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国有財産分科会(平成28年5月17日開催)議事録

財政制度等審議会 第32回国有財産分科会 議事録

平成28年5月17日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 第32回国有財産分科会 議事次第

 

平成28年5月17日(火)10:02〜12:03
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
 1.開会の辞
 

2.

財務副大臣挨拶
 3.議事
  (1)熊本地震への対応について
  (2)一億総活躍社会の実現に向けた国有地の有効活用について
  (3)平成27年度国有財産監査の結果について
  (4)輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(NACCSセンター)株式の売却について
  (5)株主総会への対応について
 

4.

閉会の辞

  配付資料
 資料1

熊本地震への対応について

 資料2

一億総活躍社会の実現に向けた国有地の有効活用について

 資料3

平成27年度国有財産監査の結果について

 (参考1)

平成27年度監査指摘事例

 (参考2)

平成27年度庁舎等の公用財産に対する監査結果一覧表

 (参考3)

平成27年度市街地に所在する公共用財産に対する監査結果一覧表

 (参考4)

平成23〜26年度監査における指摘事案のフォローアップ状況等

 資料4

輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(NACCSセンター)株式の売却について

 資料5

株主総会への対応について

 (参考)

参考資料


   出席者
 

分科会長 

 佃   和夫

           

  坂井

 財務副大臣

        

 

  迫田  

 理財局長
        委員  荒谷  裕子

 

  中尾  

 理財局次長
   佐谷  和江

  

  富山

 理財局総務課長
   山内  弘隆

  

  中村

 理財局国有財産企画課長
   

  

  木村

 理財局国有財産調整課長
 臨時委員 緒方  瑞穂

  

  橋本

 理財局国有財産業務課長
    角  紀代恵

  

  小池

 理財局管理課長
   亀坂 安紀子

  

  八幡

 理財局国有財産企画課
  川口 有一郎 

  

 

 政府出資室長
   小枝  淳子 

  

  丸山

 理財局国有財産調整課
   林田  晃雄

  

 

 国有財産有効活用室長
  望月 久美子 

 

  輿石  

 理財局国有財産調整課

  持永  勇一

 

  

  国有財産監査室長

   

  

  田村

 理財局国有財産業務課
 専門委員  林   正和     国有財産審理室長
  

  

  立川

 理財局管理課
        国有財産情報室長
  

  

  金森

 理財局国有財産企画課
        国有財産企画官

午前10時02分開会

 

〔 佃分科会長 〕 皆様、おはようございます。ただいまから財政制度等審議会第32回国有財産分科会を開催いたします。

 委員の方々におかれましては、お忙しいところ、また足元の悪いところありがとうございます。

 まず、分科会の開催に当たりまして、坂井財務副大臣から御挨拶をお願いしたいと思います。

〔 坂井財務副大臣 〕 おはようございます。財務副大臣の坂井学でございます。

 財政制度等審議会国有財産分科会の開催に当たりまして、御挨拶を申し上げたいと思います。

 まず、この度の地震により亡くなられた方々と御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

 政府といたしましては、今日まで被災者の捜索・救助や、生活支援などに全力を挙げて取り組んでまいりました。今後とも、政府の総力を結集し、被災者への支援をはじめ、被災地域の復旧・復興に万全を期してまいります。必要な財政支援を講ずるための補正予算を国会に提出し、御審議をいただいているところでございまして、今日は参議院で予算委員会が開かれております。

 本日は、熊本地震への対応をはじめ、国有財産をめぐる諸課題について説明させていただきます。財務省としては、いずれの課題につきましても、国有財産は国民共有の貴重な財産であることを基本に対応してきているところでございますが、委員の皆様方におかれましては、幅広い知見と経験を活かして、忌憚のない御意見、御提言をいただき、私どもといたしまして、国有財産行政に活かしてまいりたいと思っております。

 本日は、どうぞよろしくお願い申し上げます。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。それでは、議事に入らせていただきます。

 まず初めに、「熊本地震への対応について」、事務局より説明をお願いします。

〔 木村国有財産調整課長 〕 国有財産調整課長の木村でございます。

 本年4月に発生しました平成28年熊本地震に対する国有部局の対応について説明させていただきます。

 皆様へ御案内のとおり、今回の熊本地震でございますが、4月14日夜の前震と16日深夜の本震の2度にわたって震度7の地震が発生した震災でございます。その後も余震が続きまして、1カ月がたった現在で1,400回以上と過去に例を見ない状況となっており、被災者が自宅で生活することに不安を覚えているという状況でございます。

 こうした2度の大きな地震と余震によりまして、自宅が倒壊、あるいは倒壊の危険がある状況になっている方が多くいらっしゃる状況でございまして、このような中で重要なことが避難所の確保と応急的な住まいの確保となっております。この点で国有財産部局として対応をしてきたところでございます。

 まず、最初の「○」にありますように、避難所の確保につきましては、九州財務局が管理しております熊本合同庁舎のA棟、税務大学校熊本研修所及び熊本刑務所につきまして、熊本市からの要請により当面の避難所として避難者を受け入れてまいりました。庁舎に避難者を長期間にわたって受け入れるということは初めての事例でございます。

 特に熊本の合同庁舎A棟につきましては、4月14日夜の前震発生後すぐに近隣住民を一時的に受け入れたほか、4月16日の本震発生後も深夜・早朝から避難者を受け入れている状況でございまして、現在はかなり減ってきておりますが、最大のときには1,000人もの方が避難をしておりました。

 次に、応急的な住まいの確保でございますが、財務局が管理しております合同宿舎や、各省庁が所有しております省庁別宿舎の国家公務員宿舎に加えまして、独立行政法人が所有する職員住宅につきまして、提供可能な住戸を一元的に取りまとめ、熊本県を含む九州各県に対して情報提供を行いました。

 ただ、熊本県に所在します宿舎につきましては、地震が繰り返し発生しておりましたので宿舎自体も被災したものもございまして、実際に宿舎の建物の安全性及び個別の部屋の損傷状況を精査し、精査が終了したものにつきまして、随時その状況に関する情報を提供するということを続けてまいりました。

 また、応急仮設住宅用地やがれき置き場として提供可能な未利用国有地につきましても一元的に取りまとめ、熊本県を含む九州各県に情報提供しますとともに、実際に利用可能かどうかを精査し、精査が終了したものについて随時その状況に関する情報を提供してまいりました。

 こうした公務員宿舎や未利用国有地を提供する仕組みでございますが、被災者の受け入れを行う地方公共団体からの要請に基づきまして、国から地方公共団体に無償で使用許可や貸し付けを行った上で、地方公共団体から被災者に貸与するという仕組みになってございます。貸与期間につきましては、地方公共団体の意向を踏まえまして弾力的に対応するとともに、事務手続も簡素化に努めているところでございます。

 こうした公務員宿舎の提供につきましては、官房長官の記者会見や、総理が熊本県に訪問したときにも御発言をいただいております。総理の発言におきまして、公務員住宅への入居、民間のみなし仮設住宅の活用、さらには仮設住宅の建設を加速していきたいとございまして、国家公務員宿舎等も被災者に対する住まいの提供の一部と位置付けられているところでございます。

 全体を俯瞰しましたのが次のスライドでございます。被災者に対します避難所、住まいの提供に係る対応の全体像でございますが、左から右に向かってローマ数字1ローマ数字2ローマ数字3となっておりますが、ローマ数字1が避難所の確保、ローマ数字2として応急的な住まいの確保、ローマ数字3が恒久的な住まいの確保。この3つが重要なステップとなっておりまして、国家公務員宿舎の提供につきましては、ローマ数字2の「応急的な住まいの確保」の中のマル1「公営住宅等の空室提供」の中に記載されているところでございまして、熊本県内約988戸のうち、国家公務員宿舎等が266戸、そして熊本県以外の九州各県の合計3,264戸のうち、国家公務員宿舎等が122戸となっている状況でございます。

 熊本地震に関する説明は以上でございます。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして御発言をお願いしたいと思います。

〔 川口臨時委員 〕 説明の内容には特に質問ございませんが、今、公務員宿舎を売却に入っていますけど、売却せずに地震の対応に利用するようなケース。制度上売却せざるを得ないとしても、仮に地震の対応に利用できれば、今、賃貸住宅も足りないということは報道もされておりますので、例えば売却の手続に入っているような計画をされているものが役に立つようなケースはあるのかどうか、もしおわかりであれば教えていただければと思います。  

〔 橋本国有財産業務課長 〕 現在、国家公務員宿舎は削減計画に基づきまして28年度末を目途に売却等の処理を進めているところでございますが、このような形で災害等に使用するということであれば、その間売却事務をとめまして、活用すること自体は可能でございます。いずれにしましても、地元の被災されました都府県とよく協議しながら、具体的に進めていきたいと思っております。

