財務省財務局60年史 【第1章 総論】

第2節 機構及び定員


1.機構

  • (1)概要

    財務局は、税の賦課徴収などに関する事務を除いた財務省の事務を地方において処理する総合出先機関であり、全国9箇所(さいたま、大阪、札幌、仙台、名古屋、金沢、広島、高松及び熊本)に財務局並びに福岡に財務支局が設置されており、更に全国所要の地に必要最小限の現地的事務処理機関として40の財務事務所がそれぞれ設置されているほか、主として国有財産関係事務の一部を分担させるため、13の出張所が置かれている。

    財務局は、昭和24年に内国税に関する事務を所掌する国税局と分離して、国税行政以外の財政金融及び国有財産に関する行政事務の現地事務処理機関として発足し現在に至っている。

    この間、平成10年には、金融監督庁(平成13年には金融庁に改組)の設置を受けて、その指揮監督の下、委任を受けて金融機関等に対する検査・監督等の業務を行うなど、その業務内容は、逐次本省庁等からの権限あるいは事務の委譲及び新規立法に伴う業務の増加等により、質量ともに充実・強化されてきている。

    また、財務局には内部組織として、総務部、理財部及び管財部(注1)の3部が設けられているほか、審議会として、国有財産地方審議会(注2)が設置されている。

    • (注1) 関東財務局においては、管財部を管財第一部及び管財第二部に分け4部としている。また、北陸財務局及び福岡財務支局においては、総務部を置かず2部としている。

    • (注2) 関東財務局においては、このほか旧軍港市国有財産処理審議会が置かれている。

  • (2)最近までの変遷

    1990年代後半に表面化した不良債権問題への対応やペイオフ解禁を実施するため、金融安定化のための様々な施策が実施された。また、金融の自由化・国際化を背景として、多種多様な金融取引が進展し、これに対応した利用者保護や市場の公正性等の確保のための制度的枠組みが整備された。財務局は、このような業務内容の拡大や業務量の増大に対応するため、理財部を中心に金融機関等の検査・監督や市場監視関係の機構の増設が進んだ。

    また、管財部においては、国有財産のより一層の有効活用を推進するとの観点から、平成12年度に管財部門の組織体制の大幅な見直しを行うなど、必要な機構の整備を行った。

    最近までの機構の変遷は別表1及び2のとおりである。

    主な機構変遷は以下のとおり。

    • イ.管財部門の再編(平成12年度)

      管財部の機構の見直しに当たっての基本的考え方は次の3点に集約される。

      • ・ 国有財産の総括機能を積極的に発揮するため、従来の行政財産及び普通財産という財産区分による組織体制を見直す。

      • ・ 組織の見直しに当たっては、計画策定部門、計画実施部門及び審理部門という機能区分に基づく体制に整備する。

      • ・ 計画実施部門については、機動的・弾力的な対応を図るため、統括官制を導入する。

      具体的には、計画策定部門においては、国有財産有効利用計画、特定国有財産整備計画、宿舎設置計画、普通財産管理処分計画等の計画策定事務を行うため、管財総括課(関東は2課体制)、宿舎総括課、宿舎建設計画課(関東のみ)、宿舎技術調整官(関東及び近畿)を設置した。

      また、計画実施部門においては、財務局の規模等に応じ、複数の統括国有財産管理官を設置して、従来、行政財産・普通財産の財産毎の区分により、管財各部各課に分散していた国有財産管理処分の実施機能を集約化し、機動的・弾力的な運用を図ることとした。

      更に、審理部門においては、個別案件に係る審査機能や困難事案の処理等を担当し、審理課(関東は2課体制、北陸は審理室)を設置した。

    • ロ.経済調査課の理財部から総務部等への移管(平成13年度)

      財務省の総合出先機関である財務局が地域における経済官庁としての機能をより一層発揮するためには、その情報の受信・発信機能の更なる充実強化を図る必要がある。

      このため本省の行う政策の企画・立案に資する有益な情報や財務局の企画・立案に必要な情報の収集機能を強化するとともに、これらの有益な情報を適宜適切に本省に提供できる体制の整備を行った。

      具体的には、これまで理財部に置かれていた経済調査課を各部の情報が集中する総務部に移管し、財務広報相談室(官)との連携を強化することにより、その情報発信機能を強化し、各種広報活動の更なる充実を図ることとした。

  • (3)新規業務

    近年の社会経済情勢の急激な変化に対応して、財務局には新規立法等に伴う以下のような新規業務が発生している。

    • イ.財務省系統事務

      • (イ)官房関係業務

        • ・ 政府系金融機関の監査(平成12年7月)

        • ・ 行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行(平成13年4月)

        • ・ 指定金融機関が行う危機対応業務に対する監督等(平成20年10月)

      • (ロ)主計局関係業務

        • ・ 予算執行調査(平成14年2月)

