このページの本文へ移動

財政制度等審議会 財政制度分科会
法制・公会計部会
議事録

平成31年1月22日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 法制・公会計部会
議事次第

平成31年1月22日(火)13:00~14:55

財務省第4会議室

1.開会

 

2.議題

  • 〇 平成29年度「国の財務書類」等について
  • 〇 「個別事業のフルコスト情報の開示」について
  • 〇 独立行政法人会計基準の改訂に伴う作成基準の改訂について

 

3.閉会


配付資料

資料1 平成29年度「国の財務書類」
 参考資料1-1 平成29年度「国の財務書類」のポイント
 参考資料1-2 平成29年度「国の財務書類」の骨子
 参考資料1-3「国の財務書類」ガイドブック
 参考資料1-4 国の財務書類等の財務諸表(4表)一覧
資料2 個別事業のフルコスト情報の開示について
 参考資料2 平成29年度個別事業のフルコスト情報の開示(ダイジェスト版)
資料3 独立行政法人会計基準の改訂に伴う作成基準の改訂について

4.出席者

部会長

委員



臨時委員

黒川 行治

赤井 伸郎
土居 丈朗
藤谷 武史

秋山 修一郎
井堀 利宏
鵜川 正樹
木村 琢麿
田近 栄治
冨田 俊基
           神田主計局次長
           奥総務課長
           阿久澤法規課長
           安出司計課長
           一松調査課長
           坂本公会計室長
           新谷会計制度調査官
            山嵜課長補佐
           髙橋課長補佐
          

