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たばこ事業等分科会(平成27年5月29日開催)議事録

財政制度等審議会
たばこ事業等分科会(第29回)
議 事 録

平成27年5月29日
財政制度等審議会

財政制度等審議会 たばこ事業等分科会(第29回)議事次第

平成27年5月29日(金)10:30〜12:06

財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.財務大臣挨拶

  • 3.議事

    • ○たばこ関連産業への国の関与の在り方及び日本たばこ産業株式会社株式の国の保有の在り方について

  • 4.閉会

  • 配付資料

    資料たばこ産業を取り巻く状況
  • 出席者

    分科会長

    桐野高明

    中原理財局長

    岡本理財局次長

    飯塚理財局次長

    古谷理財局総務課長

    神田理財局たばこ塩事業室長

    委員

    荒谷裕子

    川村雄介

    細野助博

    臨時委員

    安藤光義

    江川雅子

    角   紀代恵

    専門委員

    宮島香澄

午前10時30分開会

〔 桐野分科会長 〕定刻となりましたので、ただいまから財政制度等審議会第29回たばこ事業等分科会を開催させていただきます。

ご多忙のところご出席いただきまして、本当にありがとうございます。

当分科会の開催に当たり財務大臣にご挨拶をいただきたいと思いますが、本日は財務大臣が所用でご欠席のため、中原理財局長に代読をお願いいたします。

〔 中原理財局長 〕理財局長の中原でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。

本日、大臣は所用で欠席のため、挨拶を預かってまいりましたので、代読させていただきます。

財政制度等審議会たばこ事業等分科会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

分科会の委員の諸先生方におかれましては、日ごろよりたばこ事業等に関しまして有意義なご意見を多々賜り、ありがとうございます。

さて、現在、政府におきましては、復興期間の後半5年間である復興・創生期間、すなわち平成28年度から平成32年度の復興支援の枠組みにつきまして、財政健全化計画との関係にも留意しつつ、6月末までに策定する方針であります。これに向けて、現在、復興費用や財源の在り方について見直しを行っているところです。

平成23年の復興財確法附則におきましては、政府は、集中復興期間、すなわち平成23年度から平成27年度に係る復興費用や財源の在り方について見直しを行うに際しまして、JTの株式につきまして、「たばこ事業法等に基づくたばこ関連産業への国の関与の在り方を勘案し、その保有の在り方を見直すことによる処分の可能性について検討を行うこと」とされており、また、その検討に際しては、衆参両院における同法の附帯決議において、「葉たばこ農家や小売店への影響等を十分見極めること」とされております。

平成23年の復興財確法におきまして、集中復興期間における復興財源確保のための一方策として、JT株式の政府保有義務割合を従来の「2分の1以上」から「3分の1超」へ引き下げた際には、当分科会においてご審議をいただき、意見書を取りまとめていただいたところであります。

また、その際、政府が保有するJT株式の全株売却については、国産葉たばこの全量買取契約制、JTの製造独占、小売定価の認可制、すなわち小売価格や小売マージンなどと密接な関係を有しており、たばこ法制の根幹に係る議論を行う必要があることに留意すべきであるとのご意見を当分科会から頂戴したところでございます。

今回、委員の皆様方には、たばこ事業法等に基づくたばこ関連産業への国の関与の在り方及びJT株式の保有の在り方につきまして、こうした様々な事項を総合的に勘案しつつ、幅広い観点からのご審議をお願い申し上げます。

委員の皆様に忌憚のない活発なご議論をお願い申し上げまして、私の挨拶にかえさせていただきます。

以上、大臣の挨拶を代読させていただきました。

〔 桐野分科会長 〕どうもありがとうございました。

本日は、村上委員、門脇委員、牛窪委員は欠席されるというご連絡をいただいております。

それでは、本日の議事に入らせていただきます。

まず、資料につきまして、神田たばこ塩事業室長よりご説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。

〔 神田理財局たばこ塩事業室長 〕たばこ塩事業室の神田でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、お手元にお配りしております資料「たばこ産業を取り巻く状況」につきまして、私からご説明をさせていただきたいと思います。

まず、今般ご審議いただくことになりました背景、事情についてでございます。資料の1ページをご覧ください。平成23年に成立いたしました東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法、いわゆる復興財確法の附則第12条におきまして、まず、適当な時期において、東日本大震災からの復興の状況等を勘案して、復興費用の在り方及び復興施策に必要な財源を確保するための各般の措置の在り方について見直しを行うこととされております。同法附則第13条におきまして、第12条の見直しを行うに際し、平成23年度から平成34年度までの間において2兆円に相当する金額の償還費用の財源に充てる収入を確保することを旨といたしまして、第1号で、「日本たばこ産業株式会社の株式について、たばこ事業法等に基づくたばこ関連産業への国の関与の在り方を勘案し、その保有の在り方を見直すことによる処分の可能性について検討を行うこと。」とされているところでございます。

次に2ページでございますが、復興財確法の審議におきましては附帯決議が付されておりまして、下から3行目でございますが、その検討に当たって「たばこ事業法等に基づくたばこ関連産業への国の関与の在り方を勘案」する際には、葉たばこ農家や小売店への影響等を十分に見極めることとされております。そのため、現在、政府におきましては、平成28年度以降の復興支援の枠組みについて検討しておりまして、これまでの復興費用や財源の在り方について見直しを行っているところでございます。本分科会におきましては、復興財確法の規定に沿って、たばこ関連産業への国の関与の在り方及び日本たばこ産業株式会社株式の国の保有の在り方につきましてご審議いただき、忌憚のないご意見を賜れればと考えているところでございます。

資料の3ページは参考として、現在の復興財源フレームの図をつけております。

次に、JT株式の政府保有の在り方に関するこれまでの議論につきましてご説明を申し上げます。

資料4ページでございます。まず、昭和57年の臨時行政調査会における議論でございますが、行政改革に関する第3次答申におきましては、アの「基本的考え方」の(イ)でございますけれども、当時、専売公社が抱えておりました問題として、マル2の葉たばこの過剰在庫の問題、マル3の葉たばこの内外価格差という、いわゆる国産葉たばこ問題が指摘をされております。

こういった中で、次の5ページ、(エ)の部分でございますが、マル1、葉たばこの調達を需給状況に応じて企業的に行えるよう制度の改善を図っていく必要があるといった課題が指摘されまして、イの「経営形態の変更」でございますけれども、経営形態は基本的には民営とすべきである。「しかし、たばこ耕作者、流通業界等への影響に配慮しつつ段階的に葉たばこ等の問題を解決し、また、逐次要員の合理化を行う必要があるため、当面、政府が株式を保有する特殊会社とする。」とされております。(イ)の部分でございますけれども、「国産葉たばこ問題が解決され、特殊会社の経営基盤が強化された段階で製造独占を廃止し、特殊会社を民営会社とする。」とされておりまして、国産葉たばこ問題と製造独占については表裏一体の関係にあると考えられ、政府の株式保有についてもこれらと一体のものと捉えられ、整理されているところでございます。

資料6ページでございます。平成13年の当審議会における議論でございます。当審議会で取りまとめいただきました中間報告におきまして、第4の「国産葉たばこ問題の状況と耕作組合の考え方」の(1)ですが、先ほど申し上げました国産葉たばこ問題につきましては、過剰在庫の問題については、「JTが耕作組合と協議を行った上で実施した減反等により解消されたが、国産葉たばこ価格と国際価格との価格差については、依然として解消される目途は立っていない。」とされております。

次の7ページをご覧いただければと思います。第6の(1)、「民営化の進め方についての考え方」でございますが、「国産葉たばこ問題が解決されることが完全民営化の前提条件であるが、現段階では、この問題について解決の目途を立てることが困難な状況にあることから、現実的な対応として段階的に民営化を進めていくことが適当である」とされております。

