現在位置 : トップページ > 財務省について > 審議会・研究会等 > 財政制度等審議会 > 財政制度等審議会財政制度分科会 > 議事要旨等 > 会見の模様 > 財政制度分科会(平成29年10月31日開催)記者会見

財政制度分科会(平成29年10月31日開催)記者会見

平成29年10月31日
財政制度等審議会 財政制度分科会


 

〔田近分科会長代理〕 本日14時より、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、「文教・科学技術」、「地方財政」、「防衛」について事務局から資料に基づいて説明があった後、質疑を行いました。

 各委員からの主な質疑や意見については、通例通り個人名を伏して、これから紹介させていただきます。議論の詳細については、後日、公表される議事録をご参照ください。

 まず「文教・科学技術」における各委員からの質疑や意見をご紹介いたします。どの部分ということなく、全部、質問が出たところですけれども、小学校、中学校の教員の働き方については、まずはエビデンスに基づいた施策が重要だろうというご意見でした。

 そして、HECSというオーストラリアでやっている大学の授業料の後払い制度、ヘックスと呼ばせていただきますけれども、この方はHECSに対しては反対であると。というのは、現在の親世代の負担軽減しか考えていなくて、その負担は後代にしわ寄せされるだろうということでした。

 それから、この方は、高等教育の無償化というか、奨学金のあり方については公平な仕組みが大切だと。高等教育の奨学金は公平な仕組みが必要で、その結果、高等教育の奨学金をもらうために所得を低く申告したりすることが起きないような工夫が必要だ。お考えの中心になるのは、やはり高等教育というのはかなりの額になるわけですから、奨学金の在り方については公平な執行が重要だというご指摘でした。

 それから、その他の意見は、高等教育の低所得者に対する補助に関しては、支援を受けている学生が、入学時のみでなく、進学後も、大学に入った後もしっかり勉強している、そういった評価の仕組みが必要だということでした。

 それから、他の方のご意見に移ります。この方は、教育支出、特に中・高の支出がご念頭にあったと思いますが、それは単に量が他国と比べてどうこうではなくて、生徒1人当たりで考える視点が重要だというご意見がありました。

 それから、今、3歳から5歳の幼児教育の無償化ということが上げられていますけれども、この方のご意見としては、それと比べると待機児童と保育の問題の方がこの人にとってはより重要で、あるいは全体的に言えばあわせて考えるべきだということです。

 それで、高等教育についてもご意見を表明されまして、このご意見は、私学になるわけですけれども、私学で定員割れを起こしている大学をこのまま放置していてもいいのかというご指摘がありました。

 それから、その他のご意見に移りますけれども、主計官の説明された「文教・科学技術」の説明は全体的には賛成であるけれども、わかりやすく言えば、子供の数が減ることはわかっていたのに、それに向けた対応をしっかりしてこなかったではないかと。そういうわけで、小学校や保育園等の政策は、人口動態をしっかり見据えて、将来的に整合的になっていくようにすべきだというご意見がありました。

 また、大学に関する低所得者の子弟の支援ということですけれども、この支援を考えるにあたっては大学の定員割れというのがまず問題だろうと。大学の質が評価されて定員が割れるとすれば、そういった大学は結果的に補助金等で延命する必要はないだろう。まず、議論の前提は教育の質だと。結果として、定員割れが起きているような大学に関しては改善が必要であって、延命を目的とするような政策であってはならない。したがって、そのように考えたときに、HECSを導入すれば、どの大学でも補助金をもらえてしまうことになるので、HECSが今、申し上げたように教育の質の低い大学の延命をするようなことにつながりかねない、そのような議論をされていました。

 それから、他の方ですけれども、大学の統合等を進めて質を高めていくことが大切で、同時に、学生に勉強させる大学にしていくべきだというご意見です。

 次の方のご意見ですけれども、この方は大学も小・中学校についてもおっしゃっていましたけれども、学校規模については人口動態を踏まえた効率的な観点が重要だというご意見でした。

 また、次の方で、働き方についても、今、申し上げたように多くの意見が出ました。小・中学校の先生の働き方改革ですけれども、小・中学校の先生が何から何まで抱えて、教室での仕事以外に抱えてやるのは古いモデルで、したがって、もっと外部人材を小・中学校で活用するような視点が重要ですという意見をおっしゃっていました。

 次の方は、大学を想定されてお話になりましたが、大学の教育費の負担というのは大きなものになっている、それがこれから子供を産み、育てる若い世代の不安になっているという点も考えるべきだということを言っていました。

 働き方については、小学校の先生の多くが残業していて、これは改善していく必要があるということもおっしゃっていました。

 あと、3歳から5歳児の無償化についてどう考えるかということで、幼稚園部分と保育部分があって、幼稚園部分に対する補助金を考えるべきで、保育部分まで無償化する必要があるのかということで、費用を考えるときに幼稚園部分と保育部分を分けて考えるべきだというご意見でした。

 それから、大学が産業界から人材を受け入れているかどうかを指標にして大学支援をしていくべきだということに関して、必ずしも産業界から人を入れればいいわけではないだろうというような意見もありました。

