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国債市場特別参加者会合(第83回)議事要旨

 

日時 令和元年11月25日(月)16:00〜16:50

場所 財務省 第3特別会議室

内容

1. 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
2. 令和2年度国債発行計画について

○令和2年度国債発行計画について、理財局から以下のように説明を行った。

・10月25日(金)に行われた「国の債務管理の在り方に関する懇談会」における当局提出資料を説明するとともに、委員からの意見を紹介する。

(国の債務管理の在り方に関する懇談会(10/25)における議論@(理財局からの説明))
・確実かつ円滑な国債発行と、中長期的な調達コストの抑制のため市場ニーズに即した発行を行っていく必要がある。今後も100兆円を大きく上回る国債の発行が継続的に見込まれるため、機会主義的な発行ではなく、中長期的な需要動向を見極め、安定的な発行を行っていくことが、結果的にコストの抑制や、確実かつ円滑な発行につながると考えている。

・国債発行残高が増加する中で、平均償還年限の長期化の取組みにより、借換債の発行額が減少したことで、国債発行総額は減少傾向にあり、足元では150兆円を切っている。この間、発行から償還を引いたネット発行額については、超長期債は20兆円を上回る一方で、中長期債はマイナスとなっており、ストックの平均償還年限の長期化が進んでいる。国際比較では、日本の平均償還年限はイギリスを除くと最も長くなっている。

・将来推計によると、借換債の発行額は、今後10年間はほぼ横ばいで推移している。銘柄別ネット発行額については、超長期ゾーンは引き続きプラスで推移していく見込みであるのに対し、それ以外の部分については横ばいからマイナスで推移するため、今後もしばらくはストックの平均償還年限の長期化が続く見込みである。

・国内銀行の国債保有額は、日本銀行の量的・質的金融緩和以降、減少傾向にあるが、足元は担保需要等もあり、その傾向は緩やかとなっている。一方、日本銀行への当座預金残高はこの間も増え続けているため、国債への潜在的な投資余力は残っていると考えられる。

・生命保険会社の投資動向について、国債保有残高は平成20年度から24年度にかけて増加傾向にあり、超長期ゾーンの保有残高も増えてきたが、平成25年度以降はほぼ横ばいの動きとなっており、この間、外国債券の買いが増加している。この背景には、低金利下で資産と負債のデュレーションのマッチングを進めると、逆ザヤが固定化されてしまうという事情もあるため、今後の金利の動き次第では投資動向は変わり得る。

・今後の人口構成の変化によって、保険料収入の減少や新たな保険ニーズの出現の可能性が指摘されている。保険ニーズの変化は資産の運用スタイルの変化につながるため、今後も保険の負債の金額、質の両面における変化を注視していく必要がある。

・保険会社の国際的な規制に関して、2025年の導入に向けて現在議論が進んでおり、同時に、国内規制についても、今年の6月に金融庁において有識者会議が立ち上がり、議論が始まったところ。規制の中身や導入時期に応じて、また、規制対応の前後で、国債へのニーズも変わってくると予想されるため、こうした動きも見ながら今後の国債発行を考えていく必要がある。

・投資家の運用原資とデュレーションの推移において、日本とアメリカを比較すると、日本は銀行部門のウエイトが高く、運用原資のデュレーションが短くなっている。今後、国債の発行を中長期的に考える上では、この運用原資の動きも注視していく必要がある。

・日本国債の取引高と回転率は昨年の後半から幾分改善している。債券市場の機能度については、日本銀行の債券市場サーベイによると、足元の金利状況もあり、改善は足踏み状態となっている。他方で、GC−SCスプレッドや国債補完供給の落札額は、今年に入ってから落ち着いた推移になっており、個別銘柄の需給の不均衡は大きく改善していると言える。

・流動性供給入札は、個別銘柄の需給の不均衡を改善するために行っているところ。入札額は、リーマンショック後の国債増発への対応と日本銀行の量的・質的金融緩和実施の2つの時期で増額してきた。足元では、国債発行総額は減少に転じ、日本銀行の国債買入も減少してきていることを踏まえると、今後の国債の発行額を考える上で、これまでカレント債を減額してきたが、流動性供給入札の発行額についても議論をしていく必要がある。

