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財政投融資分科会(平成30年11月2日開催)議事録

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財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録

平成30年11月2日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第

平成30年11月2日(金)13:13〜14:36
財務省第1会議室(本庁舎4階)

  • 1.開

  • 2.平成31年度財政投融資計画の編成上の論点

    • @ 地方公共団体
      質疑・応答

    • A 独立行政法人日本学生支援機構
      質疑・応答

  • 3.閉

配付資料

資料1財政制度等審議会 財政投融資分科会 説明資料(地方公共団体)
資料2財政制度等審議会 財政投融資分科会 説明資料((独)日本学生支援機構)

出席者(敬称略)

分科会長

池尾和人

可部理財局長

古谷理財局次長

橋本財政投融資総括課長

金森管理課長

湯下計画官

若原計画官

谷内資金企画室長

山本財政投融資企画官

委員

中里 透

臨時委員

小枝淳子

冨田俊基

林田晃雄

専門委員

中島厚志

沼尾波子


13時13分開会

〔池尾分科会長〕定刻の少し前ですが、出席予定の委員の方が全員お揃いになりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたします。

なお、本日は、国会会期中ということもあり、局長をはじめ事務局側で、やむなく途中退席される場合がございますので、あらかじめ委員の皆様におかれましては、御承知おきください。

本日は、平成31年度財政投融資計画の編成上の論点の御審議を引き続きいただきたいと思います。本日の対象機関は、地方公共団体及び日本学生支援機構です。

それでは、まず、地方公共団体について、湯下計画官より、要求の概要及び編成上の論点の御説明をお願いいたします。

〔湯下計画官〕計画官の湯下でございます。よろしくお願いいたします。

地方公共団体について説明いたします。

お手元の資料1の2ページ目に記載のとおり、目次に従いまして、31年度の要求、地方公共団体向け財政融資の現状と基本的考え方及び編成上の論点の順番で御説明していきたいと思います。

1枚飛ばしていただきまして4ページ目でございます。8月末に総務省から提示された地方公共団体の財投要求の概要でございます。

地方公共団体が必要とする地方債の額について、8月末の段階で推計した結果、平成31年度地方債計画案に基づいて要求がなされております。

ここで事業計画実施に必要な資金の合計額という額がありますが、すなわち、これが平成31年度の地方債計画案の規模で、11兆7,921億円が計上され、前年度に比べて1,465億円の増加となっております。

増加分は臨時財政対策債によるもので、31年度は既往債の元利償還分に係る発行額が増加したこと等が要因として挙げられます。

その他の経費につきましては、平成31年度地方財政収支の仮試算におきまして、投資的経費の伸びは前年度比0%とされていることを踏まえて、地方債計画案においても前年度と同額で計上されております。

そのうち財政融資資金につきましては、平成30年度地方債計画における資金別のシェアを単純にそのまま当てはめた形で計算しておりまして、2兆8,400億円と、前年と比べて334億円の増加となっております。

なお、前年同様、地方債計画は年末の国の予算編成の状況及び地方財政対策を踏まえて最終的な決定を行うこととされておりまして、今後の国の予算編成の内容、地方財政をめぐる動向等に対応して、所要の修正がなされることが予定されております。

また、東日本大震災に係る地方債計画につきましては、所要の金額を全額公的資金により確保することとされており、これから年末にかけて別途要求されるということになっております。

続きまして、5ページでございます。5ページは、地方債計画額と、そのうち財政融資資金の額について、要求ベースと過去のベースの推移となっております。

続きまして、6ページから8ページでございますが、こちらは平成31年度地方債計画、また平成31年度地方財政収支の仮試算に関する資料を参考としておりますが、説明は割愛いたします。

以上が、地方公共団体に係る31年度の財投要求の概要になっております。

続きまして、10ページまで飛んでいただきまして、地方公共団体の財政融資の現状と基本的考え方について御説明させていただきます。

10ページは、財政融資資金の事業別貸出額の推移を示したものでございます。規模といたしましては、リーマンショック後の対応で一時膨らんでおりましたが、22年度以降、段階的に縮小してきております。他方、緑の部分が臨時財政対策債でございますが、その部分を除くと、近年は同水準で推移している状況でございます。つまり、臨時財政対策債の引受けを抑制することで、財政融資資金の規模を縮小してきているという状況になっております。

続きまして、11ページを御覧いただきまして、今申し上げた臨時財政対策債を除いた部分がどうなっているのかということで、臨時財政対策債を除いた部分の財政融資資金の事業別貸付割合の推移を示しております。近年、災害復旧事業や過疎対策事業の占める割合が増え、上下水道の貸付、こちらについては後ほど触れさせていただきたいと思っておりますが、こちらは全体の3割と、引き続き大きな比重を占めているという状況でございます。

続きまして、12ページは、事業別に、その事業の中でどれだけを財政融資資金が引き受けているかということで、事業内シェアの推移を示したものでございます。災害復旧事業は100%、過疎対策事業の大宗を財政融資資金が引き受けております。

また、水道事業は5割、下水道事業は3割を引き受けており、上下水道事業も財政融資資金が大きな役割を果たしている分野と考えております。

また、地方単独事業につきましては、ほとんど引き受けていないという状況でございますが、平成30年度、今年度から防災事業の一部に財政融資資金の供給を開始しているという状況でございます。

続きまして、13ページでございますが、検討に当たっての基本的な考え方をまとめさせていただいております。

下段にあります法律の内容や、平成26年度の財投分科会の報告書を踏まえてまとめております。

読み上げますと、「財政融資資金は、段階的に縮減しつつあるものの、地方公共団体の課題やニーズを踏まえ、災害復旧など国が責任を持って対応すべき分野に積極的に対応しつつ、上下水道など国の政策と密接な関係のある分野への対応をきめ細かく推進していくべきではないか」という考え方でございます。

次のページでございますが、こうした考え方に基づきまして、これから論点1、2、3の点につきまして検討していきたいと考えております。

次の15ページ目でございます。まず、上下水道につきまして御議論いただきたいと思います。

ここに紹介させていただいておりますように、上下水道につきましては、人口減少社会、過去の設備投資の更新時期の到来、職員の高齢化と減少という背景から、主な課題といたしまして、料金収入の減少、施設の老朽化及び更新需要の増加、持続的な運営体制の確保といった課題を抱えております。

今申し上げた課題を詳しく16ページから説明させていただきます。料金収入の減少につきましては、水道事業は普及率が97%と新規利用者の増加がほとんどない状況でございまして、給水人口や1日当たりの有収水量は既に減少に転じております。

