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財政投融資分科会(平成30年10月18日開催)議事録

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財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録

平成30年10月18日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第

平成30年10月18日(木)16:02〜17:34
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開

  • 2.うえの財務副大臣挨拶

  • 3.平成31年度財政投融資計画要求の概要

    • 質疑・応答

  • 4.平成31年度財政投融資計画の編成上の論点

    • (株)日本政策投資銀行

    • 質疑・応答

  • 5.閉

配付資料

資料1平成31年度財政投融資計画要求
資料2財政制度等審議会 財政投融資分科会 説明資料 株式会社日本政策投資銀行(リスクマネー供給の新たな枠組みについて)

出席者(敬称略)

分科会長

池尾和人

うえの財務副大臣

可部理財局長

古谷理財局次長

橋本財政投融資総括課長

金森管理課長

湯下計画官

若原計画官

谷内資金企画室長

山本財政投融資企画官

委員

川村雄介

土居丈朗

野村浩子

臨時委員

翁 百合

冨田俊基

林田晃雄

渡部賢一

専門委員

中島厚志


16時02分開会

〔池尾分科会長〕 それでは、土居委員は少し遅れて到着されると伺っておりますので、当初から出席予定の方は全員お揃いですので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたします。

本日は、2つ議題がございます。1つ目が平成31年度財政投融資計画要求の概要、もう一つが平成31年度財政投融資計画の編成上の論点、この2つの議題について御審議いただきたいと思います。

それから本日は、うえの財務副大臣に御出席いただいております。開催に当たりまして、うえの財務副大臣に御挨拶を頂戴したいと思います。報道の方が入られますので、少しお待ちください。

(報道カメラ 入室)

〔池尾分科会長〕 では、うえの財務副大臣、お願いいたします。

〔うえの財務副大臣〕 財政制度等審議会財政投融資分科会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。池尾分科会長をはじめ、委員の皆様におかれましては、平素から財政投融資について貴重な御意見を賜りまして、心から感謝を申し上げたいと思います。この度の第4次安倍改造内閣におきまして、財務副大臣に再任され、理財局の担当となりましたので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、安倍内閣におきましては、これまでの約6年間、経済再生に全力で取り組んでまいりました。その結果、足元では力強い経済成長が実現しておりますが、引き続き、あらゆる政策を総動員することによりまして、経済の好循環を更に確かなものにしていく必要があると思います。また、平成31年度におきましては、消費税率の引上げを確実に実現できる経済環境を整備するとともに、消費税率引上げによる需要変動の平準化に万全を期すことが重要なテーマとなっております。こうした状況を踏まえ、財政投融資につきましては、民需主導による経済成長の達成に向け、真に必要な資金需要に的確に対応することが期待されているところであります。

本日より、平成31年度財政投融資計画の編成に関しまして御議論いただきますが、委員の皆様におかれましては、財政投融資が期待される役割を最大限発揮できますように、忌憚のない御意見を賜りますことを心よりお願い申し上げ、御挨拶とさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

〔池尾分科会長〕 どうもありがとうございました。それでは、報道の方は御退出をお願いいたします。

(報道カメラ 退室)

〔池尾分科会長〕 議事に移ります前に、平成30年7月の人事異動により、事務局メンバーに変更がございます。可部理財局長が着任されていますので、御紹介いたします。

〔可部理財局長〕 理財局長を拝命いたしました可部でございます。委員の先生方の御指導を賜りながらしっかり務めさせていただきたいと存じますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

〔池尾分科会長〕 それでは議事次第に沿って、まずは平成31年度財政投融資計画要求の概要につきまして、御審議いただきたいと思います。橋本財政投融資総括課長より、まず御説明をお願いいたします。

〔橋本財政投融資総括課長〕 それでは資料1、平成31年度財政投融資計画要求という資料がございますので、こちらに基づきまして御説明申し上げます。

1ページ目までお進みいただけますでしょうか。1.平成31年度財政投融資計画要求の概要でございます。30年度当初計画におきまして、財政投融資全体といたしまして14兆4,631億円でございました。31年度要求は、12兆5,973億円と1兆8,658億円の減額となっております。

この主な要因といたしまして、昨年、当分科会でも御議論いただきましたけれども、低金利を活用した高速道路等の整備加速のため、1.5兆円の財政融資の追加措置を行ったところでございます。これにつきましては、後年度に発行予定の政府保証債を減額するという考え方でございました。従いまして、31年度要求におきましては、30年度に措置した1.5兆円が剥落するとともに、1.5兆円で既に借換え分が措置されておりますので、5年間で3,000億円ずつ減少させていくという考え方で要求が来ておりますので、その分3,000億円減少になっております。さらに、道路機構における毎年度の要借換え額が30年度と比較いたしまして、31年度、こちらも同額の3,000億円減少しているということでありまして、1.5兆円に3,000億円が2つ減少し、合計2.1兆円の減額となっておりまして、ここが主な減額の要因となっております。

他方、産業投資の欄を御覧いただきますと、30年度当初計画の3,645億円に対しまして、要求額が5,303億円となっておりまして、1,658億円の増額となっております。先ほど申し上げました道路機構に対する2.1兆円の減額と産業投資の要求の増額があいまって、財政投融資全体としては1兆8,658億円の減額という姿になっております。

2ページ目にお進みください。こちらは、主な機関の要求の概要でございます。一番大きなところが、株式会社日本政策金融公庫でございまして、こちら31年度要求額4兆1,055億円、2,880億円の増額要求となっております。

業務ごとに見てまいりますと、増えておりますのは国民一般向け業務2,610億円の増額と、農林水産業者向け業務1,250億円でございます。農林水産業者向け業務は、昨年、当分科会でも御議論いただきまして、弾力追加させていただいており、その時に畜産等の資金需要が大きく伸びていると御説明申し上げましたけれども、30年度、31年度、引き続き資金需要が堅調に伸びておりまして、それらを反映したものでございます。

引き続きまして下のほうを御覧いただきますと、日本高速道路保有・債務返済機構は、先ほど申し上げましたとおり、2兆1,000億円の減額となってございます。

さらに下に進んでいただきますと、産業革新投資機構は、30年度当初計画では対象機関となってございませんでしたけれども、本年度9月25日に新組織が発足したことなどによりまして、新たに1,600億円の要求が出てきております。

次のページにお進みいただきまして、産業投資の要求の概要でございます。全体で1,658億円増えておりますが、その大宗がただいま申し上げました、株式会社産業革新投資機構の1,600億円の新規要求であります。

その他大きなところで申し上げますと、株式会社国際協力銀行のところで要求額412億円減額されておりますが、これも昨年当分科会で御議論いただきましたけれども、特別業務勘定の執行状況等に鑑みた要求となっております。

私からの説明は以上でございます。

〔池尾分科会長〕 どうもありがとうございました。それでは、橋本財政投融資総括課長から御説明いただいた内容につきまして、御意見あるいは御質問等ございましたら、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ、林田委員。

〔林田委員〕 ありがとうございます。財投全体の規模は抑制されているけれども、産投に限れば大きな伸びになっているという御説明だったと思います。その産投の伸びた主な要因は、産業革新投資機構の新規要求だということですけれども、現時点で可能な範囲で結構ですので、どんな要求が出ているのかをできる範囲で御説明いただきたいと思います。

もう1点、毎年出て恐縮なのですけれども、毎年多額の不用を出している幾つかのファンドが今年も増額要求になっております。どういった積上げ根拠で出ているのか、そのあたりも簡単に御説明いただければと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕 お願いします。

〔若原計画官〕 計画官の若原でございます。ただいまのお尋ねにつきまして、回答を申し上げたいと思います。

まず、産業革新投資機構でございますけれども、実はこちら根拠法であります産業競争力強化法の改正法の施行が先月の25日という状況でございまして、その日を持って新法人に衣がえといった状況でございまして、現状、あまり議論が進まない現状でありますので、そういう中でのお答えということを、最初にお断り申し上げたいと思います。

