財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録
財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第
平成29年11月1日(水)9:30~11:42
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
1.開会
2.木原財務副大臣挨拶
3.平成30年度財政投融資計画の編成上の論点
(独)国立病院機構
質疑・応答
地方公共団体・地方公共団体金融機構
質疑・応答
地方公共団体
(上下水道コンセッション推進のための補償金免除繰上償還)質疑・応答
4.閉会
資料1 | 財政制度等審議会 財政投融資分科会 説明資料((独)国立病院機構) |
資料2 | 財政制度等審議会 財政投融資分科会 説明資料(地方公共団体・地方公共団体金融機構) |
資料3 | 財政制度等審議会 財政投融資分科会 説明資料(地方公共団体(上下水道コンセッション推進のための補償金免除繰上償還)) |
出席者(敬称略)
分科会長代理 | 翁百合 | 木原財務副大臣 太田理財局長 市川理財局次長 冨安財政投融資総括課長 木㔟管理課長 橋本計画官 廣光計画官 谷内資金企画室長 松田財政投融資企画官 | |
委員 | 川村雄介 土居丈朗 野村浩子 | ||
臨時委員 | 江川雅子 林田晃雄 渡部賢一 | ||
専門委員 | 中島厚志 沼尾波子 |
〔翁分科会長代理〕おはようございます。分科会長代理の翁でございます。予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。
本日、池尾分科会長は所用によりご欠席のため、財政制度等審議会令第6条の規定に基づきまして、分科会長代理の私が議事を進めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
本日は、木原財務副大臣にご出席いただいております。開催に当たりまして、木原副大臣にご挨拶を頂戴したいと思います。カメラが入りますので、そのままお待ちください。
(報道カメラ 入室)
〔翁分科会長代理〕それでは、お願いいたします。
〔木原財務副大臣〕皆さん、おはようございます。財政制度等審議会財政投融資分科会の開催に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。
池尾分科会長、翁分科会長代理をはじめ委員の皆様におかれましては、平素から財政投融資について貴重なご意見を賜り、心から感謝を申し上げます。
私は、昨年の8月に財務副大臣を拝命しまして2年目を迎えておりますけれども、1年目は主税局、国際局などを担当し、本年8月から理財局の担当となりましたので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
財政投融資は、民間金融を補完しながら、資金面からの成長制約を解消することにより、民需主導の持続的な経済成長の実現につなげていく重要な役割を果たしていると考えております。
平成30年度財政投融資計画においても、そうした役割を引き続き果たしていけるよう、真に必要な資金需要に的確に対応していく必要があります。
委員の皆様方におかれましては、専門的な見地から、率直で忌憚のないご意見を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
私のご挨拶とさせていただきます。
〔翁分科会長代理〕どうもありがとうございました。それでは、報道はご退出ください。
(報道カメラ 退室)
〔翁分科会長代理〕本日は、議事次第に沿って、平成30年度財政投融資計画の編成上の論点をご審議いただきます。
ここで、国立病院機構及び厚生労働省担当部局が入室されますので、しばらくお待ちください。
((独)国立病院機構 着席)
〔翁分科会長代理〕それでは、議題に移ります。まず、国立病院機構について、廣光計画官より要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いいたします。
〔廣光計画官〕計画官の廣光です。
それでは、資料1に沿って、国立病院機構についてご説明します。1ページをご覧ください。大きく分けて3点、国立病院機構の概要、平成30年度の財投要求、及び近年経常収支黒字から赤字に転じた機構の経営状況について説明します。最後に、機構の経営改善に向けた課題を論点としてお示しします。
3ページへお進みください。まず、機構の概要です。機構は、平成16年4月に設立された独立行政法人で、職員数は医師、看護師を中心に約6万1,000人、全国に142病院を抱えております。運営病床数は約5万1,000床で、全国の約3%を占めております。組織の変遷としては、国立病院特会で運営していたものを、平成16年度に独法化、27年度には非公務員化をしております。
5ページへお進みください。機構の目的ですが、機構法第3条において、医療の提供等により国の医療政策として機構が担うべきものの向上を図ることを目的とするとされております。民間では必ずしも実施されないおそれのある重症心身障害などのいわゆるセーフティーネット分野に関する医療の提供において、中心的役割を担っています。これらの分野、重症心身障害などは病床利用率が高いため、経営的には必ずしも重荷になっているとも限りませんが、左下にある4つのセーフティーネット分野で約1万2,000床機構は持っておりまして、機構の全病床約5万1,000床のうち約24%を占めております。
また、右下ですが、東京と大阪に厚生労働省のDMATの事務局が置かれておりまして、この2病院は災害発生時に全国で行われるDMATの活動全体の指揮をとることになっております。
6ページ以降が30年度要求の概要です。
7ページをご覧いただければと思います。機構の平成30年度要求においては、建物整備と医療機械等整備を行うための事業規模を1,182億円、その財源として財政投融資1,032億円を要求しております。参考として、下段には近年の実績を載せておりますが、事業規模が増加の傾向にあることが分かります。
8ページへお進みください。機構の財投借入れの実績と残高の推移です。27年度以降は徐々に残高が増加している状況です。
9ページ以降が編成上の論点、機構の経営改善についてになります。
10ページへお進みください。10ページは、平成28年度決算における機構の財務状況です。右側の損益計算書を見ていただきますと、68億円の経常損失となっております。他方、貸借対照表上の純資産額は4,263億円となっております。なお、収益には135億円の運営費交付金が含まれていますが、これは独法化以前に在職していた期間に係る退職給付費用に係るものが98億円、臨床研究等に係る費用として37億円が措置されているものです。いわゆる赤字補塡のような意味合いで措置されているものではございません。
11ページへお進みください。11ページのグラフですが、機構の経常収支の推移を示しております。機構は、平成16年度の独法化以降経常黒字を続けてきましたが、22年度の583億円をピークに、徐々に黒字の幅が縮小し、28年度においては赤字となりました。単年度の赤字をもって直ちに償還確実性上の問題とするものではありません。機構には制度的に求められている負担があることも承知していますが、機構自身が中期計画で各年度における収支率を100%以上とするとしているところでありますし、何よりも22年度をピークに悪化が続きまして、652億円も収支が悪化したことの背景を探る必要があろうかと思っております。
12ページへお進みください。機構の経常収支について独法化時の16年度、最も利益を上げていた22年度、直近の28年度を比較したものです。上段が収益、下段が費用となっております。右側の赤い枠に書いてありますとおり、収益も増加してはいるのですが、16年度から22年度に比べまして、後半の22年度から28年度では伸びが鈍化しまして、それ以上に費用の増加が後半には加速し、結果的には差額で682億円の赤字の要因となっています。収益のうち、運営費交付金の減少については、青い部分に書いてあるとおり、対となる退職給付が同時に費用から落ちているため、影響はありません。また、この時期支払利息の減による59億円のアドバンテージがあったことも申し添えます。収益増加の鈍化と費用の増加の要因については、次ページ以降で説明いたします。
13ページは、機構での入院患者数の動向を示したものです。上段のグラフから見てとれるように、1日当たりの新規の入院患者数は増加しているのですが、下段のグラフが示すように、患者の平均在院日数は短縮傾向にあります。
14ページをご覧ください。前のページで述べた平均在院日数の短縮により、上段のグラフですが、ストックとしての1日平均入院患者数は減少しておりまして、その結果、下段ですが、病床利用率が低下しています。特に22年度以降、利用率が継続的に低下傾向にあることが読み取れます。なお、入院患者数の減のわりに、22年度以前の利用率があまり下がっていないのは、16年度から22年度にかけて分母の病床数を8%以上減らしていることも効いております。
15ページへお進みください。15ページからはコスト面の分析になります。下段のグラフは、診療業務費のうち、人件費についてみたものです。棒グラフが職種別の職員の毎年の増減数、折れ線グラフが医業収益に対する人件費の比率の推移です。平成18年度の7対1入院基本料の創設に合わせて機構では積極的に体制の整備を進めてきましたが、平成22年度以降病床利用率が低下する中で、引き続き積極的な採用を行い、結果的に医業収益に占める人件費率が高くなっていることが読み取れます。病院経営の世界では、医者と看護師は採用するほど儲けになるとの説がありまして、実際、私が拝見した国立病院の一つでも、医師の引き揚げにあいまして診療科の減、収支の悪化につながった例もありましたが、総じてみれば、適切な人員管理を行うことが必要であるということであります。
16ページにお進みください。コスト分析の続きです。医業収益に対する材料費率と減価償却費率を民間と比較したものです。いずれも機構の数値は民間に比べて高いことがみてとれます。機構における医薬品などの材料の調達は、国と同様入札により行われていますが、民間との比較を踏まえると、今後一段の工夫が必要ではないかと考えられます。減価償却費率が高いことに関しても、設備投資の適正な水準の見極めが必要であると考えられます。
17ページへお進みください。「国立病院の経営状況による類型化に基づく課題の抽出」とありますが、これは、機構の142病院を近年の収支状況から大きく3つのグループに類型化し、それぞれの課題を抽出したものです。