他方、下水道事業は、普及率がまだ100%近くになっておりませんので、普及率の伸びに伴いまして、新規利用者の増加等がございまして、足元では料金が微増しております。しかし、右側に御覧いただくように、今後の需要ということで見ますと、こちらのほうも減少することが見込まれているという状況にございます。

次の17ページでございますが、施設の老朽化と更新需要の増加、こちらにつきましても、左側がそれぞれの投資額の推移でございますが、設備投資の更新時期が到来しているという状態でございます。

上段の右上でございますけれども、耐用年数を超過した管路の全体に占める割合は年々増加してきておりますが、他方、毎年実際に更新している割合は0.75%と、これがよくすべての管路を更新するためには133年かかると言われる理由でありますが、このように更新が進んでいないという状況が伺えます。

また、下水道事業におきましても、耐用年数を超過した管路が増加し、将来の更新投資が見込まれる一方、更新投資を含む改良事業は建設改良費の3割にとどまっている状況になっております。

次の18ページでございますが、上下水道とも職員の減少が続いており、こういった運営体制をどうするかというのが課題になっております。

19ページでございますが、以上の課題全体を踏まえると、今、政府に求められておりますのは、今申し上げた更新投資をどうするかということや、やはり人が減っているという中で、広域化をどう進めていくかということが政府全体の課題となっております。

こうしたことを踏まえると、財政融資資金におきましても、上下水道において更新投資といったものや、広域化等といったものについて、優先的に配分することとしてはどうかというようなことを、今回、御提案したいと思っております。

次の20ページにつきましては、今申し上げました広域化等というものが具体的にどういうものかという具体例を載せております。

次のページに進みまして、21ページを御覧いただければと思います。今の上下水道の話と若干似ているところは多いかと思いますが、公共施設等適正管理推進事業への配分について御議論いただければと思っております。

こちらも背景といたしましては、上下水道事業の課題と同様に、人口減少が進んできている、また、公共施設の更新時期が到来している、また、市町村合併が行われましたので、そういった地方自治体の公共施設の最適化をどうしていくかという課題が生じているということを背景として、財政負担を軽減・平準化する観点、長期的な視点から、公共施設の最適な配置をどう実現していくかということが課題となっております。

次の22ページでございますが、こうした課題に対応するために、政府全体としては、公的ストックを適正化するために、長寿命化の徹底、老朽化への対応、各地方の実情に応じた公共施設の統廃合を進めることが求められております。

こういったことを踏まえて、集約化や複合化などの公共施設の適正管理の取組みを推進するため、財政融資資金を公共施設等適正管理推進事業に新たに配分することとしてはどうかということを御提案させていただいております。

なお、この下段の枠で囲っております公共施設等適正管理推進事業になぜ新たに配分するかというのは、26年度の財投分科会の報告書において、公共施設の更新投資など新たな資金需要についても柔軟な対応を検討することとし、地方単独事業であっても、融資の対象としていくと整理されたことを受けたものでございます。

他方、資料には掲載しておりませんが、この件に関しまして、地方財政審議会に設置された地方公共団体金融機構の業務の在り方に関する検討会が昨年12月にまとめた報告書においては、「機構資金は地方が共助の仕組みにより調達した資金という観点から、公助としての財政融資資金と、その役割を適切に分担していくことが必要である。特に公共施設等の老朽化対策や、喫緊の課題である防災、減災対策、地方創生の取組みなど、地方共通の重要政策課題に対応するための地方単独事業については、共助としての機構資金が対応する必要性が高いと考えられる」とされております。

次の23ページは、今申し上げた公共施設等適正管理推進事業がどういうものであるかということを参考として掲載しております。

続きまして、24ページでございますが、論点3といたしまして、臨時財政対策債への配分についての検討を書かせていただきました。臨時財政対策債のうち、財政融資資金が占める割合については一貫して減少してきているところでございます。これまでの分科会における議論を踏まえると、臨時財政対策債については、資金調達能力の低い地方公共団体に対し、柔軟に対応しつつ、赤字補塡の性格を有することを踏まえ、引き続き抑制的に配分することを基本とすべきではないかと考えております。

他方、こちらも資料にはございませんが、この件に関しまして、昨年12月に地方財政審議会がまとめた、今後目指すべき地方財政の姿と平成30年度の地方財政への対応についての意見においては、「特に、臨時財政対策債については、本来、地方交付税の法定率の引上げで対応すべき地方の財源不足を補うための制度として創設されたものである臨時財政対策債の資金調達に当たっては、地方の財政保障の観点から、国が責任を持って一定の資金を確保する必要がある。」とされているところでございます。

25ページは、以上申し上げた論点をまとめたものでございます。どうぞ忌憚のない御意見を伺えれば幸いでございます。

私からは以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの湯下計画官からの説明を踏まえまして、委員の皆様方から御意見あるいは御質問をいただきたいと思います。なお、総務省の担当部局の方々にも出席していただいておりますので、総務省の方に御質問していただいても結構です。

それでは、どなたからでも結構ですが、御質問、御意見ございませんでしょうか。

それでは、中島委員、お願いします。

〔中島委員〕御説明ありがとうございました。

質問が1つありまして、論点1の上下水道事業に関してです。資料の18ページを拝見すると、右側の下水道事業なのですけれども、ここ数年、事業数が完全な横ばいなんですね。増減があるということで、この全体の下水道についても、統廃合も含めて検討していく、推進していくということが言われているわけですけれども、この全く増減がない背景についての質問です。恐らく、増えたものと減ったものとが、その数が合わさっているのかと思うのですが、どうして横ばいになっているのか、統廃合が進まないのであれば、どういう背景なのか教えていただければと思います。

〔湯下計画官〕手元に内訳がなく、大変恐縮でございますが、中島委員の御指摘のように、下水道につきましては、まだ普及率が90%程度ですので、引き続き、新しいものが造られている一方で、統廃合も行われている。増えている部分と減っている部分の双方があるものと考えております。

申し訳ありませんが、減ったもの、増えたものの内訳につきましては、また調べまして後ほどお答えをさせていただきたいと思います。場合によっては、会議が終わった後に御報告させていただきたいと思います。

〔中島委員〕お願いします。

〔池尾分科会長〕 林田委員、お願いいたします。

〔林田委員〕御説明ありがとうございました。

本題に入る前に、先日、財投リポートを読ませていただきまして、政策コスト分析に関する説明が以前より大変分かりやすくなっておりました。御努力に感謝いたします。

〔古谷理財局次長〕ありがとうございます。

〔林田委員〕今日の話題ですけれども、今日の資料、10ページから12ページあたり、図表が非常に分かりやすく作られていて、大変結構だなと思いました。10ページの図表を見まして、臨時財政対策債の引受額の減少が、ここへ来て、下げ止まっているという印象を受けました。釈迦に説法ですけれども、臨財債はいわば赤字国債の地方版のようなものでありまして、財投による多額の引き受けが続いているのは望ましい状況とはいえないと思います。先ほど御紹介もあったとおり、総務省には総務省なりの言い分があろうかと思いますが、更なる縮減に努めていただきたいということを申し上げたいと思います。

