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第52回 財務省政策評価懇談会(10月9日開催)議事録

1 日時 平成26年10月9日(木)10:32〜12:01
2 場所 財務省第三特別会議室
3 出席者 (懇談会メンバー)
  秋山 咲恵   株式会社サキコ−ポレ−ション 代表取締役社長
  伊藤 元重   東京大学大学院経済学研究科 教授
  幸田 真音   作家
  角   和夫   阪急電鉄株式会社 代表取締役会長
  田中 直毅   国際公共政策研究センタ− 理事長
  田辺 国昭   東京大学大学院法学政治学研究科 教授
  冨山 和彦   株式会社経営共創基盤 代表取締役CEO
座長:  吉野 直行   慶應義塾大学 名誉教授

(敬称略、五十音順)

(財務省)
大家大臣政務官、香川事務次官、目黒会計課長、大矢総合政策課長、田島主税局総務課長

(国税庁)
林国税庁長官、貝塚国税庁審議官、上羅国税庁審議官、藤田国税庁課税部長、古賀国税庁徴収部長、本宮国税庁監督評価官室長

(事務局)
渥美政策評価審議官、升平政策評価室長

4 議題等

(1) 平成25事務年度国税庁実績評価書について(説明及び意見聴取)

(2) 平成26事務年度国税庁実績評価実施計画等の一部変更について(説明及び意見聴取) 
5 議事録

  

 

○吉野座長 それでは、時間になりましたので、ただいまから第52回財務省政策評価懇談会を開催させていただきたいと思います。 

  まず最初に、大家大臣政務官から一言、御挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。   

 

○大家大臣政務官 おはようございます。先月、財務大臣政務官を拝命いたしました大家敏志と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 

  本日は、お忙しい中、政策評価懇談会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。 

  この懇談会は、財務省の政策全般に関わる政策評価について御意見を頂くために開催をしていまして、本日は25年度の国税庁の実績評価等を議題としております。この懇談会は、平成12年10月に発足し、今年で15年目に入るとともに、昨年、12名中8名の委員の先生方が交代をされ、新しい視点からも御意見を頂いてきていると承っています。 

  政策評価の目的は、いわゆるPDCAサイクルを通じて政策評価を次の政策決定に反映させることにより、効率的で質の高い行政を推進するとともに、国民に対する行政の説明責任を徹底するものであります。このような目的を果たすためには、単に財務省が自ら評価するだけではなく、外部の有識者の皆様方から率直な御意見を頂くことが極めて重要であると考えています。本日の懇談会におきましても、このような観点から幅広く、そして忌憚のない御指摘、御意見を頂きますようお願いいたしまして、私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  

 

○吉野座長  大家大臣政務官、どうもありがとうございました。 

  それでは、カメラの方、ここで終了していただきたいと思います。 

  大家大臣政務官は、所用のためここで御退席でございます。どうも本日は御挨拶ありがとうございました。

  それでは、まず議事に先立ちまして、財務省の幹部の方々の異動がございましたので、事務局から財務省側の出席者の御紹介をお願いしたいと思います。  

 

○升平政策評価室長 政策評価室の升平でございます。 

  それでは、財務省の出席者を紹介させていただきます。  

  座長に向かいまして左側から、香川事務次官でございます。

 

○香川事務次官 どうぞよろしくお願いします。

 

○升平政策評価室長 次に、佐藤主税局長でございますが、本日は急遽、官邸での説明が入った関係で、田島主税局総務課長の代理出席となっております。

 

○田島主税局総務課長 田島でございます。よろしくお願いいたします。

 

○升平政策評価室長 続きまして、迫田総括審議官でございますが、同じく官邸説明の関係で、大矢総合政策課長が代理出席となっております。

 

○大矢総合政策課長 大矢です。よろしくお願いいたします。

 

○升平政策評価室長 それから、井上文書課長でございますが、法案説明の関係で後ほど参ります。 

  続きまして、目黒会計課長でございます。

 

○目黒会計課長 目黒です。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○升平政策評価室長 次に、右側に移りまして、渥美政策評価審議官でございます。

 

○渥美政策評価審議官 どうぞよろしくお願いいたします。

 

○升平政策評価室長 林国税庁長官でございます。

 

○林国税庁長官 よろしくお願いいたします。

 

○升平政策評価室長 貝塚国税庁審議官でございます。

 

○貝塚国税庁審議官 よろしくお願いいたします。

 

○升平政策評価室長 上羅国税庁審議官でございます。

 

○上羅国税庁審議官 どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

○升平政策評価室長 藤田国税庁課税部長でございます。

 

○藤田国税庁課税部長 どうぞよろしくお願いいたします。

 

○升平政策評価室長 古賀国税庁徴収部長でございます。

 

○古賀国税庁徴収部長 よろしくお願いいたします。

 

○升平政策評価室長 本宮国税庁監督評価官室長でございます。

 

○本宮監督評価官室長 よろしくお願いいたします。

 

○升平政策評価室長 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○吉野座長 それでは、ただいまから議題に入らせていただきます。

  本日は、お手もとの議事次第にございますが、2つの案件がございまして、1つは「平成25事務年度国税庁実績評価書」について、それから、2番目が「平成26事務年度国税庁実績評価実施計画等の一部変更」について、この2つでございます。
  最初に、渥美政策評価審議官からよろしく御説明をお願いいたします。

 

○渥美政策評価審議官 渥美でございます。お手もとの資料に沿いまして、簡潔に今回の内容について御説明をしたいと思います。
 まず、資料2でございますが、「平成25事務年度国税庁実績評価の概要」の3ページを御覧いただきたいと思います。
 平成25事務年度実績評価におきまして変更したポイントのうち最大のものとしましては、評価区分の変更がございます。
 財務省では、これまで独自に評価区分を設けて評価を行っており、国税庁においても財務省の評価区分に準じた評価を行ってきたわけでございますが、平成25年度分から全省庁的に評価区分を統一することになりまして、先般、財務省が新しい評価区分にこれを受けて変えましたことから、国税庁におきましても同様に、財務省に準じて変更することとしました。
 従来は、S〜Dの5段階評価で行っていまして、今回も5段階評価ということでは変わりがございませんけれども、新しい評価区分として「S+ 目標超過達成」が入った点、それから、これまでA、B、Cという3区分だった部分が、A、Bの2区分に整理されたという点の2つが変更点でございます。
 また、これに伴いまして、評価方針の変更も行っています。従来は、業績指標の目標値を全て達成し、かつ、その他の施策の実績が良好であっても、「A 相当の進展があった」にとどめる場合が多かったところですが、今回は、そのような場合には「S 目標達成」という評価をしようという方針の下に、ある程度メリハリのある評価を行いました。
 次に、4ページを御覧ください。
 評価区分の変更と併せて、この機会に評価書の様式をできるだけ各府省共通の標準的な様式に合わせていくこととし、変更しています。
 ポイントが3つございまして、1つ目として、実績評価書を見やすい表形式に変更しています。2つ目に、業績指標について、平成25事務年度の達成状況を「○」「×」という分かりやすい形で表示しております。3点目といたしまして、予算情報について、関連する目標ごとに4年分記載しています。
 続きまして、6ページを御覧ください。
 今申し上げた変更点も踏まえ、どのような評価結果になったかということを示したものでございます。
 25事務年度分を一番右側の欄に示しておりますが、合計13の目標項目について、「S 目標達成」が2つ、「A 相当程度進展あり」が11という結果になっています。
 次に、評価の具体的な中身ですけれども、次の7ページ、8ページを御覧ください。
 これは、目標ごとに24事務年度と25事務年度の評価の状況が一覧的に分かるように記載したものでございます。
 AからSの評価になったものは、実績目標(大)2の「酒類業の健全な発達の促進」と、業績目標1−3−3の「不服申立てへの取組」の2項目でありまして、残り11項目はA評価としました。
 AからSの評価になった2つにつきましては、先ほど申し上げた評価方針の変更もありまして、24事務年度と異なる評価になっています。この2つについては、業績指標の目標値を全て達成するとともに、それ以外の施策についてもその実績が良好であるということからSと評価しています。それ以外の11項目については、評価区分の変更も踏まえ、Aという評価にしています。
 続きまして、資料3「平成26事務年度国税庁実績評価実施計画等の一部変更」の1ページを御覧ください。
 今般、業績目標1−2−3「電子申告等ICTを活用した申告・納税の推進」につきまして、定量的な指標である測定指標について変更を行うこととしています。これらの測定指標につきましては、別途、オンライン手続の利便性向上に向けた財務省改善取組計画の策定プロセスの中で目標値等について検討を行っていましたが、本年6月の実績評価実施計画の策定時にはその改善取組計画が策定されていなかったことから、実施計画上ではとりあえずの暫定的な記載をしていました。それが今般、9月18日ですけれども、改善取組計画が決定の運びとなりましたので、それに則した形で実施計画上の測定指標の目標値等について変更を行うこととしています。
 変更のポイントは2つございまして、1つ目は、e−Taxの利用状況について、2つの測定指標を廃止し、3つの測定指標を新設したということです。
 下の表のe−Taxの利用状況の部分を御覧ください。
 e−Taxについては15手続が対象となっており、変更前は公的個人認証の普及割合等に左右される3手続及びそれ以外の12手続という2つの測定指標としていましたけれども、これらを廃止し、代わりに公的個人認証の普及割合等に左右される国税申告2手続と、それ以外の国税申告4手続及び、最後に申告ではない申請・届出等9手続という3つを新設しています。
 2つ目のポイントは、従来、目標値を単に「増加」としていたところに、具体的な数値を設定したということでございます。
 なお、「オンライン申請の受付1件当たりの費用」及び「e−Taxによる事務処理(削減)時間」につきましては、引き続きそれぞれ「減少」や「増加」という形となっており、数値が入っていませんけれども、これらの指標につきましては測定指標に設定してまだ間がなく、指標の実績値の変動予測に基づき目標値として設定すべき水準を定めることが困難であることから、当面は実績値の推移を見守った上で、今後、数値目標の設定の可否を検討したいというふうに考えています。
 以上、極めて簡単でございますけれども、今回の実績評価等の概要についての説明を終わります。