 あとは、教育改革については質の問題で、勉強しない学生や定員割れの大学に補助、支援するべきではない。科学技術については、生産性を上げる観点から支援をするべきだというご意見がありました。

 また、これは最後のご意見になりますけれども、大学教育に関する今申し上げたような支援については、単に授業料が安いから大学に行くのではなくて、大学に行く意味のある、意欲と能力のある学生を支援するような制度設計にすべきだというご意見がありました。

 そういうことで、司会して意見を聞きながら、多少、全体的な姿を申し上げるとすれば、大学の低所得の学生に対する支援については、定員割れの大学をこういった支援を通じて延命するようなことがあってはいけない。これは、先ほどから何人かの委員のご意見で紹介しましたけれども、大学に行くのも、授業料が安くなったのだから行こうというようなことであってはいけない。学生サイドでは、きっちり成績を反映させて奨学金を支給すべきだ。

 HECSに関しては、そもそもオーストラリアでそれまで授業料を徴収していなかった制度から、授業料を徴収する制度に移行する中で生み出された授業料相当額を後払いする制度であり、そういった基盤的な違いが大きくある。それから、先ほどから申し上げているように、そういったことを通じて様々な弊害があるということで、会議自身の中では、もちろんご発言されない方もいたわけですけれども、ほとんどの方がご発言されて、HECSに関しては日本で導入は適切ではないというようなご意見でした。

 それから、もう一つの柱、私が聞いた範囲ですけれども、小・中学校の先生の働き方についてのご意見が多くありました。やはりそこでは、一体どのように働いていらっしゃるのかというエビデンスが重要で、それを踏まえた先生たちの業務の改善が必要だというご意見です。

 様々なご意見がありましたけれども、大学における低所得者家族の学生支援、それから小学校の先生の働き方というところを、テーマの核として議論されたということです。

 続いて、「地方財政」について議論しました。

 まず、市町村が基金を積み上げているという説明が、昨年度、あるいはその前あたりから説明があって、今回も主計官から基金の状況について説明がありました。ご説明は、地方で当初に見積もった予算額よりは、結果的な執行額がそれに満たない、その差額が基金に積み上がっている。もちろん、基金自身を前向きに積み上げた要素ものあるのですけれども、申し上げたような2つの要因で基金が増えているという実態の説明がありました。

 それに対して、ご自身でもしっかりそれについて考察されて、基金を一体どういった要因で積み増しているのか、あるいは増加しているのか、その分析が大切ですというご意見がありました。

 それから、地方消費税の清算基準、これももう皆さんご存じのとおり、消費税というのは国が取って、それを地方に払い込むわけですけれども、そのとき、都道府県では統計と人口とを合わせて配分、市町村は人口で配分している。その清算基準については、十分な試算を行って納得性の高いものとすべきだ、それから、トップランナー方式、即ち、先進的な取組をした自治体を見習ってほしい、先進的な自治体がこの単価でできたのだから、他の自治体でもそれの取組をやってほしいということに対しては、現場がトップランナー方式の拡大を通じて自治体のモチベーションが保てるようにしていくべきだというご意見がありました。

 次の方は、今申し上げた地方消費税の清算基準について、もう少し踏み込んだ議論をされて、わかりやすく言えば、地方消費税の清算基準の一つである消費をどうつかまえるのか、という問題についての議論をされました。それは、今、消費をつかまえるのはなかなか難しいですねという話で、東京都で販売したものは、実は他の県で消費しているかもしれない等々の問題です。そういった統計上の不備もあって、統計基準をこれから見直すことは大切ですと。そこで、ひとまず人口基準ということをしっかり考えていくことが大切ではないかというご意見がありました。トップランナー方式については、地方の取組に関するエビデンスベースの、要するに実態把握が必要だという意見がありました。

 それから、他の方ですけれども、地方交付税について、リーマンショック後もまだ歳出特別枠を設けているのはいかがなものか、これは廃止すべきだというご意見がありました。負担と受益については、地方財政の「見える化」を進めるべきだというご意見がありました。

 次の方に移りますけれども、やはり地方財政の大きな課題は税収の偏在是正ですけれども、その意味で地方消費税についても偏在の見直し、すなわち清算基準の見直しは大切で、私は賛成だというご意見でした。それで、基金についてもご発言なさって、基金については、結論的に言うと無駄なものは積み上がらないようにしっかり見ていくべきだというご意見がありました。

 私が司会しながらご意見全体を見ると、基金の積み上げについて、今、申し上げたように活発なやりとりがあって、やはりその中心は、エビデンスが重要だということも含まれているところでおわかりのように、基金に無駄がないか、これはしっかり精査すべきだというご意見でした。それから、地方消費税の清算基準についてもご議論があって、もちろん統計基準をしっかりしたものにしなければいけない。それと同時に、当面、人口基準を使った清算を考えるべきではないかというご意見がありました。

