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財政投融資分科会(平成30年7月26日開催)議事録

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財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録

平成30年7月26日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第

平成30年7月26日(木)9:28〜10:25
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開

  • 2.平成29年度財政融資資金運用報告書

  • 3.平成30年度政策コスト分析

  • 4.質疑・応答

  • 5.閉

配付資料

資料1−1平成29年度財政融資資金運用報告について
資料1−2平成29年度財政融資資金運用報告書
資料2−1平成30年度政策コスト分析について
資料2−2財政投融資対象事業に関する政策コスト分析(平成30年度)

出席者(敬称略)

分科会長

池尾和人

太田理財局長

古谷審議官

井口総務課長

橋本財政投融資総括課長

金森管理課長

湯下計画官

若原計画官

谷内資金企画室長

山本財政投融資企画官

委員

川村雄介

中里 透

野村浩子

臨時委員

江川雅子

林田晃雄

渡部賢一

専門委員

中島厚志


9時28分開会

〔池尾分科会長〕少し定刻より早いのですけれども、出席予定の委員が全員おそろいになりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたしたいと思います。

本日は、平成29年度財政融資資金運用報告書、平成30年度政策コスト分析の2つの議題を御審議いただきたいと思います。

議事に移ります前に、理財局に異動がございましたので、事務局より御紹介をお願いします。

〔橋本財政投融資総括課長〕人事異動についてお知らせいたします。この度7月17日付で財政投融資総括課長を拝命いたしました橋本でございます。引き続きよろしくお願い申し上げます。

また、課長クラスに人事異動がございましたので、紹介させていただきます。委員の皆様から御覧いただきまして、私の左におりますのが、計画官の湯下でございます。

〔湯下計画官〕湯下でございます。よろしくお願いいたします。

〔橋本財政投融資総括課長〕その隣が、計画官の若原でございます。

〔若原計画官〕若原でございます。よろしくお願いいたします。

〔橋本財政投融資総括課長〕続きまして、委員の皆様から見まして右側になりますが、管理課長の金森でございます。

〔金森管理課長〕金森です。どうぞよろしくお願いします。

〔橋本財政投融資総括課長〕その隣が、財政投融資企画官の山本でございます。

〔山本財政投融資企画官〕山本です。よろしくお願いします。

〔橋本財政投融資総括課長〕今後とも、よろしくお願いいたします。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、平成29年度財政融資資金運用報告を橋本財政投融資総括課長から御説明いただいて、引き続き平成30年度政策コスト分析を谷内資金企画室長から御説明をお願いいたします。

まずは、橋本財政投融資総括課長より御説明をお願いします。

〔橋本財政投融資総括課長〕説明に先立ちまして、事務的な御連絡をさせていただきます。本日もペーパーレス化を推進するためプロジェクターとタブレットを使用させていただいております。委員の皆様方には引き続き御協力のほどよろしくお願い申し上げます。

それでは、議題1といたしまして、平成29年度財政融資資金運用報告書について御説明いたします。

本報告書につきましては、財政融資資金法第12条におきまして、財務大臣は毎年度財政融資資金運用報告書を作成し、当該年度経過4カ月以内、すなわちこの7月中に審議会に提出しなければならないと定められていることに対応するものでございます。資料1−2は財政融資資金法第12条に基づいて提出いたします運用報告書本体となりますので、紙で席上に配付させていただいております。御説明は、その概要をまとめました資料1−1に基づきまして行わせていただきます。

それでは、資料1−1の1ページ目を御覧ください。平成29年度における財政投融資計画の運用状況でございます。

こちら、平成29年度当初計画15兆1,282億円に対しまして、改定として7,702億円、こちらは補正予算における追加額2,800億円、それからいわゆる弾力条項による追加額4,902億円を合算した額でございます。また前年度繰越額が2兆6,000億円ほどございます。これは毎年度皆様方に御説明申し上げているとおり、地方における借入の一部が出納整理期間中に行われることによりまして繰越額となっているものでございます。

これらを合計いたしました改定後現額が18兆5,088億円でございます。これに対しまして年度内運用額が14兆2,487億円、繰越額が1兆9,602億円でございまして、運用残額として2兆2,998億円となってございます。

年度内運用額と運用残額につきまして経年で見ていただきたいので、次のページを御覧ください。

参考1が年度内運用額でございます。こちら、平成28年度と比較いたしますと約1兆円ほど減少しております。様々な要因がございますけれども、特に大きいと考えられますのは、平成28年度の補正予算におきましてリニアですとか整備新幹線を追加させていただいております。リニアは平成29年度当初にも計上されておりますが、整備新幹線の約8,000億円は平成29年度には計上されておりませんので、これらの要因によって1兆円ほどの減少になっております。

運用残額は、財政投融資全体で見ますと平成12年以降で4番目に低い水準、また財政融資資金でいいますと最も低い水準となっておるということでございます。これらは例えば平成21年から25年ぐらいまではリーマンショック後あるいは震災対応ということで、ある程度余裕を持った計画とさせていただいたところでございますが、近年ではそういう状況がないといった事情によるものでございます。

