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財政投融資分科会(平成30年12月7日開催)議事録

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財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成30年12月7日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成30年12月7日(金)15:01〜15:52
中央合同庁舎第4号館12階全省庁共用1208特別会議室

1.開会

2.議案平成31年度財政投融資計画の編成上の論点について

1(独)日本高速道路保有・債務返済機構

質疑・応答

2新関西国際空港(株)

質疑・応答

3.閉会

配付資料

議案説明資料

資料1 財政制度等審議会 財政投融資分科会 説明資料 ((独)日本高速道路保有・債務返済機構)

資料2 財政制度等審議会 財政投融資分科会 説明資料 (新関西国際空港(株))

出席者

分科会長

池尾和人

可部理財局長

古谷理財局次長

井口総務課長

橋本財政投融資総括課長

金森管理課長

湯下計画官

若原計画官

谷内資金企画室長

山本財政投融資企画官

川村雄介

臨時委員

江川雅子

翁 百合

小枝淳子

冨田俊基

渡部賢一

専門委員

中島厚志


15時01分開会

〔池尾分科会長〕 定刻になりましたので、小枝委員は若干遅れられると御連絡をいただいておりますので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたします。

それで、平成31年度財政投融資計画の編成上の論点につきまして、これまで3回にわたり御審議いただいてきたのですが、今般、新たな編成上の論点というのが出てまいりましたので、追加で御参集いただいたということであります。

本日、まだ国会最終日ということで、事務局側で出入りがあるかもしれませんが、委員の皆様におかれましては、あらかじめ御了承いただきたいと思います。

それでは、議事次第に沿いまして、まずは日本高速道路保有・債務返済機構について御審議いただきます。まず、若原計画官より御説明をお願いします。

〔若原計画官〕 計画官の若原でございます。よろしくお願いいたします。最初にお断りでございますが、昨今からペーパーレス会議でやって参りましたけれども、会議室の都合上、本日はお手元の紙での御説明ということで御了解いただければと存じます。

では、資料1をお開きください。4ページ目でございますが、有料道路事業のスキームでございます。こちら、財投の対象でございますのは、左側の日本高速道路保有・債務返済機構というほうで、その左側の矢印、政府保証債、こちらが財投というステータスになっていると。右側の高速道路株式会社が、実際に今建設、更新、管理等をやっているわけですけれども、こちらは財投機関ではないという復習項でございます。

1ページおめくりください。5ページ目に載せておりますのが、昨年の終わりから今年の前半・上期にかけて行われました高速道路を巡る政策的な議論でございます。若干結論の先取りになりますが、今回の事業に関わります、例えば暫定2車線区間の対策、こちらは上の箱の赤字の下線部で提案されております。また、新名神の6車線化については、下の未来投資戦略において既にアジェンダとして掲げられていたところでございます。

その後、夏の自然災害を経まして、6ページでございます。先月、12日の諮問会議でございますけれども、上の箱、国土交通大臣の提出資料において、防災・減災対策ということで集中的な追加投資が必要ではないかという問題提起がなされまして、総理からも前向きな御発言がありました。

続く7ページで、先月、27日、重要インフラの緊急点検に関する関係閣僚会議で、具体策の提示があったところです。議事要旨上段の国土交通大臣の発言部分でございますが、安全・安心の確保や生産性向上などのストック効果ということで発言がございました。その下に記載のとおり、財務大臣、また総理大臣からも国交大臣の発言を踏まえての応答があったところでございます。

こうした流れに沿いまして、財投の改要求がございました。具体的には9ページを御覧ください。今後、発行を予定している政保債1兆円を、予め超長期(40年)・固定の財政融資に置換えというところでございます。先ほど申し上げたとおり、政保債で借り換えていく、もともとの道路公団改革以降の債務を徐々に縮減していくというところが財投の対象でございます。そういう意味では、31年度当初要求額として記載している政府保証だけを措置するというのがこの機構の通例の財投措置でございます。

左側、30年度当初計画欄にもございますとおり、財政融資を措置することによる金利軽減効果を活用した事業というものは、30年度計画においても盛り込まれていたところでございます。そして今回、31年度の改要求額、色塗りの部分でございますけれども、同様な形で1兆円の財政融資を追加して、約7,000億円見込まれます金利負担軽減効果を活用することにより、防災・減災、あるいは物流効率化を図って参りたいということでございます。

