現在位置 : トップページ > 財務省について > 審議会・研究会等 > 財政制度等審議会 > 財政制度等審議会国有財産分科会 > 国有財産分科会 議事要旨等 > 議事録 > 国有財産分科会(平成27年11月24日開催)議事録

国有財産分科会(平成27年11月24日開催)議事録

財政制度等審議会 第30回国有財産分科会 議事録

平成27年11月24日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 第30回国有財産分科会 議事次第

 

平成27年11月24日(火)10:00〜11:15
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
 1.開会の辞
 

2.

財務副大臣挨拶
 3.議事
  (1)介護施設整備に係る国有地活用について
  (2)事務局からの説明
    マル1日本郵政株式会社の株式上場について
    マル2輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の株式の処分について
 

4.

閉会の辞

  配付資料
 資料1

介護施設整備に係る国有地活用について

 資料2

日本郵政株式会社の株式上場について

 資料3

輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の株式の処分について


   出席者
 

分科会長 

 佃   和夫

           

  坂井

 財務副大臣

        

 

  迫田  

 理財局長
        委員  荒谷  裕子

 

  中尾  

 理財局次長
   山内  弘隆

  

  中村

 理財局国有財産企画課長
   横溝  タカ

  

  木村

 理財局国有財産調整課長
  

  

  橋本

 理財局国有財産業務課長
 臨時委員   緒方  瑞穂

  

  小池

 理財局管理課長
   角  紀代恵

  

  八幡

 理財局国有財産企画課
  亀坂 安紀子 

  

 

 政府出資室長
   小枝  淳子 

  

  丸山

 理財局国有財産調整課
   望月 久美子

  

 

 国有財産有効活用室長
  持永  勇一 

 

  輿石  

 理財局国有財産調整課

  

 

  

  国有財産監査室長

 専門委員   林   正和

  

  田村

 理財局国有財産業務課
        国有財産審理室長
  

  

  立川

 理財局管理課
        国有財産情報室長

午前10時00分開会

 

〔 佃分科会長 〕 おはようございます。ただいまから財政制度等審議会第30回国有財産分科会を開催いたします。

 委員の皆様方には御多用のところお越しいただきまして、ありがとうございます。

 まず、分科会の開催に当たりまして、坂井財務副大臣から御挨拶をお願いしたいと思います。

〔 坂井財務副大臣 〕 皆様、おはようございます。財務副大臣の坂井学でございます。財政制度等審議会国有財産分科会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。

 委員の先生方におかれましては、常日頃から国有財産行政に関する様々な政策課題につきまして御助言等をいただいておりますことを感謝申し上げたいと思います。

 現在、政府におきましては、「一億総活躍社会」の実現を目標に掲げて、一億総活躍国民会議におきまして、今月末までに緊急に実施すべき対策を取りまとめるべく、検討をしているところでございます。

 その1つの大きな柱といたしまして、「介護離職ゼロ」がございます。この目標に向けまして多様な介護施設の整備を進めていく必要がありますが、都市部におきましては、この施設整備が遅れております。この点につきまして政府全体として対応していく中で、国有財産を担当する財務省といたしましても、介護施設の整備について対応を行う必要があると認識しております。そこで、本日は、介護施設整備に係る国有地の活用につきまして御審議をいただきたいと思います。

 また、昨年6月に答申をいただいた日本郵政株式会社の株式の処分につきましては、答申に沿って進めてまいりまして、今月4日、日本郵政グループ3社が東京証券取引所に上場いたしております。さらには、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の株式の処分につきましても、答申に沿いまして売却手続を進めているところでございます。本日は、これら株式の処分案件につきましても、現状を説明させていただきたいと思います。

 委員の皆様方には、幅広い知見と経験を生かし、忌憚のない御意見、御提言をいただきたいと思います。財務省といたしましては、いただいた御意見を参考にして国有財産行政に活かしてまいりたいと、このように考えております。

 本日は、どうぞよろしくお願い申し上げます。

〔 佃分科会長 〕ありがとうございました。

 本年7月の財務省の人事異動により事務局のメンバーに変更がございますが、配付しております配席図で御確認をいただきたいと思います。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 まず初めに、「介護施設整備に係る国有地活用について」、事務局より説明願います。

〔 橋本国有財産業務課長 〕 国有財産業務課長の橋本でございます。よろしくお願い申し上げます。

 それでは、お手元に配付させていただいております資料1「介護施設整備に係る国有地活用について」に基づきまして、御説明申し上げます。

 お手元の資料をおめくりいただきますと目次がついてございますが、1ページを御覧下さい。

 一億総活躍社会の実現に向けまして、「新・三本の矢」の関係を表したものでございます。現在、政府におきましては、少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持し、誰もが一歩前に踏み出すことができる一億総活躍社会の実現を目指しまして、施策の検討が進められております。

 具体的には、従来の「三本の矢」を強化して強い経済を実現するとともに、日本の構造的な課題でございます少子高齢化に真正面から取り組むとの方針の下、ここに記載されております「新・三本の矢」の実現に向けた施策が鋭意検討されているところでございます。

 この中の第三の矢といたしまして、「安心につながる社会保障」が挙げられております。具体的には、介護離職者数を2020年代初頭までにゼロにすることを目標に様々な課題への対応が検討されておりますが、その1つといたしまして、都市部における介護基盤の整備がございます。

 続きまして、2ページを御覧下さい。「介護離職ゼロ」に関連する現状と施策のイメージでございます。まず、介護離職とは、家族の介護・看護を理由とする離職や転職を余儀なくされるものであり、平成23年10月から平成24年9月の1年間でその数は約10万人に上っております。このような介護離職を契機といたしまして、被介護者である高齢者と仕事をやめた現役世代が共倒れするケースも現実にございまして、安心につながる社会保障の実現に向けまして、高齢者の安心だけではなく、現役世代の安心に資することが大事と言えます。