3ページ目をおめくりください。各機関の運用状況でございます。先ほど申し上げましたとおり運用残額の総額が2兆3,000億円程度でございましたけれども、その太宗を占めるものが地方公共団体、日本政策金融公庫、あるいは国際協力銀行といったところでございます。地方公共団体につきましては入札結果による事業費の減額等を反映したものでございます。日本政策金融公庫のところは国民向け、中小向けのところは年度内運用額の約1割程度の水準となっていて、この程度の余裕を見て運用しているといったことでございます。

また、危機対応円滑化業務のところで1,800億円ほどの運用残額がございますが、これは災害対応ということで計画させていただいておりますので、大きな災害がなかった昨年度においては運用残額となっていると、このような次第でございます。

国際協力銀行のところは投融資の減、あるいは昨年分科会で議論させていただいた余裕金が積み上がっているといったことがございましたので、そういったものに対応するために運用額を減少させたと、このような要因でございます。

4ページ目を御覧ください。財政投融資計画残高の推移でございます。平成29年度末で148.1兆円となっております。平成12年度から比べまして35.4%の減少となってございます。財政融資109.2兆円のうち、まだ郵貯資金、簡保資金が若干残っております。これらは、郵貯資金は平成46年度まで、簡保資金は平成49年度までという予定になっております。

続きまして5ページ目は財政融資資金の内容で、1ページ目と重複いたしますので省略させていただきまして、6ページ目にお進みください。

短期運用実績でございます。こちらの太宗を占めますものは、年度末の持ち回り分科会で御承認いただきました交付税及び譲与税配付金特別会計、あるいは年金特別会計の健康勘定によるものでございます。残高のところは平成28年度と29年度を見ていただきますと、さほど変わりがない、ほぼ横ばいで推移しているということでございますが、年度内の運用額及び回収額は、交付税及び譲与税配付金特別会計がおおむね週1回程度で運用されていること、年金特別会計は月1回で運用されていることから、比較的大きな額となっている次第でございます。

7ページ目へお進みください。財政融資資金資産の異動でございます。特徴的なところが2点ございまして、まず1点目が住宅金融支援機構のところでございます。これは、住宅金融公庫の時代に貸付金としておりましたものが最近は証券化による運用となっておりますので、それらが剥落してきているといったこと、また、信託受益権のところは平成19年度に貸付金を証券化したものが償還を迎えておりまして、平成30年度には、この平成29年度末現在高の全てが償還される予定となっております。

8ページ目は財投債の状況です。平成29年度、財投債は計画で12兆円でございましたけれども、ほぼ計画どおりの発行となってございます。これに対しまして償還額が13.7兆円ほどとなっておりますので、全体で約1.7兆円の減少となってございます。

9ページ、10ページは省略させていただきまして、11ページにお進みください。

平成29年度財政投融資特別会計財政融資資金勘定の損益計算書及び貸借対照表でございます。本年度利益は2,344億円でございます。これは貸付金利息で約1.2兆円、公債金、預託金利子の支払いで0.9兆円ほどございまして、その差額として2,344億円となっております。これらの結果、金利変動準備金は8,892億円となっておりまして、総資産に対する割合が約0.7%となっております。なお、ALMシステムにつきましてはこれまでマイナス金利に対応させるよう改修作業を行っておりまして、また現状のALMについても、現在、外部の業者に、適切性や改善すべき点などについて多角的な視点から検証作業を依頼しております。今後の剰余金の見通しにつきましては、この検証作業を踏まえて精査を進めてまいりたいと考えております。

12ページは飛ばしていただきまして、13ページへお進みください。

平成29年度における産業投資の運用状況でございます。運用残額が3,537億円と過去最高を記録しておりますが、この主な要因は、中ほどにございます独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構のものでございます。こちらは御案内のとおり平成28年度補正におきまして1,500億円の追加がございまして、平成28年度当初予算の420億円と合わせまして1,920億円を前年度から繰り越して平成29年度の現額となっておったわけであります。これは、資源開発投資のための出資の原資であったわけですけれども、折衝が不調に終わったため、運用残額が2,244億円になり、これらの結果、合計として3,537億円の運用残額となっております。

私からの説明は以上であります。平成29年度の実績につきましては既に平成30年度編成にも反映しているところではございますが、さらに十分に分析をした上で平成31年度の財投編成に反映させてまいりたいと考えております。今後も御指導のほど、よろしくお願いいたします。

私からは以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、引き続き、谷内資金企画室長から御説明をお願いします。

〔谷内資金企画室長〕資金企画室長の谷内でございます。引き続きよろしくお願い申し上げます。

資料2−2が公表資料の本体でございます。本日は資料2−1を使いまして御説明いたします。

1ページ目から4ページ目は例年と同様、政策コストの枠組みを解説した資料でございますので省略させていただきまして、5ページをお開きください。

これが平成30年度の分析結果でございます。右下の金利のグラフを御覧いただきますと、昨年と同様に8年のあたりまでは国債の流通利回りがマイナスの水準にございましたので、分析の前提として設定いたしました金利はゼロに張りついておりますが、20年以上の部分につきましては、史上最低の水準となりました昨年度に比べて若干上昇してございます。左の表は、これを前提とした試算結果でございます。政策コストは24機関の合計でマイナス8,040億円となっております。内訳は、@国からの補助金等が1.7兆円、A国への納付金等がマイナス6.7兆円、その右のBが出資金等の機会費用となっておりまして、これが4.2兆円でございます。

