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国債投資家懇談会(第67回)議事要旨

日時 平成28年11月28日(月)13:25〜15:00
場所 財務省 第3特別会議室
 
内容
 

1. 平成29年度国債発行計画について〔参考配布:資料(PDF:946KB)

 

○平成29年度国債発行計画について、理財局から以下のように説明を行った。

 

・国債発行総額は、平成28年度当初の国債発行計画において平成27年度当初から7.8兆円減の162.2兆円となり、その後2次補正では5.9兆円の増額により、168.1兆円となった。
 カレンダーベース市中発行額は、平成28年度当初の国債発行計画において、平成27年度当初から5.6兆円減の147兆円とし、補正後も同額を維持。
 なお、国債発行計画の2次補正では、前倒債発行限度額を48兆円から56兆円へと引き上げた。

 

・平成28年度国債発行計画において、平成27年度当初計画に比べ、カレンダーベース市中発行額は、40年債を4,000億円増額し、20年債や5年債等を1.2兆円〜2.4兆円減額した。
 その後、8月の経済対策を受けて、カレンダーベース市中発行額の総額を維持する中で、40年債を4,000億円増額するとともに、物価連動債を4,000億円減額した。
 こうした中、平成28年度の平均償還年限は、フロー、ストックともに平成27年度より長期化している。

 

・平成29年度国債発行計画における発行規模について、借換債(除く復興借換債)は、平成29年度概算要求ベースでは104.6兆円となり、平成28年度当初計画額(109.0兆円)より約4.4兆円低い水準となっている。
 新規財源債(建設・特例国債)は、予算編成過程で決まる。
 財投債については、平成28年度の約20兆円から平成29年度の約14兆円へと、償還額が6兆円程度減少する見込みであるが、発行額自体は、財投計画全体の規模等を踏まえて今後決定される予定。

 

・以上を踏まえると、予算編成次第ではあるが、国債発行総額は平成28年度補正後からはもちろんのこと、平成28年度当初計画からも減少する可能性を示唆。

 

・日本銀行のQQEの開始直前である平成25年3月末と直近の平成28年6月末の国債の保有者別内訳を比較すると、日本銀行の保有量が増加する一方、中短期債の主たる保有者である銀行等は保有量・シェア共に減少。また、超長期債の主たる保有者である生損保等は、保有量は微増し、シェアは横ばいとなっている。T-Billの保有者を見ると、海外のシェアが増加している。

 

・生保の国債保有残高をみると、平成24年度までは増加が続いたが、以降は横ばいとなっている。銀行については、主に残存10年以下の残高の減少により、保有残高が減少している。

 

・日本銀行が9月に導入したイールドカーブ・コントロールでは、短期政策金利をマイナス0.1%、長期金利操作目標として10年物国債金利をゼロ%程度とされている。日銀買入額については、概ね現状程度の保有残高の増加額年間約80兆円をめどとされ、9月末に発表された10月の長期国債の買入れ等の運営方針では、超長期債を中心に買入を減額している。
 イールドカーブ・コントロールの導入以降、イールドカーブはほぼ動いていなかったが、足元では、米大統領選後に世界的に金利が上昇している中、円金利にも上昇圧力がかかっており、若干上方にシフトしている。

 

・流動性供給入札については、カレンダーベース市中発行額が減少する中においても、平成28年度国債発行計画では、総額9.6兆円を前年度から維持しつつ、残存1-5年ゾーンの国債を入札対象に追加し、流動性の維持・向上を図っている。

 

・また、10月17日開催の「国の債務管理の在り方に関する懇談会」では、超長期金利が低いからといって機会主義的に超長期債を増発すれば極めて深刻な問題を生むという意見や、国債発行における予見可能性を重視する意見がある一方、予見可能性にとらわれない国債発行もあり得るという意見や、市場参加者としては金利がプラスの部分でないと対応しづらい、といった意見が見られた。

 