 

○吉野座長 ありがとうございました。
 それでは、いつものように委員の先生方から御意見を頂きたいと思いますが、アイウエオ順で恐縮ですけれども、秋山委員からよろしいでしょうか。お願いいたします。

 

○秋山委員 秋山でございます。御説明ありがとうございました。
 まず、今回は国税庁に関してということなんですけれども、前回のこの委員会と同様、まず評価のフォーマットが新しくなったことで、非常に分かりやすくなったというところは引き続きよろしい点かと思います。
 また、今、御説明いただいた計画の一部変更の概要の中で、まず、変更前は数値目標でなかった部分について目標の数値化が進んだということ、これがいい点だと思います。また、今回、数値化目標にならなかったものについても今後、数値化を検討するということですので、是非そのように進めていただきたいと思います。
 ただ、その数値化に当たって1点気になりますのは、「e−Taxの利用満足度」という項目なんですけれども、この利用満足度の数値化の手法がアンケートということになっていたかと思います。これは、アンケートの質問項目の設定の仕方によると思いますが、業務の改善あるいは利用度の促進ということを考えれば、使った方がどう満足したかということよりは、使わない方がなぜ使わないのかとか、あるいは今まで使わなかった方が新しく使うようになったのはどういう要因があったのかですとか、今後の利用促進につながるような形での満足度の測定ということが重要ではないかというふうに思います。
 それから、先ほどの大臣政務官の御挨拶にもありましたけれども、この政策評価の大きな意義の1つは、PDCAサイクルを回していくということを着実に進めて行政の質を上げていくということだと思いますけれども、特に国税庁に関しては執行官庁ということもあって、現場の皆さんが非常にたくさんいらっしゃるということです。これは民間企業でも同様ですけれども、評価結果を現場の方がどのように受け止めて、特に業務の改善だとか、あるいは目標達成に向けてどれほどの意欲を持って仕事に取り組んでいただくかということが非常に重要だと思います。そういう意味では、例えば今回、評価方法が変わることによって、例えば「S+」評価のように目標を超過達成したときには「S」評価以上に評価されるというようなこと、こういうことを現場のモチベーションアップにうまく活用していくということが重要ではないかと思います。それは例えば、どうであれば「S」ではなくて「S+」評価という評価を受けることができるのかというようなことについて現場の認識があれば、その目標の超過達成に向けての各自の創意工夫に基づいた業務の改善、業務の進捗が図られるという面があろうかと思いますので、せっかく新しくなったこの評価体系の中で、行政の質の向上のスピードアップが図られ、特に、現場の士気が上がるというような形で進めていただきたいというふうに思います。
 簡単ですが、以上でございます。

 

○吉野座長 どうもありがとうございました。
 お答えは後でまとめてさせていただきたいと思います。
 それでは次に伊藤元重先生、お願いいたします。

 

○伊藤委員 どうもありがとうございました。
 もう15年続いているということでかなり安定的で、こういうことが続けられることは結構だと思いますので、私も2つか3つ、コメントないしは御質問をさせていただきたいと思います。1つ目は、メリハリを付けたということ。メリハリを付けることは大変結構だと思いますし、恐らくSを2つ選んだということがそのメッセージだろうと思うんですけれども、同時にAとBに分かれていたものを足して11になったとかいうことがありますので、メリハリを付けるって具体的にどういう──結果ですから、結果的にメリハリが付くか付かないかということはあるんでしょうけれども、どういう意味があるかということをもう少し御説明いただければありがたいというふうに思います。
 それから、2つ目は、私の多分理解が足りないことなのかもしれませんけれども、資料3で今、御説明いただいたe−Taxの利用状況について、これまで3手続と12手続だったものを2と4と9に分けたということと、もう1つは、変更前は「増加」「減少」という定性的なものだったのが、変更後は数字に変えられるということもあったんですけれども、この2、4、9ということで、特に何か更に意味があるのであれば是非、教えていただきたいということですね。
 それから、最後に、今、秋山さんがおっしゃったことにも非常に関わるわけですけれども、今回の結果もさることながら、一般論でこういう形のものが仕事の執行ではPDCAで、特にアクションの部分にどういう形で反映され得るのか、あるいはするような取組をしてきたかということ、これはもちろん報告書に書くとかそういう話ではないんですけれども、ここでちょっとまた御説明をいただければというふうに思います。
 以上です。

 

○吉野座長 ありがとうございました。
 では、幸田委員、お願いいたします。

 

○幸田委員 もうお2人がほとんど、私が申し上げようと思ったことを網羅されたので、重複は避けようと思うのですが、以前の、確かこの場で、目的設定や評価の基準というのはメジャラブルであるべきだというようなことを申し上げたことがあるんですね。漠然というか、かなり概念的な尺度でとらえられるのではなく、難しいとは思いますが、数値的な目標を設定していただいて、それにどのくらい達成したか、あるいは達成できなかったか、あるいは、特に今回とてもいいと思うのは、超過して達成したかということもあるでしょうし、では、それがなぜだったか、あるいはなぜできなかったかとかということも含めて、振り返ったり反省したりというところがあってこそ、とても役に立つので、できれば数値であげられるような努力をしていただけるとありがたいというようなことを申し上げたのが、その点でとても改善されたといいましょうか、御尽力いただいたことが出てきた評価体系かと思って、非常にすばらしいことだと思います。
 それと、やはり現場の声がどういうふうに反映されるかということ。現場の声を吸い上げる評価であってほしいということ。それから、あとは国民とのコミュニケーションです。ここまで財政的に厳しい中で、徴税業務の遂行といいましょうか、税収を上げていくということは、今後ますます厳しく、また重要になっていきます。そんな中で、実は本題とは離れるのですが、今、私、終戦後の税のことを取り上げた小説を、池田勇人元首相を主人公に書いているもので、税を徴収することが国に報ずることだというような当時の官僚の哲学というか、そういったことを背景に、時代小説を書いているものですから、税を取り立てる業務と言うと、あれなんですが、国民の間での受け止められ方が決してポジティブじゃないというか、どうしても厳しいお立場になりがちです。それだけに大事な仕事でもあるということ、納税について、もっと国民とコミュニケーションをとる。税金を取るとか取られるという感覚じゃなくて、納税というのは社会参加をすることだ、というふうな意識を持てるように、国民との良好なコミュニケーションがこれからますます大事になってくると思うのです。若いころの池田元首相が税務にとても熱心だったことから、「池田勇人は鬼より怖い。にたり笑って税を取る」と言われた、ということを御家族の方から伺ったりしたのですが、そういうとても厳しい、評価がされにくい、お立場であるだけに、徴税側と納税側とのコミュニケーションをもう少し積極的に取り組んでいただきたいと思うのです。国民に対して、税についていかに理解を求めるか、そういった面での働き掛けといいましょうか、そういったこともなさっていただきたい。これは全く別の、少し本題から離れた感想ではありますけれども。以上です。ありがとうございます。

