現在位置 : トップページ > 財務省について > 審議会・研究会等 > 財政制度等審議会 > 財政制度等審議会国有財産分科会 > 国有財産分科会 議事要旨等 > 議事録 > 国有財産分科会(平成26年4月14日開催)議事録

国有財産分科会(平成26年4月14日開催)議事録

財政制度等審議会 第23回国有財産分科会 議事録

平成26年4月14日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 第23回国有財産分科会 議事次第

 

平成26年4月14日(月)15:00〜16:53
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
 1.開会の辞
 2.理財局長挨拶
 3.諮問事項について
 4.議事
  (1)今後の分科会の進め方
 (2)事務局からの説明
    マル1日本郵政株式を取り巻く状況
    マル2政府保有株式の売却について
    マル3主幹事証券会社の選定基準
 (3)日本郵政株式会社からのヒアリング
  

    ・ 質疑

 

5.

閉会の辞

   配付資料
 資料 1

平成26年4月14日諮問文

 資料 2

日本郵政株式を取り巻く状況

 資料 3政府保有株式の売却について
 資料 4主幹事証券会社の選定基準
 資料 5参考資料・過去の答申
 資料 6日本郵政グループの概要
 資料 7、8日本郵政グループ中期経営計画

   出席者
 

分科会長 

 佃   和夫

           

  林

 理財局長 

    

  美並

 理財局次長

        委員  荒谷  裕子

 

  谷内

 理財局総務課長
   佐谷   和江

  

  角田

 理財局国有財産企画課長
   横溝  タカ

  

  内野

 理財局国有財産企画課
   

 

  

 政府出資室長
 臨時委員  緒方  瑞穂

 

  

 
 

  角  紀代恵

 

 参考人

 

  川口 有一郎

 

  谷垣  

 日本郵政株式会社専務執行役

  

 児玉  平生

 

  

 

  林田  晃雄

 

 

      望月 久美子

 

 

    持永  勇一

 

 

    吉野  直行

 

 

    

 

 

 専門委員  林   正和

 

 

 

 

 

 

   

 

 
 

 

 
     

午後3時00分開会

 

〔 報道関係者入室 〕

 

〔 佃分科会長 〕 ただいまから財政制度等審議会第23回国有財産分科会を開催いたします。

 委員の皆様方には、御多用中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 

〔 報道関係者退室 〕

 

〔 佃分科会長 〕 それでは、進めさせていただきます。

 なお、ただいま空席となっております吉野直行委員におかれましては、御都合により遅れて御参加の予定となっております。

 それでは、林理財局長から御挨拶をお願いしたいと思います。

〔 林理財局長 〕 林でございます。よろしくお願いいたします。

 御多用のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

 本日は、日本郵政株式会社の株式の処分についてでございます。御案内のとおり、同社は、2007年10月に郵政公社が民営化されて発足いたしました。2012年10月にはグループ組織の再編が行われ、本年2月には中期経営計画を発表して経営環境が整いつつある中で、来年中の株式上場を目指すということを会社の方では表明しております。これを踏まえ、私どもといたしましても、2015年中の上場が可能となるよう所要の準備を進めているところです。そういうことから、本日付で財務大臣から財政制度等審議会に対し、日本郵政株式会社の株式の処分について諮問をいたしまして、調査審議をお願いしたところでございます。

 この案件は、規模からしても、その問題の複雑性からしても非常に大きな案件だと考えております。規模という意味では、NTTとかJTと比べて、できるだけ高く売りたいとは申しませんけれども、国民共有の貴重な財産ですので、最も適切な価格で売却されるということが重要でございます。それが復興財源に充てられるということも重要でございます。そういったことから各方面から高い関心もが寄せられております。

 それから、複雑さという意味では、この案件は、これまで郵政民営化をめぐる色々な議論があったわけでございまして、これが過去のものとはなっておらなくて、現在も色々な方がいろんな思いを持ってこの案件を見ているということだと思います。他方、将来に向けても、郵便や貯金や保険がどういう機能を果たしていくのかということ、特に金融の面では、ゆうちょとかかんぽが金融市場の中でどういう役割を果たしていくのかということは非常に大きな課題です。一企業にとしてどういうところで収益を上げ、その価値を高めていくのかということと同時に、日本の業界、特に金融業界の中でどういう役割を果たしていくのかという国民的な関心事であります。

 ということで非常に難しい課題だと思っておりますけれども、幸いこの分科会では、これまでもNTTやJTの議論をしていただいてきた積み重ねがあるわけでございますし、それから、それぞれの分野で専門性に富む知見の高い方に集まっていただいております。どうぞ忌憚なく御発言いただいて我々を指導していただきたいと考えておりますので、本日もよろしくお願いいたします。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。

 ただいま林理財局長の御挨拶にもございましたとおり、お手元にお配りしております資料1の諮問文「日本郵政株式会社の株式の処分について」が本日、財務大臣から財政制度等審議会に諮問されました。この諮問につきましては、財政制度等審議会議事規則第8条第2項によりまして当分科会に付託されておりまして、同議事規則第8条第3項により当分科会の議決が財政制度等審議会の議決となります。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 まず、今後の分科会の進め方についてお諮りしたいと思うのでございますが、1点目としては、日本郵政株式に関する今後の調査審議につきましては、本日、事務局及び日本郵政株式会社から御説明をいただきまして、次回は参考人からヒアリング、第3回目が答申に向けた議論を行う。そうした上で、第4回目は6月上旬に開催して答申を行う。大体そういうスケジュール感で進めたいと思っております。

 2点目といたしまして、次回の参考人につきましては、日本証券業協会、株式会社東京証券取引所、野村證券株式会社を招聘したいと考えております。

 3点目といたしまして、本日は欠席されております川北委員につきましては、3月20日付でみずほ証券株式会社の社外取締役に就任されております。今後、当分科会が行う調査及び審議には、主幹事証券会社の選定に関する事項等、同社、みずほが当事者となり得る事項が含まれるということから、本日を含め、株式関係の調査審議を行う場合につきましては分科会を御欠席いただくということにしております。

 これらの取り扱いにつきましては皆様にお諮りいたしたいと存じます。御異議ございませんでしょうか。

 

〔「異議なし」の声あり〕

 

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございます。

 それでは、御異議ございませんので、今後このような方針に基づいてやりたいと思っております。

 それでは、引き続き議事を進めさせていただきますが、御意見、御質問等は、いつものとおり、後ほど一括していただくということで、まず初めに事務局から、日本郵政株式を取り巻く状況について、政府保有株式の売却について、及び、主幹事証券会社の選定基準について御説明をお願いいたします。

〔 内野政府出資室長 〕 政府出資室長の内野でございます。よろしくお願いいたします。

 縦置きになっております資料の山から何枚かめくっていただきまして、資料2から5、この4点を私の方で御説明させていただきます。

 まず、資料2をお手元に御用意いただけますでしょうか。資料2、日本郵政を取り巻く状況でございますが、これまでの郵政の民営化、あるいは復興財源の充当等につきまして御説明を申し上げます。

 1ページ目をおめくりいただきますと、民営化の経緯でございます。平成17年10月の民営化法の成立、これは公社として一体で行われてきた経営が親会社、子会社の形で分社化されまして、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の2社を10年で全部売却せよというものになっておったものでございます。その後時間が経ちまして平成21年の夏に政権交代がございました後、平成21年12月4日でございますが、こちらの処分の停止等に関する法律ということで、これらの株式の処分が凍結をされたということでございます。この凍結法が施行されて売却を私どもができない状態になっておったところに、平成21年12月の後でございますが、平成23年3月、東日本大震災が発生した。これを受けまして平成23年11月に復興財源確保法が制定されまして、後ほど御説明いたしますが、この日本郵政の売却収入を復興財源に充てることが決まったということでございます。これを受けまして、以前の平成17年の民営化法のままではよろしくないという政治判断を受けまして、平成24年5月に改正郵政民営化法が公布されました。こちらは、先ほど申し上げました金融2社の売却について10年以内に全部売却せよという義務がいささか変容いたした。これも後ほど御説明する部分でございます。同時に親会社についても早期に処分ということが明示されたものでございます。

 次のページをおめくりいただきますと、その現行の民営化法の構造でございます。まず、政府の下に、100%政府が日本郵政株を保有する形で日本郵政が書いてございますが、左上のほう、3分の1超の保有義務ということで、政府は3分の1は持ちなさいと。その右側をご覧いただきますと、残り、つまり3分の2でございますが、それは早期処分の義務がかかっておるということでございます。他方で、日本郵政の下には主たる子会社として3社ございまして、日本郵便は100%保有義務、持ち続けなさいと。ゆうちょ銀行と郵便保険会社は、点線で囲っておるところでございますが、その全部を処分することを目指し、両社の経営状況、ユニバーサルサービス義務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとするとございます。このユニバーサルサービス義務とは何かということが次のページでございます。

 3ページ目、下から2つ目の固まり、郵政事業に係る基本的な役務の提供、郵政民営化法の第7条の2でございますが、これは親会社たる日本郵政株式会社と、先ほど100%保有と申し上げました日本郵便株式会社、この2社に対する義務として、「郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局のネットワークを維持するものとする。」、全国においてあまねく公平に利用できるというところで、ユニバーサルサービスという言葉がトータルで略称して言われておるものでございます。

 次のページでございますが、この郵政民営化法の改正に当たりまして、参議院で附帯決議をいただいております。委員会の意思として示されるものでございまして、私どもはこれを尊重する責務がございますが、法律上の拘束力はございません。こちらによりますと、たくさん、8項目ほどございますが、第2項目が上場に関することでございまして、一番下の2行をご覧いただきますと、「これらの株式が国民全体の財産であることに鑑み、その処分に当たっては、ユニバーサルサービスの確保に配慮しつつ、可能な限り株式が特定の個人・法人へ集中することなく、広く国民が所有できるよう努めること。」という要請が来ております。極端な言い方をすれば、特定の何か、どこか政府系の特殊法人に全部売却するとかいうことは当然まかりならぬということでございますし、やはり国民の皆さんが日常的にお使いいただく中で成り立っておる事業でございますので、国民の皆さんに保有されるように、そういうことが国会から求められておるということでございまして、これは、実は主幹事証券会社の選定とか、売却の仕方に関わってくる附帯決議というふうに考えております。

