財政制度等審議会財政制度分科会
議事録
財政制度等審議会財政制度分科会議事次第
令和7年11月11日(火)09:00~11:40
第3特別会議室(本庁舎4階中-412)
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1.開会
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2.議題
- 文教・科学技術
- 防衛
- 社会保障②
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3.閉会
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分科会長 |
十倉雅和 |
舞立副大臣 高橋大臣政務官 三反園大臣政務官 宇波主計局長 中山次長 吉沢次長 一松次長 澁谷主計企画官 山岸司計課長 原田法規課長 玉川給与共済課長 浅賀調査課長 松本主計官 石田主計官 山本主計官 内藤主計官 末光主計官 河本主計官 大来主計官 横山主計官 宮下主計官 馬場主計官 高田主計監査官 杉谷予算執行企画室長 黒坂主計企画官 小田切公会計室長 |
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分科会長代理 |
増田寬也 |
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委員 |
河村小百合 熊谷亮丸 小林慶一郎 佐藤主光 武田洋子 田中里沙 土居丈朗 藤谷武史 宮島香澄 芳野友子 |
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臨時委員 |
上村敏之 遠藤典子 小黒一正 木村旬 國部毅 権丈英子 小林充佳 櫻井彩乃 佐野晋平 滝澤美帆 中空麻奈 平野信行 広瀬道明 福田慎一 堀真奈美 神子田章博 横田響子 |
午前09時00分開会
〔増田分科会長代理〕間もなく会議を始めますが、本日、冒頭カメラが入りますので、そのままお待ちいただければと思います。
(報道カメラ 入室)
〔増田分科会長代理〕ただいまから、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。
本日は、舞立副大臣、高橋大臣政務官、三反園大臣政務官にお越しをいただいております。どうもありがとうございます。
舞立副大臣、高橋政務官におかれましては、既に御挨拶を頂戴しておりますので、本日初めて御参加いただきます三反園政務官から御挨拶を頂戴したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
〔三反園大臣政務官〕財務大臣政務官を拝命いたしました三反園訓でございます。委員の皆様には、日頃から本分科会への御協力を賜り、心から感謝申し上げます。
私は、政治記者を長く務めておりまして、その後コメンテーターをやり、鹿児島県知事をやり、そして今、衆議院議員を務めております。この大蔵省にも記者として2年間おりましたが、また久しぶりに大蔵省に帰ってきたなという感じがしております。私は鹿児島出身でありまして、西郷隆盛公の、世のため人のために尽くしなさいという一言で政治家を目指してきております。また皆様方とともに一緒になって、こうやって仕事ができることをとても光栄に思っております。よろしくお願い申し上げます。
本分科会では、委員の皆様の幅広く、そして深い御見識に基づく御指導を頂戴したいと思っております。何とぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕どうもありがとうございました。
それでは、カメラは御退出をお願いします。
(報道カメラ 退室)
〔増田分科会長代理〕本日は、この後、文教・科学技術、それから防衛、そして社会保障の②、2回目という意味ですが、この三つの議題について御議論を頂戴します。よろしくお願いします。
それでは、ただいまから議事を進めてまいりますが、前回と同様、事務局からの説明は極力簡素に、概要のみの説明とさせていただきます。
初めに、文教・科学技術について、河本主計官から説明お願いします。
〔河本主計官〕ありがとうございます。文部科学担当の主計官の河本と申します。よろしくお願いいたします。ポイントに沿って、文教・科学技術予算の資料を説明させていただきます。
今年の文教・科学技術予算のテーマとしましては、こどもの数が減っていくこの人口減少社会において、いかに適切にダウンサイジングをしながら負担を減らし、そして質を向上させるかということかと思っています。その際、教育コストを家計と財政がどういうバランスで負担するのが、この国の経済・社会にとって望ましいかというふうな観点から御議論いただければと思っております。
まず、義務教育につきましては、こどもの数が大きく減っていく中で、先生の数はそれほど減っていない、41%こどもの数が減っているのに、9%しか先生の数は減っていないというのが平成元年からの推移ですが、こうした観点から、教育の質をどう確保するかというふうなことを考えますと、やはり教員の定数を増やせば先生が増えるわけではないと、我々定数を絞っていると言われますが、定数はあくまで予算の枠ですから、そもそも教員を志望している人を増やさないと、教員の倍率が下がってしまって、質の問題が生じてしまうということです。志望者を増やすための取組をするということ、効率的な学校運営をするということ、それから学校統廃合を含む適切なダウンサイジングをしていくということが大事かと思っています。
国立大学に関しましては、運営費交付金の在り方につきまして、今後、競争的資金への更なるシフトを行いまして、令和10年度から始まります中期目標計画期間におきましては、野心的な経営改革と運営費依存度低下目標、公費の依存の低下目標というものを設定するべきであるということを提言しております。
私立大学に関しましては、認証評価制度があるのですが、実質的に機能していないということで、絶対的な教育の質、学生への付加価値を1年生から4年生までどうつけているかということ、それから、地域・社会で求められる人材育成という観点から、実質的に教育の質を評価して、それに応じて私学助成のメリハリをつけていくべきということを提言させていただいています。
科学技術につきましては、研究開発費総額、これは平成元年から、全体の予算が平成元年と比べて2倍になっていて、社会保障が3.5倍になっている中で3倍と、かなり社会保障に次ぐ伸びをしておりまして、主要先進国と遜色ない水準になっておりますが、論文生産性だけが低下していると。この原因として我々考えましたのは、若手の活躍機会が乏しいこと、国際性が低いこと、それから研究費配分が硬直化していることという、こうした構造要因、構造的な阻害要因に対処するべきであるというふうに考えています。科技・イノベ計画につきましては、来年度からまた新しい計画が始まるのですが、前回の計画は、公費30兆、民間と公費含めて120兆という目標でしたが、民間の投資がこの半分も行かなかったということを考えますと、民間の呼び水効果は十分でなかったことを重く受け止めて、次期計画では、予算のインプットの増額ありきではなくて、適切なアウトカム目標の設定が必要と考えています。
それから、宇宙政策でございますが、宇宙政策につきましては、研究開発における民間資金の供給拡大、官民の役割分担の整理を進めた上で、民間事業者の持つ技術力を最大限活用する観点から、今、JAXAと、あと複数の、かなり少ない会社で独占しているような射場の有効活用とか、かなり日本はコストが高くなってしまっているロケットを、さらに、スタートアップも含めた民間事業者の活躍の場を広げていって、コストを低減していくということ。それから、国内・海外の商業衛星の打ち上げ需要を取り込んでいく。国内も、今、国内の需要が海外に逃げていて、海外の需要が全く入ってきていないという状況ですから、そうしたことを改善していくということかと思っています。
最後に美術館・博物館でございますが、日本は、博物館法において原則無料というルールがございますが、日本の文化財が公費に依存する割合が非常に大きくなってきているということです。日本の文化財が持つ大きな伸び代を伸ばして、これをサステーナブルに後世に伝えていくためには、入場料収入を確保して、公費依存度を低下させて、サステーナブルな経営体制に転換していくべきであると。そのためには、料金の引上げとか外国人価格の導入ですとか、夜間の開館、それから、例えばルーブルに行けば必ずモナリザが見られるとか、大英博物館に行けば必ずロゼッタストーンがあるとか、そうした集客上重要な展示品を通年で展示する。日本は60日ルールというのを援用しまして、60日ですぐ収蔵庫にしまってしまうのですが、とにかくここに行けば必ずこれが見られるというふうな展示をするべきであるというふうに提言しています。それから、単に寄附に頼るだけ、公金に頼るだけではなくて、より大きくいろんな幅広い資金調達手段を検討すべきであるということにしております。
私からは以上です。ありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕続きまして、防衛について、馬場主計官から説明をお願いします。
〔馬場主計官〕防衛担当主計官の馬場でございます。よろしくお願いいたします。私からは、ポイント及び足もとの状況につきまして御説明申し上げます。
まず、所信表明演説におきまして、国家安全保障戦略に定めるGDP比2%水準につきまして、補正予算と合わせて今年度中に前倒して措置を講ずるということが表明されています。また、来年中に安全保障戦略等の3文書を改定することを目指して検討するということが表明されています。こうしたことを踏まえまして、10月28日の日米首脳会談では、我が国として、防衛力の抜本的強化と防衛費の増額に取り組んでいくという決意をトランプ大統領にお伝えしておりまして、トランプ大統領からは、日本が防衛力を大幅に強化していると承知している旨の発言があったというところでございます。
ポイントのところで、冒頭、丸1の部分ですが、日本を取り巻く厳しい安全保障環境に対応するためには、防衛力のみならず、外交力・経済力も含む総合的な国力を活用することが重要としております。この方針につきましては現政権で示されております基本方針におきましても、総合的な国力を強化しつつ最大限活用し、我が国の平和と安全、繁栄、国際社会との共存共栄を推進するというふうにされているところでございます。
現在の安全保障戦略におきましては、総合的な国力を高めるという観点もございまして、2027年度において、防衛力の抜本的強化とそれを補完する取組を合わせまして、予算水準が現在のGDPの2%に達するよう所要の措置を講じるとされていたところでして、防衛力整備計画対象経費のほか、SACO・米軍再編経費ですとか、海保・PKO、それから補完4経費と呼ばれる経費をもろもろ合わせまして11兆円程度にするということを決められていたところでございます。令和7年度当初予算では、これらの経費が約10兆円程度ということでしたので、現在検討中の補正予算と合わせて、これを11兆円程度にしていくということが求められているところでございます。一方で、有事の際には大幅な財政需要の拡大が見込まれるということもございますので、平時におきましては、経済・財政面の体質強化を図っていくことが必要であると考えております。
防衛力整備計画等の改定につきましては、あくまでも来年中の改定に向けて検討を進めていくということでございます。ですので、令和8年度予算編成につきましては、引き続き、現行の防衛力整備計画にのっとって編成していくということになると考えております。既定の方針に沿って財源を手当てしまして、計画で定められた経費の総額を堅持していくということと考えているところでございます。
続きまして、防衛装備品の調達・研究開発の在り方等でございますが、防衛力整備計画に基づきまして、防衛費を大幅に増額してきているところではございますが、これをしっかりと防衛力の強化につなげるためには、効率的な調達が必要ということでございます。防衛装備品につきましては、市場価格が存在しないものが多いという特殊性もございますので、コストデータバンクを用いたコスト比較ですとか、品質、コスト、納期を評価するQCD評価の適正化等を通じまして、企業の効率化意欲を向上させるための方策が必要と考えているところでございます。
それから、研究開発につきましても、これがしっかりと防衛装備品につながることが必要と考えておりますので、研究の状況を体系的にフォローアップする仕組みですとか、得られた成果につきまして報酬やインセンティブを与える契約の仕組み等を検討すべきと考えております。それから、防衛産業の維持・強化の観点からも、諸外国における事例も参考に、官民連携の在り方も検討すべきであると考えております。
続きまして、人口減少を踏まえた防衛体制の在り方でございますが、人口減少が進んでいく中においても自衛隊の精強性を確保するためには、一方では人材確保の努力を進めつつ、省人化・無人化の努力も並行して進めていく必要があると考えているところでございます。人材確保の観点で申し上げますと、手当等の新設、金額の引上げ等を進めてきているところでございますが、これだけではなくて、自衛官の社会的地位の向上ですとか組織文化の改革など、自衛官の処遇・勤務環境の改善に向けた包括的な取組を進めることが必要と考えているところでございます。
最後に、自衛隊組織のスリム化も並行して検討していくべきと考えているところでございます。より機動的かつ効率的な部隊運用を可能とする観点から、中間司令部の見直しですとか、自衛隊が果たす役割を踏まえた既存部隊の見直しといったことも検討すべきではないかと考えています。
私からは以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは続いて、社会保障の②について、こちらは横山主計官からお願いします。
〔横山主計官〕ポイントに沿って御説明をいたします。
まず、少子化対策でございます。こども未来戦略「加速化プラン」の進捗に伴い、予算は大幅に増加している一方、少子化は加速している。今後は、施策の充実を図りながら、EBPMの取組を強化し、より効果の高い政策に重点化していくことが求められると考えております。
続いて、医療でございます。物価・経済動向等への対応については、医療機関の機能・種類別の経営状況、収益費用構造等を踏まえ、データに基づき検討する必要があると考えています。診療所の利益率等は全体として高水準であり、足もとで赤字施設が顕著に増加しているのも評価できない状況と認識しています。開業医の報酬水準の高さは国際的にも際立っており、診療所への診療報酬は適正化しつつ、高度急性期・急性期を中心とする病院への対応に重点化すべきと考えてございます。
それから、医療提供体制については、効率化のために、医療の質・アウトカムを重視しつつ、人員配置の適正化、病床数の削減、あるいはリフィル処方箋の拡充など、あらゆる方策を実行すべきと考えています。それから、国保の保険料水準の統一、あるいは後期高齢者医療制度の都道府県化など、保険者機能や都道府県のガバナンスの強化を図るべきと考えております。
続いて、介護でございます。職員の処遇改善あるいは業務の効率化を通じて、担い手の確保等の課題に対応しつつ、制度の持続可能性を確保するために、利用者の2割負担の範囲の見直しや、ケアマネジメントの利用者負担の導入など、高齢化・人口減少下での負担の公平化を図るとともに、軽度者に対する介護サービスの在り方の見直しや、介護保険事務の広域化、都道府県の役割強化、高齢者向け住まい等の報酬体系の見直しなど給付の効率化・適正化のための制度改革を進める必要があると考えております。
続いて、医療・介護分野における人材紹介でございます。保険料・公費で賄われている医療機関・介護事業者の経営原資が人材紹介手数料に過度に圧迫されないようにしていく必要があるため、民間人材紹介については、必要に応じて更なる規制強化や報酬制度上の対応も検討すべきと考えています。それから、ハローワークなど公的人材紹介が適切に機能するような工夫と配置基準の運用の柔軟化なども組み合わせて対応すべきと考えております。
