このページの本文へ移動

財政制度等審議会 財政制度分科会
法制・公会計部会
議事録

平成30年9月3日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 法制・公会計部会
議事次第

平成30年9月3日(月)10:31~12:03

財務省第1会議室

1.開会

 

2.議題

  • 〇「独立行政法人の事業報告に関するガイドライン」について
  • 〇「独立行政法人会計基準」等の改訂について
  • 〇「独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書」に係る論点の整理

 

3.閉会


配付資料

資料1「独立行政法人の事業報告に関するガイドライン」の設定及び「独立行政法人会計基準」の改訂について
資料2 独立行政法人の事業報告に関するガイドライン(案)
資料3 独立行政法人会計基準の改訂について(案)
資料4「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」(案)
資料5「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」改訂案の新旧対照表
資料6 パブリックコメント及び各府省意見照会等を踏まえた修正(事業報告ガイドライン)
資料7 パブリックコメント及び各府省意見照会等を踏まえた修正(独法会計基準)
資料8 事業報告ガイドラインの設定等を踏まえた会計監査上の論点について
 参考資料① 標準的な様式(案)
 参考資料② 標準的な様式(法人3分類)(案)
 参考資料③ 標準的な記載例(案)
 参考資料④ 実態を踏まえた例示(案)
 参考資料⑤ 実態を踏まえた記載例(案)
 参考資料⑥ 事業報告書(共同ワーキング・チーム検討用)
 参考資料⑦ 共同ワーキング・チーム構成員名簿

4.出席者

部会長

委員



臨時委員

黒川 行治

赤井 伸郎
土居 丈朗
藤谷 武史

井堀 利宏
鵜川 正樹
清水 涼子
田近 栄治
冨田 俊基
橋本 尚
長谷部 恭男
           神田主計局次長
           奥総務課長
           阿久澤法規課長
           安出司計課長
           一松調査課長
           坂本公会計室長
           新谷会計制度調査官
            山嵜課長補佐
           髙橋課長補佐
          <総務省行政管理局>
           神谷管理官
           大橋副管理官

午前10時31分開会

〔黒川部会長〕 

   ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会を開催いたします。皆様におかれましてはご多用のところご出席いただきましてありがとうございます。まず議事に入る前に、事務局職員の異動がありましたので、事務局より報告いたします。

〔坂本公会計室長〕
   それでは事務局職員を紹介いたします。主計局次長の神田でございます。

〔神田主計局次長〕
   よろしくお願いします。

〔坂本公会計室長〕
   総務課長の奥でございます。

〔奥総務課長〕
   引き続きよろしくお願いいたします。

〔坂本公会計室長〕
   法規課長の阿久澤でございます。

〔阿久澤法規課長〕
   よろしくお願いいたします。

〔坂本公会計室長〕
   司計課長の安出でございます。

〔安出司計課長〕
   よろしくお願いします。

〔坂本公会計室長〕
   調査課長の一松でございます。

〔一松調査課長〕
   よろしくお願いいたします。

〔坂本公会計室長〕
   また、本日は総務省からのご出席者がいらっしゃいますので、ご紹介いたします。神谷管理官でございます。

〔神谷管理官〕
   よろしくお願いいたします。

〔坂本公会計室長〕
   大橋副管理官でございます。

〔大橋副管理官〕
   よろしくお願いいたします。

〔黒川部会長〕
   次に本日の出席状況、そして資料の確認を事務局からお願いいたします。

〔坂本公会計室長〕
   本日は秋山委員、木村委員はご欠席となっております。

   次に資料でございますが、前回同様基本的にペーパーレス化しております。会場の両側のスクリーンをご覧いただくか、お手元のパソコン端末をご参照いただければと存じます。パソコンの使用方法につきましては机上にペーパーで資料を置いておりますが、お困り・お尋ねの際はお近くの職員までお申しつけいただきたいと思います。

   それでは、お手元のパソコンの画面上に開いております議事次第をご覧ください。配付資料につきましては、参考資料を含めまして2.「配付資料」のところに列挙してございまして、記載の資料名のファイルについてはパソコンのフォルダの中に入っております。

   なお、これから申し上げます資料については印刷したペーパーを机上に配付しております。資料1『「独立行政法人の事業報告に関するガイドライン」の設定及び「独立行政法人会計基準」の改訂について』、資料3『独立行政法人会計基準の改訂について(案)』、及び資料5『「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」改訂案の新旧対照表』でございます。そして参考資料ですが、参考資料①『標準的な様式(案)』、参考資料⑥『事業報告書(共同ワーキング・チーム検討用)』、及び参考資料『共同ワーキング・チーム構成員名簿』についてペーパーを机上にお配りしているところでございます。関連資料の紹介については以上です。

〔黒川部会長〕
   ありがとうございました。それでは部会の進行についてご説明いたします。本日の部会では「独立行政法人の事業報告に関するガイドライン」について、それから「独立行政法人会計基準」等の改訂について、及び「独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書」に係る論点の整理の3つを議題といたします。それぞれの議題について事務局からの説明とそれについての質疑応答を行う形で進めさせていただきます。

   では、議事に入る前に神田主計局次長からご挨拶がございます。神田主計局次長、どうぞ。

〔神田主計局次長〕
   本日は先生方におかれましてはお忙しい中ご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。神田でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 
   昨年の夏に主計局に戻りまして次長を拝命いたしました。この7月から法規課・公会計室の担当もさせていただくことになりました。

   財政の分野における法規ないし会計の役割というものはますます高まっているものだと思います。第1に財政規律、このポピュリズムが跋扈する中、なおさらのこと持続可能性あるいは公平性の担保、もちろん国民の信頼を確保するコンプライアンスも含みますが、こういった基本的機能に加えまして、第2に今日の議題もその1つかもしれませんけれども、他方で制度がこの激しい時代の変化に対応することを妨げていてはいけないので、我々の制度自身も絶えず進化させていって、そのことによって社会の構造変化を後押ししていかなければいけないところがある。例えば、直接公会計ではないでしょうけれども、コーポレート・ガバナンスのESGの動きなどはその1つかと考えております。そして第3に、コンプライアンスのみならず最も基本的な問題として、今回の財務省、本当に反省しておるわけでありますけれども、納税者へのアカウンタビリティー、民主主義の最も根本たるものを支える一翼をこの法規・公会計の世界が担っているのだと思っておりまして、一層しっかりやっていきたいと思っております。私自身、OECDのコーポレート・ガバナンス・コミッティーの議長を引き続きやっておりまして、先生方のご指導をいただけることを、なおさらのようにありがたく思っております。

   今日は独立行政法人の事業報告に関するガイドライン、それから独立行政法人会計基準の改訂などについてご審議いただきますが、これらは当部会と総務省、今日いらっしゃっていますが独立行政法人評価制度委員会会計基準等部会のもとに設置された共同ワーキング・グループで長時間にわたって先生方のご検討をいただきまして取りまとめていただいたところでございます。黒川部会長をはじめワーキング・チームに参加していただいた委員の皆様、秋山さん、鵜川さん、橋本さんをはじめ、本当にありがとうございました。この場を借りて御礼を申し上げます。法制・公会計部会委員の先生方におかれましては専門的な立場からご意見をお聞かせいただき、また今後とも引き続きご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げて挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

〔黒川部会長〕
   神田主計局次長から大変丁重なご挨拶をいただきまして感激しております。ありがとうございました。

   それでは議事に入りますが、本日の議題のうち事業報告ガイドラインと独立行政法人会計基準の改訂につきましては、昨年9月に当部会で独立行政法人の財務報告に関する基本的な指針をご了承いただいた後、先ほど神田次長からもご紹介があったように共同ワーキング・チームにおいて議論を重ねてまいりました。私も座長代理として参加しましたが、その際、実際に幾つかの法人に赴いてヒアリングをさせていただきました。そういったことも踏まえて、まず私からガイドラインの設定や会計基準の改訂について若干感想を述べさせていただきます。後ほど事務局から詳細に説明していただきますが、若干重なるところもあると思いますけれどもご容赦ください。

