財政制度等審議会財政制度分科会
議事録
財政制度等審議会財政制度分科会議事次第
令和7年5月27日(火)09:30~10:30
第3特別会議室(本庁舎4階中-412)
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1.開会
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2.議題
- とりまとめに向けた審議
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3.閉会
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分科会長 |
十倉雅和 |
東大臣政務官 新川事務次官 渡邊政策立案総括審議官 宇波主計局長 前田次長 中山次長 有利総務課長 馬場主計企画官 山岸司計課長 片山調査課長 松本(圭)主計官 石田主計官 松本(千)主計官 寺﨑主計官 今野主計官 河本主計官 八木参事官 大来主計官 末光主計官 山川主計官 菅野主計官 副島主計監査官 山本予算執行企画室長 黒坂主計企画官 小田切公会計室長 |
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分科会長代理 |
増田寬也 |
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委員 |
大槻奈那 河村小百合 熊谷亮丸 佐藤主光 武田洋子 田中里沙 土居丈朗 長澤仁志 藤谷武史 宮島香澄 山口明夫 芳野友子 |
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臨時委員 |
上村敏之 遠藤典子 小黒一正 木村旬 國部毅 権丈英子 小林充佳 櫻井彩乃 佐野晋平 中空麻奈 平野信行 広瀬道明 福田慎一 堀真奈美 神子田章博 横田響子 吉川洋 |
午前09時30分開会
〔増田分科会長代理〕おはようございます。ただいまから、財政制度等審議会の財政制度分科会を開催いたします。
本日は東大臣政務官にお越しいただいております。どうもありがとうございます。
それでは、本日お手元に配付をしております建議(案)について審議を行い、当分科会として取りまとめを行って、この会議終了後、その建議を十倉会長、そして起草委員の皆様から、東大臣政務官にお渡しする予定となっております。
今回の建議(案)は、前回の分科会やその後に書面でいただきました御意見を踏まえて、起草委員の皆様に御修正いただいたものです。お手元には、前回の会議で御審議をいただきました案文からの修正見え消し版と、修正を溶け込ませたもの、それぞれを配付しておりますので、御参考にしていただきたいと存じます。
そして、修文案につきましては、前回申し上げましたとおり、起草委員の皆様に最終的な判断は御一任をいただいたところでございます。その後、起草委員の皆様に御議論いただきましたが、皆様のコメントのうち、当審議会で行われた議論との関連性が低いもの、そして当審議会で行われた議論の方向性とは異なると判断されたものなど、反映を見送ったものもあると聞いてはおります。ただし、全体としては数多くのコメントを反映していただいておりまして、本日お配りをさせていただきました。御賛同いただける形になっているかと思います。
前回の会議で御審議いただいた案文からの主な変更箇所につきまして、これ以降、事務局から補足説明をしていただき、その後、審議とさせていただきます。
それでは、片山課長、簡潔に説明お願いします。
〔片山調査課長〕ありがとうございます。5月9日の分科会でいただきました議論につきまして、それからその後いただきましたコメントにつきまして、起草委員の先生方に考えていただいた案になってございます。いただきましたコメントは全体で330件ございまして、御議論、大変ありがたく頂戴しております。
まず、タイトルでございます。「変わりゆく」というのは少し傍観者感があるということで、「激動の」ということでお願いしたいと思っております。
見え消し版の1ページにまいります。基本認識でございます。26行目、平野委員からのもう少し前向きなことも記載すべきとの御意見を踏まえ、「賃上げに向けた動き」となっております。また、藤谷委員、小黒委員からいただきました御意見を踏まえ、「この移行を確実なものとする」から始まる一文が追加されております。
続きまして、2ページでございます。12行目、「供給力の向上や」以降は、所得再分配について丁寧に書くべきという小黒委員、木村委員、神子田委員からの御意見を踏まえております。18行目、「さらに金利が上昇する局面」は、大槻委員、熊谷委員、神子田委員からいただいた、金利がある状況からさらに金利が上昇する局面にあるという御意見を踏まえております。21行目、「今後、利払費の段階的な増加」以降は、藤谷委員、宮島委員からいただいた御意見を踏まえております。27行目から次のページの7行目まで、財政健全化目標につきまして、先週、直前になりまして恐縮ですが、お送りさせていただきました。ここにつきましては、田中委員、山口委員からいただいたPB黒字化目標の年限を設定すべき、また、國部委員からいただいたストック目標も書くべきという御意見も踏まえております。
3ページにまいります。12行目、佐野委員からいただいた、公的サービスと負担との関係を強調すべきという御意見を踏まえております。また、15行目、これは藤谷委員、宮島委員、芳野委員、木村委員、國部委員、平野委員の御意見を踏まえております。24行目、「無論、ギリシャと我が国では」以降は、ギリシャと日本の背景が異なる旨を補足すべきという大槻委員、小林慶一郎委員、國部委員、平野委員からからの御意見を踏まえております。
