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財政投融資分科会(平成30年6月22日開催)議事録

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財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録

平成30年6月22日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第

平成30年6月22日(金)13:30〜15:01
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開 会

  • 2.平成29年度地方公共団体の財務状況把握等の結果について

  • 3.財政融資資金等の実地監査について

  • 4.スポット監査について

    質疑・応答

  • 5.産業投資の管理運営についての検討の進め方

    質疑・応答

  • 6.閉 会

配付資料

資料1平成29年度地方公共団体の財務状況把握等の結果について
資料2財政融資資金等の実地監査について
資料3スポット監査について
資料4産業投資の管理運営についての検討の進め方(案)

出席者(敬称略)

分科会長

池尾和人

木原財務副大臣

太田理財局長

古谷審議官

冨安財政投融資総括課長

木㔟管理課長

橋本計画官

廣光計画官

谷内資金企画室長

松田財政投融資企画官

委員

川村雄介

土居丈朗

臨時委員

冨田俊基

冨山和彦

林田晃雄

渡部賢一

専門委員

中島厚志

沼尾波子


13時30分開会

〔池尾分科会長〕それでは、定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたしたいと思います。

土居委員は遅れると連絡を受けております。

本日は、平成29年度地方公共団体の財務状況把握等の結果、財政融資資金等の実地監査、それからスポット監査の以上3つの定例報告をしていただきますが、それに加えまして、前回ご議論いただきました産業投資の管理運営についての検討の進め方を加えまして、4つの議題について、御審議いただきます。

本日は木原財務副大臣に御出席いただいております。

議事に移ります前に、理財局に異動がございましたので、事務局より御紹介をお願いしたいと思います。

〔冨安財政投融資総括課長〕人事異動につきまして、お知らせいたします。

次長の市川が昨日21日付で日本政策金融公庫に転出いたしました。また、6月4日付で、総務課長に井口が着任いたしました。なお、本日は次長不在のため、審議官の古谷が出席いたしております。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、平成29年度地方公共団体の財務状況把握等の結果を廣光計画官から、それから、財政融資資金等の実地監査を木勢管理課長から、それからスポット監査を橋本計画官から順次説明をお願いしたいと思います。

まずは、廣光計画官より御説明をお願いします。

〔廣光計画官〕計画官の廣光です。私から資料1を御説明します。

まずは、財務状況把握についてでございますが、2ページを御覧ください。2ページは財務状況把握の概要、流れを示したものです。財務状況把握は、財務局等において、財政融資の償還確実性を確認する観点から、地方公共団体の財務状況を把握しているものです。ヒアリング実施団体には、診断表を交付することで、財務健全化に関するアドバイスや、財務状況悪化に対する事前の警鐘を発しています。

中段の図はその流れを示しておりまして、オフサイトによるモニタリングやヒアリング実施団体の選定。オンサイトによるヒアリングの実施。その後の診断表の交付といった流れとなっております。交付した診断表につきましては、各自治体のホームページでの公表を促しておりまして、公表している団体は3割程度となってございます。

3ページを御覧ください。分科会からいただいていた御指摘でございます。財務状況把握の充実では、@のモニタリングの充実として、経年比較による財務指標や計数の分析・検証の充実や、Bとして類似団体との比較など、診断表の内容の改善などがあげられております。また、都道府県向けヒアリングについては、財務状況把握の枠組みの構築を図るため、ヒアリングの実績を積み重ねることとされております。また、財務状況把握の活用においては、団体と接するあらゆる機会を活用し、財務状況把握の活用の促進に努めることとされておりまして、昨年の分科会でも住民や議会に対する活用を進めるべきとの御指摘がございました。

4ページへお進みください。4ページからが29年度に実施した財務状況ヒアリングの結果の概要でございます。まず市区町村ですが、24年度から5カ年で全市区町村を概ね一巡するようヒアリングを実施しました。29年度からは団体の財務状況に応じてヒアリング頻度を変更するメリハリ付けを行いまして、277団体にヒアリングを実施しました。

団体の財務状況について、債務高水準、積立低水準及び収支低水準の類型で、診断基準への該当状況を確認してございます。29年度のヒアリング実施団体のうち、財務上の問題に該当した団体は、中段の表にありますとおり55団体でありました。ちなみに28年度が333団体ヒアリングして、43団体に問題あり。29年度が277団体で55団体ですから、ここにメリハリ付けが表れておりまして、これは財務局等から見れば、行政資源の効率的な活用。自治体から見れば、負担の軽減に資するものでございます。

5ページへお進みください。29年度のヒアリングで、財務上の問題に該当した団体について、ヒアリングで把握したその主な要因を3つの類型に分けて記載しております。

@の債務高水準の要因ですが、道の駅などの整備のために地方債を発行したことや、土地開発公社の保有する土地の処分が計画どおりに進まなかったことにより、多額の負担見込額を計上し、債務高水準となった事例が見られました。

続いて、積立低水準の要因ですが、施設整備の財源として基金の取崩しを行ったほか、扶助費の増加により収支状況が悪化し、その補テンのために基金を取崩したことにより、積立低水準となった事例が見られました。

3つ目の収支低水準の要因ですが、子ども医療費助成の対象年齢の高校生までの拡大や、がん検診の無料化などから扶助費等が増加し、収支低水準となった事例が見られました。

これらの要因は、それぞれは地方自治ですから、おやりになってもよいことなのですけれども、財務状況も踏まえてよく考えていただく必要もあるのではないかとの指摘をさせていただいております。

最後に都道府県についてですが、分科会からは「枠組みの構築を図る」と指摘されているものですが、28年度までに一巡しましたので、29年度から新たに意見交換で把握した財務状況などを取りまとめた財務状況把握の結果概要を団体に手交しております。手交した団体からは、類似団体との比較分析が有用であるとのコメントをいただいております。

6ページを御覧ください。市区町村全体の10年間の財務指標の推移を示したものでございます。上段の表の財務指標の推移を見ますと、債務償還可能年数、実質債務月収倍率、積立金等月収倍率の3つの財務指標はよくなってきていることが確認できます。これは下の3つのグラフのうち、一番右の実質債務の推移のグラフを見ていただきますと、地方債現在高は概ね横ばいとなっておりますが、積立金等の残高が増加しており、これにより実質債務が減少していることによるものです。

他方、財務指標の行政経常収支率を見ますと、悪化傾向となっておりまして、28年度は11.4%とこの10年間で一番低くなっております。これは中央のグラフ、行政経常支出の推移を見ていただきますと、主に扶助費の増加、一般財源が当たる経費で見ますと、社会福祉、なかでも障害福祉や児童福祉の増などが効いているのですが、その増加に伴いまして、支出が収入の伸びを上回り、行政経常収支率が悪化傾向となっているものでございます。我々資金の貸し手としてみれば、今後とも一段と効率的な行政運営に努めていただく必要があるということになります。

7ページを御覧ください。財務状況把握を通じた財務局の地域での機能向上・発揮の取組について、御紹介いたします。

まず一番上の財務状況把握の活用の促進についてですが、これには分科会からもしっかり取り組むようご指摘を受けておりますが、上の2つの事例は後ほど詳しく御紹介しますので、3番目の東海財務局の事例です。団体に診断表を交付したところ、首長から職員向けの説明会の開催依頼を受け、団体の財務状況に関する職員説明会を開催したものです。東海財務局では、説明に使用した資料をサンプルとして他団体の診断表交付時に紹介し、説明会の開催を勧めるなど、横展開も図っております。

次にヒアリング等を通じたアドバイス機能の発揮です。四国財務局では、ヒアリングを通じて収支計画の策定を慫慂しております。団体からは作成に前向きな反応が示されており、今後四国財務局では収支計画の策定に向けて、フォローアップをしていくことにしております。

8ページにお進みください。財務状況把握の活用促進の事例として、先ほど職員向けというお話をしましたが、これは地方議員全議員に対する診断表の説明を初めて行った事例です。熊本県南関町の事例になります。南関町の財務状況は、現状財務上の問題はないものの、人口1人当たりの扶助費等が類似団体と比較すると高い水準にあり、それらを記載した診断表を説明したところ、町長が診断表に関心を示されました。