        • ・ 予算執行調査における財務局単独調査の拡充(平成18年1月)

      • (ハ)理財局関係業務

        • ・ 貨幣の発行・回収等(平成15年4月)

        • ・ 地方向け財政融資資金の貸し手として地方公共団体の財務状況把握(平成17年4月)

        • ・ 旧法定外公共物の直接管理(平成17年4月)

        • ・ 国有財産特別措置法の改正に伴う交換制度を活用した国有財産の売却(平成18年4月)

        • ・ 庁舎・宿舎の移転再配置(平成18年4月)

        • ・ 庁舎の使用効率等に関する監査及び省庁横断的な調整(使用調整)(平成18年4月)

        • ・ 国が民間から借り受けている庁舎に対する監査及び使用調整(平成19年1月)

        • ・ 地方向け財政融資資金の繰上償還に係る財政健全化計画の審査等(平成19年4月)

      • (ニ)国際局関係業務

        • ・ 外国為替及び外国貿易法の改正に伴う両替業務を営む者等に対する検査(平成15年1月)

        • ・ 犯罪による収益の移転防止に関する法律の施行に伴う外為取引に係る通知義務に関する検査(平成20年3月)

    • ロ.金融庁系統事務

      • (イ)金融関係

        • ・ 信用協同組合の監督(平成12年4月)

        • ・ 銀行代理業者等の監督(平成18年4月)

        • ・ 郵政民営化に伴う簡易郵便局等の監督(平成19年10月)

      • (ロ)証券関係

        • ・ 証券仲介業者の監督(平成16年4月)

        • ・ 外国為替証拠金取引業者の監督(平成17年7月)

        • ・ 課徴金制度導入に伴う該当事案の調査(平成17年4月、平成17年12月)

        • ・ 金融商品取引法の施行に伴うファンド業者等の監督(平成19年9月)

        • ・ 金融商品取引法に基づく四半期報告及び内部統制報告の審査等(平成20年4月)

      • (ハ)その他

        • A.貸金業者の監督

          • ・ 貸金業の規制等に関する法律の改正(商工ローン関係)(平成13年1月)

          • ・ 貸金業の規制等に関する法律の改正(ヤミ金融対策関係)(平成16年1月)

          • ・ 改正貸金業法の施行(多重債務者対策関係)(平成19年12月)

        • B.多重債務者相談(平成20年4月)

        • C.特定目的会社の監督

          • ・ 資産の流動化に関する法律の制定(平成10年9月)

          • ・ 資産の流動化に関する法律の改正(登録制から届出制への変更)(平成12年11月)

        • D.確定拠出年金運営管理機関の監督(平成13年10月)

        • E.少額短期保険業者の監督

          • ・ 保険業法の改正による少額短期保険業制度の制定(平成18年4月)

          • ・ 公益法人制度改革に伴う少額短期保険業への移行(平成20年12月)

2.定員

  • (1)概要

    昭和24年6月1日に旧財務局が財務局と国税局に分離された当時における財務局の定員は、7,767人であったが、数次にわたる定員合理化計画を実施したことなどにより、平成21年度末の定員は4,729人となっている。

  • (2)最近までの変遷

    厳しい財政事情の下、定員要求に関しては、政府としての最重要課題への対処等、増員に真にやむを得ない事情が認められ、かつ、当該増員をその年度に実施する緊急性が特に認められるものについて、重点的に要求を実施し、その査定がなされた。例えば、地方分権改革の推進による都道府県知事から移管事務(平成12年度:信用協同組合の検査・監督事務、平成17年度:いわゆる旧法定外公共物のうち機能を喪失しているものに係る直接管理事務)の実施に関しては、大幅な増員が認められた。

    その一方で、更に厳しい定員縮減の方針が示され、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」(平成17年6月21日閣議決定。いわゆる「骨太2005」)において公務員の総人件費改革が打ち出された。これを踏まえ平成18年6月30日の「国の行政機関の定員の純減について」の閣議決定により、国有財産管理関係業務が重点事項の一つとされ、18年度から22年度までの5年間で、定員管理による136人の純減に加え、業務の見直しにより45人を純減することにより、181人を純減することとされた。加えてこの5年間は国有財産管理関係業務に係る新規増員要求を行わないこととされた。

  • (3)定員合理化計画

    国家公務員の定員については、昭和43年度以降7次24年間にわたり計画的な削減を行うこと等により抑制を図ってきたところである。すなわち、政府全体のなかの行政需要の衰退部門・要合理化部門からの定員を削減し、それを新規行政需要の強い部門に再配分するとの定員管理の考えに基づき、財務局をはじめとする各行政機関の職員については、数次にわたる定員合理化計画を実施してきている。

    なお、第10次から第12次定員削減計画の概要は次のとおりである。

    • イ.第10次合理化計画(平成13年度〜17年度)

