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日時 平成30年9月25日(火)13:30~14:20
場所 財務省 第3特別会議室
内容
 

1. 平成30年10-12月期における物価連動債の発行額等について

○平成30年10-12月期における物価連動債の発行額等について、理財局から以下のように説明を行った。

・物価連動債については、P.3のとおり、30年度発行計画では、1回の入札当たり4,000億円で年4回の発行としつつ、「市場参加者との意見交換を踏まえ、市場環境や投資ニーズに応じて、柔軟に発行額を調整」することとされている。本日は、10-12月期における発行額等について、御意見をお伺いするもの。

・7-9月期については、P.4のとおり、8月に発行額4,000億円で入札を行うとともに、8月に200億円の買入消却入札を実施したところ。P.5のとおり、8月の入札は、応募倍率は3.12倍となり、過去の入札と比べて遜色ない水準となっている。買入消却入札と日銀買入オペについては、P.6のとおり、応募倍率に振れはみられているが、概ね市場実勢に即した結果となっている。
 流通市場の状況については、P.7に示したとおり、BEIは、8月入札前に一旦0.4%程度となったが、その後水準を戻し、ここもとは0.5%を若干下回る水準で推移している。

・こうした中で、皆様から事前に御意見を伺ったところ、物価連動債については、引き続き投資家層の拡がりが限定的であることを懸念する声が聞かれているものの、BEI0.4から0.6%のレンジ圏内で売買がみられることから、10-12月期における物価連動債の発行額と買入消却入札は、現状維持が望ましいとの意見が多かった。

・こうした状況を踏まえて、P.8にお示ししているとおり、10-12月期については、7-9月期と同様、発行額を4,000億円とし、偶数月の10・12月に200億円の買入消却入札を行うこととしてはどうかと考えている。
 なお、本案については、先週金曜日の国債市場特別参加者会合でも議論いただいており、多くの参加者から賛同いただいたところ。

・当局としては、物価連動債の市場育成は国債管理政策上の重要な課題と考えており、そうした観点も踏まえ、10-12月期における発行額等について、皆様の御意見を承りたい。

○平成30年10-12月期における物価連動債の発行額等については、当局の提案に異論はないとする意見が多数聞かれたほか、以下のような意見があった。

・当局の提案どおりで問題ない。物価連動債については、流動性が未だ乏しく、取引しづらい状況。もっとも、グローバルには賃金が上がり、物価もやや上昇基調という状況が見られつつあるため、今後は日本の物価連動債においても、もう少しニーズが高まってくるのではないかと考えている。当局においては、現状の発行を継続しつつ、足元の流動性が不十分な状況を補完するため、買入消却入札も続けてほしい。

・当局の提案に異論はない。物価連動債については、足元、BEIの水準が引き続き40から50bpsと低位で推移しているものの、今後の消費税増税の議論の高まり等を踏まえると、現状の発行額で問題ない。また、買入消却は、引き続き、売却の場を設けるという観点から継続してほしい。

・物価連動債については、8月の入札前後でやや不安定な価格の動きも見られていたが、安くなった場面ではそれなりに買い手も出てきており、BEIの水準は安定している。市場育成の観点から、引き続き発行額は4,000億円でよい。

2. 平成30年10-12月期における流動性供給入札について

○平成30年10-12月期における流動性供給入札について、理財局から以下のように説明を行った。

・流動性供給入札については、P.10のとおり、30年度発行計画では、残存1-5年ゾーン2.4兆円、残存5-15.5年ゾーン7.2兆円、残存15.5年超ゾーン3.0兆円で、年間12.6兆円を発行することを想定しつつ、最終的には「市場参加者との意見交換を踏まえ、市場環境や投資ニーズに応じて柔軟に調整」することとされている。これを受け、本日の会合では、10-12月期におけるゾーン毎の発行額等を御議論いただくもの。

・P.11のとおり、7-9月期においては、発行計画で想定されているのと同様、残存1-5年ゾーンについては、7・9月に4,000億円、残存5-15.5年ゾーンについては、毎月6,000億円、残存15.5年超ゾーンについては、8月に5,000億円の発行とした。

・P.12以降に、最近の流動性供給入札の結果を示している。総じて、安定した結果となっている。

・こうした中で、10-12月期の流動性供給入札について、皆様から事前に御意見を伺ったところ、残存15.5年超ゾーンの増額を希望する意見もあったが、現状の発行額等を維持することが適当との意見が多かった。