今般の資料では、政策コストの大部分が分析期首までに投入された出資金等に係る機会費用であることが分かるように、Bの横に内訳を表示いたしました。既に投入済みの出資金等に係る機会費用が今年は7.2兆円という結果になっておりますが、この計算の元となってございます分析期首の出資金そのものの実額の水準につきましては、29年度と30年度との差がわずか0.2兆円でございますので、御覧いただいております30年度の7.2兆円と、その下の29年度の5兆円の差額は、そのほとんどが先ほど申し上げました金利水準の上昇によるものであるといえようかと考えております。

経年比較分析、感応度分析の結果につきましては後ほど御説明申し上げますが、上の箱の2番目の丸にございますとおりに、金利の影響などを除きました実質増減につきましては369億円の増加にとどまる一方で、3番目の丸、感応度分析の結果ですが、前提金利が1%上昇した場合は5.4兆円の増加となっております。なお、この5.4兆円のインパクトが非常に大きいものですから、対外的に新たな補助金が必要になるのではないかといった誤解を招くようなことがないように、注意書きをつけさせていただいております。

次の6ページ目から、各機関の分析結果となります。

今般の資料では、左側に融資系、右側に事業系の機関を記載しております。また、日本政策金融公庫につきましては勘定別の内訳が分かるように表示いたしました。分析結果全体といたしましては、主要業務が収益を生むものか、あるいは補助金などの政策コストで支えられている事業か、さらには国からの出資金の大小などによりまして各機関のそれぞれの特徴が出ておりますが、御覧いただいております基本ケースを含めましていずれの分析も、内容は概ね昨年あるいは例年と同様の傾向が伺えますので、本日はポイントとなる部分に絞って補足をさせていただきます。

まず、日本政策金融公庫でございますが、政策コストのほとんどが危機対応業務によるものとなっていることが分かります。この勘定につきましては、分析の前提といたしまして、投入されている出資金を補給金や補償金によって全て使い切ってしまうという試算を行っておりますので、このような巨額な政策コストが算出されておりますが、先ほどの運用報告の中でもございましたが、危機対応業務につきましては多額の運用残が生じておりましたとおり、実際にはセーフティネットとして投入された出資金を全て使いきってしまうほど、危機が多発するような事態というのは考えにくいと思われますので、実態よりも政策コストが大きく見える結果になっているという点に御留意いただきながら御覧いただければと思います。

そのほか、左の融資系でコストが大きく出ているのが、中ほどの国際協力機構(JICA)と、その次の学生支援機構でございます。JICAにつきましては、そのほとんどが出資金の機会費用によるものでございますので、この機構は後ほど御説明いたします金利が1%上昇した場合の感応度が非常に高い機関となってございます。

次の学生支援機構につきましては、これは機会費用ではなく、国からのキャッシュアウトが政策コストとなる機関でございます。そのほとんどが、学生が在学している間の貸与が無利子で行われることによる補給金でございます。

右側の事業系でございますが、上から3番目の鉄建機構が大きな金額となっていますが、これは新幹線の建設事業に今後投入が予定されている補助金が政策コストとして算出されております。

また、次のUR、これは昨年も同様でございますが、巨額のマイナスコストとなってございます。これは、賃貸住宅から安定的に家賃収入が得られる一方で、金利水準が低いため、今後の借換え資金の利払いですとか出資金の機会費用が低く抑えられていることが要因となっております。したがいまして、この機構につきましても、金利が上昇すると政策コストが大幅に増加いたしますので、後ほど金利感応度のところでは様相が大きく変わってくる機関でございます。

その下の高速道路も同様でございます。この機関も、ほとんどが出資金の機会費用ですので、JICAやURと同様、金利感応度が非常に高い機関となってございます。

7ページは金利水準の変化などの影響を排除いたしまして、前年度との差異を分析した実質増減でございます。各機関ともに大きく変動するような特殊事情はございませんでしたので、30年度の新規事業に伴うコストが計上されている、あるいは29年度の業績が見込みから決算に置きかわった変化となっておりまして、右下の合計額も全体としておとなしい数値となっております。

その中で特徴的な機関といたしましては、左側中ほどの国際協力銀行、国際協力機構でございます。両機関ともに、世界的に経済が回復傾向にある中で、一部の債務国ですとか事業体の信用格付が改善した結果がコストに好影響を与えております。特にJICAにつきましては、柱となる業務が一般会計からの出資金を財源の一部とすることで低利融資を行うものですので、基本的には新規事業には政策コストが伴うことになりますが、貸倒れの見込みが減少することによるマイナスコストが新規事業に係るコストを上回ったため、経年比較においても差引きマイナス155億円という結果となっております。

それから、事業系機関の中で増減が大きかったのが、都市再生機構と、下から3番目の新関空でございますが、都市再生機構につきましては30年度以降、老朽化した賃貸住宅の修繕等を進めることとしておりますことから、これに見合う業務費の増加を見込んだ結果となっております。また新関空につきましては、平成28年4月にコンセッションによる運営を開始しておりますけれども、昨年はコンセッションの初年度として、収支の見通しですとか経費を堅めに見込んでいたところ、実際の決算は、運営会社の努力もございまして見込みよりも良い結果が出たことから、昨年の分析よりもコストが減少しているということでございます。