続いて「Ⅱ.財政総論」です。6ページにまいります。2行目、「資本ストック」は、より分かりやすい表現にすべきという平野委員のご意見を踏まえております。また、TFP、全要素生産性について丁寧に書くべきという滝澤委員、熊谷委員からの御意見を踏まえております。15行目、「発展」ではなく「円滑化」とすべきという、権丈委員からの御意見を踏まえております。21行目、因果関係は明らかでないということを丁寧に書くべきという、権丈委員、藤谷委員からの御意見を踏まえております。24行目、田中委員、藤谷委員からいただいた、労働移動の円滑化が供給制約のボトルネックを解消しうるということを丁寧に書くべきという御意見を踏まえております。
7ページにまいります。注でございます。横田委員から、ISバランスの中身を書くべきという御意見をいただきましたので、反映しております。
8ページにまいります。2行目、「民間の主体性」以降は、広瀬委員からの持続可能な地域づくりには民間の参画も必要という御意見を踏まえております。また、12行目、「成長分野をはじめとする高付加価値型産業の創出」及び脚注9は、農林水産業や観光業以外の産業の創出や事業承継等も重要という広瀬委員のご意見を踏まえております。
13ページにまいります。6行目、トラス・ショックにつきまして、特に時系列で書いた方が良いという大槻委員からの御意見を踏まえております。また、12行目、「今後の財政運営次第」からの一文は、日英の状況の違いを踏まえて修正すべきという平野委員のご意見を踏まえております。
14ページにまいります。10行目、「また、同社による米国の国債の格付」以降は、先日のムーディーズによる米国債の格下げを踏まえたものでございます。
16ページにまいります。11行目、「ドイツについては」以降は、ドイツは債務ブレーキを外したのですが、これについては平時の財政健全化の取組があるから大丈夫だったのであるという平野委員からの御指摘を踏まえております。
19ページにまいります。脚注29は、小林充佳委員、芳野委員、國部委員、平野委員、その他の先生方から、独立財政推計機関の設置やペイアズユーゴー原則の徹底が必要という話がございました。これはまだ審議会において議論が熟しておりませんが、ただ意見が多数出ましたので、明確にここに記載しております。
続きまして、20ページにまいります。29行目、フューチャーデザインについてしっかり考えるべきという、熊谷委員、長澤委員からの御意見を踏まえております。
続いて、「Ⅲ.活力ある経済社会の実現」です。24ページにまいります。16行目、「これには、長時間労働を中心とした労働慣行、」以降は、女性の正規雇用比率の「L字」カーブには複合的な要因があるという、熊谷委員、権丈委員、櫻井委員からの御意見を踏まえております。
25ページにまいります。5行目、「あわせて」からの一文は、スキルや賃金等に関するデータの充実等が必要という熊谷委員、芳野委員、小黒委員のご意見を踏まえております。
26ページにまいります。27行目、「学生の学びの継続のためのセーフティネット」以降は、セーフティネットや制度的整備の内容を分かりやすく記載すべきという堀委員のご意見や、地域への配慮も必要という広瀬委員、田中委員のご意見を踏まえております。
27ページにまいります。10行目、大学というのは社会で発展の原動力となるということを広義で書いた方が良いという櫻井委員の御意見を踏まえております。15行目、「エビデンスに基づいて」は、熊谷委員、長澤委員、佐野委員からの御意見を踏まえております。脚注32、「こうした人材ニーズに比して」からの一文は、人員が不足している分野やイノベーションの創出に貢献する人材が必要という、大槻委員、熊谷委員、長澤委員、平野委員のご意見を踏まえたものでございます。
続きまして、31ページにまいります。1行目、システム投資でございますが、本文を踏まえた見出しにすべきという上村委員のご意見を踏まえております。
34ページにまいります。15行目「また、労務費の転嫁のあり方」及び18行目「同指針の更なる周知促進」以降は、価格転嫁に向けて更なる情報周知や官公需における価格転嫁の推進が必要という芳野委員のご意見を踏まえております。
続きまして、37ページにまいります。14行目「人口減少が進む我が国において」からの一文は、有望分野への資源配分のシフトを促すことが重要という熊谷委員、平野委員のご意見を踏まえております。
続いて、「Ⅳ. 安心で豊かな地域社会の確立」です。
39ページにまいります。24行目、「多様な主体の参画」は、熊谷委員、櫻井委員、広瀬委員のご意見を踏まえております。26行目、「さらには、ジェンダーキャップに関する指標を検討する」は、賃金格差の背景のジェンダーバイアスの解消や意識改革の観点からKPIとして検討すべきという芳野委員、櫻井委員のご意見を踏まえております。
41ページにまいります。12行目、「また、計画策定後も、」からの一文は、状況の変化に応じた対応が必要という熊谷委員のご意見を踏まえております。15行目、「そして、そうしたコンパクトなまちづくり」からの一文は、実はコンパクト化はインフラの対応にとどまるものではなく全体に広がるものであるという平野委員からの御意見を踏まえたものでございます。
47ページにまいります。14行目から15行目、「農地の最大限の集約化や法人経営・株式会社の参入促進等を通じた」は、昨年秋に議論した法人の参入等についても記載すべきという平野委員のご意見を踏まえております。23行目、「国内における米の生産性向上を基本としつつ」は、食料・農業・農村基本法に基づき、まずは国内の農業生産の増大を基本とする旨を明記すべきという芳野委員のご意見を踏まえております。