続いて、障害福祉でございます。障害福祉サービス等の総費用額が10年間で約2倍に増加し、中でも2024年度は11.3%増加している状況でございます。処遇改善などの喫緊の課題には対応しつつ、サービスの質の確保と総費用額の抑制を両立する取組が必要と考えております。
最後に、生活保護でございます。生活扶助基準につきましては、消費データの充実に取り組む必要があると考えております。それから、保護費の半分を占める医療扶助につきまして、デジタル化・客観的データ活用等による取組の効率化・有効化、都道府県によるガバナンスや市町村支援の強化を通じて、効率的かつ効果的な対策を推進する必要があると考えております。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕説明は以上とさせていただきます。
本日は、芳野委員、そして、御欠席の長澤委員、山口委員より、意見書を提出いただいております。各端末に格納しておりますので、お目通しを頂ければと思います。
それでは、これ以降、委員の皆様から御意見、御質問を頂戴したいと思います。初めに木村委員から、どうぞお願いいたします。
〔木村委員〕どうも御説明ありがとうございました。どの各論も基本的な方向性に関しては賛同いたします。その上で、それぞれコメント申し上げたいと思います。
まず文教に関してですが、これは高等教育に関して申し上げたいと思います。資料では、人口減少社会における教育の在り方について、いかに質を向上させながら適切なダウンサイジングをしてこどもたちの負担を減らしていくかと、非常に優れた問いかけをされていると思います。その答えの一つが、高等教育全体において教育の質を持続的に確保・発展させるため、大学の統合・縮小・撤退を促進することが重要という、非常に大事な指摘であると思います。資料17ページにもあるように、半数以上の私立大学が学生から選ばれずに定員割れを起こしている、学生一人当たりの補助額は定員割れの私大のほうが大きくなっているという事態は、これ、看過し難いと思います。こうした非効率な予算配分と言っていいのでしょうか、そうしたことをしている限り、安定的で持続的な教育の質の確保は難しくなると思います。やはり教育の質に応じた私学助成のメリハリ強化というのは喫緊の課題であると思います。
若干あれですが、ここに来て教育予算を確保するために、子育ても含めてですが、教育国債の発行が取り沙汰されているとも聞きます。確かに資源に乏しく人口も減っていく日本にとって、教育への投資というのは惜しむべきではありませんが、まず教育予算の効果的な使い方を徹底させるのが先決ではないかと思います。教育国債というのは、赤字国債の発行と変わらないだけでなく、非効率な予算配分の問題点を覆い隠してしまうのではないかという、そうした点でも問題が大きいと思います。これは教育、文教に関してです。
次に、防衛に関して申し上げたいと思います。大前提として、日本を取り巻く安全保障環境の変化に応じて日本の防衛力を整備していくのは必要であると思います。その上でのコメントですが、防衛費を考えるに当たって大事なことは、この資料のポイントでも示されたように、防衛力のみならず、外交力や経済力も含む総合的な国力を活用することであり、有事に備えて、平時における経済・財政面の体質強化を図ることであると思います。
政府は今回、防衛費をGDP比2%、これを2年間前倒しして、今年度中に実現される方針を示されました。これは2022年の安保3文書改定以来の、大きな一つの防衛に関する方向の転換点というわけではないものの、節目に当たると思いますが、今回、その前倒しの必要性についてきちんと説明されると同時に、財源の確保についてもきちんと徹底していただきたいと思います。法人税とたばこ税は決まっていますが、所得税の増税開始時期はまだ決まっていないです。財源のめどが立たなければ、さきに述べた平時における財政面の体質強化とやはり矛盾してしまいます。この方向性が決まらないうちに防衛費の増強論が先行するのは、やはり危ういと思います。
これも先ほどの教育国債ではありませんが、今後、令和9年度以降になるかもしれませんが、防衛費を賄うために防衛国債の発行を求める声もあると伺っています。ただ、これは1965年度に戦後初の赤字国債発行したとき、当時の福田赳夫大蔵大臣は、公債を軍事目的に活用することは絶対いたしませんと強調されていました。防衛国債はこうした歴史を否定しかねないので、あまり先走ったことを申し上げるつもりはありませんが、ここは慎重な対応が求められると思います。
最後、社会保障費に関して、これは少子化について申し上げたいと思います。政府がこども未来戦略加速化プランを決めたのは2023年で、2年経過して、既にもう予定の3.6兆円のうち3兆円が予算化されているという状況です。にもかかわらず、少子化になかなか歯止めがかからず、政策の効果が出ていないというのは資料に示されているとおりです。確かに少子化というのは先進国共通の難しい課題で、対策の効果がすぐ出るとは限らないという事情は承知していますが、現状、生まれるこどもの数、急ピッチでもう年間70万人を割っている。このままであると加速化するのはプランじゃなくて、少子化だけになってしまうのではないかと、少し危ぶんでいます。資料にもあるとおり、EBPMの取組を強化して、より効果の高い政策に重点化していくということが重要であると思います。これで成果が十分出ていないと思われるもの、事業に関しては、スクラップも含めて、必要な見直しを不断に行っていただきたいと思います。
あと最後に、同時に、お金をつぎ込めば少子化対策になるという考え方にも限界はあると思います。本日の資料にも示されているように、若者の結婚、出産、子育ての希望の実現を阻む社会構造や意識を変えていくこと、これはお金もそれほどかからない取組ですので、こうした社会構造や意識の変革にも十分取り組む、これも含めて包括的な対策に今後当たっていただきたいと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、平野委員、お願いします。
〔平野委員〕ありがとうございます。御説明いただいた内容について、概ね賛成ですが、一部異なる部分もありますので、併せてコメントいたします。
まず、文教・科学技術について2点申し上げます。
1点目、研究開発に関しては、「選択と集中」に偏った過去を見直して、「基礎研究力」を強化する必要があると考えます。確かに、既に出口が見えている戦略的な研究プロジェクトの場合は、司令塔の下で国費を重点的に投じるトップダウン的なアプローチが有効です。他方で、2000年代に入ってからの「選択と集中」政策のマイナス効果として、基礎研究力が損なわれてきたと考えています。
18ページ上段3行目に記載のある「運営費交付金から競争的資金への更なるシフト」ではなく、大学に対する運営費交付金や科研費を含めた競争的研究費など公的資金の制度が近年かなり複雑化していることも踏まえて、基礎研究に対する公的支援の充実化とともに、最適化を目指して制度全体の再構築を図るべき時期に来ていると思います。基礎研究に関してのポイントは、先日ノーベル化学賞を受賞した北川さんがおっしゃった「無用の用」をどのようにすくい上げるかということです。
2点目。それと同時に、御指摘のとおり、大学の構造改革やイノベーションを含む戦略的技術開発に、これまで以上に力を注ぐ必要があります。「大学の創意工夫を促すべき」課題は山積していますし、産官学の協働メカニズムも強化すべきです。例えば産学に関しては、ビジネスと科学が近接化している中で、大学はサイロ化された閉鎖的な姿勢・組織を改めて、企業や国研などとの一体的な協働を進めるべきであると思います。
次に、防衛について3点申し上げます。1点目、ビジョンと戦略の明確化です。安全保障に関して変化しているのは周辺環境だけではありません。同盟国・同志国との関係や戦い方、軍事技術もここ数年で激変しています。政府には、こうした事態を踏まえて、総合的なビジョン・戦略を明確にして、それを国民に理解される形で説明する責任があります。短期的には防衛3文書の改訂を注視したいですが、今後のこととしては、専門的な知見を要するこの分野での政策立案能力とアカウンタビリティーを高めるために、安全保障に特化したシンクタンクの立ち上げを検討すべきです。アメリカにはそうした事例があります。
2点目、国内の防衛産業の生産技術基盤の強化です。過去の防衛政策の結果ではありますが、日本の防衛産業の供給能力が現在求められているレベルに達していないのは明白です。必要なのは、企業の長期的な開発・投資を可能にするための長期的な装備品調達計画の策定、サプライチェーン確保のための支援、デュアルユース技術開発における産官学の協働、現在の少量多品種生産/防衛省依存型から同盟国・同志国との間での装備品共有・移転・共同開発を含むモデルへの移行などです。また、装備品の移転に関しては、官民の協働が不可欠です。これについては、過去の失敗も踏まえた豪州向けのフリゲート艦輸出の事例が今後の方向性を示すものになるでしょう。
3点目、木村委員からも御指摘があった財源です。今後防衛費の増加は避けられないと思いますが、戦時はともかく、平時から借金に依存するような防衛力の強化は、自ら脆弱性をさらけ出すようなものです。我が国の財政全体の資源配分を見直した上で、不足する部分については、政権が、国の安全という公共財の受益者、すなわち個人と企業全体に広く負担を求める努力を続けるべきです。その前提として、資料で指摘されているとおり、状況変化を踏まえたコスト面も含めた装備品の最適化等が必要であることは言うまでもありません。
最後に、医療提供体制について4点申し上げます。
1点目、更なるデータの整備です。例えば、今年度からの経営情報データベースの運用開始によって医療機関の経営状況がより把握しやすくなったのは、一昨年の財務局を動員した実態調査がそのきっかけを作ったものであり、財務省及びここにお集まりの皆様の御努力を多としたいと思います。しかし今後、19ページの下段にもある通り、職種別の給与などの提出義務化、法人化されていない診療所のデータ提出への拡大を進める必要があります。
2点目、医療・医薬品の質あるいは効果の評価システムの整備です。データの整備と活用は、経営情報だけでなく、医療機関で提供される医療の質や医薬品の効果の評価も可能とします。特に前者は効率化に加えて、利用者による良質な医療機関の選択と、長期的な医療行為の改善、ひいては、競争力の乏しい医療機関の淘汰に繋がるものであり、後者の医薬品に関しては、効果に応じた保険給付割合の設定など、医療保険制度の効率化のベースを提供するものにもなると思います。
3点目、都道府県並びに民間の保険者機能の強化です。通常、保険者は、付保を認めるに際してリスクに応じた保険条件を設定することでビジネスを成り立たせるわけですが、公的な医療保険の場合それが難しい。そうであれば、保険財政を健全化し、保険加入者が適正な価格で適切な医療サービスを受けられるように、保険金支払いの対象となる医療行為あるいは医療提供体制の改善に向けて、保険者は医療団体あるいは行政機関等へ能動的にエンゲージするということを求めたいと思います。現状はその動きが非常に消極的です。
4点目、国と地方の医療関係の審議会の構成メンバーについて。中央社会保険医療協議会や都道府県の医療審議会の委員は医療提供関係者が中心であり、議論の内容も「安定性」に偏りがちです。「生産性」、「効率性」も重視した検討が可能になるように、多様なステークホルダーの意見を反映する構成に改めるべきであると思います。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは続いて、遠藤委員、お願いします。
〔遠藤委員〕今回、科学技術分野において宇宙政策にスポットを当てていただき大変ありがたく存じます。10年ほど宇宙政策に関わってきたのですが、当初、補正も含めると3,000億程度だった予算が、今8,000億円が見えてくるようなところにありまして、宇宙は科学技術というだけではなくて、戦闘領域の最先端技術として、安全保障の側面も強くございますので、その重要性がますます高まってきていると思います。
ロケットから衛星まで、現状ではスタートアップの企業は玉石混交でありまして、宇宙政策を支えられるような企業体として成長するに至っていないというところは非常に残念なところです。射場でいえば、例えば、なぜニュージーランドからの打ち上げが非常に活発なのかというと、世界をリードするロケットカンパニーがちゃんとあって、世界需要を取り込めるような機動的な射場がある。日本も種子島だけではなく、北海道大樹町などの射場がありますが、なかなか小型ロケット企業の成長と、そうした射場の充実が、よいサイクルにまだ入ってきていない状況があります。
スタートアップからは、政府からの補助金だけではなくて、契約をある種、中長期化することで事業の予見性が見えてくることのほうが大事であるという声を多く聞きます。ですので、いわゆる補助金の供与だけではないスタートアップの育成の方針を、しっかり今後も固めていく必要があるのだろうと思っております。また、是非メスを入れていただきたいのはJAXA基金でございまして、この基金の使途の内容は、よく精査をするべきであると考えております。
防衛でございますが、防衛力の抜本的強化に関する有識者会議というものが開かれて、次期防衛整備計画の礎となるような、今後必要な防衛力の具体的な内容について、議論をしてまいりました。その中でも財源の確保が必要であるという文面を盛り込んでおり、防衛費の増額の前提であろうと思っております。増額の中身につきましては、米国からFMSで購入する額を増やすということだけではなくて、国産の防衛産業を育成する視点をしっかり盛り込んでいかないと、国費をかける正当性が失われますので、この点についてもしっかり、防衛産業政策に寄与する防衛費の増額を検討していくべきであると思っております。
また、その有識者会議の報告書の中には、資金調達の多様化につきましても言及されております。いわゆる従来型の基金だけではなくて、民間資金や投資を呼び込むための体制等、資金調達の多様性についても言及されているということも付言したいと思います。
医療につきましてですが、診療報酬について、診療所から高度急性期・急性期への適正化ということには大いに賛同いたします。コロナ禍に起きたことの事例も御紹介をしていただいて、これは国民の総意ではなかろうかというふうに思っております。維新との連立となりましたからには、医療費の一律3割負担につきましても、是非踏み込んでいただきたいと思っております。
所得の多寡で負担割合に差をつけるという議論がありますが、所得の再分配機能を保険料に求めるというのは、やはり違和感があります。所得の低い方にはほかの方法で還元をするという方策を取るべきではなかろうかと思います。また、財政当局はこの難易度について御認識であることは重々承知しているのですが、現在非課税になっている保険診療に消費税をかける抜本的な改革につきましても、この際しっかり議論していただきたいと思っております。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、神子田委員、お願いします。
〔神子田委員〕いろいろと御説明ありがとうございました。まず教育に関してですが、前回までの財審で、大学のカリキュラムがあまりにも基礎的、中学・高校段階でマスターしていなければ……、中学段階ですね。マスターしていなければならないことをマスターしていないというようなことが明らかになって、これは日本の大学教育の高度なレベルでも今、論文の数で負けているというのもありますが、何か海外から見て、日本の大学ってそんなレベル低いのという、日本の大学の名折れにもなってしまうので、何とかすべきであると思うのですが、やはり大学受けるときに、大学教育を受ける準備ができているという共通学力テストのようなものを私大を受ける人にもちゃんと受けてもらって、ある程度、助成して大学教育に力を入れた成果が期待できるような、そうした学生を集めている大学に助成をしていくということが大事なのではないかなと思いました。
それから防衛ですが、2%の前倒しで、予算面でいろいろ変わってくるところもあるのですが、スライド8の四角に三角形がついた図の期間外歳出の16.5兆円という、三角形が飛び出た部分についても、説明をきっちりと国民に分かりやすくできるように準備をしていただけたらなと思います。
