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財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録

平成30年5月31日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第

平成30年5月31日(木)15:59~17:47
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開

  • 2.諸外国における財政投融資類似制度

    質疑・応答

  • 3.産業投資の管理運営について

    質疑・応答

  • 4.閉

配付資料

翁委員提出資料イギリス・ドイツにおける海外調査報告について
資料1イギリス、ドイツにおける財政投融資類似制度について
資料2-1産業投資に対する財政投融資分科会での意見
資料2-2今後の財投分科会の進め方(イメージ)(産業投資の管理運営について)
資料2-3産業投資の管理運営について

出席者(敬称略)

分科会長

池尾和人

木原財務副大臣

市川理財局次長

冨安財政投融資総括課長

木㔟管理課長

橋本計画官

廣光計画官

谷内資金企画室長

松田財政投融資企画官

委員

川村雄介

土居丈朗

中里 透

臨時委員

江川雅子

翁 百合

冨田俊基

林田晃雄

渡部賢一

専門委員

中島厚志

原田喜美枝


15時59分開会

〔池尾分科会長〕それでは、ほぼ定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたしたいと思います。

出席予定の委員のうち、土居委員は所用で少し到着が遅れるとお聞きしております。あとのご出席予定の委員は全員おそろいですので、始めたいと思います。

本日は、議題は大きく2つですが、昨年の分科会におきまして、多くの委員の皆様方から産業投資に関する御意見をいただきました。そうした御意見を踏まえて、産業投資の管理運営を課題として取り上げて、今後、1年程度かけて当分科会で検討を進めてまいりたいと考えております。本日、まず、御議論いただいた後、次回、6月の分科会において、論点の検討の進め方等について整理をしていきたいと考えております。

それから、もう1つの論点というか、今日、御議論いただく課題は、本年2月に翁委員にイギリス及びドイツに出向いていただきまして、産業投資の管理運営に関する論点についても調査していただきましたので、それを後ほど御披露していただきたいということです。

以上2点につきまして、本日は御審議をお願いしたいと思います。

なお、本日は、木原財務副大臣に御出席いただいております。どうもありがとうございます。

国会開会中ということもありまして、事務局側も含めまして、やむなく遅参されるとか、途中で退席されることがございますので、あらかじめ御了解、お願いいたしたいと思います。

それでは、早速ですが、議事に移りたいと思います。

はじめに、諸外国における財政投融資類似制度につきまして、翁委員から総括的な調査報告をいただいて、その後、随行された松田財政投融資企画官に補足説明をお願いしたいと思います。まず、出張報告から議論を始めたいと思います。

それでは、翁委員、早速ですが、お願いいたします。

〔翁委員〕翁でございます。

今、池尾分科会長から御紹介がありましたように、イギリス、ドイツに海外調査報告、2月に行ってまいりまして、特に官民ファンド類似の制度がこの2カ国でどのように行われているのかということを調査してまいりました。お手元に資料を入れてございますけれども、主に4点が明らかとなりましたので、御紹介いたしまして、後ほど松田企画官から詳しく御説明を申し上げたいと思います。

まず1点目ですけれども、イギリスにおきましても、ドイツにおきましても、特にベンチャーを中心に、やはり官民、エクイティの供給について熱心に行っています。ただ、官が出すだけではなく、民間のリスクマネーの取込に非常に注力をしていました。例えば、イギリスでは、ブレグジットということで経済にかなり大きな影響があるのではないかという懸念から、新しいベンチャーキャピタル・ファンドを創設して、中小企業、ベンチャーを育てていきたいというような意図で、新しい取組を行おうとしておりました。また、ドイツにはハイテク起業基金というところがございますけれども、ここも既に何個かファンドをつくっているのですけれども、去年の段階で、2017年に第三ファンドというものをつくりまして、徐々に民間の出資割合が増加しているという状況でございました。このように、非常に熱心に取り組んでいるというのが印象的でございました。

2つ目でございますが、政府の各種施策やファンドを一元化して、効率化や人材の集約化を図る動きがあったということでございます。ブリティッシュ・ビジネス・バンク(BBB)というものがイギリスでつくられていることは、もう既にここの分科会でも御紹介されていますけれども、これについてはやはりかなり効率性が向上して、優秀な人材が集まるようになってきたと評価されていました。また、ドイツはKfWというところが政策金融機関としては有名でございますが、そこを中心にエクイティの出資を始めているわけでございまして、ここも専門人材の集約を目的として、既に幾つかエクイティ投資がございましたけれども、エクイティ投資に関する施策を一元化する新しい子会社を創設するということで、いずれにしましても一元化して管理していこうというような動きが見られたところでございます。

3点目でございますけれども、かなり民間のベンチャーや民間のマーケットを生かそうという取組を行っておりまして、民間のエコシステムの構築に資するように官民ファンドが機能することを考えているというのが印象的でございました。

また、金融業界の動きをすごくよく観察しておりまして、例えば最近、イギリスなどではチャレンジャーバンクというものが参入しているわけでございますけれども、こうしたところとか、P2Pレンダーとか、そういったところとも組んで、民間と組んで新しい資金供給を行おうとしているということが印象的でございました。

ドイツのハイテク起業基金も、民間の大変いい人材と一緒に、中に入る方もいらっしゃいますし、一緒になってその取組を強化して、民間のエコシステムを構築していこうというようなことを考えてやっているという状況が見てとれました。

4点目でございますけれども、やはり民業圧迫にならないように配慮しているということを非常に工夫しておりました。イギリスでは、エコノミストが市場ギャップというものを分析して、民間のやっていないところに入っていくというような工夫をしておりました。実際、民間のファンドからもヒアリングを行いましたけれども、民間ファンドはBBBのエクイティ出資について非常に高く評価していて、民間を圧迫するといった評価はございませんでした。ドイツにおきましても、あまりそういった声は聞かれませんでして、ネガティブな反応はございませんでした。

以上、申し上げたように、ベンチャーを中心にかなり積極的にやっているけれども、民間と比較的うまくすみ分けていて、GPよりも結構、民間を生かす形でやっているケースが多うございます。そういったことで、民間のエコシステムをうまく育てていこう、そして効率化していこうという動きがあったことが印象的でございました。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、引き続き松田企画官からお願いします。

〔松田財政投融資企画官〕財政投融資企画官の松田でございます。資料1に基づき、イギリス、ドイツにおける財政投融資類似制度につきまして補足説明をさせていただきます。

まず、資料1の2ページをご覧ください。イギリスでは中小企業を支援する様々な金融プログラムを各省庁各々に設けておりましたが、イギリス政府は2014年に、中小企業に対する金融支援のための施策を一元化するための新機関として、ブリティッシュ・ビジネス・バンク(BBB)を創設しました。

3ページは、このBBBの一元化したときのイメージ図でございます。従来は、左側の財務省、中央の日本の経産省に当たりますビジネス・イノベーション・職業技能省などに分かれておりましたプログラムが、1つのグループに一元化されたところでございます。

4ページは、現在の姿でございます。BBBは、ホールディングカンパニー、持ち株会社でございまして、それ自体は直接投資は行わずに、その下にぶら下がっている3つの子会社が投資を行っております。一番左側のインベストメンツは商業ベースのリターンを追求する、利益を出す子会社、中央と右の子会社につきましては、金利補助など補助金が入っておりまして、政策目的に沿った事業を実施する子会社でございます。これらの子会社を組み合わせて、BBBグループ全体として収益を確保する仕組みとなっております。

また、BBBの支援プログラムでございますが、これら3つの各子会社が民間金融機関やベンチャーキャピタル・ファンド等に出資や保証を行うことを通じまして、民間金融機関や民間ファンドが中小企業に対する融資や出資を行うというものが大半となっております。

次に、7ページをご覧ください。BBBは、財務省やBEIS(ビジネス・エネルギー・産業戦略省)と協議を行った上で、4つのKPIを設定しております。1つ目は、税収の効率的な活用ということで、投下した株主資本に対する利益率が国債の利率を上回るような目標を設定しております。

以下、全体で4つのKPIを設定しております。

2番目の矢印ですけれども、BBBの運営につきましては、主務省であるBEISはBBBの業務の独立性を担保し、個別の案件に関する投資に係る意思決定には介入しないとされております。

次の8ページをご覧ください。BBBは、毎年、今後5年間の事業計画を策定しまして、財務省やBEISに提出して承認を受けております。財務省は、毎年度の実績を踏まえまして、事業計画と実績に大幅な乖離があった場合には、将来の資金配分、予算配分を見直すことでガバナンスを確保しております。また、先ほど翁委員からもお話がございましたように、BBBでは、民業補完の観点から市場の失敗、すなわち民間資金が十分に供給されていないところをエコノミストチームが分析した上で、支援プログラムの見直しを不断に行っております。

次の9ページをご覧ください。こうした一元化に対する評価でございます。先ほど翁委員からもお話がございましたけれども、イギリス政府は、各プログラムがBBBに一元化されたことによりまして、効率性の向上や、より優秀な人材の確保ができるようになったと評価しております。また、民業圧迫にならないよう配慮もしております。また、これまでEUの欧州投資基金というものの存在が大きかったわけでございますが、ブレグジットの影響によりまして、今後は同基金が使えなくなる影響も考慮しまして、新たに子会社としてVCファンドを立ち上げるといった計画もございます。

イギリスの関係は以上でございます。

次に、ドイツでございますが、11ページをご覧ください。ドイツ政府は、2005年に連邦経済エネルギー省、ドイツ復興金融公庫(KfW)及び民間企業からの出資によりまして、シード段階のハイテク企業への出資を行うハイテク起業基金という官民ファンドを創設しまして、2017年には第三ファンドが設立されております。

