職員に係る経費、マル6要確認財産の外部委託による実態調査に必要な経費、マル7直接受け取った歳入金について、民間金融機関等に国庫金納付業務を委託するために必要な経費が認められた。

    • ヘ.平成17年度

      平成16年度の我が国経済は、一部に弱い動きがみられたが、年度全体を通してみると、企業収益が大幅に改善するなど企業部門が引き続き堅調な中、雇用環境が持ち直す動きがみられ、民間需要中心の回復を続けると見込まれた。物価については、国内企業物価は原油など素材価格が高騰した影響による上昇がみられたが、消費者物価は前年比で小幅な下落基調が続いていた。また、GDPデフレーター(物価変動指数)は緩やかな低下を続けていた。こうした物価動向を総合的にみたところ、我が国経済は、緩やかなデフレ状況が継続すると見込まれた。

      一方、我が国財政は、平成16年度予算では公債依存度が44.6%にも及ぶなど、先進国のいずれの国と比較しても極めて深刻な状況にあった。また、歳入歳出構造はますます硬直化しており、財政構造についての思い切った見直しがなければ、歳出と税収の多額のギャップは年々拡大していく可能性が高かった。

      平成17年度予算は、2010年代初頭における基礎的財政収支の黒字化を念頭におきつつ、構造改革を一層推進するため、「改革断行予算」という基本路線を継続し、持続的な財政構造の構築と予算の質の向上を図る必要があった。このため、歳出改革を一層推進し、一般会計歳出及び一般歳出の水準について、実質的に前年度水準以下に抑制してきた従来の歳出改革路線を堅持・強化することとされた。

      平成17年度一般会計予算の規模は82兆1,829億円、対前年度当初予算720億円(0.1%)の増加となり、このうち一般歳出は47兆2,829億円、対前年度当初予算3,491億円(0.7%)の減少となっている。

      財務局予算は、66,918百万円で、対前年度1,052百万円(1.5%)の減少となり、このうち人件費は67百万円(0.2%)の減少、物件費は985百万円(2.8%)の減少となっている。

      総務・理財系統経費については、マル1官房事務等に必要な非常勤職員に要する経費の増額、マル2財務局職員の管理能力・専門能力の習得を目的とした「大学院の社会人コース」での研修等に必要な経費、マル3財務局LANシステムに係る運用経費、クライアントパソコンの更新経費、セキュリティ対策経費など、行政情報化の推進に必要な経費、マル4モバイルコンピュータシステムの機器の増設に要する経費、マル5たばこ自動販売機の実態調査に必要な経費の増額、マル6有価証券報告書等の電子開示システムの運用経費、セキュリティ強化に必要な経費などの増額、マル7金融行政施策に対する意見交換(金融行政アドバイザリー)のために必要な経費、マル8中小企業金融の円滑化のための意見交換、情報収集に必要な経費、マル9貸金業者に対する調査指導及び監督に必要な経費の増額が認められた。

      また、管財系統経費については、マル1一般競争入札に付す物件について、事前に地下埋設物調査を行うために必要な経費の増額、マル2地下埋設物等が存在するため一般競争入札に付すことが困難となっている未利用国有地について、当該地下埋設物の撤去等を行うために必要な経費、マル3未利用国有地の売却後に地下埋設物等の瑕疵が発見された場合に必要となる賠償金の増額、マル4地方分権推進計画に基づき、平成17年4月以降新たに財務局が管理することとなる旧法定外公共物について、境界画定事務の外部委託に必要な経費、マル5旧法定外公共物に関する管理業務を適切に実施するために必要となる非常勤に要する経費、マル6国有財産台帳価格改定システムの開発など、国有財産台帳価格改定事務を行うために必要な経費、マル7直接受け取った歳入金について、民間金融機関等に国庫金納付業務を委託するために必要な経費の増額、マル8増加している訴訟事案に適切に対応するため、顧問弁護士に対する謝金の増額が認められた。

