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財政制度分科会(平成30年1月26日開催)記者会見

平成30年1月26日
財政制度等審議会 財政制度分科会

 
〔田近分科会長代理〕 先ほど財政制度等審議会財政制度分科会を開催しました。本日の議題は、平成30年度予算及び財政制度分科会の今後の進め方等です。関口調査課長からは、「新しい経済政策パッケージ」、平成29年度補正予算、平成30年度予算、プライマリーバランス黒字化に向けた計画を巡る状況、そして、この2月に財審のメンバーで行う海外調査の実施についての紹介がありました。

 全体的な話ですけれども、平成30年度予算に向けて、「経済・財政再生計画」の目安が達成されたということに対しては、委員の皆様からそれなりの評価がありました。ただ、それと並行して2020年度の国・地方の基礎的財政収支の目標が先送りされたことを受けて、先行きについて強い懸念が示されました。それに関連して、今年年央に取りまとめられる新しい財政健全化に向けた計画における目安、指標が非常に大切だと。そうした目安、指標が、国民はもちろんのこと、マーケットからも信認を受けるものでないとこれからの財政運営に不安が残る、全体的にそのようなトーンで議論がされました。

 通例どおり、各委員のお名前は伏しますけれども、各委員からの主な発言について、かいつまんで紹介したいと思います。

 海外調査については、この2月から行いますが、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、OECD、EU等の国際機関を回るということです。

 まず、その海外調査については、ほかの国では国民の理解を得るために政治がどのような役割を果たしているかをぜひ調べてきてほしいという御意見がありました。

 それから、ほかの方ですけれども、2020年度の財政健全化目標の先送りに関連した意見として、2025年の先を視野に入れた議論も必要だという御指摘がありました。

 それから、その次の方は、先ほども申し上げたように、30年度予算で我々がずっと申し上げていた目安が達成された、あるいは目安の中で歳出が抑えられたということは評価したいという御意見でした。しかし、予算の目安が達成されたとは言うが、高齢者の窓口負担の引上げ、あるいは医療の定額負担といった歳出的にはより大きな額に関わる項目に改革が踏み込めなかったのは残念だと。そして、また消費税についてはきっちりと引上げるべきだとの御指摘をされました。

 その次の方は、2020年度の財政健全化の目標がなくなってしまったのは大変残念であるという、先ほど来申し上げている懸念を示しました。それから、各国の予算管理、特に年度予算と補正予算、それぞれの管理がどうなっているのかを海外調査において調べてきてほしいと。

 それから、次の方も、先ほど私の全体的な取りまとめのとおりですけれども、2020年度のプライマリーバランスの黒字化目標、財政健全化目標が先送りされたことは残念だし、財審のメンバーとしても責任を感じているという御発言がありました。

 次の方も、同じように財政健全化に対する懸念を示されたわけですけれども、この方は、次回の財政健全化目標が重要であり、そこで市場からの信認を得られるようにきちんとしたものを作るべきだという御指摘でした。

 それから、次の方は、先ほど来のとおりで、目安が達成されたことを評価していました。先ほど申し上げた昨年12月に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」においても、PB黒字化の目標を堅持したことは重要だと。債務残高対GDP比がPB黒字化の目標を置きかえるものであってはいけないということで、今年の年央までにはPB黒字化の達成計画を作成するべきだ、それから、歳出改革の具体策やその効果についても議論すべきという意見でした。これも多くの人が指摘されました。

 次の方は、内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」についても、先ほどの方が2025年の先が重要なのだと述べたことと同じように、推計を2027年度までに限らず、もっと長期の財政の姿を議論すべきだ、成長頼みだけでは日本の財政はやっていけないということを念頭に置かなくてはならないという意見でした。

 次の方は、歳出の見直しをきちんと進めるべきだと、その過程で改革工程表のこれまでの進捗も確認するべきだということをおっしゃいました。

 次の方は、歳出改革を進めるべきだけれども、そのやり方が重要だ、硬直的な歳出抑制になっては困るという意見でした。むしろ本来やるべきことは歳出の構造自身の見直しだと。先ほど来言っているように少子化・高齢化対策云々のバランスが重要だということです。

 それから、次の方は、「新しい経済政策パッケージ」をどのように実現していくのかが重要であるけれども、その中でPBを黒字化するということが明記されていると。その背景にある、消費税率を引上げるということが前提になっていることについては「新しい経済政策パッケージ」を評価すべきだと。

 それから、次の方は、橋本内閣のときの97年に財政構造改革法が成立しました。それ以降様々な財政健全化策がなされてきたわけですけれども、それが先延ばしされて、さらに2020年度の目標が先送りされたと。その間、財審も警鐘を鳴らしてきたが、それが届かなかったと。実現されなかったということは、財審も反省しなければならないという御意見でした。

 そのほか、アベノミクスの好景気の中で財政健全化の議論がおろそかになっているのではないかと。財審としてももっと警鐘を鳴らさなくてはいけない。これは従来の議論と同じです。今の若者は夢や希望を感じられる機会が少ないと思うが、これは将来への不安などがあるためだと思うと。したがって、財政健全化に取り組まなければならないと。大変大切な御意見だったと思います。