それから、上下水道ですけれども、老朽化した上下水道の更新は、地方にとって喫緊の課題だと思います。新設などよりも更新投資、広域化を優先して、財投資金を活用するということは適切な対応ではないかと私は思います。

あと、公共施設に関しては、現在となっては必要性が乏しくなっている施設もかなりあるのではないかと推察されます。財投を活用される際には、真に必要な事業に厳しく絞り込むということを徹底してやっていただきたいということをお願いしたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕それでは、ほかに御意見があれば。では、冨田委員、お願いします。

〔冨田委員〕今、林田委員が御指摘になった点と関係するのですが、3点。

1点目に、10ページの資料で臨時財政対策債についてお伺いします。

臨時財政対策債は、先ほど、林田委員がおっしゃったように、赤字地方債という性格がある。地方公共団体が基金をどんどん積む一方、借金をするという状況をどう考えたらいいのか。また、その背景はどういうところにあるのかを、この10ページのところではお伺いしたいということです。

それから、上下水道のところなのですけれども、これまで実地監査の話を定期的に事務局より伺っていますが、それとの関係で、そこで得られた示唆といったものが今回のことにどういうふうに関係しているのか、あるいは反映するのか、そういうことをお伺いしたい。

関連して、上下水道については、コンセッションをもっと推進しようとか、PFIを推進しようという動きもあるわけですけれども、それとの関係において、お考えをお伺いしたいです。もとよりこれは更新投資、国民にとってのライフラインですので、非常に優先的な事業なので、いろいろな方法で資金供給がなされることは大事だと思うのですけれども、それらの関係についてお伺いしたいということです。

それから、同じく公共施設についてですけれども、これもコンパクトプラスとかいう標語で非常に国を挙げて推進するような動きがございますけれども、ここで融資を考える場合に、先ほども林田委員がおっしゃいましたけれども、何か条件のようなものがあるのかどうか、つまり、統廃合と交通体系の関係とか、そういうことと融資との関係をどのように位置づけておられるかということについてお伺いしたいと思います。

〔池尾分科会長〕1番目や2番目の御質問は、総務省の方に対してですか。

〔冨田委員〕はい、そうですね。とりわけ最初にお聞きしたことは。

〔池尾分科会長〕3番目以降は理財局の方に質問。

〔冨田委員〕はい。

〔池尾分科会長〕では、総務省の方からお願いします。

〔総務省伊藤自治財政局地方債課長〕総務省地方債課の伊藤です。どうぞよろしくお願いいたします。

最初の御質問でございます。臨時財政対策債についての御質問だったかと思います。端的に申しますと、地方が貯金を重ねながら、このような借金を重ねるのはどういうような背景があるのかということであったかと思います。

昨年、私どもは、全地方公共団体に調査をいたしました。それは基金の積立て状況の調査でございました。その結果でございますが、大まかに申し上げますと、多くの団体がこの貯金につきましては、行政改革ですとか、経費削減ですとか、そういったもので捻出されたということが分かりました。

目的としては、例えば、合併に伴う特例措置終了への備えですとか、あるいは、今年多発しました災害への備えですとか、そういった非常時に備えたものもあれば、あるいは人口減少による税収減ですとか、さらには、先ほどの話と関係しますが、公共施設の老朽化、これに対応すべく積立金をつくっていたという実態が分かった次第でございます。

臨時財政対策債につきましては、私ども、これが増えることがいいと言うつもりはございません。今年の6月の骨太の方針の中でも、臨時財政対策債等の発行額の圧縮、さらには、臨時財政対策債等の債務の償還に取組むということが盛り込まれておりますので、今後とも引き続き財務省とも御相談しながら、臨時財政対策債の縮減に向かって様々な努力を積み重ねていきたいと考えてございます。

以上でございます。

〔湯下計画官〕続きまして、今、御質問いただきましたコンセッションでございますが、これは昨年も御議論いただきまして、幾つかの要件、人口減少、厳しい経営環境、そして自助努力があるかといったような要件を課した上で、一定の期間内にコンセッションを実施する場合につきましては、繰上償還をする場合の補償金を免除するということにしております。

この条件は厳しい条件になっておりますので、およそ全てのPFIに対して補償金免除繰上償還を認めていくというよりは、まさにこういう厳しい条件の中で、これからモデルとなって横展開をしていく、そういった限定された形のものが、法律が通りましたので、今後、申請が出てくるものと考えております。

さらに続きまして、公共施設のほうでございますが、これは全ての公共施設を財投で対応していくというわけではなく、23ページでございますが、地方自治体の公共施設のうち、床面積を減少させる集約化・複合化、または法定耐用年数を超えて延長させる長寿命化、こういった要件に関わるものが公共施設等適正管理推進事業の対象になっていますので、そういったものに限定して財政融資資金のほうで後押ししていってはどうかと考えております。

〔池尾分科会長〕どうぞ。

〔冨田委員〕すみません、あと1点、お答えいただいていないのが、実地監査との関係でどうかということをお伺いしたのですけれども、お願いいたします。

〔湯下計画官〕今回の御提案の考え方におきましては、実地監査というよりは、むしろ今、自治体が抱えている課題は何か、そして、それを受けて骨太の方針を中心に政府全体で実施しようとしている政策は何かという観点から、上下水道事業の更新投資や広域化を選ばせていただいております。

当然のことながら、今回御提案させていただく内容に関わらず、現在も上下水道事業に融資しておりますので、実地監査を通じてわかった論点につきましても、適切に対応していきたいと考えております。

〔池尾分科会長〕どうぞ。

〔金森管理課長〕実地監査は管理課で実施しておりまして、昨年度から上下水道事業についても財務局と連携して監査を実施しております。

昨年度、今年、そして来年度と3カ年で実施する予定にしておりまして、まさに更新投資の問題ですとか、広域化について、進んでいる団体もありますので、どういう要因で進んでいるのかというのを監査で見させていただいて、どうやったら他の自治体に広げていけるのかという観点から、今まさに監査をしているところでございますので、6月になりましたら、その結果を御報告したいと思っております。

〔池尾分科会長〕よろしいですか。

基金の話なのですが、様々な理由から基金を積む必要があるというのはそのとおりだと思います。できるだけ分厚い基金が積めれば、それだけ安心だということは確かなのですけれども、やはり様々な財政状況を考えたときに、基金を積み上げていくペースが、現状、適正なのか、もう少し抑制したりする、そういう余地はないのかというところが、本当は聞きたいところではないかと思うので、少し補足の説明をいただけないでしょうか。