産業革新投資機構でございますけれども、その法改正に則りまして、従来の産業革新機構、いわゆるINCJと呼びならわしておりましたものと異なりまして、INCJのほうは直接自らが投資を行うということを基本としておりましたけれども、この度新しくできます産業革新投資機構、略称としてJICと申し上げておりますけれども、こちらは基本的には子ファンドを機構の下に設けまして、そのファンドが投資を行っていくというものでございます。その趣旨といたしましては、法改正の検討の段階でやはり、現場の投資判断というものをできるだけ柔軟に、そのときそのときの投資需要、投資判断に則して行うためには、枠組みとしてモニタリング等のいわば総枠といいますか、こういう考え方でやりなさいということを固めた上で、個々の案件につきましてなるべく現場の判断に任せるといいますか、尊重するといった建てつけということで、そういったスキームに基づきまして、この1,600億円の産投要求でございますけれども、現状幾つか子ファンドのほうでどういったものを作ろうかという検討が、機構及び経産省で進んでおりまして、現状のそれらファンドを作る、こういったものを作ろうという前提のもとで政府から出す産投の金額としては1,600億円ということで要求が出てきている次第でございます。詳細につきましては、今後また編成過程で様々議論をさせていただければと思っている次第でございます。

2点目のお尋ねでございますが、過去運用残額が出ている官民ファンドということで、恐らくJOINですとかそのあたりを念頭に置かれたものかとは思っておりますけれども、こちらも要求の前提となります積上げといたしましては、彼らから幾つか候補となるプロジェクトとして、こういった案件がありますのでそれらが出ていく前提でこれだけの要求を、という話になっているところでございます。

他方では、予算、財政の建てつけといいますか、そういう観点上、ある程度現段階の、来年度実際どこまで出るかという蓋然性につきましては、現状まだ議論がある程度始まったばかりで、具体的な投資実行の手前のところまで来ているわけではないものにつきましても、一応順調に進んだ場合に来年度中には執行があり得るというベースでの要求ということになっております。そういう意味では案件によっては相当程度議論が進んでいて、これはかなりの確度で出そうなものから、これはまだまだ、すべてが順調に行ってようやく来年度中に間に合うかどうかといったようなものまでいろいろ入っているところでございまして、そのあたり要求の中でどれだけ我々として産投をお出しするにふさわしいような規模感かということは引き続き、相手諸機関とも議論していきたいと考えている次第でございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕 よろしいですか。では、冨田委員。

〔冨田委員〕 ありがとうございます。2点です。1つは、質問でして、今、林田委員御指摘の不用の問題なのですけれども、30年度に不用が出るといたしますと、これから先の編成過程で不用が明らかになるといたしますと、考え方として、例えば5ページに参考としてあるのですけれども、自己資金が増える形になるのか、それとも国庫にきっちりと戻していただけるのか。もし戻していただけない場合には、31年度の自己資金が増える形になるので、31年度の今の要求額自体は自動的に減ると考えていいのかどうか。ほかの条件を一定として、原資面だけでそれをどう考えたらいいかということを教えていただきたいというのが1点目です。

もう1点は、5ページにありますけれども、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構なのですけれども、ここは一次エネルギーの自主開発比率40%を目標にしてやっていることと大きく関係するのですけれども、一方でその国内の一次エネルギーの供給量自体が大幅に減っていくという見通しがあるわけでして、もう40%はほぼ達成される道筋にあるわけなのです。そういたしますと、新たに石油天然ガス関係でここで要求なさっているのかどうか、その要求の中身について、お教えいただければと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕 お願いします。

〔橋本財政投融資総括課長〕 ではまず1点目につきまして、私のほうから御説明申し上げます。まず不用に関してということですけれども、財政投融資特別会計投資勘定から各機関に対する執行について不用立てをするということでありますと、その資金というのは当然財政投融資特別会計投資勘定の中に留保されて剰余金になりますので、例えば30年度の不用は、32年度の財政投融資特別会計投資勘定の財源として活用されるということになります。

他方、産投から執行されて各機関においてそれが使われないということになりますと、今、冨田先生がおっしゃられたとおり、その部分は自己財源としてあるということでありますから、その次の年の査定において、全体の事業規模の中からその自己財源を差し引くという考え方の中で産業投資の査定額を決めていくなど対応させていただくということになります。

〔若原計画官〕 2つ目のお尋ねの、いわゆるJOGMECの話でございますけれども、要求ベースでいいますと、実は産投のほうに入ってまいりますのは、エネルギーでいいますと、輸入系で見ますと天然ガスと石炭ということで、石油系はそもそも財投の範囲外というベースでございます。その前提で申し上げますと、要求ベースの額でいいますと、石炭についてはわりと自然減といいますか、そもそも要求段階で昨年の要求額は減っているというような状況でございまして、そういう意味では自然体で減ってきているのかなと。天然ガスにつきましては、継続案件のものが1件ございまして、そちらのほうはプロジェクトの進捗に従いながら、我々としても見させていただくのかなと。

もう1件、新規の案件の要求が積算上天然ガスで上がってきておりますので、そちらのほうは御指摘のようなお話も踏まえまして、私どもとしても今後、機関、経産省と議論させていただきたいと思っている次第でございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕 追加で御質問、御意見等ございますでしょうか。

特にございませんようでしたら、要求の概要についての審議は以上ということにさせていただいてよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。

うえの副大臣は他の公務のためにここで御退席されます。どうもありがとうございます。

〔うえの財務副大臣〕 どうもありがとうございました。

(うえの財務副大臣 退席)

〔池尾分科会長〕 それでは2番目の論点といたしまして、平成31年度財政投融資計画の編成上の論点につきまして、御審議をいただきたいと思います。ここで日本政策投資銀行及び財務省担当部局の方が入室されますので、少しお待ちください。

((株)日本政策投資銀行 着席)

〔池尾分科会長〕 それでは、日本政策投資銀行につきましては、若原計画官より要求の概要及び編成上の論点の御説明をお願いいたします。

〔若原計画官〕 若原でございます。それではただいま会長よりお話がございました、資料2でございます。株式会社日本政策投資銀行のリスクマネー供給の新たな枠組みについて、こちらの資料に沿いまして御説明申し上げたいと思います。3ページを御覧ください。

リスクマネー供給の新たな枠組みということでございますので、そもそも現状のリスクマネー供給の状況というものを簡単にここで御紹介させていただきたいと思います。そもそもリスクマネー供給の強化というものをここ近年にわたりずっと、政府を挙げての課題とされているところでございまして、状況は皆様御案内かもしれませんが、真ん中の青い箱の民間金融機関、基本的には上にありますデット型の資金供給に比べて、エクイティ型の資金供給が少ないと。リスクマネー、定義は多々ございますが、こちらでは、日銀の資産循環統計上の非上場株式の額というものを御紹介させていただきます。このデットとの対比というのはよく紹介されているところでございます。

ここでおもしろい数字といたしまして、その下の灰色の矢印でございます。家計部門から国内企業への非上場株式の流れで言いますと、90兆円となります。こちらはオーナー企業、オーナー社長がお持ちの株式のようなものでございますが、赤の点線の9兆円に比べますと1桁違います。さらにその下のグレーの矢印ですが、企業間で持っている部分が258兆円と、子会社を作った場合には、当然子会社株式を持ちますし、その他持合いですとか、リスクマネー強化というものに似つかわしいものとしては、コーポレートベンチャーキャピタル、CVCというものがございまして、中身玉石混交で、必ずしもリスクマネーとは言いがたいものも恐らくは入っているかと思いますけれど、マクロの規模感といたしましては、さらに桁が1桁上がるという状況でございます。よくデットとの対比でエクイティが少ないということは通常言われているところでございますが、ほかの部門からのエクイティ性の資金の供給に比べましても、金融仲介セクターにもう少し強化のポテンシャルがあるのではなかろうかという御紹介でございます。

4ページを御覧ください。金融仲介セクター、民間金融機関からのエクイティ性の非上場の資金が細いと申し上げましたが、実は、海外にもたくさん出ているということを、いろいろな数字を見ていく中で我々も気づいた次第でございます。そもそも、国内のファンドに3兆円に対して、海外のファンドに20兆円出していると。海外のファンドはほぼ全額が海外企業に投資されておりまして、他方で国内ファンドのものは一部が海外に回りまして、国内企業には2.4兆円程度、これが先ほどの9兆円の内数ということになろうかと思います。そもそも日本の金融機関はなかなかリスクマネーを出さないという話がございますけれども、実は海外には結構出しているといったような状況にあるという中で、国内の流れをどのように太くしていったらいいのかという問題意識を我々として持った次第でございます。

