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財政制度等審議会 財政制度分科会
法制・公会計部会
議事録

平成30年1月24日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 法制・公会計部会
議事次第

平成30年1月24日(水)14:00~16:19

財務省第1会議室

1.開会

 

2.議題

  • ○ 平成28年度「国の財務書類」等について

  • ○ 「個別事業のフルコスト情報の開示」について

 

3.閉会


配付資料

資料1法制・公会計部会 委員名簿
資料2平成28年度「国の財務書類」
 参考資料2-①平成28年度「国の財務書類」のポイント
 参考資料2-②平成28年度「国の財務書類」の骨子
 参考資料2-③「国の財務書類」ガイドブック
 参考資料2-④国の財務書類等の財務諸表(4表)一覧
資料3個別事業のフルコスト情報の開示について
 参考資料3平成28年度個別事業のフルコスト情報の開示(ダイジェスト版)

4.出席者

部会長
委員

臨時委員

黒川 行治
赤井 伸郎
土居 丈朗
秋山 修一郎
木村 琢麿
田近 栄治
冨田 俊基
橋本 尚

           青木総務課長
           奥法規課長
           関口調査課長
           坂本公会計室長
           新谷会計制度調査官
              山嵜課長補佐
           髙橋課長補佐

午後2時00分開会

〔黒川部会長〕
 ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会を開催いたします。皆様におかれましては、ご多用のところ、ご出席いただきましてありがとうございます。
 当法制・公会計部会の所属委員と本日の出席状況、そして資料の確認を事務局からお願いいたします。
 坂本室長、お願いします。
〔坂本公会計室長〕
 坂本でございます。よろしくお願い申し上げます。
 まず、お手元のパソコンの資料にございますけれども、資料1の法制・公会計部会委員名簿をご覧いただければと存じます。前回までご出席賜りました井上委員におかれましては、ご都合によりましてご退任されました。新たに秋山委員に加わっていただくこととなりました。秋山先生、よろしくお願い申し上げます。
〔黒川部会長〕
 何か一言ございますか。どうぞ。
〔秋山委員〕
 日本公認会計士協会で一昨年より公会計担当常務理事をさせていただいております秋山と申します。現業は新日本監査法人のパブリック部門で公的機関の監査等を担当させていただいています。どうぞよろしくお願いします。
〔黒川部会長〕
 よろしくお願いします。
〔坂本公会計室長〕
 また、本日は、藤谷委員、井堀委員、鵜川委員、清水委員、長谷部委員はご欠席となっております。なお、田近委員におかれましては、都合により途中で席を外される予定と伺っております。また、木村委員は遅れてご出席の予定と伺っております。
 次に資料でございますが、今回から資料をペーパーレス化しております。会場の両側のスクリーンをご覧いただきますか、お手元のパソコン端末をご参照いただければと存じます。基本的には資料の名前の入ったアイコンをクリックしていただければ、PDFファイルが開くという形になっております。
 それでは、お手元のパソコンで、早速議事次第というファイルをご覧いただければと存じます。
 配付資料につきましては、2ポツのとおりでございます。記載の資料名のファイルがパソコンに入っております。
 また、会議の参考資料といたしまして、これもパソコンに入っておりますが、平成28年度の特別会計財務書類、省庁別財務書類、政策別コスト情報、「個別事業のフルコスト情報の開示」、また、本日ご欠席の清水委員よりご提出いただいた意見書、その意見書に関連して、平成26年度「国の財務書類のポイント」の中で「一般会計における基礎的財政収支と超過費用」に係る資料を抜粋したもののデータを入れております。
 なお、参考資料2-①、平成28年度「国の財務書類のポイント」、参考資料3、「個別事業のフルコスト情報の開示」(ダイジェスト版)、そして、今申しました清水委員よりご提出いただいた意見書、それに関連する資料につきましては、あわせまして、お手元に印刷した資料をご用意しております。必要に応じてそちらをご覧いただければと存じます。
 なお、参考資料3、フルコスト情報の開示(ダイジェスト版)につきましては、会議の終了後、回収させていただきます。
 関連資料の紹介は以上でございます。
〔黒川部会長〕
 ありがとうございました。
 それでは、部会の進行についてご説明いたします。本日の部会では、平成28年度「国の財務書類」等について、及び「個別事業のフルコスト情報の開示」についての2つを議題といたします。それぞれの議題について、事務局からの説明と、それについての質疑応答を行う形で進めさせていただきます。
 では、議事に入る前に、総務課長からご挨拶がございます。
 青木総務課長、どうぞよろしくお願いします。
〔青木総務課長〕
 本日はお忙しい中ご出席を賜りまして、まことにありがとうございます。
 本日ご議論いただきます「国の財務書類」につきましては、平成15年度決算分から作成・公表いたしておりまして、以来、国全体のストックあるいはフローの情報などを提供してまいりました。この間、法制・公会計部会の先生方のご指導をいただきながら、「ストック及びフローの推移」でございますとか、「国の資産をどう見るか」など、パンフレットの記載内容の充実を行ってまいりました。この機会に厚く御礼を申し上げます。
 また、「個別事業のフルコスト情報の開示」の取り組みについては、政策別コスト情報の改善を図るため、平成26年度決算分から試行的に行っております。本取り組みも試行3年目を迎えまして、各省庁の事務負担にも配慮しつつ、算定事業数や単位当たりコストの表示数を増やすなど、さらなる充実に向けて各省庁と連携してきたところでございます。今後とも各省庁と調整をしながら、開示並びにその利活用の充実を図ってまいりたいと考えております。
 法制・公会計部会の先生方には、引き続きご指導をよろしくお願い申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。
〔黒川部会長〕
 ありがとうございました。
 それでは、初めの議題の「国の財務書類」等について、事務局から説明をしていただきます。よろしくお願いいたします。
〔坂本公会計室長〕
 それでは、お手元と申しますか、パソコンに入っております参考資料2-①、青い表紙でございますが、「平成28年度『国の財務書類』のポイント」に即してご説明申し上げたいと思います。お手元のパソコンのファイルをお開きいただければ、あるいはお手元の冊子をご覧いただければと存じます。
 まず、目次をご覧いただければと存じます。基本的に、全体の構成は例年と同様ということでございます。なお、目次の部分の変更点でございますが、昨年の部会での井上先生の意見を踏まえまして、目次に7ポツ、「国の財務書類の構成」というのを入れているところが変更点でございます。
 それでは、1ページをお開きください。ここでは平成28年度「国の財務書類」(合算)の概要をご説明しております。最初に上段の貸借対照表に即して、ストックの変化についてご説明申し上げます。
 まず左側、資産の部でございますが、現金・預金が翌年度の国債の償還のために発行する前倒債の発行額の増加により3.0兆円増加しております。飛びますが、運用寄託金につきましては保険料率の引き上げ等により厚生年金保険料が増加したこと等により2.5兆円の増加となっております。他方、少し戻りますが、2番目ですが、有価証券につきましては、外貨資産の運用や為替相場の変動等によりまして4.9兆円減少しております。これらの結果として、下の水色の枠内にございますように、資産合計が前年度より0.4兆円増加、ほぼ横ばいということでございますが、672.7兆円となっております。
 次に、貸借対照表の右側、負債の部でございますが、上から2番目の政府短期証券が、外為特会において償還実績額が発行実績額を上回ったことなどにより1.7兆円減少いたしました。上から3番目の公債につきましては25.8兆円の増加となっております。また、公的年金預り金につきましては、左側の運用寄託金が増加したことなどによりまして、2.9兆円増加いたしました。これらの結果、負債全体といたしましては、右側下のほうの薄いピンク色の箇所、負債合計でございますが、前年度より28.5兆円増加して、1,221.6兆円となりました。
 これらの資産・負債の変化の結果、同じ表の濃いピンクのところでございますが、資産・負債差額につきましては548.9兆円のマイナスとなっております。前年度と比較して28.1兆円の悪化となっております。
 続きまして、下の段でございますが、業務費用計算書、資産・負債差額増減計算書についてでございます。
 まず、左側の28年度の業務費用につきましては、上から2段目、社会保障給付費が、受給者の増加による基礎年金給付費の増加などにより0.7兆円増加いたしました。
 次に、上から3段目の補助金・交付金等につきましては、社会保障関係の交付金、具体的には協会けんぽでございますが、これに対する保険料等交付金が、被保険者数が増加したこと、あるいは平成27年10月に被用者年金制度が一元化されましたが、これに伴う国家公務員共済組合連合会等交付金の平年度化による増加がございました。この平年度化による影響が2.4兆円ございます。こうした要因などによりまして、全体としては2.5兆円増加して、50.9兆円となっております。
 他方で、支払利息につきましては、平均金利の低下により0.9兆円減少しておりまして、これらの結果として、左下のピンクに着色しているところでございますが、業務費用の合計につきましては、前年度に比べて1.2兆円増加して、144.5兆円となっております。
 次に、その右側の資産・負債差額増減計算書でございますが、一番上のオレンジ色の枠内に前年度の資産・負債差額、その下に本年度、28年度における変動要因を列記いたしまして、一番下でございますが、濃いピンクの枠内にそれらを足し算した結果として、今回の資産・負債差額をお示しする形になっております。
 表の上から2段目の薄いピンク色の部分につきましては、左側の先ほどの表で算出しました業務費用の額をそのまま記載しております。その下の水色の枠内で囲んだ箇所、財源をお示ししております。平成28年度は、その中の白い部分ですが、一番上の租税等収入が、法人税や消費税等の税収の減少によりまして、1.0兆円減の59.0兆円となりました。2番目の社会保険料につきましては、厚生年金保険料の保険料率の引き上げ、あるいは先ほどご説明した国家公務員共済組合連合会等交付金と同様に、連合会等からの拠出金収入が平年度化したことなどによりまして3.7兆円増加して、55.4兆円となっております。財源全体としては2.8兆円の増、124.4兆円となっております。
 その下の緑色の枠内につきましては、業務費用と財源の差額である超過費用をお示ししております。平成28年度はマイナス20.1兆円でございまして、前年度より1.6兆円改善しております。さらに、その下には、左側に縦で「上記以外」と書いております項目がございます。これらは超過費用以外に資産・負債差額の変動要因として算入される要素でございます。
 まず、1番目の資産・評価差額は、有価証券等の資産の価値の変動を示すものでございますが、これは出資先法人、例えば全国健康保険協会でございますが、純資産額の増加に伴う評価増が生じた一方で、例えば外貨証券や日本たばこの株式など、時価評価に伴う評価減が生じておりまして、全体としてはマイナス2.2兆円ということになっております。
 次に、為替相場の変動による評価額の変動を示す為替換算差額でございますが、これはドルが27年度末に比べて3円、円高に振れたということもございまして、マイナス4.3兆円となりました。さらに、その下ですが、公的年金預り金の変動に伴う増減につきましては、年金給付財源が増加したことに伴い、見合いの負債が増加したため、マイナス2.9兆円となりました。
