現在位置 : トップページ > 財務省について > 審議会・研究会等 > 財政制度等審議会 > 財政制度等審議会国有財産分科会 > 国有財産分科会 議事要旨等 > 議事録 > 国有財産分科会(平成26年5月15日開催)議事録

国有財産分科会(平成26年5月15日開催)議事録

財政制度等審議会 第25回国有財産分科会 議事録

平成26年5月15日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 第25回国有財産分科会 議事次第

 

平成26年5月15日(木)13:32〜14:59
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
  1. 開会の辞
  2. 議事
     日本郵政株式会社の株式の処分について(案)
      ・質疑
 

3.

閉会の辞

   配付資料
  資料 1

親子上場の事例と関連当事者の取引等

  資料 2

日本郵政株式の処分に係る答申についての過去との比較

  資料 3

「日本郵政株式会社の株式の処分について」

(財政制度等審議会答申(案))


   出席者
 

分科会長 

 佃   和夫

           

  林

 理財局長 

       

  美並

 理財局次長

         委員   荒谷  裕子

 

  谷内

 理財局総務課長
     佐谷  和江

  

  角田

 理財局国有財産企画課長
     山内  弘隆

  

  内野

 理財局国有財産企画課
     横溝  至

  

 

 政府出資室長
     

 

  

  臨時委員   緒方  瑞穂

 

  

 
 

  角  紀代恵

 

 

 

   川口 有一郎

 

 

 

   児玉  平生

 

 

 

   林田  晃雄

 

   

 

   望月 久美子

 

 

 

   持永  勇一

 

 

 

   

 

 

 

  専門委員  林   正和

 

  

 

 

 

 
         

午後1時32分開会

 

〔 佃分科会長 〕 それでは、ただいまから財政制度等審議会第25回の国有財産分科会を開催いたします。

 委員の皆様方には、お忙しいところ、御多用のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

 本日は予定どおり答申案について討議をいただく予定でございますので、まず、事務局より前回の種々御質問がありました、その御質問に対する回答及び答申案について御説明をお願いいたします。

〔 内野政府出資室長 〕 恐れ入ります。資料を御確認いただければと思います。

 まず、資料1といたしまして、「親子上場の事例と関連当事者の取引等」というものがございます。これが、前回、川口先生より御質問いただきまして、親子上場の場合において、親子間で取引関係が色々あるであろうと。それと株価との相関のようなものがどういうものになっているかということでございまして、野村證券さんがそのときに検討して回答しますとお引き受けになったのですが、この場に当然利害関係人である野村さんを呼ぶわけにもまいりませんので、私の方で野村證券さんから預かりました説明をまず読み上げさせていただきます。

 親子間の取引については、様々な取引の形態や内容のものがあり、単純な比較ができないため、その濃淡を述べることは難しいと考えます。ただし、実際に親子が上場しているケースでは、少なくとも上場の時点では取引所等の審査を経て上場が承認されていることから、特段の問題がなかったものと考えます。

 なお、一般論としてですが、親子間の取引が全て問題というわけではなく、親子間の取引関係自体が親子双方にメリットをもたらす部分もあると考えています。ただし、少数株主保護等の観点からの問題が指摘されているところでもありますので、株主の権利や利益への一層の配慮、投資者をはじめとする市場関係者に対する積極的なアカウンタビリティーの遂行に努めていくことが必要と考えています。

 ということでございまして、何か取引関係が非常に大きいから、じゃあ、株価が下がるとか上がるとか、そういうようなものはなかなか結論的に見出し難かったと。一般論で言えば、親子についてはメリットになる場合もあって、ただ、アカウンタビリティーというもの、少数株主保護というものは非常に重要であると、このような指摘をいただいております。

 まず、その御回答という点はこれでございます。

 それから、答申案に関してでございますが、資料2が過去の答申との比較の章立てについての資料でございまして、資料3が今回の答申案の中身でございます。

 なお、机上に青のファイルがございますが、これ、念のため、この株式の処分に関する議論の1回目、2回目に配付いたしました資料をお手元に御用意してあるというものでございます。

 まず、資料2をご覧ください。

 資料2で、日本たばこ、それからNTTについて右側に、左側の端に日本郵政については立てておりますが、青で網かけしてある部分が第1次売却時の方針でございます。それから、JT、NTTともにブックビルディング方式を採用しておりますので、それを採用したときの答申というものが緑で網かけをした部分でございます。今回、第1回からブックビルディングということになりますので、両方を合わせた形で過去の答申を参酌しながら骨立てをつくっておるということでございます。

 なお、この今回の答申につきましては、2次売却以降もブックビルディングを想定している限りにおいてはこの答申が通用するような構成で書かせていただいております。

 それで、1ポツは背景・経緯ということで、これはJT、NTTには存在しなかったものでございますが、追加させていただきます。

 基本的な考え方のところですね。特にJTと比較いただきますと、(5)として、金融2社株式について特出しをしているということで、一番骨組みのところで2社について様々な御意見をいただいておりましたので、しっかりと書き込んだということでございます。

 それから、売却実施に当たり留意すべき事項というところは、基本的にはJT、NTTのブックビルディング方式を踏襲しながらですね。ただ、今回は新規上場でのブックビルディングでございますので、少し丁寧に書いた部分もございます。それから、売却実施に当たり留意すべき事項というのは、実はJTのときには1次売却とブックビルディングの2次以降と2つ分かれておりますので、ここで投資勧誘や情報開示の部分は引き続き日本郵政の方では(5)(6)と書かせていただいておるということでございます。

 株主構成につきましては、従来のものを踏襲しております。

 次のページ、ご覧いただきますと、主幹事証券会社の選定基準でございますが、これは基本的にはほぼ同じ構造を踏襲しておりまして、章立て自体には大きな変更はございません。

 以上でございます。

 それでは、中身、資料3でございます。

 左側に答申案、右側の備考欄には過去の答申や委員からの御意見を出しております。

 まず1の背景・経緯でございますが、まず(1)として、委員の御意見から、何のために民営化するかという本来の点を忘れないようにという御指摘をこの審議会で頂戴しておりますので、まず、民営化、そもそも何ぞやということを簡記してございます。民営化法と、それから、後段で引用しておりますのは、実は総理大臣の答弁が平成26年3月に国会でございましたので、この言葉などを引用しながら構成をしております。民営化法において「民間に委ねることが可能なものはできる限りこれに委ねることが、より自由で活力ある経済社会の実現に資する」ということ。それから、郵政民営化をさらに推進するためには、株式を売却することにより、国の関与を減らし、市場規律のもとにおける公正かつ自由な競争を促進して、重要なところはここでございますが、多様で良質なサービスが提供されるようにすることというところでございまして、これ、委員の方から、国民の幸福に資することを忘れてしまっては意味がないという御指摘がありましたものを受けた形で書かせていただいたということがございます。

 2枚飛ばしていただきまして、3ページ目でございます。

 もう1点、やはり財政審として復興財源という点を書き込んでおくべきではないかという事務局の判断から提案させていただいたのが(2)でございます。復興財源確保法におきまして、日本郵政株式について規定がされておりまして、日本郵政株式会社法におきましても早期処分が書かれておるということ。さらに、「今後の復旧・復興事業の規模と財源について」という、いわゆる復興のフレームと言われるものでございますけれども、こちらで郵政株式の売却収入として4兆円程度が盛り込まれたということから、売却の必要性を強調している書き方になっております。

 この参考1も答申の中に書き込むということで、ちょっと提示させていただいておるのですが、この4兆円というものが、現在の簿価ベースで、国有財産台帳ベースで12兆円強の日本郵政について3分の2を売ると8兆円強ということになるのですが、この8兆円を4兆円と政府が見積もっているかのような報道が一部散見されますので、これはそういうことではないということを明示的に示すために、あえて算定根拠を書きまして、一番下に、ただし書きとしまして、「実際の売却に当たっては」ということで、こういうこととしているものではないということを書かせていただいたものでございます。