   まず事業報告書ですけれども、1つは、理事長とか理事の方々のトップダウンで説明していただくことを重視しています。このトップダウンということは、理事長とか理事の、経営に携わる方々が、実際の業務をするだけではなくて、自分の業務をどのようにしたのかということを説明することによって義務とか責任が果たされたのだと、説明をしてやっと終わったのだと、こういうことをもう1回確認をする、あるいは自覚をしていただく効果があるのではないかと思います。

   2番目は、事業報告書のガイドラインを作成するに当たって統合報告書を意識してつくりました。この統合報告書というのは、先ほど神田次長はESGのことをおっしゃいましたけれども、それと同じように、SDGsというのも同じようなものですけれども、これを普及しようと政府も企業もいろいろなシンポジウム等を開いて活動しています。統合報告書というのはこれと軌を一にしている考え方です。そこで、今一般的な企業も普及活動をしようということですけれども、ここで独立行政法人は特に業績というものが財務的な業績だけではないという、なお一層非財務的な成果を求められているということも踏まえて、このSDGsの考え方の普及についての先導をしてほしいということも含めてかなり頑張って、通り一遍ではない、むしろ先導的な役割を果たすような事業報告書のガイドラインを作ったと自負しています。

   3番目は、先ほど神田次長がおっしゃったように、ヒアリングに行きまして独立行政法人の方々に大変ご協力をいただいて作ったわけですけれども、その過程で、今まででもたくさん情報は作られていました。その情報が作られる部署が総務だったり、経理だったり、広報だったり、あるいは実際に実務をやっているところで情報が作られていたり、情報の管理もそれぞれ管理しているようなことも見受けられまして、今回の事業報告書はそれらのサマリーみたいなもので、個々の詳細を参照することになっていますので、独法の方々も情報共有というか、どこにあったんだねということを確認し、情報の作成業務、あるいは情報の管理の業務の見直し・整理が進むことが期待されるのではないかと思いました。これが3点、事業報告書のほうです。

   会計基準については、今まで独立行政法人の成果、特に財務的成果に限って見ますと、どのように見たらいいのか、あるいはどこの情報を見たらいいのかということについて、学会も含めて、時代の変化もありますけれども問題点が指摘されてきて、悩ましい問題があったのは事実です。この問題について、今回、行政コスト計算書というものを新たに導入・設定いたしまして損益計算書との併存ということを打ち出したわけですが、この2つの計算書の役割が違うということを明確にいたしまして、最近議論されてきた、先ほど言ったような、どの情報でどのように見たらいいのかという問題について一応明確な回答を出した。これについて学会に対しても明確に答えたことになったのではないかと思っています。

   2番目ですが、純資産変動計算書も設定いたしましたけれども、それに限らず、最近の会計基準の動向を踏まえて適切に入れ込んだと。

   3番目、独立行政法人にインタビューさせていただきまして、「我々が気がつかない問題点があった、困っていた」ということも言われまして、それについてもワーキングで取り上げてどのように回答しようかと検討もいたしました。

   以上3点、会計基準のほうもワーキングで色々検討した結果の本日のご報告になります。長くなりましたけれども、私の感想というか、将来に対する期待を述べさせていただきました。

   それでは重なるとは思いますけれども、改めて初めの議題の独立行政法人の事業報告に関するガイドラインについて事務局から説明をしていただきます。

〔坂本公会計室長〕
   それではお手元にペーパーでお配りしております資料1『独立行政法人の事業報告に関するガイドラインの設定及び独立行政法人会計基準の改訂について』をご覧ください。本ペーパーにつきましては、先ほど部会長からもございましたが、事業報告ガイドラインの設定と会計基準の改訂の全体の概要を説明するものでございます。

   まず事業報告に関するガイドラインの概要についてはこちらで概略を説明いたします。まず一番上の囲み、概要でございますが、昨年の今ごろ、平成29年9月に、「独立行政法人の財務報告に関する基本的な指針」を策定したところでございます。その背景といたしましては、平成25年の独立行政法人改革、PDCAサイクルの強化や法人の自律的なマネジメントを図っていくことを発揮するためには財務報告のより一層の活用が課題となっているということ。その中で財務報告の基礎にある前提や概念について理論的・体系的な検討を行い、財務情報だけではなく非財務情報まで含めた財務報告に関する基本的な指針として取りまとめられたところでございます。

   この基本的な指針を踏まえましてこの1年間、総務省の独立行政法人評価制度委員会の会計基準等部会、そして本部会の共同ワーキング・チームにおきまして検討を行っていただき、今回案としてとりまとめたものということでございます。

   その主なポイントにつきましては、その下の囲みの左側をご覧いただきたいと思います。先ほどの説明と若干重なる部分もございますが、独立行政法人の特殊性を踏まえた情報提供ということで、独立行政法人の業績については財務情報だけでは適正に評価しにくい面がございまして、非財務情報の提供が重要だということが位置づけられております。そして、独法については特に公共性の高いサービスが持続的に提供されるか判断するための情報が重要でございまして、過去・現在にとどまらず、できる限り将来に係る情報の提供も重要だと位置付けられております。

   こうしたことを踏まえまして、矢印の右側でございますが、独立行政法人の今回の事業報告に関するガイドラインの中では、現行の課題が細かい字で挙げられていますが、事業報告書が財務情報・過去情報が中心となっているといったこと、あるいは業務実績等報告書など、通則法や他の法令や閣議決定等で求められる多くの公開情報、既に作成されている情報との関係が整理されていないといった課題を踏まえまして、事業報告書について法人の長のリーダーシップに基づく独法の業務運営の状況の全体像を簡潔に説明する報告書という形に見直しを図るということでございます。

   そのための事業報告書の目的、作成の目安、提供される情報等につきまして今回ガイドラインとして取りまとめたところでございますが、主なポイントが3つ上がっておりますが、1つ目は法人に与えられたミッション、あるいは主務大臣から指示される中期目標等に対して法人の長がどのような戦略を立て中期計画等につながっているのか、そして業務の成果がどのようなものかといったようなストーリー性を持ったものとする。

   2つ目は、こうした計画や法人の業務運営等について全体像が簡潔に把握できるようにする。詳細は、業務実績等報告書など他の報告書を参照することとしていただくということですが、事業報告書を見ればどのような情報にアクセスすればいいのかわかるようにリンクしていく、いわばプラットフォームのような役割を持ったものにしていただく。

   3つ目は、こうした全体像を把握できる資料を法人の長のリーダーシップのもとで作成するプロセスを通じて、法人の業務運営の改善の効果が期待できるようなものとしていくといったようなものにしてはどうかといった内容となっております。

   ガイドラインの詳細につきましてはガイドラインや資料2がございますけれども、時間の制約もございますので説明は割愛させていただきます。具体的な項目の構成のイメージとしてはペーパーでお配りしております参考資料「標準的な様式案」をご覧いただきたいと思います。左側が新、右側が旧、改正案と現状が対比されております。詳細な説明は割愛いたしますけれども、右側の現状のところにつきましては、主に財務情報が中心にあがっているのに対しまして、左側の改訂後につきましては、法人の位置づけ、役割、ミッション等から始まりまして、非財務情報も含めた形になっていることが見ていただけるかと思います。この標準的な様式につきましては総務省で今後定められていくことになるということでございます。