そこで、左下の枠の中の2つ目の黒丸のところですが、九州財務局から町長に対し、町議会議員への診断表の説明を提案したところ、第三者の立場から財務状況を説明すれば、町職員から説明するよりも納得感が得られるのではないかと同意が得られたものでございます。4月の説明会では、議員からのコメントの後段になりますが、扶助費等の抑制に繋がる良い取組事例があれば教えてほしいといった要望もあり、これにつきましては、これももともとは和光市から横展開されてきたものですが、大分県の自立支援型ケアマネジメント、地域ケア会議を御紹介するなどのやりとりがあったとのことでございます。

9ページを御覧ください。9ページは住民に対する診断表の説明を初めて行った事例です。岩手県矢巾町の事例になります。矢巾町では、特色ある取組になりますが、未来の人間になったつもりで意見交換を行うフューチャーデザインの手法を用いた住民参加型ワークショップの取組により成果を上げてきているとのことです。

30年度は矢巾町にとって、総合計画の策定に着手する時期に当たり、フューチャーデザインの手法も活用しながら、住民の意見を幅広く取り入れ、施策の検討を進めることとしております。左下の枠の2つ目の黒丸のところですが、当方から町に対し「診断表を活用して町の財務状況を住民に説明した上で、総合計画を議論すれば、より実効性のある計画となるのではないか」と提案したものです。5月に行われた説明会では、住民23名に対し、初めに財務省側から町の財務状況について説明。次に矢巾町から総合計画の考え方について説明があり、その後住民を4つのグループに分け、2回議論が行われました。1回目は通常の意見交換として、2回目は2048年の人間になったつもりで議論を行いまして、1回目の議論では身近な要望が多く出され、一方で2回目の議論では「30年前にあれをしておけば良かったな」といった観点から様々な意見、例えば「将来のために今から税を上げてもよいのではないか」といった御意見もあったとのことでございます。

10ページにお進みください。10ページは矢巾町での説明で使った資料を参考までにつけてございます。分科会の御指摘でもありましたが、経年比較で見せること、類似団体との比較を見せることがポイントになってございます。11ページをご覧ください。11ページも矢巾町で使った資料でございます。

今後とも診断表の内容の充実に取り組みつつ、診断表が有効に活用され、地域の中で財務局の活動がより高い価値を生み出すよう取り組んでまいります。特に市区町村執行部に財政への問題意識のある場合、第三者として財務局から客観的な診断を、議会や住民などに示すことには可能性があるように思います。「地方自治は民主主義の学校である」ではないですが、これもささやかではありますけれども、財政教育に資するものだと言えば言い過ぎでしょうか。

12ページへお進みください。補償金免除繰上償還に係る財政健全化計画等のフォローアップ結果について、御報告いたします。

13ページを御覧ください。地方向け補償金免除繰上償還でございますが、平成19年度から24年度に地方公共団体の厳しい財政状況に鑑みて、6年間にわたり実施しました。地方公共団体は、この繰上償還を実施するに当たり、5カ年の財政健全化計画を策定しております。29年度におきましては、24年度に提出された計画について、28年度実績に基づいてフォローアップを行いました。全ての計画の計画期間が満了しましたことから、今回でフォローアップは終了となります。

14ページを御覧ください。29年度のフォローアップの結果でございます。左下に一覧でお示ししておりますけれども、142計画について実施しましたところ、全ての計画がaまたはcの目標達成のところに位置してございます。

15ページを御覧ください。全ての計画の計画期間が満了しましたことから、フォローアップの最終の結果を取りまとめてございます。平成22年度から24年度の臨時特例措置におきましては、全ての計画がaまたはcの目標達成のところに位置しております。ちなみに右側に前半3年間の繰上償還のフォローアップの結果を示してありますがが、前半に比べ後半のほうはaの割合が増えているのが分かります。これは前半の計画がリーマンショックや東日本大震災の影響を直接受けていたこともあるものと思います。その上で、臨財債の発行であるとか、耐震化であるとか、災害復旧などでcとなったものが後半で455計画あったということになります。

フォローアップ結果については以上でございますが、最後に関連して、22ページに資料をつけてございますが、昨年11月の分科会で御議論いただいた上下水道コンセッションに関する繰上償還についてでございますが、所要の法案がさる6月13日参議院本会議で可決成立したところですので、御報告いたします。関連する水道法の改正案がまだ成立しておりませんが、本件につきましても順次、執行、フォローアップに移ってまいります。

私からは以上でございます。ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、引き続き木勢管理課長からお願いいたします。

〔木勢管理課長〕管理課長の木勢でございます。よろしくお願いいたします。

私からは資料2の財政融資資金等の実地監査について、御説明させていただきます。

まず2ページをお開きください。法人等監査の概要及び実施状況です。理財局では、公的資金の貸し手として、平成17年度から財投機関に対して監査を実施しており、29事務年度におきましては、下表の左の欄にあります3機関に対して実施しております。

そこで、3ページを御覧ください。各機関の監査結果の概要でございます。最初に国立病院機構でございます。当機構は現在142病院を運営しております。監査結果ですが、まず経営改善に向けた取組として、28年度決算では86病院が経常赤字となり、法人としても機構発足後初めて経常赤字となっております。

こうした中、経営改善に向けた取組として、各病院は経営改善計画を策定しておりますが、その達成率は十数%と大変低く、また事前・事後の検証が不十分な事例が認められました。そのため、30年度計画を策定する際には、十分な検証を行うとともに、本部等による進捗管理の強化を求めております。

次に、地域医療構想への対応につきましては、地域ニーズに合致した適切な対応を求めております。そのほかに業務の適正な執行として、医業未収金について、長期にわたって督促されていない事例が認められましたので、契約事務とあわせて所要の改善を求めております。

次に4ページを御覧ください。海外交通・都市開発事業支援機構でございます。JOINは、平成26年度に設立された官民ファンドです。

監査結果ですが、まずモニタリング結果の評価・検討についてです。機構では、定期的にモニタリングを実施しておりますが、個別案件の評価に係る判断基準が定性的なものにとどまっているほか、評価結果を踏まえた事業の見直しなどの判断基準が明確なものとなっておりません。また、評価の決定プロセスにおいて、評価結果が変更された場合の理由等が記録されていないため、事後の検証が困難となっています。そのため、モニタリングに係る判断基準の明確化及びモニタリング結果の評価決定プロセスについての検討を求めております。

次にポートフォリオ管理についてです。為替リスクにつきましては、必要に応じて軽減を図る仕組みの検討を求め、また、ポートフォリオにつきましては、国別、セクター別、通貨別に残高を管理していますが、構成割合についての目標や方針を定めておらず、結果としての残高管理にとどまっていることから、ポートフォリオを適時適切に見直すことが可能な仕組みの検討を求めております。

次に5ページを御覧ください。食料安定供給特別会計です。国営土地改良事業を行っております。

監査結果ですが、「無権原用地」の処理が進んでおりません。「無権原用地」とは、1行目にありますけれども、事業により設置した施設に必要な区分地上権などの権利の設定が完了していない土地を呼びますが、その処理の着実な実施を求めております。

以上が平成29事務年度の法人等監査の結果でございます。

なお、昨事務年度に実施した監査先のフォローアップを、14ページ以降に参考資料として添付しております。説明は省略させていただきますが、全て改善済みとなっております。

続きまして、7ページを御覧ください。地方公共団体に対する実地監査の概要及び実施状況です。全国の財務局・財務事務所では、資金の使用状況や公営企業の経営状況について、実地で確認しております。また、28年度からは本省と財務局が連携した監査を実施しております。具体的な取組につきましては、後ほど9ページで御説明いたします。

最初に29年度の実施状況でございます。上段ブルーの表の公営企業の経営状況ですが、B、C欄にありますとおり、408企業に対し監査を実施し、改善を求めた先は4企業となっております。

次に下段の貸付資金の使用状況等ですが、256団体に対し実施し、改善を求めた先は11団体となっております。この11団体につきましては、後ほど12ページで御説明いたします。