 それから、4ページに参りまして、基本的考え方でございます。先ほどの章立てで申しますと6つの(1)から(6)まで項が出ております。

 (1)でございますが、字句の修正がちょっとあるだけでございますが、共通というと2つ以上のものに同じように入っている要素みたいなことになりますので、日本語としてちょっとどうかということで、これは角先生の御専門でございますが、恐らく司法上の一番広い概念の共有で言えばこういう言い方もできようかということで、民法の狭義の共有という意味ではございませんが、「共有の貴重な財産」という言い方をしてはどうかということを書かせていただいております。

 それから、(2)でございますが、国会の附帯決議の方に、可能な限り株式は特定の個人・法人に集中することなく広く国民が所有できるよう努めることというものが指摘されておりますことから、この部分をまず前段に持ってまいりまして、このようなことをするために広い範囲の投資家を対象として円滑に消化できる方法により行う必要があるということを書かせていただいております。この後段の部分の書き方は、JTの平成7年の答申に書かれておる書き方でございます。

 それから、5ページ目でございますけれども、売却の時期等は慎重に判断するべきという基本的考え方が過去の答申にございますが、委員からの御意見として、規模が大きいので市場を混乱させるべきじゃない等々の御意見をいただいておりますので、それを端的に書きまして、企業規模に鑑みれば、証券・金融市場の動向等に特段の配慮、今まで「十分」と言っていましたが、一層配慮するという、ちょっと強調いたしまして、売却時期、売却規模等について慎重に判断する必要があるということでございまして、一気に市場を冷やしてはいけないという趣旨をここにはっきりさせたということでございます。

 (4)につきましては、一層の効率的経営と情報の適切な開示ということで、従来までの基本的な考え方を踏襲しております。

 それから、(5)で金融2社の部分でございますが、金融2社株式は日本郵政の資産の大部分を占めているため、特に新規公開時、一番まだ2社の処分方針が一切出てきていない段階でございますので、金融2社株式の売却のあり方が日本郵政の株式価値の毀損につながることにならないよう、主幹事証券会社の専門的かつ責任ある立場からの意見を聞きつつ、政府及び日本郵政は適切な対応を図るべきであると。それに加えまして、対応の結果については、政府及び日本郵政において、国民への説明責任を十全に果たすとともに、市場における透明性を確保することが必要であるということで、やはり国民への説明とマーケットへの透明性という2点をはっきりさせたほうがよかろうかということで、こういう提案をさせていただいております。

 それから、売却実施に当たり留意すべき事項でございますけれども、売却方法としては、JTの平成7年の答申でブックビルディング方式の採用を書いておるわけでございますが、非常にさらっと、入札方式とブックビルディング方式を比較検討することなくブックビルディングに入っております。これは実は、JTのこの売却におきましては、もうJTが上場した後でございますので、市場価格がある中での売出しということでございますので、価格の発見の方法として入札以外のブックビルディングというのが的確かどうかというのは、やはり新規上場の場合には丁寧に見ることが必要であろうということで、今回は少し厚目に書き込んだというものでございます。イにおきまして、2つの方式が認められておりますよと。

 ロのところで、ブックビルディングは平成9年の規則改正で取り入れられたと。他方、入札につきましては、入札が一部についてのみ行われることから、需給を反映せず、公開価格が高く設定されがちで、円滑な流通に支障を来すという指摘があると。JTのときにも御説明いたしましたが、JTのときにも価格が高くなり過ぎまして、払い込み、未払いが生じてしまったということもありまして、NTTは大変値段が上がり過ぎたということも経験則としてございます。その後、「現に」ということで、平成9年以降は全てブックビルディング方式が採用されておりますので、市場慣行として定着していると。

 では、そのブックビルディングはどうかということで、ハのところでございますが、やはり一般投資家からある程度大口の購入需要を有する機関投資家まで広範な投資家の需要動向を反映した価格形成を行うことができるということでございますので、価格発見能力がブックビルディングにはしっかり備わっておると。 以上の点を勘案すれば、日本郵政株式の売却方法としてブックビルディングが適当であるということを書かせていただいたものでございます。

 7ページでございます。

 売却価格でございますが、ブックビルディング方式のプロセス、想定発行価格を理論値からはじき出しまして、投資家の需要を見ていく中で仮条件の価格帯を設定し、これでもって投資家からブックを集めまして、その積み上がりの中で売出価格を決定するという構造でございます。この株式の売却価格を公正なものとするためには、これらの想定発行価格や仮条件価格帯、売出価格のそれぞれの決定について、主幹事証券会社から関係する情報の提供を十分に受けまして、その価格が合理的なものであると確認した上で決定するべきであろうということで、これはブックビルディングの実務上もしっかり説明を受けながら決定をしていくということでございますので、このような書き方をしてはどうかということでございます。

 ただ、日本のマーケットにおきましては、日証協の方の仕切りがございまして、実は個別の投資家の誰が幾らで何株というその需要を出してきたというのは、個別の情報は開示されないことになっておりますので、その点については、そこまでを見るかどうかというのはまた別なのでございますけれども、可能な限りでの情報の提供を受けるという前提で書かせていただいております。

 2次売却以降につきましては、過去の答申を踏襲しまして、やはり時価は決まっておるにしても、その市場価格を基準価格として若干割り引くという売出しのときの割引というものがございますので、そういうものは差し支えないということ、過去類似の答申もいただいておりますので、掲げさせていただいております。

 それから、売却時期でございますが、やはり市場動向への配慮の部分は「十分配慮」を「特段の配慮」とさせていただいております。

 それから、売却規模でございますが、これは東証、静常務からの御説明もございましたが、特例を設けるという方向性が適切ではないかという話でございましたので、財政審としても、「証券取引所の上場基準に特例が設けられることが望ましい」という形で、やはり発行済株式数に対する売出株式数の割合を一定程度に抑えるということを書いていただいてはどうかと考えております。

 それから、適切な投資勧誘につきましては、これはやはり投資家保護の観点から過去書かれておるものでございますので、書かせていただいております。

 それから、9ページのハのところでございますけれども、林田委員から一般論というか、もう少し大きい意味でのコンプライアンスの御指摘があった中でございまして、その中で、ちょっと各論的に見ますと、実はJTやNTTは金融商品を売るような会社ではないのでございますが、日本郵政はゆうちょ銀行、かんぽ生命、金融に関わっておるものでございますので、ここが、悪気はなくても、従来からのお付き合いのある方に、「どうですか。今度上場しますから、うちの会社、買ってください」とやってしまってもらっては、これはちょっと問題があるということで、この点、「不適切な投資勧誘が起こらないよう、各社においてコンプライアンスの徹底を図ることが必要である」と、ちょっとここはこれまでの答申にない部分でございますが、確認的に書いておるというものでございます。

 それからもう1つ、適切な情報開示の部分、過去あった部分でございますが、ここを少し書き換えた上で、さらに保秘について書いてございます。

 これは、まずJTの平成5年の答申をご覧いただければと思うのですが、必要な投資情報を提供することによって、適切な投資判断のもとに入札価格を決定できるよう配慮することが投資家保護及び自己責任原則の見地から必要であるということで、このため情報の適切な開示を行うことが肝要ということでございますが、これは、入札を前提としたときの基準、書き方でございますので、ブックビルディングを前提として書きますと、価格形成を適正なものとするためには、購入希望者に十分な情報が積極的に提供されるべきであるということで、「情報開示に関する投資家の期待を踏まえ、日本郵政のビジネスモデルをより明確に説明することが必須である」。この点は日本郵政の事業がどうやって儲かっていくという姿がいま一つ見えないというフラストレーションがこの分科会でもございました中で、この部分で情報開示というところからさらに踏み込んで、もっとビジネスモデルを積極的に説明してくれと、そして必須であると、少しきつい書き方になりましたけれども、このような書き方にさせていただいたというものでございます。

 それからもう1点、委員の先生から、特定の人や企業が得をするようなことがあってはいけませんということもおっしゃっていただきました。やはり情報の開示はしっかりあまねくやると同時にきちんと保秘をするという、これは裏表と考えましたことから、他方といたしまして、「公平性・公正性を担保することもまた極めて重要である」ということで、私ども財務省に対してのみならず、発行体である日本郵政グループ各社、主幹事証券会社、引受証券会社その他の関係者は、「それぞれにおいて、守秘義務に係る情報の管理の徹底を図ることが必要である」ということで、これ、コンプライアンスという御意見があった部分にもちょっと関わることでございますが、このような形で保秘をきっちり守るようにという御提言をいただいてはどうかと考えております。