〔 林田臨時委員 〕 今回の地震では余震が続いているということがあって、先ほど御説明にありました倒壊とかの危険が迫っているもの以外でも、余震が怖くて結果的に車中泊をしている方なんかもかなりいらっしゃるので、応急の住まいを確保するというのは非常に喫緊の課題になっていると思います。このような形で国有財産をうまく活用して、ニーズに応えるというのは非常に価値のあることだと思いまして、大変結構だと思います。

 ただ、ニュースなどを見ますと、なかなかそういうところに入りたくても入れない方がまだまだいっぱいいらっしゃるということでありまして、制度の立て付けから言うと、地方自治体の要請を受けて無償で使用許可をしてということなので、そうした被災者等への対応は自治体のほうなのかとは思いますが、自治体ともうまく連携してできるだけ早く住まいが確保できるように、国のほうとしてもいろいろと知恵を絞っていただけたらと思っています。

〔 緒方臨時委員 〕 今回は国有財産が極めて適正に有効に活用されている報告をいただき国有財産を保有している意味が実現されていると思い大変ありがたく感謝申し上げます。

 このような大地震は今後も必ずどこかで起こってくるだろうと思いますので、避難所の建物とか、仮設施設、仮設住宅等の用地を確保する必要があります。今までは国有財産を削減することばかり検討してきましたけれども、被災地対応の視点から削減をするかどうかという考え方も入れていただければありがたいと思います。今回も、熊本にこれだけの国有財産があったからこそ地元も助かっているのでしょう。前からの持論ですけれども、ただ単に国有財産を売ればいいというものではないと思っております。よろしくお願いします。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。

 評価をいただいて大変よかったと思います。

 それでは、続きまして、「一億総活躍社会の実現に向けた国有地の有効活用について」、事務局より説明をお願いします。

〔 橋本国有財産業務課長 〕 国有財産業務課長の橋本でございます。

 一億総活躍社会の実現に向けた対策につきましては、昨年の11月26日に緊急対策が取りまとめられたところでございますが、現在、関係省庁におきまして中長期的な対応を含めた検討をしておりまして、その結果を踏まえまして、「ニッポン一億総活躍プラン」が取りまとめられる予定と聞いております。

 本日は、一億総活躍社会の実現に向けまして、国有地の活用につきまして説明を申し上げます。

 最初に、介護施設整備に係る国有地の活用についてでございます。資料は2ページになります。

 介護施設整備に係る国有地の活用につきましては、第30回の本分科会で御了承いただきまして、本年1月から2020年代初頭までの「介護離職ゼロ」の実現に向けて介護施設整備を加速させる観点から、政策的に必要な期間、地域、施設に限りまして、定期借地権による減額貸付を実施することといたしました。

 資料3ページには、厚生労働省とも協議の上、対象施設をわかりやすく整理したものをつけさせていただいております。また、資料4ページには、私どもと地方公共団体や社会福祉法人との連携イメージにつきまして、先般の分科会での御指摘も踏まえまして整理したものをつけさせていただいております。

 同活用策につきましては、導入後既に4カ月が経過しておりますが、取り組み状況について説明させていただきます。資料の5ページになります。具体的な取り組みといたしましては、各財務局から対象となる地方公共団体である8都府県、110先に対しまして、介護施設として活用が可能と見込まれる未利用国有地約300件を情報提供しております。その上で各地域の実情を踏まえつつ、各地方公共団体と国有地の活用についての調整を進めているところでございます。

 前回の分科会におきまして、現場での取り組みの中で気づいた課題などを吸い上げ、本施策の実施に効果的に活用すべきとの御指摘をいただいたところでございます。これまでの調整の中で認められた課題につきまして紹介させていただきます。

 1つは、平成27年度から29年度までの第6次事業計画については、整備に向けた案件は既に策定済みでございまして、国有地のさらなる活用に当たりましては、やはり平成30年から始まる第7期以降の計画での整備を前倒しする必要があるということでございます。

 また、国有地が特定されず、地方公共団体におきまして事業者公募が実施される場合は、同公募の受付期間が終了するまで、情報提供した財産全てにつきましてその処分を留保せざるを得ない状況にございます。

 こうした課題につきましては、後ほど説明いたしますが、現場では財務局と地方公共団体の間で連携により乗り越えてきておりますが、厚生労働省ともこのような実態を共有化するとともに、各地域でうまくいった連携事例を他の地域にも紹介し、共有するなどして対応してまいりたいと考えてございます。

 国有財産を活用した介護施設整備につきましては、これまでの分科会でも御指摘いただいているとおり、国有地は国民共有の貴重な財産であることに鑑みまして、貸付相手方である事業者選定等に係る透明性・公正性の確保が特に重要であると考えてございます。

 このため、厚生労働省から地方公共団体に対しましてその旨の要請を行うとともに、財務省におきましても、地方公共団体に対して情報提供した国有地につきましては、全て財務局等のウェブサイトで公表するということとしております。御参考までに関東財務局のウェブサイトの該当部分を掲載させていただいております。

 次に、資料6ページでございます。本制度を活用いたしまして契約した案件は、前回の分科会で紹介いたしました1号案件に続きまして2号案件といたしまして、千葉市稲毛区に所在する国有地について、本年3月に介護関係施設敷地として定期借地契約を締結いたしました。具体的には、千葉市稲毛区に所在いたします約1,880平方メートルの財産でございます。

 以前は東京国税局の独身寮として使われておりましたが、今後、社会福祉法人によりまして、認知症高齢者グループホームや小規模多機能型居宅介護事業所のほか、一部児童福祉施設も併設整備される予定でありまして、地域における社会福祉の大切なインフラとして有効に活用いただけるものと考えております。

 なお、情報提供いたしました国有地のうち、地方公共団体と協議を踏まえまして、介護施設整備への活用の可能性のあると見込まれる財産につきましては、今後、公募等の手続を進めていく予定でございまして、多くの国有地が介護施設整備に有効に活用されるよう、引き続き公共団体と連携して対応してまいりたいと考えております。

 続きまして、資料7ページでございます。介護施設整備における地方公共団体との具体的な連携事例を紹介させていただきたます。本件は、福岡財務支局より情報提供いたしました、市内に所在する1,000平方メートル前後の国有地13件につきまして、福岡市におきまして特別養護老人ホーム開設事業者を募集の上、採択事業者を決定する公募手続を実施していただくこととなりました。

 既に3月には開設事業者向けの説明会が実施されており、今後、本年11月には市が事業者を決定し、以降、財務局との間で契約が締結され、介護施設敷地として活用されていくこととなります。

 本公募に当たりましては、事前に財務支局と市との間で細部を協議の上、市の事業者向け説明会におきまして財務支局から国有地活用策の概要を説明させていただき、また、双方の関連ウェブサイトを相互リンクさせるなどして取り組んでおりまして、「介護離職ゼロ」の実現に向けた財務局と地元公共団体との連携事例として高く評価できるのではないかと考えてございます。

 現在、介護施設整備促進の重要性を踏まえまして、一般会計所属の財産以外にも、特別会計の普通財産や独立行政法人の不要資産の活用につきましても、関係省庁に対しまして協力を要請しているところであり、国民共有の貴重な国有地が介護施設整備の促進に有効に、また、適切に活用されるよう、公共団体のほか厚生労働省とも十分な連携を図り、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 続きまして、保育施設整備に係る国有地の活用について報告申し上げます。

 保育の受け皿確保に向けましては、保育人材確保策を含めまして、現在、さまざまな施策の検討が進められているところでございます。国有地の活用状況や、さらなる活用策につきましてはこの後説明申し上げますが、その前に、待機児童解消に向けた取り組みの現状について説明申し上げます。

 資料の9ページでございます。待機児童解消への取り組みに関しましては、平成25年4月に作成されました待機児童解消加速化プランに基づきまして、当初目標の平成31年度を2年間前倒しいたしまして、保育ニーズのピークを迎える平成29年度末までに40万人の保育の受け皿を確保することとされました。その後、昨年11月に取りまとめられました緊急対策におきまして、待機児童解消を確実なものとするため、平成29年度末までの受け皿の整備量が40万人から50万人に拡大されているところでございます。

 次に、資料10ページでございます。保育の受け皿確保の状況でございます。厚生労働省によりますと、平成25年、26年度の2カ年で合計約21.9万人の受け皿拡大を達成しており、29年度末までに45.6万人の受け皿確保の見通しであると聞いております。このほか、平成28年度から企業主導型保育事業によりまして、最大5万人の保育の受け皿を整備することとされております。

 次に、11ページを御覧ください。ただいま申し上げましたように、保育の受け皿拡大が進められている中で、国有地がどのように活用されているのか説明申し上げます。

 保育分野に関しましては、待機児童解消加速化プランに基づきまして、これまでも全国の財務局より地方公共団体に対しまして廃止宿舎跡地などの国有地情報を前広に提供し、地方公共団体との密接な連携のもと、優先的に売却や定期借地貸付を進めてきたところでございます。