5ページにお進みください。では、その資金供給の状況につきまして、まずお金の出し手の状況についてのおさらいでございます。右側の棒グラフですが、こちらが残高ベース、ストックの計数でございます。2016年の23兆円というのが1ページ前の国内3兆円プラス海外20兆円というものでございまして、こちら時系列で見ましても大体20兆円台前半を横ばいの状態で推移しています。左側の折れ線グラフのほうが、今度は投資を行っている民間金融機関の割合でございます。こちらも2割ぐらいのところで安定してきております。そういう意味では、リスクマネー供給強化と叫ばれる中でなかなか現在のところは進捗が見られない、あまり拡大がなされていないという状況を御覧いただけるかと存じます。

続きまして、6ページでございます。こちらはお金の受け手側の話でございます。左側がファンド数の国際比較ということで、アメリカが非常にファンドというビークルが盛んだというのは皆様、御案内のとおりでございまして、日本がアメリカより少ないというのも皆様既に御案内かと思いますけれども、数でいいますと40倍もの違いがあります。さらに言いますと、アメリカより少ないとは言いますが、ほかの国に比べても、例えばここではフランス、イギリスを紹介申し上げておりますけれども、こういうところに比べても少ないということで、そういう意味では日本はそもそもファンドの数が少ないと。右側のほうの棒グラフが、民間金融機関が持っているアセットの中でファンド拠出というものがどの程度のシェアを占めているかという数字でございます。こちらアメリカに比べますと30分の1ということですが、見方によってはファンド数が40倍以上なのに、拠出額のストックの比率でいいますとアメリカと日本の差は30倍程度ということで、ある意味、ファンドの数に比べれば金融機関は出してないとも言いがたいようなことも言えるのかなと。もちろん出し手がなかなか出さないということは、よく言われる部分ではございますが、受け手側にもやはり何がしかの問題があるのではなかろうかということでございます。

では、その何がしかの問題とは何ぞやということで、7ページにお進みください。これぞ決定版というような研究がなかなかない中で、我々もどのように問題を分析すべきか、結局は様々な方にお話をお伺いするということで、この夏以来、勉強して参ったわけでございます。ここに書いてあるようなところが多くの方が共通して御指摘されるような点、ある意味、昔からこれは指摘されているような点でございますが、今なお、問題になっているということかなと思います。左側が出し手側、金融機関側の問題でございます。上の矢羽根でございますけれども、やはりファンド投資というのは、通常の日本の金融機関、銀行等でございますと融資ということでございますし、保険会社や年金基金でございますと、有価証券投資、市場性のものといったようなところが主な運用でございますが、それらとは異なる運用担当者の資質というのが求められて、そういうものが組織としてきちんと体制、人員がそろっていないという状況がございます。

また、その下でございますけれども、リーマンショック等の経験、さらに昔に遡ればバブル崩壊もございましたけれども、その際に本業で少しずつ貯めていったものが、例えばリーマンショックで言えば1週間とか1カ月という非常に短期間で大きな損失を被ったという経験を経ますと、やはり本業でこつこつ稼ぐことが大事ではないかとお考えの経営陣も少なからずいらっしゃるのかなというのが、資金の出し手側の状況でございます。

他方で右側のほうが今度は受け手側、ファンド側の状況でございますけれども、先ほど海外と日本でこんなに差がありますという数の紹介をし、そして額でいうと3兆円、20兆円という数字を紹介いたしましたけれども、民間金融機関目線で言いますと、やはりファンド投資をやってみようと思ったとき、当然、トラックレコード、どういったファンドがどういった成績を残しているかということをちゃんと調べてから投資をされるわけでございますが、調べるとまず候補に上がってくるのがやはり海外のファンドがほとんどであると。もともと、母集団が全く違いますので、日本のファンドへのリスクマネーを流したいなと仮に思ったところで、パフォーマンスの高い日本のファンドが非常に数として少ないと。そういう中で、日本のファンドへのリスクマネー供給は、出し手からすると選択肢が非常に限られているのだというのが上の矢羽根の点。

では、なぜ数が少ないのかといいますと、結局それは人の話、それだけ人がいないとちゃんとしたファンドの運営、ファンド投資ができないので、人の数に制約されて日本のファンドは限られているんだ、そういったようなお話でございますので、いわば金と人の問題、聞いていて、鶏と卵だなとしみじみ思ったわけでございますけれども、金がないから人が雇えないとも言えますし、人がいないから金が来ないとも言えるわけでございまして、ある意味これは金融機関側もファンド側も非常に合理的な判断のもとで今のリスクマネー供給の量というのが決まっているとも言えますので、これに対して政策的な何らかのアプローチによってこの状況を改善できるかどうかというのが、リスクマネー供給に関して私どもが考えなければいけないことだということを思った次第でございます。

続きましてもう1点、要求の具体に入る前の前提でございますけれども、この夏、本分科会のほうで御議論いただいたところを改めてご確認申し上げたいと思います。9ページでございますけれども、今回の31年度要求に当たりましては、リスクマネー供給強化ということで、日本政策投資銀行から1,300億円の要求があったというのは、先ほど資料1の説明で御紹介のとおりでございます。こちらは下の点線の箱にございますが、政府としては、リスクマネー供給の強化という命題がある中で、いわゆる骨太の方針で具体的に政策投資銀行という名前が上がるということで、政府の期待が集まるというか、そういう状況で政策投資銀行が様々な工夫をしていただいて、今回の要求に至ったと理解をしているところでございます。これにつきまして、真にそういった金融仲介セクターを経由したエクイティの供給に資するかどうかを考えて参りたいと。

加えまして次の10ページでございますけれども、この5月、6月の本分科会の御議論で、官民ファンドについて様々御議論いただき、いろいろ御指摘がございましたが、私どもとしてその中で一番コアになる御指摘だと思っておりますのが、この絵図面でございます。いわゆる官民ファンドと民間ファンドの違いというものを端的に表したものでございます。復習になるかもしれませんが、黒丸の部分がその時々に行われることでございまして、白丸はそれに先立って、様々な検討等が行われる状況でございますが、上の官民ファンド、今、産投が出しているものにつきましては、最初に先ほどの31年度要求のようなものが上がってまいりますと、その段階で、今後何年で幾らぐらいという話は確認しますが、先ほど林田先生のお尋ねに対してお答えしたとおり、その中ではどの程度の案件が実行に結びつくか、というのは結構ものには進捗度合に差がございまして、精緻に議論できる部分、なかなかできない部分がある中で、額というのが決まっていくと。

では、そこで決めて適当に出しているのかというと然にあらずということで、次の実行段階に移りますと具体的にこういう案件が投資実行の段階に来ましたので、産投からお金をくださいという申込みがございまして、その段階で我々としては確認をさせていただき、これはきちんとしたプロジェクトであって、実際に産投のお金が生きて使われるな、ということを確認した上で出させていただくと。その後、そのプロジェクトが実際に進捗すると、例えば収益が出ましたらそれをどう分配しますかといったような話がエグジットの段階ということで一番右側でございますが、それはまたその段階で御議論させていただくということになります。

他方で、下の民間ファンドというのは基本的には、最初に我々はこのぐらい、例えば10年なら10年、15年なら15年のファンドの期間でこのぐらいの額でこういうふうにやって、そのときにはどれくらいの収益を見込んでいて、その収益が上がったらこのような形で資金拠出者にはリターンを出します等々の話を最初に決めており、資金を出す側はそれを聞いた上で、自らこれは自分のポートフォリオ上、有益な投資だと思ったらお金を出しますと、そうでないと思えば出さないと。1回出したからには基本的にはあとはお任せで、約定どおりのリターンが返ってこない場合はその都度、レポートなりモニタリングというような形で、その内情を確認していくと。そういったような運用がなされているわけでございまして、上の箱の一番下の行でございますけれども、先ほどのJICの御紹介ではございませんが、とりわけ投資の現場にまであれこれ議論が及ぶというものが投資という行為になじむのかどうかということを考えますと、投資に係る意思決定に幅広い自由度を与えることが有益ではなかろうかと。ただ、それを野放しにするというのではなく、最初にきちんと枠組みというものを合意した上で、それに沿った形の執行がなされているかどうかという形で見ていくということが重要ではないかという御指摘を踏まえまして、今回、政投銀の要求につきましても、こういった観点から、検討していきたいと考えている次第でございます。

