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たばこ事業等分科会(平成27年6月16日開催)議事録

財政制度等審議会
たばこ事業等分科会(第32回)
議 事 録

平成27年6月16日
財政制度等審議会

財政制度等審議会 たばこ事業等分科会(第32回)議事次第

平成27年6月16日(火)10:00〜11:55

財務省国際会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.議事

    • ○たばこ関連産業への国の関与の在り方及び日本たばこ産業株式会社株式の国の保有の在り方について

  • 3.閉会

  • 配付資料

    対外非公表たばこ関連産業への国の関与の在り方、日本たばこ産業株式会社株式の保有の在り方及び同株式の処分の可能性について(たたき台)
  • 出席者

    分科会長

    桐野高明

    中原理財局長

    岡本理財局次長

    古谷理財局総務課長

    神田理財局たばこ塩事業室長

    委員

    荒谷裕子

    川村雄介

    細野助博

    村上政博

    臨時委員

    江川雅子

    角   紀代恵

    門 脇   孝

    専門委員

    宮島香澄

午前10時00分開会

〔 桐野分科会長 〕では、定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会第32回たばこ事業等分科会を開催させていただきます。

ご多忙のところおいでいただきまして、誠にありがとうございます。

本日は、安藤委員、牛窪委員は欠席されるとのご連絡をいただいております。また、川村委員は少し遅くなるということでございます。

それでは、事務局からメールで送付させていただきましたが、前回までの分科会における討議の内容を踏まえ、私と細野分科会長代理で作成いたしました意見書(案)のたたき台を机上に配付しております。そのたたき台をもとに意見書の取りまとめに向けてご審議をいただければと思います。

委員の皆様からは、これまでさまざまなご意見を頂戴いたしましたが、他方で、復興財源の検討との関係もあり、タイトなスケジュールの中で意見書を取りまとめなければならないということで、確固たる結論を得るということではなく、たたき台にも書かせていただきましたように、論点整理として、一定の意見の集約を得たので、中間報告として提出するという位置づけにしております。

本来であれば、まず私がたたき台を説明した上で委員の皆様のご意見を伺うべきところでございますが、時間が限られておりますので、たたき台の1から5については、これまでの経緯や現状についての事実関係の記述でございますので、委員の皆様のご意見を取りまとめた6の論点整理部分についてのみ事務局から読み上げをお願いいたします。

〔 神田理財局たばこ塩事業室長 〕それでは、お手元の資料の「たばこ関連産業への国の関与の在り方、日本たばこ産業株式会社株式の保有の在り方及び同株式の処分の可能性について(たたき台)」について読み上げさせていただきます。

資料7ページの中段にございます、6.たばこ関連産業への国の関与の在り方、JT株式の保有の在り方及び同株式の処分の可能性についての論点整理です。

(1)たばこ事業等分科会における委員からの意見・指摘。

マル1たばこ関連産業への国の関与の在り方。

・専売制度改革以来、「国産葉たばこ問題」を解決した上で完全民営化するという方針があったにもかかわらず、耕作者や小売店の代表から完全民営化に反対との表明があったのは残念である。課題の解決に向けて努力する気がないようにも思われる。内外価格差が縮まらないのには為替レート等の影響もあるので、国産葉たばこ問題が依然として未解決な中で、直ちに株式を売却すべきとは思わないが、国の保護に安住しているのではないか。今の保護の枠組みを漫然と続けるのは如何なものか。

・これまで、完全民営化は国産葉たばこ問題の解決が前提とされてきたが、専売制度改革以来もう30年も経過している。期限を切って予見可能性を与えた上で保護を外すべきである。

・東北の被災地を含む中山間地域や宮古島等の島しょ部では葉たばこ農業が基幹産業となっている点への配慮が必要である。また、期限を切ると言っても作物の転換には長期間かかる点を考慮する必要がある。

・たばこの小売規制の緩い英国では不正品が1割程度を占めるなど海外ではたばこ不正品流通が深刻な問題となっている。卸売価格上限制や小売定価制等については、不正品流通防止や未成年者喫煙防止の見地から国の関与の在り方を考えるべきではないか。

・国内製造独占の意義が薄れている中で、他の産業で類例をみない卸売価格上限制を国内製造独占の弊害防止として継続していることは政策的に説明がつかないのではないか。

・JTは、政府保有株式が売却されても国産葉たばこの買入れを継続すると言っていたが、先行きJTを巡る経営環境が大きく変化した時に、株主の意向で経営方針が変わる可能性も否定できない。

・現行たばこ事業法制では、政府によるJT株式保有、JTによる国産葉たばこの全量買取、国内製造独占、卸売価格上限制、小売定価制等が積木細工のように密接に関連しており、一つを外すと全体に影響するので、JT株式の処分にあたっては、その影響を慎重に見極める必要がある。

・財政物資であり、また健康面に与える影響から社会的規制が要請される商品であるたばこの特殊性からすると、いずれにせよ規制は必要となるので、他の産業分野に比べて規制緩和のメリットが明確でない点に留意が必要である。そのような観点を踏まえ国がどのような形で関与すべきかを検討する必要がある。

・葉たばこ耕作者や小売店の保護は、現在JTと喫煙者の負担で行われており、仮にこれを別の形で行う場合には、誰の負担でこれを行うのか、現行に比べてコストがどうなるのか考慮すべきである。

マル2JT株式の保有の在り方及び同株式の処分の可能性。

・会社法の観点から言えば、現在3分の1超ある政府保有株式がこの水準を下回る場合には、政府は会社法上の特別決議に対する拒否権を失うことになる。種類株など買収防衛策の導入が困難であるならば、政府が株式を保有する意義を実質的に失う。今はギリギリの瀬戸際まで来ており、更に株式を売却するなら全量買取が担保できなくなることを覚悟して決断すべきである。

・全量買取それ自体は株主総会の決議事項ではないので、政府による株式保有の意義は、大株主としての経営に対する影響力にあるのではないか。全量買取の担保力という観点から大株主としての影響力に着目すれば、国の株式保有比率は3分の1からゼロに至るまでのグラデーションの中でいろいろな位置付けがありうるのではないか。ただし、かかる考え方による場合でも、想定される政府保有比率に応じたたばこ事業法制の在り方を明らかにした上で、株式の処分可能性を判断すべきである。

・JT株式の保有の在り方や処分可能性を検討するにあたっては、まずは、たばこ事業法制を巡る様々な課題を網羅的に洗い出した上で、国の保有株式の一部又は全部を売却した場合に、各課題ごとにどのような制度的手当てが必要か予め詰めておく必要がある。

マル3財政的観点からの議論。

・いずれ全株売却するにせよ、現状、高い配当金収入を得ており、かつ、それがリスクマネー供給の原資となっていることを考えれば、直ちに売却することは得策でない。

・配当金収入は持続的に入ってくる収入である一方、売却は1回限りである。また期待どおりの価格で売却できるとは限らない点に留意が必要である。

・たばこは財政物資であり、またJT株式は国民共有の国有財産である。JT株式の処分は、専ら経済合理性の観点から判断すべきである。

・政府保有株式には大規模災害等の緊急事態対応のためのリザーブとの意義もある。そのように考えると、果たして今が使うべきときか疑問である。

・政府保有株式の売却に当たっては、資本市場の吸収力を考慮する必要がある。今後、日本郵政株式会社や九州旅客鉄道株式会社(JR九州)等の株式の売却が予定されており、差し当たっては政府保有のJT株式を円滑に売却できるタイミングではないと考える。

マル4健康の観点からの議論。

・政府が保有するJT株式については、健康規制の実効性確保のために、引き続き保有すべきではないか。

・健康の観点からの規制は、政府による株式保有如何に関わらず適切に対応すべきものであり、株式保有と健康規制の実効性は論理必然的に関連するものではない。

・喫煙が健康に悪影響を及ぼすことに鑑み、たばこ事業者に対する規制であるたばこ事業法においても、注意文言表示の見直しを含め健康規制を強化していくべきではないか。

マル5その他。

・国際的な規制強化の動きなどたばこ事業を取り巻くこれからの経営環境を考えると、JTは引き続き経営の多角化に取り組むべきである。JTの成長は、その株式を保有する国にとっても利益となる。

・小売定価の認可制を前提とするにしても、たばこの小売価格は公共料金とは異なるのだから、価格戦略に自由度を持たせるため認可制度は弾力的に運用すればよい。

(2)意見集約。

分科会では、専売制度改革当時からの「完全民営化を目指す」との基本的な方向性について、引き続き堅持すべきであることで概ね一致した。他方、今後のたばこ関連産業への国の関与の在り方及びJT株式の保有の在り方については、現時点では意見の集約には至らなかった。

政府が保有するJT株式の処分の可能性に関しては、「たばこ事業法制の中の諸制度はそれぞれ密接に関連していることから株式処分による影響を慎重に吟味する必要がある」、「被災地や離島経済への影響に留意する必要がある」、「現状、高い配当金収入を得ており、かつ、リスクマネー供給の原資として重要である」など、委員それぞれ理由は様々であるが、現時点での同株式のさらなる売却を適当と判断すべきではないとの方向性で一致した。