8ページを御覧ください。これは、今ほどのブルーの表の公営企業の監査先408企業について、取りまとめたものです。

まず、図の1は料金による経費の回収率を示したものです。青色が回収率100%以上の企業を示しており、足元の経営状況は上水道事業が比較的良いことが分かります。

図の2は、図の1のうち、上下水道事業について、個別企業の回収率を、上水は青、下水は赤で示したものです。グラフのピンク色の部分が、収支相償が達成されていないことを示しております。

図の3は、上水道事業の規模別の料金回収率の状況です。給水人口が多いほど、回収率が高い傾向にあり、広域化のメリットが示唆されているのではないかと思われます。

そして、図の4は、病院事業の病床利用率と医業収支比率の状況です。通常、病床利用率が高まれば、医業収支比率にはプラスに働きますが、そうでない病院も見られます。監査におきましては、個々の病院の背景や地域における役割についても十分確認する必要があると考えております。

次に9ページをご覧ください。病院事業における連携監査です。病院事業の連携監査につきましては、28事務年度から2カ年度にわたり実施し、課題や取組について、監査先と認識を共有してきたところです。そこで、中段から次のページにわたり、監査で把握した課題や取組、今後の監査の視点について、3つの観点から取りまとめております。

まず、(1)の病院間の役割分担と病床機能の再編についてです。具体的事例にありますとおり、地域包括ケアシステムが機能している事例や、2つ目の丸にありますが、合併により増加した病院間の連携が進んでいない事例が見られ、監査におきましては、病床機能の転換などは、経営にも大きく影響しますので、地域医療構想を踏まえた取組状況の確認が重要であると認識しております。

次に10ページを御覧ください。(2)の経営形態につきましては、企業団や指定管理者制度により運営されている病院事業についても監査を実施いたしました。特に指定管理者制度におきましては、指定管理者は財政融資資金の借入者ではないため、直接監査できないことから、自治体によるガバナンス機能の実態の確認が重要となります。

そして、(3)の医業未収金です。概ね適正に管理・督促が行われておりましたが、2つ目の丸にありますように手つかずの状態となっていたところもございました。例えば、毎月通院しているにも関わらず、複数年の未納があるなど、モラールハザードも見られました。未収金の管理におきましては、未然防止と早期対応が重要であり、そのための体制整備がなされているかが大切な視点となります。

また、16ページの参考資料、いちばん最後のページになりますけれども、そのページでその他の課題や取組事例として、1番目に病棟の建替え、2番目に経営管理、そして3番目に医師等の確保といった観点からも取りまとめております。

10ページにお戻りいただき、いちばん下の囲みでございます。平成30年度におきましては、このような取組や監査の視点を取りまとめて財務局にフィードバックすることで、監査内容やアドバイス機能の充実を図ることとしております。

次に11ページを御覧ください。上水道事業の監査についてです。上水道事業につきましては、足元の経営状況が良好であっても、人口減少に伴う料金収入の減少や、施設の老朽化が進行する中、更新が進んでいないといった課題があります。そうしたことを踏まえ、29年度から財務局では全監査件数に占める上水道事業の割合を引き上げるとともに、本省におきましても財務局との連携監査を実施したところです。今後2年かけて、上水道事業について、実施していく予定でございます。

下段に主な着眼点と監査結果を取りまとめております。課題にありますように、単年度に確保できる財源や事業規模に限りがある中、対応欄になりますが、施設の統廃合や業務委託、広域連携等による費用の抑制や料金改定を検討している企業が見受けられました。

最後に12ページを御覧ください。貸付資金の使用状況等の監査における指摘事例です。左の円グラフは7ページ、下段の表にありました改善を求めた11団体を分類したものでございます。そして右側に代表的な事例を3つ挙げております。事例1が対象外事業費である備品類の混入による借入超過で、ここではカーテンや電子レンジなどが入っておりました。そして、事例2が事業費の過大計上による借入超過。事例3が控除財源の過小計上による借入超過など、不適切事案が認識されており、左側に措置別の円グラフがありますが、借入超過が100万円以上のものについては、繰上げ償還を求めております。

以上で、実地監査についての説明は終わらせていただきます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、次に橋本計画官からお願いします。

〔橋本計画官〕資料3に基づき、スポット監査について、御報告申し上げます。

まず1ページ目を御覧ください。スポット監査は、従来の実地監査に加えまして、時々の重要テーマにポイントを絞って実施しているものでございます。

本年は昨年の分科会におきまして、JOGMECの資産買収出資につきまして、ご議論いただいたところでございまして、その機構の投資案件に対するモニタリングリスク管理に関する取組状況について、監査を実施いたしました。

4ページの参考の図を御覧ください。3つの着眼点に基づきまして、監査及び指摘をしております。

まず着眼点1でございますけれども、事業部門におきまして、十分な頻度で投資先に対し事業の進捗等に関する報告を徴求しているかという問題意識でございます。

監査結果ですが、一部の投資案件におきましては、資金計画や事業報告書の徴求頻度は四半期となっておりました。したがいまして、投資先に対しまして、月次で事業の進捗状況に関する報告を徴求するよう、必要な内部規定を整備することと指摘をさせていただきました。

続いて着眼点2でございます。投資先が策定する事業計画につきまして、投資の収益性評価等十分に行った上で審査承認しているかという観点から監査いたしまして、監査結果でございますけれども、事業年度の途中で年間事業計画の変更を審査する場合においては、投資の収益性について、変更内容を踏まえた再評価をせずに計画変更を承認した事例がございましたので、事業計画を変更する際には、投資の収益性評価に関する審査を実施することとして、収益性に関する影響を確認した上で承認するよう内部規定を改正することという指摘をさせていただくことにしております。

着眼点3でございますけれども、事業部門が案件評価やリスク評価等の結果を踏まえた対策を講じ、適切に実施していることを管理部門において確認しているかということですが、当該事業部門の当該対応方針の実施状況については文書での報告を求めておりませんでしたので、報告を求めることと指摘をいたしたといった次第であります。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、ただいまの3件の定例報告に関しまして、委員の皆様方から御意見あるいは御質問をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

冨田委員、お願いします。

〔冨田委員〕ありがとうございます。

上下水道コンセッション推進のためとするペナルティのない繰上償還の件ですけれども、出資者として国民というか国を見た場合、残余財産に預かる権利を持っているわけです。しかし、補償金免除の繰上償還によって、それがある意味企業の経営とか景気の変動に関わらず、政策的な意思決定で減るわけです。

何を言っているかというと、出資者というのは残余権者なわけですけれども、その性格をどう考えるかという問題。これは、今日後ほどの議論でもある産投出資の問題と関係すると思うのです。

それともう1点は、これまでも申し上げてきたのですけれども、言ってみれば国民の財産、国有財産を市場価値よりも安い値段で処分することになるわけです。もちろんこれは閣議決定した明確な目的のもとにやっているわけですけれども、それで免除された補償金は国からの補助金であって、予算書のどこにも示されずに補助金が出るのと同じなわけなのです。そうすると、それは幾らどういう形で出たのかということを、これまでのペナルティのない繰上償還について、繰上償還額とそれによって国民が失った所得とを併記していたように、やはりどこかに記述しておく必要はあると思うのです。

大正年間の預金部、昭和の運用部、今の財投の前身ですが、かつては伏魔殿のように言われたこともあったのだけれども、財投が後々100年後に伏魔殿と言われないためにも、そういうことを心がけておく必要があるのではないかと思いますので、これは意見として申し上げたい。

〔池尾分科会長〕ほかにさらに。

中島委員、お願いします。

〔中島委員〕御説明、どうもありがとうございました。

個別の話に入ってしまうのですけれども、各機関の監査結果です。これを拝見していると2、3あるのですが、1つは2番目の海外交通・都市開発事業支援機構についてです。この改善検討等を求めた事項を拝見すると、規定の整備だとか、ガバナンスのやり方ということもさることながら、それをこなす人の充足は十分なのかどうかということが疑問になるという点を申し上げたいということであります。

というのは、これは最初のモニタリング結果なのですが、これでも、やった投資について判断基準が明確ではないとか、モニタリング結果の評価決定プロセスが記録されていない等々なのですが、これ自体は、むしろ中身をどういうふうにこなしたか、どう処理したかというところの話になりますので、まさにそういうものをこなせるような専門的な要員をぜひ今後早急に整備していただかないと困る内容ではないかなと思います。