 これらを全て合算した結果、一番下の濃いピンク色で着色している枠内にございますように、今回の資産・負債差額はマイナス548.9兆円となりました。
 以上が1ページの全体の概要についてのご説明でございます。
 続きまして、ページをおめくりいただきまして、3ページをご覧いただければと存じます。3ページから6ページにかけましては、平成28年度のストックとフローの各科目の前年度からの変動状況を分析・記述しております。
 まず3ページをご覧いただければと存じます。ストックのうち資産について、前年度と比較したものでございます。先ほどの説明と重なる部分がございますけれども、上の段の灰色の囲みの説明に即してご説明申し上げます。
 まず、資産全体としては、対前年度比0.4兆円増の672.7兆円となっております。主な増減要因としては、まず現金・預金でございますけれども、マイナス金利が続いていることから、国債整理基金特会などにおきまして、日銀現先による運用を引き続き行っていないということ、また、国債の発行収入金額が上振れたこと等から、前倒債の発行額が前年度より2.9兆円増加したことなどから、対前年度比3.0兆円増の55.2兆円となっております。
 次に、有価証券でございますが、外国為替資金特会における外貨資産の運用、為替相場の変動などがございましたこと、NTT株5,900万株の売却などがございまして、全体として4.9兆円減の119.9兆円となっております。
 次に、運用寄託金でございますが、保険料率の引き上げ等により厚生年金保険料が増加したことなどによって、GPIFに対する運用寄託が増加したことなどから、2.5兆円増の109.1兆円となっております。
 その他でございますが、主に前払費用についてでございます。東日本大震災関係の東京電力への資金援助等のため、原子力損害賠償・廃炉等支援機構に対しまして国債を交付しております。これは全体で9兆円ございますけれども、その中で28年度に1.1兆円償還されております。機構において現金化されたということでございますが、このため、この前払費用が1.1兆円減少しております。
 次に、4ページをご覧いただければと存じます。負債の部についての分析でございます。
 まず、政府短期証券でございますが、外国為替資金特会におきまして償還実績が発行実績を上回ったということでございますけれども、財政融資資金預託を払い戻して政府短期証券及び国庫余裕金繰替金の償還に充当したことなどから、前年度から1.7兆円減の84.7兆円となりました。
 次に公債でございますが、建設国債が3.7兆円の増、特例国債が24.2兆円の増、財投債は0.1兆円増の一方で、復興債が0.3兆円減、先ほど申した原賠機構への交付国債が1.1兆円減少したことなどによりまして、全体としては25.8兆円増の943.3兆円となっております。
 なお、灰色の囲みの下のグラフのところでございますが、そこの右に政府短期証券以下から吹き出しで説明を書いておりますが、本年度からその公債の吹き出しの下に、点線で囲んだ説明を入れております。参考ということでございます。これは、日銀の資金循環統計の情報を引っ張ってきたものですが、平成28年度末の政府短期証券及び公債の保有者内訳について紹介させていただいております。内訳としては、中央銀行が40%弱で、最も多くなっているといったことを紹介させていただいております。
 またもとに戻りまして、借入金につきましては、先ほども申した原賠機構に対する交付国債の一部償還の財源を民間金融機関から借り入れたということによりまして、0.9兆円増の30.8兆円となっております。
 その下の最後に、公的年金預り金につきましては、先ほど来申しております運用寄託金の増加などによりまして、全体として2.9兆円増の118.8兆円となっております。
 全体としては、負債合計が対前年度比28.5兆円増の1,221.6兆円となっております。
 続きまして、おめくりいただきまして、5ページをご覧いただければと思います。フローの状況についてご説明申し上げます。
 まず、5ページの費用の部でございますが、これも灰色の囲みの中の記述に即してご説明申し上げます。
 まず、社会保障費につきましては、受給者数の増加等によりまして基礎年金給付費が増加しております。これによりまして、全体として0.7兆円増加して、48.3兆円となっております。なお、下のグラフにも記載させていただいておりますが、ピンク色で着色した社会保障給付費のほかに、黄色で着色した補助金・交付金の枠内に破線で示させていただいておりますが、社会保障関係の補助金・交付金も35.6兆円含まれております。これらを合算すると、社会保障関係経費全体ということで、前年度より3.9兆円増の83.9兆円、費用全体の6割弱に当たる部分が社会保障関係で支出されたということとなっております。
 また灰色のところにお戻りいただきまして、補助金・交付金等につきましては、前年度より2.5兆円増加して50.9兆円となっております。この2.5兆円の増加のうち2.4兆円につきましては、先ほど申しましたが、被用者年金一元化に伴って共済組合が行う厚生年金の給付に要する費用が計上されるようになったと。それが平年度化されたということに伴う増でございます。その財源につきましては、後ほど申しますが、共済組合が国の年金特会に拠出している拠出金ということになります。
 次に、地方交付税交付金等でございますが、財源となる地方法人特別税の減収等がございまして、全体としては0.5兆円減の19.7兆円となっております。
 次に、支払利息につきましては、公債等の残高は増加しておりますが、平均金利の低下が続いておりますことから、前年度より0.9兆円減少して8.1兆円となっております。
 これらを全体として見ますと、業務費用につきましては、対前年度比で1.2兆円増の144.5兆円となっております。
 続きまして、次の6ページをご覧いただければと存じます。6ページには、財源と超過費用について記述しております。
 1つ目の租税等収入でございますが、所得税が0.2兆円の減、消費税が0.2兆円減、法人税が0.5兆円減の一方で、相続税が0.2兆円増となるなど、全体としては1.0兆円の減ということで、59.0兆円となっております。
 次に、社会保険料につきましては、保険料率の引き上げによりまして、厚生年金保険料が1.6兆円の増、先ほど来申しております被用者年金制度の一元化に伴う国家公務員共済組合連合会等からの拠出金収入が入ってきておりますが、これの平年度化に伴う2.3兆円の増によりまして、全体としては3.7兆円増の55.4兆円となっております。
 財源全体で見ますと、対前年度比2.8兆円増の124.4兆円となっております。
 次に、超過費用でございますが、平成28年度につきましてはマイナス20.1兆円となっております。費用の増加に比べまして財源の増加が大きかったことから、前年度に比べて1.6兆円縮小しております。しかしながら、囲みの中に書いてございますが、1年間の業務費用を財源だけでは賄いきれず、多額の公債発行に依存しているという状況には変わりがないということでございます。
 続きまして、ページをおめくりいただきまして、7ページをご覧いただければと思います。参考1、補助金・交付金等の省庁別の内訳をお示ししております。
 先ほど5ページのところでご説明申し上げましたが、業務費用の3分の1程度を補助金・交付金が占めております。全体で50.9兆円ということでございますが、その内訳を、このページのグラフでは省庁別に着色して紹介しております。ピンク色の厚生労働省が全体の6割以上に当たる33.5兆円を占めておりまして、非常に多くなっております。続いて文部科学省、国土交通省、内閣府などといった順になっております。グラフに掲載している中では、内閣府を除きまして、前年度から減少しているという傾向になっております。
 続きまして、次のページの8ページをご覧いただければと存じます。こちらの参考2といたしまして、政策分野別に見た業務費用の内訳をご紹介しております。これは、各省庁の業務費用を政策評価の評価項目ごとに整理した「政策別コスト情報」、セグメント情報をつくっておりますけれども、その上位10位までを省庁別に色分けしてグラフにお示ししたものということでございます。
 主に、先ほどと同様でございますが、厚生労働省が目立つということでございます。また、上位の10の政策で業務費用全体の約8割を占めているという状況が見てとれます。
 続きまして、9ページをご覧いただければと思います。資産・負債差額の増減要因についてでございます。1ページで最初にご説明した全体の説明と若干重複いたしますが、補足も含めましてご説明いたします。
 この表をご覧いただきますと、一番上の段、Ⅰのところでございますが、ここに平成27年度末時点の資産・負債差額、マイナス520.8兆円が記載されております。そこに、まずⅡの業務費用とⅢの財源の差額、これが超過費用ということでございますが、このⅢのところから3行下の、財源マイナス本年度業務費用合計の額である一番右端のマイナス20.1兆円が加算されます。
 次にⅣ以下でございますが、Ⅳの資産評価差額につきましては、先ほど申し上げたように、説明は注1に書いてございますけれども、出資先法人の純資産額の増加に伴う評価増が1.6兆円生じた一方で、有価証券について、時価評価に伴う評価減4.1兆円が生じたということによって、全体として2.2兆円のマイナスとなっております。
 次に、Ⅴの為替換算差額でございますが、これは注2に説明が書いてございますが、外国為替資金特会が保有する外貨建ての証券等につきまして、対ドルで円高が進んだというほか、対ユーロでも円高になっておりまして、これらによりまして為替換算差額が生じ、4.3兆円のマイナスになったということでございます。
 Ⅵの公的年金預り金の変動に伴う増減、注3でございますけれども、これは公的年金の給付財源である運用寄託金が増加したことにもよりまして、その見合いで負債に計上しております公的年金預り金も増加しております。これは負債の増加ですので、マイナスでカウントしております。
 また、地方公共団体からの公共用財産の受け入れ分等につきましては、その他資産・負債差額の増減ということで、注4に書いてございますが、カウントしているということでございます。
 これらを合計した結果としては、一番下の行でございますが、マイナスの548.9兆円ということになっております。
 続きまして次のページ、10ページをご覧いただければと存じます。このページは、例年こういった分析というか紹介をしておりますけれども、資産・負債差額の増減の要因について、過去からの累積という観点からお示しした資料でございます。中段の表につきましては、資産・負債差額増減計算書の記載に即しまして、国の財務書類を作成し始めました平成15年度から今回の28年度までの間における各項目の変動状況について整理しております。
 この表によりますと、一番右下でございますが、平成28年度末の資産・負債差額につきましては、マイナス548.9兆円ということでございます。一番右端の列をご覧いただきますと、上から2段目に平成15年度からの変動額の合計が書いてございますが、13年間で303.8兆円悪化したということでございます。その下は変動要因が小分けして書いてございますけれども、最も大きくマイナス方向に寄与したというのは、右の列をご覧いただきますと3番目の超過費用、マイナス362.3兆円というところでございます。こうした状況が継続しておりまして、毎年度財源が業務費用を賄いきれないという状況が続いているということでございます。
 なお、資産・負債差額と特例公債残高、グラフで対比して表示しておりますけれども、これらにつきましては、為替換算差額や特別会計から一般会計への繰り入れ等がございますので、一致するというものではないという性格のものでございます。
 続きまして、11ページをおめくりいただければと存じます。これはフローにおける国の歳入・歳出決算と、国の財務書類における財源、業務費用との関係について整理したものということでございます。例年同様にご紹介させていただいておりますが、上の段につきましては、国の財務書類では公債金等による収入、あるいは債務償還の支出については、ストックの変動であるということ。それから、前年度剰余金の受け入れや、国の会計間における資金の変動につきましては、国の内部における資金の移動であるといったことから、フローには該当しないと整理しておりますので、ここには計上していないということでございます。