48ページにまいります。16行目、「農業従事者の所得向上を通じて、」以降は、担い手の確保について言及すべきという芳野委員のご意見を踏まえております。
「Ⅴ. 持続可能な社会保障制度の構築」です。57ページにまいります。社会保障の総論のところですが、今回ビジョンのようなものをお示しいたしました。持続可能な社会保障制度の構築に向けて何を提言するのかをより明確にすべきという大槻委員の御意見を反映してございます。
62ページにまいります。医療でございます。まず10行目、「国民意識や行動の変革を促す」は、医療・介護分野のあるべき理想像を検討する上での重要なポイントを明記すべきという大槻委員のご意見を踏まえております。14行目、「社会保険の基本理念である自助・共助・公助」は、共助の考え方に基づくべきという権丈委員、堀委員のご意見を踏まえております。
64ページにまいります。6行目、「税も含めた形で給付と負担のバランスが確保され」以降は、社会保障サービスがセーフティネットとして機能し続けることが重要という芳野委員のご意見を踏まえております。
67ページにまいります。17行目、「地域ごとに特色があるものの」は、堀委員のご意見を踏まえております。
少し飛んで95ページ。16行目、「マイナンバー活用のあり方や」以降は、応能負担の実現の観点からマイナンバーの活用が重要という國部委員、平野委員のご意見を踏まえております。
また少し飛びますが、107ページにまいります。3行目、「(報酬を受けない労働)」及び、4行目「法定業務以外の書類作成業務や家事支援などの」は、シャドウワークの内容を記載すべきという堀委員のご意見を踏まえております。
相当駆け足で大変恐縮ではございましたが、先ほど申し上げた330個の御意見を頂戴しており、それらを踏まえたものになっております。中には本当は御紹介する予定だったものの、時間の関係で割愛させていただいたものもございました。表現ぶりの修正も別途なされております。よろしくお願い申し上げます。
〔増田分科会長代理〕御苦労さまでした。ありがとうございました。また、起草委員の先生方にも大変御尽力いただきまして、ありがとうございました。
委員の皆様から頂戴いたしました御意見については、繰り返しになりますが、可能な限り反映できているのではないかと思います。そして、前回「P」にしていたところもございましたが、そこについても様々な御意見をいただきまして、ここに記載のとおりで調整をさせていただいたというところでございます。今各党でもいろいろな動きがあり、早めにこの建議をそちらにもぶつけたいということもございますので、先ほど申し上げましたように、午前中にはもう財務省にお出しをしてその後に議論に供していくと、こうしたことで考えております。初めに、この建議の内容につきましてお諮りしたいと思います。
いろいろ御議論いただいた上でのこのような調整ということでございますので、細部に見れば更にいろいろ御意見ございますやもしれませんが、配っておりますこの形で建議を決めさせていただきたいと思っているところでございます。
お手元に配付をしております建議案のとおり取りまとめたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
〔増田分科会長代理〕ありがとうございます。それでは、この形で決定ということで、これを後ほど会長と起草委員より財務省にお出しをしたいと、このように思います。
それでは、10時25分ぐらいまで時間を確保しております。その時間の範囲の中におきまして、取りまとめられた建議の内容、そして春の財審全体を通じた御感想等を各委員から頂戴できればと思います。
秋の財審では各分野の個別の課題について議論することとなっておりますので、秋の財審の審議に向けた課題提起ということもあろうかと思います。これからの時間は広範囲に御意見を頂戴できればと思います。
それでは、宮島委員から順次御発言いただきたいと思います。よろしくお願いします。
〔宮島委員〕どうもありがとうございます。大変多くの意見を踏まえて修正を加えていただき、起草委員や事務局の方々に感謝を申し上げます。
そして、微細にわたって文言を調整した建議をどう受け止めていただけるかということが、これからであると思います。特に、東政務官が本日いらっしゃっておりますが、政治でどう受け止めていただけるかということは非常に大事であると思います。特に最近、世の中では、財政や財源と言うだけで抵抗感を持つ人たちもいらっしゃらなくはありません。つまり、人によって財政に関する理解そのものが相当異なっていると感じます。しかし、例えば、建議で指摘されているとおり、物価高における財政出動がかえって状況を悪くしてしまうことや、そもそも財政が安定しないと困っている方々へのサービスが揺らいでしまうということ、あるいは、例えば税や社会保険料がそれぞれどのセクターの方々にどういうバランスでご負担になっているかということに対して共通の理解がないと、議論が成立しないのではないかと思います。こういったことをしっかりと、短期的な視野ではなく、基本的な理解を共通のものにしながら政治の世界でも議論していただきたいと思いますし、国民に対して私たちからも話していきたいと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、熊谷委員、どうぞ。
〔熊谷委員〕このたびは、すばらしい建議をまとめていただきまして誠にありがとうございます。