〔総務省伊藤自治財政局地方債課長〕先ほどのお話でございますが、本来的には、やはり地方の将来不安というのが基金を積み立てる背景にはあると感じております。これはさまざまなヒアリングなどでも実際にいろいろな地方の方からそういうお話を伺いました。

ただ、その一方でいろいろ内容を見ていきますと、基金において地方交付税の不交付団体の増加額が多いということですとか、あるいは、交付団体においても老朽化対策など、先ほど申し上げました本当に必要なものについては、そういうことをやっていける環境の整備のために基金を積み立てているというような背景も分かった次第でございます。

このため、やはり地方において行政サービス改革を推進するためには、今、分科会長がおっしゃったとおりで、ある程度の財源が必要であろうということがあります。その上で、やはりサービスとか歳出の効率化にも当然ながら同時に取り組まなければいけない、そういったことも地方とも共有しながら、この辺はまた年末の地方財政対策に向けていろいろなお話がございますので、取り組んでいければなと感じてございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕では、沼尾委員、お願いします。

〔沼尾委員〕ありがとうございます。3点申し上げたいと思います。

いただいている論点の順番とは異なるのですが、まず最初に、臨財債については、やはり安定的な確保ということが非常に重要なのではないかと思っております。

先ほど、計画官のほうから、地財審のコメントも紹介していただきましたけれども、本来であれば、地方財政計画ベースで交付税で対応するべきもので、それに対する不足分を国として責任を持って手当てしていくということは大事なのではないかと考えております。

現在の時点で、保育、教育の無償化の財源の話がまだ錯綜している中で、どの程度地財計画ベースで財源不足が生じるのかというところもあるかと思います。また最終的に臨財債の発行額が減っていくことが望ましいことは間違いないですし、その方向に向けて、今、税制改正なども進められてきているということも十分承知しておりますが、そのうえで、ぜひそこの部分についてはしっかりと手当てをしていくことが大事なのではないかと思っております。

2点目は上下水道の話なのですが、確かにこれは国の施策と密接に関係する分野ということで、それに対して公的に融資を行うというのは、大変重要なことだと思うんですけれども、そのときに、広域化あるいは更新投資というものを優先的に配分するという考え方を入れることが妥当なのかどうかということについては、もう少し検討されてもいいのではないかという印象を持っています。

それはどういうことかと申しますと、やはり国の政策に合った形で、政策誘導的なバイアスをかけていけばいくほど、自治体の側が、例えば主体的に上下水道事業を効率的・効果的に運営するためには、どのような現状を把握して、どのように実態を考察していけばいいかというところについて、どんどん国頼みになっていくというようなところもあるのではないかと。もちろん広域化と更新投資というのが効率的な場合が多数だということもあるんですけれども、実際に地域の実情を見ますと、中にはそうではないようなケースも全くないとは言えない。そういうときに、かえって広域化に誘導してしまうことで、今年度を見たときに、かえって非効率になってしまったということが起こらないとも言えないということを考えると、むしろ効率的あるいは効果的な経営を促進していくための情報提供ですとか、専門家を配置していくとか、そういう部分が非常に重要になってくるのではないかと思っております。

ですので、このあたりのところは全体の方針もあるとは思うのですけれども、やはりしっかりと自治体側が主体的に判断するためのバックアップ体制の確保とあわせて、こういうメッセージを出すということには、中にはデメリットもあるかもしれないというところも留意しておく必要があるのではないかという印象を持ちました。

それから3点目の地方単独事業の公共施設等適正管理推進に関する事業債の件なのですが、これにつきましても、対象となる事業が本当に国が責任を持って推進するべきものなのかどうかというところについて、やはりきちんとした精査が必要ではないかという印象を持っています。今、実際に、とりわけ条件不利地域に行きますと、小学校なり学校の統廃合をした後の施設をどうするか等、施設の複合化も含めて、その対応は模索されているんですけれども、担い手ですとか、運営のあり方、使途についても、様々なものが出てきていまして、そういう中でそれぞれの使途や目的に合った形での適正な融資のメニューが多様にあるということは大変重要だと思っていますが、ここに国の責任でということで積極的に出ていくということを判断される前に、どういうものがあるのかということを慎重に判断された上で、例えば地方公共団体金融機構との中で、公助と共助のところをどういうふうに仕分けをしていくのかといったようなことを議論した上でどうするかということを御判断いただくことが大変重要なのではないかと思います。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕御意見の部分が多かったとは思いますが、これに関連して。

〔湯下計画官〕最後の公共施設等適正管理推進事業の部分でございますが、先ほど申し上げましたように、この事業がすべて国の責任だとは私どもも考えておりません。むしろ先ほど申し上げたかったのは、国の政策に密接に関係する事業ということで、もちろんこれは地方単独事業であることは承知しておりますし、これまで財政融資資金の配分がゼロだったということも承知しております。ただ、やはりまさに今、地方公共団体の方々に公共施設に関する様々な計画を作っていただいているところであり、それぞれの公共施設をどう統廃合していくか、計画を具体的に作り、どう進めていくのかというのは、国の政策に密接に関係する分野というものの中に入ってくるのではないかと我々は考えております。

もちろんその中でいろいろ御議論はあろうかと思いますが、これは国としてやるべきなので、共助である機構がやるべきではないとか、我々はそういったことは全く考えておりません。機構が共助として資金を配分される。そして国が国の政策に密接に関係する事業として公助として財政融資資金を配分する。財政融資資金と機構資金がともに複合的に活用されている分野は、ほかにも多数ございますので、そこはきちんと連携をとりながらお互いの役割分担を踏まえて実施していきたいと考えております。

〔池尾分科会長〕小枝委員。

〔小枝委員〕短くコメントを1つ、皆様の意見と重なっているのですが。

先ほどの臨時財政対策債の話で、名前からして臨時なので、抑制するのは当たり前なのかなと思ったのですが、そこに、例えば社会保障費の増大だとか、そういう構造的なものが何かあるのであれば、その不安とか、将来の不確実を解消するためには、もう少しその辺の構造的ないろいろな分析は伺ってみたいと思いました。コメントです。

〔池尾分科会長〕中里委員。

〔中里委員〕先ほど、沼尾委員から、広域化を必ずしも保証しないというお話がありましたが、ちょうど地域金融機関の統合についてもそういう議論がいろいろとあって、共通していておもしろいと思います。その背後にあるのはいずれも人口減少ということです。それから、施設について言うと、高度成長期やその後に実施されたものの更新が増えるので、それにどう対応していくかという話になると思います。その際に、私たちが予測できる変数の中で一番確実なものは人口であって、そうすると、やはり今後のことを考えたときに、人口が減っていくというのは厳然たる事実ですし、更新投資が増えるというのも厳然たる事実なので、もちろん地域の実情に応じて配分するというのは大事なことだと思うのですけれども、全体としては広域化あるいは集約化を進めていかなければいけないわけです。それを国としてもサポートしていかないといけないというのは確かなので、その点で今回の御提案は非常に重要なものだと思います。