 下の半分、赤い部分でございますけれども、この部分につきましては、その他のところに書いてございますけれども、国の財務書類におきましては発生主義の考え方を取り入れておりますことから、減価償却費や引当金繰入額を費用として計上しているということで、現金主義による国の決算とは異なっているという性格の扱いの違いが説明されているというところでございます。
 次のページ、12ページをご覧いただければと存じます。ここから16ページまでは直近10年間と、初めて国の財務書類を作成した15年度の財務状況の推移について、ストックとフローの両面からご紹介しております。
 まず、12ページの上のグラフにつきましては、ストックの推移ということでございます。直近10年間で見ますと、グラフの中で水色で着色しております資産合計につきましては、平成22年度まで減少しております。その後は増加傾向にございます。10年前と比較しますと、22兆円程度減少しております。一方で、オレンジ色の負債の合計につきましては年々増加しておりまして、10年前と比較しますと243兆円程度増加しております。その結果、下向きのピンクの色で示しております資産・負債差額のマイナスの増加が続いておりまして、10年前と比べますと、266.0兆円悪化しているということでございます。
 下のグラフにつきましては、フローの紹介でございます。オレンジ色のグラフの部分、1年間の費用の合計を、水色の財源では賄いきれず、毎年度ピンクで示している超過費用が生じているという状況を示しております。超過費用につきましては、24年度以降は減少しているという傾向にございます。
 続きまして、13ページをご覧いただければと存じます。同じ期間内のストックのうち、資産の変動についての分析を紹介しております。下のグラフをご覧いただきますと、上から3番目のピンク色の貸付金、その下の運用寄託金については減少傾向でございますが、その上の有価証券、飛びまして下から2番目でございますが、出資金については、増加傾向にございます。全体の高さを見ますと、平成23年度末以降から増加傾向にございます。
 続きまして、14ページをご覧いただければと存じます。今度は負債の額の推移をお示ししております。中段のグラフをご覧いただきますと、負債の合計につきましては、19年度末から243.8兆円の増加ということになっております。その中でもピンク色の公債が、ここ10年間で267.6兆円の増加ということで突出しております。その下のグラフが、その公債の内訳ということでございます。水色の建設国債につきましても、ここ10年間で36.3兆円増加しておりますが、ピンク色の特例国債が252.6兆円と急激に増加していることが見てとれます。
 続きまして、15ページをご覧いただければと存じます。これは費用の推移でございます。ページの下のグラフをご覧いただきますと、費用の合計額につきましては、全体としては増加の傾向を示しております。グラフの中でピンク色の社会保障給付費につきましては、受給者の増加などによりまして、平成24年度以降、増加が続いております。
 黄色の補助金・交付金等につきましては、リーマンショックを契機とした景気の悪化、あるいは東日本大震災への対応などによる費用の増加があったことも一因となりまして、平成21年度以降、増加傾向が続いております。平成28年度には50兆円台となっております。
 また、グラフの下から2番目、薄いオレンジ色の部分でございますが、支払利息につきましては、先ほども申し上げましたが、債務残高は増加しておりますが、平均金利の低下が続いておりますため、むしろ減少傾向にあるというところでございます。ただ、今後金利が上昇するような局面になれば、大幅に増加する事態も懸念されるところでございます。
 続きまして、16ページをご覧いただければと思います。財源の推移についてでございます。これもページ中段のグラフをご覧いただきますと、財源の合計といたしましては、平成20年度のリーマンショックを境に一時減少いたしましたが、平成22年度以降は一貫して増加しております。直近10年間で17.9兆円増加しております。
 その下のグラフで、租税等収入の内訳をお示ししております。水色の所得税、それからピンク色の法人税につきましては、リーマンショックの影響によりまして、一時減少したわけですけれども、その後は増加傾向にございます。黄色の消費税につきましては、26年度に消費税率が8%に引き上げられたことを反映して大きく増加しております。囲みの中でもコメントしておりますが、19年度と比較しますと、所得税、消費税は増加しておりますが、法人税は4.4兆円減少しているということでございます。
 ページをおめくりいただきまして、今度は17ページ以降は参考情報として、幾つかの論点について記載させていただいております。基本的に前年度と同様のお話となっております。17ページ、そして18ページでございますが、これは国の資産と負債の関係を図示させていただいておりまして、要すれば資産の大半につきましては対応関係にある負債が存在していたり、あるいは直ちに換金処分して財源に充てることができないといった留意点などについて、説明させていただいているページでございます。
 続きまして、おめくりいただきまして、19ページから21ページまでのところで、公的年金について解説しております。これも基本的にこれまでと同様の形でございます。19ページにつきましては、公的年金制度が賦課方式によっておりまして、既に保険料を支払った期間に対応する給付に見合った積立金を保有する必要がないことから、将来の保険料収入や税収入を会計上の資産として認識せず、かつ将来の公的年金給付につきましても、会計上負債として認識しないという扱いを説明しているところでございます。
 ただ、過去に払い込まれた保険料などの一部が将来の年金給付財源のために積み立てられた積立金など、現に保有していることが明確な資産については、貸借対照表の資産の部に運用寄託金として計上し、それに見合う負債を、負債の部に公的年金預り金として計上していると、先ほど来ご説明しておりますが、そういった扱いをしているということもあわせて紹介しております。
 次に、20ページでございますが、これは次の21ページとあわせまして、平成26年度の公的年金の財政検証に即しまして、厚生年金、それから国民年金の財源と給付の内訳について掲載しております。内容につきましては昨年度と同様でございます。
 次に22ページ、ピンクと青で着色された図でございますが、社会保障について、国の財務書類がどの部分をカバーしているかということを、厚生労働省作成の資料をもとに大まかなイメージを整理したものでございます。国の会計を経由している財源・給付につきましては国の財務書類に計上されますので、それぞれピンク色、水色に着色しております。
 なお、この図の財源のうち、着色されていない部分についても、実際には個別の制度ごとの政策判断で、部分的に国庫負担がなされているという部分、事例もございますので、下の米印、小さい字で恐縮ですが、注記におきまして、この図表はイメージであって、実際には保険料の軽減分の一部を国庫負担で賄っているもの等がある旨を記載させていただいております。
 続きまして、23ページでございますが、これも例年と同様でございますが、減債制度の仕組みについてご紹介しております。数字の更新以外の部分につきましては前年度と同様でございます。
 続きまして、24ページをご覧いただければと思います。一般会計財務書類と国の財務書類(合算)との比較というページでございます。ここでは一般会計だけの財務書類と、特会を合算した国の財務書類とを比較しているということでございます。表の左側から順に、一般会計単独で見た額、次に14の特別会計の合計額、そして合算するに当たっての相殺等を行った額、その右に合算後、国の財務書類で表示している額を比較して記載しているということでございます。
 貸借対照表、上の段でございますが、右下のオレンジ色の部分をご覧いただきますと、これまでご紹介しておりますけれども、一般会計と特別会計を合算した額につきましては、一番右にございますマイナス548.9兆円ということでございますが、同じ段の一番左側、一般会計単独の額につきましてはマイナス573.5兆円、そして特会の合計につきましては76.6兆円ということになっております。それを合算しまして、52.0兆円を相殺等で減じた結果、マイナス548.9兆円になっているといった形になっております。
 下の段が同じくフローの状況を、同じような形で示したものということでございます。表の右側の緑色で着色しています超過費用の欄をご覧いただきますと、一般会計単独で見ますと22.4兆円のマイナスということでございますが、特会だけですと3.8兆円のプラスとなっております。単純に比較評価することは難しい部分もございますが、フローの面でも一般会計単独の金額のほうが、合算した場合よりもマイナスが大きいといった状況になっているということでございます。
 以上、長くなって恐縮でございましたが、これまでで参考資料2-①のご説明を終わらせていただきます。
〔黒川部会長〕
 ありがとうございました。
 では、ただいまの事務局からのご説明について、ご意見、ご質問などございましたら、ご発言をお願いいたします。どなたからでも結構でございます。
 冨田委員。
〔冨田委員〕
 一番最初に、現金の増加のところのお話のときに、前倒債の発行で現預金が資産として増えたとお話あったんですけれども、前倒債の処理はどのように、後ろのほうというか、負債としてどのように扱われているのかということをお教えください。年度末の公債残高に入れているかどうかなんです。だから、先ほどの一般会計と国との比較のやつが24ページにありましたね。そこで834兆の中に前倒債が入っているかどうかです。大きな金額なので、これをどういうふうに扱われているかというのが第1の質問です。
〔坂本公会計室長〕
 入っているという整理でございます。
〔冨田委員〕
 それから、もう一つ別の質問ですけれども、去年のいろいろな話が出たところですが、10ページの特例公債残高と資産・負債差額の比較です。この10ページで、拡大したのは多分、一番大きなものは資金運用部の金利変動準備金の取り崩しだろうと。それが拡大して、例えば赤いほうのラインですけれども、477から結構フラット化していますよね。
 何をお聞きしたいかというと、両者の乖離について、極めて大まかでいいですけれども、どのあたりに原因があるかですね。だから、金利変動準備金の取り崩しと、例えば、あと横ばいになっているのは、こんなことはないと思うんだけれども、金利変動準備金が徐々に積み上がっていったので、赤字国債の残高の増加ほどは資産・負債差額が拡大しなかったと解釈できるのかなと思うんですけれども、ここの2つの乖離についての要因について、概要をお示しいただけたらと思います。
〔赤井委員〕
 関連でいいですか。同じ。
〔黒川部会長〕
 はい、赤井委員、どうぞ。
〔赤井委員〕
 今言われた、ほかにもあるんですけれども、とりあえず10ページのところで、こういうグラフを示されると、どうしてもこの間が広がり、また狭まっているので、どういう理由なのかとか、これを比較することで何を示そうとしているのかというところが気になると思うんですけれども、あまりそこのところが書かれていないというか。
 上のところの資産・負債差額は要因分解されていますよね。主に超過費用と資産評価、為替換算の違いで積み上がったのが、この赤いラインができてくるわけですよね。この赤いラインに対して、特例公債残高の参考と書いている緑のラインが、上の図でいうと、多分超過費用のところとある程度リンクしているんでしょうけれども、一対一には対応していないかもしれないので、そこのところでもう少し。
 多分超過費用が、例えば上だと、27から28にかけてマイナス20になっているわけですよね。それに対して特例公債残高がどうなのかとか、この差をもう少しブレークダウンするか、超過費用のグラフだけでももう1本描くと、それ以外で説明している部分と、そうじゃない部分に分けられるような気がするんですけれども、ちょっと思ったので。多分、超過費用だけ描くと、もっと緑のラインに近くなるんですか。
