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国債市場特別参加者会合(第69回)議事要旨

 

日時 平成28年12月16日(金)16:00〜16:55 

 

場所 財務省 第3特別会議室

 

内容

 

1. 平成29年1-3月期における物価連動債の発行額等について〔参考配布:資料1(PDF:507KB)

○平成29年1-3月期における物価連動債の発行額等について、理財局から以下のように説明を行った。

・物価連動債については、P1のとおり、平成28年度発行計画において、「市場参加者との意見交換を踏まえ、市場環境や投資ニーズに応じて、柔軟に発行額を調整」することとされており、4月と8月の入札においては、発行額を5,000億円から4,000億円に減額した。また、9月の本会合における御議論を踏まえ、同月から平成28年度発行計画を変更し、1回当たりの発行額を4,000億円に改定したところ。

・こうした中で、10-12月期においては、P2のとおり、10月の発行額を4,000億円とし、10月と12月にそれぞれ200億円の買入消却入札を実施することとした。本日は、1-3月期における発行額と買入消却入札について、皆様の御意見をお伺いするもの。

・P3は最近の発行入札の状況である。平成27年度以来、応募倍率は2倍台で推移してきたが、10月の入札では3.21倍に上昇している。P4には最近の買入消却入札と日銀買入オペの結果をお示ししている。応募倍率については引き続き高水準で推移しているが、一方では、12月14日に実施した買入消却入札で、買入最大価格格差がプラス(+8銭)に転じており、需給が幾分引き締まってきていることも示唆される状況となっている。

・また、P5に、BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)の推移をお示ししている。原油価格の上昇をはじめ、ここもとグローバルな経済環境が変化していることもあり、我が国においてもBEIは0.6%台まで上昇している。

・今回の会合に先立つヒアリングでは、引き続き、物価連動債の投資家層の拡がりが限定的であることを懸念する声が聞かれた。また、1-3月期における物価連動債の発行額と買入消却入札については、現状維持が望ましいとの意見が、特別参加者の皆様のコンセンサスであった。

・こうした状況を踏まえて、P6にお示ししているとおり、1-3月期については、10-12月期と同様、物価連動債の発行額を4,000億円とし、偶数月の2月に200億円の買入消却入札を行うこととしてはどうかと考えている。

・当局としては、物価連動債の市場を育成していくことは国債管理政策上の重要な課題と考えており、そうした観点も踏まえ、1-3月期における発行額と買入消却入札について、特別参加者の皆様の御意見を承りたい。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・当局の提案に賛成する。「トランプ相場」と総称されるように期待先行型ではあるが、株高債券安が進行し、インフレ期待も高まっている。その結果として、物価連動債のニーズが高まりつつあり、需給バランスも安定し始めている。2月の入札に向けて、需要の積み上がりが期待されることから、当局の提案のとおりで問題ない。

・当局の提案に賛成する。最近、原油価格の持ち直しや、グローバルなインフレ期待の高まりを背景に、物価連動債のマーケットは堅調に推移している。このため、発行額については現状維持が妥当だと考えている。買入消却に関しても、市場育成の観点から、継続することが望ましい。

・当局の提案に賛成する。現状の発行額、買入消却額、日銀買入額となって以降、BEIや需給は安定していると考えており、現状維持が最良だと思っている。

・当局の提案に異論はない。需給については良いという状況ではなく、どちらかと言えば発行額を減額する余地があると考えているが、平成29年1-3月期に減額する必要があるという状況ではない。

2. 平成29年1-3月期における流動性供給入札について〔参考配布:資料2(PDF:336KB)

○平成29年1-3月期における流動性供給入札について、理財局から以下のように説明を行った。

・流動性供給入札について、P1の平成28年度発行計画では、年間9.6兆円発行することとした上で、「具体的な実施方法は、市場参加者との意見交換を踏まえ、決定」することとされており、四半期ごとにこの場で御議論いただいている。

・10-12月期においては、P2にお示ししたとおり、7-9月期と同様、残存1-5年ゾーンについては、11月に2,000億円、残存5-15.5年ゾーンについては、毎月5,000億円、残存15.5-39年ゾーンについては、10月と12月に4,000億円の発行としたところ。

・P3以降に、最近の流動性供給入札の結果をお示ししている。残存1-5年ゾーンについては、応募倍率が5倍前後となっており、安定した結果が続いている。また、他のゾーンについても、ここもと世界的に金利が上昇するなど、外部環境が変化する中で実施されたことを勘案して見ると、概ね安定した結果となっている。