しかしながら、今後、被災地を含む葉たばこ耕作者を取り巻く環境の変化や、経済政策・財政事情・国の資産管理などの諸点に照らし、政府保有JT株式を売却する必要性・合理性が一層高まる事態を念頭に置く必要がある。

たばこは財政収入のために特別な制度的位置づけがなされている財政物資であることを踏まえると、同株式の売却に関しては、経済合理性を重視した判断が求められる。このため、上記のような事態を具体的に想定しながら、適時に、売却に伴う利害得失を合理的に判断できるよう、政府において所要の実態把握や法制面での実務的な整理を進めておくことが重要である。

具体的に政府が取組むべき事項としては、

マル1仮に政府保有JT株式を売却する場合の、売却額や売却時期に応じた

・葉たばこ耕作者や小売店などへの影響、

・葉たばこ耕作者や小売店に対する所要の政策的対応とそれに伴う財政負担その他のコスト、

・財政や経済への影響、

・見込まれる株式売却収入と売却しなければ得られるであろう将来の配当金収入等についての調査・分析、

マル2上記マル1のほか、経済合理性に基づく判断に資する諸事情の調査、

マル3仮に政府保有JT株式を一定割合又は全部売却する場合のたばこ事業法を中心とする現行たばこ事業法制の枠組みの変更の要否、仮に変更する場合の方向性、などの法制面の実務的な整理

などが考えられる。

政府においては、こうした実務的な取組みを鋭意推進し、然るべき時に、速やかにたばこ事業等分科会を再開し具体的検討に入ることが望まれる。

なお、健康の観点からのたばこ事業者に対する規制については適時適切に行う必要があり、政府においては、たばこを巡る内外の動向に的確に対応して所要の措置を講じていくことが求められる。

以上でございます。

〔 桐野分科会長 〕どうもありがとうございます。

それでは、ご意見をいただきたいと思いますが、本日欠席しておられます安藤委員からの意見の提出がございましたので、これも事務局からご紹介をお願いします。

〔 神田理財局たばこ塩事業室長 〕それでは、安藤委員からのご意見を読み上げさせていただきます。

意見書案のたたき台ですが、すべての論点に細かく配慮されており、特に申し上げるべきことはございませんが、JT株式の売却が葉たばこ耕作者に与える影響についてコメントさせていただければと思います。

葉たばこを生産している農家の数は減少していますが、それと同時に特定の地域・市町村に生産が集中する傾向をみせています。その多くが中山間地域や離島などの条件不利地域であり、葉たばこ生産は鳥獣害の被害を受けない、安定的な収入源として農家と地域経済を支える役割を担っています。そこには東日本大震災の被災地である東北も含まれます。

こうした葉たばこ産地では農家の規模拡大も進んでいるため、JT株式の売却によってJTの経営方針が変更され、現在の全量買取り制度が廃止されることが与える影響は甚大なものとなることは間違いありません。国産葉たばこ問題は長年にわたる懸案事項ではありますが、現行制度を廃止するには相当程度の期間をかけて行う必要があると考えます。

葉たばこ生産が行われているのは畑作地帯ですが、そこでは葉たばこから野菜への転換が課題となっています。実際、葉たばこ生産農家もその多くが野作との複合経営です。ただし、葉たばこ作をやめて、これまで歴史的に築き上げてきた輪作体系を新たなものに移行させ、その経営を軌道に乗せるまでには相当のコストと時間が必要ですし、必ずしもうまくいくとは限りません。この転換に失敗すれば葉たばこ生産農家はもとより、地域経済はより一層脆弱なものとなり、耕作放棄地が拡大し、国土の保全に悪影響を与えかねません。

以上から、マル1当面はJT株式の売却は見合わせて現行制度を維持すること、マル2ただし、この制度を永遠に維持するのは困難であり、相当長期の猶予期間を与えて国産葉たばこ問題解決の道筋をつけること、マル3その際、葉たばこ生産地域の特徴を十分に考慮した作物転換・経営転換・土地利用転換の支援を行うことをご提案する次第です。

以上でございます。

〔 桐野分科会長 〕それでは、このたたき台について委員の方々からご意見をいただきたいと思います。江川委員、お願いします。

〔 江川臨時委員 〕私も、いろんな論点をバランスよくまとめていただいて、とてもいい中間報告だと思いました。

2点申し上げたいと思います。

1つは、最後の意見集約のところで、10ページの下から11ページにかけて、具体的に政府が売却する場合のいろんな検討事項の中に健康被害を防止するための規制をしっかりつくるというポイントが明文的に入っておらないので、できればそれを加えていただくとよいのではないかと思います。今回もこうやって今までの流れを確認してきて感じますのは、臨調の当時は国産葉たばこ問題が非常に大きな問題ではありましたが、かなり期間が経過したので、むしろ健康被害の問題というのが大きくなってきておりますので、それに取り組むべきだということを明示的に書いていただくのが重要ではないかというふうに思いました。

それから、2点目は、前回もほかの委員がおっしゃっていたんですが、今回、継続保有をするべきだという結論ではありますが、かなりいろんな議論をした上でこういう結論に至ったということがよくわかるということと、それから、長期的な方向性として、未来永劫持つべきだと皆さんが思っているわけでもないと思いましたので、例えばそういうことを議論したことがわかることをどこかに入れていただけるといいというふうに思います。最後の結論のところに入れていただくのが難しければ、8ページから9ページあたりの委員の意見ということで、長期的な方向性としてどこかの時点で売ることも考えてもよいのではないかと。その理由としては3つぐらい考えられると思っておりまして、1つは、海外の以前政府が保有していたたばこ会社も今では民間になっている事例が多いこと。2つ目は、政府保有で現在担保しているいろんな諸制度――これは国産葉たばこの問題もあります。流通規制もありますし、あるいは健康被害の防止、未成年喫煙防止、いろんなものがあると思いますが、そういったものが他の方策で同等の効果を得られるというふうに思われること。それから、3つ目は、現在は持っているほうが配当収入も多くていいわけですけれども、この経済的な合理性が場合によっては長期的には失われる可能性があるということです。

以上です。

〔 桐野分科会長 〕門脇委員、お願いします。

〔 門脇臨時委員 〕私も江川委員と同じようなことを考えていたのですけれども、全体としては非常にバランスよくまとめられているんですけれども、私を含めて3つぐらいの意見が健康の観点からの議論として――9ページのマル4ですね、それから3つのポチにわたって、健康規制を強化していくべきではないかという方向で書かれていると思います。ところが、一番最後の取りまとめのところを見ると、意見集約のずっと読んでいってどこにも出てこないので、全く出てこないと思って、それはまずいというふうに思ったら、一番最後の「なお」という3行、2行ちょっとで出てくるんですね。これがいかにも何か取ってつけたような、あまりこれに熱心に取り組んでいないようなイメージですね。そういうものを醸し出してしまうので、何か少し上のほうにこれを入れ込むようなよい案はないでしょうか。あるいは、「内外の動向に的確に対応し」ということで、内外の動向はより規制を求めている方向ですから、そういう方向で何らかの対応をするといった、もう少しそういったここで出た意見のニュアンスを盛り込んでいただければなというふうに思いました。

以上です。

〔 桐野分科会長 〕ありがとうございました。

そのほか、いかがでしょうか。宮島委員、お願いします。

〔 宮島専門委員 〕私も本当に広い意見を方向性として丁寧に拾っていただいていると思います。ありがとうございます。

それで、いわゆるゴールに近いので、細かい文言のところでもよろしいでしょうか。かなり細かいんですけれども、7ページのところで、たばこ関連産業への国の関与の在り方、一番下の部分に、「耕作者や小売店の代表から完全民営化に反対との表明があったのは残念である。課題の解決に向けて」というような部分があります。ここのところですが、私がそういう言い方をしたのかもしれないし、ほかの方の発言を拾われたのかもしれないですけれども、「残念である」というのは若干委員の意見というか感想なので、そういう書き方はちょっとどうかなと思いまして。むしろ私が意識しているのは、とにかく彼らは立場上反対であることはある意味理解できるんですけれども、彼らはとにかく反対であると。だけど、国産葉たばこ問題の当事者の一部である彼らが反対の状態では問題の解決に向けての努力が十分になされないのではないかという懸念のもとに、今のようにそれを前提にして進めていくと、結局いつまでたっても変わらないのじゃないかという懸念のつもりだったんですね。なので、そこの表現はちょっと、まだきれいな日本語としてはご提案できませんが、「反対との表明があった」というのはファクトだけにして、国産葉たばこ問題の当事者の1人であるため、課題の解決に向けての努力が十分なされず状況が変わらない懸念を持つとか、要するに彼らが本気になってやってくれないと変わらないという懸念を持ちましたという感じになるといいなと思いますというのが1つです。

