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たばこ事業等分科会(平成30年10月19日開催)議事録

財政制度等審議会
たばこ事業等分科会(第38回)
議 事 録

平成30年10月19日
財政制度等審議会

財政制度等審議会 たばこ事業等分科会(第38回)議事次第

平成30年10月19日(金)9:59~10:50

財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.うえの財務副大臣挨拶

  • 3.たばこを巡る最近の諸情勢及び注意文言表示規制・広告規制の見直し等について

  • 4.質疑・応答

  • 5.閉 会

  • 会議資料

    資料たばこを巡る最近の諸情勢及び注意文言表示規制・広告規制の見直し等について
  • 出席者

    分科会長

    五十

    うえの財務副大臣

    可部理財局長

    古谷理財局次長

    井口理財局総務課長

    小坂田理財局たばこ塩事業室長

    委員

    川村雄介

    細野助博

    宮島香澄

    臨時委員

    荒谷裕子

    安藤光義

    村上政博

午前9時59分開会

〔 五十嵐分科会長 〕それでは、ほぼ定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会第38回たばこ事業等分科会を開催いたします。皆様方には、お忙しいところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

今日は、江川委員、角委員、門脇委員、牛窪委員がご欠席されると伺っております。本日は、うえの財務副大臣にご出席をいただいております。当分科会の開催に当たりまして、後ほど、ご挨拶をいただきたいと思います。

その前に、報道関係者が入りますので、そのままお待ちいただきたいと思います。

(報道関係者入室)

〔 五十嵐分科会長 〕では、準備ができたようですので、うえの財務副大臣、ご挨拶をお願いいたします。

〔 うえの財務副大臣 〕皆さん、おはようございます。財務副大臣のうえの賢一郎でございます。本日は、朝からご多用の中、本当にありがとうございます。一言ご挨拶を申し上げたいと思います。五十嵐分科会長をはじめ、委員の皆様におかれましては、平素から、たばこ・塩事業に係る貴重なご意見を賜り、心から感謝を申し上げたいと思います。

この度の第4次安倍改造内閣におきまして、財務副大臣に再任されました。理財局の担当となりましたので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。

さて、たばこをめぐる情勢の変化といたしましては、本年7月に、健康増進法の改正法が成立いたしました。これにより、国は、望まない受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進する必要があります。

こうした中、たばこパッケージの注意文言表示規制や広告規制についても、具体的な見直しに向けたご議論をいただく段階にあると考えております。

これらの規制の見直しにつきましては、当分科会においてご議論いただき、平成28年6月に、その方向性をご報告いただきました。

こうした見直しの方向性を踏まえつつ、今般、委員の皆様におかれましては、注意文言表示規制や広告規制の具体的な見直しに向け、ご忌憚のないご意見を賜りますようにお願い申し上げたいと思います。簡単ですが、ご挨拶とさせていただきます。

〔 五十嵐分科会長 〕どうもありがとうございました。

それでは、報道関係者の皆様は、ご退室をお願いいたします。

(報道関係者退室)

〔 五十嵐分科会長 〕議事に移ります前に、人事異動がございましたので、事務局のメンバーに変更がございます。ご紹介をいただきたいと思います。

可部理財局長、よろしくお願いいたします。

〔 可部理財局長 〕理財局長を仰せつかりました可部でございます。委員の皆様方のご指導を賜りながら、しっかりと務めさせていただきたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。

五十嵐分科会長のお許しをいただきましたので、このたびの人事異動で変わりましたメンバー紹介をさせていただきます。

委員の皆様方からごらんになって、分科会長の左側、古谷次長でございます。

それから、私の左側、井口総務課長でございます。

それから、一番反対側になりますけれども、小坂田たばこ塩事業室長でございます。

こうしたメンバーで取り組ませていただきますので、何とぞよろしく、ご指導をお願い申し上げます。

〔 五十嵐分科会長 〕どうもありがとうございました。

では、早速議事に入りたいと思います。たばこを巡る最近の諸情勢及び注意文言表示規制・広告規制の見直し等につきまして、事務局からご説明をお願いしたいと思います。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕事務局でございます。

まずは、たばこを巡る最近の諸情勢といたしまして、本年7月に成立いたしました受動喫煙対策を内容とします健康増進法の一部を改正する法律につきまして、ご説明申し上げます。