 

○吉野座長 どうもありがとうございます。幸田委員のポスターでも作って、徴税の重要性というのを是非やるといいんじゃないかと思いますけれども。ありがとうございます。
 それでは、角委員、お願いいたします。

 

○角委員 もう各先生おっしゃられたように、この評価の変更、評価区分の変更ですとか、今までは進展があったものは3段階に分けていましたけれども、非常に分かりにくい部分があったのが2段階で分かりやすくなったということもありますし、あるいは数値目標も入れられたりということで、非常に分かりやすくなったというふうに思うのは先生と同意見でございます。
 まさに今、幸田先生がおっしゃった国民の理解ということですけれども、毎度、同じことを申し上げて申し訳ないんですけれども、いよいよ年末が近づいてまいりまして、消費税の問題あるいは軽減税率をどうするかというふうな議論がこれから始まっていくわけですけれども、たまたま昨日、財政制度等審議会分科会で社会保障の議論がございまして、その中で、やはり高齢者といえども一定の所得あるいは一定の資産を持った人については負担率を上げていかないと持たないという意見がございまして、その中で、やはりいよいよ16年からマイナンバーが始まるわけですけれども、その中で、3年間見直し期間ということですので、今のままいきますと、まだその資産所得の把握についてはかなり時間がかかってしまいます。一方で、社会保障費の増大は待ったなしで毎年発生するということですので、是非とも、前倒しで16年に実施をされて、前倒しで改正できるというふうなお話も聞いております。それと、金融機関についても、当初は新規口座についてマイナンバーで確認をするということはいいけれども、既存の口座についてはやはりそれは非常に事務量とかお金もかかるのでという反対の姿勢だったけれども、それが変わってきたというお話をこの場で聞きました。一応メガバンクの役員とも話をしましたけれども、やはりそういう方向に銀行も変わってきているという生の声も聞いております。いわゆるマネーロンダリングの件についても海外から日本は甘いという指摘も受けているわけですので、やはりもう少しきちんとした資産所得の把握ができるようなマイナンバーの活用を是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 消費税の関係で申しますと、もう皆様、御承知のとおりですけれども、98年に国と地方の長期債務がGDP比で108%だったのが、この15年間で202%まで倍になってしまっています。これはもう社会保障費の増大が原因であることは明らかですので、そのための国民の負担として広く消費税を求めていくということだと思います。2020年の基礎的財政収支の均衡というのが一旦のゴールですから、この15年で半減というのはあくまでも折り返し点ですので、ここであまり無用な議論をせずに法律どおりきちんとやっていただきたいし、軽減税率についても、いろいろな各種団体の意見を聞いても、やはり今回は軽減税率は入れるべきではないという意見の方が多いわけですから、次の2020年のバランスに向けて10%を更に上げていく段階で、例えば必要であれば米と新聞はゼロにするとか、そういう非常に限定的なものに絞って、片やゼロにする、あとはもう全部15%にするという非常に分かりやすい税制にしていただければ有り難いなというふうに思います。
 それと、法人税減税につきましても当然、中立を図っていくということが必要になるわけですけれども、今日の朝刊にも出ておりましたように、繰越欠損ですとか外形標準課税ですとか、これはもう予想された対策ですので、経済界としても一定の理解を示すべきだとは思うんですけれども、その外形標準課税が大企業に限定されて、中小企業はやはり次へ回そうかというふうな議論があるように出ておりました。もちろん大企業もそういうことに協力をすべきだとは思いますけれども、税の本来の形はやはり広く薄くシンプルにということですから、中小企業といえども、資本金1億円以下であっても、それはやはり外形標準課税の拡大を是非ともよろしくお願いしたい。
 例えば、健康保険の話でも、総報酬関連を全部入れるということですが、それはそれで、だから協力するという姿勢は示すにしても、それであればリーマン・ショック後に協会けんぽ(愛称:正式名称は「全国健康保険協会」)の国庫補助率を16.2か3に上げましたですね。あれを13%に戻すということを、当然、平行して公平性の観点からやっていただきたいというふうに思います。
 ちょっと今日の議論と外れる意見が多くて申し訳ありませんが、以上です。

 

○吉野座長 どうもありがとうございました。
 では、田中先生、どうぞ。

 

○田中委員 国税庁の役割の中で、国民一人一人にとっての自己統治の術を改善するデータベースの公開が、私はあっていいんじゃないかと思うんです。具体的には、この資料2の5ページに実績目標(小)が4つあるんですが、例えば5番目に、「国民にとっての自己統治の術の向上」と追加したらどうでしょうか。言うならば、国税庁が持っているデータは国民にとってインフラになりうるものです。コンピューターをやっている人は、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)を定義する。要するに、そういう形のインフラに有効性があるということなんです。私は日本経済の現実を理解する上でも、将来の政策動向、政策についての優先順位を付ける上でも、国税庁の持っているデータはもっと公開されて、そして国民にとって使いやすいような形で出すべきだと思っています。
 例えば消費税なんですが、これは所得税や法人税に比べると、負担者は消費者、徴収先は事業者という特徴がある。どういう徴収方法、どういう形の徴収になっているのか、私はつまびらかではありませんが、どう考えても他の主要税項目に比べれば国民の消費動向の足もとについての極めて重要なデータです。今、ビッグデータと一般的に言われているデータ・アナリティクスの分野で、いろいろな学者も、シンクタンクも、あるいは最近ではコンサルティングサービスの人もやっているんだけれども、そのいろいろなデータが豊富にあることが自分たちの足もとを照らしだす上で極めて重要です。最近では、マシンラーニングという形で、多少目先の利く人がやるというよりは、データも横並びに扱って、その解析から新しい知識を得るとか、あるいは意味を取り出すとか、そういう分野でいろいろな貢献と言いますか、新しい試みがある。国税庁にある、例えば消費税に関わる、地域ごともあるでしょうし、いろいろな発表の仕方があると思うんですが、個人情報保護に関わる禁止規定がどう考えても係らないものについては、全面公開される必要があるんじゃないか。
 では、それをやって何になるんだと。1つは、ビジネスサイクルの中で、例えば天候要因が消費にどう影響を与えているとかというのはかまびすしく言われていますけれども、これも少しデータが集積すれば、どこまでが天候要因で、即ち、天候要因というのはこの程度のものだと判定してくれます。判定基準を作ることができます。そういう意味ではインフラとしての意味づけが足もとを照らしだす。
 2番目も、やはり政策との関係です。地方創生という話があって、「まち・ひと・しごと」、それぞれ重要なテーマなんですけれども、これと財政支出が関わっているのか、関わっていないのか、もう一つ私には理解できていない。一方で財政規律を重んじなければいけない中で、政策効果も欲しいということなんです。財政支出のアウトカムを評価する上においても、国税庁の例えば消費税のデータベースは、数年蓄積すれば相当のことに繋がる。そこまでいかないでも、私は多分2〜3年でもある程度見当を付けられるのではないかと思うんですが、地域ごとに、財政支出に特段のことがなくても立ち上がるアクティビティーがあるとか、結果としてコミュニティーがどうなっているとかは検証できるはずです。
 そういう意味では、我々は非常に厳しい今後の情勢の中で、財政支出の効果を見極めようとしている。第二次世界大戦後、日本型ケインジアンという人による説得が政治の世界に浸透した。財政支出をやれば景気を何とかできるという考え方がこれほど広がってしまった国は多分先進国で日本だけだと思いますけれども、それに対して我々はやっぱり自己統治、自分たちが自分を認識した上で、自分にとってふさわしい政策手段を用意するという原点に戻らねばならない。国税庁はそのデータの公開を通じて寄与できると思います。
 3番目に、ディストーション(歪曲)も避けられる。軽減税率の話があります。給付付き税額控除とかいろいろ他にも手段はあるはずです。一律の消費税課税が行われていることによって、自分たちの足もとをより的確に映し出せる、またアウトカムについての評価基準もより的確にできる、という論拠が示されれば、軽減税率はやめようという論にもなる。他の政策手段でもって、本当に困っている人に対しては手当てするという手段も出てくるはずと思います。そういう意味では、政策のゆがみを是正する上でも、国税庁のデータはもっと公開、どこまでどういう形で公開できるかを考えていただきたい。それは多分、我々の姿を映し出す鏡になる。別に国税庁が鏡を作らなくても、寄ってたかってみんなが作ります。マシンラーニングというのはそういうことで、非常に重要なデータが入ることによってそういう評価基準を国民自身が作り出していくという側面があります。我々には、新しい知識も必要ですし、新しい意味のくみ取りも必要です。国税庁はこれまでどこまで意識されているか分かりませんが、持っておられるデータは、公開できるものは、意味があるかないかは、それを使う人が考える。こんなの意味ないだろうというふうに言わなくて、プライバシーに関わるものを除けば、これはお持ちになっている統計は国民にとっての財産なんだという視点で、公開基準を考えていただけないか。