具体的な政投銀のお話が12ページ以降でございます。まず要求の背景でございますが、政投銀は既に投資を長らくやっていらっしゃるというのが、右側の棒グラフのとおりでございまして、最近の主な出資のスキームというのは左側の特定投資業務というものでございます。まず産投が1のお金を出しますと、政投銀が同額の自己資金を用意しますので、この段階で供給できるリスクマネーは2になると。さらに政投銀は実際の投資に当たりましては、民間の事業者に過半数を持っていただくということで、必ず2ないしはそれ以上の額が出てくるということですので、産投1を出すと全体で4倍以上のリスクマネー供給というような形になります。右のグラフに戻りますと近年になりまして非常に堅調に残高のほうも積み上がっておりまして、棒グラフの29年度の計数でいきますと、9,500億円余と。それに伴いまして、オレンジの折れ線が収益でございますが、20、21年度あたりは赤字になったり収益が低かったりといった経験も生かしながら、最近では堅調な伸びを示しておりまして、近年では安定して数100億円台の後半、500億円とか700億円とかいったような数字を上げる、そういった実績が見られるところでございます。これを踏まえまして、新しい要求ということで、次の13ページでございます。

左の従来というのが先ほど紹介させていただいた投資業務でございますが、一番左下の緑色の事業というものに投資をする、つまり出資者側はまさにそこの経営権をにぎるということでございますので、どうしてもこの左側の灰色の事業者等というのは実際の実業の会社を中心に、その事業に自ら主体的に参画されるという、事業そのものとの関連性が多い方というようなことが主に念頭にあったわけでございます。それですと、先ほどの金融仲介セクターからということになりますと、なかなかお金が出にくいということで、今回そこにオレンジ色のファンドをかませまして、そこにLP出資をいただくと。これであると、民間金融機関としてはより出しやすいのではないでしょうか。つまりは、まず下の緑の事業ありきで、今後ともやはり、実業の会社で、自らが主体的に経営に参画したいという場合は従来スキームということでございますし、またより多くの資金をまとめて民間金融機関からお金を集めることで事業の規模感というものを達成したいということでございますと、この新しい枠組みのような形で、来年以降は臨んでいかれたいということでございます。

そういうわけで、既存事業のいわば延長線上に位置付けられますので、続く14ページのような、従来から政投銀がいわば全体の経営方針として注力されていらっしゃるような諸分野ということで、今回の新たな枠組みではそういう意味では出し方、手法の新しさということでございまして、やること自体はそういう意味ではこれまで先ほど御紹介したような実績があり、かつ今後の実績に期待されるような分野にこの枠組みで臨まれるということでございます。

論点との関係が15ページ以降でございます。資金供給の拡大ということで、とりわけ金融仲介セクターからということでございますけれども、今回政投銀のスキームということで私ども着目しておりますのが、左下の点線の箱でございますが、既に政投銀は様々な民間金融機関と業務提携等の形でリレーションを構築されていらっしゃると。こういったようなものをベースに、先ほど紹介したような政投銀がある意味トラックレコード的なこれまでの実績を残していらっしゃる分野というところでいきますと、先ほど紹介したような、2割ぐらいしかファンド投資をしたことがないという方であっても、かなり資金を出すということについてのハードルが低くなるのではないかと我々としては期待しておるところでございます。そういった中で、真ん中の箱の上でございますけれども、例えば金融機関から何らかの形で出していただくものにつきましての目標設定についても今後議論させていただきたいなと思っている次第でございます。

続きまして16ページでございます。資金の受け手側、ファンド側の問題としまして、人がいないことには受け皿も大きくならないということを御紹介申し上げましたけれども、実はこの政投銀の現在の出資につきましても、真ん中の箱の一番下に参考とございますが、従来より、「案件に係る事業性評価等のいわゆる目利きができる人材が育成されるよう、積極的なノウハウの提供等に努めること」というのがこの特定投資指針というもので定められているところでございます。そういう意味では、繰り返しになりますが、今回のファンドスキームは、いわゆるファンドらしいファンドを作るというよりは、今までの政投銀の資金供給に新しいやり方を加えて、その意味ではあくまで従来の延長線上ということで、ファンド人材そのものが育つというものよりは、むしろこういった従来の特定投資業務でのノウハウの共有等々、今回ファンドをかませることで広がる関係者の方々にさらに一層積極的に取り組んでいただくと。

そういう意味ではファンド人材そのものの育成がこのスキームで図られるというよりはむしろ、そういったいわば人材の裾野を広げるということで貢献をいただきまして、それによって結果的に頂が高くなるような、下のほうの表でございますけれども、政投銀が、ある意味では投資で実績を出されているということは御紹介いたしましたけれども、投資に携わる前から、いわゆる長期固定のプロジェクト、設備資金ということを本業とされていらっしゃって、それはそういう意味ではここの対比表でいきますと、デット型、貸付でございますけれども、こういうようなエクイティ型に相当するような事業性評価等々の実績をお持ちでございますので、ぜひともそういうものを民間金融機関にも広げていただきたいと期待するところでございます。

以上、申し上げましたようなお金や人の話というので最も典型的にある部分として我々が想定しているのが、17ページ、地域活性化でございます。下の米印で御紹介申し上げておりますけれども、経産省でもファンドが東京に集中していると言っております。もともと日本ではファンドが少ないとアメリカ等々の対比で申し上げましたけれど、その少ないファンドも日本国内では東京に集中しているということになりますと、ファンドから本来資金が供給されれば事業として輝くであろう様々なシーズにつきましても、地方でそもそもファンドへのアクセスがないという現状につきまして、この新しいスキームによって、政投銀もそうですし、またそこに資金調達等で関与いただけます地銀等々の民間金融機関やその他実業の関係者も、ぜひともお金だけではなくて、人についてもノウハウの共有等でこのファンドのスキームの普及を図っていただきたいと思っている次第でございます。

18ページが今度、産投の管理運営についての紹介でございます。基本的には下の箱、そもそも5月、6月の議論を踏まえまして、投資収支計画ということで事前に何らかの形で主務省とも御議論させていただきながら、我々投資期間・投資額といった従来の確認事項に加えまして、どういった収益目標にするか、もしくはエグジットをどうするかといったことも議論させていただきたいと思います。加えまして、上の箱の下の部分でございますけれども、今回政投銀がやられることはファンドへの拠出でございまして、投資そのものは出先のファンドが行うということで、産投からの目線でいいますと間接的な関与になると。こういった中で、そのファンドの現場の自由度を確保しながら、産投として必要な規律をどのように求めていくかということを考えている次第でございます。

具体的には次の19ページをご覧ください。これらの事項は、実際の民間のファンド投資における契約でも見られる事項でございますが、そういう意味ではモニタリング、レポーティングといった情報の共有、さらにはお金をどう出すかという出資事項の条件、仮に出た場合の不要となったものをどう戻すかといったようなものにつきましても、広く民間でもこういった取決めというのは見られるところでございますので、こういった点につきまして、お互い、投資の実績が上がる一方で、我々として必要な規律づけとはどういうものがあるかということを、今後編成過程で十分議論していきたいなと思っている次第でございます。

最後に損益分配の話でございます。実は、特定投資業務のほうでも既に決まっているところでございまして、上の箱の矢羽根2つでございますが、まず、利益を特定投資剰余金というところで必要なリザーブを設けると。その特定投資剰余金のうち業務に不要と認められる額につきましては、最初に真ん中あたりで御紹介したとおり、産投のお金と政投銀の自己資金1対1でございますので、これをそのプロラタで1対1で戻していくといった収益分配ルールになっておりますので、この新スキームにおきましても基本的にはこういう形で、運営することが適当ではなかろうかと考えている次第でございます。

私からの説明は以上でございます。

〔池尾分科会長〕 どうもありがとうございました。それではただいまの若原計画官からの御説明を踏まえて、委員の皆様方から御意見をお願いしたいと思いますが、御質問等ございました場合に、事務局だけではなくて、要求側の方々にも来ていただいておりますので、ぜひ質問していただければと思います。

それでは、どうぞ渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕 2点ですけれども、1つは意見なのですが、リスクマネーの供給という所で、平たく言えばリスクマネーはいっぱいあるので、政投銀を含めた、あるいは地域との関係を含めて、むしろ投資先を探すというのが現実的には難しい状況というのが現実だと思います。目利きがいるかいないかは別としても、こういう投資案件があるぞ、と言うのを東京、大阪、名古屋だけではなくて、地域金融機関との提携も含めて、広い投資先を見つけるということに期待したいと思います。