2つ目は、これはもっと印象の問題なんですけれども、今、「然るべき時に」というところの単語がどういう意味かをちょっと悩んでいたのですが、一番最後、11ページです。最後、「政府においては、こうした実務的な取組みを鋭意推進し、然るべき時に、速やかにたばこ事業等分科会を再開し」という、これは前向きな意味で書かれたと思うんですけれども、世の中には実は財務省とか政府はどうしても手放したくないんじゃないかという見方をする方々が存在します。そういう方々に対しても、いや、そうじゃなくてちゃんと前に向けて進めているんだよというのが私たちの意見だということを伝えるためには、もしかしたら、実務のところというのは、然るべき時じゃなくても、整理がされなくてもどんどん進むわけですよね、多分。なので、どっちを取るかですけど、もう「然るべき時に」というのは取って、「鋭意推進し、速やかにたばこ事業等分科会などでの議論を再開し」とか、とにかく材料がそろったらさっさと具体的な検討に入るというような印象にしたほうが、そのうちやるよという感じじゃなくていいのではないかと、すみません、思いました。意地悪な見方をする人は世の中にいろいろいるので、申しわけありません。

あとは、全体としては、意見が集約できていないところはあるという両論併記を残したままというつもりですよね。だから、例えば健康被害を防ぐために株を持っていることが影響するかしないかというのは多分2つの意見が別々に出されていると思うんですけれども、それはいろんな意見があったということで、そのままというふうに考えてよろしいんですよね。

以上です。

〔 桐野分科会長 〕川村委員、お願いします。

〔 川村委員 〕非常に文句のつけようがなく、よくまとめていただいたなというのが正直なところです。したがって、あら探しだけ申し上げたいと、そういう感じなんですけれども、あらは3つありまして、1つは10ページの(2)の意見集約の真ん中あたり、第3パラグラフでしょうか、「しかしながら」云々かんぬんで「JT株式を売却する必要性・合理性が一層高まる事態を念頭に置く必要がある」。このとおりなんですが、ここについて私としては、先ほど宮島委員もちょっと指摘された、特に流通業者さんなんかに私は感じるんですけど、もっと覚悟しろという趣旨のことを入れていただけないかなと。要するに、これはもう30年前から決まっている話で、あなた方が還暦になってもまだこのままじゃ済まないよと。そんな還暦まで待てないんですよと。これは、日々刻々環境というのは変わっていて、民営化という最終ゴールをちゃんと設定しているわけで、多分このスピードは上がっていっていると。だから、絶対反対みたいなことを言われても、そうじゃないんだと。それを言っても通用しないと。ここはちゃんと正しい認識をしてくださいと。ただ、それに当たって、後段出てくる、例えばかつて80,000戸ぐらいあった農家が現在6,000戸を切っている。そうすると転廃業した葉たばこ農家の皆さんがどういう対応をされたのか、それに対して国が、あるいは県がどういう支援をして何とか変わっていく促進をされたのかみたいな、いわば農業政策も絡めた話が出てくるんだと思うんです。それは我々の分科会の所掌ではありませんけれども、いずれにしても、ここのところはもう覚悟を決めてくれという趣旨のこと、もうそういう方向なんだということをしっかり認識してくださいというのが一言ぐらい、もうちょっと強目のトーンでもいいんじゃないかなということが1つ。

それからもう1つは、この10ページの一番下から、マル1からマル3までにある、まさにこのとおり、ここを政府においてきっちり整理、調査・検討していただくというのはこのとおりなんですけど、ここで1つ、JTの経営というものに関しても何かメンションがあってもいいのかなと。その前の意見のほうで、10ページのマル5のその他のところにある部分、これをもうちょっと丸めた言い方。つまり、国が株主としてJTを持っているということは、このJTのエクイティバリューが上がってもらう必要があると。それと、それは他方でたばこ全体の今非常に規制が強いものを自由化していくというものと結構リンクしているところがあって、それは具体的にいけば彼らの言うところの目的達成事業というものに対する認可を弾力化するとか、それから、ここに書いてある、小売価格の、価格戦略の自由度を持たせる、弾力的に運用するみたいなことが丸めて、JTの経営の自由度をさらに増してJTの株式価値を向上させるためにどういうことが考えられるかみたいな論点が、これでいけば11ページのマル2の「上記マル1のほか、経済合理性に基づく判断」というものの中の例示として入れるぐらいかもしれませんけれども、JT経営でエクイティバリューを株主としては――それは配当ということもあるし、売却するときの株価ということもあるわけですが、ちょっと一言それがあってもいいのかなと。

それから、3点目は半分質問と考え方なんですけど、まさにこれも宮島委員のおっしゃった11ページの最後の「然るべき時」とは何ぞやということが私もきのうから一番悩んでいたところなんですが、多分上記マル1からマル3に相応のめどがついた段階でということなんだろうなということかなと。そうしますと、この「然るべき時」というのを取っちゃうというやり方もあるんですけども、「速やかに」と言った場合には、それじゃ、来年なのかと、この秋なのかみたいな、また速やかに度が人によって大分違うところもあるので、少し条件つきという意味でいけば、「然るべき時」というのをもうちょっと具体化するとすれば、いわば我々として宿題を出させていただいたマル1からマル3の政府の取り組みに相応の進展が見られた時点で速やかにとか、そんなイメージなのかなと。ということは、そのマル1からマル3を政府サイドでもたもたやっていたら、それが世論から怒られるとか、そういう話になっちゃうんだと思うんですけども、ただ、その辺で少しこれを、「然るべき時」というところをもうちょっと具体化して、いきなり「速やか」はややリスキーかなという気がします。

以上3点と、あと、これは、先ほど門脇委員からあった健康被害の問題については、まさにおっしゃるとおりの部分はあると思うんですが、これは財政審の分科会であって、今回、主として焦点が財政の観点から、エコノミクスの観点からということが中心であるという意味でいけば、途中しばし健康被害の問題がいっぱい出てきたわけではありますが、むしろ逆にこのなお書きほうが、我々は財政の問題をやっているんだけど、やっぱり健康問題って非常に重要なんだよと。ちょっと主題とは違うけど、これは絶対忘れないでねというので、むしろこのほうが印象的に強いのかなという、これは私の感想です。

以上です。

〔 桐野分科会長 〕荒谷委員、お願いします。

〔 荒谷委員 〕私もすごくよくまとまっていると思いましたけれども、10ページのところの意見集約の2行目で、「「完全民営化を目指す」との基本的な方向性について、引き続き堅持すべきであることで概ね一致した」と書いてありますが、「概ね一致した」というよりも、この点では皆さん一致しているのではないかという気がいたしますが。これは個人的な感想ですが、安藤先生は先ほど反対だとおっしゃっておりましたけれど、現時点では反対であるけれども、長期的な視野ではしようがないとおっしゃっておられたような気がしますので、「概ね」は取ってもいいのかなという気がしたのですが。

〔 桐野分科会長 〕事務局からどうぞ。

〔 岡本理財局次長 〕9ページマル4の最初のパラグラフに「政府が保有するJT株式については、健康規制の実効性確保のために、引き続き保有すべきではないか」というご意見がありました。

〔 荒谷委員 〕健康規制の実効性確保のために、政府が継続して保有するべきということだったんですね。

〔 岡本理財局次長 〕ステークホルダーも非常に多岐にわたってきて、健康規制が非常に重視されるようになってきているなか、JTに対するコントローラビリティーを確保するために引き続き保有すべきという考え方もあるのではないかというご意見をいただいていたかと思います。

〔 荒谷委員 〕その点については私は、まとまっていると誤解をしておりました。

それから、11ページですが、これは多分お二方と同じ意見ですけど、「こうした実務的な取組みを鋭意推進し、然るべき時に」と書いてありますが、過去のケースを見てみますと、中間報告を出してから3・4年たってから、あるいは10年たってからという感じですので、これはしばらく放っておいて、そのうちやるよというふうに受け取られかねませんので、やはり宮島委員がおっしゃっていたような懸念を私も抱くのですが。「実務的な取組みを鋭意推進し、然るべき時に」の意味があまりにも抽象的で、私たちが何もやらないよと言っているようにもとれるので、もう少し文章を練っていただければと思います。

〔 桐野分科会長 〕角委員、どうぞ。

〔 角委員 〕本当にありがとうございましたというか、すごくまとまっていると思います。そこで、ちょっと何点か私も多分あら探しということでございます。まず、健康の観点からの規制を10ページ以下の意見集約にどう反映させるかということで、方向の違う意見が2つあったようでございますが、私はどちらかというと江川委員と門脇委員のおっしゃいましたような方向で――ちょっと修文がまとまっていないので若干無責任ですが、入れるべきじゃないかと思います。確かにこの分科会というのは、いわゆる財政の観点から考えるとはいっても、いわゆるたばこ関連産業をどういうふうに国がコントロールしていくかということを考える上においては、今や所管がどこかという話は置いておいて、健康被害をどう防ぐかということは、これはもう一方の柱として、ますますそちらのほうが大きくなっていきます。そこで、これは規制を考える場合の柱として考えざるを得ないということで、やはり本文というか、中のほうに入れるべきではないかというふうに考えます。