 以上です。すいません、何か補足があれば。
〔冨田委員〕
 いや。
〔赤井委員〕
 僕が思ったことをかぶせただけなので、まず冨田さんのに答えていただいたら。
 この赤いラインに対して、超過費用だけのラインって、すぐ引けますよね。上で分解されている。
〔坂本公会計室長〕
 はい。
〔赤井委員〕
 そうすると、どんな感じになるんでしょうか。
〔黒川部会長〕
 超過費用の残高ですか。赤いラインというのはフローじゃなくて、資産・負債差額の……。
〔赤井委員〕
 ストックですよね。
〔黒川部会長〕
 ストックですよね。
〔赤井委員〕
 そうですよね。
〔黒川部会長〕
 超過費用という概念は、とりあえずフロー概念なので。
〔赤井委員〕
 超過費用の、それ以外の項目がありますよね。だから、超過費用の変化だけをずっと積み合わせて。
〔黒川部会長〕
 超過費用の合計額、残高という。
〔冨田委員〕
 それでもいいし、差額。資産の変化分でいいんですよ。
〔黒川部会長〕
 そうすると、すいません、僕が言うべきではないかもしれないけれども、超過費用の累計額というのは、今すぐ出ます?
〔赤井委員〕
 今すぐというわけではないんですけれども。
〔黒川部会長〕
 フローの何年分の。
〔冨田委員〕
 いや、あまり累計額の意味はなくて、むしろここで言っている資産・負債差額の変化幅及び特例公債残高の変化幅と、超過費用の金額を。
〔黒川部会長〕
 じゃあ、グラフを変えたほうが。変化幅どうしで……。
〔冨田委員〕
 同じことを聞いているんですよ。何でこの乖離があるのか、その原因はいかにということで。
〔黒川部会長〕
 わかりました。
〔赤井委員〕
 だから言うと、このグラフを出している意図が、こう出しちゃうと、この差は何?とかいうところに興味が行くと思うんですけれども、逆にこの特例公債残高を参考で出して、ほぼ一緒だと言いたいのか。
〔黒川部会長〕
 ちょっと僕が言うべきことと……。
〔青木総務課長〕
 よろしいですか。
〔黒川部会長〕
 どうぞ。では、青木課長。
〔青木総務課長〕
 先生がおっしゃっていたみたいに、平成21年度から25年度にかけて差がものすごく大きいですよね。この間、金利変動準備金を取り崩して財源に充てたり、外貨証券の為替換算差額といったものがどうなっていたのか、そこは引き取って調べてみたいと思います。
〔赤井委員〕
 最後にもう1個ですけれども、超過費用の累積みたいなので線を描くと、ほぼ緑と一緒になるような気がするんですけれども、そういうのをもう1本入れるとか。もう少し描き方を。以上です。
〔黒川部会長〕
 このグラフは最近かな。差額は何だということを思うと、いろいろな要因があって、なかなか分析が難しい。
〔赤井委員〕
 そう考えさせようという意図のページならいいんですよ。あまりそうじゃない。
〔黒川部会長〕
 わかりました。おっしゃるとおり、その年度の五、六年間、すごく差があるけれども、平和な時代だと何となく似ているという。要するに、同じような動きをすると。
〔赤井委員〕
 するということを言いたいんですね。
〔黒川部会長〕
 そうそう。それで、要するに毎年の資産・負債差額というのは、言ってみれば発生主義に基づく赤字の累積額になっていって、結局その赤字の累積額が、借金に頼って補填しているんだよねという、大枠のものを何となく示していると。
〔赤井委員〕
 一般の人は多分、そう思われるかもしれない。僕らはいろいろ見ちゃいますけれども。オーケーです。
〔冨田委員〕
 もう少しちゃんと聞きますと、こういうことなんですよ。超過費用というのはフローの赤字であって、これは説明可能であって、政策決定として決まるわけですよね。それ以外に政策じゃどうしようもないものが、資産評価による変動なんですよ。それともう一つあるのが恣意的なファイナンスで、恣意的といったらおかしいけれども、積立金の取り崩しとか、そういうのに分けられるだろうというのが、今言っていることなんですよね。
 だから、資産・負債差額の内訳を、ここでは特例公債残高だけで描いているんだけれども、超過費用の、これは累積でもいいです、累積と、資産評価、上でいえば資産評価差額と為替とかそういうものと、それからそれ以外の、ある意味では一番大事な部分だと思うんですけれども、積立金の取り崩しだとか。
〔黒川部会長〕
 奥法規課長。
〔奥法規課長〕
 今ご指摘受けまして、可能な範囲でこの解明をして、お示しをしたいと思いますけれども、今後の予告の意味もあって、このグラフの成り立ちの経緯をご紹介すると、もともと赤線が皆様に見えていまして、この動きを何らか説明するような要因と絡め合わせてグラフ化できないかというリクエストが委員の先生方からあったと聞いています。
 いろいろ試みたんですが、これをもって資産・負債差額の動きを見事に説明し切る要因というのは、なかなか見つかるものではなく、一番近い、わりと近く説明をすることができているのが、この緑の特例公債残高のグラフであり、並べて描いてみたものの、やはり完全に説明し切ることはできなくて、そういう意味では限界があることは承知の上で、最も近いものとして、この緑の線を描いているということでありますので、例えばこの差額の部分を分析して、数字をお示しするということはできると思いますけれども、この赤の線、緑の線に、何かもう1本線を引いてみると、すごくうまく説明できているということには、おそらくならないと思いますので、うまくそこを表現することは、多分できないだろうと思います。これは少しまた分析をしまして。
〔黒川部会長〕
 それと、今の奥課長に追加することで、真ん中の資産・負債差額の増減要因(過去からの累積額)というのは、これもつくったんですよね。これも後から、多分リクエストに応じて。ここで一番初めに、下でもいいんですけれども、資産・負債差額のマイナス548兆円がどういうふうに成り立っているのかというと、その上のほうを見ていただきたいんですけれども、超過費用(財源-費用)がどうなっていたかとか、それからこの16年から27年の間のそれぞれの評価損益みたいな、発生主義に基づく累積額と、それから今年度のが出ているんですよ。
 先ほど赤井先生がおっしゃったのはこれなんですけれども、これが超過費用の累計額だけではこうならないというのはなぜかというと、作成初年度ですね。一番左のほうに、平成15年度末からつくり出したわけです。ここの段階でも既に、だから一番初めにこの会計基準でつくり出したときに、既に245兆円の赤字があったと。これに、この財務書類をつくった十数年間の間に362兆円の超過費用の累計があって、さらに発生主義の独特の項目ですね。これが成り立っていて、現在の資産・負債差額約548.9兆円の赤字になっている。こういうのを示すために真ん中の表があるんです。
 ですから、先ほど赤井先生が、超過費用のところをずっと見ていると近くなるというのは、実を言うと期初に、既に245兆円の赤字があるので、むしろフローだといいかもしれないんですね。
〔赤井委員〕
 でも、傾きは同じ。
〔黒川部会長〕
 そうそう、傾きの。だから、下の表のストックのじゃなくても、そうであれば、フローの流れを毎年、差額がどうなるのかという違うグラフをつくるんだったらわかるけれども、ストックだと、今言ったような原因だと、真ん中の表をよく見れば、何となくわかる。これはリクエストに応じてつくったものですから。
〔赤井委員〕
 じゃ、真ん中を見れば。
〔黒川部会長〕
 そうですね。原因は。
〔赤井委員〕
 大丈夫です。
〔黒川部会長〕
 ほかに何か。
〔青木総務課長〕
 いろいろ調べてみないとわからないですね。
〔黒川部会長〕
 ええ、そうですね。でも、調べる価値はある。研究者として。ほかにどうでしょうか。今年度のところで、少し工夫もあると思うんですよね。これはどうですか。24ページは、これは去年からにしたんですかね。一般会計、特会合計、相殺等、合算という、この並びも変えたほうがいいという。橋本先生でしたかね。
〔橋本委員〕
 いいえ、鵜川委員のご提案だったと思います。
〔黒川部会長〕
 そうか。これもそのリクエストに応じて、少しずつ改善されていて、これは見やすくなったと思うんですね。24ページ。 それから11ページの、フローにおける国の決算額と財務書類との相違。経済学者あるいは財制審の本会で言っている話と、こちらで言っている発生主義の違いがわかる。歳入決算と財務書類上の財源の違いとか、それから歳出と業務費用の違いを分析しているところですけれども、これなんかも参考になるところです。
 少しずつ改善はされてきたんですけれども、まだまだ改善する余地があると思いますので、何かございますでしょうか。あるいは今日の今年度の状況を見て、さらに何かわからないところとかございましたら、ご質問下さい。
 秋山委員。
〔秋山委員〕
 すいません、9ページなんですけれども、脚注の、2点ございまして、私が1点聞きそびれた部分なんですが、注1のご説明の中で、出資先法人の純資産額増加に伴う評価増1.6兆円というのがあったんですが、こちらをもう一度、具体的にどういった内容なのかご説明いただきたいのと、注の4ですけれども、大した話じゃないんですが、過年度の誤謬訂正等というのが含まれているということなので、差し支えなければ内容を教えていただけたらと思います。
〔黒川部会長〕
 室長、お願いします。
〔坂本公会計室長〕
 出資先法人の純資産額の増加のための評価増1.6兆円の部分でございますが、内訳としては、日本高速道路保有・債務返済機構がプラス0.6兆円、全国健康保険協会がプラス0.5兆円、株式会社産業革新機構が0.3兆円のプラス、そして株式会社日本政策金融公庫がプラス0.3兆円、この4つを合計して1.6ということでございます。
〔秋山委員〕
 まだよろしいですか。
〔黒川部会長〕
 どうぞ、秋山委員。
〔秋山委員〕
 会計基準、作成基準ですかね、一般会計省庁別財務書類の作成基準を拝見して、出資先法人の評価の方法を見たんですけれども、純資産額の増加に伴って評価減、評価増、評価をマイナス・プラスするというのが読み取れなかったんですが、そういう基準でいいという理解でよろしいでしょうか。時価があるものについては時価評価すると。時価がないものについては、基本的には強制評価減的なところがあるようなんですけれども、それ以外のところで純資産の増減で評価額を変えるというのは読み取れなかったものですから。私の勘違いであれば、特に。
〔髙橋課長補佐〕
 すいません、この純資産額の評価のところなんですけれども、こちらは省庁別財務書類の作成に関して、以前基準が改定されたときの考え方ですけれども、国有財産の分科会で、政府出資の国有財産価格の台帳の価格を現状に即したものとするためということで、市場価格のあるものについては取得原価から市場価格、市場価格のないものについては取得原価である出資累計額から純資産額、各法人の貸借対照表をもとに純資産から総負債を差し引いた純資産額をもって評価する方法へ変更すべきという答申を受けて、この財務書類の作成基準においても、この考え方をもとに評価しているということでございます。
〔黒川部会長〕
 秋山委員。
〔秋山委員〕
 私が見ているのが古かったということかもしれません。直近のホームページから見てみたんですけれども、であれば結構です。
〔黒川部会長〕
 そうですか。ホームページが直ってないという。わかりました。ありがとうございます。
 ほかに何かございますか。
〔坂本公会計室長〕
 すいません、もう1点の秋山先生の。
〔黒川部会長〕
 誤謬のほう。
〔坂本公会計室長〕
 はい。誤謬の件でございますが、これは防衛省の関係で、防衛省の所管する部分について、過年度の棚卸資産、土地等及び退職給付引当金の計上に重要な誤りがあったということで、修正を行ったというものでございます。
〔秋山委員〕
 ありがとうございます。
〔黒川部会長〕
 ありがとうございます。
 ほかにどうでしょうか。
〔土居委員〕
 よろしいですか。
〔黒川部会長〕
 はい、土居委員。
〔土居委員〕