次の8ページの「おわりに」の部分でございます。JTの完全民営化につきましては、3行目の後ろですけれども、「その前提条件としての国産葉たばこ問題が残されており、その解決は決して容易なものではないが、関係者がそれぞれの責任において、その対応を検討し、完全民営化の実現に向けた取組みを進めていくことが望まれる。」と結んでいただいております。

次に、9ページでございます。平成23年の当審議会における議論でございます。3のところにありますけれども、当時、「政府保有義務を「3分の1超」まで引き下げることについての関係者の考え方」ということで、関係者としてJT、全国たばこ耕作組合中央会、全国たばこ販売協同組合連合会、それぞれからヒアリングを行いました。

次の10ページ、4のところで、政府保有義務を3分の1超まで引き下げた場合であっても一定の公的関与を確保するために必要な最低限度は確保されているので、たばこ事業法に基づく現行の制度的枠組みに変更を加える必要はないということで整理をされております。

また、次の11ページをご覧いただきますと、「おわりに」の部分で2つ目の段落で、政府が保有するJT株式の全株売却については、国産葉たばこの全量買取契約制、JTの製造独占、小売定価の認可制等と密接な関係を有しており、たばこ法制の根幹に係る議論を行う必要があることに留意すべきであるということで結んでいただいております。

続きまして、我が国たばこ関連産業の現状についての資料を説明させていただきます。12ページでございます。我が国のたばこ関連産業の構造を概観いたしますと、関係者としては、葉たばこを生産する農家、国内で製造たばこを製造するJT、輸入たばこを輸入する輸入卸売業者、それから小売店で構成されております。これを各段階ごとに制度面から見ますと、葉たばこ農家に対しては、葉たばこ生産の枠の下に書いてございますけれども、JTによる葉たばこの全量買取りが行われております。また、葉たばこの全量買取りを行いますJTには、製造たばこの国内製造独占がたばこ事業法において措置されているところでございます。JTから下に矢印が出ているところに書いてございますけれども、この製造独占による弊害防止措置として、JTからの卸売価格については最高販売価格による販売として財務大臣の認可に係らしめられております。また、小売店の販売価格については、小売店から下に矢印が出ている部分でございますけれども、小売定価による販売ということで、こちらも財務大臣の認可に係らしめられております。この卸売価格と小売定価の差額が小売店にとってのマージンとなっておりまして、小売定価の10%が保証されているということでございます。また、小売の枠の左上に書いてございますけれども、小売店の開設には財務大臣の許可が必要になっているところでございます。

次の13ページから、先ほどのたばこ事業における各制度について法律上の文言を記載しております。13ページでございますけれども、たばこ事業法第1条においてたばこ事業法の目的として、「たばこ専売制度の廃止に伴い、製造たばこに係る租税が財政収入において占める地位等にかんがみ、製造たばこの原料用としての国内産の葉たばこの生産及び買入れ並びに製造たばこの製造及び販売の事業等に関し所要の調整を行うことにより、我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もつて財政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」と定められております。次の第3条、第4条、第7条においては、JTは、原料用に国内産葉たばこの買入れを行おうとする場合には、JT内に置かれている葉たばこ審議会の意見を尊重して葉たばこ耕作者と契約を締結することとし、JTは、その契約に基づいて生産された葉たばこについては、製造たばこの原料の用に適さないものを除いて全て買い入れることが定められております。

次に、14ページをご覧いただきまして、第8条において、製造たばこは、会社でなければ製造してはならないとされており、JTの製造独占が規定されております。次の第9条でございますけれども、JTが卸売販売業者に製造たばこを販売する場合に、最高販売価格を定めて財務大臣の認可を受けることとされておりまして、卸売価格の上限制がここで規定されております。

次の15ページでございますけれども、第22条において、製造たばこの小売販売について、当分の間、営業所ごとに財務大臣の許可が必要とされております。また、第33条において、会社や特定販売業者が製造たばこを販売する場合には、当分の間、小売定価を定めて財務大臣の認可を受ける必要があるとされております。先ほどの第9条の卸売価格の上限とこの小売定価の差額が小売店のマージンとなっているということでございます。

次の16ページからは日本たばこ産業株式会社法(JT法)でございます。まず、第1条では、JTは、たばこ事業法第1条の目的を達成するために、製造たばこの製造、販売及び輸入に関する事業を経営することを目的とする株式会社とするとされております。第2条第1項において政府の株式保有義務を規定しており、政府は、常時、JTが発行している株式の総数の3分の1を超える株式を保有していなければならないとされております。第2条第2項以下ではJTに対する認可事項が規定されております。第2条第2項は新株の発行について、次の17ページ、第5条は本来業務以外の目的達成業務の追加、第7条は取締役等の選・解任、第8条は定款変更、剰余金処分、合併、分割、解散、第9条は事業計画の策定、変更。次の18ページ、第11条は重要な財産の譲渡等については財務大臣の認可が必要となっております。また、第12条で、JTは、財務大臣がJT法、また、たばこ事業法の定めるところに従い監督するとされております。

次の19ページ、紙巻たばこの販売数量ですが、喫煙人口の減少傾向を背景といたしまして、平成8年度をピークに減少傾向にございます。平成25年度については、平成26年4月からの消費税の引き上げに伴う駆け込み需要の影響もございまして前年度比0.9%増となりましたけれども、その分、平成26年度に反動減がございまして、平成26年度については前年度比9%減の1,793億本となっております。また、国産品と輸入品の関係については、JT発足当時、昭和60年度は、表中に枠がございますけれども、国産品のシェアが97.6%でございましたが平成26年度は59.9%で、輸入品のシェアは年々増加しているところでございます。

次の20ページ、たばこ税収でございます。紙巻たばこの販売数量は減少してきているわけでございますけれども、一方で、たばこ税については、税率の引き上げ等もございまして、国、地方合わせて2兆円台でおおむね安定的に推移しているところでございます。

次に21ページでございます。我が国たばこ関連産業を取り巻く国際的な状況について2点ほどご説明させていただきます。まず1点目でございます。2月の分科会でも報告させていただきましたが、たばこの健康に対する悪影響を減らして人々の健康を改善することを目指し、各国の実情を踏まえたばこに関する規制を行うことについて定めました、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約がWHOにおいて採択され、我が国も2004年に本条約を締結し、2005年から条約が発効しております。本年1月現在の締約国は約180カ国に達しております。昨年10月にロシアで第6回の締約国会合が開催されておりまして、国際的にもたばこに対する規制は厳しくなっていく状況にございます。

次の22ページ、2点目でございます。我が国たばこ関連産業を取り巻く国際的な状況といたしまして、世界的なたばこ関連企業の再編がございます。1990年代の後半以降、活発に世界的な企業の再編が行われておりまして、大手企業グループに集約されていっており、そうした中でJTは、RJRインターナショナルやギャラハー社などの買収を行いまして、第1位のフィリップモリス、第2位のブリティッシュ・アメリカン・タバコに次ぐ第3位の地位を確立している状況でございます。このように世界主要たばこ企業において再編が進展するなど、JTを取り巻く経営環境も変化しております。そうした中で、政府によるこれまでの株式売却も進んで、JTの株主の過半が既に民間株主となっていることから、JTについては、その経営方針について株主に十分理解を得られるよう、コミュニケーションをとることが一層重要となってきていると言えるかと思っております。

次の23ページ、葉たばこ耕作の現状についてでございます。葉たばこ耕作に関しましては、JTの発足当初から比べまして、耕作面積また生産額については5分の1の水準まで減少するなど減少傾向にございます。農家戸数については、1割を下回るような水準まで減少しておりますけれども、生産が減少する一方で1戸当たりの面積は拡大しておりまして、一定の集約化も進んでいる状況にございます。