それから2点目は、ファンドのより自由なという表現は問題かもしれないですけれど、ファンドらしく動けるようにという工夫をされているという点を評価したいと思います。そういう意味では、より効率的、あるいはより合目的的に動けるような仕組みを工夫していかれることを期待します。当初、人間はどうしても形状記憶合金なので、こう決めたのですけれど実際やってみると元に戻っているということにならないよう注意していただきたいなという気がいたします。

以上でございます。2点です。

〔池尾分科会長〕 どうもありがとうございました。最初、御意見とおっしゃいましたけれど、説明資料の14ページに重点分野のイメージがあって、これはもう既に過去から取り組んでいるということですが、私も渡部委員と同じく、投資機会の発掘というのがどうなんだろうという思いが実はあります。聞くところによると有望な投資機会だと分かったところには、相対的に多過ぎるぐらいの資金が集まったりするような現象があって、局所的には別に資金不足ではなくて、明らかに投資機会不足のほうが現状としては多い感じがするので、御意見ということでしたけれど、質問に切り替えて、少し政策投資銀行の方からお話しいただきたいと思いますがいかがでしょうか。

〔日本政策投資銀行地下取締役常務執行役員〕 日本政策投資銀行の地下でございます。発言の機会をいただきましてありがとうございます。

渡部委員の御意見というか御質問の案件発掘、ソーシングなのですけれども、池尾先生がおっしゃるように、非常に優良な案件には過当競争になっているという事実も片方ではあります。ただ、その優良案件がなかなか出てこないというのが実は大きな課題だと思っていまして、私ども、特に御質問のあった地方案件においてそこは苦労しているところなのですけれども、理論的にはエクイティとかメザニンとかの資金が要る場合であっても、例えばユーザーである日本の地方企業がそのエクイティ的なものになじみがなくて、なかなか入れることに抵抗感があるというようなこともございますし、あと、投資機会をうまく把握するときにも、従来は端的に言うとローンで案外賄えていたので、本来はエクイティを入れたほうが合理的なのだけれども、ローンが使えるのでそっちでよかったというのが、結構長い間続いたという状況があると思います。

ただ一方で、ここ近年、産業構造の変革というのが地方にも及んでおりますし、そこで私どもとしては、この特定投資の枠組みの中でその案件を出すというのに相当力を入れてきたつもりでございますし、今回新しいスキームでそこに一般の金融機関からLP出資を受けるようなファンドの仕組みにするということであれば、御指摘のとおり一層その案件形成に努力をしていこう、いかねばならないと思っています。

若干その点で私どもが一般のファンドに比べると優位性があるとすると,実は私ども、取引先3,000社ぐらいございますけれども、特にその半分ぐらいが地方の企業で、従来のリレーションの中で案件形成というのを数年かけて行って、結果的に特定投資の要件に合致するものについては案件発掘ができるのではないかと思っております。

なので、御質問に対する答えとしては、我が国の非常に大きな課題でありますけれども、そこのポテンシャルをなるべく発揮するべく努力をして参りたいというのがお答えになろうかと思います。

1点目はとりあえず以上でございます。

〔池尾分科会長〕 ありがとうございました。それでは中島委員、お待たせしました。

〔中島委員〕 どうもありがとうございます。本件、新たなスキームを工夫するということであり、また出し方等についても機能性を高めるという話もあり、かつ今の質疑にもあったのですが、実績がある、しかも拠点もあるというような財投機関を通じて、こういうファンドを出していくというのは、官民ファンドの単位ごとに対して出すよりも広がりもあると思うので、大変よろしいと思います。

その上で、2、3点あるのですが、2つは、質問です。1つは、一番最後、20ページなのですけれども、この収益の分配ですね。ぜひこういう形で分配金が出ることを期待したいのですが、上の枠の最初の矢印のところに、毎事業年度の当該収益を、いわゆる特定投資剰余金に繰入れて、それでその次の矢印に、同剰余金のうち業務に不要と認められる額を、国・DBJの出資比率に応じて分配すると書いてあるのですが、こういうファンド自体は毎年収益に大きくぶれがありますし、またこの不要というのはどういう意味なのかというのが質問です。具体的にはもっと融通の効くような形で、そのファンドの収益をリテインするとか、あるいは分配するとか、そういう余地もある方が良いのではないかと思うのですが、これについて、どういう意味なのか、教えていただければということです。

それから、今までの実績で、大いに投資残高が増えてきているというのは結構なのですけれども、ただ一方で、今回の31年度の要求額を拝見すると、30年度とほぼ横ばいとなっているわけですね。その意味では、全体としての先ほどより、リスクマネーも増えて、かつ投資先も増えるということが大いに期待されるという流れには必ずしも要求額自体、そうなっていないのですが、そこはどういうふうに見ていらっしゃるのかというのが2点目の質問です。

最後は、これは意見ですけれども、先ほどの質問にもあったのですが、基本的にはどういうふうにそのお金を使うかというか、あるいはその投資先を見つけるのかといったようなお話がありました。やはり、見つけるほうも大事だし、企業側もエクイティ性のある資金になじんでいないといったような課題もあると思うのですが、他方で、せっかくこう広がりのある形をやっていらっしゃいますので、7ページにそのリスクマネー供給強化に係る課題ということで挙げられていた点を踏まえると、左側の金融機関側からのリスクマネーの供給体制、ここのところは体制強化というか、配慮したスキームになっているのかなという気がする一方で、右側のほうなのですけれども、特に下ですね、本当にファンド運営ができている人材が少ないというところです。裾野を広げて高めます、というような御説明があったのですけれども、いわゆる金融機関は、確かに事業性という意味では普通の金融機関と政投銀とは違いがあるというのは分かりますが、やはりエクイティ性であればもっと広い人材というのがこの中で活躍できるということも必要だと思いますので、その点もぜひ配慮したような、ファンドの運営に当たっての人材にもっと広がりがあるというようなことも踏まえてやっていただければと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕 ありがとうございました。事務局からお答えされますか。

〔橋本財政投融資総括課長〕 まず1点目、収益分配のところについて御質問がございました。こちら、その毎年度の当該収益を特定投資剰余金に繰り入れて、不要と認められる額を分配することとしております。が、特定投資業務自体、27年度に開始されまして、まだ決算が出ておりますところが29年度までとなっており、今現在、この特定投資剰余金というのは31億円程に留まっております。そういった観点から、まだこの不要と認められる額が生じて分配するに至っていない状況であります。委員の御指摘のとおり、将来いろいろなリスク等ございますので、そういったものも勘案しながら今後適正に判断していくこととなると考えております。

それから2番目の御質問で、要求額についてお尋ねがありました。確かに昨年度が1,290億円ですので、それと比較いたしますと10億円の増ということでございますが、その前に遡ってまいりますと、27年度の計画が650億円、28年度から2年度間の計画が500億円で推移しておりまして、30年度当初で大きく伸びているというような状況がございます。そういった、今年度の執行状況等も勘案しながら、31年度の要求が出てきたのではないかなと考えておりますので、また今後も引き続き、執行状況を見ながら検討を進めて参りたいと考えております。

〔池尾分科会長〕 ちょっと関連で追加の質問ですけれども、特定投資剰余金というのは、どういうときに取崩せるのですか。毎年度の決算で赤字が出れば取崩せるという話になるのですか。

利益が出れば積み上げるんだろうけれども、そうすると赤字が出ればすぐ取崩せるという話ですか。

〔冨田委員〕 書かれていることの基本的な方向は、このとおりだと思うのですが、幾つかやはりきちんと確認しなければいけないことがあると思うのです。それはまず、10ページなのですけれども、ここはまず、政投銀のことなのか官民ファンド含めた一体のことなのか。もっと言いますと、政投銀は、この産投は出資者であり、また財務省は主務省なわけでして、主務省の役割というのと出資者の役割が一致しているわけですよね。それで、ここには出資者だけが書いてあります。現状、こういうことだろうなとは思うのだけれども、それはきっちりそういう区分けで書かれているかどうかですね。つまり、出資者としてここに書かれているかどうか。つまりそれはもっと言えば、官民ファンド全体についても、その出資者としての役割をやっぱりここで明確に書いたものだと理解したいのですけれども、それはそういう理解でよろしいでしょうかというのが1点目です。