 次のページでございますが、復興財源としてはどのように書いてあるかが5ページのところでございまして、一番下の14条でございます。下線を引いてあるところですが、「日本郵政株式会社の経営の状況、収益の見通しその他の事情を勘案しつつ処分の在り方を検討し、その結果に基づいて、できる限り早期に処分するものとする。」ということが記載されておりまして、この討議もその一環ということになります。

 次のページでございます。復興財源として計上されておるという中で、先ほどの復興財確法に掲げられたものを具体化しまして、復興財源の集中復興期間が平成27年度までの5年間で震災復興のために設けられておるわけでございますが、こちらは当初19兆円の枠組みであったものが、25兆円まで6兆円上積みされております。その上積みの中に、右側、「財源」と書いてあるところの上から2つ目に「日本郵政株式の売却収入4兆円程度」というものが書いてあるわけでございます。この4兆円というものは何かということが次のページに出てまいります。

 この復興フレーム25兆円の枠組みを決めましたときに国会の総務委員会で御議論になりまして、この4兆円というのはどういうふうに算定したのかと問われたことから、私どもが提出した資料でございます。実は、先ほど復興財確法の御説明でちょっと説明漏れしておりましたが、財確法では、平成34年度までの株の売却収入が復興財源となるとされております。その平成34年度までに一体幾ら売れるのかということを検討したのがこの紙でございます。まず最初に、2000年以降の市場において行われた株式の売出しの実績は最大で1.23兆円、これは2000年11月にNTTの第6次売却で1.23兆円が出ております。これが市場の消化能力というか、吸収力ということで考えまして、そして、最初の上場というのは、通常は比較的大きい規模で上場することが業界の慣行としてはございますので、この1.23を切り上げまして1回の売却額を1.3と仮置きしました。さらに、過去のNTTやJT等の売却の平均の間隔を全部ならして計算しますと2.8年に1回で、おおむね3年に1回の売却ということで、平成34年度までに3年に1回程度ですと最大3回売却ができるということで、1.3掛ける3で4兆円程度とやったものでございます。したがって、この計算過程から御理解いただけますとおり、これは過去の数字を延ばしただけのものでございまして、時々の市況に依拠しまして全くこれは大きく動き得るものでございます。ましてや私ども、簿価ベースで3分の2の分だけで8兆円以上ありますので、その8兆円が4兆円にしかならない、それでしか売れないという算定をしたものではございません。この点は、また後ほどの記者ブリーフィングでも誤解なきよう、よく説明をしておくつもりでございます。

 次のページでございます。もう1点、先ほど復興フレームについて申し上げました中で、平成27年度までの集中復興期間がございます。歳出は確かに平成27年度までなのでございますが、歳入についても平成27年度までに売らなければいけないのですかとよく聞かれるものですから、その構造を示しております。左側に東日本大震災の復興特別会計がございまして、こちらで確かに復興事業は歳出で出ていく。集中期間というのは平成27年度まででやりますということです。ただ、歳入はあくまで復興債の発行収入と復興財源収入があるわけでございますが、日本郵政の売却収入はこちらに当たっておるわけではございません。この復興債の償還が国債整理基金特会、右側の特会でございますが、こちらで償還されていく中でその償還財源として充てられるということでございますので、年度としては平成27年度中に全部の売却収入を得なければならないということにはなっておらないということがこの資料の御説明でございます。

 それから、9ページ目をご覧いただきますと、郵政民営化と成長戦略でございます。左側の郵政民営化法、下線を引いた部分をご覧いただきますと、民間に委ねることが可能なものはできる限り委ねる、自由で活力ある経済社会の実現に資するということで、民間の活力を引き出すという点では、実は右側の安倍内閣の成長戦略にも合致しているものと言えようかと考えております。申し上げたいことは、単に私どもは財源にいたしますというだけの話以上に、やはり日本郵政が提供するサービスが、他の会社と公正な競争を促進されることによって、より良質なものとなっていくことを通じまして国民経済、国民福祉に資する点があろうということで、売却収入の多寡だけで論ずるべきではないということが民営化の本旨であろうということを確認的に資料にさせていただいた次第でございます。

 10ページ目、日本郵政株式会社の概要でございます。こちらは後ほど日本郵政の谷垣専務から御説明があろうかと思いますので省略いたしますが、株の売却でございますので、発行済株式総数だけ1億5,000万株というところを御紹介させていただきます。

 次に、資料3にお移りいただければと思います。政府保有株式の売却についてということで、これは日本郵政の株式が政府の保有している株式の中でどのような位置づけになるかを御説明するものでございます。あわせて、その売却の手続についても入ってまいりたいと思います。

 まず、1ページ目をお開きいただきます。これはもうこの委員の先生方にはよくなじみのある資料だと思いますが、政府出資の現在額、一番上の四角の2番目の丸でございますが、70兆円程度ございます。このうち市場性があるものとしましては、この横表でございますが、黄色い部分の特殊会社の株式で、それ以外のものは市場性があるわけではないということでございます。この中に日本郵政は位置づけられておるものでございます。

 次のページをご覧いただきますと、その政府保有株式のうち特殊会社の一覧でございます。赤で囲ってある日本郵政の部分が台帳価格にしまして、純資産額でございますが、全体で12.5兆弱で、8.3兆程度が売却対象の株式になるわけでございます。ちなみに、JTをご覧いただきますと、現在3分の1を保有しておりますが、株式の24年度末の株価で計算しますとちょうど2兆円となっております。そう考えますと、3分の2を売ったのであれば4兆円入ったのかとも見えますが、後ほど御説明しますが、そうは問屋が卸さないような状態でございます。NTTにつきましては、3分の1が1.8兆でございます。したがって、3分の2を売ったということは3.6兆入ったかというと、これまた大変にこの額が違ってくる。このように台帳価格と売却収入はなかなかリンクしないということを次のページで御説明したいと思います。

 先ほど申し上げましたとおり、左側、NTTでございますが、現在の時価で申しますと1.8兆掛ける2で3.6兆の売却収入になっておかしくないのでございますが、実際は15.2兆の売却収入が入っております。これはやはりバブル期に相当な高値で大量に売れたということで、昭和62年から63年にかけまして10兆円近い売却収入が実は得られているということでございます。それから、JTは、他方で売却総額は2兆円でございます。これは、JTさんが当初、平成6年ですからバブル崩壊直後で、株価は、下降線にあるとはいえ、まだそこそこ値がついたはずでございますが、その後、JTさんの国際化、多角化が非常に成功いたしまして、JTという株自体が順調に上がっていった結果、現在の3分の1保有が2兆円にまで膨らんだということでございます。

 この3ページの表でございますが、もう1つご覧いただきたいのが売却方式。それぞれの法人の一番上のところに売却方式というのが右側にございます。第1回のところは両方とも「入札・売出し組み合せ方式」と書いております。当時の上場のやり方としてこういうやり方があったということでございまして、これをこの後、御説明してまいります。その下に、例えばJTの第2回からブックビルディング方式というのがございまして、この入札・売出しとブックビルディングという2つの上場の仕方が現行制度上は併存しておるということで、その御説明を次にいたしたいと思います。

 4ページをご覧いただければと思います。NTTの第1次売却という資料でございます。売却方法は入札・売出し組み合わせ方式でございます。この売却株数が195万株を売るということで、全体の12.5%、8分の1を売却したわけでございますが、最初にこの約1割に当たる20万株を価格競争入札、1割だけまず入札にかけるのでございます。入札にかけましたところで、ちょうど四角の真ん中辺でございますが、入札予定価格を超える単価のうち、高価の入札者から順次売り払い数量に達するまで入札者をもって落札者を決定するということで、最終的に693人の方が落札をされたということでございます。これでそれだけ落札する札がたくさん入ったものですから、それを受けて、売出しというところで、落札された価格の加重平均でもって売出価格を119万円と設定したということで、残り9割近くの株を証券会社に勧誘してもらって、直接、国が投資家に売却をしたということでございまして、119万円の売出価格でございましたが、上場初値が160万円とさらに上昇した。NTTのブームのようなものを御記憶ある方も多いと思います。

 ただ、現在は、実は平成21年に1対100で株式分割を行いまして、1株当たりの価値をぐっと下げましたことから単純比較はできませんが、先週金曜日の終値で見ますと5,179円。1対100ですので、仮に100倍しますと52万円弱というような情勢でございます。

 JT第1次売却が次の6ページでございます。こちらも全く同様の手続を経たのですが、実は売却株数、上の2つ目の丸でございますが、ここの売却可能な66万株余のところ、3分の1、このうちの40万株弱を売却となっております。これは何かと申しますと、マル2マル3の間の矢印のところに書いてございますが、割り当てられた株について払い込みが行われない失権株が発生した。競争入札という形で非常に値がつり上がってしまいまして、売出しがちょっと高過ぎて投資家が払い込んでくれない事態が出てきてしまったということでございます。これは、安定的に売却して確実に売却収入を得るという観点からはいささか難しい課題を提示したものでございます。また、右側をご覧いただきましても、入札開始から上場まで2カ月半かかるということでなかなか価格が決まってこない。そこも、例えば同業他社がこの間に業績が悪化して株価が下落したりした場合に、このプライシングだと非常にタイトになってくるということでございます。

 次のページをご覧いただきますと、JTの4次売却は他方でどうであったかということでございます。これも御記憶のことと思いますが、日程のところをご覧いただきますと、左端で平成25年2月25日に売却を公表しまして、3月15日には受け渡しで全部のディールが終了している。これはブックビルディング方式で行ったわけでございます。これですと非常に短期間で売却ができたということでございまして、JTの株も売却収入としては1兆円近い収入を上げることができたのは御記憶のとおりと思います。

 次のページ、7ページでございますが、では、ブックビルディングと競争入札による公募がどう位置づけられているかと申しますと、有価証券の上場規程施行規則におきましてブックビルディングが平成9年から導入されたということでございます。競争入札による弊害は多々あるわけでございますが、時間がかかり過ぎたり、適正な価格形成機能が発揮されていないことからブックビルディングが導入されたと。

