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たばこ事業等分科会(平成27年6月9日開催)議事録

財政制度等審議会
たばこ事業等分科会(第31回)
議 事 録

平成27年6月9日
財政制度等審議会

財政制度等審議会 たばこ事業等分科会(第31回)議事次第

平成27年6月9日(火)15:30〜17:02

財務省国際会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.議事

    • ○たばこ関連産業への国の関与の在り方及び日本たばこ産業株式会社株式の国の保有の在り方について

  • 3.閉会

  • 配付資料

    資料1 事務局説明資料
    資料2 全国たばこ耕作組合中央会説明資料
    資料3 全国たばこ販売協同組合連合会説明資料
  • 出席者

    分科会長

    桐野高明

    中原理財局長

    岡本理財局次長

    飯塚理財局次長

    古谷理財局総務課長

    神田理財局たばこ塩事業室長

    委員

    荒谷裕子

    川村雄介

    細野助博

    村上政博

    臨時委員

    安藤光義

    江川雅子

    角   紀代恵

    専門委員

    宮島香澄

午後3時30分開会

〔 桐野分科会長 〕それでは、定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会第31回たばこ事業等分科会を開催させていただきます。

ご多忙のところご出席いただきまして、ありがとうございました。

本日は、門脇委員、牛窪委員は欠席されるとご連絡をいただいております。また、荒谷委員、角委員から、ご都合により少しおくれてご参加いただけるということでご連絡をいただいております。

今回は急遽開催することといたしたので、ご都合のつかない委員もいらっしゃいますし、欠席されている委員からご意見を提出していただいておりますので、後ほど委員の討議に際して事務局から読み上げさせていただきます。

まず、本日の資料について、神田たばこ塩事業室長よりご説明をお願いします。

〔 神田理財局たばこ塩事業室長 〕それでは、本日席上に配付をさせていただきました資料につきましてご説明申し上げます。

まず、資料1については、前回の分科会におけますご意見等を受けまして事務局から追加提出させていただいたものでございます。

「製造たばこの流通について」でございます。こちらは前回、輸入たばこを含めた流通についてのご質問がございましたので、JTから提供いただいた資料でございます。

資料のうち、緑の矢印が国産たばこ、濃い青色の矢印が輸入たばこの商品の流れでございます。

まず、緑の流れ、国産たばこを見ていただきますと、JTの子会社であるTSネットワークという会社が商品の配送業務をJTから受託をして、小売店がTSネットワークに対して商品を発注し、TSネットワークの流通基地から各小売店の店舗まで商品が配送されているということでございます。

他方、濃い青色の流れの輸入たばこについては、フィリップモリスなどの海外メーカーから、輸入業者でございます特定販売業者が商品を輸入して、国内の卸売販売業者を通じて小売店に商品が流れていくことになりますけれども、この輸入たばこの国内流通につきましては、ほとんどの海外メーカーが国産たばこと同様にTSネットワークの流通網を活用されていると聞いてございます。海外メーカーにとりましても、独自の流通網を構築するよりも安上がりですし、小売店から見ても、国産・輸入たばこを一括して発注できるというメリットがございます。

もちろん、左下の注に書いてございますけれども、TSネットワークの流通網を活用せずに独自の流通ルートをとっておられる海外のたばこもございます。

なお、この輸入たばこの小売マージンでございますけれども、いわゆる国産たばこのように卸売価格の最高販売価格の認可はないわけですけれども、輸入業者である特定販売業者から小売定価の認可申請がなされる際に、申請書の添付書類の中で関係者のマージンの内訳を示していただいておりまして、それによりますと、小売店については10%以上のマージンが設定されていると承知をしております。

資料1は以上でございます。

続きまして、資料2でございます。こちらは、前回ヒアリングを行いました全国たばこ耕作組合中央会からの追加説明資料でございます。

前回の説明の中で関税についての説明が不足したため補足したいという申し出がございました。

読み上げさせていただきます。

現在、国内では製品たばこ、海外原料葉たばことも関税ゼロの状態にあります。

たばこ事業法に基づく現行耕作諸制度は「全量購買制」であり、よって、海外原料葉たばこの関税ゼロは、直接的に耕作者に影響を及ぼさないものと認識しておりますが、一方で、原料葉たばこの内外価格差は数倍の状況にあります。

原料葉たばこの輸出国との国情の違い(物価・経済事情、土地状況など)により、この差を埋めることは容易ではありませんが、私ども全国の耕作者は、今後とも生産性向上に真摯に取り組みつつ、高い信頼性と高品質の葉たばこを安定的にJTに供給して参る所存です。

この点につきまして若干補足させていただきますと、農産物については、土地の制約ですとか、労賃、資材コストの格差などの生産条件の格差がございます。そういった格差を補正するために、輸入農産物に対して関税による国境措置を講じて輸入量の調整を図っている例が多いかと存じます。例えば米の場合ですと778%、砂糖でも328%、小麦ですと252%など、一部には非常に高い関税率が設定されているものもございます。

しかしながら、葉たばこにつきましては、専売制の下において専売公社が輸入葉たばこを一元管理しておりましたので、輸入量は専売公社が調整しており、そういう中で、輸入葉たばこに対する関税は非課税となっておりました。

また、専売制の廃止後におきましても、JTが国産葉たばこの全量買取りを行いながら輸入葉たばこの買入れもあわせて行うということになり、国内の葉たばこ耕作者に影響を及ぼさない仕組みとなりましたので、専売制廃止以降も引き続き輸入葉たばこに対する関税は非課税とした経緯がございます。

このように、葉たばこにつきましては、他の農産物とは異なり関税による国内産品の保護はこれまでされていなかったという経緯がございますので、少し補足をさせていただきました。

続きまして、資料3でございます。全国たばこ販売協同組合連合会から前回の説明で伝え切れなかった意見を書面でいただいておりますので、読ませていただきます。

本文から入ります。1.たばこ小売店の事業者としての努力についてということで、大幅なたばこ税増税や一方的な喫煙規制等によってたばこの消費量が減少している中で、地域に根差して商売をさせていただいている中小零細小売店としては、地域のお客様に利用していただくために、顧客管理の方法や顧客の嗜好にあった品揃えの方法等を全国の組合員と共有し個々の店で実践しております。さらに、販売時に喫煙方法等の説明が必要な特殊品(葉巻・パイプたばこ)を取り扱う等、在庫リスクを取りながら、中小零細小売店としての努力をしている組合員もおります。

また、喫煙場所の規制が一層厳しくなっている中、約4万店(平成26年度末現在)において、店頭にスタンド灰皿を設置し、愛煙家の皆様へ安心して喫煙を愉しんでいただく場所を提供することで、たばこの消費量の減少を少しでも食い止める努力を続けております。

2.私どもが「生業を営む上での生命線」と説明いたしました項目について。

(1)小売販売業の許可制。

私どもは、財政物資であるたばこを全国統一価格で遍く供給する責務の一端を担っております。最寄品であるたばこの許可制においては、消費者利便を損なわないような基準が設定されており、私ども中小零細小売店は、一定の商圏内のお客様の利便性を損なわないように責任を持って営業努力を続けることで、たばこの販売を通じて国・地方の財政に貢献していると自負しております。

一方、企業系小売店については、目標の販売金額に達しなかった場合等、経済合理性のみで廃業する店もあり、商圏内のお客様の利便性について、考慮されているとは思えない状況もあります。

また、2002年にたばこ小売許可制が廃止されました台湾においては、小売許可制が無いことから不法取引の取締まりが困難になっているようです。許可制があれば、許可を与えない若しくは許可を剥奪することが可能であり、たばこ税収に影響を与える不法取引を抑制できると考え、現在、台湾政府は許可制の再整備を検討していると聞いております。

