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財政制度分科会(平成29年10月17日開催)記者会見

平成29年10月17日
財政制度等審議会 財政制度分科会


 

〔田近分科会長代理〕 本日、10時より、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。

 本日は、ご案内のとおり、4つのテーマについて議論しました。社会資本整備、農林水産、エネルギー・環境、中小企業、そして外交関係について、事務局から資料に基づいて説明があった後、質疑を行いました。

 各委員からの主な質疑や意見について、通例どおり委員の個人名は伏せて紹介いたします。なお、その議論の詳細につきましては、後日、公表される議事録をご参照ください。

 まず、社会資本整備についてです。社会資本整備においても社会保障と同様に持続可能性の視点が重要だというご指摘がありました。そして、そうした観点から具体的な点に触れられて、近畿圏の高速道路整備において、生産性の高い道路について、料金見直しによって、受益者負担で整備費の一部を賄ったという取組を評価したいと。

 また、インバウンドの拡大に合わせて、空港のコンセッション、民営化等が成果を上げており、今後、地方空港にも広げていくべきだというような意見がありました。

 そして、社会資本整備では上下水道の整備についても活発に議論されましたけれども、ここでも下水道事業の広域化、コンセッションをさらに加速化して、受益者負担を明確にしていくことが大切だという意見がありました。

 それから、民間活用について幾つかご意見がありました。2つの意見が矛盾しているわけではないのですけれども、民間活用においては、民間に任せれば効率化するわけではなくて、民間の工夫によって効率が図られるという視点が重要だという意見がありました。

 その意見に続いて、ほかの委員の方から、来春に大阪の市営地下鉄が株式会社化するが、そのときの民営化のメリットは大きいという意見がありました。というのは、それまで公務員で働いていた地下鉄の方が民間の人になる。そのような効果を通じて、結果的には民営化の効果も発揮されるはずだという意見でした。

 そして、先ほどの意見と重複しますけれども、下水道事業については、日本の場合は、非常に規模の小さい市町村でやっているが、それを広域化することのメリットが非常に大きい。広域化するための誘引づけ、見える化等が必要ではないかという意見がありました。

 それから、インフラの長寿命化については、しっかり長寿命化に向けて市町村等が努力すべきで、点検や修繕と更新の費用比較をしっかり行うべきというようなことが指摘されました。

 そして、本日配布したお手元の事務局資料には、社会資本整備の一つの柱は、生産性の向上のための社会資本整備、もう一つの柱は安全・安心の向上ということで、最近の災害を含めた対策が書かれています。その点について、委員の方から、社会資本整備、公共投資というのは非常に重要だということをしっかり再確認しましょうと。その流れで、流木の流出等に関しては国交省と林野庁が連携して取り組んでほしいということで、社会資本整備による安全・安心の向上ということもしっかり認識すべきだという意見がありました。

 続いて、農林水産に移ります。

 ここも多くの議論が交わされました。アメリカがTPPから抜けたわけですけれども、そういった状況を踏まえて様々なご意見がありました。そして、単にTPP対策ということだけではなくて、農業経営している人たちの体質強化、競争力強化が大切なのだという意見がありました。

 今回の事務局の説明では、農地の集積・集約により、拡散している農地をどのように有効に使うか、そのために農地中間管理機構をどう活用していくかという紹介がありました。ただ、機構が必ずしもその目的を達していないのではないかということを踏まえて、実態を調べる必要があるという意見が出ました。

 林業については、日本の林業の自給率が近年上がっていると、ビジネスとしても成立する産業になってきているという事務局の説明を踏まえて、林業の成長産業化は経済林の話であるが、森林には治山など環境林としての機能もあり、両者を分けて考える必要があるという意見もありました。

 それから、いま申し上げた農地中間管理機構にせよ、TPP対策にせよ、補助金が真に役立っているのか、その合理的な説明が必要だというご意見もありました。

 その一方で、チーズを例にしてですが、高いチーズでも、いいチーズならば消費者は買ってくれる、いい食材なら買ってくれるので、特に若い人を中心にそういった質の高い作物をつくる取組を支援すべきだというところで、全ての補助金支援を排除するべきではないのではないかという意見もありました。

 そして、大切ではありますけれども、資料には十分出ていない論点も出ました。議論は残念ながら深めることはできませんでしたけれども、農地中間管理機構に限らず、法人が受け手となることを支援するのはどうかという意見が出ました。

 エネルギー・環境、中小企業は、これも非常に多くの議論が出ました。

 主計官のほうからは、石油、天然ガスの自主開発の話、昔の石油公団が今、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)という独立行政法人となっているわけですけれども、それが日本の石油、天然ガスの自主開発を行っていることについての説明があり、それから、省エネ、再生エネルギー、いわゆる固定価格買取制度(FIT)の説明、それから中小企業への補助金に対して、きちんとメリハリをつけるべきだという説明を受けました。

 まず、ここでもやはり、中小企業について申し上げますけれども、補助金のあり方をどう考えるのかということで、今、我々が共有しているように、マクロのGDPギャップももう解消されているという状況で、中小企業の補助金も出せばいいというわけではなくて、中小企業のマーケットからの退出ということも含めて、メリハリをつけるべきだということです。