具体的な事業内容でございます。次の10ページを御覧ください。防災・減災関連ということで、暫定2車線区間の4車線化等でございます。下の日本地図のうち、一重線の部分が暫定2車線区間です。主として北海道、東北、山陰、また紀伊半島、四国、九州といったあたりが暫定2車線区間の主な部分でございますが、こちらにつきまして4車線化等を進めたいということが、事業の柱の1つ目でございます。

1枚おめくりいただきまして、11ページ目、新名神でございます。大津、亀山西間の6車線化が、事業の2つ目の柱ということでございます。これにつきまして、私どもの編成に当たりましての考え方等を本日御議論いただきたいということで、編成上の論点に入って参ります。

1つ目、政策的意義につきまして、13ページを御覧ください。暫定2車線区間の4車線化についてです。こちらに挙げておりますのが、7月豪雨におきまして、4車線であったために、災害からの部分復旧が早く進んだという例でございます。左側の高知道の例は、2車線の上り下りが離れて通っていたところ、上り線のほうが土砂崩れによって完全に被害を被ったわけでございますが、一番下の模式図のとおり、下り線をつないで、1車線ずつではありますが回復が図られたという事例。また、右側の山陽道の例では、4車線が1つのところにあったわけでございますが、部分的な除去というものを早期に図りまして、こちらも片側1車線ずつの物流が回復されたという事例でございます。

続きまして、14ページが生産性の向上についてです。新名神の位置付けにつきましては、左側の箱の上の部分にあるとおり、東名・名神で全国の高速道路を用いた貨物輸送のうち約半分を担っており、まさに日本の物流の大動脈と言えます。さらに、その中身につきましては、同じ箱の下の部分ですが、とりわけ大型車の利用率が高いということで、6車線の効果が大きいと見込まれているところでございます。

また、生産性の向上に加えて、現行の名神におきましては、右下の地図に示した降雪地域、関ヶ原から伊吹山にかけての部分でございますが、このあたりは冬期に雪の影響等で交通規制等が非常によく行われる部分でございます。その他、災害、地震等、そういった名神のリスクも鑑みまして、災害時の代替路としての位置付けというものがまた重要と考えられるのではないかということでございます。

続きまして、償還確実性につきまして、16ページを御覧ください。債務残高の推移でございます。機構側の公表係数は、債務残高から現預金を差し引いた実質的な債務残高ですが、この資料では名目値をお示ししております。この赤の縦線が今般の財投措置で、赤い線より左の部分が実績で右側の部分が措置後のイメージでございます。もともと今後の見込みとしては、緑線に沿って最終的な債務の償還というのが見込まれておったところでございます。

今回の財融措置後の見込みがオレンジの線でございます。最初は若干元本が加わることによって、緑色の見込みよりは債務残高が膨れる形となります。しかし、利払いが減っておりますので、債務残高はオレンジの線のほうがより早いスピードで落ちていき、最終的には緑色の見込みに追いついていくと。最終的な債務償還計画の見通しとしては、平成77年度に返済可能という部分は変わらないと見込まれるところでございます。

さらに申し上げますと、実績の部分は青い線の当初計画よりも早目に進んでおりまして、こちらの原因の1つとしましては、低金利環境ということでございます。そういう意味では、今般の措置は、言外の金利で超長期のものを確保するということでございますので、もともと計画以上に順調に進んでいた債務の圧縮について、今回の措置は、その延長線上に位置付けられるのかなということでございます。

さらに、1枚おめくりいただきまして、17ページでございます。返済原資は機構から見れば貸付料収入ですが、実際には高速道路を利用されている皆様の受益者負担でございます。御覧のとおり、計画よりも実績が安定的に上回っていることが読み取れます。これは、計画で相当保守的に見込んでいたということでございまして、その点は今回の措置によって変わるものではないため、償還の確実性についてはそういう観点からも評価できるのかなと考えております。

18ページは、実際に貸付料を機構に払う各道路会社の決算状況でございます。現状、こちらも大きな問題が見込まれないということでございます。

以上のものを財表に表わしますと19ページのとおりですが、こういった観点から、償還確実性にも問題がないものと考えているところでございます。

私からの説明は以上でございます。

〔池尾分科会長〕 どうもありがとうございました。ただいまの若原計画官の御説明を踏まえまして、委員の皆様から御意見をお願いしたいと思います。なお、要求側として、道路機構及び国土交通省の担当部局の方にも御出席いただいておりますので、要求側の方々に御質問をしていただいても結構です。よろしくお願いします。