・本懇談会を含め市場関係者の意見も踏まえつつ、予算編成過程と並行してカレンダーベース市中発行額の年限構成や規模を決定することとしている。 国債発行計画を今後考えられる様々な状況に的確に対応できるようなものとするべく、本日の懇談会では幅広く皆様の御意見を承りたい。

 

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

 

・財政規律の観点から、発行総額の減額には賛成であるが、マイナス利回りで国内投資家の需要が相対的に少ない中短期ゾーンを減額してほしい。また、残存10年超で流動性が低下している銘柄も見られるため、仮に20年債以下を一律に減額するのであれば尚更、流動性供給入札については増額してほしい。

 

・当社には中短期ゾーンに担保需要があるため、あまり大きく減額されるとマイナス利回りが深くなり担保コストの増加につながってしまうことから、減額する場合、中短期ゾーンに偏らせず、各年限を万遍なく減額してほしい。

 

・マイナス利回りでは投資を行いにくいため、減額するのであれば2年債及び5年債にしてほしい。他方、10年債は最近プラス利回りになったところであり、発行額は維持してほしい。

 

・当社はマイナス利回りの国債を投資対象としていないため、中短期ゾーンを減額するのが妥当と考える。流動性供給入札については、国債発行の多様化という意味で助かっており、増額してもらえればありがたい。

 

・マイナス利回りになっている2年債及び5年債には減額余地があると考える。他方、10年債以上の年限については、プラス利回りに対する需要が比較的強いため、現状維持が望ましい。
 また、日本銀行によるイールドカーブ・コントロール下で超長期ゾーンへの需要が相対的に高まっているため、流動性供給入札の残存15.5-39年ゾーンの増額を検討してほしい。

 

・発行総額の減少を前提とすれば、マイナス利回りで投資家ニーズの小さい2年債及び5年債を中心とした減額にしてほしい。また、10年債についても、一定程度の発行額を確保する必要はあるものの、まだ幾分かの減額余地はあると考えており、更に減額する必要がある場合には対象になると考える。
 超長期ゾーンについては、発行年限の長期化により将来の借換債を抑制できるという効果も期待されることに加え、投資家ニーズも安定的に存在するため、現状維持が望ましい。
 流動性供給入札については、平成28年度から残存1-5年ゾーンが追加されたことに伴い超長期ゾーンが若干の減額となっているが、40年債が増額後も順調に消化されている等、超長期ゾーンへのニーズが再確認されていることを踏まえれば、このゾーンに増額の余地があると考えている。

 

・市場の流動性は、かなり低下していると感じる。現在、当社は日本国債をそれほど売買していないが、ALM上、負債とのバランスである程度は入れ替えを実施しており、市場に一定の流動性がないと実際に売買する際に支障をきたすことから、超長期ゾーンを中心に流動性を確保してほしい。このため、超長期ゾーンについては、発行総額が減少する中、増額が難しいとは理解するが現状は維持し、流動性供給入札についても、できれば超長期ゾーンを優先的に増やしてほしい。他方、マイナス利回りとなっている中短期ゾーンは極力最低限の発行にしてほしい。

 

・減額するのであれば、マイナス利回りとなっている中短期ゾーンにしてほしい。
 超長期ゾーンについては、利回りが1%以下とあまりに低いため、大手生保を中心に実需を担ってきた投資家がほとんど買っていないのが現状ではないか。大手生保が満足できる額を買うようになれば利回りは更に低くなってしまうことを考えると、超長期ゾーンを減額すべきではない。

 

・日本銀行によるマイナス金利政策導入以降、市場の流動性は徐々に低下していると感じる。このため、平成29年度国債発行計画を策定するに当たっては、特に残存10年超の流動性の確保に配慮してほしいと考えており、流動性供給入札の増額を希望する。他方、2年債及び5年債については減額の余地がある。

 

・発行総額が減少するのであれば、20年債以下の年限の減額が可能だと考える。他方、30年債及び40年債の増額を希望する。また、日銀買入によって市中流通量がかなり減少しており、今後の日本銀行の買入減額のペースが遅ければ、既発債のショートに耐え切れず、相場が急激に上昇するリスクもあるため、流動性供給入札の大幅な増額を希望する。