   次に、さらに具体的などのようなものができるのかというイメージをごらんいただきたいと思います。これはお配りしております参考資料「平成○○事業年度事業報告書」というものでございまして、これは独立行政法人環境再生保全機構に、今回の見直しの内容を踏まえて試作していただいたものでございます。これをご覧いただきながらご説明申し上げたいと思います。

   まず中身の1ページでございますけれども、理事長の写真が載っているページでございます。ここにまず法人の長によるメッセージを掲げております。

   2ページにおきましては、法人の目的、業務内容について説明していただいております。

   3ページでございますが、政策体系における法人の位置づけ及び役割(ミッション)でございまして、これは環境省の政策体系、それにつながる予算、そして当該環境再生保全機構の業務のつながりがわかるような整理をしていただいております。

   めくっていただいて4ページ・5ページで中期目標の体系について説明していただいております。先ほど説明の中で、この事業報告書についてはさまざまな情報のプラットフォームのような役割を担ってもらうべきだというお話を申し上げましたが、真ん中のあたりに青い字で、「詳細につきましては、第3期中期目標をご覧ください」という記載がございますけれども、ウェブ上の報告書では、ここをクリックしていただくと中期目標そのもののページに飛ぶという形で、詳細についてはそちらをご覧いただくことを考えております。4ページ・5ページは中期目標の関係でございます。

   6ページでございますが、法人の長の理念や運営上の方針・戦略等について説明していただき、7ページにおきましては、中期計画及び年度計画が紹介されています。それがこの法人の場合は9ページまで記載されております。

   10ページでございますが、持続的に適正なサービスを提供するための源泉ということでガバナンスの状況、そして12ページが役員等の状況、そして職員の状況。13ページが純資産の状況、財源の状況、自己収入に関する説明等が記載されているということでございます。

   次に16ページからでございますが、業務運営上の課題・リスク及びその対応策ということで、リスク管理の状況ですとか、この法人の場合3大リスクへの対応状況ということで情報セキュリティー・インシデント、個人情報の漏えい、金融資産の毀損を中心に記載していただいています。

   18ページからでございますが、業績の適正な評価の前提となる情報ということで、この環境保全再生機構の場合ですが、勘定を幾つか設置して業務を行っておられます。それぞれの業務について、外部の方にもわかりやすい情報提供ということで業務のスキーム、仕組みをポンチ絵などを使ってわかりやすく説明していただいております。それが22ページまで列挙されております。

   23ページからでございますが、業務の成果と使用した資源との対比でございまして、業務実績等報告書の要約を記載していただく形をとっております。

   それが25ページまで続きまして、26ページは予算と決算との対比。27ページが財務諸表の要約という形になっております。

   29ページでございますが、財政状況及び運営状況の法人の長による説明ということで、前に掲げてある財務諸表等について解説を加えていただいているページが30ページまででございます。

   31ページが内部統制の運用に関する情報ということで、体制ですとか運用資金の管理のための体制、監事による内部監査等、そういった体制について整理していただいております。

   33ページからが法人の基本情報ということで、法人の沿革ですとか設置根拠、34ページは組織体制について書いていただいております。そして主要な財務データの経年比較等の情報を記載していただいております。

   38ページからでございますが、これは参考情報ということで、それまで掲載されております財務諸表の科目の定義、説明等について記載していただいているといった構成でございます。

   これは試作でございますけれども、現状の事業報告書と比較いたしますと分量的には大体2倍ぐらいの情報量になっております。一方、情報量が増えているということですけれども、この事業報告書については事業年度の終了後3カ月以内に主務大臣に提出しなければいけないという時間的な制約もございます。また、他の形でつくられている情報を引用するといった組織の中での連携した作業なども必要になるということもございまして、法人の作成負担についても配慮しなければいけないということもございますけれども、先ほど黒川部会長からもございましたけれども、法人のヒアリングなどを通じまして実態も踏まえつつこういった形でつくっていただきたいという形で取りまとめております。全体として簡潔に業務の概要が把握できるようなストーリー性のある事業報告書にしていくという趣旨でございます。私からの説明は以上でございます。

〔黒川部会長〕
   ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明についてご意見・ご質問等ございましたらご発言をお願いいたします。冨田委員。

〔冨田委員〕
   ありがとうございます。共同ワーキング・チームの皆さん、大変お疲れさまでございました。まず私は、これまでも申しておりましたけれども、ほとんど市場取引というか市場価値を生まない独立行政法人について、民間の会計原則に準拠して財務書類を作ることがそもそも持っているであろう問題。それはまず第1に問題ではなくて価値を申し上げれば、独立行政法人という形で国民が持っている財産を企業会計の原則のもとに評価する。記述したものができたということは評価できると思うのですが、民間企業の場合ですと相互に競争があったり、あるいはPBRとかPERという形で評価されるわけですけれども、そういうことがないのがこの独立行政法人なわけです。そういう意味で私はかねてより行政コストを明らかにして財務書類との結びつきを国民に示すことが非常に大事だと思ってきましたので、この事業報告書の基本についてはこういう形だと思うのです。ただそこで留意すべきことは、独立行政法人は、法人の長によるメッセージの一番最初にも書いてあるのですけれども政策実施機関なわけです。政策の中身は企画立案として国会で決まることでして、実施機関なわけでして、実施機関にふさわしい形の報告書ということがより強調されていいのではないか。

   それは具体的にどういうことを言っているのかと申しますと、3ページに先ほどご紹介のあったミッションについて書いてあるのですけれども、この環境再生保全機構の業務ということで右端に支援とか予防とかいろいろ書いてあるのですけれども、こういうことがメインなのか。あるいは先ほどご説明があった7ページに徴収とか給付の業務があるのですね。つまり、政策実施といってもそうした徴収とか給付であれば効率化ということが明確に評価できるわけです。しかも購入者は中央政府なわけです。それで、市場で評価されたものを買うのではなくて政府がガバメント・コンサンプションという形でSNAでは作っているわけですけれども、多分それに準拠して作っているはずだと思うのです。もし市場取引があれば家計消費として、Cとして、コンサンプションとして表示されるわけですので、やはり業務の内容というのが3ページではなくて7ページのものがより本質であり、もっと言えば先ほどお話があった23ページの項目別評定総括表でありますけれども、徴収とか納付という効率化の余地があることが業務の中心になっているはずです。そもそも独法をつくる概念が企画立案と執行を分離するというところにあったわけですので、それがもっと強調されていいのではないか。

   何を言いたいかというと、企業であれば同業他社との比較になってより効率化を遂げようということですけれども、この行政に従属する法人は、基本的には去年よりも今年のほうがよりコストが削減できるとか、そういう評価ができる形が望ましいのではないか。だから、23ページにおいて総括表の右端に「×××百万円」とあるのですけれども、これを時系列で項目別に示す。できれば作業の原単位が何であって、その処理量との関係でもって処理コストを示すことが望ましいのではないかということが第1です。

   第2は、そうはいってもこの独立行政法人の活動自体は企画立案、そして国会で決まった補償金の給付だとか、そういうものであればそれをトランスファーとして、つまりガバメント・コンサンプション以外にもトランスファーの活動を支援しているのですよということで、そういうものを支出項目とするまとめ方もどうかと思うのです。つまり何を申し上げているかというと、SNA統計との関連性を重視して記述すればより明確になるのではないかと思うのです。

   さらに気になった点を申し上げると、冒頭、次長は納税者へアカウンタビリティーという一番大事なことを言われたわけですが、それがここに具体化されているかといえば、ちょっと違うのではないかと思ったのは、補助金等収入という項目が財務書類の中に出てくるわけです。補助金という言葉は最終的には国民なのか企業なのか、そういうところに配付されるのが補助金であって、最初に言いましたようにSNA統計では一般政府の中に分類されるのがこの法人なわけですから、一般政府が一般政府に補助金を出しているのかと間違って読んでしまうリスクがありますので、例えば「中央政府からの補助金」とか、「主務省からの補助金」としてはどうかと思うのです。

