財政制度等審議会財政制度分科会
議事録
財政制度等審議会財政制度分科会議事次第
令和7年11月7日(金)14:58~17:17
第3特別会議室(本庁舎4階中-412)
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1.開会
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2.議題
- 外交・デジタル
- 国内投資・中小企業等
- 社会資本整備
- 農林水産
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3.閉会
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分科会長代理 |
増田寛也 |
舞立副大臣 中山次長 吉沢次長 一松次長 澁谷主計企画官 山岸司計課長 原田法規課長 玉川給与共済課長 浅賀調査課長 松本主計官 石田主計官 山本主計官 内藤主計官 末光主計官 河本主計官 大来主計官 横山主計官 宮下主計官 山川主計官 馬場主計官 高田主計監査官 杉谷予算執行企画室長 黒坂主計企画官 小田切公会計室長 |
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委員 |
大槻奈那 河村小百合 熊谷亮丸 小林慶一郎 佐藤主光 武田洋子 田中里沙 土居丈朗 山口明夫 芳野友子 |
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臨時委員 |
上村敏之 遠藤典子 小黒一正 木村旬 國部毅 小林充佳 滝澤美帆 平野信行 広瀬道明 福田慎一 堀真奈美 神子田章博 村岡彰敏 横田響子 吉川洋 |
午後02時58分開会
〔増田分科会長代理〕それでは、間もなく会議を始めますが、初めにカメラが入りますので、そのままでお願いします。
(報道カメラ 入室)
〔増田分科会長代理〕ただいまから、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
本日は、舞立副大臣にお越しをいただいております。本日はありがとうございます。
それでは、副大臣から、冒頭御挨拶を頂戴したいと思います。よろしくお願いします。
〔舞立副大臣〕皆様、お疲れさまでございます。このたび財務副大臣を拝命させていただきました舞立昇治と申します。増田会長代理をはじめ委員の皆様におかれましては、日頃から、本分科会への御協力に御尽力いただきまして、本当にありがとうございます。
私、国会議員になる前は、最初、総務省で勤めておりまして、本省はもとより、厚生労働省、そして地方公共団体への出向等、約14年間勤めさせていただいておりました。その間、下関市役所や、そして新潟県庁で予算編成も担当させていただいた経験もございます。その当時は、この財政制度等審議会、非常に遠い存在のように見ておりましたが、このたび皆様と一緒に仕事ができることになりまして、大変うれしく思っておりまして、どうか御指導いただければというふうに思っております。
本分科会での御意見を踏まえまして、メリハリのある予算編成を行ってまいりたいと考えておりますので、本日は大所高所からの貴重な御意見を賜ればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〔増田分科会長代理〕副大臣、どうもありがとうございました。
それでは、そろそろ報道関係の方、御退出お願いいたします。
(報道カメラ 退室)
〔増田分科会長代理〕それでは、議事を進めます。本日は、「外交・デジタル」、それから「国内投資・中小企業等」、続いて「社会資本整備」、最後に「農林水産」、以上の四つの議題について御議論、御意見を頂戴したいと思います。
それでは、これからの進め方ですが、本日も前回同様、事務局からの説明は極力簡素に、概要のみの説明とさせていただきます。
初めに「外交・デジタル」について、こちら山本主計官から御説明お願いします。
〔山本主計官〕ありがとうございます。それでは、外交について御説明させていただきます。
国際関係が激変する中で、ODA政策は、欧米等を中心に予算の削減の動きがございます。一方、日本では、足もとでは国民の理解の低下や、国際交流に対するより厳しい見方が見られるところです。そうした中、どのようにすべきかということですが、まず、当面の予算抑制を図りながらも、ODAについて事業の進捗状況を正確に把握し、効率的な事業マネジメント、これをしっかり進めていくべきではないかと考えます。また、JICAについては、国際機関や他省庁との更なる連携を図るなど、事業の重複排除と多様な主体の協調により、効果の最大化を目指すべきと考えます。
さらに、国際機関等への拠出金は、加盟国による負担の分かち合いに意義があると考えます。各国の経済成長も踏まえて、分担率を見直すべきではないでしょうか。また、日本が負担を負うに際して、日本の2国間援助と国際機関による援助との連携をしっかりと積極的に説明をして、国際機関での正当な評価を得るよう取り組むべきと考えます。さらに、広報・文化活動、日本の魅力を伝える活動ですが、価値に対する理解を広げることが重要と考えます。全てただである必要はないと考えています。適正な対価としてコンテンツや施設の利用料を求める、そうしたことで、むしろ参加者の意欲を喚起することができると考えます。そうした戦略的な事業実施に取り組むべきと考えております。
デジタルについて御説明します。政府の情報システムは、デジタル庁が一元的に監理をし、運用していくという方針でやっておりますが、その予算は増加傾向にございます。政府が掲げる運用経費の3割削減の目標がありますが、直近の決算ベースでは8%の減少が確認されていますが、他律的な要因等で、総額としては増加になっております。引き続き運用経費の削減に取り組むとともに、3割削減目標の対象外である整備経費、これについても優先順位をつけた整備を図っていくべきと考えます。
また、こうした取組を進めていく上で、しっかり分析することが大事なわけですが、レビューシートの中で費用対効果の分析を示していますが、それをさらに発展させ、精緻化させることが重要と考えます。それをまた予算配分にも活用していくべきではないかと考えております。特に今後、生成AIの活用を見込む中で、その効果を着実に把握して、人件費等の抑制にも反映していくべきと考えます。
最後に、自治体情報システムの標準化に係る運用経費、これについて、経費の増加の声があるところですが、まずは見積りの精査、これに対する支援を着実に実行すること、そうして将来的な見通しをしっかりつけていくべきと考えております。
以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
続きまして、次の議題である「国内投資・中小企業等」の説明をお願いしたいと思います。内藤主計官からお願いをいたします。
〔内藤主計官〕経済産業予算の担当主計官をしております内藤でございます。どうぞよろしくお願いします。私からは、国内投資・中小企業等、このポイントについて御説明申し上げます。
まず、企業部門の状況でございますが、2024年度に過去最高の経常利益を達成するなど、企業部門の業績は好調な状況にございます。足もと、引き続き米国関税等の影響を注視する必要はございますが、企業の業況、景況感は依然高く、米国関税措置に関する日米合意後は不確実性も減少している状況にございます。一方で、企業の人件費や設備投資は利益の増加ほどには伸びておらず、特にコロナ禍以降、現預金残高も上昇している状況にございます。したがいまして、こうした企業の豊富な資金を賃上げや投資拡大に回すことによって、民間主導の成長型経済を実現していくことが重要かと存じます。
こうした企業部門の状況の一方で、産業政策におきましては、近年、補助金による企業支援が大きく増加しております。こうした補助金による支援では、自走可能な取組とならないおそれがございますので、支援の必要性や在り方の精査に加えまして、出口戦略を設けることや、長期的にリターンが期待できるような分野につきましては金融支援を活用していくことが重要かと存じます。
次に、個別部門として、まず、グローバルサウス支援の事業につきまして、これは実証事業でございますが、企業の従来事業の拡大の域を出ないような事例が見られるなど、支援の対象範囲の妥当性や政策効果について検証が必要ではないかと思われます。
次に、経済安全保障に係る支援につきましては、国際環境の変化に対応して、中長期的視点に立って重点的な支援が必要であろうかと存じます。その際には、物資ごとに効果的かつ効率的な支援を検討することにくわえて、近年のGXやAI・半導体支援と同様に、複数年度にまたがる計画等に基づいて、財源を確保しながら積極的・計画的に支援を実行していくことが必要かと存じます。
次に、中小企業支援につきましては、コロナ禍で未曽有の水準まで増加した予算額が、依然コロナ禍前の平時の水準に戻っておらず、補助金の予算額、種類とも膨らんだままとなってございます。中小企業が賃上げを進めていく上では、経営力を強化して生産性向上に取り組むことが重要ですが、現状では自社の経営状況を十分に分析できていない企業も多く、現預金保有比率も増加してございます。したがいまして、中小企業が適切なリスクテーク、攻めの経営を行えるよう、経営力強化のための伴走支援、さらには価格転嫁対策や金融支援の活用等が重要ではないかと思います。補助金による支援につきましては、補助金依存の強まりやコスト意識の低下により、かえって生産性や新陳代謝を阻害するおそれもございますので、そうしたことにならないよう、真に必要な支援に重点化していく必要があろうかと思います。
私からは以上でございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
続きまして、「社会資本整備」ですが、こちらは山川主計官から御説明をお願いします。
〔山川主計官〕国土交通省担当の山川と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
まずは公共投資総論でございますが、ポイントの一つ目と二つ目部分ですが、経済全体で人手不足、中でも建設業は一段と厳しい人手不足の状況でございます。そうした中、公共工事の過度な増大が民間工事の円滑な施行や緊急を要する災害対応に悪影響を及ぼすクラウディングアウトのようなことにはならないよう留意が必要であると考えております。
ポイントの三つ目ですが、大きく二つございまして、今申し上げたようなクラウディングアウト、規模の制約というものがある中、一方、埼玉県八潮市の事故もございましたが、老朽化対策、防災・減災対策は待ったなしであると思っております。そうすると、やはり基本に立ち戻って、限られた規模、予算の中、必要な国土強靱化に一層の重点化を進めていく必要があると考えております。これが1点。
もう1点は、上下水道の事例や住宅の事例を出させていただきましたが、重点化する強靱化以外の部分は厳しいのかと申し上げると、必ずしもそうではないだろうと。これまで以上の徹底的な効率化を進めることによって、重点化する強靱化以外の部分についても、政策目的をこれまで以上に達成することが可能ではないかということを申し上げております。
ポイントの四つ目、各論でございます。まずは整備新幹線。整備新幹線の整備につきましては、国民負担や住民負担の適正化、国税及び地方税の投入の適正化という観点からは、JRさんからの貸付料が適正なものかということを検証することが非常に重要であると思っておりまして、それを様々な視点から申し述べております。
最後、物流でございますが、物流についても人手不足への対応が必要でございまして、データの連携等々書いておりますが、一つ事例を申し上げますと、鉄道によるモーダルシフト、これはJR貨物さんの事例でございますが、これまで多額の支援をしてきたのですが、シェアを全然伸ばすことはできておりませんので、抜本的な改革が必要であろうということを申し上げております。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、最後の議題になります。四つ目になりますが、「農林水産」、こちらは宮下主計官から御説明をお願いします。
〔宮下主計官〕農林水産予算担当の宮下でございます。よろしくお願いいたします。
今回の資料では、大きく3点、問題提起をさせていただいております。
1点目でございます。ポイント紙の丸の一つ目でございます。農業従事者の減少が進む中で、農業の生産性を向上させていくということが重要になっております。そのためには、農地の集約化をいかに進めていくかということが課題になっているところです。農政の分野では、5年間の農業構造転換集中対策期間で、本格的な構造転換を進めていくということが議論されているわけでございますが、各市町村が策定する地域計画、これは資料の5ページ、6ページにありますが、十分でないと評価せざるを得ないものが多いという状況になってございます。単に予算事業を行えばよいということではなくて、地域計画が実効性のあるものとなるよう見直しを行っていくことが重要であるというふうに記載させていただいております。
二つ目でございますが、今回の米価高騰を踏まえますと、資料の11ページ、12ページにございますが、米の流通段階でのマージンというものが、過去と比べて比例的な形で大きくなっております。その要因につきまして農水省でしっかり分析することが必要ではないかと書かせていただいております。また、フードGメンの有効活用、それから、米の現物市場、先物市場の活用も含めまして、米の価格が需給を反映する形で安定的に形成されるようにしていくことが重要であるというふうに書いております。
それから、二つ目のポツですが、民間在庫の一部を民間備蓄として活用することを含めて、効率的な備蓄運営の在り方を検討することが必要。それから、三つ目のポツでございますが、ミニマムアクセス米の中で中粒種が増加しております。これは結果として、ミニマムアクセス米に係る財政負担の更なる増加にもつながるわけでございますが、米の安定的な供給に不安が生じるような場合における輸入米の運用の在り方を検討することが考えられるのではないかとしております。