次の24ページでございますけれども、我が国の葉たばこ生産については、主に九州、沖縄や東北など特定の地域に偏在しているところでございます。また、地域ごとの生産特性がございまして、九州、沖縄においては比較的集約化が進んで、1戸当たりの生産額、面積は全国平均よりも大きい傾向にございますけれども、東北につきましては全国平均よりも低いといった傾向がございます。

また、次の25ページに分布がございますけれども、例えば沖縄におきましては、沖縄本島ではなくて、宮古島においてたばこ耕作が盛んに行われているなど、依然として中山間地域、あるいは、沖縄、宮古島といった島しょ部においては非常に貴重な農産品となっているところでございます。

資料26ページでございます。昭和57年の臨調答申以来指摘されてきておりました国産葉たばこ問題については、現在に至りましても国産葉たばこ価格と国際価格との価格差については依然として解消されるめどは立っておりません。

次の27ページにもございますけれども、JTと耕作者の協力によります品質向上の取り組みなどにより生産性の向上は進んできておりますが、JT発足当時と比べて為替レートが円高となったことなどの影響にも留意する必要があるかと思っております。

次の28ページが小売店の現状でございます。小売店については、JT発足当時26万7,000店でございまして、平成26年度も26万5,000店ということで大きな変化はございません。ただし、近年は廃業店数が新規出店を上回っておりまして、全体としては減少傾向にあるということでございます。

次の29ページでございますが、こうした中で、いわゆる街のたばこ屋さんといいますか、全国たばこ販売協同組合連合会に加入している小売店の数は、JT発足当時は、販売店のほとんど22万8,000店が組合に参加していましたが、直近の平成26年度では6万9,000店と大きく減少しているような状況にございます。

次の30ページでございます。財務省で5年に1度、たばこ小売販売業経営実態調査を行っておりまして、この調査結果を見ますと、小売業の中で売上規模の小さな事業者の占める割合が年々増加している傾向がございます。

こうした背景といたしましては、年々コンビニエンスストアによる販売割合が増加しておりまして、こういった事業環境の変化もあると考えております。資料の31ページをご覧いただければと思います。JT株式の経緯や状況についてご説明いたします。

JTの沿革といたしまして、まず前身の日本専売公社が昭和24年に設立されたわけでございますが、その後、昭和57年に臨時行政調査会の答申が出されまして、昭和59年にJT法が成立しております。その際、JT株式の政府保有義務は、法律の本則では発行済株式総数の2分の1以上、附則で当分の間3分の2以上とされておりました。昭和60年のJT発足時に専売制が廃止され、輸入たばこの自由化も順次進められてきたところでございます。その後、平成6年以降、JT株式について第1次、第2次と売却が進められております。また、平成11年においてはJTがRJRインターナショナルの買収を行うなど、JTの海外展開も進められてきております。平成13年におきましては、当審議会でJTの民営化の進め方に関する中間報告をまとめていただきまして、これを受けて平成14年にJT法を改正し、JT株式の政府保有義務について、設立時発行総数の2分の1以上かつ発行済株式総数の3分の1以上とされております。平成16年には、そのJT法改正を受けまして株式の第3次売却が行われております。平成19年にはJTが英国のギャラハー社の買収を行っておりまして、海外事業の強化も図られております。平成23年には、震災からの復興事業の財源として、復興財確法においてJT株式の政府保有義務が2分の1以上から3分の1超まで引き下げられ、その保有義務を上回る部分を復興財源に充当することとされたところでございます。その際、当分科会で意見書を取りまとめていただいております。その後、平成25年には、3分の1超に引き下げられた政府保有義務を上回る部分、6分の1相当について第4次売却を行いまして、現在に至っているところでございます。

次の32ページは、ただいまご説明した経緯の中の株式の売却部分のみをまとめさせていただいているものでございます。

次の33ページでございますけれども、議決権の保有比率と会社法上の主な権利について整理させていただいたものでございます。会社法においては、3分の2以上の議決権を保有することによって、会社の解散、分割、定款変更、事業の全部又は重要な一部の譲渡などの特別決議が可能となります。また、2分の1超の議決権を保有することによって、取締役の選・解任、役員の報酬、剰余金の処分などの普通決議が可能となるわけでございます。逆に申し上げますと、2分の1以上の議決権を保有することによって普通決議に対する拒否権が、また、3分の1超の議決権を保有することによって、特別決議に対する拒否権を保持するという関係になります。

次の34ページでございます。JTの上場以来の株価の推移でございます。ご覧いただきますと、平成16年6月の第3次売却以降はおおむね日経平均の株価と同様の動きをしております。今年5月25日には、上場以来最高値であります4,700.5円を記録しております。

次の35ページでございます。JTの株主構成でございますけれども、JTの有価証券報告書によりますと、財務大臣が3分の1を保有しているほか、外国法人等が33.6%、金融機関が15.87%と続いております。真ん中の表は、政府の保有分を除いたベースで整理しておりますけれども、そういたしますと、外国法人等が50.45%ということで過半を占めております。右側に参考として東証一部上場企業の株主構成を載せておりますけれども、それと比較しても外国法人等による保有が多く、金融機関の割合はおおむね同水準、個人はかなり少ないことになっております。

次の36ページに大株主の状況を載せてございますけれども、財務大臣を除くと、大株主のほとんどが信託銀行の信託口でございまして、それも日系と海外所在の金融機関がございます。信託口は年金基金やファンド等の機関投資家が活用するのが一般的とされておりますけれども、機関投資家については、近年、従来にも増して、透明な枠組みのもとで、対話を通じて企業の持続的成長を促すことが求められるようになってきておるものと承知しております。

次の37ページでございますけれども、配当金の状況でございます。JTは昭和61年から配当を開始しておりまして、利益の拡大に伴って徐々に配当額も増やしてきているところでございます。JTの平成26事業年度の配当金は、政府に667億円を配当しているということでございます。また、平成27年度の見込みにつきましては、本年2月にJTが公表いたしました1株当たり108円という配当予想に現在の政府が保有している株式数を単純に掛け合わせて算出いたしますと720億円になります。これらを考慮いたしますと、近年は数百億規模で推移し、また増加傾向にあると言えるのではないかということでございます。

次の38ページでございます。最後に、参考といたしまして、産業投資の仕組みを添付してございます。JTからの配当金収入につきましては、財政投融資特別会計投資勘定の収入となっておりまして、産業投資に活用されているところでございます。具体的には、成長のためのリスクマネー供給といたしまして、資源開発、我が国企業の海外進出支援、オープンイノベーション支援、地域活性化支援といった目的のために、様々な事業への投資財源として活用させていただいているところでございます。

資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

〔 桐野分科会長 〕どうもありがとうございました。

それでは、今説明をいただいた内容について、本日は委員の方からいろいろご意見をいただきたいというふうに思います。どのような内容でも結構です。どなたからでも結構です。何かございますか。急にそう申し上げても始まりにくいかもしれませんが、復興財源確保法(財確法)との関連において、たばこ関連産業への国の関与の在り方に関して相当大きな影響のあることになる可能性があります。そういう場合に、今の説明でも出てきましたけれども、たばこ行政の根幹に関わる議論に恐らくなると思いますし、かなりいろいろ多岐にわたるご意見をいただいておく必要があるだろうと思います。例えば葉たばこ農家の保護の問題、小売店への影響というか、保護の問題、それから健康の観点からたばこ規制とたばこ関連産業の保護についてどう思うか。完全民営化、つまり株を全量売却することになるといろいろな影響が出てまいりますけれども、それをどうお考えになるかということで、一言でこれを論評するのは難しいだろうと思うので、どの切り口からでも結構です。いかがでしょうか。