右下の図にございますように、第一、第二ファンドに比べまして、第三ファンドでは民間企業の出資割合が増加しております。また、第一ファンドは、今年2018年に設置期限を迎えますけれども、ハイテク起業基金では、投資先企業からより大きなリターンを得るために設置期限の延長を検討しております。

次の12ページをご覧ください。ハイテク起業基金の投資決定プロセスにおきまして、主務省であります連邦経済エネルギー省は、戦略を考え、基金の監督は行いますけれども、個々の投資決定につきましては基金に任せており、その透明性が担保されているところでございます。

続きまして、14ページをご覧ください。下のところでございますけれども、ハイテク起業基金にはインセンティブのためのボーナスシステムがありまして、各分野の投資を担当しております投資マネジャーにつきましては、投資した額より回収金が多い場合にはボーナスとなります。一方、内部の管理部門等につきましては、勤続年数に応じて、利益があった場合にボーナスが分配されております。

最後に、19ページをご覧ください。ドイツ復興金融公庫(KfW)でございますが、近年、先ほど申し上げましたハイテク起業基金を含めた3つのエクイティプログラムへの投資を行っておりますけれども、こうしたベンチャーキャピタルのノウハウを持つ専門家人材の集約化を目的に、本年7月に100%子会社を設立して人材の集約を図る予定でございます。

私からの補足は以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、委員の皆様方から、ただいま御報告いただいた内容に関連して、何か御意見、あるいは御質問等ございましたら、御自由にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

どうぞ、川村委員。

〔川村委員〕質問ですけれども、イギリスのほうで、この資料の4ページになるのでしょうか、これで見ると、いわば政府のお金を民間ファンドに投資して、民間が実際の投資先に投資するというスキームに見えるのですけれども、この場合、当然、民間ファンドには相当数のチャージを払わなければいけないのではないかと思うのです。効率から考えると、日本での官民ファンドのGP、LPの出資の議論などともちょっと似てくるのですけれども、端的に言えば、例えば産投がなぜ直接投資しないのか、さらにまたLP出資などをすると、民間にチャージを払って二重払いではないかという議論があると思うのです。この辺は、イギリスにおいてどのように考えられているのか。

その関連でいくと、私、まだじっくり拝見していないのですけれども、11ページのドイツの出資スキームを見ると、ドイツの場合はハイテク起業基金が基金を3つつくって、回収に至るまで企業に対して直接投資をしているように見えて、これで見るとイギリスとそこの仕組みが少し違うのではないか。この点について、双方の評価はどんなものなのか。スキーム上、要するに間接投資か、直接投資かということに関しての質問が1つ。

もう1つは、やはり人材が非常に大事であって、集約化されているというのは大変いいアイデアだと思うのですけれども、イギリスやドイツにおけるファンドマネジャーという人々、これはある意味で高度に専門的であると同時に、なかなか差も激しくて、ちゃんとしたファンドマネジャーをリテインするというのは、例えば報酬とか、そういう面から見てもなかなか難しいところがあると思うのです。インセンティブといっても、役所で考えている彼らのインセンティブと、民間のファンドマネジャーが考えているインセンティブというのは10倍、場合によっては100倍違うわけで、端的に言えばちゃんとしたファンドマネジャーを本当にリテインできているのであろうか。あるいは、リボルビングドアではないですけれども、彼らは結構、民間のファンドと行ったり来たりという形で、ある意味、政策的なものはここで腕を上げて、名を上げて、民間のほうでより大きな報酬を得る。もうお金は見飽きたから、そろそろまた政策目的に行こうかといったような、アメリカ的な仕組みが英独でどうなっているのか。

この2つを教えていただければと思います。ありがとうございます。

〔渡部委員〕それに絡んで。

〔池尾分科会長〕では、先に渡部委員から御発言いただいて。

〔渡部委員〕川村委員の御質問と同じような意味での質問なので、一緒に質問させていただいたほうがいいだろうということで、やはりする人が大事ということで、官にいる人はできないということではなくて、先ほどのようなインセンティブ、あるいは、正しいかどうか分からないですけれども、市場、民間にとってのインセンティブと、コンペティティブでないとその人は働かない。それは目利きなのか、投資判断をする人なのかを含めて。あるいは、シーズマネー云々というのもありましたけれども、投資するセクターによってかなり違いがある。IT関連云々とバイオ云々、いわゆるアナリストの人たちのインセンティブも、スキームが違うとか、何ていうのだろう、一言で言えばメディア的に何も知らない、経済部でも分からないような記者が見れば、めちゃくちゃというような感じになっているわけです。そういうことが大事だというのはイギリスの例でも、あるいはドイツでも大事だということで、いろいろなストラクチャー上の工夫をしているのではないかと思うわけです。むしろ、それについてやっていらっしゃる方々はこういうところで苦労しているとか、おそらくそういう意図でいろいろなストラクチャーになっているのだと想像するのですけれども、その辺の苦労話のようなものを聞かれてきたかどうかをお聞きしたい。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕では、まず企画官からお答えいただけますか。

〔松田財政投融資企画官〕はい。

まず、川村委員からいただいた御質問でございますけれども、イギリスでのGP、LPに対する考え方ということでございます。イギリスでは、こういったエクイティ投資に対する専門知識というか、そうした専門性というのは民間事業者のほうが持っているだろうということと、なるべく民間のVCファンドを育てていくといった観点から、こうした間接のファンド・オブ・ファンズ、LPの形態のプログラムが中心になっていると聞いております。

一方、ドイツではまだ民間VCファンドが十分に育っておりませんので、ドイツのシードへの投資市場ですと、まだハイテク起業基金が4割程度を占めております。その辺の違いがございまして、ドイツの場合は直接、ハイテク起業基金が投資をしているところがございます。

人材の観点でございますけれども、イギリスのBBBの給与水準は民間に比べると、民間の金融機関の中で一番低いほうであります。確かに、非常に高いインセンティブを提供できているかというと、必ずしもそうではないのですけれども、そこはBBBのミッションとか、社会的な意義に共鳴して入ってきているところもある。ただ、立ち上げから比較的歴史が浅い機関でございますので、やはり急いで人材を集めた面もございますので、トップ・オブ・トップとは限らないところもある、そのような苦労はあるところでございます。

また、渡部委員からいただいた御質問でございます。セクターごとにノウハウに違いがあるということでございますけれども、特にドイツのハイテク起業基金につきましては投資担当者が分野別のチームに分かれておりまして、ITですとか、バイオですとか、それぞれの分野での研究者であったり、それぞれの分野で起業を行った人など、そうした人を中心に集めているということで、それなりに専門人材を集めるという努力はしているところでございます。

〔池尾分科会長〕翁委員、特に、よろしいですか。

〔翁委員〕はい、結構です。

〔池尾分科会長〕ほかに。では、中島委員、それから原田委員。

〔中島委員〕御報告、どうもありがとうございました。

1つ質問したいのですけれども、日本の官民ファンドの場合には、主として対象とする産業の位置づけとか、所管官庁の産業に対する立場といいますか、政策の姿勢とか、そういうものが踏まえられて幾つもできているという面もあるのですけれども、今回の御報告を伺っていると、イギリスは1つ、ドイツもハイテクに限ってということだと思うのですが、ここも基本的に主体としては1つ、KfWにまとめるという形です。それだと、確かにファンドの運営としては極めて効率的な点があると思うのですが、産業的な側面、要するに政策的な側面はどのようになっているのか。そういう議論が果たしてあるのか、あるいは、そういうものが何らかの形で、もっと別な観点みたいなものが重視されているのか、そこを教えていただければと思います。

〔池尾分科会長〕では、松田企画官。

〔松田財政投融資企画官〕今の御質問でございますけれども、イギリスにおきまして、確かに中小企業施策に関しましてはBBBに一元化されておりますが、例えばインフラプロジェクトに関する投資でございますと、資料の10ページにございますIPA(Infrastructure and Projects Authority)という役所がございます。こちらは、インフラプロジェクトに対する民間銀行からの融資に、政府保証を付与するようなスキームを持っております。また、IPAという役所は、デジタル・インフラストラクチャー・インベストメント・ファンドといった1つ別の官民ファンドを持っています。今回、中小企業分野を中心に調査したわけでございますが、全ての分野が一元化されているということでは必ずしもないということでございます。

ドイツにおきましては、ハイテク起業基金以外に、州政府も別途、ベンチャー支援を行っているということを聞いております。KfWにおきましては、中小企業部門以外に地方向け貸出しですとか、住宅向け、あるいは海外投融資といった施策を行っているということでございます。

〔池尾分科会長〕どうですか。

〔中島委員〕今の御報告は分かったのですけれども、そのお話を伺っていると、一本化したというのはどういうことなのかという気がするのですが。

〔池尾分科会長〕だから、中小企業向けの施策が一本化されていると。

〔翁委員〕はい。私どもが行ったのはBBBですが、中小企業向けのファンドが幾つもあったのですが、それについては全部一元化したということです。ほかに、インフラファンドとか、デジタル関係のものを今、つくろうとしているという話を聞いたというレベルでございますので、基本的に中小企業のところは全部一元化したと考えています。

ドイツについては、州のものはありますけれども、政府系金融機関はKfWが全部やっていますので、KfW関係でのエクイティ出資、国のエクイティ出資というのはかなりここに集約されていると理解しています。もともと、ここはわりと中小企業中心のものが多うございますので、もちろん自治体向けや、住宅向けなどがございますけれども、企業向けをエクイティでやり始めたのはハイテクがスタートだと思いますが、それでよろしいですよね。