・借換債の発行額の将来推計について、平成25年度における推計では、10年間で約30兆円の増加となっており、当時は借換債の伸びを抑制する観点から、フローの平均償還年限の長期化に取り組んでいた。その成果もあり、今回の推計では借換債の推移はほぼ横ばいとなっており、当時の長期化のメリットは足元では薄れてきている。また、3年前の在り方懇において、それまで掲げていたフローの平均償還年限の長期化という目標を転換し、投資家の中長期的な需要を踏まえ、柔軟に毎年の発行計画を検討した方がよいのではないかということを議論頂いた。

・前倒債は、ここ2年間、当初計画で一定額を取崩すことにより活用してきたが、実績では昨年度も増加となっている。今年度も、足元のマイナス金利下でカレンダーベース市中発行額の超過収入が兆円単位で上振れする見込みである上、国債発行額の不用も6月時点で1.5兆円生じており、今後の市場環境次第では昨年度と同様に増加する可能性もある。

・最近の取組みとして、第U非価格競争入札及びカレンダーベース市中発行額の超過収入分について、当初計画段階で実績を踏まえて計上額を増加させてきたが、上期の国債発行額の不用や調達の状況を踏まえて下期から発行計画を見直すことや、乖離要因となっている仕組みの見直しとして第U非価格競争入札の応札限度額を落札額の15%から10%に引き下げることや、現在最低0.1%としている表面利率を0.001%とすること等、表面利率の設定に関する検討が必要と考えている。年度途中での発行計画の見直しについては、海外の主要国を見ると、ドイツ、イギリス、フランスは、会計年度前に年間の国債発行計画を作成し、年度途中において変更を行うといった運用をしているところ。

(国の債務管理の在り方に関する懇談会(10/25)における議論A(当日の議論の概要))
・市場機能を維持する観点から、超長期ゾーンの活用、外国人にとっての中短期ゾーンの活用、テクノロジーやイノベーションの活用が重要というご意見があった。また、超長期ゾーンについては、プルーデンスの観点からの指摘や先物取引等のヘッジ機能の不在といった課題の指摘もあった。

・平均償還年限について、理論上は超長期ゾーンを出すとイールドカーブがスティープ化していくことなどを考えて、最適年数の検討が必要というご意見や、一方的に長期化する必要はないが、市場機能が残るのは長いゾーンしかなくなる状況も踏まえるべきとのご意見があった。

・前倒債について、中長期的に水準を適正化すべきとのご意見や、借換債の将来推計で年度間で増減があることを踏まえて、発行額の平準化のために活用すべきというご意見があった。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・まず足元の市場動向については、日銀買入オペの減額効果が少しずつ現れてきており、値動きがだいぶスムーズになったと感じているが、値が飛びやすい状況がまだ続いており、流動性が十分回復したとは言い切れず、市中残高はもう少し増やしておきたいため、市中残高の維持が引き続き重要である。特に、金利上昇局面では新発債ニーズが高まりやすく、日銀買入オペでもカレント銘柄は対象から除かれているが、投資家の買いニーズは新発債に集中しやすい傾向にあり、特に、超長期ゾーンの需給が引き続きタイトな状況が続いている。
  足元の市場動向を踏まえ、超長期ゾーンについては少なくとも現状維持、もしくは増額を検討してほしい。足元、生保の購入が増加してきているが、国内投資家の裾野が広がってきており、来年度の運用見通しの中でも、超長期ゾーンの需要が高まってきている。また、海外投資家の買いニーズもかなり出てきている。日本銀行がこれまで超長期ゾーン、特に残存25年超の日銀買入オペの減額を進めてきても市場の需給ひっ迫感が継続していることを考えると、実需が非常に多く見られており、超長期ゾーンの残高維持は必須である。足元のイールドカーブや投資家が購入しやすい年限を考慮すると、報道にも出ていたが、40年債の増額であれば投資家の期待の声に応えることに加え、マーケットの流動性を高め、市場機能を維持することにも寄与すると考えられる。
  一方で、5年債と10年債については減額余地があるのではないか。本年4月に日本銀行による国債補完供給の要件緩和措置が発表され、長期国債先物取引の受渡銘柄のショートスクイーズ懸念は大きく後退している。また、残存5-10年の日銀買入オペの減額もかなり効いてきており、流動性が高まってきている。5年債や10年債はマーケットの中心的な存在であるため、流動性の確保が非常に大事な命題であり、これまで10年債の増額を要望していたが、こうした日本銀行による措置が功を奏している中では、10年債については減額余地がある。5年債については、投資家が少ないこともあるため、減額余地がある一方で、2年債以下については、投資家の担保ニーズ等の実需がある。