午後1時00分開会

〔黒川部会長〕 
 それでは、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会を開催いたします。皆様におかれましては、ご多用のところご出席いただきましてありがとうございます。まず、本日の出席状況、そして資料の確認を事務局からお願いいたします。
〔坂本公会計室長〕
 本日は清水委員、橋本委員、長谷部委員はご欠席となっております。また、木村委員は遅れてご出席の予定と伺っております。なお、赤井委員におかれましては、ご都合によりまして途中で席を外される予定と伺っております。  
 次に資料でございますが、基本的にペーパーレス化しておりますので、会場の両側のスクリーンをご覧いただきますか、お手元のパソコンの端末をご参照いただければと思います。端末の使用方法につきましては一応机の上に資料を置いておりますが、何かございましたらお近くの職員までお申しつけください。  それでは、お手元のパソコンの画面上に開いております議事次第をご覧ください。配付資料につきましては、参考資料を含めまして2.「配付資料」のリストのとおりでございます。記載の資料名のファイルはパソコンのエクスプローラーのフォルダに入っております。また、会議の参考資料といたしまして、お手元のパソコンに平成29年度の特別会計財務書類、省庁別財務書類、政策別コスト情報、個別事業のフルコスト情報の開示のデータを入れております。
 なお、参考資料1-1『平成29年度「国の財務書類」のポイント』、資料2『個別事業のフルコスト情報の開示について』、そして参考資料2『平成29年度個別事業のフルコスト情報の開示(ダイジェスト版)』につきましては、お手元に印刷した資料をご用意しておりますので、そちらをご覧いただければと存じます。なお、また後ほど改めて申し上げますが、参考資料2のフルコスト情報の開示(ダイジェスト版)は会議終了後、回収させていただきます。関連資料の紹介は以上でございます。
〔黒川部会長〕 
 ありがとうございました。それでは部会の進行についてご説明いたします。本日の部会では『平成29年度「国の財務書類」等について』、『「個別事業のフルコスト情報」の開示について』、及び『独立行政法人会計基準の改訂に伴う作成基準の改訂について』の3つを議題といたします。それぞれの議題について、事務局からの説明と、それについての質疑応答を行う形で進めさせていただきます。  
 では、議事に入る前に、神田主計局次長からご挨拶がございます。神田主計局次長、どうぞよろしくお願いします。
〔神田主計局次長〕
 どうも明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくご指導賜りますようお願い申し上げます。また、本日、先生方におかれましては極めてお忙しい中、ご出席を賜りまして誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  
 今日議題になっております国の財務書類につきましては、平成15年度決算分から作成・公表しておりまして、以来、国全体のストック・フローの情報などを提供してまいりました。この間、まさに先生方のご指導をいただきながら、その内容の充実などを行ってまいった次第であります。今回の平成29年度の国の財務書類のパンフレットにつきましても、昨年度この部会で先生方からいただきましたご意見を踏まえまして、資料作成を行ってきた次第でございます。
 また、個別事業のフルコスト情報の開示の取り組みにつきましては、政策別コスト情報の改善を図るため、平成26年度決算分から試行的に行っております。本取り組みも試行4年目を迎えました。各省庁の事務負担にも配慮しつつ、予算のPDCAサイクルに役立つ情報の提供への取り組みといったさらなる充実に向けて、各省庁と提携してきたところでございます。今後ともよく調整して、開示並びにその利活用の充実を図ってまいりたいと考えております。先生方におかれましては引き続きご指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
〔黒川部会長〕 
 神田主計局次長、どうもありがとうございました。  
 それでは、初めの議題の平成29年度「国の財務書類」等について、事務局から説明をお願いいたします。
〔坂本公会計室長〕 
 それではお手元のペーパーで配付しております資料、青い表紙のもの、「国の財務書類」のポイント、参考資料1-1をご覧いただければと存じます。
 まず、1ページをご覧ください。これが平成29年度「国の財務書類」の概要でございます。上が貸借対照表、下の段が業務費用計算書、その右が資産・負債差額増減計算書と、いつもの構成でございます。まず、少し飛びますが、フローの状況でございまして、下の段の右の資産・負債差額増減計算書をご覧いただければと存じます。平成29年度におきましても、引き続き1年間の業務費用を財源で賄い切れない状況が続いておりまして、いわゆる超過費用、財源から業務費用を差し引いて算出したものでございますが、これにつきましては下の段の緑のところでございますが、28年度よりは2.0兆円縮小しておりますが、マイナス18.1兆円となっております。  
 そういう中で、次に上段の貸借対照表をご覧いただきますと、資産が670.5兆円、負債が1,238.9兆円ということで、資産・負債差額が28年度に比べまして19.5兆円悪化しておりまして、マイナス568.4兆円となっております。後ほどご覧いただきますが、資産・負債差額については毎年度マイナス幅が増加しております。  
 それでは、それぞれの表につきまして順にかいつまんでご説明申し上げます。最初に、上段の貸借対照表でストックの変化の概況についてご説明申し上げます。左側の資産の部でございますが、まず現金・預金についてでございます。政府短期証券の発行額を抑制して国庫余裕金の繰替使用、これは国庫全体で一時的に生じている余裕金を特別会計に無利子で融通するというものでございますが、その繰替使用が9.5兆円増加しております。この繰替使用は、国庫全体で見ますと現金・預金のマイナス方向に働きますので、現金・預金全体としては7.4兆円減少しております。  
 その下でございますが、有価証券については日本郵政株式会社の株式の売却によりまして1.4兆円減少しております。飛びまして、2つ下の前払費用につきましては、原子力損害賠償・廃炉等支援機構への交付国債の追加交付等により3.6兆円増加しております。その下の貸付金につきましては、財政融資資金貸付金の減少などによりまして2.7兆円減少しています。その下のGPIFへの運用寄託金については2.4兆円増加しております。下から2つ目の出資金につきましては、出資先法人の純資産額の増加などによりまして2.3兆円増加しております。これらの結果といたしまして、その下の水色の枠内にございますように、資産の合計については前年度より2.2兆円減少して670.5兆円となっております。  
 次に、右側の負債の部をご覧いただきますと、上から3番目の公債につきましては、引き続き業務費用を租税収入などで賄えない不足分を公債発行などで手当てしておりますことから、23.6兆円増加しております。戻りますが、1つ上の政府短期証券の減少、7.7兆円減少しておりますが、これにつきましては先ほどご説明したとおりでございます。負債の下から3つ目の公的年金預り金につきましては、先ほど申した運用寄託金の増加などに伴いまして1.3兆円増加しております。これらの結果、負債全体といたしましては、右側の下の薄いピンク色の箇所でございますが、前年度より17.3兆円増加いたしまして、1,238.9兆円となりました。  
 これら資産・負債の変化の結果、その下の濃いピンク色のところでございますが、資産・負債差額につきましては568.4兆円のマイナスとなっております。これは前年度と比較して19.5兆円の悪化となっております。続きまして、下の段でございますが、平成29年度の業務費用の状況と資産・負債差額の変動要因についてご覧いただきたいと思います。まず、左下の表、業務費用につきましては、上から2段目の社会保障給付費が、受給者数の増加などによる基礎年金給付費の増加などによりまして、全体として0.8兆円増加して49.2兆円となっております。その下の補助金・交付金等につきましては、協会けんぽに対する保険料等交付金の増加などによりまして、0.6兆円増加して51.5兆円となっております。他方で、地方交付税交付金につきましては、前年度からの繰越金の減少などによりまして0.4兆円の減少。その2つ飛びまして下の支払利息につきましては、平均金利の低下により0.5兆円減少しております。これらの結果として、左下の薄いピンク色のところでございますが、業務費用の合計につきましては、前年度と比べて0.6兆円増加して145.0兆円となっております。  
 次に、右側の資産・負債差額増減計算書をご覧いただきたいと思います。一番上のオレンジ色のところですが、これが前年度の資産・負債差額でございます。その下に29年度における変動要因を記載しております。一番下の濃いピンク色のところで、これらを足し引きした結果としての29年度末の資産・負債差額が出てきております。表から2段目の薄いピンク色の部分につきましては、先ほど申した左側の業務費用計算書で計算した業務費用の額がそのまま記載されております。その下の水色の部分ですが、これが財源をお示ししております。29年度につきましては、その上でございますが、租税等収入が基幹3税の増収などにより3.4兆円増の62.4兆円となっております。社会保険料につきましては、厚生年金の被保険者数の増加などによりまして保険料収入が1.4兆円増加しましたが、一方で、解散厚生年金基金等に係る責任準備金相当額等徴収金収入が2.8兆円減少したことによりまして、1.5兆円減少して53.9兆円となっております。財源全体としては、水色のところでございますが、2.6兆円増の127.0兆円となりました。その下の緑色のところでございますが、これは超過費用ということで、財源と業務費用の差額ということでございますが、29年度につきましては、18.1兆円となっております。前年度より2.0兆円改善しております。  さらにその下で、「上記以外」と書かれた科目がございます。これはまた後ほど詳しくご説明申し上げますが、超過費用以外に資産・負債差額の変動要因として算入される要素が列記されております。まず、資産評価差額につきましては、出資先法人について純資産額増加に伴う評価増が生じた一方で、例えば外貨証券で時価評価に伴う評価減が生じております。そういったことで全体としてプラス1.0兆円となっております。また、為替換算差額につきましては、ドルが28年度末に比べて4円、円高方向に振れたことから、マイナス1.7兆円となっております。その下の公的年金預り金の変動に伴う増減につきましては、年金給付財源が増加したことに伴い、見合いの負債が増加したということで、マイナス1.3兆円となっております。これらを合算した結果の資産・負債差額につきましては、マイナス568.4兆円となっております。以上が全体の概要ということでございます。  