それでは、冨田委員、お願いします。

〔冨田委員〕 御説明ありがとうございました。まず質問させていただきたいのですが、9ページ及び16ページに出てくるのですが、政府保証債を40年物の財投債で置き換えるということで、その利払い費の減少と、債務の増加、事業追加が見合っているのだという御説明がございました。その金額は7,000億円とあるわけですが、例えば現在のインプライド・フォワード・レートで見て、10年で借り換かえるとしても、1兆円と借り換えを10年ごとに行うということで、それによる利払い費の減少を考えても、7,000億円というのは中々出てこないように思うんです。この7,000億円の計算根拠如何。

さらに御説明いただきたいのが、ベンチマークとして設定されたものが、利払い費についてどのものなのか。16ページでいくと、ブルーの線と、グリーンの線と、オレンジの線がございますけれども、これとの関係でどういうものをベンチマークと置かれて、そして事業の追加も、当然何かをベンチマークにして7,000億円増える形になっていると思うのですが、そうした基準について要求側より御説明いただきたいと思います。

〔池尾分科会長〕 お願いできますか、積算根拠ですね。

〔独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構加藤企画担当理事〕 日本高速道路保有・債務返済機構の理事を務めております、加藤でございます。座って御説明させていただきたいと思います。

今、冨田委員から御質問をいただきましたけれども、私ども、債務返済機構で長期的に予定しております金利が、将来4%ということで設定をしてございます。この4%と、今回、例えば今年度いただいている財政融資資金、本年度、もう既に1兆5,000億円お借りさせていただきましたけれども、実績としては0.9%ですとか、0.8%、こういった金利で調達させていただいております。

この金利と、この4%という金利、この金利差で余力が生まれてくるわけです。この金利差が40年間続くということで、7,000億円というような規模の余力が発生してくる、このように想定してございます。以上でございます。

〔池尾分科会長〕 ちょっと手元で計算してみたところ、7,000億円を40年で単純計算すると、1年当たり175億円で、1兆円に対して1.75%の利ざやがあるとこの数字になる。説明がありましたように、かなり高目に4%を見込んでいて、40年債のほうは1.3%ぐらい出せるので、ちょうど1.7ぐらいあるので、この数字ということみたいです。

〔冨田委員〕 ごめんなさい、先ほども御質問したんですけれども、事業計画を7,000億円追加ということなのですが、先ほど4%の見通しは債務返済機構の長期的な予定と御説明があったのですが、事業計画のほうは、いつ、どういう形で発表なさったものに対して、今回7,000億円の追加になるんでしょうか。

〔独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構加藤企画担当理事〕 冨田委員の御質問にお答えいたします。この7,000億円という規模、これは今後、将来お借りさせていただければ、複数年にわたって政府保証債と置き換えることにより、40年という長期間にわたって生じてくる金利差ということになってまいります。

今回お示ししておりますのは、この40年間で出てくる利払いの合計額と理解をしてございます。したがいまして、具体的な事業につきましては、本日の資料の中でも暫定2車線区間の4車線化、あるいは新名神の6車線化ということでお示しさせていただいておりますけれども、今後、具体的には、今年度中ということになろうかと思いますけれども、具体的な事業の中身については、もう少し時間をいただいて精査をし、返済できる範囲内であるということをしっかり確認して取り組んでいきたいと考えてございます。

〔冨田委員〕 16ページには、事業の追加による債務の増加は利払い費の減少と見合っていると記載があります。だから、7,000億円は確かに利払い費の4%の見込みの金利よりも縮小した分なのですけれども、どこの場所をどういうふうに、4車線化したり6車線化するかということは別にしても、事業が7,000億円追加とここに示されているわけです。それが何に対して7,000億円追加なのかということを、先ほどからお聞きしているんです。

〔池尾分科会長〕 では、お願いします。

〔国土交通省道路局山本高速道路課長〕 国土交通省の高速道路課長でございます。何に対してこの7,000億円の新規の事業を追加するかということでございますけれども、機構と各高速道路会社の間で協定というのを結んでおります。これは、今後、会社が建設する事業というものに対して、当然借入金が発生し、それを機構が返済していくということでございます。

今回の財投を入れさせていただく前の段階の協定で、既に、例えば今、東京でいいますと、東京外かく環状道路でありますとか、あるいは昨年度、財投を入れさせていただきましたけれども、大都市圏の環状道路、そういった事業を会社が整備するということになっております。それが今の協定に入っているわけですけれども、それ以外の今回の暫定2車線区間の4車線化でありますとか、新名神の6車線化、そういった事業を追加するということでございます。