ページをおめくりいただきまして、8ページでございます。

感応度分析の結果です。金利が1%上昇した場合のコストの増加幅となっております。繰り返しの説明になりますけれども、金利が上昇いたしますと融資系、事業系に関わらず多額の出資金が投入されている機関につきましては機会費用が大幅に増加いたします。さらに右側の事業系につきましては、借換え資金の支払い利息が増加する影響がこれに加わることになりまして、右下、全機関の合計では金利1%につき全体で5.4兆円のコストが増加するという結果が出ております。

ちなみに、先ほど金利感応度が高いと申し上げました左側中ほどの国際協力機構は約1兆円、それから、右側中ほどのURと道路機構はそれぞれ1.8兆円、1.1兆円の増加となっております。

右下の合計欄に、増加するコストの内訳を記載いたしましたので、これを御覧いただきますと、増加要因は全て機会費用によるものであるということがお分かりいただけるかと存じます。冒頭でも御説明いたしましたとおり、この結果は各機関に実額として支給される補助金などが増加するものではないという点は、この後予定されております記者レクにおいてもしっかりと説明していきたいと考えております。

次の9ページ、貸倒れと事業収入の感応度でございます。これはそれぞれ当たり前と言ってもいいような結果となっておりますので、省略をさせていただきます。

10ページでございます。これは融資事業を行う機関につきまして、政策コストがどういう要因で発生しているかを分解したものでございます。それぞれ、繰上償還ですとか貸し倒れ、その他利ざやなどに分けまして影響額を算出しております。これも例年同様の結果となっておりまして、取り立てて御説明すべきような動きは認められませんので個別の説明は省略いたしますが、特に先ほど御説明したJICAにつきましては貸倒れの影響額が今年は2,950億円となっております。ちょうど表の中央でございますが、これは昨年の数値よりも1,000億円ほど減少した数値となっております。

次の11ページをお開きいただければと思います。このページは各機関における活用状況をまとめたものでございます。昨年は、私ども理財局が財投編成時にどのように活用しているかという点について触れさせていただく場面がございましたので、今年は、改めまして全ての機関から聞き取りを行いまして、御覧のような状況が分かりましたので、これは本体の資料にも記載をさせていただいております。

若干補足いたしますと、この政策コスト分析の取組みを開始いたしましたのは約20年前でございますが、その当時はほとんどの機関が長期収支の見通しを立てて経営分析を行うといった意識ですとか、技術などを全く持ち合わせていないと言ってもいいような時代でございましたので、この取組みを始めること自体が、各省庁、各機関への協力要請を含めまして、非常に汗をかくものであったわけでございますが、その後、各機関ともに徐々に軌道に乗ってまいりまして、さらには財投機関債の発行に伴って詳細な情報開示が求められたり、あるいは社会的にもリスクマネジメントが重要度を増していることもありまして、今では各機関とも、独自の取組みとして経営分析やリスク管理などを行うようになっていると承知しております。ここに書かれている内容は、そのような背景の中で現時点での活用状況になりますので、やや寂しく映るかもしれませんけれども、それは政策コスト分析の取組みを通じて各機関が成長してきた証でもあるという視点で御覧いただければ幸いでございます。

また、これとは別に本体資料では、経年比較分析の解説をより分かりやすく、かみ砕いたものに変更しておりますので、この場をお借りしまして御紹介をさせていただきます。

私からは以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、委員の皆様から御意見、御質問をお願いしたいと思いますが、先ほど事務局より御連絡があったとおり、本日もペーパーレス会議になっておりますので、御発言の際、資料等に言及される場合は、資料ナンバーやページ数を仰っていただければと思いますので、その辺の配慮はよろしくお願いいたします。

それでは御意見、御質問、どなたからでも結構ですが、いかがでしょうか。

江川委員、お願いします。

〔江川委員〕丁寧な御説明ありがとうございました。それから政策コスト分析も、20年たって、いろいろなところで活かされていると伺って心強く思いました。

質問は、資料1−1の7ページ目、平成29年度における財政融資資金資産の異動の御説明のときに、住宅金融支援機構が、増減が1兆4,000億円ぐらいあって、というか、前年度から1兆円以上減少しているのが証券化によるものだという御説明をいただきました。ずいぶん昔、証券化の最初のころに検討に少し関わったことがあって、そのときに感じたのが、証券化をして残高を減らしても、一番リスクの高いジュニアの部分を政府が保有し続けるのであれば、その破綻のリスクは変わらないので、問題なのではないかということを少し考えたのですが、そのジュニア部分というのは、今はどうなっているのでしょうか。