〔松田財政投融資企画官〕はい。

もう1点、9ページをご覧いただきたいのですけれども、イギリスにおきましては、従来、地域活性化の地方向けファンドというものが非常に細かく細分化されておりまして、こういった地域活性化に関するファンドにつきましても、近年、幾つかの少数のファンドに集約化したと、地域活性化の分野でも統合が進んだということも聞いております。

〔池尾分科会長〕先ほど、分野別にチームをつくって対応しているという話がありましたよね。

〔翁委員〕はい。ドイツに関しましては、14ページをご覧いただきますとありますけれども、ハードウエア系、ライフサイエンス系、通信・メディア系というグループごとに投資を評価したり、実施したりというような形で、政策の産業群というか、それでグルーピングしてこういったファンドの運営をやっています。

〔池尾分科会長〕管理部門とか、そういうものは一元化しているけれども、実際の政策対応は分野別にチームごとにやっているような形ですか。

〔翁委員〕そうですね。

〔中島委員〕そうすると、これは単に産業別というか、分野別に分けたほうが投資のスタンスとして似通っているという面があるような気がして、必ずしも産業政策のようなものを踏まえてというようにはうかがえないのですが。

〔翁委員〕必ずしも産業政策が分野ごとに明確にあるというわけではございません。

〔池尾分科会長〕どうぞ、原田委員、お願いします。

〔原田委員〕1点、お伺いさせてください。8ページにご説明いただいているBBBのエコノミストチームというものについて、詳細がよく分からないのですけれども、中長期的な視野に立って、マクロ的なことをレポートで公表してくれる部署だと思うのですけれども、これはそういう理解でいいのかということと、このエコノミストチームのアウトプットが具体的にどのように役立てられているのかといったところなども、お教えください。これはいいシステムなのではないかと思いますので、もう少し何か具体的に御説明いただければと思ってお伺いしました。

〔松田財政投融資企画官〕エコノミストチームについて御質問いただきました。エコノミストチームは、イギリスの財務省ですとか、イングランド銀行ですとか、あるいは民間企業から転籍した7人のエコノミストでございます。

1つは、それぞれのプログラム、具体的な支援制度の開発を行うということでございます。そのような開発を行うに当たって、どのようなところに民間資金が不足しているかということを分析した上で、メニューを開発しているということがまず1つでございます。2つ目は、リサーチと分析を行っておりまして、定期的にレポートを出したり、産業団体からデータをもらった上でリサーチを行っています。3つ目としましては、プログラムの事後の達成状況の評価ということで、各融資プログラムが実際にうまく機能しているかどうかという評価でございますので、外部コンサルタントも活用しながら、そうした評価を行って定期的に、月次ですとか、四半期ですとか、内部のシニアマネジメントにも報告しているということでございまして、必ずしもマクロ的な調査のみではなく、具体的なプログラムの評価も行っているということでございます。

〔原田委員〕ありがとうございます。そうしますと、例えば日本だと主務官庁と官民ファンドなりが行っていることを、イギリスではこのエコノミストチームが担当しているというイメージになりますでしょうか。

〔松田財政投融資企画官〕そのメニューを考えるに当たっての開発評価ということですので、制度面ということではそのようなところがあるかと思います。

〔池尾分科会長〕これ、産業調査部のようなイメージではないですか。昔の日本興業銀行産業調査部ではないですか。

〔川村委員〕今の関連でいいですか。今のご説明と8ページを拝見すると、私のイメージだと、このエコノミストチームは、いわゆるレポートを対外的に発表することもあるけれども、むしろ有体に言えば、その中でのポートフォリオを考えていくときに、政策目的を踏まえて、それをきっちりと論理的というか、ロジカルに、またデータをバックにした分析を踏まえた全体ポートフォリオをつくるための、いわば企画部門的なこと。もう1つは、KPIなのか何か分かりませんけれども、そのプログラムが当初の何かのベンチマークに比べてオーバーパフォームしているとか、アンダーパフォームしているとか、政策目的の達成度がどうだとか、そういう評価もするという意味で、エコノミストチームと言うと何かエコノミストというイメージがありますけれども、多分、チームの機能というのは、企画というか、ポートフォリオマネジメントというか、そのようなイメージなのですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。

〔松田財政投融資企画官〕このエコノミストチームは戦略チームと一体で活動しておりまして、まさにそういう評価を行うと。税金を効率的に使えているか、バリュー・フォー・マネーを出しているというようなことも評価しておりますし、プログラムが目的を達成しているか。ですので、そういう言われた趣旨の部分というのは非常に大きいところでございます。

〔池尾分科会長〕では、どうもお待たせしました。江川委員、お願いします。

〔江川委員〕ありがとうございました。

私は、2年前にアメリカの東海岸に同じような視察に行って、そのときもスタートアップというか、起業のために政府ができることは何かというのが課題だったのですけれども、そのときに一つ学んだ大きなことは、お金をつけるのも大事であるけれども、それ以外の人材の紹介ですとか、経営のアドバイスですとか、そのようなことがとても重要だということです。政府、国だけではなくて、州とか町のレベルでもそのような支援を実際にやっているということを伺いました。シリコンバレーも、よくベンチャーキャピタルのお金の面が言われるのですが、実際には、経営のアドバイスをしたり、人材を紹介したりするネットワークの価値が大きいと言われています。御質問したいのは、イギリスとかドイツではこういう経営支援とセット、あるいは別のところがやっているのかもしれませんけれども、そういう経営支援に関して何かやっているのか。もし、お分かりになれば教えていただきたいというのが1点です。

2つ目は、人材の関連で、ほかの委員から幾つか御質問があったことと少し問題意識は似ておりますが、日本で人材を集めるのに苦労する幾つかのポイントです。もちろん給与水準もあるのですけれども、ほかにも、ファンドの存続期間が限られているので、日本の長期雇用を前提とした社会の中だと、なかなか転職がしにくいということが1つ。それから、ベンチャーキャピタルですと、キャリーとかいって自分のお金を少し投資して、リターンが出たときにそれがもらえるという仕組みをつくっていて、それがインセンティブの一つになっているけれども、官民ファンドだとそれがなかなかできにくいということを伺ったことがあります。その辺に関して、イギリス、あるいはドイツで何か工夫をしているとか、ご存じでしたら、特に存続期間とキャリーのことについて教えていただければと思います。

〔池尾分科会長〕お願いできますか。

〔松田財政投融資企画官〕まず、1番目の御質問でございますベンチャーキャピタル同士のネットワークにつきましては、特にドイツですとベンチャーキャピタル同士のマッチングイベントなども実施をしていると伺っております。また、人材の面でございますけれども、ファンドの存続期間に関しましては、イギリスですとBBBが民間のVCファンドに投資しているものがあるわけでございますけれども、それぞれのファンドの存続期間は概ね10年程度となっております。また、ドイツのハイテク起業基金につきましては、第一ファンド、第二ファンド、第三ファンドと、それぞれ存続期間を計13年間という形で区切ってやっております。報酬に関しましては、イギリス、ドイツそれぞれ、事前に成功報酬としての取り分を決めるというようなことはやっております。

〔川村委員〕すみません。次につながる議論で、1つだけお聞きしたいのですけれども、特にイギリスの場合ですけれども、よく1つにできたなと。例えば、暗黙知として各省庁1つでなければいけないとか、そういうことはイギリスではないのか。それ、結構生臭いけれども、一番大事な話ではないか。政策目的からすれば、みんな各省、政策目的があっていいのだけれども、よく見ると、集合が重なるようにどうしても重複してくる部分があって、そこから1つにしたのか。あるいは、イギリス人は、官庁間の領域争いとか、そういうことについては全くこだわらないのか。そうは思えないのですけれども、その辺はどうなのかということが一つ。

もう1つは、先ほどの人材にも少し絡むのですが、非常に気になるのはブレグジットで、金融関係がフランクフルトへ行くとか、いろいろなことが言われている中で、いい人材がどんどん、どんどんロンドンの外に出ていっていて、シティ自体も優秀な人材、特にファンドマネジメントで優秀な人材というのは別にイギリス人だけではなくて、いろいろな人たちがいる。そうすると、相当さえない人が残ってしまっているのではないかという気がするのですけれども、ブレグジットに伴う人材流出のようなことについて問題意識はないのか。逆に、ドイツはいい人が採れているというようなことはないのか。もし視察中にそういうエピソードのようなことがあれば、少し補足的にお聞かせいただければと思います。すみません。

〔松田財政投融資企画官〕1番目の御質問、BBBの設立当初の経緯ということでございますけれども、我々が聞いてまいりましたのは、当時の国務大臣がかなりイニシアチブを発揮したということと、やはり行政機構改革、コスト削減ですとか、効率性向上という流れの文脈の中でできたということと、機関がいろいろ分かれていて非効率であるというようなところが、政府からも報告書が出されましたし、イギリスの会計検査院からも指摘があったり、あるいは議会の下院からも指摘があって、そのような政治的な背景も踏まえてやったということでございます。

〔川村委員〕すんなりいったのですか。日本でも、非常にリーダーシップの強い方が過去にいらっしゃったし、今後もおられると思うのですけれども、やはりそれぞれの抵抗は結構あったのでしょうか。