それから、ちょっと10ページの(2)の意見集約の、これは書き方になるのかなと思うんですけど、2行目から3行目にあります「他方、今後のたばこ関連産業への国の関与の在り方及びJT株式の保有の在り方」というのが、対等に書かれています。しかし、私はこの二つが骨絡みになっているとはいっても、たばこ関連産業に対して国がどういうふうに関与していくべきかということがJT株式の保有のあり方と絡んでいるような気がしますので、「及び」という単純な並列系で書かれるということに若干の違和感を持っております。

それから、11ページにありますマル2は、先ほど川村委員がおっしゃってくださったので、マル2で「上記マル1のほか、経済合理性に基づく判断に資する諸事情の調査」というのが何を意味するのか少しわかったような気がします。ただ、これだけ書かれていますと何をこのマル2で言いたいのかというのがちょっとよくわからないので、もう少しパラフレーズしたほうが何を言いたいのかがわかりいいのかなという気がします。

もう1つは、このたばこの話というのは、国は一方でJTの大株主としては、すごい乱暴な言い方、CSRとか、いろいろ今言われているもの、それもちょっと放っておくと、エクイティバリューが上がれば儲かるわけですね。しかし、他方、やっぱり規制はしなきゃ――いろんな健康被害もありますし、それから担税物質であるということで規制をしなきゃいけないということで、それはある意味ではJTのエクイティバリューに対してマイナスの影響を与えるかもしれない。ですから、国は単にエクイティバリューを上げることだけ考えていればいい立場にはない。その意味で、1人の人間の中で利益相反的な考えに立つと思うので、そのあたりのことがもう少し、2つのある意味で相反する要請を国が考えなきゃいけないということがもう少し出るといいのかなと思います。これは修文も何も持っていないのでちょっと無責任ですけれども、少し――ちょっと経済的なところへの重きが、ちょっと大きいかなという気がいたしまして、これは将来に対するメッセージという意味もありますので、やはりたばこが全世界で置かれている状況ということに対して考えると、もう少しそのあたりも考えてニュアンスとして入れていただければなというふうに思います。

以上です。

〔 桐野分科会長 〕そのほか、いかがでしょうか。荒谷委員。

〔 荒谷委員 〕私も角委員と全く同じで、やはり意見集約のところに二律背反するようなものが出ておりましたので、その点について、つまりJT株を放出するかどうかについては、健康の観点からの規制の必要性の側面と財政確保の側面という相反する要請に対して政府がどのように考えているのか、その立場をこの際、明確に示すべきではないかと思うんですね。多分この点については皆さん同じようなことを考えていらっしゃったと思うので、その点、立場を明らかにすべきであるというような文言を盛り込んでほしいということが私の希望です。

それからもう1点は、やはり私も健康被害につきましては、先ほど次長からご指摘ありましたように、健康の観点から見てもJT株式を保有すべきであるというご意見があったということを考えますと、やはりこれも重要なファクターになっているといえますので、なお書きなくて、本文のほうに入れたほうが、よいのではないかと思います。

〔 桐野分科会長 〕細野委員、お願いします。

〔 細野委員 〕ありがとうございます。皆さん、非常に高く評価してくださったので助かりますけれども、この「経済合理性」のところですけど、要するにたばこというのは需要の価格弾力性がほとんど1より小なのですね。そうすると、価格を上げますと、収入は増えるが需要の数量は減るという、非常に便利なところがあります。ただし、そのときに、エクイティバリューを上げるときに、高価格製品のほうにシフトするなんて考えたときに、その価格弾力性がどう変化するかとか、医療費とかの関連も踏まえてそのあたりも実証分析も活用して十分に検討していきましょうということです。ですから、ここに「経済合理性に基づく判断に資する諸事情の調査」ということを書いているのは、そういうものも入っているとお考えいただきたいと思います。

〔 桐野分科会長 〕村上委員、どうぞ。

〔 村上委員 〕大体こういうところは後から発言するほうが、皆さんの意見を聞きながら発言できるので非常に有利になるような感じですけれども、まず第1点は、最後の健康被害の観点からの話というのは、私は、株式を売却するしないとか、それ以前の問題で、もうたばこ事業法というのは健康の観点でやる規制だという趣旨と、それから――たばこ事業法自体、健康の確保の観点からやる規制だというニュアンスはだんだん強まるので、それは株式売却とか民営化以前の問題だろうと思うので、そうすると、したがって、そのときに、確かにこの「なお」というのが何となく弱い感じはするので、もうちょっとはっきり、それは民営化とか株式全株売却のほかに、それは当然それ以前であって、とにかくたばこ事業法というのは健康増進する立場からやる法律だというのは書いてもらったほうがいい。そのときに「なお」というのはちょっと頭書きとしてどうかなという感じはいたしました。1点目です。

第2点目は、一番最初に「完全民営化を目指す」という、それでいいんですけど、この頭に、もしはっきり書くなら、JT株式を全株売却して完全民営化を目指すというふうに書けるならそこははっきり書いてもらったほうが。というのは、その後の3行目に「JT株式の保有の在り方について」何だかんだという、はっきり集約できないということになっているので、そこはもし明確に書くなら、むしろ将来的な目標はJT株式の全株売却をして完全民営化を目指すというのが長期的な目標という意味では正しい。そう書いてもらったほうが間違いないのかなという感じがします。

それとあとは、基本的には、総合判断で、現時点での売却は見送るというのが結論であったと思います。

それであと、その後もあまり異存はないので。「政府において所要の実態把握や法制面での実務的な整理を進めておくことが重要である」というのは、今回の分科会の一番の成果で、株式全株売却した後もどういう法制が必要とか、そのためにどういう取り組みが必要だという論点は結構今回の議論で明確になったので、そのためのいろんな具体的な対策について当然政府としていろいろ検討を進めていくという、それでいいと思うのです。

ただ、角委員からもあったように、そのときのマル1マル2マル3の書き回しをどう書くかというのは、私、結構難しい問題だと思います。というのは、マル1マル2マル3をはっきり書き込めば書き込むほど政府としての方針とか、ここの分科会の方針なり方向性は明らかになる。ただ、先延ばしした話であって、全株売却までは時間がかかるということになると、あまり書き込むと今度は行政の手を縛ると言ったらおかしいですが、かなりやることを拘束することになりかねない話なので、ここのマル1マル2マル3はどの程度書き込んでいくかというのは非常に難しい判断がある。書き回しは、こういうところは全部会長一任ということにして、そこら辺を考えながら書き回しを考えてもらえばいいのかなというのが印象です。

それから、最後に、皆さん指摘したように、この「然るべき時に、速やかにたばこ事業等分科会を再開し具体的検討に入ることが望まれる」。そもそもこんな一文要るのかなというのが読んだときの第一の印象なのであって、これは当たり前の話――当たり前と言ったら怒られますけど、こんなのなくたって当然やるときはやらなきゃならない話なので、確かに「然るべき時に、速やかにたばこ事業等分科会を再開し具体的検討に入ることが望まれる」と。私は、いざとなったらこれはなくても一向に構わない、当たり前の表現だろうなという感じがしました。

以上です。

〔 桐野分科会長 〕川村委員、お願いします。

〔 川村委員 〕ちょっと補足と意見ですね。

補足というのは、先ほどエクイティバリューについて、実はマーケット的に言えば、JTのどこにエクイティバリューを見出すかというと、脱たばこなんですよね。要するに、たばこをどんどん売っていく、あるいは高額なたばこを売っていってということではなくて、もうグローバルにたばこマーケットがシュリンクしていることはみんな認識しているわけです。現状、国内はどんどんシュリンクして、新興国はまだ需要があるので、当面はJTのほうは海外でのM&A等を通じてそちらで稼いでいるんだけども、いずれそういう時期がだんだんなくなってくると。それだと、それがバイオであれ、ディストリビューションであり、ITでありというような、ほかの分野へ企業として大きく変わっていくと。日本で言えば、かつての富士フィルムとか東レとか、こういうところががらっと業態を変えていったみたいに、もともとは、ああ、JTって昔たばこだったんだということが何十年か経ったらある。多分そういう業態に変わっていく可能性を見てエクイティバリューを評価しているわけです。

今、マーケットにおいてよく言われているのは、日本郵政とJTが一緒に売り出しされたら日本郵政が困るねと言われているわけですね。日本郵政のエクイティバリューというか、エクイティストーリーが非常に作りにくいというのが正直なマーケットの関係者の悩みなんですね。そこにJTが出てきたら、JTはうまく変わっていくだろうと、規制が緩んで、脱たばこでいくんじゃないか。したがって、JT株は瞬間蒸発だけど、日本郵政は売れ残れちゃうねみたいな議論が結構プロのマーケット関係者から議論されているわけです。