なお、今のミニマムアクセス米の運用の話とは全く別の話になるのですが、今の日本の国内での米の流通の状況を見ますと、国産米の価格が高止まっているという中で、ミニマムアクセスの枠外で、高い枠外税率を支払って主食用米を輸入する動きが拡大しております。言わば国産米の市場シェアが奪われてしまっている状況にありまして、将来的な食料安全保障の観点なども踏まえまして、よく注視していく必要があるというふうに考えております。
最後の丸でございますが、令和9年度から、水田政策を根本的に見直し、水田活用の直接支払交付金を作物ごとの生産性向上等への支援へと転換するという方針が示されております。これから具体的な検討、議論が進んでいくものと承知しておりますが、適地適作、収益力向上の考え方の下で、農業が自立した産業となるよう土地利用型農業全体の構造を変えていくことが重要である、広く薄い財政支援ではなくて、将来の地域農業を担う経営体の前向きな取組に対して支援を重点化していく方向で検討する必要があるとさせていただいております。また、飼料用米の支援の在り方、それから麦・大豆等への支援の在り方も改めて考えていく必要があるというふうに記載させていただいております。
最後、9ページの資料ですが、右側の図を最新のものにデータを更新させていただいております。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。それでは、審議に行きますが、本日は、芳野委員、小黒委員、そして御欠席の長澤委員から意見書が提出されております。こちら各端末に格納しておりますので、お目通しをいただきたいと思います。
それでは、國部委員から御発言を頂戴したいと思います。よろしくお願いします。
〔國部委員〕私からは5点申し上げたいと思います。
まず、国内投資・中小企業等についてです。全体を通じて、補助金一辺倒ではなくて、様々な金融手法を一層活用すべきと指摘いただいておりますが、その方針に同意します。とりわけ中堅・中小企業支援に関して、資料21ページでお示しいただいたように、例えばエクイティーファイナンスは外部資本が入ることによるガバナンスの強化、メザニンファイナンスは資本性ローンの供給を通じた財務柔軟性の向上といった効果をそれぞれ期待できます。足もとで民間金融機関においてもこうした取組が拡大しつつあるところであり、政府系金融機関による金融支援は民間のリスクマネーを一段と呼び込む契機となります。今後も官民で連携して、役割の分担及びリスクシェアの在り方の検討を進め、我が国の成長企業を支えていくことが重要と考えます。
続いて、外交・デジタルについて2点申し上げます。
まずODAについて、ODAの事業の進捗状況を正確に把握し、効率的な事業マネジメントを推進する方針に同意します。重点分野の選定と資源配分の最適化、KPI設定、成果の公開、事後評価の強化などを併せて実施することで、ODAの実効性や透明性を一層高めていただきたいと思います。ODAやOSAについては、我が国を取り巻く安全保障環境が複雑化している中、その戦略的価値が一層高まっており、質と戦略性を向上させながら、必要な規模を確保することが重要です。この点、経済安全保障上の要衝であり、成長性にも期待できる東南アジアにおいて、インフラや人材育成、サプライチェーン強靱化等の分野で支援を深化させることが有効と考えます。
次に、自治体DXについて、急速な人口減少に悩む自治体の人的負担を軽減するとともに、住民サービスの向上にも資する取組であり、着実な移行作業が進展していることを評価します。一方で、移行後の運用経費等の増加に関しては、想定影響の織り込みや経費の見通しが甘かったと言わざるを得ないのではないかと考えます。各種要因のそれぞれの寄与を明らかにしながら、経費見通しの精緻化を進める必要があります。今後は自治体に対して個別にアプローチし、支援を着実に実行するとのことですが、個別対応を続けるあまり、例えば新たなシステムが有効活用されずに、悪い意味でレガシー化してしまえば本末転倒です。全体最適の視点を忘れることなく、支援を継続していくことが重要と考えます。
次に、社会資本整備について、人口減少が急速に進む中、23ページでも指摘されているように、将来的な空き家の更なる増加と、それに伴う社会的コストの増加が大きな懸念です。くわえて近年は、大変新築住宅の価格高騰に歯止めがかかっておらず、過熱感もうかがえます。こうした状況を踏まえると、今回の資料で示された、「従来の新築住宅の取得促進から、中古住宅の流通・利活用へと重点を移す」という方向性には賛同できます。
もっとも、今後の住宅政策のあるべき姿については、腰を据えて議論すべきです。とりわけ、空き家の活用や中古住宅の流通が進まない点は、かなり古くから指摘されてきた課題であり、財政支援だけで十分な効果を得られるとは考えにくい問題です。財審で議論すべき論点ではないかもしれませんが、問題の真因の分析と対応を促すことで財政効果を高めていく努力も必要と考えます。
最後に農林水産に関しては、農業を成長産業に育て、将来的な輸出競争力の確立につなげることが重要と考えます。こうした理想像の実現に向けて、農業DXやスマート農業技術の活用といったソフト面のみならず、農地集約化など、ハード面の整備を着実に進めて生産性を高めていく必要があります。とりわけ、資料3ページで指摘されているように、担い手への農地の集積率は、一定程度上昇しているものの、更なる集約化が課題と考えます。この点に関して、日本農業法人協会のアンケート調査によれば、農地集積・集約化が進まない要因として、地域全体に農地集積・集約化の機運がない、あるいは関係機関が農地集積・集約化に積極的でないといった回答が多く挙げられています。今後は、各市町村における地域計画の策定を進展させるとともに、集積・集約化の機運醸成に関するインセンティブの付与といった、何らかの財政的措置を講じることも一案ではないかと考えます。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、田中委員、お願いします。
〔田中委員〕田中です。どうもありがとうございます。
今回ポイントでまとめていただいている内容というのは、本当にふだんニュースでも多くの人が少し聞いたことがあるなというふうな切り口ですし、財政健全化のために、このまま放置しない方が良いのではないかなというふうに気づかせてくれるものをまとめていただいて、いろんな施策も出していただいていますので、エビデンスもしっかり示しながら理解の醸成というのを図っていければなと思う次第です。
私から各論としては、まず行政のデジタル化のところですが、ここは本来は国と地域が連携をして、デジタル費用をグロスで削減することというのが目指されていたと思うのですが、実際には、人材不足というところもあるかもしれませんが、移行コストが増大してしまったり、既存のシステムとの整合性が合わなかったりとか、あと運用コストの増加というのも各所で見られるかなというふうに思っております。IT投資というのはこれからも続きますし、技術、アップデートをどうしても継続してやっていかなければいけませんので、効率化が果たされるかどうかというのを管財とか見積りの際から検証しながら、PDCAを回すというふうなことを徹底すべきかなと思っています。
続いて中小企業は、多くの人の雇用と生活を担っている中なのですが、これまでも補助金を投入されていると。補助金を無駄にしないための経営戦略の実行というのがやはり必要で、中小企業も付加価値を高めて賃上げをしていくと、賃上げのためには価値をつくり出していかなければいけないということになりますので、ビジネスモデルを変革して、AIやデジタル活用からの経営分析や顧客分析を行いながら新たな市場開拓をしていくということが、このたびの中小企業の未来戦略にもなるのかなというふうに思います。
先般、中小企業庁が100億企業創出支援というのを打ち出されまして、ここに1,900社近い企業が宣言、申請を出したということを伺っているのですが、これは大変目線が上がって活力になるなというふうに思うところではございますが、やはりいろいろメニューのある伴走支援が本格化するためにも、今回の補助金の目的とビジョン、例えばこの一つの補助金をとってみてということですが、ビジョンと合致をして、生産性向上や販路開拓であるとか市場開拓というのができるのかどうかというのは、みんなで検証しなければいけないと思いますし、事業計画が適切で、それが実行されるかというのも見ていくと、そこにサポートをしていくということも大事かなと思っています。大手企業も新事業等に取り組むときには、3年で黒字、5年で単黒のようなことを一応目指してということが一般的かというふうに思いますので、中小企業に入る支援も時限的に、また、スケジュール感の中でどうかということをしっかり見ていくことが必要かなと、それが全体のためにもなるなというふうに思います。
また、ここではデジタル投資がやはり中小企業を伸ばす大きなポイントになると思いますが、実際にDXに取り組んでいる中小企業というのが、この間、中小機構のデータを拝見したら18.5%程度ということで、やはりまだまだギャップがあるというふうな実態があります。また、業務効率化だけではなくて、やはり生産性が上がるような、顧客開発になるような、データでもって意思決定ができるような、そうしたDXの使い方というところにシフトして強化をされたいなと思います。
最後、社会資本整備ですが、インフラを担う方々というのは本当に高齢化して、また民間のみならず、地方自治体の技術者も減少傾向にあります。国交省関連では、広域とか複数とか、多分野のインフラを群として捉えて、群マネということを推進していますし、技術職員の方々もまた群となって広域的に連携するという、人の群マネのようなことも標榜されて、今から進むところ、実際に少し着手されているところであると思いますので、成果もタイムリーに公開されながら発展していただきたいというふうに思いますし、また、災害が甚大化する中で、河川においては流域治水の考えで、民間の力も生かすということが常に検討されていますので、官民の費用分担を投資の観点から有効にしてもらって、共に地域のインフラを官民で支えるというふうな形のスタイルをつくり上げるということが国民の理解を得るポイントになるかなと思います。
上下水道の事業というのは、全国で、施設や水道管の老朽化でのリスクや人口減少、空き家の増加で料金収入の課題などが本当に山積なわけなのですが、先日少し聞いた、例えば愛知県の豊田市なんかでは、人工衛星やAIのビッグデータを活用して、事前に対応して管理のモデルをつくるというふうなことが始まっているということですので、このような優良な事例は水平展開をしてもらって、迅速に導入して推進していくということが肝要かなと思います。よろしくお願いします。
〔増田分科会長代理〕それでは、木村委員、お願いします。
〔木村委員〕御説明ありがとうございました。各主計官おっしゃっていること、どれもうなずけることが多くて、基本的な方向性には賛同いたします。
その上でコメントですが、国内投資に関しては、総理が一丁目一番地的に、強い経済のために成長投資及び危機管理投資を掲げていらっしゃいます。その観点、重要なのですが、気になるのは対象分野が17分野と、かなり幅が広いということです。その中には国土強靱化とか旧来型の分野も含まれて、果たして戦略的な投資と呼べるのかと、少し疑問に感じるところもあります。資料でも示されていますように、既に政府はGXで150兆円超、官民投資やっていますし、あとAIとか半導体でも10兆円以上の公的支援に着手されています。さらに投資を重ねて、それがどこまで効果が見込めるのか、そこをこれから明確にしていく必要があるのではないかと思います。資料9ページにもありますように、過去の支援で期待された成果が上がらなかったケースが複数あります。これを踏まえて、十分なエビデンスに基づいて、安定的な財源も確保した上で取り組まなければならないというふうに思っております。
投資は国内だけではなくて、アメリカとの関税交渉で、政府系金融機関も関与して80兆円以上の巨額の対米投資が決まったわけで、今後3年半で年20兆円以上ですか、それでアメリカが主導する枠組み、スキームでもあるので、どこまで日本企業の利益になるか分からないところもあります。国内外の大規模な投資にこれから政府が関与していくのでしたら、その妥当性をしっかり見極めた上で枠組みを構築していっていただきたいと思います。
それからまた、次に社会資本ですが、資料で、人口減少社会の中で社会資本整備はどうあるべきかという重要な方向性を示されたと思います。特に厳しい人手不足の中で、生産性を向上させつつ、公共工事が過度に増大しないよう必要なものに絞り込んでいくことが重要であるということがよく分かりました。資料5ページでもあるように、日本の固定資本ストックは主要先進国で極めて高い水準にあるということなので、今後、道路などの新設よりも、老朽化したインフラの機能維持とか長寿命化に向けた対策に重点化する必要がこれまで以上に高まっているということではないかというふうに思います。政府は来年度から5か年の新しい国土強靱化計画をまとめられて、その事業規模は大体20兆円というふうにされていますが、その中に老朽インフラの更新もある程度含まれているようですが、それも結構な規模に上ると見られていて、この厳しい財政状況の中でどうやって賄うのかということが問われると思います。
そうしたときに、なぜかガソリンと軽油の暫定税率の廃止が決まってしまって、それに伴って年1.5兆円もの穴が空いてしまうと。これは果たして妥当な判断だったのか、脱炭素にも逆行しますし、私は非常に疑問の多い判断であると思いますが、この穴を埋める財源として、何かしら新たにこの老朽インフラの整備費に充てる財源を今後、考えてもいいのではないかと思います。これから具体的な財源確保策を議論されると聞いていますので、是非老朽インフラの整備費、これも重要なテーマとして議論していただきたいと思います。