類型については、5期連続赤字の病院です。
ですが、比較的小規模の病院で、病床利用率が低いという特徴があります。また、
ですが、私の拝見した病院もそうでしたが、医師の確保に苦労しており、減収の要因となるケースもあります。
類型については、障害者関係の病床を多く抱えている病院が多く、病床利用率が高く、人件費率も低く抑えられているケースが多いことから、大きな収益は得られないものの、安定して黒字を計上している病院が多く見受けられました。
類型については、急性期が中心の病院で、平均在院日数の短縮による病床利用率の低下が収益悪化の要因となっています。また、急性期が中心の病院では、手厚い看護体制が必要とされ、相対的に人件費率が高くなる傾向にあります。近年の機構全体の経営課題がよく表れているのがこの類型
です。
以上は類型化による分析ですが、個々の病院の個性に基づいて課題を抽出することも重要であることを申し添えておきます。
18ページへお進みください。これまでの説明の中で提起した問題点を論点としてまとめたものです。最初の大きな黒丸ですが、早期に実効性のある経営改善策に取り組む必要があるのではないか。その上で、最初の小さな黒いポツですが、病床利用率を高めることが必要。それから、適正な人員管理を行うことが必要。それから、材料費や減価償却費の比率が高く、後発医薬品の使用促進や調達の効率化、設備投資の効率性向上に取り組むべきではないか。後発医薬品の機構での採用率は全国平均を上回ってはおりますが、その採用は包括払いを前提とすれば、プラスに効いてまいります。2つ目の大きな黒丸ですが、次期中期目標・中期計画の策定において、実効性のある目標・計画を定める必要があるのではないか。そして、最後の黒丸ですが、メリハリをつけ、経営状況も踏まえた上で、適切な投資規模とするよう検討が必要ではないかとしております。独立行政法人として自主的に取り組んでいただきたいと思っております。
参考資料になりますが、20ページに機構作成資料としまして、当面の方針についてといった紙をつけてございます。病床集約、人員配置のほか、材料費については、ベンチマークシステムなどの方針が示されております。委員の先生方からご質問があれば、機構としても説明の準備をしてございます。
最後に、今回国立病院機構を分科会で議論の対象としましたのは、近年の経営状況を踏まえ、問題が大きくなる前に具体的な対策に取り組むことを求める、いわば資金の出し手である我々財投のモニタリング機能の発揮であると考えております。
私からの説明は以上です。
〔翁分科会長代理〕ありがとうございました。ただいまの計画官の説明を踏まえまして、委員の皆様からご意見をお願いいたします。
なお、本日の審議に際しましても、テーマごとに要求側の機関及び省庁の担当部局にもご出席いただいておりますので、論点に係る技術的な事項などについて要求側の方々に直接ご質問いただいても結構でございます。
それでは、ご意見がありましたらよろしくお願いいたします。
〔川村委員〕質問でもいいですか。
〔翁分科会長代理〕もちろんです。
〔川村委員〕資料にあるかもしれませんが、高齢患者、それと高齢者でない患者の方の比率というのでしょうか、自己負担の件等で何か患者の年齢層によって国立病院経営との関連性があるものかどうか教えていただければと思います。
〔廣光計画官〕それでは、機構から。
〔翁分科会長代理〕お願いいたします。
〔国立病院機構古都副理事長〕どうもありがとうございます。国立病院機構の副理事長の古都でございます。
先ほど説明にありましたように、我々は5万を超えるベッドがあります。急性期の病院から慢性期の病院、先ほどの重症心身障害の方々は障害の医療としての対象になっております。したがって、高齢者が多いかどうかということについては、おそらく他の民間医療機関とそんなに変わらないのではないかと思っており、そこによる大きな違いはないのではないかと思います。もしあるとすれば、私どもは障害者の医療は多い部分もありますし、それから、結核のような特殊なものも結構扱っているということは一つの要因だろうと思いますが、一般医療においてはおおむね地域の医療機関の傾向に近いと思っております。
〔翁分科会長代理〕江川委員、お願いします。
〔江川委員〕病院の性格についてご質問したいのですけれども、大学病院というのは高度医療に取り組むということがミッションだと理解しております。今はもちろんかかりつけ医から病院を紹介していただくということを国全体で進めているわけですけれども、先ほどの例えば設備とか材料費が高いというのは、国立病院機構に入っている病院のミッションというのが、民間の病院よりも高度な医療をするということとつながりがあるのでしょうか。かなりいろいろな病院があるとは思うんですけれども、イメージとしてそもそも何に配慮しなければならないかというのを教えてください。
〔翁分科会長代理〕お願いいたします。
〔国立病院機構古都副理事長〕どうもありがとうございます。私どもは、医療の幅が大変広い、そしてまた、地域によってもかなりバラエティーがあると思っております。例えば高度な研究をも併せ持ってやっているという病院も地域にございますし、市民病院のような役回りを担い市内の救急患者をほとんど扱っているという病院もございます。その一方で、歴史的経緯から、結核等をやっておった病院は僻地に多くありますので、こういったところでは重症心身障害児者、あるいは筋ジストロフィーの患者さんを中心に医療を提供しているところにございます。
私どものミッションの中にありましたように、医療をきちっとやる、加えて、調査研究をスケールメリットを生かしてやるようにということがございますので、それぞれの歴史的背景から、高度な医療を担ってきた病院も多々ございます。そういったものは引き続きやっておりますし、障害者支援のところは障害者支援をやっているということで、全ての病院が高度なものをやれとかいうことには必ずしもなっていない。歴史的経緯を踏まえて、それも維持しながら、さらに発展をさせていくというのが我々が配慮すべきミッションだと思っております。
〔翁分科会長代理〕川村委員、お願いします。
〔川村委員〕また確認ですみませんが、人件費が何といっても一番大きい固まりで、ここをどう工夫していくかというのは大きなポイントになると思うのですが、その絡みで、患者さんに対して必要な看護師さん、あるいは医師の数のある種ベンチマークになるような数字はあるのでしょうか。
つまり、患者といっても、入院患者の方と、入院でも重症患者の方、そうでない方、それから、通院の患者さんもいると思うのですが、これに対して最低ワンキットの治療をするためには、1人の患者に対して看護師は何人、0.何人になるのか分かりませんが、あるいは医師が何人というある種のベンチマークがあって、それに照らしてどうかという見方をしていかないと、もちろん地域性もものすごくあると思いますし、一般論で割り切るのが難しいのはよく分かるのですが、ここの中身を今後改善していかなきゃいけないとしたら、人件費に手をつけざるを得ない。人件費というのは、端的に言えば医師と看護師と事務の方々、あと、技術員の方々だと思うのですけれども、そういうベンチマークの数字とかシミュレーションはお出しになっている、あるいはご検討になっているんでしょうか。
〔翁分科会長代理〕続いて、土居委員と中島委員、お願いいたします。
〔土居委員〕今の川村委員のご質問ですけれども、もう少し医療制度に引きつけて言うと、7対1病床が今全国的に多いとされていて、これから地域医療構想に沿いながら、高度急性期病床をどう再編していくかということが課題になっているということで、当然ながら看護師配置の密度をより下げていくことが、高度急性期病床を再編していく上で、自ずと国立病院機構にも求められることになるのではないかと思うんですけれども、その見通しを併せてお答えいただけると、おそらく川村委員のご質問にお答えになることにもつながるんじゃないかなと思っております。
そういうことで申しますと、先ほど廣光計画官からも説明がありましたように、病床稼働率が下がっているということですから、当然積極的に地域医療構想の病床の必要量に合わせながら再編していくことが、むしろ国立病院機構の財務状況を改善するのに極めて追い風になるのではないかと思っているんですけれども、もちろん各地域それぞれ違うということはよく承知しておりますが、地域医療構想に沿いながら病床の再編に着手するというところは、今後どのような見通しでお進めになられるのかというのをお伺いしたいと思います。
〔翁分科会長代理〕中島委員、お願いいたします。
〔中島委員〕私からは2点あります。1つは、30年度の財投資金の要求等のところの7ページですけれども、事業規模を拝見すると過去最大です。その中で、特に建物整備費が大変大きく増えていて、これが事業規模が増加している主因になっているわけですけれども、ここについて、来年度建物等の整備を急に増やすことになる理由を教えていただければというのが1点目です。
2点目は、今までの各委員からのお話にも絡むのですけれども、国立病院機構は中期目標管理法人ですので、最初の5ページのところに幾つか中期目標の指示事項があります。そして、特に左側を拝見すると、重症の心身障害であるとか重篤な患者を受け入れることで、専門的医療を確実に提供するのが1つ大きな目標になっているわけです。その一方で、22年度からになるかというお話が冒頭計画官からあったのですが、特に過去2年間の財務状況の悪化が大きくて、直接的にこれが主因かどうか分かりませんけれども、平均入院日数が大きく下がっている。
ここら辺の関係はよく分からないのですけれども、中期目標の中で重篤な病気への専門的な対応を充実させていくということであれば、もう一方で、平均入院日数が日本は特に長いというのも承知していますし、減らしていくという大きな方向も承知していますし、その中でご尽力されているというのも多とするのですけれども、果たして中期目標との関連でどういうことになっているのか、そこら辺を教えていただければと思います。そういう意味ですと、安定的に医療の研究なり質を上げていくというお立場と、特にこの数年での急激な入院日数の減少、収益の悪化等がもう一つぴんとこないですが、そこを教えていただければと思います。
〔翁分科会長代理〕ありがとうございます。それでは、お答えをお願いいたします。