したがって、ここで言っている、先ほど私が申し上げたエクイティバリューというのは、必ずしもたばこをどんどん売っていくとか値上げしてという話じゃなくて、むしろ、どちらかというと、世界的に健康問題等でたばこというマーケットが小さくなる中、企業としてどうやって転換していくのか、そのために経営の自由度というのは与えていかなきゃいけないんじゃないかという、そういうコンテクストで申し上げたということをちょっと補足させていただきたいのと、それから、私、唯一の喫煙者で、やはりこの健康の観点については皆さんのおっしゃるとおりにしなきゃいけないのかなと。そうすると、もしこのなお書きのところが唐突感というか、弱いということであれば、例えばということでいけば、意見集約の最初の2行の「分科会では(中略)引き続き堅持すべきであることで概ね一致した」というところにちょっと長いですが一文入れて、引き続き堅持すべきであること――「、」か「及び」か、健康の観点から云々、措置を講じていくことが求められるという点でおおむね一致したとかですね。一番最初に入れちゃうと、もう分科会の意見として最初に出てきて、なおというよりもより浮かびできるのかなと。ちょっと私の思いつき的な提案ですけど、以上です。すみません。

〔 桐野分科会長 〕宮島委員、どうぞ。

〔 宮島専門委員 〕今の村上委員のご意見で、最後のところ、この文章、なくてもいいんじゃないかとおっしゃったんですけれども、恐らく専門の方々が、丁寧にこれを読まれる方々が見るとちゃんとやろうという気持ちが伝わっていると思うんです。ただ、私は記者の立場として、どういう粗っぽい読み方をするかということを経験している身としては、もしこれがないと、ぱっと見て、ああ、先送りねって思うと思うんです、申し訳ないんですけど。だから、何とかそこを防ぎたくて、やる気はあるんだということは示したいので、読めばわかるのかもしれないけれども、やっぱり可能な限りちゃんと議論をし、可能な限り速やかにいつ売却してもいいような準備をするというようなことが伝わる文章は、私は要ると思います。

もっと言いますと、今回4回とか3回で結論を出せと言われて、私たち、困った部分もあるんですけど、それは私たちも多分責任があって、どこかの段階で考えろというのは前もって出てはおりながら、私たち的にも途中段階の議論が必要だということを強く主張してこなかったと。要するにそういうところはありまして、やっぱりその売却がいつになるにしても、それを決断したときにできるだけの材料をそろえていく責務というのはあると思っていまして、その責任をちゃんと果たすと。そして、それはのんびりやらずにしっかりやるというようなことが伝わるような文章をやはり入れていただきたいと思います。

〔 桐野分科会長 〕細野委員、どうぞ。

〔 細野委員 〕本当にたくさんのご意見をありがとうございました。皆さんのご意見はとても重要で、要するにたくさんのステークホルダーがいる中でどういう形で社会的に望ましい着地点を見出すかってとても難しい問題だということです。しかし、川村委員もおっしゃったように、このなお書きのところ、要するに私たちはこの時間の流れの中で臨調からもう何十年もたっていると。レーガン、サッチャー時代からもう問題意識は変わってきつつあって、社会的な論点は健康などを含めた生活の質をどうするか、これは国民に対する国の義務でもあるし、それから国際的な視点からも日本はどうしているのかと多分見ていると思いますね。そうすると、それを、今、川村先生、すごく重要なことを指摘されたのですが、なお書きのところを、時間軸の中でどう社会の意識が変化することで、我々の課題に対しての世間の期待も変わってきているんだから、これはまず最初のところに入れておきましょうと。今回はいろいろな観点があって具体的な取り組みもしなければいけないのだから、こういう取り組みをやりますよ。その取り組みというものの効果が大体見えてきたときにもう一回再開して具体的な検討に入りましょうと。こういう話に少し作文を直されたらそれでいいのかなというような気がいたしますね。

以上です。

〔 桐野分科会長 〕そのほか、いかがですか。

健康に関しては私は発言しにくいのでフラストレーションになっていたんですけど、言っていただいて、どうもありがとうございます。

WTOがたばこフリーワールド2040年というのを提案していて、ご存じだと思いますけど、それに関して『ランセット』という医学の最も権威のある雑誌の1つが大きな特集をしています。彼らの目から見れば、グローバル化したたばこカンパニーのビヘイビアというのはやっぱりちょっといろいろと問題が多いというようなことが記事に出ていますので、もしご興味があればお読みいただければありがたいと思います。

そうすると、このたたき台を先ほど言いましたように、今いただいたご意見をもとに細野委員と私がよく見た上で修文をして、それで最終の案をお送りすると。それを見ていただいた上で細かく直して、22日に最終的な検討をしていただくということになりますが、だから、このたたき台にいつ戻っていただいても結構ですけど、今までいただいたご意見をもとに修文をするということで、そのほか全般的なことについて、ご意見があれば、今日は非常に時間がたっぷりありますので、言っていただければ大変ありがたいと思います。もしよろしければ、たばこ事業の全般に関して。細野委員、どうぞ。

〔 細野委員 〕川村委員のお話にあったのですが、要するにエクイティバリューを高めるためには、もう国内はもとより――ここは特にそうですけども、国内ではたばこ事業は縮減していると。JTさんは次の成長領域にシフトしていかなければいけないという状況を考慮すると、今の配当が高いというのは、資産をかなり売却していますよね、たばこ工場とか、そういう事情からの配当の高さなのかどうか。売却益を1つ原資にしているのかどうなのかというのはちょっとわからないですね。

この前、JTさんが資料をお持ちになったけども、民営化し、それからいろいろ私たちも彼らの自由度が高まるようなことを協力してきたわけですけれども、果たして私たちが期待した多角化の実がちゃんととれているのかどうなのかということの資料がほとんどなかった。そのあたりのことも少し考える必要があるかなというような気がいたしますけれども。

以上です。

〔 桐野分科会長 〕江川委員、どうぞ。

〔 江川臨時委員 〕今のに関して関連のコメントなんですけれども、JTは製造独占をしていたり流通規制がかかっているので、ほかの普通の民間会社に比べると営業利益率が非常に高い。というか、たばこ業界がそういう業界だということだと思います。たまたま旭硝子という会社でJTの木村元社長と、それから坂根コマツ元会長とご一緒しているんですけれども、そこでいろんな業界の営業利益率のお話をしたときに、たばこ業界が利益率が非常に高いということをおっしゃっておりました。資産を売らなくても現在の業態においては非常にお金が儲かる、そういう業態だから配当が高いというのがポイントだと思います。

〔 細野委員 〕なるほど。そうすると、なかなかそこからは抜け出せないということなんですね。彼らのミクロの合理性から考えると、たばこ事業からあまり抜け出すインセンティブというのはそうは働かないと、理由は利益率が高いからと。こういうふうに考えてよろしいんでしょうか。

〔 江川臨時委員 〕ただ、でも、訴訟のリスクはどんどん高まっているし、それから健康被害に対応するためにいろんなことをやらなきゃいけないというのもコストがかかっているので、経営者としては当然そういうことを、今儲かっているからよいというよりは、10年先、20年先どうなるかということは考えてやっているんだと思います。

〔 細野委員 〕今、当分は国内需要のほうが縮減しているんだから国外のほうにどんどんマーケット先としてのウェイトをふやすということとか、それから高額ブランド品のほうにシフトするとか、いろいろそういうことを今やっていらっしゃるわけですよね。だから、そちらのほうを優先することで収益が十分担保されるとなると、では、長期的に見て、いわゆるたばこ事業以外の多角化のほうに将来を見据えた投資がどんどん回されていくインセンティブはうまく働くかどうか。そのあたりのことをちょっと、どうなのかなと私は思うのですけれども。

〔 桐野分科会長 〕事務局、お願いします。

〔 岡本理財局次長 〕JTの平成26年度の決算について説明させていただきます。第30回資料の資料2です。資料2の1ページにJTグループの現状がございまして、その下の棒グラフですけれども、昭和60年度と平成26年度を比較した売り上げ収益、部門別の売り上げ収益の推移が出ております。現状は売り上げ収益の54.6%が海外たばこ事業、それから28.2%が国内たばこ事業となっております。その他加工食品や飲料――飲料は撤退しますが、それから医薬事業もございますが、それらは微々たるものであります。

配当の財源につきましては、平成26年度決算における当期純利益は3,891億円ですが、これを部門別に見ますと、調整後の営業利益で、国内たばこ事業が2,387億円、海外たばこ事業が4,471億円、医薬事業が赤字でマイナス73億円、食品事業が9億円という状況になっております。

JTの多角経営については、JTの経営陣がどう考えているのかということについて、昨日発行された雑誌にJTの小泉社長のインタビューが載っております。それを読みますと、ギャラハーを買収したときに、多角化を実現するまでの時間を買うという意味もあると語り合ったんですよというインタビュー記事が出ていました。JTしても、将来の多角化ということが最重要課題だと認識しているんだと思います。

