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財政制度分科会(平成29年10月31日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成29年10月31日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成29年10月31日(火)14:00〜16:00
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)

1.開会

2.議題

  • 文教・科学技術
  • 地方財政
  • 防衛

3.閉会

出席者

分科会長代理

田近栄治

うえの副大臣

木原副大臣

今枝大臣政務官

長峯大臣政務官

茶谷次長

大鹿次長

神田次長

青木総務課長

中野司計課長

奥法規課長

若原給与共済課長

関口調査課長

安出主計官

湯下主計官

小宮主計官

高橋主計官

内野主計官

中島主計官

阿久澤主計官

岩佐主計官

竹田官房参事官

藤ア主計企画官

北尾主計企画官

赤井伸郎

遠藤典子

黒川行治

神津  里季生

佐藤主光

武田洋子

竹中ナミ

中空麻奈

永易克典

宮島香澄

臨時委員

秋池玲子

伊藤一郎

宇南山   卓

老川祥一

大槻奈那

葛西敬之

喜多恒雄

小林 毅

進藤孝生

末澤豪謙

田中弥生

冨田俊基

増田寛也

~子田  章博

宮武 剛


午後2時00分開会

〔 田近分科会長代理 〕 これより会議を始めたいと思います。

本日も、冒頭、カメラが入りますので、このままお待ちください。

(報道カメラ 入室)

〔 田近分科会長代理 〕 ただいまから、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様には、ご多用中のところ、ご出席いただきましてありがとうございます。

本日は、お手元の資料にありますように3つの議題を取り上げる予定です。第1は「文教・科学技術」、第2が「地方財政」、第3が「防衛」です。

「文教・科学技術」については審議を含め55分程度、「地方財政」については同じく審議を含めて30分程度、「防衛」については25分程度を予定しています。いつものように、よろしくお願いします。

それでは、報道関係者の方はご退室いただきたいと思います。

(報道カメラ 退室)

〔 田近分科会長代理 〕 それでは、本題に入ることにいたします。

まず初めに、「文教・科学技術」について審議を行います。中島主計官より、25分以内で簡潔にご説明をいただきます。

よろしくお願いします。

〔 中島主計官 〕 文部科学担当主計官の中島でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

大部になりますので、全てをご説明申し上げることは避けまして、ポイントだけを絞って説明をしたいと思います。

おめくりいただいて2ページの目次をごらんください。ここで、今後、説明しますもの、それから説明しないものを、分けて簡単にご紹介させていただきたいと思います。

論点1は、「公財政教育支出」、これはいつも申し上げていますように、公財政教育支出の対GDP比がOECD諸国の中で見れば低いと言われていますけれども、1人当たりで見れば遜色はないということを申し上げているものであります。

それから、「幼児教育」と「教職員定数」については後ほどご説明いたします。

次の「学校の規模」のところでありますが、これもいつも申し上げているとおり、小規模な小・中学校が増えてきてございますので、教育的な観点から学校規模の適正化が必要ではないかと申し上げているものであります。

その次の「高等教育の経済的負担の軽減」、つまり大学教育にかかる負担軽減についてですが、これと大学の「若手研究者の処遇」について後ほどご説明いたします。

「大学競争力」につきましては、国立大学法人運営費交付金、これは非競争的な資金ですが、運営費交付金が減少してきているので、競争力が低下しているのではないかといったようなご指摘がありますけれども、財源の多様化や、予算の使い方などを改善することによって、競争力を上げていく余地があるのではないかということを申し上げているものであります。

その次の「私学助成」と「科学技術」についても、後ほどご説明いたします。

「文化」のところは、入場料収入などをいただけるような施設については入場料収入をいただくということで、予算を拡充することなしに事業規模を拡大することが可能なのではないのかということを申し上げているものであります。

それでは、内容に入っていきますが、まず10ページの幼児教育をごらんください。

幼児教育は、3歳から5歳までの幼稚園ということになります。保育園とかではなくて幼稚園ということになりますけれども、この幼児教育について、経済的な負担の軽減の観点から無償化を進めることになっておりますが、その際に留意すべきことは何なのかということでございます。

中身は、13ページをごらんいただきまして、青い棒グラフは保育料、授業料です。オレンジの棒グラフは、入学金、入園料ということになります。青い棒グラフで、ずっと授業料が引き上がってきていることがおわかりかと思います。様々な要因ありますが、何故引き上がってきているのかという要因分析が必ずしも明確ではないという課題があります。そして、緑色の折れ線グラフを見ていただきますと、これは幼稚園の数です。8,000件程度あったのが5000、6000件まで減ってきています。

それから、27年度からは新制度ということで、認定 こども園の世界に幼稚園が移行するというものがございます。認定こども園の世界に移行しますと公定価格になります。旧幼稚園として残るのは、いわゆるブランド幼稚園のような授業料の高い幼稚園が残りがちな傾向にございますので、そのまま単純に平均をとりますと授業料が引き上がってしまう。それから、全ての3歳から5歳児を対象に無償化をすることになっていますので、そうすることによって授業料もやはり引き上げやすくなってしまいます。今後、授業料の引き上げを助長することのないような仕組みが必要なのではないかという問題意識を持ってございます。

続いて、15ページ、教職員定数をごらんください。新しい学習指導要領では、小学校3年生から6年生で英語が週1コマ増加することで、その分教員の持ち時数が増えてしまいます。それから、学校における働き方改革ということで教職員定数増の要求がございますが、これについてどう考えるのかということでございます。

次の16ページをごらんいただきまして、表の左隅のほうを見ていただきますと3,415人、これが30年度における要求であります。その3,415人の右側、2万2,755人とありますが、今後9年間でこれだけの増要求があるということです。

要求の中身を見てみますと、この表の上のほうをごらんいただきますと、小学校専科指導の充実ということで2,200人、これが英語の教科化に伴う持ち時数の増に対応した増要求です。

それから、ずっと下がって、下から2つ、3つ目のところに、「共同学校事務体制強化」、「主幹教諭の配置充実」とあります。これは、働き方改革に沿った増要求という形になります。

それでは、17ページをごらんいただきまして、まず英語の教科化に伴った増についてどう考えるかということでございます。表の小学校のところを見ていただきますと、現行の学習指導要領は941コマということになっています。英語が授業化されて授業時数が増えるということで、新学習指導要領では、これは平成32年度から本格実施ですが,964コマに増加いたします。

これだけ先生の持ち時間数が増えるということですが、現場の実態を見ますと、オレンジの実態調査のところに981コマとあります。現行学習指導要領の941コマに対して、既に現場では981コマの授業をやってございます。もちろん、上回っている分は英語とは限らないわけですけれども、様々な授業、例えば国語とか算数とかを多目にやっておられるということだと思いますので、この多目にやっている授業を英語に振りかえていくことで、964コマをこなすことが可能なのではないかという問題提起でございます。

それから19ページまで飛んでいただきまして、では英語自体はどう対応していくのかということであります。まず、新規に採用することは可能なのかというと、紫の線で囲ったところを見ていただきますと新規教員採用の実態とございます。1つ目の丸は養成する側ですが、大学の小学校教員の教職課程で英語が必修のところは1割程度しかない、半数以上が小学校の英語に対応した科目を設置していない。つまり、養成が十分ではないということであります。それから、採用する側ですが、一部の都道府県で英語の資格を持っていれば英語の試験の一部免除、加点はあるわけですが、必ずしも試験科目として英語が導入されているわけではないと、こういった実態があるということです。採用するにしても、なかなか難しい状況にあるということであります。

そうすると、おそらくは中学校の英語の先生にお願いするか、青いところにALTと書いてありますが、外国語指導助手の方々を活用することを考える必要があろうかと思います。

ALTは教員ではございませんので、授業をするときには教壇に担任の先生とALTの先生が立つことになるわけですが、それはあまりに非効率ということで、緑色のところ、特別免許状というものをALTの皆さんに付せば、単独で教えることも可能になるわけですが、この特別免許状の付与が95件というように、あまり活用されていないので、ALT、外部人材の活用に当たっては、こうした特別免許状なり、免許制度の改善とあわせて対応していくことが必要なのではないかという問題提起であります。

続きまして、次の20ページですが、働き方改革の観点であります。右側の帯グラフを見ていただきますと、これは教育委員会から学校に対する調査・報告物が1カ月でどの程度来ているか。オレンジ色のところ、50件以上来ているのが2割、3割近くあるということですけれども、いずれにしても調査・報告物が学校に対して多い。

それから、その下の表のところ、赤で囲ってあるのは、1年間に学校に対してどれだけ文書が行っているか。2,000件以上行っていて、これも10年前からほとんど変わっていない状況でございますので、こういった事務の負担軽減をまず考えていくべきではないかという問題提起であります。

それから、21ページに行っていただきまして、市町村費負担事務職員という方々がいらっしゃいます。国庫で補助をしている県費負担事務職員のほかに、市町村費負担事務職員という方がいらっしゃいます。左の表を見ていただきますと、交付税の算定上、積算で、小学校で1.8万人、中学校で0.9万人分、財政的には措置をされているということになるわけですが、文部科学省の実態基礎調査におきますと、小学校で2,000人、中学校で1,000人ということになってございます。この両者の間の差は、事務職員が学校にいないのか、あるいは学校基礎調査は本務教員だけを拾っていますので、非常勤としていらっしゃるということなのか、そこの実態がよくわからない状況でございますので、そういった実態をしっかりと調べるべきではないのかという問題提起であります。

次の22ページをごらんいただきますと、上の塊は出勤時間を管理しているか、下の塊は退勤時間を管理しているかということであります。私ども、タイムカードで管理すべきということを申し上げたいわけではなくて、こういった出退勤の時間管理ができていないということは、先生それぞれの仕事、業務を管理できていないのではないかという問題提起であります。そこをきちんと把握して、先生それぞれに忙しい人、余裕がある人という差があるのであれば、そういったところの平準化を図るなり、業務の適正化をすべきではないのかという問題提起であります。

次の23ページに行っていただきまして、これは部活動の実態です。上の青いところの1行目の右端を見ていただくと、週2日以上、休養日を設定することが適切と文部科学省は言っているわけでありますが、円グラフを見ていただきますと、設けていないとか、週1日しかないといったところが太宗でありますので、こうした部活動の量的な見直し、総量規制も含めた部活動のあり方の見直しが必要ではないかという問題意識であります。

24ページは、今、申し上げたようなことが言葉で書いてあります。

そして、29ページまで飛んでいただきまして、ここからは大学等にかかる経済的負担の軽減についてであります。高等教育にかかる経済的負担の軽減を進めるということになっておりますので、それを進めるに当たって、高等教育の質の向上ですとか、学生がしっかりと勉学に励むためにはどういったことに配慮すべきなのかということと、世の中では所得制限なしの無償化であるとか、オーストラリア型のHECS(授業料後払い制度)といったものの議論がありますが、これをどのように考えるのかという論点であります。

34ページまで飛んでいただきまして、これは大学生、あるいは大学教育の実態を見たものであります。上が大学生、下が高校3年生に聞いたものであります。上の大学生で見ていただきますと、あなたの大学に義務教育レベルに達していない学生がどの程度いますかという質問を行っております。そういった学生が半分以上いるとお答えになられている大学が18.1%、高校レベルに達していない学生が半分以上いるとお答えになられている大学が32.3%であります。大学の現状、大学生というのはこのような実態にあります。

次のページをごらんいただきますと、学生が授業以外で勉強しているのかということを示しており、授業以外ではあまり勉強していないというのが実態であります。

36ページ、大学のほうで学生に対して勉強をさせるようなことになっているのかということですけれども、大学設置基準というものがございます。青い四角、大学設置基準の第21条2項の下線を引っ張ったところを見ていただきますと、1単位の授業科目は45時間の学修を課する、授業と授業以外で45時間の学修、勉強を課するということになっています。授業は、その下の下線ですけれども、うち15時間から30時間です。つまり、この差、30時間ないし15時間は、家で勉強するために課題を付す必要があるというのが大学設置基準上の前提になっています。