 現在、平成27年度から平成29年度を期間といたします第6次介護保険事業計画の下、介護ニーズに対応できるよう在宅サービスや施設サービスの整備が進められているところでございますが、高齢者の増加に対応した介護サービスが必要となる中で、特に都市部ではその伸びが大きい状況にございます。

 一方で、後ほど御説明させていただきますが、十分な広さの土地の不足や高い用地費のため用地確保が難しい都市部におきまして、介護施設の整備が中々進まない状況にございます。現在、厚生労働省を中心といたしまして、介護離職ゼロに向けた様々な施策が検討されておりますが、従来より社会福祉分野に有効活用されてきております国有地が、介護施設の整備促進にとって重要なツールになるのではないかと考えた次第でございます。

 続きまして、3ページを御覧下さい。3ページにつきましては、社会福祉分野における国有地のこれまでの活用状況などを挙げてございます。未利用国有地につきましては、国として保有する必要のないものは速やかに売却し、財政収入の確保に貢献することが基本でありますが、他方、未利用国有地は国民共有の貴重な財産であることを踏まえまして、地域や社会のニーズに対応した有効活用を図っていくことも重要であると考えております。

 こうした考え方の下、平成22年以降、特に保育・介護・医療など人々の安心につながる分野での国有地の積極的な活用を進めるため、これまでの売却に加えまして、定期借地による貸付スキームを導入いたしました。また、当初、地方公共団体を介しての転貸スキームのみでございましたが、その後、社会福祉法人へ直接貸付けることができるよう措置するなど、様々なニーズに対応できるよう改善に努めてきております。

 この結果、次の4ページにございますとおり、社会福祉の様々な分野で国有地が活用されてきております。下には、事例で国有地が活用され特別養護老人ホームが整備されているもの、さらに保育園が整備されているものについて写真を付けさせていただいております。

 次に、5ページを御覧下さい。定期借地権による貸付けに関しましては、そもそも用地取得費が不要であり、施設整備に当たっての初期投資額が大幅に低減されるとのメリットがあるなど、特に都市部での施設整備での用地確保にとって有効なツールと言えます。こうした定期借地権による貸付けが積極的に利用されることによりまして、保育の分野では相当数の国有地が活用され、これまで首都圏を中心に約7,800名の保育の受け皿確保に貢献したところでございます。

 他方、特別養護老人ホームなど介護施設の分野では、同じく優先的売却に加えまして、定期借地による貸付けの対象として取り組んできたところでございますが、保育所等に比べますと十分な広さを有する土地が必要なところ、これまでこうした国有地が少なかったこともございまして、下の活用実績の計数にございますとおり、8都府県の定期借地権件数を見ますと、保育が22件であるのに対しまして、介護関係は9件にとどまっている状況でございます。

 続きまして、6ページを御覧下さい。こうした状況を踏まえまして、介護施設整備促進上の課題と対応を整理いたしました。

 まず左でございますが、介護施設は施設の内容から比較的規模の大きな土地が必要となってございます。これまで利用されている国有地の平均面積を記載させていただいておりますが、保育施設が約1,200平方メートルに対しまして、介護施設が約2,500平方メートルとなってございます。

 これに対しましては、右にございますとおり、現在、平成28年度末を目途といたしまして、廃止すべき国家公務員宿舎を廃止し、跡地の処理を進めてきておりますが、その中で今後比較的まとまった国有地が利用可能となる見込みでございます。このため、介護施設敷地としての活用に向けまして、利用可能な国有地に関する情報を前広に公共団体に提供していくことが考えられます。

 次に、左の下でございますが、介護施設は、ただいま申し上げましたとおり比較的規模が大きな土地が必要でございます。また、施設の運営期間が長いこともございまして、特に地価の高い都市部におきまして用地費負担が重いことに加えまして、ここにございますとおり、他の施設に比べましても建設単価が総じて高いということもございまして、初期投資の負担が大変大きい状況でございます。

 この点に関しましては、これまでと同様定期借地権による時価での貸付けでの対応のみでは、整備に係る初期投資の負担軽減に一定の限界がございまして、整備促進の観点からは更なる負担軽減を図るための方策が必要であると考えております。

 続きまして、7ページを御覧下さい。ただいま御説明申し上げました状況を踏まえながら、厚生労働省等関係先と政策実現に向けた効果的な方策につきまして協議を行ってまいりましたが、私どもとして考えております介護施設整備に係る国有地活用策の内容につきまして御説明申し上げます。

 まず、2020年代初頭までの「介護離職ゼロ」の実現に向けまして、介護施設整備を加速させる観点から、3つの視点、1つ目は介護離職ゼロの2020年代初頭までの達成を目指すこと、2.初期投資の負担軽減に資すること、3.関係する他の政策と整合的かつ相乗効果が生じるものであることという基本的な考えに基づきまして、国有地を積極的に活用する方針でございます。

 その際、特に都市部における介護施設整備の加速化に資するよう、政策的に必要な期間、地域、対象施設におきまして、定期借地による減額貸付を実施することとしております。

 それでは、具体的な活用スキームについて御説明申し上げます。下の「具体的活用スキーム」の箱の中でございますが、まず実施期間につきましては、2020年代初頭までの介護離職ゼロ実現に資するよう、年明けの平成28年1月1日から、介護保険事業の第7次計画期間の終期でございます平成32年度末(2020年度末)を対象期間としたいと考えております。

 次に、実施地域についてでございます。介護施設に係る行政の所管省庁でございます厚生労働省の意見に基づきまして、介護施設の整備を促進する必要性が特に高い地域といたしまして、高齢者の伸び率、または家族の介護、看護を理由とする離職・転職者数が多い地域が対象となります。具体的には、ここに記載しております各都府県を対象とする予定でございます。これら地域につきましては地価水準が総じて高く、施設整備に係る用地費負担が大きい地域ともなってございます。