〔池尾分科会長〕 それでは、中島委員、お願いできますか。

〔中島委員〕 私も、冨田委員がおっしゃった話なのですが、事業の追加による債務の増加が利払い費の減少と見合っているということは、今後の債務が事実上、新たな事業追加で増える分が、要はこういう仮定の利払い費の減少と見合う分で相殺されるということだと思いますが、16ページのグラフにおいてどのように見込まれているのか、もう一度御説明いただければありがたいのですが。

〔池尾分科会長〕 16ページの図で緑色の線で書かれている見込みは、4%の金利を前提にした上でのグラフという意味ですね。だから、実際借り換えていくと、この緑色の線は上に行ったり、下に行ったりする可能性は現実にある。それに対してオレンジ色の線は、40年ものを出してしまうのだから、そこでフィックスできるとみなせる。さらに、置き換えを進めれば、そこで同じようなことが。来年度ももし低金利状況が継続していれば、置き換えを進めれば、そこで何か財源が出てくるということは考えられるわけです。

川村委員、お願いします。

〔川村委員〕 とりわけ気になるのは16ページの図で、将来金利を仮定の話で置いて、将来引き続き借りていったときに、今頭で借りておけば、これだけアップフロントで計算上お金が出てくるので、それを来年度に使いましょう、大ざっぱに言えば、そういう理解ですね、今の中島委員の御質問と同じなんですけれども、金額が別に7,000億円ではなくても、3,000億円でも、5,000億円でも、それが毎年続いていった場合、今度それが1兆円に増えてしまったとかいうことになると、この16ページの図というのは、ぼこぼこの山が出ていって、最悪の場合には漸減してということですね。

これが、ここでは平成77年度に完済と言っていますが、ゼロにならずに80年とか85年とかになる可能性も否定できないのだと思うんです、この考え方からいって。つまり、今年度限りの措置ではなくて、今後も継続していくことがあり得るべしで、その財源根拠というのが実は結構バーチャルですね。だから、キャッシュフローベースで見ている話ではなくて、一方が予測で、一方が今の姿で、将来予測金利と現実にキャッシュで払う分の差額がバーチャルで幾らあるから今年度使いましょうというのを、ずっとやられた場合に本当にサステイナブルなのかなと。

であれば、例えば今年度については、これは分かりましたということもあるんだけれども、16ページのグラフというのは、今年度だけだったらというグラフになっているわけですね。来年7,000億円とか、再来年1兆円とかになったときに、大分後ろ回しになっていくので、16ページのグラフは留意する必要があると思いますが、どうなんでしょう。

〔池尾分科会長〕 はい。

〔橋本財政投融資総括課長〕 私ども、想定金利4%と申し上げましたけれども、もう少し精緻に申し上げますと、30年度は0.89%と置いていて、31年度は2.75%と置いています。32年度は3.5%、33年度は3.75%で、平成34年以降は4%と、こういう形で足元の金利を参照しながら。将来においては、金利上昇リスクがあるために、そのリスク上昇分を見込んで徐々に上昇していって、4%まで中期的には金利が上昇しても、それに耐え得る範囲内で事業を行うと、こういう考え方で機構は債務償還計画を立てているということでございます。

したがいまして、将来にわたって4%まで上がるという想定が仮に甘過ぎるということであるとすると、委員の皆様がおっしゃっているように、事業が途中で行えない、債務返済が行えないということが現実化されるわけでありますけれども、現時点の極めて低い低金利下において、中期的に4%まで上がっていくという考え方については、私どもとしては十分なリスクバッファをもって想定しているのではないかと、このように考えております。

また、今般の措置において、今足元の40年債の金利というのが0.9%で、現実に今年度に機構にお貸しした金利というのは0.8%あるいは0.9%でございました。ただ、来年度にかけても、当然金利上昇リスクというのはございますので、今回、この7,000億円というのを計算するに当たって、私どもとしては想定金利として1.3%と置いております。この1年、あるいは1年強の金利上昇リスクというのも十分見込み、0.4%ほどの金利差を置いて設定させていただいているところでありまして、ここの部分のリスクの備えもさせていただいております。

また、貸し出しする資金は、私どもは、国債を用いて市中から固定金利で調達して、固定金利で機構にお貸ししますから、機構としては借入金利については40年間固定されますので、これが上昇するということはないわけであります。その限りにおいて、この金利想定分というのは、お貸しした段階においては確実なものになると、このように考えております。