〔 川村委員 〕葉たばこの全量買取義務、製造原価、販売価格、そして流通という、いわば、国内で数少ない、非常に規制されている政府主導のこの仕組みがどういう状況になったら解除されるのか。つまり、端的に言うと、例えば、現在3分の1超という政府の保有がゼロになった場合、1株でも政府が持っていれば今のこういう規制された体系は崩れないという理解でよいのか。その次に、ゼロになった場合に自動的にそこが解除されるのか。そうではなくて、政府の保有株式がゼロになっても、今の規制体系というのは、別途、法改正なり議論を要するという理解であるのか。それから、買取義務と価格の問題と流通という3点セットというか、ここのところが一気通貫で一つの規制レベルなのか、重畳的、重層的に絡んでいる規制の話なのか。健康被害の問題と別に制度的なたてつけの部分から、そこが混乱すると、今後いろいろ論点を出していくに当たっても理解がもし違ってしまうとこんがらがるので、そこを簡単にもう一回整理をいただけますでしょうか。

〔 桐野分科会長 〕それは事務局から答えていただけますか。一言では多分答えにくいだろうと思います。

〔 神田理財局たばこ塩事業室長 〕まず、政府が1株でも持っていれば今の仕組みは足りるのかということですけれども、そこはまさにご議論のあるところだと思います。JTに対する関与の在り方として、どの程度の関与があれば国産葉たばこの全量買取りなどの実行がうまくいくのか。一方で、JT株式の保有が、JTがたばこ事業法に基づいて行う業務を適正に運営していくことを担保するためだといたしますと、1株あれば足りるのかというのはまさに議論になるところだと思っております。また、ゼロになりますと自動的に他の規制もなくなってしまうのかということにつきましては、当然、ゼロになったときにJTがどういう形態になるのかということを前提といたしまして、そのときにたばこ事業法制をどうするかというのは、ゼロから議論した上で新しい制度をどう考えていくかということになると思っておりますので、単純にJT法を廃止すると当然にたばこ事業法も廃止になるということではないと思いますけれども、どういう制度にするかというのを議論して新しい制度を考えていかなければいけないと思っております。

〔 岡本理財局次長 〕現行たばこ法制の理解といたしまして、国産葉たばこの全量買取りというのは、たばこ事業法で義務付けられているものではなく、先ほど申しましたような全量買取契約であり、契約を締結するに当たっては葉たばこ審議会の意見を尊重し、契約を締結した葉たばこについては全量買い取らなければならないとなっております。

ただ、国産葉たばこについて全量買取りすべしということが法律で義務付けられているわけではないものですから、もし割高な国産葉たばこを全量買い取るのはいかがなものかという意見が株主からあって、株主の意向に沿った経営陣が全量は買い取らないという判断をしたときに、法律違反ではないものですから、JTに対し命令することは難しいのではないか。結局、政府はJTの大株主であり、経営に対する影響力を保持することによって全量買取りが担保されているのではないか。その割高な国産葉たばこを全量買い取るJTの経営上の負担に鑑みて、たばこ事業法ではJTの国内製造独占が措置されている。その国内製造独占の弊害防止措置として、JTから小売店に対する卸売価格について上限が認可に係らしめられている。小売定価についても認可に係らしめられているので、小売定価の10%がマージンとして保証されている。JT株式を政府が保有することによって、葉たばこ農家や零細小売店の保護という政策目的を事実上担保しているという現行たばこ法制の仕組みになっているのではないか。

したがって、JT株式をどこまで売却したら、現行たばこ法制の仕組みがどうなるのか、いろいろなご意見をお伺いさせていただきたいということでございます。

〔 江川臨時委員 〕今のご説明にあったように、これまでやってきた葉たばこ農家の保護、それから小売店の定価の認可制度などが全部複雑に絡まっているので、ここでしっかり議論しなければいけないことは、それぞれの仕組みの目的に立ち返って、それがどういうやり方だったらこういう形でその目的を達成できますというメニューというか、選択肢を一応出していただいて、そのバランスの中で考えていくかしかないと思います。JTの方から、仮に政府が株を持っていなくても、葉たばこ農家としっかり契約をすることによって同じような保護はできると聞いたことがあるんですね。でも、一方で、完全民営化した後、たばこ製造会社に対してそういうことを義務付けるのは貿易自由化の原則に反するのではないかという議論もあるようですし、本質的あるいは根幹的な議論になったときは、いろいろな前提条件を一応全部外して、こういう可能性があるというふうに一つ一つ整理していかないと、この問題は解けないのではないかと思います。仮にそういうふうに議論すること自体が株を売ることが前提であると思われるといけないので、それはあくまでも頭の体操だということで議論する必要があると思います。

なぜそう思うかというと、この分科会でも葉たばこ農家の話は随分議論してきたのですけれども、今お伺いしていると、例えば小売店の定価の話も小規模な小売店とコンビニとでは随分インパクトが違うように思います。それから、健康被害、健康に対するインパクトもどういう形で規制ができるのか、そういうのも私もよく分かっておりませんので、そういうことも知りたいと思います。それから、完全民間会社になった場合には、ちゃんと完全民間の会社として経営されることが望ましいと思います。現在コーポレートガバナンスに関していろいろな議論がありますけれども、株式売り出しで株主構成がどんどん変わっていくとか、経営にインパクトを与えるステークホルダーが随分変わってくることも考えられますが、そういうことに関して、逆に変な形で規制をするのはかえっておかしなことになると思います。そういう意味で、一つ一つに関して整理して考えないと、今は政府が株を持っていることを前提に全部が絡み合っているということで、私も全部をうまく整理して意見を述べることができないので、少しその辺を整理して教えていただければと思います。

〔 細野委員 〕私も随分この審議会で勉強させていただいていますけれども、審議会のそもそものスタートは、1つは社会的規制をどうするか。国際的な観点から日本として枠組条約にどう対処するかという話の中で、JTさんのコントローラビリティーをどうやったら社会的規制にうまくのせられるか、こういう話で進んで来たと感じております。先ほどステークホルダーの話がありましたけれども、ステークホルダーも非常に多岐にわたって存在している。特にさっきのJTさんの株の構成を見ますと外資が結構入ってきまして、国内的な政策を考える場合にかなりコントローラビリティーが減じられているわけですね。今、我々国民もステークホルダーの一人とすると、社会的規制の効果の観点から国内の喫煙需要をコントロールし、かつ税収を増加させると言う観点から価格の弾力性などを考えながら、財政収入に対して非常に資するような形で価格を決定したり、いろいろ検討したりしているわけですけれども、これもやっぱり認可制というものがあるからこそこれが機動的にできるというようなこともあります。そういうことをもろもろ考えますと、今度の株式保有の比率をどうするかという問題は、とても重要だと思うんですね。

枠組条約締約国の間でも、締約してからの日本の喫煙に関する規制はどうなっているんだという話がでてくるわけです。つまり、JTさんはグローバル市場においても売上高は3位でございますから、かなりの市場影響力がある。ただし、これはもうグローバル企業になってらっしゃるから、外国も非常に注目するわけです。この前の審議会でも私は、社会的規制と同時にJTさんの多角化、健全な形で――健全と言ったかどうか分かりませんけれども、たばこだけに依存するのではなくて、もっと別な多角化をしながらJTさんの持続可能性を考慮した次のステップの会社成長にずっと期待していると言ったわけです。でも、どちらかというと株主が強くなっていますから、短期利益重視のたばこ専業のほうに思った以上に傾斜している。そうすると、我々の社会的規制ということを考えた場合、どうなのだろうか。でも、それは国としてどう考えるかというところに跳ね返ってくる問題でもあるので、そこのところはちゃんとしなければいけないだろうと思います。

業態別の販売構成比については、平成19年から20年、ぐっとコンビニさんのシェアが上がっていると聞きました。つまり、自販機型から対面型の販売のほうにずっとシフトしたということですね。それは、我々の議論の中で、自販機は青少年に対して自由にアクセスできる機会を与えるから、これはだめよ。だから、taspoというものとかいろいろな規制手段を考えながら社会的規制の実効化を図ってきたわけです。そのあたりのこともやっぱり考えなければいけない。