 続きまして、対象施設でございます。比較的大きな土地が必要であるほか、建物の建設単価も比較的高いなど、施設整備に係る初期投資の負担が大きい特別養護老人ホームなど入所施設を対象としたいと考えてございます。

 他方、高齢者が地域で自立した生活が営める様々なサービスを切れ目なく提供されるよう、多様な介護施設の整備も必要でございます。このため、入所施設の整備に合わせまして、通所施設等が併設する場合につきましては支援の対象としたいと考えてございます。同じく介護施設に係る行政を所管いたします厚生労働省の意見に基づきまして、対象施設を具体的に決定する予定でございます。

 以上のとおり、実施期間、実施地域、対象施設を限定いたしまして、その上で特に都市部の整備促進に資するよう、都市部の整備にとって効果的なツールでございます定期借地権による貸付けに当たりましては、初期投資の負担軽減を図る観点から、契約締結日から10年間に限りまして、国有財産特別措置法に基づき貸付料を時価から5割減額することとしたいと考えてございます。

 特別養護老人ホームなどの介護施設につきましては、建設コストなどが大きいがゆえに、一般的には当初10年間程度の償却負担や金利負担が大きいこともございまして、こうした初期投資の負担軽減を図ることが整備促進につながるものと考えた次第でございます。

 次に、8ページを御覧下さい。8ページには、地域包括ケアシステムの構築などに向けまして、消費税増収分を活用した新たな財政支援制度であります地域医療介護総合確保基金でございますが、同基金は各都道府県にそれぞれ設置されております。同基金の対象事業といたしまして、介護施設の整備に関する事業がございます。

 次の9ページを御覧下さい。介護施設整備の用地確保に関する国、東京都の助成制度の概要でございます。定員30名以上の介護施設の整備に当たりましては、定期借地契約を利用して用地を確保した場合につきましては、土地所有者に支払われる一時金につきまして基金から半額が助成され、さらに、東京都の場合は残り半額を東京都が独自に助成をいたします。さらに、土地所有者に支払われる賃料の半額につきましても、一番下のところにございますとおり、最大5年間東京都が独自に助成をいたします。

 次に、10ページを御覧下さい。こうした補助制度等を踏まえました各事業者の負担の状況でございます。10ページにつきましては、東京都の地域におきまして、仮に50年間の定期借地により、定員30名以上の特別養護老人ホームを整備した場合の負担のイメージ図でございます。

 まず左図、現行でございますが、賃料減額前の現行の取扱いでございます。社会福祉分野における国有地の定期借地貸付の場合につきましては、貸付賃料総額の2分の1まで賃料の前納を認めておりますが、仮に上限額まで賃料を前払いしていただきますと、基金等によりまして前払金は全額助成されます。さらに5年間、東京都から支払い賃料の2分の1が助成される結果、当初5年間の事業者の実質負担は25%、5年から10年は50%となります。

 右図が今回の措置後でございます。今般の活用策につきましては、さらに賃料そのものを10年間に限り5割減額するものでございまして、その結果、ここにございますとおり、事業者の実質負担率はそれぞれ11%、22%に低減されることになります。以上のとおり、貸付料の減額措置を部分的に講じることによりまして、他の補助制度と相まって介護施設整備の初期投資負担が相当軽減されることとなります。

 なお、減額の対象となる施設につきましては、11ページ以降に関連の条文をつけてございますが、国有財産特別措置法におきまして社会福祉法第2条に規定する施設ということでございます。11ページには国有財産特別措置法、12ページには社会福祉法第2条を添付させていただいております。

 それでは、13ページを御覧下さい。13ページにつきましては、今般の国有地活用策におきまして、減額貸付という優遇措置を一部適用することといたしますが、過去の答申との関係を整理したものでございます。

 本審議会における昭和58年答申、平成18年答申におきまして、政策的な優遇措置は財政状況とのバランスを確保することが必要であり、1つ目といたしまして、国の財政事情の悪化、2つ目としまして、優遇措置の対象施設の整備が相当進んできたこと、3つ目としまして、未利用国有地が地域に偏在し、地域間で不公平が生じることを理由といたしまして、優遇措置を縮小すべきであるとされてございます。

 今般の介護施設整備に当たっての優遇措置適用につきましては、只今御説明申し上げたとおり、政策目的の実現に向けまして、実施期間、実施地域、対象施設を限定し、さらに減額貸付も、初期投資の負担軽減を目的として当初10年間に限定して実施するものでございまして、上記答申を受けました優遇措置是正の方針自体を変更するものではございませんが、答申での優遇措置是正の理由との関係につきまして、以下、次のとおり整理をいたしております。

 まず、マル1の財政事情との関係でございますが、国有地に関する優遇措置を仮に講じない場合は、施設整備のための別途新たな財政負担が生じる可能性もございますことなどから、政策的に必要な優遇措置を講ずることによる財政への影響は一概に言えないのではないかと考えてございます。

 マル2の施設の整備状況につきましては、昭和58年当時などに比べまして、少子高齢化の進展に伴い、政策的に必要性のある地域、主として都市部における介護施設の整備促進が必要となってございます。また、施設の特性を踏まえますと、優遇措置を適用し、初期投資の軽減を図る必要性が認められると考えております。

 マル3の国有地の偏在につきましては、地価が高く、十分な広さを有する土地の確保が難しい都市部において介護施設整備が遅れておりまして、その結果、都市部におきまして必要な介護サービスを十分享受できないという問題が顕在化しております。これへの対応といたしまして、都市部を中心に多く存在する国有地を活用するものでございます。

 以上のとおり、優遇措置適用の必要性、妥当性は認められますが、これまでの答申の趣旨、他の施設への対応との均衡などを踏まえれば、政策目的を効果的に実現する範囲にとどめる必要があり、繰り返しになりますが、政策効果の実現に資する範囲で実施期間、実施地域、対象施設及び減額貸付期間を限定した取扱いとさせていただきました。