先週、私ども大和総研では、経済成長、社会保障、財政という三つの部門を一体的に捉えて、2040年度にかけての定量的なシミュレーションを行いました。最終的に、衰退、現状投影、高成長という三つのシナリオを提示しましたが、日本経済が活力を維持するためには、第一に労働市場改革や設備投資の増加等を通じた経済成長力の抜本的な強化、第二に社会保障制度改革を中核に据えた財政の健全化、という二つを同時並行的に推進することが不可欠であるという結論に達しました。逆に、高成長を実現しただけでは、我が国の社会保障や財政の持続性は回復しないことが明らかになりました。以上の点などを踏まえて、秋の建議ではより一層踏み込んだ議論を行うことができればと思います。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございます。それでは、櫻井委員、どうぞお願いします。
〔櫻井委員〕ありがとうございます。このたびはすばらしい建議をおまとめいただき、ありがとうございます。
これまで、将来世代や持続可能性の観点から発言させていただきました。特に未来の働き手である若者や女性の視点を踏まえることが財政運営において不可欠であると考えております。建議案でもリスキリング支援や多様なキャリア形成の必要性が言及されていますが、実効ある政策とするためには、女性や若年層が直面する構造的課題、今回で言いますと、ジェンダーギャップや賃金格差、非正規雇用が特に女性や若者に集中している現状への配慮が必要であると思います。
また、財政の信認を将来にわたり確保するためにも、多様な立場の声を反映した制度設計が求められます。フューチャーデザインという言葉もありましたが、若者たちがこの国の財政運営に希望と納得を持って参加できるように、今回取りまとめられた建議についても、できるだけ分かりやすく今後発信していただけたらと思っております。将来を担う世代の声を反映した財政運営が進むことを強く願っております。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございます。それでは、長澤委員、どうぞ。
〔長澤委員〕ありがとうございます。取りまとめにあたられました起草委員の皆様、お疲れ様でした。本当にすばらしい、読みやすい建議であると思います。
私は1点だけ。前回の会議でも申し上げたのですが、国民的意識をどう高めていくかということが、こうした建議の内容を反映する予算編成につながると思います。メディアの方がやっておられるアンケート等を見ても、まだまだ財政危機に関する国民的意識は非常に低いのではないかと考えていまして、是非情宣活動を続けていただいて、建議の内容が反映できる予算案になっていくようにと強く望みます。
どうもお疲れ様でした。ありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕それでは、神子田委員、お願いします。
〔神子田委員〕建議の取りまとめ、どうもありがとうございました。大変な御苦労があったと思いますが、非常によくまとまっていると思います。
特に私は概要の基本認識について意見いたしましたが、気合を入れ直して書かれたということがよく分かる改善ぶりでありました。特に基本認識は、トランプ政権の誕生の背景まで読み込んだ時代認識やそれに対してどう立ち向かっていくか、とりわけ格差や分断ということが資本主義全体に問われており、日本としては、まず成長し、そこから分配し、格差を減らしていくといったことが大事であるということが書かれています。もう一つ、トランプ政権の誕生で問われているのは、やはりアメリカがこれまで自分で負担して世界の平和と経済の繁栄を担ってきましたが、アメリカが一人では負い切れなくなったというところで、それこそ世界的にも共助の時代だということ。その中で日本は一層の自立が求められ、そのためには財政基盤をしっかりとしなければいけないというメッセージがよく伝わってくる内容であると思いますので、秋に向けて具体的にどういう形にしていくか、また考えていきたいと思います。どうもありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、山口委員、お願いします。
〔山口委員〕取りまとめ、本当にお疲れ様でございます。この建議、私も何度も読み返しをさせていただきました。ありがとうございます。
前回の議論を踏まえて、今回のこの成案は、言うべきことはしっかりと言うといった姿勢がより強くなっており、賛同いたします。特に財政健全化の具体的な目標については、恐らく大変な調整の御尽力があったものと推察いたしますが、債務残高対GDP比を10年間で30%程度引き下げ、2030年までにはコロナ禍前の水準に戻すという、具体的な期間と水準の目標を明記したことは大きな意味があると考えます。この後は、この健全化目標に向けたロードマップを具体化していくことと、そして、財政健全化の重要性を国民としっかりと共有していくこと、これが極めて重要だと思います。私も参加している経済同友会等々も含めていろいろな形で発信をしてまいりたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、芳野委員、お願いします。
〔芳野委員〕ありがとうございます。まずは、起草委員の皆様の御尽力に敬意を表したいと思います。こちらから提出しました意見書からも様々取り込んでいただきました。改めて感謝を申し上げたいと思います。
時間も限られていますので、1点だけ意見を申し述べたいと思います。
今回の建議において、国の財政に対する信認を確保するため、改めて財政健全化に向けた道筋が示されましたが、歳出が歳入を大幅に上回る中、その道筋を確かなものとしていくには、これまでも申し上げているとおり、国と地方の財政に関する将来推計や、政府の財政計画の監視、評価を行う独立財政機関を設置するなど、体制の強化が不可欠ですので、この点の検討をお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕それでは、小黒委員、お願いします。