それと、スライド20です。自衛官が若年で定年退職するということに対しての給付金の話があります。この給付金の話自体とは少しずれるのですが、そもそも自衛隊は人が採れないところで、結構若くして退職することについてです。最近の戦い方で取っ組み合いの戦いをするという場面が全てなのかというと、そうでもありません。今、現実問題として社会では、割と早くして定年した自衛官が、例えば人手不足のトラック運送業界などでは、引く手あまたになっており、自衛官はまだ全然働けるし、規律もしっかりしているから是非欲しいのようなところがあります。そのため自衛隊から出してしまうということが少しもったいないのではないかなという感じがしまして、自衛隊の中で、より適切な人材配置で人が採れない分を補えるのではないかなと思いました。
それと、最近の安全保障情勢は、南の台湾有事だけでなく、ロシアとも関係があまりよくないということで、南も北も大変な状況になっているのですが、是非最適な人員配置、部隊配置というところを防衛省には考えてもらって、それを財務省にもよく見てもらって、予算をつけていただければなと思います。最近、中国との関係で、台湾有事をめぐる日本側の発言をめぐって、中国からいろいろなリアクションもあるのですが、こうした緊張状態というのはできれば少ない方が良いので、やはり外交のほうもきちんとやっていくということが、予算を無駄に増やさないということにもつながっていくのかなというふうに思います。
また、社会保障の少子化対策の7ページ目のスライド、EBPMで、これだけのことをやると少子化対策につながるのではないかという具体項目がすごく並んでいて、こうした試みは非常に良いなと思いました。それぞれの項目が、これが適切かどうかとか、それぞれのどの分野を改善したら成果が上がったか、是非小まめにチェックして、この評価の仕方を改善しながら少子化対策の実を上げるようにしてもらいたいと思います。
それと、44スライドの医師の偏在というか、医師の定員の話なのですが、やはりNHKなんかでもよく、医療崩壊とかいって、地方に医者がいないとかそうした話があって、医師の偏在の問題は解決しないといけないのですが、これ、数が多ければ解決することではないということはもう分かっていて、一方で、報酬が多ければ地方に行くかというと、いや、私は研究がしたいから地方であるとできませんと、そうしたこともあるし、これはこれで現状の医師の数の中でやはり解決していくことが大事なのではないかなと思います。ですから、医者を志望する段階から、どういう医者になりたいのかと、研究職になりたいのか、それとも地域の人の役に立ちたいのかと、最初から分けて取るとか、そうした構造的に仕組みを変えていかないと、なかなか解決しないのかなと。
というのは、やはり最近、本当に優秀な高校生の理系の子はやたら医学部に行きたがるというのがあって、それはそれで親がそうしたふうに、医者になったら安定すると思っているからかもしれないのですが、日本の科学技術を考えると、そうした理系人材が医学部門だけに集中してしまうということはよくないので、是非そうした状況を改善するという意味でも、医師の数の適正化、そうした意味では医学部の定員を適正化していくということは大事であると思います。このスライドの中に、医師国家試験の合格率が高いので、これを下げようというアイデアもあるのですが、せっかく6年間頑張って、真面目に学生してきた、勉強してきた医学部生が、何か急に難しくなって、6年勉強しても受からないということでは少しかわいそうなので、これはもう入学段階から絞るということをまず第一に考えたらいいと思います。
それと、介護の保険料を1割から2割にという話なのですが、民放なんかで取材しているのを見ましたが、例えば高齢者で介護が必要な夫婦で、世帯年収28万円ぐらいで、今10万ぐらい介護に費用がかかっているのですと。1割で10万だから、2割で20万円ですと、そうしたらもう生活できませんというような話があって、じゃあ2割にするのは年収幾らぐらいからかという、この数字自体が今、インフレによって、同じ数字でも昔の数字とは変わってきている。より生活に響くという、物価高になっているので、この水準自体も少しインフレに応じて見直していかないと、国は冷たいなというような国民の気持ちが高まっていくのではないかというふうに思いました。
最後にスライド70の、介護人材とかを迅速に募集できるようにハローワークを活用しようということが書いてあるのですが、既にハローワークでは、医療、福祉だけでなく、人材不足が深刻な分野について特別な窓口をつくっているというようなことがあって、その中で、医療、福祉にさらに特化した窓口を設けるという趣旨のようですが、今どこの業界でも人手不足は深刻なので、医療、福祉だけ特別扱いしているかのような誤解を招かないような打ち出しの仕方をしていってもらえればと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕権丈委員、どうぞ御発言ください。
〔権丈委員〕権丈でございます。今回も充実した資料、ありがとうございます。私からは、子育て支援と医療についてコメントいたします。
まず、子育て支援に関してです。こども未来戦略を応援する理由は様々で、少子化対策としての意義、こども子育て支援の充実、仕事と子育ての両立支援といった観点などが挙げられます。私自身は、医療、介護、高齢期の生活や親の扶養が社会化された社会においては、子育ても社会全体で支えるのが自然であり、男女を問わず仕事と家庭生活の双方を充実させられる社会を準備することが重要であると考えております。
北欧やフランスなど、少子化対策の成功例と言われた国々でも出生率の低下が続いており、出生率を上げる特効薬は存在しないと認識されるようになっております。こども未来戦略は、「将来に明るい希望を持てる社会をつくらない限り、少子化トレンドの反転はかなわない」とあり、この視点に強く共感しております。その点で、資料において政策のKPIとして、こども未来戦略が掲げる目標の、言わばアウトプット指標ではなく、プロセス指標によってKPIが示されているのは妥当であると評価しております。一方で、出生率というアウトプット指標を引き上げる決定的な方策があるかのような言説が広まり、少子化トレンドが反転しない要因を政策の失敗に帰する風潮が強まると、SNSなどを通じて、こども子育て支援策が成果を上げていない無駄な施策として、不当な批判を受けるおそれがあります。
こども子育て支援を進めるべき大きな理由は、人生の時期による社会化の不均衡にあります。高齢期の生活が年金や医療保険、介護保険により社会化されている一方で、子育て期には教育、保育などの支出が重く、特に女性の就労継続が難しくなるなど、機会費用が生じております。こうした負担を個人や家族だけに委ねず、高齢者も使用者も含めた社会全体でこどもを育てる仕組みを整えることで、若い世代が将来に希望を持てる社会基盤をつくる、その観点からこども未来戦略を支持する人たちが多くいることも今回のKPIでは意識されているように思いました。今後、施策を進めていきながら、見直しが必要とされることもあるかと思いますが、出生率を上げる特効薬があるかのような誤解を招かない範囲内で進めてもらえればと思います。
次に、医療でございます。これまで提供体制の改革は、病院病床中心の改革に焦点が当てられてきましたが、今回は診療所にも焦点を当てた充実した内容となっており、ありがとうございます。医療・介護の給付総額を大幅に増やす選択肢が取りにくい中、限られた資源を政策目標に照らしていかに効率的に配分するかが厳しく問われており、そうした考え方は、選択の科学と言われる経済学が得意とするところであるとも思っております。今回の資料では、メリハリをつける、優先順位を考える座標軸として、病院と診療所、地方と中央、総合診療医と専門診療医、医療・介護の理想像・理念を共有して、地域医療連携推進を展開している地域とそうでない地域とを整理しており、政策判断に資する構成となっております。
また、人口減少と高齢化による医療ニーズの質の変化を踏まえ、30ページには、出来高払いと包括払いのいずれが適しているかを考察しているところも評価できると思います。限られた資源の配分における優先順位を明確にするというのは、平等性を重視し、横並びを前提とした制度運営とは正反対の発想となります。様々な抵抗もあると思いますが、これは財政上の事情からやむを得ず求められているというだけでなく、医療ニーズと提供体制を適合させ、医療サービスの質を高めるという観点からも、かねてより必要とされてきた改革と整合的な方法であると考えております。
以上でございます。どうもありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕中空委員、どうぞ。
〔中空委員〕御説明いただきましてありがとうございます。説明いただいたことに関しては特段異論もなく、そのまま進めていただきたいと思います。
文教に関して、一つ質問があります。幼児保育、大学に始まり、高校教育の無償化がこれから本格的に始まる中、それについて、学校の在り方や、あるいは学校教育のレベルが上がった等々の質の変化が既に、ミクロ的に聞こえてきているでしょうか。そうした声があるかないかということや、そもそもそうしたデータの収集を始めているか、始める予定があるかなど、できましたら、教育の無償化というものがどれだけ効果があるのかという点について、ビジュアル的に、また河本さんの実力で見せていただければな、と期待を込めて考えます。さらに、本日の御説明もあったような気がするのですが、文教・科学については、競争力をどう高めるかということの観点で進めていただければと思います。
防衛に関しては、世界中で大変きな臭さが増加しているので、防衛費の増額というのはあり得べしであろうと思います。ただし、それが防衛力、国力に本当につながるかということには注視をしたいということと、何人もの先生方がおっしゃっていましたが、補正予算ありきではないし、財源をどうするかということについては、是非歯止めをかけながら考えていただきたいと思います。
最後、社会保障です。少子化対策について、お金をかけてきたのに効果が出ていないよというお話がありました。そろそろ、こどもが増えなくても競争力を落とさないためのプランBを検討するというようなことも考え始めてはどうでしょうか。この文脈の中で、じゃあ少子化対策について、政府は諦めたのか、と言われるのは、それはそれでよくないと思うのですが、こどもが増えない場合のプランBは現実問題として用意しておく必要が出てきているということを意見として言わせていただきます。
以上です。ありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕それでは、宮島委員、どうぞお願いします。
〔宮島委員〕ありがとうございます。私からはテーマを絞って、医療と高等教育の両方に関わる人材の面から意見を申し上げます。
先の委員の御意見にもあったのですが、優秀な理系の高校生が医学部に偏っているという傾向、これは私がこの会議に入って以降ずっと思っていて、発言などもしているのですが、日本の人材のバランスの面、工学、科学技術などから人材を奪っているのではないかとずっと懸念を持っています。たった今は医療が人材不足であるとか働き過ぎであるという声はあるのですが、いずれ医師は過剰になるということ。それから、若者の中で医師になる比率がどんどん上がって、まさに2050年に85人に1人が医師になるというような見込み、これは過剰であると思います。医学部の定員を早く絞るとともに、偏在の是正ですとか人材配置の適正化を早急に進める必要があると思います。医師が増えると、また診療所などを維持するというところで医療費が膨らむという懸念もあります。少ない世代の能力を、ほかの産業と分け合う必要があります。28ページには、日本全体の人材資源配分の最適化というふうにありますが、これをしっかりと打ち出して、医療は、タスクシフトや地域医療構想を通じて効率的なものを目指していただきたいと思います。
その人材の文脈ですが、高等教育の話です。教育の質が高くない大学に漫然と学生や私学助成金が行っている現状にも、人材の面から危機を感じます。減る一方の若い人材をどの分野にどのように誘導していくのかという、日本全体の人材戦略が必要であると思っています。もちろん大学は就職のためだけに行くわけではありませんが、産業界のニーズと高等教育がしっかりと連携をしていくこと、そして、大学の学部構成の見直しも必要です。社会では今、例えば高専などの卒業生が引っ張りだこになっているというようなこともありまして、高等教育の在り方、進路のあり方、それから大学の再編は急務であるというふうに思います。今の認証評価制度は大学の評価が甘いという議論がずっと以前からあります。22ページにあるような三つの観点での厳しい評価軸を据えて、そして質の低い大学に安易に助成が行かないようにすべきです。
それから、やや細かいですが、美術館と博物館の入場料です。今、海外の美術館などでは、しっかり取って、そして展示をよりブラッシュアップするという方向に向かっているように見えます。ルーブル美術館は来年の値上げで恐らく5,000円以上になりますし、内外の二重価格になると聞いています。日本も交付金頼みでなくても運営できるようにすべきで、戦略的に入場料を決めるように、博物館法の文言などのルールは変えるべきです。人気のあるところとそうでないところというのはあるのですが、例えばパリでは、共通のミュージアムパスと予約制を合わせることで、観光客にとってあまり有名でない美術館にも少し行ってみようかなという機会にもなっていると思います。こうした戦略的な入場料を考えるべきであると思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、上村委員、お願いします。
〔上村委員〕御報告ありがとうございます。基本的に御提案に賛成します。私からは、義務教育、国立美術館・博物館、国民健康保険についてコメントします。
第1に、義務教育の資料の3ページに教職員定数と教員の採用倍率についての資料がありますが、採用倍率の低下が問題で、そのために働き方改革や外部人材の確保といった手段が考えておられますが、これは進めるべきことであると思います。気になるのはやはり採用プロセスで、民間企業の採用活動がかなり早期化していることに合わせて、教員採用試験の実施日も徐々に早くなっていますが、それでも民間の採用の早期化に比べると追いついていません。これは教員採用だけじゃなくて、地方自治体の、特に技術職の採用がかなり厳しい状態になっています。
対応策としては、採用試験をもっと早期化する方法があって、一部の自治体では大学3年生でも教員採用試験を受験できるようになっています。ほかの方法としては、合格したら就職できる権利を一定期間保留できるようにするとか、いろいろ考えられるわけですが、企業とのいたちごっこになっていて、根本的な問題解決になっていないように思います。そもそも民間企業の採用活動が年々早まっていることに対して、大学に勤める者としては、これでよいのかと思ったりしています。
二つ目ですが、文化の国立美術館・博物館について、30ページの資料について、博物館法が入場料等を徴収しないことを原則とするという規定ですが、これは見直すべき時期に来ていると思います。ちゃんと自己収入を確保できる体制にするべきです。また、31ページ、インバウンドの二重価格の設定についても賛成です。自国民と他国民を分けて料金を設定することは、受益と負担から考えても合理的であると思います。
32ページ、国宝・重要文化財の公開期間の拡大というところに重要なことが書かれています。海外に比べると、日本の美術館の大きな特徴は企画展がとても多いことですが、企画展は、海外から有名な絵画や彫刻などが日本に来るということでは、美術ファンとしてはうれしいことなのですが、日本は企画展で人を集めることに注力し過ぎていると思います。海外の展示品に依存して集客するのではなく、日本の展示品の魅力を高めることが大切であると思います。日本では常設展の魅力を高める努力があまりなされていないように思っています。常設展の魅力を高めることで、美術館、博物館の収益性を高めることができると私も思いますし、キュレーターの方々の努力をどこに向けるかというインセンティブ設計と文化政策の戦略性が重要なのではないかと思っています。