 その結果、平成25年4月以降で見ましても、契約締結済みが56件、具体的な協議中や活用要望のある財産を含めますと110件にものぼる国有地が有効に活用され、これによりまして、首都圏を中心に約8,000人分の保育の受け皿確保に貢献することとなります。

 以上のとおり、保育分野での国有地の活用に関しましては、さきに説明申し上げました介護施設よりも先行して取り組んでいる状況にございまして、また、保育の受け皿確保に向けた施設整備全般につきましても、ただいま説明申し上げたとおり、順次進められているところでございます。

 しかしながら、保育所への申込要件の緩和などもございまして、現在、保育所への入所を申請される方が急増している状況にございます。29年度末までの待機児童解消の達成に向けた保育の受け皿確保を確実なものとするためにも、従来の取組みに加えまして、やはり即効性のある対応も重要であると考えてございます。

 資料12ページを御覧ください。保育分野での国有地の活用におきましても、保育の受け皿の拡大を促進する観点から、従来の対応に加えまして、より即効性のある国有地の更なる活用策を講じることも必要ではないかと考えております。以下、その内容について説明申し上げます。

 まず、国家戦略特区に基づく都市公園内の無償貸付中国有地の活用について報告申し上げます。平成25年に成立いたしました国家戦略特別区域法によりまして、国家戦略特別区域において同法に定める区域計画における特定事業の認可を受けた場合は、都市公園法の特例といたしまして、都市公園内への保育所等社会福祉施設の設置が可能となってございます。

 既に公有地では荒川区の都立汐入公園や横浜市の市立反町公園などの事例がございますが、都内の国有地におきましても、東京都に無償貸し付けしております代々木公園の一部につきまして保育施設を設置するため、現在、渋谷区におきまして事業者選定の公募手続が進められております。

 この場合、無償貸し付けを継続したまま保育所整備が可能であるほか、比較的迅速な施設整備も可能と考えられます。公園敷地として無償貸し付け中の国有地につきましては、都内所在の面積3,000平方メートル以上のものだけ見ましても55件もございます。今後、同制度の周知を図るとともに、申請があった場合は速やかに設置を承認したいと考えております。

 次に、小規模財産の掘り起こし・情報提供でございます。これまで保育、介護施設整備のため、地方公共団体の意向も踏まえまして、廃止宿舎跡地など1,000平方メートル以上の比較的規模の大きな財産を中心に、公共団体に対しまして情報提供を行ってきたところでございますが、待機児童解消のためには小規模な保育施設の拡充も重要でございます。

 このため、こうした施設を念頭にいたしまして、比較的小規模な国有地につきましても財産の洗い出しを行いまして、公共団体等に対し情報提供を行っていきたいと考えております。こうした小規模な施設整備につきましては、通常の認可保育園と比べまして施設整備の時間も短く、受け皿確保の即効性が認められると考えております。

 次に、庁舎や国家公務員宿舎の空きスペースを国の事務事業に支障が生じない範囲で保育事業のために活用することが考えられます。都内では、国の庁舎として活用していた空きスペースにつきまして、保育所設置のために貸し付けを受けたいとの要望事例が既に出てきておりまして、これまでも国家公務員宿舎を保育ママ事業に活用した件数が19件ございます。空きスペースを確認いたしまして、保育の受け皿への活用を検討していきたいと考えております。

 最後に、13ページでございます。社会福祉分野への国有地の定期借地契約に際しましては、契約履行の確保のため、これまで社会福祉法人に対しまして、賃料1年分の契約保証金の納付を義務付けてまいりました。先般の介護施設整備に係る国有地活用策におきましては、地域や施設を限定した減額貸付を行うに当たりまして、契約保証金の納付を免除することといたしましたが、定期借地制度導入以降5年を経過いたしまして、同制度が定着したことも踏まえまして、今後、社会福祉分野全般におきまして、社会福祉法人に対し、契約保証金の納付を免除するという措置を講ずることにしたいと考えております。これによりまして、社会福祉法人の保育所整備に伴う負担につきましても、特に地価の高い都市部を中心に相当減額されることになるのではないかと考えております。

 引き続き継続協議中の案件につきまして、公共団体と連携し、確実な整備に結び付けるとともに、ただいま説明申し上げました即効性ある国有地の更なる活用策についても進めることによりまして、保育の受け皿確保に向けた国有地の活用を引き続き積極的に進めてまいりたいと考えております。

 なお、その際は、各財務局におきまして、待機児童解消に向けた取り組みの現場の生の声をお聞きし、そこから把握できたさまざまな課題を厚生労働省と関係省庁と共有し、待機児童解消対策に生かしていければと考えております。

 以上、一億総活躍社会の実現に向けました介護施設整備及び保育施設整備への国有地の活用につきまして説明申し上げました。よろしくお願いいたします。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの報告につきまして御発言をお願いします。

〔 荒谷委員 〕 これは意見ですが、国家戦略特区に基づく都市公園内として無償貸し付け中の国有地を活用するという案は非常によい案だと思います。最近ニュース等で、幾ら受け皿をつくっても、住宅地に保育園をつくると騒音問題で頓挫している例が複数紹介されていますが、公園内ですと幾ら騒いでも苦情は出ないと思いますので、目のつけどころが非常によいと思います。55件あるそうですので、手続をなるべく簡略化して速やかにこれを進めていただければよいと思っております。ぜひよろしくお願いいたします。 

〔 望月臨時委員 〕 私もこれに関しては、最近ないヒットかなという感じです。保育において非常に積極的に現場に対応するということで、今までの既成の枠にもとらわれないで進めてきている姿勢というのは、私は非常にいいのではないかと前から思っています。このやり方が介護施設の整備においても実行されると、ますます加速的にいくのではないかなということで非常に期待をしています。

 その点で再度申し上げるようですが、いろんな関係者を交えて協議していきますという姿勢はもちろんですが、その際に、やはりなるべくフェイストゥフェイスで物事が早く進められるようなフラットな協議の場というか、意思決定というプロセスを踏んでいただきたいということがあります。

 もう1点は、多分現場に行けば行くほど現場の本音みたいなのが実はあるのだろうと。ここに調整しなければいけない課題がさらっと書かれていますが、実はもう少し裏を返すと、行政が持っている財政の問題とかなかなか難しいことがあるかもしれないので、そこがやっぱりフェイストゥフェイスで、お互いの領域に少し踏み込むかもしれませんが問題は何かというような取り組みをしていって、一方でかえらない卵は抱えないというPDCAを早くその場その場で回していくということは必要なのかなという感じがしましたので、ぜひ保育の施設の整備の進め方を先行事例として進めていただきたいなと思いました。

〔 川口臨時委員 〕 2つありますが、1つは質問で、1つはコメントです。まず、介護施設のほうの5ページの課題の2つ目のところで御説明いただきましたが、この事業には2つあるということですか。

 まず、国有財産が明示されて、国有財産を活用するのがありきというのが1つで、もう1つは、先に事業があって、その事業を検討する中で国有財産が活用できる。その2つ目のパターンにおいての課題が、処分を留保せざるを得ない課題がある。これについて今検討されている。この理解でよろしいかという質問が1つ。

 それから、保育施設について意見ですけど、この審議会でも国有地の活用で保育施設を整備していこうとこれまで随分議論して、積み重ねてやってきていたわけですが、あまり詳しく知りませんが、匿名のブロガーがブログを書いて、それが国会で取り上げられて非常に大きな議論になっていった。

 これはこれで新しいメディアに対する意見の取り上げ方としてはいいのかもわかりませんが、我々はこういう議論を積み重ねながら、国民に意見を求めるというのはパブリックコメントという手続で公平な形で意見を吸い上げています。今回の議論というのは、とてもそういう意味ではこれまでの日本の、これは財務省さんだけではなくて、保育施設整備に係る国有地の活用というのは、国有財産として国民の総意をつくり上げながらやってきた。即効性を持たせなければいけないということはあるのですが、私自身は、国のあり方として今回のものは個人的には非常に疑問を持ちました。これはコメントでございます。今日御紹介いただいたような国有財産というのは、やはり国民の総意のもとでやっていって、その手続に関する即効性というのはまた別の議論かなと。これはコメントです。以上です。

〔 橋本国有財産業務課長 〕 最初の点の、国有地を情報提供いたしまして、この国有地とこの国有地を活用するという前提で公募にかけられるケースと、特定せず事業者の認可の公募を行い、そこで国有地が活用されるのであれば、それを使って認可するというケースがありますが、後者になりますと、どうしても認可行為が決定するまで国有地がそのままになってしまうというケースがございます。