 続きまして、ページをおめくりいただきまして、3ページから6ページにかけましてストックとフローの各科目の変動状況についてご説明申し上げます。まず3ページをご覧いただければと思います。資産についての前年度との比較でございます。若干重複しておりますけれども、資産全体としては、対前年度比で2.2兆円減の670.5兆円となっております。 まず、現金・預金につきましては、対前年度比7.4兆円減の47.9兆円となっております。マイナス金利の状況のもとで国債整理基金特別会計などにおいて日銀現先による運用を引き続き行っていないという状況の中で、前倒債の発行額が前年度より増加しております。これは現預金の増加方向に働きます。その一方で、先ほどご説明したように外為特会において国庫余裕金の繰替使用が増加しております。このことは現金・預金の減少方向に効いてきます。こういったことを合わせまして、結果として対前年度比7.4兆円減少ということになりました。  
 次に、貸付金につきましては、対前年度比2.7兆円減の112.8兆円となりました。これは財政融資資金貸付金が住宅金融支援機構や地方公共団体向けのものが減少したことなどによるものでございます。  
 次に、運用寄託金につきましては、保険料率の引き上げや被保険者数の増加などによりまして厚生年金保険料が増加したことによって、GPIFに対する運用預託が増加したことから、2.4兆円増の111.5兆円となっております。前払費用につきましては、先ほども触れましたけれども、東日本大震災関係の東京電力への資金援助等のために原賠機構に対して国債を交付しておりますが、29年度におきましては機構に対して4.5兆円の追加交付を行った一方で、0.9兆円償還、機構において現金化されました。このため、3.6兆円増加しております。次に、その下のグラフの右側に吹き出しが幾つか並んでおりますが、その中で上から2番目の有価証券の欄をご覧ください。為替介入により取得した外貨証券が為替相場の変動、平成28年度末115円だったのが29年度末111円となっております、そうした為替相場の変動や時価評価による影響の一方で、保有残高が増加したということで、トータルで0.2兆円増の116.2兆円となっており、日本郵政株式が売却等により1.6兆円減、1.4兆円となったことなどによりまして、全体として1.4兆円減の118.5兆円ということになっております。  
 次に4ページをご覧いただければと思います。負債でございますが、負債の全体としては対前年度比17.3兆円増の1,238.9兆円となっております。まず、主な増減要因につきましては、政府短期証券につきましては、これは先ほどご説明申し上げましたが、外為特会において国庫余裕金の繰替使用が9.5兆円増加しております。これによりまして、FBの発行残高が減少したことなどから減少していると。7.7兆円減の77.0兆円となっております。公債につきましては、建設国債が1.3兆円増、特例国債が23.0兆円増、原賠機構への交付国債が3.6兆円増加する一方で、財投債が1.7兆円減、復興債が1.5兆円減少などございまして、全体では23.6兆円増の966.9兆円となっております。  
 それに関連いたしまして、グラフの右側に、これも吹き出しがついておりますが、その中の上から3つ目、破線になっておる<参考>公債の保有者内訳のところをご覧いただければと思います。これは昨年から追加した部分でございますが、その中で日銀の資金循環統計によりますと、29年度末の内訳としては中央銀行、日銀が43.9%と最も多くなっております。これは28年度末と比べて4ポイント程度割合が増えているという状況でございます。また上の囲みの部分に戻っていただければと思いますが、次に借入金につきましては、原賠機構に対する交付国債の償還財源の一部を民間金融機関から借り入れたことなどによりまして、0.7兆円増の31.4兆円となっております。最後に、公的年金預り金につきましては、全体として1.3兆円増の120.1兆円となっております。
 続きまして、5ページをご覧ください。ここからフローでございますが、費用につきましては、全体として業務費用につきましては、対前年度比で0.6兆円増の145.0兆円となっております。まず、社会保障給付費につきましては、受給者数の増加による基礎年金給付費の増加などによりまして、全体として0.8兆円増加して49.2兆円となっております。なお、下のグラフにも記載しておりますが、ピンク色の社会保障給付費のほかに黄色の補助金・交付金等の枠内に破線で示した部分がございます。これは社会保障関連の補助金・交付金等でございまして36.5兆円ございます。これらを合わせますと、29年度の社会保障関係経費全体につきましては、前年度より1.8兆円増えて、85.7兆円ということで、費用全体の約6割に当たっております。次に、また上の囲みに戻っていただきまして、補助金・交付金等につきましては、協会けんぽに対する保険料等交付金が増加したということなどによりまして、0.6兆円増加して51.5兆円となっております。次に、地方交付税交付金等でございますが、財源である一般会計から交付税特会への繰り入れが0.2兆円増えておりますとともに、地方公共団体金融機構の金利変動準備金を交付税特会へ0.4兆円繰り入れた一方で、前年度からの繰越金が1.5兆円減少したことから、全体としては0.4兆円減の19.3兆円となっております。次に、支払利息でございますが、公債等の残高は増加しておりますが、平均金利の低下が続いておりますことから、前年度より0.5兆円減少して7.6兆円となっております。  
 続きまして、6ページをご覧いただきたいと思います。財源と超過費用について記載しております。まず上の囲みでございますが、財源全体では対前年度比で2.6兆円増の127.0兆円となりました。主な増減要因として、租税等収入につきましては、所得税が1.3兆円増、消費税が0.3兆円の増、法人税が1.7兆円増などということで、基幹3税が3年ぶりにそろって増加したことによりまして、3.4兆円増の62.4兆円となっております。 社会保険料につきましては、被保険者数の増加や保険料率の引き上げによりまして厚生年金保険料が1.4兆円増加した一方で、解散厚生年金基金等に係る責任準備金相当額等徴収金収入が2.8兆円減少しております。全体で1.5兆円減の53.9兆円となっております。 次に、超過費用につきましては、29年度の超過費用につきましてはマイナス18.1兆円となっております。費用の増加に比べて財源の増加が大きかったことから、前年度に比べて2.0兆円減少しております。  
 続きまして、7ページをご覧いただければと思います。補助金・交付金等の各省別の内訳などについてでございます。先ほど5ページでご覧いただきましたが、業務費用の3分の1を補助金・交付金等で占めておりまして、その全体が51.5兆円ございます。その内訳が書いてございますが、ピンク色の厚生労働省、これが他を引き離して多くなっておりまして、全体のおよそ3分の2に当たっております。そのほか、文部科学省ですとか、国土交通省、内閣府、農林水産省などが続いているという状況でございます。  
 引き続き8ページをご覧いただけますと、これは政策別に見た業務費用の内訳を整理したものということでございます。これは政策別コスト情報という形で整理しているものの概要を紹介しているものでございます。金額で見まして上位10位まで政策別に並べておりますが、これも一番上から年金等、医療費等、厚生労働省関係の2つの政策が多くなっております。こういう括りで見ても全体の約5割を占めているという状況でございます。  
 続きまして、9ページをご覧いただきたいと思います。資産・負債差額の増減要因をまとめたものでございます。先ほど最初に概要のところでも申し上げたことと若干重複しますが、表のところの一番上の段が前年度、28年度の資産・負債差額ということで、マイナス548.9兆円となっております。そこに、超過費用ということになりますけれども、ⅡとⅢの財源との差額がマイナス18.1兆円、右端に書いてございますが、これが加算されるということになります。それ以下、ⅣからⅦまで順次足し引きしていくことになりますが、Ⅳの資産評価差額につきましては、下の注1に説明が書いてございますが、出資先法人の純資産額の増加に伴う評価増ですとか、土地の評価額の上昇による有形固定資産の評価増が生じた一方で、有価証券等、主に外貨証券でございますが、これらの時価評価に伴う評価減が生じたことで、全体としてプラス1.0兆円となっております。  
 次に、為替換算差額でございますが、これは注2に記載してございますが、外為特会で保有する外貨証券の影響が多いものでございますが、為替相場が先ほども申し上げましたが、28年度末が1ドル115円であったものが、29年度末は1ドル111円と4円の円高になっている一方で、対ユーロでは13円の円安になっておりまして、これらをまとめますと全体としては1.7兆円の為替換算差損となっております。その下のⅥの公的年金預り金の変動に伴う増減につきましては、給付財源である運用寄託金が増加したことなどに伴って、その見合いである公的年金預り金も増加したということでございます。また、Ⅶにつきましては、注4に記載してございますが、地方公共団体からの公共資産の受け入れ分をカウントしているといったようなものでございます。これらを合わせました結果、29年度末の資産・負債差額につきましては、マイナス568.4兆円ということになっております。  
 続きまして、隣の10ページでございますが、これは資産・負債差額の増減について、過去からの累積をグラフの形などでお示ししたものでございます。表の右端のところをご覧いただきますと、一番上が作成初年度の時点の資産・負債差額ということで、▲245.2兆円となっておりまして、それに16年度からの累積した変動額の合計がマイナス323.2兆円となっております。このマイナス323.2兆円の内訳がその下に超過費用、資産評価差額などという形で列記されております。これらを合わせた資産・負債差額がマイナス568.4兆円ということになっておりまして、その推移を示したのが下のグラフということでございますが、昨年からこのグラフの下に注を付けさせていただいておりますが、この資産・負債差額については、大部分が過去における超過費用の累積ということでございまして、概念的には特例国債の残高に近いものになりますといったような説明を加えさせていただいております。  