・イールドカーブ・コントロールを実施しているため、10年債以下の市場機能は改善しても限定的になる一方で、超長期ゾーンについては、世界的に色々な材料を消化しながら取引されているため、時に需給がひっ迫することはあるが、年限別で比較すると、超長期ゾーンの方が市場として機能しているのではないか。報道にもあったが、生保を中心とする負債が長い投資家からは、特に30年債と40年債に対するニーズ、いわばプラス金利のカレント債に対する需要は相当なものがある。そのため、現在プラス金利を維持している20年債や30年債、40年債については、可能であれば発行額を維持してほしい。
  一方で、前倒債の積み上がりから、一定程度の減額も考えていかなければならない。流動性供給入札に関しては、リーマンショックに伴う国債増発への対応や、QQEの拡大に伴う日本銀行の買入額の増加に合わせるという側面があることから、今年度の日銀買入オペがそれなりに減額されてきたことを考えると、流動性供給入札の役目はもう少しトーンダウンさせてもよい。特に、残存5-15.5年ゾーンは減額対象としてもよい。次に減額可能だと考えられるのは10年債である。入札1回当たり1,000億円の減額を行っても、入札1回当たりの発行額は2兆円であり、この規模の発行額を維持すれば適切な指標金利と表現することが可能だろう。
  仮に、40年債の増額を考えるのであれば、ストックベースの債務の長期化を抑制する観点から、流動性供給入札の残存15.5年超ゾーンを減額することも考えられるのではないか。

・長期国債先物に係るチーペスト銘柄が残存7年なので、長期国債先物中心に相場が動くことはあるが、最近のマーケットの状況や流動性の観点から考えると、超長期ゾーンは唯一、市場機能が維持されており、マーケット全体は超長期ゾーン中心に動きつつある。こうした中で、来年度国債発行計画では、超長期ゾーンについては、少なくとも発行額の現状維持は必須である。特に、30年債や40年債については、生保中心に実需の買いが見えており、イールドカーブ上もかなり割高化していると感じている。日本銀行による買入額もかなり減額されているものの、その効果もなく、イールドカーブがスティープニングしない状況では、超長期ゾーンの減額はかなり難しい。40年債の増額に関する報道が出ていたが、もし増額されるのであれば、非常に歓迎したい。
  一方で、前倒債が大きく積み上がっている中で、来年度国債発行計画において減額対象と考えられるのは流動性供給入札である。日本銀行による諸政策の効果により、チーペスト銘柄がスクイーズすることもなく、特に、流動性供給入札の残存5-15.5年ゾーンについては、流動性が低い銘柄というよりは、割安銘柄が落札される入札になってきているので、一番減額しやすいのではないか。それ以外では、10年債については、マイナス金利の現状では、投資家のニーズは乏しいが、今後、金利上昇局面では、2年債や5年債よりはニーズが高まっていくと考えているので、どちらかと言えば、2年債もしくは5年債の方が、減額余地があると考えている。

・本年9月以降、日本銀行が買入オペの減額を粛々と続ける中でも、例えば、残存10-20年のスプレッドがたった5bpsしかスティープしない現状に鑑みると、20年債や30年債、40年債については、現状維持以上が望ましい。40年債については、報道にもあったが、増額されるようであれば、歓迎したい。
  一方で、減額もやむを得ない中では、10年債、もしくは5年債、更にあえて言えば、流動性供給入札の残存5-15.5年ゾーンが減額対象の候補に上がる。本年春先以降の日本銀行による国債補完供給の要件緩和措置が、実際にスクイーズの動きに対して抑止力として機能していると認識しているので、こうした懸念が無い中で、マイナス金利に沈んでいる10年債の絶対金利水準を考慮すると、10年債を減額しても大きな影響はない。更に、年度途中での国債発行計画の変更もあり得ることも考えると、例えば10年債がプラス金利になって大きく市場環境が変わるときには随時変更すればよい。