 次のページをご覧いただきますと、では、そのブックビルディングは何かということでございます。JTの4次のおさらいになりますけれども、上の四角に書いてありますとおり、ブックビルディング方式による株式売却とは、投資家に対する需要状況の調査を通じて、需要の積み上げを行い、その結果に基づいて売出価格を決定し、この価格で証券会社が株式の引き受けを行い、証券会社は引き受けた株式をさらに投資家へ売却するという方式でございます。ステップ1としまして、想定発行価格を算定いたしまして、これを有価証券届出書に記載して提出をする。この時点では、他業種と比較したり、収益力などを見ながら理論値のようなものを出していく。その理論値のような想定価格をもって、まずプレマーケティングとして投資家の需要を見て回ります。その需要の強い弱いを見ながら、仮条件の価格帯として、一定の上限下限の価格帯を次に設定いたします。その設定した仮条件価格帯をもちまして、さらに下のブックビルディングのプロセスでございますが、需要調査として、投資家に幾らなら何株買うという需要を提出してもらう。それを主幹事証券会社が取りまとめまして、このぐらいの需要が集まってきましたというのを説明した上で、主幹事証券会社が売出人にこの価格で売りましょうと提案がされまして、売出人が売出価格を決定するということで、この価格でもって証券会社に全部の株を売却する。証券会社の儲けは、この売却された金額に一定のパーセンテージでの手数料として入ってまいりますので、この売却価格を大きくするほうが手数料も多くなるということで、証券会社さんはそのインセンティブがある。それを投資家さんに証券会社さんが売っていくということで、それが上場して初値決定になっていく。そういう構造の方式でございます。

 次のページをご覧いただきますと、9ページでございますが、ブックビルディング方式導入前後から件数を見ますと、実はブックビルディングが導入されて以降、全てのIPOがこの方式になっております。現在はこの方法で上場するのが確立した商慣行と言えようかと思っております。

 以上が資料3の御説明でございます。

 次に、資料4でございます。主幹事証券会社の選定基準でございます。

 1枚おめくりいただきまして、1ページ目でございますが、JTとNTTの選定の基準を提示しております。これは、注意を要しますのは、JT、NTTとも第1次の売却の入札・売出し方式ではございませんで、2次売却以降のブックビルディング方式の主幹事選定を念頭に置いて対比したものでございます。基本方針としまして、外国証券会社を含む多くの証券会社を対象としましょうというものを出していただいて、それから引き受け能力を総合勘案するということで、過去の実績等の定量的要素と売出しに関する提案の内容等の定性的な要素の両者を勘案して公平公正に選定せよということを出していただいております。募集要領は参加希望を有する全ての証券会社に配布し、審査手順は書類審査と口頭審査を組み合わせることでこれまでやってきております。この構造自体は、私ども、今回の日本郵政でも同様に維持してよいのではないかと考えております。国内・外国の証券会社の取り扱いの差異ということで、役割が国内での販売をするのと海外の機関投資家を中心に売っていくということでいささか違う部分もございますので、評価すべき項目に若干の差異を設けることは差し支えないということで多少のアローワンスを事務方にいただいておる部分もございます。

 それから、書類審査のところをご覧いただきますと、JTですと食料品事業、NTTですと電気通信事業での実績を問うているわけですが、日本郵政の場合には運送業であるとか銀行業、保険業などが念頭に置かれることになろうかと思っております。

 それから、評価方法でございますが、書類審査は客観的な得点化で、その総合評点で評価をする。他方で口頭審査というのは、この審査基準をちょっとご覧いただきますと、株式の販売戦略とか引き受け姿勢といった、なかなか数字化になじまないような項目も多数ございまして、これは複数人の採点者をもって、それぞれがしっかりとヒアリングをした上で、その心証形成に基づいて採点したものを集計して積み上げてこの審査の得点にするということでございます。

 「その他」と書いてありますところ、主幹事証券会社の数、引受団の編成でございます。選定する主幹事証券会社の数や引受団の編成等は、基本的には売却時における市場環境、売出しをめぐる状況、その時点における市場慣行等を踏まえ適切に判断すべきということでございますが、2社から4社程度がこれまでは選ばれているということでございます。これまでですと、財政審におきまして、国民一般に広く保有させるようにという答申はいただいておるのですが、今回、日本郵政の場合には、先ほど申し上げました国会の附帯決議によりまして、もう少し重い形で国民一般に保有させるべきというのがございますので、この主幹事証券会社の数や引受団の編成、あるいは先ほどの証券会社間の取り扱いの差異等のところで何か工夫の余地があるかないか、この辺は一つの論点になろうかと思っております。

 それから、一番下の審査過程の非公表という部分でございます。ここは、より一層の透明性を確保するための方策を検討せよということが累次にわたる答申で言われておりまして、かつては審査要領非開示とか言っておったのですが、その審査要領を各証券会社さんに、この選定基準を受けまして私どもで相当稠密なものを作るわけでございますが、その内容を開示するとか、あるいは口頭審査に進んだ証券会社さんのお名前は公表しようとか、そういった透明化措置をやっていっております。今後さらに透明性を求めるとすると、各証券会社さんが一体、何点トータルで取られたかみたいな数字を出すのか出さないのか。この透明性確保というのは、もうその辺のところにまでいってしまっております。ただ、競争入札のような形ではなく、ある種のビューティーコンテストの部分もございますので、それをどう開示、不開示するか。透明性というところとその辺の各社の、言ってみれば、公表された場合のメリット、デメリットは慎重に勘案する必要があろうかと考えております。

 次のページでございますが、主幹事証券会社選定の流れ、今申し上げましたものの概略をさらにわかりやすくフローチャートにしたものがこちらでございます。主幹事の選定、マル3で書類審査と口頭審査の評点の両者を総合的に勘案してふさわしい社を選定するということでございまして、一番下の注のところでございますが、この審議会からいただいた答申をもとに事務局で審査要領を策定するというのは先ほど申し上げたとおりでございます。

 最後のページでございます。では、主幹事証券会社、主幹事証券会社と言うが、一体どんな仕事をする人たちなのかというのがこちらの資料でございます。これはあくまで一例でございますけれども、売出人の財務省がグローバルコーディネーターと言われる一番の取りまとめ役になる証券会社をまず設定いたします。大体、日系と外資系をそれぞれ組み合わせるというのが従来のブックビルディングでの私どものやり方でございます。右側にございますグローバルコーディネーターは、このディール全体を束ねる役割を持っていまして、作業の運営、販売戦略の検討や提案、スケジュール管理などをやっていただくということでございます。その下の国内トランシェ、海外トランシェ、国内枠、海外枠ということでございますが、この両トランシェの需要の積み上がりを踏まえまして、全体の配分を検討し提案するということで、国内トランシェと海外トランシェのそれぞれブックランナーと申しまして、これが需要を積み上げていく仕事を取りまとめるわけでございます。ブックランナーというのは何をやるかと申しますと、計画どおりの販売を達成するための引受団を運営します。販売面で最大限のコミットメントが求められる。つまり、営業を相当頑張る方々でございます。このトランシェの中でどういう配分をするか。国内リテール投資家とか機関投資家への配分を決定するということで、言ってみますと、あくまでボトムアップで需要は積み上げるのですが、それをブックランナーという方々、グローバルコーディネーターという方々が一体何割ずつに全体の投資家に枠を配分するかという提案をいただく。もちろん、提案いただいたものを受けて財務省で決定するわけでございます。そんな構造になっておるということでございます。この部分の役割が先ほど申しました附帯決議との関係では非常に重要になってくる部分でございます。この国内のブックランナーを、どのような会社さんに入っていただくような審査基準にするのかということが具体的には一つの論点であろうと。

 ちなみに申しますと、現在、グローバルオファリング、世界で様々な大きな企業体の上場が行われておるわけですが、この主幹事証券会社は数を1社に限るわけではございませんで、非常にバラエティーに富んでおります。1社だけにお願いするような小さな上場もあれば、大きいものですと10社選んだような事例も前例としては見ております。財務省の立場としまして、この手数料がどうなるかというところでございますが、先ほど申しましたとおり、売却の価格にパーセンテージでかかるもので、それがシンジケート団全体に配分されるものでございます。言ってみれば、主幹事証券会社の数につきましては幾つにしたところで引受手数料は変わらないということでございまして、私どもとしては船頭多くして船山へ登るになってはいけませんので、それなりのこういった決める役割分担はしていただきながら、日本郵政さんは非常に難しい案件でもございますので、充実した体制を組めるようにこの主幹事団というものを考えねばならないと考えておる次第でございます。

 最後に、資料5の御紹介だけさせていただきます。これは過去の答申でございます。ある程度サマライズした形の御説明はさせていただいておるところでございますが、1ページ目のところでございます。1枚おめくりいただいた日本電信電話株式会社の昭和61年の基本方針のところでございますが、マル1で、特定の個人・法人に集中せず、一般国民に公正に売却ということ。もう1つ、過去に例を見ない巨大な規模の売却であることから、証券・金融市場の動向に十分配慮して行う。これは現在でも非常に妥当する議論かと思っております。一通りまたお持ち帰りいただいてご覧いただければと思いますが、こういった過去の蓄積の上に乗って、そこから先ほど来申し上げております幾つかのカスタマイズすべき点を修正なり、こうでどうだろうかということを考えて、私どもとしては答申の案を皆様方の意見を受けて組み立てていきたいと考えておる次第でございます。

 私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。

〔 佃分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 続きまして、日本郵政株式会社・谷垣専務執行役から、日本郵政グループの概要及び日本郵政グループ中期経営計画について御説明をお願いします。

〔 谷垣日本郵政株式会社専務執行役 〕 日本郵政の谷垣でございます。平素、郵政事業に対しまして御理解賜りまして、まことにありがとうございます。

 お手元に資料6、7、8と3本資料がございますので、この6、7、8に基づきまして日本郵政グループの概要につきまして、できるだけ手短に御説明申し上げたいと思います。途中早口になるかもしれませんが、お時間の都合で御容赦願いたいと思います。

 まず、資料6でございますけれども、日本郵政グループの概要でございます。

 資料をめくっていただきまして、2ページでございます。先ほど財務省様から民営化以降の経緯については御説明がございましたけれども、初めから並べますと、1871年、明治4年に郵便事業を創業して以来、ちょうど2021年に150周年を迎えることになります。郵便貯金ができたのが1875年、明治8年、それから簡易保険事業ができたのが1916年、大正5年でございまして、これが2016年に創業100年を迎えるということでございます。その後、1949年に郵政省が発足をし、2001年に郵政事業庁となり、2003年に日本郵政公社になりました。その後、民営化法が成立をして今日に至っているところでございますけれども、2006年、平成18年1月23日に日本郵政株式会社、持株会社の準備をする会社でございますけれども、ここで形式的には持株会社が発足をしているということでございます。