〔小黒委員〕起草委員の皆様方、お疲れ様でした。
今回の建議ですが、重要なのは、インフレ下での財政の在り方についてかなり書き込まれているということではないかと思います。足もとでは実質金利の日米間の差によって円安が起こっていて、それで輸入インフレが起こっています。厳しい方々もいるわけですが、そこで財政出動をすれば、またインフレが加速するというような状況もあると思いますので、そこについてしっかり書かれたということは大きいかなと思います。
また、人口減少との関係で、2040年度以降、東京でも人口が減少するわけですが、どうしていくのかということを考えなければいけないということで、インフラの話などもきちんと書かれている。特に重要なのは社会保障であると思いますが、先ほどもありましたとおり、財政健全化に向けた目標、これは今後当然攻防になると思いますが、骨太にここに書かれているような文言をさらに踏み込んだ形で書かれるというようなところまでしていただければよいのかなと思います。あと診療報酬の改定もあると思いますが頑張っていただければと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、田中委員、お願いします。
〔田中委員〕ありがとうございます。すばらしい建議をありがとうございました。これまでも繰り返しメッセージはされてきたところですが、今回、限りある財政資源を有効に活用すること、ワイズスペンディング、また本当に成果が見込まれることに集中的にというように、きらりと光るキーフレーズがたくさんちりばめられていまして、これらの点に今回ひときわ大きな熱量を感じました。こうしたフレーズがどんどん世に出ていくとよいなと思っています。
昨今は、消費税や年金の問題がテレビ等で報道されるときに、街頭インタビューの回答者が財源とのセットで意見を話すということが目につきます。これは新聞やテレビからも正確な情報が出されたうえで、ヒアリング調査の時点でそれらが伝わっていることが功を奏しているのではないかと思いますので、今後もそうした気づきを得てもらえるようなメッセージの発信にも注力ができればと思っています。
最近、複雑化する社会の中で、不透明や予測不可能ということで、あらゆることが少し他人任せになりがちなのですが、ここに来て合成の誤謬のようなものが少し顕著になっています。この建議が、物事を俯瞰的に見て他者を思いやる気持ちのよりどころになるかと思うところがたくさんございました。それが多くの皆様に伝わり、各所で活きる建議になることを期待したいと思っております。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、平野委員、お願いします。
〔平野委員〕起草委員の皆様、大変お疲れ様でございました。良い建議ができたと思います。
皆様から、財政に関する国民の意識が十分深まっていないというお話がありました。確かにそのとおりと思いますが、一方で参議院選挙を前に消費税引下げの議論が政治の世界を揺るがしているのに対して、直近の日経の世論調査を見ると、国民は予想以上に冷静とも言えます。こうした政治での議論が、ある意味でよいきっかけになって、足もとの状況への短絡的な対策より、我々が抱いている将来への不安や社会保障・財政の持続可能性を意識し始めたという面もあるのではないかという気がしています。そうした中で、先ほどから何名かの委員もおっしゃっていますが、コロナ禍前、すなわち平時への回帰という従来の財審のテーマに加えて、有事への備えという考え方を新しく打ち込むことで、時限を切って、具体的な債務比率の引下げを図るという形の財政健全化目標を提言できたことは、今回の最大の成果だと思っています。
ただ、この目標は、確かに誰にも比較的受け入れられやすく、分かりやすい目標ではありますが、それをどうやって実現するのかという点に関しては、一定のPBの黒字幅をシンクタンクの試算を引用して述べるにとどまっているので、この点については今後議論を深める必要があります。今回の建議では注として取り上げてもらいましたが、それを担保するための一つの手法であるIFIやペイアズユーゴーといった、財政規律を担保するための政治的な仕組みについても今後検討していく必要があると思います。
秋に向けて2点申し上げます。
1点目。先ほど片山課長の御説明の中ではあまり触れられていませんでしたが、医療提供体制や地方のコンパクト化などに関して、規制的な手法の導入、あるいは国のリーダーシップの必要性に触れられていたことは、とても重要な指摘だと思っています。これは秋の財審でもテーマになると思いますが、今後は、具体的にどのような規制的な手法を使うのか、国と自治体がそれぞれどういう役割を発揮していくのか、という点も考慮しながら議論を進められると良いと思います。
2点目。先ほど宮島委員がおっしゃっていましたが、誰が、何を必要としていて、実際に国はどういう対応をしているのかよく分からないという点は大きな問題だと思います。言い換えると、これは社会保障における負担と給付の問題とも言えると思います。ただし、この問題について、客観的なデータをベースにした政策論的な対応を行うためには、まずはデータベースが必要です。したがって、これは秋のテーマではないかもしれませんが、行政における税・社会保障を含むデータ基盤を構築したうえで、それを共有し、政策の立案を行い、給付なども執行していくというような大がかりな仕組みについても今後考えていく必要があると思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、木村委員、お願いします。
〔木村委員〕ありがとうございます。充実した建議をまとめていただきありがとうございました。起草委員の先生方にお礼申し上げたいと思います。