最後です。社会保障の25ページに、国民健康保険における保険料水準統一の加速化の資料があります。私、いくつかの自治体で保険料水準統一に向けた調整に関わっていますが、統一の目標年度が定まっていない府県が存在することは大きな課題であると思います。市町村によって独自の減免制度があったり、保険料水準の引上げ幅が大きくて引上げが困難だったり、難しい調整が必要になっていますが、十分な移行期間が設けられています。府県で完全統一のタイミングがばらばらになっていること自体が問題であると思いますので、せめて統一の目標年次を決めることは必須にしてもらうことが重要かと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、佐野委員、お願いします。
〔佐野委員〕ありがとうございます。資料を分かりやすく提示していただいてありがとうございました。今回のテーマの多くは国民生活と密接に関わるものであり、生活を豊かにし、リスクに備えるためにも、持続的に財政を維持していくことの重要性がわかるテーマだと感じました。その際、文教資料のポイントにもある、質を維持しつつ、誰がどのように負担をするかの見極めが非常に重要だと考えます。
私からは、教育を中心にコメントしますが、もしかしたら全体的なコメントにもなります。コメントは、エビデンスに基づく議論のためにデータの整備が非常に重要である点です。今回のテーマは、いずれも国民生活においてエッセンシャルであり、何を重視するかは価値観に依存するものです。すると、あれも大事これも大事なのでいろいろ支出しましょうとなりがちです。しかし、資源が限られている以上、何に投下してその効果がどれぐらいあったかの検証が不可欠であり、その検証を基に受益と負担をどうするかを示す必要があります。人口減少の下でダウンサイジングせざるを得ないときに、質を維持しつつ、何にどれだけお金を投下するかしないかの判断は大事だと考えます。
特に、教育に関しては、様々なテーマがあり、テーマの中でも個別性や事情の違いが強調されがちです。そうであれば、その個別性を検証できるように、学校別や個人別の詳細なデータを基に効果を検証していくことが大事だと考えます。事務局からの資料のポイントで記載されているEBPMの観点から、施策に関して精緻な効果検証を行うことが大事であり、その前提となるデータ、特に学校単位や個人単位のミクロデータというものを整備、利用することを進めていく、という指摘は非常に重要であると考えます。
先日の第1回目の会議でも、多くの委員がデータに基づく検証が重要であることを指摘されており、この点は改めて強調してもし過ぎることはないと思います。その際に、自治体が持つデータに関して、自治体にとって無理のない形で整備していく方向性を考えていただくとことが大事だと考えます。
データに関連して、追跡する視点も大事だと考えます。例えば、先ほどから議論となっている、高校生はどのような進路を選択し、どの学校に行き、卒業し、就職し、場合によっては仕事を変えるなどの把握です。これは、一時点だけではなく追跡する視点が大事だということです。追跡したデータに基づき、政策効果を長期的に検証するための土台をつくるといいと考えました。
私からは以上です。ありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕それでは、横田委員、お願いします。
〔横田委員〕ありがとうございます。私からは、社会保障と文教分野についてコメントいたします。
全体としては、広域化とデータ活用の推進が非常に重要であると感じています。県による垂直的な支援も意義があると思いますが、特に福祉や教育分野においては、隣接市町村を含めた面的な連携体制がより効率的な支援につながると考えています。
まず社会保障についてです。医療福祉分野の人材紹介についてなのですが、福祉や看護など専門職の人材紹介、専門窓口をつくっていくというのは、私は賛成です。この分野においては人材紹介会社で上場している企業もありますので、民業圧迫になる可能性も懸念するところではあるのですが、公費が投入されている分野における現状を踏まえると、公的人材紹介の拡充や窓口整備は方向性として妥当なのではないかというふうに思います。ただし、アンケートのとおり、公的な人材紹介の場合、スピード感と専門性の担保が課題になっているという指摘が入っていますし、そうした面では、仮にそうした専門のところをつくるにしても、DXやAIを活用したマッチングシステムとかを併せていかないと恐らく求人者の要望には応えられないという点があるので、その点、考慮と工夫が必要であるというふうに思います。
次に、生活保護分野で御指摘があった、いろいろデータを活用すれば、もう少し支援をしやすくなるのではないかという点なのですが、せっかくデータが集約されても、現場が活用し切れないというのはもう想像に難くないところかなというところです。今後は、個々の現場に依存し過ぎるのはもうかなり無理があると考えますので、県単位など横断的に自動化を進める仕組みも整備しなければならないと思います。個人情報保護に配慮しながらも、人でなく仕組みで現場を支える体制への転換というのも考えるべきであるというふうに感じます。
次に、文教分野についてです。少子化の中では、高等教育、義務教育、共に適正化や統廃合は避けられないというふうに考えます。義務教育については、早期に10年後なりの人口動態を前提に、早めに将来像を共有し、地域との調整をしっかり行っていくべきであるというふうに考えます。また、高等教育についても、大学の存続が目的となっていないかと、度々この議論をほかで聞いていると感じる点があります。あくまでも学びたい人のためという視点を見失わず改革を行っていくことが重要であるというふうに思います。指摘にあった入試制度の共通試験の活用についても興味深いなというふうに思っておりますが、現状、今、センター試験と言うのでしたっけ。分かりませんが、推薦や総合型の選抜が既に私学は5割、国公立でも20%になっておりますので、現状を踏まえた提案というのが必要かなというふうに感じます。
最後に、美術館、博物館についてになります。創意工夫の余地があるということを非常に今回の資料を拝見していて感じました。稼ぐ知恵を提供しているというのは高く評価したいなというふうに思います。文化施設は現状、所蔵品の増加や光熱費の高騰なども運営費の負担に非常に大きくなってきていると聞いていますので、今後は資金調達において、各文化施設が単独で努力するだけでなく、横断的に、お互いに知恵を出し合って、横断的に共助モデルなどをつくっていく必要があるのではないかというふうに感じます。
最後に、総じて広域化やデータ活用、人材プールの構築やシェアなどが行政運営において非常に鍵になると感じております。県が主導していく面もあるとは思いますが、隣接市町村がうまく連携することも非常に重要であるというふうに思いますので、その点、留意した上で、いろいろ工夫をしていただきたいと考えております。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、佐藤委員お願いします。
〔佐藤委員〕では、各テーマについて2点ずつコメントさせてください。
まず一つ目、文教・科学、資料1ですが、8ページで、学校施設の集約化について御紹介いただいておりますが、これはやはり自治体においては学校の集約は本当に難しくて、大体うまくいかないですね。一つのやり方、代替的な選択肢としては複合化があります。例えば従来、公民館あるいは図書館といった機能を学校の中に入れていくということです。ただ、これにも大きなハードルがあって、御案内のとおり、管理責任が校長にあるものですから、動線を全部分けないといけない。入り口から廊下、トイレに至るまで動線を分けなければならないとか、そうした議論があります。これは学校施設の管理責任の在り方というのも複合化を進めるに当たっての弊害になっていますので、このあたりの見直しというのも求められるのではないかと思います。
その次に30ページ目ですか。今、横田委員からも御指摘のあった国立美術・博物館のところなのですが、企画展、確かにかなり集客はあるのですが、企画展は新聞社の企画なのですよね。だから、場貸しをしているだけであって、収益もどうやら新聞社が頂いているらしいということなので、美術館はやはりマネジメント能力を高めないといけないかなということと、これは本当かうそかよく分からないですが、現場でよく聞くのが、いや、自己収入を上げると運営交付金が削られるのですよと言うのですが、そんな1対1対応だったかなというのはやや疑問で、大学もそうですが、長い目で見ればそれは抑えるよねというのは、気持ちは分かるのですが、少しこの辺、どうしても言い訳にもなっている部分があって、自己収入を上げると運営交付金は下がる、だからやらないのであるというのは、もし制度的にそうなっているなら、そこは見直さなければならないし、いや、違うのであるということであれば、そこの誤解を解いていく必要があるかなと思いました。
次に、資料2の防衛ですが、今、神子田委員からも御指摘ありましたが、8ページの後年度負担についてです。これは散々申し上げてきているのですが、本来、予算を計上すると、どうしても国の会計は現金主義なので、基本、出ていったお金しか見ないのですが、契約が複数年にわたる場合、これは後年度負担というか、債務負担行為に当たると思うのですよね。だから、これは国債を発行しているのに近い。国債を発行しているのに近いのは、要するに、将来の支払い義務を生じているからです。逆に、支出の中に占める規定分というのは元利償還に近いもので、要するに、過去の決定を義務的に履行しているだけなのです。この辺、特に後年度負担が非常に大きいということを勘案すると、防衛費に関してはそうした発生主義的な考え方を入れないと、すごい誤解が生まれるかなという気がします。何といいますか、後年度負担さえ増やせば、既定分以外の歳出が抑えられてしまうので、この辺は御留意いただけたらと思います。
それから、これは6ページに関わるところかと思うのですが、成長との整合性というのがあります。例えば防衛装備品の輸出規制の見直しも進められていますが、防衛産業を成長産業にしておくということはやはり必要で、よくバターと大砲とは言いますが、要するに、バターが民生品で、大砲が軍事品なのです。これの間にトレードオフがあるというのは教科書的な説明になりますが、我々にはトレードオフをやっている国力、経済的な余裕はないと思いますので、やはりこの成長との整合性というのをいかに担保していくか。いわゆるデュアルユースも含めてなのですが、ここは必要です。また、宇宙産業もそうかもしれませんが、成長との整合性というのは問われるかなと思いました。
最後に社会保障、資料3ですが、61ページ目に、人口減少地域における提供体制の構築というのがありますが、これは実はいろいろな規制改革などでやっていても、あるいは、昨日あったのですが、介護保険部会でやっていても、どうしても皆様、今、質が低下するのではないかという、そうした懸念なのです。ただ、誰も質は測っていないのですよ。実は介護の質は、今、配置基準という人で測ってしまっているので、インプットで測っていて、そのインプットを減らすから質が下がると言っているだけなので、これはたしか医療のほうでは既に30ページで御紹介いただいていますが、やはり介護の質をちゃんとアウトカム評価するという、そうした体制をつくっていて、それに基づいて、例えば包括払いの仕組みも今、入れようとしているので、包括払いをするであるとか、あるいは、介護の質が下がったかどうかをちゃんと検証するといった、そうした取決めが必要かと思います。どうしても質の低下への懸念というのは必ずこの種の議論のボトルネックになるので、であれば、ちゃんと質を客観的に評価する仕組みがあったらいいかなと思いました。
それから自己負担について。介護の自己負担について、今、2割についていろいろ御懸念はあるところですが、対応策としては、負担限度額がありますので、高額療養費制度のようなもので、負担限度額はありますが、そちらで対応するか、それからまた、所得だけではなくて、やはり金融資産を勘案しないといかんともし難いというところがあります。保険料の設定も、利用者負担もそうかもしれませんが、高齢者の場合は、収入が少なくても金融資産をお持ちの方がいらっしゃいますので、金融資産とのひもづけというのはやはりマストになってくるかと思いました。
あと最後、一つだけ。今回、議論で紹介されていませんが、混合診療をどうするか。いわゆるOTC類似薬を保険適用から外すという話もありますが、やはりある種、混合診療を広めていくというのは一つの選択肢であると思うのですよね。具体的に特定療養費制度があります。その間の選定療養というのがありますが、そちらの範囲を広げていくという形で、ある意味、保険から外れた診療行為あるいは薬の処方についてはそちらに入れていくという、そうした取組もあっていいかなと思いました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、熊谷委員、どうぞ。
〔熊谷委員〕ありがとうございます。まず文教・科学技術に関しては、そもそもの教育予算の考え方の部分を含めまして、御提案された内容に全面的に同意いたします。義務教育については、やみくもに給与水準を引き上げるのではなく、実効性のある働き方改革を推進して、教員志望者を増やすことこそが最大のポイントであると思いますし、義務教育、高等教育の両分野において教育の質を向上させるべく、メリハリづけを徹底的に強化し、学校規模の適正化や大学の統合、縮小、撤退を促進することなどが肝要です。
科学技術に関しては、基礎研究にしっかりと目配りをしつつ、基本的に御提案された方向で論文の生産性を是非とも向上させていただきたいと考えます。
次に、防衛について2点申し上げます。
第1に、防衛費をめぐる最大の問題点の一つは、透明性が低く、ガバナンスが十分に効いていないことであると考えます。官民連携を強化して、防衛産業を育成すると同時に、プロジェクト管理が十分に機能していないと見られることなどの背景にある構造的な要因に対して、徹底的にメスを入れるべきです。国民の血税を使用するわけですから、第三者、外部の目を入れることや、対外的な説明責任の強化などを通じて、実効性のあるガバナンスが働くような仕組みを構築することが喫緊の課題であると考えます。
第2に、防衛費は経常的に支出される経費ですから、安定財源を確保することが不可欠です。経済力は国力の源泉です。我が国が安定財源を確保することなく国防費を増やせば、経済、金融、財政の脆弱性が強まり、逆に他国に付け入る隙を与え、国民の安全が脅かされる事態を招きかねない点を肝に銘じて、国民的な合意に基づいて、所得税の増税時期をしっかりと決定することなどが不可欠であると考えます。
最後に、社会保障についてコメントいたします。
まず医療についてですが、診療報酬改定はブラックボックスの中で突然、改定率が決まるべきではなく、確固たるエビデンスに基づいて、冷静かつ合理的な意思決定を行うことが不可欠です。その意味で、データインフラが利用可能となったことは大きな前進であり、これをフル活用することが求められます。客観的なデータによれば、診療所の利益率が高く、診療所の院長給与が国際的に非常に高い一方で、高度急性期、急性期の病院の経営が非常に厳しい状態にあることは明らかです。したがって、診療所の適正化と急性期病院への重点化が不可欠であり、この方向性でしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
また、医療費は、P(単価)掛けるQ(サービス量)で構成されるため、医療費の適正化を進めるためには、医療サービスの提供体制の効率化も重要です。人材不足が深刻化している今こそ、コスト構造の徹底的な見直しと資源配分の最適化を通じて、医療産業全体の生産性を向上させるべきです。そのためにも人員配置の適正化や外来機能の集約化など、あらゆる方策を実行すべきであると考えます。
介護については、費用とともに保険料が増加しており、現役世代の負担は限界に近づいております。現役世代の負担増加を抑制し、介護保険制度の持続可能性を確保するためには、これまで課題とされつつも先送りされてきた2割負担の対象者の範囲拡大や、ケアマネジメントの利用者負担の導入を早急に実現すべきであると考えます。