〔 桐野分科会長 〕どうもありがとうございました。

それでは、村上委員、どうぞ。

〔 村上委員 〕JTの経営に本当に国が株を持っているからとしてどの程度関与していくべきかというのは結構難しい議論だと思うのです。JTの経営にとってみれば、逆に規制を受けたほうがもうかるというか、確実に利益は得る可能性もあるので、そういう意味では、国が株を持っていることが損か得かという意味は、利益だけ考えるとあまりはっきりしない話なので、こういう産業ですから、国によりがっちり規制されるかわりに利益は確実に保証されるということにもなりかねない産業であると。

それからもう1つは、今、日本企業は専ら海外で利益を得ているということはどこの分野でも同じなわけです。したがって、日本企業、海外で利益するためには、海外における国々の規制に合わせて事業活動を展開しているし、そこで利益を上げているという形です。そのときの、海外でまず規制がどうあるべきかということに対して、なかなか日本と違っていいとか悪いとかっていうことは、これは言いづらいので、その国々でそれぞれ別途の規制を置いているというのと、そのときにどう振る舞うのかということも、日本企業だから例えば日本政府がどうしろとか何とかということもなかなか言いづらい。そこはやっぱり自由な経営体として最後はJTが自分のリスクと責任で判断して事業活動を行っていくべきではないかという感じがあって、最後はやっぱりJT、企業としてのそこに全て任せざるを得ない。国はそこに株を持って介入したりコントロールできるのかとなると、長期的にはやっぱり無理だろうなという気はいたしています。

〔 桐野分科会長 〕角委員、どうぞ。

〔 角委員 〕私も今村上委員のおっしゃったことと同じことを考えておりまして、JTの多角化が進むように国が何か後押しするみたいな議論は、ものすごく違和感があります。3分の1持っているとはいっても、上場企業ですから、それは彼らのリスク、経営体としてはリスクとして考えるべきで、ただ、たばこという商品を扱っている以上、国は関与はこれはしなきゃいけないですけど、何かそれと多角化を推進云々というのは次元が違う話のような気がして、ちょっと多角化を国が進める云々みたいな議論には、私はすごく違和感を感じます。

それから、やはり、今、多分規制もそんなになくて、かつ訴訟のリスクというものもそんなに高くないところにたばこをどんどん売っているんじゃないかなというふうに思いますので、そういう形で利益を得ている企業で、そこから配当を得ているというのが、幾らそれが国の歳入の原資になるとはいっても、果たして、やはりいつまでも続けられるものではないというふうに考えます。

〔 桐野分科会長 〕川村委員、それから江川委員、お願いします。

〔 川村委員 〕村上委員や角委員と同じことを言いたかったんですが、ちょっと誤解があるといけないので。私は、国のサポートという意味は、現状のJT法において財務大臣の認可というのが目的達成事業なのであるわけですよね、会社法とは別の世界で。そこのリラクゼーションという意味なんです。つまり、国が主導してどうのこうのじゃなくて、現状だといろいろ多角化したくてもそこに必ず大臣様が鎮座しまして認可しなきゃいけないよという仕組みになっているから、幾らJTでやりたいと言っても、これはなかなかそう簡単にはいかないと。要するに保有株とは別の世界としてJT法でそうなっちゃっているので、そこの部分のいわゆる企業としてのハンドリングパワーを少しずつリラックスさせたらどうかと、こういう意味で申し上げたということをちょっと補足しておきたいと思います。

〔 桐野分科会長 〕江川委員、どうぞ。

〔 江川臨時委員 〕私もほかの委員の方々と同じような印象を持っておりまして、やっぱりJT、たばこ事業をめぐる環境が大きく変わってきたことによって、国が、政府が株を保有してしっかり経営をコントロールする必然性が薄れてきたというふうには思います。

特に私は数年前に冷凍食品で問題が起こったときにやっぱりびっくりして、私はこのたばこ事業の委員になっていて、形の上では、政府が株主として経営に責任をある程度持っていて、それの審議会の委員だとすると、私もこういった例えば不祥事が起こったときに何かもう少し考えなきゃいけないのかとか、そういうことをちょっと考えたんですね。そうじゃないというか、一義的にはもちろん会社の経営陣が責任を持つと思いますし、今は社外取締役とかも入っていらっしゃるので、そちらのほうの方々が考えていらっしゃると思いますけれども、特に多角化が進むにつれてJTの経営に誰がしっかりアカウンタビリティーを持つか、特に外部者として監督をするのかというのがどんどんわかりにくくなっているなということは思います。

それから、たばこ事業の訴訟リスク等を考えると、やはりどこの時点でJTの事業価値というのがピークになって、その後、長期的に落ちていくことも考えられますので、これはもちろん多角化をどういうふうにうまくやれるかということもあるので、なかなか予見はしにくいところはありますけれども、どこかの時点で株を放出するということはやはり考えておく必要があるかなと思います。

冒頭に、未来永劫保有すべきものではなくて、しっかり売るための準備をすべきだということをこのレポートのどこかに書いたほうがいいんじゃないかというのは、そういう思いもあって申し上げました。

〔 桐野分科会長 〕ほかにいかがですか。細野委員、どうぞ。

〔 細野委員 〕たばこ事業法のところで、これは今JTさんがおつくりになった資料のところを見ているのですが、規制関係が第39条、40条で、注意表示義務というものと広告規制がございましたね。これは、FCTCの検討を行っているときに結構議論した話なのです。

注意表示義務でございますけれども、今、喫煙者のほとんど、70%ぐらいは、ちゃんと注意文言があって、内容もわかっているが、なおやめられないと。そうすると、注意文言自身の表現に説得力がないのかどうなのかあるいは、喫煙行為と無関係なのか、このあたりの議論が、ぜひ必要だと思います。

もう1つは、医者の方からよく言われるんですけれど、いろいろな研究成果が蓄積されてきつつある中で、今までの注意文言に一部不適切なことがあるかもしれないとか、そういう話がある。それは医学の先生が一番ご存じだと思うんですけれども、そのあたりのこと――医者の委員がお二人いらっしゃるので、私たちが一番最初に議論したときから医学的研究の進歩で随分変わってきているとかのことが有りましたら教えていただけたらと思います。

〔 門脇臨時委員 〕ちょっとわからなかったので、一部変わってきているところがあるというのは例えばどういうことでしょうか。

〔 細野委員 〕心臓疾患か何かの話でしょうかね。今、お医者さんの団体が先日新聞で、私たちがこの文言を考えたときと違うような病名のものを出している広告記事があったように思います。要するに、注意文言も一部古くなっていないかということです。事務局で注意文言の一覧表は準備してございますか。

〔 岡本理財局次長 〕「喫煙は、あなたにとって肺気腫を悪化させる危険性を高めます」となっております。

〔 荒谷委員 〕何種類かあるのでしょうか。

〔 細野委員 〕それ、コピーして、先生方、特に医者の方々にご覧いただいて、ぜひコメントをお願いしたいと思います。

〔 桐野分科会長 〕多種多様な疾患にたばこが関与していることは明瞭に疫学的に裏づけられていて、まず肺ですよね。肺は、がんだけではなくて、COPDといって非常に慢性の肺疾患を起こします。例えば、肺気腫がそうですが、酸素吸入をしながらでなければ生きていけないというような状態になります。それからあと、喉頭がんは非常にリスクが高くて、喫煙者に多い。それから、その他のがんも、口腔内から食道にかけて非常に問題がある。それから、血管に対する問題から言えば、心筋梗塞と脳梗塞のかなり大きなリスクになるということがわかっているし、大動脈瘤などの発生を促進するというふうにも言われていて、疫学的に裏づけられたデータを全部持ってこいと言われたら相当な数になると思います。先生、ご存じでしょうか。

〔 門脇臨時委員 〕今、桐野先生がおっしゃったとおりだと思います。かなり多くのがんが喫煙と関係しています。肺がんだけではなくて、今おっしゃったように、口腔や咽頭、喉頭から食道、そして膀胱までがんは喫煙と非常に密接に関係をしていて、あと、循環器疾患の虚血性心疾患と脳血管障害のどちらもたばこはかなり関与しています。あとは、肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患はたばこの寄与が最も大きく、たばこと健康障害については研究が進めば進むほど密接な関連性が明らかになってきています。

〔 細野委員 〕FCTCの条約にうちが批准するかどうかというときにワーキンググループを作りました。そのときに、がんの先生とか、さまざまな方をお呼びしたんですね。それから青少年の喫煙のこともあるので青少年心理学の先生とか、いろいろお招きしたのですけども、1つ忘れた専門家がいたんですね。それは何かというと歯科医の先生方でした。

