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国債市場特別参加者会合(第74回)議事要旨

   

 

日時 平成29年12月14日(木)16:00〜16:45 

 

場所 財務省 第3特別会議室

 

内容

1. ソブリン向け与信の規制上の取扱いの検討終了について〔資料1〕

○ソブリン向け与信の規制上の取扱いの検討終了について、金融庁から以下のように説明を行った。

・2017年12月7日、バーゼル銀行監督委員会(以下、「バーゼル委」。)の上位会合である中央銀行総裁・銀行監督当局長官グループ(GHOS)が会合を開催し、国際的な銀行の自己資本比率規制の枠組みである「バーゼルV」の最終化を了承。併せて、ソブリン向け与信の規制上の取扱いについて、自国通貨建て国債の信用リスクをゼロとすることができる現行規制を変更することなく、バーゼル委での検討を完了することが決定された。これにより、金融危機後における一連のグローバルな金融規制改革が完了した。

・ソブリン向け与信に関する現行規制上の取扱いが、ユーロ圏の債務・銀行危機を深刻化させたのではないか、との問題意識を踏まえ、バーゼル委は、2015年1月以降、現行規制を見直す必要性や見直す場合の対応策について、注意深く、包括的に、時間をかけて検討してきた。

・検討の結果、ソブリン向け与信に関する現行規制上の取扱いを変更するコンセンサスは形成されなかったとして、バーゼル委が本件に関する検討を完了し、現行規制上の取扱いを維持することを決定したことが公表された。併せて、これまでの検討で取り上げられた考え(ideas)を紹介するディスカッション・ペーパーが公表された(意見募集は行うが、バーゼル委による市中協議ではない)。

2. 平成30年1-3月期における物価連動債の発行額等について〔資料2〕

○平成30年1-3月期における物価連動債の発行額等について、理財局から以下のように説明を行った。

・物価連動債については、P7のとおり、29年度発行計画では、1回の入札当たり4,000億円で年4回の発行としつつ、「市場参加者との意見交換を踏まえ、市場環境や投資ニーズに応じて、柔軟に発行額を調整」することとされている。本日は、1-3月期における発行額等について、御意見をお伺いするもの。

・10-12月期については、P8のとおり、10月に発行額4,000億円で入札を行うとともに、10月と12月に200億円の買入消却入札を実施したところ。10月の入札は、P9のとおり、応募倍率が3.09倍となり、引き続き問題なく終了している。買入消却入札と日銀買入オペについては、P10のとおり、概ね安定した結果となっている。
  流通市場の状況については、P11に示したとおり、BEIは、ここもとは0.5%程度で安定的に推移している。

・こうした中で、国債市場特別参加者の皆様から事前に御意見を伺ったところ、物価連動債については、引き続き投資家層の拡がりが限定的であることを懸念する声が聞かれており、1-3月期における物価連動債の発行額と買入消却入札は、現状維持が望ましいとの意見が多かった。

・こうした状況を踏まえて、P12にお示ししているとおり、1-3月期については、10-12月期と同様、発行額を4,000億円とし、偶数月の2月に200億円の買入消却入札を行うこととしてはどうかと考えている。

・また、P13には、物価連動債の入札日程について、皆様からいただいたご意見をお示ししている。現状、物価連動債の入札は4月・8月・10月・2月に実施しており、間隔にばらつきがあるが、偏った需給バランスにならないよう、等間隔での発行を希望するご意見を多くいただいている。
  当局としては、引き続き安定消化を図る観点から、来年度以降の物価連動債の入札については、5月・8月・11月・2月に実施する形に変更することにより、3か月おきに等間隔での発行とすることを検討している。なお、この案のとおり見直すこととなった際には、入札スケジュール上、従来の週2回入札では実施が困難な場合、週初及び週末に発行額の少ない年限を配置する形で、月・水・金曜の週3回入札を実施することがあり得るので、ご留意いただきたい。

・物価連動債の市場育成は、国債管理政策上の重要な課題と考えており、そうした観点も踏まえ、1-3月期における発行額等、及び、入札日程を等間隔にするという方向性について、皆様の御意見を承りたい。

○ 出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・当局の提案に異論はない。マーケット状況は安定しているので、発行額と買入消却については、ともに現状維持が望ましい。入札の実施間隔について、ばらつきがある現状では、入札と入札の間における需給の歪みが大きくなり、価格形成に少なからず影響が出ている。スケジュール上、週3回入札を実施することになったとしても、物価連動債の入札を等間隔で実施することによるメリットは、安定消化や価格形成の面において大きいと考えている。

・当局の提案に賛成する。現状の発行額と買入消却額で需給はバランスしており、現状維持が妥当と考えている。入札間隔についても、等間隔にすることによって、イレギュラーな価格変動を予防することになるのではないかと思う。

・当局の提案に異論はない。発行額と買入消却に関しては、1回の入札当たり4,000億円の発行、隔月200億円の買入消却という現状のバランスがよいと思っている。発行のスケジュールに関しては、等間隔である方が、CPIの動きに即した形でBEIが形成されやすくなる。したがって、5月・8月・11月・2月という等間隔で入札を行うのがよい。