 ただ、これは神戸市だと思いますが、現場で財務事務所と市がうまく協議いたしまして、お互いの立場を十分話し合って、国有地が何カ所かありますが、まず現場説明会を行います。神戸市ともタイアップしまして、事業者に現場を全部見てもらって、現場でこれは使う使わないというのを特定してもらい、そこである程度事業者が使いたいというものだけを残して、あとは全て結構ですと。残ったものについて公募をかけますとか、いろいろやり方はあると思います。こちらの立場もあり、向こうの立場もあります。そこをうまく調整しながら進めています。

 ただ、私どもとしては、この介護の話については非常に重要な施策ですので、売却が必要だということで、それを振り切っていくということをやるつもりは全くございませんが、ただ、全く何も使われずそのままずっと何年もという状況はやはりどうなのかなということで、ただいま説明申し上げたような現場の対応をさせていただいているところでございます。

 保育の問題につきましては、これは現在プランの中でいろいろ議論されているところでございますが、この問題については、例えば人材確保の面も含めて、多様な形で対応していかなければいけないというところは事実でございますので、その中で私どもとしても、国有財産の活用としてできる範囲でそれに対応させていただくということだと考えております。

〔 迫田理財局長 〕 2つ目の部分ですが、一般論として申し上げれば、私どもに国民の声が届くルートというのはいろんなルートがあるのだろうと思います。国会でのいろんな御議論というのも一つの大変重要なルートであるということだろうと思います。

 それで、待機児童対策については、私どもは、保育整備について国有地を活用するということについてはかなり先鞭をつけてきた意識があります。まさに定期借地という話でやってきて、かなり進んできたのは実態のとおりなので、急にある事柄をきっかけに慌てて何かやったという意識は私どもに全くありません。去年の秋の一億総活躍という枠組みが出たときにも、総理のほうから非常に大事なことであるということで、きちっと枠組みを発表していただいているという部分もあるわけです。

 ただ、もう一回改めて考えてみて、もう少し我々が力を入れてもいいところはないかと見ると、先ほどから大変御評価いただいて恐縮ですけれども、コロンブスの卵みたいな話ですが、戦略特区というのがあって、あまり騒音という話も出ないで、しかも園庭をわざわざ確保するまでもなく、そこ自体が遊び場になっているというコロンブスの卵みたいな話で、今までの無償という取り扱いを続けるという行為だけで活用していただける。そういう意味で言うと、もっともっと使っていただいてもいい話を、もう一回我々は掘り起こして、改めて表に出して、こういうところは幾らでも使えますからどうぞ、ということをリマインドしているというような感じだろうと思います。

 我々としても、それから安倍政権としても、かなり本格的に保育所の問題というのは対応してきたというある意味では自負がある中で、もう一回この辺もありますのでよろしくというような感じが今回のリストアップであり、整理であるというふうな認識を持っております。 

〔 亀坂臨時委員 〕 今、国民の声をとかいったことが議論されたので私も発言したいと思います。委員としてこのような方向に国有地が活用されることはもちろん大変望ましいことだと思ってお話をお伺いさせていただいていました。私も一人の国民としても保育とか介護の充実は非常に重要だと思っております。

 私も、特に保育園について、子どもが3人にいる中で保育園にどうやって子どもを入れられるかというのは本当に頭を悩ませました。子どもを持って働く母親にとっては非常に重要な問題ですので、慌ててでも対応してほしいと。もっともっと即効性を持って対応していただきたいし、今回これだけ積極的にいろんなことを考えていただいて、公園の利用とかも考えていただいたのは、一人の母親としても大変望ましいことではないかと思います。

 保育園のエンドユーザーとして、一人の国民として思うことは、私も子どもを保育園に入れるときに、公立の認可保育園に入れるか、民間のところに入れるかと非常に悩みました。一番悩む理由は、東京都認証保育所とかだと園庭がない。自由に子どもを活発に遊ばせたくて、小さいうちは思い切り体を動かして遊ばせたいのですが、やはり東京都認証保育所とかに入園させると、園庭がないので、先生たちは本当に細心の注意を持って車が通る道路で子どもを移動させて、近くの公園に連れていかなくてはいけない。

 新聞報道等で車が保育園児の列に突っ込んだとかいうのを伺うと、自分が仕事を相当犠牲にしてでも園庭のついている保育園に入れたいと思うわけですが、このような形で最初から公園の中に新たな保育園をつくっていただけるというのは、一人の母親としてもすごくありがたいことではないかと思います。

〔 小枝臨時委員 〕 私も賛成です。今までは国有財産をベースにどういう政策ができるのかという観点で、ハード面の供給量を増やして、コストも下げてという方向なのかなと思いますが、そうした取り組みはすごくやられているという印象を今回も受けました。今回ご紹介のあった、例えば保育園を公園の中にという話については、質の議論ともリンクしているような政策なので、ぜひもっといろいろ工夫してやっていただきたいなと。ただ、国有財産でできることはすでに相当やっているというイメージで、ボトルネックはソフト面の供給問題が大きくて、ここで議論できることは限られているのを少し残念に思っています。

〔 角臨時委員 〕 茫漠とした質問で恐縮ですが、例えば保育施設の充実というのは国家としてやらなきゃいけないことだと思うのですが、それは結局ヒト・モノ・カネと3つがそろわないと充実しない。幾ら不動産を使って使ってと言ったところで、保育士さんがいなければつくれないという話で、その意味で、それぞれのある種の縦割りの中でやっていると、ニーズがきちんとそれぞれのセクションに届かなかったりという感じがしますので、横串を刺すような国としての組織のあり方というのはもう考えていらっしゃって存在するのか、そのあたりを教えていただきたいと思います。

〔 迫田理財局長 〕 今御説明した介護、保育所という世界でいいますと、これは今の内閣でいいますと一億総活躍という政策の括りになっていまして、加藤大臣という一億総活躍大臣がいらっしゃるわけです。恐らく厚生労働大臣であれば、人手の確保という話とか、処遇をどうするかというところにターゲットが当たるのだろうと思います。あまり国有地という認識はお持ちにならないと思いますが、一億総活躍という括りで担当の加藤大臣がおられて、介護であれ、保育であれ、全体としてレベルアップ、底上げするためにはどうすればいいかという軸を入れることで、何か国有地でも使える話がないのかという御指示が来るというようなことだろうと思います。

 つまり、役所としてはあえて言えば縦割りのままかもしれませんけれども、それぞれが持っている政策ツールをどこでどういうふうに統合していくかという観点から、今の内閣では一億総活躍という政策課題については担当大臣を置いているというところが、恐らく政策の横串を入れるための工夫になっているのだろうと思います。

 それで、国有地でやれることというのはある意味では限界があります。国有地だけで全てが解決するわけではないのは、介護であれ、保育であれ当然だと思いますけれども、逆に土地という部分がないがゆえに壁が超えられない部分というのがあるのだろうと思っております。

 つまり、ヒト・モノ・カネというお話がありましたけれども、1,000億というお金は日本にどこに持って行っても1,000億ですが、こういう形状の1,000平米の土地がここにあるというのはほかにどうしようもない、どこにも持っていきようのないものなんです。したがって、まさに介護であれ、保育であれ、都市部のところで何か施設を整備しなくてはいけないときに、土地がないがゆえにできないということについて、たまたま我々のリストの中にこういう広さのこういう形状のここにある土地なら使っていただけますよということを出すことで、それまでそのリストがなければ超えられなかった課題を超えられるということがあり得るのだろうと思っております。

 つまり、必要十分条件にはなりませんが、非常に大事な必要条件の1つのパーツをなす部分として不動産というものがあって、それはなかなかつくったりできないものなので非常に貴重な資産だろうと思います。そこについて、さっき申し上げたような政策体系の中で担当大臣に政策で横串を刺していただけるということになると、我々はそこに参画をして、こういう手順でこういうことならば御貢献できますよということになって、政策としての体系が、大事なピースが埋まっていくという成り立ちになっているということなのだろうと思っております。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、続きまして「平成27年度国有財産監査の結果について」、説明をお願いします。

〔 輿石国有財産監査室長 〕 国有財産監査室長の輿石です。よろしくお願いいたします。

 まず最初に、資料3の1ページ目を御覧ください。上の枠は、財務大臣の監査権限を記載したものです。下の枠は、27年度の監査結果を記載しております。27年度は、庁舎、省庁別宿舎の公用財産、それから市街地に所在します道路、河川等の公共用財産に重点を置きまして、監査を実施しております。

 その結果、530件の監査を実施しまして、115件について問題点を指摘しております。昨年の26年度は、同じ530件の監査を実施しまして、127件の指摘をしておりますので、ほぼ前年並みの実績ということでございます。これは、23年度から現地での深度ある監査を実施してきまして、組織の改編、統廃合などにより、前もって余剰面積が把握されている事案も減少している状況の中で、取り組みを確実に行ってきた結果ではないかと考えております。