 10ページでございますが、株主構成につきましては、安定株主対策について、過去の答申でも、何らか特定の安定株主になってくれそうな大口の法人等に優先的な割り当てを行うことは適当でないということ、おっしゃっていただいていまして、2回目の会議の場で日証協さんから自主規制ルールも御説明いただいておるところでございます。いわゆる親引けは禁止されているというところでございますので、これは従来の答申を踏襲して、「適当ではない」という書き方でどうかと考えております。

 ただし、従業員持株会はその例外をなすことが可能ということでございますので、この点、日本郵政さんからも第1回の御説明のときに持株会をやりたいという御説明をいただいておりますので、ここはJT、NTT同様に穴をあけておいてはどうかと考えている次第でございます。

 それから、11ページに参りまして、主幹事証券会社の選定の基準についてでございます。

 (1)の基本方針の部分でございますけれども、これ、イロハと書いてございますが、実はJTの平成14年のときの文章が8行にわたって1つの文章になっておりまして、少し読みにくかったものですから、文意をよく確認しながら整理をし直したというほどのものでございます。「円滑な消化を図る観点から、以下の方針に則ることが適当」ということで、投資需要の調査を綿密に行う等市場実勢を尊重した適正な売出条件の決定に努めよと。それから、日本郵政の企業規模に鑑みまして、国内の一般投資家から大口の購入需要を有する海外を含む機関投資家まで広範な投資家の参加を可能とする。引受団は、以上の内容を反映し得る適正な編成とすることということで、基本的考え方に出てきたようなものを言ってみれば主幹事証券会社の選定の方針の中にも入れ込んできておるような姿になっております。

 このような売却方法による場合に主幹事証券会社を適正に選定することが重要であるということで、ここも、前段の方で海外の投資家も含むということも方針で出ておりますので、重ねて書く必要なく、「主幹事証券会社には様々な役割がある」、この辺は第1回目のときに私から主幹事証券会社の編成について御説明いたしましたが、色々な役回りがございまして、船頭多くして船山に登るではいけませんので、そこはメリハリをつけたいということでございますので、様々な役割があることに鑑みまして、国内証券はもとより外国証券を含む多くの証券会社に、過去の実績等の定量的要素と定性的要素の両者を勘案することで総合的に判断し、公平・公正に選定する必要があるということで、この辺は過去の答申を踏襲しております。

 選定に当たり留意すべき事項は、12ページのところでございますが、選定手順につきましては、従来と同様、参加希望を有する全ての証券会社に配付をするといったような、要件を満たすものに限りますけれども、まず、募集要領について、そのようにすると。審査につきましては、書類審査と口頭審査ということで、書類審査の段階で一定数に絞り込むことも差し支えないということで、あまり多くの証券会社が来てしまいますと、口頭審査、中身で相当議論する必要がございますので、ちょっと限界もございますので、ここで絞り込むということをお許しいただければと思っております。

 審査基準でございますが、書類審査について、冒頭のロのところでございますが、過去の答申で、国内と海外とで差をつけることは差し支えないということをこの基準の冒頭のところに正面から書いてございました。これ、第1回目のときに、過去の答申を参考するのはいいけれども、10年以上前の答申ばかりで、やはりアップデートして、現代に即すものにしろという御指摘をいただいておりましたが、例えば三菱東京UFJさんなんかがモルガン・スタンレーの実は筆頭株主になっておられて、これは外資なのか国内なのかと。それから、野村證券さんもリーマン・ショックのときにリーマンのヨーロッパとアジアの部門は買収しておると。他方で、海外に本社がある証券会社におきましても国内でのブックビルディングの実績も着実に積み上げていると。その審査基準の冒頭で内外の差をそこまで強調する必要があるだろうかということで、この部分は、実は現代化という点からは、後段の方に留意事項でまとめてはどうかと考えて、ちょっと落としたというものでございます。後ろに出てまいります。

 書類審査につきましては、JTのときは食料品事業となっておりましたが、陸運、銀行、保険と変える等々ですね、13ページにわたりまして対応している業種を証券コードに合わせて書き直しておるというものでございます。

 それから、口頭審査につきましてですが、13ページのところの一番下、右側のJT株式の下のところに、委員の御意見で、やはりビジネスモデルが明確でないという中でちゃんと把握できているかをチェックするべきであるという御指摘をいただいておりました。

 JTは、比較的たばこの会社として多角化しているとはいえ、わかりやすいビジネスモデルで、国家独占事業でもございましたので、非常にさらっと、JT株式について適切な分析を行っているかとか、調査・分析体制は適切かという程度にしていたのですが、このビジネスモデルということからしますと、まず郵政を取り巻く環境についての分析ということと、それから日本郵政の中身として経営戦略、成長性、株式価値、株主還元等総合的な分析、評価を行っているかということで、外部環境の確認と、それからそれに応じた会社の体制ということで、ビジネスモデルをしっかり把握できているかという点から見ますと、少し審査基準においても分析的に書いたほうがよいかということで、分けて書いております。

 それからもう1つ、この調査・分析体制は適切かとJTで言っておりますときに、やはり証券会社におきましてはリーマン・ショック後にアナリストというものの独立性が強調されまして、アメリカで、日本でもそういう形になっておりますが、ここのアナリストの集団がどういった実力があるかというところも非常に現代の証券の実務では重要と聞き及んでおりますので、この調査・分析を担当するアナリスト等の体制ということで、しっかり専門家集団の力量を見きわめたいということで書かせていただいております。

 引受団の編成につきましては、国内売出しに加え海外売出しを行うということについて、それから比率等についても過去の書き方を踏襲しておりまして、これは現代でもこのようなもので通用するのではないかと考えております。

 売却日程についても、同等に考えております。

 それから、販売戦略のところでございますが、ここは少し説明を特に要するところでございます。

 過去のJT株式につきましては、「投資家の購入意欲を十分に喚起するような説得力のある」と、アペタイトに訴えるような書き方になっていったのでございますが、現代の証券規制等のあり方からいたしますと、「日本郵政株式の魅力が投資家に十分正確に理解されるような」というような言い方の方がより客観性があるのではないかということで、あまり、売らんかなの姿勢を少し抑えるようなトーンでまず(A)のところは書いてございます。

 そして、これは説明の中身の話でございますが、説明の方法についてでございますが、JTのときには「投資家への説明会その他の勧誘活動について効果的な方策」と言っておるのですが、説明会でその他の勧誘活動、そういうパンフレットの配布とかでございましょうけれども、ここはやはりIT化した現代におきましては、この時代と違いまして、もう少し幅広くネット等も含めて考えなければいけないということで、もうちょっと抽象化しまして、「投資家への情報提供及び勧誘活動」という形で、「投資家の期待形成に留意した効果的な方策」と書いてございますのは、委員からの御意見で、日銀の政策、マーケットの期待に訴えるというような議論がございましたが、そのマーケットの期待をうまくマネジメントするような方法をアドバイスできる証券会社を選ぶべきという御指摘がございましたので、そういう意味で、「投資家の期待形成に留意した効果的な方策を提案しているか」ということを書かせていただいております。

 それからもう1つは、大概の上場は、これまで日本のマーケットでも上場の初値は公開価格より少し上回って、大体半年後ぐらいには公開価格に近いところに収れんしているような御説明を以前いたしたと思うのですけれども、幾つか最近の案件では、外部環境が悪いこともあって、上場初値が非常に公開価格を下回ったようなケースも出てきております。やはりアフターマーケットと申しますとちょっと業界慣習的な言葉ではあるのですけれども、その上場後の株価の推移がしっかり安定的にいくかどうかというところまでちゃんと考えてくれているかどうか。この辺は、やはり売る側の責任として考えたときにも、ただ高値で売り抜けてしまえばいいような姿勢に映ってもいけないものですから、この点は特出しをしたということでございます。