障害福祉については、率直に申し上げて、総費用の伸びが10%を超えていることに大変驚きました。事務局の見解には全面的に同意いたします。要因を丁寧に分析した上で、サービスの質の向上を引き続き図りつつ、制度の持続可能性を確保するためには、総費用の伸びを抑制する改革が急務であると考えます。
また、医療介護等の他分野同様、障害福祉分野においても処遇改善は重要です。とはいえ、介護分野と比較し、賃上げが実現していること、1事業所当たりの収入が8%近く伸びていること等を考慮すれば、今後は自己財源で十分に賃上げが可能であると推察されます。直近のデータを踏まえて、適切な対応をお願いいたします。
最後に、生活保護制度に対する世論は厳しく、国民の理解を得ることが最も重要です。生活扶助基準の見直しに当たっては、信頼に足る消費データが必須であり、令和8年の次回定期検証に向けて早急にデータの充実を図るべきです。
また、医療扶助については、マンパワー頼りの受給者指導による適正化には限界があります。デジタル化やデータ活用をさらに進めるとともに、医療機関への働きかけを強化すべきであると考えます。
私からは以上です。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、土居委員、お願いします。
〔土居委員〕まず教育についてですが、資料1の4ページにありますように、教職調整額の今後の改定についての合意を着実に実施していただくべく、時間外在校等時間の減少をきちんと確認していただくことが必要かと思います。もちろん中間検証が予定されてはいますが、それをそのときに初めて実態を知るということでは遅過ぎるわけで、今のところ、毎年毎年上げることにはなっていますが、本当に、いわゆる残業が減っているのかということは絶えず確認して進めていただきたいと思います。
それから、次、防衛なのですが、防衛については、特に5ページにもありますように、整備計画対象経費以外の経費もあるわけです。特に4経費の中に含まれている研究開発については、デュアルユースを前提としたような研究開発がむしろ世界的には主流になっているというような状況であるわけですが、我が国では、それはアカデミアだけでなく、一般国民にも、防衛にまつわる研究開発というのは軍事用に限られるというイメージがあります。そのイメージが強過ぎて、デュアルユースという発想がなかなかイメージとして浸透していないということがありますので、デュアルユースを前提として開発しながら、ある技術については軍事的に使うという、こうした、そもそもの現在の開発状況を広くアカデミアや国民に周知させるということが必要なのではないかというふうに思います。
そうしたところから、我が国における安全保障にまつわる生産体制や研究体制をしっかり構築していく必要があるのではないかと思います。それが防衛費に関するコメントでありまして、あと残りは社会保障に関連するところです。
まず我が国――失礼、この財政制度等審議会で医療や介護について細々と議論をするというのは越権行為であるというような声が外から聞こえてまいりますが、もはや越権行為をしないと、医療費や介護費のそもそもの根本的問題を解決することはできないという、そのレベルに達していると。単に大枠だけ、象の背中をなでるような形で議論をしていたのでは、医療や介護の制度の根本問題は解決できないという次元に入っているということをまずはきちんと説明していただく必要があるのかなと思います。もちろんここで全てを決めるわけではありませんが、少なくとも、ほかの委員も細々とおっしゃっておられるように、なぜ細々と言わなければいけないかといえば、まさにそれだけ深刻であり、かつ、それだけ本質的な問題であるということですので、財政制度等審議会でそうした医療や介護の細々としたことまで口出ししないでほしいということには、むしろ、いやいや、そうではなくて、そうしないと本質的な問題が解決できないからであるということを、増田会長代理は、記者の皆様にそう御説明いただけると、我々のいろいろな意見を発信するというところに関しても非常に背中を押していただけるものになるのかなというふうに思います。
さて、それで、資料に基づいたところでございますが、まず医師偏在についてですが、ほかの委員もおっしゃっておられるように、医師が過剰――失礼、医師が足りないからではなくて、医師が偏在しているからであるというのはもはや揺るがない事実であると思いますし、もちろん医療界も基本的にはそれを認めているということかと思います。ですから、適材適所でしっかり医師が必要なところにおいてお仕事をしていただくということが望まれるという次元であると思います。ただ、やはりどうしても医療、医師側は、職業の自由というものを強く求めがちでありまして、かといって、必要とされる地域住民、ないしは医師が不足している自治体の方々は、この偏在是正を強く望まれるというミスマッチが、もちろん医師の需要と供給のミスマッチもありますが、偏在是正に取り組む姿勢のミスマッチというものも厳然として存在するということかと思います。明らかに支援すべきなのは、医師が必要なところに医師がいてほしいということを望んでおられる地域住民や自治体のほうです。医師の自由を認め過ぎてはいけないということかと思いますので、しっかりと医師の自由をある程度制限するところにもう少し注力をしないといけないのではないか。もちろん厚生労働省もその取組を始めてはいるわけですが、私もその取組にまつわる会議に参加しましたが、結論を出しましたから、これ以上、後から言うのは卑怯かもしれませんが、あまり強い規制になっていないというふうに思いますので、必要があれば更なる規制が必要なのではないかというふうに思います。
それから、介護については、先ほど熊谷委員もおっしゃったように、ケアマネの利用者負担、それから、多床室の室料負担、それから、利用者の2割負担者の拡充というところは、岸田内閣のときに閣議決定された改革工程でも、結論を得るということが明言されて閣議決定されておりますので、その文言どおり、しっかりと結論を出すと、もうゼロ回答では許されないというふうに思います。
それと同様に、資料3の60ページにもありますように、軽度者に対する地域支援事業への移行も、これもしっかりと結論を出していただくということかと思います。願わくば、2018年までのこうした要支援1・2に対する地域支援事業への移行と同様に、要介護2までの方々に対するサービスの地域支援事業への移行を進めていただきたいと思いますが、文字どおり、そうならないとしても、それにかなり近いような形で、サービスの地域支援事業への移行というものを進めていただくことが必要なのではないかと思います。
最後に、医療と介護にまたがったところですが、資料は少し戻りますが、13ページに、まさに患者・利用者が真ん中にいて、医療側と介護側とそれぞれにサービスを受けるという、そうしたような構図になっているということなのですが、新たな地域医療構想2040年を目指して、医療と介護の連携も地域医療構想の中でしっかり取り組んでいくということが方向性としては既に決まっているわけです。
その中で、やはり医療側について、データの活用が既に地域医療構想では取り組まれておりますが、介護の部分について、地域医療構想では、必ずしもデータを活用するというところについての取組がまだ発想として定着していないように思います。つまり、地域医療構想というのは、医療に関する構想がメインなのであって、介護はもちろん連携をしなければいけないので、介護についても見るが、介護レセプトをまさか悉皆的に分析して、それが医療とどう関係しているのかということまで考えた上で、ニーズを把握して、連携するというようなことではないですよねというような姿勢が何となく今のところ感じられるので、私は、医療においてデータを悉皆的に活用して、2025年までの地域医療構想をここまで持ってこられたという経験を踏まえれば、2040年までにおいて、医療と介護の連携をまさに医療レセプトと介護レセプトを名寄せして、もちろんプライバシーを保護しながら活用して、そのニーズを把握して、医療と介護を各地域でどう連携していけばいいのかということまで、データに基づいて議論する素地をつくっていただくということが必要なのではないかというふうに考えておりまして、是非ともそのような方向で取り組んでいただきたいと思います。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、武田委員、お願いします。
〔武田委員〕ありがとうございます。3点、意見を申し上げます。
1点目、文教・科学技術はいかに質を高めるかが最大のテーマと考えます。我が国にとって、人材は唯一の資源であり、また、科学技術力は競争力の源泉であると考えており、質の強化は不可欠と考えます。国立大学の運営費交付金の在り方については、大学自体の創意工夫や外部資金調達や産学連携に向けた取組を前提に、競争的資金を中心に強化し、世界のトップ大学と互角に戦える環境を整えるべきと存じます。一方、こどもの数が減少しているにもかかわらず、定員割れの私大の統廃合や撤退があまり進んでない状況です。これが放置されれば、予算が分散し、非効率であるだけでなく、学生にとっても、質の高くない教育に学費を払うことになり、予算の面のみならず、こどもにとって不幸な環境を国がつくっていることになりかねません。人数の適正化や必要な統廃合も含め、具体的な方針と必要な施策に是非取り組んでいただきたいです。結果として、質の強化に予算が回り、学生が質の高い教育を受けられる環境をつくっていただきたいと思います。
2点目、防衛です。有事の際の財政余力の必要性は以前から申し上げているとおりです。その点では、7ページにございます、「防衛力の抜本的強化策」における「持続性・強靱性」には、本来、財政余力が入るべきと考えます。また、人口減少を踏まえた防衛体制の在り方としましては、無人化やAI活用などが今後、非常に重要性を増すと考えます。この分野への重点化が急がれるとともに、予算のみならず、AI等の技術に精通した専門人材の獲得・育成や民間企業との連携、つまり「官民連携」を仕組み化していく必要があると思います。
3点目、社会保障です。今回は、特に医療機関の経営分析に力を入れていただき、ありがとうございました。大変な力作であると存じます。今後、医療従事者の処遇等に関する政策立案に不可欠な職種別のデータの提供も義務化いただき、処遇の実態を職種別に把握することをお願いいたします。インフレの時代において、医療従事者の処遇を適正に実態を把握し、施策を打っていくことが大切と思います。
また、御提案の改革には全て賛同いたします。問題は、どのように国民の間で合意形成を図っていくかという点に尽きると思います。
先日、あるメディアの取材を受けましたが、そのメディアが行ったアンケート調査では、現在の社会保障制度について「安心できない」との回答が85%に上る数値でした。また、医療の窓口負担は3割にそろえた方が良いと考えていますが、窓口負担を引き上げる案について、賛成と反対はほぼ拮抗しておりました。つまり、窓口負担について一定の理解が得られているとの認識を改めて持ちました。大切なことは、真に必要な方に社会保障が届き、誰もが人生において支援が必要な時期がありますが、その必要な時期に給付が受けられる、そうした持続可能な制度にしていくことです。また、負担と給付のバランスの見直しを迅速に行うためには、データのインフラ整備が必要という点について、丁寧に説明していく。そのためにストーリーとして語ることと、データとエビデンスでしっかり示していくこと、この両方が必要です。今回、国民会議が設立されるということですが、国民の共感を得て改革を着実に進めていただければと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、國部委員、どうぞ。
〔國部委員〕私からは4点申し上げます。
まず少子化問題についてです。資料の6ページで、「いまだに多くの方のこどもを生み育てたいという希望の実現には至っていない」と記載されていますが、これはその通りだと思います。今後、EBPMを通じて効果的な施策に重点的に取り組むとされていますが、少子化は、婚姻件数の減少など複合的な要因から生じていることを踏まえると、これまでのこども・子育て世帯の支援を中心とした対策では不十分だったと考えられます。人口問題は、我が国における最重要課題であることから、少子化対策の全体像を見直し、必要な施策を追加的に講じることも検討すべきと考えます。加えて、少子化対策は短期的に成果が出る性質のものばかりではない点に留意が必要であると考えます。KPIを設定する際には、その妥当性はもちろん、評価の時間軸も考慮し、せっかく効果が上がりつつある対策が道半ばで終わることがないようにしていただきたいと思います。
2点目は、文教・科学技術についてです。資料15ページでは、国立大学の運営費交付金への依存度を引き下げるべく、競争的資金や外部資金へのシフトを促そうとしていますが、運営費交付金の削減を受けて基礎研究が避けられるようになったとの指摘もあります。国立大学に求められる研究開発機能を損なうことがないように、交付金削減の影響をしっかりと調査分析した上で対策を講じていくべきと考えます。
また、大学の創意工夫に関して言えば、既に東京大学をはじめとする多くの大学が寄附で得た資金を基金にして、その運用益を運営費として活用するエンダウメント型と言われる仕組みを取り入れています。今後、こうした取組を加速させていくためには、欧米と同様、我が国に寄附文化を根づかせる必要があり、寄附税制の拡充をセットで検討すべきと考えます。
3点目、科学技術に関して、今回の資料で特に焦点が当てられている宇宙産業は、先般、高市総理が重点投資対象に定めた17分野のひとつでもあります。われわれ金融機関としても、宇宙産業は日本の技術力を活かせる裾野の広い産業と捉え、積極的に支援しています。今後は政府としても、民間事業者の創意工夫を活用しながら、28ページに示されている課題を解消し、成長産業として育成していくことが重要と考えます。
最後に、防衛についてです。我が国を取り巻く安全保障環境を踏まえれば、防衛費の増額は必須になると考えますが、その際、留意すべき点が3つあると考えます。第1に、防衛費の内容です。防衛費を増額させる際には、対GDP比で何%といった数値ありきではなく、戦い方も大きく変わっている中で、我が国の防衛力を真に向上させるために何が必要かをしっかりと調査・分析した上で、防衛費の内容を定めていく必要があります。
第2に、コストチェックの徹底です。防衛装備品の調達に当たっては、どうしてもコストチェックが甘くなりがちです。この点、資料14ページで御紹介いただいたコストデータバンクを今後一層活用し、適正な原価計算やコスト削減につなげていただきたいと考えます。
第3に、恒久財源の必要性です。これまでも本審議会で申し上げてきましたが、恒常的な歳出である防衛費については、安易な国債発行に頼らず、恒久財源を確保すべきである点を改めて強調したいと思います。防衛費は、防衛力強化の受益が国民全体に及ぶものであり、費用も国民全体で広く薄く負担するのが望ましいと考えますが、今般の増額にかかる財源のうち、所得増税については結論が先送りされています。また、足元では、防衛費に限らず、政府の経済政策において財源の議論が後回しとなり、歳出や減税が先行する傾向が見られることを強く懸念します。防衛費を含め、恒常的な支出に対しては、常に財源を手当てし、財政の信認を確保すべきと考えます。
〔増田分科会長代理〕それでは、芳野委員、お願いします。
〔芳野委員〕ありがとうございます。芳野でございます。意見書を提出させていただいておりますが、本日は3点、意見を申し述べたいと思います。
1点目は、社会保障に関してです。初めに、医療・介護、障害福祉、保育サービスを担う人材確保については、これらサービスのニーズが増大していく中、現場で働く全ての人が安心して働き続けられるよう、賃金の引上げをはじめとする処遇改善と労働環境の改善が必要不可欠です。
春季生活闘争では、他産業で高水準の回答が引き出されている中、医療・介護、障害福祉、保育分野の賃上げは決して十分とは言えません。現場を担う全ての労働者の継続的な賃上げが可能となるよう、政府として更なる施策の実行と、そのための財源を確保する必要があると考えます。