最後に農林水産に関して、これは主に米に関して申し上げたいと思いますが、今の物価高の中で大きなウエートを占めるのはやはり食料品ですが、これ、要因としては海外の供給不安とか、あるいは円安とか、必ずしも政府がコントロールできない要因で食料品、上がっているところも多いのですが、この中でも米はほぼ国産で、天候要因とかはありますが、基本的には農政のかじ取り次第で価格というのはある程度落ち着かせることは可能であると思われます。それだけに今後の農政の在り方というのは、物価高対応としても極めて重要であるというふうに思っております。
そこで、資料にもある今年の4月の基本計画、ここで米増産というのを打ち出されて、極めて意義のあることであると思ったのですが、ここに来て、なぜか来年の米は減産であるという方針が示されて、政府として増産したいのか減産したいのか、私にはよく分からないのですが、農水省は米の不足感は解消されているというふうに説明しておりますが、これは消費者の実感からはやはりかけ離れているのではないかという気がします。過去の農政は高関税と生産調整、いわゆる減反で中小農家を保護するという方針で行われてきたのですが、こうした保護政策が農家から体力を奪って、生産力を低下させて米不足を招いたのは明らかであると思います。保護するはずの農業従事者が減少して、高齢化も進んでと、こうした流れに歯止めがかからず、農業を守るだけでは守れないという事態に陥っています。
こうした流れを反転させるのが、本来、今回の資料でも示されましたように、農業の生産性の向上と農地の集約化であり、そのために必要なのが、従来のような広く薄い財政支援ではなくて、将来の地域産業を担う経営体の前向きな取組に支援を重点化することであると思います。米増産すると価格が下がって、農家が再生産できないというふうに言われますが、農業の生産性を高めれば農家の損益分岐点も改善して、安い価格でも採算の合う農業になれるのではないかという思いもいたしております。価格競争力がつけば海外への輸出が増えるという効果、政府の目指しているそうした効果も見込めると思います。今後の予算編成では、米騒動の教訓も踏まえて、資料にもあるような農業の本格的な構造転換につながるように取り組んでいただきたいと思っております。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、熊谷委員、どうぞお願いします。
〔熊谷委員〕ありがとうございます。本日の多くのテーマに通底する発言をした後で、中小企業政策と農林水産について、一言ずつコメントさせていただきます。
まず、足もとの日本経済に関する最大の政治的なテーマは、1人当たりの実質賃金の低迷ですが、これをもたらしている主因は、時間当たりの労働生産性の低迷と、労働時間の減少の二つです。すなわち、過去20年間の米国と日本の1人当たり実質賃金の1年当たりの伸び率の差は1.2%ポイントですが、これを五つの要因に寄与度分解いたしますと、日米両国の時間当たりの労働生産性の差と、我が国における労働時間の減少とが、おおむね2分の1ずつ寄与していることが確認できます。
まず、労働生産性の低迷は、本日の多くのテーマに共通する問題点ですが、我が国で労働生産性が低迷している第1の原因は、産業企業の新陳代謝の遅れです。米国などでは生産性の高い分野に賃金や労働資源が投入されているのに対して、日本では低生産性分野にそれらが張りついています。
第2の原因は、第1の原因とも密接に関連しますが、労働市場の機能不全です。私は、同一労働同一賃金の実現などを通じた正規・非正規の格差是正や、リスキリングなどの人への投資の活発化、労働市場の流動性向上等が労働生産性引上げの鍵になると考えています。
第3の原因として、成長分野への投資が不足しています。今後、高市政権は危機管理投資等を強化して、企業の予見可能性を高める方針ですが、先ほど木村委員からも御指摘があったとおり、重点投資分野が17個もあるのは、やや総花的な印象が拭えませんし、我が国の厳しい財政状況等に照らせば、同時にプライオリティーが低い分野の予算は削減することが不可欠であると思います。
第4に、ダイバーシティーの欠如などから、イノベーションが起きておりません。
第5に、現状は、企業経営力やガバナンスが満足できるレベルに達しているとは言い難い状況です。
ここまで、日本の労働生産性が低迷している五つの代表的な原因を指摘しましたが、いずれも政府が財政支出の量を増やしただけで解決するような単純な問題ではなく、EBPMの推進などを通じた財政支出の質の向上と規制・制度等の改革を車の両輪として解決を図ることが不可欠であると考えます。
なお、我が国における1人当たりの実質賃金の低迷をもたらしているもう一つの主因である労働時間の減少に関しては、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和を検討することは一考に値します。大和総研の試算では、追加就労を希望する雇用者がその希望どおりに働けるようになった場合には、1人当たりの労働時間及び1人当たりの実質賃金は最大で3.6%増加する計算となります。
個別分野についてでございますが、まず、現在の中小企業政策は、競争力や労働生産性の向上などを目的とした経済政策としての側面と、弱者保護などを目的とした社会政策としての側面とが混在している印象を受けます。今後に関しては、経済政策としての側面により一層ウエートを置くべきであり、補助金による支援を常態化することなく、価格転嫁対策などへの徹底的な重点化を行い、生産性の向上や新陳代謝を阻害しないことがポイントであると考えます。また、弱者保護などを目的とした社会政策という観点からは、将来的には、企業を一律に保護するのではなく、弱い立場の個人により一層焦点を当てて、産業と企業の新陳代謝を前提としながら、失業なき労働移動を加速し、働く人々の命と暮らしを守るというインクルーシブな政策へと移行する必要があるものと考えます。
最後に、農林水産については一言だけコメントいたします。今回の目玉政策の一つは、農地の集約化に向けて地域計画を策定することになった点ですが、6ページなどにお示しいただいたとおり、単なる現状追認にとどまるものや、将来の農地の受け手が決まっていないものなどがほとんどであるというのはゆゆしき事態です。5年間で農業構造を転換していく中で、単に予算事業を行うだけでは効果が薄いことは疑う余地がございませんので、農地の集約化が進むよう、各地域で地域計画をしっかりと見直してもらうことが喫緊の課題であると考えます。
また、木村委員からも御指摘がございましたが、足もとの農業政策については先祖返りのような印象を受けておりまして、短期的に米価が高止まりするリスクもございますし、中長期的に農業が活性化しないことが懸念される状況ではないかと感じております。
私からは以上です。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、神子田委員、どうぞお願いします。
〔神子田委員〕御説明ありがとうございました。
まず投資についてですが、中小企業に関しては、やはり最大の問題は人手不足ということになります。最近、経産省も、各民間がつくった民間の最新技術、例えば工事現場で鉄筋を自動で巻く機械のようなものがありまして、そうしたものに補助をつけていますが、やはり人手不足対策というのは大きな問題なので、支援を拡大していくべきではないかと思います。
15ページの経済安全保障なのですが、やはり今話題のレアアースというのは非常に重要で、中国の専門家によると、この精錬技術にほかの国が追いつくのに10年かかるというふうに言っているらしく、日本が精錬で10年も後れを取っているなんていうことあるのかなと思うのですが、後れを取っているとしたら、もう2年ぐらいで追いつくぐらいの勢いで何か支援を加速していくべきではないかなと思いました。
それとグローバルサウスなのですが、大体何かこうした旬のテーマができると、何でもそこに予算要求をぶっ込んでくるという悪い癖が各省あるのですが、昔、コロナ対策の補正予算を募集したときにアルテミス計画の予算が入っていて、何でこのアルテミスが入るのと言ったら、いや、宇宙での遠隔操作の技術がコロナ、ウイルスに感染しないのに役立ちますとかいうような、堂々と文科省が。いや、これ私、真面目に文科省に取材したら、真面目にそうした答えが返ってきたのですが、是非そうしたことのないように、えりすぐって予算をつけていただきたいと思います。
それと公共投資なのですが、私、いつも謎が残って、この7ページで見ていただければ、補正追加というところです。国土強靱化に対して毎年2兆円ぐらいついていると。どうせ2兆円つけるのだったら、もう当初予算に入れたらいいのではないか。年々の災害に応じていろいろと対策も変わってくる等もあるとのことですが、実際に私、地方の建設事務所に行って、河川の氾濫現場の修復の工事とか取材したのですが、土木事務所の人は、その工事って、やはり3年とか5年とかかかると。しかるに当初予算で予算がつかないのですと、補正でつくからというふうに言われているのですがと言うのですが、やはり補正って、その年になってみないとつくかどうか分からないのが建前だから、不安なのですと言って。最初から分かっている工事ってあると思うのですよね、当初段階で。そこをなぜ入れないのかと、その年災害が新しく起きたといったら、それは予備費でやればいいんではないかと、それが分かりやすい説明かなと思いましたので、そうしたことを一つ思いました。
それともう一つの謎は、人手不足の話が指摘されていて、実際にその年、予算をつけた年度にやり切れない工事というのが出ているのですが、これは毎年出ているわけです。翌年度にやるから別に無駄な予算ではないというのは理解するのですが、翌年度に工事繰り越したら、その翌年度にまたできない工事ができて次の年度に回っていくという、この予算のついた年度と執行する年度が毎年毎年ずれているということになると、何かそもそも予算つくっている人が、年度にどれだけの予算消化できるのかという計算ができないのではないかというふうに国民に思われてしまうんではないかなと、ここも少し分かりにくいところで、何とかならないかなといつも思っております。
それと、広域的な立地適正化とか、あと災害イエローゾーンに住まないようにするというのはどんどんやっていったらいいと思うのですが、私、これは政府の問題ではなくて、人々の心理で、何でそんな危険なところに住むのかなと思っていて、やはりそうしたところは安いからであると思うのです。だから、そもそもそうした状況を何とかしないといけないのではないかなという問題意識がありまして、これは別に公共投資の話とは関係ないのですが、少し問題意識としてはそうしたことを思っています。
あとJR貨物に関しては、やはり環境の観点から、トラックなどとの有機的な結びつきを支援する政策をもっとやっていったらいいかなと思います。
あと整備新幹線の貸付料は、本当にもう国に余裕がないわけですから、民間が負担できるところはどんどん民間で負担してもらいたいですし、乗客の増加、直接延びた路線に関係ないところで増加したら、そうした収入から貸付料を増やすとか、あるいは駅ビルとか各社やっていますが、不動産収入からも取るとか、そうしたことは大いにやっていったらいいと思います。
最後に米なのですが、農水の専門の解説委員とかに聞くと、大規模な農家は採算が、要は米の価格が安くても取れるということですから、これはやはり山間地の小規模水田とか、いまだに頑張っている人はいるのですが、そこから撤退して、より集約につながるような、そうした動きに向けた支援というか、インセンティブをどうつけていくかというのを考えていってもらいたいと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは最初に、土居委員から御発言お願いします。
〔土居委員〕御説明どうもありがとうございました。私はデジタルと農林水産について意見を述べさせていただきたいと思います。
デジタルの資料20ページに、標準システム、それからガバメントクラウドの運用経費というところで、これから標準化が進むとそうした経費が必要になってくるということなのですが、私が地方自治体のヒアリングをしたときに、地方自治体が標準化システムをあるベンダーに依頼して、それは完成したのですが、そこでデータをガバメントクラウドに上げるということになったときに、あるベンダーはアマゾンのガバメントクラウドしか使えないと。だが、また別の標準化システムで、同じ自治体の中で、別のベンダーは、我々はオラクルしかやっていませんというような形で、ガバメントクラウドが不統一になるというような事象がどれぐらいメジャーなのかは私も分かりませんが、少なくともそうした事例があるということが分かりました。
そうした意味では、ただ単に標準化するというだけでなくて、きちんとガバメントクラウドも、一つの自治体が統一的にガバメントクラウドが使えるように標準化を進めていくということをやっていかなければいけない。もちろん今は、この20ページに書いてあるとおり、移行を急いでいるということなので、急にはそれは難しいかもしれませんが、今後のことを考えたときに、標準化とガバメントクラウドの一貫性というものをしっかり見ていくことで、この運営経費の節約というものを進めていただきたいというふうに思います。
それから農林水産ですが、1ページのまとめは、まさに私も同感で、ポイントはそのとおりであると思います。その中で19ページと20ページに、これまで財審で指摘されたことが、相変わらずそうした事例が確認されるということになっていますので、こうしたところは早期に是正していただくことを求めたいと思います。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは続きまして、芳野委員、お願いします。
〔芳野委員〕ありがとうございます。意見書も提出させていただいておりますが、本日は4点、意見を申し述べたいと思います。
