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財政制度分科会(平成29年10月17日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成29年10月17日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成29年10月17日(火)10:00〜12:00
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)

1.開会

2.議題

  • 社会資本整備
  • 農林水産
  • エネルギー・環境、中小企業
  • 外交関係

3.閉会

出席者

分科会長代理

田近栄治

長峯大臣政務官

岡本主計局長

茶谷次長

大鹿次長

神田次長

青木総務課長

奥法規課長

若原給与共済課長

関口調査課長

中野司計課長

竹田官房参事官

江島主計官

安出主計官

湯下主計官

小宮主計官

高橋主計官

中島主計官

阿久澤主計官

岩佐主計官

前田主計官

中山主計官

内野主計官

北尾主計企画官

藤ア主計企画官

赤井伸郎

黒川行治

佐藤主光

角 和夫

竹中ナミ

中空麻奈

永易克典

宮島香澄

臨時委員

秋池玲子

伊藤一郎

老川祥一

大槻奈那

加藤久和

小林慶一郎

小林 毅

末澤豪謙

十河ひろ美

田中弥生

冨田俊基

増田寛也

宮武 剛


午前10時00分開会

〔 田近分科会長代理 〕 本日は、冒頭でカメラが入りますので、そのままお待ちください。

(報道カメラ 入室)

〔 田近分科会長代理 〕 ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様にはご多用中のところ、ご出席いただきましてありがとうございます。

本日は「社会資本整備」、「農林水産」、「エネルギー・環境、中小企業」及び「外交関係」の4つを議題としております。

「社会資本整備」及び「農林水産」については審議を含めてそれぞれ30分、「エネルギー・環境、中小企業」及び「外交関係」については審議を含めてそれぞれ25分を予定しています。

それでは、報道関係者の方はここでご退出いただきたいと思います。

(報道カメラ 退室)

〔 田近分科会長代理 〕 それでは、議題に入ります。

まず、社会資本整備について審議を行います。中山主計官より15分以内で簡潔にご説明をお願いいたします。

中山さん、お願いします。

〔 中山主計官 〕 国土交通・公共事業予算担当の中山です。よろしくお願いいたします。

それでは、お手元のパソコンの資料1、「社会資本整備」に基づきまして説明いたします。1ページおめくりください。

全体の構成ですが、前半で最近の公共事業関係費の推移と、今後を考える上での留意点についてご説明した上で、後半で平成30年度予算における重点課題についてご説明したいと思います。

3ページをごらんください。公共事業関係費の推移でございますが、総額につきましては当初予算において、目安を踏まえて近年安定的に推移しております。同時に、災害ですとか経済状況等による追加財政需要に対して、補正予算で対応しているところでございます。

グラフをごらんいただきますと、青が当初予算で赤が補正予算でございます。28年度予算においては、右下にありますように、経済対策に基づく補正追加とあわせて、熊本地震、北海道豪雨対策と、これらが若干特殊要因的にあるという状況にございます。

こうした状況を踏まえまして、30年度予算に向けて留意点を3点整理してございます。

1点目、4ページでございます。1つ目として、人材不足を挙げさせていただきました。左側のグラフは、10月2日に発表になりました日銀短観ですが、建設業は中小企業を含めまして、全産業を超えて人手不足感が高まっている状況にございます。また、右側の有効求人倍率をごらんいただきますと、地方部を含めて、全体として高い水準で推移している状況にございます。

また、中長期的には今、働き方改革を進めておりますが、残業規制の強化、週休2日制の普及等を進めておりますので、こうした施策が労働市場に及ぼす影響についても留意していく必要があると考えております。

2点目、5ページでございますが、GDPギャップを取り上げました。左側のグラフをごらんいただきますと、内閣府、日銀の試算とも、昨年後半以降、ともにGDPギャップが解消している状況にございますし、GDPの内訳を見ましても、今やIgの比率は5%という状況にございます。

したがいまして、総需要不足という状況にはなく、供給面において生産性を高め、潜在成長率を高めていくことが重要な課題になっているのではないかと考えてございます。

3点目は6ページでございます。民間投資の状況でございますが、官民合わせて建設投資水準を見ますと、左上のグラフにありますように、投資額は民間主導で堅調に推移しておりますし、下の段をごらんいただきますと、手持ち工事高につきましても官民ともに高い数字にあるという状況にございます。今後も、様々な見通しを見ますと、2020年に向け、民間投資は堅調に推移する見通しになってございます。

こうした状況を受けまして、公共投資は民間投資を阻害することがないよう留意しつつ、中長期的視点に立って、民間投資を誘発する生産性の高い事業への重点化を徹底すべきではないかと考えてございます。

その上で、30年度予算における重点課題を整理いたしました。8ページをごらんください。8ページは、昨年の建議で公共事業の方向性として整理させていただきましたポイントでございますが、全体として量から質へという大きな方針をいただきまして、総額の抑制に取り組む中で、日本の成長力を高める事業と防災・減災・老朽化対策への重点化・効率化を進めていく必要があると方向性をいただいておりますので、30年度も基本的にはこれに沿って進めていきたいと考えております。

特に30年におきましては、9ページでございますが、生産性向上につきましては3点、成長戦略に基づく重点整備、民間活用、最先端技術の積極的導入を重点課題として取り上げております。

10ページをごらんください。まず成長戦略の中で、物流の効率化を挙げております。これも昨年ご審議いただきましたが、首都圏の3環状が概成してきております。これによりまして、物流が大幅に改善しております。また、昨年ご審議いただきました近畿圏につきましても、料金体系を一元化いたしまして、それを活用したボトルネックの解消を加速化しているところでございます。

このように、料金施策等を適切に活用して、全国物流ネットワークの核になります三大都市圏環状道路への重点投資を加速していきたいと考えてございます。

2つ目は11ページでございますが、道路・港湾・空港等、インフラ間の連携強化を挙げさせていただきました。例として北関東の例を挙げておりますが、絵にありますように北関東自動車道と連結する茨城港の間で、工場立地等が進み生産性の向上・国際競争力強化が図られているところでございます。このように、道路、港湾、空港等のインフラの連携により整備効果が増大する事業への計画的な重点投資を進めていくべきではないかと考えてございます。

次、12ページは農林水産業の競争力強化基盤につきまして挙げさせていただきました。例として挙げておりますのは、北海道で飼料用穀物の輸入拠点として釧路港を重点整備しているところでございます。このように、港湾の規模・役割に応じた重点投資を効果的に行うことで、物流コストの削減等を通じて、農林水産業の競争力強化を実現していきたいと考えてございます。

13ページはLNG、エネルギー戦略を取り上げさせていただきました。LNGにつきましては、国際的な排ガス規制強化に伴いましてLNG燃料船の増加が見込まれているところでございます。こうした動向を見据えまして、先般、日本とシンガポールの港湾当局間でMOUを結びまして、国際的なLNGバンカリング拠点を戦略的に整備することを進めてございます。

こうした取り組みにあわせまして、30年度予算において、2020年の「Ship to Ship」バンカリングの導入実現のため必要な投資を重点的に進めていきたいと考えてございます。

14ページからは、2つ目の課題の民間活用の推進でございます。まず、昨年ご審議いただきました空港コンセッションの進展状況についてでございます。現在、左側の地図にありますように、19の国管理空港のうち9空港についてコンセッションプロセスが進捗してございます。第1号案件でありました仙台空港につきましては、新規LCCの就航など好成果を上げているところでございます。

第2号の高松空港につきましては、昨年財審の指摘を受けまして、いわゆる運営権対価の配点割合を引き上げまして、結果、空港活性化計画と運営権対価双方バランスのいい提案が、評価を得て選定された状況にございます。今後ともこうした好事例をしっかり横展開し、コンセッションを積極的に導入し、空港整備勘定の収支改善にしっかりつなげていきたいと考えてございます。

空港の次の有力分野として、上下水道が挙げられております。15ページからは下水道事業を取り上げさせていただきました。これも本年春の建議を受けまして、その後、国交省と調整を進めまして、今年8月に国交省において「新下水道ビジョン加速戦略」が策定されました。その中で、受益者負担の原則に基づく適切な使用料の設定、財政面の支援のあり方についての整理等を明記し、反映したところでございます。30年度予算からは、この戦略に基づき、基準化、制度化等を着実に推進していきたいと考えてございます。

その際の参考として、欧州の例を内閣府・政投銀等と共同で調査した結果に基づいて整理させていただきました。

EUでは、EU指令で「水サービスに係る費用回収原則」を規定しております。そのもとで、フランスではいわゆる「Water pays for waterの原則」として、収支均衡が明記されているところでございます。こうした原則のもと、フランスの上下水道事業では、広域化・コンセッションによる包括的な民間委託が進んでおります。

例えば左下をごらんいただきますと、ボルドー市の例でいいますと、24万の都市ですが、周辺27コミューン共同で、処理人口70万の単位で、一括して民間委託をしているという状況にございます。

右側をごらんいただきますと、フランスの包括的民間委託の状況ですが、上水道では7割弱、下水道では5割強が民間委託を進めておりまして、受注者もVeoliaですとかSuezと、いわゆる水メジャーが占めているという状況にございます。

こうした中で、効率的な運営が行われ、適正な料金設定がされている状況にあると考えてございます。

日本の状況につきましては、17ページで整理してございます。左側の円グラフをごらんいただきますと、料金での経費回収率の状況につきましては、水道が7割弱であるのに対して、下水道では2割弱という状況にございまして、全体で8割以上の自治体が、汚水処理費用を使用料で賄えていないという状況になってございます。

また、広域化、民間活用等を進めていくためには、財務状況の把握が必要でございますが、左下のグラフにありますように、現在3万人未満の自治体の4割以上が公営企業会計の適用に未着手という状況であり、適用のための取り組みを加速していくべきと考えてございます。

その上で、国の財政支援のあり方について、18ページで整理してございます。今年、汚水処理人口普及率は90%を超えました。これまで低い水準でありましたので、加速を進めておりましたが、90%の水準まで達しているという状況にございます。加えて、先ほどの国交省のビジョンでも、おおむね10年後に汚水処理施設整備の概成が見通せる状況になってきております。こうした中で、先ほどの戦略に基づき、国の財政支援を汚水処理に係る受益者負担の原則と整合的なものに見直していく必要があると考えております。

現在の国費での支援状況でございますが、18ページの真ん中の棒グラフをごらんいただきますと、上水道に比べまして下水道は、全体として年間1.5兆円の建設改良費がかかっておりますが、国費が大体5,000億円程度投入されている状況で、使用料収入を充てられているのは1割程度という現状にございます。

一方、国交省の下水道告示の中で、左側に掲載しておりますが、16年改正で、11項でございますが、汚水処理の衛生処理システムの概成後においては、汚水に関する下水道管渠の維持更新については、原則、国庫補助負担事業を廃止する旨が既に明記されているところでございまして、これも踏まえ、社会資本整備総合交付金等については30年度予算より、下水道の公共的役割・性格を勘案し、地域の特性等に配慮しつつ、未普及の解消と雨水対策に重点化していくべきと考えてございます。