〔松田財政投融資企画官〕特に抵抗があったとか、非常に苦労したというようなエピソードは、今回、特に聞いておりません。

〔川村委員〕我が国、財務省にとってのインプリケーションは特になかったということでしょうか。

〔松田財政投融資企画官〕そうですね。はい。

〔池尾分科会長〕はい、どうぞ。

〔冨田委員〕今の川村委員の御質問に関係してなのですけれども、資料の4ページを見ますとビジネス・エネルギー・産業戦略省という名前が出てくるのです。日本も、役所の変遷はいろいろとあるのですけれども、イギリスの場合、トレジャリーは全く変わっていないのです。だけど、ほかの役所は結構変わっているのです。実は、私、2011年に、翁委員と全く同じ問題意識をもって出張してまいったのですけれども、そのときはUKIIFというところをもうつくったのだと、イノベーションファンドなのだということをビジネス・イノベーション省の方に熱く語っていただいたのですけれども、今日の資料からはともにもうどこかへ行ってしまっています。中心になるところ、トレジャリーは変わっていません。だけど、ほかのところは随分変わっているのです。だから、産業投資の管理運営についても、別にこれから先のことを何か言おうとするわけではないのですけれども、非常に期待感は大きいと思うのですけれども、だからイギリスのUKIIFなどがどうなったかという評価があってから、改革があることが大事なのではないかというのが私の印象です。

〔池尾分科会長〕それは、中央省庁の再編成がもっと頻繁に行われるということですね。

そろそろ次の議題に移りたいと思っているのですが、では最後、手短にお願いします。

〔林田委員〕では、手短に。

BBBに一元化されたことによって、効率性の向上とか、優秀な人材確保が可能になったという御説明がありましたけれども、これは日本の官民ファンドをこれから改革していこうとするときに取り入れたい視点ではないかという感想を持ちました。実際、現地に行かれた翁委員は、こうした点について、日本の制度との関連についてどのような御感想をお持ちになったのか、一言お伺いしたいということです。

〔翁委員〕ありがとうございます。

私は、まさにそういう感想を持ちまして、やはりこういうように一元化することによって、人を相当集めやすいということが一つありますし、間接費用を相当減らすことができるということも大きいと思います。もう1つは、やはり利用する人にとって、窓口が一元化するというか、それも当初から企図していましたけれども、そこについても考えてやったと言っております。私も、5年ぐらい前にやはりイギリスに参りまして、こういうようにばらばらなものを1つにしていくという話を聞いたところだったのですけれども、そのときはリーマンショックの後であったので、いろいろな金融マーケットの市場の失敗がとてもたくさん出ていて、いろいろなファンドがぼんぼん、ぼんぼん出てきていて、それをもう少し一緒にしなければという議論をしていたところなので、今回、行って、それが実現しているということを見まして、よくやっているなと、いろいろな課題に対して前向きに取り組んでいるなという印象を持ちました。

〔林田委員〕ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕それでは、このあたりで出張報告につきましては一旦、質疑を終えさせていただきまして、次に産業投資の管理運営につきまして、まず橋本計画官から御説明をお願いしたいと思います。

〔橋本計画官〕それでは、私から、資料2-1、資料2-2、資料2-3に基づき御説明申し上げます。

まず、資料2-1でございます。昨年、編成中に、官民ファンドあるいはJBICなどの論点について御議論いただきましたが、資料2-1にございますように、年末の決定の分科会におきまして、例えば「歳出は政策的必要性で決まる一方、歳入を決定する要因は全く異なっており、どのような工夫が必要か。」「財務省には、今後の機関に対するモニタリングのあり方を横串で考えてもらいたい。」「ハードルレートなり、配当なりを出資の最初の段階で事前にコミットメントさせる仕組みを検討すべきではないか。」「インセンティブやプレッシャーや政策目的の実現等、トータルとしてファンド・オブ・ファンズたる財務省に考えてもらいたい。」など多数の御意見を頂戴いたしました。

したがいまして、産業投資の管理運営について検討を進めてまいりたいと思い、非常に論点が多岐にわたりますので、例えば資料2-2のように進めてはいかがかと考えております。本日は、産業投資の管理運営に係る論点例を御説明させていただきまして、御議論いただきたいと思います。

それらを受けまして、6月の中下旬に開催されます次回分科会におきまして、この論点の検討の進め方について一旦取りまとめさせていただき、9月からは平成31年度編成が始まってまいりますので、年末まではその編成に対応していくことになりますが、その編成のプロセスの中で様々御議論いただいたもの、対応できる点などあろうかと思います。そういった編成中に対応すべき論点に係る対応については、編成中、あるいは年末までに御報告できないかと考えております。

また、中長期的に検討すべき論点につきましては、来年6月末までの間に取りまとめに向けて検討を進めさせていただければと、このように考えております。

それでは、資料2-3に基づき、産業投資の管理運営について御報告申し上げます。資料、大部にわたりますので、要所だけ御説明申し上げます。

まず、4ページ目、産投計画の推移でございます。

昭和の時代、産投は、主として政策金融機関が融資を行う際のリスクバッファーとしての役割として出資を行ってまいりました。

平成に入りまして、一旦、研究開発法人のほうにシフトしましたけれども、平成20年代になりまして、まずはリーマンショック等の影響による金融情勢の変化を踏まえて、インフラ海外展開を推進するための政策金融機関等への財務基盤強化としての産業投資の割合が大きくなりました。この時に、同時に官民ファンドが創設されました。

足元、平成30年度計画で申し上げますと、官民ファンド向け及びDBJの特定投資向け出資が非常に大きな割合を占めるようになってきておりまして、そうした投資財源としての出資という役割が大きくなっております。

続きまして、5ページ目、現在、産業投資の残高は5兆2,190億円ほどございます。大宗を占めるのは政策金融機関向けでありまして、3兆8,000億円ほどとなっております。官民ファンド向けは4,000億円程度、独立行政法人向けは8,000億円弱という状況になっております。

続きまして、9ページ目、産投機関、様々ございますけれども、DBJ、JBICといった政策目的実現や、その他の事業者との適正な競争環境への配慮等の要請もあるという政策目的を果たしつつ、金融を行っている機関である政策金融機関、あるいは、比較的小規模で低収益の機関である独立行政法人等、あと官民ファンド、上場会社と、このように大きく4つに分類されようかと思いますので、それに基づき今後の検討を進めてはいかがかと考えております。

11ページ目にお進みください。先ほど申し上げましたけれども、産業投資の主な役割として、左側にあります融資のリスクバッファ、これが伝統的に重視されてきたものでありますけれども、足元は右側にございます出資等の直接の原資としての役割かと思います。

12ページ目、お進みください。左側が、先ほど11ページ目で申し上げた財務基盤としての役割でございます。株式会社に出資しますと議決権を取得いたしますので、議決権を通じたガバナンスにも配意しながら検討を進める必要があろうかと思います。

13ページ目、同様のことでございますけれども、政策金融機関や官民ファンドは特別の法律により設置、あるいは運営されておりますので、重要な意思決定については主務省の認可に係らしめられているわけでございますが、産業投資の立場といたしましても政府出資の要求・決定といったところで査定の作業をさせていただいております。出資した後は、議決権を取得して、それによるガバナンスを図っている次第でございます。

14ページ目以下は、グループごとの検討となります。

15ページ目は、政策金融機関でございます。昭和の時代は融資のリスクバッファとしての機能であったわけでありますが、例えば平成26年から29年のDBJの出資というのは、特定投資業務に対する出資の原資でございますし、日本公庫の中小企業向けの平成20年度以降の部分が4,000億円弱あるわけでありますが、こうしたものもある意味、融資のリスクバッファではあるのですけれども、資本性劣後ローンというよりリスク性の高い資金の融資を行うためのリスクバッファとしての役割ということで、役割が徐々にシフトしている姿がお分かりいただけようかと思います。

16ページ目は、政策金融機関一般の話であります。政策目的の実現を図るという政策金融機関としての役割を果たしつつも、そういう役割を果たすという制約があることから、収益性資本効率は民間金融機関等と比較すると若干下回っているような現状があるわけであります。

こうした中、17ページ目でございますけれども、これはDBJを例にとっておりますが、一般業務が伝統的業務で、投融資残高として14.5兆円、そこに対して産業投資が充てられているものが1.4兆円ほどとなっております。足元においては、リスクマネー供給の拡大を通じた収益性、企業価値の向上が重要な課題とされており、DBJの中期経営計画においてもそのように定められているところでありますし、DBJ向け産投出資もそのような形でシフトしてまいっているわけであります。

18ページ目、お進みください。融資業務と投資業務、収益性の観点から比較したものでございます。中央が融資業務の収益性でございます。融資残高はほぼ一定でございますけれども、低金利の影響等もございまして、利益率が若干低下傾向にございます。右側が投資業務の収益等の推移でございます。投資残高は約2倍に伸びております。そうしたところ、利益率は、当然、凸凹はあるのですけれども、傾向としては向上している姿が見てとれようかと思います。

19ページ目は、JBICについてでございます。先ほど申し上げたとおり、平成20年代以降、海外インフラ向けということで、融資のリスクバッファという形で、数度、産業投資が措置されてきております。例えば、平成26年度のアフリカ向けのように産投措置額が全て活用されているものもございますけれども、そうでないものもございまして、こうしたものについてどのように考えていくのかということが検討課題かと存じます。

20ページ目は、日本政策金融公庫の中小企業向け業務についてでございます。資本性劣後ローンが平成20年度に創設されておりまして、右下の青い線が金利設計上の累積デフォルト率でございます。これは、ある意味、日本公庫がしっかり業務を行ったということでございますけれども、実績の累積デフォルト率はそれを大きく下回っております。非常に良いことではあるのですけれども、利益が蓄積しているということでもありますので、これをどのように検討していくのかということは課題かと思います。

引き続きまして、独立行政法人でございます。23ページ目をおめくりください。独立行政法人は3年から5年の中期目標期間がございまして、その終了時に不要財産の評価、国庫納付が行われておりますけれども、その中期目標期間中に出資した財産についてどのように把握して、関与していくのかということも検討課題かと思います。