 14ページには、昭和58年答申及び平成18年答申の関連部分をつけさせていただいてございます。

 それでは、最後に15ページを御覧下さい。国有地の有効活用に当たりましては、まちづくりに責任のある地方公共団体の御理解、御協力が不可欠でございまして、これまでも前広な情報提供や協議などを通じまして、地域における国有地の処理に当たって提携してまいりました。

 今回の介護施設整備促進に向けた国有地の活用に当たりましては、介護保険行政に責任をお持ちの地方公共団体の連携が特に重要であると考えてございます。このため、今後詳細を詰めることとなりますが、年明けの実施に向けまして、厚生労働省との連携の下、各財務局から各地方公共団体に対しまして本活用策の目的や内容を十分説明し、この図にあるスキームを前提といたしまして、効果的な連携が図られるよう進めていきたいと考えてございます。

 以上、2020年代初頭までの介護離職ゼロの実現に向けた介護施設整備に係る国有地活用策につきまして、基本的な考え方や具体的な内容を御説明させていただきました。御審議のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

〔 佃分科会長 〕 ただいまの説明につきまして審議したいと思います。御意見ございましたらどうぞ。

 それでは、望月委員、お願いします。

〔 望月臨時委員 〕 今回の件ですが、この国有財産分科会でも、従前から国有地の定期借地を利用して、社会福祉分野の施設を整備しようということは積極的に進めてきたことだと思います。それを更に整備が進むように優遇措置をとることなので、全体の流れとしては大義が通っていると思います。ただ、更に優遇措置となると、国民目線で見た場合に納得する合理的な説明は必要ではないかと思いました。

 基本的な考え方に関して、スキームはできたけれど実際に都市部ではなかなか使えない。という現場の声を拾い上げてきたことは、それなりに納得ができる。

 それから、国有地としてどのようなことが更にできるのかという点で、10年間の賃料減額です。10年間でいいの、とか、10年間も、とかといろいろあるかと思いますが、基本的には、国有財産はみんなのものなので、幾ら社会的ニーズがあるからといって、広く見たときに、市場の利益を大幅に損なうような形で国有地を提供してしまうのも、一方での国民の利益を損失させていることで、その兼ね合いが難しいと思います。

 その辺の兼ね合いは、きっと10年の賃料半額が現場サイドの状況を吸い上げた結果出てきたものだと、透明性を持って説明できれば納得していただけるのではないかと思いました。つまり、後でお話ししますけれども、一方的な補助だとか軽減だけに乗っかって事業を行ってしまうことは、最終的にはその事業のためにならないと思います。市場を無視しては事業が成り立たず、今回の件でも、やはり三方良しの世界で考えたときちょうどバランスしたところではないかと勝手に解釈しました。

 それからもう1点。国民目線で納得するためには、優遇措置の適用に対して、相当注意していかないとまずい、納得できないことが起きるのではないかと感じがしました。1つは、当該の国有地が本当に地域のニーズを捉えて必要とされるか。単なる点として必要とか、できるとかできないではなく、もう少し広い地域のエリアマネジメントの観点で、地域で認められて、地域に利益が還元できる、確かに必要なものだとして地域において適切な土地利用であることをきっちりと示さなければいけない。

 それから、肝心な運営する事業者、誰に貸付けるかというところもやはりすごく重要なことで、持続的に安定的に事業が経営されていかなければいけないので、当然ながら事業者の経営能力と健全性がしっかりと担保されないと、せっかくの優遇措置が本当にだめになってしまう。持続的に経営可能なものかを吟味する。それもやはり現場の目で判断していかなくてはいけないので、先ほど説明の最後のところで、地方公共団体との連携が非常に重要だと言われましたが、まさにダイレクトに現場で双方向でやり合う、それで納得していくという地道な最後のところの詰めが必要と思いました。実際に運用するときには相当そこは詰めていただきたいと思いました。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。一言お願いします。

〔 橋本国有財産業務課長 〕 どうもありがとうございます。社会福祉分野につきましては、これまでも各分野について支援してきており、今回の実施地域以外の地域につきましても引き続き支援を行っていくという考え方に基本的に変更はございません。ただ、都市部における介護施設の整備促進が特に必要性があるということであり、厚労省の意見も踏まえ、私どもとしてもいろいろ検証し、これは十分説明ができるのではないかということで、対象とさせていただいた次第でございます。

 先生御指摘のとおり、実施主体は社会福祉法人になりますが、それぞれ介護施設整備について、その位置付けをきっちり確認しておく必要がある。ということは、まさにそのとおりでございます。介護施設につきましては、各公共団体が定める介護保険事業計画に基づいて計画的かつ効率的に整備が進められるということになってございます。私どもといたしましても、個別の整備に当たって国有地が必要という場合については、その位置付けとか、必要性とか、どういう形で計画的に、どういうニーズに従って整備されているのかという点を十分確認した上で、1つずつ審査して決定していくというのが先ずは基本でございます。

 こうした点からも、今回の施策の実現にあたっては、特に公共団体との連携を更に密にし、地域のいろいろな情報も含めて幅広く情報を共有し進めていく必要があると思ってございます。

 次に、実施主体の社会福祉法人の経営につきましても、厚生労働省が所管することではございますけれども、やはり法人の適正な運営というのが大変大事であり、厚生労働省では外部監査を推奨しております。また、一定規模以上の社会福祉法人への会計監査人の設置義務等の内容を含めた社会福祉法の一部を改正する法律案が国会に提出されているようでございます。

 いずれにいたしましても、介護施設は、少子高齢化の社会におきまして、いわゆる大切なインフラでございます。また、先ほど御説明いたしましたとおり、様々な補助制度によりその整備が行われるものであり、適切に事業運営されるということが大変大事でございます。この点につきましては厚生労働省にも御意見をお伝えして、適切に運営されるよう努めていきたいと思います。