また、その他の自治体の財政措置につきましても、受益者負担の原則と整合的なものになるよう、見直しを検討していくべきと考えてございます。

こうした財政規律を高めていく中で、大事なのは経営の効率化であると考えております。19ページをごらんいただきますと、先進的な取り組みを行っている自治体、あるいは水メジャーの取り組みで、非常に効率化が進められております。こうした好事例をしっかり横展開し、効率化を進めていくべきと考えてございます。

続きまして、最後の最先端技術の積極的導入でございます。20ページをごらんください。現在、建設現場の生産性の2割向上を目指しまして、28年度よりICT土工等の導入を図るなど、i-Constructionの段階的推進を図っているところでございます。30年度予算要求では、新規に、AIですとかセンサ等の最先端技術の現場での実証・実装が要求・要望されたところでございます。

これにつきまして、21ページでございますが、30年度予算の編成に当たっては、以下の方針で臨んでいきたいと考えております。

最先端技術の導入につきましては、開発側・発注側双方のニーズを踏まえた現場実証・実装が必要だと考えてございます。その際、国交省の中だけで完結するのではなく、産業技術開発を支援しております経産省等との連携を強化し、各府省の成果がしっかり公共事業の現場で、現場実証・実装のプロセスに円滑に入れるよう、省庁横断的に取り組むべきと考えてございます。また、施工や検査等の基準に反映することで、最先端技術の導入インセンティブのある環境をつくっていくべきと考えてございます。

続きまして、2つ目の柱であります安全・安心の向上につきまして、22ページにありますように、5本整理してございます。

まず1つ目は、最近の大規模災害の状況です。ごらんいただきますとおり、28年度は熊本地震、北海道等の豪雨等がございました。本年に入りましても、7月に九州北部豪雨がございまして、大規模災害が多発してございます。近年の激甚化・頻発化する大規模災害の特徴等を踏まえ、激甚災害の的確な指定、再度災害防止への効果的な対策等、迅速かつ的確な対応をとっていきたいと考えてございます。

24ページをごらんいただきますと、昨年・今年の最大の特徴として、1つ挙げられますのが、都道府県管理の中小河川でかなり大きな被害が出ているという点でございます。また、今年の九州豪雨では、流木がかなり被害を大きくしたという点も指摘されているところでございまして、こうした状況を踏まえまして、現在国交省と林野庁で中小河川等の緊急点検を実施しているところでございます。

この点検結果を的確に反映して、迅速な対応を図っていきたいと考えておりますが、例えば都道府県管理の中小河川で、水位計が未設置というところがかなり見られるという状況にございます。これらはしっかり地方公共団体の取組が重要でございますので、国の防災・安全交付金事業等と地方の単独事業をしっかり連携強化させ、地域の総合的な緊急対策を重点的に支援していきたいと考えてございます。

25ページ、3つ目はダム事業を挙げております。これも昨年の建議で、既存ストックの最大限の活用をご提起いただいたところでございまして、これを反映する形で、今年6月に国交省において「ダム再生ビジョン」を策定いたしました。

さらに、既存ダムの活用に当たっては、現在想定されております治水ダムだけではなく、右側の表をごらんいただきますと、全国のダムの有効貯水容量の4割弱は利水ダム、いわゆる発電等のダムでございます。これのダムにつきましても、一部先行する自治体では緊急時の治水協力を行っているところもございますので、そういった取組を横展開し、我が国のダム施設全体で効率的・効果的に防災・減災に取り組むべきと考えてございます。

26ページは調節池を取り上げさせていただきました。調節池は、特に大都市の上流域で調節池を整備し、洪水を一時的に貯留する治水対策の一環でございます。ただ、かなり都市部に近いところで面的な整備を行うものですので、コストがかなり高くかかっているという状況がございまして、今年春、予算執行調査を行いました。

この調査におきまして、調節池が多くの用地確保等を伴う面的整備であることを踏まえ、買い取るのではなく、いわゆる地役権を設定し、事後的に補償する方式の導入の一般化、工期の短縮、最適地整備等、効率的な手法を提言させていただいたところでございまして、30年度予算よりこれをしっかり反映し、新規事業への反映、そして既存事業の見直しを進めていくべきと考えてございます。

最後に、インフラ長寿命化、老朽化対策について整理しました。これも本年の予算執行調査で、防災・安全交付金事業の執行状況を調査しましたところ、点検なしで更新申請があるなど、インフラ長寿命化という基本方針と整合的でない事業が散見されたところでございます。この指摘に基づきまして、30年度予算より改善を徹底し、インフラ長寿命化計画の実効性を上げていきたいと考えてございます。

以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

それでは、ただいまの説明につきまして、ご意見・ご質問等ございましたらお願いします。いつものように、ご意見のある場合はネームプレートを立ててください。

本日は議題が4つあることもあり、御発言は「2分程度」を目安に、極力手短にお願いいたします。

では早速、赤井さん、よろしくお願いいたします。

〔 赤井委員 〕 インフラに興味を持っているので、コメントさせていただきます。

社会資本整備に関して、この方向でいいと思いますが、消費増税においては将来の持続可能性の議論もありますが、社会資本整備に関しても将来の持続可能性のために、例えば現役世代に負担を求めるとか、将来の維持更新の持続可能性を高める仕組みが重要です。そのためには効率化、高機能化、生産性の向上、特に民間資本の活用というこのが大事になってきます。そのために、総合交付金をいかに使うかということが全体において大事かと思います。

その意味では、幾つかですけれども、まず10ページのところで料金体系の見直しがなされたという議論がありましたが、これによって生産力がかなり上がったということで、すばらしいと思います。特に私のいる関西では、特に角委員もご尽力された阪神高速で1つ伝えたいのが、将来の整備・運用を持続可能にするために、少し料金を上乗せして現役世代からとるという、おそらく全国で初の画期的な仕組みが導入されたということです。

それから14ページのところで、インバウンドがどんどん拡大しているということで、それを確実に捉えて空港コンセッションを成功させていくという意味では、今は国だけですけれども、これを地方に広げていくと。さらに、クルーズ客船というものがたくさん来ているのですけれども、それで港湾の官民連携の拠点整備が進んでいるので、これも広げていくというところを加速化してほしいと思います。

最後に、上下水道のところも、まさにこれは官民連携のところで、広域化やコンセッションを加速化するとともに、受益者負担も明確化して、将来の持続可能性を高めてほしいと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 田中さん、それから佐藤さん、角さん、続けてお願いします。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私は15ページの下水道事業に関して、関連する3つの意見を申し上げたいと思います。

この15ページの資料の中の、春の財審の主なポイントに、「コスト縮減の徹底は欠かせない。その際、民間活用が有効であり」と記されていますが、これは少し気になります。民間に出せばコストが削減されるというのは、結局は民間にしわ寄せが来ているともとれてしまうと思います。民間に出してしまえば何でも効率化が進むとか、あるいは経費の圧縮が進むという発想は、私は少し控えたほうがいいと思います。

むしろ、民間がどのような工夫をしているのかという点が、2番目の意見として大事で、そこを強調するべきだと思います。

そして3番目の意見ですが、仮にコンセッションで民間が入ったときに、実はPFIもなかなか普及しておりませんが、料金設定をどうするのかというところが、民間が入る場合には非常に問題となりますが、そこのところをどこまで料金は上げられるのかということと、それから、ライフラインとしての公共財としての水の価格をどこまで抑えるのかというところは、悩ましいところでありますので、この点も、もしコンセッションに触れるのであれば、議論を何らかの形でとどめておく必要があるのではないかと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 続けて佐藤さん、角さん、よろしくお願いいたします。

〔 佐藤委員 〕 それでは手短に。PFIの中でも、特に下水道についてです。私はPFI推進委員をやっているので、今コンセッションのほうで、特に上下水道はそれぞれ6件のコンセッションを目指すということになっておりますが、上水道はご案内のとおりゼロで、下水道は浜松の1になるかどうかというところです。

ここはおそらく今後、大きなポイントになってきて、水道料金や下水道料金などはある程度の収益性の見込める分野でもありますので、比較的民間が入ってきやすいと思います。もちろん、今、田中委員からご指摘のあったように、民間が入ればいいというわけではなくて、民間がやりやすい環境をつくっていく、つまり経営上の工夫をしやすい環境をつくっていくということがほんとうはポイントであり、そこのキーになるのが実は広域化であります。

日本は小さい自治体が自前で、下水道を含めて公営企業を持ち過ぎなので、特に資料にもありますとおり3万人以下等の小規模自治体はむしろ広域化するメリットのほうが大きいはずなので、いかに広域化に向けた誘因づけをするべきか、あるいは民営化を進めて何らかの促し、課題意識を持たせるかという、なかなか工夫が要ると思いますが、下水道についても、上水道もそうなのですけれども、本日の話題は下水道だったので、下水道についても広域化を進める。それによって民間が引き受けやすい状況をつくっていく。これがポイントかなと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 角さん、よろしくお願いいたします。

〔 角委員 〕 ありがとうございます。

今、田中先生が、「民間に何でも」ということをおっしゃいましたが、確かにそのような点もあろうかと思いますが、来年春、大阪の市営地下鉄が株式会社化されますけれども、私どももその地下鉄と相互乗り入れをしているので、向こうの労働条件はわかっておりますが、民営化の株式会社化の一番大きなメリットは、要するに公務員が民間人になるというところです。地方公務員というのは残念ながら、その人の能力にかかわらず、勤続年数が増えれば賃金が上がっていくということで、我々の賃金体系とかなり差異があります。

したがって、公営から民営に変わることによって、身分が変わるということが一番大きいということだと思います。それが全てではありませんけれども、そういうところは非常に大きいと思います。

6ページで、民間投資を公共投資が阻害することのないよう留意しつつとありますけれども、確かに震災前の阪急百貨店の建てかえと、震災後の阪神百貨店の建てかえでは、両方とも耐震の問題があって建てかえているのですけれども、コストが非常に違います。労務コストも含めまして、非常に割高な建設費になります。

そういった中で、オリンピック後の腰折れを気にされている部分もあろうかと思いますので、できれば需給ギャップも解消しておりますので、オリンピックまでは少し公共投資の中で、例えば用地取得というものは必ず必要になるわけですから、用地取得の比率を上げるであるとか、できるだけ建設投資、土木建設については、効果のあるところに限定していただきたいと思います。

その最適な例として、さきほど赤井先生にも10ページのことをおっしゃっていただきましたけれども、ここに書かれているミッシングリンクの解消以外に、新名神が来年、神戸まで開通しますので、茨木で非常に多くの物流施設に対する設備投資が起こっています。ネット通販ですとか、ある化粧品メーカーが工場とロジの倉庫をここにつくるとか、道路を整備することによって、そういった民間の投資が多く出てくるというところです。

先ほどこれもおっしゃっていただきましたけれども、ミッシングリンクの解消には9,000億円余りの事業費がかかりますが、そのうちの4,000億円強がいわゆる受益者負担によって賄われるということでした。そういったことによってインフラが整備されて、競争力が上がっていくというところを重点的にやっていただければということです。受益者負担のことからしますと、先ほどの下水道で、8割以下のところが50%を超えているというのはいかがなものかと思いますので、ぜひ受益者負担の原則を下水道についても、広域化とともに進めていただければと思います。