(2)「製造たばこの最高販売価格の認可制」および「小売定価の認可制」。

前回の説明のとおり、私どもは、小売定価と最高販売価格の差額をマージンとして得ることで生計を立てており、マージン率としては、一律、小売定価の10%であります。一概に比較はできないかもしれませんが、他の消費財に比べ、決してマージン率が良いとは考えておりません。

このような中、これまで店頭に大量のたばこを持ち込み、最高販売価格以下で買受を要望されるといった事案も発生しております。当然、買受を断ったのは言うまでもありませんが、関係各方面へ情報提供し、不法取引等への抑止力になったと考えております。

以上のとおり、私どもは、事業者としての努力は継続することは言うまでもありませんが、一方で、たばこ事業法の目的にある「我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もつて財政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展に資すること」を常に念頭におき、生業を営んでおります。

したがいまして、「小売販売業の許可制」、「製造たばこの最高販売価格の認可制」および「小売定価の認可制」の制度については、上記のとおり、不法取引の抑止力となるなど、国内のたばこ流通における秩序を保つために機能していると考えております。

また、最後に、これまで政府保有と全量買取りのことの関係について十分に説明ができていなかった点もございますので、改めて少し考え方を整理させていただきます。

前々回の分科会の資料の13ページから14ページに現行のたばこ事業法の規定を記載しておりますけれども、国産葉たばこの全量買取契約制度ということで、JTは、毎年、原料の用に供しようとする国内産の葉たばこの買入れを行おうとする場合には、すべて、あらかじめ、耕作者と原料用国内産葉たばこの買入れに関する契約を締結することとされ、また、JTが契約を締結しようとするときは、JTの代表者は、買入れに係るたばこの種類別の耕作総面積及び葉たばこの価格について、あらかじめ、JT内に置かれた葉たばこ審議会に諮らなければならないとされ、JTは当該意見を尊重するものとする、とされております。また、JTは、当該契約に基づいて生産された葉たばこについては、製造たばこの原料の用に適さないものを除き、すべて買い入れるものとする、というのが現行の規定でございます。

現行法上は、国内産の葉たばこの買入れを行おうとするかどうかの判断については、取締役会の経営判断となっております。また、国内産葉たばこの買入れ契約の内容につきましては、葉たばこ審議会の意見を尊重した上での、こちらのほうも取締役会の経営判断によって行われてございます。

そういった経営判断につきましては、現行法上、株主総会の議決事項とはなっておりませんで、株主といたしましては、取締役の選・解任権を通じて影響力を行使することになろうかと思います。現行法上、取締役の選・解任の決議につきましては、出席株主の議決権の2分の1超ということで、普通決議で株主総会の議決が可能ということになっているというのが現行の制度ということになろうかというふうに考えております。

私からは以上でございます。

〔 桐野分科会長 〕どうもありがとうございました。

それでは、討議を行っていただきたいと思います。

前回の分科会の際に委員の皆様に対して意見提出をお願いさせていただいたのでございますが、本日欠席されております委員から意見のご提出がございましたので、事務局からご紹介をお願いいたします。

神田たばこ塩事業室長、よろしくお願いします。

〔 神田理財局たばこ塩事業室長 〕門脇委員と牛窪委員からそれぞれご意見いただいておりますので、代読をさせていただきます。

まず、門脇委員でございます。

医学専門家の観点からは、たばこに対する健康被害について、国際的にますますの規制が求められる状況の中で、国の一層の対応が必要と考えています。

政府株式保有比率が3分の1を切ったとしても、健康規制についての国としての責任が不明確にならない保障を担保する必要があると考えます。

続きまして、牛窪委員からの意見でございます。

国の財政健全化など、さまざまな角度から見ても、完全民営化は避けられない動きであることは間違いないだろう。(とはいえ、慎重に進めてほしいが。)

一方で、葉たばこ農家は専業のところも多く、すぐに生活に困るようなことがあってはならないので、例えば「伝統的な土地利用」、ソバなどとの組み合わせなど、農家の今後のヒントとなるような事例や方策をきちんと具体的に示してあげる必要があると思う。

私もたばこについて国としてのスタンスを明確にする必要があると思う。特に気になるのは、昨今アメリカが一部の州で解禁した大麻、マリファナ等との関連。これを機に世界では大麻はたばこやアルコールよりも無害であるといった認識が広がっているが、脱法ドラッグも含めたさまざまな危険な葉が存在する昨今、若い世代に何が安全で何が危険であるのかを日本としてどう伝えていくのか、これをいま一度きちんと話し合う段階ではないだろうか。(実際、若い世代の間ではたばこの位置づけについて戸惑う声も多い。)

以上でございます。

〔 桐野分科会長 〕それでは、本日出席していただいております皆様からご意見をいただきたいと思います。

取りまとめの便宜の観点から、主な論点に沿って委員の皆様からご意見をいただければと思います。

まず、たばこ関連産業への国の関与の在り方についてでございます。国産葉たばこの全量買取り、製造独占、卸売価格の上限制、小売定価制といった現行の枠組みについては、葉たばこ農家や小売との関係で一定の合理性があり、これまで機能してきたと言えるのではないかと思います。他方で、これまでの2回の分科会においては、委員の皆様から、今日の課題についてご意見をいただいてきたところでございます。葉たばこ農家の保護、小売店の保護、JTに対する国の関与について、後ほどご議論いただきたいと思います。

続いて、2番目ですが、JT株式保有の在り方についてでございます。たばこ事業制度に果たす株式保有の役割を中心にご議論いただきたいと思います。

3番目としまして、復興財源なども含めた財政の観点の論点があると思います。ストック収入とフロー収入があり、これをどう考えるのか。すなわち、金利などから見て配当利回りをどう見るのかという点があり、さらに、配当がリスクマネーの元手となっている点、JT株は緊急事態が発生したときに売却して財源となる緊急避難的対応への備えの面があるという点をどう考えるかということがあろうかと思います。

4番目の最後でございますが、健康規制の観点につきまして、これまで各委員からご意見を賜ったところであります。健康規制では、たばこ事業法で表示や広告規制が行われる一方、小売認可制や小売定価制と卸売価格上限制の中で小売店が未成年者の喫煙防止や不正品流通防止に一定の役割を果たしている点、また、JTに対するコントローラビリティーといった指摘もあったかと思います。

それでは、まず、たばこ関連産業への国の関与の在り方についてというところで何かご意見ございましたらお願いいたします。川村委員、お願いします。

〔 川村委員 〕すみません、意見と申す前に、今論点を拝聴して、まさにそのとおりだと思うんですけれども、今回のこのクールでできる、仕切れるのかなという素朴な不安があって、私自身はちょっとこの時間では自信がないなというのが正直なところなんですね。

初回に、「たばこ産業を取り巻く状況」という中にいろいろな過去からの経緯の資料を頂戴していて、そのときに、改めて見てみますと、2つまた疑問が浮かんできちゃったんです。