では、川村委員がおっしゃったように、国の株保有がゼロとか1株でもいいかという場合には、財務省のこの審議会の中でいろいろ議論してきた役割が他の府省のところに移るのだろうか。例えば厚生労働省とかなんかに行くとしますね。そういうときに現在と同じようにコントローラビリティーが働くかどうかということもやはり私たちは考えなければいけない。国内には様々なステークホルダーがいますから、健康だけの話ではないですし、同様に重要な論点として財政上の話もある。

それから、政治的には葉たばこ農家の問題がございます。私、先ほどご報告をお聞きしまして、九州とか南のほうは結構大規模化している、生産性も上がっている農家が出てきております。つまり、これはコアとなるような、つまり転作よりもむしろこれに専業するような農家だけが残って、あと周辺がどんどんやめているということですね。非常にコアだと思います。コアだということは、それだけ政治的な意味合いも非常に強い。このあたりのことも勘案していかないといけないのではないかと思います。

〔 荒谷委員 〕JT法・たばこ事業法等については、正確に理解していないかもしれませんけれども、会社法の専門家の立場からちょっと考えを述べさせていただきたいと思います。3分の1というのは非常に重要なラインでして、3分の1を下回ってしまいますと、恐らくゼロであっても3分の1でもあまり変わらないというくらい大きな分岐点に来ていると思います。資料を拝見いたしますと、JT法で取締役の選・解任ですとか、合併、事業譲渡等については国に許認可権がありますので、そこで制約がかかっておりますけれども、もしも仮に完全民営化のほうに移行してJT法が改正されることになりますと、歯止めはきかなくなりますので、たばこ農家を保護するとか、そういう論法は多分、今の株主構成でも通用しなくなると思います。恐らく国の政策転換とちょうどリンクする問題だと思いますので、慎重に議論をしないと取り返しのつかないことになると思います。私はどちらの立場にも立っておりませんけれども、健康被害を考える立場と、葉たばこ農家を考える立場、あと、規制を緩和して民営化するという3つの要望があると致しますと、そのどこにウエイトを置くのかということは、国が考える問題で私たちが考えるものではないような気がするのですけれども。

もしも民営化のほうにかなりシフトするのであるならば、JT法なり定款の中に少なくとも何らかの買収防衛策を盛り込んでおく必要があると思います。

〔 宮島専門委員 〕やはり大きな転換になり得ると私も思っておりまして、それぞれの要素を動かした場合に具体的にはどういった変化があり得るのかということを、ヒアリングを含めて丁寧にしたいと思います。特に前回、3分の1にするときの議論も覚えていますけれども、あのときは、3分の1持っていれば大きな意味での株主としてのところには差がないということで、JTの方とか、葉たばこ農家の方とか、それぞれ意見を聞きました。今回そもそもここを変えるとなると、たばこ事業に対して国民がどう思っていて、国にとってたばこ事業が何であるのかというところまで一旦立ち返るぐらいのことが必要だと思います。

もう一回たばこ事業法を今拝見しますと、目的のところは明確に経済要因が載っていて、「財政収入において占める地位にかんがみ」とあって、財政収入の安定的確保と国民経済の健全な発展がたばこ事業法の目的なんですね。今回それに対して議論が出てきたのは、復興財源というものがあり、復興の財源も国にとって必要である。だから、経済要因だけで言えば、このまま同じ状況を続けて今の税収を確保し続けることによる国民の幸せと、でも、これだけの復興の財源が必要で、ほかからの調達が難しい中で、その安定性をもしかしたら少し揺るがすことになっても財源として必要かという経済的要因が国民にとってどうかという点があると思います。

また、グラフを見ると思いますように、状況が変わってきているところはあって、これだけ葉たばこ農家が減ってしまいますと、文化として守る必要があることは十分理解しつつも、一体、これだけ少数の人をどれだけ大きな枠組みで守るのかという気にもちょっとなったり。あと、一般の若い人たちはみんなコンビニで買っているなという感覚が私にあって、一般の小売店をどこまで重く見るかというのもある。どんどんパイが小さくなる母集団を守るために、国民全体の動きを合わせることのバランスがどうなのかというのも考えます。もちろん、いや、もう少ないから要らないんだと言うつもりではなくて、ここまで国民の意識が変わってきたのであれば、もう一回この人たちを保護する必要、今の規制を守る必要を国民に説明できないといけないぐらいの段階なのかなというふうにも思っておりまして、全体としてたばこ行政そのもの、たばこ事業そのものへの姿勢を考える局面だと思っております。

〔 角臨時委員 〕私も3分の1というのはぎりぎりかなという気がしておりまして、荒谷委員がご専門ですけれども、切ったらもう同じ。1株持っていようが、6分の1持っていようが変わらないんだと思います。株主構成を見ておりますと、このまま100%放出、全部ということになると、外国株主がこの割合で過半を占めることが予想される。そうなると、今までみたいなある種のあうんの呼吸みたいなことは絶対に無理で、最終的に実質としてどうしたいかという形と、その形を制度として担保するためにはどういう法制を書かなければいけないかということを、まあまあ何とかなるだろうじゃなくて、非常に制度論で固めないといけないかなと思います。その意味では、例えば今まで葉たばこは、制度上はJTが買わないと言えばそれまでだったわけですけれども、今の経営陣はないだろうし、国が3分の1持っているからないだろうみたいな話で、何となくだましだましやってきたところがあるんですけれども、もしも100%完全な民営化になるといった場合には絶対そんなことは通用しないという形で制度を書かないといけない。

そのためには、最終的に実質としてどういう絵を描くのか。これは、先ほど江川委員がおっしゃったように、頭の体操としてという話のスタンスが大切だと思います。そうすると、もしも100%民営化になった場合にどういう絵にするかということは、一体どこがキャスティングボートをというか、どこが責任を持って決めるのかというのがちょっとまだ……。もちろん、いろいろなステークホルダーがいっぱいあるのは分かるんですけれども、そういうことは抜きにして、制度としてどこが最終的に絵を描く責任を持つところなのかというのがずっと気になっているので、教えていただきたいと思います。

〔 桐野分科会長 〕今の問題が今の時点で答えられますか。

〔 岡本理財局次長 〕JT法とたばこ事業法を所管しているのは財務省になります。それらを改正することになれば、たばこ事業等分科会を開催いたしまして、先生方のご意見を頂戴して改正することになると思います。

〔 桐野分科会長 〕今のから発展していろいろな議論が出てくると思いますが、まずは皆さんのご意見を。

〔 安藤臨時委員 〕たばこの生産農家の話を少ししたいと思います。資料の24ページにたばこの主産地上位10県が出ています。このようにたばこの生産地はかなり地域分化が進んでいて、たばこを作っている地域にとってはかなり重要な品目になっていることが分かります。それから、先ほどご指摘がありましたように、たばこ作経営の規模拡大が進んでいて、大きな農家はそれで生計を立てている状況にあります。例えば雲仙・島原の復興地でも相当に大規模なたばこ農家がいて、それが地域の畑を再生し守っているケースがかなりあるわけです。こうした状況をもう少しブレークダウンしてみて、例えば熊本県でもどの市町村にたばこ生産が集中しているかをみる必要があると思います。市町村別にかなりのばらつきがあると思います。その作業を行うことで、県レベルからさらに市町村レベルにまで生産地の絞り込みがある程度できるのではないでしょうか。それによってどのような地域に本当に影響が出るかをもう少し詰められると思います。そうした作業をしてみてはどうでしょうかというのが私からの提案になります。