 それからもう1つは、日本郵政だけが高値がついて日経平均が奈落の底ということではやはり経済的にもよろしくない。政府のディールでございますので、悪影響をできる限り回避するような提案ということも、もう正面から審議会の基準として入れていただいてはどうかと考えた次第でございます。

 投資需要の見込み方、需要積み上げの方法等については、現代でもこの書き方で通用するものと思いまして、前回からのものを踏襲しております。

 それから、手数料水準でございますけれども、これ、前回同様の書き方をしておりますが、JTの4次のときは、御説明をさせていただいていると思いますけれども、非常に厳しい、いわば入札的な形で手数料については書いております。JTの場合には、上場して株価がついておって、超優良企業で人気もあったということから、手数料は非常に低く抑えて、海外機関投資家に低い手数料でうまく売ってもらったということでございます。

 それから、内部体制についてでございます。ここのところは2つございまして、1つは、今回、主幹事を選んだ後、その主幹事証券会社のきちんとした意見を聞いた上で親子上場の子会社についても最終判断していくということでございますので、その力量があるかどうかというのはやはりしっかり見なければならないということで、「主幹事として、親子上場等複雑な案件を担当し得る体制はあるか」ということを基準に入れなければならないだろうということでございます。それからもう1つは、過去のJTのときには、これは「法令に従い適正に販売を行い得る」と。売り手の側だけが、セールスがしっかりしていればいいかのような書き方であったのでございますが、ここは、コンプライアンスをより広くということで、投資銀行部門等も含めて全体としての法令等遵守体制ということで、より広く網をかける書き方に直させていただいております。

 それから、引受姿勢についても同様でございまして、引き受けだけでなく、売買、販売についての姿勢ということで、この点もちょっと膨らませて書かせていただいています。

 欠格条項については、基本的に過去の欠格条項を踏襲する形でよろしいのではないかと考えております。

 それから、評価方法のところも基本的には同じでございますが、JTの平成14年の答申が少し重複感がございましたので、これ、文意を少し整理したというだけでございまして、言わんとしていることは同様でございます。

 それから、その他留意するべき事項のところに、先ほど申しましたが、選定する主幹事証券会社の数や引受団の編成については適切に判断すべきと書いた後に、外国証券と国内証券で若干の差異を設けるのは差し支えないということで、これはそういう形で落としてきたというものでございます。

 それから、17ページでございますけれども、審査過程のところでございますが、できる限り審査過程、あるいは結果について公表すべきという御意見をいただいております。その中で、審査過程を公表することは適当でないと言ってしまいますと、審査過程をブラックボックスにしろとなりますので、「全て公表することは適当でない」といたしまして、一部は公表できるような形で一層の透明性確保という形にさせていただいております。

 大変長くなりましたが、以上でございます。

〔 佃分科会長 〕 ただいまの説明につきまして御発言お願いしたいと思います。

 なお、本日の討議を踏まえまして、次回は答申を取りまとめるということになっておりますので、具体的に修正が必要なポイントなど、積極的に御発言をお願いしたいと思います。

 それでは、順次御意見を伺っていきたいと思いますが。どうぞ。

〔 角委員 〕 ちょっと時間の関係で中座しないといけないものですから、先に発言をさせていただきます。

 2点ございまして、半分コメントみたいなものなのですけれども、1点目は、この14ページにありますDの日本郵政株式の販売戦略の(B)について、先ほど御説明があったので理解はしたのですけれども、ただ、この「投資家への情報提供及び勧誘活動について、投資家の期待形成に留意した効果的な方策を提案しているか」って、日本語を率然と見ますと、とにかく頑張って売ってというふうに見えてしまいます。答申案の中には、自己責任で買ってくれるようにしてくださいということがどこかで書かれていました。民法をやっている私から見ると、自己責任で買ってくれるようにしてくださいというところが、若干、言いっ放しで書かれているようにとれます。そこで、その箇所と「期待云々」のところを合わせて読みますと、確かに、自己責任のベースになるようなきちんとした情報提供をするようにとは、いろんなところで書かれているのはわかるのですけれども、何となく、投資家保護の観点が少し甘いのかなという気がいたします。これは、私だけの感想なのかもしれませんけれども、コメントでございます。

 それからもう1点は、これはお願いになるのかなと思うのですけれども、先ほど主幹事証券会社選定のときに、3つの業種ですか、その案件について扱った実績があるかということを定量的に審査すると。それ自体は結構なのですけれども、日本郵政のビジネスモデルというのが、今、まだ一つちょっと星雲状態なのですけれども、今までの議論を伺っていますと、その3つの業態プラス不動産業でもないですけど、いわゆる窓口業みたいなことで手数料ビジネスというのがものすごく大きな4つ目の柱になるように私は思っております。そこで、主幹事選定のときの、多分これは口頭での審査のときなのだと思いますけれども、そういう3つの業態以外での案件の経験とか、そういうビジネスモデルに対しての知見とかいうのをちゃんと見ていただきたいなと思います。

 以上です。

〔 佃分科会長 〕 本件に関していかがですか。

〔 内野政府出資室長 〕 恐れ入ります。期待形成の部分は、過去のこの審議会の分科会の議論で、やはりマーケットの期待をうまくマネジメントするような方法をアドバイスできるような証券会社をということを受けて、私も期待とちょっと書かせてはいただいておりまして、この辺、また、もし川口委員からコメントがあればいただければと思います。

 それからもう1点、陸運、銀行、保険業以外の部分でございますけれども、これ、やはり日本郵政のビジネスモデルをしっかり理解しているかというところを正面から相当周密に問うような形にしておりますので、御指摘、しっかり受けとめまして、口頭審査の場面で、募集要項等をつくるときにしっかりと受けとめるようにしたいと思っております。

〔 佃分科会長 〕 どうぞ。

〔 川口委員 〕 今、角先生からいただきました投資家の期待形成に関する御発言をお伺いしながら、経済人と法律人とでは「期待形成」の意味が異なると勉強になりました。経済や金融の世界では投資家の期待形成に留意するという文章は「適正な価格形成を目指す」って読むものですから。ただ、同時に自己責任というものが確かに重要だと思いますし、そこは、考え方は同じであろうと思います。

 6ページのブックビルディングとか、5ページの期待形成に関わるような用語についてもコメントがございましたが、これは文章全体の流れの中で経済学的な期待形成ということでも誤解されることはないと思います。

 ただ、申し上げたかったことは、例えば政策を打つにしても、コンクリートから人へというような表現をするのと、国土強靱化というような用語を用いるのとでは、政策に対する投資家の予想の連鎖が異なります。どちらの政策が適切かということは別問題として、ここではそういうターゲットであるとか、IRといいましょうか、ブックビルディングにおける投資家説明をうまくやってくださいという意味での期待形成に留意するということです。ポイントは、エクイティストーリーといいますか、将来の収益予想だけではなくて、将来の投資家の期待に訴えかけるような、そういうエクイティストーリーを出して提案してくれる、そんな証券会社という意味で使っておるのですけど、この辺いかがでしょうか。

〔 角委員 〕 私、今までふわっとした言語的な言葉から受ける感想を述べただけですけれども、今、川口委員の御説明でよくわかりました。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。どうぞ。

〔 川口委員 〕 ありがとうございました。今のことに1点つけ加えますと、前に御説明もありましたけど、中期経営計画でとにかくどういうふうになっていくかわからないので、投資家としては投資家のキラークエスチョンみたいなものが出てくるだろうから、それにうまく答えるというのが具体的な内容になろうかと思います。

 それで、2点ちょっと申し上げたいのですけれども、1点目は、最初に御説明いただきました野村證券からのご回答。今回の審査基準というのは、15ページの親子上場についてということと関連をするかと思いますが、野村證券さんに追加的な作業をしていただきましてありがたく思っていまして、極めて興味深い調査結果でございます。そもそも日本郵政は親会社で、主たる子会社が日本郵便、ゆうちょ、かんぽということで、これに民営化法の7条の2でございましょうか、こちらに親会社と子会社日本郵便にユニバーサルサービスを義務づけると。ユニバーサルサービスは、これまでの御説明で理解したことは、2本柱から成っていて、1つの柱はこれらをバラバラにしないこと。要するに、郵便局において一体的にこれらのサービスを提供するということで、旧民営化法と随分違っていて、基本的に郵便局で一体的にやりなさいと。これが1つ目の柱で、2つ目の柱は、その郵便局のネットワークは、効率性は重視しつつも、より公平性を優先させて全国にあまねく公平に利用できるようにするというユニバーサルサービス義務というのが、親子は一緒に、ともにこの事業をやりなさいと。