    • ト.平成18年度

      平成17年度の我が国経済は、年央には、それまでの輸出・生産などに見られた弱い動きを脱し、景気は、緩やかな回復を続けていた。企業部門の好調さが、雇用・所得環境の改善を通じて家計部門へ波及しており、民間需要中心の緩やかな回復が続くと見込まれた。しかし、デフレからの脱却に向けた進展が見られたものの、物価は依然としてデフレ状況にあった。実体経済が緩やかに回復し、デフレ圧力の低下により消費者物価の下落幅は縮小していたが、原油価格の高騰により輸入物価が上昇する中、GDPデフレーター(物価変動指数)は下落を続けていた。

      一方、我が国財政は、平成17年度予算では公債依存度が41.8%にも及び、国・地方合わせた長期債務残高が平成17年度末でGDP比150%を超える見込みであるなど、先進国のいずれの国と比較しても極めて深刻な状況にあった。また、高齢化の進展等に伴う諸経費の増大や公債の累増に伴う国債費の増大等により歳入歳出構造はますます硬直化してきていた。2010年代初頭における基礎的財政収支の黒字化に向け、歳出・歳入の両面において思い切った見直しを進め、将来世代に責任が持てる財政を確立する必要があった。

      平成18年度予算は、重点強化期間最後の重要な予算であり、平成13年6月の「骨太の方針」以来の構造改革に一応の目処をつけるものと位置付けられ、同時に改革を加速するための予算でもあった。また、中期的には引き続き「2010年代初頭における基礎的財政収支の黒字化」及び「デフレの克服、民需主導の持続的経済成長」の実現を図らなければならなかった。そのため、予算編成に当たっては、小さくて効率的な政府の実現に向け従来の歳出改革路線を堅持・強化した。このため、三位一体改革を推進するとともに、総人件費改革、医療制度改革、特別会計改革、資産・債務改革、政策金融改革等の構造改革について、順次予算に反映させた。また、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、一般歳出の水準について前年度よりも減額し、一般会計歳出についても厳しく抑制を図った。更に、足下の経済情勢や税収動向を踏まえ、新規国債発行額について平成17年度(34.4兆円)よりも大幅に減額し、30兆円にできるだけ近づけることとされた。

      平成18年度一般会計予算の規模は79兆6,860億円、対前年度当初予算2兆4,969億円(3.0%)の減少となり、このうち一般歳出は46兆3,660億円、対前年度当初予算9,169億円(1.9%)の減少となっている。

      財務局予算は、66,120百万円で、対前年度798百万円(1.2%)の減少となり、このうち人件費は600百万円(1.8%)の減少、物件費は198百万円(0.6%)の減少となっている。

      総務・理財系統経費については、マル1官房事務等に必要な非常勤職員に要する経費の増額、マル2大臣・副大臣・大臣政務官による国民各層との意見交換会を実施するために必要な経費、マル3財務局職員の健康管理について、メンタルヘルス面からも効果的に維持・促進するための健康相談医による事務所巡回に要する経費、マル4モバイルコンピュータシステムの機器の増設に要する経費、マル5有価証券報告書等の電子開示システムの運用経費、セキュリティ強化に必要な経費の増額、マル6平成18年度から実施される新たな公認会計士試験の円滑な事務運営に必要な経費の増額、マル7地域密着型金融の推進として実施するシンポジウムの開催に必要な経費、マル8外国為替証拠金取引業者の監督事務に必要な経費、マル9少額短期保険業者等の監督事務等に必要な経費、マル10証券取引におけるインサイダー取引等の違反行為の防止、規制の実効性確保のための課徴金制度の調査等に必要な経費、有価証券報告書等の虚偽記載に係る提出会社等への検査及び調査に必要な経費が認められた。