25ページ目以降は官民ファンドでございます。25ページ目、出資残高は、先ほど申し上げました4,000億円程度でございます。主に産業革新機構の上場会社の株式の時価評価益がございまして、純資産持分で申し上げますと3倍弱になっているということであります。産投に対する国庫納付金も、累積で1,600億円ほど計上されております。

26ページ目は、変動率の高さという点でございます。官民ファンドは、出資をしておりますので、リスクの高い資金を供給しております。したがいまして、収益が上がるタイミングも、毎年度、平準的にということではなく、利益が上がる年、あるいは損が出る年があり、非常に大きな変動率になっているということでございます。また、出資をしていく際にも、優良な案件があれば大きく出資していくことにもなりますけれども、そうでないときはさほどでないということも起こり得ますので、収益も、出資額も、いずれも大きく変動している姿が見てとれようかと思います。私どもとすれば、官民ファンドの収益が歳入になってまいりますし、彼らの収益が歳出になってまいりますから、これをどうバランスしていくのか、あるいは、そういったアンバランスを許容していくのかということも検討課題になっていると思います。

27ページ目、官民ファンドは、伝統的に言われていたことでございますけれども、やはりファンドですからリスクマネーとしての要請を満たさなければいけない。ただ、公的資金が入っているということでありますから、公的な性格に伴う要請もございます。いかにこれらのバランスをとっていくのかということで議論されてきたわけでありますけれども、私どもが今、考えておりますのは、そういった官民ファンドの性質ですとか、あるいは時代の流れ、民間資金の出方などに応じて、こうしたもののバランスについても考えていく余地があるのではないかと思っているわけでございます。

28ページ目以下、3枚ほどは同趣旨の内容でございますが、民間ファンドにおいては、ファンド組成時に損益分配方針等につきまして決められて、各々実行していくという形でございますけれども、官民ファンドにおいては、それぞれの段階で、それぞれの検討が行われるようになっているわけでございます。

したがって、29ページ目でございますけれども、当初の契約書、あるいは書面記載事項の内容は大きく異なっておりますし、30ページにございますように出資者とファンドの関係、リターンについて、民間ファンドはこうした形で決められているようなことがあるわけでありますが、官民ファンドについては定められていない。また、ファンド内の報酬体系についても、収益と連動した報酬が民間ファンドにおいては基本的に定められているわけでありますが、官民ファンドにおいてはINCJのみ定められているといった現状でございます。

次のページは、官民ファンドの内部ガバナンスの話でございます。投資を決定いたしますと、その後の事業進捗についてモニタリングをしていくことになりますが、官民ファンドは主として内部人材で構成されておりますので、そうしたものに外部の知見を生かす必要があるのではないかといった問題がございます。

32ページ目は、4月、官民ファンドにつきまして会計検査院から報告がございました。収益構造、運営経費について、適切な対応を幅広く検討していく必要があるのではないかと考えているわけでございます。

33ページ目でございます。産業革新機構につきましては、産業競争力強化法が改正されましたので、その概要について御説明申し上げたいと考えております。

下に法改正の概要等がございます。まず、期限につきまして、既往投資の処分は現行期限のままでございますけれども、新規投資の処分期限は平成45年度末に設定されたということでございます。

ただ、延長する中で、まず重点投資対象分野を明確化するということで、今後、経済産業大臣が定める投資基準において、事業初期のITベンチャーや大企業の海外進出支援は縮小する一方、バイオ、創薬、宇宙、素材、ロボットなどの分野を重点的に投資すべき分野として明確化することを予定しております。

また、ホールディングス機能を活用した投資管理という要素が入ってきておりまして、INCJに子ファンドの投資を管理するホールディングス業務を追加して、ファンドの成立、評価、基本方針の策定などを行わしめる、管理と実行を明確にし、投資に対する役割、責任を明確化していくと、このような意義があるわけであります。また、投資業務のより効果的な実施が必要な官民ファンドにつきましては、INCJによる株式保有を可能にする規定を追加しているということでございます。

以上、まとめまして35ページ目と36ページ目、繰り返しになりますけれども、御説明申し上げたいと思います。

35ページ目でございます。基本的な問題意識といたしましては、産投につきまして、フローの管理のみならず、中長期的に収益を確保する観点から、ストックの管理にも重点を置く必要があるのではないか。

出資の性格に応じたストック管理でございますけれども、伝統的に融資のリスクバッファとして措置されておりましたけれども、近年では投資業務の直接の原資が大半を占めております。こうした性格の違いを踏まえて、考える必要があるのではないか。特に、投資業務の直接の原資とするものは、リスクマネーとしての性格を強く持つものでございますので、管理手法を改善する必要があるのではないか。出資は、持分を取得して経営の基本方針を確認することなどにより、出資先の業務の的確な実施を確保する役割がございます。そうしたガバナンスについても検討する必要があるのではないかということでございます。

36ページ目、政策金融機関、独立行政法人についてでございます。

既往の産業投資のストック管理として、そうした業務の状況等を検証し、既存出資の扱いを検討する必要があるのではないか。

独立行政法人については、3年から5年ごとの中期目標期末に評価、納付を行っていますけれども、期中の管理について考える必要があるのではないか。

官民ファンドにつきましては、リスクの高い資金を供給しておりますので、収益等のボラティリティが高いことから、機動性、裁量的自由度と同時に、収益の責任の所在を明確化したガバナンスが必要なのではないか。そうした観点に立った場合、例えばあらかじめ産投出資の段階で損益分配等について合意し、それに基づいて管理運営を行うといったあり方について検討していく必要はないか。また、産投とファンド、ファンド組織内のスタッフそれぞれの段階において、リスクマネーとしての性格に応じたインセンティブと責任が組み込まれたガバナンスを考える必要があるのではないか。

また、官民ファンドは、基本的には時限的な取組で、永続性を前提にしたものではないことから、将来的には民間ファンドの発展に資するような観点も必要なのではないか。そのような観点から、今後、収益性と政策目的のバランスを考えるべきなのではないか。

最後ですけれども、官民ファンドの収益性について会計検査院から御報告があったところであります。各ファンドの収益構造等を検証し、適切な対応を幅広く検討すべきではないかということであります。

以上でございます。ありがとうございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、委員の皆様方から御意見、御質問等をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

どうぞ、冨田委員。

〔冨田委員〕質問させていただきます。

23ページ、独立行政法人が、通則法では決まっている不要な出資金の国庫返納なのですけれども、それが遅滞なく行われていないというお話がございました。今回、4つに分類してということなのですけれども、政策金融機関と官民ファンドではこれがどうなっているか。実地監査ということで、当分科会にいつも御報告いただいているのですけれども、それとの関係がどうなっているか。それと、これらの機関の内部監査でこうしたことが明らかになっているのだと期待するのですけれども、そういうことは報告されないのでしょうかということが、1点目の23ページからの質問です。

もう1つは、13ページに一覧表がございました。分野別の主務省及び産投出資の関与についてであります。下半分のところはバーがかかっていて、投資決定等に、主務省も下の2つはそうですけれども、査定者として、つまり当初予算を組むときも当審議会で役割を果たさせていただいていると思うのですけれども、これも横バーがかかっていますし、出資者も横バーが政策金融機関及び官民ファンドについてかかっております。それと関係すると思うのですが、先ほどもお話がございました28ページで、出資者と官民ファンドとの関係ということで、運営管理のあり方の比較のエントリーのところで、出資者、つまり産投と官民ファンドの関係が何も出ていないのです。出資の段階でお話があったような、損益の配分だとか、報酬責任について関与できていない。そういう中においても、出資者として議決権行使を行ってきたと思うのですけれども、こういうことを決めずに議決権行使ができるものなのかどうか、どういう観点から議決権行使をやってきたのかということについてお伺いしたいと思います。

以上、2点でございます。

〔池尾分科会長〕関連しますか。

〔川村委員〕関連で。今の冨田委員の特に後段の御質問、全くごもっともで、リアルな姿として、私の理解なのですけれども、28ページのプロセスというか、チェックのところの、要するに株主、大株主としてのガバナンスをどう働かせているのかということが一方であり、他方でファンドとしては動きが非常に重要なところもあって、恐らく、今、そのソリューションとして、例えばAというファンドの処分官庁がA省であったら、A省とファンドは個別案件まで相当突っ込んだ話をしている、そしてA省が理財局とやっているというのが私の理解です。そこのところが、恐らく、ファンドの現場として、例えば今の例で申し上げると、A省とやって、かつ財務省ともやる。A省と財務省の見解が違って三すくみになって、一方で民間の出資者もいて、それから民間の事業者がいて、そうなると動かなくなってしまうところがあるので、今の理解としては、端的に言えば、直接は主務官庁とファンドがやって、その主務官庁が財務省理財局と一つ一つの個別案件まで上げている。最終的には、主務官庁の主務大臣が了承して、投資しているというのが今の動き方だと思うのですけれども、そういう理解で間違いないかどうかという確認です。

〔池尾分科会長〕事務局からお願いできますか。

〔橋本計画官〕すみません、順番が、逆になるのですけれども、まず川村委員の御質問からお話を申し上げたいと思います。

13ページの表は、制度的に定められているものという観点で作成しておりますのでバーになっているということで、冨田委員の御質問にもお答えしていることかもしれません。川村委員がおっしゃられたのは、ファンドと主務省、あるいは主務省と財務省との間で個別案件について議論されていることがあるというようなお話がありましたけれども、そうした議論がされていることも案件によってあるのですけれども、それは制度的に協議しなければいけないというような形で、法律上、定められているとか、そういうものではなく、実態として協議が行われている例があるということでございます。