それから、公共施設の適正配置、適正管理の観点についてですが、過疎債について理財局から御提案をいただいて、今年度から機構の融資でも引き受けを実施するという形になったと思うので、公助と共助を両方使うということには前例があります。少し大上段に構え過ぎかもしれませんが、「国家財政と地方財政は公経済の車の両輪」という話がかつてあったと思うんですけれども、そこまで大上段には振りかぶりませんが、要するに、公助と共助を両方使うというのは、これは特定の政策目的がある場合には非常に重要なので、この御提案の方向で考えられてよろしいかと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕それでは、まだまだ御議論はあるかもしれませんが、大体予定している時間になりましたので、地方公共団体に関する質疑は、とりあえずここで終了とさせていただきたいと思います。

それでは、総務省の担当部局の皆様は御退席をお願いいたします。どうもありがとうございました。

(総務省担当部局 退席)

(日本学生支援機構 着席)

〔池尾分科会長〕それでは、日本学生支援機構について取り上げたいと思いますが、冒頭、文部科学省より、御発言のお申し出がありましたので、簡潔にお願いします。

〔文部科学省森大臣官房審議官〕ありがとうございます。昨日の新聞におきまして、日本学生支援機構が保証人に対しまして、いわゆる分別の利益の懇切丁寧な説明を行わずに、返還未済金の全額を請求している。一方で、分別の利益を主張される方には減額に応じているとの報道がございました。これにつきまして、学生支援機構の対応に特段の問題はないものと承知をしておりますが、民法上の責任と権利に関する保証人の理解を十分に得た上で返済していただくことが重要であると考えております。

このため、保証人に対する説明に関しまして、どのような改善が可能であるか、今後、日本学生支援機構において検討いただきたいと考えています。

以上でございます。どうもありがとうございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、審議に入りたいと思います。

まず、湯下計画官より、要求の概要及び編成上の論点の御説明をお願いいたします。

〔湯下計画官〕それでは、資料2をお開きいただきたいと思います。こちらにしたがいまして御説明させていただきます。

まず、2ページ目を御覧いただきたいと思いますが、日本学生支援機構の要求の概要及び機構のリスク管理債権につきまして、延滞債権の動向がどうなっているのか、そして、この機構のリスク管理債権の改善に向けてどうするべきか、この2点につきまして御議論いただきたいと思いますので、御提案させていただきます。

2ページおめくりいただきまして4ページにお進みください。こちらが機構の概要となっております。日本学生支援機構は、日本育英会の奨学金貸与事業や国が行っていた留学生に対する奨学金の給付事業等の学生支援事業を総合的に実施する機関として、平成16年4月に設立された独立行政法人でございます。現在も奨学金事業、留学生支援事業及び学生生活支援事業等を総合的に実施している組織ということでございます。

次の5ページ目でございますが、学生の今の動向等につきまして、これから状況を御説明したいと思います。

18歳人口は、青色の線でございます。平成4年の205万人をピークに減少傾向になっていますが、高等教育機関の進学率は上昇傾向となっております。

次の6ページは、高等教育機関の学生数と奨学金の貸与をお示ししております。18歳人口は減少傾向となっておりますが、ただいま申し上げましたように、進学率の上昇により、高等教育機関の学生数は、近年、350万人程度で推移しておりまして、奨学金の貸与人員も横ばいで推移し、130万人程度となっております。貸与率につきましても、平成29年度におきましては、37.2%と40%弱の方が利用しているという状況でございます。

1ページ飛ばしていただきまして、8ページからが要求の概要でございます。

機構は、平成31年度要求におきまして、在学中の学生等への奨学金を貸与するための事業規模として7,041億円、また、年度内に奨学金貸与が終了する学生の奨学金総額に係る借換の資金として、財政融資資金6,744億円を要求しております。

次のページが、この推移でございますが、近年は財投借入れが事業規模とともに7,000億円程度で推移しているというような状況でございます。これが今、全体の背景説明でございまして、11ページから論点につきまして御説明させていただきたいと思います。

こちらのグラフ、棒グラフで示しておりますのが、それぞれの区分に応じた債権額、黄色の折れ線グラフが機構の有利子奨学金貸付残高全体に占めるリスク管理債権の比率、茶色の折れ線が延滞債権の比率を示しております。

茶色の折れ線を見ていただきますと、延滞債権比率は減少している一方、黄色の折れ線で示しておりますリスク管理債権比率は増加しているということが見てとれるかと思います。

このリスク管理債権の比率が増加している要因といたしましては、一目瞭然かと思いますが、貸出条件緩和債権というものが増加しているためでございます。この貸出条件緩和債権といいますのは、機構の制度といたしまして、返還を猶予する返還期限猶予及び一定期間、割賦金額を減額し、返還期限を延長する減額返還制度、こういったものがございまして、これらの制度を適用している債権でございます。

もちろんこういったものが今すぐ延滞債権になるとは考えておりませんが、将来、延滞債権もしくは破綻先債権になるリスクがあるということで注意しなければいけない債権だと我々は考えております。

次のページをおめくりいただきまして、今、延滞債権のほうは若干横ばい程度という形の姿だったかと思いますが、その中身について、このページでは御説明したいと思います。

延滞額と延滞額に占める5年以上の延滞額比率の推移が、このオレンジ色の線でございます。御覧いただきますように、5年以上の延滞債権が増えておりまして、足元では63.7%となっております。延滞が長期化すれば、本人や連帯保証人等からの回収が困難となって参りますので、対応が必要になるのではないかと考えております。

次のページでございます。こちらは、回収の状況がどうなっているのかということでございます。

下の絵のところでございますが、上半分が人的保証、下半分が機関保証の説明になっております。人的保証と申しますのは、連帯保証人として親ですとか、保証人としておじさん、おばさんに保証を引き受けてもらう制度でございます。また、機関保証は、保証機関に保証料を支払って保証を引き受けていただく、そういう制度になっておりまして、学生は貸与を申し込むときにどちらかを選ばなければならないということになっております。

こちらのスキームの状況でございますが、まず、上の延滞が3カ月までは機構職員から本人への督促を行うということでございますが、延滞が3カ月以上になりますと、この下の部分の絵のところになります。四角い部分でございますが、サービサーへの委託というふうに進んで参ります。