また、あるべき医療・介護分野の理想像、制度の在り方についてですが、医療・介護など社会保障サービスは、誰もが安心して暮らし、働いていくことができるようにするための基盤であり、将来にわたり、質の高い医療・介護サービスを利用できるようにすることを前提とすべきです。その上で、医療保険及び介護保険制度は、負担能力に応じた保険料を負担する一方で、受けられる医療介護は、所得の多寡にかかわらず同じという仕組みです。このような仕組みの中で、患者・利用者の窓口自己負担を強めることが社会保険に強制加入することへの納得感を削ぐことにつながらないよう、留意した検討が必要と考えます。
2点目は、文教に関してです。貧困の連鎖を断ち切るため、就業前教育から高等教育までの教育費を無償化し、社会全体でこどもたちの学びを支えるべきです。学校規模の検討に当たっては、教育の質の確保を前提とすべきです。また、学校がなくなることで過疎化の加速化、コミュニティー崩壊の懸念もあるため、地域の声を踏まえる必要があります。資料9ページで引用されている調査で、スクールカウンセラーなどと連携しながら、支援が必要な児童生徒と保護者に関わる業務に、教論がより多くの時間を確保しようとする実態が観察されたと分析されています。スクールカウンセラーなどの外部人材を全ての学校に常勤配置すべきです。また、こどもへの支援充実と教員の業務縮減を推進する役割を果たすには、専門性の維持向上が不可欠であるため、会計年度任用職員として採用されるスクールカウンセラーなどの外部人材の雇用安定と処遇改善を行うべきです。
3点目は、防衛について触れたいと思います。防衛については、安全保障環境が変化する中で、国民の生命と財産を守ることが重要ですが、そのための施策と財源については、必要性と妥当性に関する国民的な議論に向けた政府の説明責任が求められると考えます。示された具体の項目に関して、自衛官の処遇、勤務環境の改善、ハラスメント防止など、組織文化の見直しについては継続的な対応が重要です。
また、官公需を含めた適正な取引環境の整備は重要課題です。コストデータバンクの活用による防衛装備品の調達についても、サプライヤーに過度な負担を強いることにならないよう、サプライチェーン全体の付加価値向上と相反しない運用が求められます。この間策定されたガイドラインなども踏まえ、適正な取引環境の確保に努めていただきたいと思います。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、藤谷委員、どうぞお願いします。
〔藤谷委員〕よろしくお願いいたします。私からは、文教・科学技術について2点申し上げたいと思います。
まず一つ目は、資料の15ページですが、競争的資金へのシフトという点について。この点はもう平野委員が先ほどおっしゃったことに、私は全面的に賛成です。競争はもちろん重要なわけですが、それが本当に充実した、それこそノーベル賞というような研究につながっているのかということは、このポリシー自体もPDCAできちんと検証していくべき時期に来ているのではないかというふうに思います。
また、16ページの寄付ということです。これについても先ほど御紹介ありましたが、米国は少なくとも非常に寛大な、ほとんど、不公平と言ってもいいぐらい富裕層に有利な寄付税制を有しております。そうしたことも含めて手当てしていくというのであれば、米国並みに自己財源に依存していく大学財政、ということも可能になるかと思うのですが、それは現実的でしょうか。あるいはドイツなども、日本よりもランキングで上に行ってしまったわけです。ドイツの大学の大多数は、御案内のとおり、国からの財政支援に依存する国立大学なわけです。したがって、大学財政のエコシステム全体の中でどのような具体的選択肢がありうるのか、いきなり英米のトップ大学に追いつけ、ではなくて、我々に手の届く範囲で、限られた資源の中で、例えばせめてドイツ並みに、というように、地道に研究を立て直していくということが必要なのではないかと、こうしたことを考えた次第です。これが1点目です。
2点目は、資料の31です。入場料確保について、二重価格の御提案がございました。これも私は大変よい提案であって、基本的には賛成ですが、1点のみ補足というか、確認なのですが、「自国民」とお書きになっているのは居住者の意味である、国籍ではなくて、国内居住者というくくりであるというふうに理解してよろしいでしょうかという点です。御案内のとおり、税法上は国籍ではなくて国内に住んでいるかどうかで税負担が決まってきますので、国内で働いて納税していらっしゃる外国籍の方々、たくさんいらっしゃいますので、そうした方々は、ここで言うところの自国民であるという理解でよろしいですよね、ということを、念のため、確認させていただいた次第です。
以上でございます。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、福田委員、お願いします。
〔福田委員〕ありがとうございます。既に多くの方が重要な論点を御指摘されましたので、手短にお話しさせていただきます。
まず防衛ですが、多くの方がおっしゃったように、必要なのは理解はできますが、予算を効率的に活用していくということ、透明性を持ってやっていくということが大事であるということです。GDP2%という言葉だけが先走りして、金額ありきにならないということが大事であると思います。
実はGDPというのは、年度末に大幅に改定されることが決まっていまして、どれぐらいになるかは分からないのですが、かなりの大きな、何十兆円になるかもしれないというぐらい大幅な上方修正になることが決まっています。それに並行してただ単に防衛費を増やすということは全く意味のないことで、別にほかに税収が増えたわけではなく、単に統計のつくり方が変わったことでGDPが増えただけですので、防衛の必要性がそれで変わるわけでもありません。GDP2%という尺度というのは、基になるGDP自体がしばしば改定によって変わるということを理解しておくということは大事であるというふうに思いました。
それから2点目は、社会保障で、多くの方がおっしゃっているように、EBPM、データに基づく分析というのは非常に大事であると思いますが、その際大事なのは、データを体系的に整備するということが日本ではやはりこの分野、非常に遅れている。教育もそうかもしれませんが、遅れているということであると思います。このために、例えばGDPの作成でも、必ずしも十分取り入れられてないということもあります。
実はEBPMを行うときに、分析者は、当然ながらデータをある分野だけ分析するというのが必然的に起こることになります。そうすると、たまたまデータがある分野だけの分析が進んで、そこだけ政策が進むが、データがない分野に関しては分析が行えなくて、十分な施策が行われないということでは片手落ちです。経済学でいい論文を書くにはデータが精緻な分野だけを分析するということは大事かもしれませんが、国民経済的には、別にデータあるなしにかかわらず、適切な施策をすることが重要で、そうした意味では、データを体系的に整備して、議論をするということが大事なのだろうとは思います。
また、対策は、やはりかなりきめ細かな対応が必要であると思います。例えば少子化対策、非常に待ったなしですし、その背後には未婚率というのが高いということが非常に大きく影響していることは多くの方がおっしゃっているとおりですが、男性の未婚率の要因と女性の未婚率の要因というのはかなり違うということは知られていまして、男性に関してはやはり所得の低い人のほうが未婚率が高いということが知られていて、所得の高い人は未婚率が総体的に低くなるという傾向があることは知られています。それに対して女性に関しては全く逆で、所得の高い女性のほうが未婚率が高い、あるいは正規の社員の女性の未婚率のほうが総体的に高くなっているという傾向もありまして、そうしたきめ細かい分析あるいは施策というのが求められると思いました。
私からは以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、河村委員、お願いします。
〔河村委員〕御説明くださって、御指名ありがとうございます。私からは、文教のところを中心に、防衛と社会保障についても少し意見を言わせていただければと思います。
まず文教の部分、これは最初のところで、今回、非常にクリアに方向性をお示しくださって、人口減少社会において、いかに質を向上しながら適切なダウンサイジングをし、こどもたちの負担を減らしていくかと、本当にこのことに尽きると思います。大変この整理、よかったと思います。やはりこの方向性、国全体で、みんな、この点を確認しながら考えていこうねということで打ち出していただければと思います。
義務教育については、1点申し上げたいのですが、10ページではなくて、7ページになるのかな。外部人材の文脈で不登校の話を取り上げてくださっていますよね。これはあくまで今回は外部人材を使ったことがどれだけ効果があったかというところ、そうした切取り方での取上げ方ではいらっしゃるのですが、是非やはり不登校の問題とか、財務省の側としても少し前向きに取り上げていただけるとありがたいなというふうに私は思います。
やはりいろいろな現場の関係の話を聞いていると、ここで、グラフでこれだけ増えているというのが出ていますが、どこかの地域だけとかということでは全然ないですし、もう本当にどこの学校の、公立の学校のどこのクラスにでも一人や二人必ずいるような、こどもたちも自分たちの友達の中にそうした子が何人かいてということを経験しているような、そうした状況になってきていると思います。何でこうなってしまったのかというと、割と年配の方であると、昔はそんなこと許されなかったから自己責任的な、親が悪いとか、家庭の問題というふうな捉え方をされる方もあるかもしれないのですが、恐らく、今、それは少し違うところもあって、社会要因的なところがすごく多いのではないか。小さいときから人間関係を結ぶときの環境が違ってきていますよね。私たちがこどもの頃にはなかったようないろいろな、スマホがあったり、SNSがあったりで、いろいろ深刻なこともあって、そうしたことが原因でこうした状況になってきてしまっているので、学校も少しいろいろ原因にはなっているところもあるかもしれませんが、どちらかというと学校はそれを受け止めなければならない場なので、是非そのための対策に少し配慮するようなことがあってもいいのではないかというふうに思います。
これだけ増えてくると、やはり本当にいろいろな事情があって、学校に長く行けなくなってしまったこどもたちの学習の環境をどう確保してあげるのかとか、それから先、また何年かたって、高校生相当の年代になったときに、どういうふうに、うまくまたリカバリーしていかれるかというか、そうした別の道を用意しておいてあげるかとか、文科省もそうしたところに気がついていて、いろいろ事業をやっているところ、横浜とかでやっている話も聞きますし、効果があるという話も聞きますので、是非そうしたところ、財務省としても少し配慮してあげて、最近であると、こどもが不登校になってしまって、親が仕事を辞めなきゃいけなくなってしまっていると、そうした問題も結構出てきているように思いますので、是非やはり一人一人の教育の機会の確保というか、やはり誰一人取りこぼさないというか、包括的な社会というのをつくっていくことも大事であると思いますので、是非そうしたところも取り上げていただけると、そうしたことを是非配慮していただけると、財務省に対する世の中の見方が変わってくるのではないかというふうに思います。
それからまた、高等教育のところ、いろいろ深刻な問題がありますが、例の私立大学のところ、非常に大変な問題であると思うのですが、18ページとかのあたりなのですが、やはりここで御指摘くださっているとおり、単に私学助成を差し上げるのではなくて、きちんと質を確保してということを、本当にここで御提言いただいているとおりであると思います。横断的評価というのが必須ですし、また、ここで書かれていないのは、やはり在学生とかだけではなくて、社会からの評価、それからまた、社会からの評価が一番出る卒業生がどういう状況に置かれているのかという評価を日本としてもきちんとやっていくことが必要なのではないかなというふうに思います。
これだけ大学が増えてしまった背景というのは、少し供給を増やし過ぎというのもありますし、その背後に、私は、日本人の平等志向の強さがあるのではないかというふうに思います。一部の人だけ、勉強が得意な子だけ大学に行けるのはちょっとどうか、というような風潮があって、やはりそうした気持ちが社会全体にあるから大学を増やしてというところもあったのでしょうし、それは分からなくはないのですが、でも、それが、逆にこうした質の低下を招いてしまっているのだったらよくないということがありますよね。ですから、今回、いろいろ御提言いただいている、ちゃんと入学する時点で共通テストの受験を義務づけるとかそうしたのも一つであると思いますし、また、もう一つの方向としては、高等教育って別に大学だけではないよねと。最近、やっと高専さんとかも取り上げられるようになってきましたが、いろいろな生き方があって、いろいろな道があって、高等教育機関もいろいろあって、やはりそれぞれに合った形で、みんながみんな、私立だったら、年間、少なくとも半年で五十何万の授業料で払わなければならないようなところに行かなくたって、もっといい人生がある、いい社会への貢献する力を身につけることができるということを促す方向に持っていっていただけるなといいなというふうに思います。
次に、防衛のところなのですが、これは御説明くださったとおり、4ページのところです。やはり財政とか経済も非常に大事ですので、フィスカル・ディターランスというところもやはり重要ではないかなというふうに思っております。
今後、9ページのあたりですが、今後、やはり防衛費増額で、またいろいろ検討していくのだと思いますが、既に決まっている、9ページに書かれているところなどでも、決算剰余金の活用というのもあります。これもマクロ経済政策運営全体で言うと日銀の納付金が随分ここで貢献しているところがあって、それが今後どうなるのか、どういう経済政策を取っていくのかというところも影響すると思いますので、そうしたところも併せてお考えいただきたいと思います。
それからまた、13ページ以降の装備品の調達のところでは、これはたまたま私、今年の秋のレビューで、この辺を担当させていただいているのですが、やはりデュアルユースということができれば一番いいのですが、現場のお話を聞いてみると、なかなか民需とうまく両立させるというのがそう簡単でもないなということも分かります。また、この分野はすごく難しいと思うのですが、コストを抑えながら、戦争の仕方も日進月歩で変わっているので、技術革新とかも必要です。そこを民間の力を使いながらどうやっていくかというところがなかなか少し見いだし難いところがあって、その辺を促すやり方というのを是非考えていただければいいなというふうに思います。
次に、社会保障については2点だけです。診療報酬改定に向けてのいろいろなデータの開示のところ、財務省としても本当に財務局でいろいろ調査してくださったり、24ページとか25ページのあたりですが、本当にありがたいですし、24ページの国際比較はもう本当によくぞ調べてくださったという感じで拝見しております。
これについては、医療費というのは何か、高齢化で増えるのは仕方ないとか、高度化だからやはり少し増やすしかないよねというようなことで、全部、丸め込まれてしまうところがあると思うのですが、お金が増えてしまうのはそれだけではないんではないの、やはりこうした問題もあるんではないのということを思いますので、是非データの開示、このあたり、さらに充実するように促していただけたらと思います。
ここで1個だけ御質問があるのですが、こうしたところ、診療報酬改定はいつも議論された結果、幾ら何%のプラスとか何とかと出てくるだけですが、こうした実際に渡されたお金を各診療所が何に振り向けるのかというところにまでは、データの開示を促すとか、先ほども出ていたような中医協のメンバーを少し変えて、メンバー構成を変えるとか、それぐらいしかやりようがないのでしょうか。ですから、今の賃上げの必要性を考えると、看護師さんの給与水準、公表されているのを見ると、これでは本当に気の毒ですよね。あんなエッセンシャルワーカーなのにと思いますが、では、その賃上げが必要だからということで、診療報酬全体を上乗せして、でも、結局、院長先生のところに持っていかれてしまうのはちょっとどうか、というのが国民の思いであると思いますので、そのあたり、何かほかに方法があるのか、ないのか教えていただけたらと思います。