○吉野座長 ありがとうございました。
 守秘義務をしっかりして、いろいろなデータが出てくると、今の田中先生のお話で、例えば消費データと消費税のデータを合わせて、この県は一番まじめにたくさん徴収していると。ある県は非常に悪いというようなことが出てくれば、また1つのインセンティブになるような気がします。どうも御意見ありがとうございました。
 では、次に田辺先生、お願いいたします。

 

○田辺委員 私からも何点か申し上げたいと思います。
 まず1つは、この実施庁評価ということでございますけれども、全体の施策評価に合わせて評価基準を変えて、非常に分かりやすいものにはなったと思います。ただ、24年度ですと割れ方が4対9という形でしたけれども、25年度になるとSという形で特出しにはなっていますけれども、2対11という形で、かなりばらつきがなくなって、ダマになっているというところは、ある種、評価区分の共通化に伴う問題かなと思っております。特にPDCAサイクルを回すというときには、うまくいっているものよりも、むしろうまくいっていないものをどうチェックして、それに対して次のアクションを起こすのかというところが非常に大切になってくると思いますけれども、その部分が非常に出づらくなるような評価になっていないかなというところは、若干の懸念事項でございます。ですので、Aという評価がある中でも、その構成されている部分でうまくいっていないものがあるのでしたら、それをできるだけ見せて、それに対して次年度以降どういう対応をするのかということを明確化するような評価システム、若しくは国民に対する見せ方というのをお考えいただきたいというのが1点目でございます。
 それから、2点目は広報のところです。一時期、非常に広報に関わる支出というのが叩かれ、他方でこの時期、ICTに関わるような広報の技術というのが非常に拡大したところであるので、広報のお金は掛けないけれども、もっとうまくやれというところが非常に前面に出てきた部分かなと思っております。国税庁の広報に関しましては、一般的には非常に高い評価が得られているのではないかなと思います。今年に関しましては80%の満足度という形で指標を上げましたので、若干未達のところはありますけれども、全体としてはうまくいっているのだろうと思っております。これが、ある意味ではどういうサービスを提供しているのかということだけではなく、国民が税に対する、ないしは政府に対するクレディビリティーを上げるというところに関して決定的な役割を担っておりますので、広報に関しては逐次見直しを図っていただければと思っております。特に最近ですと、ホームページの充実というのが必ずしも広報のプラスになっていない部分がありますので、ICTの中にもいろいろなものがあろうかと思いますので、広報のチャンネルというようなものはもう少し多岐にお考えいただいた方がいいのかなと思っているというのが2番目でございます。
 それから、3番目はe−Taxの部分です。これも十何年続けていくうちに、当初はなかなか伸びずに、非常に評価を確認する側としても忸怩たるものがあったわけでありますけれども、あの当時からするとかなり改善されてはきたのではないかということです。ただ、個人認証に関わるものが50%弱というところにとどまっておりまして、これが今後50%を超えていきますとそれがスタンダードになりますので、より一層の展開を図れるのではないか。それに対する取組というのを進めていただきたいというのが3番目でございます。
 それから、この国税庁の評価というのは非常に長い間、十何年やっておりますし、当初から実施庁ということでかっちりしたものをやってきたという評判が高いものでございます。それは続けていただきたいと思うんですけれども、他方、長期的な評価のフレームが安定しているものですから、各年度で力を入れてきたものがなかなか見えないというところがございます。例えば今年ですと、国税通則法を改正して、それに対して国税庁がどういうふうに対応したのかというのは、国民にとっては見えづらいかもしれませんけれども、恐らく国税庁としては非常に大きな課題だったのではないかと拝察されるところでございます。それから、消費税が5%から8%に上がった時に、それがどういうふうに円滑に執行されるのかというのも非常に大きな課題ではなかったかと思っております。ただ、そういうものがこの評価のフレームの中に溶け込んでしまいまして、ある意味では見えない。長年ずっとやっているものに関しては数値で、うまくいった、うまくいっていないというところは分かるのですけれども、そういう各年度における非常に重要な取組対象に関してもう少し見えるような形で評価できないかなというのが4番目の注文でございます。
 それから、最後に、大目標でございますけれども、これは3つありまして、1つは税務行政の執行ということと、それから2番目が酒税で、3番目が税理士という形になっております。ただ、これが本当に1対1対1の関係になっているのかということを考えると、もう少し税務行政の適切な執行のところを細分化した方が全体の国税庁でやっている活動のウエートとしては正しいものを表現しているのではないかなと思っております。そういった点も長期的にはお考えいただきたいと思っております。
 以上です。

 

○吉野座長 どうも御意見ありがとうございました。
 では、冨山先生、どうぞ。

 