 4ページなんですけれども、今年からだと思うんですが、政府短期証券及び公債の保有者内訳。関心が集まっているところがあると思うんですけれども、政府短期証券を入れていいのかな、というのが私の関心ですね。と申しますのは、ご承知のように政府短期証券は日銀が引き受けてもいいことになっているので、別に日銀が持っているからといって、何か問題があるというわけではないと。ただ面倒なのは、券面統合が行われているので、今は短期割引国債と同一券面で出しているので、そこが分割するというのがいいのか、それとも政府短期証券は政府短期証券として、公債とは別扱いするという形がいいのかと。
 私の印象でいうと、公債は確かに日銀の直接引き受けはしないと。財政法第5条。ですけれども、政府短期証券はその限りではないということで、もちろん日銀乗りかえというのは全く完全に別物ですが、もし公債の保有者内訳という話で聞き取れるなら、そっちのほうが、政府短期証券は日銀が持ってはいけないというものでは全くないので、分けるか、ないしは公債だけの保有者内訳にするというほうがいいのかなとも思ったんですけれども、いかがでしょう。
〔黒川部会長〕
 ありがとうございます。これも新しく、リクエストがあったというので、とりあえず入れたんですけれども、別々のものが。
〔坂本公会計室長〕
 あります。
〔冨田委員〕
 日銀が出しています。
〔黒川部会長〕
 そうすると、今の土居先生のご意見は、公債だけに絞って……。
〔土居委員〕
 はい、そうですね。
〔黒川部会長〕
 参考のところへ入れたらどうかということですね。
〔土居委員〕
 そうですね。
〔黒川部会長〕
 わかりました。それは可能ということですよね、室長。
〔坂本公会計室長〕
 そうですね。あの数字は……。
〔土居委員〕
 資金循環統計がたしかあったような気がします。
 蛇足ですけれども、確かに財投債とそれ以外の国債を分けるというのは、資金循環統計上はできないというのはあって、これは幸い連結しているので、一般会計の負債ということになると、これを分けるのは大変なんですけれども、連結しているから、財政投融資特別会計と連結していても、そこの資金循環統計との矛盾は生じないということなので、国債、国の財務書類の呼ぶほうでいえば公債と対応する資金循環統計の保有者内訳というものを載せるというほうが、あらぬ誤解というか、もし今後も引き続きこれを載せるということになると、政府短期証券を日銀に引き取ってもらうことは全く許されることなので、それが仮に一時的に急増したということがあったとしても、何ら問題はないんだけれども、確かに公債で日銀の買い取りによって保有比率が高まっているというようなことがあると、どうそれを理解するかは読み手の勝手なんだけれども、1つ重要な情報を提供することになる。
〔黒川部会長〕
 なるほど。両方出すというわけじゃなくて、そういうリクエストでもないですよね。
〔土居委員〕
 そうそう。公債だけでいいんじゃないかと。
〔黒川部会長〕
 わかりました。
 ほかにどうでしょうか。
〔冨田委員〕
 ただ、今のやつは……。
〔黒川部会長〕
 冨田委員。
〔冨田委員〕
 資産で誰かが持っているわけだから、昔でいう外為証券は、こっちの負債で計上されて全然いいわけですね。
〔土居委員〕
 ええ、それはもちろん。
〔冨田委員〕
 土居委員が言っているのは、昔の大蔵省証券は外しなさいよという話でしょう?
〔土居委員〕
 まあ、でも……。
〔冨田委員〕
 ところが、日銀は1年超か1年未満かで統計をつくっているけれども、多分、外為と大蔵省証券は分けていない。
〔土居委員〕
 わかっています。
〔冨田委員〕
 みんなFBなので、そういう統計があるかどうか、ちょっとよくわからないね。あまり増え過ぎてないと思うけれども。
〔奥法規課長〕
 統計は確認はしてみますけれども、今、土居先生、冨田先生からおっしゃっていただいている話は、要するに財源国債としての国債の保有者は、どういう構成割合になっているかということを示したほうが、おそらく財政的な観点からは有用な資料になるということだと思いますので、いただいた意見も踏まえまして、資料のあり方については今後も引き続き検討させていただきたいと思います。
〔黒川部会長〕
 では、どうでしょうか。ほかにございますか。
 ないようでしたら、この辺でこの議論を終わりにしたいんですが、清水委員からこのパンフレットに関連して、お手元に配付してありますように意見書が提出されています。その趣旨は、お手元に配付した、平成26年度のパンフレットに記載されていた「一般会計における基礎的財政収支と超過費用」の資料を改めて掲載すべきというものです。
 まず事務局から、27年度パンフレットにおいて本資料の掲載を見送った経緯について、ご説明をお願いいたします。
〔坂本公会計室長〕
 27年度パンフレットで、その資料を掲載しなかったということでございますけれども、1つの事情といたしましては、この「国の財務書類」に関係するさまざまな作業につきましては、別途やっております「個別事業のフルコスト情報の開示」ですとか、さまざまな新規の資料が増えているという状況にございます。そういう中で、実際に作業をやってもらう各省庁に対して、かなりの負担をかけているというのが実態としてございました。
 そういう中で、この「一般会計における基礎的財政収支と超過費用」を説明した資料につきましては、平成27年にいただいた報告書、「財務書類等の一層の活用に向けて」というものの中で、「超過費用とプライマリーバランスとの差額の分析や、それらをつなぐ区分別収支計算書(キャッシュ・フロー計算書)とプライマリーバランスとの関係を説明することも、極めて有用」であるといったご指摘をいただいたということを踏まえて、整理を試みたというものでございますけれども、26年度版パンフレットに掲載したということで、基礎的財政収支との関係整理という課題は、ひとまずクリアしたものと事務局としては考えていたところでございました。
 一昨年の部会でご議論いただいた際に、この資料では基礎的財政収支の意義が十分示されていないので誤解を招きかねないといったご趣旨のご指摘をいただいたこともございまして、それではどのように整理すれば、多くの委員の先生方がご納得いただけるのかということについて、なかなか手がかりが見出せなかったということも当時ございました。また、最初に申したように、本資料の作成には各省庁の追加的な作業負担が必要となってくるといったことなどの事情を踏まえまして、27年度版、昨年は事務局として、責任を持ってこの資料を作成するのは難しいという判断をいたしまして、掲載を見送ったというのが経緯でございます。
 こうした判断をしたことにつきまして、昨年の部会の場で、事務局から明示的に言及しなかったという点については、説明が不足していたものと反省しているところでございます。その点につきましては、この場でおわび申し上げたいと思います。
 以上でございます。
〔黒川部会長〕
 昨年度掲載を見送った経緯については、事務局からご説明があったとおりですが、清水委員からの意見も踏まえまして、28年度決算分につき、「一般会計における基礎的財政収支と超過費用」の資料を改めてパンフレットに掲載すべきと部会として提言すべきかどうか、その場合、26年度版の経験を踏まえ、作成に当たって何か留意すべき点、改善すべき点はないかといった点につきまして、委員の皆様のご意見をお聞かせいただければと思います。いかがでございましょう。
 赤井委員。
〔赤井委員〕
 これをつくるのにコストもかかるのでというのが1つの判断基準だったんですかね。そこのコストに見合う価値があるのかどうかということになるんだと思いますけれども。全てこういう書類は時間もかかりますから、そのあたり、何かあれば。
〔坂本公会計室長〕
 全体として、国の財務書類に関係するさまざまな作業については、特に関係省庁に作業してもらう場合、ボランタリーというか、こちらからお願いして、その作業を限られた人数の中でやっていただくという基本的な体制にございます。そういう中で、26年の段階では試行的にと申しますか、平成27年の報告書等を踏まえまして、試行的に試みにやってみたという整理で提示させていただいていたという当時の経緯もございましたので、それを継続するには、各省庁の事務負担が大きいと。
〔赤井委員〕
 具体的には、基礎的財政収支対象経費というのを引っ張り出してくるというところが、ほかの通常つくっている財務書類とは違う作業が必要になってくるということですか。追加の作業ということですよね、そのコストというのは。ほかの資料をつくるのにつくったデータからこれができていれば、そんなに追加負担になっていないですよね。
〔坂本公会計室長〕
 はい。具体的には、②の右側でございますけれども、そこで……。
〔赤井委員〕
 ②って?
〔坂本公会計室長〕
 お配りしているA3の資料の右側ということでございますが、②として、超過費用と区分別収支計算書の関係というところで内訳が挙がっております。各省庁に、国交省、農水省、防衛省、総務省などに関係する内訳が挙がっておりますけれども、こういった作業を各省庁に発注・依頼してやってもらうというところが、実際のところ、かなり作業が生じるという。
〔赤井委員〕
 その作業は、これのためだけに新たに生じる作業なんですか。
〔坂本公会計室長〕
 はい、そうですね。
〔赤井委員〕
 こっちをつくるのには要らないんですね。
〔坂本公会計室長〕
 そうですね。付加的に発生する。
〔赤井委員〕
 ほんとうはちょっと難しいですけれども。
〔黒川部会長〕
 ほかにいかがですか。
 土居委員。
〔土居委員〕
 まだ②のほうは意見がまとまっていないんですが、①の区分別収支計算書と基礎的財政収支の関係に関しては、概念的にはこうであるということは一度示されたということですので、1つの役割はここで果たしていると。あとは、当然この基礎的財政収支が財政健全化目標として重要な位置づけを持っているということなので、決算段階でこれがどうなったかということを確認することは重要なんですが、国の財務書類という書類というか、国民に対する開示の段階でそれがどうなっているかということは、既に国会に提出される決算書の段階で基礎的財政収支は計算できるので、一旦政策としての役割は、そこでPDCAサイクルの決算としての1つの役割は果たしていると。
 つまり、国会に提出する決算書で、基礎的財政収支が決算段階で一般会計においてどうなったかということを確認するということは、それで目的は達せられているので、国の財務書類にまで、そこまで労力をかけて、実際その対応関係はどうなっているんだということを、基礎的財政収支という指標を使って確認するというのは、費用対効果という観点からすると、あまり効果が大きくないかなと。
 つまり、もともと区分別収支計算書や国の財務書類における収支の計算、超過費用とかでもいいんですけれども、そういう概念と基礎的財政収支という概念は、そもそも同一のものを志向はしていないというわけですから、何も基礎的財政収支という収支の定義が、国の財務書類において重要な役割を果たしていないということである以上、政策の予算編成及び決算での確認と、国の財務書類で国民に果たす開示との間で、基礎的財政収支というものをこじつけてまでして示さなきゃいけないという必要は、私はないんではないかなと思います。
 ①については関係性はよくわかったので、もし興味がある人は、そういう関係性があるということで、何がしかの数字を追いかけていただくということはあってもいいんだけれども、別に国の政策として、ないしは財政健全化の取り組みとして、国の財務書類にまで基礎的財政収支の関係がどうなっているかということを開示しないと、財政健全化のPDCAサイクルを完結させたことにならないということでは、私は決してないんじゃないかと。
〔黒川部会長〕
 なるほど。
〔土居委員〕
 国会に提出する決算書では、それは1つ完結しているというところではないかなと思います。
〔黒川部会長〕
 なるほど。わかりました。
 ほかにご意見いかがですか。
 今日は清水委員がご欠席なので、清水先生がいらっしゃったら、絶対有用だということをおっしゃると思うんですよ。ですから、この意見書に述べられていることは、1人の委員の意見として重視しなくてはいけないと思います。
 清水先生のご意見は、1ページのほうに書いてある2ポツ目、会計基準と統計基準の融合というのは、国際的に財務管理上の課題と認識されていると。先進諸国では云々と。清水先生もちょうど留学されていたこともあって、多分、こういう必要性あるいは有用性ということを、ご自分のご専門のほうからお感じになられて、このようにお書きになられたんだろうと思うんですね。