   もう1点行政コストで注意すべきは、効率化のためにアウトソーシングを行うということがよく書いてあるのですけれども、そもそもこの制度が効率化のために作られたものであって、それがさらにアウトソーシングをするというのはなかなか読んでいて意味が難しい。意味の問題はともかくとして、そういうアウトソースのコストも含めて行政コストとして先ほど申し上げた23ページの中期目標との関係を時系列で評価することが大事ではないかと思います。ちょっと長くなりましたけれども以上です。

〔黒川部会長〕
   詳細にご意見をいただきましてありがとうございました。何か今即答えたほうがいいですか。それともお聞きしたということでよろしいですか。

〔冨田委員〕
   長年私が申し上げていることを、今日は少しお時間をいただけたようですのでお話しさせていただきましたので、そのとおりに部会長にやっていただけるということを。

〔黒川部会長〕
   いや、ちょっと同意しかねるところも。これは時間をたっぷりかけて議論をしなければ。

〔冨田委員〕
   検討をお約束いただければ。

〔黒川部会長〕
   検討といってもかなり。どうしようか。かなり意見の相違もあるところもあるような気もします。先生も委員として発言されたので、私も部会長の個人的意見としてとりあえず、適切にお答えできるかどうかわかりませんけれどもお答えしたいと思います。まず今回、先ほども言いました統合報告を意識したストーリー性というところから始まっていますので、細かい法人の業務についての評価をする機関は、もっと細かい情報を使ってやっているということが前提なので、この事業報告書はあくまでも全体をコンパクトに見せるというところに主眼があった。そこで3ページの、経営陣トップからメッセージを、あなたのところは何をやろうとしているのかということを全体的に報告してもらう。それから国民も、いろいろな人が見るかもしれないのですけれども、真っ先にこれを見ていただいて、細かいところはほかのところに飛んでいってほしいねということがあるので、主務省から割り当てられているとはいえ、この法人という組織自体が国民に対して何をやっているのかという説明がまず来るだろうということで、前年に比べて効率的になったかどうかよりも、何をやっているのかというところからまず始まったのが3ページ。それが第1番目。

〔冨田委員〕
   本質なんですよ。

〔黒川部会長〕
   だからこれは考え方なのです。しかも事業報告書というもののあり方でどういうものを説明するかということに関しての、形式的にそこから始まっているということなのです。先生が言っているように、わかりますよ。わかるけれどもそれはほかの情報を細かく見るということで、この事業報告書に全てを求めたらこんなページでは済まない。

〔土居委員〕
   ちょっとよろしいですか。

〔黒川部会長〕
   はい。土居委員。

〔土居委員〕
   このそもそもの議題は何なのかということをまずは考えた上でご議論いただきたいし、私も意見があるのでその時間をいただきたいのですけれども、資料2のガイドラインの本文のⅱページに、「平成30年○月○日にこの部会で了承を得た」と書いてあるわけですから、まずここで了承を得るという話を今議論しているという話ですよね。ですから制度の建付け云々というのはもう一段高い次元の話で、ここで議論すべきことはこのガイドラインを了承するかしないかということと、了承するならばその上でこのようなことに配慮していただきたいということを議論すべき話なのではないか。ですから配慮していただきたいということは、約束しろとか、そうでなければだめだ、それならばむしろ了承しないということでご意見をされるという形のほうがここで議論すべき話にマッチするのではないかと思うのです。

〔冨田委員〕
   いや、私は検討を約束してほしいと言っているのです。それはたしかにこの法人の本質にかかわる問題です。政策の実施機関とは何かということなのです。それを見失っていろいろな議論をするものだからきちんとした納税者のほうを向いた評価はできない。つまり行政コストを削減することができないのですよ。

〔土居委員〕
   よろしいですか。私の意見はまだ言っていないですけれども、ご趣旨はわかりますけれども、約束しろとかそういう議論をここでする場ではないのではないかと。

〔冨田委員〕
   検討してほしいということです。

〔土居委員〕
   だからご意見ですね。ご意見はご意見でいいと思いますけれども、それでほかの委員の方のご意見もという形の議論なのではないかと思います。

〔黒川部会長〕
   どのレベルでどういう内容を検討するかということは、今冨田委員のご発言の趣旨をまだ僕自身は完全に把握できていないですけれども、一応意見は承ったということで、すみません、引き取らせていただいて。では土居委員、ご意見どうぞ。

〔土居委員〕
   事業報告書のひな形を作っていただいて、これによって議論しやすくなったと思います。いいサンプルを作っていただいたなと思います。ガイドラインは私はここで了承していいのではないかと思うのですけれども、その上で1つ、参考資料
と参考資料の間の関係で私が重要だと思っているところに不整合があるのかなと思ったものですから意見を申し上げたいと思うのですけれども、標準的な様式ということで参考資料に新しい項目立てが書いてあって、私が重要視しているのは、3の政策体系における法人の位置づけ及び役割というところと、中期目標の中で参考資料の5ページには、(3)、政策実施体系というものが入っているのですが、参考資料には(3)がないというところについてはどのように整理されているのか、1つ質問としてお伺いしたいと思います。

   私は平成25年の独法改革に行政改革推進会議の委員としても関わらせていただいて、非常に重要な改革が成し遂げられたと。その成果を発揮するために今回この事業報告書の様式を変えるということは、重要な時期にこういうタイムリーな取り組みがなされたという意味で非常に評価しております。かつ、この平成25年の改革は、単に主務省の執行機関ということだけではなくて、経済学の用語で言うとプリンシパル・エージェント関係をはっきりすると。プリンシパルは国民であり主務省であると。そしてエージェントとしてちゃんとミッションを果たしているのかがより独法に問われる。だからこそ本当の意味で独立行政法人にならないといけない。かつ、今回のガイドライン及びサンプルとしての事業報告書の独法の長が与えられたミッションをどのように果たしているかを明確に説明することを盛り込んでいる点はこの改革の趣旨に非常に整合的になっていて、良い。

   その上で主務省との関係はどうなっているのかが問われる。その意味で参考資料の3ページで政策体系との対応関係を示していて、それは私としても重要な記述だと思いますし、特に5ページがわかりやすいなと思うのですけれども、結局どこの課と対応関係があって、かつ、今までは場合によっては独法の業務を説明してくださいと求めると、独法の担当者ないし長ではなくて、その担当課が説明するという。じゃあ独法は担当課と同じ組織なのか、それともプリンシパル・エージェント関係を明確にした上で、ある種1つ突き放したところで担当課がちゃんと監視をして、その執行を独法がしているといういい緊張関係があるのかが問われているということなので、じゃあどこの課とどの業務がどういう対応関係になっているかというのは5ページに記されていて非常にわかりやすくていいので、これはできれば参考資料の標準的な様式のところにも項目立てとして入れていただきたいのですが、どうなっているかというところをお伺いしたいと思います。

〔黒川部会長〕
   これは総務省と財務省の事務局どっちで答えますか。

〔神谷管理官〕
   先生がおっしゃるとおりこれがあったほうがわかりやすいと思うのですけれども、現状を独法でこういうものをきれいに整理して作れるところ、作れないところが実態としてございまして、現時点ではできるところは作ってくださいという取り扱いで例示として今回環境再生保全機構にこれを作っていただいて、標準的な様式には残念ながらちょっと追いついていないところがあるので入れていないのですが、先生のご趣旨はよくわかりますので、追ってできるように独法にはお願いしてまいりたいと思います。