 次の11ページでございますが、これは毎年同様の説明をしているところでございますが、法定決算と国の財務書類の違いを紹介しているものでございます。これは数字を更新させていただいたものということでございます。  
 続きまして、12ページをご覧いただきたいと思います。ここから16ページまでは直近10年間と最初に財務書類を作成しました15年度の推移について紹介しております。まず12ページの上の段でございますが、これはストックの推移ということでございます。直近の10年間で見ますと、資産につきましては600兆円台で推移している一方で、負債の合計につきましては年々増加しておりまして、20年度末と比べますと250兆円程度増加しております。その結果、ピンク色の資産・負債差額のマイナスの増加が続いているということで、20年度末と比べますと250.9兆円悪化しているということでございます。続きまして、下のグラフがフローでございます。オレンジ色のところでございますが、費用の合計をこの水色、青の財源の合計では賄い切れないということで、下向きのグラフでございますが、下側のグラフのピンク色の超過費用が生じているということでございます。超過費用につきましては、24年度以降につきましては毎年度減少している傾向にございます。  
 続きまして、13ページをご覧ください。これはストックのうち資産を取り出した変動推移でございます。下のグラフをご覧いただきますと、一番上の現金・預金につきましては、26年度から28年度の3年間で急激に増加しております。これは先ほど、ご説明申し上げておりますが、前倒債の発行の増加、マイナス金利の影響によって日銀現先の運用を行っていないことなどが影響しております。なお、29年度に減少しておりますのは国庫余裕金の繰替使用の増加によるものということは、先ほどご説明申し上げたとおりでございます。グラフで見ますと上から2番目が有価証券でございますが、これは22年度から26年度までは増加しておりましたが、27年度になって減少に転じております。出資金、下から2番目でございますが、出資金につきましては、出資先法人の株価の上昇ですとか純資産額の増加などによりまして、増加傾向にございます。  
 続きまして、14ページをご覧いただきたいと思います。負債の額の推移をお示ししております。これも中段の上の方のグラフでご覧いただきますと、負債の合計につきましては平成20年度末から256.7兆円増加しております。中でもピンク色の公債がここ10年で285.6兆円増加しております。公債につきましては、その下のグラフで内訳が示されております。中でもピンク色の特例国債が近年の財源不足を反映して大幅に増加しているということが見て取れます。
 続きまして、15ページでございますが、フローの推移ということでございます。費用の合計額につきましては、全体としては増加傾向が続いております。これは景気の悪化ですとか、東日本大震災への対応に伴う費用の増加、それとか高齢化に伴う社会保障給付費の増加などによるものでございます。補助金・交付金につきましては、今も申しましたが、リーマンショックを契機とした景気の悪化、震災への対応などによるものも一因となって増加しております。※印のところは、昨年もご説明申し上げましたが、26年度と28年度を比べますと5.8兆円と大幅に増加した形になっておりますが、これにつきましては、そのうちの4.8兆円が被用者年金制度の一元化の影響によるものということでございます。これは同時に見合いの財源も増加している形になっております。支払利息につきましては、債務残高は増加しておりますが、平均金利の低下が続いておりますので、むしろ減少する傾向にございますが、今後金利が上昇すれば支払利息の大幅な増加が懸念されますということを書かせていただいております。  
 次に、16ページをご覧いただきたいと思います。これは財源の推移でございます。上の方のグラフをご覧いただきますと、財源の合計としては平成20年度にリーマンショックを境に一時減少しましたが、22年度以降は一貫して増加しております。その下のグラフの租税等収入の内訳をご覧いただきますと、水色の所得税、それとその下のピンク色の法人税につきましては、リーマンショックの影響もございまして一時減少しましたが、その後は増加傾向にございます。黄色の消費税につきましては、26年度に税率が8%になりましたことを反映して増加しているということでございます。20年度と比較しますと、基幹3税ともに増加しているということでございます。  
 続きまして、17ページ以降でございますが、これは例年同様でございますが、参考情報として幾つか解説しているところでございます。17ページ・18ページにつきましては、例年同様、国の資産と負債の関係を図示しております。基本的に資産の大半につきましては対応関係にある負債がございますこととか、あるいは直ちに換金処分して財源に充てることができないといったようなものが相当程度あるといったようなことをご説明しております。  
 続きまして、19ページから21ページまでが公的年金について解説しているものでございます。これも基本的に例年と同様でございますが、19ページにおきましては、公的年金制度が賦課方式で基本的に運営されているということで、飛びますが、「このため」のところで、財源となる将来の保険料収入や税収入を会計上の資産として認識しないこととあわせて、公的年金給付も会計上の負債として認識しないこととしていると。ただし、過去に払い込まれた保険料等の一部が積み立てられた積立金など、将来の年金給付の財源に充てるために保有していることが明確な資産に対して、当該資産に見合う金額を公的年金預り金として負債に計上しているといった、国の財務書類におけるその扱いについて説明しているところでございます。  20ページと21ページが、これは昨年と同様でございますが、平成26年度の公的年金の財政検証について解説したものでございます。  
 続きまして、22ページが社会保障につきまして、国のこの財務書類がどの部分をカバーしているかといったようなところについて、大まかなイメージをまとめたというものでございます。これはあくまでイメージということでございますので、下に小さい字で※印の注がございますけれども、一番下の※印のところで、概略的にイメージしたものでございまして、実際には白い、色がついていないような部分についても、保険料の軽減等の一部を国庫負担で賄っているものなどがあるといったような説明を加えております。  
 続きまして、23ページでございますが、これも例年と同様でございますが、減債制度について解説したページでございます。数字の更新以外は前年と同様ということでございます。  
 続いて、24ページでございますが、通常は一般会計と特会を合算の形でご覧いただいていますが、このページでは一般会計だけの財務書類とその特別会計の部分、そして相殺、合算した部分と、そういったものを比較した資料でございます。概要を端的に申しますと、上の貸借対照表の右側でございますが、資産・負債差額のところが、合算しますとマイナス568.4兆円。これは先ほど来、ご説明している数字でございますが、そこの左側に一般会計について見るとマイナス587.5兆円。その右側の特会の合計を見ますと73.9兆円ということになっておりますけれども、この73.9兆円のうち54.7兆円については国債整理基金特会のものということでございます。将来の償還財源に充てる残高などが計上されているということで、特会のところにプラスの資産・負債差額が計上されているといったような形になっております。24ページはそういったことでございます。  
 最後、25ページ・26ページが国の財務書類の構成を模式的に示したものということで、基本的に例年と同様のものをつけさせていただいております。ここまでが国の財務書類の概要パンフレットの説明でございますが、最後にこの資料の説明から若干離れますが、昨年1月、3月部会で長時間ご議論いただいた件でございますが、平成26年度、かつてのパンフレットに1度記載しておりました「一般会計における基礎的財政収支と超過費用」の資料でございます。これにつきましては、昨年大変ご議論いただいたところなのですが、全体としては引き続き検討するという状況になっているところでございます。その後、事務局でも検討をいろいろしてきた状況でございますけれども、このパンフレットの中に掲載するというのとは別の、この部会でご説明する別途の資料として、各省のあまり負担にならない、追加の作業がなくても作成が可能な範囲で、同様の資料を1度事務局の方でご用意させていただきまして、それを3月部会にお示ししましてご覧いただきたいと考えております。今回の財務書類の一連の作業が終わりましたら、3月に向けて事務局の方で準備していきたいと考えております。以上でございます。
〔黒川部会長〕 
 ありがとうございました。では、ただいまの事務局からの説明についてご意見・ご質問等ございましたらご発言をお願いいたします。冨田委員。
〔冨田委員〕 
 ありがとうございます。一番最初にご説明いただいた貸借対照表なのです。29年度の特徴として幾つか挙げられまして、それは前倒債の増加と現預金の減少、それと繰替使用の増加と、それから外為会計の政府短期証券の発行減で、それが1ページの大きな特徴として表れていると思うのですが、今のような金利の局面、つまりマイナス金利の時における国庫金の繰替使用という、普通の時ですと国庫の効率的な活用ということで繰替使用が積極的になされるのですけども、この段階においてそれはどういう意味を持っているのかなということをちょっと、自分でうまく整理できないのでお聞きしたいのですが、それが1点なのです。それは、関係して、3ページの一番最初に、外為資金特別会計において政府短期証券の発行額を抑制して国庫余裕金の繰替使用が増加したというふうに書いてあります。先ほどの次の4ページの一番上には、外為会計において国庫余裕金の繰替使用の増加に伴って発行残高が減少したと書いてあります。これ、微妙に違うというか、ある意味、逆方向なのです。ざっと見たところですね。だから、それをどっちの因果の方向を重視されるのかということです。それと、これまでの、例えばリーマンショックの直後の円が80円ぐらいの時と比べれば、ドルで持っている外貨準備の水準は変わらないのだけども、もしそれを全部円でファイナンスしようとしたら外為証券の発行額は増えるはずなのですよね。だけどそれが、今日も資料で何回も出てきているのだけど、政府短期証券77兆円で、資産のドルの方が110兆とかだったですね。だから大きなギャップがあって、それがどういう意味を持っているのかなということもお聞きしたいのです。つまり、この国の財務書類で外為会計だけの問題としてそれは位置付けられるのか、あるいは国庫全体の議論としてそれをどう考えるかということの関係でもお話をいただきたいのです。つまり、国庫余裕金の繰替使用と低金利との関係ですね。それと、ご説明の因果の方向について、3ページと4ページの関係をどっちに力点を置かれるかということなのです。