そして、たばこはイノシシや猿には食べられません。鳥獣の被害を受けない作物です。そのため中山間地域では重要な現金収入の獲得作物になっています。そして、たばことソバの輪作といった旧来からの土地利用があります。そうした伝統的な土地利用が、茨城県の山間地域や、あるいは島根県にもそうしたものがあるかもしれませんが、中山間地域では伝統的な土地利用として畑が守られてきた歴史があります。そうしたところを、もう少し町村を分けて検討してみてはどうでしょうか。例えばコンニャクの生産などは群馬県に集中していますが、さらにその中の特定の市町村に集中していると思いますが、それによって「ここではたばこ作は不可欠となっている」といった議論ができていると思いますが、たばこについて同様のことが言えるのではないかと思います。もう少し土地利用の現状を見ていただければというのが私からのお願いとなります。そうした状況が、もし県の全域に広がっているとすれば対応を考えなければなりませんが、ある市町村に限定的な状況だとすれば、それを踏まえた対策は考えられるかもしれない可能性があるということです。

もう1点です。こちらの問題について私は素人ですが、健康への影響は非常に大きいと思っています。少し話がそれるかもしれませんが、投資家保護という動きが世界的に強くなってきていると思いますが、FCTCをアメリカは未締結なのですね。そうすると、アメリカの企業、あるいはアメリカの企業の株式を持っている方々の意向が日本にも影響を与えることになるでしょうし、日本のJTの株式保有の構成が変化していることから日本の国内からも企業の行動が変わってくるかもしれません。今のところこの事業の枠組みの中で抑えていると思いますが、そうした問題に対してどう対応したらよいか。大きな波がやってきているのではないかと思います。もし、そのような状況となった場合は、この事業制度だけでは健康は守り切れないかもしれません。投資家の利益を重視するということが世界的な潮流となっており、WTOなどでもそうした提訴があるようですが、それに対応し切れるのかどうなのか。あるいは、現在の制度的な枠組みで十分なのかどうなのか、そうしたことも議論する必要があるのではないかと思っております。この問題については私は完全な素人ですが、農産物の安全性の面でもかなり議論がされてきていますし、消費者からも問題とされている状況がありますので、投資家利益の保護の問題がたばこにも影響してくるのではないかと思い、このような発言をさせていただきました。

以上、2点です。

〔 川村委員 〕先ほどは質問だったものですから、所感を申し上げたいと思うんです。やはり最大のポイントは財政の問題、先ほどいみじくも宮島委員からご指摘があったとおり、一番最初の祝詞(のりと)として入っていることは、復興財源の対応としてJT株の政府保有分の処分についてどう考えるのかということが我々に与えられている質問だというときに、直近の時価総額が9兆円ちょっとでありますから、そうすると、現在2兆5,000億円から3兆円ぐらいが我が政府が保有している分だ。それを売って復興財源に充てるのか充てないのか。ごく単純に言えば、2兆円が必要だというのだったら、全部売ればちょうどいいじゃないか。極論すれば、そういう議論が他方である。

しかし、もう1つ注目しなければいけないのは、たまたま財投分科会のほうでも議論に参加させていただいているのですけれども、フローの財政収入をどう考えるかということも大変重要だろうと思っています。このデータの推移を見てみると、結局、産投特会の収入の中でJT株の配当金が占めるウエートが非常に高いという現状ですね。数字をいただいたものを見てみると、平成の初期はJT株の配当収入が産投の収入の1割前後で推移してきたものが、若干の出入りはあるものの、平成20年ぐらいから3割ぐらいになってきて、例えば昨年のケースでいくともう4割ぐらいがJT株の配当であるということになってきている。ちなみに、産投特会の収入源というのは、JT以外でいけば、例えばNTTでありますとか、DBJだとかJBICが主要なものになるわけでありますけれども、今やNTTからの配当収入よりもはるかにJTからの配当収入のほうが多い。この復興財源等々、ほかにまた、この産投というのは、日本の成長戦略を担うための国の投資原資としては非常に重要な役割を担わされている中で、極端な話、3分の1もなくなってしまってゼロにしたら、今1,000億ぐらいある配当収入がゼロになる。3分の1をその半分の6分の1までに仮にしても、計算上は500億ぐらいの配当収入が飛んでしまうという現状。つまり、財政の財源ということを考えたときに、売ってしまうアセット、資産の売買という観点と、現実に収益を生んで国に定期的に相当額を払ってくれているものを失うことによるデメリットみたいな部分もあるので、ここはただJT株を売ります、売りませんだけではなくて、そのフロー収入をよく考える必要があるということはぜひ強調しておきたいと思います。

もう1つは、ある意味でJT株をマーケットがどういうふうに受け止めているのかという興味深いところがあって、ごく粗っぽい見方でありますが、日経新聞か何かにJTの政府保有の見直しをするんだみたいな報道があったのは1カ月か3週間前か、そのあたりだったと思うんです。その後、ご案内のとおり、日経平均もかなり上がってはきています。しかし、JTの株価はそれをオーバーシュートしたようになって、10%以上この3週間に株が上がっているわけです。なぜ上がっているのかといえば、マーケットとしては、外人株主も3割いるわけでありますけれども、恐らくJTをめぐる様々なたばこ産業に係る規制がリラクゼーションされることによって、いわゆるJTの民間企業としてのエクイティーストーリーが従前より描きやすくなってきたであろうというのが多分マーケットの見方ではないかと思うんです。つまり、マーケットとしては、政府が保有株を放して、JTが、段階的だとしても全量買取義務なんかもなくなって、極論すれば、たばこは海外でM&Aをやった会社にやらせておいて、JTはむしろバイオだとか、そっちの別の分野に出ていくんだ。あるいは、この間、JTが自動販売機部門を売却したとか、いろいろなニュースが聞かされる中で、本当の民間会社としてガバナンスがきき、経営の自由度を持った会社になるのではないかとマーケットが期待しているからなのかな。ここをどう考えるかみたいなのを我々としてもちょっと考えておかなければいけない。

それと付随すると、TPPとの関係などでどうなるのかということも考えつつ、他方で財政といったときはフロー収入も絶対考えなければいけない。今度はマーケットもそれをどう受け止めているのかということも考えていかなきゃいけない。この2点を強調しておきたいと思います。

〔 細野委員 〕川村委員のストックとフローの関連のお話、とても新鮮に感じました。この前保有の株を売ったというのは、震災直後でしたので復興財源の捻出という、緊急避難的な措置という意味合いが強かったんですね。では、今その状況はどうなのかというのをまず一つ考えなければいけないと思います。

もう1つ、実は今日、最後の東京都受動喫煙防止対策検討会があるのですが、そこも意見が非常に錯綜していて1つにまとまらない。どういうことかというと、オリンピックのときにたばこの害が心配ない東京に皆さんをお迎えしよう。たばこの害がないというのは、つまり受動喫煙の害がないという話ですけれども、そこもいろいろなステークホルダーが出てきまして、東京都という地方分権の橋頭堡であろうところでも主導的に方向性が出せない状況にある。ですからそこでの議論では、たばこの受動喫煙については普遍的な問題であるから、これは国のほうに規制してほしいという、あいた口が塞がらないような話をしています。どうも東京都では規制することが難しいので、国に下駄を預け国としての社会的規制してくれることにかなり期待を寄せている感じがする。私自身は、都市ビジョンを自分たちでつくって、東京は自主性を発揮してどうすべきなのか考えるべきだというふうには思いそのような発言をしています。けれども、まだまだ東京都であろうところもそんな感じであることもやはり1つ考えなければいけない。

先ほど、JTさんはガバナンスの面からいえばもう国際的な企業ですよね。国際戦略をやっているわけです。ただし、FCTCの会合に参加した場合には、JTさんの行いに関して、日本の政府は締約国としてどういうふうに考えているのかという目で見られる。こういう形でのリパーカッションが現にあるわけです。この内外評価のねじれをどういうふうに考えなければいけないかということもある。そのようなことを考えると、私たちは、この3分の1を切るかどうかというのはかなり慎重に議論すべきじゃないかと思いますね。