・これを受け、P.15にあるとおり、10-12月期におけるゾーン毎の発行額の当局案を作成した。残存1-5年ゾーンについては、11月に4,000億円、残存5-15.5年ゾーンについては、毎月6,000億円、残存15.5年超ゾーンについては、10月と12月に5,000億円の発行としてはどうかと考えている。
 この点につき、先週金曜日の国債市場特別参加者会合では、現状の発行額等はバランスがとれており、これを維持することが適切との意見を多くいただいたところ。 

・10-12月期における流動性供給入札のゾーン毎の発行額等については、本日の議論も踏まえて総合的に判断することとしており、改めて御意見を頂戴したい。

○平成30年10-12月期における流動性供給入札については、当局の提案に異論はないとする意見が多数聞かれたほか、以下のような意見があった。

・流動性供給入札については、今年度増額されたばかりであるため、現状維持という当局の提案に異論はない。

・残存15.5年超ゾーンを増額し、マイナス金利である残存1-5年ゾーンを減額してほしい。昨年度は金利先高感もあり、保険会社等の決算期末に、超長期ゾーンの流動性が逼迫するという事象が見られたが、今年度は金利の強い先高感がないまま年度が始まり、平準的に超長期ゾーンの買い需要が見られている。そのような中で今年度は、30年債、40年債の発行減額もあり、需給逼迫感が期初から継続しているという印象であり、そのあたりを配慮してほしい。

・超長期ゾーンの流動性供給入札に対する潜在的なニーズは強いと考えているため、流動性の機能向上を図る観点からも、当該ゾーンの増額を希望する。

・残存15.5年超ゾーンを1回の入札当たり6,000億円に増額してほしい。超長期ゾーンは、将来的な金利上昇局面においても、バイ・アンド・ホールドで安定的に保有する投資家が多いゾーンである。将来のことも見据え、このような投資家に国債を供給することが望ましいのではないか。

3.最近の国債市場の状況と今後の運用見通しについて

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

7月末の金融緩和の枠組み強化において、金融政策の長期化による副作用がクローズアップされ、長期金利の変動幅が拡大されたが、国債市場では、今後当該修正を踏まえ、日本銀行が金融政策をどのように運営していくかについて注目が集まっている。CPIが1%を超え、上昇トレンドが出てくれば、もう一段の長期金利の変動幅拡大等の変更もあり得ると認識されてきたと感じており、今後は、CPI等の動きに日本の国債市場もある程度影響を受けてくるのではないか。そのような意味で、市場環境に敏感に反応する市場になってきたと感じており、非常によいことだと考えている。
 一方で、日本銀行の金融政策修正等のタイミングがサプライズで、必ずしも投資家との円滑なコミュニケーションの下で行われているわけではなく、この結果、ボラティリティが生じたが、これはあまりよいボラティリティではない。政策当局として、このようなボラティリティは発生させず、純粋にエコノミクスを反映するようなマーケットを作っていくというのがあるべき姿と考えている。
 投資スタンスについては、預貸ギャップが拡大基調であるため、日本国債には投資しなければならない状況。ただし、マーケットが動きやすくなっているため、今後のCPIの見通しや市場の状況をよく注視しつつ投資していきたい。

最近の市場の動きで気になっている点としては、7月末の日本銀行の金融政策の修正により、長期金利の変動幅が上下にある程度許容されたが、投資家としては、売買をする際、証券会社が一度に応じる売買金額が若干減少した印象があり、同じ金額を売買するのに今までより時間がかかってしまう状況にある。日本銀行の国債保有比率が非常に高い状況は今後も継続すると思われるため、発行当局に対しては、引き続き流動性を補完する対応をお願いしたい。

・7月末の金融政策決定会合を受けて、ややボラティリティは回復している。フォワード・ガイダンス導入により、短期から中期ゾーンは引き続き超低金利が継続し、イールドカーブは長期・超長期ゾーン中心にスティープニングしていくチャンスが出てきたのではないかと思っている。ただし、足元の金利の絶対水準が非常に低く、日本銀行の影響が強いマーケットが続く限りは、日本国債をポートフォリオの構成資産として位置付けるのは中々難しい。