〔川村委員〕 その関連でよろしいですか。

〔池尾分科会長〕 はい、どうぞ。

〔川村委員〕 根拠、ロジックはよく分かったというか、そういうことなのかと思うのですが、もう一つ、実際、マーケットを最近全然見ていないので分からないのですけれども、超低金利が長引いていますが、今、これから金利先高感が中長期に、ほぼほぼみんなが見ているときに、40年の超低金利の固定物を買う投資家というのは見つけられるのでしょうか。今のマーケットの状況から見てどうなのでしょう。

〔池尾分科会長〕 よろしいですか。どうぞ。

〔若原計画官〕 先ほど橋本のほうからもお答え申し上げたのですが、もともとは、今の足元の40年債金利よりも40ほどアップサイドを見ておりますので、全くもって今の足元どおりのマーケット環境ではないかもしれませんけれども、そこは若干、金利で言えば上がるというか、先行きとしては下がることは想定した上での金利の動きということになっております。

さらに、金融的な含意でこのスキームの話を申し上げれば、結局ここでフィックスするということは、先ほど申し上げたとおり、実際に金利が低いまま、4%よりも低いところで推移すれば、本来的には、ちょうど青線と緑線の乖離のように、もっと早く償還が終わるペースになります。金利差を全てが全て債務返済に回すかどうかというのは協定で決まって参りますので、あくまでも仮定の話ではございますけれども。

そういう意味では、ここで固定のものに置き換えてしまうということは、金利が思ったよりも低かったときに、より多く返済に回せるというのは、将来の金利低下時に、もしくは今のような低いままで推移した場合に、より多く償還金額以上に返済原資が生まれるというのが、要は先食いする効果でございますので、ここで置き換えてしまえば、将来仮にそういう金利動向があったところで、そこのところは変わらない。

そのかわり、今のところとして、そこで固定ができるという、ある種のヘッジ効果といいますか、そういう部分があるので、そこのところは見ているということでございます。

〔可部理財局長〕 今、理財局では、並行して31年度の国債発行計画の御議論をさせていただいています。その中では、40年債については、特に年金等のリアルマネーの需要が強いものですから、発行減額をしないでほしいという声が実は強いというのが、今の足元の状況でございます。

〔池尾分科会長〕 あとは19ページにバランスシートがあって、機構の政府保証債残高が18兆円、それから財投機関債残高が5兆円あるわけですから、将来的にこれをさらに財投債で置き換えるという、潜在的な余地はあると言えばあると。ただ、それについては、改めて、もしそういう提案があった場合には審議するということになるかと思います。今回は31年度の分について、御議論いただくということで。

では、冨田委員どうぞ。

〔冨田委員〕 今の件の関係なのですが、結局今回の措置によって、道路会社から機構に入ってくる貸付料というのは変えないという協定をまた結ばれたのでしょうか。

つまり、道路会社からすると、やはり道路延長というか、資産が増えるわけですから、当然いろいろな費用が発生するわけですね。そこら辺のことについて、道路会社との関係は今回どうなったのでしょうか。もちろん、ここでの議論があったようにどんどん置き換えていって、事業が増えれば、当然、賃貸料をどうするかという議論にもまたなってくると思うのです。今回についてだけお教えください。

〔池尾分科会長〕 はい、お願いします。

〔独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構加藤企画担当理事〕 お答えいたします。今回の措置につきましては、今後、具体的な内容というのは詰めまして、おそらく今年度末に今回の財政融資を踏まえた協定を変更するということになろうかと思います。その会社と機構の協定の変更の中で、今回お示しさせていただいたような暫定2車線の4車線化ですとか、新名神の6車線化というのを、新たな事業として取り込んでいくということになる。これは先の、今年度末の話ということになりますけれども、私ども、考えておりますのは、今設定している将来の高速道路の料金収入、それに基づく機構への貸付料収入、これで償える範囲の中で、余力の出てきた範囲での新しい事業というのを取り込みますので、高速道路の料金等については、これに伴って変更するということは考えてございません。

〔池尾分科会長〕 それでは、そろそろ時間ですので、まだ追加の御質問や御意見は多分あるとは思うのですが、それにつきましては、事務局経由で追加の御質問等は出していただくということで。この場での質疑は以上で終わりたいと思いますが、よろしいでしょか。

それでは、ここで道路機構及び国土交通省担当部局の皆様には御退席いただきます。どうもありがとうございました。

((独)日本高速道路保有・債務返済機構 退席)

〔池尾分科会長〕 次に新関西国際空港について御審議いただきますが、要求側の方に着席していただきますので、少しお待ちください。

(新関西国際空港(株) 着席)