初めに国内投資・中小企業に関して、求められる中小企業支援策についてです。今年2025年の賃金改定では、全体で5%台の賃上げに対して、中小企業は4%台にとどまり、格差が拡大しています。また、本年度の地域別最低賃金は全国で6.3%と、過去最大の引上げ幅でした。実質賃金1%上昇を定着させるには、高い賃上げを中小企業に拡大し、全ての中小企業が最賃の引上げに対応できるように支援することが必要です。そのためには価格転嫁を含む取引適正化が重要ですが、いまだに転嫁率は52%、労務費転嫁指針の認知度も50%程度と、更なる取組が必要です。
資料には、中小企業対策費がコロナ前の水準に戻っていないとありますが、当時と比べ、賃上げや最賃など、中小企業をめぐる状況は大きく変化しています。現状を踏まえた賃上げ原資確保に向けた支援が必要です。具体的には、政府の中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画にある、官公需も含めた価格転嫁や取引の適正化、中小企業の生産性向上などの施策を着実に実行できる予算措置を求めます。また、厚生労働省が所管する業務改善助成金も同様ですが、この間、予算の大半を補正予算で対応しており、必要な金額を当初予算で確保すべきです。また、価格転嫁策に関しては、1月1日の取適法施行に向け、周知を含めた準備を着実に進めるとともに、下請Gメンによる調査や下請駆け込み寺による相談対応などを通じて、多重請負構造となっている業界のサプライチェーンの深い層においても取引の適正化を進める必要があります。
2点目は農林水産に関して述べたいと思います。まず、農業の生産性向上に向けた対応についてです。農業を持続可能なものとするには、農業の担い手を確保することが必要です。そのためには、農作物の合理的な価格形成を実現するとともに、再生産可能な所得が確保できているのか検証の下、各種支援制度を見直すことによって農業従事者の所得の確保を図ることが必要です。あわせて、集落営農や経営の法人化などを通じて、地域の再生及び新規雇用の創出を図ることも必要となります。
次に、食の安定供給に向けた対応についてです。米のみならず食料全般の安定供給に向けては、農林・漁業者と、加工・流通・販売などの事業者や、各段階をつなぐ物流事業者を含むそれぞれの取引に対して、価格転嫁の状況や、食品ロスを生み出す商慣習などの実態を把握した上で改善を図る必要があります。そのため、食料システム法に基づき、取引条件や商慣習などを調査し、指導、助言、勧告、公表の措置を実施するフードGメンの活動に対して十分な人員と予算を確保することが必要です。
3点目は、外交について触れたいと思います。2024年における日本のODAはGNI比0.39%にとどまり、2023年の0.44%から減少しました。OECDが求めているGNI比0.7%の半分強にすぎず、資料で言及された英国、フランス、ドイツと比べても低い水準です。国際機関への拠出減少と併せて、日本のプレゼンス低下につながる動きであり、強く危惧しています。ODAは日本外交の重要なツールであると同時に、人間の安全保障の実現などの観点からも必要不可欠なものであると認識をしています。したがって、戦略的・効果的活用を前提に、予算拡充に取り組む必要があると考えます。
4点目は、デジタルについて触れたいと思います。自治体情報システム標準化、ガバメントクラウド移行の支援については、運用経費等の低減に向け、まずは見積り精査支援やシステム運用管理の省力化等の支援を実施するとされています。しかし、自治体の規模などによって課題は様々あると考えられることから、自治体ごとに抱えている課題を精査した上で、デジタル化に対応するための人員確保・育成支援、自治体間のサポート体制構築など、課題に応じて支援していく必要があると考えます。また、移行に際しては、データ主権の確保とセキュリティー強化の観点から、機密性の高い情報から国産クラウドサービスの採用を進めていく必要があります。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは続いて、山口委員、どうぞお願いします。
〔山口委員〕山口でございます。私はデジタルのところ、コメント致します。
デジタル庁ができたとき、本当にすばらしいことだと思いました。なぜなら、この日本政府全体をひとつの株式会社と見立てた場合、それまでは各事業部門がそれぞれの戦略に基づいてシステムをつくっていたのに対して、初めて統一的なIT部門が設立されることになったと、理解したからです。
しかし、資料の16、17ページでは、情報システム予算の総額1兆3,500億円のうち、デジタル庁の責任で執行しているものが1,139億円、8.4%にとどまっていると記載されています。この状況について、これも一般企業に例えて申し上げると、IT部門が企業の全体像を見てシステムをしっかりとつくろうとしているにも関わらず、各事業部門の固有の業務機能に関わる要望が強く、IT部門が企業全体を統率するのにかなり苦労している状態ではないかと推測します。
また、地方自治体のシステムに関して、一般企業において、本社IT部門が、関連会社や子会社に対して、本社が主導的に整備しているシステムに早く適応しなさいと、言っている状態に似ていると思います。
現在の取組は、大きな方向性としては正しいと思うのですが、今後より効果的に進めて行くためには、まず、日本全体のシステムの姿、ゴールをしっかりと描き、関係者で共有する事が重要になります。そして、各省庁とデジタル庁の関係を整理し、その上で地方自治体が実際に直面している業務課題を洗い出した上で、優先順位をつけた全体計画の解像度を上げていくことが今一番必要と考えます。
そうすると、先ほどから各委員が指摘されているような、データフォーマットをサポートできていないとか、作業要員が足りないとか、そうした問題が洗い出されてきます。実際は一筋縄でいかない問題も多く、全て解決できるわけではないのですが、問題全体を洗い出した上で優先順位をつけて対応していく、ということがプロジェクト推進では最も重要です。また、データ主権にも関わりますが、システム構成についても、クラウド、オンプレミスなどあらゆる選択肢を俯瞰で見た上で、業務要件に応じて、適材適所でベストな構成を考えていくことが重要です。
デジタルに関してもう一つは、システム経費が増加しているという点についてです。システムの適用範囲が毎年著しく広くなっている点に留意が必要です。単純にコスト増減を前年比で見るのではなく、デジタル技術の適用によるアウトプット、リターンの価値を明確にした上でコストと比較し、投資としての妥当性をアセスしていく必要があります。生成AI等の新技術の活用によって、人件費等のコストが大きく削減できる余地が広がっている、という事も踏まえる必要があります。
投資額とそれにより削減できる経費を比較する事で、IT投資の妥当性を検証しながらプロジェクトを進めていく事の重要性について、既に理解されているかもしれませんが、改めて申し述べました。
あと、国内投資・中小企業に関して、1点コメント致します。政府の支援対象をどう選定するかという話がありますが、企業の選定、リスク評価、モニタリングは民間のファンドメカニズムに委ねるという原則が一番重要と考えます。ただ、民間資金だけではリスクを取り切れないものについては、政府保証、劣後ローン、出資等の政府資金を追加することで民間のリスクテイクを後押しする、ブレンディッドファイナンスの仕組みが必要になります。今後の産業政策の主軸として、補助金からこのブレンディッドファイナンスに転換していくことを、今回建議でも取り入れていただければと考えております。
以上です。ありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕それでは続いて、滝澤委員、お願いします。
〔滝澤委員〕御指名ありがとうございます。学習院大学の滝澤です。私は中小企業についてコメントを申し上げたいと思います。
資料の中でも中小企業政策の方向性として、補助金依存からの脱却と金融伴走支援の強化が打ち出されていて、全体として適切な方向転換であるというふうに思います。企業業績が好調な中で、豊富な内部資金をどのように投資拡大に結びつけていくかという問題意識も、経済全体の生産性向上に資する重要な視点であるというふうに思います。
その上であえて1点申し上げるとすると、若い企業、創業後間もない企業への支援についての政策的体系というのを、より資料の中でも、拡充させてもよいのではないかという点がございます。若い企業は、規模こそ小さいものの、雇用創出、生産性上昇、そうしたものを牽引する存在で、多くの研究でも若年企業が経済全体の雇用の純増とか新しい付加価値を生み出す源泉としての役割は大きいといった、そうした研究がございます。若い企業は、取引先、金融機関、自治体、大学などとのネットワークを通じて初めて成長軌道に乗るという傾向がありまして、近年の研究でも起業家のネットワークの厚みが若年企業の生存率とか生産性向上に大きく寄与するということが示されています。ですから、今後は補助金とか金融支援にくわえて、こうした企業を対象にしたネットワーク形成とかマッチング支援とか、地域金融機関、大学、自治体を介した関係資本の形成ですとか、あるいは若い企業の参入・定着をモニタリングするEBPM指標の導入とか、そうした仕組みを政策体系の中に組み込むということも重要であるというふうに思いました。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、福田委員、どうぞお願いします。
〔福田委員〕ありがとうございます。私からは3点、手短にお話しさせていただきたいと思います。
まず、国内投資・中小企業に関してです。事務局の資料にありますように、過去最高益の企業が非常に多くあるのにもかかわらず、人件費あるいは国内投資が伸び悩んでいるという状況は非常に大きな問題であるというふうに思っております。また、事務局の資料にありますように、かつてはこうした利益の多くが現預金という形でたまっていたということはあるのですが、ここ数年は現預金の伸びはほとんど止まっていまして、むしろ余剰資金は、大企業中心ですが、海外への直接投資という形で増えているという現状がございます。これはトランプ関税の前から、バイデン政権の時代からかなりあります。
ということは、利益はあって、その利益の使い道として、やはり国内がなかなか魅力がない、あるいは国内での生産性が非常に低いということがこうした問題の背後にはあるというふうに考えざるを得なくて、これは熊谷委員がおっしゃったこと、まさしく私も同意しますが、やはり国内の新陳代謝等をいろいろ活発にして、国内の生産性を高めていって、企業が余剰資金を国内で使いたいと、そうしたような環境をつくっていくということは大事なのだろうと思いました。
2点目は社会資本整備に関してです。事務局の資料で御指摘あったように、こうした問題は、本当に足もとの人手不足の問題が極めて大きな影響を与えているというのはおっしゃるとおりであると私も思っています。特に建設業の人手不足は、事務局の資料にありますように、極めて深刻な問題です。また、物流に関しても、トラックの運転手の人手不足というのがかなり顕在化しているということもあります。
これをどうするかという問題ももちろん重要な御指摘としてありますが、ただ、全ての分野で必ずしも人手不足になっているわけではないという点も、日本の人手不足の問題を考える上では非常に重要かなとは思ってきています。例えば、鉄道の分野に関しても議論が出されていましたが、鉄道の運転士に関しては、有効求人倍率は実は1を下回っています。1を下回っているということは、人がむしろ余っているということを意味します。もちろん地方と都市圏では違って、地方の運転士は必ずしも余っているわけではないかもしれないのですが、同じ輸送を担うような分野であっても、トラックはとにかく人手不足なのだが、鉄道の分野では運転士には比較的余裕があるというような状況があるときに、やはり人手不足を考える上では、相対的に人が余裕のある分野を活用していくというようなアイデアなんかも重要なのではないかなというふうに思いました。
それから最後に農林水産に関してで、こちらも事務局の資料にありますように、生産性の向上、私も非常に重要であると思っています。ただ、本当に世の中の議論は、農林水産と言いながら、米の問題にともかく議論が集中してしまっているというのは日本の大きな特徴なのであると思いますし、その背後には、やはり日本の人たちの多くは、必ずしも生産者だけじゃなくて、一般の人たちも、米が特別であるという感情が背後にはあるのだろうとは思っています。
ただそのときに重要なのは、やはりコストがかかっているのであるということを見える化して、それを理解した上で、なおかつ米を大事にするということなのかどうかを問うていくということは大事なのだろうと思います。例えば国の備蓄米、どれぐらいのコストをかけて備蓄しているのかというのは、私もそんなには知らなかったのですが、今回のいろんな出来事の中で、非常にコストをかけて備蓄していたということが分かりました。かつ本当に新米と味がそんなに遜色ないような形でコストをかけて備蓄しているということも分かったのですが、本当にそこまで必要なのかどうかということです。
今回は食料に回りましたが、大半はこれまでは飼料に回っていました。すごくハイクオリティーの備蓄をして、結果的には飼料に回していたわけです。本当に危機になったときに食料がなくなると困りますが、それでも新米と同じような味のものがそこで本当に必要なのかどうかということも含めて議論は必要です。大きなコストはかかるが、それでも国民が大きな負担をしてまで米をそうしたふうに備蓄したいのかどうかということも含めて、やはりそうしたコストがかかっているのであるということをもう少し明らかにした上で、政策を議論していくという環境があった方が良いのではないかなと思います。
私からは以上でございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。それでは、小林委員から、どうぞお願いします。