○冨山委員 まず、全体的な話で、今年2回目だということになるんでしょうけれども、あと、いろいろな項目を整理されたということで分かりやすくなった点は大変すばらしいと思っています。
 それ以外は、できるだけ既に先生方が言われたこととかぶらないようにちょっとコメントいたしますと、1つは、今、ちょっと田辺さんの話と近いんですが、これはやっぱり、だんだんやっていて、ある意味ではこなれてくると結果的に大体SとかAとかの方が増えてくるのが、これは逆にちゃんとやっているとそうなるのが当たり前なんですが、経営者目線で言っちゃうと、このSとかAが増えるほど報告としては退屈な報告になってきて、ちょっとBとかCの方がエキサイトするのが優秀な経営者なんですよね。なので、要は評価の軸の設定なのか、それとも項目そのものの設定か分かりませんけれども、今後逆にこなれてくるがゆえにB・Cネタをむしろ経営陣的な感覚で言うと探していただけるといいなという感じがありますと。だから、あえてそういうのを探す努力というのはある種の経営努力ではなかろうかという印象を持っているところです。ですので、例えば、この後マイナンバーが執行段階に入ってくると、当然、最初のうちはこなれていないですからB・Cネタが増えてくるんじゃないのかなと思っているんですが、逆にそれを楽しみにしておりますという感じです。
 それから、あと、ちょっと離れて、これはちょっと田中先生の話に近いんですが、例えば法人税の議論で言うと、これも皆さん御承知おきのように、我が日本国は70%の法人が20年にわたって赤字であるという、摩訶不思議な、かつ先進国で最も倒産も少ないという、極めてビッグデータ的には摩訶不思議な現象が起きている国でありまして、これは多分、説明は2通りしかあり得なくて、これは組み合わせだと思うんですけれども、よっぽど延命のために違うところから税金を使って、要するに保証協会的な話ですと税金を使って補填をしているのか、そうじゃないとすると、国税庁さんが見逃しているのかということに多分なるんですね、これ。原因と結果で言うと。そういった、私は例の外形標準課税の議論は、私自身はこれはやっぱりおかしいだろうというふうに思っていて、これは先ほど角会長がおっしゃっていましたけれども、実はこれ、ほとんどが中堅・中小法人なんですよね。赤字法人というのは。だから、そういった意味で言うと、私も外形標準課税を大企業だけというのはそもそもおかしいんじゃないかと実はすごく思っているんですが、要は、ただ、こういう議論も実はできるだけ科学的な議論をした方が良くて、要するに実際どうなっているのかというのは、もし国税庁さんなり何なりで蓄積されているデータから、よりサイエンティフィックな議論ができればできるほど良く、ある種、情緒的になればなるほど議論は政治的になるので、そういったもし可能性があるのであれば、田中先生から言われたようにそういったことも1つの追い掛けるべきところかなと思います。
 地方創生の関係で、私も今、委員をやらされていて、これもやっぱり似たような話があって、ある県の知事さんだか市長さんがやってきましたと。我が県の基幹産業は農林水産業というふうに簡単に言うんですね。ところが、ビッグデータからスモールデータでちょっと調べると、その県の就労者数の中で農林水産業従事者って5%ぐらいしかいなかったりするんですよ。一般的には農業県と言われているんですけれども。要は日本の産業構造というのは農業県でさえ農業で働く人は5%ぐらいしかいないんですよ。そうすると、それを基幹産業と言われても、そこにいっぱい税金を使って頑張りますと言われても、5%しか関係ないんだよなということになるわけで、例えばそれよりも、それこそ観光業とか医療介護とか、そういう仕事をしている方がよっぽど数が多かったりするんですね。むしろ基幹産業は医療介護産業だったするわけですよ、地方県というのは。割とこの手の議論というのは、要はことごとく最後は非科学的な政策議論がされがちですので、そういった意味合いでも、生産性指標なんかもそうですけれども、実は一番頼りになるデータはひょっとすると財務省・国税庁にある可能性は私も実は感じておるものですから、そういったものの活用というか、ちょっとこれも本件から直接は離れますけれども、ただ、国全体の政策効率を上げていくという意味ではある種のPDCAの本来のテーマになり得るような気がしておりますので、そういうところをもしいろいろ検討していただいて前に進めていただけるとすばらしいのではなかろうかと思っております。
 以上です。

 

○吉野座長 ありがとうございます。
 それでは、私からも幾つか。
 マイナンバーの指標というのは、やっぱりこれはコンピューター社会にとって絶対必要だと思いまして、私、伊藤元重先生と1975年に一緒にアメリカに行ったんですけれども、その当時からソーシャルセキリュティーナンバーというのがありまして、大学の成績も全部その番号で付くということでした。預金番号も全部そうであると。1975年ですから、その辺りからやっていて、恐らくこのマイナンバーがないことが日本の行政事務の効率化というのを非常に悪くしていると思いますので、多分この何兆円、何十兆円になるかもしれませんけれども、守秘義務をしっかりした上で、ちょっと遅過ぎる感はあると思いますけれども、是非いろいろなところで使えるようにしていただきたいというのがまず第1番目です。
 それから、2番目は、今アジア開発銀行研究所におりますが、アジアに行きますと、いろいろほとんどのアジアの国がちゃんと徴税できないというのがすごいんですね。中国の地方財政が、見たんですけれども、面白いんですけれども、税収の比率がものすごく少ないんです。法人税、所得税の税収の比率が少なくて、土地取引の税金が40%以上なんです。何でこんなに土地が多いんだというと、所得税、法人税はみんな隠せると。土地は隠せないと。非常にクリアな答えなんですね。そのために、ノンバンクみたいのを通じて土地の価格を上げさせて地方の税収を増やすという、それしかないんだという話を聞きまして、そうすると、みんな払っていないのかというと、いや、それがなかなかできないんだと。アジアのほとんどの国が、とにかく国の税金が集まらないというのがほとんどでして、日本の場合は国税庁の職員の方の質もいいですし、やっぱりこういうのがもっと向こうに技術移転と言われてTA(注:技術協力)でどんどんできるんだと思うんですね。だから、そういう意味では国税庁のOBの方とか財務省のOBの方々がもっと向こうに行って、いろいろ現場の向こうの国税の徴収の方々の指導をしていただくというのが非常に重要ではないかと思います。それから向こうの途上国の方々を日本に呼んでくるということが、やはりもっと日本の役割としても重要だと思いますし、それから、これから日本の企業が海外に行ったときも、日本に近い税の体系でありますと日本企業もやりやすいと思うんですね。だから、両方にありまして、やっぱり日本の税制などのこれを伝授し、それを通じてやっぱりアジアの国々の税がきちんと取れるようにし、それから国税庁の各国の職員の方のモラルが高まるようにするという、これは日本にとって非常に重要ではないかというふうに思います。よく聞かれるのが、日本の国税庁の職員の人たちは何でそんなにモラルが高いんだって言われるんですけれども、もしお答えがあれば是非お願いします。途上国ですと、とにかくほとんど何かざるみたいなものだという話はありまして、集まらないわけです。
 それから、次の点は、お酒、酒税などに関しましては、ここの議論とはちょっと違いますけれども、やっぱり日本食を海外で売っていくと同時に、ワインばっかり日本で飲まないで、やっぱり日本酒をもっと宣伝していただいて、日本酒の良さというのを海外でもっといろいろ宣伝できるようなことは多分、国税庁の仕事ではないと思いますけれども、これもひとつ海外の輸出を、経常収支の赤字を減らして輸出を伸ばしていくということにとっては重要ではないかというふうに思います。
 それから、最後は、これは先ほど冨山委員からありましたけれども、ある程度いろいろな目標を作っていただいた方が、職員の方にとってもこういうところがまだ抜けているんだな、じゃ、ここはまた一生懸命やらなくちゃいけないなということにもなりますので、だんだんに同じところばかりにならずに、新しい項目を是非、見つけていただきながら国税に関するいろいろな開拓といいますか、改善をしていただきたいというふうに思います。
 それから、データに関しましては、守秘義務をしっかりすることにより、あるいは名前などが分からないようにして公表していただきますと、今、経済学者の若手はテーマがなくていろいろ探しているわけですね。そうすると、ビッグデータがあればいろいろな研究ができると思いますので、また先ほどの田中先生の御議論のように様々な研究から日本のいろいろな将来の政策にいい面が出てくると思います。日本では、どちらかというとやっぱり官庁のデータをあまり外に出したがらないという傾向がすごく強かったと思います。だから、そういう意味では、これだけデータがしっかりして処理ができるようになりましたから、むしろうまく守秘義務を守ることによってそれを活用して、それを行政に跳ね返させるということが重要のように思います。
 以上が私のコメントでございます。
 最後に、今日は御欠席でございますけれども、小林委員と山本委員から事前に書面による御意見をいただいているそうですので、事務局からお願いいたします。

 

○升平政策評価室長 資料の6を御覧ください。
 山本委員及び小林委員からの御意見を提出順に記載してございます。
 1枚目が山本委員からの御意見でございます。大きく5つの項目がございまして、例えば2番目、施策と指標が対応しておらず、その評価となった理由が分かりにくいものがある。5番目、電子申請について、整備経費の出し方について誤解を与えない記述とすべき等の御意見をいただいております。
 2枚目が小林委員からの御意見でございます。1番目ですが、執行官庁であり、PDCAサイクルを回していくために、評価結果が部内評価に活用されることが望ましい。4番目、電子申告に関する目標値が分かりにくく、より説明が必要なのではないかといったものをいただいております。
 以上でございます。

 

○吉野座長 どうもありがとうございました。
 それでは、各委員の先生方からたくさんコメント、御意見頂きましたが、なるべく財務省の側からお答えいただけるところはお答えいただきたいというふうに思います。

 