あともう1点は、介護保険の保険料のところです。保険制度、49ページのあたりですかね。保険制度改革、本当にここは待ったなしであると思うのですが、是非ここで取り上げていただきたいのは、2号保険者の対象ですよね、サラリーマンに扶養されている方々、40から64歳でも、ここ、納めないで済んでいるのですよね。これだけ介護保険料を上げなければならない、大変であるとなっているときに、単なる料率の引上げでなくて、これ、年金の3号被保険者と同じ問題であると思いますが、この2号保険者の対象のところの考え方、是非、やはり問題として取り上げていただけたらと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、小林充佳委員、お願いします。
〔小林(充)委員〕私からは、教育と防衛に関してコメントさせていただきます。
まず教育について、7ページ、先ほど河村委員からもございましたが、不登校が増えているとのことで、これは少子化が進む中で、将来を担う世代ということもあり、大変ゆゆしき問題ではないかなと思います。
また、データによりますと、自殺者の数も、全世代が減少している中で、小中高生は529人と過去最高になっておりますし、その大半の272人について原因は学校問題であるとなっております。これまで、スクールカウンセラー制度の導入などで、いろいろ対策は取られているのですが、やはり、まだまだ十分ではないということではないかと思います。
この問題を改善していくための一案としてですが、ICTの活用が有効ではないかと思います。リモートで、体力や気力が回復するまで在宅で勉強する、あるいは気心が知れた友人や知人とやり取りをして孤立させないとか、さらには得意な分野や自信が持てる分野について、デジタルを活用して伸ばすというようなことも考えられるのではないかと思います。
現在、GIGAスクール施策ということで、教育現場のICT化あるいはデジタル化が進められており、更改に合わせて第二ステージに入っていると思います。是非効果をしっかり検証するとともに、不登校対策としても、更なる施策が検討できるのではないかなと思いますので、これらの点を考えていくというのが肝要かと思います。
それから、高等教育において、教育の質の問題や地域・社会で求められる人材の育成という観点では、やはり、教育機関と企業との連携あるいは協働をさらに強めるということが重要ではないかと思います。
そうした観点で、既にインターンというような制度がいろいろな企業で取り扱われていますが、期間も短く、あるいは会社紹介に終わっているというケースがほとんどであると思います。
これに代わって、コーオプという制度がございます。これはいくつかの大学で既にカリキュラムで取り入れられておりまして、数か月間にわたり、企業に学生を派遣して、実際に業務に携わっていただく、あるいは大学で学んだことを企業内で実践してみるという内容です。対価として一定程度の給与も与えられて、学生も企業もより真剣に取り組むというものです。結果、学生は「地域や社会に役立つというのはどういうことなのか」ということを考えながら学業にいそしむとともに、地域企業への就職につながるケースも多いと聞いております。ちなみに、海外では、このコーオプというものが既にかなり浸透しておりますので、我が国においても、コーオプを推進するという施策を展開する必要があるのではないかと思います。例えば、今回の資料の中の20ページに、地域への貢献度に応じて、私学助成のメリハリを強化する仕組みというような項目が書いてございますが、この中に、是非、コーオプ的な考え方も取り入れていただけたらと思います。
それから、最後、防衛に関してですが、本日、いろいろな方々からデュアルユースの話がございました。私もこれは、防衛力を強化する、あるいは防衛装備品の自給率を上げるということで、非常に重要ではないかと思います。
ちなみに米国では、研究開発費のうち、約半分は何らかの形で軍事関係というようなことになっておりますし、そのうち3割が大学に研究資金として配分されておりまして、AIや量子技術、宇宙開発をはじめとした先端技術の研究あるいは実装化が、このデュアルユースを通じて行われていると認識しております。これは程度の差こそあれ、オーストラリアや中国などでも当たり前に行われているということです。
資料の17ページにございますが、安全保障技術研究推進制度というのが既にあるのですが、これは日本学術会議の方針の影響も恐らくあるのだと思いますが、大学側が、進捗状況や研究内容に過度に介入されたくないという思いもあり、研究委託方式ではなく、補助金方式になっているのではないかと思われます。その結果、成果のフォローもしにくくなっていると推測いたします。
昨日開催された日本成長戦略会議でも、防衛産業を成長産業として拡大していくために、デュアルユースの議論が行われるというようなことでございましたが、我が国も防衛力を強化し、かつ、防衛産業を成長産業として広げていくために、このデュアルユースを念頭に置いた制度改革を是非進めるべきと考えます。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは続いて、小林慶一郎委員、お願いします。
〔小林(慶)委員〕私からは、社会保障について一言と、それから、防衛と文教については、一言ずつ言いたいと思います。
まず、医療・介護についてですが、大きなビッグピクチャーとしては、今後、公的保険の分野の守備範囲というのをこのままでは持続できないので、これから対象を絞っていく必要があると。そうしますと、民間保険で公的保険が撤退していく分野をカバーしていくということがこれから必要になってくると、そうした流れなのだろうと思います。
それを医療や介護それぞれについて考えますと、まず医療は、医療提供体制として、混合診療のような話、さっき佐藤委員からもありましたが、混合診療をもっと柔軟に可能にして、収益性を高めて、医療機関の持続可能性を高めていくということが一つの方向ではないかと。そうした方向で、混合診療についての議論というものを喚起すべきではないかと思います。
そこで、それに対して、民間保険を活用していくという方向性なのではないだろうかと思います。事務局の資料にも、薬事承認されたが、保険収載されないような薬について、民間保険の活用をもっと考えるべきと書かれておりましたが、それをさらに診療行為など、いろいろなことに適用していくべきであると思います。
さらに、介護については、介護は既に混合診療が認められているということであると思うのですが、つまり、公的介護保険の対象サービスと、それから公的保険の対象外のサービスの併用が認められているはずなのですが、実態はどうもうまくいっていない、あるいは禁止されているようなことも運用上あるのではないかと思います。例えば私個人の経験ですが、父が介護施設に入っておりまして、サービスの量が少ないので、少し自費で付け足すということを申し出たところ、それはできないと断られたという経験もございますので、何かそうした運用上の問題があるのかどうかということを、是非調べていただきたいと思います。
また、介護については、民間の介護保険がなかなか普及していないという問題も指摘されています。これは世界的な現象で、介護保険パズルと呼ばれているそうです。これは、例えば若い年代のときに介護のニーズを認識できないために、介護保険に加入する人が少なくなってしまう、こうしたことなのではないかと言われておりますが、アメリカの金融業界の取組として、401kなどの確定拠出型の企業年金のプランに介護特約付きの個人年金をメニューとして加えるというような、そうした取組が行われて、それで少し、民間の介護保険の普及率が上がってきているという実績があるようです。
そうした意味で、日本でも、金融業界を幅広く巻き込んで、そのような取組を進めるべきではないかと。例えば、これは生命保険会社だけではなくて、企業年金の運営管理機関である銀行とか証券会社など幅広い業種が関連するので、政府が音頭を取って全体をコーディネートしていくということが求められるので、そうやって民間の介護保険の普及を図っていく必要があるのではないだろうかと考えております。
次に、文教と防衛について、一言ずつ言いたいと思います。
文教については、高等教育や科学技術の研究の予算というのは、これは生産性の向上と、それから経済成長に長期的に大きな影響を及ぼすということであると思いますので、やはり、教育や研究の環境というものは向上させていくということが必要だろうと思います。資料の中にも論文生産性を上げなければいけないという問題意識が書かれておりましたが、その大きな阻害要因は、若手の研究者が非正規の雇用に置かれる、あるいは有期雇用を繰り返さざるを得ないというような不安定な就業環境に置かれている人が増える。そのために、腰を据えて基礎研究をやるということができない。就職活動のために何か、あるいは競争的資金を取るために、その研究目的を短期的なものに置かざるを得ない、そうしたことになっているのではないかと思われます。若手の研究者が人生設計しやすいような就業環境というものを整えることが求められているということ、それが基礎研究の復活とか、あるいは論文生産性を上げていくということにつながっていくのではないかと思います。
これは、科研費などの競争的資金だけではできないということであると思いますし、むしろ逆に運営費交付金が減らされて、科研費あるいは競争的資金へのシフトが行われることによって、人件費がうまく出せないために、不安定な就業環境が生まれてしまうということにつながっているということではないかと思います。私は運営費交付金をもっと増やせということを言っているのではないのですが、先ほど、國部委員からお話があったように、寄附金をもっとやりやすくするような、何らかの制度改革を行って、安定した就業環境をつくれるような財源というものを確保する、そうした制度改革が長期的には必要になってくるのではないかと考えます。
最後、防衛ですが、自衛官の若年定年退職後の生涯設計の問題というのも重要であると思います。いろいろな手当が増えたということが御報告にあったと思いますが、定年後の自衛官の皆様に対して、地域社会などで、相応の敬意というか、リスペクトを持って遇されるような立場がなければ、幾らお金を与えても、なかなか自衛官の人気というのは高まってこないかもしれないと思います。そのため、定年後も社会の中で相応の地位が与えられる、そうしたような制度設計が必要である。そうした制度設計ができれば、むしろ、金銭的な手当てというのは、それほど多くなくても回っていくのではないかと考えました。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、櫻井委員、お願いします。
〔櫻井委員〕ありがとうございます。私からは、文教と社会保障の2点、申し上げます。
1点目は、高等教育の在り方についてです。先ほどから皆様がおっしゃっているとおり、高等教育の在り方を見直していくこと、そして質を高めること、必要であり、私も賛同いたします。その上で大切にしていただきたい点を申し上げます。
定員割れしている大学の役割ですとか存在意義については、少し慎重な議論が求められるかなと思っております。今、大学に行かないと就職できない時代になっておりますので、どんな人でも大学に行かざるを得ない状況をつくってしまっているということも考えるべきかなと思います。
春の議論でも、大学生の年齢になっても義務教育レベルの知識や理解力を十分身につけられなかった若者がいるという中で、定員割れの大学などで基礎的な学びを取り戻せることは、本人の挽回の期間であるだけでなく、社会全体の生産性を底上げする投資になるのかなと思っております。教育機会を広げることは、日本経済全体の潜在成長率を引き上げることにもつながります。進学率の向上は、人的資源の質を高め、ビジネスの効率性を高める効果の側面もあると思います。特に地方大学がなくなるということは、若者の流出ですとか、女性の進学機会の喪失を招くおそれもあります。都心部と同じ基準で一律に整理していくのではなく、地域特性ですとか、交通のアクセスを踏まえた柔軟な判断が必要です。
また、先ほどから皆様がおっしゃっていたり、資料にありますが、地域や産業のための人材育成機関としてのみ評価するのではなく、本来の使命である教育と研究の観点は忘れてはならないと思います。産業界のニーズや国の方向性に過度に左右されることなく、こどもや若者の学びと探求の自由が尊重される議論をお願いしたいです。そして、その場にこどもや若者、地方の人を入れて議論していただけたらと思います。
また、こうした定員割れをしている大学は、今、企業がリスキリングと言っていますが、企業の中でリスキリングを支援していくというのはなかなか難しいかなと思いますので、定員割れした大学を地域社会に開かれた学びの場として、若者以外の人が再活用していくということも、もう検討していただいていると思いますが、そうした点もあるかなと思います。
高等教育の問題は、単なる教育政策だけでなく、少子化、社会保障、地方創生など、複数の政策領域にまたがる課題であると思います。今こそフューチャーデザインの観点から、各省横断的に取り組む必要があると思います。大学の縮小が結果的にこども、若者、地域に負の影響を及ぼし、地方から若者の流出を加速させるということがあっては本末転倒です。是非、財務省がその役割を担っていただきたいと考えます。
もう1点目が社会保障についてです。2030年までが少子化傾向を反転できるか、ラストチャンスとされていて、この根拠は1990年代に生まれた世代が出産、子育ての中心期を迎える時期になりますので、かつ、2030年には若年人口が減少する、急激に減ると言われています。そうした中で、2030年までがラストチャンスであり、1990年代に生まれた人たちが次こどもを産んでくれるかというのが、今、この国の重要な課題、鍵かなと思っております。
そうした中で、こども未来戦略が出され、多額な予算がつぎ込まれているというところなのですが、私は1995年生まれなのですが、1990年代生まれの世代の実情とニーズが反映されているかというと、あまりそうではないかな、そうではないと感じております。なので、しっかりとこうした世代のニーズを反映した実行力のある取組をお願いできたらなと思っております。
取組の設計、評価においては、地方自治体に、どのような効果ですとか行動変容を期待するのかというのを明確にしていただけたらなと思います。EBPMは国だけではなくて地方も大事ですので、そうした観点も共有いただけたらと思います。
最後に、中空委員がおっしゃっていたプランBも非常に重要かと思います。地方自治体の人口減少に関わる中で、どの時代の出生数を目標としているのか、現実的とは言い難い数値設定をしている自治体も少なくありません。これまでと同じ施策の延長で増やすことだけを目指すのではなく、人口構造の変化を前提とした持続可能な社会設計という観点から、増やすことだけではないことも、もう考えていく時期なのかなと思います。
ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、広瀬委員、お願いします。
〔広瀬委員〕ありがとうございます。
現在、欧米では格差の問題が深刻となりまして、分断と対立が深まっています。日本は、これまで適切な政策誘導によりまして、そこまではいっておりませんが、教育格差あるいは医療格差などが深まっていると、こうした指摘もございます。また、世代間格差や都市と地方の格差、こうしたことも指摘されております。
競争社会の活力が失われたり、個人の意欲が制限されたりすることは問題ですが、やはり格差や分断と対立が生む膨大な社会的コストの大きさを考えると、今後とも、財政による効果的、効率的な政策誘導は極めて重要でございます。
一方で、画一的、バラマキ的な政策誘導は、少子高齢化や現在の財政状態を考えると、持続不可能です。そうした観点から、社会保障と教育について、大きな方向性に絞って述べたいと思います。
社会保障については、保険料の現役世代の過度の負担、これを早急に減らすように、大きく舵を切るべきであると思います。また、医療費については、応能負担の考え方、これをさらに具体化、加速化していくべきと考えております。