もしお手元にあればこれの10ページ、11ページというあたりなのでありますけれども、何かというと、平成23年10月19日の財政審の抜粋の部分なのですが、ここで、10ページの4のところに、2分の1から3分の1超まで引き下げた場合でも国の関与が引き続きあるから復興財源のためならいいよねというのがまず1つあって、次に、11ページに、「おわりに」のところ、5番ですけれども、ここで最後の段落に、JT株式の全株売却については、たばこ法制の根幹に係る議論を行う必要があると、こうなっていると。そうすると、今このクールでやろうとしていることは、今まさに分科会長のご指摘の論点の最初の大きな1番というのがこのたばこ法制の根幹に係る議論なんだろうなと承知するんですけども、ここへの我々の議論の突っ込み方というんでしょうか、これが時間的制約との中でどこまでできるのかなと、正直、非常に難しいんじゃないかと思うことが1つと、もう1つは、先ほどのペーパーで、全株売却については根幹に係る議論というのを字義どおり捉えると、一部売却だったら議論しなくてもいいというふうな文理上の解釈もできるわけであります。後半についてはちょっと事務局に伺いたいんですけど、ここで言っている全株売却だったら根幹に係る議論の必要があるという、この前回の留意事項の読み方ですね。解釈として、じゃあ、一部売却のときはそんなに議論しなくていいという意味なのか、どうなんでしょう。ちょっと改めて今日見てみたときに、これ、主語が全株売却になっているなと、ここはどうなんだろうなと思ったんですけど。

〔 桐野分科会長 〕今回のポイントの1つだと思うんですけども、事務局からお願いします。

〔 岡本理財局次長 〕これは字義どおりに解釈し、3分の1までの引き下げだったらたばこ法制を見直すことなく株式を売却することが可能。ゼロになったときには抜本的な見直しが必要であると言っていて、一部売却については言及していないので、そこは議論の余地が残されているという解釈をするほかないと理解しております。

〔 桐野分科会長 〕今のところ、ちょっとわかりにくいんですけども、2分の1をもう切っちゃったところで何かだらだらと減るわけですけど、3分の1は境目ですけども、大きな質的な変化というのはもう2分の1のところで起こっているというふうに見ることもできるのかなとちょっと感じたわけですが。

ほかにございますか。

〔 細野委員 〕私も一つ質問したいのですが、一方で会社法上の株主権というのがありますが、他方でたばこ事業法というのがありますね。この場で議論していることに関連しては、会社法とたばこ事業法でどちらのほうが優位なのかどうかというのはすごく重要だと思うのです。私は法律の専門じゃないから、これは村上先生から説明していただきたい。主な論点の中でいえば、葉たばこ農家の保護については、JTさんも明確に保護しなければいけないと言っているわけですね。要するに、葉たばこの品質を保証するためにもやっぱりそれなりの保護をしていかないといけないと。そうしないと健康被害のほうにも関係してくるのだから、これはやらなければいけない。だから、品質を守るための指導との相互的な関係で国際価格の3倍の価格というのが1つ正当化されるという意見があるかもしれません。これもたばこ事業法の中での1つの思想的な正当性を言うためには必要なのかもしれない。これが1つ目ですね。

そして2つ目は、その保護についてですが、保護をすること自身が、FCTCでも言われているいろいろな不正取引をいろいろ適切な手段で防止する。その一つとしては流通段階での規制に関して何らかの形でのコントローラビリティーの担保が必要だということ。そのためには、今までのように事業法で縛ってあげることが必要かもしれないということになります。

それから3つ目は、小売店、あるいはたばこを販売するという機能を考えますと、一般のたばこ販売店自身も、夜遅くまでやっているかどうかわかりませんけど、店頭販売により、青少年のアクセスを防止する方向に力点を移した。コンビニのほうでも対面型でも結構今売り上げが伸びているのですけど、夜遅くまで開店することによって街の中に明かりを供給し、あるいは車に依存できないお年寄りのための社会インフラとしてある一定の機能を持っているわけですから、そんなことを考えると、ある一定のマージンというのも必要であろうというようなことが考えられる。以上これらのスキームを担保するために、たばこ事業法というものがある。とするならば、スキームの担保のためにたばこ事業法を会社法上の株主権というものとは少し独立な形で機能させることが可能なのかどうなのか。私自身は、いろいろ健康の問題とか社会的な問題を考えると、そのために優越的な形での取り扱いをたばこ事業法ができるかどうか、そのあたりのことを法学者の人にお聞きしたいと思っています。

〔 桐野分科会長 〕先生、よろしいでしょうか。

〔 村上委員 〕小売の問題と、それから葉たばこの全量買取りの問題ですが、私、それよりも、今日の説明を聞いていまして――葉たばこの今の全量買取契約制度という内容です。現状の法制の解釈で、結局は取締役会の経営判断に委ねるところが随分多いという、そういう説明になっています。

そうすると、先ほど質問にありましたように、たばこ法制の根幹に関する議論を行う必要があると。むしろ株式を全部売却した場合に、ここにある制度は法律の中に何らかの形で残せる制度なのか残せない制度なのかの、そこの議論の詰めというのは、決着がついているのかという点です。

結局、全量購入義務を必ずしもこれを見るとJTに強制的に義務づけている感じではない。取締役会の経営判断、そこにかなり委ねている感じになっている。もう一回繰り返しますが、JTの株式を全株売却した、その後でも葉たばこの全量買取りの現行制度をこのまま残しておけるというのか、やっぱり難しかろうというのか、そこの詰めた解釈というのはやられているのかどうかという、そこの質問になります。

〔 桐野分科会長 〕理財局長、お願いします。

〔 中原理財局長 〕専売制度から今のたばこ事業法制度に変わるときに、何らかの形で全量買取りを残したいというのは関係者の合意としてあったわけでございます。ただ一方で、法律上、国産葉たばこの全量買取を義務付けてしまいますと、WTO上の問題や公共調達上の問題、諸外国との関係があって、なかなかできない環境にあったわけでございます。そこで全量買取契約を法律に規定して、その運用は、たばこ事業法制上はJTの経営判断に委ねるとしております。一方で、その経営判断に対する影響力を確保するために政府の株式保有義務を課す。そのような経緯だったのではないかと思われます。

次に、先ほど細野委員からお話がございました、たばこ事業法と会社法上の株主権の関係でございますが、今の説明と裏腹のものでございまして、たばこ事業法の中で義務付けなどできなかった部分、原料の用に供するものとして購入するかどうかの判断などがJTの経営判断として残ってしまうので、株主権という形で影響力を残そうというのが今の法制でございます。

しからば、先ほど川村委員がご指摘された前回の審議会の考え方はどうかというと、そのときにも結局全株売却になったら影響力が全くなくなってしまうので成り立たないであろうと考えられます。最終的に国内でつくられた葉たばこを原料として買うかどうかの判断が経営判断に委ねられている以上、全量買取りは維持できないだろうという判断が出ているわけでございます。

〔 村上委員 〕実質論は非常によくわかります。事実上株主として3分の1持っていればある程度そこは機能するだろうと。ただ、私、法律家で、ぎりぎり詰めていくと、もし本当に全株を売却した場合に、まず1つ起こるのは、例えばJTの株主総会があるたびに、今でも外国株主の持ち分比率、非常に大きい話になっていますので、したがって、もし国産葉たばこの非常に高いものを買っていると会社の利益がその分減るのであるから、そういう決断をした取締役会の、例えば株主総会の決議事項には一斉に反対しようという、今はやりの株主投票権のやり方についての、そういう形の投票への賛否というか、そういう形がまず総会の場面で出てくる。

その次は、本当に取締役の責任だけならば、会社に損害を与えるのを覚悟の上で非常に高い葉たばこを買ってしまった取締役自体が、例えば変な話で、株主代表訴訟で――本当に高いのを覚悟して、外国からはもっと安いのが入るはずなのに高いものを買ってしまった取締役の責任だという形の訴訟が起こりかねない。今ならば、確かにここに書いてあるように、葉たばこ審議会の意見で尊重義務とか、これがあるので、国の株主権を背景にして何となくそうせざるを得ないという感じのニュアンスが出る感じかと思いますけど、確かに全株売却まですると、今私が申し上げたようなところがはっきり表に出てくるという、そういう状況になったのかなという気はいたします。