 ですから、私の言いたいのは、清水先生の代弁もしなくちゃいけないと。こういう意見が専門家からとして1つ出たと。そこでどうするということなんですけれども、土居先生や赤井先生は、土居先生は今言ったようなご意図で、それほど経済学者としてのベネフィットはないかもしれないと。で、赤井先生はニュートラル。
 冨田先生。
〔冨田委員〕
 結局、まずプライマリーバランスの話は、国のSNA統計で見ることになっているんですね。そういうスタンダードがあるので、一応、国連のGDP統計の手順に従ってつくるものなんですよ。それも当然、こことやり方は違うんですけれども、発生主義でつくるものなんですね。そういうものが一方にあって、これが出てくることについて、国の統計として出ることについては、どう考えるべきかという問題なんです。ただでさえ非常に混乱を招きやすい概念なので、それを政策決定に使っているわけですから、これをつくることの追加的な意味があるかどうか。コストというのは作成のコストだけじゃなしに、活用面における、もし混乱が生ずるようなことがあっては困るということなんですよ。
 さらに加えて言いますと、内閣府が経済財政の中長期試算を出しているんですけれども、そこでも一般会計のプライマリーバランスと、地方についても一応プライマリーバランスが計算できるようになっているんですが、それらとGDPベースのものとの関係とか、そういうのはまだ何も示されていないんです。それにおいてすら、なかなか混乱要素である中において、これがまた出てくると、もっと混乱してしまうのではないかなと思うんです。
 ですから、SNA統計の手順に従ったものが、一応基準として発表されるべきだと。発表というか、政策決定に利用されるべきだと思います。今言ったことは、コストというのを作成の費用だけじゃなしに、そういう混乱を招くということも含めた意味なんですけれども。
〔黒川部会長〕
 わかりました。多分、田近先生がいらっしゃったら、また少し違う意見もなされたかもしれないなと思います。わかりませんけれども、財政制度等審議会のほうでも、発生主義会計の財務データというものを、もう少し重視して議論すべきだという議論はありますよね。特にプライマリーバランスの指標だと、一番決定的に問題なのは、利子、支払利息が入っていない。
 それで、発生主義のデータというものをもう少し活用したいとなったときに、不十分かもしれないけれども、プライマリーバランスで言っているような指標と、こちらがつくっている財務諸表の指標との関連性というものを、どこかで示してくださいねというリクエストがあるかもしれない。そういう有用性はあるかもしれないと思うわけですよ。
 欠席されているので、ディフェンスをいたしますけれども、ほかに何か委員の先生方のご意見をお聞きしたいと思います。これは重要な問題なので。いかがでございましょうか。
 橋本委員。
〔橋本委員〕
 清水委員の文章にもあるとおり、もともと活用報告書からの提言か何かがきっかけで、それでいろいろこの部会でも、ポイントにどんなものを新しく入れたらいいかという議論があって、私はその提言の委員に入っていたか忘れてしまいましたけれども、提言を踏まえてやったことで、そのときのいろいろな議論の経緯を見てみないと、私もこれが抜けていたのは気づかなかったですけれども、そういうことで、過去の経緯を見たほうがいいかなと思います。
〔黒川部会長〕
 過去の経緯はどうですか。先ほどのご説明で。どうぞ、室長。
〔坂本公会計室長〕
 今、先生がおっしゃいましたように、27年4月30日にワーキンググループから、先生の言われたような報告書をいただいて、その中で超過費用とプライマリーバランスとの差額の分析、あるいは区分別収支計算書とプライマリーバランスとの関係を説明することも、極めて有用であろうというところをおそらく受けて、試行してみたということだと思います。
〔黒川部会長〕
 そういうことで、そちらは委員からのリクエストに応じて、これをつくったと。それを、清水先生はずっと続くものだと思っていたということなんですね。で、今年度どうするかと。もう一回復活するか、あるいは復活するにしても、もう少し見やすいものがあるのかということ。
 それから、赤井先生が先ほど、さっきの図で赤いのと緑色のグラフの違いというところで、フローの違いがどこにあるのかと。超過費用と、それから国債の残高の増減ということですけれども、その違いも、もう少し具体的に毎年のフローの違いというのでしょうか、そこをよく見ればわからないことはないんです。会計学者から見ると、1ページもそうですけれども、2ページなんかは非常に会計学的なもので、ですから資産形成項目なんていうのもありますし、それから発生項目、非資金項目なんていうのが、現金主義に基づいているものと発生主義の大きな違いになってきて、それがまたさっきの話にも結びついてくると。国債残高みたいなものは、言ってみれば現金の動きみたいなものでも示すことができるようなものですからね。
 ですから、フローの分析ということをほんとうにしていくとなると、こういうところがもしかすると関係してくるという点では、非常に重要な情報ではないかと推測はできます。ただし、そこで今、事務局のほうは、ここの項目のところのデータのコストが、各省庁にお願いをしなくちゃならないよという話なんですね。だからここは難しいわけですけれども、赤井先生、どうぞ。
〔赤井委員〕
 大体のことはわかったんですけれども、多分この基礎的財政収支、最後のマイナス14兆円ですかね、ここはあらかじめわかっているわけなので、そこに合わせる要因分解をしているというところで、そこにコストがかかるということなんですけれども、どのレベルまで要因分解をするのが、そもそもここで基礎的財政収支とのつながりを示すという目的とコストのバランスとの関係で、いいのかという視点からは、あまりないんですかね。改善の。
 ブレークダウンしているこの部分を、もう少し大項目にするとコストが抑えられるとか、そういうのがあるんだったら、そういう形でこの資料は出しながらも、コストを抑えたのを出すというのはあるかと思います。
〔黒川部会長〕
 奥法規課長。
〔奥法規課長〕
 おそらく2つ、要素があると思います。1つは時間的な要素であり、各省庁は特別会計あるいは一般会計の財務書類の作成をして、それを国会に提出するなり公表するなりしているわけで、その作業の間に、この発生主義の要因の分析をお願いして、計数の整理をしてもらう、同時並行的に秋にやってもらうというのは、かなり負担が大きいことではないかと思います。したがって、1月のこの段階のパンフレットにこれを載せるということになりますと、各省庁としても、かなり事務的な負担感を感じると思います。これが時間的、時季的な要素でございます。
 それから、もう一つの要素につきましては、②の超過費用の発生主義の要因の部分を詳細に、この計数を拾って整理するという、その「程度」の問題であります。もう少し大枠といいますか、概略でこれが済むものであれば、各省庁にとっても少し作業し易くなるであろうと考えます。これが内容面からの要素であります。
 したがって、この2つの要素と、それから資料としての有用性ということのバランスを、どのようにお考えいただくかということになってくるのではないかと考えます。
〔黒川部会長〕
 土居委員。
〔土居委員〕
 最近ちょっと内閣府の中長期試算を解剖してみたことがありまして、それを見たときに、先ほど冨田委員がおっしゃったように、目標として財政健全化目標は、あくまでもSNAベースで見るんだけれども、内閣府は一般会計の基礎的財政収支も、あの中で示してはいると。だけれども、あれは実は決算ベースでいうと、全部が現金主義会計というか、要は国会に提出する決算書と完全に整合する形で基礎的財政収支を計算しているものであって、逆に言うと、SNAの基準で一般会計の部分を再構成して基礎的財政収支を計算したというわけでは実はないんですね。
 そうすると、ここのA4の左側の右下にある14兆円という数字自体も、別にこの国の財務書類がなくても、既にある国会に提出する決算書から、いとも簡単にというか、引くものをちゃんと差し引けば、計算できる話だと。
 あとは、会計学的に基礎的財政収支という収支の概念が、どれほど重要かということなのではないかという気もしているわけです。確かに財政学というか、公債の、政府の予算制約式という概念からすると、基礎的財政収支というのは学術的にも意味のあるものなんですけれども、じゃあ、国の財務書類の様式において、基礎的財政収支という概念はどう位置づけられるのかと言われると、はっきり言って、何もないわけですね。業務費用計算書もそうだし、区分別収支計算書も、別に基礎的財政収支という概念は基本的には使っていないと。
 確かに政策上重要な指標になっているから、両者の対応関係は気にはなるかもしれないけれども、国の財務書類は国の財務書類で役割はあるわけですし、基礎的財政収支はもともとは会計学的な様式において重視していない指標だったわけなので、ことさらに作業を追加して、ここで「国の財務書類のポイント」だとか、そういうところにタイミングとして間に合わせるように、計算結果を1ページ割いて載せるというほどの価値はあるのかなという気は、私はしています。
〔黒川部会長〕
 わかりました。今回の1月には無理だということなんですけれども、コストがかかるというのを理由にというのも、果たしてどのぐらいコストがかかるのかというのは、なかなか難しい問題だし、主観的な問題かもしれないですので、事務局にお聞きします。もし仮に、3月に作成する連結財務書類では、またおもしろい、有用な情報も出てくるわけですけれども、ここまでに、先ほどの奥課長もおっしゃったように、あるいは各委員からご意見があったように、もう少しメッシュが粗いというのも変ですけれども、その程度のデータのことであれば、各省庁の協力を得られるのか、そんなに省庁の負担感が大きくならないかどうか。この辺、何かご意見ございますか。
〔坂本公会計室長〕
 実態としては、今ここに至るまで、各省庁にこういう作業があるかもしれないよという話などは全くしていない状況ですので、何とも申し上げにくいところではあるんですけれども、あと、まず我々自身も26年時点の作業が、全貌がどんなものだったのかというのをみんなが理解しているわけではない部分もありますので、そこは、どういう作業が具体的に発生して、どんなボリュームなのかというのは、よく整理させていただいて、その時間と、各省庁がかけられるコストとのバランスの中で、どういうことができそうなのかというのを検討させていただければと思います。
〔黒川部会長〕
 では、いかがでございましょう。清水委員は今日欠席ですけれども、出席したとすれば、つくるべきだとおっしゃるはずだろうし、それから土居先生と、赤井先生は中立だとおっしゃいましたけれども、意見が今、分かれているところ。
〔赤井委員〕
 僕の意見としては、もう少し項目を減らして、コストを下げることができるなら。
〔黒川部会長〕
 賛成?
〔赤井委員〕
 下げながら。
〔黒川部会長〕
 つくったらどうかと。
〔赤井委員〕
 ある程度のものをつくるほうがいいかもしれない。
〔黒川部会長〕
 なるほど。わかりました。
 いかがでございましょう。当部会として事務局に対して、3月に向けて資料案の準備をしかるべく進めたらどうかと。そこで、各省庁の協力が得られないというのであれば、これはしようがないわけですから、それは得られなかったよと。しかし、何とかできそうだということであれば、少し粗くてもいいからつくる努力をしたらどうかと。
 我々としては一応、頑張ってみたらどうかぐらいの意見だったということで、いかがでございましょうか。
 冨田委員。
〔冨田委員〕
 またこれから6月にかけて、国・地方のプライマリーバランスの黒字化の目標と、それを実現するための計画をつくる時期でして、そういうことにもこれが影響することになるとすれば、ますますいろいろな議論が混乱してしまうように私は思うのですよ。だから、軽い気持ちで、数字がたくさんあればいいという話でもないように思うのですよね。さっきの資産・負債差額と特例公債の残高の乖離だってそうだし、そういうものが実際の政策決定に大きな影響を及ぼすことになったら、それはどういう意味があるんだろうと。単に統計をつくる労力だけがコストじゃなしに、いろいろな混乱になりはしないかと。