同様にポートフォリオ管理なのですけれども、当然この事業は為替リスクにさらされるわけで、それについて当該リスクの軽減を図る仕組みを検討するということを求められたということなのですが、現在ポートフォリオについて残高管理にとどまっていると。国別、セクター別、通貨別のそれについてどういうリスクがあって、どのようにリスク軽減をやるかということが、この表現からは十分には伺えないのですが、ただ、それが不十分になっているような気もします。

ただ、この点は、為替リスクの管理に精通している人であれば当然行うべき話でありまして、基本的なことがこなされていないという結構深刻な点ではないかなというふうに思います。むしろ、これもガバナンスの仕組み、あるいは規定というよりも、そういうきちっとした要員をしっかり配置しているのかどうかということが疑われかねない内容です。業務自体、事業規模を拝見すると、1,000億円を超えており、産投投資も600億円を超えているという大変大規模なものですので、これについて、専門的な要員が未充足ないしは欠けているというところがあれば、これは早急に整備していただかなければいけないというふうに思います。これが1点です。

それから2点目は、やや言わずもがなのことなのだろうと思うのですが、国立病院機構について、28年度決算で多くの病院が経常赤字、法人としても経常赤字という御報告です。これはもちろん一方では経済状況、あるいは運営状況が、経済環境等々によって左右される面もあると思いますけれども、ただ、これだけ多くの病院が経常赤字になったということは、やはりかなり力の入った形で改革を進めていただく必要があると思います。

病床の削減とか、こういうことについてやられているということはもちろんあると思いますので、カットいたしますけれども、今後とも最初のほうのお話にもありましたが、全体として、中長期的に収支をよくにらんだ上でそこに早くミートするように、一般的でないのかもしれませんけれども、改革を進めるということだけではなくて、スピードアップするような形も是非とっていただければというふうに思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

今の件に関して、補足説明いただけますかね。事務局。

〔木勢管理課長〕まず、JOINにつきまして、為替リスクの把握状況でございますけれども、現在ヘッジ取引等は行っておらずに、配当の留保とか株式の売却時期を見定めることで軽減を図ろうとしています。そこで、現時点の為替での評価だけを行っておりますので、通常行われております将来のシナリオをつくって、それをストレステストなり、感応度分析なりによって、定量的に評価していく。そういったものがとられていないので、まず軽減を図る処置などの仕組みを検討くださいと申しております。

また、病院機構につきましては、赤字病院だけを比べますと、機構発足時に74あったのが、24年度には19になり、そして、現在86と、一度改善をしております。それを、24年度と28年度を比較しますと、職員の増加と設備投資の増加等によって赤字病院が増加しているという状況がうかがえます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕JOINの件なのですけれども、体制自体というか、人員ですよね。特に人員面、それなりの資質・能力を持った人を含めて人員面の体制がしっかりと整備されているのかどうかというのが御質問というか御意見の趣旨だったと思うのですが、その辺で分かることがあれば、補足いただきたいなと思います。

〔木勢管理課長〕それぞれの職員の能力がどの程度あるかまでは、そこはちょっと分かりませんけれども、組織内ではやらなければいけないといった認識は持っているのですが、まだ案件が少ないのでこれから考えていくという状況でございます。

〔中島委員〕すみません。これから案件が少ないから考えていくというのでは少し遅い話で、先ほど申し上げたように事業規模とか財政融資の規模がこれだけ大きくなっているわけですから、これはもうぜひ資質のある方を早急に手配するということが必要だと思います。

〔木勢管理課長〕そういう意味で、指摘をさせていただいたところで、プロジェクト管理部には投資銀行や金融機関からの出向者は4名程度いると伺っています。

〔池尾分科会長〕川村委員、お願いします。

〔川村委員〕すみません。2つあるのですけれども、先に、個別で今たまたまJOINの話が出たので、これは後半の産投の管理運営等の検討に大いに関わってくることだと思うのですが、おっしゃるとおり、例えば投資銀行なり金融機関から出向しているといっても、どの部門から出てきているのか。やはり資金管理財務部門等から出ていないと、なかなかそういう業務はできないということが1つと、それから、一方で、どうしても間接経費が圧倒的に官民ファンドの場合は、間接経費というかコストのほうが先行しているわけです。ある意味で売上げが立たないのに人ばっかりが増えるという中で、これをどうするのだというのは多分現場としても非常に悩みが大きい。各ファンドともそうだと思うのです。

したがって、そういう意味で、後段の議論への1つの具体例として、JOINの現状というのはとても示唆的で、多分各ファンドがいろいろなことをばらばらにやっていて、かつまた人を採用といっても有期雇用なわけですよね。雇用期間の定めがあるものですから、なかなかそういう意味で、優秀な人材をといってもない物ねだりみたいなところがあったりします。多くの場合に、ヘッドハンティング会社に丸投げせざるを得ないと。ヘッドハンティング会社は、ハントするまでは責任を持つけれども、その先全くフォローがありませんから、そういう採用の問題も実は個別では非常に大きい問題として、現実にあります。それをそういう意味で、ではどうするのかというのが多分後段の議論に繋がっていくことではないかなという印象です。

それからもう一つの質問は、地方自治体は最初の財務状況把握。これは非常に有益なことだと考えておりますが、ここで質問というのは、この資料でいくと特に6ページとか全体の改善状況なんかを見ると、一言で言うと、ストックはなかなか改善してきていますと。いわば、この状況が悪い大きな原因は、過去において行われた様々なことがまだ負の遺産で残っている部分が結構ありますねと。それは徐々に改善しているという意味で、指標的にストックはよくなっているのだけれども、他方で行政経常収支といういわばフローの指標が悪化していて、その原因が福祉系の新たな出現に伴うものがどうしても悪くなっていってしまうと。

ということは、一方で過去の負の遺産をどんどん解決していったとしても、他方で今のフローでこういう新たなものが積み上がっているということは、全体的に見ると今後また同じ道をたどるリスクが結構あるのではないかと思うのです。こういうことに対して、これは財投だけで解決できる話ではないのは無論承知していますけれども、このまま放置しておくのはとても怖いなという印象がありまして、これをここでどういうふうに考えていくのか。どの段階からかは分かりませんけれども、例えばこの状況が続いたときに、平成というか2000何年か分かりませんが、どの辺からストック指標もまた悪化していく懸念があるのかというようなシミュレーションをやっておく必要があるのではないのかなという、これは意見というよりは印象であります。

〔廣光計画官〕よろしいですか。

〔池尾分科会長〕はい。

〔廣光計画官〕ありがとうございます。今御指摘があった話で、まずフローの話です。少し説明の中でも触れましたけれども、福祉系の中でも意外と障害福祉や、児童福祉の関係が増えておりまして、実は障害福祉の関係は自治体がその福祉をやるかどうかということについて、決定する権限を持っています。これは財投の話だけではなくて、個別の制度の話になってくると、おそらく財政担当部局も含めてだと思いますけれども、やはり自治体が問題意識をしっかりと持って、財政的なこともよく考えながら、さはさりながら必要な福祉はしなければならないといった状況の中で、どのようにディシプリンを働かせていくのかという課題があるのだと思います。

ですから、我々は貸し手として大くくりな言い方で、「引き続き効率的な行政運営に努めていただく必要がある」という言い方をしましたけれども、細かくみるとおそらく各分野でのミクロの取組が必要だということになります。その上で我々の立場からやっていることを紹介すると、個別の自治体で、収支状況が悪いところについて、先ほども少し紹介しましたけれども、医療費の無料化などの取組について、よく考えていただく必要もあるのではないかという問いかけをしている状況と考えております。

あとは、ストックの話で、積立金が積み重なってきているという話がありましたけれども、分析としては長い目で見ると、普通建設投資が抑えられてきたこともあって、積立が増えてきている面があるわけなので、今後の投資がどのような動きをしていくかということいかんにもよりますので、今後の経済政策とか、地方財政の方向感などをよく見ながら、モニタリングをしていきたいと思っております。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕林田さんから。その次。