〔 桐野分科会長 〕今の関連ですか。

〔 細野委員 〕私が聞きたいのは、いろいろな社会的な規制とか何かはこれからやっぱり必要なんですが、国の保有率がゼロのほうに限りなく近づいていったときに、それが担保されるのか否かということです。私たち、この分科会をスタートするとき、経済的規制についてはなるべく少なくしましょう、JTさんの健全な成長のために経営的な自由裁量をふやしましょうと。恐らくそのほうが株価も上がって、後でストックとフローの話になると思いますけども、財政的に寄与してくれるだろうなと、そういう期待があったわけですね。でも、他方で、財政物資であると同時に、健康等の問題とか、いろいろ考えると、このたばこという商品については、健康問題の側面から社会的規制はやっぱりしっかりやらなければいけない。これは、要するにFCTCに関連する話もありますし、それから医療費の問題もあります。このようにいろいろなことを考えると社会的規制はやらなければいけないだろう。この2つの相反する複雑な方程式を議論しながら、解きながらやってきたわけです。

そのときに、今いろいろな問題があって――この前も言いましたけども、先の大震災は突破的な震災でしたから「例外的に」保有率の変更に踏み切ったわけですが、そのときは保有率の水準如何がコントローラビリティに抵触する問題になる水準ではありませんでした。しかし、3分の1から下がっていったときに社会的規制のためのコントローラビリティーが効果的に機能するのか不明な点が多い。ですから私が法律の専門家の皆さんにお聞きしたいのは、もしも株の比率が下がったときに何らかの形で、いろいろ製造独占とか流通の問題とか、それから葉たばこ農家保護の問題がありますけど、こういうステークホルダーがたくさん存在している環境下で、川村委員がおっしゃったように、ものすごく複雑な状況にあるものを、この短い期間で議論し一定の結論を出せるかということを考えたときに、法律の専門家としてはどういうアドバイスができるのかというようなことを私は聞きたいのですよ。

〔 村上委員 〕今、WTO法との関係でできるかできないかという、そこのところで多少ためらいがあるので、今みたいな制度になっているかという話なので、もし本当にそこは、たばこというのは非常に特殊な財政物資であって、しかも健康上の話だから、いろんなことを規制しても許されるんだと考えて、もし法律的にもうちょっとがちがち強目の規制を――これがいいか悪いか政策的には別ですが、そういうことをやれば、ある程度の法律的な解決は国内法的にはできるのかなという、そのぐらいのニュアンスですけれども。

〔 細野委員 〕それで、ちょっとよろしいですか。今の事業法というのがあって、これを改正せずに株式の売却があっても、コントローラビリティーが担保できるのかどうかと。このあたりの話、もう少し私は詳しくお聞きしたいのです。

〔 桐野分科会長 〕荒谷委員、どうぞ。

〔 荒谷委員 〕会社法上、今考えられる方法としては、1つは、全株式売却の方向に進んだ場合でも、JT法が改廃されずにそのまま残されるのであれば、JT法の2条から8条までと、11条で、コントローラビリティーはきくと思います。なぜならば、保有株式数が少なくても、国に許認可がありますので。

もし、JT法がこれと連動して改廃されるならば、事の是非は別として、会社法上は拒否権条項付株式――今は1社しか発行しておりませんが――を1株だけ発行して国が保有するか、もしくは、取締役の選・解任権がキープされていればいいわけですから、取締役の選・解任については、これを保有している株主が賛成をしないと取締役の選・解任ができないという種類株式を発行するという方法をとれば、コントローラビリティーがきくといえるのではないかと思います。

このいずれかの方法をとれば、先生がおっしゃるような意図も充足しながら株式を売却するという方法ができると思いますので、そういう会社法上の方法を十分に検討した上で、株式を売却していくことが必要ではないかと私自身は考えております。

〔 飯塚理財局次長 〕一点補足させていただきます。たしか、国際石油開発帝石は上場前に黄金株を設定しておりまして、上場後に黄金株を設定すると東証の中では基本的に上場廃止基準に当たるということですので、今からJTが上場廃止せず黄金株を発行することは現実には難しいのではないかと承知しています。

〔 荒谷委員 〕そうですね。それは最終的には、東証との調整の問題になると思いますが、私としても、国際石油開発帝石とは違って、たばこをめぐる健康問題の議論を考えますと、JTが拒否権条項付種類株式を発行することに国民や投資家が納得するとは考えにくいと思いますので、現実的ではない気が致します。ただ、取締役の選・解任に関する種類株式の発行については検討する余地はあるのかなと思っております。この点については、まだ詰めて考えておりませんが、先ほどの細野先生のご質問に対して、純粋に会社法上考えうる方法をお話したということでご理解いただければと思います。

〔 桐野分科会長 〕川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕これは細野委員のおっしゃる相矛盾する2つの方程式を解かなきゃならないというところに答えが潜んでいるんだろうと思っているんですけれども、会社法の解釈、会社法のユニバースとJT法とたばこ事業法というこの3つを当時に多分解く方程式というのは変数だけで、永遠に解けないんだと思うんですね。そっちへ入っちゃうと隘路になるだろうと。

そうすると、私、非常に素朴な命題の立て方としては、100%民間会社にJTがなった場合にもたばこ事業法というものが存在して、その名宛人はJTだけじゃなくてたばこ製造販売会社一般、極論すればフィリップモリスが日本の国内に工場をつくって販売しますということもあります。レイノルズもあります。中国のたばこもあります。国内の新しい――そういうことが現実にあり得るかどうかは別として、新規参入のたばこ会社もあります。それらみんな100%民間会社ですと。しかしながら、彼らのたばこに絡む業務については全てたばこ事業法が絡みますと、たばこ事業による規制が起こりますと。

その場合に、主管官庁はどこになるんですかみたいな話がもう1つ多分あって、流通税という観点からもちろん財務省が絡んでくるんだろうけど、今度そうなってくると、複数の民間会社がたばこを扱うということになったときには、それは健康上で厚労省じゃないですか、葉っぱだからやっぱり農水じゃないですか、いや、共管ですかみたいな、そっちの議論は多分また出てくるんだと思うんですが、一番初めに我々がちょっと整理をしておくべきは、JT法、会社法の関係云々の前に、たばこ事業法というのは今後どうなるのかというのが多分根幹の話なんだと思うんですね。およそ製造販売する者に対しては、このたばこ事業法的なものが引き続き、持ち株比率がどうあろうと、残るのか残らないのかというのが多分この議論の一番のスタートのところなんだと思うんです。

私が冒頭なかなかその議論は短期間でしんどいんじゃないんですかと申し上げたのは、実はそこの整理がありまして、ちょっと私の感想的なところなんですけども。

〔 桐野分科会長 〕江川委員、今の関連ですか。

〔 江川臨時委員 〕私も今の川村委員と同じようなことを考えておりました。過去の経緯を見ておりますと、葉たばこ農家の保護ということが非常に大きなポイントとしてあって、そちらが解決すると完全民営化してもいいぐらいに読めるんですけれども、それ以降のいろんなたばこ産業を取り巻く事情を考えてみると、流通規制を通じて健康被害を防ぐ、未成年に喫煙させないということをちゃんと担保するということが非常に重要だという感じがしております。ですから、そういう意味では、たばこ事業法等を通じて万が一 ――万が一というか、完全民営化した場合でも、それが担保されるということがポイントです。だから、プライオリティーが若干過去の経緯と変わってきているという前提で現在議論しなければいけないんじゃないかという感想を持っているというのが1点です。