〔橋本財政投融資総括課長〕政府としては保有していない状況でございます。

〔江川委員〕なるほど。でも、新しい証券化案件のジュニア部分はどうなっているのでしょう。

〔橋本財政投融資総括課長〕それは、政府は引き受けていないということでございます。

〔江川委員〕恐らく、ほかに出せないから証券化して持ち続けているのではないかなと思っているのですけど。

〔川村委員〕すみません、僕も当時関心を持っていたのですけど、証券化に特化するというようになって、10年ぐらいですかね。

〔江川委員〕新たな証券化はやっていないということですか。

〔川村委員〕恐らく、その証券化対象のものも、満期が来たものと、まだ残っているものがあるのだと思うのですよ。

〔江川委員〕はい。

〔川村委員〕恐らく、江川委員の御質問は、その償還されていない部分で、ジュニアのもので、ここが抱えているものはどのぐらいあるのかと、こういうことではないのですか。そういうことですよね。

〔江川委員〕ええ、日本の構造としてジュニア部分を取る投資家がいないのだから。

〔川村委員〕いないから、ここが抱えちゃって。

〔江川委員〕だから、ずっと抱え続けているのではないかと。

〔川村委員〕償還が来ないやつですよね。

〔江川委員〕償還してないというか、そのアウトスタンディングの部分に関して。

〔池尾分科会長〕住宅金融支援機構の業務ですよね。

〔江川委員〕はい。

〔池尾分科会長〕住宅金融支援機構の証券化業務は、劣後部分は信託して持っているはずですよ、機構自体が。

〔江川委員〕ということですよね。

〔池尾分科会長〕はい。

〔江川委員〕なるほど、分かりました。

〔橋本財政投融資総括課長〕今、座長が仰った通り、証券化支援事業の買取型のスキームというのは、MBSを発行している部分というのは投資家に行っていますけれども、劣後部分については債権信託という形で信託銀行に信託をしておりますので、そういったような形で運用されていて、政府が保有している部分はないという、そういう状況でございます。

〔江川委員〕はい。でも機構にリスクは残っているということですよね。分かりました。

〔池尾分科会長〕機構による証券化は、そもそも金利変動リスクを投資家にとってもらっているだけで、デフォルトリスクは転嫁していないですから。

ほか、いかがでしょうか。

では、まず中島委員から。

〔中島委員〕詳細な御説明どうもありがとうございました。

2点あります。1つは、最初の資料1−1の3ページです。この概略の主な機関の運用状況の中で、「その他」なのですが、年度内の運用額が当初計画に対して7割ぐらいということで、結構残があると読めるのです。それで、この運用報告書、ここに記載されていない主要機関以外の「その他」に、住宅金融支援機構が、運用残というか、当初運用予定額に対しての運用済みとの差が少しあると読めるのですが、合計で3,000億円ぐらい当初計画に対して運用額との差があるのですけど、個別のほうからは読めなくて、もし、ここら辺で運用済みとの差の大きいところがほかにもあるのであれば、どうしてそういうことになったのかということを教えていただければというのが1点目です。

2点目が政策コスト分析なのですが、こちらは意見というか、お願いです。大変細かな分析をしていただいていて、それは最初のほうにあったように、金利状況が底入れをしてきているという状況の中で、政策コストについても将来的にその分コスト増の部分も見込まれるというのは、これは当然の状況になっている。背景として考えますと、昨年度、一昨年度までが逆に大変低金利の状況にあったということで、むしろ正常化というか、景気が上向いてきた状況の中ではおかしくない状況だと認識しています。

その上で、逆に言えば今なお低金利の状況にもあるし、また今後、政策コスト分析をやっていくときに今のような状況が続いていければもちろん景気として悪いことはないのですけれども、全体として見ると、政策コストが、その業務自体が悪くないとしても上振れるという可能性があります。こういう局面については、むしろそれぞれの機関が、もちろん財投もそうなのですが、うまく資金運用調達での間のマネージをやるということが大事な局面だと思っておりまして、ぜひこの政策コスト分析、大いに今まで同様活用していただくと同時に、そういう点での留意もお伝えいただければと思う次第です。

以上です。

〔池尾分科会長〕はい、どうぞ。

〔橋本財政投融資総括課長〕では、まず、運用残額のところにつきまして私から御説明させていただきます。

「その他」で5,311億円ございましたけれども、その太宗を占めますものとして官民ファンドとJOGMECで4,000億円強ほどございますので、そのようにお考えいただければと思います。JOGMECは先ほど御説明したような理由でありまして、官民ファンドのほうも昨年の分科会で御議論いただきましたとおり、計画額に比べまして実績のほうが伸びていないと、このような要因によるものでございます。

また、住宅金融支援機構についてのその運用残額というようなお話でありましたけれども、今、足下、住宅金融支援機構に対する財政投融資は災害関連の住宅融資について財政投融資を措置しているところでありまして、こちら災害用でありますので、大きな災害が起きたときのために十分な枠を確保しておるものでありますけれども、その災害が起きなかったということで運用残額となっていると、このようなものでございます。

〔池尾分科会長〕よろしいですか。

では野村委員、お願いします。

〔野村委員〕御説明ありがとうございました。2点ございます。

資料1−1の3ページ目と13ページ目に関わるのですが、こちらを拝見しますと、運用残高が多い機関に、資源開発に関わる分野のものが目立つかと思います。3ページの国際協力銀行については、いろいろな要因があると御説明がありました。そして、13ページの石油天然ガス。もちろん必要に応じて使えばいいので、無駄なお金を使う必要はないのですが、必要であるからこそ予算化されていたかと思います。その予定していたものが実行されなかった要因の分析と、今後の資源開発のサポートをどのように行っていくのかという今後の見込みを、次年度の計画のときにしっかり組み込んでいただきたいということが1点目です。今ここでお答え頂きたいという意味ではありません。