 

・日本銀行が強力な国債買入を続ける中、プラス利回りとなっている超長期ゾーンを減額してしまうと運用難に拍車がかかる上、市場の機能度も更に低下するため、同ゾーンを減額すべきではないと考える。他方、マイナス利回りで投資家需要が低下している2年債及び5年債は減額可能。
 なお、海外投資家にとっては、ドルの余資運用先として、ドル円ベーシス・スワップ取引を介したT-Billへのニーズは引き続き強いため、発行額を減らしてほしくない。

 

2. 最近の国債市場の状況と今後の運用見通しについて

 

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

 

・米国大統領選挙以降、世界中の金利が急上昇している中で、日本も超長期ゾーンを中心に金利が上昇し、イールドカーブのスティープ化が進んでいるが、まだ十分な水準とは言えない。また、市場の流動性についても、若干の改善は見られるものの、十分ではない。
 今の国債市場では、金利水準が多くの国内投資家の投資目線に合っていないことが問題となっているが、そういった中でも、長期的な課題を忘れてはならないと思う。特に、日本国債が格下げになると、日本の金融機関も同時に格下げとなり、海外からの資金調達やグローバルなビジネス展開に支障が出るおそれもある。今からそれに備えるのはなかなか難しい問題であるが、常にリスクとして認識しておく必要があると思う。
 運用方針に関して、当社は平成27年度までは積極的に債券投資を行ってきたが、平成28年度に関しては低インフレ・低成長・低金利という環境の中で、国内債と外債を問わず、意識的に国債の金利リスクと残高を落とし、米欧のクレジット資産を増やしてきたという経緯がある。しかし、ここもとの金利上昇の中でキャリー収益が改善される見込みが出てきたので、米欧の国債に関しては、相応の規模で投資を再開している。

 

・当社の基本的な運用スタンスは、20年債までのプラス利回りの債券への投資であるが、マイナス0.1%の付利が適用されている余剰資金については、マイナス0.1%以上の利回りがあれば、運用対象となり得る。
 また、ファンド投資を含めた海外の資産への分散投資を進めてきている。入ってくる資金の置き場として、プラス金利の日本国債に投資することもあるが、収益の源泉になっているのは外債投資である。ただ、円金利が相応のプラス圏という状況になれば、基本的には日本国債に回帰したいと考えている。ある程度のプラス金利となっていてイールドカーブが立っている状況になれば、日本の機関投資家は、日本国債を中心に運用することになるだろう。

 

・市場の流動性低下という意味で、以前よりもオファーとビッドの差が拡がっており、特に長期・超長期ゾーンのオフ・ザ・ラン銘柄について、そう感じている。
 QQEの導入以降、当社では外債投資の割合を増やしているが、担保繰りや流動性リスク管理の観点から、引き続き日本国債を保有する必要がある。米国大統領選挙でトランプ氏が勝利して以降、世界的にボラティリティの高い状況が続いていたが、日本銀行による指値オペの実施を受けて、本邦債券市場は一気に落ち着きを取り戻した。海外金利の上昇は続いているものの、円金利への影響は限られると想定しており、今後も一定程度、日本国債を保有していく方針である。

 

・足元では日米金利差の拡大に伴い、円安となっているが、将来、円安是正を求められ、日本銀行によるイールドカーブ・コントロールの許容レンジが変化する可能性も念頭に置く必要がある。
 今後の運用見通しとしては、長期的な保有よりも機動的な売買を重視し、キャリー収益に加えてキャピタル収益を求めていく方針である。

 

・市場の流動性について、いつを基準に考えるかということはあるが、マイナス金利政策やそもそものQQE導入以前と比べれば、ある程度満足できる水準で国債を売買できる時間帯が限られていると考える。これは、証券会社の体力の問題もあるのかもしれない。
 円金利の低下により、リスクに見合うリターンを得られない状況であり、日本国債には投資しづらい状況が続いている。

 