〔川村委員〕ということは、言いかえると、私、いつも投資案件で大臣認可が出るときに不思議に思うのは、例えば経産大臣、農水大臣とか、あるいは経産大臣のみとか、複数の分野がまたがる主務大臣のはんこはあるのです。ところが、一度も財務大臣というのを見たことがないので、制度的にという話になっていくと、すべきか、すべきでないかは別として、恐らく、端的に言えばそこをどうするのですかという議論ですよね。

〔橋本計画官〕はい、おっしゃるとおりだと思います。

お話、戻りまして、冨田委員から何点か御質問いただいたところでありまして、まず独立行政法人通則法のところで、23ページでございます。すみません、私の御説明が至らなかったのかもしれませんけれども、法第46条の2にある遅滞なく国庫納付されているということが実施されていないと申し上げたわけではなくて、3年から5年の中間目標期間が終了したときには、この法律に基づいて遅滞なく国庫に納付されているということではあるのですけれども、期中において、さらに適切に状況を把握して、期末にのみ対応するということではなくて、もっと早い段階から、早期の段階からモニタリング、あるいは必要な対応ができないか、より改善できないかというような観点から申し上げたということでございます。

それから、監査等と連携してやることは考えられないのかという御意見がございましたけれども、これは今後の当分科会での議論を踏まえてということでありましょうけれども、当然、そうしたことも検討し得るものであろうと思います。

〔冨田委員〕内部監査についてお聞きしたのですが。政策金融機関とか、官民ファンドの内部監査でこういうことをやっていて、それをきちんと出資者に報告するとか、そういう仕組みはあるのですか、ないのですか。

〔土居委員〕今の関連で。株式会社ならば、会社法が一応あるわけです。ところが、もう釈迦に説法ですけれども、要は部分的にそれを停止しているかのような個別法が設置されているということなので、どこまで会社法準拠で内部統制とか、そういうことをやらせているのか、やらせるべきなのか。ないしは、今後の議論で言うと、どういうように制度設計、決して会社法が死文化して官民ファンドが存在するということではないと思いますから、株式会社である以上、会社法が適用できるものは適用するべきだと思っています。ただ、全てが全て民間の株式会社とは違うので、部分的に個別法で対応しているということだと思うのですが、その対応関係を御説明いただくこともお願いしたいと。

〔橋本計画官〕宿題をいただきましたので、事務的に検討させていただいて、御報告させていただきたいと思います。

〔冨田委員〕会社法であっても、不要かどうかという判断は、どういうのだろう、要するに現金を積み上げていて、アクティビストがそれはよくないよと言って初めて動くので、会社法だから動くということでもない。だから、その辺りがどうなっているかをお聞きしたいということです。すみません。

〔川村委員〕今の絡みで。テクニカルな、3年から5年で未執行額を返しますということは、例えば初年度、100億円の未執行が立ちました、次年度も100億円の未執行がまた発生しました、3年目も100億円発生しましたというと、要するに100億円、100億円、100億円で合計300億円が寝てしまって、3年後に見たら累計300億円は未執行だから返しますと、それが現状のシステムということですよね。そうではなくて、それを年度ごとで、100億円の未執行があったらもう返してくださいというようにすべきではないかという論点だと、こういう意味でしょうか。

〔橋本計画官〕独立行政法人は通則法がございますので、期中に返していただくというところまで我々の今の議論でできるかどうか分かりませんけれども、改善に向かった取組を促すということは期中に把握していればできるということでありますので、そうしたことも含め、考えていきたいということでございます。

〔冨安財政投融資総括課長〕独立行政法人と、先ほどお話あった株式会社の官民ファンド、あるいは、ほかの機関とは少し違っていて、独立行政法人は、3年とか5年といった中期計画期間が終わらないと、不要財産に手をつけられていないということを少々論点として出させていただいたところです。

〔川村委員〕それともう1つ、私の理解では、監査なりはきっちりしていて、基本的に企業会計の世界でやっているのだけれども、私はそれ以上に、これは実は幹事会のほうで横断的にやっている、官民ファンドに関しては幹事会のほうでも大きく議論になっているのですけれども、むしろディスクローズをどうするか。例えば、企業会計上は、50%未満なので評価損を出さなくていいですと。ところが、ある案件で49.9%の評価損があって、しかも投資期間10年と考えていて、5年たったところなのだけれども、どう考えても向こう5年で回復できるとは思えないという案件は、先ほどのボラティリティではないけれども、当然のことながらあるわけです。これは、会計上はいいではないですか、だけど翌年になったら、多分、50%を超すから出さなければいけませんよと、そうなるような状況で、やはり国民のお金というか、基本的に財投債で調達しているお金に対して、このディスクローズをどうするかという議論は一方である。もちろん、今でも監査はきっちりやっていると私は理解しているのです。ただ、それをどういうように社会の評価にディスクローズするかというのが、やはりもう1つ大きな論点であろうと思っています。

〔土居委員〕確かにそうなのですけれども、私も行政改革推進会議絡みで少し関わらせていただいていて、独法改革、あいにく会社法より緩いガバナンスの法律になってしまってはいるのですけれども、産投出資についてはこの分科会でも散々議論をして、つまり不要なものは、そもそも産投からはお金を出さないということで言っているのですが、運営費交付金は、要る、要らないは関係なく、もう年度が始まったら早速、主務省から全額、独立行政法人に入るというシステムがあって、ある種そのしきたりが先ほど来の議論の中で、独立行政法人の運営上、中期経営計画が終わるまではお許しくださいというような感じで、本当に要らなければ即座に返すというような発想になかなかなり切れていない面があるのではないか。本当にそうかどうかは細かく精査する必要はあるけれども、国民の印象としては、運営費交付金が年度始めにいきなり丸ごとぼんと、かけ目なしで独立行政法人に渡ったきり、使われるか、使われないか関係なく、決算までは返ってこないというように運営されているように、運営費交付金以外の独立行政法人にわたっているお金も似たようなことが起こっているのではないか。不要な財産があるのかもしれないけれども、それを即座に処分していないということが惹起されるようなところは、独立行政法人の問題としてあると思います。

特に、先ほど川村委員がおっしゃったところで言えばJOGMECです。JOGMECの会計処理は少し特殊で、まさに鉱物との関係ですから、減損会計をどうするかとかいう話が実際あって、彼らはそれなりに厳格にやっているとは思うのですけれども、問題は、それがあるから早く見切りをつけて損切りしろと言えるのか、言えないのかというところは、また次の次元の問題としてあったりするので、そのあたりは、今後、もう少し細かく議論する必要があるのではないかと思います。

〔池尾分科会長〕では、原田委員。

〔原田委員〕続きではなく、別のことでもよろしいでしょうか。

〔池尾分科会長〕はい。

〔原田委員〕20ページで、先ほどご説明いただきました日本公庫のところになります。日本公庫、業務をしっかり行っていて、利益がたまっていると御説明いただきまして、確かに右下にある累積デフォルト率の推移などを見ても下回っているのですけれども、こここのところについてもう少し確認させていただきます。5ページ、8ページあたりに「産投出資の機関別残高」ということで2つほど表を載せていただいています。これで日本公庫のところを見ると、国庫納付がかなり少ないという状況が確認できます。返す必要はあるかと思うのですけれども、その辺の状況と、20ページの業務の運営がしっかりできているというところの整合性がいま一つ明らかになりません。そこのところをもう少し御説明いただきたいというのが、まず1点目であります。

もう1つとして、産投の出資に見合うかどうかというところで、確かに資本性劣後ローンは見合っているのかもしれませんが、今までの出資残高などと照らし合わせてみると、果たして20ページだけを見てしっかり利益がたまっていると言えるのか疑問であります。

もう1点、先ほど官民ファンドのところで御説明いただいている、ページでいいますと32ページ、会計検査院の報告ということでいろいろ数字を挙げていただいています。少し経費の割合が高過ぎるようなところもあって、今後、予算の要求時などにもう少ししっかりと確認していただきたいと思うところが幾つかあるように思います。会計検査院の報告をここに来る前に拝見させていただいて、気になる表記として、ガバナンス以前の問題があるのではないかと思うようなことが書いてありました。

例えば、企画提案書の応募者を全て採用して契約した、しかし出資の実績がないまま解散したサブファンドもあれば、業務執行の要件を満たしていないところもあったとか、運用担当者に実績がなかったとか、何となく我々が官民ファンドとして想定しているスタイルがかなり、共有できているのかな、と疑問に思う事例が幾つか書いてあります。そういうところについても、今後、見直しということであれば、資金を出す側の意見としてもう少し厳しく見ていただいて、運営していただくことがいいのではないかと思いました。その辺のところを少々申し上げました。

〔池尾分科会長〕2番目は意見に近いと思うので、1番目のところを簡単に説明してください。

〔橋本計画官〕1番目のところは、今、見ていただいたものですと、率だけということで分かりにくかったかと思います。資本性劣後ローンは、3,700億円ほど融資が実行されてきているところでございまして、平成28年度末までの間に利息収入で544億円ほどあるというような状況でございます。もちろん、それに経費が約61億円、それから破綻したもの、実質破綻先になっているものということで174億円ほどありますが、それでも差し引きの収支で309億円ほど公庫の利益として計上されているという実態がございます。こういったものについて、どのように扱いを考えていくのか検討の余地があるのではないかと、こういった問題提起でございます。

〔原田委員〕5ページ、8ページの表との関連といいますか、ここはどのように見ればよろしいのでしょうか。

〔橋本計画官〕したがいまして、今、日本公庫と産業投資との間において利益の納付の約束が事前に行われていないものですから、結局、利益の部分は日本公庫に計上されていて、日本公庫にあるという状況になっているということでございます。