 ところが、親子上場と金融2社は早期に売却ということが、先ほどのフォワードガイダンスの関係も出てございますので、そういう意味では、親子上場というのは、一体的に事業をやっているのは、別々の株式として別々の株主がつくので、そこで親子間取引がありますと、これはもう本質的に利益相反といいますか、会社としてはどっちの株主の顔を見ていいのかというところに利益相反の問題が出てくるわけですけども、野村證券の調べでは、先ほど御説明がございましたけども、この親子間取引を前提とした投資家の評価は一律ではないと。むしろメリットと評価する投資家もあると。

 これは、この調べの例に出ていませんけども、例えばJ-REITという日本版不動産投資信託は、多くの親会社が上場していて、実質的に子会社としてREITを上場させることはあるのですけども、当初はこれの利益相反が非常に海外投資から問題視されました。しかしリーマン・ショックを経て、両者のパイプライン契約といいますか、安定した契約もあるということで、今回の野村さんの調査結果と同じようなことがございます。つまり、基本的には利益相反について対策を施して、それで少数株主への説明責任を果たす形でやっていけば、この親子上場のところは利益相反問題に対して対応できるという調査結果だと思います。よくわかりました。また、15ページのところで、主幹事証券会社さんの方でことについてうまく対応できることを15ページの選定基準で挙げていただいている、という納得をしています。

 それからもう1点は、11ページに関わることなのですけども、これは第1回目にもございましたけれども、今回の株式の売出し、財務省が売出人ということですけども、特徴は、今のユニバーサルサービス義務に加えまして、もう1つ、ユニバーサル条件に近いような、投資家の方も、広く国民が所有者となるように努めることという附帯決議がございます。この附帯決議に関わるところが11ページだと思うのですけども、私、色々考えましたところ、この附帯決議の役割を果たす証券会社、これについてはもう少し具体化する必要もあるかもしれないと。つまり主幹事選定基準にどうこの附帯決議を反映させるかということが1つのポイントかと思います。

 第1回でも御説明がございましたけども、基本的にグローバルコーディネーターという全体を束ねる役割の人と、それからブックランナーという、今日も説明がございましたけども、計画どおり販売を達成するための引受団という、この2人といいますか、2つの役割が大きな柱であったと思うのですけども、この附帯決議が加わりますと、国内においてより充実した販売網を構築するという観点が欠かせない、そうした役割が新しく加わるのではないかと。従来の主幹事は東京に本社を有する全国規模の証券会社のみということでございましたけれども、この附帯義務が言っていることは、特定の地域に重点的な販売網を有する国内証券会社、これも存在するので、それで、グローバルコーディネーターやブックランナーとは別途役割を担う主幹事証券会社として、これらの国内証券会社を選定することも検討に値するのではないかということで、個人的には附帯決議を選定基準に反映させる、いわばローカルブックランナー、各地域に根差した営業活動を行うといった人々の選定基準ということもあわせてお考えになられてはどうかと思います。

 以上でございます。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。これについては。

〔 内野政府出資室長 〕 ローカルブックランナーという言い方はあまり聞いたことはない話でございますけれども、非常に御示唆に富むところでございまして、いわゆる地場証券でございますね。

 実は、この主幹事証券会社を選んだ後、これまでの政府の保有株というのは、じゃあ、選ばれた証券会社が独占的に全部手数料を持っていくかというと、オールジャパン方式と申しまして、彼らも販売力が100%あるというわけでもございませんので、大体、証券会社、二百何十社ある中から、一定の資本金基準で足切りをして、大体JTのときで60社ぐらいを対象にしてシンジケート団を構成しましょうと。そこへの割り振りを主幹事の方々にしっかり決めていただくという方式をやっておりまして、そのシンジケート団の中には、そういった地場証券会社も入ってきておるわけでございます。それはいわば下請、孫請みたいなものでございまして、言ってみれば私どもの方から直接にそこも指名してやっていただくということは、地場の方々のモチベーションとかを含めても非常にいいのではないかと思います。

 ちょっと今のお話を受けまして、また少しよく協議をしてみたいと思います。ありがとうございます。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。どうぞ。

〔 荒谷委員 〕 恐れ入ります。私も角先生と同じような印象を受けておりまして、経済学と法律学とで違うのだなと思ったのですが、「期待」という言葉にはやはりひっかかるところがございます。9ページの「情報開示に関する投資家の期待を踏まえ」というのは、素直に投資家が情報開示を期待しているという意味にとれますが、先ほど角先生が取り上げていらっしゃいました14ページの「投資家の期待形成に留意した」という書き方ですと、その期待が色々な意味にとれる。つまり、売らんかなというニュアンスにもとれますし、良いことばかりでバラ色だというようなニュアンスにもとれるのですね。文章全体をきちっと読めばわかるかもしれないのですけども、誤解を招く不安がございます。

 また、9ページのところでございますが、従来は記載があった投資家保護、自己責任の原則という文言がすぽっと抜け落ちておりまして、全般的に見ますと、マーケットの期待ということだけが先行しているというイメージがあるのですね。そう致しますと、マーケットの期待だけが優先されて、投資家の保護はなおざりにされ、仮に投資家が損害をこうむったとしてもそれはあくまでも投資家の自己責任だというふうに非常に突き放したようにも読めます。金商法を専門にしている者から見ますと、投資家保護という文言が抜け落ちて、自己責任の原則が前面に出るような書き方をするのはいかがなものかという気が致しますので、少しニュアンスを工夫されたらどうかという感想を持っております。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。どうぞ。同じあれでございますか。

〔 緒方委員 〕 先生方お二人の御意見にあります、期待形成という表現の意味はわかります。原則、自己責任で買わせるのだと思いますけれども、同じ資料の(B)の次の(C)のところに「アフターマーケットについての考え方は適切か」という記載があります。先ほど室長からの御説明がありましたことを伺いますと、上場後の株価が安定的に推移するかどうかについてもきちんと留意しなさい、それが販売戦略の1つ重要な条件だということを言っていますので、この(B)と(C)は、セットで考えればよいので、広く国民が所有できるようにするという基本的な考え方から大きく逸脱はしないように思います。書きぶりもあるのかもしれません。(B)だけを見ると心配はあるかもしれませんけど、(C)において、アフターマーケットについてもきっちり配慮する、ということを勘案すれば、どうなのでしょうね。

〔 荒谷委員 〕 でも、投資家保護という言葉は今回の文章からすっぽり抜け落ちていますよね。

〔 緒方委員 〕 そうですね。抜けているのですね。

〔 荒谷委員 〕 どうもマーケットが優先というイメージばかりが先行して、その点をちょっと危惧するのですけれども。

〔 佃分科会長 〕 いや、結構でございます。委員同士での議論というのは大歓迎でございますので。今の件に関連で。

〔 林田委員 〕 多分、今の御議論は期待という言葉から受ける様々な印象から来ているのかなと思います。この期待という言葉からすると、期待を煽り立ててどうも、先ほど売らんかなというのもありましたけれども、そう受け取られかねないという危惧を持たれているのかなと。

 まあ、正確にこういう表現でいいのかというのはわからないのですけど、要は投資家が合理的な期待を形成できるようにすればいいという趣旨だと思うのです。要するに、ちゃんと適正な期待、これぐらいの価値があるものだなというのを投資家が判断できるような情報提供を、勧誘活動をせよという趣旨でここは書かれているのだと思うので、若干の言葉を補うというのをちょっと工夫されたらどうかなと。合理的という言葉がいいのか、適正という言葉がいいのかもわかりませんし、「留意した」というのもちょっと曖昧なので、「そういったことに資する」とかですね。何かそんなような、ちょっと言葉上の工夫をまずしたらどうかということが1点です。