まず、資料の1ページ目をご覧いただければと思います。

同法の基本的な考え方といたしましては、まず第1に、「望まない受動喫煙」をなくすということでございまして、屋内において受動喫煙にさらされることを望まない者がそのような状況に置かれることがないようにすることを基本としているということでございます。

第2といたしましては、受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者等に特に配慮することとしております。具体的には、子どもなど20歳未満の者、患者等は受動喫煙による健康影響が大きいことを考慮しまして、こうした方々が主たる利用者となる施設や、屋外につきまして、受動喫煙対策を一層徹底するという考え方でございます。

第3といたしましては、施設の類型・場所ごとに対策を実施ということで、「望まない受動喫煙」をなくすという観点から、施設の類型・場所ごとに、主たる利用者の違いや、受動喫煙が他人に与える健康影響の程度に応じまして、禁煙措置や喫煙場所の特定を行うとともに、掲示の義務付けをするなどの対策を講ずることとしております。

その際、既存の飲食店のうち経営規模が小さい事業者が運営するものにつきましては、事業継続に配慮いたしまして、必要な措置を講ずるといったこととしております。

次に、具体的な改正の内容をご説明いたします。

まず、国と地方公共団体につきましては、受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならないこととされております。具体的内容につきましては、後ほどご説明申し上げます。

また、国、都道府県、市町村、多数の者が利用する施設等の管理権原者その他の関係者は、受動喫煙を防止するための措置につきまして、相互に連携を図りながら協力するよう努めることとされております。

さらに、国は、受動喫煙の防止に関する必要な調査研究を行うこととされております。

次のページをご覧いただければと思います。

喫煙の禁止等の規制内容につきまして、まずはAで書いております、学校・病院・児童福祉施設等、行政機関、旅客運送事業自動車・航空機につきましては、屋内だけではなく、屋外を含めて敷地内禁煙とされております。

ただし、「※1」をご覧いただければと思いますけれども、屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所に、喫煙場所を設置することができるとされておりますので、その喫煙場所でのみ、喫煙可能となっております。

次に、Bで書いております、それ以外の多数の者が利用する施設、旅客運送事業船舶・鉄道につきましては、原則屋内禁煙とされております。原則とされている意味でございますけれども、喫煙のみを行うことができる喫煙専用室を設けましたら、その中でのみ喫煙が可能ということでございます。

また、当分の間の経過措置といたしまして、加熱式たばこにつきましては、これも「※2」をご覧いただければと思いますけれども、発生した煙が他人の健康を損なうおそれがあることが明らかではないという性質から、原則屋内禁煙、具体的には、喫煙室を設ければ、その中でのみ喫煙が可能ということですけれども、先ほどご説明した紙巻きたばこの場合と異なりまして、そこでは、飲食等も可能となっているというところでございます。

さらに、飲食店については、別途、経過措置がございまして、別に法律で定める日までの間の措置でございますけれども、個人又は資本金・出資の総額が5,000万円以下、かつ客席面積100平米以下の中小企業につきましては、既存特定飲食提供施設といたしまして、標識を掲示すれば、喫煙が可能とされているところでございます。

また、旅館とかホテルの客室など、人の居住の用に供する場所については、これらの規制が適用されない、つまり、喫煙は可能だということにされております。

喫煙禁止以外の規制といたしましては、これらの喫煙をすることができる室には、20歳未満の者を立ち入らせてはならないということとされております。喫煙者につきましても、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう、周囲の状況に配慮しなければならないこととされているところでございます。

また、先ほどご説明した施設等の管理権原者等につきましては、喫煙が禁止された場所に灰皿などの喫煙器具や設備を設置してはならないということが、法律上位置づけられております。

次のページをご覧いただければと思います。

ただいまご説明した喫煙の禁止によって、現状からどのように変わるか、全体像を示した資料になります。

内容が重複するために、全体の説明については割愛させていただきますけれども、補足でご説明することとしては、事務所等における喫煙専用室、あと、加熱式たばこ専用の喫煙室につきましては、その中から屋外への煙の流出防止措置がとられていることが要件とされているところでございます。

また、経過措置の対象となります既存特定飲食提供施設につきましては、喫煙が可能とされる場所には、お客さんとともに、従業員の方についても、20歳未満の者を立ち入らせることができないということになります。