〔池尾分科会長〕内部留保してしまっている。

〔原田委員〕内部留保ということですか。ありがとうございます。

〔池尾分科会長〕すみません、先ほど江川委員、手を挙げていましたよね。

〔江川委員〕ありがとうございました。

今後、産投について、どういうことを論点にしていくかということでの意見というか、コメントです。1つはファンドの仕組み、管理運営の仕方ということだと思うのですけれども、このレポートの29ページ、30ページにあるような、あらかじめどのように利益を分配するかが決まっていなかったとか、やる人のインセンティブがしっかり決まっていなかったということは、今回、初めて知ったので、少し驚いています。特に官民ファンドで、民間がお金を出すときにそういうことは聞かれないのかなどと思いました。36ページの論点にも書いてありますが、そこは議論すべきところではないかと思います。そういう管理運営の仕組みが1点。

それから、ほかの委員からも幾つか意見が出ていますけれども、やはり政府との関係も一つ論点かと思います。先ほど、イギリスとドイツのファンドの中で、独立性を担保していたとか、そういうこともあるので、どの程度の独立性、距離が適切かということもありますし、やはり縦割りのために官民ファンドが非常に増えてしまったという問題意識は私たちもあるので、そういう問題。それから、官民ファンドで実際に働いている方の話を間接的に聞いたときに、主務官庁との連絡、報告に相当時間を費やして結構大変だということでした。先ほどのどういう管理の仕方をするのかということとある意味でセットではあると思うのですが、そういう意味でも政府との関係は重要かと思います。それが2点目。

3つ目は、今、対象分野がかなり広がっているので重点分野を絞るべきではないか。産投はいろいろな意味で、リーマンショックだとか、東日本大震災だとか、そういうことも含めていろいろ対応できたということは重要だと思う反面、やはり民間の呼び水という位置づけだとすると、ある程度どこを重点にするかとか、一応、全分野を対象にするとしても、ここは重点的にやるべきだとか、ここは民間に任せる方向に持っていくべきだとか、そういうメリハリもつけていったらいいのではないかと。その3つです。

〔池尾分科会長〕それでは、中島委員、お願いします。

〔中島委員〕今のお話にも絡むし、少々違う話にも飛ぶのですけれども、まず今の官民ファンドについて言えば、先ほど来御議論があるように本当に幅広くなっていて、官民ファンド自体のガバナンスはどうなっているとか、出資先あるいは収益自体がどのように管理されているのかとか、そういうお話があるわけですけれども、産投資金の出し先というか、使途先の歴史的経緯を、先ほど資料の4ページで御説明いただきました。これを見ると、最初は、多くは政策金融機関、あるいは研究開発法人と限られたところに出しているし、政策金融機関のもとでは幾つかのファンドもあるわけですし、幾つかの海外での大きな案件とか、そういう固まりをまとめて運用されたりしているということなので、今までのお話を聞くと、最初のイギリスとドイツのお話でもないのですが、政策金融機関をもっと軸にするということであれば、ガバナンスはもっと効くのではないか、もっと管理もしやすくなるのではないか。しかも、それがある意味、産投資金の歴史の中で見れば、趣旨として分かりやすいという経緯もあるのではないかということが1点です。

これは2番目の論点ですが、実は先ほど来、原資の話がないわけです。もちろん、原資というよりは、産投資金をどこに使うのがふさわしいかという議論が固まった後で、原資はそれに合わせて考えるということかと思うのです。私も、決してそれは否定しません。ただ、何でもありとは決して言わないのですが、使途先が広がってきてしまうと、果たして原資、実際に歳入歳出、必ずしも合わなくなっているわけですが、どういう形で原資を考えるのか。そこについては、先ほど説明では飛ばされたのですが、歴史的な戦後の原資の話が3ページにあって、これを拝見すると、ガリオア、エロア資金から始まって、まさに一般会計繰入れの時代もある。その後、NTT、JT株の配当というような形になってきているという経緯が書いてあるわけです。

まさに産投資金の使途が大きく広がって、それに歳入を合わせるということになると、一般会計繰入れが広がるということにならざるを得ない。目的が広がってくれば、そういうことになるかもしれない。先ほど来、収益がどうだというお話が、特に官民ファンドは大きく出てくるわけですが、そうであればなおさらのこと、やはり一般会計繰り入れの趣旨、内容から見ても、そういうものが広がってくるとしたときに、果たしてこれは産投資金なのですかと。まさに一般会計でやればいいのではないか、特会でやる必要はないのではないか、財投でやる必要はないのではないかという議論が、私、先ほど来お話を伺っていてどうしても頭から離れないのです。

確かに今のやり方をどのようにきちんとやっていくかというお話は大いに必要ですけれども、他方でやはり原資の話も片隅には置いておかなくてはいけないと思います。その観点から、イギリスで集約したとか、そういうお話があったわけですけれども、まさに日本的な形でどのように考えるのか。むしろ産投資金の原資の性格、一般会計ではないのだ、財投資金だという性格をもう一度見直す必要があるのではないか。これはちょっと意見になってしまっているわけですけれども、やはり今後の産投資金の議論の中にそういう点も片隅に入れて、是非やっていただければと思います。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。重要な御指摘だと思うので、お答えいただくというよりは、今後の論点の中に十分取り入れていただいて、議論できるようにしていただくということでお願いしたいと思います。

まだ発言されていない方を優先で。

〔林田委員〕僕でいいですか。

〔池尾分科会長〕はい、いいです。

〔林田委員〕1つは、官民ファンドのガバナンスに関してですけれども、いろいろな制度でガバナンスをきかせているという御説明がありましたが、結果論だけ見ますと、多額の産投資金を投入して、今年も案件がありませんでした、残念でした、人件費は使いましたというようになっているファンドも少なからずあるということですので、一義的には各ファンドが責任を持ってやっていくということなのでしょうけれども、各ファンドを主管する省庁、あるいは財投当局も、もう少しガバナンスをうまく効かせられるような制度なり、仕組みができないものかというのが意見の一つです。

もう1つだけ申し上げますと、産投出資の大半が官民ファンドなどの投資業務の直接の原資になっていくと、リターンのボラティリティが大きくなっていきます。すなわち原資のボラティリティも上がってくるということになろうかと思うのです。そうしますと、例えば資金が余ったからといって無理に予算をつけるというのは困りますし、逆に、少ないけれども、政策的な要請も起き得るということですので、そこをうまくマッチングさせる制度的な工夫をしていく必要があるのではないか。これは意見です。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

そろそろ予定している時間が参りましたので、用事があるという方は退席していただいて結構ですが、もう少し議論を続けさせていただきたいと思いますので、引き続き参加していただける方はもう少しお願いします。

では、中里委員。

〔中里委員〕すみません、手短にいたします。

今日の資料自体は、産投の歴史から始まって、現状、課題という形で非常に包括的に記述がなされていて、非常によいレポートになると思います。論点も非常に的確に取りまとめられているので、この形で進めていくとよいと思うのです。ただ、これで報告が出たときに、私たちが日頃この場で感じているモヤモヤが全部解消するかというと、そこには少し距離があると思うのです。それは、端的に言うと官民ファンドの話です。

利益をどうやって配分するのか、どうやってエグジットするのかということを議論するのは非常に大事ですけれども、それは卒業できるところの話なのです。現に今も、卒業ではなくて進級できるかどうか非常に困っているところがあるわけです。そういうところについて、個別のところをあまりいじめてはいけないので、いろいろ問題が出てくるので、そこはきちんと気をつけてやらなければいけないとは思うのですけれども、やはり現状、何が問題なのかは考えなくてはならないのだと思います。

例えば、リスクが取りにくい人たちが出向して、集まってやっていたらリスクテイクはできないわけです。そういうことまで考えて、今、うまくいっていない先はなぜうまくいかないのか。残念ながら、クールでないところが幾つかあって、何でクールでないのかということを考えないといけないと思うのです。これは全体の枠組みの中から少しはみ出てしまうのですけれども、そこが分からないとやはりモヤモヤは解消されないのではないかと思うのです。お試し受験や、記念受験をなさったようなところも、もしかするとあるかもしれないので、そういうところについては御卒業という形の出方ではなく、別のエグジットもあり得るのではないかと思います。

ただ、そのときに一つ問題は、例えばあるところに別のものをくっつけようとすると、先ほどお話があったように各省庁の壁があってなかなかできにくい。ちょうど特会の話と同じなのですけれども、そういうこともあるので、是非ここで見ている体系立った検討とあわせて、モヤモヤが取れるような検討も是非お願いしたいと思います。これは意見ですので、お答えになりにくいと思いますので、これで聞き置いてください。

以上です。

〔池尾分科会長〕渡部委員。

〔渡部委員〕やはり官民ファンドの件ですけれども、英国、あるいはドイツにおいては、どなたがそう言っているかはともかくとして、民間への侵害はないということなのですけれども、やはり日本でできた官民ファンドをそれなりの、卒業か何かしていくことが必要であろうという中で、英国的にハーマジェスティーの役所、トレジャリーのようにもう一度うまくそれがワークするためには、政策目的でどうチェックされているのですかというような御意見などを含めて、そういう仕組みを入れながら、いい意味での卒業の仕組み、ファンドの仕組みをつくってあげる。そういうものが出てくれば、何回かやるプロダクトを出せば生かすことができる。結果として官民ファンドの整理がかなりできるのではないか。そういう大きな枠組みからつくるほうがいいような気がします。

ですから、論点の例で、民間ファンドの発展に資するような観点というのも、意味が今一つ分からないところで、早くやめましょうということなのかどうか分からないのですけれども、こういう官民ファンドにいたというトラックレコードを持って、高く給料をくださいというような人も結構いて、雇ったら何の役にも立たないとかいう人も結構いたりします。そういう意味では、雨後の筍みたいに、一時は必要なのですけれども、マーケットですからオーバーシューティングも必要ですが、やはりきれいな意味で政策、そのとき、そのときの政策目的はあったはずですから、今、ちょうど変えるときのような気がいたしますので、そういう論点整理になればいいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕退学処分も必要かもしれない。