 3ページをご覧いただきたいと思いますけれども、全体の構成はこのようになってございまして、持株会社、日本郵政株式会社の下に、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命という主要事業子会社が存在いたします。ご覧のとおり、規模的には持株会社の社員数は3,288名でございますが、これは病院とか、かんぽの宿を持ってございますので、実際のいわゆる企画部門、コーポレート部門と言ってございますが、そこは400人くらいでございます。これに対しまして日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の職員数は、日本郵便が20万人、これは正社員だけでございます。それから、ゆうちょ銀行が1万3,000人、かんぽ生命が6,900人ぐらいでございます。それから、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の一番下に「窓口業務の委託」と書いてございますけれども、ゆうちょ銀行、かんぽ生命は直営店もございますが、基本的に窓口業務は日本郵便株式会社が持っております郵便局に委託してございます。委託手数料を払って日本郵便で、いわゆる郵便局でゆうちょ、かんぽの窓口業務を行っている構造になっているということでございます。

 それから、4ページをご覧いただきたいと思いますが、各社の概要でございます。一番左が日本郵政株式会社、持株会社でございますが、先ほども御説明がございましたけれども、資本金3兆5,000億円で、発行済株式数が1億5,000万株でございます。その右が日本郵便株式会社でございまして、これは平成19年10月1日、いわゆる民営化法とともに発足をいたしまして、資本金1,000億円で、発行済株式数は400万株でございます。

 それから、5ページがゆうちょ銀行、かんぽ生命でございますけれども、10月1日より若干早く、平成18年9月1日にそれぞれの会社は発足してございます。これは、みなし免許を受けるための受け皿となるために10月1日より若干早く発足してございますが、ゆうちょ銀行は資本金3兆5,000億円、発行済株式数1億5,000万株、かんぽ生命は資本金5,000億円で、発行済株式数は2,000万株でございます。

 ちょっと駆け足で申し訳ございませんけれども、6ページでございますが、財務状況でございます。まず、日本郵政グループ全体の連結財務諸表でございます。左側が連結損益計算書でございまして、経常収益のところをご覧いただきますと、生命保険事業収益は大変多くなってございまして、11兆8,348億円でございますけれども、これは保険料収入がその保険の経理上、収益にカウントされますので、見かけ上大きくなっているということでございます。一番下の当期純利益を見ていただきますと、当社の大体の経営の結果が出ているわけでございますけれども、ご覧のとおり、平成20年度から大体4,000億円台の当期純利益を維持しまして、平成24年度に5,600億円、多少運用収益がよかったのでこの年は多少高目の最終利益を出しているということでございます。それから、右が連結貸借対照表でございますけれども、平成25年12月末現在の数字になってございますが、ご覧のとおり、右の純資産合計12兆9,715億円が簿価ということでございます。

 それから、7ページをご覧いただきたいと思いますが、持株会社単体、日本郵政株式会社単体の財務諸表でございます。持株会社の収益というのは、ご覧のとおり、受入手数料、つまり、各社からの経営管理料であるとか、各社からの配当金でございますので、当期純利益というのはご覧のとおり1,000億円強、平成24年度は1,452億円が持株会社の最終利益になってございます。

 右のページが貸借対照表でございますが、ご覧のとおり、関係会社株式ですね。資産のところに関係会社株式を持ってございまして、ゆうちょ銀行株式が7兆7,945億円、かんぽ生命株式が1兆円、日本郵便株式が4,000億円でございまして、民営化、分社化の当初に日本郵政が出資をした額でございます。現在は、日本郵政の資産としてはこれだけでございますが、連結では、それぞれゆうちょ、かんぽ、日本郵便とも利益剰余金を加えて、全体の簿価というのはもう少し大きくなってございます。日本郵政が持っているのはこれだけでございます。それから、右に純資産合計が8兆7,152億円と書いてございます。

 それから、8ページが子会社の日本郵便でございます。こちらは郵便とか郵便局を持っている会社でございまして、左側の損益計算書の営業収益のところをご覧いただきますと、郵便業務収益というのは自分で郵便事業を営んでいるわけでございますが、それ以外の収益で窓口業務手数料、郵便窓口業務等手数料と銀行代理業務手数料、生命保険代理業務手数料がございまして、これが先ほど申し上げた委託に係る手数料でございます。日本郵便の場合、最終利益がご覧のとおり、平成23年度は188億円、平成24年度は830億円になってございますが、もともと発足時には郵便局株式会社と郵便事業株式会社という2種類ございまして、それが平成24年10月1日に統合してございますので、これは平仄が合ってございません。統合後の最終利益が書いてあるので830億円となってございます。右のページは貸借対照表でございますが、ご覧のとおり、資本金は、先ほど申し上げた1,000億円でございますけれども、資本剰余金、利益剰余金を合わせまして純資産合計は5,937億円でございます。

 それから、9ページは郵便、郵便局のそれぞれのセグメント別管理を管理会計上やっておりますので、参考までにお見せしているところでございます。ご覧のとおり、郵便事業が平成24年度で311億円、郵便局事業が289億円の最終利益でございます。

 それから、10ページでございますが、郵便事業の営業状況でございます。駆け足で大変恐縮でございますけれども、ご覧のとおり、物数が一定の率で減少してございます。平成24年度で175億4,400万通でございますが、赤いところが郵便、手紙・はがきでございます。ゆうメールというのは、カタログとか雑誌とか、そういう軽量のものでございますが、31億通でございます。ちょっと上に3億8,200万通と書いてございますのはゆうパックでございまして、これが昔の郵便小包でございます。

 11ページがそのゆうパックの業界におけるシェアでございますけれども、A社、B社、名前は一応書いてございませんが、ご覧のとおり、それに比べて日本郵便のゆうパックはシェアが10.8%という状況になっているところでございます。

 それから、12ページがゆうちょ銀行でございます。ゆうちょ銀行は、グループの中でも最も多くの当期純利益を上げているところでございまして、一番下の欄でございますが、平成24年度で3,739億円でございます。貸借対照表をご覧いただきますと、有価証券で170兆円持ってございますが、そのうち国債が131兆円でございます。右の純資産の部でございますが、先ほど申し上げました資本金3兆5,000億円に資本剰余金、利益剰余金等を加えまして、純資産合計11兆3,009億円というのが25年12月末現在の数字になってございます。

 13ページがいわゆる貯金残高でございますが、一時期に比べ、残高はもう相当減少してございますが、最近ちょっと下げ止まりまして、ご覧のとおり、176兆円程度を維持している状況でございます。

 14ページでございますけれども、業界全体でどのくらいのシェアになるかというのはご覧のとおりでございまして、ゆうちょ銀行が22%ぐらいを占めるということでございます。

 15ページがかんぽ生命でございます。かんぽ生命も、ご覧のとおり、最終利益は300億円から始まって700億円、最後は910億円になってございます。それから、国債は54兆円持ってございまして、貸借対照表の一番右下でございますが、純資産合計が1兆5,151億円でございます。

 それから、16ページが保険の契約件数でございますけれども、保険新契約については左側のグラフでございます。微増でございますが、右の保有契約数全体は、旧契約の減少に対しまして新契約の増加が追いつきませんので、保有契約数そのものは減少し続けています。3,681万件というのが現在の数字でございます。

 17ページは、それを業界で見た場合のシェアでございますが、かんぽ生命のシェアというのは大体22.6%でございます。

 それから、18ページでございますが、いわゆる新規業務の規制でございます。ゆうちょ銀行、かんぽ生命につきましては、銀行法の規制、保険業法の規制のほかに、私どもは上乗せ規制と呼んでございますが、民営化法上の規制が課せられてございまして、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式の2分の1を処分するまでは、郵政民営化委員会の意見を聞いた上で、総務大臣と内閣総理大臣、この場合は金融庁でございますが、その認可を得なければいけない。それから、2分の1を処分した後は、事前届出ということになってございます。それに加えて、銀行法では、まずゆうちょ銀行については、免許をいただくときの条件として、色々な業務をやるときの銀行法上の内閣総理大臣の承認が要件になってございますし、かんぽ生命については、ほかの生保と同じでございますが、保険業法上の認可がございます。

 条文でございますので飛ばしていただきまして、22ページをご覧いただきたいと思います。22ページは、一昨年のことになりますが、平成24年9月3日に認可申請をした新規業務の概要でございます。ご覧のとおり、ゆうちょ銀行につきましては、個人向け貸し付け業務として、住宅ローン、目的別ローン、カードローン等について、それから法人等向け貸し付け業務につきましては、上場企業等、中小企業について申請をしたわけでございますけれども、その年の12月の郵政民営化委員会の意見として、住宅ローンについては、まず、スルガ銀行の媒介業務を行ってございますので、その82店舗から段階的に増やしなさいと。それから、融資については大企業に限定をして、いわゆる中小零細企業向けの融資については、競争条件を十分見ながら検証するので当分行わないことということで民営化委員会の意見をもらっておりますけれども、現在のところまだ認可が出ておらず、総務省、金融庁で審査中でございます。

 23ページは、その民営化委員会の意見でございますので、省略をさせていただきます。

 24ページは、かんぽ生命保険の認可申請の概要でございます。かんぽ生命につきましては、学資保険の改定につきまして、ご覧のとおり、現行といいますか、この4月から新しくなってございますが、それ以前の学資保険は、学資保険に加入をした段階から大変高い死亡保険金額を払うわけでございますけれども、改定後は保険料相当額の死亡補償を行うという三角形の商品に改めて、この4月から認可をいただいて商品を販売しているところでございます。右のページに、民営化委員会の意見も、実施について問題はないという意見でございました。11月30日に金融庁、総務省に認可をいただきましたけれども、保険金支払い管理態勢の充実強化が条件となってございます。その条件につきましても、今年1月24日に総務省、金融庁に説明をして承認を得ましたので、今年4月2日から学資保険を現在販売している状況になっているところでございます。

 お時間の都合で飛ばさせていただきますが、27ページをご覧いただきたいと思います。27ページは、従業員持株会の状況でございますけれども、これは民営化当初、平成19年10月1日に発足をいたしました。途中、先ほど財務省の御説明があったように、一時、株式売却が凍結になりましたので、平成22年2月から平成24年10月までは持株会への拠出は止まっておりますが、現在再開をしてございます。持株会社については、社員の約60%はこれに加入している状況でございます。

 以上が資料6で、グループの概要でございます。

 引き続きまして、資料7と8でございます。お時間の都合で大変簡潔に御説明させていただかなければいけないと思っておりますけれども、資料7と8が今年2月26日に発表いたしました私どもの中期経営計画でございます。報道資料は資料8のような冊子で発表したわけでございますけれども、説明の便宜上、資料7のA3のペーパーをご覧いただければと思います。