 それから、先ほど来、自己責任の原則の見地からという、これがすっぽり落ちたというところは、やはり何かどこかあったほうがいいのかなと私は、言わずもがなと言えば言わずもがなですけれども、言わずもがなだからこそ入れておいたほうがいいということもあると思いますので。やはり自己責任の原則があるからこそ適正な情報開示とか行き過ぎない勧誘活動とか、そうしたことが求められるわけですので、そこはセットでここで記述したらいかがかなというのが私の意見です。

〔 佃分科会長 〕 わかりました。どうぞ。

〔 持永委員 〕 前回の私の質問がちょっとかみ合わなかったところがあったのですけれども、実は皆様の今の御議論の中に少々現れていますので、この資料全体を見据える中でちょっとおさらいをしたいと思います。前回までの議論で、既にブックビルディング方式を採られるということをもう方向性として決められたわけです。その中で、7ページを見ていただければ、ブックビルディング方式で主幹事証券が中心になって想定発行価格、仮条件の価格、さらには売出価格ということで、一般の投資が見られる価格のレンジというのは3つのものが提示されます。比較論での話ですが、要は、期待を煽って高値で掴んでおしまいというようなことはブックビルディングでは避けることができます。これが方式のメリットになっていますので、このあたりがまず、ブックビルディングを皆様が選ばれたという前提としてまず再度おさらいしていただいきたいと思います。次に、9ページにあります価格形成の適正というものは、結果として高い安いがあって合理的な価格形成ということですから、含意、インプリケーションとしましては、合理的な価格形成の適正ということが意味されていると読めると思います。

 また、9ページの右側になりますけれども、JTのときに投資家保護、自己責任が入っておりますのは、当時の入札方式という状況の中、価格のつり上げを危惧されたとことから、このような言葉が使われておられたかなと考えます。

 ですから、実は皆様が既にもう議論されたこのブックビルディング方式、先ほど地元の、地場の証券会社という話がありましたけれども、主幹事証券が選ばれて、そこにシンジケート団として地場の証券会社も含めて広く国民に行き渡るような形で価格形成をしようとしていますし、さらに株式の割り当て等を行う。これがブックビルディング方式ですので、今までの議論の中で懸念というものはある程度払拭できるのではないかなと、今気付いたところでした。

〔 佃分科会長 〕 今の5人の方の意見をまとめて、内野さんお願いします。

〔 内野政府出資室長 〕 恐れ入ります。まず、ちょっと言葉足らずであったのかなということは御議論を伺いながら非常に私、反省しておるところでございまして、いろんな御指摘ありがとうございます。

 その中で、投資家保護と自己責任を9ページのところでJTのところから落としたという御指摘が。これ、まさに今持永委員からおっしゃっていただいた、入札に関しての前提として、そういうものが、投資家保護、自己責任原則があるからこうしなさいと言っている、いわば背景みたいな説明文でございまして、投資家に実際に接触する部分というのは、その適切な投資勧誘というところで自己責任原則というものがしっかり入ってきておるものでありまして、もし投資家保護という文言がやはり、特に荒谷先生、金商法の専門家として足りないと言われるとちょっとあれなものですから、投資家保護という文言は少なくともどこかに書き足す形には。自己責任というのはあるのですが、投資家保護という文言は確かに全体を通してちょっとというのはありますので、そこは少し検討させていただければと思っております。

 それから、14ページの期待形成のところにつきましては、林田委員の具体的な修文の御意見もいただいたところで、少しこれも検討させていただければと思います。

 大変私自身も期待という言葉について理解が深まった気がいたしました。本当にありがとうございます。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。そのほかの。それじゃあ、どうもすみません、佐谷さん。

〔 佐谷委員 〕 売却時期についてですが、3ページの背景のところで、できるだけ早期に処分するということが書いてあるので7ページには書いていないのかもしれないのですが、この文章だけ見ると、「特段の配慮」ですとか、「弾力的対応」ということで、何かゆっくり売却するみたいに読めると思います。ですので、表現を考えていただければと思いました。

 それから、もう1つは質問なのですが、16ページの評価方法のところの評定者についてですが、具体的には大体何人ぐらいで、どういう方々が評定するか。過去の実績ですとか今回のイメージがあったら教えていただければと思いました。

〔 佃分科会長 〕 内野さん、どうぞ。

〔 内野政府出資室長 〕 まず、1点目の早期処分についてでございますが、法律上の早期処分というのは期限が定められていない中での早期処分で、私どもの行政官庁としての法令の読み方といたしましては、合理的なタイミングである前提でありながら可能な限り早くというようなイメージで見ておりまして、その大きいピクチャーの中で、これは各論的にこういうタイミングの選定についてよく考えて決め打ちする、この時期と決めるときにそこを気をつけろという、その辺ちょっと階層の違いがあるつもりで書いたものということを言わせていただければと思います。

 それから、もう1点の評定者でございますが、JT4次のときにおきましては、理財局国有担当次長、それから国有企画課長と政府出資室長の3者が評定者となりまして、この3者でそれぞれ基本ヒアリングをして、相談をすることなく点数をつけると。すみません。JT4次のときは、失礼しました、JTは財投の株だったものですから、当時は財投の次長、それから財政投融資総括課長と財政投融資企画官の3者でございまして、それ以前の国有財産、私ども出資室所管のものにつきましては、さっき申しました国有担当次長と企画課長と私のポストということになっています。大体その3者で評定をしておるということでございます

〔 佃分科会長 〕 よろしゅうございますか。それでは、どうぞ。

〔 望月委員 〕 ちょっと方向が違うのですけれども、9ページの、これは言葉の問題なのか本質なのかがわかりませんが、「郵政のビジネスモデルをより明確に説明することが必須である」とあります。ここで言うビジネスモデルとは何なのかというところです。

 全体の事業計画がはっきりしない中ではその企業価値が定められないという話があったと思うのです。そこで言っている事業計画とここで答えなければいけないビジネスモデルというのは似ていて違うような気がするのです。そこは表現が難しいのでこういう形になったのか。

 ビジネスモデルと言いつつ事業計画、つまり、この事業は何をつくって、何をサービスして、何を実現してという話と、収益の源泉の仕組みとしてのビジネスモデルは構造上の問題であって、事業計画とか事業内容ではないと思うのです。

 ただ、やっぱり求められるのは「一体何したいわけ?」というところに的確に答えなきゃいけないと思うのですね。それとビジネスモデルというのは対になっているものだと思うのですが。

 なので、ここはすごく難しいということはわかるのですが、そういうことを含めてビジネスモデルとしたのか……。その意図はどこにあったのでしょうか。

〔 佃分科会長 〕 お願いします。

〔 内野政府出資室長 〕 失礼します。まず、「事業計画」というのは、この分科会の場で幾つか発言をいただいておったのですけれども、この「事業計画」と政府の審議会の答申で書いてしまうと、郵政に関しましては、事業計画認可というのが、毎年毎年、日本郵政が総務大臣に提出しまして、それで認可を受けるというものがございまして、そこに矮小化されていってしまうおそれが極めて高かったということで、この言葉よりもむしろどこでもうけていくのかという部分をしっかりと正面から書かなければ、逆に、日本郵政さんが、事業計画は、総務大臣に認可もらっていますから、答申で言われたとおりやっていますって言われちゃっても仕方がないので、あなたら、どこでちゃんとこれから儲けていくんだと、成長していくんだというのを端的に聞こうとすると、やはりビジネスモデルという言葉の方が逃げ道がないだろうと。まさにおっしゃるような事業内容とかということではなくですね、そのどの分野にこれから注力し、どう成長しようとしているかを見せようとするときにはこの言葉の方がより適切だろうと思いまして、こういうちょっと違った形で書かせていただいております。

〔 佃分科会長 〕 よろしゅうございますでしょうか。失礼。はい。

〔 横溝委員 〕 いずれも書きぶりの問題なのですけれども、1つが、6ページのブックビルディングの方式を採用するということの関係で、ブックビルディング、それから競争入札による公募、これを比較して、競争入札による方法の方はこういう難点がありますよ、ブックビルディングにはこういうよさがありますよという表現になっているかと思うのですけれども、競争入札の方の難点について、これこれこういう指摘があるとされているという表現になっているのですけれども、「されている」となると、これは、部分的にされているんじゃなくて、一般的にこう言われていると言わないと、全体的には難点にならないかなと。その辺のところ、表現をもう少し言っていただきたいのと、それから、今度はいい点について、価格形成を行うことができると、反映した価格形成ができるということについて、これについてももう少し何か理由をつけていただいたほうがいいのかなと思いました。