2点目は、先ほど中島委員が仰ったことと重なりますが、3ページ目のその他の額がかなり多いことについてです。ただ今の御説明によりますと、官民ファンドもかなり含まれるということで、それも含めた情報開示を分かりやすい形でしたほうがよいのではないかと思います。官民ファンドに対して御批判もかなりあった中で、「主な」とまとめてしまうことで、官民ファンドに関連する情報が隠れてしまうと、何か恣意的に「主な」を選んだのではないかと思われる危険もあるかと思います。その辺りは分かりやすい形で開示したほうがいいかと思います。 以上です。

〔池尾分科会長〕はい、お願いします。

〔橋本財政投融資総括課長〕今御指摘のあった開示の点ですけれども、財政融資資金につきましては運用報告書の中に全機関記載されておりますし、産業投資につきましては後ろのこの13ページのところで全て開示させていただいておりますので、情報としては全て開示しておりますけれども、野村委員の御指摘のとおり、少し分かれている部分もありますので、どのような開示の仕方が適切なのか検討してまいりたいと思います。

〔池尾分科会長〕林田委員、お願いします。

〔林田委員〕ありがとうございます。私は1−1の資料の13ページ、また同じかと思いますけれども、産業投資の運用状況に関してですけれども、改定後の現額が5,800億円ぐらいで、運用額が2,300億円、残額が3,500億円と、これはやはり使い残しが少し多いのかなという気がします。御説明にもありましたが、運用残額の6割以上がJOGMECで、1,500億円が平成28年度改定で追加され、それが残っているということですけれども、その数字のやりくりは理解できましたが、具体的にどういう事業が今、待ちになっているのか、その事業が今後進展する見通しについてはどれぐらいの見通しを持っていらっしゃるのか、分かる範囲でいいので、教えていただきたいというのが1点目です。

次は官民ファンドですけれども、年度内運用額がゼロのものが4つあります。運用残額が100億円台から500億円台近くと、多額に上るものも数えると5つあります。来年度の編成に当たって、やはり官民ファンドに関する当初計画の立て方を、これまでのこうした実績を踏まえて、より厳しい姿勢で臨むべきではないのかなというのが意見であります。

最後に質問ですけれども、この13ページの右から2番目の列の翌年度繰越額のところを見ると、全てゼロになっています。去年のものを見ると、翌年度繰越額と運用残額を幾らか振り分けている機関も見えましたけれども、この整理の仕方は何か理由があって変えたのでしょうか。その辺りを教えてください。

〔橋本財政投融資総括課長〕まず、JOGMECにつきまして幾つかお尋ねがございました。平成28年度につきました補正予算については、これは天然ガス業務において企業買収等の出資を支援するとの事業でありましたけれども、これは買収候補企業との交渉を進めましたけれども、最終合意に至らなかったというような事情でございます。進行中のものにつきましては平成30年度予算、JOGMECについては、それらも合わせて総額で411億円の出資額、産投出資額というのを措置しておるところでありまして、それらはまた引き続き天然ガスを含めた企業買収等の支援ということで折衝を行っているところと承知をいたしております。

それから、今年度の繰越しの部分についての考え方の違いにつきましては、これも多くは平成28年度の補正予算において措置されたものが繰り越されているところでございまして、例えば、こちらの石油天然ガス・金属鉱物資源機構は繰越額1,920億円のうち1,500億円が補正予算で計上されたものでございますし、あと、クールジャパン機構は補正で30億円、海外交通・都市開発事業支援機構は補正で52億円、海外通信・放送・郵便事業支援機構は補正で22億円措置されておりましたので、補正で措置された事業等の繰越をさせていただいたということでありますけれども、平成29年度におきましてはそういった補正予算の措置というのもございませんでしたし、当初に計上したものについても繰り越すべき事由がなかったということで繰越をしていないと、こういったことでございます。

〔池尾分科会長〕よろしいですか。

JOGMECとか、単年度会計になじまないところが事業の性格としてあるというのは分かるのだけれども。

〔林田委員〕分かっています。

〔池尾分科会長〕でも、という感じですよね。それにしてもという感じがあるということで。

〔橋本財政投融資総括課長〕予算計上額につきましては委員のお考えも非常によく分かる面もありますけれども、5月にも御議論させていただいたように、出資というのは非常にボラティリティが高い部分、出資すべきときには出資金がたくさん出る、ただ、そうでないときには止めなければいけないというようなことをほかの委員からも御指摘いただいているところでありまして、そういう非常にボラティリティが高い事業についてどう予算措置をして、どう執行していくのかというのは検討課題にもなっておりますので、その中で議論を深めてまいりたいと、このように考えております。

〔林田委員〕政策コスト分析で1点だけよろしいでしょうか。

中身ではなくてディスクロージャーの関係なのですけれども、先ほどの資料、ちょっとページ数を忘れてしまいましたが、最後のほうにディスクロージャーをしているということで、ホームページで掲載しているという、資料2−1の11ページですね。なので、どのようなものが出ているのかなと思い、ホームページを覗いてみましたら、大体今日お配りいただいているような資料がそのまま出ている感じでした。ちょっと、この資料ですと、一般の人に政策コスト分析とは何ぞやということを理解していただくにはやや難解なのかなという気がしました。