長くなって申しわけありません。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。

伊藤さん、小林さん、老川さんと、続けて手短にご質問・ご意見いただき、中山さんから返答いただきたいと思います。

それでは、伊藤さん、小林さん、老川さん、お願いします。

〔 伊藤委員 〕 ありがとうございます。後で出てくるエネルギーと関連する話なのですけれども、中小企業の問題について、少し申し上げておきたいと思います。

エネルギーによって発生するCO2の排出量を産業部門、業務部門、運輸部門に分けてみたとき、商業等のサービス業、事務所ビル等の業務部門において排出されるCO2の8割が中小企業なのです。産業部門は16%、運輸部門は34%程度ですけれども、この8割という中小企業の部分をどうするのかというのが非常に大事です。これは後の省エネとの関係もありますが、いずれにいたしましても、多くの中小企業で日々の経営維持が優先で、省エネの取組というのはなかなか進まないものですから、商工会議所としては、いわゆる経営改善とか生産性向上といった中に、省エネ視点というのを取り組んでいくということを一生懸命やっているんですけれども、いずれにしても、社会資本整備の中でも、中小企業の経営者にそのようなことについての気づきを与えるような草の根的な支援というのを、ぜひお願いしたいということでございます。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 小林さん、よろしくお願いいたします。

〔 小林(毅)委員 〕 質問が1つと、意見が1つございます。

質問は人手不足の問題ですが、ここ数年、この財審でも、人手不足の緩和を何とかしましょうという話が出ていまして、ここの4ページの下のほうに幾つか方策が出ています。これらの実際の取り組み度合いと、それによる効果が最近出てきているのかどうか、これがまず質問であります。

それから、意見のほうですが、最後のページにあります「インフラ長寿命化事業の質の向上」の中で幾つか、いきなり更新を行っているものが多いという話がありましたけれども、この中で、せめて点検ぐらいは実施してほしいというのと、それから修繕と更新の費用比較ですね。この2点については徹底させないと、インフラの長寿命化に関して効果が出てこないのではないかというのが気になります。ぜひそのあたりは徹底させるような方法を出してほしいと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、老川さん、よろしくお願いいたします。

〔 老川委員 〕 ありがとうございます。

22ページ以降で、「安全・安心の向上」を重点課題として提起されているというのは、僕は評価したいと思います。というのは、今まで公共事業というと、利権の塊、悪の温床みたいな捉え方がされてきているわけですが、例えば今年の災害なんかを見ましても、災害が起きてしまうと、その後の復旧でも大変なお金もかかるし、時間もかかるし、生活が破壊される。こういうことですから、特に災害対策に日ごろから力を入れていくということは大事だと思います。

その関連で、今回の洪水・氾濫で、流木による氾濫というのが非常に目立ったということで、この問題は後で農林のほうでも触れられると思いますが、山の除伐・間伐をしっかりやっておかないと、ああいうことになってしまうということなので、これは国土交通省と林野庁、農水省、このあたりとうまく連携しながら、安全・安心という観点から総合的に取り組んでいただきたいなと思います。

その場合、人手不足の問題とも関連しているので、今小林さんがおっしゃったことですが、職業教育といいますか、この土木にしても、山林関係にしても、かなり機械化、コンピューター化ということも盛んになっていますので、そういった意味で、職業教育もしっかりやっていくようなことによって、人手の充実ということにもつながっていくのではないかなという意見でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 では、中山主計官、手短にお答えください。

〔 中山主計官 〕 まず、民間活用についてご意見ございました。19ページでごらんいただきますように、民間の取組の中身が大事だと思っておりまして、ICT活用をはじめとした効率的な経営をしっかり横展開していく環境をつくっていきたいと考えてございます。

料金につきましては、1つ例として、この資料の中でも16ページの下のほうに記載させていただいています。これは消費者庁の統計ですが、日本を100にした場合、フランス、イギリスの水準をお示ししております。あと、例えばアメリカですと、上水は96、下水は208。ドイツは上水が240で、下水が367といった状況で、特に下水道において他国は日本と比べて高い水準にあるのではないかと考えてございます。

また、上下水道料金の水準については議会を通しますので、そのスキームのもとで、民間活用を含め、効率化が図られて決定されるものと考えてございます。

あと、人手不足につきましては、まだ取組が緒についたところで、なかなか結果を明示的に出すのは難しいところがありますが、例えば20ページ左下にありますように、ICT建機導入で2割以上工事費が削減されている例が出てきております。また、今年の予算から、公共事業の発注平準化のためにゼロ国債・2カ年国債の活用を進めておりまして、この結果につきましても、例えば春の財審等で結果状況を報告できればと思っております。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

続きまして、農林水産について審議を行います。前田主計官より15分以内で簡潔にご説明をお願いします。

前田さん、お願いします。

〔 前田主計官 〕 農林水産担当主計官、前田でございます。よろしくお願いいたします。

まず、2ページの目次をご覧ください。本日のご説明ですけれども、大きく3点を考えておりまして、1点目は農政改革の全体像に少し触れた上で、その農政改革の一環でございます農地の集約化、そのための農地中間管理機構についてご説明をいたします。2点目は、本年7月に大枠合意をいたしました日EU・EPA対策、それからTPP対策についてご説明をいたします。3点目は、林業の成長産業化についてご説明をいたします。

それでは、1ページ飛ばして4ページをご覧ください。左の表の下の2段にございますように、農業の就業人口は10年前と比較しても約4割減少しておりますし、高齢化率も6割を超える状況となっております。他方、右の表の上から3段目にございますように、北海道を除きます都府県におきましては、稲作など土地利用型農業の経営規模は農家1戸当たり1.5ヘクタールと、相変わらず小規模なものにとどまっているというのが現状です。

次のページ、5ページをご覧ください。左の円グラフにございますように、農業の総産出額は約9兆円になっていますが、そのうちピンク色で示された畜産が35%、濃い緑色の野菜と、少し薄い緑色の果樹で36%と、この2つで7割を占めております。他方、右上のオレンジ色で示された米は17%となっておりまして、15年ぐらい前ですと、この3つが30%ずつで、ほぼ同じぐらいでしたので、米の占める比率は年々下がってきているということだと思います。

続いて、右側の棒グラフをご覧いただきますと、同じオレンジ色で示された稲作に従事する農家が全体の6割以上になっているということで、その下にも同じくオレンジ色で囲みましたけれども、稲作を中心とした土地利用型農業には、直接的な補助金だけで足し上げますと、6,500億円を超える支援をしています。他方、その下にございますように、畜産が1,800億円、野菜・果樹に至っては240億円程度と、補助金に頼らない農業を行っているという状況になっております。そういう意味で、稲作を中心とした土地利用型農業を産業として成り立たせるためには、コストの低減、所得の向上のために、農地の集積というのは大きな課題であるということが言えるかと思います。

2ページ飛ばしていただいて、8ページをご覧ください。今申し上げました農地の集積・集約を進めるために、平成26年から都道府県に農地中間管理機構というものを設置いたしております。左の図にございますように、農地の「集積」というのは土地を担い手に集めること、すなわち担い手が耕作する土地を増やすということで、真ん中にあるモザイク状でも構わないのですけれども、「集約」ということになりますと、これは土地を物理的に一体として集めること。コスト低減のためには、一番下のように一体として集める「集約」が目標になるかと考えております。

このため、右の図にございますように、都道府県に設けられました農地中間管理機構が農地の出し手から農地を借り入れまして、担い手に貸し付けを行うという事業を行っております。公的機関がマッチングを行いますことは、出し手が安心して農地を貸し出すことができるということで、効果的なものだと我々も考えておりますけれども、今回ご審議いただくのは右下にある緑色の矢印、土地を出したところに協力金を支払っているという協力金の効果について、検証が必要だと考えております。

次の9ページをご覧ください。左側のグラフが農地集積の実績でございます。まず全体として、平成28年度には集積面積が減少しているという実態がございます。また、棒グラフの赤色で示された部分が農地中間管理機構経由の集積で、これが3割程度、27年度と28年度を比較すると、むしろ機構の経由率は若干低下しているという実情がございます。

この青色の部分、つまり機構を経由しないで集積が行われている農地ですけれども、これがなぜ起きているのかという問題意識から、機構を経由した理由について今年予算執行調査を行っております。右側にありますように、農地の出し手は営農活動をリタイアしたかった、あるいは縮小したかったということが大きな動機となっておりまして、協力金はインセンティブとしては限定的であるということがわかった次第でございます。

この協力金ですけれども、中央の下段にございますように、既に実績ベースで471億円を支払っております。これは集積であっても、先ほどご説明した集約であっても、同額となっておりますので、実際に機構経由とそれ以外で質的な差というものが、現時点では認められていないという状況にございます。

次の10ページをご覧ください。農地の集積でございますけれども、現在政府が目標として掲げておりますのは、平成35年までに8割を担い手に集積するという目標です。仮にこれが実現して、そのうちの半分が機構経由で行われるとなりますと、中央にございますように、今後3,000億円の財政負担が生じる可能性があると。

他方、右のグラフにございますように、農業従事者の高齢化というのはどんどん進んでおりますので、単に農地を手放したい人がいれば、その全ての方に協力金を支払うというのでは、予算の効率的な使用とは言えないのではないかと。低いコストで大規模な経営を行うために農地を集約するというために協力金を支払う仕組みが必要で、今後は協力金の単価に傾斜をつける、あるいは絞り込んでいくということが必要だと考えております。

11ページをご覧ください。この関係で、実は30年度、今回の予算要求で、右側で赤い枠囲みをしておりますけれども、機構を経由して土地を集めると、左側のさまざまな補助金、いろいろなメニューがございますが、これをかさ上げするという要求が出てきております。農地を集約するインセンティブということであればわかるわけですけれども、機構を使うインセンティブを高めるために、協力金に加えてさらに補助金のかさ上げを行うということは、若干本末転倒ではないかなと思っておりまして、機構を経由すると何が違うのかというところを、少し精査していく必要があるだろうと考えております。

続いて、2ページ飛ばして14ページをご覧ください。日EU・EPA、それからTPPの対策についてご説明をいたします。おさらいになりますけれども、左にございますように、TPPは2015年の10月に大筋合意をいたしました。以降、2015年度、すなわち平成27年度の補正予算、それから28年度の補正予算でTPPの対策予算を計上しております。

しかしながら、28年度の補正予算が成立した後に、アメリカがTPPを離脱するということを表明いたしまして、この11月にベトナムで行われるAPECで、アメリカを除きました11カ国でTPP11をどうまとめるかということでございますけれども、いずれにせよ、アメリカの参加が不透明になってきていることを、どう考えるかということがございます。

一方、右側でございますけれども、日EU・EPAは今年の7月に大枠の合意をいたしましたので、これは従来のTPP対策に加えて、新たに対策の追加が必要だという要望がある状況でございます。

次の15ページをご覧ください。アメリカが抜けたということを量的に示したものですけれども、左の棒グラフにありますように、TPP参加国からの農林水産物の輸入額は全部で3.6兆円、赤色で示された部分がアメリカで、1.6兆円、約4割を占めているという状況でございます。

また、右に行っていただきまして、品目別で見ますと、例えば米ですとかでん粉といったように、アメリカからの輸入が9割といった品目もございますので、これまでの対策の規模とか内容については精査をしていく必要があるのかなと考えております。