〔 佃分科会長 〕 そのほか御意見は。どうぞ亀坂委員、お願いします。

〔 亀坂臨時委員 〕 私の父親は20年間介護が必要な状態でしたので、介護の問題は非常に深刻だと思っております。「新・三本の矢」で、第二の矢が子育て支援で、第三の矢が安心につながる社会保障なので、私は子どもも3人いて、一番上が大学生で、一番下がやっと小学校1年生になったばかりですので、「新・三本の矢」を私は全面的に支持しております。

 その支持している3本の矢を達成するのは非常に難しいとは言われているのですが、3本の矢を推進する上で国有地を活用されるということは反対する理由が全く見つからなく、かつ、東京は本当に介護難民が多く、私の主人の実家は千葉ですが、やっと施設に入れました。2人とも東京が実家でしたら、多分本当に仕事にならないぐらいです。

 介護は、必要がないとあまり意識がないのですが、急に必要になったときに施設がないと、ばりばり働いていた人が急に働けなくなったりするので、私はこのような形での国有地の活用はすごく良いことと思っております。ぜひ進めていただきたいと思っています。

 なので、全面的に賛成ですが、これからのお願いがございます。子どもは、保育園の充実とよく言われますが、実は、働いていると、次に小1の壁というものに直面します。私の一番下の子どもも小1ですので、まさに今小1の壁に遭遇しておりまして、学童とかもぎゅうぎゅう詰めの中でとりあえず預かって下さいますが、もうちょっとスペースを確保してほしいと思います。ちょっと体調が悪くなっても横にもなれないような状況です。

 ですから、保育園の充実も必要だと思いますが、その後の小1以降のサポートも、本当に働く母親を支援していただくのであれば、国有地を活用することを検討していただけないかと常日頃から思っています。学童は何も設備がなくても部屋だけあれば、子どもは机と椅子があれば宿題をやったりしていますので、そのようなことも考えていただけないかと思っています。

 それから、もっと深刻なのが、家庭の事情で学童の保育料さえ払えなくてやめていったり、保育園に保育料が払えなくて行けない。あるいは幼稚園に入れないような子どもたちのことが気になります。実際に学童とか保育園に行っていると、やめてしまう子がいます。そのような子を預かる施設とか、いじめに遭って学校に通えない子のフリースクールとか、もうちょっと大きくなると家庭の事情で塾に通えない子が公立ではすごく多いです。

 子どもの貧困問題に関しては、今、日本で6〜7人に1人は貧困家庭でそのような状況に陥っているということが言われていますが、そのような子どもたちをサポートするNPO団体は、本当に空きスペースさえあれば活動できるにもかかわらず、最も大変なのがスペースの確保と伺っているので、介護施設に比べれば小規模施設で十分ですので、少し優遇する形で国有地を活用していただけたらどうなのかとすごく思っております。

 もう1つは、最近、南相馬の被災地のNPO団体の代表の方が私のところに相談にいらっしゃって、何かというと、私は震災の調査をしていたことがあり、被災地の方と時々コミュニケーションをとっていますが、震災後5年たつと、寄附だとか、いろんな資金が引き上げてしまうそうです。

 NPO団体の方は、これまでは寄附だとか、政府の資金とかを得て活動スペースを確保して、みんなのお茶飲み場と、ラジオ体操にもならないぐらいのストレッチ体操をする場を運営されていました。ただ、そこを私も訪問したことがありますが、震災から1年半ぐらいたって訪問した段階で、かなりの割合の方が避難所とかを転々とされて、自分の住所さえ書けないという状況でした。

 行ってみるとわかりますが、相当のストレスにさらされている中で、お茶飲み場が救いの場だとおっしゃっており、ちょうど震災から5年でそのような資金を引き上げられてしまって、お茶飲み場もなくなってしまうと訴えられていました。そのような方々のためにも少し国有財産とかを活用することを検討されないのかなと思っておりまして、それもちょっと申し上げたい。

 あと、その方がおっしゃるには、老人はお茶飲み場でもあれば出てくるが、そうじゃないとひきこもって、歩かないだけでも健康を害してしまうし、自分たちの被災地のことと思われていると関心を持ってもらえないが、日本全国のお年寄りにも共通することじゃないかとおっしゃっています。東京も買い物難民が多いということを大分伺っており、都会に住んでいても、ひとり暮らしだと、足を悪くすると買い物にさえ行けなかったりする。地域のボランティアとかの活動をしたいという方には活動スペースを、本当に小さなスペースでも提供されるとか、何か御検討いただけないかと思っています。

 常日頃から思っていることを述べさせていただきましたが、要するに今回の御提案には全面的に賛成で、「新・三本の矢」に私は期待しておりますので、もうちょっと更に踏み込んでいろんなことを御検討いただけないかと思っているので、そのことだけ述べさせていただきました。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。

〔 中村国有財産企画課長 〕 大変貴重な御発言をいただいたと思っております。今回は介護施設の整備のための国有地の活用策を提案させていただいておりますが、一番最初にお話がありました学童であれば、国有地を活用していただくということも十分可能でございます。あと幾つか御発言されましたが、予防医療とか、そのようなこともいろいろ厚労省の方で考えておられるような地域包括ケアというシステムもございます。

 関係する役所は、学童とであれば文科省だと思いますし、そのほかの話は厚労省が恐らく中心になると思います。また、現場の自治体の方でお考えいただくことも大切だと思います。望月委員からも御指摘がありましたが、エリアマネジメントを行っていく中で自治体とはいろいろ情報交換をしておりますので、何か我々の方でお役に立てることがあれば、それについては協力をしていくというスタンスで臨んでいくということと思います。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございました。あともう一人御意見を。どうぞ。

〔 緒方臨時委員 〕 私は、国有地は売却するより利活用すべきだというのを従来から考えておりますので、今回このように政策の実現と国民の安心につながる活用を御提案いただいたことは、一国民として大変うれしく、ありがたく思っております。