それから2点目は、13ページで御説明いただいたことで、従来と新たな枠組みということなのですが、これまでもその民間金融機関がLP出資を行っているわけで、基本的にはそういう枠組みでして、GPをやっているのは、民間金融機関の子会社がGP出資をして、ここにあるように共同運営ファンドを作っているわけですよね。だからそれと今回の違いというのは、民間金融機関が自分のところとあまり関係ない事業者の事業に対しても、LP出資ができるようにするんだと。だから目標として民間金融機関のLP出資の枠を目標とするんだと。だから大きく広がっていくんだというイメージでいいのでしょうかということが質問です。

それに加えて、従来の共同運営ファンドの運用対象というのが、次の14ページにあるもので見ればどのように分類できるのか、つまり、これまでも共同運営ファンドというのがあったわけですけれども、それはどういうところに投資していたか。つまり9,000億円の内訳をどのように我々理解したらいいのかと。9,000億円というのは出資残高ですか。ということを聞きたいというのが2番目です。

それから3番目は、18ページです。ここで、収益につきましては基本的に出資割合で1対1で配分するんだという、中島委員の御質問のところなのですけれども、損失について、これは政投銀の場合ですと、継続する運用主体として政投銀があって、ファンドがあるわけですよね。だから、先ほど御質問があったみたいに、損失が出た場合には特定投資剰余金から取崩したりできるわけですけれども、そうではなくて、100%もう出資は全部産投だと。で、一切その事業が終わった終了時点に官民ファンドに損失が出た場合、お金がない場合にどういう処理をするのかということですよ。つまり、そこ自体はもう赤字になった場合ですね。だから、ここではきれいに利益と書いてあるのだけれど、当然中には累損があるわけで、それをどのように考えているのかということです。だから、毎年の処理は当然なのですけれども、解散時も考えてどのようになっているかということをお聞きしたいということです。

意見としては、10ページにあったように、やはり事前の計画のところにきっちりと約束しないと、だらだらとやっているような形、つまりもっと一般論でいいますと、20世紀の終わりに補助金だとか特殊法人の箸の上げ下ろしまで主務省がやってしまうのでいろいろ問題があったということで、もっと自主性を持たせなければ問題が大きくなってしまう、ということでいろいろな改革が出て、事前統制をやめて事後評価を厳しくやるとなったのですけれども、実はそういうやり方によって、逆にいろいろな問題がいろいろなところで噴出しているわけでして、それをやはりきっちりと主務省だけに留まらず、出資者が明確な役割を持つことによって、ここにあるような形で各段階ではなく一番最初のところできっちりやりましょうというのはそのとおりだと思います。

〔池尾分科会長〕 ちょっと広い質問が出ましたけれど。

〔橋本財政投融資総括課長〕 では、まず1番目の10ページ目のその表について、これは政投銀の話だけなのか、官民ファンド全体についての話なのかという御質問がございました。こちらにつきましては、この図自体、5月の分科会でお示しさせていただき御議論いただいたものでありますし、我々としてその時点において、これは特定の機関だけということではなくて、今後こういうような形で検討していけないかという前提でお示ししたものでございます。その後、6月に論点整理をさせていただいて、そのときに31年度編成中に検討する事項として新たな枠組みでの要求がある場合にはそれらの条件を設定する考えをできる限り反映してはどうかということで整理させていただいておりますので、今回のこの資料において議論させていただいているものというのは、政投銀の話として考えております。もちろん、その議論の延長線上ということであれば、それはほかの官民ファンド等においても同様に考えられないかというような問題意識は常に我々持って検討してきているということではあります。

〔冨田委員〕 すみません、ここでお聞きしたかったのは、その出資者としての考えなのか、主務省ではということではなしに、どっちなんだということです。

〔古谷理財局次長〕 10ページはまさに産投としての適切なガバナンスとありますとおり、出資者を念頭にまず置いております。実は少し細かいのですが、例えば18ページを御覧いただきますと、下のほうに枠がございますが、「産投からの出資に際しては、損益の責任を明確化する観点から、主務省とも連携しつつ」と書いてございます。財務省、政投銀の場合は同じ財務大臣ですが、理財局が産投を持ち、官房の政策金融課がまさに本日主務省として来ておりますけれども、両方ございます。ですから、官民ファンドはすべて産投が出資者としてというだけではなく、やはり主務省の監督というのもあるものですから、10ページの図は産投の立場から政投銀のみならず官民ファンドも含めた考え方でございます。特に政投銀のことを個別に書いた意味は、ここで「主務省とも連携しつつ」とは、主務省は主務省で見る、産投は産投で見るということを少しイメージ的に示しているということでございます。

〔日本政策投資銀行地下取締役常務執行役員〕 それでは2点目の御質問ですね。13ページに図示されています、弊行が行っています従来の取組みの中でも、例えば地方銀行と共同のファンドがあるじゃないかと。それとどこが違うんだという御質問だと理解しております。そこを御説明しますと、ここの13ページのポンチ絵でいいますと、例えば従来地銀とやっていたファンドはその地銀の取引先のみがほぼ対象となっていまして、ある意味閉じた世界で、地銀が自分のバランスシートだけだと難しいので、共同でやることでメザニンやエクイティを一緒にいたしましょうということで、ある種共同事業者が閉じられていた関係になってございます。本件の新しい取組みは、地方の案件でもいいのですが、別のグローバルな案件でもいいのですけれども、それ以外に例えば生命保険会社であるとか、そういう直接閉じた関係にない金融機関の資金を新たに引き込もうということでございます。なので、私どもとしては、従来より説明責任も重くなると理解しておりますし、渡部委員の御質問にあったように、案件のソーシングも、閉じた世界であればある程度知った中でやれるのですけれども、初めてLP出資をするという方にその案件の特殊性を納得してもらうという意味では、従来よりハードルは高くなっていると思います。その分、ある程度資金面では大型の資金を準備して、そういうところでの差別化も図りつつ、こういう政府から期待されている役割に貢献していきたいというのが2点目の御指摘に対する私どもの回答になります。

あと、3点目、14ページ目、分野別にどういう分布をしているかということなのですけれども、実は私どもは一般の投資もやっておりますので、9,000億円というのは一般の投資と特定投資がいわば混在したような形になっております。特定投資につきましては、昨年度末での実行額でいうと2,000億円、決定額では2,500億円で、今年度上期ベースだと決定で3,000億円ぐらいまで来ているということでございまして、比較的私ども取引分野とかぶってはおりますが、分野別でいいますとほぼここに掲げられた事業に尽きております。正確に今、何割ずつかというのは申し上げられないのですけれども、むしろ分類としてリスク管理とかハードルレートの関係でいいますと、例えば企業向けのピュアな株式とか、メザニンと言われるような割合でいうと、メザニン的なものとエクイティ的なものが、ほぼ2対3と、大体そんな分布です。微妙に案件の数え方とか特性の捉え方によって変わります。

それと、ついでに申し上げると金額的には競争力強化型というほうが金額的には多くなりまして、案件数的には競争力強化的なのと地域活性化的なのがほぼ同数なのですが、地域の案件はどうしても1件1件の金額が小さくなるので、金額的中心は競争力強化的なものに偏っているというようなのが3点目の御質問に対するお答えになります。

あとは、私がお答えしていいのかどうか、事前にちゃんとルールづけをというところにつきましては、私どもとしては従来、主務省も財務省の政策金融課でございますし、特殊法人時代からそのあたりのレポーティングと理財局からの借入れというのは、その3者でいわばアコードしながらやらせていただいたのだと思いますので、今回の御指摘を踏まえて、そのアコードというものをどう文章化していくのかというのは、ちょっと努めてみたいと思っています。ただし、あまり細かく決められ過ぎると、実はなかなか、実務的には回りづらいというところもありますので、そこはこの分科会の議論を踏まえた後、実務ベースでの議論をまさにアコードしながらやらせていただきたいと思っております。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕 どうもありがとうございます。では、まず翁委員から。