次のページをご覧いただければと思います。

国と地方公共団体の責務について、具体的な内容をご説明させていただければと思います。

受動喫煙を防止するための措置といたしましては、受動喫煙による健康影響等についてのパンフレットの作成・配布等による周知啓発、事業主による喫煙専用室等の整備に対する予算・税制上の措置、自治体が行う屋外における分煙施設の整備に対する地方財政措置による支援などが想定されているところでございます。

また、国、都道府県、市町村、関係者の方の協力につきましては、受動喫煙防止に関して、事業主団体等を通じて周知啓発を図るとか、屋内禁煙とか喫煙専用室設置店等の情報を、民間の飲食店情報サイトに掲載する等が想定されているところでございます。

さらに、国による調査研究の推進につきましては、加熱式たばこの受動喫煙による健康影響等について、科学的知見の蓄積を行うことが想定されているところでございます。

次のページをご覧いただければと思います。

既存特定飲食提供施設といたしまして、標識の掲示により喫煙可となる経過措置の対象となる店舗につきましては、最大で、飲食店全体の5.5割程度になるのではないかと、厚生労働省で推計されているところでございます。

次のページをご覧いただければと思います。

先ほど、規制の内容について申し上げましたけれども、改正健康増進法における義務違反のときの対応について、ご説明させていただければと思います。

喫煙禁止場所において、喫煙が発覚した場合、まずは、管理権原者等が喫煙の中止を求めます。それでも改善が見られない場合につきましては、都道府県知事等に通報ということになります。

それを踏まえまして、都道府県知事等が指導を行うということになります。それでも改善が見られない場合につきましては、都道府県知事等が命令という形で行いまして、それでも改善が見られない場合につきましては、30万円以下の過料の罰則の適用ということになります。

次は、管理権原者等が喫煙を禁止された場所において、喫煙器具や設備等を設置していることが発覚した場合でございます。その場合、都道府県知事等が指導を行いまして、それでも改善が見られない場合につきましては、勧告を行いまして、それでも改善が見られない場合は公表や命令を行うとされております。

命令の場合は、命令を受けても、なお改善が見られない場合につきましては、50万円以下の過料の罰則の適用ということになります。

次のページをご覧ください。

従業員に対する受動喫煙対策といたしまして、内容について記載した資料でございます。

国が事業者等の関係者に対して、喫煙室設置への支援などのハード面の対策とか、従業員への受動喫煙防止対策の周知などソフト面の対策、あと、国が設ける相談窓口等、利用可能な支援策の概要などを内容とするガイドラインを国が示して、助成金等による支援を行うこととされているところでございます。

次のページをご覧いただければと思います。

改正健康増進法の施行スケジュールでございます。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、段階的に施行することとされております。

具体的には、国及び地方公共団体の責務等の規定につきましては、公布後6ヶ月以内で政令で定める日が施行日とされております。まだ政令が定まっていないので、具体的な日は決まっていませんが、今年から、遅くても来年1月までの間に施行されることとなっております。

学校・病院・児童福祉施設等、行政機関における禁煙等の規定につきましては、2019年夏頃を目途に施行されるものと想定されているところでございます。

それ以外の施設の原則屋内禁煙等の規定につきましては、必要な喫煙専用室の工事などの準備が必要となることもありますので、2020年4月1日から施行されることとなっております。

次のページをご覧いただければと思います。

ここからは、健康増進法とは別のテーマとなりまして、まず、平成30年6月に、民法上の成年年齢を20歳から18歳に引き下げることを内容といたします、民法の一部を改正する法律が成立したところでございますが、未成年者喫煙禁止法上、喫煙が禁止される年齢は、引き続き20歳未満のままとされましたので、ご報告申し上げます。

次のページをご覧いただければと思います。

本年10月のたばこ税の見直しに伴う製造たばこの小売定価の変更につきまして、たばこ事業法に基づき、審査の上、認可いたしましたので、ご報告申し上げます。

大手3社の大体20本入り400円台の銘柄につきまして、おおむね30円又は40円の値上げ改定となっているところでございます。

次のページをご覧ください。

本分科会におきまして、今後の検討に関係する事項をまとめさせていただきました。

まずは、注意文言表示規制及び広告規制の見直しにつきまして、資料のとおり、平成28年6月に、見直しの方向性について報告を頂いておりまして、具体的な内容を検討していくべきとされているところでございます。