・こうした中で、1-3月期の流動性供給入札の実施方法について、特別参加者の皆様から事前に御意見を伺ったところ、現状の実施方法・金額配分が適当との意見が大多数であった。

・当局としても、P6にご提示したとおり、1-3月期における発行額の配分については、10-12月期と同様、残存1-5年ゾーンについては、奇数月の1月と3月に2,000億円、残存5-15.5年ゾーンについては、毎月5,000億円、残存15.5-39年ゾーンについては、偶数月の2月に4,000億円としてはどうかと考えている。

・1-3月期における流動性供給入札の実施方法については、本日の議論も踏まえて総合的に判断したいと考えており、改めて御意見を頂戴したい。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・当局の提案に賛成する。

・当局の提案に賛成する。直近の入札が弱い結果となったことについては、グローバルな金利上昇や入札スケジュールの影響もあったと思う。全体として見れば、需給に問題はない。

・当局の提案で問題ない。引き続きマーケット参加者との意見交換を踏まえて決定してほしい。

3. 平成29年度国債発行計画について〔参考配布:資料3(PDF:160KB)

○平成29年度国債発行計画について、理財局から以下のように説明を行った。

・平成29年度国債発行計画における国債発行予定額については、P1の左側にお示ししているとおり、発行根拠法別にみると、新規国債及び復興債は今後の平成29年度予算編成過程において、財投債は財政投融資計画の策定過程において、それぞれ発行規模が決定される。なお、財投債については、平成28年度の約20兆円から平成29年度の約14兆円へと、償還額が6兆円程度減少する見込み。また、借換債は発行減が見込まれている。

・P1の右側には消化方式別発行額の状況について、P2及びP3には先月の本会合及び国債投資家懇談会で頂いた年限構成に関する主な意見について、それぞれお示ししている。

・この中で、超長期債への意見としては、40年債は、本年9月変更後の発行額を維持すべきという意見と減額すべきという意見が共に聞かれている。
 30年債は、現状維持すべきとの意見が多い。
 20年債は、減額を希望する意見が多かったものの、現状維持すべきという意見も聞かれている。

・10年債への意見として、減額が可能との意見が大勢を占めているが、現状を維持すべきとの意見も若干聞かれている。

・中短期ゾーンについては、特に5年債を中心に減額余地があるとの意見で概ね一致している。

・流動性供給入札については、市場の流動性の低下に配慮して増額すべきとの意見で一致している。
 特に、発行総額が減額となる中でプラス利回りの20年債も減額するのであれば、同ゾーンの流動性供給入札を増額してほしい等、超長期ゾーンの流動性供給入札の増額を希望する意見が多く聞かれている。

・なお、物価連動債については、これ以上の減額は避けてほしいとの意見が聞かれている。

・今後、これらの御意見も踏まえつつ、平成29年度国債発行計画の具体的内容を決定することとなるが、市場環境を踏まえて適切な年限構成とすることが大切だと考えており、追加の意見を含め、改めて御意見を伺いたい。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・発行総額が減少すると見込まれる中で、日銀買入が減額される可能性も勘案すれば、1年物T-Bill、2年債、10年債及び20年債については、それぞれ1回の入札当たり1,000億円の減額、5年債については1回の入札当たり1,000〜2,000億円の減額が望ましいと考えている。流動性供給入札については、マーケットの流動性の低下に対応するため、残存15.5-39年ゾーンの増額に加えて、可能であれば残存5-15.5年ゾーンの増額についても検討してほしい。

・1年物T-Bill、2年債及び5年債については、マイナス金利によって投資家の撤退も見られ、需要が減退していることから、減額可能である。10年債については減額余地があると考えていたが、プラス金利となっていることから、現状維持が適当ではないか。10年債を減額せずに5年債の減額幅を広げるという選択肢もあり得る。40年債については、1回の入札当たり5,000億円で問題ない。20年債については減額余地があると考えているが、減額する場合には流動性供給入札の残存15.5-39年ゾーンを増額することによって、超長期ゾーン全体のバランスを保つことが必要ではないか。

・マイナス金利の2年債及び5年債の減額はやむを得ない。他方、30年債及び40年債については、現状維持が望ましい。割高になっているゾーンは現状維持にして、割安で需給が緩んでいるゾーンは減額すべきである。超長期ゾーンの中では20年債が割安で、30年債及び40年債が割高になっているということに異論はないと思う。20年債を減額する場合には、残存15.5-39年ゾーンの流動性供給入札を増額するのがよい。