 御説明によりますと、賃貸料の減額については様々な優遇策が考えられているようですが、1つわからないので教えて下さい。3ページの右側に「定期借地契約の内容」というのがあります。ここに、保証金は地方公共団体は不要であるが、社会福祉法人等については賃料の1年分を払うと記載されています。地価の高いところでは結構な負担金になるのではないかと思います。

 次に5ページを見ていただきますと、一番上に「定期借地権による貸付に関しては、用地取得費や借地権利金が不要であり」と書いてあります。借地権利金とは、ここではどういう性格の金銭だかよくわかりませんが、一般的に考えれば、権利金、敷金、保証金という一時金のことを借地権利金というのだろうと思います。ですから、5ページでは、国側は保証金というのは不要だと考えておられるのだと思います。しかし3ページでは、1年分の保証金を徴求しています。

 さらに、7ページを見ますと、下の表の「具体的な活用スキーム」の4番に「定期借地貸付料の減額等」ということが表記されています。賃料の減額については課長からも御説明いただきましたが、賃料減額の下に記載があります「社会福祉法人も契約保証金免除等」、これについては御説明いただかなかったので、できればお願いします。

 1年間の賃料ですと、保証金は何百万、場所によっては1千万を超えることになるのではないかと思います。賃料の優遇措置もありがたいですが、最初の立ち上げのときのお金が多額にならないように、保証金についてもぜひ優遇措置をお考えいただければ、利活用の上で相当役に立つのではないかと思います。

〔 橋本国有財産業務課長 〕 説明が不十分で申し訳ございませんでした。5ページに記載しております借地権利金というのは定期借地権の場合といいますか、通常借地の場合は強い借地権が発生するので、一時金で借地権利割合に見合ったものを取るというようなことを言っています。定期借地権はそういったものではなくて、我々が契約保証金としていただいておりますのは、50年後の原状回復の時の担保に1年分の賃料をお預かりするものであります。

 よくよく考えますと、50年先の原状回復の担保でございます。他の公共団体の公有地の事例を見ましても、社会福祉法人に対しても徴求をしておりません。今回、まさに先生がおっしゃるとおり、初期投資の負担軽減ということからすれば、契約保証金については公共団体とともに社会福祉法人についても免除することとし、初期投資負担軽減の1つの方策として、今回施策の中に入れさせていただこうと考えております。

〔 佃分科会長 〕 どうぞ。

〔 山内委員 〕 国有財産をどのようにするかということなので、基本的な視点は公平性と効率性、経済性だと思います。公平性の問題では、今回、地域とか期間が限定されていることについて、どのように公平性が担保できるかということだと思います。特に地域間については、大都市、必要なところ限定とのことですので、その点について国民相互間の公平性が保たれているかということですけれども、私の個人的な意見を申し上げれば、これについては緊急性ということで皆さんの納得が得られるのではないかと思っています。

 もう1つは、期間を限定することです。大した問題ではないが、過去に既にこういう契約をされている方との公平性とか、将来をもってどうするのかということはもしかしたら生じるかもしれません。その辺のことについては考えておく必要があるのかなと思います。

 それから、実際に実施者は社会福祉法人のことですが、それをどのように選んでいくかというのも公平性の重要な問題だと思っています。先ほど事業者の実施能力、長期的な視点という御意見がございましたけれども、そのようなことも含めて事業者をどのように選んでいくのかというのも必要なことではないかと思っています。

 それから、効率性ですけれども、これは国有財産ですので、やはり効率的に、そしてより多くの効果が得られるような形は必要かと思います。今回のこの案件は大都市の地価の高いところでこのような政策をとるとのことですから、これはこれでよいことですが、しかし、単純に財産の利用を考えると、考え方にもよりますが、効果がどうなのかという問題はないこともない。もしそうだとすると、このような事業をより多様な形とか、柔軟な形で行えるようなスキームを考える必要があると思っています。例えばPFI法を使うと、国有財産、特に普通財産についてはいろんなことができますので、そういうこともこれから検討する必要があるのではないかと思っています。

 それから、広い意味での効率性ですが、このような政策は地代を軽減することによる補助金ですけれども、ある意味では財産自体を拘束するわけですね。そうすると、国有財産をこれからどうするのかという長期的な視点とか、あるいは計画についてのある意味ではピースミールの施策ですので、その辺の整合性について政策立案当局として十分に考える必要があるのではないかと思っております。

〔 橋本国有財産業務課長 〕 どうもありがとうございます。まさに今回の措置については、2020年代初頭までの介護離職ゼロの実現が特に必要であるということで実施いたしますので、既存案件等について遡って適用することは現状考えておりません。その点については説明をきっちり行っていこうと思っております。

 次に、社会福祉法人の選定につきましては、社会福祉法人が特別養護老人ホームを整備するに当たっては、公共団体が認可をいたします。例えば千葉市の例をみますと、市の計画の中で介護施設整備の必要な地域が特定され、そこに所在する国有地を特定し、事業者については市の方で公募選定により、審査会できっちり選定される。私どもがそこに契約をするという方式をとっていただいており、大変前向きかつ主体的な取り組みだと思っております。いずれにいたしましても、透明性、公平性を確保する観点で、認可主体である公共団体と十分連携しながら対応していく必要があると思ってございます。

 多様な施設の整備につきましては、先生が御指摘のとおり、公共団体の中にはPFIを活用いたしまして社会福祉事業施設を整備されているケースもございます。私どもがそれに対して国有地を提供するときに、関係法令で随意契約が可能なのか、減額貸付が可能なのかをチェックする必要があると思いますが、公有地の事例をよく勉強していく必要があると思っております。

〔 佃分科会長 〕 ちょうど向こうから4人の方に御意見をいただいて、反対という御意見はなかったように思います。基本的にはいいだろうと。追加でいろいろ考えていただくことは必要ですが、基本的には賛成ということで当分科会としては了承したいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。

 

〔「異議なし」の声あり〕

 