その前提に基づいて、卒業までにどれだけ勉強しなければいけないかを計算してみますと、左の隅にありますように、授業のある日でいくと1日当たり9時間、授業と合わせて勉強をすることになっていますが、実態は、右のほうを見ていただきますと、授業と合わせて4.6時間なので、学生に対して勉強をさせるような状況にもなっていないということでございます。

以上をまとめますと、37ページでありますけれども、大学では社会のニーズに合った教育、質の高い教育をしていただくような大学改革をしていくと、企業側におかれても採用のときに成績を見たり、処遇に反映していただけることになるでしょうし、そういったことによって学生のほうでも勉強するインセンティブになるでしょう。学生が勉強すると、また大学のほうでも質の高い教育を施していくことになろうかと思いますので、そういった好循環をきちんと回していただくということが、制度設計で考えなければいけないことではないか。この好循環をきちんと回して、経済的支援の仕方、奨学金や授業料減免を充実させることによって、この好循環を阻害しないような仕組み、制度設計にしていく必要があるのではないかという問題意識であります。

次の38ページをごらんいただきますと、これはオーストラリアで導入されているHECS制度を解説したものでございます。簡単に申しますと、下の表を見ていただきますと、授業料は後払いで、学生は在学中に授業料を払いません。そうすると、大学は困ってしまいますので、国から学生拠出分というものが払われます。それ以外に、日本で言うと、国立大学法人運営費交付金とか、私学助成のような政府拠出分という補助金も入ってくる。学生は、卒業後、授業料相当分、学生拠出分を所得に応じて、税などと合わせて払うという仕組みであります。

1行目に戻っていただきまして、オーストラリアのHECS制度はそれまで授業料を徴収していませんでした。これは1980年代に導入されたと思いますけれども、授業料を徴収していなかった制度から、授業料を徴収するように制度を変えていった中で、こういった後払いという仕組みを導入したということでありまして、必ずしも低所得者対策ではないということであります。

この問題点は、次の39ページであります。上がHECS、下が29年度から導入し始める所得連動返済型奨学金ということになります。特に、上の右の棒グラフを見ていただきますと、HECSは全ての学生を対象にするものでありますので、高所得者にも便益が及びます。低所得者にも、高所得者にも1回、同じような貸与額といいますか、窓口では無償にしますので、同じ便益が発生します。したがって、高所得世帯と低所得世帯の間の格差が埋まらないという問題がある。29年度以降、導入しようとしています所得連動のほうは、低所得世帯だけに便益を及ぼすものでありますので、ここの格差が埋まります。そういった意味では、HECSよりも格差是正効果は高いだろうと思っています。そういった問題点があるので、HECSは適切ではないのではないかと考えております。

40ページは、それを言葉で書いてあるものです。

41ページに参りまして、これは大学における若手研究者の処遇です。国立大学法人運営費交付金が減少してきているので、若手研究者が任期なしから任期つきになってきているということ、あるいは博士課程の入学者が減ってきているといった問題が指摘されていますが、それをどう考えるのかということであります。

43ページに行っていただきまして、まず運営費交付金が減っているのかということであります。左の棒グラフを見ていただきますと、運営費交付金自体は、平成16年に法人化されて以降、法人化のときは1兆2,416億円ありましたが、29年度は1兆971億円なので、この間、減ってはございます。

減っている中身を見ていただきますと、緑色の部分が病院運営費交付金、これは病院が赤字の場合、補テンしていたものですけれども、黒字化してきましたので、その補テンの必要はなくなったということで、これが剥げ落ちている。退職手当も、16年度のころは退職者が多かったので、それに伴い退職手当も多かったですけれども、29年度は退職者が少し減ったので、その分の退職手当が減ったということで、こうした特殊要因を除けば減っているのは正味434億円ではなかろうかということです。これに、右のほうのグラフで、補助金、競争的な資金を加えますと、国から大学に行っている公費については増えているということがおわかりかと思います。必ずしもお金が減っているわけではないということであります。

そして、46ページをごらんいただきますと、40歳未満の教員、若手の教員で任期つきが増加し、任期なしが減少しているという指摘があるわけですが、左の表を見ていただきますと、教員の業績評価を、「マル7雇用継続・任期延長の判断」にお使いいただいていないということがアンケート結果として出てきてございます。したがって、効果的な雇用判断,あるいは任期の判断をされてこなかったのではないのかという問題意識がございます。

それから、右のほうをごらんいただきますと、これは常勤の先生を拾ってございます。常勤の教員数自体は、この10年で4,000人ほど増えてございます。その増えていく中で、任期つきが増え、任期なしが減っているという状況でございますので、増えている中で任期つきにするのか、任期なしにするのかという配分の問題なのではないかということと、任期なし自体は4.6%減っているわけですが、上のポツで見てみますと入学者が3%弱減っていますので、そうした範囲の中での教員数の減ということも言えようかと思います。

次のページをごらんいただきまして、国立大学法人化以降、定年延長をしてきているという現状もあります。15年度のときには、61歳、62歳、63歳という定年が30校余りあったわけですが、29年度は63歳が9校で、太宗が65歳以上になっている。そういった大学のご判断で任期延長してきている結果として、右のほうですが、任期なし教員を40歳で区切って見たところ、40歳以上が減らない、維持されているような状態にあって、40歳未満が減っているという状態であります。

もし任期つきの問題を改善しなければいけないのであれば、こうした人事政策の改善によって、改善できるのではないか、ということです。私どもとしては、教員の流動性については一定のイノベーションをしていく上で必要なことだとは思っていますが、もし改善が必要なのであれば、そういった人事政策で対応可能なのではないかという問題提起であります。

それから、48ページですけれども、博士の数が減っているという指摘があります。在籍者数を見ると、2006年度のピークから17年度、足元まで見てみますと、確かに微減であります。減ってはいますが、90年代、ずっと増えてきた中での高どまりと見るべきではないのかということと、入り口の議論はするわけですけれども、49ページを見ていただきますと出口の議論が本当は大事なのではないか。これは初任給で見ていますが、博士課程まで行くことによって、必ずしも日本はアメリカのように給料が上がるという状況ではございません。したがって、こうした出口を見据えて入り口の議論をすべきではないのか。つまり、我が国の大学院教育が社会のニーズに合っているのか、それとも企業側で博士に対する評価がきちんとできていないのか、いずれかわかりませんが、そうした出口の議論とあわせて入り口の議論をしないといけないのではないのかという問題提起であります。

50ページは、そのことを言葉で書いてあります。

それから、58ページまで飛んでいただきまして、私学助成であります。定員割れ大学が増えているので、どういった配分をしていくのがいいのかということです。

64ページをごらんください。これは、定員割れ大学に対する私学助成の額を見たものでありまして、赤で囲ってあるところ、24年度は682億円、28年度は830億円まで増えてございます。赤で囲ってある左横のところが定員割れ私立大学の数です。491から479なので、数もそんなに増えていません。私学助成全体も、赤枠の下のところですが、3,230億円から3,211億円ですので、そんなに増えていない。

総額が増えていない中で定員割れ大学に対する補助額が増えている。66ページをごらんいただきますと、何が増えているかというと、オレンジの改革総合支援事業と、青い経営強化集中支援事業が増えているということがおわかりかと思います。

この事業の中身は何なのかというのが67ページであります。右のほうの経営強化という事業を見ていただきますと、経営改革を適切に進めている大学には特別補助をしましょうということであります。こういった審査項目で評点をつけて、点数の高いところに配っているものでありますけれども、中を見ていただきますと、財務分析を理事会で報告しているや否や、理事の役割分担を明確にしているや否や、長期計画があるや否や、定員規模の適正性を点検しているや否やと、そういったような項目であります。そして、寄附金の受け入れが増加しているかというのは非常に大事な項目だと思いますが、これは1点で、地域への貢献について情報発信をしているかどうかといったものが3点という評点になっていますので、もう少し実効性のある配分基準とすべきではないかという問題提起であります。

次のページは、それを文章にしてあるものであります。

69ページに行っていただきまして、科学技術についてです。量的な話がよく議論になるわけですが、中身を見る必要性があるだろうという問題提起であります。

71ページをごらんいただきまして、これは科学技術振興費、足元で言うと1兆3,000億円程度ありますが、その推移について、平成元年を100にして見たものであります。足元は横ばいになっておりますけれども、ずっと増えてきて、その足元が横ばいになっている状態をもって科学技術の停滞を招いているのではないかという指摘がございます。

72ページをごらんいただきますと、左側の上は、国から大学部門、高等教育部門に対する研究開発費を見たものであります。日本は1.8兆円を出しています。国立大学法人運営費交付金とか、私学助成とかを含むものでありますが、国から大学部門に対しては1.8兆円を出しています。ドイツを見ていただきますと1.6兆円なので、そんなに変わらない数字です。

一方、左下の棒グラフですが、高等教育部門におけるトップ10%論文、これは引用度合いの高い、質の高い論文ということになっていますが、日本は3,000本、ドイツは6,000本と、国から大学に対して支出している金額はほとんど同じですけれども、日本はいい論文の数が少ない。したがって、右に行っていただきますと、単純に割り算しますと、1本当たりにかかる研究開発費が多くなっている、つまりは効率性が悪いと考えざるを得ない。こうした効率性を上げていっていただくことで、日本の大学の競争力なり、研究開発の質を上げていただくことは可能なのではないのかという問題提起であります。

そのためですが、73ページ、メリハリづけをもう少しやっていく必要があるのかなと。やや古いグラフですが、電気通信分野で世界の論文の動きと日本の論文の動きを見たものです。コンピュータというか、通信がずっと伸びてくれば世界の論文はそうやって伸びてくるわけですが、日本は学問分野が縦割り、あるいは硬直化していると見るべきなのか、そういった変化に対応できていないようなことになってございます。

これを解消するために、74ページですが、本来的には左の棒グラフにあるように、かつてはS、A、B、Cということで上からざっと順番をつけていたわけですけれども、現状、総合科学技術・イノベーション会議などでは「ハリ」だけを議論するような形になっておりまして、全体の優先順位づけをするということはなされておりませんので、上から下までざっと順番をつける、「メリ」も含めた議論をすることが必要なのではないかという問題提起。

それから、75ページですけれども、科学技術のコストの問題です。まず、上の四角で囲ってある海外機器と国際機器の価格差というところで、同じような機器の国産物と海外物とを比べたときに海外物が高くなってございます。全く同じかという問題はもちろんあるわけですが、似たような機器があったときに、研究者の皆さんはやはり海外ものをお使いになるようで、高いものをお買いになっているということ。

左のアンケート結果は、アメリカのものをアメリカで買ったときと日本で買ったときでは、日本で買ったほうが高いと感じておられる。そうしたこともあるのか、右のほうでは研究開発費に占める機器の購入の割合も高くなってございます。そうしたコストを適切に調べて、見直していくことも必要ではないかという問題提起。

それから、76ページは利用料収入であります。例えば、集束イオンビーム加工装置なる装置を大学で持っていて、企業の皆さんにお使いいただく共同利用みたいなことをしているわけですが、利用料は右のほうにありますように6万円いただいていますが、これは12万円程度いただいてもいいのではないか。そうしていくことによって、研究開発費の足しにすることも可能なのではないかという問題提起であります。

次の77ページは、論文不正などがあった場合、あまり返還を求めていない状況ですので、そういったことでいいのだろうかという問題提起であります。

78ページは、大きなプロジェクトについては後年度負担が大きくなりますので、注意して採択すべしという問題提起です。

79ページ、国際共同プロジェクトについては後で事業規模が非常に増える傾向があるので、これも注意すべきという問題提起です。黄色いところを見ていただきますと、700億円から2,900億円まで増えていますので、こういったものもきちんとチェックしていただく必要があるという問題提起です。