〔小林(慶)委員〕ありがとうございます。私も基本的に事務局の案には賛成で、コメントとしては国内投資と中小企業について主に発言をして、その後、簡単に三つほど発言したいと思います。
一つ、国内投資と中小企業についてですが、財政支出を成長のためにどこまで使うのかということが恐らく、大きな論点というか、テーマなのであると思いますが、最近の研究では、財政の支出なり財政のスタンスが生産性の長期的な変化に影響を与えるのであると、そうした実証研究などがいくつか最近は出てきているということだそうです。ですので、AIとか半導体のように、生産性を上げるために必要な財政の支援、産業政策的な財政というものもある程度は意味があると言えるということなので、そこはメリハリをつけて積極的に進める一方で、企業の、特に中小企業の新陳代謝を押しとどめるような財政というものは縮小していくという、メリハリのある産業・企業政策が必要なのではないかというふうに思います。
ポンペウ・ファブラ大学のルカ・フォルナロという人が最近書いた論文で、「フィスカル・スタグネーション」という論文がありまして、その中で言っているのは、例えば財政が悪化した結果として、企業に対して増税をしなければいけなくなるとか、あるいは公的な研究開発投資とか教育投資ができなくなってしまうということが起こることによって、長期的な生産性の上昇が阻害されて、低成長のトレンドに陥ってしまうと。これが財政悪化による低成長、フィスカル・スタグネーションという概念だそうなのですが、こうしたことが、例えば日本や、あるいはイタリアなんかを見ると起こっているのではないかと、そうした論文があります。
ですので、そこから言えることは、一つは、企業や研究開発などに対する財政を出すこと、これは一定の成長を促進する効果があるのであるということなわけですが、ただ、財政が悪くなってもいいからどんどん出せと言っているわけではなくて、それは長期的なバランスを考えると、財政が、政府の債務が増え過ぎると、結局そうした産業政策的な支出もできなくなってしまうので、低成長になる。だから財政は長期的にはよくしなければいけないと、よくなった財政の下で、ある程度の産業支援ということを行うべきであると、こうした処方箋になるわけですが、じゃあどっちが先かと。成長政策をまず先にやるべきなのか、あるいは先に財政をよくすべきなのかということについては、論文はまだ沈黙しているわけですが、私たちはそうしたフレームワークで財政と成長政策を考えなければいけないのではないかということが言えると思います。
あと中小企業について、御指摘のように、補助金から脱皮して金融支援のほうに行くと、ほかの委員の方々もおっしゃっていたとおり、私もその方向が正しいと思いますし、市場メカニズムによって企業の新陳代謝が起きるようにする環境はつくるべきであるということであると思いますので、財政支援については、外部性の存在など、経済学的にある程度説明がつくような市場の失敗というものを是正する目的のために、財政支援というのは使われるべきだろうというふうに思います。また、コーポレートガバナンスを適正化することで生産性を上げるべきであるという記述があったと思うのですが、もちろんそれも正しいと思いますが、もう一つは、やはり金利の規律機能というものをもう少し意識して政策を考えるべきではないかというのが私の意見です。
あと3点ほど。社会資本整備については、これはコンパクト化の下で、市町村の枠を超えて広域的な立地適正化を是非推進してほしいと思いますし、上下水道については分散型のシステムを追求するということも重要であると思います。空き家対策と新規住宅の支援というのがちぐはぐであるということも全くそのとおりであると思いますので、是非中古住宅の流通の支援ということに行ってほしいというふうに思います。
農業について、水活交付金の作物ごとの生産性向上への支援に向けて転換する方針であるということですが、これは是非進めていただきたいと思います。ターゲットを絞った財政支援にしていくということが必要であると思いますし、農業においては、農業の経営体については、本来は市場の調整力で新陳代謝を促していくと、そして農業従事者という人間の個人については所得補償などで、セーフティーネットで救っていくということが本来理想なのであると思いますが、その経営体と個人が切り分けられないというところ、難しさがあるのだろうというふうに思っています。
最後、これは今回のテーマではなく、先週言い忘れたことですが、財政総論のところで、参考資料でフューチャー・デザインのこととかを記述していただいていて、これは是非進めていただきたいと思いますし、また前回、小林充佳委員がおっしゃっていました独立財政機関、これも何度も議論が出たことですので、是非検討課題として引き続き挙げていただきたいというふうに思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、佐藤委員、どうぞお願いします。
〔佐藤委員〕では、私から、各テーマについて簡単にコメントさせていただければと思います。
まず、デジタル、資料1ですが、20ページですか、自治体情報システム標準化・ガバクラ、ガバメントクラウドへの移行についてですが、これは端的に申し上げると、自治体に任せていては駄目なのであると思うのです。やはりそれぞれがばらばらに見積りを取って、それぞれがばらばらにベンダーと交渉すれば、それはいろんなことが起きるよねということになりますので、ここはやはりデジタル庁が司令塔となって、必要に応じて伴走支援をすると。職員を派遣して、実際その場に立ち会って契約を結ぶとか、ベンダーと議論、交渉をするとか、そこまでやらないと無理か、あるいは、どうしようもない自治体については、こちらはデジタル庁のほうからこうしたベンダーでとか、こうしたシステムで、こうしたやり方、システムでというのを紹介するであるとか、やはりよりトップダウン型で進めていかざるを得ないのかなという気がしています。どうしてもデジタル庁は調整官庁っぽくなってしまっているのですが、そこはちゃんとイニシアチブを取る必要があるかと思いました。
それから一つ戻って19ページ目、AIの活用ですが、私も長らく行政事業レビューをやっていて、かなり蓄積もあると思いますので、是非こうした行政事業レビューシートでAIの活用で、いろいろなことが分かると思うのです。私、1回やってみたらいいなと思っているのは、産業分類コードがあるではないですか。あれと同じで、事業分類コードをつくれないか。つまり、官庁とは別に同じような事業はたくさんあると思うのです。農水と厚労であるとか、あるいは国交省と経産省とか、似たような事業をやっていませんかというのを考えたときに、それは例えば、根拠となっている法律であるとか、事業の立てつけであるとか、あるいは事業の支出先とか、この辺を分類していくと、「これとこれ、近くない?」というのが分かるような気がするのです。実際これはコロナの、NHK特集で以前、コロナ検証をやったことがあって、そのとき私も参加したのですが、コロナ関連の行政事業レビューシートをAIに読み込ませて、お互いどれくらい近いかというのを見せたりしていたのです。それで結構お互い近いというのが分かって、何か固まりができるのですよ。なので、とすれば、これとこれ、重複していますよねということも分かってくると思うので、それでいろいろと、我々としても、行政事業レビューは参加された方は分かると思う。一つ一つの事業をいいの、悪いのとやりますが、もっと横串を刺した議論ができるようなるのではないかというふうに思うので、これは便利かというふうに思います。
次に国内投資ですが、資料2の6ページになります。これは実は来週やる、政府の税制調査会でも法人税絡みのEBPMについて議論するのですが、そこでは今度は研究開発税制とかが、例えば企業に、ある特定の企業に偏っているのではないかとかそうした議論があるのです。どうも補助金とのオーバーラップもあると言われていて、例えば結構、補助金の補助裏のところを税制で支援してしまっているという面もあったりするのです。なので、これは1回、補助金と租税特別措置を併せて、どの企業がどちらをどれくらいもらっているかとか、重複感がないかとか、こうしたことを1回整理してみた方が良いような気がします。恐らく二重取り、三重取りされている企業、同じような事業について、何かそうしたところも出てくるかもしれないということもあるし、別にそれは駄目という意味ではないのですが、かなり結果として見れば補助率がすごく高くなっているとか、そうしたこともあり得るべきだし、やはり特定の産業に偏っているのではないかということも分かってくるのではないかと思います。
それから、先ほど御指摘がありましたが、今、新しい政権で、新しい成長戦略で17分野に対する重点的な成長投資を行うということであれば、既存のこうした企業に対する支援との整理統合というのはやはり必要なので、メリハリと言うからには、「張り」があるなら「めり」がなければならないというのは当然のことなので、新しく企業支援をするならば既存の企業支援を見直していくというのはルールとしてあっていいのかなというふうに思いました。
それから、少し飛んで20ページですが、中小企業の価格転嫁について、これは結構重要で、やはりいわゆるインフレ、いわゆる脱デフレで目指していた好循環というのは、やはりそれが賃金の引上げなり、それが物価に跳ね返り、物価が上昇して、またそれが賃金に跳ね返るとか、改善するので収益が上がる。企業の収益が改善して、それが賃金増の原資になるということ、ここの好循環を念頭に置いていたと思うのですが、価格転嫁ができないと、ここが止まっちゃうということになると思うのですね。特に中小企業の間では。なので、例えば、先ほど下請Gメンの話がありましたが、やはり価格転嫁を適切に行っていない企業については、例えば今申し上げた企業に対する補助金、この支給を停止するとか、資格要件から外すであるとか、何かそうしたペナルティーを抱き合わせで行う、併せて実施するということはあっていいのかと思います。
また、中小企業についても、様々な中小企業に対する支援が租税特別措置も含めてあるので、これらについてもちゃんと賃上げをやっている企業については手厚くやるが、賃上げを全くやらずに経営者だけががっぽりもうけているのであれば、これはそうした補助金とか支援の対象から外すといった、そうしたセットという議論があっていいのかというふうに思いました。
あともう少し、簡単に。社会資本については、1点、27ページですが、今度これも行政事業レビューでやるのですが、駅総合改善事業です。こちらについては、実は社会政策とやはり経済政策がごちゃごちゃになっている面があって、これは社会資本整備全体に関わる話であると思うのですが、やはり都市部の駅の改良事業というのは、やはり本来なら企業がやるべき、事業者がやるべきことですし、それは事業者にとっての最大メリットがある経済政策なのです。やはりこれは。なので、経済政策として、もし支援をするのであれば、経済政策として支援するという観点が必要で、ただ、本来、駅の改良とか利用者の利便性を改善する、混雑緩和について事業者の責任なので、それは本来、事業者がやるべきことで、何らかの外部性があるとか、何かそうしたことが見いだせれば、それは経済政策として行うと。私は現地調査で地方のほうにも行ってきたのですが、そちらはやはり事業者にはその原資がなかなか、経営資源というか、資金力がないので、しかも、地元の足になっているということであれば、これは社会政策としてやはりある程度支援していくという形で一回整理する必要もあるだろうと。これはインフラ整備を考える上で、今後ともやはりある種、戦略的に、成長のための経済政策としてのインフラ整備と、やはり地元の人たちのための社会政策としてのインフラ整備は違うと思うのです。それと、今後の見通しも変わってくると思うので、この辺の整理はやはり必要かと思いました。
最後に、すみません。少し長くなってしまったので、一言だけ。農水省についてですが、こちらは、農水省、10ページですね。流通の状況について新しく資料をつけていただきましたが、これは規制改革の観点からも重要で、恐らくこれは例えば流通プロセスに新規参入を認めてあげるとか、何らかの競争性とか、多様性を担保してあげるということをやらないと、このあたりがもし既存の事業者で独占状態になっているのであれば、これは当然コストがかさむのは当たり前ということになりますので、これはある意味、規制対応で、新規参入を促していくことで流通コストを下げていくという、そうした取組が必要なのではないかと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、上村委員、どうぞ。
〔上村委員〕上村です。御報告ありがとうございます。基本的に御提案に賛成します。その上で私からは、中小企業、社会資本、物流についてコメントします。
第一に、国内投資・中小企業ですが、6ページから数ページにわたって産業政策関連補助金について書かれていますが、補助金の水準がコロナ禍以前にまだ戻っていないということについて、これは平常化に向けて取組を加速する必要があると思います。その上で佐藤委員も指摘されていましたが、私も租税特別措置についても考える必要があると思います。租税特別措置、租特ですが、予算統制が非常に困難で、実質的に隠れた補助金として機能しています。補助金と併せて検討する余地があるかと思います。
二つ目に、社会資本ですが、19ページに、上下水道の広域化についての資料があります。広域化は、政策の手段としては重要ですが、料金体系の一本化を前提にするとなかなか進まないということがあります。この点、20ページにあるように、複数の料金体系を残せるというのであれば、経営の広域化は容易になると思います。ただ、その上で、人口減少に合わせて、やはり縮小して充実するという縮充という考え方ですが、上下水道に入れていく必要があると思います。