 次の2ページ目を御覧ください。監査対象財産別の指摘内容を記載しております。国有財産の監査は、既存庁舎を有効活用すること、未利用国有地の売却を通じて財政に貢献することなどを標榜し、監査を実施していますので、指摘内容としては、下の左の表の公用財産ですけれども、庁舎等の余剰面積の有効活用と借受解消がそれぞれ3割強を占めております。また、未利用国有地の洗い出しにつきましても3割弱を占めて、右の公共用財産でも2件指摘を行っておりまして、監査目的に沿った指摘ができているものと認識しております。

 この結果、資料にはございませんけれども、27年度の監査で未利用国有地の洗い出しを指摘した財産の台帳価格は約9億円、借受解消を指摘した財産の年額賃料は約2億円となっております。

 公共用財産について実施件数が減少して、指摘件数も少なくなっていますが、これは幾つかの財務局で対象財産の監査が一巡しているということなどもあり、これまで現地の深度ある監査を実施してきた結果、関係省庁におきましても自己点検などを行うなど、財産を適正に管理するという意識が強くなってきたことも要因ではないかと考えております。

 公用財産につきましては、引き続き定員削減などにより潜在的な余剰が生じている庁舎もまだありますので、今後もそのような財産の有効活用に向けた監査を行っていきたいと考えております。

 3ページ目を見てください。これは、監査対象財産別の指摘区分を記載したものでございます。指摘内容に係る改善措置としまして、部局が執る対応について、すぐに適切な措置を講じさせるものもあれば、方策が幾つかあって、関係部局間で最適な方策について検討を必要とするというものもございます。同じ指摘内容でありましても対応が異なってきますので、そうした区分を示したものでございます。いずれにしましても、これらについては改善に向けてしっかり指導していくというものでございます。

 次に、別つづりとしております資料3の参考1の資料を御説明させていただきます。この資料は、27年度の監査指摘事例を一部紹介しているものでございます。

 まず、1ページ目の事例ですけれども、これは余剰が生じている和歌山県橋本市にあります地方合同庁舎に近隣の借受庁舎を移転させて、借受解消を求めた事例でございます。

 次に、2つ目の事例ですが、これも余剰が生じている石川県七尾市にあります港湾合同庁舎に近隣で敷地を借り受けしている官署を移転させまして、借受解消を求めた事例でございます。

 3つ目の事例でございますが、これは佐賀県伊万里市にあります余剰が生じている法務局の単独庁舎に、近隣にあります職員が非常駐で非効率となっている区検察庁を入居させまして、跡地を用途廃止することにより、売却可能な未利用地の創出を求めた事例でございます。

 次の4つ目の事例ですが、これは低利用な庁舎を用途廃止させて、未利用地の創出を求めたものでございます。具体的には、茨城県土浦市にあります低利用な工事関係の会議施設、図面の写真の赤枠の部分ですけれども、これにつきまして敷地の一部、黄色の部分ですが、隣接の省庁別宿舎の進入路と駐車場として利用されておりましたので、宿舎に必要な黄色の部分を宿舎用地とした上で、残りの赤色の部分を用途廃止するように指摘したものでございます。

 最後に、5つ目の事例ですが、これは財産整理を行うことにより未利用地の創出を求めたものでございます。具体的には、鳥取市にあります国道維持出張所、写真の黄色の部分ですが、既に庁舎は別地へ移転し、未使用で不整形な敷地となっております。一方、隣接に省庁別宿舎、赤色部分と青色部分がありまして、この庁舎敷地に分断されております。青色の宿舎建物の一部が黄色の庁舎敷地に越境しているという状況です。そこで、宿舎敷地を含めた一体で財産整理を行って、宿舎として必要な部分を除いた敷地の一部、北側の赤色部分と黄色の点線部分ですが、売却可能土地として用途廃止するように指摘したというものでございます。

 次に、別つづりの資料3の参考2、参考3がございますが、これは監査対象財産別の指摘の一覧を載せておりますので、時間の関係から説明は省略させていただきます。

 最後に、資料3の参考4について、平成23年〜26年度監査における指摘事案のフォローアップ状況等を御覧いただきたいと思います。

 まず、1ページ目ですが、27年度までのフォローアップの状況を年度ごとに載せております。下のグラフを見ていただきますと、27年度までに是正が図られたものは、23年度は指摘事案289件に対し237件、24年度は指摘事案117件に対し55件、25年度は指摘事案146件に対し59件、26年度は指摘事案127件に対し21件となっております。是正率としてはそれぞれ赤字で示したとおりでございます。この結果、27年度におきましては、不要となった財産を売却しまして、約2億円の売却実績がございました。

 23年度と24年度以降で是正率に差が生じておりますが、これは指摘した財産の種類が違うことに起因しているものでございます。23年度は普通財産を重点的に監査しましたが、24年度以降は、行政財産である公用公共財産の監査にシフトしたことによるものでございます。23年度は、指摘の約6割が特会の普通財産でありまして、普通財産は売却対象財産ですので、売却の阻害要因が解消されれば是正がすぐに図られますが、公用・公共用財産は行政財産ですので国の事務事業などに使用されており、是正の基準であります用途廃止に当たっては所要の手続が必要となります。

 庁舎の場合には機能の移転が必要となるために、入居場所についての調整が必要となります。河川、道路の場合には、廃線・廃道の告示後、法令の規定に基づきまして一定期間管理する必要がございます。そのほか、予算なども必要になってきますので、どうしても是正までの期間が長期に及ぶこともございます。24年度以降の指摘事案につきましても、着実に是正を進めているところではありますが、こうした事情もございますので、23年度と比べますと低いというふうになっているということでございます。

 なお、是正措置が講じられていない事案の中には、各省庁におきまして是正に必要な予算措置ができずに処理が遅れている事案も多く見受けられましたので、昨年度から本省庁間でヒアリングを行いながら、早期の予算措置について要請して調整を行っているところでございます。今後とも早期是正に向けて、財務局による部局間調整のみだけでなく、本省庁間による調整も引き続き取り組んでいきたいと考えております。

 次の2ページ以降につきましては、27年度のフォローアップの実績としまして、監査指摘により不要となった財産を売却して、税外収入の確保につながった事例を4つほど載せておりますが、時間の都合上、説明は省略させていただきたいと思います。

 以上で監査についての説明を終わらせていただきます。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、御意見等ございますか。

〔 持永臨時委員 〕 御説明ありがとうございました。最後に御説明いただきました資料3の参考4について、今、室長のほうから細かく御説明いただきましたので大体大まかなところはわかりましたが、下の図だけを見せていただいたときに、先ほど普通財産と公用・公共財産の区別を失念しておりましたので、単純に26年度からさかのぼりますと、是正率16.5、40、47、82ということで、20%ぐらいずつという話をしますと、24年度は6割ぐらいあってもいいかなと思いながら今説明を聞かせていただきましたので、普通財産と公用・公共用財産ということで区別はわかったつもりでおります。

 もう1つ、ただ、24年度から公用・公共用財産に範囲を広げられたという中で、24年度、25年度は、要は26年度からすると1年、2年経過期間がさらにふえるわけですが、24年度の是正率は若干歩留りが悪い感じがしますが、ここは公用・公共用財産に範囲を広げられた中で、24年度というのは特有な、固有な状況がございますでしょうか。

〔 輿石国有財産監査室長 〕 24年度以降は、公用・公共用財産ということで25年から26年度の違いというのはないのですが、庁舎の移転の事案が多くありますので、やはり部局との調整に時間がかかっているというものもございます。先ほど言ったように、予算措置のほうがなかなかとれなくて少し遅れているものもございまして、そういうものが多少多かったということになると思います。

〔 持永臨時委員 〕 その意味では実地監査をされて、実は監査に赴く方だけではなくて、各省庁の御担当の方が結構有効活用の意識を持ってこられたのかなという感じが全体を通じて見受けられましたし、また、指摘だけではなくてフォローもしておられますので、ぜひ継続してウォッチしていただければもっとよろしいかと思います。よろしくお願いいたします。

〔 輿石国有財産監査室長 〕 引き続き部局だけに任せておかなくて、本省庁間とのヒアリングにおきまして適切な指導をしていきたいと思っております。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、「NACCSセンター株式の売却について」、お願いいたします。 

〔 八幡政府出資室長 〕 政府出資室長の八幡でございます。

 それでは、私のほうから、NACCSセンターの株式の売却についての報告をさせていただきます。

 経緯でございますが、平成19年の年末に独立行政法人整理合理化計画が閣議決定されまして、このときに、当時の独法について、特殊会社として民営化する、とされております。