以上を言葉で書いたものが80ページであります。

私のほうからは以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 はい、ありがとうございました。

今、「文教・科学技術」の説明をいただきましたけれども、これについて、いつものとおりご意見、ご質問等をいただきたいと思います。まず、ネームプレートを立ててください。発言は、いつものとおり2分程度でお願いしたいと思います。

それでは、宮島委員と~子田委員、お願いします。

〔 宮島委員 〕 ありがとうございます。何点か申し上げたいと思います。

まず、教員の働き方ですけれども、これは世の中を見て、教師の方々の働きに厳しい部分もあるということは理解できるかと思います。文部科学省の予算要求は、以前はとにかく教師を増やすということで、30人学級にしましょうとか、そういった要求の仕方だったのですけれども、以前よりは、どこの部分が足りないかということを出して、どこの部分に手当てをしていきましょうということを出してきていると思います。

ただ、教育行政全般に関してなのなのですけれども、全体的にやはりエビデンスに欠けるところがあり、かつ過去にやった教育の検証もあまり明確ではない。どうだったかということがはっきりしていないという課題がありました。例で言いますと、グラフで示された勤務時間も、忙しいと言うものの、そこの明確なデータがないということがあると思います。

社会の企業の人から見ると学校の中に結構思うところがあると思います。要するに、これは普通に工夫すれば何とかなるだろうとか、ここは自分たちでやりくりをしたほうがいいのではないかというようなところが、やはり散見されます。保護者の目から見ても、そうしたところが時々、目につくというのは、多くの方が感じているのではないかと思います。

ですので、教員の働き方をよくしたいというところは同じように思いますけれども、前提としてのエビデンス、あるいは、今ある能力の最大限の活用を強く求めていくということが必要ではないかと思います。

高等教育の形に関しては、多分、多くの方と同じだと思うのですけれども、HECSに関しては私としては反対です。今の段階で学生を全部無料にするというのは、文部科学省の方から言うと、将来、その人が親になったときに無料になるからいいのではないかとおっしゃる方がいましたけれども、少なくとも日本は、社会保障においては育てた子供がその上の世代を担うという賦課方式をとっておりますので、その子供たちが担う段階になって、社会保障は見てください、教育に関しては自分が育ったものも見てください、そして現状には借金もあるわけです。確かに、今の親たちだけは楽になるのですけれども、その分を次の世代に乗せるということはやってはいけないことだと思いますので、全面的にHECSを入れるということに関しては反対いたします。

細かい制度設計に関しては、文部科学省の方に申し上げるのがいいのかもしれませんけれども、低所得者への支援を入れるに当たっては幾つか課題というか、難しいところがあると思っております。今の政権の方向ですと、低所得者に更に生活費の部分も支援するというようなことになりますと、そこそこの額の支援となると思います。そうしますと、その低所得者の少し上の中所得者というのですかね、少し上の人たちがかなりぎりぎりな状態で進学しているという状況との実態の逆転が起こらないかということを非常に心配します。

つまり、親が低所得者でいたほうがいいというインセンティブが働くことによって、親が収入を増やさなくなる。あるいは、保活などでは実例はあるのですけれども、点数をよくするためにペーパー離婚をする方などがいます。それは極端な例かもしれませんが、親が離婚すると、多分、母親側に子供をつけると、母と子の世帯は低所得者になることが可能なわけです。そういった様々なところを防ぐことであるとか、現実的な不公平感を出さないような制度設計というものはなかなか工夫が必要かと思っております。

更に言いますと、日本は低所得者を完全に捕捉できておりません。保育園の現場でも、実は自営業者で本質的には豊かそうな人がいるみたいな、そういったところもあります。そういった完全に低所得者を捕捉できない中で入れる制度というところを考えた上では、支援のボリューム感には丁寧な検討が必要だと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。ご意見ということで伺ってよろしいですよね。

〔 宮島委員 〕 はい。

では、~子田委員、よろしくお願いいたします。

〔 ~子田委員 〕 ありがとうございます。

高等教育の奨学金と支援の問題ですけれども、39ページに稼ぐ力が高まる大学教育ということで、教育イコール稼ぐためのものかどうかという議論はあるのですが、やはり国際間の競争においては、できるだけ社会にとって有為な人材を育成したいということと、世代間で格差を引き継いでいかないためには、やはり貧困から抜け出すツールとして教育があるので、できるだけ多くの人に教育を受けていただきたい、大学教育まで受けていただきたいと思います。

一方で、大学時代、何をしたら有為な人材になるか。別に、毎日、授業に通っていなくても、様々な活動をして有為な人材になっている人はいると思うのですが、卑しくも国からの資金的な支援を受けて大学に行っている学生に関しては、やはり大学に行って、授業に出て、勉強もしてもらいたいということなのなのですね。多分、奨学金については、もらうときに成績によって額等が決まるみたいなところがあるのかもしれませんけれども、奨学金を受けて大学に通っている以降、大学での成績に応じて、要は成績が悪かったら辞めるとかいうのもかわいそうな気もするのですけれども、逆にたくさん勉強した子には、例えば将来、返していくときの負担が減るとか、そこに勉強する子としない子の差はつけておいたほうがいいかなと。そうしないと、先ほど学力の低い大学生の話が出ましたけれども、結局、国のお金をかけて学力の低い学生を増やすだけになってしまうというのが一番望ましくない結果なので、その辺のところをどのように考えていらっしゃるかお聞きしたいと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 高等教育に対する財政支援については賛成だけれども、サポートの仕方には工夫が要るのではないかと、そういったご意見ですよね。

〔 ~子田委員 〕 そういったことです。特に、どうやってきっちり勉強させていくかということです。

〔 田近分科会長代理 〕 その点、もし主計官、お答えできれば。

〔 中島主計官 〕 おっしゃるとおりだと思います。制度設計しているところですので、私どももそういったことを留意すべきだと申し上げているつもりであります。

〔 田近分科会長代理 〕 たくさんご意見があるので、永易委員、中空委員、田中委員、続けてお願いします。

〔 永易委員 〕 ありがとうございます。言いたいことはたくさんあるのですけれども、少しだけにします。

まず、高・大生教育支出全体の話としては、去年か、一昨年にも私から申し上げたのですけれども、やはり絶対数がどんどん減っていて、一人当たりの問題というのが相当程度、質の問題とすりかえられて、無視されているのではないかということが基本的にあります。したがって、よく目安というのがこの委員会では言及されますが、何らかのめどみたいなものはやはり持っておくべきではないか。全てそれで決めろということではないが、やはり一人当たりでみると、絶対人数が減っているのにニュートラルであったとします。それは、1人当たりが上がっているということなのなのです。こういったことは民間の立場から言うと大変おかしいことでありまして、ぜひそういった目安みたいものを持ってほしいという気がいたします。教職員の定数もそうです、学校の規模もそうです。これはもう、そういっためどを持っていて、毎年やれとは言いません。ただ、一定期間のサイクルでやらないことには、膨脹するだけですから、ぜひそういった視点を持っていただきたいということであります。

幼児教育は、方向性としては賛成できるところもたくさんあるのですけれども、保育のところと少し議論が交錯することがあるので、やはり待機児童の問題等のほうが重要であろうという気がするので、これは優先順位の問題かもしれませんが、そのことだけは申し上げておきたいと思います。

高等教育の無償化というか、無償化にはならないと思いますけれども、補助をしていく方向感というのはある程度は許容できるとしても、基本的には反対です。ゾンビ大学をどんどん生かしている、ただいま現在もけしからんと思いますけれども、そういった状態を放置しているということは日本国にとって非常によくないことです。学生も勉強しないけれども、大学自体、定員割れが50%近くあるのでしょう。そういったことを放置していること自体、強く財務省からも言ってほしいし、財審というところですから、本当に強いトーンで提言をすべきだという気がいたします。

大学の競争力という点では、産業界から言うと非常に危惧しているところであります。よくタイムズ紙が引用されますよね。トップ100に東京大学と京都大学しか残っていないし、その順位もどんどん下がっている。もちろん、はかり方の問題があるというのは存じておりますけれども、大きい方向観は、地盤沈下しているのは間違いない。だから、大学改革が一番ですよね。産業界としてもそれには協力したいということで、産学協働の世界は非常に一生懸命やっています。私も、北海道大学、東北大学、名古屋大学等々に行って、様々なお話も伺いました。産業界としても共同研究の費用、産業界からいったらコストですけれども、これを3倍にするというのはもう約束事で公言しておりますし、一緒に研究していきたいということがございます。

最後に1点、ドクターの話がありました。ただ、産業界から言うと、ドクターと修士だと修士のほうが使いやすいのです。正直言ってそうです。固まっていないし、その後、企業の中で様々な形で成長してもらったほうが皆さん伸びるという点もある。大学のほうの責任も一部あると思いますけれども、そういった事実はありますので、その辺は一言申し上げておきたいと思います。

以上です。

〔 中空委員 〕 2点だけに絞ります。

1点目を申し上げます。本日ご説明のあった各政策は、大まかには全部賛成と言えますが、政策はもう少し長い目で見た人口動態を考慮して、考えていかなければいけないのではないかとずっと思っているということを付け加えたいと思います。前回もお話し申し上げて、多分、永易委員のご意見ともかぶるのですが、今、小学校は学級数が少なくなり過ぎていて、学級数別の学校数を見るとものすごく数の少ないところが増えてしまっている。一方で、我々は保育園をたくさんつくろうとしている。でも、子供は保育園から小学校に上がることを考えると、またいずれ要らなくなるのか、そのまま要るのかよくわかりません。実態が不明ですか、申し上げたいのは、行き当たりばったりに、女性の就労者数を増やしたいから、たくさん受け皿をつくりましょうということだけではなくて、もっと一気通貫した、連続で見た整合性のとれる政策が必要なのではないか、ということです。これが1つ目です。

2点目は、3歳児から5歳児の無償化についてですが、12ページを見るとグリーンのところが本当に多くなっています。大学教育のところでも言えるのですが、高所得者世帯まで無償化対象にすることを問題視することがある一方で、どのレベルまで無性にする、つまり、グリーンに塗ればいいのか、という気もしてきます。明らかにここまで全部やる必要があるかを、国民に強く問うていくことは必要なのではないかと考えます。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。

では、田中委員、お願いします。

〔 田中委員 〕 では、私は、HECS1点に絞って、これは大学の基盤、地盤を悪化させるのではないかということを大学競争の視点から述べたいと思います。

現在、国公立大学の数は780で、私立大学は700弱です。その私立の4割が定員割れを起こしていますけれども、実際には偏差値35、偏差値40台の大学と定員割れとの相関が非常に高くなっています。それだけ質の問題に直結しているということになります。

大学の数の状況について、もう一度申し上げますと、この50年程度右肩上がりで、しかも人口減少が叫ばれていたこの10年においても、横ばいから微増になっている状況で減っていないのです。これに対してどういった対策を打ってきたのかと言えば、私学助成金と定員充足率を連動させて、減らしていくという自然淘汰を狙ったわけですけれども、数は減っていないわけですから、その効果はなかったということです。

更に、本日、ショッキングだったのは、64ページ、66ページ、67ページの私学助成に特別助成というものをつけて、67ページを見ていけば、大学改革とはとても言えないような点数を配分して、結果的に私学助成金の総額を増やしているということですので、延命をするように行政が働いているとしか思えません。更に、資料にはありませんけれども、今、地方の私立大学が公立大学にくらがえをして、地方交付税をそこに投入しています。ある種の延命だと思います。そういったことが起こっています。

こういったことに鑑みますと、HECSを仮に導入したとすると、真っ先にこれを利用するのは、やはり質が低下して、延命を求めているところだろうと思います。そのことを考えると、まずはこういったものを入れる前に大学行政、大学改革を先に進めないと、問題が複雑化してしまうのではないかと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 なるほど。わかりました。