日EU・EPAにつきましては、一番下の左下の青い棒グラフの部分で、輸入額は1.1兆円、アメリカの7割ぐらいの規模でEUから農林水産物の輸入をしておりますけれども、内訳はそこに書いてございますように、一番多いのがワインなどのアルコール、2番目がたばこ、その後から豚肉、木材という形になっておりまして、その後チーズになりますと、大分金額は小さなものになるかなと考えております。

また、右下のグラフにございますように、木材、豚肉、チーズにつきましても、TPP参加国からの輸入がそれぞれございますので、従来のTPP対策によっても相当程度カバーできるのではないかと考えております。

16ページをご覧ください。日EU・EPAの対策としては、特にチーズについて関心が高くなっているわけですけれども、左下のグラフにあるように、EU産に比べ、国産は確かにコストは高くなっております。他方、右下のグラフにもありますように、青色の国産チーズの中でも、100グラム1,000円で大変好評で売れているチーズがあると。同じようにEU産でも赤色のように地理的表示がなされているものは、100グラム1,000円ぐらいで販売されているという実態がございますので、チーズというのは必ずしも価格で勝負をしているわけではなくて、味や品質で勝負をしていくのではないかと考えております。

したがって、その対策としても、安易に原料面のコストを下げるために、例えば酪農農家に補助金を出すということではなくて、高品質のチーズをつくる取り組みを後押しするということが必要になってくると考えております。

続いて、1ページ飛ばして18ページをご覧ください。従来のTPP対策でございます。先ほど申し上げましたとおり、27年度で3,100億円、28年度で3,500億円の措置をしております。その農業関連の対策の内訳を円グラフでご覧いただきますと、水色の部分は土地改良などの公共事業、そして赤色と濃い緑色の部分が畜産・畑作向けのそれぞれ施設整備となっておりまして、ほぼ9割がこの公共事業と施設ということになっております。

具体的な内容は下に書いてあるとおりですけれども、もちろん農地の大規模化でありますとか、新しい施設・機械によるコストの低減というのは必要だと考えておりますが、本当にこの効果が上がっているのかどうか、よく検証する必要はあろうかと考えております。

19ページをご覧ください。今回の対策は、かつてのウルグアイ・ラウンド対策への批判も踏まえまして、効果を検証するためのKPIが設定をされております。例えば、左側の中段にございますとおり、施設整備では、その施設を整備した結果、販売額が1割増えるか、生産コストが1割減るか、所得が1割増えるか、いずれかが達成されることということになっておりますが、そもそも販売額や所得は農産物価格によって左右されるので、必ずしも対策の効果だけを取り出すことが難しいといった部分がございます。

また、直接的に関係する生産コストでも、幾つか挙がってきている事例では、2%程度しか下がっていないものもございますので、今後はよくこのKPIを検証しつつ、TPP対策の規模・中身については精査をしていく必要があると考えております。

最後に、林業の成長産業化についてご説明をいたします。3ページほど飛ばしていただいて、23ページをご覧ください。左上のグラフにございますように、我が国の国土面積の7割は森林、うち4割が人工林となっております。左に写真がございますけれども、戦後、住宅の復興需要を見込んで大量にスギ・ヒノキを植えたものが、ちょうど50年前後で切りごろを迎えていると。切った後、改めて植えるのかどうか、まさに今、これを検討していく必要があるという状況になっております。

また、ちょうど切りごろが増えているということもあって、右上のグラフの赤い折れ線にございますように、15年前、木材自給率は18.8%と最低になってから、その後は上向きまして、足元35%と、かなり林業は産業としても成り立っていくのではないかという状況にはなってきております。

24ページをご覧ください。問題は、4割を占める人工林の中では、戦後という状況もあったのでしょうけれども、よくこんなところまで植えたなというような奥山ですとか、本当に急峻な地形にあるものもございます。結果として、伐採・搬出コストは大変かかる状況になっておりますので、今後は低コストで伐採・搬出が可能な森林に絞って再植林をする必要があるだろうと。

下の山の絵が模式図となってございます。林野庁でも1,000万ヘクタールの人工林のうち、麓に近くて搬出路も整備されているなど条件のよい600万ヘクタールに絞って、引き続き林業経営を行うと。残りの4割は将来的には自然林化を図ることを考えており、我々としてもこの方向で議論していきたいと思っております。

続いて25ページをご覧ください。今申し上げましたように、林業を続けない、自然林に戻してしまう森林につきましては、先ほど老川委員からもご意見ございましたとおり、誰かが管理をしないと、防災の観点から問題になってくるということで、今考えておりますのが、条件の悪い森林を、森林所有者から市町村が委託を受けまして、市町村が責任を持って管理をすると。問題はその場合、市町村が管理をする財源として、森林環境税を導入してはどうかということが検討されているところでございます。

森林環境税そのものは、都道府県、市町村とも調整中でございますし、基本的には与党の税制調査会でご議論いただくことになるわけですけれども、我々としては、財源とセットで考えられた施策ということでは、ぜひ協力をしていきたいと考えております。

最後、26ページをご覧ください。今後も林業を行っていく森林について、ではどのような支援をしていくのかということについて検討をしております。資料の中段あたりにございますように、予算ベースで見ますと、川上の森林整備事業に1,200億円を投ずる一方、川中の製材工場の支援には70億円、川下の需要開拓には、わずか1%の12億円しか充てられていないのが現状でございます。

農業分野でも似たような傾向が見られるんですけれども、単に川上の生産の拡大、あるいは低コスト化というものを進めても、それで売れるというものではありませんので、肝心なものは需要に見合った生産、あるいは加工・流通段階の合理化であると考えております。

日EU・EPAのところで省略させていただいたのですが、日本とEUの製材コストを比較すると、1.2倍になっています。そのためにも、製材工場の大規模化というのは喫緊の課題だろうと考えておりますが、実は工場を単に大規模化しても、安定して原料の木材の供給がなければ稼働率が上がらず、コストの低下にはつながらないということがわかっております。そういう意味では、生産者である森林組合と製材工場の協定締結などが必要になってくるだろうと考えております。

また、今後国内の住宅需要は、人口減もございまして減少していくことが見込まれております。非住宅分野における需要の拡大、あるいは輸出等々についても強化をしていく必要があると考えております。

このように、林業の成長産業化を支援するに当たっては、まず需要のほうから、需要を見きわめて、需要に適した加工技術、あるいはコスト削減を支援し、川下・川中と連携した植林伐採を進めていくと。これまでとは逆の方向で、予算面でも川中・川下に重点を置いた支援にシフトするよう、今後調整をしていきたいと考えております。

以上で説明を終わらせていただきます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

それでは、今のご説明についてご意見・ご質問がありましたらお願いします。

それでは、小林さん。

〔 小林(毅)委員 〕 TPPの話ですが、TPPに関しては、一旦立ちどまって考える、見直すというのは、そのとおりだと思います。おそらく今後、日米のFTA等の話が出てくると、またそれに対する要求が出てくる可能性もありますので、その方向性はよいと思います。

ただ、もともとTPP対策に関しては、TPPをきっかけとして農業の体質強化を図っていくというのが、1つ大きな目標ではありました。18ページの箇所でTPP対策としてどうなのかという言い方がありましたが、そのような見方ではなくて、体質強化策としてどうなのかと検証したほうがよいのではないかと。そのような捉え方のほうが、幅広い見方になるのではないかなと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、続けて佐藤さん、中空さん、十河さん、お願いします。

〔 佐藤委員 〕 まず農業関係で、中間管理機構についてです。以前、数年前に行政事業レビューに挙がったことがあったのですが、そのときに問題視されたのが、制度の設計と運用が違うではないかという議論で、本来中間管理機構は、貸したい人間から土地を集めて、農業したい担い手に対して貸し出すという、ある意味中間事業者としての中間機構なのですけれども、どうも実態を見ると、あらかじめ借り手が決まってから貸し出しをするということが見受けられました。つまり、借り手がいないときにはなかなか土地を集めないという感じになってくるので、なかなか借り手と貸し手のミスマッチングが解消しにくい環境にあるみたいなのです。

つまり、自分たちで土地を長く持っていたくないので、農業委員会のほうがむしろ極めて積極的な役割を果たしていて、中間管理機構は本来の制度の趣旨に即した役割を果たしていないのではないかという議論がありました。

それを考えると、実態を調べる必要性があって、優良できちんとやっているところ、おそらくそうでないところと両方あるだろうということで、中間管理機構の制度そのものに加えて、優良事例といいますか、現場で実際どういった形で貸し出したい土地を集めて、それを借りたい人に貸し出しているのか、特に集約化をどう進めていくのかというところについて、実態調査が要るのかなという気がします。

あと、今がタイミングだということはまさにそうで、次の中小企業も同じことなのですけれども、農家は高齢化していますので、これを機にリタイアして、皆さんが土地を貸し出してくれるということであれば、大規模化をするのは今がチャンスということになります。逆に都会のサラリーマンの息子が帰ってきて、退職してから田舎で農業をやるとなると、兼業農家が続くことになっちゃいますので、ここのタイミングをいかに逃さないかということが問われるのかなという気がしました。

あと、本日はお話に出てこなかったのですが、もう一つ農地について問題になるのは、所有者不明地です。いわゆる耕作放棄地も含めてですけれども。今、たしか農水省でも、所有権と利用権を分けて考えよう、つまり所有者不明の土地であっても利用権を付与して、使ってもいいよという形で分離を考えるという議論があります。所有者不明については次の林業も同じなのですけれども、所有者不明の農林地については、利用権の設定という形で活用を促していくという視点があっていいと思います。

あと、林業ですけれども、簡単に申し上げると、これも、これからどうやって産業化を進めていくかということがポイントだと思います。

しかし、おそらく経済林と環境林を分けて考えなくてはいけない。本日の話は経済林についてだと思いますが、治水・治山の話は公益性を重視している環境林のほうの話になります。ここは林の役割を混乱させると、また面倒くさいことになると思いますので、森林の機能というのを整理していくということが、まず肝要かと思いました。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、中空さん。

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。

元も子もないことを言いますが、そもそも補助金は要らないのではないかと、ずっと思って聞いています。農地中間管理機構のご説明の中でも、財源なしでやっていたほうが効果はありますねと言われてしまうと、ますます農地中間管理機構がなぜできたのかということに立ち戻らざるを得ないかなと思っています。

なので、最初のご説明にもありました、お米は補助金があって、でもどんどん減っていますよという話を見ても、補助金が役立っていないとしか見えないと思っています。なので、一国民として、この説明を聞いたときに、補助金は邪魔をしているとしか見えません。しかもチーズにしても、消費者の立場からいえば、日本製でも外国製でもおいしければいいということだと思うので、補助金のあり方というのをどう考えるかということへの説明が、直結して響いてこないなと考えています。

国としては産業を維持しなくてはならないとか、さまざまな側面があることはわかった上で、あまり合理的な説明ができていないのではないかなと、多くの国民にとってはそう聞こえるのではないかということを、あえて指摘させていただきました。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕  十河さん、よろしくお願いいたします。