それから、2つ目のポイントは、今、川村委員やほかの委員もおっしゃった株式売却とほかの法律との関係なんですけども、これらの論点は――論点整理していただいて、ありがとうございました――一つ一つの論点をとってみると、例えばこれは契約で担保できるとか、これはこういう法律を作れば担保できるとか、そういう面があると思います。その中で、仮に株式を売却したとき、株式を売却しつつ、今私たちが気にしていることがしっかり手当てできるということを担保できるかもしれないです。ただ、私も考えていてわからないなと思ったのは、法律を大きく変える、例えばたばこ事業法なんかになってくると、財務省以外のところが関わってくることになって、しかも国会で審議するとなると、例えば私たちはこういうことを法律で担保していただいたら売ってもいいですよという結論を出した場合でも、結果的にその通りにならないんじゃないかという心配があります。

ですから、逆に言うと、ここで出せる結論というのは、こういうことを考えてやらなきゃいけないけれども、実際に本当に売るかどうかはその結果を見てからでないと決められないというぐらい今の問題は難しいのではないかと感じます。売却を決めるときに一遍に議論できるとは私も思えなくて、今回もちょっと時間がなさ過ぎるというふうに思います。仮に今後計画を立てていったとしても、1回の審議で済むというよりは、ある程度方向性を示した上で、もう一度ほかの省庁も巻き込んでいろんな法律や制度を整備した上で、それがちゃんとできているということでないと、私たちが健康被害の問題をこういうふうに担保してください、それなら売ってもいいですよと言っても、いろんなステークホルダーがいるので、その方々の意見が通って、結果的に抜け道ができちゃったみたいなことになってしまうといかがなものかというのは感想としてあります。

〔 桐野分科会長 〕宮島委員、どうぞ。

〔 宮島専門委員 〕論点の順にというか、もうアトランダムな感じでしょうかね、議論。論点の順番で切るというんじゃなくて……。

〔 桐野分科会長 〕一応そういうふうにしているので、次に進みましょうか。

〔 宮島専門委員 〕いや、じゃなくて、まず、幾つかの意見のうち保護のところを最初に言いたいと思います。

この前のヒアリングを聞いてちょっと不思議な気持ちになったところがあって、これは皆さんと確認をしたいんですけど、JT株の売却に関しては、本当にさまざまな影響を配慮し、葉たばこ農家のことも考え、保護もしながらも、将来は完全に民営化する、そのための環境を整えるというようなことが少なくともこの過去の会議資料からは読み取れると思うんですね。だから、そこはもう一度方向としては――スピードとかやり方は別として、方向としてはJTは完全な民営化に向かっているという理解でいいと私は思ったんですね。その前提として国産葉たばこ問題が解決されることであると確認したいんです。

その上で、この前のヒアリングでは、全国たばこ耕作組合中央会も全国たばこ販売協同組合連合会も完全民営化は反対だとおっしゃったんですよ。それで、いろいろ内外価格差縮小なども努力をされているということは理解しましたけれども、ある方向にみんなが向かっているという流れの中で幾つか前提条件、これとこれをクリアしなければいけないというのがあるのに、その条件の大きなキーを握っている人が同じ方向に努力するつもりがないんじゃないかという気持ちになったんですね。しかも、今と同じスキームじゃなくちゃいけないとおっしゃったんですけど、私も、国産葉たばこ農家とか地域のこととか山間地の話とか、考えるべきところ、保護するべきところはたくさんあるけれども、それに関してはさまざまな方策があり得るのではないかという検討が必要だと思います。この前の反対意見というのは、とにかく今のスキームで続けてくださいということ一本やりだとすると、このやり方じゃないと――というか、もう民営化も反対でこのやり方だけですと言っている人がここにいて、そして、現実に国産葉たばこ問題というのはめどが立たないわけですよね。そうすると、まるっきり動く感じがしないです。

だから、改めてそこは、全国たばこ耕作組合中央会や全国たばこ販売協同組合連合会が反対であるということを前提にされちゃうと何も進まないので、やっぱり方向は民営化であるということを確認して、そして、保護が必要だったらどんな方法がほかにあるのか、あるいは昔と状況が変わっていることに関してはどういう手当てが必要なのかということがすごく重要だと思います。

例えば状況の変化といいますと、私が見て思ったのは、例えばたばこ事業法でも、たばこ事業の健全な発展と書いてあるんですけれども、今、国民の感じが、たばこを維持したいぐらいの気持ちはあるかもしれません。つまり、文化であるとか、好きな人がいることもわかっていますと。だけど、発展させたいかどうかというと、私はちょっと疑問に思うのと、あと、例えばこの反対意見の小売の側の方ですか。「たばこの消費量の減少を少しでも食い止める努力を続けております」と書いてあるんですけど、これは、一般国民は本当にたばこの消費量の減少を少しでも食いとめたいのかというのが疑問になるわけです。

実際、今日、私は診療室に行ったら、そこに禁煙外来保険適用とあるんですね。禁煙を進めるために国はみんなのお金を一定程度使っているわけです、もちろん健康のためですけど。そうすると、禁煙のためにお金を一種使っていながら、たばこ消費量の減少を少しでも食いとめるというのは、普通の感覚ではちょっと一致しないので、やっぱり確認として必要なものは、まず、民営化はするんだよねということを確認し、でも、そのためにはたばこの農家とかさまざまにそれに起こってくるデメリットや課題はあるよねということを確認して、その課題が今のスキームじゃなくても解決できるものなのかできないものなのかというような形で考えないと、今のまま動きませんとか、葉たばこ農家の内外価格差がクリアしない限り何一つ動けませんということになると、本当に何も進まないなと思いました。

〔 桐野分科会長 〕細野先生、どうぞ。

〔 細野委員 〕今、100%民営化ありきということも確かにあるのですけども、前回のJTさんの売り上げに占める割合、たばこ以外というものですよね。要するに、民営化してから私たちは、たばこという結構リスキーな商品を取り扱うビジネスだから、国際的にも訴訟リスクにさらされる可能性もあり、そうするとビジネスをもっと多角化しなきゃいけないよと、だから経営の自由化も認めますから多角化をどんどんやってくださいよ、私たち、邪魔しませんと、こういうスタンスで議論をやってきました。今回の報告では、その多角化の推移がどうなっているかというデータが一切ないのです。売り上げのこれを見ると、結構たばこの比率が高いし、しかも国外市場的なものが多いでしょう。そうすると、本当にリスクにすごくさらされるということになるわけですよ、これからも。私たちの評価としても、今までJTさんがいろいろな面で財政的な貢献はしてくださった、それはもう確かですけれども、今後ともそれが維持されるかどうかということ。だから、100%の完全民営化どうかという話よりも、まずたばこというものは財政物資であると同時に、健康とか社会的側面から考えると社会的規制が当然必要なわけです。この2つの側面からやっぱり考えていかなきゃいけない。単に100%民営化すればいいという、そういう話ではまるでないと思いますよ。

〔 宮島専門委員 〕いいんだとは全然思っていません。

〔 細野委員 〕そういう方向ありきじゃなくて、社会的な状況から見てどういう形でコントローラビリティーを持たなければいけないかと。そこから株式をどれぐらい持つかとか、そういう議論をやっぱりしていくべきじゃないかと私は思います。

〔 桐野分科会長 〕川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕すみません、ちょっと先ほど宮島委員のおっしゃったところの、論点について、私の所感を申し上げると、今、1番目の論点が議論の対象だと思うんですが、これについては私は答えは簡単だと思って、もう相当年限の中の激変緩和措置ということだけだと思っています。というのは、既に臨調答申、専売公社民営化から33年、それでJTができて30年ですか。これって人の一生にしてはかなり長い時間かかってきているわけですね。前回もある意味で3分の1までにするということは、全然目的は、復興財源ということがあるにしても、たばこにかかわる、たばこ、葉たばこ、小売、流通、そしてJT、こういうところ全てに対してかなりのウオーニングではあったと思うんです。つまり、30年間たちましたね、専売公社からJTになって。そして、震災、大変なことも起こったね。だから、国ももう半分じゃなくて3分の1だよ。だけど、今すぐだったらたばこ制度の根幹にかかわるから、ここは議論しないで今のままでいけるようにしますよね。だけど、将来の先に民営化という大きな大政の詔が出されている中でいろんなことを行ってきているわけなんだから、それは相応にちゃんとやってくださいねというウオーニングにもなったはずなんです。