      また、管財系統経費については、マル1一般競争入札に付す物件について、事前に地下埋設物等の調査を行うために必要な経費の増額、マル2地下埋設物等が存在するため一般競争入札に付すことが困難となっている未利用国有地について、当該地下埋設物の撤去等を行うために必要な経費の増額、マル3未利用国有地の売却後に地下埋設物等の瑕疵が発見された場合に必要となる賠償金の増額、マル4国有財産法等の改正に伴い新たに実施される国有財産を円滑に売却するための交換に必要な経費、マル5合同宿舎のうち廃止となっている宿舎の建物・工作物における解体撤去に要する経費の増額、マル6老朽宿舎の増加に伴い、設備等の維持保全を図るために要する各所修繕経費の増額が認められた。

    • チ.平成19年度

      平成18年度の我が国経済は、消費に弱さがみられたものの、景気は回復を続けており、企業部門の好調さが、雇用・所得環境の改善を通じて家計部門へ波及し、民間需要中心の回復が続くと見込まれた。物価の動向を総合的にみると、消費者物価指数は前年比で上昇が続いていたが、石油製品、その他特殊要因を除くとゼロ近傍で推移し、また、需給ギャップはゼロ近傍まで改善していた。これらのこと等から、デフレからの脱却が視野に入っているものの、海外経済の動向などにみられるリスク要因を考慮しつつ、デフレに後戻りする可能性がないかどうか、注意していく必要があった。

      一方、我が国財政は、平成18年度予算では公債依存度が37.6%にも及び、国・地方合わせた長期債務残高が平成18年度末においてもGDP比150%程度となる見込みであり、主要先進国中最悪の水準であるなど、極めて深刻な状況にあった。こうした厳しい財政事情を踏まえ、政府は、「基本方針2006」で示された方針に沿って、2010年代半ばに向け、債務残高対GDP比を安定的に引き下げることを目指し、まずは平成23(2011)年度までに基礎的財政収支を確実に黒字化することとしていた。

      平成19年度予算は、平成23年度に国と地方の基礎的財政収支を確実に黒字化するとともに、簡素で効率的な政府を実現するため、これまでの財政健全化の努力を継続し、歳出改革路線を強化することとされた。このため、行政のスリム化・効率化を一層徹底し、総人件費改革や特別会計改革、資産・債務改革等について、適切に予算に反映させ、また、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、一般歳出及び一般会計歳出について厳しく抑制を図ることとされた。足下の経済情勢や税収動向を踏まえ、新規国債発行額について、前年度当初予算における公債発行額の減額幅(44,170億円)を上回る過去最大の減額を目指した。

      平成19年度一般会計予算の規模は82兆9,088億円、対前年度当初予算3兆2,228億円(4.0%)の増加となり、このうち一般歳出は46兆9,784億円、対前年度当初予算6,124億円(1.3%)の増加となっている。この中には、特別会計改革により、平成19年度から電源開発促進税収を一般会計へ組み入れることに伴う歳出増が含まれており、これを除くと、2,945億円(0.6%)の増加となっている。

      財務局予算は、64,635百万円で、対前年度1,485百万円(2.2%)の減少となり、このうち人件費は244百万円(0.8%)の減少、物件費は1,241百万円(3.6%)の減少となっている。

      総務・理財系統経費については、マル1事務所の分任支出負担行為担当官化による本局支払事務の増加や随意契約見直しによる契約事務の増加に対応するため、会計課事務に必要な非常勤職員手当の増額、マル2健康管理の充実を図るため、健康診断の実施、再検査の慫慂、健康管理の記録、保健指導などの業務について、専門知識を有する保健師への委託に必要な経費、マル3学校における金融経済教育の取組を強化するため、学校の先生を対象とした研修会の実施に必要な経費、マル4金融経済教育における関係各方面との連携強化を図るため、基礎的な金融経済知識の普及・啓発を内容としたシンポジウムの開催に必要な経費、マル5証券取引におけるインサイダー取引等の違反行為の防止、規制の実効性確保のための課徴金制度の調査等に必要な経費の増額が認められた。