〔 桐野分科会長 〕有名です。

〔 細野委員 〕ですから、そんなことを考えると、注意文言ももう少し変える必要があるかなと。注意文言を抜本的に見直す時に非常に画期的だったのは、厚生労働省とタッグを組んだことです。厚生労働省のしかるべきホームページをご覧くださいというのを入れたんです。でも大半の喫煙者は、恐らくそこまではアクセスしなかったと思いますね。それから、70%の人たちはこれを読んでなおかつ喫煙しているということを考えますと、少し注意文言の表現も検討するというのも、うちの分科会としては必要かなというような気はいたします。それは国際的論調を考えましても。それから国民の健康を守るという目的に対しての1つの重要な役割ではないかなというような気がいたします。

〔別紙様式配付〕

〔 桐野分科会長 〕川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕喫煙者のほうから言いますと、「俺、肺気腫だ」、「おまえ、脳卒中だ」って、はははって、それで喫煙室で吸っているというのが現状なんです。逆に言うと、ものすごく知恵を絞って、こういうことが危険だよと言っても通じない相手には通じないという部分がまずあると。その上でどうするかという結構根っこの深いところがありましてね。

もう1つ、私は、たまたま財政の話から喫煙の話になっちゃいましたけど、受動喫煙被害をどう防ぐか、それに対してJTはじめもっと金を出すべきだというのが私の持論でありまして、私も喫煙室でたばこを吸うのが嫌なのは、受動喫煙が嫌だからなんですね。自分で吸うよりも人の――例えば今どんどん少なくなっているから喫煙室がどういう状態になっているかというと、まず背広もワイシャツもたばこくさくて、もう出てきた途端にたばこくさい。服にしみちゃうんです、服、髪の毛にも。そういう喫煙室をほったらかして、JT、ひどいなといつも文句を言っているんですけども。

要するに、まさにそれが漏れることによって受動喫煙のほうが――受動喫煙のほうがはるかに被害が強いみたいなことを漏れ聞く中で、においがどうのこうのの問題じゃなくて、健康被害としてはより――ある意味で、これだけおまえら死ぬぞと言われて吸っているやつは、そいつはしようがないという部分も――国の健康政策としていいかどうかは別としてという部分はあるので、せめて吸いたくないし吸わないのにその煙の被害を受けるというところは、これは絶対遮断しなきゃいけなくて、私はやっぱりそこの部分のアプローチがより重要じゃないか。

したがって、JTが財政としては配当をたくさん出してくるのはありがたいけれども、それこそ街中に完全分煙のきちっとした給排のダクトを備えていただきたいなと、これは印象の話なんです。そんな気はしています。

〔 桐野分科会長 〕門脇委員。

〔 門脇臨時委員 〕今おっしゃったことに私も賛成です。

先ほど配られた別表の第一と第二がありまして、別表の一は、喫煙者自身ががんのリスクが高まるであるとか、心筋梗塞や脳卒中、肺気腫の話が書いてあるんですね。これはわかりやすいです。これについては、十分にこれを徹底させた上で、あとはご本人がこれを十分に知った上でどう判断されるかですね。

ただ、私は、別表の二に書いてあるほうですね。妊婦が知らないで喫煙すると胎児、次世代に影響を及ぼすんですね。それから、あなたのたばこが周りの乳幼児や子供、お年寄りなどに悪影響を及ぼすんですね。ここが非常に大事で、かつ、こういう間接喫煙のさまざまな健康障害ということについて、たばこを吸っていない人は非常に敏感ですね。そういう人たちの健康を守る、あるいは間接喫煙しない権利というのは誰もが認めざるを得ないんだろうと思うんですね。

そういうことを考えると、先ほど委員のおっしゃったように、分煙ということについて、より日本はそこに十分な投資をして、間接喫煙は絶対起こさないというところは徹底していく必要があるのではないかなと思います。

〔 桐野分科会長 〕江川委員、どうぞ。

〔 江川臨時委員 〕私もこのたばこ審議会にずっと何年か出ていて、その中で健康被害に関する症例が積み上がってきてよりはっきりしてきたということはぼーっとは認識はしていたんですけど、例えば今日のディスカッションで具体的にこういう病気が因果関係がありますと聞くと、それでやっぱり認識を新たにしたところがございますし、それから、私にとって非常にわかりやすかったのは、少し前の委員会の後に桐野会長が、福島の原発の被曝のことが社会的問題になっていたときに、あの被曝の影響よりもたばこの健康被害のほうがよっぽど大きいんですよとおっしゃっていたのがとても印象的で、やはり一般の人にとってみるとそういう形でわかりやすく言っていただかないとちょっとわからないというのはあるので、こういう注意文言というのは相当バランスをとって書かれているのでちょっとわかりにくいけれども、もう少し違う経路とか違うメディアで、もう少しわかりやすい健康被害の説明というのがあってもいいのかなというふうに思います。

それからもう1つは、今、医療費が非常に大きな財政上の問題になってきて、その中で予防というのが重視されていると思うんですけれども、例えばあなたがたばこをやめることによって、全体として病気になる人が減って、これだけ医療費が削減できるとか、もう少したばこを吸わないことによって例えば予防に寄与できるとか、社会保障費がちょっとでも減らせるとか、わかりやすいやり方でやはり喫煙をしないように、禁煙を呼びかけるというのも重要ではないかなと思います。それは多分JTにしてもらうというのは難しいので、医療にかかわっている方に何らかのリソースをあげてやっていただくとか、あるいはメディアにもう少し勉強していただくとか、何か違うことも組み合わせてやっていく必要はあるのかなというふうに思います。

〔 桐野分科会長 〕いかがですか。荒谷委員。

〔 荒谷委員 〕今のお話を伺っておりまして、先ほど来、このたたき台にも出ておりましたけれども、9ページのところで、政府が保有するJT株については、健康規制の実効性確保のために国が保有すべきだとおっしゃっていまして、私もそうなんですが、今までの見方というのは、健康被害よりもどちらかというとたばこ耕作者の保護のためとか小売業者の保護という視点が結構あったような気がするんですね。ですけれども、株主ですので、大株主ですので、今皆さんがおっしゃったようなことを株主として会社側に提案をして、それをもって実現するという方法が一番株主としての責任を果たすことになると思うので、今まで国は大株主でありながらそういうものについて責任を持ってこなかったという認識を私は非常に強くいたしました。

先ほど江川委員が食品被害のときに私たちは何も関与できなかったと――加ト吉のときですよね。とおっしゃっていましたけれども、全く今度は健康にダイレクトに直結する問題ですから、今おっしゃったようなことをJTにそれこそ、直接分煙を、高額配当に回すかわりにそちらのほうの設備投資に回すようにというような提案をするなどとして積極的にコミットすることは今の段階では十分できると思うので、むしろ国が積極的に株主としてコミットすべきではないかなと。そうすれば、かなりの部分、健康被害に対して――抽象的な法律をつくっているよりも一番手っとり早いですね。株主総会で意見を述べて、定款を変更すれば済むことですので、これだけの大株主ですから。恐らくほとんどの株主の賛同も得ることができると思いますので、できることは今すべきではないかというふうに強く思った次第でございます。

〔 桐野分科会長 〕角委員、どうぞ。

〔 角委員 〕2点ございまして、1点、先ほど細野委員がおっしゃった注意文言の話ですけれども、今までの流れを伺っていますと、やはり別表第一のところに書いてある疾患以外にも、先ほど会長がおっしゃったように、ほかにもいろんな病気がたばことすごく因果関係があるとすると、そろそろ別表第一のほうは見直すときが来ているのかなと思いますが、それは誰がまず「はい」とか言って音頭をとるというか声を上げるのかというのがちょっとよくわからないなというのが1点でございます。

それと関連いたしまして、この分科会は、本来は、財政物資としてのたばこだけフォーカスを当てていました。そして、健康被害については、健康についての所管庁というのが別にあるわけです。すると、たばこについては担税物質という観点からと健康被害という観点からの2つの柱がどんどん出てくる今の世の中において、お役所としては、どういうふうにこれから行政というか、規制の主体なりを考えていくべきか、どういうふうにお考えになっているのかというのがちょっと伺いたいなと思います。

それと関連して、先ほどの荒谷委員がおっしゃった話ですけれども、私、前から気になっておりますのが、大株主として、株主としてJTに物を言うという話と、JT法があるということで、いわゆる規制当局としてJTに物を言うという――所管が財務省でございますから、財務省が株主としての顔と規制当局としての2つの顔を持っていて、この2つの顔の関係というのがどうもきちんとすみ分けというか、議論されていないような気がしてしようがない。それは多分今まで株主としての顔というのがそんなになかったからじゃないかなと思うんですけども、その2つの顔のすみ分けみたいなものをどういうふうにお考えになっているのか、聞かせていただきたいなと思います。