〔林田委員〕ありがとうございます。

今、地方自治体の財務状況把握の話が出たのでそれに関連してですが、御説明がありましたように、診断表の活用例が示されていまして、地方議員や住民に開示しているということで、多くの人が財務状況を知るというのは、将来に向けて何が必要なのかということを考えるうえで、非常に意義が深いと思います。

御説明の中にもありましたように、公表している自治体が全体の3割になっています。10年前の議論では確か診断表を一律に開示するのは時期尚早であるということだったと思います。公表が3割という現状の中で、すぐに全部開示するというのは無理かなという気はするのですけれども、例えば人口規模がある程度大きいところは開示するるとか、何か段階的な措置は検討してもいいのではないかなという気がしています。

それから、地方公共団体の財務状況把握の狙いの1つとして、診断表の作成の方法を開示することによって、資金の出し手が大体推測できて、市場の規律を働かせるといったような狙いがあったように記憶しております。地方債等の引受けに関して、資金提供者がどのような活用をしているのかという、何か情報がありましたら、教えていただきたい。これが2点目です。

〔廣光計画官〕ではまず後段のほうからですけれども、マーケットでの活用ということではないですが、民間での取組ということで少し申し上げると、我々がやっているいわゆる行政キャッシュフローと同様の計算をされて、データを公表しておられる取組が出てきています。具体的にはある雑誌になるのですけれども、そうした活動をしておられるところがあり、自治体の関係者の間では、行政キャッシュフローを見ると、我々の自治体はこんな感じになっているのだということはかなり広く認識されるようになってきています。あくまで民間ベースの取組ですが、我々がトリガーを引いたことによって、そうした動きが民間でも出てきているということですので、御紹介しておきます。

あと最初の公表の話なのですが、実は29年度は比較的財務状況が悪いところに集中して、ヒアリング・診断表交付の活動をやりましたものですから、正直申し上げて、公表する自治体が減るのではないのかなと心配しながらやらせていただいたのが実情でございます。その中で例年どおり大体3割ぐらいまでは来ていますので、引き続きまずはできる限り公表していただけるよう自治体を底上げしていくのが基本なのかなと思っています。

と申しますのも、自治体との関係で、信頼関係に基づいてヒアリングをさせていただいていますので、公表が前提だというところから入りすぎると、ヒアリング自体があまりうまく進まなくなって、有益な意見交換ができなくなることはないのか。大事なポイントとして、実のある議論といったところがあったと思いますので、バランスを考えなければならないなと考えているのが現状です。

〔池尾分科会長〕一応よろしいですか。

土居委員、お願いします。

〔土居委員〕今の林田委員の地方自治体の財務状況把握の結果の公表という話で、私も林田委員の意見に基本的には賛成です。できるだけ早く多くの自治体で公表していただくように。最初は誘導なのかもしれませんけれども、だんだん誘導というよりは公表前提というような方向に導いていただきたいなと。と申しますのは、実はこの財務状況把握を始めたころというのは、まさにこの資料1の2ページにあるように、総務省の決算統計。地方財政状況調査が、地方自治体から総務省への報告というのはあるのですけれども、それが国民に公表は全くされていなかったと。ところが今はもう、総務省はもう全部1990年以降過去の分も含めて公表をしていると。かなり即時性があって、ほぼ決算統計が出そろったところで、国民にも全部見えるような形で公表をしているというわけですから、既にこの財務状況把握のガイドライン、作成方法も理財局から公表されています。なので、今までだと情報公開請求とか複雑な方法をしなければ、なかなか理財局がやっているとおりの数字というのは、一般には出せないということだったのですけれども、今はもう、もとのデータは公表されているし、計算方法も理財局から公表されているので、いつでも誰でも完全に復元できるというような状況になっているわけです。

そういう意味では、時間の問題なのだというふうに捉えていただいて、自発的な取組に今は委ねたいという廣光計画官のおっしゃっていることは、それも私も重視しますけれども、そうは言っても悠長にはしていられないというか、別に隠すまでもなく国民は復元しようと思ったら復元できるという状況にあるのだということを、極端に言えば近隣団体、類似団体の比較も財務状況把握の手法を使ったら普通の人でもできる状況に置かれているのだということを自治体の方々にもお示ししつつ、できるだけ早い時期に全ての団体が財務状況把握について公表する方向で取り組んでいただきたいと思います。

それから、先ほど川村委員からのお話がありましたけれども、川村委員の御指摘はまさにこれからの地方自治体の悩みを見事に言い当てたところだと思うのです。けれども、さはさりながら、我が国の地方財政というのは国からの財政移転に多く依存しているところがありますので、国の財政移転次第で、川村委員の御指摘のような各市町村の債務ストックのほうへの影響は顕著に出てくるだろうと。極端に言えば、親亀がこけたら子亀もこけると。国の財政がだめになったら、地方財政もだめになるというような面があるので、やはり地方財政だけよくなっていればそれでいいとはさすがに言えないということなのだと思います。ですので、計画官からのお答えもありましたけれども、まずは実質的に取り決める、裁量的に地方自治体が判断できる、そういうところの支出を効率化していただくということが非常に重要だなと思います。

それで、1点だけ付け加えさせていただくと、今年度から国民健康保険が都道府県単位化されましたので、市町村はこれまで、今も形式的にはそうですし、財政運営の主体ではありますが、法定外繰入れを、一般会計から国民健康保険の特別会計にしていて、ややもすると保険料を抑えるために繰り入れたという市町村もあったように聞いているわけでありまして、そこは裁量的に法定外繰入れは許されていたと。けれども、基本的に都道府県単位化される過程で、これからはできるだけ法定外繰入れをしないようにするという方向になっているということですから、国民健康保険の財政はしっかり収支尻を整えていただく必要はあるのだけれども、過剰に税財源を使って社会保障費を膨らませるというようなことのないようにする。そういう意味において、1つの方法としては、この法定外繰入れはできるだけ早期になくすことを市区町村には取り組んでいただくということを通じて、扶助費がより大きくならないようにすることも可能なのではないかと思います。

〔池尾分科会長〕沼尾さん、お願いします。

〔沼尾委員〕地方公共団体に対する財務状況把握の件なのですけれども、今、どこの自治体も財政状況がかなり厳しい状況ですので、とにかくそれをできるだけ分かりやすく伝えていかなければならないというようなことは、財政の将来見通しに対する危機感とともに、相当意識しておられると思います。

そこで財務状況把握をどう活用していくかというときに、この矢巾町の例のように、住民のディスカッションに使っていくという形で、有効に活用されたというところは意味があるのだと思います。

ただ、他方で、公表が3割になっているということの1つの理由は、総務省のほうでも、地方財政状況調査をやっていて、先ほど土居委員からお話もあったとおり、それが総務省のホームページにも県のホームページにも、それぞれの市町村のホームページにも出ているときに、もう一方で財務状況調査の把握を載せるというときに、両者はどう違うのかとか、どういうふうに使い分けていけばいいのかとか、そういったところをなかなか説明していくことが自治体のほうでも非常に難しいと。そのときに、それをどうしていくかという課題はあるだろうと思います。

他方でストックの問題については、既に公共施設等総合管理計画の策定が終わっていて、それぞれの自治体で今後どれぐらいストックの維持更新に費用がかかるのかというところは一応形式的には計画が策定されているという中で、今後の更新投資も含めた財政需要に対して、中長期的な財政計画をどういうふうに立てていくかというところで、総合計画を検討している自治体も非常に多いという印象を持っています。

そうであれば、この財務状況把握の結果について、自治体が今中長期的な財政見通しを踏まえた計画策定を考えながら動いているときに、どういうふうに、例えば総務省と連携して、あるいは自治体にとって有用な形でシェアしていけるのかというところをもう少し、協議をするというような形で模索をしていくことが大切なのではないかと思います。

実際にある自治体でも、「ホームページで財政のところに、これまでの総務省の資料と同時にこれを出したのだけれども、それが並列して載っているのですが、これはどう違うのですか」というような質問もあるというところで、これを分かりやすく伝えていくために、自治体が活用できるようにしていくにはというところで、何かいい形で議論ができないかというようなことを感想として持ちました。