〔 桐野分科会長 〕大体一巡しました。まだもう1回ぐらいはご意見をいただく必要があると思うのですけれども、財政上の観点からどうするかという川村委員が今おっしゃった点は非常に重要なイシューだと思います。それから、仮に全量売ってしまったらどうなるのかという見通しが今のところ我々にはよく分からない。完全に国際グローバル企業として制御が外れてしまったJTというものがどのようになるのか。それが現状としていいのかどうかということを委員の先生方から危惧として出していただいたと思います。したがって、財政上の観点を議論することと、それから、もしこれを手放すことにした場合、全体が積み木細工のようになっているので、積み木を1つ外したら相当大きくがたがたに動いてしまう可能性があるシステムですので、十分議論した上で、右なら右、左なら左という意見を出さなければいけない問題だろうと思うし、健康の観点も当然入ってくるので、これをこの全体のイシューの中にどういうふうに問題として埋め込むのかというのはまだはっきりしない点があります。

大体、今日いただいたのはそんなことじゃないかと思うんですが、あと15分ほどございますので、さらにご意見の追加をお願いしたいと思います。

〔 宮島専門委員 〕先ほど大き目の話をしたので、小さいところで気になるところを言いますと、それぞれ困る人は誰なんだろう。一般の人と話していて、「何でたばこは国がやっているの?」とたずねたとすると、それは葉たばこ農家を守りたい人たちがいるんでしょ、政治的な配慮でしょ、2つ目は、国が税収に困るからでしょ、一般の人の反応はそんな感じが多いかなと思っています。逆に、でも、それに対して、それはよくないのかなと思う人は、たばこは健康被害があって、国民としては健康被害に気をつけようと言っているのに、同じ国である財務省、政府がまるでたばこを勧めているようにも見えないこともなく、態度がどっちなのということを感じる人もいます、というのがディテールで思うところです。

じゃ、その一つ一つを分析したときに、農家の人はどこまでどう困っているのか。次にヒアリングもあると思うんですけれども、例えばさっきのお話でいうと、組合に入らないところが非常に増えているというのは、つまりどういうことなんだろう。自分たちがやっていけるからなのか。そんなに保護が要らないのか。そこはどうなんだろうという疑問はある。先ほどの意見もありましたように、ここまで国の巨大なフレーム――その方々にとっては非常に大きな転換だと分かるのですけれども、どの転換においても、そこの部分を守る方法というのはほかの形でもあり得るのではないかと思っていて、国が全部株を持っているような壮大なことではなくて彼らを守れるのではないかという気持ちもありますので、農家の人たちの今思っていることとその実態というところはさらに詰めたい。どのぐらい困るのか。そして、困っていることに対して別の対処がないのかということは考えたいと思います。

それは小売でも同じですけれども、実は実態的にすごく細っているものを過剰に守ろうとしているのではないかという感覚が、ざっくりとした思いが国民の中にあると思っていて、その守ろうとしている人たちと、変えようとしているものの大きさに関して冷静に考えなければいけない。さらに、株を持っていることは重要で、外資の話も今出ましたけれども、例えばエネルギーとか国にとって大事なものに関しては外資の株の保有規制があるわけですけれども、たばこがそういう話になるかは別として、そんなような形で規制を守ることも可能なのかどうかというところも考えたいと思います。

〔 岡本理財局次長 〕1点だけ補足させていただきますと、組合員が減っているのは小売のほうでございます。全体の小売店の数があまり変わっていないのは、コンビニが増えて、従来型のたばこ屋さんが減っているということでございます。

〔 中原理財局長 〕農家のほうは全員組合員です。

〔 宮島専門委員 〕農家のほうはやっぱり組合員ですか。じゃ、これは誤解でした。

〔 細野委員 〕政策論というふうに考えますと、政策には目的と手段があるわけですけれども、今、政策に関係する多種多様なステークホルダーがいて、分科会長がおっしゃるように、積み木細工のように非常に精緻なシステムになっている。そのときに、時代によってそのステークホルダーのどこにウエートを置くのか当然変わっていくわけですね。そうすると、種々のウエートが落ちてくる人たちの思惑というものを、一つの手段として難問を解くという大目的のために使うことを考えてもいいのかもしれない。非常に抽象的な話になりますけれども。

〔 角臨時委員 〕たばこ事業法の目的には健康のケの字も書いてないですよね。今の時代にたばこ事業をどう考えるかというときに、ある意味でいろいろな規制を課す上での最もジャスティフィケーションの道具というのは、全世界に対しても、健康規制だと思います。その面でも従来のたばこ法制の枠組みと現在非常に考えなければいけないファクターがずれてきているような気がしてしようがないので、例えば今の規制という言葉を使っていいのかどうか分からないけれども、それをそのまま横滑りしたとしても、どうジャスティファイするかという話は、また違う形でジャスティファイできるものもそれなりにあるというふうに私は思っています。

それから、もう保護はやめましょうという場面は、私自身は、もしも100%民間会社になったら、そういう会社に対して、あるものを保護しろということは無理だと思うんですね。そうすると、国としてどう保護をかけるかというときに、詳しくありませんけれども、いろいろな外国との関係で過剰保護みたいな話も出てくる。そうすると、どこかで腹をくくって諦めなきゃいけないことが出てきたときに、さっき桐野先生がおっしゃように、積み木細工のここは無理だとなったら、やっぱり一から無理だよねというふうになるのかどうかというのも考えなければいけないのかなと思います。

〔 荒谷委員 〕次回のヒアリングで伺えると思うのですが、葉たばこ農家の方たちは、今まで保護されてきましたから、自分たちを守ってほしいと思っていると思うんです。先ほどTPPの話も出ておりましたけれども、ほかの農業をされている方は規制緩和でいろいろ努力をされているんですね。ですけれども、葉たばこについては、ずっと昔から問題となっている価格差は依然として解消されるめどが立っていません。めどが立たないということは、この間、価格差を解消するために何か努力をしてきたのか。何もせずにずっと安穏としてきたのではないかというイメージを素人は受けるんですね。そうだとすると、皆さんが今おっしゃっているように、このまま3分の1以下にしていったときに果たして国民の理解を得られるのかなという気がするんですね。エネルギー政策は国の根幹に関わるので、国が保護する正当性が十分に得られると思いますが、たばこの健康被害についてはかなり指摘されているにもかかわらず、今まで葉たばこ農家を保護してきたので今後も守るというようなことをあからさまには書けませんので、国民に説明するときに非常に説得力に欠けるという気が致します。ヒアリング調査のときにはぜひ、臨調のときからずっと言われている国産葉たばこ問題が解決されずに今日まで至っている理由、皆様が具体的にどのような努力をされてきたのか、またそうした努力にもかかわらずいまだにこの問題が解消されるめども立っていないということについて関係者のお話をお聞きできれば今後の参考になると思いますので、よろしくお願いいたします。

〔 桐野分科会長 〕ちなみに、価格格差というのは3倍ぐらいと伺っておりますけれども、これはいろいろな影響でずっとあまり変わっていないということですか。

〔 岡本理財局次長 〕昭和57年の臨調答申では価格差は3倍強であると書かれております。JTからは現在の価格については概ね3〜4倍程度と聞いています。しかしながらこの30年の間に為替レートが約2倍の円高になっています。機械化等の努力をし2倍の生産性向上を達成努力はしたが、2倍の円高になっているので、イーブンのままだということです。先ほども室長から説明しましたけれども、生産性向上の努力はしてきたのですけれども、アメリカや中国、ブラジルと比べると労賃や資材費が全然違うので価格差がなかなか解消されない。次回またそういう話もお伺いできると思います。また、こちらからも委員からそういう要望があったということは伝えておきます。