〔黒川部会長〕 
 わかりました。事務局の方、どなたか。外為特会の役割みたいなことだと思うのですけども。説明は誰がしますか。外為特会でどういうことをやっているかということの説明をすればいいと思うのですが。
〔山嵜課長補佐〕 
 では、簡単に申し上げます。ここのところは、まず後ろの方の13ページの2つ目の矢印のところにも書いているわけでございますけれども、平成27年度末以降マイナス金利の影響により日銀現先を行っていないというところが、まず大きなポイントでございます。先生ご案内のとおり、一時的な余裕金というのは日銀現先が行われている間は日銀に一時的にいっているというところを、現時点では行えないので、基本的にはそのまま日銀の当座預金に置いているか、それか、今回ご説明申し上げたように繰替使用という形で一時的に国庫内で活用するといったようなものがあるわけでございます。全体としては当然政府全体としてその債務というのを圧縮した方がいいという考え方にはあるわけではありますけれども、他方で、先生が今おっしゃったように、当然そういった繰替使用ができない場合には、FBの発行によって外貨証券の裏側で支えないといけないという状況があるわけでございますので、一時的にFBを減らせるからどんどん、その時だけ減らすというのがいいかどうかというのは、これはまたいろんな課題があると伺っておりまして、今回は市場との対話を通じてFBの発行額を抑制することができたというふうに伺ってございます。3ページと4ページの書き方の違いにつきましては、どっちが主従かというのはあるのですけれども、基本的には3ページの書き方を主という形で考えてはいるのですが、負債の方につきましては、若干負債側で考えて書いたものですから、繰替使用とFBの発行残高の書き順をちょっと変えてみたというだけのことでございます。そういう意味では、意図としては3ページの意図の方が強いということでございます。
〔冨田委員〕 
 ちょっと。
〔黒川部会長〕
 冨田委員。
〔冨田委員〕 
 私、今の金利局面というふうに申し上げたのは、通常ですと政府短期証券の発行、つまり負債を発行する方が国庫余裕金の繰替使用よりもコストが高いのですけども、これ、今のマイナス金利の中においては、国庫繰替使用でも外為会計からいうと金利がゼロ%なのだけど、FBの公募入札だとマイナス0.15とか0.25ですよ。そうすると、じゃあ外為会計はどういうふうに考えたらいいかという収支で見ているのですね、ということなのです。だから、お聞きしたいことは、マイナス金利の局面における国庫金繰替使用というか、国庫の効率運用。だから、多分後世の人は、マイナス金利のときに国庫はどうしていたのだと。企業はこうやってやったけど、国庫はどうやっていたのだろうということは多分非常に関心が強いことだと思うのですけども、それが国庫ではどういうふうに認識したらいいのかと。せっかくこういう問題を、単に外為会計だけの問題ではなしに、国の財務書類でハイライトが当たるわけですよね、昨年度の一番大きな変化として。それがどういう国庫の効率運用がなされているかということなのですよ。おっしゃったことは、かつて余裕金があるのに借金を増やしていると。だから両建てで減らさなきゃいけないという議論、これは今の地方公共団体にある議論なのですけども、外為会計でもそういう議論があって、そういうふうにやってきたことも事実なのですね。だけども、それは今のとは大分違うと思うのですよね。ということでお聞きしたのですけども。すいません、また機会があったらお聞きしたいと思うのですが。
〔黒川部会長〕 
 その問題は外為特会の人を呼んできてご説明をいただくということで……。
〔神田主計局次長〕 
 調べてご報告させてください。
〔黒川部会長〕 
 そうですね。
〔土居委員〕 
 今の関連で。
〔黒川部会長〕 
 土居委員。
〔土居委員〕
 そういう意味でいうと、いわゆる財務省証券というか、一般会計のものも含んでいるわけですね。つまり券面……。
〔冨田委員〕 
 いや、これは年度末だから外為だけですよ。それはどのような議論……。
〔土居委員〕 
 ただ、年度越えの分があるわけですよね。だから、もちろんそうなのですけど、結局、券面が一緒なので、根拠法をどうするかとか、その部分が出てくるわけですよね。もちろん財務書類に載っているのは年度末だけなのですけど。そこの部分も含めてお調べいただいて、どういう形で繰替使用をやっておられて、年度末だけはその財務省証券はというか、財政法を根拠にした政府短期証券発行はやっていなくてということなのか、それとも、繰替使用というのは年中やっておられるわけですよね。だから、年度末だけやっているわけじゃなくて。なので、おそらくこの話というのは政府短期証券の券面統一という話も背景にそもそもありますし、さらにはTBとFBの統合という話も歴史的経緯としては入っていて、かつ、そういうふうに今回外為特会でという話が来ているということだと思うので、そのあたりの制度的な整合性というか、全体像というか、それを少し、次回か、いつかご報告いただけるときにはあわせてお聞かせいただければ幸いです。
〔黒川部会長〕 
 ありがとうございました。今の問題、米国債の方もずっとそのままフリーズして持っているわけではなくて、ずっと年度中を通じて、運用上売却したり、購入したり、そういうことをしている可能性が十分高いと思うので、それもあわせてお調べいただくことにいたしましょう。  
 それでは、他にご質問……。どうぞ、藤谷委員。
〔藤谷委員〕 
 ありがとうございます。まず、大変分かりやすく、そしてポイントが押さえられた資料を、毎年度少しずつ改善を積み重ねてここまで来られたということで、事務局のご尽力に敬意を表します。その上で1つお伺いしたいことなのですけども、本日伺った「国の財務書類のポイント」という資料は、オーディエンスとして、私たちのような研究者や民間エコノミストの方々、いわば「プロ」のユーザーを考えていらっしゃるのか、それとももう少し広く国民に対して訴求したいと考えていらっしゃるか、どちらでしょうか、ということです。というのは、この資料はとても分かりやすく有用なのだけど、やっぱりプロ向けのドキュメントだなと思うからです。つまり一つ一つちゃんと注意深く読んでいけば、この定義はこういうふうに使われているとか、ここはこういう経緯があってということは分かるのですけれども、前提知識のない読者が読むと混乱しそうです。例えば、社会保障給付費という言葉が5ページに出てきますが、同じ財審でも、いわゆる厚労省が出している同じ「社会保障給付費」という数字がしばしば紹介されており、最近では大体120兆円超の金額ですが、大きく食い違うわけです。もちろん二つの概念が全く違うものであることはプロであれば知っているか、少なくとも定義を見れば一目瞭然なのですが、国民にとっては大変紛らわしい。せっかく「社会保障というのはこれだけかかっているよ」ということを分かりやすく括り出しているときに、同じ政府、ましてや同じ財務省が出しておられるドキュメントの中で違うものがあると、何がどう対応しているのかわかりにくい。  
 もちろんこれは「国の」財務書類ですから、地方のことは関係ないのは当然そうなのですが、メディアの方々も含めて民間の普通の方々が、例えば1,200兆円という負債という数字を見て、どう理解すればよいか。例えばSNAベースの一般政府総債務も大体1,200兆円ですが、あれは地方の負債も含む数字です。それから国際統計年報ベースの借入金現在高もたまたま1,200兆円強の金額です。そして今日の17ページに出てきた1,238.9兆円の国の負債というのがあります。これらは全部違う定義に基づく全く違う数字なのですが、金額的にたまたま近いこともあって、混同しそうであります。今のは一例ですが、この「ポイント」を今後誰に向けてさらに精度を上げていくかということを考えるときに、プロ向けだったらこのままで構わないと思うのですけれども、もしせっかくここまで練り込まれた資料を、もっと広い層の人たちに理解してもらいたいというご趣旨で練り上げてこられているのだとすれば、工夫の余地はあるかもしれません。これは、財務書類のインテグリティーという観点から非常に悩ましいのですが、例えば、この資料の「付録」というような形で、例えば地方との関係はこうなっていますよとか、何かそういうのが可能かどうかというのは、もちろん散々ご検討された論点だとは思うのですけども、ちょっとご感触をお伺いできればと思っております。以上でございます。
〔黒川部会長〕 
 それでは、室長。
〔坂本公会計室長〕 
 今、委員からお話があった点については、我々も大きい課題だなと常日ごろ思っているところはございます。一応このパンフレットについては、おっしゃるとおり長年に渡ってそのバージョンアップが図られてきて、かなりの完成度になってきているのかなとは思ってはいるのですが、分かりやすさということでその骨子を抜き出した、お配りした紙にはございませんでしたが、骨子の形でエッセンスだけを抜き出したものを作成しております。これは毎年作り方というか、まだ改善途上の段階のものなのですけれども、財務書類自体としてもうちょっと何がポイントなのだというのを分かりやすく訴える資料についても、我々も課題として考えていまして、工夫を続けていかなくてはいけないなと思ったりしております。あと、財務省で作っている他の様々な財政状況を説明する資料の中にも、その中でも、できるだけそのバランスシートを使っていただいてという努力をもっとしていきたいなとは思っております。その中で整合性をどうとっていくのかということについてはもちろんよく考えていきたいと思っております。課題としてはよく認識させていただきたいと思います。
〔黒川部会長〕 
 ありがとうございました。それでは、田近委員。
〔田近委員〕 
 今、藤谷さんのご指摘なのですが、何年か前に同じことを僕も言ったつもりがあって、というのは、ここで、例えば5ページをご覧になっていただいて、税収も地方税収はもちろん、地方は入っていないわけですよね。ご質問はだから、社会保障給付費というと我々の頭の中には124兆円とかがもうインプットされているわけですよ。だけど、ここで扱っているのは、年金は厚生年金と、それから国民年金まで入っているのですよね。ある意味で地方というか。だけど、医療の方はすっぽり入っていないのですよ。だけど、それを言い出すと、ただ地方も加えるというと、じゃあ地方も発生ベースで財務諸表を加えるだけのものがあるのかという問題になってきて、だからあのとき問題提起して納得したわけじゃないのですけど、国の財務諸表で発生ベースで一般会計・特別会計で作るとここまでと。ただ、ご指摘は生きていて、我々が、だから社会保障給付費とインプットされている百二十何兆円がどう対応しているか。その社会保障費のどこまで引っ張ってきているかというのは付録でついているのですよね。そういう意味では、社会保障関係費全体をどういう形でここで切り取っているか、そのステートメントはあっても、あまりにもその百二十何兆円がもうひとり歩きしているから、そこはあるのじゃないですかね。