それから、あともう1点だけ申し上げますと、後段のほうで、病院と水道事業に関して、今後の監査のあり方についての御意見というのが載っているのですけれども、病院の場合に確かに今後の地域医療構想を含めて病院としての経営というのを考えていくとして大変重要なのですが、特に地方圏の場合には、実は医療機関というのが単なる医療機関だけではなくて、そこが地域のコミュニティーのプラットフォームであったり、あるいは介護の機能ですとか、非常に多様な見守りも含めて役割を担っているというところも含めて、これをどういうふうに運営上も考えていくのかというような視点も非常に重要ではないかなという印象を持ちました。

それから、水道事業の場合にも、今広域化と、あと民営化ということで、先ほど出たコンセッションの話も含めて議論はされているのですが、この国の急峻な国土構造というのを考えたときに、広域化をしていくというところで、ある意味効率的になる地域もありますが、必ずしもそうならない、なりにくいところもあったりですとか、あるいは合併したところで従来の施設が地域によって当然違うものもあったりするので、そのあたりもぜひ地域の特性ですとか事情も含めた形での検討というところで、やはり広域化、官民連携というところを全面的に出すということではなくて、それぞれの対応のあり方というのも考えていくということが大事ではないかと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

時間的に押してきているので、このあたりで監査関係の質疑は終えたいと思うのですが、特に追加で。

それで、1点だけ確認したいのですけれども、最初に冨田委員がおっしゃったことですが、上下水道コンセッションの関係で、補償金免除繰上償還に伴う損失の明示化だけではなくて、コンセッションということを行うことで、実質的にどういう補助金効果が生じているかというか、コンセッションの枠組み全体における様々な、インプリシットに発生している補助金の額を明示的に全部明らかにすることが必要だということをおっしゃったということ。

〔冨田委員〕直接に国民の逸失利益を計上する、きちんと示す必要があるということです。メリットのほうはなかなか難しいと思うのです。

〔池尾分科会長〕それは、だから繰上償還についてのところだけの話をされたのですね。

〔冨田委員〕はい。対象金額と。

〔池尾分科会長〕分かりました。どうもありがとうございます。

それでは、次に前回議論していただいた継続ですが、産業投資の管理運営についての検討の進め方につきまして、橋本計画官より御説明をお願いしたいと思います。

〔橋本計画官〕それでは、資料4に基づき、産業投資の管理運営についての検討の進め方(案)について、御説明申し上げます。

前回5月31日にも申し上げましたけれども、本検討は30年度編成、昨年秋の当分科会において、皆様方から官民ファンドをはじめとする産業投資のあり方について、様々なご意見をいただき、特に冨山委員には、11月に文書でも御意見をいただいたことを踏まえまして、産業投資の管理運営全般について検討を進めたいとの考えから始めさせていただいたものです。

まず、1番、検討のスケジュールです。前回5月31日にお示しさせていただいておりますけれども、本年末までは、31年度編成中に検討する事項について、対応をしてまいり、来年の6月末までに下記3ポツにあります検討項目について、取りまとめていきたいと考えております。

2.検討の基本的考え方でございますが、産業投資は国庫納付金などを再投資に回し、資金供給を行っていく仕組みであり、長期に耐えることができる資金であるという特徴を生かして、民間金融機関を補完するものですが、近年出資等が投資の原資として行われる場合が増加していることから、それに対応したストックにも重点を置いた管理運営手法を検討してまいりたいと考えております。

3.検討項目(案)でございます。1番目、産業投資の経緯・原資の性格等でありますが、産業投資の歴史的経緯を踏まえつつ、原資の性格や使途について、整理をして参る、前回委員の皆様方からの御意見を踏まえて入れさせていただいた項目でございます。

2番目、投資の原資としての出資の管理運営であります。こちらも、前回皆様方のご意見の中で、主として官民ファンド。あるいはその他の出資に関しての御意見が多かったものですから、順番を前のほうに出させていただきました。

@基本的考え方。我が国のリスクマネー供給において、産投が果たすべき役割を重点的に取り組むものを整理しつつ検討すべきではないか。その上で、産業投資としての成功の意味を投資の性格ごとに明確化し、それに応じたガバナンスのあり方を検討すべきである。

2番目のポツですけれども、官民ファンドについては、官からの出資は時限的であることを踏まえて、民間ファンドの発展に資する観点も必要であり、収益性と政策目的のバランス等機関ごとに検討すべきではないか。

3番目のポツですが、投資業務に携わる人材の育成やネットワークの観点というのは、民間のリスクマネー供給のエコシステムを形成するために重要ではないか。

続きまして、投資の資金としての性格上、意思決定の機動性等を一定程度確保すると同時に責任の所在を明確化したガバナンスについて検討すべきではないか。その際、出資金の資本コストについても考慮すべきではないか。

また、投資の所要額と財源としての投資収益等が一致しない場合があることから、産業投資の予算・執行管理についても検討すべきではないか。

ページをおめくりいただきまして、2ページ目、Aでございます。出資時点での条件について。収益の責任を明確化する観点から、出資時に機関との間で損益配分等の条件を設定することを検討すべきではないか。また、官民ファンドの役職員の報酬について、インセンティブと責任が組み込まれたガバナンスについて、検討することを求められないか。

B出資後の管理についてですが、財投機関に対して行うガバナンスについて、主務省の関与の位置づけや機関内部のモニタリング体制の整備を求めることを含め検討すべきではないか。

Cその他の課題です。官民ファンドの収益性については会計検査院や官民ファンド幹事会での検証が行われているところでございますが、こういったものに対して、各機関や主務省が適切に対応しているか、私どももフォローアップすべきではないかと。

(3)は、出資以外のその他の出資の管理運営でありますが、政策金融機関につきましては、政策金融機関のリスクバッファー等となっている産投出資について、当該業務の状況を定期的にレビューし、既往出資の扱いを適切に管理する枠組みを検討すべきではないか。A独法のところも同旨でありますが、独法については3から5年の中期目標期間中における既往出資の管理のあり方を検討すべきではないか。

最後に4番目、論点のうち31年度編成中に検討する事項でございます。

まずアですが、アは主に(3)の@Aに対応しておりますが、既往出資についてのレビューを実施し、31年度計画にできる限り反映することとしてはどうか。

イにつきましては、このページの一番上にあります(2)の「A出資時点の条件について」に対応するものですが、31年度において新たな枠組みでの出資の要求がある場合には、上記論点の産業投資の出資時に機関との間で条件を設定する等の考え方をできる限り反映することとしてはどうか。

ウにつきましては、上の(2)のCに対応しておりますが、官民ファンドについて、各機関及び主務省が効率化等に向けて適切に対応しているかフォローアップすることとしてはどうかとまとめさせていただいております。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、御意見いただきたいと思います。

渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕感想に近いのですが、この課題、検討していくことはいいと思います。先ほどの監査にも関連するのですけれども、出資後の管理についてというところで、個別の機構というか機関、あるいは官民ファンドの管理、そういう個々のモニタリングは、ファンドとしてどうなのでしょうか。何とか機構にもモニタリングすべきである、人をきっちりつけるべきであるというのはいいのですけれども、そんなに人材はいないので、特に先ほどのJOINの為替等が絡むとき、特にエマージングのところは、ではこれは全部国のお金ないし産投、あるいは財投のお金も含めて全部円ヘッジしろという話ですかとか、あるいはそうではないとか、持っている資産を考えれば全て円になってしまうのでしょうが、本当に全体どうするのだというのを、大きな何かをつくって、そのもとに各機構・産投出資等を含めてポートフォリオ管理をするぐらいの発想を持たないと、各機関ごとにカントリーリスクを含めた管理云々の人を雇うことになると、管理の人ばかりになってしまって、それでなくても投資出資するというのは難しいのに、そういうことになってしまう。そうすると、どなたかの指摘のように、何もしないけれども先にコストだけが発生するということになってしまう、その辺りを今後の課題として、どう合理的にやっていけばいいのか、意味ある管理をですね、形上だけの管理をしてもしょうがないので、ある意味では自由な一般会計ではない世界でやっていければいいのではないかなと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