〔 江川臨時委員 〕今、角委員もおっしゃったたばこ事業法の内容が現在の私たちが持っている問題意識と必ずしも合っていないという感覚を私も強く持ちました。ですから、今回かなりいろいろな根本的な議論をここですることになると思いますので、最終的に株式を売却しないとか、そういうことになった場合でも、せっかくそれだけ議論したものをうまく生かして、場合によっては事業法の中に新しい問題意識を埋め込むとか、それが難しいのであれば、きちっと報告書の形で次につなげていくとか、そういうことで考えていくのがとても重要ではないかと思います。

〔 川村委員 〕1つは、ヒアリングで参考人の皆さんに伺うときに、お立場はよく分かるんだけれども、例えば、代々一生懸命やってきた畑がなくなると思うと万感の思いで海を見詰めていると。確かにせっぱ詰まったエモーションはものすごくよく分かるんです。あるいは、たばこが臭いというのだったらエレベーターの香水のほうがよっぽど臭いというような発言がありましたが、そういう部分もあります。

ただ、ぜひ参考人で意見をおっしゃる方にお願いしたいと思うのは、現状がこうだということをご報告いただくのも分かるんです。立場として分かるのですけれども、できればもうちょっと政策的というか、マクロ的というか、それをおっしゃっていただかないと、参考でも何でもなくなって、非参考になっちゃうんだ。したがって、これはお願いなのでありますけれども、自分の立場はこうだ、立ち位置はこうだということはおっしゃっていただいて全然構わないと思うんです。また背中にいろいろな人たちがいるのもよく分かるんですが、できるだけ参考になることをおっしゃっていただくように、ぜひ事務局のほうからも強くおっしゃっていただければと思っています。

あと、素朴に、今後どうなるにしても現にたばこは売っているわけです。喫煙者は相当数いて、例えば私どものビルも高層ビルなので、40階のビルのうち喫煙所は2カ所しかない。こうなると、私はいつも喫煙に行って受動喫煙の被害に遭っているんですね。自分でたばこを吸うんじゃなくて、受動喫煙のほうがはるかにきついじゃないか。何でこんなところでと。思い出したようにちょこっちょこっと分煙のための喫煙室というのを、多分JTさんもお金を出してやっているんだろうけれども、現実のところ、まずは吸っていいか、いけないかという問題よりも、吸わない人たちにその被害を及ぼしてはいけない。自殺行為する人間は勝手にやれというのが現状だと思うんですね。いや、自殺行為も国として看過できないから全部禁止するんだというところに行くかどうかという議論は同時にあるのだけれども、今は少なくともほかの人間を巻き添えにするなということが現状のたばこ法制の基本だと思うんです。その場合に、JTをはじめ、流通であれ、葉たばこ農家の方であれ、たばこが漏れない仕組みにもっと金を使えよというような発想もぜひ持っていただきたい。そんなふうな感想を持っております。

〔 細野委員 〕川村委員のおっしゃることはとても重要で、国産葉たばこが何で国際水準の3倍なのかというのを正当化するような、要するに、どれぐらい耕作日時がかかって、耕作に対してどういう制約があって、どれぐらい努力しないと収量が上がらないとか、何%ぐらいしか製品にならないとか、いろいろなことを聞きたい。もう1つは、国産葉たばこは外国と比べてかなり質がいいのかもしれません。そのあたりのことも話してほしいですね。エモーション、感情で議論をやってほしくないのです。

もう1つ、FCTC関連の話があります。昨今、国際的には細かな規制の議論にどんどん入っていますけれども、対策としては重点的に私たちは注意文言とか対面販売への切り替えなどいろいろな対策を講じましたけれども、文言については1回つくってから全然変わっていないですね。医学的な知見とかいろいろな発展とかがあるのですけれども、それを政策パッケージの中に今反映しているかどうかと考える。様々な規制のこともこれから議論しなければいけないということも少しお願いしたいと思います。

〔 荒谷委員 〕お願いがあるのですが、宮島委員が先ほどおっしゃっていましたけれども、ヒアリングを行う相手はおそらくJTの方とたばこ小売業者・葉たばこ生産者だと思うのですが、この方々は皆この業態に関係していて厚く保護されている方というふうに思われがちの方たちです。私としては、例えばJTの大株主である機関投資家ですとか、ほかのステークホルダーの方々の意見もちょっと伺うことができると、私たちもバランスのとれた議論ができると思いますので、もしご無理でなければそういうこともご検討いただければと思います。

〔 桐野分科会長 〕これは可能かどうか、ちょっと検討していただけますか。

〔 岡本理財局次長 〕検討させていただきます。ただ、非常にタイトなスケジュールなものですから、今回のセッションで実現できるかどうか、お約束できないのですけれども、努力はいたします。

〔 桐野分科会長 〕大体12時になりましたので、一応ここで、また次回にお願いするということで。

では、事務局のほうから連絡事項の説明をお願いします。

〔 中原理財局長 〕幅広い観点からいろいろご意見をいただきました。実は私もここ2カ月ぐらいずっとこの問題ばかり頭にありまして、たばこ事業法等も丁寧に読み返してみたところでございます。何人かの先生方からございましたように、たばこ事業法制というのは財政の観点が一番大きい法制度でございます。それは、たばこ税、法人税、それにJT株式の配当などフローのものであり、今回は売却益というストックに着目した議論があるわけでございます。そういう財政的な金目の話ということになりますと、当然、経済合理性が一番重要と私どもも思っているわけでございますが、先ほど細野先生のお話の中で、前回の売却は緊急避難であったとのお話がありましたけれども、緊急避難しなくてはいけないときにできるかどうかというのも財政当局的には一つ意義のある議論ではあるわけです。

あと、財政の観点から申しますと、葉たばこ農家や小売店に対する、ある意味、保護がなされているわけですが、その保護コストが誰の負担になっているかというのが非常に気になるところでございます。現状は、葉たばこ農家の保護コストはJTが何百億かよけいに葉たばこ買入れ価格として負担しており、また、小売店は10%のマージンを保証することで保護されているわけですが、つまりは、喫煙者が負担している。なぜそういうことがあり得るかというと、結局、たばこが財政物資であるという商品の特性で正当化されているんだろうと思います。

もう1つ、たばこ事業法を法制度として見た場合の一つの特徴は、葉たばこ農家の保護を担保するための株の保有というのも特徴ですけれども、もう1つは、小売店保護が極めて手厚いということでございます。距離制限でライセンスを認めているのは、ほかには公衆浴場ぐらいしかないのではないかと思います。あと、小売のマージンが保証されているということ。特に卸売価格が上限規制されているというのは、ほかの商品ではないだろうと思います。それはどういうことなのだろうかと考えてみると、1つは、先ほど次長が説明したように、製造独占の弊害防止ということだろうと思うんです。あと、仕入れの値段が一緒だということが不正品流通の防止に機能しているというのが実効的な面としてはあるんだろうと思っております。ちなみに、私どもで最近勉強したところでは、英国などでは不正品が9%ぐらい流通していると政府が発表しております。不正品が流通するということは、たばこ税がそれだけ抜けているということで、結局こうしたものは全て財政物資であるというところに帰着しているんだろうと考えております。

次回からご議論していただく上で、参考になればということで、今発言させていただきました。ありがとうございます。

〔 桐野分科会長 〕どうもありがとうございます。

それでは、事務局よりお願いいたします。

〔 神田理財局たばこ塩事業室長 〕次回につきましては、来週6月4日(木曜日)に、たばこ関連業界からJT、全国たばこ耕作組合中央会、全国たばこ販売協同組合連合会を参考人としてお招きし、ヒアリングを実施することを予定しております。その後、ヒアリングを踏まえ、より議論を深めていただければと思っております。

〔 桐野分科会長 〕それでは、以上をもちまして議事を終了いたします。

本日の議事につきましては、いつもそうですけれども、事務局から記者に対するレクチャーを行うことにしております。また、本日の議事要旨、議事録、会議資料を会議後インターネットに掲載することにしておりますので、ご了承をお願いいたします。

本日はどうもありがとうございました。

午後0時6分閉会

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