では、続けて、武田委員、末澤委員、佐藤委員、お願いします。では、竹中委員。

〔 竹中委員 〕 すみません。少し極論ですけれども、私は、諸般の事情で中卒ですけれども、大学まで行って勉強する人は立派だな、偉いなとは思うのです。こうやって国費ということでお話を、皆さん議論を熱心にされるのもすばらしいと思いつつ、資料を見ると、35ページでアメリカの大学生と日本の大学生を比較して、日本の大学生の勉強時間は1日1時間未満です。その次の36ページを見ると、1日9時間の学修を前提としているのに4.6時間で、しかもアルバイトとサークルを足した時間と勉強とが同じ程度で、本当にこんなに真剣に考えてあげて、話をしなければいけないのだろうかと、ふと思ってしまう私はばかですかね。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 先に続けていきたいと思います。

武田委員、末澤委員、お願いします。

〔 武田委員 〕 ありがとうございます。ポイントのみ、意見させていただきます。

1点目は、大学の競争力という観点で、私も永易委員がおっしゃった地盤沈下への懸念を強く感じております。田中委員もおっしゃられましたけれども、現在、600校ある私立大学の4割が定員割れをしている。子供の数が減る中で供給を一定にすれば、当然、質が低下していくわけです。日本に求められているのは、統廃合などの大学改革をしっかりやり、まずは大学の質を高めることではないかと考えます。また、ちょうど竹中委員からもご指摘がありましたけれども、昨年もこの35ページのグラフは掲載されており、私も、相当衝撃を受けました。メリハリという意味では、やはり勉強させている大学に、インセンティブを与えるような工夫をするべきではないかと思います。

2点目は、若手研究員の処遇という点です。主計官よりご説明いただいたとおり、業績が正しく配分に反映される仕組みに改革していくということも必要ではないかと思います。

3点目は、研究開発に関してです。研究開発の効率性の低さや、予算の適正化という点はしっかり促していくべきだとは思います。ただし、日本が今、国際的に置かれている状況がどうかと申し上げますと、デジタル技術の急速な進展の中で、国際競争力という点ではかなり懸念がございます。したがって、メリハリや予算の適正化をしっかり行う一方で、中長期的に日本の国力が損なわれないような視点も重要ではないかと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、末澤委員。

〔 末澤委員 〕 どうもありがとうございました。

以前も申し上げたかと思うのですが、私、1984年に就職したのですけれども、当時、日本の産業で非効率と言われていたのは金融、流通、農業ということでした。ただ、私、なぜか銀行に入りまして、当時、大手銀行というのは、都市銀行13行、長信銀3行、信託銀行6行、全部で23行あったのです。その後、バブルの崩壊もあって、現在は5グループです。流通のほうも、今やイオン、またセブン&アイを中心に相当再編されている。農業も、相当就業人口が減っている。

何を申し上げたいかというと、やはり需要、マーケットが小さくなってくると、なかなかやっていけません。59ページをごらんいただきたいのですが、18歳人口は、バブルのピークのころは大体200万人いたのが、今、119万人と半分程度に減っている。これは、いわゆる団塊ジュニアと比べているので少し極端ですが、1990年の20歳未満人口は大体3,200万人、今、2,100万人台なので、やはり3分の1程度減っている。つまり、マーケットが3分の2に減っているのです。その中で、大学の定員が変わっていない。もっと言えば、小・中学校のところですが、26ページ、27ページをごらんいただくと、やはり人口が減る中で、先ほどもありましたように児童数に比べて学校数の減少が鈍い。その結果、次の27ページのように、いわゆる適正規模割れの学校が半分ある。これは、単に学校経営だけではなくて、そこにいらっしゃるお子さん、児童にとっても相当不幸なことではないか。当然、先生の質の問題もありますし、いじめの問題もあるとなかなか抜けられない。私は、先ほどありました人口動態の変化に合わせて、小学校、中学校、また大学も含めて、統廃合、やはり適切な規模の学校数に持っていく。むしろ、ここに資金をつけることが重要ではないかと考えております。

以上であります。

〔 田近分科会長代理 〕 わかりました。

では、佐藤委員、神津委員。

〔 佐藤委員 〕 まず教員の働き方改革についてですけれども、学校というのは要するに古い公共モデルだと思うのです。全てを丸抱えしているという意味で。今の公共の特徴は、できるだけ業務をアウトソーシングするということが基本になっていますので、今、学校で進めるべきことはまさにアウトソーシングで、それをやるために実は業務の実態分析が必要です。何となくアンケートを見ると、大変だとか、負担だとかいう主観的な評価はあるのですけれども、どの業務に何時間使っていたのかという分析が必要だと思うのです。それを学校間で比較すると、実はある学校では余計な会議が多いとか、報告資料に時間を使い過ぎているとか、こういったことが見えてくるはずなのなのです。これは、実は今、自治体でやっています。窓口業務とか、保険料の賦課業務とか、こういったものを自治体間で比較して標準化して、できるものはみんなアウトソーシングしていくということをやっていますので、ある意味、自治体的なアプローチでいけば学校の業務改革は可能かと思いました。

HECSですけれども、これは税制、税調的に言えば所得税の問題で、要するに割り切って考えれば、所得税を改革して、そこから上がってきた財源を教育財源に回しませんかという話だと私は思います。基本的に所得の高い人は、教育上、成功した人ということになりますので、ある意味、逆賦課方式になりますけれども、過去に受けた受益を、本日、高い税金を払って恩返ししてくれというだけのことだと思います。今、税調でも所得税改革をやっていますので、そこの財源と教育の財源、ばらまくことはないので、低所得者に重点化するというのは一つの選択肢ですけれども、そこをつなげていくということは一つありかなという気がしました。

とりあえず以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、神津委員。

〔 神津委員 〕 3つ申し上げたいと思います。

1つは、9ページのところ、公財政教育支出です。ここで表現されていることは、一人一人に対するもので、在学者1人当たりで見れば遜色ないということですが、生活者の視点からすると、高等教育において家計が負担している割合は6割を超えています。そのことは、OECD諸国の中でも日本を入れて4カ国のみでありますから、かなり例外的だと思います。

一般的に、非常に教育費負担は重いということがもう常識になってしまっており、若い世代が子供を産んで育てることについて非常に不安を感じています。子供の数もどうも慎重に考えてしまうということです。希望する誰もが、躊躇することなく出産、子育てができる社会の実現を目指すべきだと、そういった観点で考えていただきたいと思います。

それから、順不同ですけれども、32ページ以降、関連もしますので申し上げますと、低所得世帯の高等教育機会の確保、奨学金の問題で、給付型の奨学金が導入されるということ自体は非常にいいことだと思うのですが、ここでもやはり経済的なハンディーキャップを抱える子供の進学率は明らかに低いということが、実際に統計的にも出ています。貧困の連鎖ということが言われて久しいわけで、およそ6万人以上の高校生が経済的理由で進学を諦めていると考えられます。今、本格実施となる給付型奨学金の対象者は約2万人と言われていますが、住民税非課税世帯などから進学が見込まれる約12万人まで拡充する必要があると思います。

それから、金額ですが、現行、最大でも月額4万円ということになっていますが、給付型奨学金を受給する大学生の生計費について、私ども連合の事務局のほうで試算をしたところ、アルバイト収入を入れても最大で年間約156万円もの赤字となっています。月額4万円も、アルバイトすることを前提にしての金額であり、増額が必要であると考えます。

最後、3点目ですが、教員の働き方改革に関連してです。何人か委員の方からもご提言がありました。先ほどの説明でも、様々な切り口で掘り下げた検討をされているということは非常に大事なことだと思います。一方、足元、小学校の教員の約3割、中学校は約6割が月80時間超、これは過労死ラインと言われているのですが、そういった時間外勤務をしていることは政府の統計でも明らかです。今、これをどうやって改善していくのか、中央教育審議会の特別部会でかなり掘り下げた検討がなされ、緊急提言も出されています。そういった内容に基づいた教職員定数の改善も、足元では必要だと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、続けて、こちらから、私のほうから見える範囲ですけれども、大槻委員、遠藤委員、宇南山委員。

〔 大槻委員 〕 ありがとうございます。私も2点ほどです。

1つ目は、今、神津委員からもありました給付型の学費の給付なのなのですけれども、こちらについては、アネクドート的ですが、私の通っている比較的都心から遠い学校については、今年、途中で学業を放棄する学生の数が、これだけ雇用がいい中でも減っておらず、そういった意味でも、まだまだそういったところに行き渡らないという実感を持っておりまして、拡充を続けていきたいと思っておりますが、これについては技術的な問題、所得の捉え方なども考えると、まだまだ検討には時間がかかるのではないかと思っております。

もう一点はゾンビ大学の問題なのなのですが、私が通っている大学は定員割れでございます。ただ、それは一つには地域的な問題もあり、それから非常に厳しい学業を課しておりまして、75%の出席なども課しております。そういったことで、もう少し、定員割れということだけではなくて、プロセスとして、学生のクオリティーを上げるような教育をこまどこまでやっているのかという定性的な面も含めての評価の仕方、あり方もあわせての改革ということでお願いしたいと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、続けて遠藤委員、お願いします。

〔 遠藤委員 〕 ありがとうございます。

これまでの財審の文教・科学技術に関する資料にも増して、巷で言われていることや、大学関係者、または文部科学省が言っていることを全て論破している資料だと思っておりますので、その中身については何も申し上げることはありません。

私のほうからは、質問をさせていただきたいと思います。財源のボリューム感を持ちたいので、まず1点目は、30年度予算要求の5兆9,000億円の中で内訳を見てみると、授業免除の充実などの項目も出てくるので、予算要求の中に含まれているものと含まれていないもの、つまり高等教育の無償化なども含めて、それがどの程度あるのかということが一つ。

あと、3歳から5歳の無償化と高等教育の無償化、そこから高所得者を除いた場合というような様々なオプションがあると思うのですけれども、それぞれで財源のボリューム、どの程度必要になるのか。あと、資料の中で挙げておられる効率化をした場合に削減できるボリューム、そこが一番知りたいところでございますので、そういったイメージができるような数字がございましたら、ぜひ教えていただきたいです。

〔 中島主計官 〕 まず、既存でどれだけやっているかというと、3ページをごらんいただきますと、育英事業費というのがその他のところに1,330億円と書いてあって、これが奨学金の大宗です。また、国立大学法人運営費交付金等の中に300億円の授業料減免があり、私学助成の中にも100億円程度の授業料減免があります。それが大学関係です。幼児教育の世界でいくと、「その他」の一番下に書いてある幼児就園奨励費というのが300億円程度です。都合、合計しますと、既存の奨学金・授業料減免は2,000億円程度の感じです。

これらとは別に、高校の無償化として、高等学校等就学支援金等3,837億円の要求ありますけれども、大学と幼稚園だけに限れば、今、ざっと申し上げた2,000億円程度だと思います。

それから、3歳から5歳の無償化というところで文部科学省が言っているのは、今、幼稚園、保育園で家計負担していただいているところが七、八千億円といったオーダーです。それから、大学で授業料とか、入学金とかお支払いいただいている現行の家計負担は、これも文部科学省が言っているのは3兆円超という感じであります。そういったオーダーです。

いずれにしても、今、言った幼児教育の3歳から5歳、あるいは保育園の0歳から2歳だとか、大学の無償化も含めて、総理が言っておられる2兆円といいますか、消費税相当の1.7兆円分程度のパッケージの中で手当てをしていく。その内訳は、これからの制度設計なので決まっていないということでございます。