      また、管財系統経費については、マル1総括事務、宿舎移転跡地処理事務等に必要な非常勤職員手当の増額、マル2既存庁舎等の使用についての省庁横断的な調整・監査をより協力に実施するために必要な経費の増額、マル3公務員宿舎跡地の売却準備のために必要な測量経費、マル4政府保有株式の売却に必要な経費、マル5国有崖地の補修に必要な経費の増額、マル6消防法の一部改正に伴い、住宅の用途に供する建物について設置が義務付けられた住宅用防災警報機に必要な経費、マル7用途廃止される宿舎建物について、解体撤去を行うまでの間、不法侵入等犯罪の発生を未然に防止するために必要な経費の増額が認められた。

    • リ.平成20年度

      平成19年度の我が国経済は、景気は、一部に弱さがみられたものの、回復していた。企業部門の底堅さが持続し、景気回復が続くと見込まれたものの、改正建築基準法施行の影響により住宅建設が減少したこと等から、回復の足取りが緩やかになると見込まれた。物価の動向をみると、消費者物価指数は、石油製品等の上昇により上昇すると見込まれた。一方、サブプライム住宅ローン問題を背景とする金融資本市場の変動、原油価格の高騰等が我が国経済に与える影響については注視する必要があった。

      一方、我が国財政は、平成19年度予算では公債依存度が30.7%にも及び、国・地方合わせた長期債務残高が平成19年度末においてもGDP比150%程度となる見込みであり、主要先進国中最悪の水準であるなど、極めて深刻な状況にあった。こうした厳しい財政事情を踏まえ、政府は、「基本方針2006」で示された方針に沿って、2010年代半ばに向け、債務残高対GDP比を安定的に引き下げることを目指し、まずは平成23(2011)年度までに基礎的財政収支を確実に黒字化することとしていた。

      平成20年度予算は、歳出改革を軌道に乗せる上で極めて重要な予算であることから、歳出全般にわたって、これまで行ってきた歳出改革の努力を決して緩めることなく、国・地方を通じ引き続き「基本方針2006」及び平成19年6月に閣議決定された「経済財政改革の基本方針2007」に則り、最大限の削減を行うとともに、若者が明日に希望を持ち、お年寄りが安心できる「希望と安心」の国の実現のため、予算の重点化・効率化を行うこととされた。このため、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、一般歳出及び一般会計歳出について厳しく抑制を図るとともに、足下の経済情勢や税収動向を踏まえ、新規国債発行額について極力抑制することとされた。

      平成20年度一般会計予算の規模は83兆613億円、対前年度当初予算1,525億円(0.2%)の増加となり、このうち一般歳出は47兆2,845億円、対前年度当初予算3,061億円(0.7%)の増加となっている。

      財務局予算は、64,951百万円で、対前年度316百万円(0.5%)の増加となり、このうち人件費は1,025百万円(3.2%)の増加、物件費は709百万円(2.2%)の減少となっている。

      総務・理財系統経費については、マル1「多重債務問題改善プログラム」に基づき、全国の財務局において多重債務者のための相談窓口を整備する経費、マル2温室効果ガスの削減の取組として、太陽光発電設備の設置及び屋上緑化等を整備する経費、マル3職員の心の健康づくりについて、心の健康の保持増進及び心の不健康な状態への早期対応のため、広く職員に面接やカウンセリングを行う経費、マル4財務局LANシステム及び給与計算システムのサーバ、クライアントパソコンなど機器の更新に必要な経費、マル5庁舎の新営、使用調整等に伴う移転経費、初度備品費などの経費が認められた。