〔黒川部会長〕 
 田近先生がご指摘になって22ページができたのですね、ご自分ではおっしゃらなかった。とてもよくわかる表ができたのですね。あと、地方の方は今、地方の公会計が進展しまして、発生主義ベースの財務諸表が徐々に整備されてくれば、もしかすると将来ドッキングできるかもしれません。多分そういうのを待って、今そういう状況だということで、こちらとしては待っているということだったと思います。  
 他にどうでしょうか、ご意見。赤井委員。
〔赤井委員〕 
 地方の方も私も気になっていつも質問したりしていたのですけれども、統一的な財務諸表の方が始まりましたので、それが見えてくるといつかは統合できるかな。でも、見て気になる人もいると思うので、完全にでき上がって合わせるのはかなり先だと思うのですけど、今、まさにこの22ページのような付録のような感じで、地方はこういうような感じのものをつくって、ここまでは分かるようになってきているけれども、まだ合体するところまでは来ていないということで、何か別紙で1枚地方の状況みたいなのをまとめたのを作って、いつか、それだったら近い将来でもちょっとできるかなと思うので、そういう方向もまた検討していただいたらと思います。以上です。
〔黒川部会長〕 
 土居委員。
〔土居委員〕 
 私はむしろ反対というか、風呂敷を広げ過ぎてはいけないと思います。つまり、分かりやすさというのは確かに大事なのだけれども、地方は統一しつつあるとはいえ、幾つかの方法が公会計に関してまだ並立しているわけですね。ですから、完全に統一できるかどうかというのは明らかにまだ目途が立っていない。それに加えて、この部会でずっと議論してきた国としての公会計基準と地方の基準とは必ずしも完全に一致しているわけではないと。しかも、むしろ我々の方が先に公会計基準としては確立したのだけれども、先方は後で統一の方向に向かったと。もちろん鵜川先生をはじめ、東京都は東京都で独自の公会計基準を決められたというのはむしろそっちの方が先かもしれないけれども、少なくともそういう状況、基準が並立している中で統合するということに果たしてどれだけの意味があるのかということですし、統合するようにする動きをつけるというのも結構、公会計室の範囲を超えるといいましょうか、黒川先生もご尽力されているように、基準を省庁をまたいで話し合うということだけでも相当大変なご議論があるという中で、地方のもこのガイドブックに参考資料として添付するとかいう話になると、一体何をもってその数字を見比べればいいのかとか、どういう基準でつくられていて、そこに何の差異があるのかというところまで説明して初めて成り立つけれども、そこまで説明しないといけないということだとすると、おそらくは公会計室の範囲を超えていると思いますから、それはむしろ逆に研究者がするとか、ないしは統一した基準であるということであれば、既にSNAはその役目を果たしているわけですから、わざわざ公会計室で作るというまでの話にはならないと。むしろ国としての財務状況をいかに今定めている基準でもって、予算で作っている数字と整合性のある数字として、決算段階でどういう結果になったのかということを国民に伝えるということの方が、むしろ大事な仕事なのじゃないかと。
〔黒川部会長〕 
 赤井委員。
〔赤井委員〕 
 地方に関して、現在の状況は伝えてもいい。統一的な財務諸表もほぼ出来上がってきていることからも、現在の状況は伝えてもいいかなと思いますし、今後に向けて議論する価値はあると思います
〔黒川部会長〕 
 総務省さんにお願いしないといけないのかなと、地方の方は思いますし、公会計室のマンパワーを私も見ていますと、到底今のままではみんな死んでしまうのじゃないかと思いますので。
〔赤井委員〕 
 こちらで新たに計算するというよりかは、何か総務省でまとめた現況を1枚入れておいて、そちらを見てくださいみたいな形で、何か合わせるとかいう意味ではないと思っています。もちろん、今後検討していただければと思います。
〔黒川部会長〕 
 田近委員。
〔田近委員〕 
 話が変わっていいですか。今年のというか、平成29年度のこのポイントは、何といっても税収が空前に伸びたということがポイントなのですけど、今度財源の方で1つ具体的な質問なのですが、6ページで税収が今言ったように3.4兆円も増えたと。一方、でも社会保険料は減ったのですよね。減った1つの理由が、見ていくと国民年金保険料、拠出金(基礎年金)のところが減っていると。質問はこれ、国民年金の保険料がなぜ、いわゆる狭い意味の自営業が減っているけども、非正規とかいろんな、多様な働き方で正規労働じゃない人たちが増えていて、減ったのは、減るほどまでいったのは何なのかなと。  
 それから後、これはテクニカルなことなのでしょうけど、私が分からないだけだとそれは思うのですが、一番下の責任準備金相当額等徴収金収入が減ったというのを、これはテクニカルですけど、この2点。
〔黒川部会長〕 
 じゃあ事務局の方で。そういう疑問は私も持っていましたので、調べてもらっていますから。
〔山嵜課長補佐〕 
 国民年金につきましては、保険料収入でいきますと大体毎年、今、減っている傾向にございます。被保険者数が徐々に減っているような状況のようでございます。
〔阿久澤法規課長〕 
 おそらく厚生年金の適用拡大を図ってきているので、そういったことも影響しているのじゃないかと思います。
〔田近委員〕 
 そうだね。国民年金のはとってしまっている、厚生年金の方でとってしまっているのだね。
〔黒川部会長〕 
 2番目の方を。
〔山嵜課長補佐〕 
 2番目は先生、テクニカルとおっしゃっていただきましたけれども、厚生年金基金、解散をいたしますと責任準備金相当額を国庫に納めるようになっているのですが、平成28年度は110解散があったのが、29年度は41であったということで、解散数が相当変わっているので、そこの部分で徴収金収入が、……。
〔田近委員〕 
 解散に伴い国が得るものが減ったと。
〔黒川部会長〕
 そういうこと。
〔田近委員〕 
 わかりました。
〔黒川部会長〕
 ちょっとわかりにくいですよね。僕も質問して教えてもらったのですけどね。
〔田近委員〕 
 それを除いても若干減っているのだね。社会保険料がね。
〔山嵜課長補佐〕 
 6ページをご覧いただければと思います。吹き出しのところに社会保険料▲1.5兆とあるのですが、厚生年金保険料は1.4兆円の増でありますので、仮に一番下の責任準備金がもしなければ、やや増という基調かなと。
〔神田主計局次長〕 
 その場合、1.3兆円の増です。
〔田近委員〕 
 わかりました。
〔黒川部会長〕 
 いかがでしょうか。鵜川委員。
〔鵜川委員〕 
 先ほど、今のお話と関係するかもしれませんけども、今度3月にプライマリーバランスと一般関係の会計を検討するというお話があったのですが、そのときにもし可能であればこういうことが検討できるかどうか教えてほしいのですけども、いわゆる国の経常的収支と言うのでしょうか、利息の支払いも含めた収支の差額と会計との関係と言うのでしょうか、先ほど土居先生にお聞きしたら、プライマリーバランスというのはあくまでも一里塚であると。やはり目指すべきなのは財政的には経常収支の黒字化ということですので、そういう意味での、先の話かもしれませんが、そういった関係も見られるのでしたらご検討いただければと思います。  
 それから、もう1つは先ほどの社会保険や社会保障費の関係なのですが、やはり年金の方は一元化されていますので全体が分かるのですが、医療保険の方が、医療会計がいろいろ分かれていますので、そこら辺がわかりにくいということだと思います。それは、厚労省などで多分データはあるかもしれませんが、もし可能であればその会計主体別というのでしょうか、例えば地方であれば例えば国保会計とか、あるいは共済なら共済とか、いろんな医療保険の会計主体があると思いますので、そういった主体別のもしデータがとれれば、それを合算すれば、社会保障のマクロの数字と何か近いものが出るのかもしれませんし。もしそういったことが可能であればご検討いただければと思います。会計はあくまでも報告主体別に作っていますので、国の方は国の数字をご説明するということなのですけども、連結的な発想で、国と地方と全部合算するというところまでいかなくても、ある特定分野でそういったものが可能であればご検討いただければと思います。
〔黒川部会長〕 
 わかりました。ありがとうございました。他省庁のご協力をまず得なくてはいけないのじゃないかなというところかと思いますけども、一応検討させていただこうと思います。  
 それでは、すいません、10分予定時間を過ぎておりますので、次の議題があります。そこで、ひとまずそちらに移らせていただいて、次の質疑応答の時に、もしまだ今の第1番目の議題についてご発言いただいていない方で発言したいという方がいらっしゃれば、そこでご発言ください。では、続いて第2議題、個別事業のフルコスト情報の開示について、事務局、ご説明をお願いします。
〔坂本公会計室長〕 
 それでは、個別事業のフルコスト情報の開示についてご説明させていただきます。資料は、ペーパーでお配りしております資料2という横長のパワポを印刷したものでございます。1ページ目でございますが、これがこれまでの流れと本年度の取り組みの考え方をまとめたものでございます。このフルコスト情報については平成27年4月に部会のワーキングチームの報告書の中で、こういったことをフルコスト情報の活用によって、行政活動の効率化・適正化が可能となるのではないかというお話を受けて、取り組みを試行的に始めたということでございます。昨年度は、おさらいというか、振り返らせていただくと、試行的に取り組みをやっていく中で算定事業数を60事業までやってきたということでございますとか、公表内容についても充実を図ってきたということでございました。そういう中で、本部会でもご指摘をいただきましたが、規模感というのは現状程度の中で、より重要性の高いものを重点的に選定してやっていってはどうかといったようなことですとか、あるいは経年比較をできるようにすれば、その事業の中での比較ですとか、そういったことで有意義ではないかといったようなご指摘、アドバイスをいただいております。その下が、本年度の取り組み方針と取り組みの方向性ということでございます。3つございますが、1つは予算のPDCAサイクルに役立つ情報として整理・提供できないかということでございます。これにつきましては右側の矢印、流れてございますが、選定事業の重点化を図ったり、あるいは、後ほどご説明しますが、集めた情報をデータベース化して予算編成過程で使えるようなツールができないかといったような試みをやっております。2番目が、情報の周知・活用のためのさらなる取り組みという課題がございまして、それに対しては研修・説明会などの充実を図ってきているということでございます。3つ目がフルコスト情報の質の改善を図るための検討をしてはどうかということでございまして、これにつきましては右側にございますように、「人にかかるコスト」の算定方法の改善ですとか、あるいは公表資料の改善を図っていきたいといったようなのが、今年の取り組みの概要でございます。  