〔黒川部会長〕
   よろしいですか。ありがとうございます。ほかに何かご意見ございますか。田近委員。

〔田近委員〕
   土居さんの今の確認ですけれども、要するに今日はこのガイドラインを我々の委員会で承認するかしないかというのも議題にかかっているわけですよね。それについては私もこれは、伺った限りいいアイデアだと思うのですけれども、先ほどから3ページが、独法の長が何を考えているのかを書くのは重要だということですけれども、この独法の長による自身の評価というのはどこになるのですか。今まで独法というと中期計画・中期目標がありますと。一方財務諸表がありますと。今回はその2つを意欲的につけて、しかも長の肉声を反映させたいと。これは考えですよね。そうすると質問の1つは、これはひな形なので中身は問いませんけれども、この年度の中で長による中期目標、中期計画、年度計画、それから財務に関するご自身の評価がどう出てくるかをどこに書くかということですよね。

〔黒川部会長〕
   わかりました。では事務局からお答えいたします。

〔新谷会計制度調査官〕
   独法の自己評価につきましては、この資料ですと23ページ、業務の成果と使用した資源との対比の中で、平成28年度の業務実績とその自己評価ということで独法による自己評価を記載しております。一方で25ページに主務大臣における過年度の総合評定の状況とありますが、独法の自己評価は間に合うのですが、主務大臣の総合評価はこれらの事業報告書が出てから評価され、間に合わないので、主務大臣の評価については1年前のもの、独法の自己評価は当該年度のものということで記載するようにしています。

〔田近委員〕
   あとご質問があるのは1点だけ。そうするとこのガイドライン自身は主務官庁が認める。要するにこれで提出していいですよというのは主務官庁の承認をもって行われるということですよね。

〔新谷会計制度調査官〕
   自己評価につきましては独法がまず自分で自己評価をして主務大臣に提出し、主務大臣の評価を受けますので、自己評価はまず独法が行った評価をそのまま記載して出していただく形になります。その結果どう評価するかというのは提出を受けた主務大臣がまた評価する形になります。

〔田近委員〕
   いずれにしても主務大臣の許可をもってこれが公開されるということですよね。独法が作って出すわけにいかないから、知りたかったのは、これはどこでオーソライズされるのかということ。

〔新谷会計制度調査官〕
   形式上は財務諸表を主務大臣に提出して、承認されて公表されるときにそのまま提出されますが、自己評価自体はそのまま公表されますので、場合によると主務大臣の評価では変更される可能性もある。一方、独法はこう考えていたというのが明らかになるという形になっております。

〔赤井委員〕
   関連で。

〔黒川部会長〕
   赤井委員。

〔赤井委員〕
   今と同じところで私も。23ページのところ、経済学とかやっていると会計の細かい手法とともに評価をどうするかというところが大事だと考えているのですけれども、まず報告書なので何をやりましたというのは大事だと思います。それに加えてこの評価でBとかAとか加えていますよね。これはこの記号だけで、これに加えて何か自分で評価していますという文章的なところを書く場所は今あるのでしょうか。

〔新谷会計制度調査官〕
   それにつきましては業務実績等報告書には記載があるのですが、そこまでこちらに記載してしまうと、業務実績等報告書は非常に厚いものですので事業報告書の一覧性がなくなってしまうということで、事業報告書上は評価の評点BとかAとか。

〔赤井委員〕
   この「詳細につきましては」というところで、実績等報告書にも同じような表があって、それぞれBというのがどういうものなのかというのが書かれているのですか。そこはリンクしているのですか。

〔新谷会計制度調査官〕
   そうですね。もっと詳細に書かれている形になります。提出期限は6月末で同じですので、単純にコピーしてしまうと、今もそうしている法人があるのですが、非常に厚いものになるので、評価のエッセンスの部分だけ事業報告書に書くことにしております。

〔赤井委員〕
   知りたかったのは、この表がそのまま、また同じように、Aは何、Bは何という細かいところが入っているという理解でよろしいですか。

〔新谷会計制度調査官〕
   そうですね。

〔赤井委員〕
   それで、細かくなるのでということですけれども、CとかDがあった場合もそれについての説明もそこに入っているという理解でよろしいですか。

〔新谷会計制度調査官〕
   はい、そうでございます。業務実績等報告書にございます。

〔赤井委員〕
   はい。じゃあそちらを見るということでいいですね。わかりました。

〔黒川部会長〕
   他にいかがでしょう。ご意見。

〔田近委員〕
   あともう一つ。

〔黒川部会長〕
   田近委員。

〔田近委員〕
   国立大学法人はどうなるのですか。

〔新谷会計制度調査官〕
   国立大学法人につきましてこれが自動的に適用されるわけではございませんので、国立大学法人の会計基準を審議するところで独法の動きを見て、今後検討してこれを行うかどうかということをやっていくことになると思います。

〔黒川部会長〕
   ありがとうございました。まだご意見等がある方がいらっしゃるかもしれませんけれども、次の議題もございますのでひとまずそちらに移らせていただいて、次の質疑応答のときに、また関連することもあると思いますのでご発言いただければと思います。

 それでは続きまして独立行政法人会計基準等の改訂について、事務局に説明をしていただきます。

〔坂本公会計室長〕
   それでは独立行政法人会計基準等の改訂についてご説明申し上げます。さまざまな資料がございますが、時間の関係もございます。お手元にペーパーでお配りしております資料3「独立行政法人会計基準の改訂について(案)」をご覧いただきたいと思います。

   まず1、会計基準改訂の経緯でございます。これは先ほど来ご説明申し上げておりますが、平成25年の独法改革についての閣議決定を踏まえて検討を行いまして、昨年9月に基本的な指針を策定していただいたところでございます。基本的な指針を踏まえて共同ワーキング・チームでご議論いただき、今回改訂案としてお示しし、ご了解をいただきたいということでございます。内容につきましては1ページの一番下のパラグラフ2、「会計基準改訂の背景」からでございます。(1)の財務諸表の役割と体系ということで、内容はⅱページからでございますけれども、趣旨としましてはⅱページの真ん中より下のところでございますが、今般新たに行政コスト計算書、そして純資産変動計算書を作成することといたしまして、独法の財務諸表の体系についてはⅱページの一番下でございますが、貸借対照表、行政コスト計算書、損益計算書、純資産変動計算書、キャッシュフロー計算書、利益処分または損失の処理に関する書類、そして附属明細書という体系に変更されるということでございます。

   ⅲページをご覧いただきますと、(2)、財務諸表の構成要素等でございます。基本的な指針の中では財務諸表の構成要素を資産、負債、純資産、行政コスト、費用、収益及び利益としております。特に新たに導入される行政コストにつきましては、損益計算書上の費用と損益外のその他行政コストを含めた、いわゆるフルコストとして位置づけたことなどを改訂の背景の2点目としております。

   続きまして同じページの(3)、退職等年金給付等の取り扱いをご覧いただきたいと思います。これについては被用者年金制度が平成2710月から一元化され、新たに民間の企業年金に相当する3階部分として退職等年金給付が創設されたということでございます。これを踏まえた会計基準の見直しでございます。退職等年金給付については現行基準上は直接の規定がなく、企業会計の基準を踏まえて会計処理をしてきたということですが、今回この見直しに合わせまして独法固有の会計処理として規定するということでございます。

   続きましてⅲページの一番下の(4)、税効果会計に関する取り扱いについては、企業会計基準で税効果会計に係る表示の区分に改正が、具体的には繰延税金資産に係るもの等でございますが、これを背景にする見直しでございます。