教育につきましては、中小、義務教育のところと高等学校のところぐらいまでは無償化の方向をさらに進めるとともに、それ以上の高等教育は、専門性、多様性あるいは地域性、こうしたことを尊重する方向で、さらに特化あるいは差異化を明確にしていくべきであると考えます。
次に、防衛ですが、防衛につきましては、防衛力を強化するということと、GDPの2%にすることの二つの目標があるわけですが、これは重なる部分と、変な話なのですが、そうでないところがあります。本来の防衛力の強化は、人的、物的な制約、限界がある中で、現実的かつ効率的に進めていただければと思います。
一方で、2%のところですが、先般、ドイツに行ったのですが、ドイツでは、一般道路の補修も、軍隊の移動をスムーズに進めるということで、この部分に入れているという話がありました。いいのかどうか、あるいは本当かどうか分かりませんが、そうしたこともあります。
また、今回、日豪の間で、フリゲート艦が11隻、共同プロジェクトで決定しました。ニュージーランドも、恐らく、3隻追加になると思います。これは日本の造船業の再生という側面や、フリゲート艦は、半分は船、半分はデジタルの塊と言われておりますので、デジタル産業の発展にもつながるという側面もございます。
そうしたことで、防衛につきましては、これからも、したたかに、あるいはしなやかに、まさに、戦略的、戦術的に進めていただければと思います。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、堀委員、お願いします。
〔堀委員〕ありがとうございます。
義務教育について。人口減少、そして消滅の危機もあるという自治体がある中で、児童の将来推計に見合った教育の在り方を検討するということ、賛同いたします。現在、義務教育ではなく、高等教育ではありますが、高校で日本一生徒数が多いのはオンライン系の高校ということです。教育の在り方も変化しており、先ほど不登校が多いという話もありましたが、非常に多様化していて、今までと違う側面があるのではないかと思っています。したがって、今までは、ハード面あるいは教員の働き方がメインに焦点が当たっていましたが、ソフト面も見ていく必要があるかと思います。
それから、論文の生産性についてですが、今回の資料にはなかったのですが、近年、科学系のTop10論文では、順位の変動があり、1位が中国、2位が米国、3位がインドになっていると思います。その辺の分析も、少し必要なのではないかなと思います。若手の研究者につきましては、博士の学生が、非正規であったとしても、大学等に雇用されて安定した収入があるということも重要なのではないかと思います。
社会保障について。まず、医療についてですが、前回もお話しさせていただきましたが、診療報酬については、医療機能、種類別に見ていくことは非常に重要であると思います。中医協の10月29日の資料が今回も部分的に出されていましたが、このほかにも、地域の分類であるとか、あるいは経営主体、診療科の種類などもデータが細かくあると思います。そうしたものも踏まえて、検討していく必要があるかと思います。
また、医療機能の経営情報の見える化は、引き続き重要であると思っています。かかりつけ医機能の評価も実装のためにも重要であると思います。
それから、25ページの国保都道府県の保険料水準統一、2018年から国民健康保険の保険者が市町村とともに都道府県が担うようになったときに導入されたものです。先ほどどなたかがおっしゃったと思いますが、いつまでたっても進まない、ずるずるずるずる延びていまして、本当に目標期日を決めていかないとならないのでは。一般会計の繰入れもかなりありますし、いろいろ事情があることは分かりますが、都道府県が財政運営の責任者という役割を備えている以上、そこのところはしっかりやっていただくほうがよいかと。少なくとも、同じ都道府県であれば同じ保険料にしていくということが重要であると思います。加速化プランが始まったところですが、進めていただきたいと。
それから、27ページにある高額レセプトの基準超え値について、公費負担する高額医療費負担金、これの廃止もセットで進めていくと、恐らく、保険料水準のところの価値が出てくると思います。
すみません、あまり細かいことを言うと時間がなくなってしまうので、なるべく減らしますが、保険者機能というところで、後期高齢者医療のガバナンスって、とても重要であると思うのですが、後期高齢者の保険者は市町村により構成される後期高齢者医療広域連合になっていますが、将来的に都道府県が国保と同様に保険者的な形でやっていくことが望ましいと思います。今回提案されている内容もそう理解しております。そのために、都道府県知事の裁量の強化も必要であると思いますし、地域医療構想の推進も重要であると思います。
それから、介護についても、同様ですが、部屋代であるとか、あるいは光熱費等の細かいところとかありましたが、これも細かいことでも、どこのケアセッティングにいたとしても同じように公平に扱われるということは非常に重要であると思いますので、そうした視点で見直しをする、検討されるのは重要であると思います。
それから最後に、地域包括ケアシステムの実現・深化に向けて、都道府県の役割強化とあったのですが、介護保険の保険者も将来的に都道府県が市町村とともに担っていくというのが、人口減少の在り方を踏まえても、非常に重要なのではないかと思います。
また、先ほど40歳以上の第2号被保険者の話がありましたが、40歳以上からだけで本当にいいのか。介護保険のあり方に関係しますが、後期高齢者医療制度を適用される方たちに関しては、後期医療制度と介護が地域包括ケアの進化という形で統合して提供された方が整合的でしょうし、他方、年齢を問わず障がいで介護が必要な若い人たちもいるので、40歳の被保険者の区分をなくし、介護保険と障害者総合支援法の一部機能を統合して一緒にやっていくというような在り方もあるのでは。将来の人口減少を踏まえたときに、よりよい質を維持するために制度横断的な再構築の検討も重要なのではないかと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、小黒委員、お願いします。
〔小黒委員〕ありがとうございます。資料の内容については基本的に賛成ですが、社会保障②と防衛で少しコメントさせていただきます。
社会保障②ですが、まず、医療については、11月5日開催の財政審「社会保障①」で医療版マクロ経済スライド導入などに関する意見書を提出済みであり、今回は「少子化対策・子育て支援」と「介護」を中心に述べます。
まず、少子化対策・子育て支援です。資料7ページでEBPMが重視されていますが、これは重要で、地方創生が始まった2014年以降も、また「こども未来戦略加速プラン」が始まった2023年以降も、出生率は下がり続けています。この理由は何か。予算措置の拡充の声もありますが、EBPMという視点では、データの蓄積も進んでおり、可能なら財政審でも専門チーム等で、地方創生と出生率の関係を含め、KPIの妥当性やターゲットの誤解等がないか、まずは出生率低下の原因を丁寧に分析したうえで拡充などの精査や検討を行う必要があると思います。また、中身の精査という視点では、少子化対策と子育て支援の区分も行った場合、少子化対策の予算が本当にどの程度なのかも気になりますが、出産や育児のコストの中で最も大きいのは「機会費用」、すなわち出産や育児によって失われるキャリアや所得の損失です。この機会費用を引き下げる鍵は、企業と従業員の間で形成される労働環境にあります。これは大規模な予算を伴わずとも進められる改革であり、厚労省の「くるみん認定制度」のように、子育て支援と柔軟な働き方を両立させる企業を評価・支援する枠組みを一層拡充することが重要です。この点で、とくに注目すべき指標は企業別の出生率であり、人手不足の時代では企業も採用活動に利用できるメリットもあると思われ、政府と企業の間で「子育て等のパートナーシップ宣言」を行い、情報を公表した企業に対して公共調達などで優遇措置を与えるなど、「出産・育児のコストを下げる企業」を後押しする新たな仕組みの検討も望まれます。
次に、介護です。これから生産年齢人口は2020年から2050年にかけて2,000万人以上減少し、介護分野の人手不足は一層深刻化します。現役世代の保険料負担をこれ以上増やさずに、インフレや賃上げ対応のため、介護職員の賃金を引き上げるには、生産性の向上が不可欠です。「社会保障②」資料58ページにもあるとおり、見守りセンサーや記録の自動化、介護のロボット活用などは進んでいますが、対人ケアの多くは人にしかできず、技術だけでの解決には限界があるのも事実に思います。したがって、安全性を確保しつつ「介護職員1人当たりの要介護者数(人員配置基準)」を見直すことが避けられない局面にあります。軽度者や自立支援型のサービスだけでなく、より介護度の高い領域でも1人の職員が複数の高齢者を支援できる仕組みを整えることが現実的です。限られた人材で介護保険制度の持続可能性を高めるには、佐藤委員からも指摘がありましたが、人員配置基準の柔軟化や質の評価を含め、制度設計そのものを見直す覚悟が求められます。
それから最後、防衛です。防衛費の一定程度の拡充は避けらないと思いますが、防衛費を2、3倍にしても、防衛力が2、3倍になるとは限らず、真に必要なのは、限られた予算でも、防衛戦略の中身と人材の質をいかに高めるかという視点ではないかと思います。人口減少の中で、自衛官の確保と育成は防衛政策の持続性を左右します。処遇改善だけでなく、教育・キャリア形成・再就職支援までを含めた「人への投資」を一体的に進める必要がありますが、自衛官が減少しても防衛力を維持できる戦略を検討する必要があると思います。この点では、「有事に備えた財政余力の確保」の重要性は言うまでもないですが、韓国の動きもあるなか、小泉防衛大臣が原子力潜水艦に言及したように、従来型の個別装備品の議論や、デュアルユースの活用にとどまらず、財政審の枠外かもしれませんが、従来の枠を超えて、予算の制約も念頭に、国家安全保障戦略そのものの中身も検討すべきに思います。いずれにせよ、国民的な議論も必要ですが、急速に進展する国際秩序の変容もあり、韓国の原子力潜水艦の装備や、核を保有する中国・ロシア・北朝鮮などへの対応を含め、防衛予算の再構築と一体で、日本も「新たな安全保障のかたち」を示すことが必要な段階にあると思います。このような視点も含め、建議のご検討をいただけますと幸甚です。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕最後、田中委員、よろしくお願いします。
〔田中委員〕ありがとうございます。
文教に関して、まず近年、特に高等教育では、教育界と社会が連携して、共に人材を育成するということに注力をされてきました。政府の17の戦略分野の成長のためにも、やはり人材育成戦略は欠かせませんので、今後の人材育成においては、財源や資金調達も多様化をして、多様な原資や知恵や考え方を入れていくことが有効かと思います。
頂いた資料の16ページのように、海外ではソーシャルインパクトボンドなどで成果重視型の教育支援にも成功例はありますし、政府や企業、個人寄附、大学基金が共同で出資するような共助型の教育支援ファンドなどもありますので、これらが拡大されていくといいだろうと思います。
そのためにも教育研究の可視化による納得感の創出というのは大切で、特色ある研究や、教育支援が国民生活にどう還元されているかを可視化して、各大学の研究成果や地域貢献、雇用創出を国民に見える形でダッシュボードで公開をする、そして実例で、納得感を得ていく努力と工夫が問われるなと思っています。
美術館・博物館に関しては、日本の有力かつ魅力的なコンテンツですので、国際基準に照らした料金改定や、対象や時期に合わせた弾力性のあるような料金設定があってもよいのかなと思います。比較的長い時間滞在する空間や場所でもありますので、高付加価値なグッズとか、商品とか、体験型メニューとか、アカデミックなイベントとか、企業とのコラボ企画など、BtoB商品の収入の拡大やレセプションや式典などで有効活用して、新たなBtoBの収入減も模索していくことができると思います。その際には、先生方からお話があった運営費交付金の設計の見直しとか検討というのもあるべきなのかもしれないと思いました。
最後、防衛は、安全保障の重要性が高まっている中ですが、防衛費の増額というだけでは、広く国民に納得されにくい面があるのかなと感じています。何に、いつまでに、誰のために使うかのようなプロジェクト一覧を国民向けにつくってみたり、コストデータバンクの活用による効率的かつ透明性ある運用はいいことですが、各プロジェクトごとに期待される効果、公共インフラの防護に果たす役割なども定量的、定性的に示すことなどがあると思います。備品調達や研究開発に主眼を置いた情報共有にとどまらずに、本日出ているデュアルユースの観点からも、防衛力強化の機材を増やすことが災害時の救護や重要インフラの防護にも使える、国民の命と暮らしを守る投資にもなるというメッセージを出すことも有効ではないかと思います。
ありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕御質問は、中空委員と佐藤委員と藤谷委員から、河本主計官への御質問であると思うので、手短にお願いします。
〔河本主計官〕はい、分かりました。
中空委員から、高校無償化の効果検証に御質問いただきました。今、実務者協議をやっておりますが、この中でも3年以内に見直しということが決められておりますので、それも踏まえたデータ整備をしていくことによって、定性的、定量的な効果検証をしていくということが必要であると思っています。
それから、運営費交付金の御質問を佐藤委員からいただきました。運営費交付金のルール上は、全ての独法において、当然、自己収入が出たら、公費の入る分は普通は減るのですが、それはあくまで支出が同じという前提でございまして、通常、自己収入を増やしたら支出も増やすものですから、普通、これで国からの交付金が減ることは、ほとんどないということでございます。
それから、美術館については、いろいろ御指摘がありましたとおり、確かに企画展とあとは公募展、これで稼ぐ体質となっております。料金を設定するときに、自国民かどうか、居住者かどうかと、国籍要件なのか、納税要件なのか、いろいろな切り口があると思いますが、実際、実施するときには、そうしたいろいろな観点も含めて検討することが必要かと思っています。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
先ほど河村委員から、報酬増もいいが、みんな院長が持っていってしまうのではないか、何とかならないかというのは質問とおっしゃっていたのですが、横山主計官、何かありますか。
〔横山主計官〕大来が外しているので、私からお答えいたしますが、診療報酬の中では、ベースアップ評価料のように、特定の費用と結びついて配分される報酬もありますが、それ以外の分は中医協で配分されております。したがって重要なことは、まず、政府側で予算編成とセットで診療報酬の大枠を決めるときに、きちんとそれがどういうものに使われるのかを政府側でまず縛っていくことが一つ。それからもう一つは、河村委員からもお話がありましたが、中医協での議論の中身の透明性を高めていくこと。この二つが非常に大事ではないかなと考えております。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
予定時間10分超過しまして大変恐縮ですが、本日は以上で、御意見、質問は終了させていただきます。
議題は以上ですが、いつもどおり、この会議の内容については、この後、記者会見で私から紹介をさせていただきます。
それと次回ですが、11月20日木曜日の9時から11時まで、「令和8年度予算の編成等に関する建議」の素案について、御議論いただく予定でございます。起草委員の方に案を作っていただき、できるだけ早く委員の皆様方に案を送付して、その上で御意見をいただく、こうしたことにしたいと思います。この場でお話を頂ければと思います。
それでは、本日はこれにて閉会させていただきます。どうもありがとうございました。
午前11時40分閉会

