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国債投資家懇談会(第79回)議事要旨

日時 平成31年3月25日(月)11:00〜12:20
場所 財務省 第3特別会議室
内容
 

1. 平成31年4-6月期における物価連動債の発行額等について

○平成31年4-6月期における物価連動債の発行額等について、理財局から以下のように説明を行った。

・物価連動債については、P.3のとおり、平成31年度発行計画では、1回の入札当たり4,000億円で年4回の発行としつつ、「市場参加者との意見交換を踏まえ、市場環境や投資ニーズに応じて、柔軟に発行額を調整」することとされている。本日は、4-6月期における発行額等について、御意見をお伺いするもの。

・1-3月期については、P.4のとおり、2月に発行額4,000億円で入札を行うとともに、200億円の買入消却入札を実施したところ。
 P.5のとおり、2月の入札は、年末にBEIが大きく低下したこともあり警戒感を持って迎えたところだが、応募倍率は3.34倍と過去の入札と比べて概ね遜色ない結果となった。
 買入消却入札と日銀買入オペについては、P.6のとおりであるが、年末には売り急ぐ向きもあり、応募倍率に振れがみられたものの、年明け以降は概ね市場実勢に即した結果となっている。
 流通市場の状況については、P.7に示したとおり、BEIは、年末に0.2%まで低下した後、そこからは横ばい圏内の動きとなっている。

・こうした中で、皆様から事前に御意見を伺ったところ、入札後の需給環境は、BEIが上昇するほど買い上がる傾向にはないものの、売り一辺倒とはなっておらず、足元を割安とみた買いも入っていることから、4-6月期における物価連動債の発行額と買入消却入札は、ひとまず現状維持で様子をみてはどうかとの意見が多かった。もっとも、引き続き投資家層の拡がりが限定的であることや、先行きの需給動向については懸念を示す声も聞かれているところ。

・こうした状況を踏まえて、P.8にお示ししているとおり、4-6月期については、1-3月期と同様、まずは、発行額を4,000億円とし、偶数月の4月と6月に200億円の買入消却入札を行うこととするほか、「ただし書き」の文言のとおり、市場環境等について引き続きしっかりとフォローし、売り一辺倒の状況が続き流動性が大きく低下する等の場合には、発行当局として適切な対応を行いたいと考えている。

・また、毎年3月に、翌年度の物価連動債のリオープン及び入札の方式についての御意見をいただいているが、これについても、平成30年度と同様、年間1銘柄でのリオープン、価格ダッチ方式での入札としてはどうかと考えている。

・なお、本案については、先週金曜日の国債市場特別参加者会合でも御意見を伺っており、多くの参加者から賛同いただいたところ。

・当局としては、物価連動債の市場育成は国債管理政策上の重要な課題と考えており、そうした観点も踏まえ、4-6月期における発行額等について、皆様の御意見を承りたい。

○平成31年4-6月期における物価連動債の発行額等については、当局の提案に異論はないとする意見が大宗だったが、以下のような意見もあった。

・当局の提案に賛成する。年末にBEIが割安になる局面があり、国債市場特別参加者から買入消却を増やしてほしいという意見もあったかと思うが、割安になったところでは投資家による買いも考えられるため、現状維持でよい。

・当局の提案に特段異論はない。物価連動債については、引き続き粘り強くマーケットの育成に努めてほしい。

・当局の提案に異論はない。物価連動債には積極的に投資をしているが、流動性については中々盛り上がってこない状況であり、売買が行われるのは、入札と買入消却、日銀買入オペが実施されたときに限られる。現状、先行きの物価上昇率に対する見通しがほとんど収束してしまい、その点に対する相場感の相違がない状況であるため、このような状況になるのもやむを得ないと感じている。仮に、将来の物価上昇率に対して相場感が分かれてきて、売買が伴うようになってきたときに、例えば発行額等を増やしながら、買入消却も増やすような形で、売買がより活性化するような案を検討すれば、より効果的ではないか。