〔 十河委員 〕 ありがとうございました。中空先生の今のお話を聞いた後に、私の意見を申し上げるのは少し心苦しいのですけれども、私は女性誌の編集をしておりまして、日本の食というのは料理のことだけではなくて、食材が世界的に非常に高い評価を得ているということを、日々感じております。

昨今、特に日本は景気回復ということと、文化度が高いということで、さまざまな方が来日してくるわけですけれども、そういったビジネスで来る方にとりましても、日本の食材、おいしいものを食べるということに非常に期待を持って、それを楽しんで日本に滞在しているという状況の中では、先ほどチーズの件がございましたけれども、クオリティの高いものというのが日本の1つの文化度の証明でもありますし、これからの産業にとりましても、日本は質をもっと強調していく、あるいはもっと高めていくという国である必要があるのではないかなと思っております。

そういった意味では、稲作農家の高齢化ですとか、そこの問題はございますけれども、若い方たちが一生懸命、いい作物をつくっていこうと、農業は格好いいのだという取組で、まだ低収入の中で頑張っている方たちには、私としては支援していくべきではないかなと思っております。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 赤井さん、どうぞ。

〔 赤井委員 〕 法人化という議論があったと思いますが、法人化をすることで、より集積が進むという議論と、機構の関係みたいなものがあれば教えてください。

〔 田近分科会長代理 〕 それでは、ご意見・ご質問、よろしいですか。

では、前田主計官、よろしくお願いいたします。

〔 前田主計官 〕 今おっしゃるとおりで、法人化を進める受け手のほうの議論ですけれども、なかなかもう受け切れない、特に面積が大きくなると、法人組織でないと受け切れないという実態がありますし、実際我々としても、法人になるべく多く持っていただいたほうがよいと思います。新規参入で若い人たちが入るのも、法人のほうが自分で始めるに比べて、新規参入の壁が非常に低い。そのような意味では、法人化を進める取組というのも、本日ご紹介しませんでしたけれども、様々に取り組んでおります。

〔 赤井委員 〕 法人化とこの中間管理機構というのは、全然絡み合っていないのですか。

〔 前田主計官 〕 いえ、そこで今、佐藤先生もおっしゃったように、機構の運用の問題でして、本来であれば、例えば法人に渡すものであれば、少し協力金を手厚くするとか、様々な工夫の余地があるのだろうと思っておりますが、現時点ではそういった工夫がなされていないというのも問題だということで、本日ご審議をいただいたところでございます。

〔 田近分科会長代理 〕 よろしいですね。そのほか、さらに質問や確認があれば。

では、先に進ませていただきます。続いては、エネルギー・環境、中小企業について審議を行います。小宮主計官から10分程度のご説明をお願いします。

〔 小宮主計官 〕 経産・環境担当主計官の小宮でございます。よろしくお願いいたします。資料3に基づいて、まずエネルギー・環境からご説明させていただきます。

4ページをお開きください。現在のエネルギー政策の枠組みを示させていただいておりますが、政策目標といたしまして、安全性を大前提に、自給率は引き上げ、電力コストは引き下げ、CO2は削減という目標が掲げられ、そのため、省エネの徹底、再生エネルギーの増大、化石燃料の安定供給を進めることとされております。これを前提に、各論に入らせていただきます。

8ページまで飛んでいただけますでしょうか。資源関係予算からでございます。石油・天然ガスにつきましては、自主開発比率を2030年に40%以上とすることを目指して、JOGMECを通じた出資等の開発支援を政府が行っているところでございます。足元の動きでございますが、右下のグラフにございますように、自主開発量の増加によりまして、自主開発比率が27%まで上昇してきているという状況でございます。

今後でございますが、9ページ目をごらんください。今後は石油等の需要を減少させていかなければならないという状況でして、このエネルギーミックスを実現すれば、自主開発量を増やさなくても2030年40%という目標がほぼ達成できるという試算を、右の下の図に示したところでございます。限りある財政資金を配分するに当たりましては、このような政策あるいは情勢の変化というものを踏まえて考える必要があると思っております。

10ページ目は、JOGMECの支援の仕組みを示したものでございますので、説明は省略をさせていただきます。

11ページ目にJOGMECの設立経緯を示してございますけれども、もともと石油公団という特殊法人がございましたが、これが非効率な運用の結果、約5,000億円の繰越欠損を抱えて解散をされたという反省を踏まえまして、JOGMECの運用につきましては、民間主導の原則を基本とするということにされております。そのような形で支援割合も決められているところでございます。

他方、12ページをごらんいただきますと、JOGMECも近年、繰越欠損金が増大しておりまして、足元では1,500億円を超えているという状況でございます。これにつきましては、棒グラフにございますように、採択案件58件のうち、23件が現在、損失確定しているということが寄与しているところでございます。探鉱・開発案件の適切な規模の検証など、JOGMECの収益改善に向けた検討が必要と考えているところでございます。

続いて13ページをごらんください。民間主導の原則との関係ですけれども、近年、JOGMECの民間企業向け債務保証は減少する一方で、JOGMEC向け出資金予算額は拡大してございます。民間主導の原則を踏まえますと、JOGMECが肥大化することのないように、適切な支援対象、それから手法のあり方というものを検討すべきと思っているところでございます。

14ページ目は、JOGMECの支援手法についてでございますけれども、昨年の法改正によりまして、国営石油企業の買収についてJOGMECは単独で出資することが可能となりました。単独出資案件は、一緒に事業をする民間企業によるリスク評価が行われませんので、JOGMEC自身がしっかりとリスク管理体制をとることが喫緊の課題ということになります。その上で、その原資につきましては、政府保証借り入れを活用していくことが必要と考えているところでございます。

続きまして、省エネ・再エネ予算に入ります。16ページをごらんください。省エネ予算の全体像ということで、補助金あるいは研究開発といった予算項目が並んでございます。

省エネにつきましては、これまでも建議において規制的手法を中心に取り組んでいくべきとされておりますが、17ページに、省エネ法に基づく事業者クラス分け評価制度を載せているところでございます。S、A、B、Cに事業者を分けた上で、取組を確認するといったものでございます。

その運用状況を18ページに示したものでございますけれども、平成28年度、上のところを見ていただきますと、Sが6割ということで、Aクラス・Bクラスの未達の企業が全体の約4割を占めております。また、下の27年度に比べてA・Bクラスが大幅に増加をしているということでございまして、こういった省エネ取組が不十分な事業者に対しては、経済産業省から改善を促す仕組みに改善の余地があるのではないかと考えているところでございます。

19ページ目は、再生エネルギー予算の全体像でございます。

20ページをごらんください。再生可能エネルギーの関係では、FITにつきまして、2030年に買い取り費用が4兆円に上る見込みとなってございます。これまでもコスト引き下げのための法改正もしているところでございますけれども、左下の調達価格をごらんいただきますと、海外では10円近くという発電コストになってございます。高い買い取り価格はコスト意識を欠如させ、再エネ産業の競争力も失わせた結果、国民負担が増大しているという状況でございますので、我が国においてもさらなる価格の引き下げが急務であると思っております。

21ページ目をごらんください。ごみ焼却施設でございますけれども、実は施設の半数程度の小規模施設で発電が進んでいないという状況でございます。焼却施設の更新について、環境省が財政支援をしておりますので、エネルギー利用の高度化がなされることを原則とすべきと考えているところでございます。

22ページ目でございますが、このほか各種の予算要求につきまして、ここに掲げた幾つかの視点、市場への影響、モデル事業の展開の見通し、右側の国と民間の役割分担、導入補助金の卒業の道筋といった視点から、精査が必要と考えております。関連する予算要求とあわせてごらんいただければと思っております。

続きまして、中小企業に移りたいと思います。24ページをごらんください。中小企業の経営状況ですが、近年改善をしております。中規模企業の経常利益は2016年度に過去最高水準、ストックでごらんいただいても、右端のように内部留保が過去最高水準、真ん中の現・預金も99兆円まで積み上がっているという状況でございます。他方で左下ですが、設備投資はリーマンショック前の水準までは回復しておらず、下の真ん中の有形固定資産は減少傾向でございます。

25ページをごらんください。近年、中小企業の従業者数は増加してきておりますが、業種や規模にもよりますが、IT投資など生産性向上のための投資が進んでいないというところもありますので、右側にありますように労働生産性の改善が、中小企業を総体として見ると、おくれているという状況であろうかと思います。既に人手不足は顕著となっております中、さらなる成長をしていくためには生産性の向上が不可欠でございます。効果的な設備投資により生産性を向上させていくことや、開廃業率を高めて新陳代謝を促進していくことが課題と考えております。

26ページをごらんください。そのための政策ということでございますが、中小企業基本法では、もともと大企業と中小企業との格差是正を基本理念としていましたが、平成11年に、市場競争を前提とした多様で活力ある成長発展を図るということに理念を転換してございます。他方、小規模企業には、中規模企業とは異なる考慮をするということがなされているところでございます。

これを踏まえて、27ページ目が最近の主な中小企業支援策の全体像でございますが、中小企業の多くが資金繰り支援、税制支援等を利用している中、図の真ん中にございますように、企業のライフステージごと、また企業活動全般に補助金が存在するという状況でございます。ただ、その件数をごらんいただきますと、補助金を利用している事業者が、全体の中でいえば一部にすぎないということがおわかりいただけるかと思います。

28ページをごらんください。そうした中、昨年いただきました財審の建議を踏まえまして、信用補完制度の見直しが行われました。その内容を申し上げますと、金融行政との連携を通じ、信用保証協会と金融機関が適切なリスク分担をすることによりまして、金融機関が中小企業に対してしっかりと経営支援機能を発揮しつつ、必要な事業資金を供給するよう促すということでございます。

したがいまして、中小企業の資金ポジションの改善と考え合わせますと、中小企業の資金需要に対して、補助金という形で財政資金を提供する必要性が低下しておりまして、こういった新たな信用補完制度のもとで民間資金の活用により対応していくことが基本ではないかと考えているところでございます。

29ページ、それでは補助金はどのようなものなのかというところでございますけれども、まず左側の図でございますが、平成15年当初、リーマンショック前の状況でございますが、補助率2分の1という補助金が全体の2分の1程度を占めてございます。他方で、最近では3分の2の補助率が主流となっているところでございます。企業経営に対しまして、こうした高率の補助金を出しますと、事業コストを大幅に引き下げますので、モラルハザードの誘発によりまして、投資が補助金依存となる、市場競争をゆがめる、新陳代謝を阻害するといった弊害も懸念されるところでございます。

右側に、ものづくり補助金の事例を載せてございます。この補助金は、中小企業の設備投資等を支援するための補助金でございまして、補助率は3分の2です。平成24年度補正で補助金の交付を受けた1万件を追跡調査したところでございますけれども、一番下の赤囲みのところにございますように、28年度の時点で補助対象事業に生じた収益が、自己負担分、すなわちもともとの投資額の3分の1を超えている企業というのが1%にも満たないという状況でございます。引き続きモニタリングが必要と考えてございますけれども、補助金により誘発された設備投資等は、企業の収益や生産性の向上にあまりつながらなかった可能性もあると考えております。