〔国立病院機構古都副理事長〕どうもありがとうございます。最初に、川村先生からございました、必ずしも医者が何人で看護師が何人なら幾らというのはないのですが、まず基本的に医療の構造として、厚生労働省から一般のベッドであればどれだけ医師がいなければならない、あるいは診療報酬上13対1とか10対1、7対1というように法令上守らなければならない最低基準、あるいは報酬上の基準がありますので、それは収益云々にかかわらず最低限満たしていかなきゃいけないという大前提がございます。
その上で我々も、全体の収益から見て医師1人当たりの収益がどれぐらいになっているのか、あるいは看護師1人当たり幾らになっているのか、これが先ほどありましたように、人員が増えたら当然収益が変わらなければ下がってまいりますので、そういうものと収益との関係を見ながら、どのぐらいが適切かというのは判断しております。
それから、全ての医療機関で同じだと思うのですが、4月に入った看護師がそのまま1年間勤め続けるという環境には今ございません。日本中で大体1割、2割、3割、私どもは大体1割程度が1年で退職するという構造になっておりますので、当然年度末近くになって基準を満たさないというわけにはいかないので、ある程度見込みで採用もいたしております。そういう幾つかの微妙な要件の中でやっておりますが、先ほど先生がおっしゃいましたように、医療の診療科の構造、患者さんの構造、地域に求められている役割を考えながら、我々もどういう指標で見たらいいのかということについてはいろいろ研究をしていっておるというところでございますが、なかなかきれいな解がないというところでございます。
ただ、20ページにも書きましたように、配置の適正化はしていかなきゃいけないのだろうということでございます。
それから、土居先生からございました、7対1がどんどん厳しくなっていく、当初はなかった例えば、看護必要度何%という基準もどんどん上がってきております。歴史的に見れば、18年度に7対1の制度が導入された時点にはなかったものが、その後どんどん入ってきているということでございますので、それなりに我々も努力はしておりますが、基準の見直しに対応していくと、在院日数は当然短くなってくる。在院日数が短くなった分だけ新患がどんどん入ってこられるかというと、地域の7対1のたくさんの病院はそれぞれ新入院患者確保に努力されておりますので、なかなか我々だけの努力ではそうはならない。開業医さんとしっかり連携をとってやっていくわけですけれども、なかなかそれが全てきれいにできているわけではないわけです。これから7対1の基準がだんだん厳しくなっていくということについて、報酬上も日数を減らした分だけそれに見合って経営上の報酬が上がる構造になっているかどうかは、ぜひ学者の皆さん方に検証してもらいたいと我々は思っております。なかなか単純にはいっていないということだろうと思います。
それから、稼働率の問題については、今、紹介、逆紹介は全体平均で6割ぐらいという数字で、頑張ってはおります。今後も役割分担をしていかなきゃいけないだろうと思っています。私どもは、持っている装備については、民間の開業医さんにもできる限り使っていただくということも一生懸命努力しておりますので、相互に利用し合って、重篤なときは我々が引き受けて、軽くなったらお返しして地域で暮らしていただくということは貫徹していきたいと思っております。そういう意味では、地域医療構想の中に我々も積極的に参加していって、その中で新しい役割が決まれば、合意されれば、それに従って地域貢献をしていきたいと考えております。したがいまして、我々はそういうものはどんどんやっていきたいということです。
さらに、我々なりの再編成というものにも着手しておりまして、例えば重症心身障害児者の病棟は医師の確保が非常に困難です。障害者を診ていただくという小児科医はなかなかいらっしゃいません。かつ、患者自身の高齢化で生活習慣病も出てきておりますので、例えば静岡富士病院も重症心身障害児者中心の病院にしたのですけれども、これを急性期の病院と一体化するようなこともやっております。それから、地域の中で市立病院を引き受けて統合したりということもやっておりますので、全体としてはそういうことも努力していきたいと思っています。
それから、中島先生からございました、病院を建てるということになりますと、すぐにはなかなかできない。まず、基本構想をつくります。それから、その基本構想を、例えば障害者中心の病院であれば患者、ご家族の要望もしっかり聞いていかなければいけない。そういうものを含めますと、基本計画の策定に1年ぐらいかかります。それから、基本設計をやり、実施設計をやると、実は入札して立ち上がるまで四、五年の歳月がかかっておりまして、そういう意味では、老朽化したものについて数年前から整備をしたものがようやく形になり始めるのが今年、来年、再来年ぐらいになるということでございます。
加えて、東日本大震災以降はかなり建築単価が上がっております。我々が知っております東北の市立病院では、当初の予定額の倍の予算で建てるという事態にもなっていると聞いておりますので、非常に簡素なものにする努力はするのですけれども、この辺の単価が上がっているという影響も出ているところでございます。したがいまして、その中でも、これからもう少し内容をさらに精査していって、取り組んでいきたいと思っております。
それから、最後の入院日数の関係は、先ほどもちょっと言いましたけれども、必ずしもそれが報酬とリンクしているわけではございませんので、一概には言えないかと思いますが、中期目標の中で重症心身障害、重篤な方たちが増えてくると、我々は看護の体制とか医師の体制、あるいはコメディカル、療養介助職といったものの手当てをしていかなきゃいけないと思っております。一概に収益だけで物を考えているわけではないということでございまして、医療の質を維持しながら、かつ、収益をどうやって維持していくか、かなり厳しいものになってございます。
国時代からいろいろ引き継いでおりますので、私どもの中でも収益が全て医療の費用に使われているわけでもない。非公務員化した際には、労働保険料も負担していかなきゃなりませんし、年金の国庫負担分、事業主負担以外にも私どもで年金国庫負担の一部を肩代りしている部分もございますので、そういったものを払いながら、なおかつ患者さんの医療の質も確保していくという両方の目的を合わせたものが我々の今の構造です。ぜひ中期目標の中ではそういうものも織り込んだという考えのもとに、努力をしていきたいとは思っております。
〔中島委員〕最後の点ですけれども、お考えの方向自体はよく分かったのですが、そうすると、この2年間で急激に収支が悪化している点は、中期期間の中である程度バランスをとっていくということですか。
〔国立病院機構古都副理事長〕そうでございます。我々はこの2年間で急激に悪化というのは、1つは、人件費がかなり増えている。人が増えた分だけ人件費もアップしましたし、それから、26年までは国家公務員だったということもありまして、国の給与改定に準拠してきたという影響もあろうかと思います。ただ、昨年の給与改定は単純に準拠せず、引上げはしませんでした。
中期計画も3年経ちましたので、あと4年、5年の2年でありますので、この5年間の計画で何とか悪化の下げ止まりとして、戻していって、収支がプラスになるよう努力をしていきたいと思っておりますが、30年度は診療報酬改定等が全て行われる年ですので、大変申しわけないのですが、診療報酬改定、介護報酬改定、障害報酬改定がどういう方向性で、どういう単価になるかという影響はまだ織り込めておりませんので、そういう面は来年も今年に次いで努力はします。それを踏まえて、次の中期計画ではしっかりとした計画を立てていきたいと思っております。
〔廣光計画官〕事務局から補足をさせていただきます。参考の23ページをご覧ください。23ページは民間の病院と機構の利益がどう推移しているかみているもので、青い線がどう動いているかということ自体の評価は、この分科会の議論の対象ではないとは思うのですけれども、今は、赤い線がジェットコースターのように一旦上がったものが下がっていて、その背景をご議論いただいているという認識でおります。
事務局からの説明の中で特に申し上げたのが、病院をカテゴリー、3類型に分けましたけれども、もともと良かったけれども最近5年間で急に悪くなってきている病院があるというお話をしました。その中で、よく見てみると、病床の稼働率が下がってきて、そのわりには人件費率が高まってきていて、そういった事情が背景にあるのではないかという分析をさせていただいております。補足、ご参考です。
〔翁分科会長代理〕渡部委員、お願いいたします。
〔渡部委員〕先ほどの江川委員の質問と重なるかもしれないですが、16ページですか、今の計画官の材料費、減価償却費の民間との比較で、経常、利益率等があるのですけれども、質問の仕方がおかしいのかもしれないですが、減価償却費率については、国立病院機構のほうがより高度であるというので一定の設備投資等が必要である。民間の合計比較とすれば、一部高いところもあるかもしれないけれども、それより低い。ほぼ同じような傾向をこの5、6年たどっている。
一方、左側の材料費率については、民間のほうは下がってきている。一方、国立病院機構は毎年かなり上がってきて、その差が開いてきているというのは、マクロというか合計として何か特別な違いがあるのかどうかというのをお聞きしたいなと思います。
以上でございます。
〔国立病院機構古都副理事長〕ありがとうございます。減価償却費については、百数十床の病院から700床を超える病院まで私どもはありますので、病院によっては国時代にかなり大型投資をして、ハイスペックのものが建っているものがあって、そういうものの減価償却費がまだまだ高い部分がございます。民間と比較する場合には、平均よりも我々の規模的な分析を少ししてみたいとは思っておりますけれども、規模によってはかなり差があるのではないかとは思っております。平成16年の独法化以降は、国時代の単価の半分ぐらいに建築単価を見直したりしておりますので、そういう努力はこれから反映されてくるのだろうと思っており、まだ国時代のものがかなり残っているという認識でございます。
それから、材料費につきましては、規模別で少し分析をしてみなければならないだろうと思っております。それから、話題になりました薬の中でも高い薬が一時ありまして、我々は歴史的に呼吸器が得意なところもあったりすると、見かけ上収益は上がっても、費用としてそれなりに出ていくということもありまして、ある意味高い材料を使わざるを得ないところもあったと思っております。今後できるだけ入札の工夫とか、より後発医薬品への転換とか、ガイドラインの見直しということで材料費の改善にはさらに努力をしていきたいと思っております。
〔翁分科会長代理〕林田委員、お願いします。