そこで、財投リポートを見てみました。そうすると、ディスクロージャーの充実という欄の一番上に政策コスト分析というのがあった。ただ、その中身を読みますと、やはりホームページに出ているのと大同小異の表現が並んでいました。特に、これを見た一般の方は、政策コスト分析というのはどんなものだろうということをまず知りたいと思うのですが、整理の仕方が、政策コスト分析の導入の経緯から説き起こしまして、その目的、で、ようやく3番目に政策コスト分析とは、と来るのですが、この文章が一文で何と200字もある大変な長文でして、私たち新聞記者の常識から考えると、あまりにも長いと。

政策コスト分析とは、一定の過程を置いた上で財投活動による将来の国民負担などを試算するものだというような、何か端的な表現でできないものかなと感じましたので、意見として申し上げました。

以上です。

〔池尾分科会長〕はい。貴重な意見として。谷内室長どうぞ。

〔谷内資金企画室長〕まさに貴重な御意見をありがとうございました。実は、本日も説明を省略してしまったのですが、資料2−1の1ページから4ページに政策コスト分析の枠組みを簡潔にまとめてございます。毎年、この部分は、例年と同じ資料ですとお断りをして説明を省略しておりますが、これは公表することも念頭において、繰り返し、付けさせていただいているところでございます。御指摘の部分につきましても、このような形で簡潔にまとめたものを活用できるように見直してまいりたいと考えております。ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕それでは川村委員、お願いします。

〔川村委員〕例年、大変精緻でだんだんいいものになってきて、ますます良い感じかなというのが全体の印象で、大変お疲れさまでした。ありがとうございます。

2つあって、1つはこの資料1−1、全体ですけど、特に、例えば11ページに、この財融勘定のバランスシートが出ていますよね。それから13ページに産投の、これは先ほどから何度も御指摘のある運用の状況ということになるわけですけれども、いわゆる財融、そして産投、それぞれ、そして全体の財投のそのパフォーマンスをどう捉えるかというのはいろんな考え方があるのだと思うのですけど、ものすごく単純にいえば、その年の運用の元本に対してどのぐらいのリターンがあるかという直利的な見方もあるでしょうし、10年のIRRでこの財投全体を見ていくという考え方もあるのだと思うのですけれども、それがいつも迷うところで、後々、それはちょっとまた政策コスト分析とは違う切り口で、そういったものをどこかでお示しいただけるとですね、例えば先ほどから御議論にある官民ファンド、単年度とか2、3年で切って言う議論の意味というものと、例えば10年で見る、少なくとも、短く見ても政策目的等から照らして5年で見るとか、これは世の中の報道の中で、一番理解してもらわなければならない記者にきっちり分かってもらうためにも、違う性格のものを横並びにして、こちらだって言われて、大変迷惑なんですよね。

やはり、彼らの勉強不足だと言うのは簡単なのですけれども、やはり勉強しやすい参考書を提供してあげなければいけないわけですから、それはやはり、是非当局としても考えていただきたい。つまり、財融あるいは産投全体で財投というものの元本、その償還確実性というのは誰でも分かる話なのですけれども、ではそこに対して投資あるいは融資となったときに、世の中の、先ほどの金利感応度とかいろいろ、そういう問題がどんどん応用で出てくるわけですけれども、その一番基本のところを押さえてない報道というのがどんどん出てきて、先ほど林田委員からも御指摘のあったこのディスクロージャーも、元々分かっていない人がますます分からず、足し算ができないのにいきなり積分をやらせているような世界に入っていると思うんですね。

だからここは、出している側からすると、もうとっくにやっているではないかと、ずっとそれがだんだん進化してきて、もういい加減にしろと言ってもですね、新入生は毎年ゼロから勉強する、記者も毎年新しくなっていくわけなので、やはり出す側としては工夫していく必要があるのではないかなという、これは感想というか、意見というところであります。

それから、もう一つは政策コスト分析のところで、これは去年だったかと思うのですが、それぞれこうやっていただくと、非常にそれはそれで分かりやすいのだけれども、全体を横串と言うのでしょうかね、全体像が見える何か別の指標の開発のようなことというのは御検討いただけないのですかという意見があったかと思うのですけれども、その後、今その答えということではなくて、もしそれに取りかかっておられるのであれば、簡単な経過の状況でも教えていただけるとありがたいなという、以上2点です。

〔池尾分科会長〕はい。1点目はディスクロージャーのあり方というか、工夫の仕方で、常に一から接する人もいるので、それに対して、そういう配慮も必要だということで、それは意見として承って検討していただくということで。