これらの検討に当たりましては、東京オリンピック・パラリンピックに向けた、受動喫煙防止対策についての議論の動向等を留意しながら進めていくということにされておりましたけれども、先ほどご説明したとおり、健康増進法の改正法が成立いたしましたので、今後これらの規制の具体的な見直しにつきまして、ご議論いただく段階にあるものと考えております。

また、健康増進法の改正を踏まえた所要の見直しといたしまして、製造たばこの特定小売販売業者等に関しましては、施設内に喫煙設備を設けることを許可の条件としていることにつきまして、健康増進法による屋内全面禁煙などの規制を踏まえまして、どのように見直していくべきかご議論いただければと考えているところでございます。

私からの説明は以上でございます。

〔 五十嵐分科会長 〕どうもありがとうございました。

うえの副大臣は、別のご公務がございますので、ここでご退席をされます。どうもありがとうございました。

(うえの副大臣退席)

〔 五十嵐分科会長 〕それでは、ただいまのご説明に対しまして、ご質問やご意見をいただきたいと思います。

健康増進法の一部を改正する法律の内容、あるいは、注意文言の表示規制とか広告規制の見直し等に関係するご意見を、皆様からご自由にいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

〔 村上臨時委員 〕ご自由にということなので、まとめて質問させていただきます。

最後の分科会に関することは、基本的に大きな変更点がないのであれば、単純に、速やかに実施してもらいたいというのが、これが私の意見になります。

それで、むしろ今回の法律改正について、幾つか教えてもらいたいというので、全体のたばこの規制についての結論というかルールについては、割と先進国の国際的な基準というのを、どうしても頭に置くもので、それと比べると利害関係者間の調整がかなり難しかっただろうと思います。従って、国際標準的なルールに比べると、随分複雑な内容になっているなという印象を受けます。

そこで一つ、そういう規制内容を実施する場合に、どうやって実効性を確保していくかということで、当然国と地方公共団体、両方の役割になるわけですけれども、これ全体の制度を伺っていますと、基本的には、都道府県等の地方公共団体が、取り締まりについては主導して行う形で、実効性を確保していくということで伺ってよろしいのかというのが、第1点目になります。

それから第2点目が、経過措置のところが、確か2ページあたりに書いてあったと思うのですが、「法律の施行後5年を経過した場合において、改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」という、この規定の附則の読み方ですけれども、これだけ苦労して調整をやったので、5年経過した後も、こうは書いてあるけれども、必要があると認めるときですから、実際には、全面的な見直しというのは、そう簡単には行わないで、これが続く見込みなのか、それとも5年後には、やはりたばこの規制というのは、全面的な見直しが行われるのかという、そこのところが2つ目の質問事項になりまして、この辺は予測の問題で、現時点でどう思うかということで答えてもらわなければしようがないと思いますが、それが2つの基本的な質問になります。

あともう一つ、法律家として非常に細かい点の質問は、6ページに、枠組みで都道府県が「指導」を行って、まずは「勧告」を行うと。それで、その次に「公表」を行う場合と、それでだめだった場合には「命令」を行うということで、それで「勧告」をやって、それに従わない場合に「命令」を行うというのは、これは全ての行政法規にある共通の話だと。ただ、「公表」をどう扱うかというのは、結構法律的に、法律構成としては難しい問題なので、ひとつ「勧告」をやるときに、もうその段階で、全て「公表」してしまえという法制をつくる場合もありますし、それから、「勧告」をやって、多少従わない場合に、制裁的な意味を認めて、「公表」をするかしないかは裁量で決めて、どうしても改善が認められない場合に限って「公表」するという、それを、こういう形で後にいろいろ法制をつくる場合と2つあるわけですが、この「公表」という制度を、今回の法律改正で入れるときに、何かその辺の議論はあったのか、ないかという話です。

別にこのつくり方が悪いとは言いませんが、その辺の公表をやる段階の取り扱いについて、この法律を通すなり、つくるときに多少議論があったのか、なく、このまま決まったのか。以上、質問します。

〔 五十嵐分科会長 〕3つご質問がありますが、よろしいですか。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕村上委員からのご質問に対してお答え申し上げます。1つ目のは、実際この規制を運用していく際に、国と地方公共団体との役割は、どちらが主体になってやっていくのかというお話でございます。

法律上、個々の事案に対する対応については、都道府県知事等が実際法律上の指導、監督、命令等の主体となっておりますので、実際現場に近い都道府県知事等が、国よりは実際その個々のケースに入って対応していくものと考えております。