私からは、手短に2点申し上げたいと思います。
1点は、この建議をいかに実現に移していくかということが問われるということです。特に今年度はPB黒字化目標達成の期限でしたので、また新たな目標の設定が必要になると伺っています。2025年度のPB黒字化目標が難しくなったというのは極めて残念なのですが、新しい目標として、25年度から26年度にかけての黒字化と、遅れを最小限にとどめながら具体的な年限を示したというのは極めて適切なことだと思います。あわせて、債務残高対GDP比をコロナ禍前まで低下させるという目標も明示し、フローとストックの両面で健全化を進めていく方針を明確にしたということもよかったと思います。
これから問われるのは、来月まとめる骨太の方針に、このフローとストックの健全化目標をきちんと反映させるということであると思います。伝えられるところでは、黒字化をさらに先送りできるような表現や、黒字化がある程度進めば、歳出の拡大や財政の出動、減税が可能になるような表現も検討されているやに聞いています。トランプ関税などもありますので、一定の財政的な対応は必要かもしれませんが、金利上昇に加えて、アメリカ国債のような格下げを招きかねないということもありますので、財政健全化の方針を崩さないように、骨太の方針に向けて御尽力いただきたいです。もう1点、次の秋の財審のときは夏の参院選も終わり、政治情勢が大きく変わっているかもしれません。ダブル選がなければ、少なくとも少数与党が続くということですから、引き続き財政出動や減税への圧力が一段と高まるということも予想されます。
建議のタイトルは「激動の世界」ですが、国内も激動になることが予想されます。国内外、その激動を乗り切るためにやはり欠かせないのは財政の安定だと思います。財政の安定という基本を揺るがすことなく、秋の財審でもこれから議論していく必要があると思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、國部委員、どうぞ。
〔國部委員〕まずは、起草委員の先生方におかれましては、すばらしい建議をおまとめいただき、感謝申し上げます。
最後まで御調整いただいていた財政健全化目標につきましては、PB黒字化達成の目標時期を実質的に1年後ろ倒ししたものの、ストック目標である債務残高対GDP比については「2030年度までに」と時限を区切るなど、これまでよりも一歩踏み込んだ内容となっている点は評価できます。一部報道が先行していますが、本建議で示した健全化目標が、今後取りまとめられる骨太の方針にしっかりと反映されることを期待しています。また、この春の議論を通じて改めて感じましたが、このような財政健全化目標を実現していくためには、独立財政機関など、その実行性を担保する枠組みが不可欠です。検討に時間を要するテーマですので、いずれということではなく、できる限り早期に検討を開始していただきたいと思います。
秋の財審につきましては、来年度のPB黒字化達成に向けて、非常に重要な議論が行われることになります。アメリカの関税措置を受けて先行きの不透明感が高まっていますが、我が国の経済財政のあるべき姿という中長期の目線を忘れずに、財政健全化と経済成長の両立に向け、地に足のついた議論をしていきたいと思います。また、足もとの減税や給付を求める議論を見ていますと、財政健全化を実現するためには、国民一人一人が財政を自分事として捉え、受益と負担の最適なバランスを考えていくことが必要だと感じます。財審としても、財政改革の必要性とともに、国民の「痛み」にも寄り添った真摯なメッセージを粘り強く発信し、国民の判断を後押ししていければと思います。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、広瀬委員、お願いします。
〔広瀬委員〕まず、起草委員の皆様、ありがとうございました。簡単に3点申し上げたいと思います。
一つ目は、財政の健全化、もう既に皆様からいろんな御意見出ておりますが、やはり国際情勢がこれだけ大きく変わっている中で、財政余力の確保は極めて重要になってきているのではないかと思っております。金利のある世界では、歳出改革が遅れますと、当然のことながら利払費が上昇します。少し痛みを伴うかもしれませんが、今、國部委員がおっしゃったとおり、丁寧な対応をすることによって、改革をしっかりと前進させて、財政健全化を進めていただきたいと思います。
二つ目は、企業の競争力強化についてでございます。やはりこれからの日本の成長を考える場合には、中長期的な視点で成長と分配のバランスを取りながら、生産性向上や人材の育成、あるいはデジタル化などを通して、企業の国際競争力を強化する政策をこれからも着実に進めていただきたいと思います。
三つ目が地域の問題です。どうしても東京と地方という二項対立になるわけですが、ある面では東京も一つの地域と言えなくもありません。地域がそれぞれの特徴や特色、あるいは役割・機能を発展するのにつながる国の政策が必要なのではないかと考えております。そこに、支援やインセンティブをつけていただければありがたいと思います。
最後になりますが、十倉会長には、非常に難しい時代、厳しい時代に経済界全体を引っ張っていただきまして、本当にありがとうございました。フューチャーデザイン2040では、公正・公平で持続可能な社会を実現する、このように謳われているわけですが、これからの日本を考えると、まさにこの公正・公平で持続可能な社会に向けて、全ての人材、知恵、政策を集中していくべきではないかなと考えております。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。よろしければ起草委員の皆様から何かございますでしょうか。それでは、土居委員、どうぞお願いします。