サービサーへ委託している債権数は、総数では3万5,033件、そのうち人的保証のものは2万2,578件でございますが、右側を御覧いただきますように、強制執行という段階まで進んでいるものは175件にとどまっているところでございます。

また、下の段でございますが、機関保証をしているものは1万2,455件、こちらのほうは、延滞が9カ月以上になりますと自動的に手続が進んでいきまして、12カ月になりますと代位弁済手続へと進んでいくという形になっております。

次のページでございますが、こういった中で、償却がどうなっているのかということでございます。償却基準は14ページ記載のとおりになっておりまして、償却額は近年では3から4億円にとどまるというような状況になっております。

以上を踏まえまして、15ページ目、論点といたしまして全体をまとめますと、延滞債権の処理については、手続きの迅速化を図ることとしてはどうかということ。また、延滞が長期化して実質的な回収の見込みが立たない債権については、回収に対する費用対効果、これはサービサーへの委託費とか、そういったものでございますが、その費用対効果から考えれば、償却処理を進めることとしてはどうかということを御提案したいと考えております。

次のページは、今しがた若干触れましたけれども、機関保証の状況がどうなっているかということでございます。有利子奨学金貸与者の機関保証制度選択率の推移ということでございますが、平成16年に制度が発足いたしまして、最初は順当に進んでおりましたが、近年、横ばい、45%程度にとどまっているという状況でございます。

したがいまして、次ページの下のところですが、全てを機関保証とするようなことも検討してはどうかということを御提案させていただきたいと思っております。

その後でございますが、19ページが奨学金返還に関わるアンケートということで、機構が実施したものをお付けしております。

また、20ページにおきましては、現在、奨学金の制度周知ということで、機構でどういう取組みがなされているかというものも付けさせていただいております。

奨学金に関しては、今後、高等教育の無償化ということで、様々な制度改正が見込まれているところでございますが、今回につきましては、資金の貸手として、いま一度、奨学金返還の必要性について御議論いただきたいと思いまして、問題提起をさせていただきました。

説明は以上となります。よろしくお願いいたします。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、ただいまの湯下計画官からの御説明を踏まえて、委員の皆様方から御意見あるいは御質問をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

では、冨田委員、お願いします。

〔冨田委員〕ありがとうございます。まず大きな流れとして、無償化が始まるわけですけれども、先ほど少し言われましたけれども、それとの関係で、この有利子ローンか無利子ローンの返済率の見通しのようなことをどういうふうに持ったらいいのかというのが1つです。

これは関係するのですけれども、機関保証が始まって大分経つわけです。人的保証の延滞債権比率が低下しているというグラフを見せていただきましたけれども、それへの影響というのはどのように見たらいいのでしょうか。つまり、機関保証によってリスクが機関のほうに移転されてしまって、逆に言うと、リスクは機関のほうにたまってしまっている可能性をどのようにお考えか。

また別の観点から言いますと、学生からすると保証料を払わなければいけないわけですね。それはまたアルバイトをしなければいけないということにもなるわけですね。そうすると、ただでさえ小学生よりも勉強時間が短いということをよく言われているわけですけれども、そういうこととの関係で保証料をどのように位置付けたらいいのかということなのです。

ですから、ここでは論点2として、全て機関保証とすることも検討してはどうかと言われるわけですけれども、それに関わる国民的コストをどのようにお考えかということです。それが質問でございます。

〔池尾分科会長〕見通し等を含めてお答えいただけますか。

〔文部科学省塩崎学生・留学生課長〕文部科学省でございます。

まず、無償化の関係でございますけれども、無償化は、今回、2020年4月から低所得世帯の方々に対して、授業料の減免と生活費に当たる給付型の奨学金を出すということになりますので、これまで無利子奨学金、有利子奨学金につきましては、低所得世帯の方、多くの方が借りられておりましたけれども、今後は無償化によりまして給付型が入りますので、基本的に無利子であるとか有利子奨学金を借りる方々が少なくなるのではないかということを考えてございます。ですから、基本的には、債務超過の方々がどうなるかというのは、見通しは立ちませんけれども、少なくとも借りる方々は減少してくるだろうという見通しを持っているということでございます。

それから2点目の機関保証の関係でございますけれども、今、冨田先生がおっしゃいましたとおり、機関保証の割合が44〜45%で今止まっているのですけれども、学生にとってみると、やはり機関保証料をとられるということに抵抗があって、なかなか機関保証のほうに移っていかないという実態がございます。

一方で、リスク管理という観点からは、学生支援機構については問題がなくなるのですが、保証機関のほうにリスクが回っていくということで、実際、平成29年度につきましては、代位弁済の額が機関保証料の総額を上回ったというような状況もございまして、今後それがどうなっていくかは、注視していかなければいけないと思っております。

そういう意味で、今後どうなっていくかというのは、今のところ、きちんと見ていかないといけないということと、もう1つは、実は平成16年にこの機関保証の制度を入れる際の国会審議におきまして、衆議院の附帯決議が付いてございました。そのときには、基本的には、機関保証と人的保証を併用するというか、正確に申し上げると、「機関保証制度の創設に当たっては、人的保証との選択制とするとともに、奨学生への経済的な負担等に対する教育的配慮を行い、適正な運用に努めること」ということで、その時点で全部機関保証に寄せるのではなくて、併用しなさいというところから始まっているというところも踏まえて、今後、我々としては考えていかないといけないという部分もあるということでございます。

〔池尾分科会長〕保証料を払わなければいけないというのは確かに負担ですが、親とかに依存するというのは決して好ましいことではないと私は個人的には思っておりまして、インプリシットにはやはりコストは発生しているはずだと思うんですよね。だから、社会全体として、どういう組合せが一番コストが下がるかということだと思います。

〔冨田委員〕すみません。今の追加で質問ですけれども、借金の意識というか、そういうものが弱まってしまう、保証料を払っているんだからとか、そういうことをどう考えるかということだと思います。これは住宅金融公庫が改組される際に、結局は、機関保証でものすごい損が出ているわけですよね。その問題との類推なのです。だから、確かに今、会長がおっしゃったような考え方もあると思うのですけれども、広い意味で言えば、モラルハザードに関わる問題ですね。保証料を払っているんだからというようなことになりはしないかなという話です。

〔池尾分科会長〕はい。そのあたりの制度設計に関して、編成上の論点で機関保証に一元化することも検討に値するのではないかという方向性を出しているわけですけれども、その場合、今、冨田委員から出たような提案を含めて、どういう工夫をするか。それから、文部科学省の方からありましたが、保証機関自身の財務的な基盤等について、どのように健全性を確保するかという、そういう問題はあると思います。