 資料7に私どもの中計の概要を書いてございます。「新郵政ネットワーク創造プラン2016」と書いてございますが、2014、15、16のこの3年間の取り組みをまとめたものでございます。外部環境、内部環境と書いてございますが、外部環境のところで大きいのは低金利の継続でございます。御存じのとおり、国債等の低金利が継続しておりまして、これはゆうちょの資金収支に大変深刻な影響を与えてございます。IT化の進展は、一方では、私どもで申しますと、郵便事業の手紙・はがきの物数の減少に大きな影響を与えておりまして大変厳しい状況でございますけれども、その中で、一昨年4月27日に改正郵政民営化法が成立いたしまして、株式の上場とともに郵便貯金、保険のユニバーサルサービスをきちんとやりなさいということを法定化されたということでございます。内部環境のところで、そのミッションを果たすために、私どもの強みといたしましては、やっぱり大きな潜在能力と、もう1つは郵便局を中心にしたネットワーク、もう1つは信頼のブランドでございます。地域とともに育ってきたというお客様からの郵便局に対する信頼。この3つが大きな強みであると認識をしてございまして、この3つを生かして、物数が大変落ち込み、保有契約件数が減少していく中で、まずこの3年間でネットワークを中心として経営基盤を強化するというのが中計の柱でございます。

 3本柱といたしまして、下に1番、2番、3番と大きく書いてございますが、1つは主要三事業の収益力と経営基盤の強化でございます。例えばゆうちょ銀行で申しますと、資金収支は大変低下するわけでございますが、残高を確保して、手数料ビジネスと運用の多様化の促進によりまして全体の収益を確保していこう。郵便物流で言いますと、郵便物数、手紙・はがきは落ち込みますけれども、メール便とかゆうパックをきっちり増加させて全体の収益を維持していく。かんぽ生命につきましては、右でございますけれども、まず募集品質をきっちり確保して、渉外社員、現在1万8,000人ぐらいおるのでございますが、2万人体制にして、月額500億円の新契約を確保して、保有契約数の減少に歯止めをかけたいというのがこの大きな柱でございます。

 それ以外に、金融受託事業というのは、先般アフラックと提携して大変話題になりましたけれども、郵便局ネットワークを使って他社様の金融商品等の販売を行いたいということでございます。不動産事業につきましては、典型的にはJPタワーという東京駅前のビルが大変有名でございますけれども、未利用不動産を使っての不動産事業についても展開をこれから行っていきたいということでございます。物販事業というのは、昔は郵便局窓口における持ち込みでございましたが、食料品を中心に当方としてはふるさと小包をやってございましたけれども、今後は食料品に限らず、eコマース等販売チャネルを拡大してやっていきたいということでございます。

 大きな2番目でございますけれども、「ユニバーサルサービスの責務を遂行」というのは、そのとおりでございまして、郵便、貯金、保険のユニバーサルサービスを確実に提供し、それから、右のほうの郵便局ブランドを生かして自治体との連携を行い、地域密着サービスを展開します。

 下は、「上場を見据えてグループ企業価値を向上」というのは、上場そのものは法定されているところでございますけれども、上場の有無にかかわらず、今後のグループの企業価値を向上していきたいというのを3つ目の柱にしてございまして、その基盤的なものを左側に書いてございます。マネジメントの刷新のところと、それから郵便局等は、投資が若干これまで少のうございまして大変傷んでございますので、老朽化に対応する投資を行いたいということでございます。一番下に書いてございますのは、内部統制、企業統治の強化でございますが、コンプライアンスを徹底し、企業情報についても適時開示を行い、内部統制報告制度へ対応するということでございます。

 下に3つ箱を描いてございます。その上で、先ほど申し上げたような提携だけではなくて、それ以外にもネットワークを活用した提携戦略を推進していきたい。真ん中は、先ほど申し上げた改定学資保険だけではなくて、もちろん、ゆうちょの融資業務も含めて新しいサービスに挑戦していきたい。右は、郵便局の老朽化投資だけではなくて、成長投資もきっちり行っていきたいということでございます。典型的には郵便物流ネットワークの再編と書いてございますが、大きな郵便局のところを多少統合いたしまして、集配局も事務の効率化を行うということでございます。昨日の朝刊に出ているところでございましたが、そういうものを代表として、ご覧のとおり、ネットワークの最適化、クラウド技術の導入、不動産開発等を行っていくというのが全体の中身でございます。

 以上が1ページでございますけれども、お手元の冊子で補足をさせていただきたいと思います。恐れ入ります、資料8の5ページをご覧いただきたいと思います。説明が早口で大変恐縮でございますけれども、御容赦願いたいと思います。5ページのところが今回の中計の基本的な考え方でございます。今回、新郵政ネットワークの創造のために今申し上げた3つの柱をやるのは基本的に確立期であると考えてございまして、それ以降、成長・発展期に向けて、トータル生活サポート企業として事業の持続的発展を行い、安定的利益を確保し、さらに公益性、地域性を発揮してまいりたいというのが全体のビジョンでございます。このトータル生活サポート企業というのは、聞き慣れないかもしれませんけれども、郵便局というのは、もともと人が生まれたら例えばレタックスを送るとか、学校へ入ったら定額貯金に入るとか、年をとれば養老保険に入るとかということで、国民の皆様のライフスタイルをずっとお支え申し上げ続けてきたという性格がございますので、そういう私どもの特性をきっちり強みとして捉えて、きっちり発展をさせていきたいというのがこのコンセプトでございます。

 ご覧のとおり、一番上に郵便局ネットワークの発展による基盤の強化、つまり、横の強さと、それぞれの事業の成長・発展によるサービス提供力の向上という両方、縦軸、横軸両方の取り組みを行っていきたいと考えてございます。仮に私どもの会社だけではなくて子会社が上場することがあっても、郵便局ネットワークを中心にして、郵便局の商品として、できるだけシナジーを生かして皆様方にサービスを提供してまいりたいというのが一番大きな柱でございます。

 それから、恐縮でございます。10ページをご覧いただきたいと思いますが、投資と申しましたけれども、先ほど申し上げたような老朽化投資プラス成長投資で、求めてみると1兆3,000億円になります。ご覧のとおり、施設・設備だけで5,500億円でございますが、そのほかにも今回郵便とかんぽのシステム更改に当たりますので、システム投資が4,900億円ございますし、不動産についてはざっと1,000億円、それから先ほど申し上げたネットワークの高度化等の投資が1,600億円でございます。大ざっぱにしてしまいますと大きな数字に見えますけれども、分類するとこのようなことになるということでございます。

 それから、恐れ入りますが、16ページ以降に各事業の経営目標、営業目標を書いてございます。16ページに書いてございますのは郵便・物流事業でございまして、日本でトップクラスの物流企業に成長したいということでございます。手紙・はがきの物数は減少するわけでございますけれども、ゆうパックの取扱個数を、現在4億1,000万個でございますが、何とか5億個まで増やしていきたい。ゆうメールについても、現在32億個ぐらいでございますが、40億個を達成していきたいということでございます。3番目に書いてございますように、成長のための投資をきっちり行っていく。

 17ページは、その具体的な内容について書いてございますけれども、それぞれの方法によってこの数字を達成していきたいということでございます。

 18ページがゆうちょ銀行、銀行業でございます。これは「お客さま満足度No.1への挑戦」というのを目標として掲げてございまして、総貯金残高を3年間でプラス6兆円を達成していきたい。2013年度177.8兆円と思っておりますので、それに6兆円達成して183.8兆円ぐらいまで総貯金残高をまず確保する。それから、手数料ビジネスを強化することと、運用の多様化を促進することで、先ほど申し上げたような資金収支の悪化についてカバーをしていきたいということでございます。投資についても、3番目でございますが、ダイレクトチャネルの刷新であるとか、セキュリティ強化について投資を行っていくということでございます。

 19ページはそれをちょっと図示したものでございます。6兆円と申しましても、他行の増加率に比べれば、年1%でございますので、それほど大きな増加ではないと考えているところでございます。

 それから、20ページでございますが、生命保険業、かんぽ生命でございます。これが、「お客さまから選ばれる真に日本一の保険会社へ」ということを目指しまして、まず募集品質、質の高いサービスを提供するということでございますが、募集品質を向上させ、システムの更改を行っていくということでございます。一番下に基幹系システムの更改と書いてございますが、2016年度に予定しているところでございます。収益力の強化のところでは、渉外社員を1万8,000人から2万人体制として、新契約月額保険料額500億円を達成していきたいということでございます。それから、3番目に書いてございますのは、先ほど申し上げた改定学資保険のほかに、アフラックとの提携商品を活用した郵便局との関係強化も行っていきたいということでございます。

 21ページがその具体的な状況でございます。

 それから、22ページが郵便局を通じたサービス提供でございますけれども、これも多少先ほどと重複いたしますが、物販ビジネスの強化と地域社会への貢献、提携金融商品の取扱局拡大、それから成長のための投資というふうに項目を並べているところでございます。

 最後に、経営目標についてちょっと触れたいと思います。25ページをご覧いただきたいと思いますけれども、私どもの3年後の経営目標でございます。それぞれ各事業の目標数値を書いてございますが、日本郵便でございますけれども、郵便・物流事業収益と郵便局と両方ございます、当期純利益については280億円程度を確保したいと思ってございます。ゆうちょ銀行については、当期純利益を何とか2,200億円を確保していきたいと思ってございます。かんぽ生命については、先ほど申し上げた月額保険料500億円より当期純利益800億円と、それからエンべディットバリュー成長率の8%を確保していきたいということでございます。

 それから、最終ページをご覧いただきたいと思います。御存じのとおり、郵便・物流事業と、いわゆる保険事業と銀行事業と全く業種が違いますので、共通の目標というのはなかなか難しいのでございますが、当中計では、最終目標として、最終利益として連結当期純利益3,500億円を掲げているところでございます。どのくらいの水準かと申しますと、昨年の秋に中間決算を発表いたしました。つまり、その当時に発表した2013年度の通期見通しでいきますと4,200億円と言っておったんですね。これは、もともと3,500億円のところを、運用収益が良かったので、多少上方修正して昨年秋に発表いたしましたけれども、それから比べれば若干落ちるわけでございます。先ほど申し上げたような資金収支の悪化であるとか、投資であるとか、郵便物数の低下であるとかを考えれば、それはなかなか大変な水準であると思ってございますが、何とか安定的な経営を維持したいというのが当方の考えでございます。