前回のヒアリングを聞いて私はもう喫煙者の立場から絶望感にとらわれたんですね。こういう消費者に私は位置づけられているのかと。これは搾取以外の何物でもないではないかと。本当に、例えば定価制にしても、北海道から沖縄まで全部値段が一緒で、何カートン買おうがおまけでつくのは安い、すぐ壊れるライターだけだみたいな、そんなものがこの今どきにないだろうというふうに思ってきているわけですね。この間、参考人の皆さんから聞くと、努力したと。こういうのを努力って言うんだったら、いいねというのが正直民間会社の感覚としてはあるわけですね。

葉たばこ耕作の皆さんは、ある種非常に切迫感があって、これは大変だなというのはよく、心情的にはわかります。ただ、小売店のほうは、にっくきコンビニとこの場で言われても、私、最近コンビニ以外で買わないですもの。なぜかというと、朝会社へ行く前に、たばこ屋さんは閉まっています。コンビニはあいています。夜一杯飲んで帰るとき、小売店は閉まっているけれど、コンビニはやっています。コンビニでしか買えないわけですよ、 ことほどさように、私は結論から言うと、葉たばこ農家と小売店の保護については、今まで過去30年が過ぎているということを考えると、10年、20年という期間は許されないと思うんですね。それはさすがに3年とかいうとちょっと短いかもしれない。しかしながら、ある程度の期間を、激変緩和を設けて少しずつこの保護策を外していくと。その場合に葉たばこ農家と小売店についてはちょっと保護の要保護度が違うんじゃないか。個人的に言うと、葉たばこ農家の保護のほうは、ある程度きめ細かに、他方でTPP等いろいろな動きもある中で少し厚目の配慮をしつつ、小売店のほうについては、もうちょっと厳しいというか、普通にしていくということで、それぞれのアイテムについて相応の逆執行猶予期間を設けるみたいなイメージが私の意見です。

〔 桐野分科会長 〕もっとあると思いますが……。安藤先生、どうぞ。

〔 安藤臨時委員 〕今、川村委員から保護のあり方についての話がありましたが、葉たばこ農家の保護について私から若干コメントしたいと思います。

今おっしゃられたように、政策を変えるまでにかなりの時間がかかると私は思います。農業というのは新しい取組みが定着するまでにかなりの時間がかかります。現在、葉たばこ生産地は、たばこだけで生計を立てているのではなく、かなり野菜が入ってきています。後継者の方々は、たばこだけでは将来が心配だということもあって、野菜を入れているケースがふえてきています。ただし、葉たばこの乾燥施設などの投資もかなり行っていますので、いきなり生産中止となるとやはり大変なことになってしまいます。ですから、何年という期間が適切かどうかはわかりませんが、ある一定程度の期間をアナウンスして、その上で政策を変えていくということであれば何とか対応はできなくはないかなと感じています。とはいえ、決定的に葉たばこが地域経済にとって重要な市町村、離島などはその典型かもしれませんが、そうした地域では本当に厳しいというのが実感です。ですから、今、川村委員が言われたように、市町村を絞ってきめ細かな対応を行っていく必要があると思います。

また、EUなどでも農業政策を変える場合には、激変緩和措置と言われましたけれども、そうした措置をとってきたわけです。価格支持制度をやめて直接支払いに変えたと言われますが、結局は価格引き下げによって失われた所得を補償支払いという形で支払ったのが直接支払いの始まりでした。その直接支払いもだんだん金額を下げてきて、しかも、その意味づけを環境支払いに変えてきたというのがEUの農業政策の歴史です。しかし、実はこの改革は1992年にスタートし、今回の改革まで20年近くの時間をかけてやってきています。それぐらいの時間をかけないとEUがまとまらないということもあったと思いますが、農業については比較的投資が長期間にわたるということ、そこで働いている人たちを他の部門に転換させるための調整コストが非常にかかることが大きいことへの対応です。特に縁辺地域ではそのコストが非常にかかるため、政策変更にかかる時間軸をある程度設定して対応をとっていく必要があると思います。

以上が私からのコメントです。このことを発言しないと、私がこの会議に出席したことの意味がないかなと思いまして、時間もかなり迫って来ていますが、発言させていただきました。ありがとうございます。

〔 桐野分科会長 〕では、村上先生。これで1番目は一応、次に進みたいと思います。

〔 村上委員 〕法律の話で、葉たばこの話というのは、1つはやっぱり法律でぎりぎり詰めていけばどうなるかという話は確かにあるんでしょうし、確かに今回のこの制度は非常に微妙につくられている制度なのであって、なかなか評価は難しい制度になっている。ただ、国内葉たばこを基本的に優遇する制度ですから、それは法律の形式上はうまく整合性を画するにやっても、やっぱり実質から見ると外国葉たばこに比べて日本葉たばこを優遇する制度ではないかという意味で、WTOに行った場合には、ぎりぎりやると、それは問題はないわけではないという、多分そういう結論になるんだと思います。

ただ、皆さん言われているように、今のこの制度がずっとここ10年続いて、これからも永久に続くというのも、これは絶対におかしな話なので、どこかで完全民営化で全株売却をやらざるを得ないこともはっきりしていると思うので、私はむしろこれは法律問題じゃないのであろう、まさしく葉たばこ農家に対してどういう所得補償とか、補償して抜本的にその問題を解決できるかという、そこの問題に尽きると思っているのです。

そうすると、むしろ法律問題以外に、例えば売却した財源の一部を結局葉たばこ農家に補償するかとか、もしくはJTの利益になるから一部補償金を払うとかなんとかして、いわゆる優遇制度をなくして自由に取引ができるという、そういう建前の制度にできるようにする方策が何かあるかと。むしろそういうふうな形に解決してもらうのが妥当かなという感じで、したがって、簡単にできる話ではないというのは前からありますけれども、どっちかというとそういう感じで、法律問題でぎりぎり割り切ってやるかというよりは、どこかで抜本的な葉たばこ農家の部分が問題になっているので、その問題点を解決する方策を考えるべきではないかと個人的には思います。

〔 桐野分科会長 〕一応全体のご意見をいただきたいので、2番目の論点としてJT株式保有の在り方。これはその次の財政の観点ということもあるので、一緒にまとめて、JT株式保有の在り方と財政の観点というところでご意見がございましたらお願いをいたします。安藤委員、どうぞ。

〔 安藤臨時委員 〕既に前回の会議で議論されているのかもしれませんが、財政の観点からみてJT株の今の利回りはどれくらいでしょうか。株式の時価総額に対して、入ってきているお金は700億円でしたでしょうか、どれくらいの利回りとなっているのでしょうか。

〔 桐野分科会長 〕これは事務局から。

〔 岡本理財局次長 〕株価が変動していますので多少変わりますけど、大体2.5%ぐらいで回っています。

〔 安藤臨時委員 〕その2.5%という数字は利回りとして見るとどのように評価したらいいのでしょうか。この点は私は専門ではないので分からないのですが、どうなのでしょうか。