いきなりそういう大きなことを聞いて、少しお答えしにくいとは思いますが。

〔湯下計画官〕当然、御指摘のところは、保証機関の財務がどうなるのかというのは、もちろん考えていかなければならないと思っておりますが、私どもの問題認識としましては、やはり今、45%ぐらいで若干止まり、もしくは下げ止まりつつあるという中で、モラルハザードは様々な観点があろうかと思いますけれども、保証料を払っているんだからいいと考えられる方もいらっしゃるかもしれません。他方、代位弁済になった場合に、社会的ペナルティーが全くないわけではございませんので、延滞して代位弁済までいってしまったという社会的評価をその方は受けられるわけですので、基本的には、こういった機関保証にすら頼らずにちゃんと返済することがまず一番大事であって、さらにそれが無理なときに、大体10年とか、どんどん延滞してしまって、結局、延滞されている方が40代ぐらい、御両親はもう60代ぐらいで退職もされて払うことも出来ず、どうにもならなくなっているというような状況をこのままにするぐらいであれば、ある程度の社会的な考え方として、機関保証というものをもう少し進めるべきではないかということで、今回、御提案させていただいております。御指摘の点、もちろん機関保証に全部責任を押しつけて、それで終わりできれいにすればいいんだというつもりは全くございませんが、今一つ、足踏みしている機関保証への流れを、もう一度考え直していただきたいという考え方から、今回、御提案させていただいた次第でございます。

〔日本学生支援機構前畑奨学事業戦略部長〕日本学生支援機構でございます。

少し補足させていただきますと、現在の保証料につきましては、毎月私どもから学生に振り込んでおります奨学金の中から天引きをして徴収をしているということがございます。ですので、学生さんが別途アルバイトして保証料を払わないといけないというような状況ではございません。

また、延滞しまして私どもが保証機関のほうに代位弁済の請求をし、代位弁済が実行された場合、保証機関は、その後、本人に対して求償権行使という形で督促を行っていき、最終的には私どもが人的保証でやっている支払督促というような形の法的措置まで行っています。

また、代位弁済されますと、個人のほうも、延滞だけではなく、代位弁済されたというような情報も登録されますので、モラルハザードというものについて発生しないような形で、私どもも周知を行っているというところでございます。

〔池尾分科会長〕それでは、林田委員。

〔林田委員〕具体的な数字がないのでピンと来ないのでお伺いしたいのですが、天引きをしている保証料というのは、どれぐらいの期間に、奨学金の何%分ぐらいを天引きしているのかということと、保証料が上がる要因は、どんなものがあるのか。今の状態がずっと続くのか、それとも変動していくものなのか、それによっても全てやることが妥当なのかどうかというのは、個々の負担にもよると思うので、そのあたりを教えていただきたいと思います。

〔池尾分科会長〕率は出ていましたよね。

〔林田委員〕率は、資料に出ているとおりなんですけれども。

〔池尾分科会長〕金額的なことをですか。

〔林田委員〕要するに、保証料を20年で支払うとする場合に、多分、毎年払っているのではないと思うのですよね。何年かに寄せて払っていると思うので、その辺を教えてください。

〔日本学生支援機構大谷理事〕では、具体の例で申し上げますと、無利子の奨学金で大学の学部、これは私立大学の場合で御説明しますけれども、私立大学で自宅から通われている場合、貸与の金額が自宅だと5万4,000円というケースで御説明をいたしますと、毎月大体1,900円ちょっと、1,928円天引きされるという形でございまして、返還の回数は180回を想定しておりますので、毎月2,000円程度が天引きされているというのが今の実態でございます。すみません、貸与期間は48カ月でございます。

〔池尾分科会長〕4年間ですからね。

〔日本学生支援機構大谷理事〕はい。

〔池尾分科会長〕だから、5万4,000円の奨学金が5万2,000円くらいにちょっと値引きされるという、そういう感じです。

では、関連で。冨田委員。

〔冨田委員〕この頃、よくエビデンスベースト・ポリシーメーキングという言葉が聞かれますが、奨学金も最近では、大学別の返済率とか、そういうものが発表されるようになったわけですけれども、もっとこういうことに活用できると思うのです。これまでの機関保証利用者の返済動向とか、そういうものでいろいろと分析した資料があれば、この議論ももっと進みやすいと思うのです。ざくっと言われても、よく分からないというところがあるのです。だから、別に意思決定を遅らせようと言っているわけではないです。これは、学生ローン、スチューデントローンなのです。ですから、奨学金貸与事業とかというと、何かよく分からないけれども、基本的にはやはり金融なわけです。だから、そういうことを踏まえると、エビデンスベースト・ポリシーメーキングという手法を使ってはどうかと思うのですが、そういうことはできないのでしょうか。個票ベースの分析になるかもしれませんけれども、奨学金の返済データ、そういうものの活用というのは、何か制約があるのか、あるいは、研究者の皆さんにはもっとデータを公開して分析するようにしてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。

〔池尾分科会長〕当然マスクした状態でということですよね。

〔冨田委員〕もちろん。

〔池尾分科会長〕個票データで結構ですけれども、それを提供してもらえると、喜んで分析するという若い研究者は、現状においてたくさんいるとは思うのですけれども。

はい、お願いします。

〔日本学生支援機構大谷理事〕御指摘ごもっともな点はあろうかと思っております。私どもも、例えば大学、専門学校の例でございますけれども、延滞者が多い大学につきましては、まず延滞がどういう状況かというのは、各大学に毎年資料をお渡ししております。その資料については、私ども機構のホームページでも公開させていただいております。さらに、延滞率が特に悪い大学につきましては、個別に私どもが訪問いたしまして、大学の方々に対して、返還についての周知を図っていただくようなことも指導させていただいておりまして、それによって返還率が上がっているようなデータもございますので、そうした指導は引き続き続けて参りたいと思っているところでございます。

〔池尾分科会長〕では、中島委員、お願いします。

〔中島委員〕何点かありまして、まず、今の機関保証の件で言うと、私も金融機関におりましたので、普通の貸出に比べてこの奨学金の特異な違いは、返済する側の返済能力が事前に全く分からないという点です。学生ですから、就職先も分からないし、そういう人たちに貸していくわけです。したがって、これは、どういう制度設計をするかというところで、当然リスクの範囲が金融機関の貸出よりは広がるところがありますので、逆にしっかりとした返済を確保する制度設計が必要だと思うのです。

それで、人的保証ですと、モラルハザードがここでも起こりかねない面があると思うのです。なぜかというと、先ほどの御説明にもありましたけれども、代位、代わって返す側が、その返済能力はある程度貸すときに分かるかもしれませんが、ただ、返す時点は相当先になるとすれば、その段階でどうなっているかというところは不安定です。私は、やはり制度設計の上では、100%とまでは言わないにしても、やはり機関保証のほうが安定性があるということだと思います。