・マイナス金利のゾーンを中心に減額すべきであり、プラス金利となっている10年以上の国債については、相応のニーズがあることから、発行額の大きな変更は避けてほしい。そのため、20年債を減額する場合には、流動性供給入札の残存15.5-39年ゾーンを増額してほしい。

・マイナス金利のゾーンについては大きな需要が見込めないことから、2年債及び5年債を中心に減額してほしい。超長期ゾーンについては、40年債の発行額に不安がある。1回の入札当たり5,000億円の発行を維持すべきだという意見に反対するものではないが、季節性や金利水準によって顧客ニーズが大きく変化する状況であり、売却先を日銀買入オペに頼るという構図が継続している。40年債の増額を続けることは、マーケット育成の観点から望ましくない。いったん増額を取りやめて、マーケットの成熟を待ちたいところである。

・マイナス金利となっている短期及び中期ゾーンについては、減額可能である。プラス金利となっている10年債については、現状維持を希望する。40年債については、1回の入札当たり5,000億円から4,000億円へと減額することが望ましい。40年債のように、投資家層が限られており、売却機会を日銀買入オペに頼っているゾーンの発行額を多くすることは、日本銀行の政策が変更された場合等に安定的に消化できなくなる可能性もあり得るため、望ましくない。

・マイナス金利のゾーンの発行額を中心に減額すること、また、残存の長いゾーンの流動性供給入札を増額することについては、国債市場特別参加者の間で異論がないと思われる。40年債については、1回の入札当たり5,000億円の発行額がある程度織り込まれているとは思うが、発行額が過去最高になるとの憶測記事を受けて、超長期ゾーンが売られるという場面が見られたように、本当にそれがマーケットに受け入れられる状況なのかという懸念もある。40年債の需給が悪化すると財政悪化懸念にもつながりやすいと考えられるため、1回の入札当たり4,000億円に戻すという選択肢も、慎重な対応として考えられるのではないか。

・ドル円ベーシス・スワップを介した海外勢からの需要を考えると、中期ゾーンのみを減額することは好ましくない。当社としては、短期及び中期ゾーンも含めて、全てのゾーンで減額を最小限にとどめてほしいと希望してはいるが、財政健全化への取り組みを明確化するためにも、発行総額は減額せざるを得ないことも理解できる。そこで、発行額が大きく減額の影響が比較的小さいと考えられる2年債、5年債及び10年債の各年限において、少額の減額を行うことはやむを得ないと考えている。

・各年限の発行額に対しては、色々な立場から、増額と減額の両方の意見がある。例えば、短期及び中期ゾーンについては国内からの需要は少ないが、海外からの需要は多く見られている。また、40年債についても、金利が低いため投資家の需要が限定的であり、売却先を日銀買入オペに頼る形になっている一方、発行額が増えて金利が上昇すれば、投資家の需要も出てくるという面もある。こうした状況において、発行総額を減額する必要がある場合には、各年限の発行額をできるだけ均等に減額することが望ましいと考えている。それを実現するために、流動性供給入札を増額する見合いで相応年限の利付債の発行額を減額し、各年限の減額幅を調整するというのも一案である。

・減額余地が大きい1年物T-Bill、2年債及び5年債を中心に減額するのがよい。特に5年債については、海外投資家の需要もさほど大きくないため、1回の入札当たり2,000億円程度の減額余地がある。足元では金利が上昇する中で、顧客からの需要が長期から超長期ゾーンにおいて大きくなっているが、日本国債のマーケットでは、特にオフ・ザ・ラン銘柄へのニーズが顕在化している。預金取扱金融機関からは、20年債のカレントではなく残存10-15年のゾーンにニーズがあり、生保からは、残存25年といったゾーンにもニーズがある。超長期ゾーンはタイミングによって需要が変動する面があるため、市場の流通量が減っている中では、流動性供給入札を増額してオフ・ザ・ラン銘柄の流動性を確保しながら、超長期ゾーン全体の流動性を維持していくことが望ましい。また、10年債及び20年債についてはあまり減額してほしくないと思っているが、流動性供給入札を増額するのであれば、10年債及び20年債にも減額余地が生まれるのではないか。さらに、チーペスト周りの銘柄の市場流通量が相当減っており、先物の流動性が今後不安視される状況である。チーペスト銘柄の流動性を確保する観点から、10年債を減額して残存5-15.5年の流動性供給入札を増額することも考えられるのではないか。