30ページに、こうした例も踏まえた論点を掲げてございますが、下から2段落目、補助金につきましては、モラルハザード防止の観点から不断の見直しを行うということと、生産性向上につながるような分野に重点化していくべきではないか。また、その下の段落でございますが、事業の効率性が高まるよう、補助率のメリハリづけなどが必要ではないかと考えているところでございます。

説明は以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

エネルギーについては、石油・天然ガスの自主開発、そして省エネ・再生エネルギー、中小企業と、広範な説明をいただきましたけれども、ご意見・ご質問がありましたならば、早速お願いします。

加藤さんと大槻さん、お願いします。

〔 加藤委員 〕 ありがとうございます。1点だけ、再生エネルギーについて伺いたいと思いますが、例えば19ページにありますように、非常に多くの補助金等が出ております。また、次の20ページでも、固定価格買取制度で相当お金が入っているということですが、再生エネルギーそのものについて否定をしているわけではないんですが、このような再生エネルギーへの補助金は果たしてどこまで効果的に使われているのか。

例えば9ページを見ますと、9ページあたりですと、日本の一次エネルギーの中に占める再生エネルギーの割合というのは、逆に下がってきているように見えます。そういった意味で言うと、こういった様々な再生エネルギー、これ自体はほんとうに大事なことだろうとは思いますが、このような再生エネルギーへの支援が果たして効率的に行われているかどうかということに、私は非常に疑問がありまして、その点について後で簡単にコメントとか、教えていただければと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 大槻さん。

〔 大槻委員 〕 ご説明ありがとうございました。2点ほど。

JOGMECが1点目です。これはご質問とコメントですけれども、繰越欠損金が相当拡大しているということで、12ページ目にいただきましたが、これについて、プロジェクトなどの選定のプロセスの再検討、見直しなどは行ったのでしょうかというのが1点質問と、それから今後について、M&A等も活用できるようにということでありましたが、ご存じのとおり、M&A、買収については相当リスクが高く、普通に今までやってきた人の中でも、成功している例が少ないと言われる中で、これについて同じように損失が出ないための、何かバックアップですとか、新しいスキームの導入など、検討について教えていただければということです。

それともう1点が中小企業、これは主にコメントですけれども、ご指摘のとおりで、補助金というのは、先ほど中空さんからのご指摘もあったように、ここも相当必要性というのは論議されるべきで、銀行等も支援に向けて様々にやっていますけれども、廃業率のこの低さを見て、一方でこれだけ雇用がいいということもあわせて考えると、今こそ必要な場合での退出ということも念頭に置いて、めり張りをつけた支援あるいは補助金ということを、改めて考えるべきなのではないかなと思った次第です。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。

たくさん手が挙がっていますが、角さん、小林さん、宮島さん、中空さんということで、続けてお願いします。

〔 角委員 〕 ありがとうございます。私もFITについてお聞きしたいと思いますけれども、震災前は日本では、だいたい1兆キロワットアワーで、15兆円ぐらいが売り上げですから、キロワットアワー15円という世界だったと思います。当時、再生エネルギーは10%弱で、大半が水力発電ですから、その時点と、このグラフを見せていただくと、10年と16年で再生が10から15%に5%上がったと。ということは、500億キロワットアワー上がったと。

それで例えば2兆5,000億ということになると、キロワットアワー50円という計算になってしまうのですけれども、それは少しおかしいような気もするので、その辺を教えていただきたいと思います。要するに、民主党政権が震災直後の、私に言えば火事場泥棒みたいな形で、キロワットアワー40円という設定をして、それが後、尾を引いているのは事実だけれども、それにしても、破綻するだろうと言われていたドイツが10円まで来ているわけですよね。これと、なぜ日本がまだ20円の水準にとどまってしまっているのかと。そこを教えていただきたいなと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 小林さん、お願いいたします。

〔 小林(慶)委員 〕 2つコメントしたいと思います。1つはJOGMECのことで、14ページで単独出資ができるようになったと書いてあります。そこでリスク管理体制の向上が課題だということですが、多分具体的に、例えば投資委員会をつくるとか、そういった組織の統治構造、組織構造を変えるような立法なりが必要なのではないかなと思いますけれども、その辺の検討は進んでいるのかどうかということをお聞きしたいと思います。

もう一つは、最後の29ページにある中小企業の補助金の話ですけれども、右の表を見ると、回収率が非常に低いということになっているわけですけれども、これは補助金適正化法全体の問題かもしれませんが、収益が上がるとそれは全部、補助金額までは国庫納付しなくてはいけないという仕組みになっていると、インセンティブの構造としてうまくいっていないのではないかということです。

収益がある程度出れば、半分とか3分の1程度は企業がとれるようにすれば、ある程度収益を出して補助金を返そうというインセンティブが上がると思うので、その辺の制度設計を、この制度だけではなく補助金全体かもしれませんけれども、考える必要があるのではないかなと思います。

以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。

では、宮島さん、中空さん、お願いします。

〔 宮島委員 〕 ありがとうございます。中小企業と補助金のところですが、全体として、とにかく企業を守るのではなく、雇用を守る際は、人を守るのだというところをベースに考えますと、今の状況は日本全体が雇用を守るということになると、企業はあまり潰してはいけないという空気感はまだあるなと思っております。

今、中小企業の補助金に関しても、何でも緩くてもいいけれども、とりあえずは手を出してみようというようなインセンティブを与えてしまいますと、これだけ人手不足の中で、貴重な人材を経営トップの判断で間違った方向に誘導することにもなりかねないので、補助金の効果とその内容については、一つ一つ厳しく見る必要があると思います。

特に最近、経営トップの判断というのはほんとうに大きいなと思っておりまして、中小企業も経営の判断が甘くあってはいけなくて、厳しくなくてはいけないと思うので、その判断を厳しくする形、また、そうはいってもスタートアップを阻害したりせずに、チャレンジを引き出すという点において、必要な部分に限って適切に見ていくべきではないかと思います。

あと、少し戻りますけれども、先ほど社会資本整備のときに感じていたことでもありますが、公と民との関係で、民間活用を進めていこうということに関しては、もちろん賛成です。ただ、そもそもの議論で、民に行けば効率化するという発想は、国民全体から見ると、要するに公の部分は、自分たちが働く民間企業よりも甘いということが残っているのだな、無駄があるのだなと思いがちになっていて、そして無駄があるのであれば無駄を削れば、どこからかお金が出てくるというような全体の空気感につながってしまうのではないかと思います。

例えば今回でいうと、まずは見える化を進めるために公営企業会計程度は、きちんと検討してやってほしいと思いますが、民とは違う公の形においても、十分厳しいという形をしっかり見せていく必要があって、公の厳しさと民の厳しさを合わせて、効率化等を進めていくということが必要ではないかと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。

中空さん、よろしくお願いいたします。

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。1点だけ、JOGMECについてです。石油公団債券というのはたくさん出ていて、クレジットアナリストとして見送った経緯があるものですから、JOGMECは気になってしようがないのですが、JOGMECが11年度には40件の採択案件数だったのが、5件失敗しましたと。このときはまだ10%程度の失敗で終わっているのですが、累積すると2016年度、40%の失敗になってきています。民間で40%失敗していたら、生き残っているわけはもうなくて、という話だと思うので、なぜこうなったのかというのを徹底して見る必要がある。

ただ、JOGMECが存在する意味というのはあると思います。リスクの高いものに投資をしましょうという話なので、JOGMECがなかったらお金が出てこないということもあり得るので、どのぐらい意味があるのか、存在意義が問われてくると思います。では、どうするのか、リスクはどうとるのかという点を、少し考えなくてはならないのではないかなと思って聞きました。

とりあえず、以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 続いては、冨田さん、佐藤さん、末澤さん、伊藤さん、お願いします。

〔 冨田委員 〕 JOGMECですけれども、13ページで、国からのJOGMECへの出資金が非常に増えているグラフがございます。この目的は何か。累積欠損金の絡みなのか、自主開発比率を目的とするのか、あるいは、これは特別会計からなので、特定財源ということが、悪さをしているというと表現が悪いですけれども、昔からの課題であるのかどうかということについて、お聞かせいただきたい。

〔 田近分科会長代理 〕 わかりました。

続いて、佐藤さん。

〔 佐藤委員 〕 中小企業ですけれども、問題の本質は農業に近くて、中小企業の経営者が高齢化している、彼らが引退の時期を迎えている、さあ、次はどうするかでありまして、このままだらだら続けるのか、あるいは事業譲渡も含めてM&A等で産業の再編成を促すのか、ここがターニングポイントだと思います。

IMFのレポートなどを読んでいても、もう企業は規模に応じて支援をするのではなくて、成長の段階に応じて支援しようと。つまり具体的には、中小企業だから、規模が小さいから支援するのではなくて、新興企業だから支援する。当然新興企業のほうが資金繰り等は苦しいですから、あと可能性もありますので、そういった点において、新興企業のほうに支援を重点化しませんかという議論は、世界的には起きていることなので、日本もその流れに従うべきではないかと個人的には思います。

あと残りは簡単にですが、再生エネルギーについてです。これは先ほどの林業の話につながります。木質バイオマスですけれども、あれはチップなので、基本的には廃材なのですけれども、そのための木材の安定供給をしっかりやらないと、バイオマス、再生エネルギーを進めれば進めるほど、なぜか輸入が増えるという本末転倒なことになりかねないので、これも農業政策としっかりと連携が必要かなという気がしました。

あと、最後に1つだけ。事業者クラス分け評価制度について、S評価が少ないという話ですけれども、私は逆に多いのではないかと。評価が甘いと4割とか5割とかがS評価をもらうという。大学も今、Aは3分の1以下に減らせと言われていますので、少し相対評価的な要素を入れて、少しハードルを上げて、より一層の省エネ努力を促すほうが、学生じゃないですけれども、企業のためにはなるのではないかと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 末澤さん、伊藤さん、お願いします。

〔 末澤委員 〕 ありがとうございます。

9ページで中小企業の経営状況のグラフがございます。先ほど内部留保等は相当たまっているけれども、設備投資は弱いと。最近は選挙でもテーマになっておりますが、設備投資が弱いのは、実は大企業も弱いことは弱いのですけれども、これは日本の将来的なマーケットが人口減でシュリンクしていくということで、経営者はなかなか強気になれないという面があると思うのですね。

ただ、中小企業に関して見ると、プラス事業承継といいますか、誰が継ぐのだという問題がございます。先週からTBSさんで、ある足袋屋さんのドラマが始まりまして、おもしろそうなので私も見ていますが、今の中小企業の、これは農業などでもそうだと思いますが、今の事業を誰に継がせるのだという問題です。息子ないし娘さんに継がせられないと。だから設備投資しないという面もあるのだと思います。

ですから私は、人口減、少子高齢化は進んでいますが、中小企業主体に事業承継をうまく回して、新陳代謝を日本経済全体で高めていかないと、設備投資をやってくれと言っても、なかなかうまくいかないのではないかということで、事業承継、新陳代謝を、ぜひ政策的にも進めていただきたいと思っております。