 最後に、株主への利益還元についての考え方が書いてございます。ご覧のとおり、現在は財務省、国が唯一の株主でございますので国へ配当を行っているわけでございますけれども、将来、ゆうちょ銀行、かんぽ生命も株式を売却すると、その売却収入等も当方の運用の対象になるわけでございますが、それをご覧のとおり、経営基盤充実のための投資、あるいは持続的成長を支える戦略的投資によって企業価値の向上を図るとともに、株主への利益還元についてもあわせて考えていきたいと、現在考えているところでございます。

 ちょっと資料をたくさん手短に早口で御説明いたしまして、大変恐縮でございました。説明は以上でございます。ありがとうございました。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。

 本日の説明は以上でございますが、事務局及び日本郵政株式会社からの御説明に対しまして御意見、御質問等がございましたら、どうぞ御発言をお願いしたいと思います。

〔 吉野委員 〕 ありがとうございました。

 今の御説明を聞いていますと、非常にうまくいく可能性があると同時に、逆に言いますと、コアバンクとかいうのがアメリカで何回も出たのですけれども、結局それは潰れてしまったんです。これはどういうことかというと、国債中心の運用の銀行は、景気が悪いときには大丈夫なんですけども、景気がよくなると、株式とか債券で運用している金融機関のほうが収益が上がりまして、アメリカで歴史的にコアバンクは必ずできたのですけど、みんな潰れているんですね。そうしますと、郵便貯金もかんぽ生命も国債中心ですから、今のように景気が悪いときは大丈夫ですけども、これで株価が上がったときは、やっぱり国債は低い金利ですからうまくやっていけないと思うんです。そうすると、こういう現在のやり方をどういう形できちんとバイアブルなものにしていくかということで、これは後でお聞きしたいのですけれども、1つは、かんぽ生命、ゆうちょ銀行はどんどん縮小していっていい。ほかの民間金融機関の商品をこの郵便局のネットワークを通じて販売する。そうすると、日本郵政にとっては手数料が入りますので、ゆうちょ銀行、かんぽ生命に対しては非常に悪いですけれども、どこが生き残るか。そういう中での競争が出てこないだろうか。というのは、日本郵政というのはどんな商品を扱ってもいいわけですから、さっきのようにアフラックの商品を扱い始める。かんぽ生命は国債中心ですから、なかなか収益が上がらない。民間の生命保険の商品を売ったほうが手数料が入ってきます。そうすると、日本郵政は非常にうまくいくと思うのですけども、そういう中での争いといいますか、そういうところが起きたときに、こういう株式は、ゆうちょとかんぽの株はどんどん下がるけれども、日本郵政の株式は残っていく。そういうふうに中でなるのか、なってしまわないのかどうか。

 それから、郵便に関しましては、民間のほうが郵便が少し収益が上がるのは、大都会とか、やっぱりいいところしかやっていないと思うんですね。離島とかいろんなところはやっていないと思うのですが、そこに対してやり続けたときに、日本郵政がやっぱり不利になるのではないかと思うんですね。いいところと、儲からないところとやらなくてはいけない。そうすると、郵便に関しても不利益な部分があってしまうのではないかというのが懸念ですけども、こういう株式を民営化していくときに、全体としてうまくいけばいいのか。日本郵政としてうまくいけば、国としていいと考えるのかどうかというのがまず大きな質問です。

 それからもう1つは、こういうときにいつも私は怒られちゃうんですけど、外資の人たちが例えばうんと入ってきても、こういうのは全く関係ないのか。海外の投資家がみんな買った。そういうのでも別にこれは個人であれば構わないのか。それはもうしょうがないことなんだということなのか。やっぱり国民といった場合に、日本国民を指すのか、人々であれば誰でもいいのかというのが質問であります。

〔 谷垣日本郵政株式会社専務執行役 〕 それでは、吉野先生、ありがとうございました。

 今3つ御質問がありましたけれども、国としての御回答のところもあるかと思いますが、私ども会社としては、先ほど御説明したネットワークの考え方のように、郵便局の強さにより手数料を稼ぐ部分と、それから、各事業は、縮小していいということは決してなくて、各事業はちゃんと強くして、全体としての強さを追求したいという両方の戦略でいきたいと考えているところでございます。特に各事業、例えばゆうちょ銀行、かんぽ生命が大変立派な収益を上げるということは、同時に、郵便局に対する委託手数料も大変増えるわけでございますから、全体としての強さを私どもとしては追求していきたいところでございます。

 それから、郵便のユニバーサルサービスの御質問だと思いますけれども、私ども会社としては国の御方針に従って、与えられた条件の中でベストを尽くすということでございます。ただ、全国ネットワークというのは、必ずしも全部マイナスかというと、そういうわけではございませんで、全国ネットワークでやっているからこそシナジーが働いて地域のお客さんからの信頼も得ることができている部分もございますので、全くのマイナスであるというようなことは決してないと思ってございます。むしろそれを強みとして、私どもとしてはユニバーサルサービスを生かしてきっちり事業を経営していきたいというのが現在のところの方針でございます。

 外資の話は、ちょっと私から答えるのは……。

〔 内野政府出資室長 〕 政府の方針という部分で申しますと、まず、先ほどゆうちょ、かんぽのビジネスモデルと、言ってみれば、それを縮小してという話でございますが、全体として3社とも成長させるのが日本郵政さんの経営判断として今打ち出されているのがこちらの御説明であったので、まずそれはしっかり尊重していかなければならない。ただ、他方で新規業務認可等、財務省としての所掌外の部分で様々な御議論があることも承知しておりますので、財務省の立場で申しますと、そういった他のステークホルダーの判断を待って、結果としてトータルで親会社のバリューが上がっていくことを期待するというスタンスでいかざるを得ないだろうというのがまず1点でございます。

 それから、外資が買ったときという点でございますが、少なくとも私どもは附帯決議をいただいておる関係からいたしますと、日本国民に対してできるだけ広く保有していただけるような売り方をまず最初の上場のときはせねばならない。ただ、上場した後は東証一部上場企業になるわけでございますので、それはその枠組みの中で、セカンダリーマーケットで様々な投資がなされていくことと承知しております。ただ、3分の1の保有義務はかかっておりますので、そして企業の規模がこれだけ大きいものでございますので、何かドミナントな投資家がどこかから出てきて日本郵政をどうこうできる、それはそう簡単なことではないのだろうと受けとめております。

〔 角委員 〕 今の最後の外国投資家のお話ですけれども、ただ、売り先は日本と外国両方というふうに伺った。ドミナント投資家というのは多分これだけ大きいと出てこないと思うんですけれども、外国の投資家がある割合になると、良いか悪いかは置いておいて、会社に対する要求とか要請の質が違うというんですか、変な言い方ですけれども、今までは国が100%持っていたわけですから、ある種の阿吽の呼吸みたいなものが国との間で行われ、それは段々変わっているのかもしれない。日本の投資家だったらそれはどこかで飲んでくれるかもしれないけれども、かなりの割合の外国投資家が入ってくると果たしてそういうことで済むのかどうか。済まなくて悪いとか、そういうことではないんですけれども。

 それに関連して、今、日本郵政から御説明を受けたのですけれども、私の誤解だったら誤解だと言っていただければそれで構わないんです。いわゆる親の下に3社、ホールディングの下に3社がある。この3社は、ある程度変わるけれども、支配を100%及ぼしている関係が続くという前提でこれからのビジネスモデル等々を今御説明なさったように私は理解したんです。他方で、法律で子会社の株は云々かんぬんという話との平仄みたいなものが何となく合っているのか合っていないのか、ちょっとわからないところがあったものですから、金融の2社が稼いでくれるというふうに理解。どうなってもそういう構造は変わらないんじゃないかと思うんです。そうすると、金融の2社に対するコントロールが効かなくなるようなことが起きると一体どうなるのか。

 それから、ある程度まで金融2社の株を放出した場合にかなりのお金が入ると思うんです。そうすると、そのお金で新たなビジネスをお考えになっているのかどうか、そのあたりを教えていただきたいと思います。

〔 谷垣日本郵政株式会社専務執行役 〕 ゆうちょ、かんぽ、金融2社の売却方針については、まだ現在決まっておりませんので、申し上げることはできないんですけれども、持株会社のバリューに大きな影響を与えますので、よく財務省さんとこれから相談させていただきたいと思ってございます。

 ちなみに、今、支配100%という言葉を使われたのですが、その場合に私どもが持っている株式数による、例えば取締役の任免権であるとかそういうものと、それとは別に郵便局に対してゆうちょ、かんぽが業務を委託して私どもが収入を得ている手数料というのは分けて考えなきゃいけないと思ってございます。いずれにしても、これからも恐らく株式の売却の如何に関わらず、ゆうちょ、かんぽは郵便局に対して業務を委託し手数料を払ってもらえるように、郵便局も業務品質を上げていくことも必要だと思ってございますし、グループ全体としてもそういうシナジーを生かした運営が大事だと思ってございます。

 株式売却そのものにつきましては、法律に、ゆうちょ、かんぽの経営状況とユニバーサルサービスに与える影響を踏まえて売却しなさいと書いてございますので、もし売却したことによって法律違反になってはいけませんので、そういうことを踏まえながらどのようにしていくかをこれから検討していきたいということでございます。

〔 佃分科会長 〕 さっきの質問でもう1つ、子会社2社を売ったときの大きなお金はどう使うのか、そういう御質問です。

〔 谷垣日本郵政株式会社専務執行役 〕 すみません。それは、私、今、説明の最後のところでちょっと申し上げたんですけど、経営判断で、株主様に利益還元を行う方法と、それから今おっしゃったように、しかるべき投資を行ってグループ全体の企業価値を上げていくという両方があると思います。それについてはまたしっかり考えていきたいと思ってございます。

〔 内野政府出資室長 〕 外資の入ってくる点について、上場後の話はやはり経営陣の話になると思うんですが、私ども、例えばJTの3分の1を保有しております。JTにいわゆる物を言う株主という方が一定の比率を買われてお越しになったり、株主総会でも提案が出ているのも見ておりますが、JTの経営陣として、しっかり株主との対話を重視しながら、結果として総会での多数決で物事を処理されていると認識しております。本件についても同様の、経営陣がどれだけの説明責任、透明性ある経営と説得力ある御説明を総会においてなさっていくかということがキーになろう。それはある種、民営化というものをしていく上では避けて通れない部分であって、経営の透明度が上がるという意味では、結果としてはいいことにつながっていってくれればと思っております。もちろん、大変にやり口が色々でございます。ただ、最近、非常にマーケットのレベルでも研究されておるものでございまして、中にはアクティビストの方々が申し立てた内容を取り下げたなんていうことも最近生じておりますので、そこは、そういうやり方が色々わかってくればくるほど、それなりの対処の仕方を経営陣の方々もできるのではないかと思っております。