〔翁委員〕 御説明ありがとうございました。私も人材育成、民間資金活用、地方活性化というテーマに沿っていろいろ工夫されているという点では、非常にいろいろ工夫がなされているなと思うのですけれど、幾つか質問させていただきたいのは、共同運営ファンドというのは、個々の案件ごとに作っていくというイメージなのか、それともテーマが少し共通するようなものは同じような共同運営ファンドというのをつくっていくイメージなのか、そこがよく分からないので教えていただきたいと思います。1つずつというほうが効率的な面もあるし、全体のマネジメントとしては非効率な面もあるように思うのですが、そのあたり、どのようにお考えなのかということをお伺いしたいのが1つです。

あともう一つは、投資先というのを見てみますと、例えばクールジャパンファンドとか、ほかの官民ファンドとかなり同じ分野というのもあるのかなとも思ったり、一方で、民間だけで出てきている、例えば商社とかいったところもあり得るように思うのですが、そういった競争条件への配慮というのはどんなふうに今、競争条件とか連携とかいったことについては、非常に投資案件が少ないというところとも関連するのですけれども、そのあたりについてのお考えをちょっと教えていただければと思います。

〔池尾分科会長〕 お願いいたします。

〔日本政策投資銀行地下取締役常務執行役員〕 それでは政策投資銀行のほうからお答えします。

1点目のテーマごとなのか大きなファンドをつくるのかという点については、テーマごとを想定しております。特に外部のLP投資家を募るものですから、それぞれの投資の属性と投資パートナーが明らかなほうがいいだろうと考えております。具体例で言えば再生エネルギーをこういう企業とやるファンドにLP投資をしませんかというものと、あとはこういう特定の革新的な企業に投資するものにLP投資をしませんかというふうに、やはりパートナーと属性を分けたほうが、LP投資家としては安心感もありますので、何とか政投銀を信用してごった煮で大きなファンドを作るので入れてくださいというと、コミングルして、何のリスクをとっているか分からなくなりますし、説明責任も希薄化するので、テーマごとで頑張っていこうと考えてございます。

あと、2の投資先の属性といいますか、官民ファンドとのかぶりというのであれば、実は弊行はいわゆる官民ファンドとの共同投資というのは案外やっています。例えば宮崎のカーフェリーというものの再生に投資している案件は、REVIC、地域経済活性化支援機構と宮崎銀行と私ども、あとは地元の自治体とか地元事業者というのでやっておりますし、鹿児島の畜産の6次産業化であるビースマイルプロジェクトというのは、地元の金融機関といわゆるA−FIVEとやっております。あと、宇宙開発のispaceというのはINCJと共同しておりますので、私どもとしては、勝手な理解なのですけれども、いわゆる官民ファンドはそれぞれ分野ごとに縦軸として非常に頑張っていて、限定された期間、限定された分野で思い切ったリスクをとられると。私どもはその所管官庁とか業種をあまり関係なく、横串的にいろいろな知見であるとか経験をテン補できるので、縦に深掘りする官民ファンドと、横に知見を広げている私どもでうまくコラボできないかなという意志でやっておりますので、皆様からどう御覧になるかはちょっと分からないところがあるのですが、私どもとしてはそれが案外有効なのではないかと思って取り組んでいるところでございます。

〔翁委員〕 例えば再生エネルギーに関しては、事業会社とか商社が単独で民間で関心を持っているところもありますけれども、そういったところと競合する場合には、どういうスタンスで臨まれるのですか。

〔日本政策投資銀行地下取締役常務執行役員〕 厳密に言うと、ある種の競合はあると思っています。例えば、私どもは特定のA商社と組んで再生エネルギーのファンドを作るというような形態もあります。そういう場合はまず、特定投資かどうかというのを除くと、ほかのB商社とC商社と競合する可能性も案件によってはあったりとか、ただ結果共同したりという、まちまちです。ですから、実際私どもはそういう案件を特定投資でやるかどうかについては、今法定されています競争の阻害要因にならないかどうかというのを判断しながら、特定投資として取り組むのかどうかというのを判断しますので、一般的にはあまりコンペで競争するような案件は国からお預かりした資金としての運用先としては、ちょっとハードルは高いのかなと。何かの理由でみんな大同団結できるようなときは、要るのかなと。例えばコンペでも世界と戦うとか、イタリアの企業群と戦うようなやつはいいんじゃないかとか、そういうことで具体な判断をしながら、先ほどアコードと申し上げましたけれども、私どもは事実上そういう悩ましいところに当たる場合は、主務省ないしは出資者である理財局といろいろな意見交換をしながら慎重に取り組んでいきたいと思ってございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうぞ。

〔若原計画官〕すみません、話の流れ上、若干ほかの先生方の御質問にも漏れている点を補足させていただきます。まず、中島先生からの人材の話でございますけれども、恐らくその官民ファンドごとにどういう形で日本のファンド業界の人材育成に貢献できるかと、いろいろファンドによって異なるのかなと。政投銀に関して申しますと、もともと行っていらっしゃる投融資と近しいような、こういうファンドというビークルがはまるという形でございますので、先ほど御紹介したような形でございますけれども、例えば先ほどのJICの前身であるところの産業革新機構、INCJなんかはまさにそこでファンドの第一線に立っていらっしゃった方がいわばINCJを卒業されて、ほかの民間ファンドに転じられたというような話もお伺いいたしますので、そういう意味ではファンドの特性によってはまさに直接的な人材育成に向いた官民ファンドもあれば、政投銀のケース、そういうようなことで我々としてもそれぞれのファンドに見合った形の人材育成のあり方というのを議論させていただきたいなと思っている次第でございます。

また、冨田先生から御指摘がありました、まず18ページのところに収益のことが書いてあるけれども、損失が出たときということでございますけれども、制度的に決まっているのはこの下の点線で、すみません、細かい字で恐縮でございますが、要は儲かったときの分配がすべてでございます。そういう意味では、今回の新たな枠組みということであれば、当然ロスが出たときのことをどうするかということは今後ちゃんと決めていくということでございますけれども、常識的に言うとプロフィットシェアがプロラタであればというあたりをベースに議論していくのかなというふうには考えている次第でございます。

またその事後チェック型であればすべてがいいのかという話で、政投銀のお答えにもありましたけれど、一応私どもの考えを申しますと、まさにそういういろいろな事例があることは私どもとしても認識はいたしておりますので、まさに今回、新たな枠組みを要求側と共同で作っていく立場でございますので、まさに御指摘のような点も含めまして、これから十分に我々も検討した上で考えていきたいと思っております。

あと、今の翁先生の最後の競合の話は、官民ファンドとの話が主にお答え等あったところでございますけれども、民間との関係ということでございますと、制度的には現在の特定投資業務のスキームのうちということになりますので、そういう意味では12ページに書いてございます全体の中での政投銀のシェアというのがマックスで半数という、この中でのいわばミシン目の入れ方ということになろうかと思います。むしろその民間の中での競合はございません、そこは先ほど政投銀から御紹介があったような、どこかの民間とは組んだんだけれど、そこの商売敵の民間からすれば、というところはあるかと思いますけれど、全体として見ると政投銀がすべてをどうこうというよりは、基本的には民間の資金供給というものを究極的には太くしていくという、その施策目的を踏まえて、必ず民間の資金を伴った形で出ていくという意味におきましては、そういう従来の枠組みの中での今回の新しい話だと思っているところです。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕それでは川村委員、お願いします。

〔川村委員〕ありがとうございます。ほぼ、各委員の御質問、御意見の出尽くし感はありますが、私はまず、基本的に見ると非常に政投銀はよくやっているし、このような形のものが今後のエクイティ創出というか、導入に大きな意味があると高く評価しているので、期待しているのですが、その上で、細かいこととちょっと大きいことを申し上げると、この13ページ、ちょうど渡部委員が一番最初に指摘されたことと多分同じ問題意識だと思うのですけれども、このソーシングであるとか、もう一つ気になるのがかねてこの場でもいろいろ申し上げた、LPというところです。つまり、この何ページかの表に、海外のファンドは大きいのに日本のファンドが少ないという一つの理由は、日本のファンドはやっぱりパフォーマンスが悪いんですよ。ソーシングができてないのと、本当にいい投資案件を見つけてこれていない。したがって、外国巨大ファンド小判鮫作戦というのが一番効率がいいんです。