 それからもう1点が、情報の開示と保秘の関係の9ページの点なのですけれども、価格形成を適正にするために十分な情報を提供してほしいと、そういうところがある反面、守秘義務はありますよということなのですけれども、この提供する情報にしろ守秘する情報にしろ情報としては同じものなのですかね。それがちょっとわからなかったのですけれども、同じものだとすると、片や提供する、片方は言っちゃいませんよという関係が少しわからなかったので、市民の人が読んだときにこれでわかるかなと思ったということです。

 以上でございます。

〔 佃分科会長 〕 お願いします。

〔 内野政府出資室長 〕 1点目の競争入札、入札方式の問題点についての指摘なのでございますが、注4にございますとおり、日本証券業協会さんの方で、いわば業界団体の一番自主規制団体としても機能しておる団体の方でこういった難点を指摘しておられるので、十分に一般的かなと思いまして、それを引用したというものでございます。

 それから、ブックビルディング方式がこういった価格形成能力があるという部分についての説明が足りないという点は、ちょっとよく検討させていただければと思います。

 それから、この情報の開示と保秘という部分でございますけれども、やはりこれはどちらかというとタイミングと内容において……。言ってみれば、これは上場していませんのでインサイダーには直接には該当しないとはいえ、該当するのでしょうか。

〔 荒谷委員 〕 主幹事証券会社を含む会社関係者等による情報伝達・取引推奨行為等に関しては、昨年、金商法が改正されインサイダー取引違反に該当することになります。

〔 内野政府出資室長 〕 そうですね。ちょっと法改正を受けてのことも視野に入れなきゃいけませんが、いずれにしましても、極めて公平・公正な形で開示される限りにおいてはしっかりと開示して説明していけと。ただ、例えば極端なもので言うと、このビジネスモデルといったときに、じゃあ、成長するときにどこか大きな国際物流企業を買収しますみたいな話が内々にあったとしたとすると、それが公表前に後段の情報管理がもしおろそかで漏れてしまって一部の投資家だけが耳にしているなんていうことは一番致命的な問題と思っておりまして、結局開示されていけば、まさに同じ情報というよりは開示されていけばこの前段の開示の情報に入ってくるのですが、そうでないものに関してはプロフェッショナルとしてそこをしっかり管理しなさいと、そういう峻別をつけたつもりでございます。

〔 佃分科会長 〕 よろしゅうございますか。どうぞ。

〔 林田委員 〕 今、室長が御説明された部分で言えば、やはりこの情報開示の中に、どこかに適時という言葉があれば誤解は避けられるのではなかろうかという気がいたします。

 それで、全体の話をしますけども、全体としての評価をまだ言っていなくて個別に入ってしまったので。全体としては、これまでの色々な答申を踏まえて、それをアップ・トゥ・デートしたということで、非常に方向としていいのかなと思っています。 それを前提として幾つか申し上げさせていただきますと、まず、3ページの答申案、(2)とあります。これ、背景・経緯の(2)になります。この部分、「さらに」以降ですけれども、4兆円が復興財源フレームに盛り込まれたところであると、復興財源確保の観点からも日本郵政株式の売却が必要であると、こういう表現になっています。この全体の意味するところに全く異議はございませんけれども、さっと読むと、あたかも何か当分科会が復興財源を確保するために早く売りなさいと言っているように読めなくもないという気がいたしました。何でそんな気がしたのかなと色々考えてみました。そうすると、この仕組みそのもののバックボーンとして、この復興財源の確保の方法が、下の注記にもございますように、平成34年度までの売却収入、それまでの話であると。つまり売らなければ復興財源が確保できないという仕組みにはなっていないというところがあります。余裕があるのですと、しっかりタイミングを見て売りましょうというのが前提になっているというニュアンスがこの本文の方にないことによって、何か復興のことなのだから早く売らなきゃと感じるなと。安いときに売ってしまうというのは非常に、財産を安く売ってしまうというのは非常にもったいないことですので、そういったニュアンスをこの下の注の部分の上に少し取り込んで、そういう仕組みになっているということをちょこっと触れれば、そういう誤解は防げるのかなというのが1点です。

 それにも関連するかもしれないのですが、基本的な考え方の(1)、「国民の共有の貴重な財産であるがゆえに公正な価格及び方法により行うことが必要である」という部分です。専門的な解釈は私、ちょっとわかりませんけれども、公正な価格というのはやはり市場の需給に基づいて特定の恣意が働かない価格ということだろうかなと思います。ただ、株式市場全体の需給が悪い状況の中で、結果としてかなり低い価格で売ることになっても、ブックビルディング方式等の方法をとれば公正な価格ということにはなるんだと思います。ですから、何を言いたいかというと、貴重な財産であるがゆえに公正な価格ならいいのかと、安くてもというところが少し心配だなと、何か言葉を補えないかなということなのです。これは非常に難しい。適正といっても何が適正かという話になってちょっと難しいとは思うのですが、まあ、それをほかのところで担保しているから大丈夫だというのであればそれでも結構なのですが、そこに1点の危惧を覚えたというのが指摘したい2点目です。

 それから、同じところの次のページ、5ページの(5)でございますけども、この中ほどのところに、「主幹事証券会社の専門的かつ責任ある立場からの意見を聞きつつ」という部分なのですが、主幹事証券が選ばれた以上、責任を持って対応するのは当然でありますが、「責任ある立場」とあえてここで言うと、何かこうした金融2社の問題に絡んだ株式価値の毀損を防ぐ一義的な責任が主幹事にあるのかというように読めないかなという印象を受けました。売出しの価格による価値の毀損云々の結果責任は、民間の創業者が例えば株式を上場して売ったという場合を考えればわかるように、やはりそれは創業者というか、その会社というか、その経営者というか、になるのかなと。ですから、やはり一義的には政府と、あとは郵政ですか、に一義的責任があるのかなと思います。そこを、そういうことでいいのですねという確認が1点。

 主幹事証券が責任ある立場とすれば、それを選んだ国の立場はさらに責任ある立場ということになるわけですが、その後に国と日本郵政は説明責任を十全に果たすとだけあると、結果責任はなく説明責任だけあるかのような印象も受けたとありまして。つらつら考えるに、要はその主幹事証券のところに「責任ある立場」と入れることによって、その責任責任で並んでしまっているので、ちょっとこれはレベルの違う責任なのかなという気がしたものですから、この部分は、責任は要らないのではないかという、何か遠回りして説明して申しわけありませんが、そういう気がいたしました。

 ですから、主幹事証券会社等の専門的な意見を、「等」というのは、主幹事証券だけから意見を聞けばいいというものでもないような気がしますので、等の専門的な意見を参考にしつつ、政府及び日本郵政は適切に対応すべきであると。この「対応を図るべきである」というのも、企図すればそれでいいということではなくて、国と郵政はやはり適切に対応しなきゃいかんのではないかという気がしましたので、例えばですが、そんな提案をさせていただきたいと思います。

 以上です。

〔 佃分科会長 〕 内野さん、お願いします。

〔 内野政府出資室長 〕 3ページのところは、参考1も答申本文に入れるつもりにはしたのですが、本文に格上げせよとの御指摘ですので、それを受けまして、ちょっと検討してみたいと思います。

 それから、4ページのところ、貴重な財産であることに鑑み、公正な価格。時価であれば法律上はいいのですけど、貴重な財産と強調したのであればもう少しという点も、そこは、どうするべきかというのは少し考えさせていただければと思います。