2. 平成31年4-6月期における流動性供給入札について

○平成31年4-6月期における流動性供給入札について、理財局から以下のように説明を行った。

・流動性供給入札については、P.10のとおり、平成31年度発行計画では、
 @残存15.5年超ゾーン3.0兆円、残存5-15.5年ゾーン7.2兆円、残存1-5年ゾーン2.4兆円で、年間12.6兆円を発行することを想定しつつ、
 A最終的には「市場参加者との意見交換を踏まえ、市場環境や投資ニーズに応じて柔軟に調整」することとされている。
 これを受け、本日の会合では、4-6月期におけるゾーン毎の発行額等について、御意見をお伺いするもの。

・P.11のとおり、1-3月期においては、発行計画で想定されているのと同様、残存1-5年ゾーンについては、奇数月の1月と3月に4,000億円、残存5-15.5年ゾーンについては、毎月6,000億円、残存15.5年超ゾーンについては、偶数月の2月に5,000億円の発行とした。

・P.12以降に、最近の流動性供給入札の結果を示している。先週金曜日に実施された残存1-5年ゾーンの入札は資料には未反映だが、これまでのところでは、残存15.5年超ゾーンの入札では若干テールが出る結果もみられるものの、総じて、安定した結果となっている。

・こうした中で、4-6月期の流動性供給入札について、皆様から事前に御意見を伺ったところ、現状の発行額等を維持することが適当との意見が多かった。

・これを受け、P.15にあるとおり、4-6月期におけるゾーン毎の発行額の当局案を作成した。1-3月期と同様に、残存1-5年ゾーンについては、奇数月の5月に4,000億円、残存5-15.5年ゾーンについては、毎月6,000億円、残存15.5年超ゾーンについては、偶数月の4月と6月に5,000億円の発行としてはどうかと考えている。
 この点につき、先週金曜日の国債市場特別参加者会合では、現状の発行額等を維持することが適切との意見を多くいただいたところ。

・4-6月期における流動性供給入札のゾーン毎の発行額等については、本日の議論も踏まえて総合的に判断することとしており、改めて御意見を頂戴したい。

○平成31年4-6月期における流動性供給入札については、当局の提案に異論はないとする意見が大宗だったが、以下のような意見もあった。

・流動性供給入札については、当社はALM運用の強化の観点から負債のキャッシュフローに合わせた形で投資を行っているところ、超長期ゾーンのオフ・ザ・ラン銘柄が非常に貴重であるため、残存15.5年超ゾーンの発行については、少しでも増額してほしい。

・流動性供給入札については、足元、マイナス金利の銘柄が増え、プラス金利の銘柄が少なくなってきている中、プラス金利の銘柄には、ALM目的での需要が今後増えると考えられるため、残存15.5年超ゾーンは現状よりも若干増額することが望ましい。

3. 名目利付債のリオープン及び入札方式について

○名目利付債のリオープン及び入札方式について、理財局から以下のように説明を行った。

・P.17以降に、平成31年度の名目利付債のリオープン及び入札方式について、事前にお伺いした皆様の御意見を踏まえて策定した実施案をお示ししている。

・10年債については、平成27年度から、入札日の市場実勢利回りと、償還日が同じ銘柄の表面利率との乖離が概ね30bps以内の場合に、リオープンによる発行としている。事前に御意見をお伺いしたところでは、1銘柄当たりの市中残高を確保する観点から、原則リオープン発行とすべきとの意見も聞かれる一方、金利が大きく変動する場合には、新発債として発行し投資家の需要を喚起することが国債の安定消化に資するとの意見も聞かれたところ。

・当局としては、引き続き現行方式を支持している投資家の皆様の御意見に配慮しつつ、1銘柄当たりの市中残高を確保し、先物取引における受渡適格銘柄でもある10年債の流動性を向上させる観点から、平成31年度についても、入札日の市場実勢利回りと、償還日が同じ銘柄の表面利率との乖離が概ね30bps以内の場合にはリオープンによる発行とする現行方式を維持してはどうかと考えている。

・20年債・30年債・40年債のリオープン方式については、現行方式を支持する意見がほとんどであったため、平成30年度と同様、20年債・30年債は年間4銘柄、40年債は年間1銘柄としてはどうかと考えている。

・次に、40年債の入札方式については、事前に御意見をお伺いしたところ、利回りダッチ方式を維持すべきという意見が多数だったものの、価格コンベンショナル方式に移行すべきという意見も一定程度あった。