   続きましてⅳページの3、会計基準改訂の主な内容でございます。これは改正がない部分も含めまして章ごとに改めて整理しているということでございまして、今回の主な改正点につきましては、ページが飛びますがⅵページの第6章、行政コスト計算書のところからご説明申し上げたいと思います。

   この新たに設ける行政コスト計算書の様式につきましては、コストの発生源ごとに費用とその他行政コストに分類して表示することといたしました。その中で昨年の部会でご指摘をいただいておりました、従来の行政サービス実施コスト計算書は廃止いたしますが、その現行の行政サービス実施コストに相当する国民の負担に帰せられるコストの算定に必要となる自己収入ですとか機会費用などにつきましては、今回新設する行政コスト計算書の注記においても引き続き算定して記載していただくということで、情報提供を引き続き行っていただくこととしております。

   次に1つ飛びまして第8章、純資産変動計算書についてでございますが、これは独立行政法人の財政状況・運営状況の関係を表すものとして企業会計における株主資本等変動計算書などを参考にしながら新たに作成することとしております。

   続きましてⅶページでございます。下の方でございますが、第12章、独立行政法人固有の会計処理についてでございます。項目としてはから3つ挙げてございますが、1つは特定資産に係る費用相当額の会計処理についてでございます。現行の制度では特定償却資産、これは独立行政法人が保有する償却資産のうち、その原価に対応すべき収益の獲得が予定されないものとして主務省令で特定された資産でございますが、これは具体的には現物出資された施設などで、この施設などに係る減価償却費について、損益計算上の費用には計上しないで資本剰余金を減額するという扱いが現在されております。

   これに対しまして、今回検討の中で、法人からヒアリング、アンケートを取った際に複数の法人から、現物出資された資産には償却資産以外にも特定償却資産に類似するものがあるというご指摘がございました。例えば、現物出資された棚卸資産、これはロケットなどの例を挙げられておりますが、これは打ち上げてしまうと費用になる一方でそれに対応する収益がございませんので、その費用分が繰越欠損として残り続けることになってしまう。こういった資産については特定償却資産と同等の取り扱いをしてもよいのではないかということで、今回いずれについても読めるように特定資産に係る費用相当額の会計処理ということで、定義というか対象範囲を変更しているところでございます。具体的な資産の範囲については今後主務省令の定め等の手続きが必要になるということでございます。

   次にⅷページをご覧いただきたいと思います。2点目が賞与引当金と退職給付引当金に係る会計処理についてでございます。従来の扱いとしましては、財源が運営費交付金により行われることが中期計画等で明らかにされている場合については引当外で処理していたものですが、昨年策定しました基本的な指針においてその考え方を変更しております。これを受けた改正を行うものでございます。

   その内容としましては、賞与や退職一時金等に充てる財源が運営費交付金により行われることが中期計画等で明らかにされている場合には扱いを変更しまして、引当金を負債に計上するとともに引当金に対応する引当金見返を資産に計上するとしております。その際の損益計算書上の処理方法としては、引当金の計上に伴う引当金繰入、これを損益計算書上の費用に計上いたします。他方でその見返りに係る収益について損益計算書上の収益に計上する扱いにしまして損益が均衡するようにするということでございます。

   この退職一時金等について、その財源を運営費交付金によっている法人については引当金を計上しないという現行の会計処理は変更されることになりますけれども、見積額の計算方法ですとか財源措置の取り扱い自体に変更が生じるものではございません。

   これに関連して退職給付引当金等については、今ご説明したように第12章、独立行政法人固有の会計処理の部分に記載しておりますけれども、その前提となる引当ての概念についても改正しておりますので、若干資料に触れさせていただきたいと思います。

   別の資料になりますが、資料5、お手元にお配りしております分厚い新旧対照表、3段表の形になっておりますけれども、そこの12ページをおめくりいただきたいと存じます。現行の扱いについてはその左側、第17の2項に書いております。これは先ほど具体例で申し上げましたが、中期計画等に照らして財源が措置されていると明らかに見込まれる将来の支出については引当金に計上しないという扱いになっていたのですが、そこが、右側の真ん中の改訂案の2項をご覧いただきますと、法令上客観的に財源が措置されていると明らかに見込まれる引当金に見合う将来の収入については引当金を計上するとともにその引当金見返を計上するといった扱いに変更するということでございます。

   先ほどの資料に戻っていただきたいと思います。資料3でございます。ⅷページの下のほう、でございますが、退職等年金給付関係の会計処理でございます。これについては、先ほどご説明申し上げました、これについて改めて記載しておりまして、従来は企業会計におけるルールを適用して会計処理をしていたところを、今回拠出時に費用として認識し、特別な引当金を計上しない形で会計処理を明示するということでございます。

   次にⅸページになります。真ん中より下の部分でございますが(2)、固定資産の減損に係る部分でございます。これにつきましては、基本的には会計基準等の改訂を踏まえた改訂を行うこととしております。「また」のところでございますが、独立行政法人が中期計画等で想定した業務運営を行ったにもかかわらず減損額が生じた場合には、現行ではP/Lを通さずに資産見返負債を減額する扱いをしておりましたが、新設する行政コスト計算書がフルコスト情報の提供源となること等を踏まえまして、この当該減損額を臨時損失として計上するとともに、資産見返負債を臨時収益に振り替えることとして、全体として損益に影響させず、行政コストとして計上する取り扱いに変更するものでございます。

   ⅹページでございますが、5の適用時期でございます。適用時期につきましては、法人にも確認した上で平成31事業年度から適用することを考えております。

   最後に6の今後の課題につきましては、今後の独法を取り巻く環境の変化、あるいは新しい事業報告書の実務等を踏まえまして必要に応じて見直すこととしております。また連結財務諸表につきましては、今後の独立行政法人による出資の状況を注視しながら見直しについて検討していくこととしております。

   会計基準改訂のご説明は以上でございます。

〔黒川部会長〕
   ありがとうございました。それではただいまの事務局からのご説明についてご意見・ご質問等ございましたらご発言をお願いいたします。なお、先ほど積み残しとなったご意見も、どうぞご発言いただきたいと思います。いかがでございましょう。土居委員。

〔土居委員〕
   最初に独法会計基準を作ったときの経緯を若干私も承知していて、3表方式と言いましょうか、これを今回4表に直したと。これは国の財務処理もそうですし、ほかの類似の会計基準もそうだということですけれども、今回この議論をされていて、これは部会長にご質問という感じになるのかもしれませんが、整理というか、3表を4表にすることについてどういう議論があったかご紹介いただけますか。

〔黒川部会長〕
   わかりました。初めに私の感想めいたものでお話ししたのですけれども、損益計算書というものの損益がそもそもあるのかないのかという議論もありますし、独法というものは、コストの方はあるかもしれないけれども成果は財務的な成果ではないかもしれないということもございます。そこでフルコストというものをどのように、まずコストの方をどのくらいきちんと把握するのかという点と、今、損益計算書という名前になってしまっているわけですけれども、これを国民目線で見た場合に、これが成果なのかという、ここの問題があったということで今回はコストはきちんと測定しましょうと。それから成果というものは、先ほど議論が出ていますけれども一応これは独立行政法人の財務的な成果みたいなものを、繰り越しを認めるとか認めないとか、剰余金との関係がありますね。これは規定されているので、そこで損益計算書上の、とりあえず今差額が出ていますけれども、これを利益と呼べるのかどうかも議論されましたけれども、一応この剰余というものの規定はあるのでそれは損益計算書で見ましょう、しかしアウトカムとぶつけるほうのコストはフルコストで見ましょう、こういうことで4表にして、今までその辺が1つにまとまっていたのですがそれを明確に分けたということです。冨田委員。