 次の方も、今の世の中の雰囲気を見ると、現状のままで何とかなるのではないかといったものを感じる、だからこそ我々は長期を見据えた検証が必要だということをおっしゃいました。

 次の方は、政府の「新しい経済政策パッケージ」の中で、人づくり革命や生産性革命等がありますけれども、「少子」に係る部分が多くて「高齢」に係る部分が少ないのではないかと。高齢化に対する議論をもっとすべきだと。特に持続可能な年金制度もテーマに上がるだろうと。

 そして、これが最後になりますけれども、やはり先ほど来、若い人たちに将来への不安があるということを発言される方が多かったのですけれども、個人の投資家へのアンケートでは貯蓄をしたいとの意見が多いということでした。理由は、何となく将来が不安だというものが圧倒的に多い。プライマリーバランス黒字化に向けての具体策がなぜ必要かというと、そういった不安を払拭するためだということで、年が明けて最初の会議ですけれども、非常に活発な議論がされました。

 以上です。

〔幹事〕 次の審議会というのは、海外調査の結果の報告になるのでしょうか。スケジュール感があれば教えてください。

〔田近分科会長代理〕 まず財審としては、2月から行くことになっている新しい財政健全化目標の策定に向けた海外調査を終わらせてからということになるだろうと思います。

〔関口調査課長〕 海外調査は2月にやらせていただきますけれども、その結果をまとめた上で御報告させていただこうと思っています。それがいつになるのかというのはまだ今のところ決まっているわけではありませんので、海外調査が終わってから速やかに御報告できるようにしたいとは思っています。

〔質問〕 紹介していただいた意見の中で、各国の年度予算と補正予算の管理がどうなっているのかを海外調査で調べてほしいというお話があったと思いますが、お分かりにならなければ結構ですけれども、それはどういった問題意識からおっしゃっているのか、もしお分かりになれば教えてください。

〔田近分科会長代理〕 要するに、全体のフレームワークとしては新しい財政健全化計画の目安、指標をどのように作るか、これが財審に今与えられている大きな課題の一つですけれども、それに向けて調査したいというところで、予算管理をどうしているのかということを調査することに対して、補正予算を各国はどういった形で編成しているかということも見てきてくださいと、そういうことです。

〔質問〕 意見の中で、新しいPBの黒字化目標の達成時期について、具体的にこのぐらいを考えるべきだとか、そういったようなやりとりはあったのでしょうか。

〔田近分科会長代理〕 新しい時期については今、まだ皆様の頭にあるのは、成長実現シナリオでも国・地方のプライマリーバランス黒字化が達成できるのは27年度になってしまったということでした。

〔質問〕 政府としては、歳出改革をして、それをどこまで前倒しできるのかということが問題だと思うのですが、どの程度の歳出改革をするかで時期がまた変わってきたりするとは思いますが、財審としては、例えばできるだけ早く、いついつごろまでにとか、そういったような議論はありましたか。

〔田近分科会長代理〕 それも含めて、だから、2020年度で達成するとやっていたものを新しく見直すわけですから、当然その点も含めて議論していくということだと思います。ただ、今この段階では、委員の皆様からは、試算上、PBが黒字化する時期が2027年度となったことに対しての懸念が示されたということだと思います。

〔質問〕 関連で、歳出改革の中身について、今後どのような強さでというか、レベルでやっていくかということに関して、例えば今は一般歳出の伸びを5,300億円に抑えるというような目安があるかと思いますが、これを更に強めるべきだとか、その辺の意見ややりとりはありましたでしょうか。

〔田近分科会長代理〕 強めるべきだとか、そういった議論をするだけの数字はないわけです。議論があったのは、「経済・財政再生計画」の集中改革期間が、2018年度で終了して、そこで見直そうということです。だから、何人かの意見は、集中改革期間で中間評価をやるということになっていたではないかと、だから、その中間評価の場できっちりやるべきだと。私もこの財審の議論を消化するときに、やはり集中改革期間で一定程度の目安は達成したと。だから、これからどうするのかということは、まさに集中改革期間の中間評価で行うことになると。それと、目標の先送りが起きてしまいましたから、新指標を作るということが同時に進むということなのだと思います。そもそも18年度の年央には中間評価を行おうということを言っていたわけですから、それはやらないといけないと。その中身について、今もう少し説明してほしいと言われても、それはさすがにこの段階ではできない。ただ、やるということは前から述べてきたということです。

〔質問〕 今回30年度に診療報酬の本体が前回より上がったことについて何か言及はありましたか。

〔田近分科会長代理〕 先ほど申し上げた話で、目安は達成できたものの、歳出改革において、額としてより大きな課題であったもの、例えば、高齢者の窓口負担、定額払い等は実現していないではないかと。その関連で言えば、当然、診療報酬の本体の改定率が今回プラスになったということは問題だということが含意だと思います。

(以上)

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