○渥美政策評価審議官 政策評価全般に係る部分につきまして私からコメントしたいんですが、伊藤先生から、1つはメリハリのある評価というのはどういう意味だと。あまりなっていないのではないのかというようなコメントがございまして、それに関連しまして、田辺先生、それから冨山先生からも同じような趣旨のコメントがあったかと思います。
 おっしゃるとおりで、結果的には今回13の合計項目につきましてSが2つでAが11ということで、結局2つの区分にしか落ちなかったと。それは、昨年1年前のAが4とBが9というのから比べても、むしろ固まってしまったなと、そういう感じは結果的にあるかと思います。それは、1つは評価方針の変更というのは、方針としては変更して、実際に今までAだったものをSに上振れ評価をしたということでございますが、他方、Aのくくりがある意味大きくなってしまって、6ページの表とかを見ていただくと分かりますけれども、他方、Bのところが「進展が大きくない」という、そういう表現になったものですから、なかなか「進展が大きくない」というところに付けるというのは難しくなったというようなところがございまして、結果的に、実は方針はメリハリを付けたのだけれども、結果的にはあまりメリハリが付いていなかったと、そういうことかと思います。
 今後、もう少し具体的な各評価区分ごとの考え方、基準というものを、もう少し詳しいものを作ろうということで今動いていまして、来年度の評価においてはそういう新しい具体的な考え方に基づいて、よりメリハリのある結果になるように、また、秋山先生からも御指摘いただきましたが、新しく「S+ 目標超過達成」というのができましたので、こういう区分も利用してといいますか、そういうものに積極的に評価できるものは「S+」というものも付けるというような形で、メリハリの付いた区分、評価結果になるようにこれからしてまいりたいというふうに思っております。
 あと、伊藤先生から、e−Taxの対象の手続を3と12という2つの区分から2と4と9に変えたということの意味という質問がありましたが、これはまた後でもし必要なら国税庁から補足的に説明していただきたいと思いますけれども、これは、今まで公的個人認証の普及割合等に左右されるかどうかというところの基準だけで2つに分けていたんですけれども、それに加えて申告という手続か、あるいはそれ以外のその他の手続かという新たな区分の考え方を取り入れまして、その結果、この3つになったということでございまして、最初の「公的個人認証の普及割合等に左右される国税申告手続」、これは、1つ目が、所得税と消費税の個人分の申告の手続。2つ目が、それ以外の税目、つまり法人税とか消費税の法人分とかの申告の手続。3つ目が、申告ではないその他の手続ということでございまして、ここに去年までは納税証明書の交付請求という手続も、これは公的個人認証に左右されますので、そちらに入れておったのですけれども、実は納税証明の交付請求が公的個人認証なしでもできるような形に今改正しておりますので、その結果、この3つ目のグループは公的個人認証等に左右されない手続という形に整理されましたので、そういう3つの区分がいいんじゃないかということで変えたものでございます。
 ちょっとテクニカルでございましたけれども、以上でございます。

 

○林国税庁長官 国税庁でございます。
 大変多くの御意見、御指摘、ありがとうございました。特に幾つか評価をしていただいた御意見がございまして、ありがとうございました。これも長年、この席で国税庁の政策評価について鍛えていただいたお陰だと思っております。改めて感謝いたしますとともに、引き続き努力してまいります。
 大所高所の御意見が多かったものですから、どこまで的確にお答えできるかどうか分かりませんけれども、幾つかの点についてお答えしたいと思います。
 まず、先ほど渥美審議官からも話がありましたけれども、メリハリという点でございます。私どもの立場からすると、ごく淡々と、この目標に書いてあることに沿ってやらせていただいたということでございます。BやCが付いているほうが長官としてエキサイティングかどうかと申しますと、私の立場ですと常に100%でなければいけないと考えており、少しでも足らざるところがあればそれを潰していくという姿勢でやっていかなければならないと思っております。
 御意見の中で気になりましたのは、各年度の重要な目標をこのプロセスにどうやって組み入れていくかということです。業績目標として長年やっているものについては実績もあり、それを踏まえて目標を作り、フィードバックをしていくというプロセスが長年の間ブラッシュアップされてきていると思いますが、当面の消費税ですとか、来年に向けた相続税とか、あるいは今後マイナンバーといった、その時々の課題についてどういうふうにこのプロセスで評価していくのかというのはなかなか難しい問題があり、これから勉強していかなければならないと思いながら聞いておりました。
 それは、もう1つ御意見がありました、現場にどれだけ徹底されるかという点についても関わってくる問題だと思います。国税は5万6千人という非常に大きな職場ですから、ここでやっている政策評価がどこまで現場の国税局あるいは税務署の職員に徹底しているかと問われますと、まだまだ改善すべき点があると私は思っております。それは組織が大きくて、ここに出てくる数字が全国ベースの数字だということもありますけれども、それと同時に、現場では各年度の新しい困難な課題にどうやって取り組むかということが特に意識されているという面があり、そういう限界もあるんじゃないかと考えながら聞いておりました。私は、全国の国税局の部次長会議とか、あるいは国税局、税務署の視察の際に、週に2〜3回は職員に対して訓示をしていますが、その際必ず、国税庁の使命、納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現するということと、この使命を日頃の仕事で自覚し、その実現のためにどうすればより効率的に、より納税者サービスを高めて適正な申告、納税が確保されるかということを考えてほしいという話をしていますし、部次長会議などではPDCAサイクルをしっかり意識してやるようにという話をしているところでございます。特に本日も幾つか御指摘いただきましたe−Taxは、より定量的な形に変えて、現場にとってもより分かりやすいわけですから、こういうところから、現場の政策評価のプロセスについての意識をより高めていくということを考えていきたいと思っております。
 それから、コミュニケーションの重要性、広報についても幾つか御意見を頂きました。大変重要な点だと思っております。「国税はにっこりしながら税を取る」ということかもしれませんけれども、私が長官に就任した時に民間の方に挨拶に行くと、「長官に御就任ですか。おめでとうございます。頑張ってください」と。「いやあ、でも、あまり頑張られると困るのかな」というようなコメントをいただいたことがありました。これは専ら厳正に賦課徴収するというイメージだと思うんですけれども、我々の使命は、ここに書いてございますように自発的な納税義務をしっかり履行していただくということでございますので、調査に行ってもおよそ所得漏れがないというのが究極の姿であります。ただ、現実はそういうことではもちろんないわけで、不適切な納税者に対して厳正に指導調査することによって不公平感をなくし、全体としてこの使命を実現するわけです。できるだけ自発的なコンプライアンスを高めていただくということに、近年重点を置いております。調査に入って個別的にいろいろなことを指摘するということも重要ですけれども、大きなグループ法人の各部門が税務のリスクを十分認識していただいて、自らコンプライアンスを高めていただくということをより重視しておりますので、そういう意味でも広報、コミュニケーションの重要性というのはますます高まっております。御指摘も踏まえて更に充実させたいと思います。
 その関係で、実績目標1は大き過ぎるのではないかというお話もございましたけれども、私の意識としては、この実績目標「内国税の適正かつ公平な賦課徴収」というのが1つ大きくあって、それをいろいろな角度から、一方で納税者サービスを高め、他方で厳正な調査・徴収を行い、併せて実現を図っているということです。大きな目標を置き、更にそれを実績目標(小)や業績目標のところで細分化していると考えております。
 それから、データについては、できるだけ公開するというのは、私どもとして是非やらせていただきたいと思っております。吉野委員から官庁のデータが十分に使われていないのではないかという話がございましたが、私も前に、財務総合政策研究所長の時に、法人企業統計の情報があまり使われていないということについて、研究所にお見えになる先生が、「こんなに宝の山があったのか」ということをおっしゃったことがございました。そういう面があればどんどん御指摘いただいて、公開していきたいと思います。担当審議官から、どういう限界があるのかについては、補足があると思います。
 それから、技術支援については、どんどんやっていきたいと思っております。
 モラルの問題は、どうして維持できているのかというのは私どもからはお答えするのが難しいと思います。私自身は、年間、少なからなぬ非行・不祥事がございまして、それによって国税に対する国民の信頼が損なわれるということを常に懸念し、いろいろな会議のたびに、非行は少ない方がいいということではなくて、根絶しないといけないということを指示しているところでございます。モラルが高いという評価をしていただいたのは長い年月を掛けて我々の先輩が築き上げた伝統なわけですから、これをどうやって後世代に引き継いでいくかということについて日々心掛けなければならないと考えております。
 酒類の振興、輸出についても御指摘のとおりでございまして、日本酒だけではなく日本産ワインも含めて、日本産酒類の輸出及び振興に努めてまいりたいと思います。
 御欠席の委員の御指摘も含めて、修正が必要な点について修正した上で公表したいと考えております。
 本日の御意見、御指摘、非常に勉強になりました。御参考にさせていただきながら、私どもの使命をより適切に果たせるように引き続き努力してまいりたいと思います。