 次のページ、2ページ以降が具体的なその内容でございます。まず2ページをご覧いただきますと、予算のPDCAサイクルに役立つ情報の提供という課題に対する対応状況でございます。これにつきましては、予算編成の参考資料として有用性が高いと考えられる事業を選定するといったような考え方で、幾つか類型化と申しますか、考え方として、1つは受益者負担型、受益者が負担するようなタイプの事業。あるいは外部に委託した場合はどうかみたいなところ、そういった観点からその事業を捉えてはどうかといったようなパターン。あるいは補助金・給付金を給付するような事業、これは間接的なコストの比較が事業間でできるのではないかといったような、そういった問題意識に基づいて事業の選定を進めてきたということでございます。矢印の右側に書いてございますけれども、予算編成で主計局の予算係と連携して、その対象事業を選定する段階から今回は進めてきたということでございます。そういう中で、今回は65の事業を対象に整理したということでございます。タイプとしては先ほど申した3つの他に「その他」というのが結構たくさんございますけれども、これは予算係との連携の中で、そういった予算編成を担当しているサイドから、こういった事業を取り上げてはどうかといったような、参考資料として有用ではないかといったような考え方で選んでいただいた事業もあるということで、そういったものが「その他」に入っております。取り組みの流れとしては下の年表がございまして、前回の3月の部会が終わった後、早速取り組み方針の説明などを幅広に進めてまいりました。そして、予算係と連携して算定事業の選定を進めてきたということでございます。その後、今回の場合は実際に予算のPDCAサイクルで何らかの参考情報の資料として活用できないかという、そこを試みてみるということがございましたので、概算要求の査定が始まります9月上旬にとりあえず取りまとめた資料をお配りしたということで、そういった予算編成のプロセスを睨んだ進め方をしてきたということでございます。  
 次の3ページをご覧いただきますと、何らか予算編成の過程で活用できないかといったような観点から試みたのが、情報のデータベース化とそれを基にした分析ツールの試作といったようなことでございます。これは端的に申しますと、紙ベースの資料をめくってその事業を飛び飛びに比較するというのではなかなか使いづらいということもございますので、イメージが次のページ、4ページでございますけれども、エクセルの形で出していただいた資料を入力して整理したものを、ファイルの形で配付いたしました。それで、大きくは左側の方が過去の決算をもとにデータを整理したフルコスト情報ということですけれども、真ん中の方に既存の資料が存在しない予算要求ベースの数字を入れて、それぞれの事業ごとのフルコストの試算ができるファイル、ツールをつくったということでございます。必須入力項目みたいなところをご覧いただきますと、例えば当該事業に従事する職員数、実際の人数を入れていただくと、その人数に対応する形でその下に、左に人にかかるコストですとか、あるいは物にかかるコスト+減価償却費などとありますけれども、それに連動する形で人にかかるコストとか物にかかるコスト等が出てくるといったような形になります。そこにそれぞれの要求段階での事業コスト、業務費・委託費といったような該当するものを入れていただくようなことを行っていただくと、その段階でのフルコストの試算ができるといったようなものでございます。対象となっている事業のデータが入っておりますので、必要に応じて似ているのではないかと思われるような事業のデータと並べて比較することもできるようにするということで、要求段階でもそういったことで仮のフルコストを試算するといったようなことで、そのフルコスト情報を参考にする場面が増えていかないかといったような観点で試作をしてみたといったようなことをやっております。  
 続きまして、5ページをご覧いただきたいと思いますけれども、そのフルコスト情報の周知・活用のための取り組みの充実ということで、研修・説明会などをより多く広くやってきたということでございます。既に昨年来、主計局ですとか、あるいは各省庁の予算編成を担当する担当者や、財務書類を作成する担当者に対する説明会を行ってきましたけれども、それをさらに充実させてやってきたということでございます。それに加えまして、下の段というか囲みでございますけれども、そういった説明会に加えて、地方公共団体に出向きまして、様々な各自治体さんにおける取り組みの状況をお伺いしたり、意見交換をしたりもしております。また、公認会計士協会にも協力をいただきまして、記事を寄稿させていただいたり、あるいは研修会で取り組みを説明させていただいてご意見を賜ったりといったようなことも取り組みとして行っております。  
 次のページでございますが、3番目の課題として挙げておりましたフルコスト情報の質の改善を図るための検討ということでございますけれども、1つは人にかかるコストの算定方法について、改善前はその定員数に基づいて配賦を算定していたということですけれども、改善後は職員の平均給与額に当該事業に実際に従事している職員数を乗じて算定するということで、より実態に近い形にならないかといったような改善を加えております。あと、公表資料の改善というか、データが蓄積されてきた部分については、3カ年で3年分だけ順次更新していくということではなくて、今回の場合は4年分ですね、比較できるようにするということで、徐々に経年比較の対象となるデータを増やしていく、そういったこともやってきたということでございます。  
 次の7ページが、今後の進め方ということでございますけれども、今回ご説明申し上げたのは、実際に予算編成過程において、実際どのように活用されてどのような課題があるのかというところまではいっていませんで、今後2月に各予算係ですとか、各省庁に配付したフルコスト情報についてどの程度活用する場面があったのかとか、どういった課題があるのかといったようなことについて意見聴取を行っていきたい、それで課題を整理していきたいと考えております。それを踏まえまして、3月の部会におきましてその状況を整理いたしまして、次回の、来年度に向けた取り組み方針をご報告・ご相談申し上げたいと考えてございます。その次の、最後の8ページが今回の65件の事業でございますけれども、それを列挙したものということで、入れ替わった部分につきましては赤い字で表示されております。私からの説明は以上でございます。
〔黒川部会長〕 
 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明についてご意見・ご質問等ございましたらご発言をお願いいたします。
〔赤井委員〕 
 先にちょっと抜けるので。
〔黒川部会長〕 
 わかりました。では、赤井委員。
〔赤井委員〕
 申し訳ありません。ちょっと簡単に。本当にありがとうございます。こうして分析を進めていくことで、より活用されるのかなと思います。今後、主計局の査定にも使われていくということなのですが、まずは何かに利用されて良くなったという実績を作るということと、そことの連携の中でどういう事業を選んでいけば一番効果的なのかというのが分かっていくかと思います。  
 もう1つは、行政事業レビューなど、事業を取り上げての議論というのが省庁、いろいろなところでされていると思いますので、そういうところにも情報提供をして、お互い利用し合いながら、例えば事業レビューでこれに関係するものがあるのであれば、それを使っていただくとか、事業レビューからの要望を聞いてまたこういう分析に加えていくとか、そういうことを進められたらいいと思います。以上です。
〔黒川部会長〕 
 ありがとうございました。では、土居委員。
〔土居委員〕 
 今の行政事業レビューに関連してなのですけども、事業番号というのを行政事業レビューでは振ってあるのですね。見る人が見ると、この参考資料2の事業と行政事業レビューのレビューシートを、見たい人はリンクづけられるという形にするには、事業番号をこちらの冊子に振っておくというのは1つの方法かなと思いまして、もちろんPDCAとして本当にPからAまでぐるっと回ってさらにまたPということに行くには、特に予算の予算案ができるまでというところで行政改革推進本部の取り組みもあるので、行政事業レビューシートとリンク付けるということは、そういう意味でより有機的に繋げられるのじゃないかなと。あちらのシートも事業単位ですし、こっちも、完全にマッチしているかどうかは別ですけども、今ちょっと見ている限りではそれなりにマッチしていて、そのまま、これをどなたがされるかというところがなかなか悩ましいですけど、簡単に言ってしまえば、公会計室でも一々行革本部に問い合わせなくても、行革本部が公開している事業番号をそのまま転記するだけで、十分私が申し上げていることはできるのかなという勝手な妄想ですが、そういうつもり、つまり過重な負担を強いるとか、一応あちらに何か問い合わせなきゃいけないとかいうことじゃなくて、公開情報でも事業番号を紐づけするということは容易にできる話で、かつ、非常にPDCAサイクルを回すという意味でも有機的で重要なインフォメーションかなというのがありますので、もし可能ならばそういう取り組みにつなげていただければと思います。  
 それから1つだけ、瑣末なのですけど、参考資料2の27ページ、またここで上と下がそうなのですけど、イメージ図が目が粗くてちょっと見えにくいと。おそらくこの手の類いはオリジナルをコピペしたのではなくて、オリジナルを使った資料をコピペすると目が粗くなるというか、その解像度が悪くなるというのは、私も自分の資料を作る時によくこういうことを引き起こしてしまうのですけども、なので、もしご協力いただけるなら、原局原課にオリジナルの図が欲しいと言ってリクエストされてこの資料に張ると、おそらく小さい字でもそれなりに見えるものができるのかなと思います。以上です。
〔黒川部会長〕 
 有効なご意見ありがとうございました。ご配慮いただきましてありがとうございました。  
 他にいかがでしょうか。鵜川委員。
〔鵜川委員〕
 