次の経過措置の話でございます。ちょっと予想でもというお話をいただいたんですけれども、法律の規制ができて、これで実際どう運用されて、どのように変わっていくのかということによって、今後、実態を評価した上で、また考えていく話だと思いますので、今の段階でどういう方向になるかというのは、予測しがたいと思っているところでございます。

3つ目のご質問でございます。指導した後行う公表をどのような場合で行うのかという議論があったのかどうかについては、実際に法律を立案した厚生労働省に確認いたしまして、個別にまたお答えさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

〔 五十嵐分科会長 〕ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。

どうぞ、安藤委員。

〔 安藤臨時委員 〕今の実効性に関わる話になるかと思います。2点ほどございまして、1つは、スライドの4枚目に、さまざまな予算税制上の措置を講じられると書かれており、中小企業が施設の整備をする場合に補助を行うということですが、例えば、補助率は具体的にどれぐらいのものを想定されていて、予算規模はどれぐらいと考えていらっしゃるのか、もし何かわかれば教えていただければというのが1つ目の質問になります。

それから、もう一点は、先ほどの質問とかかわってくるかもしれませんが、6ページ目のスライドで、「指導」「勧告」「命令」という形で規制をかけていくということですが、実際に何か問題が起きていた場合、その最終的な強制力がどれぐらい働き得るのか、あるいは、最後の段階まで到達するのにどれぐらいの時間がかかるのか。その間、野放しと言ったら失礼ですけれども、そのような状況が起きると、少し問題だと思っております。

あと、小規模な飲食店ですと、隣の店舗から煙が流れてくるとか、そういうところに来るお客さんは、皆さん煙草を吸われる方だから、あまり問題はないと思うのですが、もし、そうした問題が出た場合に、緊急な対応が求められるかもしれません。そうしたことも含めて、この流れというか、最後の段階にまで到達する時間も含めて、実効性を確保できるのかどうなのかという点について何かわかっていることがあれば、教えていただきたいというのが2点になります。いかがでしょうか。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕まず1つ目の予算規模や補助率についてのご質問でございますが、厚生労働省によりますと、受動喫煙防止対策助成金の活用など、受動喫煙防止対策の推進に対する支援といたしまして、平成30年度当初予算で33億円となっているものと承知しています。

なお、受動喫煙防止対策助成金の補助率などにつきましては、上限を100万円といたしまして、2分の1、飲食店については3分の2となっていると承知しています。

次に、2つ目の実効性のご質問でございますが、その点につきましては、現在、制度を所管する厚生労働省において、現在、政省令等についても検討中ということもありまして、今後どのように運用されるかということにかかっていると思いますが、例えば、先ほど例示された煙が漏れてきた場合の話につきましては、健康増進法上、喫煙専用室について、厚生労働省令で定める技術的基準に適合しないことで、煙が漏れているといった場合につきましては、管理権原者は、基準に適合するように維持する義務があるとされておりますので、まずは、管理権原者において、こうした義務の観点から速やかに対応することになるのではないかと思われます。

以上でございます。

〔 五十嵐分科会長 〕もう一つ、指導、勧告、命令、公表までの期間がどのぐらいかかるかというご質問がありましたけれども、これはいかがですか。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕その点につきましても、現在厚生労働省において具体的な運用について検討していると思いますので、現段階で時期的なものは申し上げることできません。

〔 五十嵐分科会長 〕よろしいでしょうか。その他いかがでしょうか。

どうぞ、宮島委員。

〔 宮島委員 〕ありがとうございます。2年ぶりの開催になりますでしょうか。

報告書を2年前につくったときに、私も参加させていただいて、ほか参加させていただいているメンバーも多いので、議論は、基本的には2年前につくったものを一つの軸として進めるということになるのだと思います。

この2年間の変化といいますと、1つは、今ご説明のありました健康増進法があると思うんですけれども、これは見ていると、やはり受動喫煙にすごく焦点が絞られていると思います。

これがもちろん、大変重要だというのとともに、私たちがこれから考えなければいけないパッケージや広告は、吸う本人がどう考えるかということと、あるいは、主に未成年の誘因になるかという点、それから、公共の福祉とか、広告が目に入るということに関してどう考えるかというような観点が、引き続き重要になってくると思います。このあたりにつきまして、もし2年半前から、何か変わったことがというのも非常に抽象的ですけれども、前回以降にでてきた情報を、次の会議までにあれば教えていただきたいと思います。