 

○上羅国税庁審議官 e−Tax、マイナンバー、またデータにつきましてお尋ねがございましたので、私から補足をさせていただきます。
 まず、e−Taxの利用満足度の把握の仕方につきましては、秋山委員がおっしゃったとおり、実際に画面でe−Taxを利用した方に対して、使いやすいかとか、どういう項目を増やすべきかということで、そういう形でやらせていただいております。
 他方で、それだけでは私どもは足りないと思っておりまして、今後、e−Tax、田辺先生からもおっしゃられましたけれども、利用率50%以上に向けてどんどん促進していくために何が一番問題なのか、ここは永遠の課題でございますけれども、それはやはり今のe−Taxの申告方式は公的個人認証を必要としており、これは市町村の窓口に行って公的個人認証を取らないといけない。それから、実際にはICカードリーダライタを利用して認証をするということで、手間暇が掛かっているところが一番ボトルネックだと思っております。今回、政府としまして、政府全体のオンライン手続につきましては、電子署名を省略する、ないしは認証方式を見直すようなことを十分検討しなさいということが内閣官房から指示を受けております。他方で今回、マイナンバーというのが28年1月に入ってまいりますので、今回そういう番号制度の導入を契機としまして、申し上げました今現在のICカードリーダライタを使わない、ないしは公的個人認証を前提としない仕組みにできるかどうかということを現在、鋭意検討しているところでございます。
 大変恐縮でございますけれども、仮に新しい方式を導入した場合、どれだけのインパクトがあるかということでございますけれども、資料5の118ページを御覧いただきたいと思います。お手もとの資料の118ページの下の方に「参考指標A−45」というものがございます。確定申告期におけるICTを活用した申告書の提出件数でございますけれども、左側を御覧いただくと大きな区分で2つございまして、いわゆる税務署の相談会場に納税者が行って申告した分、それから「自宅等」のところを御覧いただきたいと思うんですけれども、その中に3つ区分がございます。純粋に御自宅でパソコンを使ってe−Taxで送信された方が25年分で言いますと63万4千人、それから、御自身のパソコンでは申告書は作成されているんですけれども、先ほど申し上げましたICカードリーダライタが手もとにないとか公的個人認証を取りに行くのが非常に手間暇が掛かると言われているのではないかと考えられる方が289万人ぐらいございます。各種ソフト・e−Taxのところは、税理士の先生方が代理送信されている方でございます。したがいまして、確定申告は非常に署も混雑しているわけでございますけれども、なるべく自宅等からの申告ということを誘導することが利用者利便性の向上、また行政効率の向上につながりますので、この289万件の書面で郵送などにより提出されている方々を、今回、認証の方式をもう少し今の形よりも簡便にすれば自宅からのe-Taxに誘導できると思っておりまして、そういう取組をマイナンバーの導入を契機としまして検討しているところでございます。それが1点目でございます。
 それから、マイナンバーにつきましては、これは特に内閣官房が中心となりまして、いろいろな利活用方策について検討をされておるところでございます。御案内のとおり、個人番号につきましては法律でその利用範囲が社会保障、税、それから緊急災害時の対応に限定されているということでございますけれども、それ以外に広げるためにはいろいろな法令の改正が必要となります。この6月に内閣官房のIT総合戦略本部というのが開かれておりまして、その法律上の見直し期限を待たずに、どういうことが、その番号制度が利活用できるかを関係省庁で考えようということで、現在、関係省庁が集まって検討しているところでございます。
 もう1点、法人番号制度につきましては、これは原則として法人番号は誰でも使える公表性が高いものでございますので、既に内閣官房から、例えば国・地方公共団体がこの法人に係る情報について、行政機関が調達をかける、行政処分や勧告をする、補助金を交付するとか、いろいろな形で行政と法人が関係してまいります際に、行政庁の公表資料に企業名と法人番号を原則として記載していくことを、まず28年1月までの間に所要の手続の見直しや、システムの見直しも含めて検討をする。それから、番号導入後、それを極力、国等が法人に関する情報を公開する際に法人番号の併記を徹底するように、長期的な工程表ができておりまして、それを逐次点検していくという仕組みになってございます。そういう中で私どももしっかりと、関係省庁に法人番号をなるべく使ってくださいということで働き掛けをさせていただいております。
 それから、3点目、データの公開のお話がございました。まず、各税目ごとの税収とかにつきましては、各都道府県ないしは税務署単位で資料がございます。ただ、私ども執行機関でありますものですから、積極的に公開というよりも、部内の業務上の資料として手もとに置いておりますが、一定の期限が来ましたらこれは公開しておりますので、そういうものにつきまして、もう少し先生方がおっしゃいましたように前広にどうやったら使い勝手がいいのかということは検討させていただきたいと思います。
 他方、税目以外にも、実はリクエストがないわけではありません。私も部下に聞きましたけれども、もちろん守秘義務の関係もございますけれども、国税庁のシステムで、例えば何か特定の事項についてチェックをすれば非常にソートしやすい仕組みになっているかといいますと、もともと税の調査・徴収目的にシステムが組まれていますので、残念ながら御要望をいただいているような、例えばチェック項目、フラグを立てて直ちにソートできる仕組みにないという非常にお寒い状況であることも事実でございまして、そういうちょっと実現可能性というんでしょうか、直ちに御要請に応えられるかどうかというところが課題として残ってございます。
 以上でございます。

 

○貝塚国税庁審議官 国際関係を担当しております貝塚でございます。
 国際関係について2つほど委員の方から御指摘があったと思いますので、簡潔に現状をお話ししたいと思います。
 1つは、吉野座長からございました、アジアを中心とした技術支援について、受入国においてきちんとした税の執行を確保するためにどうしたらいいのかという点であります。数字的なことを申し上げれば、資料5の106ページに、我々がどれくらいの研修といいますか、技術支援をやっているかという数字は示しております。ただ、数字が大事なわけではなくて、やはり技術支援というのは実際にどれくらい効果があったかが大事で、日本ではこういうことをやって、こういうまずいこともあったし、こういう点は良かったんだということを包み隠さず教えていくということなのでしょうけれども、1回やっただけではだめなんですね。ですので、私、このポストについてから、過去にどういう人間がどういう研修を受けたのかにつき、部内で共有化してもらいたいということで、そのための作業中であります。そうすると、過去に研修を受けた人間というのは、ある程度、中堅職員なり、あるいは幹部になっていくということであります。我々、実は、長官も含めて、そういった幹部の人たちとのコミュニケーションをする場はかなりあるわけでございます。そういうところで、その研修を受けた人間と更にそれをフォローアップするような付き合い方、こういうことをすることによって、1回行った研修そのものがそれだけで終わるんじゃなくて、その後の関係構築にもつながるし、その研修を受けた成果としてそれはどうなっているんだということを確認していくような作業もできるのかということを考えておりまして、そういう新しい第2のステップ、第1段階の技術協力から更に突っ込んで何かできるのかということを今いろいろとやろうとしているところです。ただ、実際に職員のモラルをどうやったら引き上げられるのかというのは、これは非常に多分難しいテーマで、日本でこうやったからあなたの国でもこうやったらうまくいきますよというほど簡単なことでもないのかもしれませんけれども、そこは少し息の長い話として考えていかなければいけないなと思っております。
 それから、書面でいただいた小林委員からのコメントの中に、国際化について被調査会社としての予見可能性確保というようなくだりが出てまいります。本来なら小林先生にもう少し御意図を確認しなければいけないのですけれども、我々の仕事の中で移転価格税制で相手国とどれくらい税を取り合うのかということを行っています。つまり二重課税を排除するためにどうするのかという交渉をほぼ毎日のようにやってございます。そういう中で、課税が一旦行われてからそれを解消するというのはかなり労力が掛かるということで、二重課税が発生する前に、こういうことであれば、こういう利益配分であれば、それぞれ二重課税が起こらずに適正な課税が行われるんだという事前確認ということをやっております。これも統計的な数字は、104ページ辺りにお示ししておりますけれども、そういった課税が起こる前に予防的な措置を取っていくということで、これは予見可能性も高まりますし、行政上あるいは納税者側のコストも削減できるということで、これを一生懸命やっていこうということです。ただ、なかなか難しいところは、新興国との交渉がどんどん増えてきております。新興国にとってみては新しい取組であったりする関係上、なかなか交渉が思ったようにいかないという面があります。ですから、今まで先進国でやっていたような速度ではなかなか交渉が進まないということで、実際、交渉1件に掛かる時間も統計的には増えてきています。ただ、これは先ほど申し上げたような技術支援で途上国自身の力を底上げしていくとか、あるいは幹部同士の接触を持ってきちんと対応してもらうように呼び掛けるだとか、そういった地道な努力をしながら実績を上げて、これは課税当局にとっても納税者にとってもWin−Winのことになりますので、積極的にやっていきたいと考えています。
 以上2点、補足で御説明いたしました。