〔池尾分科会長〕 それでは、新関西国際空港につきまして、若原計画官より、まず御説明をお願いします。

〔若原計画官〕 若原でございます。若干押しておりますので、駆け足で申し上げますが、お許しいただければと思います。

それでは、資料2でございます。まず新関西国際空港の概要でございますけれども、4ページは割愛させていただきまして、5ページの運営体制でございます。皆様、御案内のとおり、コンセッション契約に基づく運営がなされておりまして、財投機関でありますのは、上にございます新関西国際空港株式会社で、実際の運営を行っているのが、下の関西エアポートということでございます。先ほどの道路と似通った枠組みだというふうに御理解いただければと存じます。

6ページでございます。この夏の台風21号におけます被害、報道もございまして、皆様、御案内かと思いますけれども、御覧いただきますとおり、下のA滑走路、第1期の埋立てで作った分でございますけれども、こちらのほうがほぼ全体が何らかの水没の被害を受けたということでございます。

その後の復旧状況が7ページでございます。順次、復旧に至っておりまして、今は一番右下の部分、連絡橋、船がぶつかった部分、映像で御覧になった方も多いかと思いますけれども、そちらの部分が来年のゴールデンウイークの完全復旧が目標ということで、それ以外の部分については復旧しているということでございます。

こういった状況を踏まえまして、8ページが、先ほどの道路と共通の緊急点検ということでございます。

具体的な空港の話は次の9ページでございます。こちら、空港全体ということで、上の箱にございますけれども、16空港を対象に行われております。その結果、関空スペシフィックではございませんけれども、真ん中で新しい課題ということで、関空の場合ですと、高潮・高波でございますけれども、その他、陸上空港におきましても豪雨ということもありますので、浸水対策等が必要ではないかという話が提示されたところでございます。

次の10ページが、こういった全体の議論を踏まえまして、現在、関空につきまして、どういった検討が行われているかということを、国交省の資料をお借りしてお示ししているところでございます。国交省の検討が上の部分でございますけれども、検討委員会が設けられておりまして、その箱の一番右側の部分で中間取りまとめが近々公表予定でございますけれども、ここで結論が出てくるであろうと。

連携した形で、関西エアポートでも、災害対策タスクフォースということで、こちら年内をめどに取りまとめを公表すると伺っておりますけれども、こちらのほうでも具体的な話につきまして検討が行われている。こういったような状況を踏まえましての財投の改要求ということでございます。

その中身につきましては12ページを御覧ください。こちらも、もともとの財投機関の性質といたしましては、下の表の30年度、31年度の政府保証でございます。これも、機関債も借り換えながら返済していくということでございますので、先ほどの道路と似通ったような性質のものでございます。こちらにつきまして、上の箱でございますけれども、今後発行を予定しております政保債等の1,500億円を同様に40年の財融に置き換えますということで、こちら、金利負担軽減効果というものが270億円と見込んでおりますけれども、こちらを活用することでの防災機能の強化ということでございます。

事業内容でございますけれども、続く13ページでございます。先ほども申し上げたとおり、現在、検討委員会で細部は調整中というか、検討中でございますので、現時点での見込みということでございますけれども、ここにあるような事業内容です。総事業費が表の右側の一番下、540億円とございます。先ほどの270億円との関係は、一番下の部分でございます。もともとこういった大きな災害を受けまして、どのような形での分担がということで、両者折半ということになりましたので、財投機関である新関空会社が270億円を負担いたしまして、同額を関西エアポートが負担されるということで、全体事業費540億円ということになっている部分でございます。

その事業内容でございます。続く14ページでございます。まずは、波が超えないようにということで、上の部分でございますけれども、海に面した護岸、さらにはその中で備えます防潮壁、こちらを嵩上げするとともに、下の部分でございますけれども、今回、電気設備が浸水によってダメージを受けたということで、そういうものを踏まえまして浸水対策を行うということを考えていると伺っているところでございます。

続きまして、16ページをお開きください。財投の編成の観点からは、関空の位置付けでございますけれども、皆様、御案内かもしれませんけれども、下の箱、左側が人、右側が貨物でございますけれども、御覧いただきますように、国際線におきましては成田に次ぐ日本第2の重要空港。

とりわけその特徴として挙げられますのは、続く17ページでございますけれども、LCCを中心といたしましたインバウンド観光客の非常に大きな役割を果たしているということでございます。とりわけ昨今、非常にインバウンドの中心と言われます中国、韓国といった方々は、下の円グラフにございますとおり、関空を主たる玄関口とされているということでございます。