〔 岡本理財局次長 〕10年国債の金利水準が0.3%から0.4%ですから、それとの比較において運用対象としては非常に有利だと思います。JT株式は、非常に配当性向が高くて、平成26年度では配当性向が50.1%で、我が国の企業の中では突出して高いほうだと思います。また、フロー収入に関係してきますけれども、平成26年度は決算期を変更した関係で3回配当があり、国に対する配当は1,000億円となりましたが、年2回配当で計算すると大体700億円になります。平成27年度については1株当たり108円の配当を約束されていますので、720億円が配当収入として国庫に入ってくる見込みです。

〔 桐野分科会長 〕川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕今のに絡んで技術的な質問なんですけども、配当利回りなんですが、それは確かに時価によって変動するのは、マーケット的にはそうですけども、国としては、これ、取得したときは簿価じゃないんですか。つまり、配当利回りというときに、幾らで買って――昔、額面があったときは、額面に対して幾らというのと時価に対して幾らとありましたけれども、国が持っているJT株の利回りといったときに、その分母になる株価というのは取得株になりますよね、普通でいきますと。

〔 飯塚理財局次長 〕国が持っている株式の価額については、国有財産台帳で毎年整理しているんですけれども、あるときから市場価格がついているものは市場価格でやるというルールでやっておりますので、年度末の株価で評価しているということでございます。そういう意味で、民間の利回りも国が持っている株の利回りも同じであるということでございます。

〔 川村委員 〕原始的には。

〔 飯塚理財局次長 〕原始的にはおっしゃるとおりで、上場前はその時点での純資産の価額であったわけですけども、上場した後は市場価格としております。

〔 川村委員 〕洗い替えて……。

〔 飯塚理財局次長 〕ええ、洗い替えて時価で評価しております。

〔 川村委員 〕わかりました。

〔 桐野分科会長 〕江川委員、どうぞ。

〔 江川臨時委員 〕今ちょっと利回りのお話が出たので、それに関しての考え方のフレームワークということで言うと、今おっしゃるように、国債よりは利回りが高いとか、そういうことは言えると思いますけど、むしろここで考えるべきフローとストックということで言うと、やっぱり今ワンショットで売ったときに例えば2兆円弱とかになるんですかね。それから、年間700億円が例えばこれからずっと続いていくということをどういうふうに考えるかということであって、2.5が1%よりというか、0.何%より高いというのはあまり関係ないかなという感じはいたします。

1つだけちょっと気になっているのは、そういう意味では、今フローとして入ってくるもの、特にこういう財政が厳しい折にかなり安定的にこういうものが入ってきて、しかも、ある意味で産業投資のようなものにある程度イヤーマークされているというのは助かる面もあるんですけれども、20年、30年と非常に長期的に考えていったときに、これが本当にずっとこのまま続くのかというか、たばこ産業を取り巻く状況とかを考えたときに、どこかのタイミングで売ってしまうということはやっぱりあるのかなというふうに思います。諸外国を見ても、どうしてもたばこ産業が国産でなければいけないということではないようには思いますので。

そういう意味で、今回いろんな制度上の枠組みをつくっていくのがこのタイミングですぐできるともというか、今いろんなイシューがあって、ここでばたばたと全部売却をするのにしっかりした枠組みとか法律がすぐ作れるのかというのが、もう少ししっかり議論しないと難しいんじゃないかなというふうに思っていますけれども、一方で、ほかの委員の皆さんがおっしゃるように、葉たばこ農家の数も随分前に比べると、もう7,000戸未満ですか、減ってきたりしているので、ある程度激変緩和措置をしながら、どういうことができるのかという方向性に関しては売却の方向を考えていくというのが妥当な考え方ではないかというふうに思っています。

〔 岡本理財局次長 〕先ほどの利回りの説明につきまして若干補足させていただきます。JT株式は非常に重要な国有財産でございますので、その財源化を図るに当たっては最も有利な経済合理性にのっとった形で財源化を図りたいというのが財政当局としての立場でございますので、配当利回りや金利水準などを比較しながら、最も有利な経済合理性を考慮するのが財政当局の立場であります。このことを、先ほど、株式の利回り2.5%と国債発行利率0.4%の比較を用いて申し上げたかったのですが、補足させていただきました。

〔 桐野分科会長 〕川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕この大きな論点JT株式保有の在り方や財政の観点に関して私の所感を申し上げますと、まず、財政の観点については非常に江川委員に近い感触を持っています。ストックとフロー、金利との比較って、そんなに意味が大きいのかという点については、私はそれなりの意味はあるのかなと、江川委員ともご一緒させていただいている財投分科会に関係するのですが、財投の利回りってどのぐらいなんですか、これ、なかなか単純に計算できない。何をもって利益と見るかって非常に難しいんだけれども、ものすごく荒っぽくやれば1%強ぐらいではないかと。一昨年だったと思いますが。全くこれは公の数字じゃないです。財投特会の貸借対照表から単純計算すると、ざっくりと1%ちょいと、1.2とか1.3とか、そんな感じじゃないだろうかという感じだった記憶があります。そうしますと、今の仮に配当利回りで2.5ということは、財投としては持っているほうが得なんですよね、そういう意味で言っても。しかも、さっき会計上はそういうふうに洗い替えするとしても、キャッシュフロー会計的に見たら国にとって非常にいい話なので、これは持っていていい財産だということが1つあると思います。

それから、それも考慮に入れつつ、財政的観点からのストック収入とフロー収入の比較のところはそれ以上に大きい話で、例えて言えば、10部屋のアパートを持っていましたと。5軒は民間が持って、5軒は国が持っていました。これ、今残り借主さんが3人ですと、こういう状況になっていて、じゃあ、全部物件、ものから底値から売っちゃうかと。だけど、結構いい家賃が入っているよねと。それがさっきの700億とか、そういう数字なんだと思うんですね。じゃあ、今、売り場なのかと。多分3兆円――全部売ったら時価総額たしか3兆円ぐらいだったと思うんですけど、今が売り場なんですかというときには、これは不動産の売買と一緒で、売りたいというときは高く売れないで、買いたいというときは高く買わなきゃいけない、当たり前の受給の関係があると思うんですね。そうすると、まず、そこそこフローの収入があるので、今すぐ、今このタイミングで売るかというと、そうじゃないんじゃないか。今年とか来年とかに売るかと、そういう話じゃないんじゃないかと思うことが1つと、もう1つは、今年から数年間で約4兆円の売却収入を見込んでいると言われている日本郵政の民営化があると。そうすると、マーケットというのも疲れて、民営化疲れというのが出てくる。というか、民営化に飽きてくるみたいな話というのが必ずあって、数年間で4兆のキャピタライゼーションがあったときに、今みたいにずっと基本いい調子のマーケットならいいですけども、何が起こるかわかりませんよね。石油価格がまた90ドルだ何だってないとは言えないかもしれないし、為替だってわからないというような状況の中で、もういいやと、もうゆうちょを買ったし、みたいなムードになったっておかしくないわけですね。そうすると、これは連続で――郵政があって、その後続いてJTがあるとなると、日本の年間の社債の発行総額ぐらいになっちゃうものが数年間で出てくるというものがマーケットとして果たしてアクセプタブルなのかなという部分もやや疑問に思います。

したがって、大きな方向として民営化だし、それは100%売ると、いずれですね。それはもうはっきり決まっていることでいいんですけど、じゃあ、今年とか来年かというと、そのタイミングではないんじゃないかという、まず財政の観点からそう思います。

さらに根っこなのは、そのJT株式保有の在り方のところでありまして、さっきもちょっと申しましたように、これ、たばこ事業法というもののあり方をきっちり決めないとこの答えは多分出てこないというのが私の理解なんですね。前回、23年度のときの分科会でやっぱり根幹にかかわる議論というのが、JT株式保有のあり方にかかわってくるところがまだ生煮えの状況で、JT、そうなるとこの間のグラデーション、要するに3分の1を切っていったときってよくわからない世界だというところがある状況で、じゃあ、売ります、分配額を含めて売りますということの結論は、ちょっと今の段階では出せないんじゃないかというのが私の考え方です。