 

○吉野座長 それでは、どうもありがとうございました。
 最後に、それでは財務省側のどなたか……。では、こちらからお願いいたします。

 

○田島主税局総務課長 税制につきまして何点か御指摘を頂きまして、ありがとうございます。
 4点お話ししたいと思いますが、1点目が預金口座の付番の問題。先ほども国税庁からありましたけれども、政府税制調査会でもこの付番の問題については早急に検討せよという御指摘をいただいておりまして、政府税調で今日も何人かお世話になっておりますけれども、内閣官房を中心に今、付番につきましては既存分も含めて精力的に検討を進めているというふうに聞いておりますので、ここは是非、主税局としても注目していきたいということが1点目でございます。
 2点目は、消費税の問題。年内に総理が御判断されますけれども、最近の報道を見ていますと足もとの経済状況だけが割とクローズアップされてございますが、先ほど角委員からも御指摘あったように、そもそも何のためにやるのかと。財政の収入確保、また、増大する社会保障費の先送りをできるだけ避けると。こういった意義というものについて、やはりもう一度きちんと確認していかなければいけないと。この重要性につきまして、また広報等を通じて取り組んでいくことが大事だというふうに考えてございます。
 3点目の軽減税率でございますが、やはり国民の理解を得ながらやっていくと、考えていくということが重要だということで、御承知のとおり、6月に食料品を例示にしまして幾つかの機械的な試算を世に出しまして、この夏に与党税協が、ヒアリングを62団体から行いまして、その結果が昨日公表されておりますが、反対も相当多くて、ただ、賛成も多いということで、まだ賛否が分かれているところでございまして、これはいずれにしても国民の理解を得ながら進めていかなきゃいけないということで、また議論を続けていくということかと思います。
 最後、法人税でございます。先ほど冨山委員、角委員からも御指摘ありました。来年度から引下げに着手する、その際に成長志向の改革にするという、そういうことで政府の方針が決まっておるということでございまして、その際にしっかり財源も確保するということで、先ほど御指摘ありましたように、中立を目指すということでございます。その際に稼ぐ力をどのように強めていくかという発想が大事だということで、やはり広く薄くということで政府税制調査会でも御指摘をいただいております。具体的なメニューにつきまして政府税調で洗い出しをしていただきましたが、先ほどお話のあった欠損金の繰越制度ですとか、外形標準課税、この点についても当然重要な論点として取り上げられていただいているということでございます。大企業を中心にというお話がございましたが、データ的に申し上げますと大企業は大体2.3万社おりますけれども、黒字も1.5万社ありますが、0.8万社ぐらいは赤字のところもあるわけで、そういうところについてそういう稼ぐ力のインセンティブになるような改革をしていきたいということであります。ただ、中小企業も含めてもちろん稼ぐ力を増大させていただくということは重要な話であって、ローカルの経済にとっても中小企業は、非常にそこは重要でございます。ただ、政府税制調査会でも併せて御指摘いただいておりますのは、やはり実態、99%の中小企業、いろいろな企業があるので、そこは実態をよく見ながら、どういう効果があるのかということに配慮する観点も含めて検討せよということでございますので、そこは丁寧に議論していきたいというふうに考えてございます。
 いずれにしても、与党税協を含めて、秋以降、議論が始まりますので、我々もしっかり具体化に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

 

○吉野座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 では、香川事務次官、最後にお願いいたします。

 

○香川事務次官 本日は、委員の皆様には御多忙の中、御出席いただきまして、貴重な御意見、御指摘を頂きまして、誠にありがとうございました。
 国税庁の政策評価ということで、国税庁の場合は税制の執行でございまして、現場がありますし、数字を扱う仕事ですので、比較的この評価システムがなじみやすい部署だと思います。ということもあって、割とうまくこの評価システムを活用しているんじゃないかと思いましたけれども、そういう中で税制改正に対応したりというようなことで、評価基準や目標そのものを適宜見直していったらどうかというような御意見がございまして、全くそのとおりだと思います。継続的に時系列でフォローしながら評価しなければいけない基準もあると思いますし、新たな視点というのも必要だと思います。そういう点、是非、取り組んでいきたいと思います。
 幾つかお話ありましたけれども、ちょっと聞いていて思ったことを申し上げますと、私、30年近く前に中国に行ったことがあったんですが、その時に、昔、税務署長をやったことがあるという話をしましたら、何でまだ働いているんだというふうなことを言われまして、使っちゃったのかと言われて、これはもう何か、モラルというよりも、要するに税務署長というのは大変巨万の富を得る仕事のようでして、これはモラルというよりも国民性の違いだなと思って、中国はこういう状態じゃ全然そんな大きな国にならないなと思っていましたけれども、先ほど吉野座長のお話で、開発途上国でままそういうことが見られるというのは、その開発途上にとどまっている理由の1つではないかと思います。そう言いながらも、アジア諸国との税務、徴税の協力は何かできれば協力したらいいと思いますので、それは是非またやったらいいんじゃないかと思います。
 それから、中国話でもう1つ恐縮ですが、先月オーストラリアのケアンズでG20というのが行われまして、その場で日中韓財務大臣会議というのが、これは3年ぶりに行われました。尖閣の後、途絶していたわけですが、久しぶりに3カ国で会って、いろいろな意見交換をしたわけですが、中国経済に──あまり踏み込んだ話をするのはいかがかということで、それぞれの国の経済状況とか、そういう意見交換にとどまったわけですけれども、中国の財務大臣から、実は私は自国の統計を信用していないと。したがって、実は電力消費の数字を一番見ているんだというようなことを財務大臣が言ったそうで、これは率直な意見で歓迎されたようなんですが、それから、我々も消費税のこれから判断の話もあって、GDP統計などに一喜一憂しているところはあるんですが、GDPを見たことがある人というのはいないわけで、最後は税のこの数字というのは正確かつ確実な数字ございます。法人税なんかは当然、決算のあれが反映されるでしょうし、いろいろな経済分析にも使えると思います。消費税は、これも納税者と負担者がちょっとずれるから、なかなかどういうふうに使うかあれですけれども、そういうデータを公開して、いろいろな活用は今後ともできると思いますので、是非、正しい消費動向を分析するような研究がされたらいいんじゃないかと思います。
 PDCAサイクルを通じて効率的な質の高い行政をということでこれはやっているわけですけれども、今後とも是非、皆様からの御意見、御指摘を頂きながら一生懸命やっていきたいというように思っています。
 本日はどうも長い間ありがとうございました。今後ともどうかよろしくお願いいたします。

 

○吉野座長 事務次官、どうもありがとうございました。
 それでは、委員の先生方から頂きました意見を基にしまして実績評価書にこれから反映させていただくなど、財務省での対応をお願いしたいと思います。
 この次の懇談会ですけれども、また事務局から御連絡させていただく予定ですが、通例では次回は来年の3月の予定ということになっております。
 本日も活発な御意見をどうもありがとうございました。これで終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

──了──

財務省の政策