以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。

伊藤さん。

〔 伊藤委員 〕 ありがとうございます。2点申し上げます。

1つはFITでございますけれども、商工会議所で調査をいたしましたところ、電力料金上昇は、すぐ足元の経営に直接影響があると答えた会社が63%ぐらいあります。調査対象は3,800社ほどでした。そういうことからしても、FITの価格自身が、ドイツやフランス等と比べて日本が非常に高いものですから、これは早急に下げていただくということを検討しないと、将来4兆円の負担が国民負担になるということになると、非常に大きな問題だと思いますので、そこをひとつ、ぜひ早急な引き下げをお願いしたいということであります。

2点目は、中小企業の補助金の問題ですけれども、ここで言われていることももちろんわかりますし、新陳代謝が必要だということもわかるのですけれども、ものづくり補助金がございますね。あのものづくり補助金というものの見方についてですけれども、これは生産性向上対策などにもなるとか、あるいは新しい人が入ってくるとき、あるいは事業承継をするときの契機になるという見方で、もう少し見てあげる必要があるのではないかということでございます。

ものづくり補助金の事業目標として、事業終了後5年以内に製品を販売している事業の割合が50%以上に設定されていると聞いております。事業終了3年後では44.2%という数字でございますので、ある意味では順調にいっているということも言えるのではないかということでございます。

したがって、事業化後、収益を上げて自己負担分の回収が完了した後に、国に対して収益納付がなされるものでありますので、もともとリスクが高い仕事にチャレンジしていこうということでございますから、現段階で結論を出すのは、少し早いのではないかという気がしております。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 非常に多くの意見、あるいは具体的な質問、それから提案、ありがとうございました。

一言私も参戦させていただくと、JOGMECに対しては、冨田さんのご指摘につながりますが、これはエネルギー対策特別会計の中のフレームワークでやっているわけで、そのために出資金等の財政規律が緩んでいるのではないのかという点も考慮すべきなのかなと思いました。

それからもう一つは、今回は信用補完制度について、あまりご説明がなかったわけですけれども、景気がいいときこそ、きっちりこれを見直していくと。そういった姿勢から考えると、まだまだこれは財審でもきっちりフォローしていかなくてはいけないテーマかなと思いました。

私の感想ですけれども、小宮さんは、具体的な質問・意見があったので、お答えいただけますかね。

〔 小宮主計官 〕 幾つかご質問いただいたので、そこだけお答えしたいと思います。

FITについて幾つかご質問いただいていまして、まず効果という意味で言うと、明らかに再生エネルギーの量は増えているという意味での効果はあったと思っています。

補助金というか、予算との使い分けみたいなところですけれども、予算のほうはどちらかというと実用化支援、あるいは技術研究開発といったところで、もう少しベーシックというか、もう少し初期段階の部分を支援している。あとは、コストの引き下げ等を目指していくということだと思っています。

なぜドイツ・フランスに比べて高いのかというご質問もございましたけれども、例えば太陽光発電について要因分析すると、パネルも高いし、据えつけのための工事費も高いという状況でございますが、私たちとしましては、その背景として、FITという制度が、通常要する費用プラス適正利潤をカバーするように価格を設定しなさいということが制度で決められているがために、そこの引き下げのためのインセンティブが働かないのではないか。ヨーロッパでは、逆に入札でどんどん競争が働いて引き下げているというところがあるので、そういう部分もあるのではないかと考えております。

JOGMECにつきましてもご質問を幾つかいただいておりますけれども、まず、損失が確定した案件がかなり増えているというところで、そこのリスクをどの程度抑えられるかというところですけれども、探鉱はもちろんリスクが高いというものではございますが、幾つかJOGMECも技術を持っていますので、その技術を磨いてという形で、できるだけ確実な案件を手がけるという努力を民間企業と一緒にしているという状況でございます。

また、M&A、それから単独出資につきましてですけれども、M&Aについても民間企業とともに案件の選定あるいはリスクの評価というのをやっていくと。単独出資についてはそういった面がないので、JOGMECとして第三者委員会のようなものを設置するということになっているわけでございますけれども、これまで両方とも出てこなかった、やや投資的な手法でございますので、あわせて、それにふさわしいリスク管理規定のようなものを、内部規定として整備していくといったことが考えられるのではないかと思っております。

以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 続いて、外交関係について審議を行います。湯下主計官から10分程度でご説明をお願いします。

〔 湯下主計官 〕 外務・経済協力担当の主計官をしております湯下でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

資料4で、外交関係という資料でございます。まず1ページおめくりいただきまして、2ページでございますが、国際社会と主要課題ということでございまして、上記にありますように、米、中、露、北朝鮮といったところの個別の国との関係。そして右側でございますが、グローバル・イシュー。特に予算にかかわることでございますと、地球規模課題ということで、SDGsといったことがございます。

また、左下でございますが、特にODAの世界で今重視しておりますのはインド太平洋ということで、自由で開かれたインド太平洋戦略というのを進めておりまして、これは要するに、東南アジアからアフリカにかけて、ここら辺の国々との協力関係をどうするかということ。こういったことが今、大きな課題となっております。

それを踏まえますと、次のページ、3ページ目でございますが、まず外交体制を強化してもらいたいということを外務省は強く言っておりまして、ここにつきましては、要すれば人を増やしてほしい、人件費を増やしてほしいとか、あと、出張が非常に増えていますので、旅費・庁費といったものの増額といったことが要求をされております。ここは後ほど論点3といたしまして、在外公館の量と質の関係ということでご議論させていただきたいと思います。

また、2番目といたしまして、ODAのさらなる拡大ということを掲げておりまして、こちらにつきましては論点1、そして国際機関への任意拠出金ということで論点2ということで、後ほど議論させていただきたいと思っております。

それでは、ODAの問題からですが、6ページ目までおめくりいただきまして、左の図をごらんいただきますとわかりますように、ODAというのは1997年をピークに大幅に減少してきております。ただ他方、右図のとおり、ODAにつきましては有償資金の部分もございますので、全体の事業費としましては足元緩やかに増加してきているという状況でございます。

1枚おめくりいただきまして、7ページでございますが、特に有償資金が増えているということと、またさらに、今では民間の直接投資も非常にODAに比べて増えてきていると。したがいまして、従来からご指摘いただいていますけれども、無償資金協力についても、民間資金につながる予算を重要視していくべきではないかというご指摘をいただいております。実際にそういった途上国側にしてみても、民間投資が来るということは、直接それは雇用や技術移転にかかわるものでございますので、先方側からも評価を受けているという状況でございます。

このように、民間資金につながる資金でと従来から申し上げておりますが、若干それに対してどうかということで、具体例を次ページから3点申し上げたいと思っております。

次のページをおめくりいただきまして、8ページ目でございますが、民間資金につながるものということで、官民連携という典型的な話でございますが、PPPが重要だということはご理解もいただいているのですが、左下にも具体例、こういった良い取組があるということですが、大体年間1件程度しか採択されていない。

続きまして、9ページ目でございます。BOPというのがございます。これは、特に左下にガーナの取組というのが、これはおかゆですけれども、KOKOという製品を味の素がつくって、それをODAで後押ししたという事業でございますが、こういった低所得者階層の生活向上につながるようなビジネスということで、BOPビジネスというのも非常に重要だと外務省でも考えられているわけでございます。実際に件数もあるという主張を外務省でもされているわけですが、金額で見ますと、右下をごらんいただきますと、重要だというわりには8億円の、あたかもキャップがはめられているかのように横置きで推移しているという問題がございます。

続きまして、10ページ目でございます。こちらは、まず前提のご説明として、金利についてでございますが、左側にございますように、先ほど申し上げました有償でのODAが増えているということなのですが、今のところ、過去、金利が高いときに貸し出したものというのがまだございますので、勘定は黒字になっているわけですけれども、左下をごらんいただきますように、新規の約定金利というのは非常に下がってきております。

それはもちろん、世の中の金利が下がってきているということもございますし、右側にございます、STEPと特に書いてありますが、日本企業が進出しやすくするためということで、タイドローンということで非常に有利な金利になっているものを最近増やしておりますので、そういったことを背景にいたしまして、全体の金利が下がっていると。

ただ、当然本来、収益性の高い有望な事業であれば、高い金利というのは当然でございますので、まずはこういった有償資金協力であっても、金利については不断の見直しをしていただきたいということを、まず指摘させていただいております。

続きまして、そういった前置きが長くなりましたけれども、無償資金協力におきましても、右下の例にございますように、これはSPSPという特殊な鋼材を使った例でございますが、無償資金でそういった日本の有利な特別な鋼材を仕様に入れて、その後、ある程度金利の高い有償資金に結びつけていく。こういった取組というのも大事ではないかと。こちらも先ほど来と同じように、外務省も大事だということはご理解いただいていますけれども、件数がなかなか伸びていないということで、3点ご指摘をさせていただいております。

続きまして、今回、JICAについて若干問題提起をしたいと思っております。11ページ目でございますが、JICAは独立行政法人でございまして、経費の中に事業費も含まれているということでございますので、左側がJICAの数字、真ん中が一般的な独立行政法人の数字でございますが、若干削減幅が甘いのではないかという問題認識でございます。抽象的に申し上げてもわかりにくいので、具体例として、次ページより2つ、具体例をお示ししたいと思っております。

2例とも最近増やしてきて、重点的にされている部分ですが、まず1点目は、青年海外協力隊等のボランティア活動についてでございます。若干内向き志向が日本でも広がっているということもあろうかと思いますが、ボランティアの募集が一時期に比べてかなり減ってきているという、そういった状況の中での話ですので、そこはそこで理解はしたいと思っておりますが、本来は農業や鉱業といったものについての技術を持たれる方が、途上国に行って技術を移転されるというのが本来の趣旨であろうかと思いますが、若干最近ではそういう資格、専門能力というのを問わない形でのボランティアというのが、全体の3分の1ぐらいを占めるようになってきております。

また、オリンピックを見据えてというのは、それはそれで理解はするのですけれども、オリンピックを見据えたスポーツ海外協力隊というのも出されていますが、実際には野球教室であるとか、そういった先生ということでございますので、中身について、いかがなものかと考えております。

次のページ、13ページでございますが、こちらも海外との出入りということで、留学制度。文科省で国費留学をやっておりますが、JICAでも留学制度を拡充してきておりまして、ただ、ここでごらんいただきましても、JICAでされているものは選考倍率も低いですし、にもかかわらず、実際に年間で使われている予算というのも非常に高いということですので、国費留学との関係でもう一度見直していただく必要があるのではないかと考えております。

続きまして、任意拠出金の問題でございます。15ページをおめくりいただきたいと思っております。国際機関の任意拠出金につきましては、ABCD評価をきちんとするべきだと、従来から建議でもいただいておりまして、外務省も27年から、そういったABCD評価を始めてはいるのですけれども、右下の数字をごらんいただきますように、A・Bにほとんど張りついていると。こういうことであっては、めり張りづけということからは、まだまだ不十分だと考えておりますので、評価に第三者の視点を入れるといった工夫を、さらにしていただきたいと指摘させていただきたいと思っております。

次のページでございますが、今年は国際機関に対する拠出金の繰り越しについても精査していきたいと考えております。繰り越しそのものが悪いとか、だめだというわけではないのですけれども、もちろん将来に向けての保険的な理由、緊急時に備えた理由と、それぞれ適切な理由があるものは、それはそれで問題ないと思っておりますが、200%を超える繰り越しが4分の1というのは、再度立ちどまって精査が必要ではないかと考えております。