・超長期ゾーンについては、足元のグローバルな金利低下状況や日本銀行の金融緩和が長期化するという前提の中において、プラスキャリーが維持できるゾーンとして、また、市場流動性維持の観点からも、現状維持もしくは増額が適当だと考えている。また、担保繰りの需要という意味において、T-Bill・1年物もしくは2年債については、相応に担保需要がある年限であり、ある程度の発行量を維持することが適当と考えている。

・超長期ゾーンについては、少なくとも30年債と40年債は現状維持、もしくは、可能であれば、増額が非常に望ましい。20年債についても、今年度減額したばかりであるので、現状維持が望ましい。
  一方、減額するのであれば、まず流動性供給入札が考えられる。残存5-15.5年ゾーンについては、日本銀行による国債補完供給の要件緩和措置でニーズがなくなったことから減額余地がある。また、残存15.5年超ゾーンについては、オーバーパー発行が一番多いゾーンであり、オーバーパー発行を抑制することで前倒債を抑制するといった意味合いもあるのではないか。その他の年限については、10年債は減額が可能である一方で、T-Bill・1年物や2年債については担保需要がある。また、5年債については、確かに投資家層は狭いが、既に減額をかなり行っているため、ちょっとした買いでスクイーズが起きたり、ちょっとした売りで金利が上昇したり、変動が非常に激しくなっているので、これ以上の減額には後ろ向きである。

・増額が可能であれば、40年債を増額してほしい。減額するのであれば、流動性供給入札の残存5-15.5年ゾーンか、10年債がよい。一方、流動性供給入札の残存15.5年超ゾーンについては、時々応札倍率が低かったり、テールが出たりすることもあり、減額対象の候補になるが、毎回ではないものの、発行額のかなりの割合を投資家が買っている場合が散見される。このため、ある程度門を開けておいた方が市場のニーズに応えられるので、同ゾーンについては、なるべく減額しないでほしい。

・プラス金利ゾーンにだけ市場機能が維持されているが、年初と比べて、日本銀行が買入額を大幅に減らしているにも関わらず、イールドカーブが全然立っていないということは、今まで外債にシフトしていた資金がある程度は日本国債に回帰していることの現れだと考えられる。超長期ゾーンには実需があるので、30年債や40年債、20年債については、現状維持が望ましい。減額を念頭に置いていたため、報道はサプライズであったが、基本的に40年債の増額は非常に歓迎したい。
  減額するのであれば、10年債、5年債、2年債のいずれもあまり需要があるとは思わないが、今後の借換債の償還の均一化を考えると、年限の短いゾーンを減額すると将来的にもう一回増額しないといけなくなることがあり得るので、10年債と5年債、流動性供給入札の残存5-15.5年ゾーンの減額で構わない。

・基本的には残存が長いゾーンには需要があり、短いゾーンには需要がないと考えている。流動性供給入札はあった方がよいが、その発行額の半分くらいが日本銀行に買入れられているという現状があるので、その部分はある程度減額しても仕方がない。その他、2年債、5年債は特段色を付けることなく、減額余地はある。
  40年債は増額されれば喜ばしいという動きがある一方で、そもそもなぜこのような状況にあるのかを考えてみると、結局、マイナス金利によって投資家の資金が、残存が長いゾーンに向かっていることがある。この動きは特に20年債の需要を支えている。40年債は他の需要で支えられているかもしれないが、イールドカーブ上で20年債、40年債の需要が強いというのが足元の状況である中、多少発行が増えたところで、根本的な対処になっているのかというと全くそうではないと思う。グローバルにイールドカーブのフラット化が進んでいる中で、円金利もフラット化したという側面を踏まえると、例えば海外勢の需要をこの先どこまで織り込んでいくのかということも、ある程度影響が大きいのではないか。
  最後に大きく増額したのは2016年後半であり、その後、2017年にイールドカーブが大幅にスティープ化したことと同様のことが、今の状況で起これば望ましいかもしれないが、中長期的な発行計画を是とするのであれば、必ずしも増額にとって支援的ではないのではと考えている。