〔林田委員〕ありがとうございます。財投としては、今後の償還確実性を考えたときに、経常利益の減少トレンドが転換するのか否かというあたりに一番関心がありまして、そのあたりはどんな見通しを持たれているのか。例えば高齢化等を勘案しても、病床利用率の減少トレンドというのは歯止めがかからないと見られるのか、それとも、歯止めがかかるのか。あるいは、具体的な向上策としてはどのようなことを考えていらっしゃるのかとか、論点に上がっている収益に見合った適正な人員管理というのは、医師や看護師の人員削減などを指すのかなと勝手に思っていますが、医療現場の実感としては、こういった指摘はどう受けとめていらっしゃるのかとか、実施可能なのかどうか、そのあたりをお伺いしたいのですけれども。
〔国立病院機構古都副理事長〕どうもありがとうございます。20ページにも書いておりますけれども、今年度の途中経過を見ますと、かなり病院は頑張っていて、去年よりさらに悪化している傾向にはないということですので、我々は今年度はできるだけ浮上していきたいという努力をしております。そのためには人員を増やすこともかなり見直しをかけているという、かなり現場は厳しい状況になりますけれども、採用人数の見直しをしたりとか、ぎりぎりでやっていこうということでございます。例えば若い方でありますと、産休、育休代替ということもかなり出てくるわけですけれども、中途採用は非常に厳しい状況でございますので、ある程度年度当初に見込まざるを得ないのはどこの病院も同じだと思うのですが、そういう中でも本当に必要なものはどれだけか等の精査をやっていかなきゃいけない。
併せて、病棟の集約でございます。在院日数が短くなって、病床利用率を向上させるためには、病棟をある程度集約してやっていくことも考えたいと思っておりますので、今後経営改善の手法の一つとして病棟集約に取り組む。そうすると、当然数年後には人員、看護師の配置等を見直すことになります。そういう医療に合った形での体制には変えていきたい、それが何とか収支改善につながるようにはしていきたいと思っております。
〔翁分科会長代理〕計画官。
〔廣光計画官〕補足をさせていただきます。先ほどあった材料費と減価償却費の話で、16ページですけれども、機構のご説明を少しパラフレーズすることになりますが、材料の調達は、機構は国に準じて入札をやっておられるわけです。入札をやっておられるにもかかわらず、民間に比べればこれだけ高い材料費になっているわけです。ですから、入札はしているのですけれども、さらに一段踏み込んで、どのようなことを機構がおやりになるのかという問題意識を持っており、その点で補足することがあればお聞きしたいというのが1点。
減価償却費について、機械を導入していくわけですけれども、一般的に稼働率が下がっていくとせっかく入れた機械が収益に結びつかなくなってくるという事態があるわけです。今まで導入していた機械をそのまま更新すればよいとも限らないという点も含めてよく考えていただく必要があると思っています。その点についても補足説明をいただければと思います。
〔国立病院機構古都副理事長〕ありがとうございます。入札制度については、なかなかうまくいかないところがあるのですけれども、入札したら競争が起こって、物が下がるかどうかというのは、実は単純ではないということがございます。薬価について言いますと、私どもは全体の規模が非常に大きいものですから、卸側の価格維持ということであまり大きな競争にはなってないのかなという印象を持っております。
しかしながら、薬の種類を工夫したり、どういう薬に変えるか、あるいは入札のエリアを見直すという工夫をやりながら、さらに努力していきたいと思っております。さらに、どうしても入札不調であるならば、不落のものについては交渉を行う中で下げていくという方法もとっていかざるを得ないんじゃないかと思っています。いずれにいたしましても、入札イコール非常に安価に手に入るという実態にはないということはありますので、その辺はさらに民間のやり方も見ながら、独法としてぎりぎりのところで努力をしていきたいと思っております。
それから、機械については、ご指摘のとおりでございますので、本当に単純に耐用年数が来たら替えるという議論ではない。収益を上げていかなきゃいけない。それから、機構内でも他の病院の中で中古品として使うということも方法論として考えていかなきゃいけない。できるだけ購入した機器の償還が確実になるように使い方を工夫していくのと同時に、先ほども言いましたけれども、民間の医療機関、特に開業医さん方で高度な診断を求められるというところともしっかり連携していきながら、その稼働率を上げる努力をあわせてやっていきたいと思っております。
〔翁分科会長代理〕それでは、土居先生、お願いします。
〔土居委員〕もう時間もないので、私は意見だけ申し上げたいと思いますけれども、今の材料費の件ですが、当然民間は医薬品の卸売業者と直接交渉して価格を決めていたり、時にはかなりあくどいこともやっている可能性もあるのですけれども、そういう実態を知ってはいるわけですが、あまりに国立病院機構が上品になり過ぎても、ルールを守って、ルールの範囲内でしか薬の卸の業者と取引できないということだと、材料費率が民間より高いという状態はなかなか改まらないと思いますので、特にご承知のように薬の卸売は地域性がありますから、それぞれの地域でどれぐらい民間の医療機関の薬価と国立病院機構に卸した価格に差があるかというところもしっかり分析しながら、かなり乖離があるということであれば、もちろん入札という仕組みをとらざるを得ないのかもしれませんけれども、応札する卸売業者に対して、民間ではこんなにもっと安く卸しているのに、何でうちにはそんなに下げないんだということもしっかり交渉していただかないといけないのかなと思います。
それからもう一つは、地域医療構想との関連なのですけれども、相当な数の二次医療圏では病床削減をしなければならないということになりますから、当然二次医療圏に属している国立病院機構の病院には、病床削減をしていただかなきゃいけないということになると思います。もちろん先ほど来議論になっている病床稼働率、利用率は、持っている病床については上げていただく必要はあるのですけれども、場合によってはスペックを下げるという意味で病床を減らすということにも応じていただかないといけない。それは地域の要請としてということですけれども、その場合には当然国立病院機構も病床削減をせざるを得ないということになって、それでいて、かつ、収益を維持しなければいけないという相当複雑な連立方程式を解かなきゃいけないということでありますが、ぜひそこはしっかり乗り切って、病床を減らすという地域の病院であったとしても、収益が落ちないような工夫に努めていただきたいと思います。
〔翁分科会長代理〕それでは、もう時間がないので、一言ずつお願いいたします。
〔江川委員〕すみません、手短に申し上げます。2つあるのですけれども、先ほどの入札で必ずしも安くなるわけではないということに関連しますが、私も国立大学の経営を見ていて、実際に法人化していろいろな経営の自由度が上がったのに、昔のやり方をそのまま続けているというときもままあるので、現在の体制に合わせてもっと経営努力をできるように、いろいろな慣行とかルール自体も見直していただきたいというのが1点目です。
それから、2つ目は、かなり性格の違う病院が1つの機構にまとまっていて、17ページのところに類型化しているのですけれども、規模も目標も違う病院を一緒に議論するのは非常に難しいと思います。高度なり緊急のものをやっていてどうしてもつぶせない病院と、地域で連携する中で再編を図っていく病院、市民病院みたいなところと、ある程度場合分けをしつつ、それぞれの規模とかミッションに応じた目標管理をきちっと行って、現場から工夫が出てくるような、さっき皆さんがおっしゃっているような地域再編も必要だと思うのですが、そういうことに関しても必要だということが現場で自然に考えられるような目標管理をしていただければと思います。
〔翁分科会長代理〕では、野村委員、お願いします。
〔野村委員〕一言だけ意見を。委員の先生方からご意見が出ておりますように、人件費の見直しは非常に重要だと思います。人員適正化に向けて、人員増を抑制する、ぎりぎりの人数で回していくという経営努力をされるのは大変すばらしいことですけれども、一方で、育休、産休をとりながら、子育てしながらも医療現場の人が働き続けられる環境をつくらなければいけないというのが今の大きな課題だと思いますので、ぜひ両方の条件を満たしていくという視点を忘れないでいただきたい。人件費削減は限度がありますので、今までの延長線でなく、むしろ地域医療構想で根本的に仕組みを見直すというところでの削減ということをぜひお考えいただきたいと思っております。
以上です。
〔翁分科会長代理〕では、沼尾委員、お願いします。
〔沼尾委員〕一言意見を申し上げたいと思います。病床利用率低下の話ですが、これは地域連携がものすごく大事になってくると思うのですけれども、そのときに、地域連携室の運営ですとか、周辺の民間医療機関、例えば大規模病院との連携や開業医との連携というところで、なかなかうまく他機関とのコミュニケーションがとれないという話をあちこちで伺います。国立病院として地域とやりとりするのはなかなか難しいところもあると思うのですけれども、例えばコミュニケーション力の高い職員の方を入れるですとか、連携をしながら必要に応じてすぐ病床が確保できるという仕組みをつくっていく工夫を図っていただくような努力をしていただければと思います。
以上でございます。
〔翁分科会長代理〕ありがとうございました。何かございましたら、お願いいたします。
〔国立病院機構古都副理事長〕いろいろ意見をいただきましたので、それを踏まえてしっかりできるところから経営改善には取り組んでいきたいと思っておりますので、引き続きご指導をいただきたいと思っております。
〔翁分科会長代理〕ありがとうございました。それでは、このあたりでこの件につきましては質疑を終了したいと思います。
ここで、国立病院機構及び厚生労働省担当部局の皆様にはご退席いただきます。どうもありがとうございました。
((独)国立病院機構 退席)
〔翁分科会長代理〕ここで、総務省担当部局が入室されますので、しばらくお待ちください。
(地方公共団体・地方公共団体金融機構 着席)
〔翁分科会長代理〕それでは、地方公共団体・地方公共団体金融機構について、廣光計画官より要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いいたします。また、本日欠席されている冨田委員より意見書が提出されておりますので、併せてご紹介をお願いいたします。