18ページに、立地適正化に関する資料がありますが、こうした立地のコンパクト化にくわえて、その下にある上下水道の公共インフラについても、人口減少に合わせて、または住むのに適さない地域については、撤退する場所は撤退するというような形で明確にしていく必要があるかなと思います。これは自治体、特に技術職の人手不足は深刻になっていますので、人口減少に合わせて仕事を減らしていくことも考える必要があるのかなと思っています。
三つ目に物流です。43ページ目にトラック運送業者の人手不足についての資料がありますが、長距離トラックの運転手の方は、今、2人に1人が、2日に1日、自宅に帰ることができないと聞いています。長距離トラックの運転手の働き方が、非常に大きな課題があって、この点で期待されているのが自動運転ですが、47ページ目に、自動運転の社会実装についての資料があります。バスの自動運転について、レベル2の実証にとどまって、レベル4にはほとんど至っていないということですが、この原因は何なのかということをもっと知る必要があるかなと思います。この資料には、実装を本気で考える自治体、事業者を支援すべきと書かれていますが、やはりもう少し解像度を高めて、レベル2の実証でどんな課題があったのかを洗い出す必要があるかなと思います。この洗い出しができていないのに補助をするのはPDCAサイクルが回っていないということかなと思っています。考えられることですが、人口が少ない地域での自動運転バスの実施はそもそも基礎的な需要が小さいということなので、ビジネスになかなかなりにくいのかなということで、補助金が切れると稼働しなくなるということと、また、対人サービスは夜間に収益を上げられないので、やはり物流よりも不利になるかなと思います。また、高速道路よりも一般道の自動運転は、信号もあれば歩行者もいるので、制御すべき変数が非常に多くて難しいはずであるということです。
また、トンネルがあってGPSが届かないとか、道路の白線が消えていて、センサーが認識できないとか、雪の対応が困難な地域とか、そうした場合、自動運転は不安定になりますが、要は、これまで行ったレベル2の実証で分かった課題を洗い出して、自動運転に適している場所や路線から始めるといった、補助のメリハリをつけていく必要があるかなと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、広瀬委員、お願いします。
〔広瀬委員〕ありがとうございます。それぞれ簡単にコメントさせていただきます。
最初に農林水産についてですが、食料安全保障という観点から、自給率をもう少し上げた方が良いのではないかなと思っております。そのためにも自立的な経営、あるいは生産性の向上、これが急務、不可欠ではないかというふうに思っております。具体的には農地の集約化、これは今いろいろ進めておりますが、さらにそれを加速化すると。それから、担い手不足が深刻化しているというのも、これは現実ですから、民間企業の参入を促すような規制緩和、これも今、進めているとは思いますが、これをさらに推進すべきであると考えております。
併せて、スマート農業技術ですね。あるいは省力化機械の導入。これは民間の投資が非常に重要な役割を占めると思うのですが、そうした民間の投資を後押しするような制度整備、これも必要ではないかというふうに考えております。
二つ目、社会資本整備についてですが、資料にもありますが、我が国のインフラは、今、加速度的に老朽化が進んでいると思います。先進諸国に比べても、劣後、いつの間にか劣後していると、こうした状況であると思います。この社会資本整備は、安全安心な国土形成に資するだけではなくて、例えば産業立地とかイノベーションとかそうした国際競争力の基盤となるということでもありますので、私は将来世代にわたる未来への投資と、こうしたふうに考えておくべきではないかと考えております。
もちろん国土全体を俯瞰した、これはやはり戦略的あるいは効率的な国土形成が必要なわけですが、そうした社会資本の整備をこれから一層充実させるわけですが、併せて、東京ですね。前回相当いろいろ議論が出ましたが、東京は今、ロンドンとかニューヨークとかパリなどに比べて公共交通機関の利便性は確かに高いのですが、まだまだ国際機能ですとかレジリエンス機能、それから、首都機能、そうしたところについては、そうした都市に比べると劣後しているのではないかということで、更なる強化が必要ではないかというふうに考えております。
三つ目、外交についてです。日本はもうこうした国ですから、今後とも国際社会の一員として国際貢献を果たしつつ、そのプレゼンスをさらに高めていかなければならないと。今、外国人対策が大きなテーマとなっておりますし、労働力不足に伴って、外国人労働者の受け入れ、これも議論になっておりますが、安易な労働力確保に頼るのではなくて、むしろ、まずは、労働力不足に対しては、デジタル化とかロボット化、そうしたものをまず進めることが先決ではないかなというふうに思っております。
それから、今、世界的に孤立主義とか一国主義というのが台頭して、大変心配している状況ですが、日本は、そうした今の流れと一線を画すと。そうした意味でも、ODAの充実、これはもちろんODAについては、効率的、効率性というのは非常に大事ですが、日本の置かれた状況、特に日本はやはりソフトパワーというのが非常に、大きいというか、外国の方といろいろな交流をすると、日本のODAに対する信頼、期待というのは非常に大きいものがあります。是非ODAにつきましては、これからも充実を図っていくべきではないかと思っております。
最後に、中小企業です。もう既にいろいろな委員の方からお話がありましたが、現在、中小企業は構造的な人手不足、これは最大の課題ですが、一方で、円安によるコストプッシュ型の負担、それが今、中小企業に相当かぶさっていると。それから、金利の上昇がここに来て高まっておりますので、金融に対する費用、そうしたものが今、中小企業のほうに相当しわ寄せが来ているということです。
これから中小企業が持続的な賃上げ、あるいは前向きな成長投資、これをするためには原資が必要で、先ほど佐藤委員からも価格転嫁が必要であるということで、だんだん大企業、親会社も価格転嫁していただくようになっておりますが、今後ともそうした価格転嫁は是非進めていくべきであるというふうに考えております。
それから、最後に、滝澤委員から先ほどお話がありましたが、今、多くの地域で人口減少が続いているわけですが、その地域の中堅企業、これは非常に良質な雇用ですとか、あるいは投資、これを通じて地域に対する貢献というのが大きくなっているわけで、是非そうした頑張っている中堅企業に対する支援はこれからも進めていくべきではないかなと。今後の中小企業対策を一言で申し上げれば、支援と挑戦、これを表裏一体のものとして進めていくべきではないかなというふうに考えております。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、武田委員、お願いします。
〔武田委員〕ありがとうございます。まず、全体に関して、現状と将来の国際情勢を踏まえますと、外交・安全保障の重要性は高まっているとの認識です。また、国内では、農業も含め、全産業の生産性上昇が不可欠であり、競争力向上に資する国内投資の推進は重要と考えます。そのため、限られた予算の中でこれまで以上に全体戦略と優先順位、効果的な予算の使い方、予算以外の制度改革や予見可能性の向上、さらには、民間の力の活用がより重要になってきていると考えます。
4項目について一言ずつ申し上げます。1点目は、外交デジタルについてです。外交は、重要性が増しているからこそ、全体戦略を持って、重複している事業などは早急に見直し、他省庁とも連携しながら、効果的な外交を行っていただきたいと思います。特に重要なのは人材であり、国際機関等において、重要なポストを日本人が確実に維持することは、現在の国際情勢の中で重要性を増していると考えます。デジタルについては、行政事業レビューシート及びAI活用は大変よい取組であると思います。今後はその結果を、予算配分とともに施策の見直しと新陳代謝に活用していただきたいと考えます。
2点目は、国内投資についてです。経済安全保障については、GXや半導体と同様に、複数年度で考えていくべきものと考えます。御提案のとおり、財源をしっかり確保した上で、複数年度の計画を着実に進めていただきたいと思います。中小企業支援については、価格転嫁や人手不足への投資に加え、金融手法の活用も、投資という観点で重要です。2026年の5月には、企業価値担保権の活用に関する法制度がいよいよ施行されます。金融機関による事業性評価のノウハウは年々高まっていると存じますが、リスク・リターンの適正化を働きかけていただきたいです。また、官民金融機関との連携も近年進んでいると思いますが、事業の再編やDXの横展開は個々の中小企業では対応が難しくなっていますので、連携をより意識し金融機関が触媒機能を果たされることも期待しています。
3点目は、社会資本整備についてです。人口減少や災害の激甚化は今後も進むことが分かっていますので、コンパクト化の推進が欠かせないと思います。弊社の試算では、人口1万人未満の自治体において、住民の12%が8キロ移動すると、生活の利便性が高まり、インフラ維持に関する支出も抑制されるという結果が出ています。持続可能な国土の姿を実現していく時間軸について、国として本格的に検討していく時期が来ていると考えます。
4点目は、食農についてです。記載いただいているとおり、水田政策の見直しにより、今後の生産性上昇に向けてKPIを設定いただいていますが、生産性向上の施策をより明確にしていただき、集約化とともに、技術の活用や経営改革を進めていただきたいと思います。
飼料用米については、毎年申し上げているとおり、22ページに記載されている方向性で御検討をお願いいたします。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、河村委員、どうぞお願いいたします。
〔河村委員〕御指名くださってありがとうございます。私から、では、順番に、手短に一言ずつ意見を言わせていただきます。
まず外交のところです。既にほかの委員からも御意見が出ていましたが、ODAのところは、やはりこれだけ安全保障環境が厳しくなってくると、ほかの国の動き、主要国の動きを見ると、みんな、国防予算のほうに結構お金を取られるからということもあるのでしょうが、ODAのところは少し落としてという動きがあるようですが。日本だって、やはり防衛費の増額を迫られているところもありますし、事情は似ているところもありますが、この国、できることにやはり限りがあるのであるということを考えると、ODAの重要性というところは変わらないというふうに思いますので、そのあたりもしっかり打ち出してやっていただくのがいいのではないのかなというふうに思います。ただし、今回の事務局資料でお示しくださったように、進め方、やり方にはいろいろ工夫の余地がありますので、是非そうしたところを併せて外務省に要求していただきたいというふうに思います。
それから、企業の投資支援、国内投資のところですが、今回の資料はやはりこれだけいろいろな支援をやってきて、特にコロナ禍を挟んで、相当な金額をつぎ込んでやってきて、果たしてそれに見合うだけの効果が出ていたのかというところをよくうまく浮かび上がらせていただいているのではないのかなというふうに思います。今の新しい高市政権の産業政策というか、成長戦略の考え方もありますし、ただ、やはりそれが大企業向けの支援をどんどん上乗せしていくだけになってしまうと、やはり財政全体への影響のことも懸念されますし、また、過去やってきたことがどれだけうまく回ってきたのかなと。大企業向けでもそうですし、中小企業向けでもそうですし、やはり今回の資料で強調していただいたような、政府が関わることでいいことももちろんありますし、民間ではとてもお金を出せないようなところだってあると思いますが、同時に「政府の失敗」というのがあるのではないかということをやはりここはしっかりと打ち出して取り組んでいただくのがいいのではないのかなというふうに思います。
また、大企業の関係では、既に何人かの方が言っておられましたが、私も租特のほうの問題が同時にあるなというふうに思っていて、そこも併せて見直していくことが必要ではないかなというふうに思います。
社会資本整備のところについては、本当にいろいろな分野について、合理的で、かつ、新しいアイデアもいくつも入っていてとてもよかったのではないかなというふうに思います。本当に方向性、全面的に賛成いたします。特にやはり人口減少は、これからさらに厳しくなることを見据えての対応というのを打ち出していただけていること、これは非常に時宜にかなっていると思いまして、上下水道の運営の広域化とか効率化であるとか、それから、中古住宅のところですね。住宅の関係の、やはり新築にこの国は偏り過ぎていたのはもう紛れもない事実であると思いますので、これだけ人口が減って、空き家も増えてという中で、この国の中に既にある社会資本、民間の社会資本も含め、有効に使っていくことが大事ではないかということを思いますので、この方向性は本当に賛成です。
くわえて言うならば、こうした中であってもタワマンの建設が止まらないのですよね。それは投資したい金融の事情のほうもあるし、国外の投資家のいろいろな意向とかもあるのでしょうが、そうしたところもきちんとよく考えて、物をつくる以上は、もう最後に、ライフサイクルを考えて、どうやっていくのかということまで考えなければならないのに、あのタワマンというのは、聞くところによりますと、どうやって壊すのか、壊せるのか。国交省の関係からいろいろ聞いている話ですと、それこそ50年ではなくて100年たったときにどうするのかということも実は全然考えられていないそうですね。それで平気でどんどんつくっちゃっているようなところもありますので、そうしたところにやはり見直しをかけていただくのもありではないかなというふうに思います。
また、整備新幹線の貸付料のところはやはり御指摘のとおりの問題点がいろいろあるなと思います。今朝のニュースでも流れていましたが、国交省のほうでどれだけうまく検討していただけるか分からないので、是非こうしたあたりはしっかり貸付料をきちんと払っていただくべきところは払っていただいてということで進めていただくのがいいのではないかなというふうに思います。