 〔 佃分科会長 〕 ありがとうございます。それでは、御異議ございませんでしたので、「介護施設整備に係る国有地活用について」は了承したいと思います。

 続きまして、「日本郵政株式会社の株式上場」及び「輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社の株式の処分」について、事務局よりお願いいたします。

〔 八幡政府出資室長 〕 政府出資室長の八幡でございます。

 それでは、私のほうから、昨年の6月、今年の2月にそれぞれ当国有財産分科会におきまして御審議の上答申をいただきました2つの株式売却の案件につきまして、その現状について御報告を申し上げます。

 まず、資料2の「日本郵政株式会社の株式上場について」でございます。1ページをお願いいたします。昨年の6月に答申をいただきまして、その後、10月には主幹事の証券会社を選定いたしまして、その後約1年間をかけまして検討・準備をしてまいりました。去る9月10日に3社につきましてローンチ(これは東証からの上場承認を得て、投資家への株式の勧誘をスタートすることでございます)をいたしまして、11月4日には3社の株式を東京証券取引所に無事に上場を果たしたところでございます。

 資料を使いまして御説明申し上げますが、政府が日本郵政株式、親会社の株式を持っておりまして、日本郵政、親会社がゆうちょ銀行、かんぽ生命、100%保有義務がかかっておりますが、日本郵便株式会社の株式をそれぞれ持っているという構図でございまして、政府が日本郵政株式を、日本郵政がゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式をそれぞれ11%ずつ売り出しました。

 その結果、政府に日本郵政株式の売却収入が6,808億円、親会社の日本郵政にゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式の売却収入が合計で7,310億円入ってきております。

 右の3つの箱を御覧いただきますと、日本郵政は1,400円で売り出しまして、その価格での時価総額は6兆3,000億円。この11%が6,808億円に当たるという形で、下のゆうちょ銀行、かんぽ生命も同様の構図でございます。

 この絵の、政府と日本郵政をつなぐところにもマル3とございますけれども、これは目論見書には年度内に行うと書いておりますが、今後、日本郵政株式会社がしかるべきタイミングで自己株取得を行うということを表明されますので、それに応じる形で政府の方が日本郵政株式を売却するというプロセスがもう一段階残っております。それを年度末までに行いまして、このスキーム全体が完成いたします。

 2ページをお願いいたします。「平成27年10月26日」と書いておりますが、3社の株式の売出価格が決定しましたタイミングで、一連の郵政グループ3社の上場についての総括的なコメントとしまして、財務大臣の談話を公表しております。

 2.のところに、「財務省としては、郵政民営化を推進し、復興財源を確保するとともに」と。これは、先ほどの絵で申し上げますと、1.4兆円が今回の一連の売却において復興財源として確保されますが、もともとは復興財源の4兆円は、1.3兆円をおおむね3度に分けて売却するという積算になっておりますので、1回目の売却としてはおおむね必要な分を確保できたかと思っております。

 それから、「確保するとともに、3社株式を広く国民が所有していただくことを通じて『貯蓄から投資へ』という流れにもつながることを期待」ということでございまして、今回、売却した株式は、国内8対海外2という割合で売却しておりますが、国内のうちの95%分は個人投資家に販売をしておりますので、「貯蓄から投資へ」という流れにも貢献できればいいということを期待しているところでございます。

 また、3.の1行目の後半からでございますが、「上場による新たな民間株主の登場と、経営に対する市場規律の浸透を通じて、日本郵政グループ各社の企業価値の更なる向上を期待する」といったコメントを10月26日の段階で財務大臣から公表させていただいております。

 3ページでございますが、ローンチから上場までの経緯を説明させていただきますと、9月10日にローンチをした際には、想定売出価格として、日本郵政1,350円、ゆうちょ1,400円、かんぽ2,150円という価格を公表させていただいております。この後、プレマーケティングとして、主幹事の証券会社が国内外の機関投資家等に当たりまして、その後のブックビルディングを行うに当たってのベースとなる仮条件を決めるためのマーケティングを行っております。

 それを踏まえて、10月7日に幅のある仮条件価格帯というものを公表しております。後ほど御説明しますが、当時、株式市場は若干弱含んでいる頃でございまして、仮条件の価格は、御覧のとおり想定売出価格を挟んでいる形でございますけれども、下のほうに広くて、上に狭いというような組み合わせで、それぞれ3社ともそういう感じになっておりますけれども、この仮条件をベースにその後のブックビルディングが行われることになりました。

 10月8日以降、まず金融2社を先行しまして、その後親会社・日本郵政という、2週間超のスケジュールでございますけれども、この期間にマーケット環境もよくなってまいりまして、結果として、10月19日に決まった金融2社の売却価格は、それぞれ御覧のとおり仮条件の一番上限で決まっておりまして、その好調な流れを引き継ぐ形で、10月26日に決まりました親会社の売出価格も、上限であります1,400円で決まっているということでございます。

 1ページおめくりいただきますと、今申し上げました7月ごろから現在に至るまでの日経平均株価の推移を記載しております。夏ごろ、8月ぐらいまでは2万円水準をずっと超えて続いていたんですけれども、8月末に、中国ショックとも言われておりますけれども、上海での株式の暴落が米国や我が国にも波及してまいりまして、一旦大きくレンジを切り下げるというタイミングがございました。

 その後、若干不安定な状況が続く中で、先ほど申し上げた9月10日、ローンチ日を迎えたわけでございます。その後もプレマーケティングを行っている期間はやや不安定な動きが続いて、9月29日には今年の最安値に迫り、先ほど申し上げた仮条件を決めた10月7日のころというのは、結果、今振り返ってみると、回復してきたころに当たるときに仮条件を公表するということになりました。

 その後、仮条件を決めてからの推移は、これもまた結果的なものでございますが、御覧いただきますように、マーケット全体が順調かつ安定的に推移するような状況の中で、10月19日の金融2社、子会社の売出価格公表、それから10月26日、親会社の日本郵政の売出価格の公表というタイミングを迎えまして、その波に乗るような形で11月4日の上場。その後、比較的安定的な株価の推移を見せているという状況でございます。