では、土居委員、お願いします。

〔土居委員〕この案の進め方で基本的にいいというふうに思います。付け加えて、少し質問も含めて申し上げたいと思うのですけれども、この資料4の3の検討項目の(2)のAとBで、要するに出資時点とか、出資後の管理について、単に出資するだけではなくて、主務省の関与の位置づけとか、そういうところもしっかり有機的に考えていくことは重要だと思うのです。

その関連で、(3)のAです。独立行政法人に関してということなのですけれども、ここにも書かれておりますように、中期目標期間があって、当然スタートする場合には中期計画を立てるということになるわけですけれども、その計画を立てるときに、どこまで特に既往の出資があるものについて、理財局なり産業投資として関わりを持つかということについて、お伺いをしたいと。

私はつぶさにそこを存じませんので、お伺いしたいということなのですけれども、今までも独法についてはそういう中期計画を立てるという仕組みで、これまでも運営されてきているということは存じておりますけれども、特に産投出資がある独立行政法人について、中期計画を立てるときに、財務省ないしは理財局がどのような形で計画策定に関わってこられたのかと。ないしは、あまり深くは関わってこられていないということであるならば、先ほどの検討項目の(2)のABとの関連で、今後は関わり方を工夫するという余地があるのではないかというふうにも思うのですけれども、その点をまずお伺いしたいと思います。

〔池尾分科会長〕お願いします。

〔橋本計画官〕独立行政法人の中期目標等につきましては、財務大臣協議に係らしめられるということがありますので、私ども協議を受ける立場として、その策定に関わっております。特に昨年来、こういった形で皆様方から御意見をいただいておりましたので、本年4月に始まります中期目標期間に係る協議においては、例えば1つの機関について申し上げますと、我々からの出資金を一定期間国債等で運用をしているというような機関がございました。こういったものを運用期間中ですので、期末にすぐに返納を求めるといったことはできなかったわけでありますけれども、償還期限が中期目標期間中に随時まいりますので、そういった償還期間が来た段階で返していただくようなお約束をさせていただくとか、そのような取組をさせていただいているところでございます。

〔土居委員〕お答えありがとうございます。少し付け加えまして、そういう意味で言いますと、今後もここの分科会での検討においても、制度化と言いましょうか。体系だった関与の仕方というのを検討できればいいなと思います。

〔池尾分科会長〕では、まず川村委員。

〔川村委員〕この案で進めていっていいと思います。そういう意味で、この議案というかこれについては賛成です。ただ、やはり留意していただきたいと思うのは、これはモニタリングされる側から見ると、既に横串を刺すというもので官邸の幹事会があって、これは年に2回あるわけですけれども、その度に、私数回前の幹事会で「もうこういう電話帳はやめてください」というふうに、資料を10分の1ぐらいにしてもらったのですが、各ファンドともに大体平均100ページぐらいのものを出してくるわけですね。これが年に2回ある。

会計検査院は、全く別の観点からチェックを入れると。当然株主としての国、理財局。いわば代貸し的な理財局ということで、チェックが入る。それぞれ視点が違うわけなのですけれども、受ける側から見ると、さっき一方で間接コストが増えるとか減るとかいう議論をしている中で、またこれが増えるのです。どうしても霞が関文学の達人でないとなかなか相手にできないのですけれども、その文学を専攻している人間というのは民間にあまりいないわけですよ。これは非常にコストがかかる。

ですから、コストを使うな、無駄な作業をするな、効率化しろ、働き方改革だ、利益は上げろ、売上げは立てろ、だけれども人は増やせというのは、これは少し考えてあげないと。ですから、できればこういうモニタリングなんかもできるだけ汎用的に使えるように。

確かに先ほどJOINへの指摘というのは、あそこまでの指摘というのは幹事会ではないのですよね。幹事会の場合は、どのぐらいの投資実績がありました。KPIの達成度がどうです。ガバナンスはどうなっていますということを14の官民ファンド全部にやるものですから、発表的にはそのレベルで、それ以上突っ込んでもらわないので、これはとても大事だと思うのです。大事だと思うのですけれども、チェックされる側のコストということも考えてあげないとなかなか難しいのではないかなという気がします。

そういう意味で、最初のサブジェクトのとき申し上げた、今まさに渡部委員からも御指摘があったような官民ファンドが共通して使えるような、民間会社で言えばコストセンターというか、本部機能というか、そういうもの。一方で、INCJがああいう改組されているわけですけれども、ああいうものもヒントにしつつ考えていくというそういう切り口というものは大事じゃないかなと思っております。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、冨山委員、お願いします。

〔冨山委員〕ありがとうございます。

私も、基本的な方向性はこれでいいのだと思っています。そのときに、幾つかの方が言われたことも、ある意味でベースは同じなのですが、そもそも、要は産業投資、特に官民ファンド系について、何を目的として管理をするのかというのは大きな議論として、ある種レビューをしておいたほうがいいような気がしていて。

それで私の理解は、いろいろなものができましたけれども、何年間かやってきた1つの総括として、あるいは日本のいわゆるエクイティキャピタリズムというのでしょうか。それが、世界の中でどういう状況にあるかということを考えたときに、大ざっぱに言うと2つの方向しかないと思っていて、1つは、要は何らかの時間・空間を限ったところで市場の失敗が起きているので、それを補充するために官民ファンド的なものを使うのであるというスタイルです。産業再生機構モデルです。このモデルは、ある意味では何年間か徹底的にやったら鮮やかに消え去るのが美しいのですよ。

今度逆にもう一つのモデルは、特にエクイティ後進国。日本も残念ながら今のところそうなのですが、エクイティ後進国における、逆に言うと、ソブリン・ウエルス・ファンドのモデルというのは、むしろ、ソブリン・ウエルス・ファンドが最も徹底的なマーケットプレーヤーなのですよね。それから、GICもそうだし、テマセクもそうだし、あるいはノルウェー投資公社もそうだし、あるいは大学のendowmentなんかも血も涙もないキャピタリストなのですよね。スタンフォードのマネジメントカンパニーもそうです。

そうすると、要はそういったモデルのファンドというのは、スタートはある意味官民型かもしれないけれども、あるいはずっと官民型でもいいのですが、多分でき上がりはマーケットで最もリスペクトされるエクイティプレーヤーにならなければいけないのですよ。シンガポールに行きますと、民間のいわゆるエクイティマーケットプレーヤーのかなりの部分はGIC出身かテマセク出身なのですよ。むしろ、あそこに行って箔をつけてから民間のファンドに出ていって、投資家サークルで金を集めてやっている。僕は何人も知っています。そういうモデルになっているわけで、とすると、要するにでき上がりはINCJであろうが、何とかファイブであろうが、世界的にリスペクトされるようなエクイティプレーヤーにならないといけないのです。

多分、出口はこの2つです。僕に言わせれば、この中間はないです。中間はどうなるかというと、ぬえになります。ぬえというのは困ったもので、やたら管理コストばかりかかってしまって、金は最後は損するわ、わけの分からない存在になっていくと思っているのです。

そうすると、この管理運営の方向性。さっきの前半のJOINもそうなのですけれども、今の議論の流れで言うと、もしJOINを本当に長期的に存続させるならば、彼らは、要はああいう海外の投資会社も驚くような超一流の資源投資会社にならなければまずいのですよ。そうすると、どこから人を採るのと言ったら、だったら海外から採ってくればいいじゃないですか。そういう専門家がいるのだから。確か日立も今あれですよね。社外取の外国人女性の方がどこかの元社長でしょう。ああいう人を採ってくるのが一番正しいと思いますよ。割り切ってしまって。明らかにあの領域は日本は後進国ですから。資源投資なんていうのは。

ですから、要するに結局何を目指しているのですかという話ですよね。なので、これは財務省の理財局の枠を超えてしまいますけれども、ある意味では、内閣の方もいらっしゃるので申し上げているのですが、要は、これは何を目指しているのですかというところをぼちぼちクリアに整理していくべきときが来ているような気がしています。