それで、2点目についてはいかがですか。

〔谷内資金企画室長〕2点目でございますけれども、まさに昨年、川村委員から政策コストを一定の率で示せないか、指標のようなものができないかという御意見をいただき、これについては勉強を続けているところでございます。同じ会合の中で、小枝委員からはIRRのようなものではないかという御意見もいただきましたので、これを含めて、幅広い角度から検討をしてまいりましたところ、やはり、一つの指標としてとらえるとすれば、IRRを用いた手法が近いのではないかということで、具体的には、国が既に拠出している出資金を元本と仮定いたしまして、それをもとに、キャッシュイン、キャッシュアウトという形で将来にわたって収支が展開され、国としての利益あるいは損失が生じていくということを前提といたしまして、現在の政策コスト分析の枠組みの中でそれを計算するとどういう数値になるのかというのを、とりあえず全ての機関を算出してみたりしております。そういたしますと、今の枠組みとの不整合ですとか、あるいは各機関について個別の説明がしっかりとできるのかといったところで、課題も見えてきておりますので、検討を重ねているというところでございます。ここまでのところで分かってきているのは、今日の説明でもそうでしたけれども、機会費用が政策コストに非常に大きな影響を与えるものですから、この部分とIRRとの関係がうまく整理できるのかという点が当面の課題となっております。それらを含めまして、そもそも公表に耐え得るものなのかどうかという点につきましても、引き続き、幅広く勉強してまいりたいと考えております。

〔川村委員〕大変、ただでさえお忙しい中ありがとうございます。引き続きよろしくお願いできればと思います。

〔池尾分科会長〕中里委員、お願いします。

〔中里委員〕よろしいですか。どうも、丁寧な御説明ありがとうございました。

資料2−1の政策コスト分析のことについて、3つお話をさせていただきたいと思います。最初の話は、毎年のお願いで、かつ谷内室長からも丁寧な御説明がありましたので確認だけですけれども、この政策コストの変化の相当程度は出資金の機会費用であって、これは12月22日時点のスポットでの金利がどうなっているかということに依存するわけですよね。要するに期中の平均的な金利とも合っていないかもしれないわけで、その意味では、これはそういう趣旨のものであるということをやはりきちんと理解した上で受けとめてもらわないといけない。そこはきちんとさらに丁寧に説明していく必要があると思います。

それはそういう形なのですが、さは然りながら、金利の話というのはやはり気になるわけで、先ほど中島委員からもお話がありましたけれども、これから金利の状況がどうなるかということは非常に注視していかないといけないところです。そのときに、各機関が金利リスクを全くとらないようにできるかとなると、これは財政投融資の性格上、それは無理で、そういうことはできないわけですが、デュレーションを合わせられるような工夫をすれば、合わせられるようなところがあれば、その部分は金利リスクを必要以上にとる必要はないわけなので、そこは先ほど説明資料の中にもあったように、デュレーションギャップの縮小に向けて工夫ができるところがあれば、そのような対応は引き続き進めていく必要があると思います。

3点目は、7ページのところ、経年の比較の分析のところなのですけれども、これを見ていると、事業系の機関について、やはり経年の比較をするとコストが増になっているところが一部あるわけです。今、審議全体のウエートからすると、やはり官民ファンドなどで注視していかないといけないところがあり、そうすると、もちろん限られた審議時間の中で見ていかないといけないので、産投のことが議論の中心になるとは思うのですが、ただ、事業系の融資についても新たな事業の追加があり、こういう形でコストが増えているところもあるので、やはり事業の進捗状況等についてある程度モニタリングをきちんとしていく必要があると思います。

以上でございます。どうもありがとうございました。

〔谷内資金企画室長〕御意見の2番目のALMに関しましては、先ほど橋本のほうからも御説明いたしましたとおり、財政融資資金が抱えているリスクは、金利変動リスク以外にもいろいろとあるのではないかということで、今、外部に委託をいたしまして全般的に検証作業を行っているところでございます。御意見も踏まえまして、今後のあり方につきまして勉強していきたいと考えております。

また、新規事業がコストの増加につながっているという点につきましては、まさにそれぞれの事業に付随するような補助金ですとか出資金がございますので、この辺のモニタリングに関しましても財投編成を通じてしっかりとチェックしてまいりたいと考えております。

〔池尾分科会長〕ほか、いかがですか。

出資金の機会費用という話なのですけれども、事前に説明していただいたときも少し申し上げたのですけれども、国のバランスシートを考えると、出資金が資産に乗っていて、負債として国債があるわけですよね。だから、出資金を回収したら、その分国債の残高を減らせるわけで、だから財投機関に直接追加的にお金が入るわけではないけれども、国債の利払費がやはり増えるという現実的な負担が国としては発生するということなので、金利が1%上がって5.4兆円、これはもう利払費が上がるという形で負担は実際に生じるので、何か観念的なものではなくて現実的な負担だと私は理解しています。

よろしいですか。

それでは、委員の方々から一通り御質問、御意見等いただきましたので、ほぼ予定の時間になりましたので、本日の議論はこれまでということにいたしたいと思います。

今日御議論いただいた内容のほかに、追加の御意見や御質問等がございましたら、いつも申し上げておりますが、事務局までお寄せいただければ対応していただけると思いますので、よろしくお願いいたします。

それから、これもいつも申し上げていることですが、本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクが行われます。そして議事録につきましては、委員の皆様方の御了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載いたすことになります。

それでは、本日は御多用中のところ御参集いただき、熱心に御議論いただきまして、まことにありがとうございました。これで閉会といたします。

10時25分閉会

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