・足元では市場の流動性は低いと感じている。他方、来年の債券相場について考えた場合、これまでは超円高になることを気にしながら投資してきたが、今後、米国が財政拡張と利上げのポリシー・ミックスを行うとすれば、来年は超円安になることを気にしなければならないかもしれない。日本銀行の金融政策についても、早い段階でマイナス金利政策の見直しに手を付けなければならない可能性もあるので、今後はこうした点も踏まえて資金運用していきたい。
 来年にかけて、為替市場と株式市場のボラティリティは大きくなると予想されるが、国債市場については、日本銀行のイールドカーブ・コントロールが効果を発揮し、相対的には落ち着いた値動きになるのではないかと考えている。ただ、今後の為替相場の動向等によっては、金融政策も対応を迫られる可能性があるので、注視していきたい。

 

・マイナス金利政策の導入以降、投資家の取引の厚みが減り、市場の流動性は低下してきている。当社は基本的にマイナス利回りの債券には投資しない方針であり、外債を中心としつつ、運用の多様化に努めている。
 米国大統領選挙後はリスク・オン相場となっているが、先行きは海外の政治的リスク、特に欧州の動向に不透明感があるため、ボラティリティの高い相場になっていくと考えている。ただし、日本に関しては、日本銀行によるイールドカーブ・コントロールがあるため、海外対比では狭いレンジでの推移になるだろう。10年債金利で言えば、ゼロ%±10bpsでの推移を想定している。当社は資産運用の多様化を進めており、海外資産を中心に投資を行っている状況だが、日本国債に関してもゼロ%超であれば投資対象としているため、機動的に対応していきたい。

 

・トランプ氏が米国大統領選挙に勝利してからマーケットは一変しており、米国を中心に海外の金利が上昇する中で、イールドカーブ・コントロールが行われている日本においても、多少金利が上昇している状況。当社の資産運用については、低金利環境が続くとの前提の下で投資計画を立ててきたため、今後は金利がより上昇する可能性、円安が進む可能性を考慮すべく、ポートフォリオの見直しを行っているところである。

 

・現在のところ、当社では日本国債の売買をあまり行っていないが、金利が上がった場合の買い余力はある。長期的な見通しとしては、いわゆる「2025年問題」、すなわち、団塊の世代が後期高齢者となって個人金融資産が減少するという状況に至った場合に、金利が急騰するというシナリオも1つの可能性としてあり得ると考えている。また、日本国債が格下げされるようなことになれば、マーケットが質的に変化してしまうかもしれないため、財政再建を進めるなどの取り組みも必要だと考えている。

 

・市場の流動性について、日本銀行によるイールドカーブ・コントロールの導入後、米国大統領選挙においてトランプ氏が勝利するまでは、市場には動きがなく、どちらかと言えばオファーとビットの差はタイトだったと思う。しかし、トランプ氏勝利後は、大量に売りが出て業者のポジションが重くなったことから、オファーとビットの差は多少拡がってきており、全体的に流動性は低下していると感じる。
 超長期ゾーンを中心として金利は上昇してきているが、それでも金利水準は非常に低い。ヘッジ付外債についても、ヘッジコストがかなり上がってきており、取り組みにくい。また、オープン外債で為替リスクをとるのも、将来にわたる財務の健全性を確保する観点から難しく、運用に困っている。

 

・金利が上がってくれば国債を購入するニーズは出てくるという声も聞かれているが、生保は大手も含めて、貯蓄性商品の販売を取りやめている。そうすると、運用資金が入らないことや時間の経過により負債のデュレーションが短くなるため、数年後に金利が上昇したとしても超長期ゾーンの国債を購入する需要が元に戻るという話にはならないと思う。その点について、市場参加者はもう少し危機感を持った方がよいのではないか。
 当社の運用方針としては、マイナス金利での運用は行っておらず、利回りがプラスの外債や海外のリスク資産への投資を増やしている。しかし、今後、米国のインフレ期待が高まり、FRBが利上げを始めるとなれば、ヘッジコストが上がるのではないかと懸念している。すなわち、当社が保有しているヘッジ付外債は、必ずしも満期まで為替予約しているわけではないので、徐々に逆ザヤ化することになる。逆ザヤとなっている外債を売れば含み損が実現するということになり、売らなければ逆ザヤを甘受することになるという、身動きが取れない状況に陥るのではないかと、非常に心配している。こうしたこともあり、今は金利が大幅に上がってきているが、当面は様子見を続けることにしており、急速に海外の資産を増やしてよいのかどうかは決めかねているというのが現状である。