その点はその点として、何点かあるのですけれども、1点目は、この資料の11ページでして、延滞債権比率は低下しているのですが、貸出条件緩和債権が増えているということで、一方的に増えているのが大変奇異に感じられます。

事業規模を拝見すると横ばいになっている、しかも、足元は景気がよく、かつ人手不足は深刻化していると言われている中で、なぜこの返済期限猶予とか、減額返済制度を活用する人たちが増えている状況が止まらないのか、ここは大変奇異に感じられます。ここはむしろ、貸し出す際に事前の条件付けというか、説明がつくところもあろうかと思いますので、この点がどういう状況なのかというのを教えていただきたいというのが1点目です。

2点目としては、その次の12ページなのですが、延滞額のうち3分の2近くが5年以上の長期間延滞になっており、これも大変奇異に感じます。しかも、この中で拝見すると、10年以上の延滞が増えているという状況にありまして、これは普通であれば、5年超のところで決着がつくはずなんです。金融の常識から言えば、ここで将来どうなるかはもちろん分からない、返せるようになるかもしれないとしても、普通はこういうところで切ります。どうしてそういうことにならなくて、こういうふうに、もちろん様々な条件があるにしても、なぜ償却、この段階で減損処理しないのか、私は全く分からないのですが、その点も教えていただきたい。

逆に、こういう点を含めて考えますと、後ろのほうに、確か延滞額、減損の数字がどこかにありました。

〔池尾分科会長〕14ページです。

〔中島委員〕そうですね。償却額が4億円ですよね。しかも横ばいに推移しているというのが、これも解せないところで、全体としての事業規模が8,000億円近い学生支援機構として、その中で延滞額自体も数百億円ある中で、なぜ償却額が4億円で横ばいになっているのか、ここもどういう仕組みになっているのか教えていただければと思います。

もう1つは、今も少し申し上げたところですが、一番最後の参考資料のところに、奨学金の返還者に関する属性調査結果があります。これを見て大変奇異に思うのは、いつ返還義務があると知ったかというのは、「申込手続中」というところまではある程度理解し得るのですが、「督促を受けてから」が11%いる。これも分からないところでありまして、貸すとき、あるいは実際に返済を始めるとき等々、もっと周知するような手当てがないのか、このような返さなくてはいけないという議論は、今までもこの分科会で毎年のように出ていたと理解していますが、どうしてなおこういう督促を受けてからしか分からない人がこんなにいるのか、ここについては、今の周知方法で足りないところがあるとすると何なのか、是非伺いたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕時間的制約がございますので、できるだけコンパクトにお答えいただけますか。

〔日本学生支援機構大谷理事〕まず、リスク管理債権の割合が増えているということにつきましてですけれども、もともと先ほど御説明しましたとおり、割合の増加というのは、返還期限の猶予とか、減額返還という救済制度を使うものが実際に増えているということによっております。実際には、私どもは教育事業という位置付けもございますので、病気でありますとか、あるいは経済困難という方については、でき得る限り、救済制度を使っていただきたいと指導もしておりますし、これにつきましても、引き続き取組みをしていかなければいけないと思っております。

また、10年以上の延滞債権が大きく増加した理由でございますけれども、有利子の奨学金事業、これ自体は平成11年のころから大幅に規模を拡大させていただいたものでございまして、有利子の返還者が大きく増えているということから、返還開始から10年以上経った方が延滞の実数として多く存在しているということがございます。

また、平成22年度以降でございますけれども、初期で延滞をされた回収の方法につきまして変更しておりまして、延滞というものについては初期段階をできるだけ抑制するということに努めた結果と考えております。

償却の状況でございますが。

〔池尾分科会長〕償却の点については、15ページですけれども、論点として、5年過ぎたものは当然償却すべきではないかということを。

〔中島委員〕教育的配慮は分かるのですが、なおこの条件緩和債権が増えているということ自体は、それでは説明にならないと思います。

〔日本学生支援機構前畑奨学事業戦略部長〕猶予の件数が増えておりますのは、経済的事情によって返還が困難だという人が増えているということがあります。ただ、これまで期間が5年であったものを10年という形に延ばしました。また、22年度から、従来であれば、猶予、先延ばしだけだったんですけれども、半分でも返せる人であればという減額返還制度を入れたということで、より返還しやすい状況を作るというところで、そういった拡充をしたことにより、猶予や、減額返還の件数が増えているという背景がございます。

また、返還する義務を知らなかったというところの周知の部分でございますが、今現在、インターネットで申込みをやっております。この申込み画面の一番最初のところで、貸与制の奨学金においては返還義務があるということをしっかり確認、チェックをしないと次の申込み画面に行けないような仕組みに変えております。

また、1年生から2年生へ進学するときに奨学金の継続を願い出るという継続願いを行っているのですけれども、そのときにおきましても、この奨学金につきましては返還義務があるということをきちんと認識しているかどうかを確認しまして、それを確認しないと次のページには進めないような仕組みを取り入れまして、しっかり返還をしないといけないということについて周知に努めているところでございます。

〔池尾分科会長〕私、昔から申し上げているのですが、奨学金貸与型ではなくて、奨学貸付金、奨学ローンというふうに名称にうたうべきだと、そのほうがよほど徹底すると思っております。これは毎回申し上げているので、今回も申し上げておきます。

それでは、時間が迫っているのですが、いいですか。

〔中里委員〕では、手短に。

私もリスク管理債権比率が上がっているのは非常に不思議に思っています。民間の金融機関については速やかに低下しています。要するに、与信管理がきちんとできていない可能性があるので、そこをやはりもう一度見直さなければいけないと思うのです。もしそれが今の体制では難しいということであれば、金融監督当局の知見も活かしてやる方法があるわけです。奄美の振興基金については、金融庁検査をしっかりと入れているわけです。ですから、そういう形で様々なやり方があるので、やはり与信の管理も含めて検討が必要だと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕時間の制約で十分に議論し尽くせていない感じがございますが、追加の御意見や御質問に関しては、いつものように事務局にお寄せいただくということで、本日に関しましては、予定の時間が参りましたので、議事はここまでとさせていただきたいと思います。

本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクが行われます。議事録につきましては、委員の皆様方の御了解を得た後、財務省のホームページに掲載いたします。

次回は来週の金曜日、時間は15時からになりますが、官民ファンド等について御審議をいただく予定としております。

それでは、少し慌ただしくなりましたが、本日は、御多用中のところ、御参集いただきまして、熱心に御議論いただきまして、誠にありがとうございました。これで閉会とさせていただきます。

14時36分閉会

財務省の政策