・カレント銘柄の発行を抑制してでも、残存5-15.5年ゾーンと残存15.5-39年ゾーンの流動性供給入札を増額する必要があると思う。マーケットの現況としては、日銀買入オペの累積効果によって、オフ・ザ・ラン銘柄の流動性低下が顕著になっている。流動性の低下はマーケットの不安定化を招いており、イールドカーブ上でオフ・ザ・ラン銘柄が割高化し、カレント銘柄が割安化する時間も多くなっている。カレント銘柄の減額と流動性供給入札の増額という組合せは、これを緩和する方向に作用し、トータルで発行コストの抑制にもつながる。また、来年度にチーペストとなる銘柄の市中残高は、少なくなっている。先物のヘッジ機能を保つためにも、残存5-15.5年ゾーンを月額2,000億円以上増額することが、マーケットの安定に寄与すると考える。

4.最近の国債市場の状況と今後の見通しについて

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・前回の本会合から20日余りしか経過していないが、その後ドル高が進み、米金利は上昇している。一方、円金利については、イールドカーブ・コントロールによりグローバルな金利上昇の影響が食い止められている状況が続いていたが、先週から急速に超長期ゾーンの金利が上昇したことから、日本銀行は今週に入り10年超の買入を増額した。
 イールドカーブ・コントロールについて、日本銀行はオペを手探り状態で実施していると考えているが、仮に来週以降もドル高が進み米金利が上昇するのであれば、日本銀行は再び対応を迫られると思われるため、市場は神経質な展開となるのではないか。
 しかし、長期的には、例えば1ドル120円を超える円安となればインフレにつながり、イールドカーブ・コントロールにおける長期金利のゼロ%程度というターゲットが引き上げられることも考えられる。来年以降は、このような動きが少しずつ出てくるのではないか。

・金利上昇に対して、足元では日本銀行がコントロールを及ぼしているが、財政懸念などの要因によって金利が急騰するリスクは常にある。非伝統的な金融政策の出口に備えて、財政健全化を進めることが望ましい。

・日本銀行がイールドカーブ・コントロールを導入してから3ヶ月近くが経つが、この間、11月17日には2年債及び5年債を対象に指値オペを実施し、12月14日には残存1-5年、残存5-10年、残存10年超の3つの区分を対象に買入オペを実施する等、これまでには見られなかったような形で買入オペを実施している。加えて、超長期ゾーンを対象とする買入オペを増額したこともあり、指値オペより明確ではないものの、日本銀行が持っている金利の水準感とイールドカーブ形状のイメージが徐々に理解されつつある。このため、現状、外部環境の強い影響によって金利の上昇圧力が高まっている中でも、金利が安定的に推移していくことが期待される。
 ただし、イールドカーブ・コントロールについては、買入額を減らしても金利が上昇しないようにする、いわゆる出口政策に向けた準備ではないかとの見方も根強く残っており、国債買入ペース等の変更に際しては、市場に対し、その理由を丁寧に説明することが望ましい。

・最近1年の極端な低金利状況が国内投資家の外債投資を促した結果、海外市場の変動が国内市場に大きく影響を与えるようになっていると感じる。このため、海外市場が大きく動くようなことがあれば、国内市場も不安定化するおそれがある。
 日本銀行のイールドカーブ・コントロール下では国内市場に明確な方向性は出にくいとは思う一方、投資家が体力を失っているため、海外発の大きな動きが国内市場の思わぬ変化を誘発する可能性も考えられることから、当局においても、市場との対話を継続して市場が落ち着いた動きをするよう努めてほしい。

・米国大統領選挙後、グローバルに金利上昇が進んでおり、インフレ期待も高まっている。トランプ次期政権の具体的な政策の中身がまだ出ていない段階で、これほど期待が高まっていることは、市場の予想を大きく超えている。このペースが来年1年間続くとは到底考えられないものの、来年も金利の上昇圧力は収まりにくいと思われる。
 海外の金利上昇圧力が続く中で、日本銀行が、金融政策の目標であるインフレを実現させていく観点から、金利の上昇を遅行的にしか許容しないのであれば、フローベースの買入額が減らなくなるため、市場の流動性という観点から不安である。
 海外では、金融政策の変化を経済指標等で事前に織り込ませて先取りさせる動きがあるが、金利ターゲットの場合、何を根拠として変化を事前に織り込ませるのかという判断が難しく、金利ターゲットの変更が市場価格を大幅に変動させるおそれがある。このため、来年以降も当局と市場参加者との対話や、情報発信の在り方が一段と重要になるだろう。

  

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問い合わせ先

財務省 理財局 国債業務課 越中・中山
電話 代表 03-3581-4111 内線 5701

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