〔 林田委員 〕 御説明、ありがとうございます。

 今、谷垣専務からもお話があったように、ゆうちょ、かんぽの売却がどうなるのかということが日本郵政株のバリューにも非常に大きな影響を与えると思うんですが、そうなると、例えば日本郵政株のブックビルディングを説明する場合にでも、子会社株の売却の方針がどうなっているかということが全くわからない。いつのことかも、どれぐらいの規模かも全くわからない状況で手続を進めていくことが投資家にどんな影響を与えるのだろうか。その辺をどう見ていらっしゃるのか。まず、そのあたりの点をどう考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。

〔 谷垣日本郵政株式会社専務執行役 〕 会社からの回答としては、あくまでも持株会社の売却方針は、この審議会をはじめとして政府の手続によって進められているものと了解してございますので、財務省さんとよく相談させていただいた上で対応していきたいと思ってございます。確かにゆうちょ、かんぽの株というのは私どもに売却責任があるわけでございますけれども、私どもから一方的にこうしますというのはなかなかしにくい状況であると思いますので、相談させていただくということで今日のところは考えているところでございます。

〔 内野政府出資室長 〕 相談される先として申しますと、私どもの基本スタンスは非常にシンプルでございまして、親会社を売却するときの売却収入をできるだけ高くするということでございますので、投資家に対してある程度の透明性が確保できるような売却方法になっていくのであれば、それはそれでよいし、ただ、もし全く不透明な形で、これは大きなディスカウントを生じるということになってくるのであれば、何らかの形でそれは対応していただくように発行体企業にお願いする。そこに尽きると思っております。

 そこのところを、実は現在、証券会社さん、たくさんの会社さんが私どものところに色々な御提案を下さってきております。それは営業ベースでやっていただいていることでございまして、主幹事証券会社に選定されたいがゆえにこちらの情報が欲しいとか、あるいは彼らとしてアピールしたいということがあろうと思います。そういう営業ベースの話のときには、いや、大丈夫です、何でもできます、うちに任せてくださいみたいなところがどうしても出てくるのでございますが、それに依拠してしまって子会社の話を判断すると、まさに今、委員御指摘のとおり、投資家がどう見るかということが非常に重要でございますので、どうも営業ベースだけだとなかなか乗り切れない。なので、まさに財審で主幹事の選定基準をお示しいただいて、主幹事証券会社が選ばれた後であれば、その人たちが責任者としてディールをまとめますので、その方々が投資家の感触を見て、これではとてもじゃないけれども説明できないということであれば、発行体企業もちゃんとやっていただかなきゃいけないということになろうと思います。長いプロセスの中で、2015年の上場に向けてそういうことを一個一個整理していかなければいけない。このタイミングでなかなか簡単に整理がつくものではないのだろうということがございます。

 もう1つ、大変技術的な話でございますが、例えばAIGという保険会社がアメリカで国有化されまして、それをアメリカのトレジャリーが市場に売却したときに、言ってみれば、2次放出、3次放出がどんどんある中で、次々売り圧力がかかってくるから株価が下がるかと思いきや、うまく売っていったという経緯がございます。非常に短尺で切って6回ぐらいで売ったわけでございますが、そのときに、通常ロックアップと申しまして、株式の引受契約をするときに、後からすぐに売ったりしないということで、業界慣行では、大株主が、例えば私ども財務省が日本郵政株を売るときに、180日間は2次放出はしませんというお約束を証券会社と契約上取り交わすわけでございます。AIGの場合は2カ月でそのロックアップを次々回していってしまった。なので、マーケットの状況次第ではそういったこともできるケースもございます。ロックアップがありますので、少なくともその期間は次の株が来ないからいいね、と。これは親株単体の話でございますが、子会社の売却についても、もしかしたら引受契約の中で何らかの形の整理をすることもできるかもしれません。いずれにしても、そこのテクニカルなところは、主幹事証券会社を選定して、そこから具体の提案をいただく。

 問題意識は全く委員と同じでございます。ただ、私ども素人が市場慣行とあまりかけ離れたことをやってしまってもいけません。子会社上場というのは親子上場として日本のマーケットで結構行われていることでございますので、その子会社を上場するときの説明の仕方、公表の仕方というものも先例が幾つかあろうかと思いますが、そういったものも研究しながら的確に対応していきたいと思っております。

〔 林田委員 〕 今、親子上場というのは結構あるのだというお話がありました。希望ですけれども、どういう例があって、その上場の後の値動きとかどうなっているのか。あるいは、この場合はできる限り早期に処分するという、親も子も同じ書きぶりであるので、軌を一にしてやるようにも読める。こういったような形での親子上場というのは、これまであったのかなかったのか。海外に例はあるのかないのか。あるとすればどうだったのかというあたりをちょっと研究しておいたほうがいいのかなという気がしたものですから。何かデータがあれば、今でなくても結構ですから。

〔 内野政府出資室長 〕 かしこまりました。ありがとうございます。親子上場の具体例とか値動きにつきましては、次回に少し用意して御説明をしたいと思います。親子とも早期処分というところから軌を一にしてという御質問、同時3社なり、親子同時という趣旨であれば、東証の一部とか海外のマーケットで私が証券会社からヒアリングしている範囲では、そういった前例はございません。

〔 川口委員 〕 私から主幹事選定のポイントは、3点あると思っていまして、まず、親子上場に関連しては、こちら売っていくサイドで、マーケットに催促されるのではなくて、フォワードガイダンスをうまくやるべき。例えば、金融政策に対して株式市場が催促相場になるのは、フォワードガイダンスがうまくいっていないということになります。金融2社の扱いについても、これはなかなか事前に確定はできないと思いますけれども、マーケットの期待をマネジメントしていくようなことをアドバイスできる証券会社、これが1点だと思います。

 2点目は、適正な株主構成の構築ということで、先ほど来、議論がございましたけども、今回の場合には附帯決議で、国民に公正に売りさばいていく。ところが、外国人投資家から見ると、日本の個人投資家は極めて投機的であると。要するに、金融リテラシーが低いと。公正に国民に売っていくというのは、政治的には非常にいい文句なのですけれども、実際、株式のマーケットで世界における日本の個人投資家は金融リテラシーが低いので、この辺を主幹事の人たちが教育するというとおこがましいのですけども、この点は大きなポイントになるのではないか。

 それから、3点目が一番重要だと思いますけども、申請会社がこのビジネスモデルを理解できるかということです。先ほどトータル生活サポート企業と御説明いただきましたけれども、これを見ますと、いわば農業と製造業以外のサービスは全て入っているビジネスモデルだと思います。しかもそれが、いずれかの時点で金融と保険業の子会社が変わっていくというダイナミズムを抱えています。加えて、ユニバーサルサービスということなので、日本郵政がお考えのビジネスモデルを的確に把握できているかどうかということをチェックする。そういう評価項目が、これまでのJTとかNTTのように明確にビジネスモデルが決まっているものとの大きな違いではないか。以上、コメントでございますので、特に質問ということではありません。

〔 内野政府出資室長 〕 主幹事証券会社の選定基準の中で可能な限り反映したいと思いますし、大変ありがたいコメントをいただきました。感謝申し上げます。

 〔 緒方委員 〕 株式売却の方針について御説明を受けまして、私は異存ございません。できれば早く進めていただきたいと思っております。平成27年度中に売却をして、集中復興期間内に急ぎ結論を出すことが望ましいです。結論を出すというのは、売却を終わるということなのですけれども、とにかく復興財源ですので、できるだけ早く完成してもらいたいと思っております。

 それから、ブックビルディング方式で実行するということですが、想定発行価格の算定というのは、先ほどから質問が出ていた、3つの子会社と、それから持株会社の企業評価がまず大事になるのではないかと思います。ですから、これだけ大きな子会社と、それから持株会社それ自体も大きいのですけれども、この企業評価をどういうふうにするのか。今まで何度も経験がおありなので心配ないと思いますけども、単に財務諸表から見ればいいだけじゃなくて、持株会社、子会社について、それぞれの資産評価が必要になってくると思いますので、大変大きな作業になるでしょう。ですから、平成27年度中にブックビルディングで売却するとなると、もう今から評価着手していなければいけないと思います。そこのところの進捗状況がどうなっているのでしょうか。

 それから、子会社の2つについて上場するのかどうかというのは、それは価格時点をいつというふうに決めれば売却価格は自ずとその時点で固定されますので、それはそれで、時点が固定されれば、2つの子会社の上場ということはそんなに考えなくても企業評価はできて、想定発行価格も算定できるのではないかと思います。

 それから、川口委員がおっしゃった主幹事証券の選定に関連しますが、今、私どもは国土交通省の指導を受けて、不動産市場の透明性や公平性を厳しく確保するように指導されております。公平性、透明性はある意味、土地政策の大きな柱にもなっておりますので、こういった株の発行などについても主幹事証券の選定は、これらの公正な確保のために、できる限りその審査過程あるいは結果について公表すべきではないだろうかと思っております。

 意見でございます。

〔 内野政府出資室長 〕 ありがとうございます。先ほど集中復興期間中に結論を出すという点がございましたが、これは集中復興期間中に歳出が出ていくだけでございまして、制度的に復興財源として何かすごくデッドラインが迫ってきているということではございません。まず1点。

 それからもう1点、各々の資産評価のやり方というところでございます。M&Aでやるデューディリジェンスみたいなことをやることは、通常、上場実務ではございませんで、むしろ他業種と比較をして類似業種比較をするとか、それから収益還元的な試算をするとかいうのは業種ごとに比較的確立した手法がございます。このような幾つかのビジネスモデルが積み上がったものにつきましては、その子会社ごとのバリューを計算して足し合わせるというサム・オブ・ザ・パーツという方式が大体確立しておりますので、そういった方法に則ってやっていくことになろうと思っております。

 それから、子会社については、確かに御指摘の点はございまして、ロックアップの説明等ちょっと技術的なことを申しましたが、言ってみますと、上場するということでございますので、投資家にとっては、子会社の方針について何か自分が評価したものと違うネガティブな発表があれば、すぐにそれは売却することで退場することができるということでございます。親会社が上場をしっかり果たすことができれば、それはまさに流動性の中で対処できるとも言えるかなということは感じた次第です。