こちらの資料の、特に4ページにありますように、フルコスト分析シートをそのまま予算に使うというのは非常に発想がすごく興味深いというのでしょうか、おもしろいのじゃないかと思いました。それで、今、自治体の方もかなりこういった事業別のコスト計算書とか、あるいは事業評価シートを作っている団体がありますので、それをそのまま予算に持ってくれば予算ベースでのフルコストが見えるというのでしょうか、予算そのものは発生主義じゃなくても、事業の成果に対するインプットとしてのフルコストが見えるというのは非常にいいアイデアじゃないかと思いますので、ぜひ進めていただいて、自治体の方にもいろいろご説明をしていただければすごくいいのではないかと思います。
〔黒川部会長〕
 ありがとうございました。  
 他にいかがでしょうか。ご意見はございますか。第1番目の議題について積み残しているご意見がございましたら、結構でございますけれども、今。じゃあ木村委員。
〔木村委員〕 
 第1議題の方、途中から出席させていただいて、国と地方の関係というのはやはり常に議論されることなので、その関係で1点だけ、表現ぶりでちょっと不自然だと思ったのが、前半の資料ですが、資料1-2、一番簡略化した骨子という説明文なのですけど、これの……。
〔黒川部会長〕 
 参考資料1-2ですね。
〔木村委員〕 
 ごめんなさい。参考資料1-2ですね。国の財務書類の骨子という一番簡単な説明がなされているペーパーの4ページの「資産の説明」の下から2つ目、有形固定資産のところで、「道路、河川、国の庁舎などです」ということで、当然道路・河川で自治体の財産は含まれないということのはずなのですが、国のというのが庁舎に限定されていると、何かあたかも道路・河川は全て含むような印象を与える記述のように思えるのですが、この辺はどういう経緯だったのか。おそらく道路・河川については管理権とか費用負担とかが相当込み入っているので、この辺の誤解がないようにということだったのかもしれませんが、1点気になったのがそこでございます。  
 それからあと本題の方、資料2に関してですが、フルコスト情報の活用ということで、いろんな目的がある中で、今回、相対的に見れば予算編成に向けた活用という方向になっているのだと思います。それはそれでもちろん有効な活用方法の1つだと思いますので、当面の活用方法ということで推進していただければと思います。ただ、その一方で、いろんな目的が混在しているはずでして、参考資料2、今の例示で挙げられたものでいうと最初の方に挙がっている国会とか裁判所の関係、これはおそらく予算査定とかいう話ではなくて、国民に向けたメッセージということになると思いますので、そういう観点からすると、裁判所の自己収入などはおそらく印紙収入とか、もうちょっと寄せられることはあるのでしょうし、もう一言いえば、裁判所と比較されるものとして行政不服審査会とかいった不服審査の関係の事業が上がっていると、国民目線での比較可能性、さらには最近の行政不服審査法の改正の趣旨を検証する要素にはなると思いますので、もし可能であればそういうことを考えていただきたいという意見でございます。  
 それからあと、今後いろんなヒアリングをもとにご報告いただけるということですが、それに関しての要望として言えば、あまり概括的な話じゃなくて個別的な話をできるだけ盛り込んでいただきたい。もちろん予算査定にどういうふうに使われるのかとか、そういう話は個別にはいただけないとは思いますけれども、例えばですが、私としては重点化の柱として、受益者負担の部分は、広い意味での説明責任の観点から、より広くコスト情報が求められてしかるべきだと思いますし、各省庁の尻をたたく要素になると思うのですが、逆にそういうもので作成できないものがあれば、それらの具体例といいますか、類型でも結構ですので、ご説明いただけるとありがたいという意見でございます。以上です。
〔黒川部会長〕 
 ありがとうございました。1番目については、本表の参考資料1-1の3ページの有形固定資産の吹き出し、この括弧内に例として「道路、河川」、それから国有財産の例として「国の庁舎」と書いてあるので、多分それを引っ張ってきてしまったのかなと思います。それから、2番目のご指摘については、衆議院とか参議院のところですけども、経年変化の実績データが出るのですね。そうすると、これも選定したときにどういうふうに経年変化があるのかということを見て、全く予算査定上できないという話ではないのかもしれないというので選ばれたのかもしれないなと、個人的には思いますが、そこはよくわかりませんけど。それから、3番目のご質問については、3月までに、一応予定としては予算係とですよね。
〔髙橋課長補佐〕 
 各省庁の。
〔黒川部会長〕 
 だから、その先の各予算を要求してくる方の省庁にまではまだ予定していないということのように、私、聞こえたのですけど、いかがですか。
〔髙橋課長補佐〕 
 基本的には主計局の予算係と、あと財務書類を作成している各省庁の会計課にヒアリングすることを考えております。
〔黒川部会長〕 
 なるほど。そういうことだそうですので、私、各省庁の会計課にも聞くということはちょっと看過しておりましたので、木村委員のご要望を踏まえて、聞けるかもしれません。ありがとうございました。有用なご意見をいただきました。  
 他にご意見ございますでしょうか。どこか挙がっています? 秋山委員。
〔秋山委員〕 
 今年も大変な資料を作成いただきまして大変ありがとうございます。非常に勉強になるなと思って見せていただいておりました。せっかく、先ほどの話でもいいというふうにおっしゃっていますので、先ほどの話で1つ、会計士協会で総務省さんといろいろやらせていただいている中でのことで情報を共有させていただきますと、ご案内のとおり統一基準というのが地方自治体に導入されています。法律的な作成義務という話ではないものだと理解しておるのですが、おおよそほとんどの自治体がその基準に従って財務諸表を作成されていると認識しておりますので、技術的には合算ベースの、自治体の合算の財務諸表を作るのは可能になってきているのかなと考えております。ただ、先ほど国と合算の話がありましたけども、当然基準が違えば合算しても意味がないものができ上がりますので、もし合算を視野に議論されるということであれば、国と自治体の基準を統一化していかなければいけないと考えております。これはその必要性の有無も踏まえて議論する必要があるのかなと思っておりますので、もし仮に必要だということであれば基準を統一化して、国全体の財務諸表を作る必要があるのかなと考えております。それがまず1点目でございます。  
 2点目のフルコスト情報の話ですが、国民目線でいろいろおもしろく見せていただいていて、昨年は公認会計士試験のものも入れていただいて、なかなかおもしろいなと思いました。今回は自己収入が挙がっている、受益者負担のある事業が結構対象になっているというところで、例えば参考資料2でいきますと、11ページに京都迎賓館の参観事業というのがあって、京都に行ったときにちょっと見てみようかなと思って、来る人もいると思うのですが、ここで見るとフルコスト2.8億円で、自己収入1.5億円ということになっています。迎賓館での本来事業の空いた時間を使って1.5億円という、小銭じゃないですけどもそういった収入を得ようとしているのか、それとも一生懸命こういう参観事業をやって赤字が出ているのか、そこら辺はちょっとここからは読み取れないところだと思います。先ほど2月に各省庁とヒアリングしてという話をお聞きしたのですが、こういったフルコスト情報を、自己収入といいますか、この入館料改定等にどのように反映させようとしているのか使用するつもりがあるのかという視点でもぜひお聞きしていただきたいなというのを感じました。それから、さらに身近なものでいうと、17ページに法務省の登記事務、登記業務というのがあって、手数料が結構高いなという認識でおったのですが、フルコストが946億円でこれの自己収入が700億円ということで、これも赤字が出ているわけなのです。これも本来であれば応益負担といいましょうか、受益者負担の事業ということであれば、この946億円を回収できるような値段設定、手数料設定にしなければいけないのではないかとも思いますので、先ほどの話と同じような話で恐縮ですが、各省庁に、予算策定にどう使われているかというところと、収入も予算のうちの1つだと思うのですが、その料金設定のところにどのように考え方を導入されているかという観点でお聞きいただけたらと思っております。  
 最後に会計士的な話をさせていただきますと、この数字をうのみにして料金を変えていいのかということが問題になると思うのですね。国民からいうと、このフルコスト946億円は本当にかかっているのですかという話にもなるかもしれませんので、そういう意味では数字の正確性というのが次に重要になってくるのかなと感じているところでございます。質問というより意見として述べさせていただいております。
〔黒川部会長〕 
 ありがとうございました。特に最後のところは、国民は税金も払っていますしね。直接的料金と間接的に負担している部分もありますので、いろいろ議論になってしまうかもしれませんね。ありがとうございました。  
 他に何かご意見……。土居委員。
〔土居委員〕 
 少し小さい話ですけども、1点は、前の議題に戻りますが、国の財務書類のポイントで、今、20ページ、21ページと財政検証のパートがあって、それは重要なパートなのですけども、今年、財政検証の年なので、おそらくまた来年はまだ古い財政検証の期間、つまり今年の財政検証が出る前の決算を来年の今ごろにこのポイントを作らなきゃいけないということでありつつ、もう既に新しい財政検証は出ているはずだということで、実はそれがあった年というのは、平成25年の国の財務書類がそうだったのですけども、書き方をちょっと工夫する必要があるというか、新しいのは出ているというのは知っているけれど、この決算は古い、1つ前の財政検証の対象期間だったということが分かるように来年度は記す必要があるのかなというのが1点です。それから、先ほど鵜川先生がおっしゃったところと大変、それは非常に重要なポイントなのですけども、おそらく社会保障に関する包括的な統計というのは国立社会保障・人口問題研究所が出している社会保障費用統計が、かなり網羅的に鵜川先生のリクエストに応えるような資料を出しているということがあるので、このポイントの22ページに、先ほど田近先生がご指摘されたところの部分だけで、その数字が載っていないということで何かフラストレーションをお持ちの方だとすると、むしろこれで、国の財務書類で何とかその数字を出してくれというのはちょっと過剰な期待なので、むしろ社会保障費用統計の方をご覧くださいという感じで誘導するというのですか、そちらを見ると載っていますとか、さっきの国と地方の合算という話も、それは国民経済計算年報を見れば載っていますという、そういう誘導というのもあってもいいのかなと。だから、全部をこれに期待されても困るので、これはこれの役目があって、国の財務書類の役目があるので、それを全うしていますと。さらに、もっと広い範囲のものを知りたいという場合は、こっちにその補助になる資料がありますというふうに誘導するというのも1つの手かなと思います。
〔黒川部会長〕 
 特に最後のところは、この間議論になった独法の事業報告書ですね。この作成理念からすると、あれは概要情報だと。詳細情報はタグをつけてそこに飛んでくださいというようなことでいきましょうということだったので、今、土居委員、大変有用なご意見をいただいたと思います。ありがとうございます。  
 もうお一方ぐらい……。冨田委員。
〔冨田委員〕 
 あまり関係ないですけども、今のお話でこの資料を見ていて、20ページで、基礎年金の国庫負担2分の1というふうに決まりましたよね。それがなぜこれ、財政検証だと、例えば国民年金の給付、給付現価140兆円に対して保険料と国庫負担でフィフティー・フィフティーになっていないですよね。要はだから、これはよその役所がやってくださいと、ご担当じゃないとは思うのですけども、計算根拠はどうなっているのでしょうかということなのです。つまり、ほとんど賦課方式であるという認識のもとに、その認識は19ページに書かれていますよね。で、19ページの一番下に国民年金では預り金が7.8兆円だというふうにあって、それが作用してちょっと差があるのかなとも思うのだけど、それにしてもフィフティー・フィフティーとはちょっと違うなという感じなのです。国民年金。厚生年金の方はだから、積立金の運用があるので違いが出るのでしょうけども。すみません、何か僕はすぐぱっとこういうのを気がついてしまって質問しているのですけども。こちらのご担当じゃないかも分からないのですが、お願いします。
〔黒川部会長〕 
 そうですね。それはまた持ち帰って……。
〔冨田委員〕 
 何か変だよね。
〔黒川部会長〕 
 後日、分かりましたら、調べましてご回答させていただきます。  
 それでは、大体予定時間となってきましたので、3番目の議題に行きたいと思います。独立行政法人会計基準の改訂に伴う作成基準の改訂についてという議題でございます。事務局からまずご説明をいただきましょう。
〔坂本公会計室長〕 
 これはペーパーではお配りしておりません。申しわけございませんが、パソコンの画面を開いていただいて、資料が並んでいる中の一番下に資料3、独立行政法人会計基準の改訂に伴う作成基準の改訂についてというのがございます。PDFファイルがございますので、それをご覧いただければと思います。独立行政法人の会計基準につきましては、昨年というか9月に当部会においてご議論いただきまして、改訂されたというところでございます。それに伴いまして、資料の1ポツに出ていますけれども、「省庁別財務書類の作成について」の中の作成基準というのがございます。これにつきまして、先般の独立行政法人の会計基準の改訂に合わせて、伴って改正箇所がありそうだということでございまして、例えばというか、具体的には2ポツの真ん中、2番目のパラあたりに書いてございますけれども、従来は独法の中期計画等に照らして客観的に財源が措置されていると明らかに見込まれる将来の支出については引当金を計上しないとされていたところが、改訂後の基準におきましては、その中期計画等に照らして財源が措置されていることが明らかに見込まれる引当てに見合う将来の収入については、引当金見返を計上するといったような変更がされております。そういうことに伴って当方の、こちらの財務書類、省庁別財務書類の作成基準についてもこれに合わせた修正を行う必要があろうかということでございます。具体的な案文等につきましては、次回3月の部会で関係本部に調整の上でご相談したいと考えております。今回はこういった改正の検討を進める、事務方の方で準備を進めていきますというご報告でございます。以上です。
〔黒川部会長〕 
 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明については3月部会でご議論いただくということでお願いしたいと思いますが、何か特段のご意見、ご質問等がございましたらご発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、議事進行にご協力いただきましてありがとうございました。  
 以上をもちまして本日予定しておりました議題は終了いたしました。なお、平成29年度の国の財務書類、特別会計財務書類、省庁別財務書類、政策別コスト情報、個別事業のフルコスト情報につきましては、特別会計財務書類が1月29日に国会提出予定であることから、いずれの書類も同日に公表される予定と聞いておりますのでご承知おきください。最後に、事務局から連絡事項をお伝えいたします。
〔坂本公会計室長〕 
 次回の部会については3月25日を予定しております。既に事務局から日程調整のご連絡を申し上げております。ご協力のほどお願いいたします。  
 なお、本日の資料につきましては後日、既にお配りしている資料も含めて郵送させていただきます。大部でございますので、そのまま置いてお帰りいただければと存じます。お持ち帰りいただいても結構ですが、先ほど最初に申し上げたフルコストのダイジェスト版、黄色い表紙の冊子につきましては、ぜひ机の上に置いておいていただければと思います。また、財務書類・パンフレット等につきましては、公表後、郵送させていただきます。以上でございます。
〔黒川部会長〕 
 それでは本日はこれにて終了とさせていただきます。長時間どうもありがとうございました。お疲れ様でした。

 

午後2時55分閉会