マイナス金利導入以降、日本国債の償還は続いているが、一方で、新規投資は見送っているため、今後、保有残高が減少していく。そのような中、従来は、不良債権処理や株の減損等を日本国債の売却益でカバーすることが多かったが、今後はそれが出来なくなるのではと懸念している。金融緩和政策長期化の副作用として、足元の収益減少もさることながら、中期的には貸出金や株式との分散投資効果も得られなくなるので、金融政策が緩やかに混乱なく正常化に向かうことを期待している。

・7月末の日本銀行の政策修正により、従来に比べて大きく上下に金利が変動することで、売買の増加につながるだろう。しかしながら、現在の金利環境においては、安定的な利息収入を得るためにポートフォリオを積み上げていくという観点からは、日本国債の残高を維持することは難しい。

・グローバルな経済環境は、米国を中心として引続き堅調。足元では、米貿易摩擦の問題等があるが、それが大きく世界経済を下押しする状況にはなっていない。FRBやECBに加え、日本銀行に関しても、経済やインフレが堅調であれば、金融政策は正常化の方向に向かっていくという見方をしている。それに伴って、円金利が上昇するペースやインフレの動向を注視しながら投資を進めていく方針。日本国債に関しては、将来的には超長期ゾーン中心の金利上昇を想定しているが、米国や欧州と比べて、インフレが低いレベルであることや円高に対する日本経済の脆弱性等を踏まえると、グローバルには日本銀行が最も遅いペースで利上げを行っていくと考えている。

・現在の金利水準では、積極的に日本国債に投資し、残高を増やしていくことは難しい。7月末以降、金利水準は若干変動したものの依然として低く、かつボラティリティも低い。当社は10年債と20年債にそれぞれ限定的な枠を設け、ターゲットとする水準に応じて売買し、利鞘を確保している。20年債についてはターゲットとする水準まで金利が上昇しておらず、ほとんど投資ができていない。

・日本銀行の7月末の金融政策の修正以降、長期金利の変動幅を拡大させる方向でのオペレーションの変更は、9月21日の残存25年超ゾーンの日銀買入の減額くらいではないか。金融政策修正を発表した直後や、今回、日銀買入を減額したことで金利は動いたが、日本銀行が想定しているように、経済、物価情勢に応じて金利が動いたわけではない。その原因は、日本銀行の国債保有割合が高いためであるが、特に、超長期ゾーンはバイ・アンド・ホールドの投資家が多く、当該ゾーンで日本銀行もバイ・アンド・ホールドを行うと金利は動かなくなる。入札翌日は日銀買入オペを減額しないという暗黙のルールを日本銀行が気にしすぎると市場の硬直状態を助長してしまうため、9月21日の日銀買入オペ減額は一石を投じたものとして評価している。
 今後の運用見通しについては、若干国債金利は上昇したが、本格的に購入を再開する水準にはまだ到達していない。そのため、日本国債を中心とする円債のアロケーションを大きく増やす状況にはない。

・現在の国債市場については、日本銀行のヘッドラインのみに左右される展開が続いており、金利水準自体の低さに変わりはない。このような中、負債に対して超長期ゾーンを主体にバイ・アンド・ホールドで運用しており、今後ともその運用方針に変更予定はない。しかし、このまま低金利環境が継続すると、年を追うごとに収支が厳しくなる見通しとなっている。その結果、保険契約者の掛け金負担の増加や配当金の減少につながるなどネガティブな印象を与え、消費者マインドの改善と逆方向に作用してしまうのではないかと懸念している。

・国債の利回りが平均予定利率より低いことは変わっておらず、デュレーションのマッチング目的など、国債の金利リスクを増やさない程度の必要最低額の国債投資に留めているという状況は、従来から変更ない。

・日本銀行のイールドカーブ・コントロールが非常に強力であり、足元のマーケットについては、ほぼ日本銀行の掌の上で動いている。7月末の金融政策修正後、多少の日銀買入オペの減額があったものの、ストック効果が非常に大きく、日銀買入オペの減額があったとしても中々金利が動かない状況。当面は、イールドカーブ・コントロールの下で、許容されたレンジの上限に向かって緩やかに円金利は上昇していくのではないか。
 今後のマーケットについては、貿易摩擦等の懸念材料があるものの、景気はグローバルに拡大している状況であり、来年も堅調に推移するのではないか。FRBの利上げは、来年、あるいは再来年も淡々と続く可能性もあり、米金利は緩やかに上昇し、ドル高の方向に動きやすいのではないか。こういった環境を踏まえると、来年、日本銀行が金融政策の正常化への方向に動く可能性があり、円債市場は日本銀行による次の金利上昇方向への政策変更を意識しながら推移していくのではないか。
 運用見通しについては、円建ての負債があるため、ALMに必要な投資は今後も継続していくが、必要な円債投資以外は、当面、外債を中心に運用を進めていく方針で考えている。