・発行額と買入消却については、現状維持で問題ない。入札の等間隔化については、CPIの動きに即した価格形成に資するほか、週3回入札に関して特段の問題はないと考えているため、当局の提案に賛成する。

・1-3月期の発行額と買入消却については、当局の提案のとおりで問題ない。特に発行額については、これ以上減らすべきではないと思っている。ただ、当面は新物価連動債が償還を迎えない中で、新規の投資家層が増えているという状況でもない。少しずつ需給バランスが悪化していく中で、次の一手として、買入消却の毎月化を検討すべきタイミングが、来年度中には到来するのではないかと思っている。もちろん、グローバルなインフレ環境等によって、その必要がなくなるほど需要が増加する可能性もあるので、従来どおり、状況を見ながら判断すればよいとは思う。等間隔の発行自体については、特に反対するわけではないが、結果として、週3回入札が生じることのデメリットもあるため、そこまで等間隔に拘らなくてよいのではないかとも思っている。

・入札が週3回になったとしても、当社としてデメリットがあるとは考えていないが、代案としては、現状の入札月を維持しつつ、次回まで4か月空く4月と10月の入札は月の終わりに実施し、2か月しか空かない8月と2月の入札は月の初めに実施するという方法もあるのではないか。そうすれば、入札の間に実施される買入消却や日銀買入の回数がほぼ均等になるように、入札スケジュールを組むことが可能になると思う。積極的にそうすべきだと主張しているわけではないが、週3回入札を回避するという観点からは、このような方法も考えられるのではないか。

3. 平成30年1-3月期における流動性供給入札について〔資料3〕

○平成30年1-3月期における流動性供給入札について、理財局から以下のように説明を行った。

・流動性供給入札については、P15のとおり、29年度発行計画では、年間10.8兆円を発行することとしつつ、「ゾーン毎の発行額等は、市場参加者との意見交換を踏まえ、市場環境や投資ニーズに応じて柔軟に調整」することとされている。これを受け、本日の会合では、1-3月期におけるゾーン毎の発行額等を御議論いただくもの。

・10-12月期においては、P16にお示ししたとおり、7-9月期と同様、残存1-5年ゾーンについては、11月に3,000億円、残存5-15.5年ゾーンについては、毎月5,500億円、残存15.5年超ゾーンについては、10月と12月に4,000億円の発行とした。

・P18に、最近の流動性供給入札の結果を示している。12月分の入札は未実施だが、これまでのところ、各ゾーンにおいて、概ね安定した結果となっている。

・こうした中で、1-3月期の流動性供給入札について、国債市場特別参加者の皆様から事前に御意見を伺ったところ、現状の発行額等を維持することが適当との意見が多かった。

・こうした状況を踏まえて、P20にお示ししているとおり、1-3月期については、10-12月期と同様、残存1-5年ゾーンについては、1月と3月に3,000億円、残存5-15.5年ゾーンについては、毎月5,500億円、残存15.5年超ゾーンについては、2月に4,000億円の発行としてはどうかと考えている。
  なお、この案のとおり実施する場合、年度内の流動性供給入札による発行額が10.9兆円となるため、発行計画を変更する予定である。

・1-3月期における流動性供給入札のゾーン毎の発行額等については、本日の議論も踏まえて総合的に判断することとしており、改めて御意見を頂戴したい。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・当局の提案に異論はない。従来通りの供給がマーケットのコンセンサスになっていることから、現状維持が最適だと考えている。

・当局の提案に賛成する。マーケットの環境としては、引き続き残存1-5年ゾーンの枯渇感が最も強くなっているものの、1-3月期については超長期ゾーンへの投資ニーズも高まりやすいという、季節的な要因もある。したがって、残存1-5年ゾーンも残存15.5年超ゾーンも、どちらも増額してほしいというのが多くの市場参加者の本音ではないかと思うが、発行計画で予定されている総額から大きく乖離するわけにもいかない。全体のバランスを考えると、当局の提案が落としどころになるのではないかと思う。

・基本的に当局の提案に賛成する。残存1-5年ゾーンが隔月3,000億円、残存5-15.5年ゾーンが毎月5,500億円、残存15.5年超ゾーンが隔月4,000億円という発行額は、概ね現状の市場動向、需給動向に見合っていると考えている。強いて言えば、直近の入札結果を勘案すると、残存1-5年ゾーンにはもう少し増額の余地があると思う。ただ、他のゾーンについても明らかな減額余地があるわけではないため、今回については当局の提案に賛成する。

・当局の提案に異論はない。ただ、残存1-5年ゾーンについては、応札倍率も非常に高く、また、今年の3月には当該ゾーンの需給が非常に逼迫したということもあるため、もし可能であれば当該ゾーンを増額してほしい。ただ、他のゾーンとのバランスを考えれば、当局の提案でも問題ない。

・当局の提案に反対するわけではないが、当社としては、残存15.5年超ゾーンの増額が最も必要だと感じている。また、残存1-5年についても、流通量が不足していることは承知している。来年度については、全てのゾーンで増額することが望ましい。