最後、効率化した場合、どうなるのかということについては、すみません、私ども今の段階で具体的に数字を持ち合わせている状況ではございません。

〔 田近分科会長代理 〕 では宇南山委員、伊藤委員、赤井委員さんで、一応、このセッションは締めさせていただきます。

〔 宇南山委員 〕 ありがとうございます。

まず最初に、保育園の無償化についてです。保育料を無償化するという話で、現行の保育園などが中心ですが、保育料の全てが教育に使われているわけではないということには留意が必要だと思います。すなわち、親の都合で、親が働きに行くから、親の便宜のために子供を預かってもらうという機能を含んでいて、そこにお金を出しているということをよくよく考えますと、特に高所得世帯に関しては、例えば特養の食費を外出ししたような感じで、保育サービス相当部分を外出しするようなことは考えられるのではないか。それは、例えば幼稚園児の親との公平性や待機児童の問題への影響、更に幼稚園がより教育的な施設だとするならば、教育を受けさせるインセンティブを与えるという意味でも、託児サービスを含んだものも含めてただになるところと、託児サービスを含んでいない部分だけがただになる施設が併存するというのは非常に望ましくないと思いますので、財政上の観点からもそのような配慮をしていただければと思います。

大学について、いわば業界の人間なのですが、私は今年から財審に来ていますが、外から財審の議論を聞いていると、研究者仲間では、なぜ財務省が大学のあり方について口を出すのかという不満が非常にあります。そのところ、公費を投入しているのだということはあるわけですが、大学の立場もここで少し表明させていただきたいと思います。 1つは、大学は何といっても学術研究をする場であるということをもっと強調していただきたい。もちろん、大学ランキングや被引用論文数で評価を受けているわけですので、部分的には認めていただいていると思うのですが、例えば油断をしますと、昨日の新聞報道などですと、大学無償化の対象は産業界から人材を受け入れているかどうかで決めるなどという大臣の発言があったりするというのは、学術研究の立場からするとあまり望ましいことではないだろう。全ては研究ができるかどうかで評価すべきで、基本的にはよりトップの大学で何が行われるかが重要な役割を果たす。逆に言うと、本日、話題になっているゾンビ大学については、お金を出さなくするようなことは重要ですが、大学自体をなくすべきとか、なくすべきでないとかいうようなことは、ある種、市場に任せればいいのではないか。

43ページ、公的支援の額は増えているだろうという話です。競争的に資金を分配することは非常にいいことだと思うのですが、実際には、これが使い道、使い方としても非常に大きいくくりになっております。例えば、机、椅子は科研費では買えないとか、こちらの経費だと買えるという非常に厳しいくくりがあって、ここの仕切りがあるせいで非常に大きいロスが発生していると思いますので、配分の仕方と使途については少し分けて議論できないかということをお願いしたい。

最後、若手の環境改善についてですが、定年が延びてきたという影響もあって、いわゆる特任教授が増えている一方で、若手が減ってきたということがあります。新規採用の中で見ると、若手が非常に厳しい環境に置かれているということは、この資料ではあまり強調されていないのですが、もっと強調されるべきなのではないか。定年を延長することというのは、私は決して悪いことではないと思うので、65歳定年の世の中の流れに合った中で、大学でどのような工夫ができるかというところで、何か一定の仕組みをつくっていただければと思います。

すみません、長くなりました。

〔 田近分科会長代理 〕 では、伊藤委員、赤井委員、お願いします。

〔 伊藤委員 〕 ありがとうございます。

一番先に申し上げたいのは、教育改革の本質というのは質の向上であって、数の議論ではない。去年も申し上げたと思うのですけれども、そこをまず忘れないようにしていただきたいということです。そうすると、小学校、中学校の教員の数とか、定員割れ大学とか、勉強しない学生がたくさんいるとか、そういったところに貴重な財源を本当に使うのですかということも含めて、考えることが必要なのではないかという気がいたします。

留意すべき点は財源です。教育の無償化を社会保障費財源として消費税からも持ってくるということになりますと、その分、社会保障費の赤字が膨らむので、結果として将来世代が背負う借金が増加してしまうということでございますので、そこのところをやはり慎重に考える必要がある。財源として消費税の増収分を使わざるを得ないという議論になるのであれば、1兆円を超える軽減税率の導入についても議論すべきではないかという気が少しするものですから、それを申し上げたいと思います。

それから、幼児教育の無償化も同じでして、これも今まで議論が出たから簡単に言いますと、格差是正という意味で言うと、所得制限をやはり入れるべきではないかという気がするのです。全員に配ってしまうのは少し違うのではないかという気がいたしますので、対象範囲についてもう一遍検討する必要というか、考える必要があるのではないかと思います。

2点目は、科学技術でございます。我々、産業界の立場からすると、我が国経済が継続的に成長するための重要課題というのは、現在、1%程度にしかすぎない潜在成長率を引き上げるサプライサイドの政策が必要だということになります。特に、有効求人倍率が上がっていると言いますけれども、これは中小企業の人手不足というのが、結局のところ、大きく影響しているわけです。アベノミクスの政策を更に進めていくということであれば、労働力と資本を増やすとともに、生産性の向上を目指すような施策が必要ということでありまして、我々、Society5.0の実現ということを考えると、政府の研究開発投資のGDP比率は1%、官民合わせてGDP比4%の目標達成に努力すべきではないかということと、Society5.0の実現のためには幼少時からの一貫したものづくり教育といいますか、そういった視点でも見ておく必要があるのではないかということでございます。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、赤井委員。

〔 赤井委員 〕 では、簡単に述べます。

高等教育の無償化に関して、ほかにも様々な制度はあると思うのですが、33ページのところに機会の確保ということで、低所得世帯対策を、どのように行うのかということがあります。教育無償化に向けて、消費税財源を用いてということが選挙の公約になっているので、ある程度そういったことはせざるを得ないということはあると思うのですけれども、するとすれば、給付型の奨学金をこまどこまで拡充するのか、それから授業料減免をこまどこまでやるのか。幾つかのパラメーターになってくると思うのですが、財源があるから、財源を選挙で使うと言ったから全てをここに使うというのは少し乱暴な議論で、本当に価値のあるところに重点化すべきだということです。機会の平等、格差の是正の視点は重要ですけれども、高等教育においてこまどこまでそれを確保するのかという問題がございます。

更に、授業に専念するというような言葉も出ていて、アルバイトもしないでも生活できるとなると、かなり生活費を渡さないといけなくて、そうすると次の中所得者との間でのジャンプなども起きないようにしようと思うと、このグラフがかなり右のほうに寄っていくとか、増やした後、どのようにスロープをつけるのかというところも難しいと思います。やはり成績とか、意欲、能力のない高校生が卒業後の進路を決めるときに、単に授業料が安いからといって大学に行くのではなくて、真に自分に合った、自分を一番生かせるようなところ、特に意欲、能力がある学生のみに大学に進んでもらって、それでこそ価値が出ますから、大学に行く意味のある学生に限定できるような制度づくりが大事かと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 活発なご意見、ありがとうございます。時間が来ていますので、次に行かせていただきます。

引き続き、「地方財政」のご説明をお願いします。

〔 高橋主計官 〕 地方財政を担当しております主計官の高橋でございます。

それでは、資料2に沿ってご説明をさせていただきます。

2ページの目次をごらんください。初めに、地方財政計画の概要等につきまして簡単にご説明させていただいた上で、今後の課題と改革方針といたしまして、地方財政計画と地方決算のPDCA、地方財政計画と基金、地方税収の上振れ・枠計上経費の使途等という3つのテーマで、順次ご説明をさせていただきます。

4ページに、一般会計歳出総額の中での地方交付税等の額を示しております。29年度予算においては15兆5,000億円超、総額に占める割合は16%となっております。

5ページをごらんください。左側の図にありますとおり、マクロの交付税総額は、予算編成時の折衝を経て、地財計画の歳出と歳入のギャップを補テンするように総額が決定されます。右側のミクロの交付税の配分は、予算決定後に総務省において基準財政需要と基準財政収入を算定し、足りない分が各団体に普通交付税として配分されることになります。

6ページでは、更に交付税総額の算定について詳しく見ております。29年度の数字で申し上げますと、地財計画における歳出歳入ギャップが17.0兆円生じておりますが、これに対して、まずは国税の一定割合である交付税の法定率分等14.8兆円が、更に地方法人税の税収全額などの特会財源0.9兆円が充当され、それでも不足する財源、折半対象財源不足1.3兆円につきまして、国、地方が折半でそれぞれ特例国債、臨財債を発行して財源を確保するわけでございます。

7ページをごらんください。現在の地方財政に関する財政規律であります、地方一般財源総額実質同水準ルールでございます。右下の赤いアンダーラインが引かれている箇所にありますとおり、一般財源の総額、左側黄色い部分の地方交付税、地方特例交付金、地方税・地方譲与税、臨財債の総額につきまして、2018年度までにおいて2015年度の地財計画と実質的に同水準を確保するというものでございます。これによりまして、例えば地方税収が増えることになれば、その分、交付税は少なくなりますし、逆に地方税収が減ると交付税が増えるということで、地方団体にとっては安定的な財政運営がしやすくなるというメリットがございます。他方で、一般財源総額の水準が同水準なら歳出がどんどん増えていくといったことにはならないという意味で、財政規律として機能しているというわけでございます。

8ページには、一般財源総額の推移をお示ししております。

続いて、9ページは、国と地方のフローの財政状況でございます。緑の実線で示しております国のPBが一貫して赤字となっているのに対しまして、赤い実線の地方のPBは黒字が続いております。特に、平成21年度、22年度あたりで、リーマンショックの影響もあって、国のPBは大きく悪化をしたわけでございますが、下の棒グラフが示しますように、国が赤字国債を発行して赤色や緑色の特例加算、別枠加算を行って交付税の額を確保したということにご注目いただきたいと思います。

10ページは、ストックの状況でございます。30年前から10年前までは、国、地方いずれも長期債務の残高は増加しておりましたが、過去10年程度を見ますと、国の長期債務残高は約330兆円増加しているのに対しまして、地方はほぼ横ばいとなっております。一方で、その下をごらんいただきますと、地方の貯金である基金残高は過去10年間に約1.6倍に増加しているという状況でございます。

11ページは、30年度の地方交付税概算要求の概要でございます。一般会計から交付税特会に繰り入れます、いわゆる入口ベースの交付税は、対前年度ほぼ同額の15.4兆円となっておりまして、それに交付税特会の特会財源を加えて地方団体に交付されます出口ベースの交付税総額は、特会財源の減少もございまして15.9兆円ということで、対前年度マイナス0.4兆円となってございます。

続いて、今後の課題と改革方針の1つ目、地財計画と地方決算のPDCAについてでございます。

13ページをごらんください。地財計画について、地方歳出決算との比較・検証を行い、その結果を踏まえた歳出改革を行った上で、翌年度の地財計画を策定するというPDCAサイクルを回していくことが必要であると考えております。計画と比較可能な形での決算データの公表を検討していく必要があると考えてございます。

14ページをごらんください。計画と決算が比較可能となるよう、私どもで試算を行った結果をまとめてございます。具体的な試算方法は資料に記載のとおりでございますけれども、右下、マル1からマル7に掲げておりますが、例えばマル1地方税収等の決算増収分見合い歳出など、計画上、予定されていない歳入などを財源とした歳出、こちらを決算から控除することなどによりまして、比較可能な計画歳出と決算歳出を算出いたしましたところ、平成26年度におきましては計画歳出84.2兆円、決算歳出83.5兆円ということで、計画が決算を上回るという結果になりました。

続いて、15ページ、平成19年度までさかのぼった同様の試算結果を示しております。これを見ますと、継続的に1兆円前後、計画が決算を上回るという結果となっております。毎年度、国において赤字国債を発行して一般財源総額を確保しているということを踏まえますと、各年度に必要となる財源保障の適正規模については、より一層の精査が必要ではないかと考えられます。また、決算で上振れた歳入を財源とする歳出につきましては、地財計画を通じての歳出規律が働かない状態となっておりますので、この点についても是正を検討する必要があると考えております。