 防衛については少し足早の議論になりましたけれども、まず最初に、安全保障環境が厳しい中で、防衛装備品の必要度は十分認める、しかし合理的な形でやってほしい。最新兵器の調達だけに目を向けるのではなくて、それを支える現場の人材育成、練度の向上もしっかり目配せしてほしいというご意見でした。

 それから、主計官のほうからは装備品の調達についてのご説明があったわけですけれども、そうした調達改革を図っていくというのは意欲的で賛成だ、しかし他方で、コストカットが質の低下につながるようでは困りますという意見がありました。

 もう一つのご意見は、今のご意見と遠からずですけれども、最近、災害対策や北朝鮮対応等が増えている、通常の装備の補修、維持、訓練がそういった対応のためになかなか手が届かないようだと、いざというときには困る。そういった意味で、新規調達品についてはより効率的にするべきだ。いざというときにきっちり対応できるように、新規調達について効率的にすべきだというお考えです。

 それから、防衛産業は参入障壁が高く、独占的になりがちなので価格の精査が必要だと、一般的なご意見がありました。

 それから、後で少し申し上げますけれども、防衛プロジェクトというのは1社、あるいは何社かに受注・生産を偏らせるのではなくて、幾つかの会社にバランスよく受注・生産させることが大切だということがありました。

 そういうことで、主計官のほうからは、お手元の資料のGCIPという言葉をお使いになったのですけれども、General Cost Interest Profitということで、総原価主義というのですかね、ジェネラルコストにインタレストとプロフィットもつなげる。GCIPの説明があって、それについては、GCIPの多重の重なりは避けるべきだというご説明に対しては、皆さん賛成ですけれども、ただ、その一方で何社かが仕事を引き受けることも大切だというご意見でした。

 あと、FMS(Foreign Military Sales)、外国が提供するサービスに対する支払いですけれども、それに対する効率化というのもあった。

 全体的には、調達品の効率化ということがテーマとして紹介されて、それはそのとおりで、しっかりやってもらいたいけれども、事故があってはならないし、それが防衛の質を低めるようなことがあってはならない、そういうご意見でした。

 以上が、3つの議論とその総括ですけれども、次回は11月8日を予定しています。議題は、まだ決まっていませんけれども、決定し次第、通例どおり広報室を通じてご紹介したいと思います。

 以上です。

〔幹事〕 ありがとうございました。

〔質問〕 地方消費税のところで、委員の方から様々なご意見あったと思うのですが、基本的には人口を重視するという考え方は賛同が多かったということでしょうか。

〔田近分科会長代理〕 議題としては、本日出てきて、委員から発言されたのがお二人であって、ポイントの一つは統計の精度をどう上げるか。そして、そういった作業をしつつ、一方で人口割合を高めていく必要があるということで、そのお二方に関してはそういったご意見だったと思います。それをフロアに一度もう一度戻して、皆で議論するだけの時間はなかったし、少し専門性が高過ぎたと思いました。

〔質問〕 あと、この件で、多分、大都市圏あたりからはもう既に反対の声が出ていると思いますが、そのあたりとの兼ね合いというのか、そのあたりの意見への配慮というのは、田近分科会長代理自身はどのようにお考えになっていますか。

〔田近分科会長代理〕 最終的には建議という形で皆さんにその結果をご報告いたしますが、本日は基本的にはそういった形で、資料をごらんなっていただくとおり、統計として消費をどうつかまえるかという意見と、一方で、人口基準の配分を高めていくべきだという意見があったということで、そういう取りまとめがしかるべきだと思います。

〔質問〕 同じく地方消費税のことでお伺いしたいのですけれども、今、地方消費税の1.7%のうち0.7%は社会保障経費に充てるということになっていると思いますが、今回、清算基準の見直しを求めている奈良県税調の報告、提言などを読むと、現行の基準だと社会保障の受益と負担の部分で乖離が起きているのではないかと、そういった問題意識もあるようなのですけれども、社会保障との絡みの議論というのは、本日は、特段なかったのでしょうか。

〔田近分科会長代理〕 本日は、限られた時間で、主計官からの多くのご説明は地方交付税に充てられておりましたので、地方消費税と社会保障の絡みまでは行かなかったし、説明もなかったということであります。

〔質問〕 わかりました。

 もし差し控えなければ、田近分科会長代理はこの点についてどうお考えか。

〔田近分科会長代理〕 先ほど申し上げたように、私たちの成果は建議で皆さんに示させていただきます。

〔質問〕 わかりました。

〔質問〕 文教の中で、聞き漏らしてしまったかもしれないのですけれども、上がった意見の中で保育と幼稚園は分けて考えるべきだというような説明があったかと思いますが、これはどういった文脈で言われた意見なのでしょうか。

〔主計官〕 その意図は明確ではありませんけれども、幼稚園部分と保育園の無償化に当たっては、幼稚園部分の無償化だけでいいのではないのかというようなお話でした。

〔幹事〕 この他、よろしいでしょうか。

 それでは、終わりたいと思います。ありがとうございました。

 

(以上)

財務省の政策