 そこまで皆さんに公会計の統計を使ってもらったら混乱するということでもあるんですが、ちょっと変な言い方なんだけれども、私は今のSNA統計のものが基本になっていて、これまである意味、21世紀になってから、それをずっとやってきたわけなんですよね。それが違って、ここでいう形のものが出てきたときに、それもまた財務省から出てくるということについて、どういうふうにみんな判断するんだろうかということだと思うんですよね。
 だから、軽い気持ちでいろいろな観点から会計書類をつくればいいんだということだけでは、私はとどまらないような気がしてならないと思うのですよ。黒川座長ご案内のとおり、2025年問題というのがよく言われているわけでして、もう目前なわけですよね。そういう中において、これが出ることの意味はどうなんだろうということなのです。
〔黒川部会長〕
 土居委員。
〔土居委員〕
 私は②の超過費用と区分別収支計算書の関係に関しての意見は留保していて、なぜ留保しているかというと、こちらは確かに国の財務書類の中で自己完結的に、両者の対応関係はどうなっているのかということが本来知りたいと思う人はいるだろうと。ただ、①のほうは、繰り返しになりますけれども、基礎的財政収支という概念を、国の財務書類では重要な指標だとそもそも位置づけていない中で、でも極端に言えば、カンニングできちゃうわけですよ。
 つまり、国の決算書から、基礎的財政収支対象経費は幾らかというのは簡単に計算ができてしまっていて、確かに支出に該当する区分別収支計算書の費用を拾ってきて、でも若干両者に差があるねと。それはここで、数字でいえば注2というところに書いてあって、誤差みたいな感じで出てきますよと。だけどそれは、国の財務書類の本体を一べつしただけではわからない数字かもしれないけれども、おおよそ合っていると。
 それから、税収プラスその他収入というのも、これは国の決算書から既に金額はわかっていて、つまり、何から何を引けば、一般会計における基礎的財政収支というのが平成28年度は幾らかというのは数字が出ているので、もうカンニングできていて、あとはおおよその想像はついてしまう。追加の計算とか、わざわざ公会計室にやっていただくまでもなく、既に今日の資料の中でも、これとこれを足したやつが税収プラスその他収入にほぼ近似して、これとこれが基礎的財政収支対象経費にほぼ近似して、それとそれを引けば、基礎的財政収支が一般会計で幾らかというのがおおよそ計算できるというのは、平成26年度のところに示されている数字がアップデートする以上に、特に強い意味はないと私は思っています。
 なので、それを公会計室の方にしていただくというぐらいだったら、既に平成26年で計算方法をお示ししているので、それに近似する形で計算してください、答えは既に、この国の財務書類ではなくて、国の決算書で基礎的財政収支というのは計算して、例えば内閣府とか、いろいろな形で示そうと思ったら、幾らでも決算ベースで示されていますということなので、①については、できればやっていただくというよりか、自分でもできるんだから、わざわざやらなくてもいいんじゃないかというのが私の意見です。
 ②はちょっと私は微妙なのは、そうはいってもこれは国の財務書類の中で、自己完結的に両者がどうなっているかということを示せると、役立つ方もおられるのかなという気はしていて、これは基礎的財政収支とは無関係の、ただし②の一番下の部分だけ別ですけれども、それは私はそこまでする必要はないと思いますが、区分別収支計算書と超過費用との対応関係というところがどうなっているかというのが気になる方もおられるし、実際これは会計学的に考えてもそれぞれに意味があって、両者の差は何だろうと思われる方もおられるということだとすると、そこをできるだけ簡便に、私の印象でいうと、なさるかなさらないかはお任せしますけれども、仮になさるとしても、公会計室で既に今日提出されている一般会計と特別会計の数字があって、合算した数字があって、ざっくりこれとこれを足して、だけど、これの一部は含まれないものが入っているけれども、概念的にはその一部は入るはずだとかというような表示の仕方で。
 実際、これも全てを記載しているわけじゃないですね。例えば、その他の発生主義関連項目マイナス2.3兆円というのが、この資料に書いてありますけれども、2.3兆円の全項目をここに列挙しているわけじゃないので、一部でも主要なものだということで列挙していただいて、それが例えば26兆のマイナスから11.1兆のマイナスになって、それが5.9のプラスになるという、そういう概念をアバウトで示すということにして、清水委員にご納得いただくという形でおさめるのがいいんじゃないかなという気がします。
〔黒川部会長〕
 木村委員。
〔木村委員〕
 あまり余計なことを言わないほうがいいとは思うんですが、1つの妥協案といいますか、私の大まかなイメージとしては、ちょっと頑張り過ぎているかなというイメージは正直ございまして、発生主義財務諸表の関係でいろいろなものがつけ加わり過ぎているというところがあります。なおかつ、それを毎年やらなきゃいけないというものではないと思うんですね。
 先ほど法規課長がおっしゃったように、いろいろなタイミングの問題があるのであれば、例えばですけれども、何年かに1回、こういう分析の試みをするとか、そういう方法もあるんじゃないのかなという感じがしております。継続性の原則がそのまま妥当する場面ではないと思いますし。実際問題として、私は事務局に同情するところは多くありまして、ここの②の費目が、システム上、財務省で簡単に色分け、分類できるなら話は別なんですけれども、あくまで各省庁の協力をもとにした法令外の措置ですので、もう少し柔軟に対応する方向があっていいんじゃないかということで、1つの可能性を申し上げた次第でございます。
〔黒川部会長〕
 会計学者のほうもいかがですか。秋山先生と橋本先生はご意見ございますか。
 秋山委員。
〔秋山委員〕
 私は学者ではないですけれども、会計を日々使う者としては、発生主義と現金主義会計の違いがどうなのかというのは興味のあるところであります。
 私も公会計室さんにそんなに手間をかけていただく必要はないと思っている前提でお話させていただきますと、省庁別財務書類をつくる過程の中で、多分その作業の中で、こういう数字を拾えるんじゃないかなと思うんですね。なので、それを機械的に拾っていって、②に使える数字になるのであれば、そんなに手間をかけてやる必要がないのではないかなと思っています。実際その省庁別財務書類をつくる中で、こういったデータがとれるかどうか、私は承知しておりませんけれども、もしそういうのができるのであれば、機械的に簡単な、網の目を大きくしながら作業されるといいのかなと感じています。
〔黒川部会長〕
 橋本委員。
〔橋本委員〕
 コストベネフィットの関係だと思うんですよね。会計の立場からいうと、発生主義情報との比較というのは重要で、また、日本のこれまでの公表・開示レベルからいうと、諸外国に比べるとちょっと見劣りする部分はあるんですけれども、現状でコストとベネフィットを考えながら、徐々に。1つの目標としてはあるかもしれないけれども、今回ここでそこまで行くかどうかは、コストとベネフィットを考えてということでいいかなと思います。
〔黒川部会長〕
 各委員の意見がばらばらになってしまったので、今、法規課長とも相談したのですけれども、これは部会長として、ここで何かというと、強権発動みたいにとられかねないかもしれない。
 そこで、この問題は非常に難しいので、結論は出ないと。この関係性を示す計算書をもう一回復活するかどうかということについて、当部会として結論は出なかった。これが事実だろうと思います。しかし、木村委員が落としどころみたいな。この計算書が全く無意味かどうかということは、また清水委員が直接出てこられて、皆さんを説得する意見をおっしゃるかもしれないわけであります。したがって、この計算書が全くコストベネフィットからいって純コストのほうが大き過ぎて、これから先、必要ないという結論でもなかったように思うわけなので、今回は、このままつくれとはなかなか言えなかったということは事実ですけれども、これが未来永劫必要ないということでもなかった。
 したがって、また次回、1年先になってしまうかもしれませんけれども、折を見てもう一回、今度は清水委員も来られたときに、その場で各委員によく説明して、それでもう一回、復活するということもあり得るから、今回はそういうことで納得してくれないかと。納得してくれないかって変ですけれども、この部会としてそういう結論に至ったと。ですから、ペンディング。要するに、復活するかどうかはともかくペンディングでということでいかがでございましょうか。
 では、どうもありがとうございました。
 土居委員。
〔土居委員〕
 さっきの話題に戻っちゃうんですけれども、資産・負債差額と特例公債残高の話が議論に出ていて、10ページに図があるんですけれども、実は説明は18ページの一番下に、それらしい説明があるんですよね。なので、今さら間に合わないのかもしれませんけれども、もしあれでしたら、10ページの図がここでの18ページの一番下の説明と対応しているということを付記されたほうが、せめてグラフが何なのかというところの補助的な説明になるんじゃないかと。
〔冨田委員〕
 大部分がね。
〔黒川部会長〕
 大部分がね。
〔冨田委員〕
 僕が言っているのは、積立金の取り崩しとか、そういうことによる財政規律のゆがみとか、そういうことについて、私にはこの図はそう見えるわけです。人によって見方は違いますけれども。
〔黒川部会長〕
 わかりました。これはちょっと。
〔赤井委員〕
 研究者はこの差を見たくなる。
〔冨田委員〕
 この差は大事だよね。
〔黒川部会長〕
 もう時間が来ていますけれども続けましょうか……。
〔赤井委員〕
 いや、そのことはいいですよ。
〔黒川部会長〕
 期初のところがあるというのがまた大きいですよ。二百数十兆。
 では、もう時間が来ていますけれども、もう一つの議題に移りたいと思います。
 では室長、説明をお願いします。
〔坂本公会計室長〕
 それでは、時間との関係もございますので、簡略にご説明申し上げます。「個別事業のフルコスト情報の開示」ということでございます。資料はパソコンの中に入っておりまして、資料3というものでございます。07資料3というものでございます。下から3番目に入っております。
 それでは、最初に1ページをご覧いただければと思います。「個別事業のフルコスト情報の開示」ということでございますが、これも先ほど出てまいりました27年4月のワーキンググループの報告書をきっかけとして始めまして、今回で3回目ということでございます。
 どんなものかと申しますと、これは机の上に配付してございますけれども、ピンク色の表紙のダイジェスト版という冊子がございますが、そこの最初の、ページで申しますと5ページをご覧いただければと思います。
 これは一番最初の事業ということですが、国会の例えば衆議院の業務に係るフルコストということで、内訳としては一般的な事業コストに加えて、人、物、庁舎等の減価償却費などを加えたものをフルコストとして出しまして、それについて、単位当たりコストという情報をご覧いただきますと、例えば国民1人当たりで見ると、衆議院の場合は526円ぐらいかかっているとか、あるいは1日当たりのコストを見ると、1.8億円程度かかっていると。そういった事業コスト以外のコストも含めてカウントして、どのぐらいの規模感の事業なのかというのを見てみるといった取り組みでございます。
 フルコスト情報の開示については、今回で3回目ということでございますけれども、今回も先ほどご覧いただいたようなダイジェスト版を公表するということを中心に準備を進めてまいりました。
 1ページの資料をご覧いただきますと、今年度の取組みといたしましては、「本年度の取組結果」、緑のところでございますが、主に3点ございまして、フルコストの算定事業数を41事業から59事業に増やすといったことをやっております。そして、先ほど2つの指標をもとに規模感を示しておりましたけれども、公表内容の充実ということで、例えば単位当たりコストの表示数を増やすといった取組みをやっております。また3点目としては、今後の活用方策を考えていく上で、財務省関係の職員など、ただいま会計課関係の職員などを中心に、研修・説明会などを今年度実施してきたというところでございます。