4. 平成30年度国債発行計画について〔資料4〕

○平成30年度国債発行計画について、理財局から以下のように説明を行った。

・30年度国債発行計画について、現在の検討状況をお知らせする。

・P22の左側に、「発行根拠法別発行額」、すなわち使途別の要調達額についての検討状況を示している。新規国債及び復興債は予算編成過程において、財投債は財政投融資計画の策定過程において、それぞれ発行規模が決定されることになるが、現時点において確たることを申し上げられる状況にない。

・ただ、借換債については、これまで、本年8月の概算要求の数字を基に、復興債を除いて1.5兆円、復興借換債を含めれば1.8兆円の発行減が見込まれる旨説明してきたが、左下に注記したとおり、国債整理基金の年度末の残高調整のため、更に1兆円程度減少する見込み。この結果、国債発行総額については、一定の減額が見込まれる状況。

・右側には消化方式別発行額の検討状況を示している。「個人向け販売分」・「日銀乗換」についてもまだ精査中であり、「市中発行額」については、その結果により若干の増減が発生するが、それに加え、前回会合で説明したとおり、来年度計画では、オーバーパー発行による収入の上振れも考慮した市中発行額の減額が必要と考えている。

・P23及びP24には、先月の本会合及び国債投資家懇談会で頂戴した、カレンダーベース市中発行額の年限構成に関する意見を整理した。

・超長期債については、国債市場特別参加者からは、30年債・40年債は、発行総額が減額されるのであれば減額が適当であるが、投資家層が広い20年債は、できれば発行額を維持してほしいという意見が多かった。一方、投資家の意見は分かれており、30年債・40年債も含め発行規模の維持を求める意見が多かったものの、減額は30年債・40年債を中心に行うべきという意見も見られたところ。

・10年以下のゾーンについては、ある程度の減額が可能という点で概ね一致が見られ、特に5年債については、比較的多めの減額が可能という意見が多かったと認識。

・また、流動性供給入札については、オフ・ザ・ラン銘柄の流動性低下等を踏まえ、発行総額が減少する中でも一定の増額が適当という意見で一致したところ。

・今後、これらの意見を踏まえ、来年度国債発行計画の具体的内容を決定の上、例年どおり、来年度予算と併せて公表する予定。

5.最近の国債市場の状況と今後の見通しについて

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・日本銀行のイールドカーブ・コントロール政策の下で、金利水準やイールドカーブが形成されているため、日本銀行の政策に変更がない限り、当面、足元のような金利環境が続くと思われる。
  10年債金利に関しては、日本銀行による指値オペが買入利回り0.11%で2回行われ、その水準が上限として意識される一方、グローバルに景気が強く、欧米金利が上昇傾向にある中、マイナス利回りにもなりづらく、結果として、ゼロから0.1%のレンジでの変動が続くとみている。
  日本銀行の政策変更の要因として考え得るのは、円安ドル高の持続である。今後もFRBが利上げを継続すると、日米金利差は一段と拡大し、また、FRBのバランス・シート縮小に伴い、マネタリー・ベース比率でも円安ドル高に働きやすい。今後、1ドル=120円台となり、円安ドル高が続くと、マーケットにおいて金利ターゲットを引き上げる等の議論が出てくる可能性がある。
  来年には日銀総裁、副総裁人事があり、それに伴い、金融政策の枠組みが変更される可能性があるため、マーケットにおいても、金利がレンジを広げながら動くことも考えられる。

・足元、懸念されていた先物の限月交代がスムーズに終わり、市場参加者は安堵している。チーペスト銘柄の市中残高が少ない中、流動性供給入札の増額等もあり、落ち着いた限月交代になったと考えている。ただし、今後も、チーペスト銘柄の市中残高が少ない状況に変わりはないので、現行の金融政策が続く限り、先物の限月交代が問題として浮上してくる可能性はある。
  来年にかけて、本邦投資家のポートフォリオの運営上、外貨の調達環境が大きなテーマになってくると考えている。足元のドル調達コストの上昇については、本邦投資家のドル資金需要の高まりというよりは、ユーロ圏主導で起こっている。今後、ドル、ユーロ、他通貨の調達コストの高まりが日本国債市場にも影響を与え得ると考えている。

・足元では、ドルLIBORが上昇し、米金利のイールドカーブのフラット化が継続している。本邦投資家にとっては、ドル調達コストが上昇し、米国への投資で収益を上げられない状況になってきている。
  一方で、欧州に関しては、マイナス金利政策が継続し、ユーロ調達コストが安い状況が続いている。このため、ドイツ国債金利はレンジの下限にあるものの、本邦投資家が欧州に投資をシフトさせることはあり得る。
  ただし、来年には、ECBによる量的緩和が終了し、再来年には利上げも視野に入ってくると思われ、米国と同様に、外貨調達コストの上昇から欧州への投資でも収益を上げられない状況が起こり得ると考えている。こうした中、長い目で見れば、円債への回帰という流れが生じ、円金利のイールドカーブがフラット化する可能性がある。

 

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問い合わせ先

財務省 理財局 国債業務課 北條・武田
電話 代表 03-3581-4111 内線 5701

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