〔廣光計画官〕引き続き、私、廣光から地方公共団体、地方公共団体金融機構についてご説明をいたします。資料2をご覧ください。
まず、1ページをお開きいただければと思います。冒頭、地方公共団体からの30年度財投要求についてご説明します。その後、総務省で現在行われている地方公共団体金融機構の業務の在り方の検討にも触れた上で、最後に、地方公共団体向けの財政融資資金の在り方について論点をご説明いたします。
3ページにお進みください。8月末に総務省から提出された地方公共団体の財投要求の内容の概要でございます。当該要求の基礎となる30年度地方債計画(案)は、地方公共団体が必要とする地方債の額について、8月末の段階で推計をしているものです。なお、例年同様、地方債計画は年末の予算編成や地方財政対策を踏まえて、最終的な決定を行うこととされておりまして、今後の動向などに対応し、所要の修正が行われる予定となっております。
4ページにお進みください。4ページは、30年度の地方債計画額の案です。総計の欄をご覧いただくと、30年度案としては12兆1,479億円が計上されておりまして、前年度に比べて5,222億円増加しております。増加分は、全て3段目に書かれております臨時財政対策債によるものです。臨財債が増加した要因としては、30年度は交付税特会の剰余金の活用が見込めないことや、既往債の元利償還分に係る発行額が増加することなどが挙げられております。
5ページにお進みください。5ページは、資金別の平成30年度地方債計画額についてです。平成29年度の地方債計画における資金別のシェアを単純にそのまま当てはめて算定しておりまして、その結果、財政融資資金については2兆9,800億円、前年度と比べて1,255億円の増加となっております。
6ページにお進みください。地方債計画額と、そのうち財政融資資金の額について、要求ベースと決定ベースの推移です。
以上が地方公共団体に係る30年度の財投要求となっております。
続いて、8ページから地方公共団体金融機構についてのご説明になります。
9ページにお進みください。地方公共団体金融機構の前身となります地方公営企業等金融機構が創設されまして10年近くが経過しております。上段の機構法の附則第25条に記載されておりますように、29年度はその業務の在り方全般について検討を行う年と位置づけられております。下段にあるとおり、総務省の地方財政審議会に検討会を設置し、10月5日から検討を開始しているところです。その検討状況を注視しながら、改めて財融資金の役割について議論を行いたいと考えております。
なお、本日ご欠席ではありますが中里委員、本日もご出席いただいています沼尾委員は、当該検討会にもご参加いただいているとのことです。次回第3回検討会に財務省としての出席を予定しておりまして、本財投分科会での議論も併せてご説明を行いたいと考えております。
10ページにお進みください。機構の概要でございます。機構は、現在新規貸付けの財源については独自に資金調達を行いまして、地方公共団体に対し長期かつ低利の資金を融通しております。貸付残高で23.7兆円、フローでは29年度の貸付規模は1.8兆円を予定しておりまして、財政融資資金による貸付けの3分の2程度の規模です。なお、機構は全ての地方公共団体の出資により設立された地方共同法人となっております。
11ページにお進みください。組織の変遷をまとめたものでございます。かつて国の政策金融機関であった公営企業金融公庫は20年度に廃止されまして、地方公営企業等金融機構が地方の共同法人として設立されました。21年度には、地方公共団体金融機構と現在の名称に改められております。
12ページにお進みください。機構の組織の変遷に応じまして、貸付対象事業が変わってきたことをまとめたものです。かつては公営企業債と一部の一般会計債に限定されていた貸付対象が、一般会計債や臨財債にも広がっていることが分かります。このような機構の業務の在り方について、総務省の検討会で検討が進められているところです。
続いて、14ページ以降が論点となります。機構の業務の在り方の検討を傍らに、我々財投の在り方について整理をしております。
15ページにお進みください。地方債における資金ごとの役割分担を整理したもので、総務省の資料をもとに作成しているものです。まず、資料の下の部分です。民間からの資金調達は、自助の位置づけと言えるかと思っております。財投改革や政策金融改革の流れの中で、まずは民間資金を活用することが基本とされ、財融資金と機構資金はこの補完的役割を担っているものです。
資料の上の部分が公助になります。かつて国の財政融資資金は郵貯や年金から預託された資金を活用していました。平成13年度の財投改革によって仕組みが変わりまして、国債の一種である財投債を発行して貸付原資を調達しております。国の政策的関与が必要かどうか、すなわち国債を発行してまで融資を行う必要があるかどうかが全ての財投機関に対する貸付けに求められております。地方公共団体向けの財政融資についても、公助としての機能の発揮が求められているわけでありまして、具体的にはその機能は2つあると考えております。ひとつは、使途や団体ごとに資金供給を行ういわゆる資源配分機能、それから、経済金融危機等の外的要因に対応する経済安定化機能と考えております。
そして、真ん中に書いてあるのが、自助と公助の間にある機構による資金調達でありまして、共助と位置づけられるものです。地方公共団体金融機構に改組された際に、全ての債権への貸付けが可能となったことから、各資金の貸付先は法令上重複しております。
自助、共助、公助それぞれの役割を活かした地方公共団体の資金調達がなされていくことが、今後とも重要であると考えております。我々としても、以下でご説明するように、機構が創設されて以来、財政融資と役割を補完しながら、貸付けがこれまで順調に行われてきたものと考えておりますけれども、その前提に立った上で、幾つか申し上げたいと思っております。
16ページにお進みください。年度当初の地方債計画額の推移を資金別にみたものです。地方債計画額全体のボリュームがリーマンショックにより増大したものの、23年度以降は減少傾向にあります。公的資金である財融資金や機構資金も一時的に増加したものの、平常化に向けて減少傾向で推移をしております。ただし、足元の29年度は臨財債の増加により地方債計画額も公的資金額も増加しております。
17ページにお進みください。同じデータについて、各資金の割合別にみたものです。財融資金の割合は減少傾向で推移しておりまして、機構資金も合わせた公的資金が4割、民間資金が6割といった構成になってございます。民間資金の中において、市場公募債の割合は直近ではやや足踏みですが、長い目で見れば緩やかな増加傾向にありました。
18ページをご覧ください。自助の一つであります市場公募債の動向を抜き出してご覧いただくものです。左側の棒グラフですが、金利が低い中、10年超の市場公募債の発行額が増加しておりまして、自助による資金調達の対象を広げている自治体もあることが見受けられます。右側のグラフですが、国債とのスプレッドを確認しますと、平成28年度に国債金利がマイナスとなったこともありまして、一時的に広がったものの、財投の貸付金利はマイナスにならないことから、地方公共団体から見て財投と市場公募債とで調達金利に差が生じたわけではありません。足元ではスプレッドが20ベーシスポイントの範囲内に落ちついており、自助であります民間からの資金調達の拡充に今後とも期待したいと考えております。
19ページにお進みください。共助であります機構の貸付金利についてみたものです。機構の貸付金利ですが、基準利率と機構特別利率の2種類がございまして、基準利率は港湾整備など限定された事業に適用されており、そのほかは機構特別利率を適用しているものです。機構特別利率は基準利率よりも引き下げられておりまして、財政融資資金の貸付金利と同じ動きをしていることが読み取れます。
20ページにお進みください。その機構特別利率ですが、機構法の規定に基づいたものでありますが、公営競技納付金により造成された地方公共団体健全化基金の運用益などを充てることで、通常の金利よりも引き下げているものです。ただし、右側のほうの実績をみていただきますと、24年度以降運用益が伸び悩む中で、利下げ補塡に必要な金額を賄えておらず、27年度、28年度については自己財源の充当により一部を賄っている状況です。公助である財政融資資金としても、機構の特別利率の今後の動向については注視していくことが必要と考えております。
21ページへお進みください。臨財債を除いた一般会計債、公営企業債について、財融資金の主な貸付先を整理したものです。公助として責任を持って対応すべき分野ともいえる災害復旧のほか、財政融資の貸付先で大きなものは、公共事業、上下水道、過疎対策などとなっており、これらに対する財政融資による融通の計画額や事業内シェアの動向についてまとめた資料です。災害復旧は100%が財政融資、過疎対策は最近非常に増えてきていますけれども、そのほとんどを財政融資で融通し、一部を民間としております。他方、地方単独事業をみていただきますと、財投改革以降大幅に減少させておりまして、足元では貸付けを実施しておりません。過疎対策事業及び地方単独事業に関して、次ページ以降一言触れたいと思っております。
22ページをご覧ください。一般会計債における財融資金の貸付先の割合を示したものです。これを見ていただきますと、公共事業等が減少する一方、過疎対策が増加の傾向にあることが分かります。過疎対策事業については、過疎地域に指定された市町村が過疎地域自立促進計画に基づいて行う事業として、産業振興施設、厚生施設など比較的広い事業について起債の対象となっています。以前は、財融資金が全額賄ってきたところ、平成22年度以降、一部事業に民間資金も充てられているところです。自助、共助、公助の役割分担の観点から、今後過疎対策事業の一部について共助たる機構資金の活用についても検討すべきではないかと考えております。
23ページをご覧ください。先ほど申し上げましたが、地方単独事業につきまして、地方の自主的な取組であることから、現在貸付けを実施しておりません。ただ、26年財投分科会の報告書において、「大規模災害等への対応強化等の防災・減災に資する真に必要な施設整備等に積極的に対応するため、地方単独事業であっても融資の対象としていく」との整理をいただいていたところです。昨今の豪雨災害において、都道府県管理の中小河川で被害が生じていることも踏まえ、地方自治体が行う防災事業がその重要性を増しているところ、足元で自然災害防止事業に要する地方債の金額も増加しております。今後、防災については、地方単独事業であっても公助である財政融資資金を積極的に活用していくこととしてはどうかと考えているものです。