また、今、見ましたような計画と決算の乖離が、次の16ページに示しております地方の基金残高の増加の要因となっているのではないかと考えているところでございます。

17ページは、今まで申し上げたことをまとめております。こうした問題意識に基づきまして、以下、順次ご説明申し上げる改革や見直しが必要と考えております。

続きまして、地方財政計画と基金でございます。

19ページに、地方の基金残高の推移をお示ししております。直近の平成28年度の残高は、21.5兆円と過去最高となっております。内訳を見ますと、青い部分、財政調整基金は、リーマンショック後の地方税収が減少した時期を含めて、近年、ほぼ一貫して増加しておりまして、現在、7.5兆円と過去最高水準となっております。年度間の財源の不均衡を調整するということであれば、残高の増減があってしかるべきと考えられるわけですけれども、ほぼ一貫して増加しているという状況でございます。

また、緑の、地方公共団体が特定の目的のために設置するその他特定目的基金も、近年、大幅に増加いたしておりまして、現在、11.5兆円と過去最高となっております。この基金の中には、設置目的が地域振興を図るためといったような、実質的な幅広い歳出に充てることが可能な基金があるということに留意が必要と考えます。

次の20ページと21ページは、不交付団体と交付団体に分けて基金の残高の推移を示しております。20ページの不交付団体につきましては、リーマンショック後に残高が減少した時期もございますけれども、平成25年度以降、再び増加傾向となっておりまして、10年間で2.6兆円増加いたしております。21ページの交付団体につきましては、リーマンショック後の時期を含めて、ほぼ一貫して増加傾向にありまして、10年間で5.2兆円増加しております。

22ページでございます。こちらは基金の取り崩し額の推移を示した資料でございます。平成元年以降、最大取り崩し額は約3.3兆円でございまして、仮に基金への積み立てを一切行わず、この水準で取り崩しのみを続けた場合でも、現在の基金残高は約7年分に相当いたします。なお、過去最大の基金残高減少額は約1.3兆円でございまして、仮にこの水準で基金残高の減少が続いた場合でも、現在の基金残高は約17年分に相当いたします。こうした水準となっていることをどう考えるかということでございます。

23ページでございます。市町村の基金残高割合と財政力指数との関係でございます。財政力指数0.33未満で、基金残高割合が100%以上の団体、赤い丸で囲っている部分でございますけれども、こちらを見ますと、基準財政需要額に占めるまち・ひと・しごと創生事業費などの割合が相対的に大きい傾向にあるということでございます。このことから、小規模な団体がまち・ひと・しごと創生事業費などとして配分された財源を使いこなせておらず、結果として基準財政需要額が過大となっている可能性があると考えられます。この点について詳細を分析するとともに、必要に応じ、地方公共団体の広域的な連携や合併等を更に進めていくこと、まち・ひと・しごと創生事業費等の水準の妥当性等を検討すべきではないかと考えております。

続いて、24ページはまとめでございます。特に2つ目の丸ですけれども、毎年度、赤字国債を発行して交付税を措置している現状を踏まえますと、各団体の基金残高の増加要因等を分析・検証し、国・地方を通じた財政資金の効率的な配分に向け、地財計画への反映等につなげていく必要があると、このように考えております。

続きまして、地方税収の上振れ・枠計上経費の使途等でございます。

26ページをごらんください。オレンジの棒グラフ、こちらが地方税収等の計画と決算との乖離額でございまして、リーマンショック以降、決算での上振れ傾向が続いております。交付税は、地財計画で見込んだ歳出歳入のギャップを埋めるべく措置されているということを踏まえますと、計画からの地方税収等の上振れは、本来、必要がなかった赤字国債の発行を国が行ったということを意味するわけでございますので、地方税収等の上振れ分は地財計画において精算を行うべきだと考えております。

地方税収に関しましては、次の27ページに、平成27年度における地域間での格差を示しております。地方税全体で見ますと、人口1人当たり税収の格差は2.5倍、税目別に見ますと地方法人二税の格差が特に大きく、6.2倍となっております。

次の28ページに、地方法人課税の偏在是正に関するこれまでの対応といたしまして、下段に地方法人特別税、譲与税の創設と法人事業税の復元、上段に法人住民税法人税割の交付税原資化に関する制度改正の内容を示しております。

29ページでございます。こちら、税源の適切な帰属という観点から、地方消費税の清算基準について取り上げております。消費税・地方消費税の最終負担者は消費者でありまして、税収は最終消費地、この図でいいますとC県に帰属すべきものとされているわけでございますが、消費税・地方消費税は多段階課税であるため、税収が一旦帰属する都道府県、この図でいいますとA県、B県と、最終消費地であるC県を一致させるために、各都道府県間で消費に相当する額に応じて清算が行われておりまして、その方法が地方消費税の清算基準でございます。

続いて、30ページの左下に現行の清算基準を示しております。統計基準75%、人口基準17.5%、従業者基準7.5%といった基準によって清算が行われておりますけれども、その右の吹き出しをごらんいただきますとおわかりのとおり、統計基準として利用する統計には最終消費ではない企業による中間消費、あるいは耐久財のように購入地と最終消費地が乖離し得る消費が含まれていて、最終消費の実態を適切に反映できていないといった問題点、また従業者基準につきましては消費税導入時の激変緩和のために導入された性格が強く、既に役割を終えているといったような指摘がなされてございます。

資料の下段にありますように、昨年度の税制改正大綱の中でも、地方消費税の清算基準につきましては30年度税制改正に向けて抜本的な方策を検討し、結論を得るとされております。私どもといたしましても、人口基準の比率を大幅に高めるなど抜本的な見直しが必要ではないかと、このように考えております。

31ページをごらんください。左下の図で示しております一般行政経費単独事業などの枠計上経費は、内訳や積算が明らかになっておりませんが、多額の規模で地財計画に存在しております。計上水準の必要性、適正性について説明責任を果たす観点から、事業の実績・成果の把握、検証が必要と考えております。また、このうち歳出特別枠につきましては、平時モードへの切替えという意味でも廃止・縮減が必要と考えております。

32ページをごらんください。ピンク色の部分が、枠計上経費であるまち・ひと・しごと創生事業費と歳出特別枠に対応するものでございます。全市町村で見ると、基準財政需要額に占めるこれらの経費の比率は2.7%程度でございますが、個別団体ごとに見ますとこの比率が2割以上の団体も存在しているという実態を踏まえますと、まち・ひと・しごと創生事業費などの実績・成果の把握、検証が必要と考えております。

33ページをごらんください。国庫補助事業に不用が生じた場合の地方負担分につきましては、決算を踏まえた精算が行われておらず、地方に渡し切りとなっております。この点についても是正を検討する必要があると考えております。

34ページからは、トップランナー方式に関する資料でございます。これまでの取組・成果として23業務が検討対象とされ、29年度までに18業務について導入済みであります。

35ページをごらんください。トップランナー方式の課題といたしまして、28年度における対象経費の割合が、全基準財政需要額のうち約3.5%程度にとどまっているという点がございます。

36ページも同様の問題意識ですけれども、一番下に例示しております業務はトップランナー方式の検討対象とされていない業務でございますが、こうした業務も含め、トップランナー方式の更なる拡充を目指すべきではないかと、このように考えております。

37ページをごらんください。トップランナー方式のもう一つの課題でございます。現状では、トップランナー方式の対象となる業務の基準財政需要額の単価の見直しが行われるのみで、地財計画への反映は行われておりません。トップランナー方式で単価の見直しが行われる一方で、ほかの経費の単位費用のかさ上げなどが行われることによりまして、地財計画の歳出規模の抑制などにはつながっていないというのが現状でございます。地方団体の改革意欲をそぐといったことにはならないようにしなければなりませんけれども、トップランナー方式等による効率化等の効果が地財計画に反映されるような工夫が必要ではないかと考えております。

最後の38ページでございます。地方団体における財政に関する情報公開の状況について、私どもで調べた結果をまとめております。ごらんのとおり、地方団体におけるホームページでの情報公開はまだまだ十分とは言えない状況でございます。サービスとコストの関係について、住民の理解に立脚した歳出の重点化・効率化が行われるよう、予算のフローとストックの状況について見える化が行われるべきではないかと考えております。

私からの説明は以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 では、ご意見、ご質問等をお願いします。

では、今回は赤井委員からいきます。まず、赤井委員、神津委員、佐藤委員。

〔 赤井委員 〕 ありがとうございます。長くなるといけないと思って、資料を用意しました。カラーの横長ですけれども、簡単に言います。2とついているのは、前回のときにも資料を出したためです。

基金についてだけ簡単に述べます。今、基金が拡大している、自治体間で格差が拡大しているという議論があるのですけれども、まず実態把握をしっかりやらないといけないということで、やはり将来不安があると思うので、その不安を除くような制度設計を国と地方の間で考える。今、実質同水準ルールというものがあるのですけれども、そのあり方も考えていくべきではないか。POINT1です。

POINT2は、真の積立額ということで、実際の積み立て基金の中では財調、特目基金、あと減債とか満期一括の、特に臨財債のための減債基金などもありますので、それを全部残した上で、実際、どの程度必要額以外のものがあるのかということを明らかにする。

最後のところは、最近の学会で基金の要因分析を行ったので、そこから得られた傾向だけ少しお伝えしたいのですが、基金が相対的に積めていないところ、標準財政規模に対して積めていないところが積もうとしている、借金返済に負われていないので余裕のあるところが積もうとしている。あと、これは意外かもしれないのですが、交付税が豊かなところよりも、交付税に依存しているところほど将来不安もあって積んでいる。それから、社会保障運営がある程度安定していて、社会保障に振り回されていないところは積めている。

そういったような結果が出たということで、今後、基金のあり方というのは、こういったところから要因も分析しながら進めるべきだと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 結局、どう進めればいいという答えですか。

〔 赤井委員 〕 まずは実態把握して、どういう要因で積んでいるのかがわかれば、そこからあるべき姿を考えていくということです。

〔 田近分科会長代理 〕 では、続けて神津委員、佐藤委員。

〔 神津委員 〕 手短に3点、申し述べます。

まず、1点目は、30ページの税源の適切な帰属についてです。ここで言われている趣旨自体については理解した上で、地方消費税の清算基準の新たな方式の策定に当たっては、十分な試算を試みながら、納得性の高いものとすべきだと思います。

2点目は、37ページ、改革成果の地方財政計画への反映、トップランナー方式です。ぜひこれは、現場が改革を推進するモチベーションを保てるような制度となることを常に心がけていただきたいと思いますし、トップランナー方式の拡大に際しては、類似業務であっても事業規模、あるいは地域特性により、自治体間でコストが大きく異なるということもあり得ますので、その点も考慮いただきたいと思います。

最後、3点目、53ページのところに地方公務員の退職手当の適正化の問題が触れられていますが、これは非常に重大な労働条件の変更にかかわるものであります。公務員の処遇条件の問題、そもそも労使関係、公務員の労働基本権が確保されていないという先進国においては極めて特異な状況に置かれていることは、様々な問題に災いをもたらしていると思います。この点についても、退職手当の単純な比較ということだけではなく、当該労使でさまざまな問題、課題を共有すべく、十分な議論を行っていくことが必要だと思っています。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、佐藤委員。

〔 佐藤委員 〕 地方消費税の清算基準ですが、少し関わったので、実際、結果としては人口基準の比重を上げるということですけれども、狙いは格差是正ではなくて、要するに本来の最終消費地課税にどうやったらより近づけられるか、そこがもともとのモチベーションだったと思うのです。それに関して言うと、やはり今の統計基準にあまりにも多くの不備があるという問題だと思います。基本的に小売の年間販売額は、商業統計にしても、経済センサスにしても、供給サイドのほうの情報なものですから、実際、それがどこで消費されたのかがよくわからない、インターネット通販に至っては全くわからないわけです。実際問題として、例えば人口1人当たりの地方消費税を見ると、奈良県、埼玉県、千葉県という大都市の近郊は異常に小さいのです。これは、明らかに近隣の大きい都市で買い物をして帰っているということがわかります。