また同じように、今回のたばこの問題というのは、2020年のオリンピック・パラリンピックをすごく意識していると思います。そのときに日本が、たばことか健康の意味でも、どういう国として見られたいかを意識しなければいけないと思います。それに当たりまして、2年前のときも、大分海外の事例等をご説明いただいたと思うんですが、これも同じように、2年余りの間に、海外にどのような変化があったかというようなこともわかる範囲で教えていただければと思います。

さらに、報告書を私たちはつくったということで、それに対して関係者がどのような反応を示されたか、あるいは業界、例えば、どんどん加熱式たばこのほうに、消費者も広がってきていると思うんですけれども、そのような現状ですとか、私たちが出した流れに対応して、関係各所でどのような変化が起こったかということがあれば、これも次回以降の議論の参考にしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

〔 五十嵐分科会長 〕よろしいですか。資料をつくっていただきたいというご要望だと思います。次回までにご準備できましたら、できるだけよろしくお願いします。

ほかはいかがでしょうか。どうぞ、細野委員。

〔 細野委員 〕村上先生と宮島先生のお話を引き継ぐのでございますけれども、我々28年6月にこのガイドラインを出して、それから、結構環境の変化があったと思います。厚生労働省の健康増進法もありますし、それから都の条例等もあります。その他地域でもいろいろな動きがあると思うのですけれども、と同時に製品についても少し変化があったように感じます。

つまり、加熱式のたばこというものがかなり普及してきたということですね。これに関して、もしできたら、次回までに普及率がどうなっているのかということと同時に、お使いになっている人が代用として考えているのか、それとも競合品として考えているのか。もう加熱のほうに完全に移るということなのか、それともケース・バイ・ケースで喫煙なさっているのかということ、これを少しお調べいただきたいんですね。なぜかというと、これは表示のパッケージのところで、もしも併用しているならば、同じメッセージでいいかもしれないし、そうでない場合には考えないといけないということもあるかもしれない。そこを少しお考えいただきたいと思います。

宮島委員は結構幅広に言いましたけれども、次回までに少しそのあたりのところを、限定的でもいいのですけれども、お調べいただきたい。

それから、私も報告書を、皆さんと一緒につくったわけですけれども、業界団体はどういう反応をしているのかということ、そのあたりの対応がどうなっているか、もう2年ちょっとになっていますので、ぜひご調査いただきたいと思います。以上です。

〔 五十嵐分科会長 〕ありがとうございます。いかがでしょうか。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕ご指摘の点を調べまして、またお答えさせて頂ければと思います。

〔 五十嵐分科会長 〕どうぞ、川村委員。

〔 川村委員 〕私も2年ぶりですけれども、ついこの間のような気がしておりますが、2つあって、1つは、ここは財政制度の中のたばこという、非常に複層的なお題をもらっている場であると。つまり、健康問題、受動喫煙問題等の問題とともに、国の税収という観点から、国庫の問題としてこの健康問題が議論されているたばこについてどう見るのかという視点が必要であって、財政物資という観点からこの分科会があるのだと思うんですね。

ただ唯一の喫煙者として受動喫煙はもう徹底的に排除すべきであるということは、かねてから申し上げていて、それが今回、相当進歩があったということは、非常に評価できると思います。

他方でもう一つ、今回のたばこ税の見直しに伴う値上げの一覧表があります。まず、例えば、メビウスでいえば、この480円(+40円)になった分、これ全体で今、たばこ税が幾らなんですか。マージンがどのぐらいなんですか。今回の40円上がった分の内訳が、この各製品によってばらつきがあるのか、同じなのか、それによる逸失利益を、事業者としてある程度補塡してくれたみたいな部分もあるのだろうけれども、そういうたばこ事業としての値上げの部分がどのぐらいなのか。

なぜそれを申し上げるかというと、このところ、たばこの消費量はどんどん減っているわけでありまして、それをたばこの税率の引上げで何とかチャラにしていこうというのが、もうこの20年ぐらいのざっくりした動きだと思うんですね。

そういう財政という観点から見たときに、そういうものはサステナブルなのですかということが1つあります。つまり、端的に言うと、たばこ税の税収が2割減り、半分になり、極端な話、ゼロになったときの代替財源的なことについて、財政審として、何らかの近未来の絵姿を考えておく必要はないのかということについて、こういう場が議論の重要なミッション、健康問題だけではなくて、この財政という位置づけから見たときに、これもかねてから申し上げている点ですけれども、非常に重要ではないかと。