どちらかというと、従来の議論は、私たちの頭の中には少なくとも、先ほど申した2つ目のモデルはなくて、何らか時間、空間的に制約のある中で、補完的な機能をするのは官民ファンドであるという位置づけだったのです。ですから、本来はみんなしっかり時限どおりに消えなければならない位置づけなのですけれども、どうもそうもいかない感じもあり、かつ、残念ながらエクイティキャピタリズムのありようとしては、もはやある意味では後進国であったはずのシンガポールにも追い抜かれ、あるいは中国にも追い抜かれ、今や日本は新興国にもエクイティキャピタリズムの国としては後進国になってしまいまして、これはやはりまずいわけで、だとすれば私は1つの方向性として、むしろエクイティキャピタリズムのロールモデルマーケットプレーヤーとして、要は官民ファンドの全部じゃない。ほんの一部だけでしょうけれども、そう進化するという方向性も明確に打ち出していいと思うのです。

だとすると、恐らくそういった組織というのは、例えばどういう人の雇い方をするかというと、先ほどの話ではないですけれども、これはもう世界中から超一流のやつを雇ってこいということなのですよ。要は、「孫正義と同じことやろうぜ」ということなのです。

だからそこは、ある種の腹くくりをそろそろやったほうがいいし、要は自由主義経済の国なのだからそんなものになってはいけないなんてことを言ったら、今ではもう世界で笑われますから。じゃあ明日からGICやめるのですかって話になってしまう。大体孫正義さんのファンドだって、ソブリンですからね。ビジョンキャピタルってあれ、お金はサウジアラビアのソブリンですから。だから、日本のメディアがおもしろいのは、官民ファンドをたたくわりには、なぜか孫正義のビジョンファンドは「何でソブリンがあんなにいるんだ、けしからん」とは決して書かないのです。だからメディアは大丈夫かなと思ったりもするのですけれども。すみません。関係者の方がいたら。

要は、申し上げたいのは、これがスコープを大きく広げたときの、今世界の、あるいは歴史的な、ある種資本主義の発展プロセスなので、その中で是非ともこういったレビュー検討は進めてもらいたいなということと、ですから、個々の項目に関しても、やはりその辺りの頭の整理をしながらレビューをしていかないと、先ほど川村さんや渡部さんが言われたような、非常に単に管理するためだけの、管理ばかり重くなってしまって、ちょっととんちんかんなことになってしまうし、もし、特に先ほどの後者のモデルで考えた場合には、これはもう本来何が大事かというのは、それは普通の民間の超一流の投資会社と同じようなディスクロージャーができますかということなのですよ。分かりやすく言えば。要は、例えばGICやCICと並べても、誰が見ても分かるようなしっかりとした公正なディスクロージャーがされているかどうか。これがほとんど全てで、これをやっていればある意味であとはどうでもいいといえばどうでもいいんですね。あとはその中身をどう評価するかということになるので、ここはぜひともいい機会なので、そこの整理をしていただけるとうれしいなと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

中島委員、お願いします。

〔中島委員〕今の冨山さんの話に補足的な意見なのですけれども、まさに今まで皆さんのおっしゃっている議論に大賛成で、私が官民ファンドで思うのは、規模が大きいのですよね。要するに日本のファンドというか、ベンチャーへのファイナンスの市場が小さいということは従来から問題視されてきている中で、まさに千億円単位での財投のお金が官民ファンドで入るわけですから、そういう意味ですと、マーケットプレーヤーとしては大きいのです。

申し上げたいことは、確かに個別の管理も基本的なところは必要だと思います。ただ、全体の中で個別のそれぞれの官民ファンドがどういう成果を上げたか、どういうガバナンスが効いていたかという基本的なこともさることながら、全体としてマーケットは広がったのかとか、あるいはこれだけ規模が大きな産投等の出資になると、どうなったのかというのを一体誰が見ているのか。

これは、理財局が、そこまでできるかどうかという話は一方ではあり得ると思うのですけれども、ともかく池の中に巨鯨を放ったということは事実なので、その効果が思ったほどあったのかなかったのか、そこは個別のファンドがどうだこうだというのを全体検証する立場ではなく、むしろ全体感というのもどこかで見ていただくということを、やっていただく必要があると思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

では、林田委員、お願いします。

〔林田委員〕ありがとうございます。

私もこの検討の進め方については、大きな異論はございません。

直接関係ない話で恐縮なのですが、昨日、産業革新機構を軸に官民ファンドを再編統合するというある新聞の報道がありました。その記事を読みますと、出資案件の情報を一元的に管理して、相談を受ける窓口を設けると。何かよさそうな構想は示されていたのですけれども、ただ、これは下手に使うと、もう用済みになっているファンドを延命させるというようなことになりかねないので、運用の仕方は、難しいのかなと感じました。

この報道内容をコンファームすることはできないかと思うのですが、その辺り何か御意見があればお聞かせください。

〔冨安財政投融資総括課長〕報道内容についてコメントする立場にないと思うのですけれども、一部書かれておりましたように、例えば2021年までの期限が書かれてあったり、そういったことは全く決まっている話ではないと思っております。今回の骨太方針等で、今後そういうファンド間、あるいはファンドと機関とか、そういう間の統合を含めた検討を進めていこうということは記述がございますので、そういった記述を受けて、今後検討していく段取りになっていくのかなと思います。

あと、もう一つはご案内のとおり、先ほどお話がございましたように、INCJの法律の改正も済みましたので、そちらのほうは、INCJにぶら下がります旧ファンド、新ファンドに加えまして、ほかのファンドも一応ぶら下がれる格好になっております。器はできているという状況でございまして、ただ、検討はこれからということかと思っております。

〔池尾分科会長〕では、冨田委員。

〔冨田委員〕中島委員もおっしゃったし、冨山委員もおっしゃったのですけれども、結局産業投資の目的ですね。それが、今あるものからスタートした話のまとめ方に当然なるわけですけれども、そういうことの議論にこの項目はなっているように思うのですが、やはり根本から考えなければならないことはあるように思うのです。先ほどおっしゃったような観点から。

そういう中で、これまでの実績の評価をしっかりとしていく必要があると思うのです。これから先、ディスクロをやればそれで全てだという意見もあるし、インセンティブの体系が大事だというのもそのとおりなのだけれども、ではそのインセンティブの体系にしろ、評価の基準みたいなことをどう考えるか。例えば官民ファンドが高値で売って大きな利益を上げました。だけれども、それは政策的にどうだったかという評価はしていますかという観点です。これは、ここまで言ったらどこのことを言っているかお分かりだと思うのですけれども、そういうことも含めて議論する必要がある。ある人から見たらファンドだから収益性だというふうに評価する人と、いやそうではなく、政策効果が大切という人は当然いて、今ここでの議論があるようなことは、またまたこれから何年か先に繰り返されてしまう。だからそこのところを、非常に難しい問題だと思うのですけれども、分科会長のリーダーシップのもとで、議論する必要があるのではないかと思います。

〔池尾分科会長〕それでは、そろそろ予定の時間になりましたので、この辺りで質疑は終えたいと思いますが、ただいま御議論いただきました産業投資の管理運営について、平成31年度編成中に検討する項目と、来年6月の取りまとめに向けて検討する項目とに分けて検討するということで、引き続き当分科会において、御審議いただくというこういう方針で進めていくことでよろしいということで、御異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、分科会といたしまして、このように進めていくことにさせていただきます。私のリーダーシップは大したことがないので、委員の皆さんのご貢献に期待するところが大きいので、よろしくお願いいたします。

それでは、本日の議事はここまでといたします。議論いただいた内容のほか、いつものことですが、追加の御意見や御質問等がもしございましたら、事務局までお寄せいただければと思います。

本日の議事内容につきましては、この後事務局より記者レクを行います。

議事録につきましては、委員の皆様の御了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載いたします。

次回の分科会は7月の下旬をめどに開催する予定にしておりまして、平成29年度財政融資資金運用報告です。それから、平成30年度政策コスト分析について、御審議いただく予定になっております。一応以上です。

本日は、御多用中の中、御参集いただきまして、御熱心に御議論いただきまして、まことにありがとうございました。これにて閉会とさせていただきます。

15時01分閉会

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