最後に農業のところですが、政権が代わって、消費者と生産者と、国としてどちらかにばかり偏って政策運営するのは本当に決してよくないとは思うのですが、やはり大分スタンスが変わるのかなというところもあって、国民というか、消費者の側は割とみんな心配して見ているようなところがあると思いますね。ですから、是非やはりそうした世論の目とかも意識しながら、財務省として是非、農水省といろいろ議論していただければなというふうに思います。
やはり最大の課題はお米の問題ですよね。値段が高いままですよね。しかし、今年の前半に比べて違うのは、今、どこのお店、スーパーとかに行っても、在庫は結構あるのですよね。前だったらそれこそ、入荷するとすぐ飛ぶように売れたのが、そうでもなくなってきている。それがどういうことを意味するのかということをやはりきちんと考えてやっていただいた方が良いのではないかなというふうに思います。指摘していただいているように、流通経路にやはり問題がすごくあるのではないかということはよく分かりますし、ただ、この世界、すごく特殊ですよね。それで、従来からの農協、JAとかを通じてやるような取引と、でも、それ以外に生産者の方との直接取引というのは伸びてきていて、それ自体、決して悪いことでも何でもないと思うのですが、二つの世界があると。でも、物の取引が、取引所取引とオーバー・ザ・カウンターの形で取引があるというのは、別にほかの金融とかの世界でもある話で、おかしくも何ともないとも思いますが、でも、取引所取引に相当するところの世界が農業の場合は特殊で、昔ながらのいろいろな枠組みとかを引きずっているところがあるのではないかなと。ですから、そこにどううまく国全体として需給をきちんと反映した形で、きちんと生産者の側の事情、それから、消費者の側の意向というものがうまく反映されて価格が形成されていくようになるのかというところをもう少し考える余地もあるかなと。いろいろ現物、先物市場とかうまく活用していって、今回出してくださっていますし、それ以外にももう少し価格の透明性を高めるとか、そうしたところを少し国として支援するようなやり方をしていただいてもいいのではないかなという気がします。
消費者の一人として思うのは、例の概算金の支払いというのが、これは一体何なのかなと。かつてはそれこそ暴落の引き金を引いたということもおありなのでしょうが、今の最近の動きを見ると、やはりこの概算金の支払いで最初から高く払っているところが、何となくお米の値段を最初からつり上げられているような感じに見えなくもなかったりして、そうしたあたりも含めて、是非いろいろまた御検討いただければというふうに思います。今回の資料、本当に過去の経緯も含めて分かりやすく説明してくださっていて、非常に分かりやすくて、国民の、普通の一般の方が御覧になっても大変参考になる資料になっていてよかったのではないかなというふうに思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、続きまして、小林充佳委員、お願いします。
〔小林(充)委員〕小林でございます。各委員の方から御意見が出ておりますが、私からは2点です。中小企業対策と整備新幹線について意見を申し述べさせていただきたいと思います。
まず中小企業対策ですが、これは補助金につきましては、コロナ禍以降、種類も額もたくさんあって高止まりしているのではないか。これをそろそろ整理する時期ではないかというような御指摘でございますが、これは熊谷委員あるいは福田委員からも御意見ございましたように、社会政策的な補助金についてはそろそろ見直すべき時期に来ているのではないかということでございます。これを続けることによって、むしろ経営を続けられている企業というのも多々あるのではないかなと思いまして、結果的に労働流動性を阻害するということにもなっているのではないかなと思いますので、整理の上、是非成長やイノベーションにつながるような補助金のほうに転換していくということが非常に重要ではないかなと思います。
併せて、資料の中でもありますが、伴走支援というのが非常に重要であると思います。中小企業の方、考えはあるのだが、なかなかそれを実行に移すノウハウであるとか人もいないということをよく聞きますので、この伴走支援をいかにやっていくかということが非常に重要になってくると思います。地域では、例えば自治体、あるいは地銀や信用金庫をはじめとした金融機関、それから商工会議所というところがそれぞれ伴走支援をするというようなことになっているのですが、残念ながら、今、ばらばらな対応になっていまして、もしかしたらこれをまとめることによって大きな伴走支援、力になるのではないかなと思います。地域ではこうしたふうな伴走支援をする組織やグループを取りまとめる、それで大きな力にしていくというようなことをやっていきたいと思っておりますが、是非国としてもこうした伴走支援グループに対しての経済的な支援も含めて、何かお考えを頂けたらなというようなことを思います。伴走支援するにしても、やはり経営に精通した人材、あるいは、いろいろな有効事例を共有化するためのシステムなど、いろいろなものに、やはり先立つものもかかると思いますので、そうしたようなところに対する支援ということを是非国としても考えていただけたらなというふうに思います。
それから、2点目の整備新幹線ですが、資料の中に貸付料の見直しや適正化という話がございました。これはいくつか挙げられておりますが、こうした議論は進めるべきではないかなと思います。その中に接続利益というようなポイントがございました。これは路線を延長することにより、既存のものにもプラス材料があるのではないかということですが、これは逆の言い方・見方をすると、この接続されないがために発生しているロスや損失というのがあるのではないかなというふうに思います。例えば、今、整備新幹線の中で、九州新幹線や北陸新幹線、途中までは延伸されているのだが、最後延びない、あるいは一部区間が開通していないというようなこと、これによるロスというのもかなりあるのではないかなと思います。これをやはり国として当初の計画に基づいてつなげていくことにより成果を出していくということが必要なのではないかなと思うのですが、いろいろこれには事情があると思いますが、その中で大きなものとして私が考えるのは、国と地方との分担のやり方ということですが、国と地方では、貸付金を除いたものを2対1で分け、地方のほうは整備新幹線の通る距離によって分担するというようなルールになっているというふうに理解しておりますが、本当にそのメリットやベネフィットを受ける自治体なり団体が負担していくということを精緻に考えていく必要があるのではないかなと思います。国と地方が2対1あるいは路線距離で大胆に分担するというのではなくて、本当にベネフィットを感じる、ベネフィットが出てくるようなところが分担するというようなことを進めていく必要があるのではないかなと思いますし、それから、一旦決めたもので、未来永劫というよりも、開通した後にいろいろな利益の予想違いのようなものも出てくると思いますから、後追いでそこら辺を清算していくということも十分考えられるのではないかなと思います。こうしたようなことを進めることによって、つながっていないことによるロスを国としてやはり早く解消すべきであるというふうに思います。
私から以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、続いて、横田委員、お願いします。
〔横田委員〕ありがとうございます。私から3点、コメント申し上げます。社会資本整備、中小企業政策、外交に関してです。
まず社会資本整備ですが、公共投資において、御指摘のとおり、緊急性や波及効果を踏まえた重点化は不可欠であるというふうに考えます。クラウディングアウトの指摘もありますが、公共投資の拡大が民間建設需要と、資材や、人件費の面で競合して、結果的に市場全体のコストを引き上げているという点もあると思います。公共投資の緊急性や目的に応じた精査と民間投資との適切な調整メカニズムの構築が重要と考えます。
次に中小企業政策ですが、補助金に関してはやはり平時化が必要であるというふうに引き続き強く申し上げます。さらに今回お示しいただいたように、施策の重複が生じている点も含めて、廃止、整理、統合はすぐに行うべきですし、これは利用者側にとっても複雑なので、シンプルで分かりやすい施策の設計が必要であるというふうに思います。
一方で、補助金の脱却をできるだけしていくべきですが、生産性向上の中核となるのはやはりDX推進です。私が気になるのは、企業側がDX推進をするのは当然ですが、伴走支援側がDXをちゃんとできているのかというのも実は重要なのではないかというふうに思います。地銀等は恐らく大丈夫であると思うのですが、支援側がさほどデジタル化ができていなかったら、サポートをされる側が進むわけがないので、支援側の状況というのもしっかり見極めるべきではないかと考えます。
次に上場企業に関しての国内投資についても意見申し上げます。現在、特に中堅上場企業で、現金や不動産を多く持っていて、成長投資に向け切れずに株価がやや低迷ぎみな会社というのは買収リスクにさらされがちです。積極的に投資する先をどうマッチングしていくかというのは、滝澤委員がおっしゃられていたように、そうしたマッチング促進の必要性も重要と考えています。
最後、外交についてです。広報・文化活動について申し上げます。国際協力基金のコンテンツの有料化をしていくべきという考え方には、基本的には賛成しております。ただ、親日家の拡大であるという大目的を考えると、お示しいただいたとおり、有償化をするにしても戦略的にしていくことが重要であるというふうに考えています。マーケティングの視点、なかなか独法のほうが持ち合わせていないという点もありますので、その点も踏まえて自己収入を増やしていくということは重要であるというふうに思います。
関連して気になる点です。私は、独立行政法人の評価委員会委員を務めており、毎年、独法の理事、理事長とのディスカッションを行います。今回の国際協力基金に限らず、独法全体で感じる点を、少し脱線してしまうのですが、コメント差し上げたいと思います。一部ヒアリングをしている中では、自己収入の拡大というところにおいて、やや理事長さんたちが消極的な姿勢を示されるケースが見受けられます。
その理由は大きく二つです。そもそも稼ぐということがどうも分かっていない、経験も人員も不足しているというところであると思うのですが、その点に関しては、民間出身の理事長さんなどが就いたところでは大幅に自己収入、外部資金を増やされている独法さんもあると思いますので、やはり人員の体制の補強、理事長等、トップのマネジメントが重要なのであるというふうに考えています。
2点目、これは非常に重要であると思っていて、自己収入を増やすと、運営費交付金がすごく減らされるというふうに理事長さんたちが考えていて、なかなか自己収入を増やした努力しても報われないというような印象を持っているケースが多いのかなと。実質的にはそうしたふうになっていないと我々独法の委員会では整理しています。独法は、データ、知見、コンテンツ、有償化可能なものは結構あるというふうに感じており、自己収入促進と交付金の関係について、皆様、主務省、各府省とのコミュニケーションを取っていただけると非常にありがたいなというふうに思っています。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、堀委員、お願いします。
〔堀委員〕ありがとうございます。時間もないのでデジタル化についてだけ述べさせていただきます。18ページのところで、デジタル化の予算が増えていくというのは、インフラ整備を進めて、DXの実装を進めていくためにも必要な投資的な側面もあるとは思います。ただ、同時に、どれだけ増えるのが望ましいのか、あるいはそれが適切なのかというところでは、費用対効果と有効性を確認していく必要もあると思います。特に他律的要因が4%となっており、この中にはソフトウエアのサポート終了、システム並行稼働、法令対応、セキュリティーリスクが含まれています。セキュリティーリスクについてはサイバー攻撃等もありますし、1単独組織で人員確保が難しいので、国家的な戦略に沿って対策をする、対応できる人材を確保していく必要があると思いますが、そのほかの要因について、この増加が、これが適切なのかどうかというのは検討していく必要があるのではないかと思います。
21ページ、自治体情報システムの標準化、ガバクラの移行、これは本当に重要であると思います。推進する施策にインセンティブをつけて、逆にそれを阻害するボトルネックを確認した上でペナルティーをつけていくというか、もう本気で進めていく必要があるのであると思います。
佐藤委員がおっしゃったと思うのですが、このまま恐らく、自治体に任せていると、恐らくベンダー個別契約はいつまでたっても変わっていかないと思いますし、本気で伴走支援などをしないと、逆に投資のはずが、無駄にお金だけ使われてしまう、消費してしまうということにもなりかねませんので、そこのところはしっかり見極めていく必要があると思います。一番重要なのは、市民がこの政府、行政のデジタル化のメリットを本当に感じていくことであると思うのです。単独行政、自治体だけ、一つの自治体だけがデジタル化をいくらしても、結局、DX化にはならないといいますか、デジタル化の恩恵を市民が感じることにはつながらないですし、そのためにもデジタル庁が単なる調整役ではなくて、本当に司令塔として財政的な責任を持った上で確認、評価できるようにしていく必要があるのではないかと思います。生成AIを活用した費用対効果検証、効果測定も非常に重要であると思います。