 そして、再生エネルギーについては様々な議論が出ました。当初、1キロワットアワー40円で買い取りが始まって、現在、20円ですけれども、なぜそこで下げどまっているのか、ドイツでは10円まで下がっているのではないかというご指摘がありました。

 発言の流れで説明させていただくので、同じテーマが行ったり来たりすることはご容赦願うとして、JOGMEC、先ほどの石油、エネルギーの自主開発を行っている独立行政法人ですけれども、JOGMECについて単独での企業買収ができるようになったが、繰越欠損金の累積等も踏まえて、しっかりとリスク管理体制を構築することが必要だという意見がありました。

 それで、同じことの繰り返しになりますけれども、中小企業の補助金については真に役立っているのか、精査すべきだという意見がありました。

 また戻りますけれども、JOGMECについては、失敗案件の累積が40%にも上がっており、民間でこれだったら生き残っていることはできないのではないか、先ほどと同じでリスク管理をもっときちんとすべきだという意見がありました。

 そしてまた、JOGMECについては、エネルギー対策特別会計を通じたフレームワークで行われているので、そのことによる財政規律の問題があるのではないかという指摘がございました。

 中小企業についても、テーマとしては補助金のあるべき姿ということですが、中小企業については農業と課題は似ていて、事業承継の話が中心になっていることでわかるように担い手が高齢化している点が課題である。そうした中で、成長企業に支援を重点化すべきだという議論をすべきだという意見がありました。

 そしてまた、中小企業については、事業承継、後継者問題が大きい、したがって企業の新陳代謝を進めていくべきだという話が出ました。

 また、FITの話に戻りますけれども、1キロワットアワー40円を20円、それを下げていくべきだということに続いて、2030年度に、このままでいくと再生エネルギーの買い取り費用が4兆円に達すると。そうした国民負担もしっかりと念頭に置くべきだという意見がありました。

 中小企業の補助金については、様々な方からご意見がありました。

 最後に外交関係について触れさせていただきます。

 外交については、主計官のほうから3つの論点が提示されました。本日の説明の重点は、資金支援の部分も含めれば日本のODAはボリューム感としてはあるという中でODAの質の向上をどうするかが第1点です。第2点は国際機関の任意拠出金のあり方。第3点は在外公館、例えば大使館や公使の公館等の費用をどうするかという点の説明がありました。

 そのODAについて、まずご意見がありました。ODAでもっと民間活用をして、様々なことができるという説明があったのに対して、ODAというのは概念的にもっと整理したほうがいいのではないかという意見がありました。一つは、いわゆる公共財的なものとしてODAを行うと、多くの人がその結果を共有できるようなODA、公共プロジェクトがあります。もう一つは、日本がODAを提供することで、それに伴って、日本だけではないでしょうけれども、民間投資が誘発されていく。例えば、飛行場の近くに工業団地を支援する、そのためのインフラ等をつくれば、そこに民間投資がやってくるということで、ODAを概念的に、基本的には公共財として機能するものと、民間投資を誘発していくものと、その概念を分けて考える必要があるのではないかという意見でした。

 そして、主計官からはJICAの予算についても説明がありまして、JICAの留学生制度と文部科学省の留学生制度の間の違いは何なのかということがありました。これについては、後でもう少し述べます。

 それから、ODAのボランティアというものがありますが、メリット、デメリットはどのようなことがあるのかというようなことも議論されました。

 それから、国際機関への拠出金については、日本が提供する資金が重複しているのではないかというようなことで、精査してほしいということがありました。

 奨学金の話に戻りますけれども、もちろんODAというものは途上国に対する日本の文化的、経済的等々のプレゼンスを高める、そういった戦略的なものだと思います。それで、留学生についても、文部科学省を通じて各大学に来る留学生と、JICAを通じて来る行政官の留学の役割分担は必要だろうと思います。しかし、そういった役割分担、つまり一般留学生とJICAの留学生の役割を分担した上で、JICAの留学生についても、その質を高める等の努力をしてほしいというようなご意見だったと思います。

 2時間で4つのテーマの議論なので、非常にせわしない会議でしたけれども、全体を通して私が把握できた議論は以上です。

 なお、次回は10月25日を予定しております。議題はまだ決まっていませんけれども、決定次第、通例どおり広報室を通じて発表します。

 以上です。

〔幹事社〕 ありがとうございました。幹事から特に質問ございませんので、質問がある社はお願いいたします。

〔質問〕 TPPの予算の関係でお話があったと思いますけれども、予算の現状の規模感をどうすべきか等の話について、事務局のほうからどういった説明があったのかということと、あるいは委員の方からどのような発言があったのかということをお願いします。

〔主計官〕 事務局から、規模感については特にご説明はしておりません。委員の先生からも、見直すことは必要という意見はありましたが、その規模感の大小については特にご意見はいただいておりません。

〔田近分科会長代理〕 先ほど申し上げたように、TPP対策でつけた予算は、もうTPPがなくなったから、それで終わりというわけではなくて、農家の体質改善、競争力強化のためなので、その目的は揺るいだわけではないということですよね。

〔幹事社〕 ありがとうございました。

 

(以上)

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