 翌年20年の10月に法改正がありまして、輸出入・港湾関連情報処理センター(NACCSセンター)株式会社として設立されております。その際に、法律上、政府は、政府保有義務分(過半数)を除き、同社株式を「できる限り速やかに」売却する旨の規定が盛り込まれたところでございます。

 同社は経営状況について、当初は赤字だったのですが、収支が黒転してきたというところで、昨年の平成27年の2月でございますが、この審議会におきまして、同社の株式の処分についてという諮問をさせていただき、御答申をいただいたところでございます。

 答申の主な内容を3つほど書かせていただいておりますが、まず、売却方法につきましては、一般競争入札による売却をすることが適当と。

 それから、売却の数量ですけれども、保有義務分のない株式について全て一度に売却するとともに、競争入札におきます申込株式数については、円滑な入札執行の観点から最低単位の設定、それから、同社が重要かつ公的なシステム運営をする会社であること等々の理由により、最高数量の制限を設定してはどうか。そういうことを検討すべきという答申をいただいております。

 また、予定価格については、同社の株式評価について、純資産価額方式を基本とすることが望ましいのではないか。このような答申をいただいたところでございます。

 その後、この答申いただいたものを踏まえた入札の結果でございますが、昨年の9月30日に入札公告を行いまして、本年に入りまして、2月18日には落札者を決定・公表しております。そして、3月31日に株主名簿の名義書き換えを行いまして、一連の売却に係る手続が完了したところでございます。

 以下に結果を記載しておりますけれども、発行済み総株式数1万株のうち、保有義務が過半数かかっておりますので、4,999株を売却いたしました。

 入札には60者の参加がございましたが、落札者としては、48者を落札者として決定・公表しており、これが株主となるということでございます。

 売却の総額ですけれども、下の「参考」のところの上のほうにNACCSセンターの純資産額が52.5億円と書いておりまして、これの約半分を売却するということですので、それ相応の額で売れると26億ぐらいという思いを持っていたところですけれども、落札総額は27.5億超ということでございまして、想定どおりの入札結果になったと考えております。

 以上がNACCSセンターの報告でございます。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。

 本件の説明につきまして御発言をお願いしたいと思います。

〔 山内委員 〕 NACCSの株式売却の答申審議ときにも申し上げましたが、かなり専門的な会社で、特定の利害関係者がいるという状況だと思っております。そのときにやはり特定の者の影響が意思決定等に及ぶことがないような措置が必要であるというようなことを申し上げましたが、資料の4の2ページにありますように、政府の持株が半分あるということで、そのようなところは対応できるかなと思います。

 そこで質問ですが、60者が入札されて、48者が落札したということでかなりばらけて、そういう意味では意思決定に対する影響度というのは通常の事業者というふうに見てもよろしいかと思うのですが、一体どのような企業が入札され、どういうような構成になっているか。あるいは、これは杞憂だと思いますけれども、今申し上げたようなことに関する情報がありましたら教えていただきたいと思います。

〔 八幡政府出資室長 〕 48者については、基本的には、NACCSセンターにおいて顔が見える相手方になっていると思われます。大株主は公表されることになると思いますが、最高数量を設定し、1,990株が上限になるわけですが、大手で上限まで保有しているところがあり、あと、小さいところも含めて最後48者になったという状況でございます。株主になった方々も、いろいろ直接株主として言えるなという思いで、お互いがメリットを享受できるような形での入札結果になったのかなと考えております。

〔 川口臨時委員 〕 質問ですが、2ページにNACCSの純資産が出ておりまして、1株当たりの純資産が52万5,220円で、去年の9月末現在ということですが、今後こういう案件も出てくるかもしれないということでの御質問ですが、今、純資産価格の評価における割引率の問題が実務ではさまざまなところで問題になっていまして、いわゆるマイナス金利になったことで、例えば退職年金の現在価値を計算するのにマイナス金利を導入したところもある。そうすると、割引現在価値ではなくて、割増現在価値みたいなことになって、多分これからいろいろ議論になって、国有財産の評価の仕方もこの辺はどうするかという決めの問題があると思うのですが、このときは全く関係なかったという理解でよろしいでしょうか。

〔 八幡政府出資室長 〕 確かにおっしゃるように、今後、時価評価するときに、割引現在価値が来年はどうなるか、頭の体操をしなければいけないなと思いますが、本件は、タイミングとしてそういう問題のない中での純資産額であります。今後、どういう形で時価評価するかということは、土地もそうなのかもしれませんが、株式についても十分検討させていただきます。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、続きまして「株主総会への対応について」ということで、事務局より説明をお願いします。

〔 八幡政府出資室長 〕 政府出資室につきましては、今ほど説明申し上げましたNACCSのような売却案件がありますときは、それが大きなミッションとなるわけでございますけれども、通常時は、株主としての立場におきまして、株主権の行使を通じて株式を適切に管理するというのがミッションでございます。

 その際の具体的な考え方ですが、まずはこれまで整理していた考え方ということで、「資料5の参考」の資料を御覧いただければと思います。表題が「株主権行使の基本的考え方」となっておりまして、右肩に書いてありますとおり平成21年2月の当審議会で、当時は株式部会というのがございましたけれども、その場で御議論をいただいたときの資料でございます。ちなみに、政府出資室は、平成20年7月に設置されておりまして、その事務年度中にこういった議論をして整理したということでございます。

 この資料にもありますように、3つ「○」がございまして、1つ目は政府保有株式というのは国民共有の財産である。株主としての立場を十分認識し、株主利益の最大化を図る観点から適切に株主権を行使すること。

 2つ目が、民間とは違うという意味で、特殊会社は会社法上の株式会社であるものの、政策目的達成のために特別法に基づき設置されており、民間会社とは異なり、主務大臣の認可が必要であるなど、主務大臣の監督が及んでいる点には留意すること。

 3つ目が、経営の自主性・効率性の向上という民営化の趣旨を踏まえまして、株主権の行使に当たっては、経営の自主性を尊重すべしと。この3つの整理をしています。

 このような基本的な考え方を踏まえまして、政府としましてもこれまでも具体的な株主権の行使については適切に対応してきたと思っておりますが、しかしながら、対外的に公表している概念は、説明申し上げましたこの一枚紙に尽きておりまして、これがいろいろな資料等に書いている考え方でございます。

 一方で、民間のほうも、例えば機関投資家がスチュワードシップ・コードを受け入れて自ら方針を明らかにし、透明性確保等の対応を進めているというような中で、政府としましても、昨年の郵政株式の上場などをきっかけといたしまして、現在具体的に行っている、我々の今の行動もしっかりと見える化をしていくということ、また、取り組み自体も深化をさせていくということが必要なのではないかと思っております。

 民間の機関投資家と特殊会社等の株主としての政府とでは、もともと行動原理が違いますので、スチュワードシップ・コードをそのまま生かせるとか引き継げるわけではありません。また、先ほどの基本的な考え方自体は一旦整理しておりまして、これを変更するわけでもないですが、改めて対外的にもお示しできるような方針をつくろうと思っています。

 それが資料5でございます。4ページを先に御覧いただきますと、会社が列挙されております。政府が出資している株式会社でございまして、今、策定しようとしております方針の対象としている株式会社が28社あります。一番上に日本郵政がありまして、政策金融公庫とかNTT等々並んでおりまして、大小いろいろあったり、上場しているもの、していないものもあります。政府は、特殊会社等の株主総会に出席をしている状況になっております。

 それでは、そのような会社に対する株主権の行使ということで、2ページ目からです。まず考え方の整理として、1つ目は、政府が出資している特殊会社等の位置付けをしっかりと整理しておこうということです。特殊会社等というのは、1つは従前の公社及び公団が組織形態を見直す、行革的な観点から民営化されていくもの。それから、新たな政策課題に対応すること。最近、官民ファンドとかも増えてきておりますし、こういうこと等のために特別の法律に設立根拠等を有する会社でありまして、会社法上の株式会社の形態をとっております。したがって、運営自体は基本的に会社法に従うわけですが、株主(政府の場合、まさにその後ろには国民がおられるわけですが)から経営付託されて、経営の自主性、創造性及び効率性を発揮すること等が期待されているものであります。

 一方で、特殊会社等は、政策上の目的の達成に必要な役割を担っていますので、政府は、この業務の的確な実施や経営の安定性の確保の観点から、当該特殊会社等の株式を保有するとともに、それぞれの設立根拠法等におきましては、ここに書いてありますような主務大臣の認可権限とか所要の監督規定が措置されているものであります。また、主務大臣の決議に係る認可事項の多くというのは株主総会の決議事項にもなっているという関係にあるのが、特殊会社等の位置付けでございます。