川村委員、その次に翁委員。

〔川村委員〕意見というか、問題意識というところなのですけれども、多分、官民ファンドが一番悩ましいところだと思うのです。基本的な問題として、官民ファンドはファンドなのですかということに答えが出ていないのです。4ページのグラフを見ると、平成27年、平成30年、DBJの部分を政策金融機関と考えると、これが非常に大きくなっていって、官民ファンドはあまり大きくなっていない。しかし、実はDBJがやっているところは結構うまくいっている。もう1つうまくいっているのは、民業圧迫だと言われているINCJと、歴史の長いREVICで、ほかはみんなうまくいっていないというのが現状です。要するに、長ければ長いほど、ファンド規模が大きいほどうまくいっている、民間からたたかれたものほどうまくいっている。

では、官民ファンドとは何なのですかというと、先ほどのもやもやがというお話は、ここが分からないのです。分からないというか、ここの議論でも、政府でも、幹事会でも。そうすると、何か起こってくるかというと、各ファンドのファンドマネジャーたちが一体何をやっていいのかよく分からない。長期ペーシェントだと言われているのだけれども、3、4年たったら会計検査院から酷評を受けるというのが現状です。もともと矛盾が非常にあるので、ここできれいに論点を整理すると同時に、そもそも官民ファンドとは何なのですかということ。

それから、いまだに官民ファンドの経営者の人たちは、これは税金だから大事に使わなければいけないと必ず言うのです。これは税金ではないのです、もっと厳しいのです。産投というのは投融資なので、要するに使い切りのものではないのです、もっと大事なのですと言っているのだけれども、原資は税金だと言う人が、恐らく、官民ファンドに関わっている人の9割以上はそういう認識だと思います。役所から出向されている人以外は、民間から行っている人は全部、間違いなく税金だと言っている。ですから、先ほど中島委員がおっしゃったような、この原資の性格は何なのですかということがほとんど理解されていない。

それから、リスクマネーとは何か。何年か前に、産投のあり方という非常に立派な報告書も財政投融資分科会から出されているのですけれども、改めて実践で見たときの国が出すリスクマネーとは何なのだろうか。結局、本当にリスクマネーだったら、使い切りの一般会計がいいのではないか。民間への波及効果とか、呼び水効果と言っているのだけれども、本当にやりたい民間で、お金のあるところは自己資金でやるわけです。例えば、ファンドでLPの融資形態をとっていったら、事業者が民間金融機関に払う金利のほうが官民ファンドに払うより安いわけです。つまり、官民ファンドのほうがコストは高くつくのです。ですから、民間から見たら、官民ファンドのコストは全然安くないのです。では、それでも使う民間のニーズとは何なのだろうか。恐らく、そういうものは結構貸倒れになる危険性が高いのです。リスクプロファイルが、それでは合わない金利になっている、もっと高い金利をとるべきである、だけど払えない。それは、補助金とかでやっていく世界なのかもしれない。

実は、そこの領界がなかなか見えていない。よく地方とか、中小のベンチャースピリットという格好いい標語があるのですけれども、これはほとんどが、金が溶けてしまう、潰れてだめなのです。言葉が通じない人たちがたくさんいて、そこに投融資だといって、いざとなると国が金をくれたはずなのにといったようなことでもめているということが現場でいっぱいある。そういう意味で、きれいというか、なかなかきれいにいかないのだけれども、そういう矛盾がいろいろなところで、それぞれから見て、要するに官民ファンドというものが抱えている矛盾が今、出てきていると僕は思うのです。

だから、どちらもそれぞれ言い分があって、結局、官民ファンドがぬえになってしまっているのです。少しでもぬえ性をきれいにしていく。先ほどの翁委員のイギリスの視察の結果も、いい意味で再編、統合というのでしょうか、効率化するというのでしょうか、それが今の段階で即断できるかどうかは別として、ソリューションのインプリケーションを一つ与えているのだろうという印象を持っています。意見というか、問題意識というか、そんなところです。

〔池尾分科会長〕それでは、翁委員、お願いします。

〔翁委員〕簡単に申し上げたいと思います。

1つは、ガバナンスです。主務省のガバナンスを強化するのが本当にいいのかというところは、すごく感じております。むしろ社外取締役や監査とか、そのようなところはきちんとガバナンスを強化する。主務省は、あまり個別に、例えば投資決定も認可とかありますけれども、本来、ほとんどの場合、ここには関与すべきではなくて、本当にトップとか、役員の解任とか、人事で効かせればいいのではないかというのが私の感じです。

2つ目は、官民ファンドの終了期限が定められているのに、終了期限までの間に民間を育成することをやっていないという感じがいたします。そこに官民ファンドが存在する以上、やはり投資は民間よりも有利な官民ファンドのほうに行ってしまうので、意識的に民間とネットワークをつくるとか、民間の資金を呼び込むということをやらない限り、官民ファンドはずっと永遠に続いてしまう感じがするので、もう少し仕掛けを考えたほうがいいのではないかと思います。

あと、やはり人材の問題があるので、どうしてもこの数は多すぎると思っておりまして、そこの検討が必要だということ。

最後に、会計検査院が出したような、パフォーマンスが分かるような工夫で、時価で出していくとか、いろいろな工夫があると思うのですけれども、そのようなモニタリングの仕組みをちょっと考えたほうがいいのではないかと思います。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕では、土居委員、ちょっと手短にお願いします。

〔土居委員〕先ほど申し上げたこと以外のことで申し上げたいと思います。

これまでにも、いろいろと産投に関しての御意見があったと思いますけれども、はっきり言って曖昧さが問題ということだと思います。私も、この分科会でいろいろと申し上げましたけれども、官民ファンドは損しても叱られるし、利益を出しても叱られる、結局、何をやっても叱られるということでかわいそうだというようなことを言ったわけです。それは、要は「成功」というものが何なのかという定義を、あらかじめ明確にしていないからということがあると思うのです。政策目的を達したら「成功」と言うのか、やはりしっかり国庫納付したら「成功」と言うのか。何をもって「成功」とするのかが曖昧だというところが、結局、我々としてもなかなか釈然としないものがあるということの一つの原因になっていると思います。今後の論点としては、別に官民ファンドだけにこだわる必要はないのですけれども、産業投資としての出資先が、何をもって成功なのかというターゲットをやはり明確にするという取組につなげていけるような議論は必要かなと。

それに関連するところは、資料2-1の3つの丸で、これは私が申し上げたのだと思うのですけれども、政府出資が事後的にどうなったとしても、一応、失敗ではないよねと言えるような事前のコミットメントのなさというものも、今、申し上げたことと通じているところがあって、ハードルレートというものでいいのかどうかというのは議論が必要だと思いますけれども、事前のコミットメントを何か明確にする必要は産投ではあるだろう。

そういたしますと、実は我が国政府の出資というのは、産投出資よりも一般会計出資のほうが巨額なわけです。一般会計出資は産投出資と違うという、それなりの明確な役割分担はあるとは思うのですけれども、産投出資でハードルレートというか、それなりに事前のコミットメントをするということは、一般会計出資は何もしなくていいのかどうかという玉突きで議論がそちらに波及する可能性もあるので、財政投融資分科会は一般会計出資について議論する場ではないかもしれませんけれども、関連としてどういうように政府出資を位置づけていくのかということは、一応、視野の外側のところに位置づけて議論をしていく必要があるのではないかと思います。

それから、資料2-3の13ページですけれども、まさに翁委員がおっしゃったことは私も問題意識としてあって、特に官民ファンドは、株主として主務省と出資者というか、査定者との意思統一をもっと徹底しないといけないと思います。先ほど来、これは川村委員が最初におっしゃっていた話だと思いますけれども、主務省と独立行政法人ないしは官民ファンドが、一応、財務省に対して交渉するときに、最初に意見を交わすという話ですけれども、やはりそれではだめだと思うのです。特に出資者としては。政府という出資者なわけですから、翁委員がおっしゃったように、主務省が出資されている側にくっついているのでは、やはりガバナンスは効きにくい。むしろ、出資者として、主務省もどういう立場で出資先に対して物を申すのか、どこまで関与するのかということを考えていただかなければいけないということなのだろうと思いますので、これも是非6月以降の論点に加えていただきたい。

最後に一言だけですけれども、やはり官民ファンドについては数が多いのではないかなどという話もあって、では、どのように今後、組織として集約していくのか。1つがいいという言葉だけでは片づけられないと思っているのですけれども、どういう観点からそれなりの統合なり、既存の、官民ファンドでない組織との統合も含めて、今後のあり方を考えていただく必要があるのではないかと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、当初の予定よりも15分ほど余分に時間をいただきましたが、本日の議論は、ここまでということにさせていただきます。

議論いただいた内容のほかに、追加の御意見や、御質問等がございましたら、いつものように事務局までお寄せいただければと思います。

本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクを行います。

議事録につきましては、委員の皆様の御了解をいただいた後、財務省ホームページで掲載いたします。

次回の分科会は、6月の中下旬をめどに開催する予定ですが、本日、熱心に御議論いただいた産業投資の管理運営に関わる御意見を踏まえて、論点を事務局で一生懸命整理していただいて、改めて検討の進め方について御相談させていただくとともに、定例の報告として財政投融資資金等の実地監査等についても御審議いただく予定となっております。

本日は、御多用中のところ、御参集いただき、熱心に御議論いただきまして、まことにありがとうございました。それでは、これにて散会とさせていただきます。

17時47分閉会