だから、このあたりはやはり、一旦、人口基準で考えるというのはと私は思うのですが、本来は統計基準の不備なので、需要サイドの統計データをどうやって充実させていくかが、中長期的には我々に課題として残るのかなと思いました。

それから、トップランナー方式ですけれども、先ほどご説明があったとおりですが、よく誤解されるのは、基準財政需要というのは別に交付税の総額を決めるものではなくて、交付税の配分を決める基準なものですから、もし交付税総額が変わらないとしたら、トップランナー方式で減額された基準財政需要分は、ほかの基準財政需要の増額につながっているはずです。とすると、結果的に改革に取り組んでいる自治体が本当に報われているかどうかよくわからないということになるわけです。なぜかというと、一生懸命、民間委託とかしてトップランナー方式でやったのだけれども、ほかの需要項目のほうで見返りがないかもしれないからです。

ですから、これはきちんきちんとエビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングで、実際、改革を進めている自治体が、交付税を適切に確保できているかどうかを見てみる価値はあると思います。地方財政全体的にEBPMの視点がないものですから、先ほど赤井委員からも基金に関してご指摘がありましたけれども、やはり実の把握がまずはなされるべきかと思います。

最後に、PDCAですけれども、地方財政のPDCAというのは言うは易し、行うは難しでありまして、地方財政の項目というのは性質別に計上されていて、基準財政需要の項目というのは目的別に計上されていて、地方の決算は両方あって、かつ項目の定義が違うということがあるのです。単なる枠計上だけではなく、様々な項目が実は一致していないので追いかけられないのです。ですから、もし本当にPDCAを回したいのであれば、地財計画の項目と基準財政需要の項目と地方の決算、つまり普通会計の決算の項目をある程度そろえないと、何が起きているのか全然わからないということになると思うので、これはかなり大きな改革になるかと思います。交付税は所詮一般財源なのだから、そんなことなくていいというのだったら、逆に言うと地財計画での財源保障はこまどこまで必要なのかという議論に今度は戻ってしまうと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 時間が押していますので、今、手を挙げていらっしゃる武田委員、冨田委員、増田委員、~子田委員で締めさせていただきます。よろしく。

〔 武田委員 〕 ありがとうございます。2点です。

まず、1つ目、リーマンショック後の危機対応としての歳出特別枠、こちらは廃止すべきだと思います。GDPが6四半期連続で成長する中で、その役割は終えていると思います。

それから、2点目、地方財政の見える化というのは、もう少し進めたほうがよいと思っております。既に取組をされている地方自治体もいらっしゃいますけれども、受益と負担の見える化を進める取組、そういったものを促す必要があると考えます。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、冨田委員。

〔 冨田委員 〕 すみません、3点です。簡単に申し上げます。

1点目は、15ページ、先ほどから議論になっている基金の拡大の要因、計画が実績を上回る程度には地方財政計画は大きい、これが原因で基金が積み上がっているのが最大の要因なわけですけれども、この推計の方法が、15ページで結果が出ていますけれども、去年やったものと少し数字が違うので、どこか方法で変えたところがあればご説明いただきたいというのが1点目です。毎年、精緻化していくことは望ましいのですけれども、どこが変わったかということです。

2点目は、特別会計の財源を地方財政計画上の地方交付税に上積みすると。これは、本年度の場合は9,000億円もあったわけです。中身は、年末ぎりぎりの予算編成のときに決まってよくわからない。特別会計の改革をやって、不透明感をなくそうということでやってきたわけですけれども、非常にわかりにくいところがあるので、来年度の要求は5,000億円と11ページに出ていたいたのですけれども、これについても極めて透明な形でのご説明をいただきたい。一般会計のほうは非常にわかりやすいのですけれども、特別会計の上積みの部分はどういうものなのかということが2点目です。

3点目ですが、地方消費税の清算における人口比率を高める、これは特定財源としての消費税ということからそういったことになると思うのですけれども、これが本当に国と地方の財政健全化につながっていくためには、一般財源総額を実質同水準にするというルールについて見直さないと、やはり国民負担の軽減ということにならない。人口比率を高めていくということは、これまでの垂直的な、国から地方へという交付税の配り方ではなしに、水平にすることによって国民全体の負担が小さくなっていくし、透明性を増すと思うのです。ドイツは、非常に水平的なものは高いのですけれども、日本は先ほどお話あった事業税のごく一部分、地方法人税と、今回、こういった要求が出ているごくわずかなので、このわずかな一歩をやはり定着させていくというか、拡大することが大事だと考えます。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 質問部分は最後にまとめて答えていただくとして、増田委員、~子田委員、お願いします。

〔 増田委員 〕 偏在是正の関係で1つ、それから基金の関係です。

偏在是正は、一番大きいのは地方法人二税で、私が、以前、総務大臣をやっていたときに、大変気になっていたので、地方法人特別税という国税をつくって偏在是正に取り組んで、今では縮小され別のやり方をやっていますが、いずれにしてもこれが一番大きいので、構えとしてはとにかく偏在是正にきちんと取り組むという姿勢が必要であろう。その中で、偏在が一番少ないのは地方消費税であると思いますけれども、こちらは今、ほかの委員がご指摘になったように統計基準の不備なので、やはりこれを正確に帰属先に帰属させるという観点が必要だと思います。それから、偏在があることはあるので、それを是正するという意味からも、今年、地方消費税の清算基準を変更するというのは、私としては賛成です。ぜひきちんと理屈立ったやり方でやっていただきたい。

2、3日前だったと思いますが、新聞に、それを何に使うかという関係だと思うのですが、子供と高齢者の人口で100%配分するような案も出ていましたし、これはよく議論していただけばいいと思うのですが、完全な譲与税のような形がきちんとできるのであれば、それでもいいと思いますが、多少、消費にひもづけたような理屈も必要かと思いますが、そこは財務省、総務省の知恵の出しどころだと思います。いずれにしても申し上げたいのは、偏在是正などにきちんと取り組むということをぜひやっていただきたいということです。

それから、基金のほうですが、積み上がっていますので、今後、できるだけ無駄なものは積み上がらないようにする。そういった考え方は当然、あってしかるべきだと思います。ここで一番問題なのは財政調整基金だと思います。減債基金、特定目的基金それぞれありますけれども、財調が一番問題になると思います。住民が自らの意識で、基金がどの程度あって、それが異様に膨らんでいるのか、ちゃんと使うべきところに使っているのかを判断できるようにしていくということが本来の筋だと思います。

2、3週間前ですか、新聞を見ていましたら鶴岡市の市長さんが選挙で負けたと。巨大な市民センターをつくるということで、それが批判を受けて落選したようです。それから、静岡県の河津町で、箱物の建設が批判されやはりリコールされた。今、住民の意識は、無駄な箱物をつくると首長を辞めさせようとか、選挙で落とそうという意識が相当強く働いていると思うのですが、実は申し上げたいのは、基金を無駄に積まない、あるいは基金をどんどん取り崩して必要なところに使う、要するに基金の額を減らすということがいいことだという意識が、多分、住民、あるいは国民に全くない。

何かのときのために基金をきちんと積んでおいたほうが首長としては腕が立つという考えが強い。地方のマスコミは、減らして褒めている例というのはなくて、今回の予算編成でここまで基金を取り崩して何とか対応したとか、基金への積み上げが従来どおりできませんでしたと、そういった論調で全部書いています。要は、何かあったときのために、やはり基金はある程度積んでおかなくてはだめだと。それが先ほどの赤井委員の分析にもあらわれている。

その背景にあるのは、やはり国も地方政府も財政の持続可能性に国民や住民が信頼性を持っていないということが背景にあって、それで基金がある程度ないといけない、これだけ積めたのだったら、それはそれでよしとしようという意識があるのではないかと思います。ですから、財政の持続可能性に対しての不安感を一方できちんと払拭するということをやらない限りは、基金に対しての意識というのはなかなか変わってこない。それをどうしていくのかというのは、国、地方それぞれで行っていかなければいけないことだと思うのですが、基金を減らせということがなかなか浸透していかない。

先ほど、高橋主計官が様々に説明された問題意識は当然、真っ当なものでありますし、私も、無駄なことは地方財政で一銭たりとも許されないという立場ですから、そこは厳しく国としても見ていく、財審としても見ていく必要があると思うのですが、その問題の背景にあるバックグラウンド、国民の間にそういった意識があるということはやはり注意しておく必要があるのではないか、そのことを指摘しておきたいと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 では、~子田委員。

〔 ~子田委員 〕 今の増田委員のお話で少し思い出したのですけれども、この間、選挙がありました。与党側が勝ったのですけれども、与党側は消費税の増税を掲げて、野党側はそれに反対していたと思うのですけれども、増税を掲げても選挙に勝てるのだと少し思った次第です。今、意識の変化ということがあったのですけれども、選挙期間中も財源を確保すると自民党は訴えていましたけれども、そういった意識が広がっていったらいいと思います。

質問は、33ページ、不用にかかわる地方負担分の計上の適正化ということで、不用にかかわる地方負担分、後半のほうです。結果として、本来必要なかった赤字国債の発行を国の側で行っていることを意味する、是正を検討する必要があると、これ、もっともなことが書いてあります。私は財審の委員を今年からやっているのですけれども、この表にあるように、結構前から不用にかかわる地方負担分、5年平均で1,697億円となっているのですけれども、なぜ今まで放置されていたのかという素朴な疑問があります。それが是正できなかった理由があるのかどうか、あるのだとしたら、今後、どのように是正していこうというのか。必要な措置だと思いますので、少しお聞きしたいと思いました。

〔 田近分科会長代理 〕 冨田委員と~子田委員から何点か具体的なご質問があったので、お答えいただける範囲でお願いします。

〔 高橋主計官 〕 まず15ページの試算のやり方について、昨年と変更したところということでございます。大きな部分だけ申し上げますと、基金の取り扱いでございますけれども、基金取崩分等の見合い歳出が14ページのマル5にあります。昨年は、基金取崩分の見合い歳出に加えて、控除する項目として基金への積み立て歳出というものも乗せて控除しておりました。それに加えて、基金について一定部分が後年度の歳出として使われるといった仮定を置いておったのですけれども、その点を少しシンプルにいたしました。基金をダブル控除しているのではないかという指摘がございましたので、今回、基金からの取崩分の見合い歳出だけをカウントするといった形で、その点については比較的シンプルな形で試算を見直しております。

もう1点、給与関係経費の決算乖離分につきましても、昨年の試算につきまして数字が過大であるといったような指摘がございました。その総務省の反論も踏まえて、給与関係費の決算乖離分の中で差し引くべきものは差し引いた形で、今回、控除しております。総務省の指摘を踏まえてバージョンアップをしたとご理解いただければと思っております。

2点目は、特会財源について不明確な部分があるのではないかということでございますけれども、29年度、特会剰余金は、特会の利払い費で想定しておりました金利水準が想定より低かったことによって剰余金が発生したということで、それを財源として使いました。機構準備金は、地方公共団体金融機構金利変動準備金として使えるものがあったということで、それを使わせていただいたということでございます。

~子田委員から、国庫補助事業の地方負担分についてのご指摘ございましたけれども、この点につきましては、シンプルに申し上げますと地方交付税で地方に渡し切りなので、それを制度的に取り戻せる手立てがないということが大きな理由だと思っております。そこは、今後、総務省との間でよく議論していきたいと思っております。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 それでは、続けて「防衛」について、内野主計官より説明をお願いします。10分程度でお願いします。

〔 内野主計官 〕 恐れ入ります。

まず6ページをお開きくださいませ。主要国国防費の比較でございますが、よく日本はGDP比で1%しかなくて、先進国最低であるという議論がございます。政府としましては、1%枠というのは撤廃を随分昔にしておりますし、そもそもGDP比で語ること自体が不適切である、やはり所要を積み上げていくべきものであるというスタンスでございますが、そうした論者もございますので、参考までにGDP比を議論するのであれば税収比もということで示したのが下のグラフでございます。インプリケーションとしましては、GDP比最低のはずが、税収で見るとドイツ、イタリアより出しているということであれば、GDP比に見合ってという論者は、やはりGDP比に見合った税収もとおっしゃってから言うべきではないかということが1点でございます。