ただ、政府からデジタル社会の実現に向けた重点計画を出されていると思うのですが、これは内容はとてもすばらしいものであると思うのですが、結局、実際それを進める上では、各府省庁が個別の施策に取り組んで、それぞれやっていくということになっているのかと。予算面では一元的なプロジェクト管理、予算請求から執行までレビューできているとは思うのですが、実際に行った事業がその結果どうなるかというのを制度横断的、あるいは一元的に評価できる指標もあってもいいのではないかと思います。
行政事業レビュー、非常にすばらしいと思いますし、このまま進めていただきたいと思うのですが、行政事業レビュー見える化サイトというのがあります。これを見させていただくと、とても良いとは思いますが、市民から見た目線で見ると、この事業レビューでどれだけ効果が上がっているか下がっているかというのはやはり分かりにくいなというところもあります。デジタル社会の形成、あるいはデジタル化の恩恵を市民が受けることによってマイナンバーカードの普及もどんどん加速化していくでしょうし、費用も効率化して、行政も無駄がなくなっていくと思いますので、単なるプロジェクト管理と予算だけではなくて、事業結果、アウトカムの評価ができるような指標を持っていく必要があるのではないかと思います。
試しに、日本のデジタル庁のホームページを見てみたのですが、一般の方へというところを見ると、市民目線でデジタル政府の恩恵とかは一切書かれていなくて、採用情報とかしか書かれていません。私はデジタル先進国と言われる国に一時的にいたことがありますが、そこのデジタル庁のホームページとのあまりの違いに驚きました。何か本気で進めているようにあまり見えにくいところが残念な感じがしますので、とても重要なだけに、投資に見合うアウトカムが得られているということを国民に見せていくことが重要であると思いますので、その辺の視点を持って予算も見ていただければと思います。
以上です。ありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕続きまして、平野委員、どうぞお願いします。
〔平野委員〕ありがとうございます。4点申し上げます。
まずデジタルについて。もともとデジタルガバメントは、中央あるいは地方政府の効率化と、先ほどから話題になっている質的な面も含めた行政能力の向上を狙うものですが、同時に、人口減少社会に向かう中で、官民双方における人的なリソースを捻出する切り札として捉えるべきであると私は思います。
18ページにある通り、このプロジェクトでは、運用経費の3割削減が当初からのアウトカム指標として設定されていますが、これは必ずしも正しくないと言えます。つまり、効率化を目的とするシステム構築を行うのであれば、業務量、すなわち要員数、人件費のコスト削減効果をまず定量化して、各領域・組織ごとに具体的な目標を設定し、進捗を管理し、完成後に効果検証をして、至らないところは改善策を打ち出す、これが一般的なプラクティスです。
デジタルガバメント構想においても、こうした基本中の基本とも言うべき考え方、あるいはプロジェクト管理上のプロセスを今後より明確にしていく必要があると私は思います。もう1点、これは複数の方がおっしゃられたこととも関係いたしますが、今後も情報システムは高度化、複雑化し、コストが増え続けることは確実です。そうした観点からすると、類似機能の重複の回避も含めて、地方も国も含めた意味での公的セクターにおけるIT資産を適正化するために、システムアーキテクチャ全体を俯瞰するための司令塔機能を強化することが重要です。今、デジタル庁の機能がそこまで十分に備わっているとは、残念ながら言えないと思います。
2点目、国内投資について。1番目に、前回も話題になりましたが、国家の産業競争力強化への関与が高まっている世界的な潮流の中で、経済安全保障や技術革新の不確実性など、民間では取り切れない大きなリスクへの政府支援は確かに必要です。問題は、それをどういうクライテリアで対象をスクリーニングしていくのか、効率を上げていくのかということです。その意味では、今回、8ページから9ページに整理していただいた産業政策の基本的な考え方について賛同します。
その良い事例が10ページのGXです。これは経済界も入って、経産省とも随分議論いたしました。金額が大き過ぎるか否かというのは別の話として、このフレームワークはよくできています。
それから2番目、これも多くの方が触れられた補助金については、全くそのとおりです。政府支援が必要な場合でも、各案件の性格やリスク度合いに応じた官民のリスクシェアリングを基本とすることが重要です。すなわち、先ほど山口さんからブレンディッドファイナンスの話がありましたが、国としては、スキームを工夫しながら、単純な補助ではなくリターンも期待できるようなエクイティの形を取ることも今後考えていくべきではないかと私は考えています。
3番目、少し別の観点ですが、今の国際情勢下、ややもするとオンショアリングに傾く傾向があります。アメリカは特にそうです。ただ、これは日本の場合、非常に難しく、国際的なサプライチェーンの中に日本の産業をどう組み込むかという視点でスクリーニングをかけるべきであると思います。17戦略分野についてもそうした視点でよく見るべきであると思います。少し怪しいものも入っています。
4番目、中小企業についても複数の皆様が既に御指摘のとおりです。19ページ、20ページに書いていただいたとおりであり、経営能力の向上を掲げたことに賛同いたします。今回、これまでの「補助金」に対して「金融支援」を重視するという整理ですが、これはファイナンス自体ではなく、対象企業の経営課題の解決に向けた支援を重視すべきです。これは、基本的には地域金融機関の責任であり、彼らのコンサルティング能力を最大限に発揮すべきです。今、金融庁での地域金融力強化プランの見直しにおいては、ファイナンスの話ばかり議論にあがっているのですが、そうではなく、こうしたコンサルティング能力の向上を図り、地域金融機関の経営自体も強靱化していくという視点が必要であると思います。ただ、そうしたコンサルティング、伴走支援を行っても改善しない企業については、申し訳ありませんが、新陳代謝を促す方策を具体的に検討すべきであると思います。
5番目、企業セクターとしてスタートアップがあるが、これについては、先ほど滝澤さんが非常に良い提案をされました。全面的に賛同いたします。
3点目。社会資本整備に関しては、これからはコンパクトしかない。いかに実効性を高めるかという観点で、集中化は不可欠であると思います。今回、19ページで、市町村の枠を超えて立地適正化計画を描き直すとしているが、これは理想ではあるが、従前よりずっと言い続けているにも関わらず、なかなか進まない。これは自治体間の利害調整が難航しているからである。では、都道府県知事が出たらいいではないかという話だが、これもあまりうまくいっていません。そうした意味では、やはり国がイニシアティブを取るべきです。これは地方行政の横連携や、地域医療構想でも全く同じ構造があります。
4点目。農業についてです。御尽力された方には申し訳ないのだが、私は今回のプレゼンには若干違和感があります。まず米価高騰の問題に関して流通というテーマを付加されたということだが、ここに焦点を当て過ぎるのは問題を矮小化することにつながりかねないと思います。これだけ問題が顕在化している中で、加えて食料安全保障の問題は新政権が注力している危機管理投資という考え方に含まれるものですから、これを機会に日本の生産基盤の強化に向けた構造改革を進めるべきであると思います。
先ほどから木村さんも御指摘になられていましたが、結局これは長年にわたって、生産性の低い小規模な兼業米農家の所得安定化のために財政支援を供与し続けてきた結果、逆に農業が弱体化した。これは中小企業も同じ構造であると思います。それが実態です。従って、基本的にはこれまでも申し上げていた通り、強い担い手への農地の集約、単位面積当たりの収量のアップ、生産性の向上によって、米の価格を最終的には輸出競争力のある水準まで引き下げることをゴールとして設定し、それに向けた総合的な施策を組み立てるべきであると思います。これはすぐにはできないが、せっかくのこうした機会なので是非強調したいと思います。そうした意味で言うと、これはまた揚げ足取りのようではあるのだが、先ほどMA枠の外で、主食用の米の輸入量の増加が食料安全保障に影響を与えるのではないかというコメントがありましたが、これは方向が逆であると思います。そうではなく、日本の米のコストを下げて、日本から輸出するようにするというのが基軸であり、本筋であると思います。
最後に、担い手の問題です。強い担い手というのは一体誰かということですが、これはデータがそれを明らかにしています。直近の統計を見ると、企業、法人の数が、農業従事者の数としては3.6%だそうですが、農作物販売金額では37.9%、つまり10倍となっています。それだけ効率がいいということです。また、これもよく知られていますが、10年以内に基幹的な農業従事者数が七、八割は減ると言われている中で、企業参入は不可欠です。一昨年、制度改正が行われましたが、企業視点ではこの改正ではまだ全然参入できないということであり、追加的な対応策が喫緊の課題であると思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、大槻委員。お願いします。
〔大槻委員〕ありがとうございます。3点ですが、全体に関わることとしては、今回は成長戦略に資するような形での効率の高い支出をということで、まさにワイズスペンディングということです。
1点目、中小企業ですが、田中里沙委員もおっしゃった中企庁の試みの中で、M&Aの推進というのが100億円、企業創出と並んでやっていると思うのですが、これはやはり時間が足りない中では有効な手段となり得ると思いますので、ここ、中小企業のM&Aについては一層の注力を、お金だけではなくて、それ以外の伴走支援等も含めて行うべきではないかと思っていて、ここを推進するべく促していただきたいと思います。
一方で、それでお金を使うのだったらどこを削るかということでは、もう皆様御指摘のとおりであると思っていて、整理が非常に重要になってくると思います。確かに失業を防止する、倒産を防止するということには役立ってきたこれまでの施策であると思いますが、本当に中長期のマクロの視点で、支援額以上の生産性の向上があったのか。それから、そこで働く人たちが、果たしてそこにずっといたことがやりがいとか生きがいの意味でよかったのかなどは振り返ってみるべきであると思います。そこで、これから先の支援の在り方として、スリム化して整理した後でも、さらにお金を入れるときには、大前提としてはガバナンスがしっかりしていないと恐らく無駄になっていくので、そこについても併せて考えていただきたいというのが1点目です。
2点目、農林です。皆様もおっしゃっていたとおりですが、地域計画ですね。これは計画を策定完了したとはいえ、結果としてはまだまだ不透明と言わざるを得なくて、正直言ってトップダウンというか、農水省さんの危機感ですとかが本当に地域にあまねく行っているのかどうかということについては、やや、外から見ている限り、疑問な感じがします。むしろこの地域計画を初めの一歩として、これから定期的に話し合って、計画の粒度を上げて具体化していくということについて何らかのインセンティブか、もしくはディスインセンティブも含めて検討していく。そして、ゴールは集約ではなく、平野委員も言ったような、ほかの生産性の向上等に関わるKPIが必要なのではないかと思います。
最後は、社会資本でございます。特に住宅についてですが、先ほど何人かの方が、本件そのまま書いてあることではないですが、都市部の地価急騰というのが、これは非常に深刻で、今後の社会資本ということでは課題になり得ないということを感じます。特に高くなっていることの裏返しとして、危険地域への人口移動が懸念材料であると思います。できるだけインセンティブを抑えるような施策が重要であると思います。
それから、昨年の資料にあった都市部の予算配分に対する問題提起は今一層重要になっていると思いますので、そうしたことも改めてピン留めしていただければと思います。
それと一方で、空き家ですが、有効活用ということには同意しますが、これと新築との代替性というのは若干疑問がございまして。というのはやはり新築の価格が上がってきて、それで空き家のほうに代替が可能ならば、そちらの数が減ってきてもおかしくはないですが、現実としては増加しているということは、恐らくここの代替性は需給のミスマッチがここに発生しているために低いのではないかと思います。それを解決するには、恐らく今回議論していただいたような地方の中小企業も農業もそうであると思いますが、インフラですね。そうしたことも含めて、地方が働き場所として、住む場所として魅力的にならない限り、空き家対策というのは完全にはなかなか解消しないのではないかと思いますので、包括的に取り組んで、成長に資するようなことをお考えいただきたいと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕どうもありがとうございました。以上で、合図のあった委員からの御発言は全て終わりました。特に質問等もございませんでしたので、本日の御意見を踏まえて、起草委員がいろいろと執筆をするわけですが、主計官の皆様方も協力して、それに向けての作業をしていただければというふうに思います。
予定された時間よりは10分程度早いのですが、会議は閉じさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
それでは、本日の審議はここまでとさせていただきます。本日の会議の内容については、この後、記者会見で私から紹介させていただきます。
次回は11月11日火曜日の午前9時からでございます。9時から11時30分までの150分間ですが、「文教・科学技術」、それから、「防衛」、そして、まだ残りがございますので「社会保障」と、この三つの議題について議論を行っていただく予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日はこれにて閉会をいたします。どうもありがとうございました。
午後5時17分閉会