〔冨田委員〕
   今のご趣旨はそのとおりだと思うのですけれども、そうだとすると例えばキャッシュフロー計算書で、さっき申し上げた補助金等収入というのは、結局は国がこの法人のその作業を買ってくれているわけですね。それはまさに行政コストなわけですよ。普通補助金というと国民に届けられるお金、あるいは事業者に届けられるお金なのだけれども、今言われたように行政コスト計算書というものがちゃんと位置づけられるようになったらこういう用語も、少なくとも注を入れるとか、より実態的なものにしないと、何かフィクションとして独立した法人だということでずっといこうとしているのだけれども、実態はやっぱり行政サービスをより効率的に供給する法人なわけですね。それに合ったような用語にしていく方が国民の理解を得やすいのではないかということを僕はずっと言っているわけです。

〔黒川部会長〕
   わかりました。ちょうどいいタイミングだったので、ありがとうございます。先ほどの答えを、4つぐらいあったのを1つしか答えなかったので。この環境再生保全機構の事業報告書のひな形の39ページ、我々会計学の方からすると、こういう科目に対する説明がくっついていて、それを見ればわかるよねという形になっています。39ページに「補助金等収益等」と書いてあって、その説明が国・地方からの補助金だと。要するに一般から国がもらったのではなくて、国・地方自治体等からここに来ているのだということが一応わかるようにはしている。冨田委員の趣旨はわかりましたけれども、約束できるかどうかっていうのを聞いてびっくりしちゃったのは、SNAの科目体系にというのはちょっと無理で、やっぱりこれは会計学上の概念で基準は作られていますし、言葉遣いも作られている。それはどうしてかと言うと、会計はエンティティーを決めます。そのエンティティーに対してどういうものが入ってくるか出ていくかということを考えますので、ここはこの組織に対してどこから入ってきた補助金なのかという科目でいかざるを得ない。それで、それについて国なのか地方自治体なのかということは注記で、科目の説明で見てくださいと、こういうことでご理解いただきたいということでございます。

〔冨田委員〕
   いや、ごめんなさい。何回も。私、それもわかった上で申し上げているつもりです。結局、事業報告として理解を得ることが目的なわけですから、みんなの理解を得るためにはそういうものはもっと明示的にしないと。市場価値を生まないものを市場価値を生む民間企業と同じように、結局そういうフィクションで成り立っているわけです。そうするとターミノロジーまで意味をよく考えないとわからなくなって、後ろに書いてありますとか言われても、これはやっぱりなかなか難しい問題なのですよ。だからより本質的な問題として。

〔黒川部会長〕
   事業報告書のそこのところの科目名については、財務諸表上の科目として、さっきも言った概念上の会計のエンティティーから議論しなくてはいけませんし、会計情報はどのように作られているのかからご説明しなくてはいけないのかもしれませんけれども、一応この財務諸表に関連している科目については、逆に言うと別の科目名を持ってこられるとわかりにくくなる可能性がある。要するに財務諸表上の科目については我々として共通の知識があるという前提ではあるんですね。

〔冨田委員〕
   それは繰り返しますけれども、市場価値を生み出す経済活動についての評価はそうですよ。だけどこの再生保全機構はそうではないですね。それをやっぱり明確に考えないと、ずっとこれの問題は起こりますよね。もっと言えば、この法人の行っている業務自体の誤解まで生んでしまうわけですよ。

〔黒川部会長〕
   わかりますけれども、また、この場は、今日のところはガイドラインと、それから基準というものについて。

〔冨田委員〕
   ガイドラインだからこそ大事なんですよ。くどいようだけれども。

〔黒川部会長〕
   ちょっと議論が。土居委員、助けてください。

〔土居委員〕
   別に私はそんな大それた役目を果たせる人間ではないのですが、少なくとも冨田委員がおっしゃるように、結局、今も改訂後も、損益計算書の最後の収支のところで出てくる用語は当期純利益という言葉になっていて、冨田委員のご懸念は私も極めて同感なのですけれども、むしろ逆に世の中を変えるという意味においては、独法の損益計算書で当期純利益と書いてあることを、これが赤字だったり、利益が多く上がっているということでもって独法が悪く稼いでいるみたいに解釈する人は行政や会計についての知識がない人だと、とんちんかんなことを言っている人だと世の中で評されるようなぐらいに、もっときちんと独法のあり方とか仕組みだとか、利益という言葉が惹起するイメージを民間企業は民間企業、公的機関は公的機関ときちんと使い分けられるようなリテラシーがないと、そんなことをどこかの記事で書いたりとか、そういう報じ方をする方がむしろ間違っているのだと理解して、今はひとまずこの用語法でいって、だけどその用語法の裏にある意味は民間と公的機関では違うのだという認識を広めていく方にもっと注力するということでいかがでしょうか。

〔黒川部会長〕
   事務局の説明でも、通則法との関係でこの言葉を残さざるを得なかったと言っていただきますが、苦渋のことなのです。

〔新谷会計制度調査官〕
   確かに損益計算というのは一体どういうことだというご意見もあると思うのですが、独法通則法上で損益計算書に基づいてということが法律上出てきてしまっておりまして、いろいろ独法制度そのものの枠組みの中でできるだけわかりやすくしようというので今回いろいろ見直したのがガイドラインと会計基準でございまして、確かに独法もいろいろ種類がございますので、単純に国から切り出されたような法人でかえってわかりにくい法人もあるのかもしれませんが、独法全体で最大公約数的にはできるところを改善しようとしているのが今回のガイドラインと会計基準の改訂だということでございます。

〔黒川部会長〕
   次長。

〔神田主計局次長〕
   各概念には、それぞれの目的があるところ、今、新谷さんが言ったのも1つですが、私が何でこれでいいのかなと思ったのは、今世の中というのが非常に垣根が低くなっていて、例えばNGOでも、日本の草の根ODAみたいに国のお金をもらって、同じように行政サービスをやっているのがある。また冨田さんがおっしゃったとおり、アウトソースの整理は難しいですね、古典的な官と民の
ダイコトミーで言うと。実際には刑務所や空港のPFIなども含めて、独法とそういった民間会社がやっていることとどう違うのか。独法の中にも、極端に言えばトンネルのように単に右から左へ資金がいくようにみえる中で、間に多少民間的なもの、市場原理が入ったら効率的になるからやっているものもありますし、公的サービスのファイナンスにおいて国のリソースというものがワンオブゼムになりつつあるようなものもあります。

   そうすると本当に効率性を見る、あるいはオーディエンスの中にあらゆる組織形態、先ほど部会長がエンティティーとおっしゃいましたけれども、非常に複雑でハイブリッドな組織形態が増えている中で、それをユニバーサルに見られるような概念枠組みとして、おそらくこの会計学の世界が鍛えられてきた、人口に膾炙して、しかも国際的に評価・比較可能なものにのっとるというのは非常に効率的であるし、説明責任にもたてやすいというメリットがあるわけです。ただ、それで見過ごすところがあるのはおそらく別の文書で、冨田先生たちがアドレスされているものをしっかりと捕捉していくのだろうということだと思います。

   もう一つは独法の中にもご存知のとおり市場調達をしているところがあって、我々はどちらかというと、先ほど田近先生が言った国立大学もそうですけれども、運営費交付金だけに頼るなと、自分で稼げというのを、税金を削るためというよりはしっかりと自分たちでよい業務をやる、それを効率的にやるインセンティブとして、また、海外のように魅力のある大学は民間資金や競争的資金を獲得して財源を強化すべきだとしてどんどん推し進めようとしています。そうした中で国以外の資金提供者が比較可能な形で見られるようなものを、つまりそれはおそらく非常に伝統的なP/Lなのだと思います。P/L自身も先生方のお力ですごく進化してきておりますけれども、最先端のP/Lに親和性のあるものをこういったところで出すというのには意義があるのだろうと考えております。したがって、お考えを否定するわけではないですけれども、この文書の性格として極めてコンベンショナルなP/Lという概念・枠組みを引用することには意義があるというのが私の考えです。