〔 桐野分科会長 〕宮島委員、どうぞ。

〔 宮島専門委員 〕まず、財政的なことに関しては、もう本当に皆さんおっしゃるとおりで、今がいいかどうかという、そこの判断だと思うんですけど、もう1つ私たちが本当は議論する上で情報が欲しいのは、緊急事態対応のための財源なわけだから、今がどのくらい緊急かという情報が必要なんです。もともと今回の復興財源を考慮しての議論だったと思うんですけれども、例えばどの家庭でも明らかにある資産をずっと持っていたほうがいいけど、ものすごい危機でとりあえず何でもあるものを売らなくちゃいけないというような事態はあり得るわけで、今必要な復興財源に対して――もちろん国は大きな借金を抱えているわけですが、どの程度の危機度なのかということがあまり共有できない状態だと、結局、私たちが今売るのか今売らないのかということに関してすぐに答えを出すのは難しいなと。結局のところ、一番国民に得になる売り方がいいですよねということになると思います。

2つ目は、もうこれまでの議論でも、もし売却、民営化するのであっても、本当にそのために必要な手当てや法律の議論やさまざまな検討が必要だということは今わかったわけで、もしこれを本当にちゃんと進めるんだったら、それに関してはちゃんと進めるというメッセージを取りまとめるなり文章でちゃんと書かないと、結局、慎重に検討するというふうに書くと、要するにやる気がないんだなと、この分科会としてはとりあえずやるという看板だけは掲げながら、実質的には株を持っていたいということなのかなと世の中には見えてしまうんじゃないかと思うんですね。実際3分の1になって以降、そんなにさまざまな方向での検討が進んでいるようには見えません。今すぐに決断できないとしても――少なくともこの数回で売りましょうみたいな結論は本当に難しいと私も思うんですが、一方で、慎重に検討と書いてやる気がないよと世の中の人に伝わらないためにも、一定程度の方向性とそのためにどんな手当てについてどういった検討をしていくかということを一緒に出す必要があるんじゃないかと思います。

〔 桐野分科会長 〕どうぞ。

〔 細野委員 〕実はこの論点、みんな複雑に絡まっているんですよね。一番大事なのは、この財政の点で、いわゆるジョーカーをいつ切るかということは、やっぱり非常に高度な政策判断ですよ。そのときに、確かに葉たばこ農家とか、いろんな人たちの保護というものはありますけれども、それ自身が持っている、それを維持することの政策的なコストというものとこれをやめることの政治的コストというものを比較衡量して考えたら、ここはやっぱりちょっと大人になって大局的な計算をしていかなきゃいけないだろうと。しかも、健康規制だってやっぱり財政の問題と非常に絡まっているわけですから、そうすると、コントローラビリティー、いろいろなことを考えていくといった場合に、この財政の点をどう考えるかということが重要だと思うのですね。

私たちが今議論していることは、そんなに現状維持がどうのこうのという議論ではなくもっと広く考えて、今ここで必要なのは、いろんな緊急事態に対してどういうリソースを確保していくかと、そのためにどうしようかと考えるべきなのです。政策を考えた際の一般論としては目的関数に対してはステークホルダーの思惑も考慮して、どういう制約条件を考えていくべきかが重要でしょう。政策決定するときに発生する政治的なコストも考慮しなければならない。それから制度の維持のコストも重要。ところで、JTさんにとって、葉たばこの買取を全量にしたってそんなにコストがかかっていないはずです――ただし、JTの株の保有比率がゼロ近くになったときにどういうリパーカッションが起こるかというのは当然私たちも予測しながらやらなきゃいけないと思いますが。

ですから、大同についてやって小異は捨てるという政策的な判断というものが今必要なんじゃないかなというような気はしますけどね。

〔 桐野分科会長 〕それでは、もう時間も来たので、最後に、今、細野委員からも議論がありましたが、株式保有と健康規制について。よければ、何か。角委員、どうぞ。

〔 角委員 〕ちょっと遅れてきて、すみませんでした。

私は、株式保有と健康規制というのは、実はこれからのたばこ産業をどうするかという、まさに分科会長がおっしゃっている一番の肝だと思うんですね。

それで、今まで株を国が何%持っているから規制とかいう話でどっちかというと進んできましたけれども、やっぱり今ある規制のうち健康規制からどうしても外せないものは何なのかというもの、逆に実は今ないけど入れなきゃいけないものみたいなものが私はあるんじゃないかと思いまして。ですから、それは株式保有がないと健康規制の実効性がないと、そんなに論理必然的にリンクしているものではないというふうに私は考えます。

それから、ちょっともう終わっちゃった話で恐縮ですけれども、皆さんのお話を伺っていて思うんですけれども、私も宮島委員がおっしゃったことに同意しますけど、やっぱり私は最終的にはもう完全な100%にならざるを得ないんじゃないか。この流れは、時間はわからないけど、とめられないと。そのときに、たばこという商品の特殊性に鑑みて、どこまで、国が実質としてどんな関与をしなきゃいけないか。そして、その関与を実効的にあらしめるためには株の保有以外でどんな手だてが必要なのかという、その各論の検討をするにはあまりにも時間が足りないと思うんです。だから、今、非常に時間が足りないのでわあっと、ざくっとした枠の話をしていますけれども、やっぱり一つ一つ各論でこれはどうだこれはどうだ、じゃ、これをやるときにどうやったらいいかということを地道に潰していかないと、なかなか最終的な100%民営化というときに、どういうふうにたばこ産業なり何なりをもっていくかということを示せないと思うので、やはり時間が足りない。もうちょっと細かい各論にわたって議論すべきではないかなというふうに思います。と言いながら総論的な話ですみません。

〔 桐野分科会長 〕門脇先生がおいでにならないので発言させて頂きます。日本の疾病構造が、がんが第1位になったのは1980年なんですね。旧途上国の疾病構造もだんだんダイナミックに変化しているわけで、感染症中心から、脳卒中、心筋梗塞中心の血管病型から、それからがんがふえてくるわけですけれども、当然その段階でたばこの害というのは旧途上国でも相当問題になるはずなんです。ですから、フィリップモリスもJTもグローバル企業化して、日本向けはもうあまり興味がないという、そんな感じをちょっと僕は受けるんですけども、結局、旧途上国でも同じようなサイクルが回ってきますので、やはりなかなか難しいんじゃないかなと思います。日本は合理的な健康被害に対する規制をやっていただかないと、やっぱり……。これはちょっと司会としてあまり言えないんですけども、門脇先生がおいでになれば言われるだろうと思います。

そのほか、何か。もしあれでしたら、まだ十分ではございませんけど、本日の審議はここまでということにさせていただきます。

それで、ちょっとまた非常にハイペースで回るんですけど、次回は6月16日(火曜日)開催を予定しております。本日までの3回の分科会における討議の内容を踏まえまして、分科会としての取りまとめ意見のたたき台を私と細野分科会長代理で作成し、事前に事務局経由でメールで送付いたします。

6月16日の分科会では、そのたたき台をもとに意見書のまとめの方向でご審議をいただければありがたいと思います。非常にタイトなスケジュールになり申しわけないんですけれども。

どうぞ。

〔 角委員 〕16日の分科会は何時からですか。

〔 桐野分科会長 〕10時から。よろしくお願いいたします。

以上をもちまして、本日の議事を終了いたします。

また、終了後は議事要旨、議事録、会議資料をインターネットに掲載するということにしておりますので、ご了承をお願いいたします。

どうもありがとうございました。

午後5時2分閉会

財務省の政策