24ページにお進みください。臨財債についてです。臨財債については、赤字補塡の性格を有することを踏まえると、財融資金としては引き続き抑制的な関与にとどめると本財投分科会において議論してきたところです。財融資金は、こうした議論を踏まえ、毎年その引受割合を減少させてきたところですが、今後も減少させていくことを基本にすべきと考えております。
最後に、25ページをご覧ください。これまで説明した論点を大きく4つの項目に分けて記載しております。
1つ目は、改めて財融資金の役割について整理したものです。自助、共助、公助という観点から、財融資金は民間資金の補完的役割を担いつつ、財融資金の持つ資源配分機能及び経済安定化機能に着目しながら、機構資金とその役割を分担していきます。
2つ目は、1つ目の議論と関連して、一部事業についてその在り方を検討すべきではないかとしています。具体的には、地方単独事業のうち、防災対策事業に財融資金からの貸付けを行う、過疎対策事業について機構資金からも貸付けを行うよう要請することを検討すべきとしております。
3つ目としては、財融資金としても機構資金における特別利率の今後の動向を注視していくことが必要ではないかとしております。
最後に、臨財債については、引き続き抑制的な関与を基本とすべきではないかとしております。
最後に、本日ご欠席されております冨田委員から意見書が出ておりますので、その要点をご紹介します。地方公共団体金融機構資金も財政融資資金も基本的には民間資金の補完的役割を担うものである。一層の民間資金の活用を促すべきである、とのことです。
私からは以上です。ありがとうございました。
〔翁分科会長代理〕ありがとうございました。続きまして、ただいま示された論点について、総務省よりご発言がございます。簡潔にお願いいたします。
〔総務省自治財政局長谷川地方債課長〕総務省地方債課長の長谷川でございます。論点につきまして、総務省から説明させていただきます。
まず、機構資金につきましてでございますが、財融資金と同様に、資本市場からの資金調達を補完することをその役割としているところでございます。貸付規模につきましては、資料の27ページに条文が記載されているところでございますが、機構法上財政融資資金の貸付けの縮減に併せて段階的な縮減を図ることとされております。資本市場からの資金調達を補完するという基本的な枠組みに立った上で、機構資金と財融資金の適切な役割分担を図っているところでございます。
その役割分担につきましては、28ページのほうに地方債計画の資金区分における配分の額を示させていただいておりますが、財融資金につきましては、災害復旧事業など国が責任を持って対応すべき部分、あるいは国の政策と密接な関係がある部分に対応いただいております。一方、機構資金は、単独事業のうち地方公共団体のニーズが高い事業に対応しまして、それぞれの資金の性格に応じて役割分担を図っているところでございます。この役割分担の在り方については、先ほどご紹介がありました検討会の中でも検討いただいているところでございます。
その上で、ご提示のありました自然災害防止事業につきましては、近年の豪雨災害等の頻発を背景に資金ニーズが増加しております。事業の性格や資金ニーズの増加等を踏まえまして、公的資金間の役割分担の在り方について十分に調整、検討させていただきたいと考えています。過疎対策事業につきましても同様に、現在過疎地域における公共施設の統廃合の流れを背景に資金ニーズが増加しております。財融資金の貸付額の一部が見直される場合においても、長期低利の資金供給を行う必要性は高いものだと考えております。いずれにいたしましても、今後役割分担の在り方の中で十分に調整、検討させていただきたいと考えております。
その次に、機構資金の特別利率の在り方についてでございます。資料の19ページのところにご説明がございます。機構の貸付利率につきましては、機構法上、まず収支相償の原則に基づいて決めること、そして、機構が民間からの資金調達を補完するという組織であることを踏まえまして、財融資金を含む機構以外の者からの貸付条件を勘案するという2つの原則が定められております。このため、機構資金の貸付利率は、先ほどご紹介がありましたように、資金調達コストを勘案した基準利率と、地方公共団体健全化基金を活用して利下げを行った機構特別利率の2つを設定しております。
足元、超低金利下の中で、機構特別利率につきましては財融資金の貸付利率と横並びの状況になっているところでございます。先ほどご説明がありましたとおり、27年、28年度は基金の運用益の減少によりまして利下げ財源に不足が生じたために、一部自己財源を充当しているという状況でございます。機構においては、地方公共団体に民間資金の補完として長期かつ低利な資金を融通するという目的を達成するために、安定的な経営を図る中で、経営に支障のない範囲で適切な利下げを行っていく方針と伺っております。いずれにいたしましても、法律の定める原則のもとで機構において適切に判断いただくものと考えております。
最後に、臨時財政対策債につきましてでございますが、臨時財政対策債の発行残高が増加しておることを踏まえまして、総務省としましても地方財政の健全化の観点からも大きな課題であると認識をいたしております。一方で、地方財政は依然として巨額の財源不足が生じている状況でございます。本来であれば、交付税率の引き上げ等で対応いただくところ、国、地方とも極めて厳しい財政状況下でありますことから、国が一般会計からの加算、地方は特例債、臨時財政対策債の発行によって対応しているものでございます。
したがいまして、臨時財政対策債は個々の地方公共団体の財政運営の結果生じた赤字を補塡するというものではなく、国の制度改正によっていわば地方交付税の代替措置として発行するものでありますことから、その資金調達に当たっては、引き続き国が一定の資金を確保する責任があると考えているところでございます。特に資金調達力の弱い一般市町村については、引き続き公的資金を供給する必要があると考えているところでございます。
私からは以上でございます。
〔翁分科会長代理〕ありがとうございました。それでは、これまでの説明を踏まえまして、委員の皆様からご意見をお願いいたします。中島委員、お願いします。
〔中島委員〕どうもありがとうございました。機構のことについて1つお伺いしたいです。貸付金利で特別利率が、公営競技納付金等を、あるいはそれをもとにした地方公共団体健全化基金からの運用益を利下げ原資にしているというお話だったのですけれども、20ページの右を見ると、利下げ補塡所要額が200億円の段階で、基金組入額では全然不足となっています。
今概略はお話があったのですが、他方で、13ページ、機構の財務状況を見ると、損益計算書ですが、当期純利益が279億円となっています。利下げ補塡所要額が200億円で、現状の超低金利が続いていくと、自ずと限られた年数で、特別利率を出すに当たってどんどん機構自体の剰余金というか、そういうものを使うしかなくなってくるのではないか、特別利率適用について支障が出てくるのも、このままでいくとそう遠からず想定できるのではないかという気がするのです。この点については、もちろん冒頭機構自体の検討会に今日ご参加の委員の方々の中にも何人か委員としてご参加ということなので、議論はされていらっしゃると思うのですが、共助の形は大変趣旨は分かりますし、よろしいんですけれども、果たしてうまく資金繰りが回っていくのかどうか、目的を十分に果たせるのかどうか、そこが気になるところです。そこをどうご覧になられているのか教えていただければと思います。
〔翁分科会長代理〕それでは、お願いします。
〔総務省自治財政局長谷川地方債課長〕ご指摘いただいた点につきましては、私どもの地方財政審議会のもとに置いた検討会でも指摘、議論がされているところでございます。先ほど申し上げましたように、地方共同法人たる機構が自主的に決定することでございますが、1つには、経営体としての判断でございます。先ほど申し上げましたように、足元当期純利益がおよそ300億円前後で安定して利益を出しているところでございますが、一方で、利下げのための財源が不足しているということで、自己財源を充当しているということでございます。
その上で、今当期純利益として300億円前後出しているということで、安定的な経営が図れている現状ではありますが、先ほど申し上げましたとおり、27年、28年に不足が生じている、公営競技納付金の見通しも不透明な中で、これについては今後の検討課題の一つであろうということでございまして、現状としましては、金融情勢等を踏まえながら、経営に支障がない範囲で適切な利下げを行っていく。その在り方について、今後議論を深めてまいりたいと考えております。
〔翁分科会長代理〕そのほかいかがでしょうか。江川委員、お願いします。
〔江川委員〕1つご質問ですけれども、28ページの地方債計画資金区分の中で、公的な部分と民間の部分の割合というのが大体3対7ぐらいかなと思ったんですけれども、28ページにあります地方債計画でそういうふうに見たのですが、お伺いしたいのは、17ページとかで例えば地方債計画の資金別構成比の割合というのが、かなり公的な部分を減らそうというのが平成15年から19年ぐらいはずっとあったのですけれども、最近はいろいろな事情があってなかなか減らせないというところもあったと思うのですが、長期的にどのくらいのバランスが望ましいとお考えなのか教えてください。
〔総務省自治財政局長谷川地方債課長〕公的資金と民間資金の比率ということでございますが、地方債資金につきましては、財投改革、政策金融改革、あるいは地方分権の趣旨を踏まえまして、公的資金の重点化を行っているわけでございます。それに伴いまして、民間資金を中心にした調達への転換を図っているところでございます。特に民間資金の調達に当たりましては、都道府県、政令市を中心に、市場公募地方債の発行を推進してきているところでございまして、その取組を通じまして、財投改革の前では公的資金と民間資金の割合が公的資金が6、民間資金が4という割合でございます。長らく6対4という形で推移をしてきましたが、現在ではこれが逆転しまして、平成29年度には民間資金が6、公的資金が4ということになっているところでございます。