・利回りダッチ方式を支持する意見としては、引き続き、他年限対比では40年債の投資家層が限定的であり、このため、流動性が比較的低いという声があったほか、イールドカーブの端で居所が掴みにくいことから、利回りダッチ方式の方が安定消化に資するという意見も聞かれたところ。

・他方、価格コンベンショナル方式への移行を希望する意見としては、投資家層が拡がりつつあり、流通市場での流動性も向上していることをその理由とする声が聞かれた。また、利回りダッチ方式の入札は、市場実勢利回りと比べて強い結果となることも多いため、高値掴みが警戒されるという指摘も聞かれているところ。

・当局としては、40年債の市場は以前よりも成熟してきており、流動性も徐々に向上しているものの、他の年限と比べれば投資家層がまだ限られており、イールドカーブの端であることによって価格が変動しやすいことを踏まえ、多くの皆様から御意見をいただいているとおり、利回りダッチ方式を維持することによって安定的な消化を図ることが望ましいのではないかと考えている。このため、P.18のとおり、平成31年度については引き続き、40年債の入札方式を利回りダッチ方式とする案をお示ししている。

・当局としては、本会合での議論を踏まえて、名目利付債のリオープン及び入札方式を最終的に決定することとしているので、忌憚のない御意見をいただきたい。

○名目利付債のリオープン及び入札方式については、当局の提案に異論はないとする意見が大宗だったが、以下のような意見もあった。

・当局の提案に賛成する。入札方式に関しては、超長期債等、金利水準が中々予測し難いものについては、利回りダッチ方式の方が応札しやすいと考えている。

・10年債のリオープン方式については、現状維持でよい。将来的に金利が急変動した場合は、その時の市場実勢に合わせたクーポン設定の方が投資家に消化されやすいと考える。また、銘柄ごとの流動性については、流動性供給入札や日本銀行の補完供給オペ等で補うことが可能だと考えている。

・入札方式については、ALMの観点からの投資が中心であり、金利水準によって大きく投資配分を変更することはないため、利回りダッチ方式の方が投資しやすい。
 10年債のリオープン方式については、現行の30bpsルールを適用するよりも、安定的に年間4銘柄発行される方がよいのではないか。米国債等の海外の国債のように、決まった銘柄数で推移していく方が投資しやすい。また、先物の受渡適格銘柄のスクイーズの観点を踏まえても、そのようにした方がよいのではないかと考えている。

・入札方式については、基本的には価格コンベンショナル方式がよいと思っているが、流動性の低い40年債等について利回りダッチ方式で実施するのは理に適っていると考えている。

・40年債の入札方式については、利回りダッチ方式では強い水準で応札されやすい傾向があることや、40年債の発行を開始して時間が経過し、30年債とのイールドカーブが繋がってきたことから、市場実勢に近い応札になるよう価格コンベンショナル方式への移行を希望。

・名目利付債のリオープン方式については、当社は比較的平準的に購入を進め、必要に応じてポートフォリオのメンテナンスを行うスタンスであるため、常に市場実勢と同水準で発行される方が運用しやすいと考えており、その点を検討してほしい。

・当局の提案に賛成する。なお、10年債のリオープン方式については、日本銀行の国債買入が減額基調にあることや、流動性供給入札がここ数年で増額されていることから、個別銘柄の流動性は一時期に比べて改善してきている可能性があり、現状維持でよいと考えている。

・10年債のリオープン方式については、年間4銘柄の発行とする原則リオープン方式とした方が、安心感が出ると思う。足元の状況でシングルイシューになると、スクイーズしやすいと思っている。現在の環境下では、30bpsルールであってもほぼ年間4銘柄発行となることを踏まえると、原則リオープン方式に変更した方がよいのではないか。

4.最近の国債市場の状況と今後の運用見通しについて

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・今後の日本国債への需要については、超低金利やマイナス金利であっても、ある程度買っていかざるを得ない状況。一方で、グローバルな金融緩和の長期化につれて、海外の債券や株式のリスクプレミアムが相対的に低下していけば、そういったアセットに資金をシフトしていくこともあり得ると考えている。そのため、長期的に考えると、今の投資比率を踏襲していくかは状況次第だと思っている。