そうなると、13ページの民間金融機関がLPだった場合も、多分これもついでながら、政投銀がいてくれるし、何とかなるでしょうと。ある程度の配当なり利益が入るから少しチャージを払ってもいいよね、という本音が結構あるんだと思うんですね。つまり、これでは知見は蓄積されないということなのです。LPというのはオブザーバーとして参加するといっても決定権は何もないケースが圧倒的なので、実はLPというのはほとんど意味がなくて、LPでやるぐらいならむしろ融資でやったほうが財務制限条項その他で握られるという意味で、出資者の責任がはっきりしていると思うんですね。つまりこのLPは、ある種中途半端な形である。であるならば、私はむしろ政投銀がGPでやりつつ、もう思い切って特化していく、全部しろという意味じゃないんですけれど、そのぐらいにちょっとエッジを立ててしまったほうがいいのではないか。

で、同時にもう一つは、14ページにあるこの各分野も、これは、何でもやるってことですよね。先ほど、クールジャパン、A−FIVE、REVICなど、いろいろなファンドともかぶるということで、それはそれで横串というのは一つの考え方としてはいいと思うのですが、もう少し特化したほうがいいのではないかと思うのです。特に、私は地域活性化とか地方創生は大変意味があって重要な分野だと思うのですけれども、これは果たして本当に投資になじむ分野なのかなというのは、実は少し疑問に思っているところもあります。つまり、非常に細かく、小さく、そして実は事業者も、投資と融資と財投と税金の区別もよくつかないという人が多いのが現実であります。そういう人たちを相手にやる案件として、では、政投銀のスケールとレベルで例えばこの地域活性化、この政策目的の中にいろいろそのツールは入ってくるので、入れるのはよく分かるのですけれども、地場産業に政投銀が13ページの図で入るというのは、レベルの差を感じてしまうんですね。絵としてはおもしろいのですけれど。

ですから、例えばむしろここでいうと、競争力強化であるとか、少し長めでかつ資金も必要で、思い切ってリスクをとるような、そういうものに特化される方向性を今後とっていかれたほうが、ほかの官民ファンドとのデマケーション等も考えたときに、特定業務が非常にいい感じできていることがもっとさらに、純化されてくるのではないか。もっと言えば、いずれ政投銀とJICを一緒にしてしまったほうが私はいいんじゃないかと思うのです。どうもJIC、いま一つよく分からないんですね。ファンドの持株会社を作って、それでその人に任せると。それは、間接コストを減らす為だと言うけれど、それだったらJICを政投銀が吸収してしまったほうが早いのではないかと思うのですね。そうしろと言っているのではなく、この絵を見てみると、そういう感想を持つという意味で、これは意見というか感想です。

〔池尾分科会長〕ではそういうことで。

予定の時間が迫ってきておりますので、手短にお願いします。まず土居委員から。

〔土居委員〕遅参して参りまして申し訳ございません。簡単に申し上げます。基本的にこの新しい枠組みで取り組むということには私も賛同したいと思います。その上で、特に地域の活性化も図るというところのポイントからすると、もちろん人材がなかなか地方にいないというのもあるので、そういうところをきめ細かく対応していただくということはいいことだと思います。もう一つ、結局何のためにリスクマネーを供給しているかということを考えると、もちろん産投出資を毀損させないようにしろというほうのプレッシャーもあるかもしれないけれども、むしろそのハイリスクハイリターンを狙わないことには、そもそも高い収益率は上げられないと。損失を恐れていたら全然収益率が上がらないので、一応目利きだ目利きだといって、毀損しないほうは目利きがあるのかもしれないけれども、高収益を追求するというほうは全然目利きがないというようなことにもなりかねないような状況というのが結構あるのではないかと思います。残念ながらリスキーだけれども、そこそこ高い収益率が上がったものをうまく成功させるということに地域経済ではあまりうまくできてないという側面が、多くの地方都市とかではあるのではないかと思います。

ほぼ手堅くできるけど低収益率というプロジェクトというのは、別にそんなに珍しくはなくて、むしろ多少リスキーだけれども収益率が上がる、プロフィットが出るとすると高収益率になるかもしれないというものをいかに育てていくか。これは恐らく目利きといったところ、つまり出資するか否かというところを判断するという段階ではなかなか踏ん切りがつかないかもしれないですが、多少軽い損失が出るかもしれないけれどもむしろ高収益が期待できるということであれば、そこは積極的に投資をして、かつその後のフォローアップが重要だと思うので、危なくなりそうになったところでしっかり人材も含めてサポートして、倒れそうになるようなプロジェクトをうまく倒れないようにして、高い収益率を実現するようにうまく誘導していく。そういう人的資源の振向け方も含めて、リスクマネーを供給するという体制を整えていただきたいと思います。

私からのコメントは以上です。

〔池尾分科会長〕林田委員お願いします。

〔林田委員〕ありがとうございます。多くの委員がおっしゃられましたように、政投銀のこの新しい枠組みについては私もこれでいいと思います。ただ、先ほどの説明で、この新たな枠組みをほかの官民ファンドにも同じように適用する可能性があるように聞いたのですが、少し語弊があるかもしれませんけれども、現時点でパフォーマンスがあまりよくないところに、あとは任せましたとしてそういうやり方をやって大丈夫なのかなというのを、少し心配性過ぎるのかもしれませんけれども、そんな感想を持ちました。

質問なのですけれども、この枠組みで有望な投資先が見つからない場合については、不要資産返還の規定を設けるようなのですけれども、逆に、ファンドが実績を焦って、あまりこれはどうかと思うところに投資をしようとしたときに、何かこう、待ったをかけるようなことはできるのか、制度上できないのか、そのあたりをお伺いしたいと思いました。

以上です。

〔池尾分科会長〕ガバナンスのスキームを共通して適用するという話ですよね。スキームというのはガバナンスに関するスキームを、それでそれをガバナンスのところで最後御質問になったことに対してちゃんと答えていくという趣旨ですね。

〔橋本財政投融資総括課長〕はい。

〔池尾分科会長〕だと思います。では、手短でお願いします。

〔野村委員〕はい、時間も来ていますので、1分ぐらいで。いろいろな委員の先生方からも出尽くしているのですけれども、今回のこの新たな枠組み、私も民間金融機関の投資、壁を低くするものとして賛成いたします。

幾つか課題が出ている中で2つほど申し上げたいのですが、この投資人材の育成ということが、本当にここ数年度々出てきているところでございますが、もうその必要性についても十分に認識しているところなので、そろそろ、好事例を見つけて横展開していくという、何かもう少し、どういう育成が実を結ぶのか、具体的な議論を始めていかないと、同じ議論がここで繰り返されているのではないかなと思います。

先ほど、官民ファンドから巣立った人もいるということなので、では、どうして巣立ったのかというところを分析していく。それから例えばインセンティブの導入というようなお話もありましたけれど、そういうようなことが民との人材交流につながるというような可能性もあるとしたら、そういうことも考えていくということが必要ではないかなと思います。

それから、適切なガバナンス、管理運営に当たって、民間のファンドとの比較が10ページや19ページには出されていますが、先ほど冨田委員がおっしゃいましたように、私もこの10ページの最初のところでやはりきっちりとした計画目標を定めるということは、民間と同様に必要かと思っております。ただ、19ページにありますようなモニタリング、レポーティングというものを組み合わせて、さらに法的な資金が入るということならば、そこに審査も絡めるというような枠組みを作ってはどうかと思います。

それから、目標の設定なのですが、これは産投の目的から考えますと、民間の投融資がどれぐらい誘発されたかという額を一つ、目標値として設定するというようなことも考えられるかと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。川村委員と土居委員からは、これはこれでいいのだけれども、もっとエッジの効いたことも考えたらどうだというサジェスチョンがありましたので、今後検討していただきたいと思います。

それではまだ御議論されたいことがあるかもしれませんが、予定の時間を過ぎてしまいましたので、本日の議事はここまでということにさせていただきます。

御議論いただいた内容のほかに、追加の御意見や御質問がございましたら、いつものとおり事務局までお知らせいただければと思います。

また、本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクが行われます。議事録につきましては、委員の皆様方の御了解をいただいた後、財務省のホームページに掲載します。

次回は11月2日金曜日13時15分からです。地方公共団体等について、編成上の論点の御審議をいただく予定としております。

本日は御多用中のところ、誠にありがとうございました。5分超過しましたが、これで閉会にさせていただきます。ありがとうございました。

17時34分閉会

財務省の政策