 

・ある程度金利が上がってくれば、日本国債に対する需要は高まるのではないかと見ている。米金利は長期の均衡金利の水準に近づいてきている状況だが、円金利については、どちらかと言えば再び低下する可能性の方が高いのではないか。当社としては、支払が多くなっている状況にあるので、金利水準が見合うからといって積極的に国債を購入できるとは限らない。

 

・日本銀行によるイールドカーブ・コントロールがある程度機能している現状においては、相場の変動要因として、海外の出来事による影響が相対的に強くなっている。足元では、円安や米国のインフレ期待の高まりがそれに当たる。このほか、最近では海外における保護主義的な勢力の台頭に伴って、国際的な摩擦や地政学的リスクが発生する可能性が高まっていると思われる。

 

・足元では、非常に低かった金利が幾分上昇しており、資金調達コストであるGCレポ金利との差が縮まり、逆ザヤの度合いも小さくなってきているので、運用環境としては改善しているものと評価している。海外情勢の変化を受けて、来年については円金利のボラティリティも高まると考えており、当社にとっての収益機会も増えると期待している。

 

・当社も国債市場の流動性は低下しているとの認識だが、加えて、円金利スワップ市場においても、流動性が著しく低下していると認識している。要因としては、マイナス金利による影響もあるとは思うが、業者への規制や、業者のリスク許容度の低下による影響の方が大きいと考える。
 当社の運用方針としては、各国の債券で運用しているファンドにおいて、金利が上昇している国の債券を買い増す一方で、日本国債に対する投資を抑制している。今後の見通しについては、トランプ次期大統領の就任に伴い、米国の物価上昇をかなり期待できると考えており、日本のインフレ率についても、原油安と円高の影響が剥落していくことで、徐々に1%半ば程度まで上がってくると予測している。このため、今後は物価連動債の投資妙味が高まっていくのではないか。

 

・昨年末に私が米国の中西部に滞在していた際の実感を踏まえれば、大統領選挙においてトランプ氏が勝利することまではある程度予想できたことであり、その原因についても分析できる。しかし、同氏の大統領就任後に何が起きるのかについては、非常に不透明である。現在、米国の株価は、大規模な減税が実施されるとの予想から急上昇しているが、そのしわ寄せは、法人税の減税圧力などという形で、今後、日本に及ぶ可能性もあるのではないか。国債を増額するといっても限度がある。日本の財政にどのような影響を及ぼすのかについて分析を始めて、冷静に対応していくことが必要になるだろう。

 

・市場参加者が今の国債市場の状況に慣れてしまっていないかと心配していたが、本懇談会での話を伺い、様々な不確実性に対応しようという動きがあるとわかり、安心した。過去30年にわたった金利低下局面が終わり、上昇局面に入ったとのヘンリー・カウフマンによる分析も示されており、頭に置いておく必要がある。団塊の世代が後期高齢者となり社会保障費が増大するという「2025年問題」に備えて、2020年までにプライマリー・バランスの黒字化を達成し、その後は対GDP比での債務残高を減らしていくというのが、歴代内閣が国内外に表明してきた目標である。これが実現できないからといって直ちに問題が発生するわけではないかもしれないが、国債の格付けの問題から金利が上昇することも気がかりな情勢となっている。小泉内閣の時代には、2010年代初頭にプライマリー・バランスを黒字化すると言われていた。リーマン・ショックの発生によって目標は先延ばしにされたわけだが、足元の外部環境を踏まえると、もはや猶予期間はないと考えるべきだろう。

 

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問い合わせ先

財務省 理財局 国債業務課 越中・中山
電話 代表 03-3581-4111 内線 5701

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