続きまして、先ほど申し上げました在外公館の問題でございます。19ページに飛んでいただきたいと思っております。

19ページでございますが、左下の表をごらんいただきますように、外務省としましては、日本の外交官の数は中国、ロシア、米国といったところに比べて非常に少ないと。英・ドイツ並みに持っていきたいというご主張でございますが、さらにその下の図にありますように、そもそも日本の公務員の数というのは、これは全体数ですけれども、欧米に比べて非常に少ない数字で運営してきておりますので、外務省だけどうしてそうなるのかということについては、厳しく整合性を問いたいと思っております。

また、右側でございますが、主要国と比べて在外公館の数も少ないというご主張をされているのですが、数字はこのようになっていますが、例えば欧州・米国では、地域限定の国際機関などへの代表機関というものもそこそこの数を置いておりますので、そういった政府代表部などというのを除けば、英・独と比べて遜色のない数字ではないかと私どもとしては考えております。

続きまして、20ページでございますが、効果面と書いてありますところをごらんいただきたいのですが、日本が国家承認している国が195あるにもかかわらず、大使館が設置されていない国が45あるということで、増やすべきだというご主張をいただいております。ただ、置いていないことについては、置いていないことで理由があると思っておりまして、ごらんいただきますように、その45カ国との関係で見れば、在留邦人の数、日系企業の数、輸出入の数、どれをとっても非常に少ないということでございます。

また、左下をごらんいただきますように、経費においても、新設の在外をつくるということによりますと、3億円近くかかるということでございますので、いきなり新設というよりは、まず事務所をつくって様子を見ていくといったことをしていくべきではないかと考えております。

最後に、23ページ・24ページで、ただいま申し上げたようなことをまとめとして書いております。

以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

続いて、ご意見・ご質問等お願いします。

では、小林慶一郎さん、それから小林さん、お願いします。

〔 小林(慶)委員 〕 2つほどお話ししたいのですが、ODAについては、私も民間資金を導入するというのは大変賛成なのですけれども、ただ段階として、例えば紛争があった土地での復興の初期段階であるとか、あるいは難民の支援に関連するようなインフラの整備だとか、あるいはそういった事業とか、そのようなものにも多分、ODAというのは出ていくのだろうと思いますが、そのようなところだとなかなか民間の企業が、あるいは民間の投資が、それについていくということに直結しにくいのかもしれないという気もしますので、ある程度そのような公共財的なODAと、それから民間投資を誘発するためのODAというように、少し概念を分けて考えるほうがいいのかなと思います。そういった意味で、公共財的な部分、特に難民対策のようなところは、今、大変な世界的な課題ですので、そうした問題もやれるような枠組みと考えるべきなのかなと思います。

あと、もう一つのJICAについては、これはコメントというか、質問かもしれませんが、留学制度が13ページで比較してあるのですが、私の聞いたところでは、JICAはどちらかというと途上国の行政官を留学させて、開発のための人材をつくるというのに対して、文科省の留学は普通の学生の国費留学という、その違いだったかなと思うのですけれども、何かしらデマケというか切り分けが、ある程度できているのかどうかということをお伺いしたいと思いました。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 はい。

〔 小林(毅)委員 〕 JICAのボランティアの件と、今、小林先生がおっしゃった留学生の件について、1点ずつ。

ボランティアについて、多彩なボランティアの協力隊の形があるというのか、ほんとうにいいのか悪いのかというのを、あまり決めつけないほうがいいのかなという気もしております。ですから、まずこの議論をする場合には、例えばこういったスポーツ分野の派遣のようなものについてのメリットとかデメリット等の効果とか、そういうものをきちんと出してから議論しないと、いきなりこの話をぽんと出して、これはどうでしょうかという持っていき方をすると、無用の反発を買うのではなかろうかという気がいたしましたので、少し慎重にしたほうがいいかなと思います。

それと関連しまして、むしろボランティアというのは、私たちのイメージとしては、手弁当ではないけれども、そういった形かなと思っていたのですが、これを見ると、ボランティアに対してはいろいろな形で国費が支払われているのが、この表の右下にあります。このあたりのところをもう少し、本日すぐにではなくてもいいのですけれども、つまびらかにしたほうがいいのではなかろうかなと。それとの兼ね合いでのメリット・デメリットということに考えたほうがいいのではないかと思います。

留学生のほうの話は、今の小林先生とほぼ同じなので、取り下げます。

〔 田近分科会長代理 〕 では、田中さん、そして老川さん、お願いします。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私はBOPに関してそれから国際機関に関して、最後にJICAにおけるボランティアについて意見があります。

まず、BOPに関して横ばいになっているということですが、これは企業がパートナーになっていて、企業がその気になるかどうかという問題があると思います。BOPに関しては、華々しく立ち上げても、途中でダノンのように撤退するようなケースもあって、なかなかここはプロフィッタブルではない部分ですので、そう簡単には伸びないだろうと思います。ですから、ここが伸びないからといって批判をしても、いろいろな事情があるのだろうと思います。

2番目の国際機関についてですが、これは言われて久しいことですが、各府省でたくさんの国際機関向けの拠出金というのがあって、そこが重複をしていますので、そこにメスを入れるべきだと思います。特に国連に対しては、米国の拠出金が今、がくっと減っているところですので、どうやって資金を調達するかというのが国際機関の中でも議論になっています。そこは、こちらもお財布のひもをきちっと締めてかかる必要があるのだろうと思います。

それから、JICAの問題ですが、私もODAの仕事に着手していて現場を見ておりますけれども、資格云々の以前に、ボランティアとして派遣される人たちの期待される役割が何であるのかというのを明確に説明しないままに派遣してしまっているケースが圧倒的に多いのですね。ですから、効果云々の前に、それぞれの人たちに、何を目的にどういう仕事をしてもらっているのかというところを、まず明確にしていく必要があるのではないかと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 老川さん、よろしくお願いいたします。

〔 老川委員 〕 ありがとうございます。

ODAはもともと途上国などに協力してあげようというのが基本的なことなのだと思いますが、最近は、例えば中国の様々な拡張的な、膨張的な言動、振る舞いを見ていると、国際社会における日本に対する理解、友好感覚というものを増進させるという、1つ大きな戦略的な視点で考えていく必要があるのではないのかなと考えておりまして、ですから、先ほども話題になっているボランティアというのも、ボランティアだからいけないというのではなくて、そういった人材派遣がどうやって現地の人たちに喜ばれ、あるいは対日理解の増進に役立っているかというあたりの視点で考えていったらいいのではないのかなと思います。

そのような流れでいうと、例えば留学生の問題も、日本に来て、日本で学んで、それを国に持ち帰って、将来様々な分野で活躍する人、そういったことに資するというふうに考えれば、一般の大学とJICAがやっているのは、多分役割が違うのではないのかなと思うので、13ページにもあるように、そういったものの整理が必要だとおっしゃっていて、これは大事なことだと思いますが、単に整理するだけではなくて、それぞれが連携をして、それぞれの目的に役に立つような角度から物事を考えていかれたらいいのではないかなと思います。単純に経費が高い低いというだけでは済まないのではないかと考えます。

もう一つ、国際機関への拠出。これは、私は拠出自体は必要なことだと思うのですが、最近の傾向を見ていると、国際機関の名において、専門委員会の人間だと称する人間がそれぞれ報告書を出して、その中で、日本に対する理解が非常に欠けている、あるいは偏っている報告書を、あたかも国際社会の認識だというプレゼンスで出されています。これは日本にとっては非常に迷惑な話で、国際機関に拠出していく以上は、そういった運営の問題についても目配りをしっかりしていかないと、金を出して批判されるという、まことにばかげたことになってしまうので、指摘されることが当たっていればいいのだけれども、かなり的外れ、あるいは特定の運動の人たちの意見を反映している、そういったことがしばしば見受けられますので、そこら辺はもう少ししっかりと目配りしていってもらいたいなと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。

赤井さん、よろしくお願いいたします。

〔 赤井委員 〕 先ほどと同じですけれども、13ページのところで、1人当たり年間予算額が500万円となると、驚くので、多分特別なプログラムをやられていると思いますが、それぞれがほんとうにどのような効果を上げて、最終的には日本にどのようなメリットがあるのかというところも問われるようになってきていると思うので、そういったところも整理されるのがいいかと思います。

〔 田近分科会長代理 〕様々なご意見ありがとうございました。

幾つか具体的に質問もあったと思います。JICAと文科省の留学受け入れの違いや、ボランティアをどう考えるか等々、湯下さん、お願いします。

〔 湯下主計官 〕 ありがとうございます。

まず、JICAの留学のところでございますが、ご指摘のとおり、JICAの留学というものはそもそも行政官に来ていただいて、日本の理解を深めていって帰っていただくということでございますので、結果的に、例えば学位、単位をきちんと取っていただいて帰っていただく方もいますが、基本的には行政官として戻っていただくと。

他方、文科省のほうは、むしろその個人に対して支援するということでございますので、当然、博士課程とかそういった学位をきちんと取っていただいて、帰国していただくと。そういった整理でこれまでやってきております。

ただ、ここ最近ですけれども、若干その垣根が流動的になってきておりまして、JICAにおきましても行政官ではなく、今は民間の方を増やすという取組がなされております。そこにつきまして、今回特に問題提起をさせていただいているということでございます。

続きまして、ボランティアの方のお金の問題なのですけれども、ここはあまり今回、大きくは触れないように、下の※印の注ということで12ページに書いております。本来的にはボランティアの方ですので、ただ、それはただというわけにはいかないので、ある程度の何らかの手当てをしてあげなければいけないと。

現時点では、ある一定の方々について、特にシニアのボランティアの方なんていうのは、実際には今ある給料の大体8割程度の手当をもらう。そして、現地に行ったところの生活費は支給すると。もちろん、そういったある程度の支給がなければ生活できませんので、それはそれで必要だと思いますけれども、そういった金額が最近若干増えてきておりますので、そこについては少し考えなくてはいけないのではないかと私どもは思っております。

ただ、そこをご指摘のとおり、正面から「それはおかしいじゃないか」という議論をさせていただくと、若干問題が拡散いたしますので、今回はその方々のお給料の問題というよりは、むしろ先ほど来ご指摘を受けていますように、行く方の目的が何なのかということについて、特に重点的に取り上げさせていただいたということでございます。

以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。

本日は「社会資本整備」、「農林水産」、「エネルギー・環境、中小企業」、「外交関係」と、4つのテーマを駆け足でやったわけですが、ご意見・ご質問はまだ不十分だとお思いの方等々いらっしゃいますか。

それでは、以上で本日の議題を終了させていただきたいと思います。

本日欠席の神津委員より意見書をご提出いただいております。お手元にお配りしてありますので、お目通しください。

本日の会議の内容につきましては、私にお任せいただき、会議後の記者会見でご紹介させていただくことにさせていただきます。通例どおりですが、会議での個々の皆様の発言については、皆様方から報道関係者等に対してお話をすることのないようにご注意いただきたいと思います。

次回は10月25日13時から開催することとしておりますので、よろしくお願いします。
それでは、本日はこれにて閉会いたします。ご多用中のところ、ありがとうございました。

午後0時00分閉会

財務省の政策