 2つ目からが具体的な方針でございますが、まず(1)はその中でも基本的な考え方を述べております。上記に掲げますような特殊会社等の位置付けを踏まえますと、まずは特殊会社の株式に係る株主議決権の行使に当たりましては、会社が政策上の目的の達成に必要な役割を担っていることから、主務官庁としての政策上の判断を踏まえて対応する必要があります。同時に、特殊会社等の株式は国民共通の貴重な国有財産でありますことから、企業価値及び株式価値の向上等の観点を考慮する必要がある。この2つが重要なベースにあります。その上で、このような前提であれば、個別の具体的な議案等への対応については、特殊会社等の経営判断を基本的に尊重するのが基本的な考え方であろうかと思っております。

 また、「なお」のところに書いておりますが、特殊会社等として自主性が期待されるものであり、適切な経営判断を担保するという観点からは、自由になったという意味の株式会社のいわばいいところだけではなく、しっかりと情報の開示及び説明責任を果たしていくことを求めていく。株主としてそのようなことを求めていくことが必要ではないか、ということを基本的な考え方に述べております。

 それから、(2)、(3)がそれぞれの対応について、まず(2)は、株主総会においての個別議案への方針でございます。(1)のような基本的な考え方を含めまして、マル1からマル5まで対応を書いております。それぞれに重み付けとか株主としての対応が違うわけですが、まずマル1取締役、監査役等の選任については、積極的に我々が人選をしていくというよりは、むしろ職務への適性並びに人員数、構成の妥当性等を確認するという役割ではないかと思っております。

 次のページに行っていただきまして、マル2でございますが、役員報酬、退職慰労金等につきましても、我々の関わりとしては確認をするということだと考えております。

 マル3以降は、だんだん重みを変えておりますが、マル3資本政策、組織再編については、これらを実行する理由ですとか、なぜそういう事業、ストラクチャを変えていくとか、財務戦略をどうなっているのか、これが企業価値及び株式価値にどのような影響を与えるのかといったところをしっかりと我々としても精査をしていくというような対応になろうかと思います。

 さらに、剰余金の配当というところに関してですが、特殊会社等の業績及び財務状況や、それから企業価値及び株式価値の向上に向けた将来の事業計画、また、稼いだものが内部留保される場合ももちろんあるのだと思いますが、そのバランスを見るとか、あるいはまた、その成長を通してどのようにやるのか等々の精査をし、その合理性について、国有財産当局でもあります株主としてしっかりと判断をしていくということでございます。

 マル5は、株主総会のこれ以外の案件について、しっかり個別に対応するということを書いております。

 (3)は、総会のみならず、株主として年度を通じてどのような取り組みをするかということでございますが、これは一部スチュワードシップ・コードなども参考にしながら、政府としての特殊性も踏まえて書いております。

 マル1につきましては、特殊会社等の位置付けを踏まえて、その役割をしっかり果たしているか。企業価値及び株式価値の向上等が促されるようになっているかということに向けて説明を求めるなど、特殊会社等としっかり対話をするという我々としての宣言でございます。

 マル2は、当該特殊会社等だけではなくて、その周りの関係者、アナリストとか、その他いろいろな関係者がいらっしゃると思いますが、それとの意見交換を通じて、我々自身がより深度ある理解に努めるということも宣言したいと思っております。

 マル3が、(1)の基本的な考え方で書いたこととの係り結びの状況になっておりますけれども、特殊会社等は、株主たる政府から(ひいては国民の方々が後ろにいらっしゃるわけですけれども)経営を付託されているということを踏まえて、しっかり情報の開示及び説明責任を果たすよう促していくという役割を我々は担っていると思っております。

 さらには、財務省における株主議決権行使の結果等についてしっかりと財務省ホームページ等で公表して、透明性を図っていくというようなことを考えております。

 この方針につきましては必要に応じて見直しをするということで、今回、見える化も進めていろいろ取り組みを深化させていきたいと思っておりますけれども、まず一旦こういう方針を定めて公表することで、今後も柔軟にしっかりと見直ししながら、ロール作業をしていきたいと思っております。

 本件の説明については以上でございます。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。本件につきまして御意見等を拝聴したいと思いますが、いかがでございましょうか。

〔 望月臨時委員 〕 お伺いしたいのですが、3ページ目の「株主としての継続的な取組」という、株主総会とは別にということで、「年度を通じて、以下の通り継続的に取り組む」と書いてありますが、具体的にどういう場でどういうことでしょうか。定期的にとか、こういう場でとか。例えば、国は別に役員に入っているわけではないですよね。だから、経営の意思決定とかの場面で物申すところがないと思いますが、それとは別に、株主として年度を通じてこういう理解を深めたり、対話をするとか、説明責任を果たすというのをどういう場面でなさるのでしょうか。

〔 八幡政府出資室長 〕 28社あって、政府出資室だけが全部を所管しているのではなくて、理財局内でも財投もあって、両方で見ていますが、今でも株主総会に臨むに当たっては当然会社とも議論をしております。これは主務官庁もいますから、主務官庁も含めていろいろ会社の状況についてヒアリングをするし、こちらからいろいろ調べたりもしていますが、現在は定期的にこういう機会にこういうふうにやりますということを明示的にやっているわけではなくて、事実上やっているという状況でございます。

 今回の方針も新たにやることというのは必ずしも多いわけではなくて、今までやっていることをしっかりと対外的にもきちんと説明していこうと。御懸念されている経営の意思決定の場面で議論するとか、そういうようなことを考えているというよりは、従来からやっていることをしっかりと今後もう少し洗練された形でやっていこうと考えております。

〔 荒谷委員 〕 私自身は、これまで株主権の行使について国は消極的という印象を受けておりました。これは恐らく私の推測ですけれども、国が過度に経営に関与すると、国からの圧力ではないかと思われることを懸念して、遠慮をしていたのかなという気がします。先ほど来、何度もお話しが出ておりますように、株主としての出資財産は国民の貴重な財産ですので、株主の利益の最大化を図る観点から適切に株主権を行使するということは必要ですし、また行使したということを見える形にすることが必要だと思います。

 勿論、経営者の経営判断を大事にするということは当然のことですが、国が持っている会社28社を見ますと、100%国が持っている会社が結構ありまして、そういう会社ですと経営者に全部任せておくということは、透明性が確保されていなければ、経営者が自由奔放に何でもできるということにもなりかねません。国民に経営がどのように行われているのか正しく伝わるという意味では、やはり経営の透明性の確保、公正性の確保が必要不可欠だと思いますので、見える形で、今回、マル3マル4で出されましたように、情報の開示、それから説明責任を果たすよう促すということと、財務省のホームページで公表するということは非常に重要なことだと思っております。

 特に上場していない会社については、金商法上のディスクロージャーは義務付けられていませんので、積極的に株主権の行使という形で情報開示を促していっていただくと同時に、財務省のほうとしても、アピール効果として、国民のために株主権をきちんと行使しているということを積極的に開示する必要があるのかなと思います。そういう意味では、マル3マル4の提案は非常にすぐれた提案であると思いますので、ぜひ積極的に行っていただきたいと思います。

〔 八幡政府出資室長 〕 荒谷委員の特にマル3マル4をしっかりと、という、透明性確保という観点はしっかりやっていきたいと思っております。冒頭におっしゃったように、経営を尊重するという点については、多くはやはり民営化をしていくプロセスの中で出てきた会社でもあるので、従前どおり国がすごく関与するというのでは、そこが本末転倒になるところもある、という観点はあります。そこはむしろ我々が関与するというよりは、しっかりと透明性を確保してもらうことを促していくということが大変重要ではないかということを改めて思います。現状ももちろん適切にやっている会社も多いと思います。けれども、そこはいずれにしてもしっかりと外に説明を見える化していくということは、それを担保する意味でも大変重要かなと考えております。

〔 亀坂臨時委員 〕 ほかの委員の方々の御意見とも少し重複してしまいますが、私も、今回このような方針が示されることは、特殊会社等に対する今後の政府の対応のあり方に関する大きな情報公開の進展になると思います。それで、私がざっと拝見しただけでも、非常に多くの重要な意味を持つと感じました。

 まず、一番重要な点として思ったのは、これまでにも議決権行使については、基本的な考え方という1枚の用紙で示されていることが示されてきたということではありますが、基本的な考え方だけでは具体的なイメージがやはりどうしてもわきにくい面があると思います。ところが、今回お示しになる方針のほうでは、これまでよりも大分踏み込んで具体的に記述されて議決権行使等に関する考え方が示されているので、まずは非常に大きな情報公開上の進展になると思います。

 次に、2点目になると思いますが、これまで関係者の皆様は、今回公表される方針に基づいて、従来からもこういった観点からさまざまな対応をなさってきたとは伺っていますが、外部の方から見るとそれが全くわからない。わからない中で、例えば日本郵政グループで一般の個人投資家も株主となっていて、国も株主であるとなると、株主間の情報の公平性の観点からしても、これまで財務省の内部の方々が従っていた方針をはっきりと公表されるということは、情報の株主間の公平性という観点からも非常に重要ではないかと思います。