それともう一つは、まさにこの受動喫煙を防止するために、当然のことながら小規模飲食店等でも、あるいは大規模店でも、それなりの設備投資が必要になってくるということになったときに、私の持論としては、例えば、500円とか550円に上げるかわりに、そういう上げた分を、そのような設備の方に、たばこを吸う人間が、ほかの人に迷惑をかけないように、きっちりとした設備をつくるためのお金を出すというのは当たり前の話なので、むしろ少々たばこの値上げ幅が大きくても、その分を、そのような設備の方に回す、自治体からの助成金とかそういうことではなくて、吸う人が責任を持って周りに迷惑をかけないようにしなさいというのは、極めてわかりやすい理屈だと思っていますので、その辺もちょっとご検討を。

先回りするようですが、確信犯的喫煙者には、表示は何を書かれても、どくろのマークを出されようが何しようがこたえないわけでありまして、そういうことよりも、そうした方々に一番やってもらいたいことは、吸わない人に迷惑をかけない、最低限健康被害を与えない。そのために、少しお金を出しなさいということはあるのだろうと思います。

もう一つ、先ほど、細野委員のご質問の中で、加熱式が出てくる中で、喫煙者はどういうビヘイビアをとっているのかと。私の場合は、普通のたばこと、プルーム・テックと、アイコスと、グローを持っていまして、場合、場合で使い分けています。ただ、重たいので面倒なのですけれども、宴席などの場合に、席を立って喫煙コーナーでたばこを吸うときも、従来のたばこは大体四、五分においが残るんですね。それから、上着だとか、髪の毛だとかににおいもつく、そうすると、大体、たばこを吸ったことがばれるんです。しかし、加熱式たばこだと気付かれず、宴席等で一緒にいる人たちも不快感を感じない。それが果たして、物質として健康被害という点でどうなのか私もよくわからないのですが、科学的にどうだという、つまり、加熱式たばこは通常の紙巻きたばこに比べて健康被害が少ない、いや、変わらない、両論いろいろ言われていて、わからないのですね。

この辺はぜひ、ちょっとこの分科会ではない、むしろ厚労省的なところになるのかもしれないのですけども、吸っている本人たちも、なぜ加熱式に変えたかというと、他の方の迷惑も多分少ないであろうということで、手間暇かかる加熱式たばこが普及しているということはあると思います。

現在、喫煙室に入りますと、私のおります会社のビルで、3年ぐらい前までは、たばこを吸っている人が30人その喫煙室にいると、加熱式たばこを吸っている人は1人か2人でしたけれども、今は7~8人から10人ぐらい、場合によっては半分ぐらいということもあります。特に女性の喫煙者の7割ぐらいは、見た感じですけれども加熱式になっています。科学的根拠を素人が真っ二つに違うことを言われると迷ってしまうので、加熱式について、もう少し深掘りした研究なり指針なりというものを、これは本分科会の話ではないのかもしれませんが、参考としてぜひお願いできればと思います。

〔 五十嵐分科会長 〕どうぞ。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕ご指摘いただいたものにつきましては、また調べたいと思います。

〔 五十嵐分科会長 〕どうぞ、荒谷委員。

〔 荒谷臨時委員 〕私は、基本的には、川村委員がおっしゃったことに全く賛成であります。それで、かねてから疑問に思っていたのですけれども、私は全然たばこは吸いませんので、受動喫煙は絶対的に避けてほしいのですけれども、今おっしゃったように、喫煙する方は、やめろと言っても、やめるかどうか極めて疑問であろうし、それを抑えることもなかなか難しいと思うのですね。

そこで、お伺いしたいのですが、パッケージの規制をどの程度まで厳しくするのかということが議論になっておりますけれども、それが果たして喫煙者にとって、どの程度の意味があるのかということを、わかる範囲で結構ですけれども、教えていただきたいと思います。今伺ったら、どくろマークがあっても吸う人は吸うとおっしゃっていましたので、もう少しほかに何かいい方法があるのかもしれませんし、どの程度の割合にするかによって変わるのかどうかといったことも、ちょっと喫煙者の意見を伺いたいというのが感想でございます。可能かどうかわからないですが、できる範囲でお調べいただければと思います。