一方で、足元は若干その歩みがとどまっているのではないかというご指摘でございましたが、リーマンショック時の金融市場の混乱等に応じまして、弾力的に補完をするという取組を機構資金においてもしております。その規定も設けられているところでございまして、金融市場の混乱時、あるいは災害時については地方公共団体の資金調達に支障を来すことがないように、弾力的に対応することも一方で必要だという中でこれまで取り組んできた結果で、4対6から6対4に変わってきているという状況でございます。
〔江川委員〕お伺いしたかったのは、それは分かっているので、長期的にはどういう割合がよろしいかということです。
〔総務省自治財政局長谷川地方債課長〕長期的に見通す、一定の確たる数字をお示しするのは現状ではなかなか難しいとは思うんですけれども、私どもとしては、市場公募化を引き続き進める中で、資金調達力の高い団体についてはできる限り市場公募で調達していく。その上で、逆に資金調達力が弱い一般の市町村については、公的資金でセーフティーネットとするといった中で適切な役割分担をし、より長期的なトレンドとしては、民間資金を増やす形で定まっていくのではないかと考えております。
〔廣光計画官〕我々の立場から補足いたしますと、18ページでご説明をしましたけれども、市場公募債の中でも長期化が少しずつ進んでいる現状であります。このようにさまざまな努力が進んでおりますので、その状況をみながら、我々は民間の補完として融通をしておりますので、民間がどこまでできるかをにらみながら、我々の役割である資源配分機能、経済安定化機能を頭に置き、毎年度どこまで充てていくのか考えていきたいと思っております。
〔翁分科会長代理〕土居委員、お願いします。
〔土居委員〕1点質問と、1点私の意見であります。
1点は、過疎対策事業債に関することであります。資料2の30ページに対象事業が書かれているのですけれども、法律上指定されている過疎地域に該当するところでこの事業を行う場合には起債が許されるということですが、交付税措置もほかよりは相当厚く講じられているということだと認識しております。
ただ、皮肉な話を言うと、政令指定都市の中にも過疎地域があったりするというほど、過疎地域とは一体何なのかというところは根本的な疑問を私は持っておるのですが、これはいかんせん法律で定められているものでありますから、そこには財投分科会としては立ち入らないということだとしても、極端に言えば、当該市町村で事業を営むときに、一般の公共事業債ではなくて過疎対策事業債という形で起債すれば、実質的な元利償還負担が軽くなるという認識で、あえて過疎対策事業債で起債するという形で公共事業を行っているということがありはしないかという見方を私は持っております。
その一つの表れなのか分かりませんけれども、21ページの左下にある過疎対策事業債の金額は最近増えているということがあったりいたしますから、本来は過疎地域とはどういう地域であるべきかという根本的な議論は必要だと私は思いますが、そこは棚に上げるとしても、過疎対策事業債で起債する事業は今のままでいいのかどうかということについて、どのように総務省ではお考えなのかというのをお伺いしたい。対象事業は対象事業として何らかの範囲を見直すおつもりがあるのか、ないしは事業の中身は変わらないけれども、要件をさらに見直すおつもりがあるのかというところをお伺いできればと思います。それが質問であります。
もう一点は意見ですけれども、先ほど中島委員もお触れになられましたが、機構の特別利率に関してであります。確かに今の状況だと、持続が難しいということはあろうかと思います。今後デフレ脱却に成功すれば、金利は上がる。もちろん金利が上がるのがどちらに振れるかは、ケース・バイ・ケースではあると思いますけれども、運用益が増えるという形で収支が改善する方向に向かうのか、それとも、機構の資金調達の金利と財政融資で賄われるところの国債金利との間のスプレッドが大きく開く場合には、利下げが不十分にしかできないか、さらに国債の金利や財政融資の利率並みに下げようとすると、地方公共団体健全化基金の収支が悪化するということになるか予断を許さないところはあるわけですが、私の意見としては、今のほぼゼロ金利のような状況で利下げをすることによって得られる地方公共団体の恩恵よりも、むしろデフレ脱却に成功した後でそこそこのプラスの金利がついたところで利下げの恩恵を受けたほうが、しかもそれは国債の金利よりは高いかもしれないけれども、地方公共団体金融機構で調達されておられる基準金利よりも少しは低いという形で基金を使うほうが、地方公共団体には本当はメリットがあるんじゃないかと思うわけですね。
ただ、そうはいっても、将来どうなるか予断を許さないので、目先の利下げという話になるのかもしれませんけれども、極端に言えば、今赤字を出してまで利下げをするというよりは、むしろ今は利下げをほどほどにしておいて、将来デフレから脱却した後で金利を下げるのに基金を使うためにとっておくというほうがいいのではないか。そうすると、当然のことながら、平成30年なり31年なりにデフレから脱却する前の段階では、機構特別利率は財政融資の利率よりは高い利率になるということが想像されるわけですけれども、私はむしろそれでいいのではないか。
逆に言えば、民間の企業金融ではペッキングオーダー理論という話がありますけれども、それぞれの資金の源によって金利、資本コストが違うということだから、金利が低い資金調達手段から順番にペックしていく、つついていって、やがてより高い資金調達手段で調達せざるを得ないのだけれども、果たして本当にそこまでコストをかけて事業を営むことがいいのかどうかということを起債する側に考えさせる。そういう意味では、一番低い金利は財政融資資金の利率で、その次に低いのが機構資金の金利で、その次に高いのが民間資金という、地方債の中でもペッキングオーダー理論に従った利率の序列があってもいいんじゃないかと私は個人的な意見として思っているわけで、そういう意味でも、19ページにあるように、機構の特別利率が財政融資資金の利率とぴったり張りつくところまで赤字を出してまで引き下げる必要はなくて、むしろ将来金利が上がったときに、それでも基準金利より下げられるために、基金を取っておくほうがいいのではないかと思います。
以上です。
〔翁分科会長代理〕ありがとうございます。この点につきまして、総務省から何かございましたらお願いします。
〔総務省自治財政局長谷川地方債課長〕1点、過疎対策事業債の対象事業の考え方ということについてでございますけれども、過疎対策事業債は過疎地域自立促進特別法に基づく計画に記載されたものが対象となるということでございますが、現状は地方公共団体の公共施設の老朽化対策が大きな課題となっておりまして、過疎地域も含む市町村において公共施設等総合管理計画を策定しております。その中で、施設の統廃合ですとか長寿命化ですとか、今ある施設をいかに適正に管理していくかという中で、事業の必要性を判断しているという状況でございまして、過疎地域で今過疎対策業事業の資金ニーズが増加しているのも、1つには学校の統廃合、あるいは簡易水道事業などの更新需要が背景にあると考えております。
また、過疎対策事業のハード事業の中でも、半分近くが国庫補助事業になっておりまして、国としても推進する必要があるという中で、事業の選定がされていると考えております。今後とも、それぞれの地域で責任を持って事業の必要性を判断される中で、国としても公共施設の総合管理、適正管理の観点から、事業の適正な選定がなされるように働きかけてまいりたいと考えております。
〔翁分科会長代理〕それでは、沼尾委員、お願いします。
〔沼尾委員〕幾つか申し上げたいと思います。まず初めに、先ほどご紹介のありました機構の業務の在り方検討会ですけれども、現時点で2回ほど開催されておりまして、機構のこれまでの役割ですとか、公助、共助ということで公的資金についての融資のチャネルが2つあるということ、それによって公的資金の仕組みが量的に補完されているということのメリットですとか、あとは、実は機構が相当地方支援の業務を行っておりまして、自治体職員はなかなか金融に関する専門的な知識がないというところを、研修その他でサポートしているといったところが評価されているということ、それから財融資金に比べて借入れの手続が簡便で自治体の側からすると使いやすいといったところもあって、一定の意義があるという話が出ています。
あとは、民間資金の補完という話が先ほど出ましたけれども、小規模な自治体はなかなか市場での資金調達が難しいですし、長期の資金を借り入れることの難しさという点での補完というところについて、検討会の中でも非常に高く評価されたところでございます。ただ、今の民間の金融市場の変化ですとか、金融機関の側でのリスク管理強化の流れの中で、今後地方銀行からの借入れの環境が非常に厳しくなるのではないかとも言われておりまして、そういう意味でも、機構をはじめとする公的資金の役割は一定程度非常に重要性を増してくるのではないかという議論もあったところです。
そういったことも踏まえまして、今日いただいている論点について、私のほうで気になったことを幾つか申し上げたいと思うのですけれども、まず初めに、地方単独事業のうち防災対策事業については国の責任ということで、災害対策で貸付けを行うというのは非常に意味のあることだと思っていて、そこに財融資金が入るというのは大変重要ではないかなと思っています。
一方で、過疎対策事業に関する貸付枠の話ですけれども、先ほどから議論も出ておりますとおり、過疎法で指定していて、過疎地域に対する一定の支援を行うということがルールとして決められている。その中で、国の責任ということを考えたときに、共助の枠組みをどう入れていくのかということが問われてくるだろうと思います。結局共助ということなので、地方公共団体全体での支えあいの仕組みとなるわけですが、そこで、特定の過疎地域に限ったところにだけ貸し付けるという枠組みを機構が引き受けることをどう考えるのかという判断になってくると思うんですね。
ただ、過疎対策事業の中でも、一般公共事業債でやっているのと同じような事業を、先ほど土居委員からのご指摘にもあったとおり、より有利な過疎債でとやっているようなケースもあるので、そのあたりも含めて、どういう形で過疎対策事業について機構資金を入れていくのかというところは慎重な検討が必要なのではないかなと思いますし、国としての責任ということは考えていく必要があるのだろうと思います。
あと、これはここで申し上げることではないかもしれないですけれども、総務省では別途過疎問題懇談会を立ち上げておりまして、これだけ全国的に人口減少が進む中で、改めて過疎というものをどう見直して、過疎地域の定義ですとか、人口が減少して非常に過疎化が進む地域に対する財政支援をどう考えるのかということについても今検討しているところですので、先ほどの土居委員のご指摘にあったようなところについても検討されていくのかなと私自身は考えているところです。