・従来から、負債の性質に合わせ、流動性の高い国債をポートフォリオの中心にしたいと考えており、押し目買いを中心とした運用を行ってきた。一方で、超低金利の中、インカム収入や今年度の償還等も踏まえ、残存20年ゾーン等の長い年限の国債や地方債等を平準買いしていくことや、やや短期的な売却による収益を交えながら運用していくことを考えている。これらに加え、外債に投資し、海外金利のリスクもとっていくことになるだろう。マイナス金利が続いており非常に苦しいが、国債は単なる収益源ではなく、支払準備や預貸の調整等さまざまな性質を持っているので、そのようなことも考慮して運用していくことになると思う。

・足元グローバルに金利低下が続いている中、円金利に対する低下圧力が強いと考えている。日本国債への投資については、ALMの観点から一定程度購入するものの、基本的には現状通り国際分散投資を進めていく方針であるため、日本国債を主軸とするような運用は中々難しい。
 また、物価連動債については、足元のポートフォリオ上、インフレをヘッジするニーズはないため、割安か割高かという判断で購入することはあっても、基本的にポートフォリオの主軸に入れるのは難しいと思っている。

・これまでは、米国の利上げ継続も念頭に置きつつ国際分散投資をしなければいけないと考え、欧州等に投資を行っていたが、先週のFOMCを受けて前提が変わった。欧州に加え、米国でもしばらく現状の金融政策の継続が確認されたため、より時間をかけて投資することが必要だと認識している。他方で、米国のマクロ経済はまだ景気後退を意識する環境にはないと認識しており、欧州は弱い指標は出ているが、中国の景気対策の波及を踏まえた外需の動向も勘案しなければならず、非常に投資判断が難しい環境になっている。日本国債に関しては、金利水準が低くなっているが、欧米の金融政策の動向が日本銀行の金融政策の正常化の動きに対して逆風になっていることを勘案すると、欧州ほどではなくとも、ボラティリティ対比でのリターンは相応にあると考えており、一定程度投資妙味はあるのではないか。

・日本国債への投資については、残存10年よりも短い年限の国債は足元の金利水準では中々手を出しづらく、また、長い年限の国債は金利リスクが大きいため、積極的には投資しづらいと考えている。

・足元の環境において、金利低下圧力がかかっている中でも、ALMの観点から、デュレーション調整目的による投資は必要であるため、日本国債の残高は、ほぼ横ばいないしは微減といった推移になるのではないか。一方で、ヘッジ外債等海外資産への分散投資も必要になると思っている。超長期の年限は基本的に日本国債しかないため、将来、金利が上昇した場合には、日本国債を買うニーズが出てくるだろう。また、金利が低下する中で、円建ての商品等が提供できない状況が続いているが、金利が上昇する局面になれば、このような状況が変わり、日本国債に対するニーズが増える可能性もあると考えている。

・超長期の円建ての負債が主体であるが、昔の負債は予定利率が高いにも関わらず、資産側の利回りがどんどん低下し、資産と負債のマッチングが中々できない状況。日本国債に加え、円建てのクレジットものにも投資したいが、日本では米国ほどクレジット市場が発達していないため、現在はヘッジ外債に大きく投資している。円金利が低下する中で、日本国債をそれほど買い越しておらず、逆に減らしている投資家もいるが、その埋め合わせをヘッジ外債で行っている状況。一方で、今後、円金利が上昇した場合には、ヘッジ外債から日本国債へ資金をシフトしようとする先も多いと思われ、日本国債への潜在的な需要は強いだろう。

・今後の運用見通しについて、ALM上の金利リスクのコントロールという観点から日本国債を中心に運用する必要性は変わらないだろう。ただし、高齢化が進むこともあり、負債構造の変化に対しては十分に留意しながら、資産運用をしなければならないと考えている。