〔 桐野分科会長 〕それは理財局長からお願いします。

〔 中原理財局長 〕大変難しいお尋ねでございますけれども、政府が株式会社形態をとっている組織の株を持っている例はいろいろあるわけでございます。上場している会社もあるし、非上場の会社もございます。また、政府が100%株式を保有している会社もございますし、他の関係者の出資が入っている会社もございます。そういった場合の株主としての権限行使をどういうふうにやっているかというと、出資する以上根拠となる法令がございますので、根拠となる法令の規定、もしくは立法の目的に則して運用する。原則として積極的な権限行使はしないというのが全体として見た場合の運用の仕方なんだろうと思います。金融危機が生じた際、銀行に資本注入したときに、多くの場合は優先株という議決権を持たない形で資本注入したのはそういう考え方なんだろうと思います。

ただ、JTについて申しますと、従来から財務省としての運用の方針はJT法、さらにはJT法自体たばこ事業法の目的に沿ってつくられているわけでございますから、たばこ事業法の目的、規定の範囲内での株主権を運用するのが基本でございます。では何のために株を持っているかというと、結局それは、たばこ事業法の規定に加えて、株式保有によって全量買入れを行うJTの事業運営の適正を担保する、その範囲内で経営に対する影響力を保持するというのが立法経緯としてはあったわけでございますので、その範囲内で株主権を行使するというのがここまでの考え方でございます。

ですから、法律の規定、あるいは立法の趣旨などを超えて運用するというのは、今まではやっていない。でも法制度上は会社法の株主なわけですから、それは全く否定されているわけではないけれども、行政の運用の考え方としては、その範囲内でやっているということだろうと理解しております。

〔 桐野分科会長 〕ありがとうございました。

宮島委員、お願いします。

〔 宮島専門委員 〕次回は取りまとめなので、もうちょっと先のことを今日は話せそうですので。今回の議論の中で、まさに法律の関係で、私がちょっとだけ、えっ、みんなそう思っているのかなと思ったところがありました。

それは、私はこれは財政問題だと思っていたので、株を持っているから健康規制ができるという気持ちを国民が持っているかどうかがよくわからないんですね。つまり、普通の一般の国民から見て、株を持っているから多分全量買取りとか、いわゆる農家、そういった人たちの保護ができているのであろうという理解はしていて、それから、株を持っているから税収との関連においてJTをコントロールできているのであろうというところまでは思っているんですけど、財務省が株を持っているから健康被害の対策が進んでいるとまでは実はあまり思っていなくて、だから、このたばこ分科会も、財務省担当の記者は関心を示すけれど、厚労省担当の記者から質問を受けたことはないんですね、例えば。

という全体の認識の中で、もし今後材料をそろえてたばこ事業法等のあり方を見直すのであれば、もうちょっと本当に法律の枠組みを含めて、じゃあ、国が株を持つことで健康規制についてどういうアプローチをするのかとか、じゃあ、それは株を持たなくてもできるかできないかみたいなところを、多分今まではあまり掘り下げていない。漠然と人に悪いことはしないだろうという縛りにはなっていたかもしれないけど、そこまで健康に焦点を当てて株を持っていることを考えてはいなかったのではないかと思いますので、先の議論を再開する前に事務局で実務の整理をされるのであれば、そのあたりも少し詰めていただければと思います。

〔 桐野分科会長 〕お願いします。

〔 中原理財局長 〕財務省がJTの株を持っていることの意義は、基本的にはたばこ事業法とJT法の目的を達成するためでございます。立法の経緯などを踏まえて株主権の運用をすることになりますが、実際にはきちんとJTが全量買入れをしているので、そういう意思を表示したことはございません。

たばこ税の扱いについては、株主だからたばこ税が上げられるというような関係ではないと理解しております。

健康規制のために株主権を運用するかどうかは、何らかの根拠がないと、という気はいたしますが、法制的な面も含めて検討したいと思います。

〔 桐野分科会長 〕荒谷委員。

〔 荒谷委員 〕私も法の縛りのほうが大きいというお話を伺いまして、それですと国が健康被害を抑制するためにJT株を持っている、コントロールするために持っている意義がほとんどなくなりますので、むしろ完全民営化のほうにシフトしたほうがいいなというふうに個人的には思うんですけれども、これは厚労省がもし株主であるとすると全然株主権の行使の仕方が違うと思うんですね。だから、その立ち位置が違うというのは非常に疑問を感じていまして、監督官庁、どこの官庁が株主であるかということによって、JT株についてはもう右と左にかなり変わる可能性があるので、そのあたりは何とか調整をすることってできないんでしょうか。これは私、素人なのでお伺いしたいんですが。

〔 中原理財局長 〕実務的に申しますが、政府が持っている株の株主権の運用は、基本的には法の趣旨に則ってやっているわけでございます。それを超える場合は、国会審議も含めた立法者意思や立法の経緯など、期待される範囲内でやっているわけでございます。

それは何省が株主であるかとかではなくて、株を保有する根拠になっている法律によるものでございます。

ただ、JTの株式保有についても、法に株主権行使に係る運用の範囲が決まっているわけでもなく、また、今までそういう事態はありませんでした。ただ、政府としては、その行使については必要最小限度のものにするという考え方でやっておりまして、その必要最小限度性というのは、今までは法の趣旨や立法者意思などでやってきているということでございます。

〔 桐野分科会長 〕角委員、お願いします。

〔 角委員 〕今の話って、もしかしたらここだけで議論できない話じゃないかな。官と民のクロスオーバーのときに、官がどこまで民の経済活動に法的な規定がない株主であるということを理由にして本当に容喙できるのかというものすごく大きな問題を後ろに控えているような気がいたしますので、議論をお考えになるときには、割とミクロの世界で議論をしていただいて、あまり大きな議論はなさらないほうが、後、いろんな民営化、いっぱいありますので、影響を与えないように、なるべく範囲を狭くして議論なさったほうが何となくいいような気がいたします。

〔 桐野分科会長 〕あと15分ございます。

もし、ちょっとお考えいただく間に情報提供ですけども、まず、喫煙が個人の自由な判断で最終的には行うということだと思うんですけど、呼吸器内科専門医というのがありまして、それでいろいろ議論があったんですけど、呼吸内科専門医は、喫煙者はなれません。だから、喫煙をしている方は呼吸器内科の専門医の試験を受けることはできないという、ちょっとこれ、話題になったんですけど、現状はそのとおりになっています。それから、もちろん門脇先生がさっきおっしゃったように、肺がんと肺気腫という非常に重要な疾患を抱えている診療科ですから、そういう決断をされたんだろうなと思います。

2つ目は、江川委員がおっしゃった予防と医療費の問題ですけど、確かにたばこ、喫煙を停止すれば、それに関連する病気になりにくくなると。ならないとまでは言えないけど、なりにくくなるということで、触感的には医療費に相当良好な影響を及ぼすと思います。だから、一般的には予防することに対して反対する理由もないし、する人もいないと思うんですが、医療費とリンクすると非常に複雑で、実はこれについてはいろんな研究があって、禁煙を徹底すると総医療費がふえるというのが一般的には国際的なコンセンサスです。一番医療費を削減できるのは国民に喫煙を促進するということであると。というのは、逆に言えば、喫煙によって病気にならなくてもそのほかの病気でもっと長生きをして亡くなりますから。亡くならなければいいんですよ、未来永劫亡くならなければいいんですけど。ということを全部総合的に足し算をすると、予防は非常に重要で、我々は予防をするべきだと思っていますけど、医療費とリンクすると議論が複雑になるという、今のは話題提供です。

そのほか。

〔 岡本理財局次長 〕今日、たたき台について頂戴したご意見を反映して、分科会長と分科会長代理に中間報告案を作成していただきます。それを事前に事務局からメールでお送りいたしまして、来週ご議論いただいて取りまとめさせていただきたいと思います。

反映の仕方ですけれども、健康について意見集約の最初のセンテンスに入れる。ただ、健康規制の話は皆さん一致だと思いますので、おおむねを外す。あと、「具体的に政府が取組むべき事項として」とマル1マル2マル3を掲げてありますけども、ここにも株式保有と健康規制の関係について明示的に書くということでございますでしょうか。

それから、「然るべき時に」というところは、適切に修文するということかと思います。

〔 桐野分科会長 〕そのほか、どうしてもというご意見ございますか。よろしいですか。

今日は比較的長時間いろいろとご意見をいただきまして、どうもありがとうございました。

では、本日の審議はこれまでとさせていただきます。

次回については、6月22日(月曜日)午後1時半からの開催を予定しております。

本日いただいたご意見をたたき台に反映させて、私と細野分科会長代理で中間報告案を作成し、次回お示ししたいと考えておりますが、復興財源との検討の関係もありまして、次回に取りまとめる必要があるということで、中間報告案につきましては、次回までに委員の皆様にお送りして意見照会をして集約を図りたいと考えております。事務局経由で意見照会を送付させていただきます。よろしくお願いしたいと思います。

何か補足ございますか。それでは、以上をもちまして本日の議事は終了とさせていただきます。

議事要旨、議事録については、会議後、インターネットに掲載するということになっておりますので、ご了承をお願いします。

本日はご多忙のところおいでいただきまして、ありがとうございました。

午前11時55分閉会

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