・現状、マイナス金利のゾーンは需要が乏しいという認識である。新発債に対して残存5-10年の日銀買入オペの方が多いような時期も過去にはあったが、特に9月頃から、残存5-10年の日銀買入オペが減額され、需要が乏しいところに加えて買入減額があったため、現状は発行の方が多い形になっており、2年債、5年債、10年債は減額余地がある。その中で強いてどの年限かということになると、5年債は、現状1回の入札当たり1.9兆円の発行で、ここだけ2兆円割れであり、現状のイールドカーブ形状を見ると5年債はやや割高だという認識であるので、減額余地は2年債と10年債にある。また、流動性供給入札の残存5-15.5年ゾーンに関しても、日本銀行のチーペスト周辺銘柄に対するスクイーズ対応もあり、減額余地があると考えている。一方、超長期債はリアルマネー系を中心に需要が淡々とある状況であり、生保についても、今後の規制対応もあり急に需要がなくなることもなく、ここから先も淡々と需要があると思うと、一定の発行額を維持することが望ましいと思う。
  この中で増額を検討するならば、40年債になる。ここ半年から一年あたりのイールドカーブ形状を見ると、10年債に対して40年債はかなりフラットな状況になってきていることが発行額に対する需要の強さを表していると思うので、40年債は増額の余地があるのではと考えている。

・取引を行うときには、超長期ゾーンと短中期ゾーンで、流動性や機能度が違う感じはしない。同じだけ、量をさばくのは厳しいと思っている。前回の本会合から本日に至るまで、一本調子とはいかないまでも金利が上昇している中で、グローバルな要因もあり、米債対比で日本国債はアンダーパフォームしている状況だと思っているが、その要因としては、日本銀行の政策が良くも悪くも効いていることが結構大きいと思っている。まず、9月の金融政策決定会合時には更に緩和方向というイメージだったが、10月はどちらかというとそれが後退しており、期待させた分、剥落する勢いがかなり強まり、海外勢を中心に売りが短中期ゾーンに出ている。また、意外に効いているのが日銀買入オペであり、予期しないタイミングで、これまでと違うルールで実施したり、カレント銘柄を除外したりといった形で、かなりテクニカルに色々動いているため、そこを測りかね、腰を据えてポジションを取るというのが正直難しい。こうしたことも、ここ昨今の流動性や機能度の状況であるため、マーケットについてはポジションのアンワインドも含めて少し我慢の時間帯というわけではないが、海外でトレンドが出てくることや、オーバーシュートして10年債の利回りがゼロ%を超えてくることがない限りにおいては、ボラティリティが高い状況は中々変わらないのではないかというのが今の見立てである。
  来年度の国債発行計画については、減額ありきで考えていたところがあるが、少なくとも30年債や40年債は、元々のニーズや、プラス金利であることを含めて、投資家の需要が強い年限であるため減額は難しく、増額するかはともかく、維持はしていかなければならないと思う。逆に減額については、10年債はデュレーションベースでもかなりの発行量があるほか、日銀買入オペの減額余地もかなりあるため、1回の入札当たり1,000億円程度の減額であれば十分吸収できると思う。流動性供給入札の残存5-15.5年ゾーンは毎月発行であり、チーペスト回りも需給に締まりがなくなっているため、このゾーンについても1回の入札当たり1,000億円程度の減額であれば消化できるとみている。

・減額するのであれば、流動性供給入札の残存5-15.5年ゾーン、次に10年債がよいと思っている。超長期ゾーンに関しては、もし増額するのであれば40年債ではないかと思っている。引き続き、日本銀行のイールドカーブ・コントロール政策下では、超長期ゾーンの増額も仕方ないと思うが、中長期的には、デュレーションに合わせた発行短期化がよいのではないかという考えに変わりはない。

・市場の流動性や投資家のニーズが、プラス金利である超長期ゾーンに集中している。当該ゾーンの市場残高や、取引量を維持することが市場にとって非常に重要で、逆に言うと、当該ゾーンの流動性が更に低下して、金利が低下していくことは、証券会社にとっても市場にとっても、運用環境からみて投資家にとっても非常に厳しいものになると認識している。当該ゾーンについては、日銀買入オペの減額余地も大分低いため、市場残高を維持するという観点からも、できれば減額は避けてほしい。また、日銀買入の比率が低い、つまり公的部門の買入比率が低いということは、実質的なファンディングになっていると考えられ、長期的には発行のデュレーション、特にフロー・ベースのデュレーションをそれなりにコントロールしなければならない時期が出てくると思うが、金利が上昇し、投資家にとっての運用環境が改善してくるタイミングに合わせてフロー・ベースの短期化を検討することが、規制等のスケジュール感を踏まえると相応しいと思う。
  減額可能な年限は、今まで先物の流動性に対する影響が大きいことから、ずっと減額を避けてきた流動性供給入札を含めた10年ゾーンだと考えている。日銀買入オペの対象銘柄から除外されたり、減額措置がとられたりしたことから、発行減額のデメリットはそれなりに抑えられてきているため、足元では減額余地は一応あると思う。