      中央省庁等改革基本法及び「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本的計画」(平成11年4月27日閣議決定)に基づき、平成12年7月18日の「新たな府省の編成以降の定員管理について」の閣議決定により、平成13年1月6日から平成18年3月31日までの5年間に平成12年度末定員の5.13%を合理化することとした。

    • ロ.第11次合理化計画(平成17年度〜平成21年度)

      中央省庁等改革基本法及び「今後の行政改革の方針」(平成16年12月24日閣議決定)に基づき、平成17年10月4日の「平成18年度以降の定員管理について」の閣議決定により、平成17年度から平成21年度までの5年間に平成16年度末定員の10%以上を合理化することとし、平成18年度を初年度とし4年間に新たに平成17年度定員の総数の8.352%を目途に削減することとなった。

    • ハ.第12次合理化計画(平成22年度〜平成26年度)

      平成21年7月1日の「平成22年度以降の定員管理について」の閣議決定により、平成22年度を初年度とし5年間に新たに平成21年度末定員の総数の10%以上を合理化することとし、22年度においては2%以上を合理化することとなった。また、23年度以降の府省毎の合理化目標数については、年内を目途に策定する出先機関の改革大綱等を踏まえ、改めて策定することとされた。

年度別定員増減一覧表(平成12年度以降)

年 度12131415161718192021
2713852534510282819690
△111△49△53△54△55△75△102△108△113△114
純増減160△11△1△1△1027△20△27△17△24
定員4,8134,8024,8014,8004,7904,8174,7974,7704,7534,729

【別表1】主な機構改正の変遷(本局)

区分

年度

部次長等課長等
総務部理財部監視官部門管財部
12理財部金融監督官(北陸、四国)
管財第二部次長(関東)
   管財総括課(関東除く全国)
管財総括第一課(関東)
管財総括第二課(関東)
宿舎総括課(全国)
宿舎建設計画課(関東)
宿舎技術調整官(関東1、近畿1)
審理課(関東除く全国)
審理第一課(関東)
審理第二課(関東)
統括国有財産管理官(北海道3、東北3、関東8、北陸1、東海5、近畿6、中国4、四国1、九州2、福岡2)
統括国有財産監査官(北海道1、関東1、東海1)
13   統括証券取引検査官(関東3、近畿1)
金融監督第三課(近畿)
 
14   統括証券取引検査官(関東1) 
15  統括証券監査官(関東1)
検査指導官(関東1)
金融調整官(関東1、近畿1)
統括証券取引検査官(関東1)
統括証券取引審査官(関東1)
統括証券取引特別調査官(関東1)
統括国有財産管理官(関東1)
16  特別主計実地監査官(北海道1、北陸1、四国1、福岡1)
検査指導官(東北1、近畿1、東海1、中国1)
統括金融証券検査官(中国1)
特別金融証券検査官(福岡1)
理財第一課(近畿)
理財第ニ課(近畿)
金融調整官(関東1、近畿1、中国1)
 訟務課(近畿)
17金融監督官(関東)情報管理課(関東)
合同庁舎監理官(福岡1)
財務広報相談室(東海)
金融安定副監理官(関東1、近畿1)
検査指導官(北海道1、福岡1)
金融調整官(北海道1、福岡1)
証券検査指導官(関東1)
統括証券検査官(関東2、東海1、近畿1)
統括証券調査官(関東1)
管財総括第一課(近畿)
管財総括第二課(近畿)
国有財産調整官(関東1、中国1)
特別国有財産管理官(中国1)
18  検査指導官(九州1)
金融監督第三課(東海1、中国1)
金融監督第五課(関東1)
統括証券監査官(近畿1)
証券取引等副監視官(関東1)国有財産調整官(関東1)
19  統括証券監査官(関東1、東海1)
証券監督第一課(関東)
証券監督第二課(関東)
金融監督第三課(東北)
統括証券検査官(北陸1、中国1)管財総括第三課(関東)
統括国有財産管理官(関東3)
国有財産調整官(東海1、近畿1)
20 財務広報相談室(中国)金融監督第三課(北海道、福岡)統括証券調査官(関東1)
統括証券取引審査官(関東1)
統括証券取引特別調査官(関東1)
統括金融証券検査官(四国1)
国有財産調整官(東北1、関東1、近畿1、福岡1)
21  金融監督第三課(九州)
金融監督第四課(近畿)
統括証券検査官(関東1、東海1、近畿1)
統括証券調査官(近畿1)
国有財産調整官(北海道1、関東1、九州1)

【別表2】専門官の推移

別表2 専門官の推移 監視
別表2 専門官の推移 総務
別表2 専門官の推移 理財
別表2 専門官の推移 管財

【別表3】財務局・財務支局の機構図(平成21年4月1日現在)


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