 それから、5ページのところでございます。ここで「責任ある」というのは、明確に主幹事証券会社が選ばれますと引受責任というのが生じます。それを前提に置いたときに、その引き受けた株式の価値ががくんと落ちてしまうことについては、彼らも会社としての大きな責任を負っておるということ。それからもう1つは、主幹事に選ばれる前の方々の営業でおっしゃっていることと選ばれてからおっしゃることというものが大体経験的に見ましても大分色々トーンが違ったりするということもございますものですから、それはそういう段階になってからきちんとという意味での責任と書いたつもりではあるのでございます。なので、もし原文維持的な形で言わせていただければ、専門的かつ引受責任ある立場からとか言わせていただくと、もう少し流れがいいのかなと思いました。もちろん委員のおっしゃるような、もう少し証券会社等の専門的な意見を参考にしつつで、あと、後段の「政府及び日本郵政は適切な対応を図る」というのは、企図すればいいというものではないというのは非常に重く受けとめましたので、そこも含めて、丁寧な修文の御意見としていただいていますので、疎かにせず、できる限りよく考えてみたいと思います。ありがとうございます。

〔 佃分科会長 〕 どうぞ、児玉委員。

〔 児玉委員 〕 投資勧誘のところの、日本郵政グループが不適切な勧誘にならないようにコンプライアンスというところを読んでいて気がついたのですけれども、日本郵政というのは、証券会社との関係で言えば、投資信託とかっていう金融商品も扱っているわけです。そこが多分これまでのJTとかNTTと違うところだと思うのです。その証券会社というのが、主幹事証券会社がまた今度はゆうちょ銀行とかかんぽ生命の株式の公開というものに携わるかもしれないと。そうなってくると、金融商品を扱っている部門とこういった株式の売出しをする部門の、その部分というものの業務の関係、ファイヤーウォールみたいなものというのが何かやっぱり必要だと思うのですけれども、その辺の点について何か言及しておく必要はないのかなと気がついたのですが、そのあたりはどうでしょうか。

〔 佃分科会長 〕 お願いします。

〔 内野政府出資室長 〕 要するに、9ページのところが投資勧誘という部分だけになっておるものをもう少しファイヤーウォール的な、システム的なことという御指摘かと思いますので、基本的には法令遵守、全体の中では当然にということになるので、あんまり何か創設的な規制の議論はいたしがたいと思いますので、当局とも相談をしてみたいと思います。

〔 佃分科会長 〕 どうぞ。

〔 山内委員 〕 すみません、質問と感想と、それからコメントを2つ。

 質問なのですけど、欠格条項のところがございましたけど、15ページですかね。このその他引受のAのところに、日本郵政のアナリストレポートを作成していない(新規公開時を除く)というところの意味がいまいちよくわからなかったものですから、これを御説明いただきたいということが1点です。これは質問です。

 それから、2つ目の感想ですけども、先ほどから、さっきずっと議論になっていた14ページの「投資家の期待形成に留意した」というところなのですけど、やっぱり我々経済の人間からすると、期待というと期待値、数学的期待値、それを言っているので、これは、ですから、投資家にとってちゃんとしたものを形成する、それを手助けするような売り方といいますかね、それを言っているように思えて、逆に投資家保護に近いのではないかという意識を持ちましたというのが感想です。

 それから、コメントなのですけども、先ほど附帯決議でなるべく多くの投資家にという御議論がありました。それで、世界中のこういう民営化とか、特に郵便事業のことを見ていると、例えばドイツポストなんていうのは民営化してからものすごくアクティブに事業を展開して、M&Aを繰り返して大きくなっていきました。そういうのを見ていると、この国会の附帯決議とは逆に、もう少し事業として展開する、こういうようなことを期待してもよいかもしれません。ただ、国会の意図はそうではなくて、より多くの人に株を持ってもらうということです。それについて言うと、サッチャー首相が登場してイギリスで民営化を展開したときの最初のスローガンがそれで、大衆資本主義と言っていましたけど、より多くの人に株式を持ってもらうということでした。実際、民営化によって株主が爆発的に増えたというのがございました。ただ、その後、やはり大きな資本に吸収されていったわけです。こういうプロセスがイギリスではあって、イギリスで民営化した企業というのは、それからものすごく改革がありましたので、一概にも言えないのですけれども、最初のスローガンとちょっと違うところにいったような感じもするのです。ですから、先ほど川口委員からの御指摘もありましたけども、いろんなやり方でその辺のことを最初に仕込んでおくといいますか、考えておく必要があるのではないかなと思います。それが1つのコメントです。

 それから、2つ目のコメントは、今回のこの案件というのは、非常に複雑だし、規模も大きい。ある意味ではこれは失敗したら大変なことになるというような、いつの場合でもそうですけども、そういう意味合いをかなり含んでいると思うのですね。ですので、この主幹事及びそのほかの選定については、その点、非常に慎重になるべきだと考えています。先ほど室長からお話がありましたように、前回のときに手数料の話もありましたけれども、例えば価格競争で、通常の言葉で言うと悪かろう安かろうというような形で安易にいくような性質のものでは全くないので、そこら辺のことについては御留意いただきたいと思っています。

 コメントが2点で、以上でございます。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。どうぞ。

〔 内野政府出資室長 〕 まず1点目、アナリストレポートの作成でございますけども、括弧書きは、公開していない、上場していない会社で情報量が少ないことから、新規公開時の主幹事選定に当たってアナリストレポートを書いていないと言ってしまうのはちょっと無理があるので、そこを除いておるというだけのことでございます。

 それから、2点目が……。

〔 山内委員 〕 2点目は感想ですから。

〔 内野政府出資室長 〕 恐れ入ります。3点目の附帯決議の部分でございます。

 コメントの1つ目として、やはりこの多くの投資家にというところがどう収れんしていくかと。これ、東証一部で見ますと7割ぐらいが国内の投資家で、その中で全体に占める個人の投資家の割合が3割強というような中でございまして、どういう配当政策をとるかとかにもやっぱりよってくると思うのですね。電力株が非常に不安定になっている中で、地銀株に一部相当地方の富裕層が流れたという中で、ゆうちょ銀行というものが出ていくと、そういった受け皿にもなり得るかもしれません。その辺はちょっと、会社の性質、どのぐらいパッシブな運用を目指す人、アクティブな運用を目指す人、そういう人とあわせて、会社の経営戦略と密接に関わってきますので、何か先行きを見るにしても、恐らく経営陣が株主構成をどういうものを望みながら、かつ自分たちがどういうビジネスをしているかに非常に関わってきますので、私どもの方からなかなか、そこを見通して、じゃ、こうなるからこうしようというのがなかなか上場のタイミングでは多分つきにくいのかなということを感覚としては伺いながら思いました。

 それから、2点目の部分は、手数料のダンピングみたいなことが起こったときに、御指摘のとおりで、証券会社といっても1つの会社の中で、投資銀行部門は当然手数料をそれなりにいただいて彼らも上がりを上げるわけですが、他方で、セールスの部門が投資家相手に色々やりとりをしておるわけでございまして、投資銀行部門の儲けとセールスの儲けと両方で見て彼らは考える中で、ここで言ってみれば、このブックビルディングというのは、実は1つの証券会社が株の買い手であり、また売り手になるという点では、この相克をどう調整させるかというところも非常にしんどい部分がございます。そういう意味では、ダンピングなるものが起こると、セールスの方の発言力が会社内で大きくなるということもちょっと危惧され得るなとは思いますので、今の御意見はよく消化しながら考えていきたいと思います。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。そのほか、ございますか。どうもありがとうございました。

 それでは、今日は本当に委員の方々同士が色々議論していただくというのは、僕は、今までほかの委員会でもあまりなくて、非常に物足りない気持ちがしていたのですが、今日はすばらしい意見を色々いただいて、ありがとうございました。

 今日の御意見を踏まえまして修正をした答申案をもとに、次回の分科会で再度審議を行って、答申を行いたいと思います。 なお、本日お配りしております答申案は、検討段階のものでございますから対外公表は差し控えますので、お取り扱いについてはよろしくお願いいたします。

 また、同様の趣旨で事務局による記者レクも行いません。ただし、議事要旨及び議事録については従来どおりの取り扱いに沿って公開させていただきたいと思っております。

 これをもちまして、財政制度等審議会第25回国有財産分科会を終了いたします。

 なお、次回の分科会につきましては6月5日を予定しております。後日、詳細は改めて連絡させていただきます。 本日は御多用中のところ、ありがとうございました。

 

午後2時59分閉会

財務省の政策