・米国のマーケットや金利指標が非常に堅調だが、やや市場が楽観的過ぎる印象を持っており、これからは、これまでの利上げの悪影響が少しずつ出てくるのではないかと思っている。日本国債は、日本銀行の買入オペの減額により超長期ゾーン中心に金利上昇したが、ここから金利がもう少し上昇していけば、ポートフォリオの平均デュレーションを少しずつ伸ばしてもよいのではないか。

・7月末に日本銀行が金融政策を修正したことを受けて、円債の金利は上昇したものの、非常に短期間での調整にとどまった。また、9月21日の残存25年超ゾーンの日銀買入の減額は、国債市場における日本銀行の影響度が大きくなっていることから、そのプレゼンスを下げていくという方向性を示したものだと思っており、日銀買入の金額については確実に減額されていくのではないか。
 その結果として国債の市場機能が回復すれば好ましいことだが、長い期間日本銀行によるコントロールが続いているため、動意が即座に戻ってくるかは疑問。また、オーバーシュート型コミットメントの下では、日本銀行の国債保有残高は増え続け、ストック効果も相応に効いてくることから、本来のあるべき金利変動に回帰することは中々難しいのではないか。
 運用見通しについては、足元では日本銀行が国債の買入金額を減らして市場におけるプレゼンスを下げていく動きがあることや、米国で利上げが継続して実施されるような、グローバルに景気が拡大していく状況からすると、日本国債には金利上昇余地があると考えているため、金利変動レンジの上限に近づくまでは、日本国債の購入は難しいと考えている。

・国債市場は、引き続き日本銀行の金融政策が主導することになるだろう。7月末の長期金利の変動幅の拡大以後、日本銀行が買入オペをより弾力的に運営することによって、今まで抑制されていたボラティリティを向上させ、リスクプレミアムの向上、金利の上昇につながっていると思われる。
 イールドカーブは健全な方向に向かってはいるものの、1年を通して見ると、昨年末からのフラットニングが多少修正された程度で、グローバルな金利と比較して、まだ投資家が円債を買える水準ではない。
 また、20年債入札翌日の残存25年超ゾーンを対象とした日銀買入オペの減額によって相場が大きく動いたことからも分かるように、価格発見機能が健全化するのに十分な水準ではない。

・7月末に日本銀行は、長期金利の変動幅を従来の2倍程度まで許容したが、利付債に対する日本銀行の保有割合が5割に迫る中、民間の保有額が減少し続ける間は市場における流動性機能は改善しない。せめて民間保有額が横ばいとなる水準まで、日本銀行が買入額を減少させていくことを希望している。
 また、特に残存7-10年近辺においては、日本銀行の保有割合が8割以上、中には9割以上を占めている銘柄も見られるため、日本銀行においては、国債補完供給について、ターム物の導入や、1銘柄当たり1兆円の売却上限額の撤廃等を検討してほしい。
 また当局においては、日本銀行の現状の政策が続く限り、流動性供給入札の重要度が増しているということを認識してほしい。

・この場での議論を踏まえると、7月末の日本銀行の金融政策決定会合以降の動きについて、あまり大きな変化はなかった印象を受けた。フォワード・ガイダンスについては、早期正常化に対する期待や思惑をできるだけ抑制しようとするものだという受け止め方もあるように思う。一方で、少子化対策のために教育費の無償化が議論されているが、金利が非常に低位で推移しているからといって、財政赤字を拡大していくと、将来必ず国民負担を拡大させる要因になる。市場の声を意識することは非常に重要であるが、市場の声が届かない故に、その点を考慮せず、予算編成が行われることを懸念している。



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問い合わせ先

財務省 理財局 国債業務課 中対・武田
電話 代表 03-3581-4111 内線 5700