〔土居委員〕まずは、この建議のとりまとめにあたっての委員の皆様の御協力に感謝申し上げたいと思います。秋の財審に関しては、診療報酬改定が控えているということで、社会保障に関する議論がさらに必要になるということは言うまでもありません。くわえて、お米やインフラ老朽化の問題など、非社会保障の問題についても、非常に身近なところで国民の関心が高まってきているため、来年度予算でどのように対応するのか、例年以上に注目されるのではないかと思います。秋の財審では、個別各論についても皆様とともに、しっかりとよい議論をしたいと思っております。
以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。では、佐藤委員、どうぞ。
〔佐藤委員〕議論お疲れ様でした。ありがとうございます。
私も秋の審議に向けてです。最近あまり議論が出てこないなと思うのは地方財政であります。地方自治体は、いろいろな課題の担い手です。例えば給付一つをとってみても、実際それを行っているのは地方自治体です。もちろん医療・介護の担い手でもありますし、地方創生も実際行っているのは地方自治体です。人口減少の中において、これからの国土の再編成を視野に入れるということも考えると、やはり地方自治体の一定の覚悟と役割が求められるということになります。これまでの秋の財審では、政策の担い手としての地方自治体の話はあまりしてこなかったという気がしますので、改めて着目できればと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。河村委員、どうぞ。
〔河村委員〕まず建議に関して、様々なコメントや御意見をいただき、ありがとうございました。
昨今の動きについて、少し感じていることを申し上げます。様々な動きがあって、少しどうかなと思うところももちろんありますが、現実として、本当に生活が苦しくなっている方々がいるということはやはり事実だと思います。そこを国全体としてどうやっていくのがよいのか。逆に少し余裕がある方もいらっしゃるので、困っている方々との間に溝が少しできてしまっているのではないかと感じるところもあります。溝が広がってしまわないように、様々な立場の方に思いを馳せて、国民それぞれがそれぞれの立場で、国全体のためにどうしていくのがよいのかを考えられるような、そうした取組をしていければと思っております。
以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。最後、片山課長に少し、事務局としてのお話と、十倉会長に御挨拶をいただきたいと思います。
〔片山調査課長〕すみません。改めまして、今回いろいろ活発な御議論、活発を超えた御議論ありがとうございました。起草委員会では数時間にわたるセッションを何回か開催し、その後またメールでもやり取りをしたということで、非常に活発な御議論でした。今回、4月から新体制での財審ということで、前体制からの委員の方も、新しい委員の方もおられました。新しい体制においても、これまで以上に充実した議論がなされたということに、改めて感謝を申し上げたいと思います。
その上で二つ申し上げますと、先ほど何名かの委員の方からもありましたが、トランプ政権に対する対応をどうするのかという足もとの話もある一方、この建議にも書かれておりますが、構造的な分断や格差が世界中で広がっている、また日本でも広がっている可能性がある、そうした中でどうするのかという大きいことを考えるステージに来ているのではないか感じました。今回の春の建議はそうした大きいビジョンが描かれていると思います。
いわゆる財政の議論も大事なのですが、そうした世界的な変化に対応するためには、まさしく経済社会そのものをどういうふうな方向にしていくのか。特に今回は、そうしたいわば大上段の議論や、もちろん財政の役割、また1月にトランプ政権が発足してからの変化が大きいスコープになっております。委員の皆様には、財政のみならず、いろいろ多岐にわたって御議論いただきまして、非常に感謝しております。
あともう一つ、やはりそうは言いながらも建議の中で明るい未来が描かれることは重要だと思います。日本は、もちろんGDPではどんどん小さくなっておりますが、例えば安全保障関係を見ますと、引き続きアジアにおけるピボット、コーナーストーンであるべきですし、日米安保条約も含めて、世界の中で、アジアの中で日本の役割がこれまで以上に重要になる局面もあります。そうしたことを考えますと、もちろん経済・財政も含めて、明るい未来につなげられないかということも、建議の中には盛りまれていると思います。
また財政に関しましては、こちらも何名かの委員の方から御議論ありましたが、金利がある時代から上昇する時代になる、アメリカ国債やフランス国債も格下げされるなど、市場の目線がこれまで以上に厳しくなっている局面でございます。日本に関しましても、先週日経にも出ていましたが、30年債、40年債といった超長期国債の金利が史上最高になっております。これは財政不安のみならず、需給等々、様々な要因があるのは事実なのですが、金利のある世界における財政運営ということで、これまで以上にしっかりした丁寧な対応が必要になります。フローの目標、ストックの目標をそれぞれアップデートする中で、今回の建議にはそうしたこともしっかり書き込まれていると思います。