・足元の環境については、海外の中央銀行が思ったよりも急激にハト派化したことで金利が急速に低下している。世界経済が減速していることは以前からある程度認識していたが、中央銀行がここまでハト派化するほど本当に経済がよくないのかという点については、この先出てくる経済指標を丹念に見ながら、もう少し立ち止まって考える必要があると思っている。日本国債市場については、海外金利が低下したことに加え、日本銀行の国債買入のストック効果があるため、金利上昇しにくい局面が当面続くと考えている。一方で、金融機関が許容できる資産運用リスクには一定の制限があり、海外の金融資産ばかりに投資を進めるのにも限界があるため、日本国債への投資需要は一定程度存在するのではないか。

・高齢化により給付が急速に増える一方で、予定利率はあまり下がっておらず、過去の負債の利回りを確保しなければならない中で、周辺のオルタナティブに相対的に投資をシフトせざるを得ない状況になっており、ALMの観点から日本国債に投資するのは非常に難しい。

・足元、FRBやECBといった主要な中央銀行がハト派化したことによって、グローバルに金利が低下している中、円金利についてもイールドカーブ・コントロールを導入した頃の水準にまで下がったため、投資妙味が大きく低下し、リターンを得るのが難しい状況。
 現段階では、景気後退のリスクはマーケットが織り込んでいるほど高いとは思っていないが、これだけ中央銀行が明確にハト派化した中ではFRBの再利上げのハードルは高くなっていると考えられ、暫く海外金利も円金利も低い水準で推移していくものと考えている。
 そのような中で、リターンを得るためには、日本国債であればプラス金利が残る超長期ゾーンに投資することになるが、それでは足りない部分については比較的金利の高いクレジット商品に投資することによって、金利を確保していく必要があると考えている。

・グローバルな景気後退懸念から、日本国債の10年債の金利はマイナスが定着してきている。このような状況下では、投資家は償還損を覚悟してまで持ち切りを前提に日本国債を買うわけにはいかず、イールド・ハンティングのために残存期間の長いゾーンに投資対象を移し、イールドカーブのフラットニングが進むことになる。また、日本国債の超長期ゾーンに投資が集中する要因の一つには、他の国とは異なり、モーゲージなど日本国債以外に投資するものがない、という事情もあるだろう。
 目先の3〜5年程度の内に、景気後退の可能性が高い現状であれば、日本国債を最低限は買っていかざるを得ないだろう。

・日本の国債市場は引き続き、国内要因よりもグローバルな金利の動きに連動して低下しているが、円金利と海外金利との、特に先進国の金利との連動性については、昨年7月末の金融政策の修正から年末にかけて高まり、現在も高い連動性を保っている。
 今後の日本銀行の金融政策運営は、金融緩和の長期化による副作用の対策と、景気への対応との兼ね合いになると思うが、足元は後者への対応に重きが置かれ、現状の金融政策が長引く可能性があるのではないか。一方で、更なる金融緩和にも限界があると思われるため、今後の運用方針としては、現状の金融政策が維持されることを前提として進めていく予定。

・足元、欧州は英・独・仏ともに政治的に非常に不安定であり、来年大統領選挙を迎える米国も、政治的には安定していない。オセアニアでさえニュージーランドで銃乱射事件が起こるなど、世界的に政治的混乱が起こる中で、比較的政治が安定している日本国債が安全資産として認識されているのではないか。
 また、国内の金融機関にとっては、日本国内の情報は得やすい一方、海外の情報は中々得にくいため、外債対比では円債に投資が向かいやすいのではないか。

・現在の日本では、成長率の方が金利よりも高い状況にあり、債務残高が増加しても、GDP比ではあまり増加せず、むしろ今後数年減っていくという見通しが持たれている。それを背景にしてか、財政健全化目標を5年間先送りし、団塊の世代が全て75歳以上になる2025年までの黒字化が目標とされ、次年度の政府予算が過去最大規模となっているにも関わらず、財政健全化の方向にあるという説明が可能となっている。
 そうした中、価格競争入札での平均価格で発行される第U非価格競争入札における発行額が増えている。長期にわたり金利変化がないことから、国債部門に対する資本や人員の供給に問題が生じている可能性があり、結果、競争入札で買わずとも、第U非価格競争入札で買っておけばよいという方向にあるとすれば、金利上昇に対する備えや体力が落ちているのではないか。

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問い合わせ先

財務省 理財局 国債業務課 中対・武田
電話 代表 03-3581-4111 内線 5701

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