・海外各国の中央銀行については金融政策の緩和姿勢の継続が予想されている中で、日本銀行についても、大規模緩和と、イールドカーブ・コントロールの継続・長期化が見込まれている状況であり、そうした中で投資家のニーズが非常に強い超長期ゾーン、つまりプラス金利のゾーンの発行額を維持していく必要があると思っている。日々の流動性を供給するという観点やマーケット・メイクを行うという観点から、超長期ゾーンの発行については配慮してほしい。特に30年債・40年債については、イールド・ハントの動きが継続しているほか、日銀買入オペが減額された後も、需給は良好な状況が続いているという認識を持っている。一方で、恒常的にマイナス金利になっているゾーンについては、概ね減額が可能であると思っている。その中で、10年債については、将来、流動性が確保されるべき先物チーペスト銘柄になることや、もしプラス金利になったときには相応の需要があることを考慮に入れて判断する必要があると思っている。流動性供給入札については、残存1-5年ゾーンについては引き続きショートカバー・ニーズが相応にあると思っている。一方で、残存5-15.5年ゾーンについては、日銀買入オペにおいて、減額や日本銀行の保有比率の高い銘柄の買入対象除外、国債補完供給の充実といった政策が行われており、かつ、これまで毎月発行となっている状況下では、マーケットのショートカバー・ニーズは以前よりも低下しているため、減額は可能ではないかと思っている。残存15.5年超ゾーンは、30年債、40年債と同様に、投資家ニーズが潜在的にあるため、ショートカバー・ニーズは恒常的に発生すると考えている。

・最近の市場については、日銀買入オペの弾力化が続いており、減額や回数減により、この数か月、ようやくマーケットが本来の動きを取り戻してきたという状況にあり、できれば各年限ともに発行額は維持してほしいというのが本音である。本日の報道で40年債の増額の話が出ており、正直驚いたところだが、明らかに今年度に入ってから、40年債の投資家は非常に増えている。それは残存30-40年のイールドカーブの動きからも、今年度の流動性供給入札の残存15.5年超ゾーンの発行銘柄の詳細を見ても分かる。今年度の4月、6月、8月、10月の流動性供給入札の残存15.5年超ゾーンにおいて、残存35-40年ゾーンが、合計で3,000億円程度発行されている状況であり、昨年度は、8月に同ゾーンが1,000億円程度発行された以外では、流動性供給入札において40年債が発行されなかったことからも、40年債への投資家のニーズは非常に高まりつつあると思われる。前回の本会合の直前に、社債の50年債が発行されている状況でもあり、投資家の40年債や超長期ゾーンに対するニーズは非常に強いため、40年債の増額はマーケットとしても十分耐えうる環境ではないかと考えている。
  減額の年限については、流動性供給入札の残存5-15.5年ゾーンは、チーペストの需給のタイト化に対する懸念がなくなったことや、昨年度までは残存15年ゾーンが最もキャリーロールがよく、かつ20bpsくらい金利があったため、最終投資家の需要が一定程度見られていたところ、今年度に入ってからはそれがほとんどなくなっている状況であるため、減額余地がある。また、利付債の減額については、10年債、5年債及び2年債が考えられるが、2年債は担保需要があるほか、10年債はイールドカーブ・コントロールの対象年限であり、金利上昇していくことによって指値オペの対象にもなり得るゾーンであるため、安易な減額は避けるべきだと考えると、消去法的に5年債に減額余地があるのではないかと考えている。

○40年債の発行増額の一部報道に関して、理財局から「出席者から言及があったが、現段階で決まっていることは何もない」旨発言した。

 

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問い合わせ先

財務省 理財局 国債業務課 市場総括係
電話 代表 03-3581-4111 内線 5700

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