18ページは、その他、これに限らず国際ネットワークをこのような感じでということでございます。そういったものがもし被災した場合には、今回も台風の後、国際線が途絶といったような状況がございましたので、19ページのように越波の予防、越波した場合の対応ということで、そういった事態に対応していきたいということでございます。

償還確実性につきましては、21ページ。先ほど道路のところで出たグラフと同様な形でシミュレーションを置いたものでございますけれども、先ほどのものと同じように措置をすることで一旦財融を受け入れるということで膨れますが、それが将来の政保債等の発行の置きかえ分ということでございますので、置き換えられた、つまり財融を追加した分だけ削減された債券発行というのが、下の当初計画の青線では発行していくものが、赤線では発行しなくて済むということで、まずその期間急に落ち込みまして、若干の差分が残るところが利払い格差分ということで、そこが利払いが少なく済む分だけ追いかけていって、最終的には追いつくというシミュレーションとなっているところでございます。

これらを支える返済債権につきましては、22ページが実際の新関空会社の財務状況でございます。収益の部分できちんと稼いで、費用等をさっ引いた部分での返済原資が確保できるかということでございます。収益、いわゆる運営権対価は372億円でございますけれども、そこと経常収益の差分の300億円弱の部分、こちらも実は対価そのものではございませんけれども、同じく運営権のコンセッションに基づきます、例えば固定資産税の実質的な負担でございますとか、そういったコンセッションに伴うさまざまな収益ということでございますので、基本的にはこの収益というのはそんなに動かない。

他方で、左側の費用でございますけれども、こちらのほうも科目を見ますと、減価償却費でございますとか、支払利息というのが過半を占めておりますので、そういった意味では、先ほどのグラフのとおり行くかということに関して言うと、そこは安定的に見込まれるのかなということでございます。

すみません、若干時間を超過いたしましたが、私からは以上でございます。

〔池尾分科会長〕 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの若原計画官の御説明を踏まえまして、委員の皆様から御意見、あるいは御質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

それでは、中島委員、お願いします。

〔中島委員〕 1点だけ質問です。今回の財投資金が1,500億円となっているわけですけれども、他方で、先ほど、今回の対策等々で270億円折半、合計540億円と、こういう話があったのですが、差額分は一体どういう事業に充てるのか、そこら辺を教えていただきたいのですが。

先ほどの高速道路と比べると、こちらのほうは一過性の部分の資金需要が増えるものをうまく手当てしたかなという気もするのですが、果たしてそういうことなのかどうか、確認できればと思います。

〔池尾分科会長〕 では、橋本総括課長からお答えいただきます。

〔橋本財政投融資総括課長〕 では、私からお答えいたします。540億円が全体の事業規模ですけれども、5ページにありますように、新関西国際空港株式会社が国出資100%で空港資産等を保有しておりますが、空港運営は関西エアポート株式会社が行っておりまして、着陸料や商業売上等の運営収入は同社に入る形になっております。

今回、540億円の事業を行いますのは、関西エアポート株式会社でございますけれども、その負担を折半するということになっており、新関西国際空港株式会社が270億円負担して、負担金として関西エアポート株式会社に支払うということになります。

今回の措置は、この新関西国際空港株式会社の負担分を賄うために、同社に対して財政融資を行うという措置でございます。

〔中島委員〕 それは分かるのですが、1,500億円と270億円との差が結構あるんですが。

〔橋本財政投融資総括課長〕 1,500億円、財政融資をいたします。先ほど道路会社で御説明いたしましたときは想定金利が4%と申し上げましたけれども、新関西国際空港株式会社におきましては、中長期的な金利を低いところですと1.8%程度、高いところですと3%程度と想定しております。その利差で270億円捻出するという計算をさせていただいているところでございます。

〔池尾分科会長〕 手元で計算しましたら、45ベーシス程度節約できるという計算で、270億円が出てきます。

翁委員、お願いします。

〔翁委員〕 今回大きな被害がありましたけれども、連結財務状況でお示しいただいているのは29年度ということなのですが、今回の被害額というか、損失はどのぐらいのものになっているのかということについて、情報として教えていただければと思います。

〔池尾分科会長〕 お願いします。

〔新関西国際空港株式会社田中専務取締役〕 新関西国際空港株式会社でございます。おそらく翁先生の御指摘は、関西エアポートの損失が幾らになるのかという御質問だと思います。実はこれ、損害額が資産の損傷した部分に関わるものと、それから2週間程度完全に空港機能が回復しなかったという間によります収益に係る部分というものが大きく出てくるだろうと思っております。