 次に、上場株式に関してですが、上場株式で特にやはり一番今話題となっているのが、日本郵政グループの株式を購入した個人投資家の御意見です。個人投資家の皆さんは、日本郵政グループの今後の株価とか今後を占う上で、政府の監視監督方針がわからないという御意見が多いと伺っております。政府固有株式に対する方針がこれだけ明らかにされると、そのような個人投資家の方々の要請にも応えられるといったメリットがあると思います。

 4点目として気がついたことは、今現在、株式市場、上場された株式の取引で一番多くの割合を占める投資家が外国人投資家なわけですが、特に海外の投資家の方々は、このような情報公開を非常に重視されていると理解しております。今回、スチュワードシップ・コードなども参考にされて、このような考え方を改めて、内部に合った基準をもう一回検討されて、これまでの方針に従って今回このような方針を示されたということですが、そういった国際的な潮流、情報開示の充実の要請にも応えるという意味で、特に国際社会に向けても重要な情報発信となるのではないかと思います。

 最後に、これが多分一番実は実際面では重要なんじゃないか、あるいは先進的ではないかと思ったことですが、政府が100%保有している特殊会社等が一番気になるわけです。100%民間部門保有の会社であれば、中小企業とかであれば、それこそ本当に自分たちの思うがままに経営しても許されてしまうという面があるわけですが、一律に特殊会社等に対してこのような方針で対応されるということになると、100%政府保有株とか、政府の保有比率が高い企業に対しては、大きなガバナンス面の改善になる可能性があると思います。

 要するに、外部からの監視監督機能が通常でしたら働きにくい。100%民間保有企業であってもやはり働きにくい。ところが、特殊会社等に関しては、民間部門よりもさらに一歩進んだ機能が追加されるということを意味すると思います。外部からの監視機能が働いている。かつ、今回これが外部に示されると、財務省側としてもこの基準に従っていなければ批判を受けることになりますし、ガバナンス上の規律付けには非常に大きな意味合いを持っていると私は考えました。

〔 山内委員 〕 今回、株主総会への対応、それからそれに限らず、通常時の国が株式を持っている株主としての継続的な取り組みの方針を出されることは望ましいことだと思っております。

 ただ、4ページの一覧を見ますと、各会社の状況、社会的位置づけ、あるいはマーケットの環境というのは全く異なっています。さらに言えば、そもそも、株を所有することによって国の政策的目的を実施させるという意味合いとか度合いが全く違っているということが認識されるべきだと思っています。

 例えば、非常に競争的な環境にある会社についても今政府は株をお持ちなわけで、そういったケースと、それから、全くインフラで独占でというような状況で株をお持ちの場合では全く意味が違っていると思います。ですので、基本的な方針はこういう内容でよろしいかと思いますが、具体的な対応は会社により全く違ってくると思います。その意味では、共通のこととして書けることはこのくらいなのかなと思っています。

 ですので、これは当然それぞれのケースにおいて、それぞれの企業に応じて、組織に応じて対応は変わらなければならないので、私の杞憂だと思いますけれども、何か画一的なものになることは避けるべきだと思っています。

 それからもう一つは、先ほどありましたように、政策の内容ですが、政策的目的といっても、やはり財政当局と、それを管轄する主務官庁がいてということですよね。それと会社という組織がある。この3者関係があるわけです。そのときに大前提としては、株主としての視点と政策目的主体としての視点ということになるわけですが、場合によるとそれが矛盾することもありますし、それから主務官庁と他の2者の考え方の違いというのもあると思います。ですから、その辺は十分に意識して、場合によってはそれが相反することは多々あると思うので、そういった点に注意をすべきだと思います。

 今、何人かの委員がおっしゃったように、情報公開、あるいは透明性という面では非常に重要なことだと思いますので、方針としてはすばらしいものだと思っております。

〔 川口臨時委員 〕 今の情報公開に関しまして、3ページの(3)の「株主としての継続的な取組」で、マル1からずっと拝見をしていました。最近、証券取引所の中で、ある産業の上場会社の情報公開のあり方についてガイドラインをまとめる機会がありまして、その中の議論に少し加わっていました。

 結局、投資家としては企業のPDCAサイクルを見ていく。要するに、企業経営のビジョンがあって、それをその年度どうして、それがどうなったというレビューをして、それでアクションをしていく。いわゆる当たり前のことですけれども、PDCAサイクルを見ていく。

 今の民間の上場会社を見ていても、それがしっかりできていない会社が結構ございます。例えば三菱自動車が出ましたが、あれはPDCAサイクルがちゃんとできていないということで、政府が持っている場合には、先ほどありましたビジョンというのは政策が入ってきて、国民が関心あるのは、それがどういう形でPDCAサイクルになっているか。それから、民間の株主としてはそれがどういう利益になっているかという意味では、3ページの(3)というのは、今後、個人的には、投資家としては、PDCAサイクルは、先ほどの一覧表にございましたそれぞれの企業が、山内先生が言われましたが、それぞれの状況に応じてどのようにうまく回っているのかというような理解として、今回の対応というのはそれの第一歩と理解しているというコメントでございます。

〔 佐谷委員 〕 私は具体的なことから考えたいのですが、例えば今、首都高で日本橋の上に青空をということで地下化が議論されています。そういうときに、都市計画の政策としてこの事業をやるのはどういう価値があるかを示しています。これまではこの理由だけしかなかったと思います。それが首都高の株式会社の企業価値としてどういうメリットがあるのかという見解が政府としてどこかに書かれていると、多角的な事業の見方を促すことになるので価値があると思います。

 例えばですが、3ページのマル4の議決権行使の方針のあたりに、どこまで踏み込めるかというのはあると思いますが、企業価値的に見たらこうだから賛成しました、反対しましたということが書けていると、非常にいいものになると思いました。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。

 そのほか何か御意見はありますか。

〔 角臨時委員 〕 ほかの委員の方がおっしゃったことに屋上何とかを重ねることになろうかと思いますが、4ページ目にある政府が出資している株式会社の中で、本当に主務官庁に箸の上げ下ろしまで指図されているみたいなところもあるかもしれません。いわゆる株主価値の最大というところから見ると、もしかしたら、それはないだろうというような場合が。そうすると、ぎりぎり詰めていくと、最終的にそれぞれの組織の中身にまで手を突っ込まざるを得なくなる。そういう場合を考えると、株主権の行使というのは、将来の話かもしれませんが、これはある種の時限爆弾の第一歩のような気もしますが、そのあたりはどうお考えですか。ちょっとざっくりした質問で恐縮ですが。

〔 八幡政府出資室長 〕 あくまでも基本的な考え方で示した、確かに幾つかのバランスがありまして、まず、主務官庁がいます、それから国有財産部局があります、また経営の自主性を確保しなくてはいけないというバランスの中で、それを担保するために情報公開をしっかりして、会社のほうからしっかり外に説明責任を果たしてもらう。こういうような組み合わせで基本的な考え方をまず整理したところであります。

 角委員がおっしゃるように、個別具体的な話になってくると、それをどう当てはめるかというのは基本的な考え方を念頭に置いた上での総合的な判断になってくると思いますが、今回色々な御意見をいただいた中でも、情報を公開することによって説明責任をまずは会社に果たしてもらう。

 これは逆に我々の例にも責任がかかってきて、それに対してどう応えるかというやりとりをできるだけ見える化していくということにおいて、判断を最終的にしていくということなのだと思います。どこまで踏み込めるかという定量的な意味ではなかなか難しいかもしれませんが、今回、方針にお示ししたのが第一歩的であることも踏まえて考えると、できるだけ見える化することによって、今いただいたような提案があった場合にも、それに対して会社がどう考えるか、我々はどう考えるかをできるだけ表に出していくということで、答えとしてまた適切なものが出てくるようになればいいなと期待して、対応を始めてみたいと思います。

〔 佃分科会長 〕 よろしゅうございますでしょうか。

 大分時間も迫ってまいりました。今までの御議論を踏まえまして、特に今回のこの案件に対して修正すべきことというのは文言等ではなかったように思いますので、これについては特に、細かいてにをはみたいなものが後で出てくるかもわかりませんが、そのあたりはお任せいただいて、この案で当分科会としては了承したいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。

 

〔「異議なし」の声あり〕

 

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございます。それでは、御異議ございませんでしたので、「株主総会への対応について」は了承したいと思います。

 以上で本日予定しておりました議事は全て終了させていただきます。

 なお、記者レクの実施及び会議資料等の公開につきましては、従来どおり取り扱わせていただきたいと思います。

 これをもちまして、財政制度等審議会第32回国有財産分科会を終了いたします。本日は御多用のところ御出席いただき、ありがとうございました。  

午後0時03分閉会

財務省の政策