 もう1ページおめくりいただきますと、日本郵政グループの3社の上場後の値動きを示しております。先ほど申し上げました売出価格は下のところの点線で書いておりますけれども、初値がそれを上回ってついた後、3社それぞれ若干形が違っておりますけれども、売り出し直後は若干価格が上がったり下がったりしておりますけれども、その後におおむね安定的に推移して、現在までのところは堅調に進んでいるということでございます。株価の水準については我々からコメントすることはございませんけれども、現時点までの動きは順調にきておるかなというふうに考えているところでございます。

 以上が日本郵政でございます。資料3のほうを御覧いただきたいと思います。NACCSセンター株式会社の株式の処分についてでございます。

 1ページをおめくりいただきますと、NACCSセンターの株式の処分のあり方につきましては、2月の分科会におきまして答申をいただいております。これを踏まえた検討を行いまして、9月30日に報道発表をさせていただいております。

 1.として、(1)売却株式数でございますが、※印のところに書いてございますように、発行済株式総数は1万株ございますけれども、法律の規定に基づいて政府保有義務が過半数となっておりますので、残りの分の4,999株を売却することとします。

 (2)でございますが、円滑な事務処理的の観点から最低単位を設けさせていただいておりまして、10株としております。

 より重要な点は、(3)申込株式数の上限のところでございます。この点は当分科会でもたくさんの御意見をいただきまして、答申の該当部分を読み上げさせていただきますと、「NACCSセンターが我が国の重要かつ公的な性格を有するシステムを運営する会社であること及びその株式が国民共有の貴重な財産であることに鑑みれば、NACCSセンター株式を広く国民が所有できるようにすることも望ましいと考えられることから、必要に応じて、申込株式数の最高数量の制限の設定も検討するべきである」、このような記載が答申の中に盛り込まれております。これを踏まえまして、証券アドバイザーの意見等も参考にしまして、具体的な最高数量としまして、20%未満の1,990株を上限として設定することといたしました。

 それから、2月の分科会におきましては、NACCSセンターが公共性の高い事業を行う会社であることを踏まえまして、株式売却後の譲渡制限についても、御意見をいただきました。

 この点は株式の売却の話、国有財産の処分のあり方という意味では直接的ではないということで答申の中には盛り込まれておりませんけれども、大変大切な御指摘をいただいたというふうに2月のときもお答えさせていただいており、この御指摘を踏まえまして、NACCSセンターと主務官庁である関税局とも議論の上、先般の8月に開催されましたNACCSセンターの株主総会におきまして、株式を譲渡により取得するには取締役会の承認を要することとする定款変更が行われております。

 したがいまして、入札時の今回の上限の制限と、この定款によりまして、公益性を理解しないような者が同社の経営に悪影響を与えるような規模で株主となることについては排除ができることになっております。この点については、2月の分科会にNACCSセンターも出席しておりましたけれども、この分科会において貴重な御指摘をいただきましたことを感謝申し上げたいと聞いておりますので、お伝え申し上げたいと思います。

 以上、2つの株式について私のほうから御説明申し上げました。以上でございます。

〔 佃分科会長 〕 この2件は、審議は終わった件のその後の報告ということでございますけれども、何か御発言ございますでしょうか。

〔 山内委員 〕 1点だけ言えば、NACCSの件は、最初に御議論いただいたとおりに進んでいるというのは非常にすばらしいお運びだと考えております。

〔 佃分科会長 〕 ありがとうございます。

 それでは、ここで理財局長より発言がございます。

〔 迫田理財局長 〕 理財局長の迫田でございます。本日も大変お忙しい中御参加いただきまして、また貴重な御意見も賜りまして、ありがとうございます。

 冒頭の坂井副大臣の御挨拶にもありましたとおり、まさに時々の政策課題についていろんな形で御助言をいただくという場でございます。今回は介護離職ゼロについてどのように我々は対応するかとの課題設定であったわけでございます。

 国有地の問題だけで介護離職ゼロができるとは到底思いませんが、ただ、我々が持っている政策ツールの活用で、それが些かなりとも一助になればというアプローチの仕方であったわけであります。要は、まとまった土地が必要な特養等の施設について、地価が高いがゆえに何も支援をしなければ供給がされないという障壁がもしあるとすれば、賃料を一定期間引き下げることでその障壁を低くする。少しでも供給が増えることが考えられないかとの意識での問題でございました。

 従いまして、いろいろ指標を見ておりますと、やはり最初の10年ぐらいが経営的には厳しい。そのときに特に都市部では地価の問題がやはりあるのだということになるのだとすると、そこについて対応していくというのが我々としてのあり方ではないか、そういう発想で今回御提案をさせていただいたわけでございます。御承認をいただきましたので、そういう流れで、また今日いただいた意見を踏まえまして、細部を詰めていきたいと思っております。

 それからもう1点、最後に御報告いたしました日本郵政でございますけれども、佃分科会長をはじめとして、委員皆様には答申としてまとめていただきまして、ありがとうございました。市場動向、あるいは主幹証券会社の意見等を確認しながら上場の準備を進めてまいったわけであり、おかげさまで11月4日に3社の上場を果たすことができたわけでございます。自分のやったことを自分で評価するわけにはまいりませんが、今のところ、マスコミ報道等では好意的な受け止めがされているようでございまして、これも皆様からいただいた御意見を踏まえてのことだったと思っております。大変感謝をいたしております。

 今後ともぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

〔 佃分科会長 〕 それでは、以上で本日予定しておりました議事は全て終了とさせていただきます。

 なお、記者レクの実施及び会議資料等の公開につきましては、従来どおりの取り扱いにて行わせていただきたいと思います。

 これをもちまして、財政制度等審議会第30回国有財産分科会を終了いたします。

 本日は大変御多用のところ、ありがとうございました。

 

午前11時15分閉会

財務省の政策