今、関西エアポートのほうで、そこら辺の損失の計上を計算していると聞いてございます。そこは、まだ明確な数字が今出ていないと聞いているところでございます。

それから、実は当社、新関西国際空港株式会社のほうも連絡橋の鉄道部分、道路橋はNEXCOがやっておられるのですが、鉄道部分については当社が資産を保有して、第三種鉄道事業という形で、JR西日本と南海が使用料を払って運用しているということでございまして、道路橋の橋がずれた関係で鉄道にも当たりが来ているということ。

もう一つは、第一期島の掘割部分に水が道路から大量に浸水したということで、電気系統が同じようにアウトになったという事例がございました。これも、今現在、仮復旧は行いましたけれども、今保険会社も含めて調整をしているというところでございます。ただ、こちらは何百億とかということにはなりませんので。

〔翁委員〕 そこについての前提は、償還確実性のところについて、今の損失とか、そういったところはどのぐらい影響してくると見ていらっしゃるんでしょうか。

〔池尾分科会長〕 はい。

〔若原計画官〕 ただいま新関空会社のほうからお答えがありましたとおり、私も関西エアポートの中間決算、9月決算を見ました。大分、発災直後であまり影響が織り込まれていないベースでございますので、正直なところを申し上げて、一般報道であるような旅客の回復状況等で見る限りは、現状、そこまでフローベースとして見れば、そんなに大きな影響はないのではなかろうかと思っております。

しかし、実際には、そこは来年の3末決算等を見ながら見ていく必要はあると思います。何分、純資産等の新関空会社の償還余力といいますか、財源のリザーブもあるところでございますので、現時点ではそれなりに下振れるとしても、今回の財融の償還確実性につきましては、あまり大きなダメージはないのではなかろうかと見ているところでございます。

〔池尾分科会長〕 先ほどの説明の中にちらっとありましたけれども、保険をかけていますから、損害保険会社の負担の部分でかなりカバーはされるはずだということですね。

〔新関西国際空港株式会社田中専務取締役〕 委員長の御指摘のとおりでございます。我々、コンセッション契約で関西エアポートとの間では、最低100億円以上の土木施設の損害については保険を掛けることとなってございます。それから、先ほど申し上げた当社の鉄道施設部分につきましても、土木部分については100億円の保険に入ってございます。ただ、これが100%補塡されるかは別ですけれども、相当程度はそれで補えるだろうと思っています。したがって、損害額と実質的に損失が出てくる部分というのは相当保険で塡補される部分があるだろうと思っております。

〔池尾分科会長〕 ほかに御質問、いかがでしょうか。

どうぞ、冨田委員。

〔冨田委員〕 今の件の確認なのですが、今度の事業内容は、13ページにあるように、今、御説明があったのは復旧であれば保険で対応と。ですけれども、今回は新たに予防・減災ということで、ここにあるような新たな事業を行うということで理解してよろしいですか。

〔新関西国際空港株式会社田中専務取締役〕 はい、御指摘のとおりで、保険の対象外の事業を行うということだと理解しています。

〔池尾分科会長〕 こちらの件のほうが納得性が高いですか。想定されている金利負担軽減額も3分の1程度の規模で想定されていますので。よろしいでしょうか。

それでは、ありがとうございました。このあたりで質疑は終了にしたいと思います。こちらの件に関しましても、追加で御意見とか御質問が生じた場合には、事務局宛てにお伝えください。

それでは新関西国際空港及び国土交通省の担当部局の皆様、どうもありがとうございました。

(新関西国際空港(株) 退席)

〔池尾分科会長〕 それで、本日、各委員より頂戴いたしました意見につきましては、今後の財投計画の策定に活用していただくということで、お願いいたします。事務局から何かありますか。よろしいですか。

それでは、押していたのですが、後半、速やかに審議が終わりましたので、やや早目になりましたが、本日の御審議は以上ということにさせていただきます。

繰り返しになりますが、追加の御意見、御質問がありましたら、事務局までお寄せください。本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクが行われます。議事録につきましては、いつもどおり委員の皆様の御了解をいただいた後、財務省のホームページに掲載いたします。

それでは、本日は御多用中のところを御参集いただきまして、まことにありがとうございました。熱心に御議論いただきまして、本当にありがとうございました。それでは、これにて閉会させていただきます。

15時52分閉会

財務省の政策