これをどのように国民的な議論につなげていくのかが問題ということは、確かにおっしゃるとおりだと思っております。また日経になりますが、昨日のアンケート調査を見ますと、少なくとも自民党支持層については消費税減税に反対と答えた方が6割から7割となるなど、支持母体によって違うということかもしれませんが、減税に賛成ですか、反対ですかという聞き方であれば、賛成の人が多いのは当たり前です。その結果、社会保障の財源がなくなる可能性がありますよ、それでも賛成ですかと聞くと違うということで、先ほどお話もありましたが、現状認識をきちんとした形でお届けするということがますます大事な世界だと思っております。もちろんSNS等々が非常に影響力のある時代ですが、だからこそ財務省としても分かりやすく発信するということをこれまで以上に心がけていきたいと思っております。
秋の財審でいただくようなコメントも既にいただいておりますので、我々7月に異動することが多いものですから、事務局は次期の体制になるかもしれませんが、そこにつきましてもしっかり受け止めさせていただきまして、引き続き秋の議論もお願いしたいと思います。
改めまして、今回、春の議論ありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕大変御苦労さまでした。今、秋の議論の話が最後にございましたが、恐らく7月に参議院選挙があるので、財審として秋の議論をこの場で始める前に、経済対策や補正予算がかなり議論されるのではないかと思います。やはり財政規模が今非常に膨れ上がっているので、政府全体でそのあたりの目配りも気を抜かずにしっかりと継続してやっていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、最後になりますが、十倉会長から一言、御挨拶を頂戴したいと思います。会長、よろしくお願いします。
〔十倉分科会長〕ありがとうございます。今まで初回と最終回しか参加できず、本当に申し訳ございません。委員の皆様におかれましては、これまで非常に熱心に御議論いただき、ありがとうございました。また、本建議の取りまとめに御尽力いただきました起草委員の先生方にも厚く御礼申し上げます。
春の分科会では、我が国が抱える大きな課題を大所高所から議論するため、今回三つに分けて、活力ある経済社会の実現、安心で豊かな地域社会の確立、持続可能な社会保障制度の構築といった、分野横断的な御議論をいただきました。私、本日の建議を読ませていただいて、一番意を強くしましたのは、基本認識です。世界中で、米国だけではなく、分断と対立が起こっております。私は、この根底には格差に対する人々の不安や怒りがあるかと思います。我々は、成長と分配の好循環ということで、分配ということを掲げていますが、これは分配の議論を置き去りにした結果ではないかなと思います。経済社会には、もちろん成長は必要です。ただし持続的な成長は、分配の議論を置き去りにしてできないと思います。成長と分配の好循環をしっかりやっていく必要があるということを、改めて認識いたしました。
建議においては、三つほど大きな指摘があったと思います。一つは、有事対応に備えて財政余力の確保が必要であるということです。利払費の増加が見込まれ、もう既に金利が上がりかけている中、一層の緊張感を持って財政運営に臨むことが必要だと思います。そのために、プライマリーバランスと、その累積である債務残高対GDP比について具体的な目標と年限を掲げたということは、非常に意味があると思います。プライマリーバランス黒字化というのは、もう二十何年、ずっと言い続けています。もう狼少年という言葉すら聞かれなくなったほど、みんなが慣れ切っています。ここでこの停滞した雰囲気を打ち破らなければなりません。何としても25年度から26年度にかけてプライマリーバランスを黒字化させる、そして債務残高対GDP比を2030年までにコロナ禍前の水準に安定的に引き下げるという、この我々の提案を大事にしていきたいと思います。
そして、社会保障の持続性の問題です。正確に言えば税と社会保障の一体改革をきちんとやらなければならないと、そう思います。先ほど言いましたように、分配の議論もさることながら、社会保障というのは、働き方改革、少子化対策にも結びつきますし、何よりも我が国の財政赤字の大半を占める分野にメスを入れることになります。今こそ、もう待ったなしです。社会保障の改革、これを是非やっていく必要があると思います。この内容も盛り込んでいただきました。
我が国におきましては、トランプ政権による関税措置をはじめ、海外情勢の不確実性に直面しておりますが、そうした中でも本日の建議の提言を念頭に置きながら、歳出・歳入面からの改革に取り組み、財政健全化を着実に進めていくことが必要となります。その前提として、本日も多くの方から御指摘がありました。平野委員、片山課長からもありましたが、まずは国民に味方になっていただくということだと思います。民は之に由らしむべし、之を知らしむべからずという言葉もありますが、我々がなすべきは、之を知らしむべしでありまして、国民の皆様に正確な情報、あえて誤解を恐れずに言えば、もっと正論を発信すること、これが極めて重要です。財政健全化に向けて地道で時間がかかるアプローチかもしれませんが、こうした情報発信が今求められていると思います。幸いにも最近の各種新聞によって、このあたりが随分国民の皆様にも浸透してきたと思います。是非国民の良識に我々はもっともっと訴えるべきだと思います。
委員の皆様におかれましては、引き続き、活発な御議論をよろしくお願いいたします。財務省におかれましては、本建議を踏まえまして、今後の財政運営に生かしていただきますよう、よろしくお願いいたします。皆様、本当にありがとうございました。
私からは以上でございます。
〔増田分科会長代理〕会長、どうもありがとうございました。この後、十倉会長、起草委員から東政務官に建議をお渡しして、その後、記者会見を行う運びとなっております。
それでは、本日はこれで閉会とさせていただきまして、春の財審も本日までということになります。この間、大変御協力いただきまして、誠にありがとうございました。
午前10時30分閉会