 対象事業の拡大については、その次の2ページをご覧いただければと思います。表になっておりますけれども、今回、赤字で表示している事業が新しく加わったということでございます。今回、表で申しますと左下のところでございますが、2ポツの直接型10件という囲みの中にございますが、厚生労働省の協力をいただきまして、⑦、⑧のような労災保険の給付業務ですとか、あるいは失業関係の給付についても、新たなジャンルとしてつけ加えさせていただいたりしているということでございます。
 そういった、主に3つの取組みを今年度進めてきたということでございますが、今後の取組みの方向、課題といたしましては、資料としては、ページが最後のほうに飛びますが、7ページをご覧いただければと存じます。取組みの今後の対応方針というところでございます。対象事業を拡大、あるいは開示する情報を増やしながら取組みを進めてきたということですけれども、引き続き、基本的にはやり方を工夫しながらということですので、試行的な取組みという位置づけで進めていきたいと考えております。
 そういう中で、今後の課題としては、これを具体的に、例えば予算のPDCAサイクルですとか、あるいは行政評価の面での活用といった、具体的にどのように活用していくかというところをもうちょっと視野に入れて、そういった部門の行政関係者、職員等の意見をしっかり聞きながら、こういったセグメント情報のあり方の検討を進めていきたいと考えております。
 そういうことを進めながら、並行的に、「このため」というところにございますけれども、これも各省庁の協力を得ながら、事務負担をいただきながらやっているというところもございますので、今、60近くまでやっておりますけれども、そこの事業ごとの必要性、どういった性格の事業が、そういった使い道の面との関係で、より有益かどうかといったところをよく考えながら、必要に応じてスクラップ・ビルドを行いながら進めていきたいと考えているところでございます。そういった中で、引き続き取組みを進めるということでございます。
 そういう中で、③の一番下のところにございますけれども、今申したような今後の活用方策なども視野に入れて、3回目になったフルコスト情報の開示の取組みを、今後どう進めていくのかということについて、事務局で一度、課題というか、たたき台を整理させていただきまして、できれば次回3月の、連結財務書類をお諮りするときにあわせて、中間的なまとめというか、今後どう取り組むべきかといったところをご議論いただくように、準備を進めていきたいということでございます。
 以上です。
〔黒川部会長〕
 室長、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局からのご説明についてご意見、ご質問等ございましたら、ご発言をお願いいたします。
 木村委員。
〔木村委員〕
 先ほど少し一面的な言い方をし過ぎたところがあって、その補いの意味で申し上げますと、このあたりもおそらく事務負担とかいう話が出てきて、なかなか我々の思うとおりにはいかないということは出てくるんだろうと思います。基本的にはこういう法令外の措置ですから、可能な範囲でということになるんでしょうけれども、本当に必要だったら法令化などをするというのが本来の筋だと思いますので、その辺も考えていただきたいと思います。
 特に問題になると思われるのは、こういったものをつくって、この数値がほんとうに正しいのかという検証ができないシステムだと思うんですね。どこかのペーパーにもありましたが、本来であれば会計検査院の検査とか認証とかが求められるはずなんでしょうけれども、そういうこともないということで、かなりふわっとした面はあると思うんですね。
 そういう観点から、1つの切り口だけ申しますと、今後どういう方向で活用していくのか、どの分野を重視していくかということに関連して、今のスライドの一番最後だと思うんですが、9ページとか、参考②と書いてあるところだと思いますけれども、フルコスト情報における研修・説明会での主な説明内容ということで、一番最後の自己収入比率の話、これは重要なポイントだと思うんですね。
 法律的な観点からすると、最近の手数料などに関する裁判例をみると、この辺が場合によっては司法判断で使われる可能性もあると思います。手数料とかの水準をどう算定するのかという問題について、場合によってはこういったフルコスト情報を使って行政実務を正当化したり、逆に、手数料が高過ぎるとかいう司法判断が示される可能性もあるわけです。
 そういう観点からすると、この種の情報の提示が、説明責任などのロジックを媒介として、法令上の要請とだ考えられることもあるわけです。そこで、場合によってはこういう観点から、実質的に法令上求められているんだという言い方ができる可能性も考えに入れて、どの分野を重視していくのか、選択の1つの考慮要素にしていただきたいということです。私自身の意見もふわっとして申しわけないですけれども、それだけ申し上げておきたいと思います。
〔黒川部会長〕
 よく明瞭にわかりました。ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょう。土居委員。
〔土居委員〕
 これは直接的に一対一対応をしているわけではないとは思うんですけれども、それを包含する複数の事業が政策評価とかそういう形で、別途評価にかけられるということがある場合に、こういうコストを計算したということで、評価をしていただく際の資料に使っていただくとか、ないしは行政事業レビューのレビューシートがあって、それとも有機的に連携できると、レビューシートにこの計算結果を載せるとか、しかも継続して毎年計算していると、毎年の数字をそのレビューシートに書くということができるとか。
 そういう意味で、この公会計部会に供するために計算したというだけでなくて、それがほかのアイテムとしても使えると。同じ計算結果だけれども、ほかのアイテムとしても使えるような、一石二鳥というか、計算した労はそれなりに報われるものがあるというところを、各省の部局の方々にも宣伝ないし理解の浸透をしていただけるといいんじゃないかなと思います。
〔赤井委員〕
 ちょっといいですか。私もほぼ同じ意見で、この事業をいろいろ考えられて選ばれていると思うんですけれども、もちろん、国民がどのぐらいお金がかかっているかと注目しているような事業。それから、あまり選びにくいかもしれませんけれども、逆に無駄があるんじゃないかと国民が思っているような事業。その場合は行政事業レビューとの連携なんかもできると思いますし、あとは国が特に推進しようとしていて、骨太とか財政諮問会議でどんどんやりましょうということでKPIがかなりでき上がっている一方で、そのKPI達成のためにどのぐらい費用がかかっているのかというのはあまり議論されていないような事業とか、そういうのを取り上げていくと、ほかとの連携だし、ここで出たコストというものが、ほかの施策を行う上での参考になればいいのかなと思います。ちょっと難しい話ですけれども。
〔黒川部会長〕
 いえいえ、大いに参考になります。ありがとうございます。
 ほかにどうでしょうか。ご意見ございますでしょうか。
 冨田委員。
〔冨田委員〕
 これが類似事業であれば、フルコストで単価的なものを比較するということは、私は非常に意味があると思うんですよね。ただ、残念なことに国の業務というのは類似業務がほとんどなくて、それぞれが独自なわけでして、それが効率的になされているかどうかという判断は非常に難しいんですね。だから、先ほど土居委員が言われたのは、時系列で見るかということだと思うんですね。
 ただ、国全体を見て優先的にやらなきゃいけないのは、例えば地方においてトップランナー方式とかいって、今いろいろなコストをはかろうとしているんですけれども、なかなかできていないんですよね。むしろそういうことを、例えば一番コストの低いものを基準財政需要の算定のときの単位費用に使うとか、比較して初めて意味がわかる。つまり、絶対値だとなかなかこれが効率的かどうかわかりませんので、そういうところに力点を置く必要はあるんじゃないかなと思うんですね。ここで例えばフルコストで会計検査業務159億6,000万円と言われたって、絶対値で言われたって何のこっちゃということになるわけですよ。
 だから会計というのは、ある観点から、ある切り口から統計をつくって、昨日より私自身は、より早く走れているかどうか、隣の人と比べて早く走れているかどうかということに、私は意味があると思うんですね。特に私のような凡人の場合は、そういうのがないと判断できないわけなんです。だから、絶対値でここでお示しになっていることを、どうだと言われたって、私は困ってしまうということなんです。だからこれは、時系列でとるとなったら、ほんとうに大事な項目について、赤井委員が言われたような今の重要な項目について、フルコストで時系列で見てみるとか、そういう工夫が要るんじゃないでしょうかということでございます。
〔赤井委員〕
 毎年つくれば、時系列で。
〔坂本公会計室長〕
 このダイジェスト版には紙面の都合があってご紹介できていなかったんですけれども、その元表には、ある程度時系列でそれぞれの事業が見られるデータもございますが、ご指摘も踏まえて、どういうふうにやったらいいかというのは検討させていただきます。
〔赤井委員〕
 これは公表しないんですか。しますよね。
〔坂本公会計室長〕
 これは公表させていただきます。
〔黒川部会長〕
 今回は……。
〔奥法規課長〕
 各省から公表前ですので、この会議終了時には回収させていただきます。
〔黒川部会長〕
 それから、これを見ていただくと、単位当たりコストみたいな、ただフルコストの総額だけじゃなくて、何か国民が理解できそうな指標を何とか。
〔赤井委員〕
 いや、大変おもしろいと思います。特に新聞とかが選んで書きそうなネタもあって。
〔黒川部会長〕
 そうですよね。だから、それは工夫しているので、もし各委員から、何か分母になるようなご提案があれば、ぜひともしていただければ、事務局としては計算すればいいんですから、ぜひともどしどしと言っていただきたいと思うんです。
 ただ、今日は既に15分超過しておりますので、ここは部会長の権限で打ち切りということにさせていただきたいと思うのですけれども、今言いましたように、ご意見とかご質問等がございましたら、メール等で事務局宛てに送っていただければ、反映できるものは反映したいと思っております。
 以上をもちまして、本日予定しておりました議題は終了いたしました。なお、平成28年度の国の財務書類、特別会計財務書類、省庁別財務書類、政策別コスト情報、個別事業のフルコスト情報につきましては、特別会計財務書類が1月30日に国会提出予定であることから、いずれの書類も同日に公表される予定と聞いておりますのでご承知おきください。
 最後に事務局から連絡事項をお伝えいたします。
〔坂本公会計室長〕
 その前に、先ほどお答えした中で、若干訂正させていただきたい点がございますので。
〔山嵜課長補佐〕
 先ほど秋山委員からご指摘ございました出資金の評価の部分に関しましては、作成基準の中の、出資金をどのような金額で載せるのかという部分の記載がございまして、「「出資金」のうち、市場価格がないものは、国有財産台帳価格をもって貸借対照表価格とする」と書いている部分で、先ほど申し上げた部分とあわせ読んで、今のように評価しているということでございます。
〔坂本公会計室長〕
 失礼しました。
 次回の部会については、3月を予定しております。近くなりましたら事務局から日程調整のご連絡を差し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
 先ほども出ましたが、参考資料3のピンクの表紙の資料、フルコスト情報のダイジェスト版につきましては、他省庁との公表のタイミング等もございまして、今日は机の上に置いてお帰りいただければと思います。そのほかの国の財務書類、パンフレット等も含め、公表後、改めて郵送させていただきます。
 以上でございます。
〔黒川部会長〕
 それでは、本日の部会はこれで終了いたします。どうもお疲れさまでした。ご苦労さまでした。
午後4時19分閉会