      また、管財系統経費については、マル1総括事務、庁舎等移転再配置事務及び宿舎移転再配置新築事務等に必要な非常勤職員手当の増額、マル2公務員宿舎跡地の売却準備のために必要な測量経費の増額、マル3地下埋設物等により処分困難となっている財産を、撤去等により売却可能な状態にするための物件整備費の増額、マル4宿舎建物本体及び設備の状況調査、耐震診断等を実施するために必要な経費の増額、マル5宿舎の移転・再配置計画の実施に伴う事務の増大に対応するために必要な賃金経費の増額が認められた。

    • ヌ.平成21年度

      平成20年度の我が国経済は、世界の金融資本市場の危機を契機に世界的な景気後退が見られる中で、外需面に加え国内需要も停滞し、景気の下降局面にあった。雇用情勢が急速にしつつ、企業の資金繰りも厳しい状況となっていた。物価の動向をみると、原油価格の急速な下落から、消費者文化は今後落ち着いていくと見込まれた。

      一方、我が国財政は、平成20年度補正(第1号)後予算では公債依存度が30.6%にも及び、国・地方合わせた長期債務残高が平成20年度末においてもGDP比150%程度となる見込みであり、主要先進国中最悪の水準であるなど、極めて深刻な状況にあった。こうした厳しい財政事情を踏まえ、政府は、「基本方針2006」で示された、国・地方の基礎的財政収支を平成23年度までに黒字化させるとの目標を達成すべく努力するものの、歳入環境が急速に悪化している状況も念頭に置き、「金融・世界経済に関する首脳会合」の成果も踏まえつつ、国民生活と日本経済を守ることを最優先し、必要な対応を図ることとしていた。

      平成21年度予算は、「基本方針2006」等に基づき財政健全化に向けた基本的方向性を維持する観点から、重点課題推進枠の活用などにより予算配分の重点化を行うとともに、世界の経済金融情勢の変化を受け、国民生活と日本経済を守るべく、平成20年10月に決定された「生活対策」に盛り込まれた内需拡大と成長力強化等に向けた税制上の措置とあわせ、状況に応じて果断な対応を機動的かつ弾力的に行うこととされた。また、行政支出総点検会議等の議論を踏まえ、政策の必要性をゼロベースで精査し、行政支出全般を徹底して見直すことにより、財政支出の抑制につなげた。

      平成21年度一般会計予算の規模は88兆5,480億円、対前年度当初予算5兆4,867億円(6.6%)の増加となり、このうち一般歳出は51兆7,310億円、対前年度当初予算4兆4,465億円(9.4%)の増加となっている。

      財務局予算は、64,594百万円で、対前年度357百万円(0.5%)の減少となり、このうち人件費は329百万円(1.0%)の増加、物件費は685百万円(2.1%)の減少となっている。

      総務・理財系統経費については、マル1新たな運用形態での再任用制度を導入するために必要な再任用短時間勤務職員給与、マル2たばこ成人識別自動販売機の未導入店に対する指導体制の強化として、事務の増加に対応するために必要な非常勤職員手当の増額、マル3財務局LANシステムのサーバ、クライアントパソコンなど機器の一括更新に伴う借料等の増額、マル4平成22年公認会計士試験より、短答式試験を2回実施するため、試験の実施に必要な経費の増額、マル5証券市場の監視機能の強化、事務効率化を図るための証券コンプライアンスWAN経費の増額、マル6庁舎新営等に伴う移動書架などの初度整備費、耐震改修工事に伴う仮庁舎借上費等の経費が認められた。

      また、管財系統経費については、マル1誤信使用財産処理事務、庁舎等移転再配置事務及び宿舎移転再配置新築事務等に必要な非常勤職員手当の増額、マル2誤信使用財産の処理を推進するために必要な経費、マル3地下埋設物等により処分困難となっている財産を、撤去等により売却可能な状態にするための物件整備費の増額、マル4新たに国内の建物で使用事例が確認されたアスベスト(トレモライト等)について、使用の有無を分析調査するために必要な経費、マル5建築基準法等に基づく建物の劣化状況等の調査の実施に必要な経費、マル6地上デジタル放送対策の実施に必要な経費が認められた。


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