〔冨田委員〕
   1点だけ。くどくてごめんなさい。さっき申し上げたのですけれども、SNA統計で一般政府の機関を見た場合に、財政支出というか機能的な分類をいたしまして、政府の最終消費か、あるいは先生がさっき言われた国立大学の授業料もそうなのだけれども、コンサンプションと見るか、ここで言っているようなトランスファー、賠償とか補償の給付とかいうもので支出を見ているわけです。だからそれも当然国際比較が可能であってね。だからいろいろ申し上げているのは、ここでせっかく事業報告というものを出すのであったら、そういう形でもウイングを広げないと何をやっているところかわからないですよね。あくまで前提として、フィクションとして政府の仕事を請け負っているのだけれども、それは民間会計基準に準拠して財務書類を作っていますよというので言っていると説明できない部分がたくさんあるのですよ。それはやっぱり法人の長のメッセージだってそうなってしまうのですよ。だから何をやっているところかということは明確にしないと。独法はずっとできたのだけれども、その間にできたことというのはあの3つの法人に分類したことですよ。業務の内容があまりにも違い過ぎる。同じものを一括りにして独立した行政法人という、なかなか理解しにくいものになっていて、今だって運営費交付金が1兆円も出ているし、補助金が1兆円出ているわけですよね。そういうものについて中期計画の期間がなかなか予算査定できないとなったら非常にこれは難しい問題ですよ。だからずっと申し上げているわけでしてね。今日はこの事業報告という良い機会なので申し上げました。

〔黒川部会長〕
   わかりました。先生すみません。僕はタイムキーパーも。

〔冨田委員〕
   ごめん、ごめん。

〔黒川部会長〕
   いつもお聞きしているし私も同感です。ただこの部会は公会計部会なのでちょっとお許しいただいて、今、民間準拠ではないようにしてきているのですよ。

〔冨田委員〕
   それはそうです。

〔黒川部会長〕
   しかし損益計算書をやめるということになると、さっき事務局からも言ったように通則法改正の問題になってしまっていて、そこまでは我々ワーキングでは、できないですよね。通則法の改正をしなければならなくなる。言葉遣いも決まってしまっている。だからさっきも剰余という言い方をしたのだけれども、損益計算書を残さざるを得ない。あるいは当期純利益の概念が決まってしまっているので、それはさっき言った別の目的で使う。それでもう1回言いますけれども独法自体の本来のものはやっぱり独法に付託されているサービスというものをどれだけ国民に提供するか、これは冨田先生がおっしゃるとおりですよね。でも、それをできるだけ効率的にということでコストを計算する。それはフルコスト計算書でやりましょうというわけで、損益計算書から切り離そう、そして明確にしようという、今回、非常に苦心の策なのですね。法律を改正することができないという前提になってしまっていますから。そこでご理解いただきたい。ですから民間準拠ではない。今までよりはもっともっと冨田先生のご趣旨に沿うような趣旨で改正しました。

〔冨田委員〕
   だんだんですね。

〔神田主計局次長〕
   根本的にはこの線上でやるのは無理ですよ。もっと言えば独立行政法人という概念自体にチャレンジする話になるので。

〔黒川部会長〕
   それではほんとうにタイムキーパーで申しわけないのですけれども、もう一つ議題があるので、とりあえず本日、独立行政法人の事業報告に関するガイドライン及び独立行政法人会計基準等の改訂の2件につきまして、8月31日に開催されました総務省独立行政法人評価制度委員会会計基準等部会において議決されている、この2題について当部会として了承していただくことになるとこの先進むのです。そこで当部会として議題1と議題2についてご了承いただけますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔黒川部会長〕
   ありがとうございます。それではご異議がないようですので先ほど報告いたしましたように、総務省の独立行政法人評価制度委員会公会計基準等部会では議決されているので、当部会の議決をもって両部会決定とさせていただきます。

   それでは続きまして3つ目の独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書に係る論点の整理について事務局に説明をしていただきます。

〔坂本公会計室長〕
   それでは、これはパソコンに格納されている資料です。フォルダを開いていただいて資料8というPDFが入っております。

   これは趣旨としましては、先ほど2件についてご了解いただきましたが、それを踏まえて今後総務省さんとの共同ワーキング・チームについてどのような進め方をするかということに関連するものでございます。今回事業報告書について非財務情報を多く取り入れた、あるいはガイドラインの中で事業報告書にプラットフォームの機能を持たせることで事業報告書等に記載される情報の範囲が広がっていくということでございます。それに伴いまして独立行政法人の監査基準についてどのような論点があるか、それについてどう整理していくかといったことについて今後秋以降、引き続きワーキング・チームの中でご議論いただいてはどうかという論点を4つ挙げております。ポイントは先ほど申し上げたような事業報告書等の対象範囲が広がることに伴って、どのような問題があって、それをどう整理するかといったようなことでございます。手短でございますが以上でございます。

〔黒川部会長〕
   それではただいまの事務局からの説明についてご意見・ご質問等ございましたらご発言をお願いいたします。土居委員。

〔土居委員〕
   基本的にこれをご検討いただくということでいいと思います。その上で1点お願いということで申し上げたいと思うのですけれども、私も先ほど申し上げたように行政改革推進会議で平成25年の独法改革について議論させていただいたところで、会社法の監査役を強く意識しながら、独法でもしっかり監査の役割を強化してはどうかということで、それなりに趣旨は入ったのですが、あまり制度的にといいましょうか、資格がある方が、どなたが監査をされても、その独法でしっかり監査が執行役を牽制する効果を発揮するというところまでは、私の認識ではちょっとまだ現時点では担保されていない状況なのではないかと思います。そういう意味では監査の独立性を見直しの中でも強く意識してご議論いただいて、ものを言う監査役というか監事という具合にしっかり執行役を牽制する機能が発揮できるような監査のガイドラインを作っていただくことを期待したいと思います。

〔黒川部会長〕
   承りました。大変貴重なご意見をいただいたと思います。ありがとうございました。他にご質問等、ございますでしょうか。

   それでは、独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書につきましては、事務局から説明があったように総務省独立行政法人評価制度委員会公会計基準等部会と当部会のもとに設置している共同ワーキング・チームにおいて引き続き検討することでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔黒川部会長〕
   ありがとうございます。ご異議がないようですので、独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書につきましては、共同ワーキング・チームにおいて引き続き検討させていただきます。共同ワーキング・チームの構成員につきましては参考資料
「共同ワーキング・チーム構成員名簿」のとおりですが、秋山委員、鵜川委員及び橋本委員におかれましては引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。

   以上をもちまして本日予定しておりました議題はすべて終了いたしました。最後に事務局からご連絡事項をお伝えいたします。

〔坂本公会計室長〕
   次回の部会については1月を予定しております。また近くなりましたら事務局から日程調整のご連絡を申し上げますのでご協力のほどお願いいたします。なお本日の資料につきましては、お手元にお配りしている資料を含め後日郵送させていただきます。大部ですのでそのまま机の上に置いてお帰りいただいて結構でございます。もちろんお持ちいただいても構いません。

   なお時間の関係上、午後からすぐ別の会議が予定されておりますので、大変恐縮でございますが早目にご退席いただければと存じます。よろしくお願いします。以上です。

〔黒川部会長〕
   それでは本日はこれにて終了させていただきます。ありがとうございました。

 

 
午前12時03分閉会