 それから、主幹事選定につきまして、選定過程の透明性確保というところは御意見としてまずしっかり受けとめたいと思います。ありがとうございます。

〔 佃分科会長 〕 ちょっとお時間が迫ってまいりましたので、あとお二人。

〔 望月委員 〕 専門家の皆さんの中で私は門外漢で、何にも言えないというのに等しいのですけれども、この席にいて私としては素朴に国民の立場で2点ほどお話します。

 まず、株式処分というのを伺って第1に感じたのは、とても大きな金額のものが動くということなので、当然、特定の人や企業が得をするようなことがあってはならないわけですよね。盛んに答申にも書いてあったんですけれども、公平性であるとか透明性を確保してもらいたいというのは1つ大きな点です。

 それからもう1つ、これだけの大きなものが動くということは、通常ではないことなので、私なんかの素人の立場からすると、市場をとにかく混乱させたり、マイナスになるようなことの無いようにしてもらいたい。民営化、民営化と言って、民の市場にダメージを与えてどうするんだという感じがするので、そこは十分、市場とよく相談をして決めていってもらいたいと思います。その点、従前の知見を生かすということで、NTTとJTのお話がありました。確かに十分に生かしていただくことは言うまでもないのですけれども、その答申から下手をすると10年、20年近いものがありますよね。その知見が生かされる部分と、市場環境がすごく変わっている今だからの問題があるのではないか。特にここ10年ぐらいは、私たち外側から見ていても、金融市場はグローバル化でものすごい変化があると思うんです。ですから、そういう意味では、今の市場環境というのは本当に専門家の方によく見ていただいてトータルに判断していただきたいというのが本当に望むところです。

 それから、民間企業にいる立場からの意見です。民営化ということで谷垣さんから色々中期計画について伺いました。これもいつも思うのですけれども、「そもそも民営化って何のためにするのか?」という原点だけは忘れないで欲しいということです。企業価値を出すとか、たくさん儲けるとか、シェアを拡大するとか、そういう民の活動として求められるものを追求するのは当然ですけれども、結局何のために民営化するのかという本来の点ですよね。郵政さんはポテンシャルがすごく大きいものを経営資源としてお持ちになっているわけです。それを十分に市場原理を生かして活性化させることによって、結果として国民が幸福にならなきゃいけないと思うんですよね。そこに資するというところを忘れてしまっては民営化の意味がないと思います。これももう釈迦に説法ですが、一言申し上げたいもう1点です。

 そのためにということもあるのですけど、マーケティングという言葉を是非経営の中に入れていただきたいんです。お客様に喜ばれる商品とか、CS1位の商品を求めてというのは、お題目はあるんですけれども、実際には市場の声を聞くちゃんとしたシステム、体制が必要です。つまり、市場のニーズを聞くってどういうことなのか、どうやってやるのかという、市場のニーズを捉えるマーケティングの目が必要です。もう1つ、この計画にもありますが、自分の会社の実力、経営資源をきちっと評価する目が必要だと思います。お客様から求められていても、自分たちの経営資源からすると、ここまではできるけど、ここまではできないとか、市場における競争力、ブランド力が、自分たちはいいと思っていても市場は判断してくれないことはいっぱいあると思うんです。そこのところを地道に経営判断するときに見ていっていただきたいし、見られる経営体制というんですかね、マネジメントの刷新というところがありましたけども、マーケティング経営という視点は民営化であればこそ必要だと思うので、それをお願いしたいと思いました。

〔 内野政府出資室長 〕 最初の2点につきまして、公平性、透明性というのはしっかりとやっていきたいと思います。

 それから、マーケットを混乱させないようにと、これもしっかり受けとめております。過去の答申にも書いてございますが、しっかりと答申案に反映できればと思っております

〔 谷垣日本郵政株式会社専務執行役 〕 先ほど言われたように、たまたま株式の売却の話をしてございますが、株式の売却をしようがしまいが、まさに私どもの企業というのはもともと国民のために存在する企業だと思ってございますので、まさに国民の幸せのために色々なサービスをこれからも発展させていきたいということでございます。郵政事業は、正社員20万人ですが、非正規社員まで入れると40万人いるんです。OBとか家族を入れますと100万人ぐらいいます。国民の人口の1%が実は郵政関係者という見方もできますので、私どもが元気になるということは日本が元気になることだと社員に日々訴えながら経営をしているところでございます。ありがとうございます。

〔 荒谷委員 〕 2点質問がございます。まず1点は、日本の場合、子会社が上場しているケースがあるというお話がございましたけれども、子会社が上場しているケースというのは世界的に見ても非常に少ないと思うんですね。今後、親会社の日本郵政だけでなく、子会社であるゆうちょ銀行、かんぽ生命も上場を予定しているようですが、こうした金融持株会社においては、子会社のほうが親会社であるホールディングスよりもむしろ権限が強く、親会社による子会社に対するガバナンスが十分機能しない、もっといえば親会社株主の保護がなおざりにされているという問題が指摘されております。つまり、子会社である銀行の役員等の不祥事によって親会社が損害を被っても、子会社の唯一の株主である親会社が子会社の役員の責任を追及しない限り、親会社の株主は親会社の役員の責任を追及する以外、損害を回復する術がなく、実際、これは難しいというのが実情だからです。現在、会社法の改正が国会で審議されておりますが、親子会社におけるガバナンス体制の整備強化が改正の大きな柱の1つとなっているのは、まさにこうした問題が背景となっているわけです。

 日本郵政の場合も、今後、株式を放出致しますと、同様のことが問題となりうるわけで、日本郵政とゆうちょ銀行、かんぽ生命はそれぞれ別会社であるということを理由に、日本郵政の株式を保有する一般投資家の利益が損なわれることがないよう、日本郵政グループ全体のガバナンスシステムをきちっと構築するようお願いしたいと思います。配付資料ですと字面はよいのですけれども、具体的にどのようなものを構築しようとしているのか必ずしも明らかではございません。せめて、具体的なガバナンスシステムの図式だけでも示していただかないと、安易に株式を一般投資家に売却するというのはどうかという気がするのですが。結局、そのツケは国民に回ってくるわけですので、グループ全体のガバナンスシステムをきちっと構築していただきたい、そのビジョンを示していただきたいということが第1点でございます。

 もう1つ私が懸念しておりますのは、日本郵政が子会社の株式を100%保有するということは事実上政府が保有するということになりますが、結局、純利益だけを見ても、日本郵便は非常に少ないですね。そうしますと、ゆうちょ銀行、かんぽ生命で上げた収益を何らかの形で日本郵便に持っていくことも有り得るのではないか。その場合、これは日本郵政グループの経営方針の問題であるから、株主である政府の関知するところではないということになってしまうと非常に無責任な話だという気がいたしますので、そのあたりをどのように考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。

 恐れているのは、日本郵便が公務員意識をそのまま持っていて、困ったときには国が助けてくれる、あるいは日本郵政が助けてくれるというような意識を持っているのではないかということです。資料7で、内部環境として、郵政グループの強みとして大きな潜在力がある。きめ細かなネットワークと信頼のブランドがあると言っておられますが、これはあくまでも私見ですが、一利用者として思うのは、民営化されてから郵便局の対応が以前に比べてに悪くなったという印象がございます。ですから、ちょっと語弊があるかもしれませんが、何でも民営化すれば良くなるのかどうかもわかりませんので、これを機にそのあたりも含めてきちっと検証していただきたいと思います。そのあたり、どのようにお考えかお聞かせいただけますでしょうか。

〔 谷垣日本郵政株式会社専務執行役 〕 2点いただきましたけれども、まさに実は私どもも同じような問題意識を持ってございます。ちなみに、ゆうちょ、かんぽの株式は、一部売却しても、50%持っている間は金融持株会社として当然ながら政府の監督を受けるわけです。場合によっては、もうちょっと売っても、金融コングロマリット方針等がございますので、そういう監督はずっと受けますので、政府の関与がなくなることはなかなかないのだろうと思ってございます。また、そういう政府のガバナンス以外に、私ども中のガバナンスとしても、株主としての権利の行使だけではなくて、きちんと、いわゆる事業経営そのものに対してシナジーが働き、一体性が働くようなことを考えていきたいと思ってございますので、全く同じ問題意識で実は私どもも今検討してございます。

 2点目でございますけど、民営化してから、多分、分社化してからだと思うのですが、郵便局の対応が非常に悪くなったというのは大変申し訳ございません。ただ、当時は、郵政公社一本で民営化前はやってございまして、確かに郵便局の中で色々なことができたわけでございますけれども、分社化すると、どうしても当初はそれぞれの指揮命令系統があって、大変お客様に御迷惑をかけたこともあるんだと思いますけれども、最近では各社としてのお客様対応も段々とできてきつつあるかなとは思ってございます。

 ただ、日本郵便をゆうちょ、かんぽが助けるようなことは、ファイアウオールがありますから今でもやっておりません。日本郵便については日本郵便だけで自立をして経営を行っていくというのは今後とも同じでございまして、確かに収益幅は大変小そうございますけれども、それはそれできっちり黒字を出して、本来の先ほどの日本の皆様を幸せにするようなネットワークを築き上げていきたいというのが現在のところの目標でございます。公務員意識というのも確かにまだ残っているかもしれませんので、これは早く払拭して、お客様に尽くすという観点から中の教育も行っていきたいと思ってございます。ありがとうございます。

〔 佃分科会長 〕 大分時間が超過していますので、まだ色々御意見はおありになると思いますが、次回はこのスキームで実際に株を売らなければいけないほうの話も聞きますので、そのときにまたもう一度御質問等いただければと思います。本日の議論というのはここまでにしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、本日の会議の議事につきましては、この後、事務局から記者に対するレクチャーを行うこととしております。

 また、本日の議事要旨、それから議事録及び会議資料を会議後インターネットに掲載することとしておりますので、御了承をお願いいたします。

 それから、議事録につきましては公開することといたしますが、従来どおり出席委員等には事前に議事録の内容を確認していただくとともに、市場や個別企業に不当な影響を与えるおそれがある発言については一部非公開の取り扱いとさせていただきます。

 それでは、これをもちまして財政制度等審議会第23回国有財産分科会を終了いたします。

 なお、次回の分科会につきましては4月24日を予定しておりますので、後日改めて御連絡させていただきます。

 本日は、御多用のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございました。

午後4時53分閉会

財務省の政策