それから、17ページをごらんいただけますでしょうか。防衛装備品というのはマーケットプライスがございませんので、どのように値段を決めているのかということをまず少しごらんいただきたいと思います。

左上のほうから右に目線をずらしていっていただきますと、直接材料費と加工費が出まして、製造原価が出ましたら、ここに本社の間接経費、一般管理及び販売費、ゼネラルコストがかかります。総原価が出ましたところで、利子と利益を乗せて計算価格を出すという構造で、私ども原価にGCIP率を掛けて価格を出す原価計算方式という言い方をしております。この原価計算方式は、東電で議論のあった総括原価方式と大変類似しておりまして、原価が上がれば、それがプロフィットの上昇にもつながってしまうということで、原価カットのインセンティブが企業サイドに生じないということでございます。

そこで、2ページお戻りいただきまして、今、申し上げたことが15ページの四角の一番最初の丸になるわけでございます。

また、2番目の丸のところは、下の輸送機(C−2)という円グラフをごらんいただきますと、C−2輸送機は機体価格として約177億円、これは川崎重工がプライム企業として製造しておられるのですが、川崎重工がつくっている割合は4割にすぎず、その他の会社が様々分け合ってやっております。

次のページ、ごらんいただきますと、GCIPがどうかかっているかでございます。三菱重工は、黄色い部分、後部胴体をつくってございます。三菱重工の後部胴体のつくり方というのは、右側の価格内訳(イメージ)の黄色いところ、加工費と材料費に三菱重工のGCIPがかかる。このGCIPのかかったトータルが、川崎重工にとっては直接材料費ということになって、そこに加工費が乗って、川崎重工のGCIPが乗ると、ダブルでGCIPがかかるということでございます。

もちろん一般論として、通常の元請、下請の関係であれば、ねじを納入するのに会社が利益を乗せて、それが原価になって川崎重工は総利益をとるということはあるのですが、三菱重工やスバルというのは川崎重工と並んでプライム企業になるような大手企業でございまして、そこがつくるものに川崎重工として付加価値をつけるような作業や知的能力が必要なのか。言ってみれば、例えば、ジョイントベンチャーでやれば、こんなコストはかからないわけでございます。ましていわんや、日本飛行機に至っては川崎重工の100%子会社で、そういったところがダブルでとるということが果たして、形式論理で下請、元請の関係があるからといって、予定価格訓令から、その部分が抜けているからというだけの理由で、この高コストを許容するのはいかがなものかということで、先ほどの約177億円という機体価格が果たして適切なのか、契約形態の検討や原価計算方式による計算の在り方の議論をするべきではないかということを、今、防衛省に言っております。

このあたり、国内の防衛産業というのは、ともすれば防衛需要が少ないものですから、苦労しながら、なかなか利益も出ません、国のためにやっていますなどという話が出ますが、今申し上げたようなことを踏まえると、本当でしょうかということでございます。

それから、18ページ目、国内産業への指摘を致しますからには、返す刀でもう一つ言わなければいけないところがございますのは、アメリカから買うForeign Military Salesというものでございます。これは、アメリカは有償で軍事援助するという位置づけでございますので、真ん中辺のマル1マル2マル3をごらんいただきますと、価格は米国政府が一括で細目なしで見積もってきたり、納期も目標にすぎずに徒過すれば待つだけ、支払いは全額、概算で前払いで、精算もおくれがちということでございます。

次のページをごらんいただきますと、F−35Aについて、今年の秋、29年9月に会計検査院が指摘をしてくれました。左下のところでございます。FMSとしてアメリカから直輸入した分が24年度分でございますが、価格上昇要因が把握できていないとか、返還の詳細の定めがないということで、透明性の確保が求められていると認識しております。会計検査院の指摘を受けて、対米折衝が必要であるということでございます。

それから、2番目、実は25年度以降の調達分については国内企業も下請に参加することになったというのが右上の図表でございます。右下の棒グラフをごらんいただきますと、コスト比較した場合、米国調達分の機体単価約107億円に対して、日本調達分の機体単価約147億円、初度費上乗せで約186億円となっております。これは国内企業参画分で40億円更にかかって、国内企業が下請で入りますので、その設備投資にもGCIPをかけて差し上げて、仮にこれを1機に割りつけますと39億円がかかることになり、合計79億円もアップするということでございまして、3機分の値段で5機分程度買えてしまうことになるわけでございます。

去年までは、一応、国内防衛産業基盤の維持という大義名分に則って、そういったものということで査定してきたのですが、会計検査院による指摘の2番目の丸の赤い部分をごらんいただきますと、25年度につけるべき国内企業の製造部品がついていなかった、しかも、このときに対米的に相当厳しい折衝をしたかというと、政務まであがっておらず、事務方で問題を追及しただけだと聞いております。その程度の対応であれば、約80億円も追加負担しているような国内企業参画はあり方を見直してはどうかというのが2点目の指摘でございます。

総じて、安全保障環境は非常に厳しい中でございますので、防衛関係の予算につきましては増加せよという圧力が強いわけでございますが、予算というのはP×Q、プライス×クォンティティー、価格×数量でございます。数量を切るなと言うのであれば、価格については徹底的に精査しなければいけない。その部分について、防衛省に対して猛省を求めたいと申し上げまして、私の説明は終わります。

〔 田近分科会長代理 〕 手際よい説明、ありがとうございました。ポイントを絞った説明だったと思います。

ご質問、ご意見いただいて終了したいと思います。老川委員、よろしくお願いします。

〔 老川委員 〕 どうもありがとうございました。安全保障環境が非常に厳しい中で、防衛力増強の必要性というのはこれから高まってくると思いますが、そういった中で、やはり放っておくと、今、おっしゃったような様々な不合理なことも出てきますから、それできっちりと合理的な形にやっていっていただきたいということが一つ。

それから、もう一つ、最近、少し事故が目立ちます。ヘリコプターの事故、あるいは百里基地における練習機の火災事故、これは一体何なのか。人手不足なのか、練度の低下なのか。百里基地の場合は、老朽化した練習機ということで機材の問題だと思うのですが、あまり最新装備、高いところばかり目を向けていると、肝心かなめの人材の育成でありますとか、練度の向上に大きな穴があいてしまう危険があると思いますので、そこら辺もあわせて目配りをしていただきたいと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 それでは、小林委員、末澤委員、田中委員、冨田委員、中空委員で終了させていただきたいと思います。

〔 小林(毅)委員 〕 時間が押していたということで、ほとんどカットされてしまったのですけれども、今、画面に出ている安全保障環境、これは近年、年々厳しくなっているということは建議の中にも入っているのですけれども、それが更に一層進んでいる。そういった認識を持った上での財審の議論であるということを明確に、あまり世間と遊離したものではないということを言う意味で、ここの部分はきっちりと書いていったほうがいいのではないかと思います。

その上で、これまで海外からの輸入品ばかりに目が向いていたのですけれども、今回は、コストカット、調達改革が国内にも目を向けているというのは非常に意欲的だと思います。それに当たっては、コストカット、原価、調達改革をすることが質の低下につながるものではないということをきちんと説明して、十分、説得力のある説明の仕方をしていく必要があるかと思います。趣旨としては、もちろん賛成であります。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 末澤委員。

〔 末澤委員 〕 ありがとうございます。

今年は、米国の第7艦隊でも大きな事故が続いております。フィッツジェラルド、ジョン・S・マケインといったミサイル駆逐艦の大きな事故、不幸な事故が続いているのですが、この背景として指摘されているのは、実はシークエスタ、強制歳出削減に伴う予算不足、またフリーダム・オブ・ナビゲーション、航行の自由作戦だとか、北朝鮮対応等で相当任務が増えている。その中で、やはり練度、訓練不足、士気、規律の低下などが指摘されています。先ほどありましたように、最近、日本でも事故が増えておりまして、これは私が思いますに、やはり災害対応が増えている、また北朝鮮対応、スクランブルも過去最高水準の状況が続いております。

要は何が言いたいかというと、本日は新規装備の話が中心でしたけれども、通常の経常的な装備の補修、維持、また訓練費、こちらがむしろ以前より相当かかっているのではないか。ここが相当追いやられるようでは、いざというとき、災害面も含めてなかなか機能しないと思いますので、そういった意味では、高価な新規装備品を調達する場合には、より効率的な、一段と効率的な対応を望みたいと考えております。

以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 では、田中委員、冨田委員、中空委員。

〔 田中委員 〕 非常に明快なご説明、ありがとうございました。この分野は、技術的に非常に参入障壁が高いので、結果的に独占になりがちだと思うのです。その意味でも、主計官おっしゃられたように、価格のところにメスを入れる余地というのはまだまだあるのだろうと思います。

それに関連して質問なのですが、一番最後のページのところにライフサイクルを通じたプロジェクト管理の強化とあります。これは、例えば輸送機、あるいは戦闘機のオーバーホールが含まれているのかどうか。普通、民間機の場合、このオーバーホールを加味して最初の価格設定を低くするのですけれども、そういった交渉が防衛機においてなされているのかどうかについてお伺いしたいと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 では、冨田委員。

〔 冨田委員 〕 今、田中委員ご指摘の20ページのところですけれども、昨年、ここにあるように8項目について提言したのですけれども、本日、ご説明あったのはダブルGCIPとFMSの2項目だったのです。なぜその2つなのかというご説明を、少し位置づけをいただければと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 では、中空委員、お願いします。

〔 中空委員 〕 私は、民間を保護するというか、守るために1つだけ話をしたいと思います。

私はクレジットアナリストというのをやっているのですが、クレジットアナリストがより安定的なプロジェクトだと見る場合の判断材料として、当該プロジェクトが1社に集中していないという点をポイントにします。国から発注を受けて、あるプロジェクトを担える会社というのはそれだけでも安定するのに、1社だけだとそのプロジェクト自体が大変なことになってしまいますし、うまくやりきれば利益が集中し過ぎる点もある。そういった観点からは、プロジェクトの受注が分散しているこの国はすばらしいということになるわけです。もちろん、ぎりぎりと価格を下げていきましょう、財政再建なのでそうした価格の観点は必要ですという点はすごく賛成なのですが、それをやり過ぎる余り、企業業績がおかしくなる、セクターに問題が出て来るといった別の議論にならないことだけは期待したいというか、そういった方向で持っていくべきだ、と思いました。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、田中委員、冨田委員の質問に対してお答えください。

〔 内野主計官 〕 田中委員の質問に対して、ライフサイクルコストにオーバーホール分は含まれておりますが、調達価格について、そういったものを加味したディスカウントというのは入っておりません。要検討事項でございます。ありがとうございます。

冨田委員、昨年、8つ指摘したのに、なぜ今回は2つだけなのかという点ですが、この8つについて相当程度、防衛省が前向きに様々動いてくれている部分がございますが、今回のこの2点というのは、年度当初から現在に至るまで厳しい折衝となっていることから、財審にあってもご指摘賜りたいということで、今日、説明申し上げた訳でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

少し時間、長引いてしまいましたけれども、本日の議題はこれで終了させていただきたいと思います。

お手元に、ご欠席の岡本委員より意見書が提出されています。これもごらんになってください。

いつものとおり、ここでの議論については、皆さんのほうから報道関係者等にお話しすることのないようにお願いします。

本日をもちまして、総論、各論の議論は終了となります。次回から、審議会の建議についてご意見をいただくことになります。それに向けて、起草委員をお願いしている5名の方には大変お手数をかけますけれども、よろしくお願いします。

次回、11月8日、16時から開催することとしています。建議の中身にもかかわってくると思いますから、奮ってご参加ください。

本日は、これで閉会いたします。ご多用中のところ、ありがとうございました。

午後4時00分閉会

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