〔 川村委員 〕これは全然科学的かどうかわからないですけれども、今、まさに委員からご意見があったところで感じるのは、やはり同じ喫煙者でも、チェーンスモーカーという、次から次に、それから、たばこの濃い煙をもくもく出す人、タクシーに乗ったときに、「おお、くさいタクシーだ、嫌だな」と、喫煙者でも思うレベルがあるし、今でもごく一部残っている新幹線の古い、昔の喫煙車両、あれを通るときはやはりくさいですよね。現実問題として、喫煙者もあそこで吸って禁煙車に乗っているところもあるわけですよ。

ですから、1つは、そういう頻度というのでしょうか、排出ガスではないですけれども、喫煙者は、どのぐらいのものをある空間で出していいか、みたいなものを、例えばセンサーを使って、そこは吸えるけれどもこれ以上はだめだとか、もう一つ思うのは、私、前に、喫煙室での喫煙者の受動喫煙被害を何とかしてくれということは、何回か申し上げたかと思うのですが、常に私は自分のロッカーに消臭剤を入れていないと、喫煙室に入っちゃうと、くさくて会議に出られないですね。

これは明らかに限度を超えているわけで、例えばそういう部分も、何かこれだけIoTだ何だと言われている時代なので、もっと客観的と言っては何ですけれども、もう少しわかりやすい指標で、例えば、幾ら何でも1日40本吸うな、10本ぐらいがいいところではないか、あるいは、食事の場で吸っていいと言うけれども、1箱吸うのではなく、2本ぐらいにするとか、いろいろあると思うのですよ。

それを、ただ感覚的じゃなくて、その空間でも、これだけITが発達しているのですから、私がさっき申し上げた、たばこの値上げ等の中に、例えばですけれども、そういう設備投資的な費用も入れるべきじゃないかというふうに感じます。

〔 五十嵐分科会長 〕どうぞ。

〔 細野委員 〕先ほど川村委員から、財政物資としてのたばこの話がありましたけれども、恐らく喫煙率が下がったというのは、健康に対する関心がかなり高まったということもあるかもしれませんし、やはり値上げというのもあると思うんですね。

海外の研究や何かもいろいろ見ますと、需要に対する価格の弾力性が1より小であるということ、これはどういうことかというと、基本的には、確かに購入価格の上昇で、吸う総合本数というのは減るのですけれども、値上げによって収入自身は増えるということでございます。私もいろいろと市町村を回っていますと、やはり、たばこ税の収入というのをかなり当てにしている。まして、人口減少時代になりますと、財政的にもかなり依存するというのがありますので、そういう点では、一石二鳥ということがございます。ただし、そんなに急激に価格を上げるというのがいいかどうかわからず、需要曲線がどういう形になっているかに依存しますが。

そうしますと、やはり、ある程度コントロールしていくため、しかも、財政物資としての利点ということをとって、その財政収入の幾分かを、それはできるかどうかわかりませんけれども、分煙施設に関連する設備投資に回していくとか、あるいは、もう少し今の分煙施設ではなくて、もっと技術革新で喫煙で健康を害さないような製品を考えていくとか、いろいろあると思うんですね。そのあたりのことを総合的に考えていくというのが、ひとつこの分科会では大事かなという気がいたします。

〔 五十嵐分科会長 〕いろいろご指摘をいただきました。ありがとうございます。

そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。

今日は久しぶりの再会(開)でしたので、再会(開)には、「始めた」という意味と、「もう一度会った」という意味と両方あるわけですけれども、久しぶりだったので、委員の先生方のいろいろな思いをいただけたのではないかと思います。

今すぐにお答えすることができない点も多々ありますので、これにつきましては、また事務局で調査をいたしまして、いずれにしましても、この見直し等につきましては、次回以降、具体的な内容について、これから深めていきたいと思いますので、ご準備をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

それから、何か追加でご意見とかご質問がありましたら、事務局までお寄せいただきたいと思います。よろしいでしょうか。

それでは、本日は、議論をここまでとさせていただきたいと思います。本日の議事内容につきましては、この後、事務局から記者レクを行うこととしております。また、本日の議事要旨、議事録、会議資料を、会議の後に、財務省のホームページに掲載することになっておりますので、ご了解いただきたいと思います。

では、本日の分科会は、これで終了したいと思います。どうもありがとうございました。

午前10時50分閉会