それから、最後の臨時財政対策債の話ですけれども、これまで確かに赤字補塡の性格を有することを踏まえて、抑制的な関与を基本とするということで報告書をまとめられているんですが、これは以前から私がこの場で申し上げているとおりでして、本来であれば交付税措置で対応するべきものということで、財源保障できなかった部分について、その半分を地方で担うというものなので、それに対する融資の在り方について公的な責任は非常に大きいのではないかと思っております。とりわけ小規模な自治体については、先ほど申しましたとおり、なかなか資金の調達も厳しいという環境もありますので、一定の公的な関与について必要があるのではないかと考えているところです。
以上でございます。
〔廣光計画官〕よろしいでしょうか。
〔翁分科会長代理〕お願いいたします。
〔廣光計画官〕過疎債についてご意見をいただきました。過疎債に機構がどういった形で関わっていくかということは、相手のある話ですので、最終的には機構の判断事項でもあるかと思っていますけれども、1つありますのが、過疎対策はこれまでもいわれていますが、国土の保全であるとか国民全体の安心・安全な生活を支えるとかいった公的な意味合いも持っておりますので、共助の対象として機構に入っていただくという議論は十分可能ではないかなと思っております。このあたりも含めて総務省、機構ともよく議論させていただきたいと考えております。
臨財債については、たびたびこの分科会でもご議論があったと伺っておりますけれども、財投としては、資源配分機能というご説明をしましたが、資金配分機能の発揮にこだわりを持っておりまして、論点にあげた整理をさせていただいております。他方、ご指摘がありましたように、市町村については柔軟に対応していく必要があるのではないかといったご意見もいただいてきたところでして、そのご指摘も踏まえた対応はしていくことになると考えております。
それから、民間の金融機関のお話をいただきました。6月に金融庁からパブリックコメントに出されたもので、銀行の金利リスクについての監督指針の案が示されていることを踏まえたご指摘だと思います。まだファイナライズされたものが出てない状況だと伺っていますけれども、今後、金融庁がどのような監督指針をお持ちになるのか、我々としてもよく注視していきたいと考えております。
以上です。
〔翁分科会長代理〕それでは、最後に一言でお願いいたします。
〔林田委員〕臨時財政対策債のことでお伺いしたいのですけれども、抑制的な関与にとどめるという方針を続けているということですが、確かに全体に占める割合は今回は24.0%と前年度より0.5ポイント下がっていますが、実額を見ますと、リーマンショック時以来の増額になっておりまして、これは何か考え方が変わったのかどうなのかというあたりをお伺いしたいのですが。
〔廣光計画官〕基本的な考え方は変わっていません。まさにリーマンショックのときもそうですけれども、民間の補完ですので、全体のボリュームの中で、民間で賄い切れない部分を補完するために、量的に増えることはあるというのがこれまでの経緯だと思います。ただ、できるだけ関与を減らしていくといった観点から、率を少しずつ下げていくと整理しています。
〔翁分科会長代理〕よろしいですか。
〔土居委員〕臨財債に関してですけれども、一番金利が低いので、臨財債が出せる自治体にとっては当然まず財政融資から借りて臨財債を発行する。だけど、発行できる枠全部を使う市町村、自治体ばかりではなくて、臨財債を出せるけれども、その枠をいくばくか残した形で最終的な決算を締めるという市町村、都道府県もそうですが、自治体があるということだと思います。
ですから、当然ながら、財政融資の金利が低いということで、臨財債をある種出し易くしているという面もあるわけなので、地方自治体にもコスト意識を持っていただいて、臨財債を出すぐらいだったら、歳出抑制をして財政健全化に努めるという発想は地方自治体側にもメリットがあるわけですから、臨財債でも金利のコストがあるということをしっかり認識していただくようなことで、財政融資の関与は限定する必要があるのではないかと思います。
〔翁分科会長代理〕ありがとうございました。それでは、このあたりで質疑を終了したいと思います。
ここから内閣府担当部局が入室されますので、しばらくお待ちください。
(地方公共団体 着席)
〔翁分科会長代理〕それでは、上下水道コンセッション推進のための補償金免除繰上償還につきまして、廣光計画官より要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いいたします。また、本日欠席されている冨田委員より、コンセッションについても意見書が提出されておりますので、併せてご紹介をお願いいたします。
〔廣光計画官〕引き続き、私、廣光から資料3についてご説明いたします。時間も押していますので、少し駆け足になりますが、ご容赦ください。
1ページをご覧ください。3点ありまして、1点目にこれまでの議論をご紹介しまして、2点目に要求の概要、3点目に編成上の論点についてご説明をします。
3ページをご覧いただければと思います。政府の方針についてまとめてございます。下に赤いところがございますが、本年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」でございますけれども、「地方公共団体による公共施設等運営権方式の上下水道事業への導入を促進する観点から、一定の期間を設け、今後の横展開の呼び水となる先駆的取組を通じ当該事業に有する債務を運営権対価で繰上償還する際に、補償金の免除・軽減により特例的に支援するため、PFI法について、来年度から適用されるよう必要な措置を講ずる」とされております。
4ページをご覧いただければと思いますが、下の四角ですが、改正水道法案が本年3月に提出されていました。先般の衆議院解散を受けて廃案となったため、厚生労働省が国会への再提出に向けて対応するとのことですが、本法案では、地方公共団体が水道事業の認可主体を維持しつつ、水道施設の運営権を民間に設定できるようにする旨規定されております。
このような政府内における検討の状況につきまして、本年6月の財投分科会でご報告したところです。その際、委員の皆様方からいただいたご意見を簡単にご紹介しますと、「財投の健全性を損なうことのないよう基準を明確に定めるべき」、「補償金免除繰上償還をインセンティブ措置とすることが安易に乱発されてはならない」、「コンセッションで公営企業の運営に民間のノウハウを活用することは有益である」、「補償金免除繰上償還がだめかよいか、0か1かという発想ではなく、総合的に判断するべき」、「閣議決定のとおり一定の期間を区切ること、横展開の呼び水となる先駆的取組を支援することがポイント」などのご意見をいただいております。本日は、ご意見を踏まえながら、要求の背景からその概要、さらにはこれらを踏まえた整理についてご説明いたします。
5ページにお進みください。上下水道の現状の問題点です。右半分のグラフをご覧になっていただきますと、水道の料金収入は、上水についてはすでに下がってきておりますし、下水についても今後減少に転ずることが想定されているというものです。
6ページをご覧ください。水道事業について、今後の投資の見込みですが、過去に行った設備投資の更新投資が必要になってくるということでして、厚生労働省は、更新投資のピークである2046年から2050年には年平均1.4兆円に上る投資が必要であるという推計をされております。下水道事業についても、今後老朽化が急速に進行することが見込まれております。
7ページをご覧ください。7ページは、職員についてみておりますが、職員数は減っておりますし、特に小規模なところで著しく少なくなっているという問題があって、特に技術系の職員の技術継承が問題になっているという話です。
8ページをご覧になってください。これまでご説明した課題を踏まえた改革の方向性についてです。上下水道とも広域化や民間活用に取り組む必要性が指摘されておりまして、水道での広域化の例として右上に香川県の例をつけております。下水道の例として右下に山形県新庄市の例をつけております。そして、民間活用の中の一つの手段として、PFI、コンセッションが挙げられているといったわけです。
9ページにお進みください。これは、PFIについて解説したものですので、省略いたします。
10ページをご覧ください。PFIの中で、特にコンセッションについて取り上げたものですが、コンセッションとは、公共施設について施設の所有権を公共が有したまま、施設の運営権を民間に設定する方式です。民間事業者による安定的で自由度の高い運営が可能となりまして、質の高いサービスの提供が期待されるということです。コンセッションでは、民間との契約期間が長期にわたり、民間が更新投資も含めて実施することが前提となります。更新投資を含めて広い範囲で民間目線による長期の経営が可能となるため、費用の削減を通じて公的負担の抑制にもつながることが期待されているというものです。
11ページをご覧になっていただければと思います。これは、コンセッションの進捗状況についてまとめたものですが、PFI推進アクションプランといったものがございまして、こちらに記載されている事業が重点分野として位置づけられております。空港などのいわゆる成長分野の事例形成は進んでおりますけれども、上下水道などのいわゆる成熟分野の事業形成は芳しくないといった状況です。
続いて、12ページ以降で30年度の要求内容をご紹介いたします。
まず、13ページをご覧になっていただければと思います。閣議決定を受けまして、内閣府から要求が出ております。要求の背景ですが、上下水道の持続可能性を確保していくことが必要と考えているということで、このため、集中取組期間を設けまして、先駆的取組に対して特例的に支援し、それを呼び水として全国に広げていくということです。
14ページをご覧になっていただければと思います。立法措置につきましては、PFI法の改正を行うことで対応したいと考えているということです。支援対象事業については、6月の分科会でも、財投の健全性を損なうことのないよう基準を明確にすべきとのご指摘がありましたが、先駆的取組としてふさわしい事業と考えられるものを明確化する観点から、運営権者が更新投資に責任を持ち、運営権対価を一括払いする事業を考えております。なぜ一括払いかと申し上げますと、投資額回収のために民間に規律を持たせられる、資金を回収する規律が働くということから、一部分割払いを許容しつつも、一括払いを推進しております。さらに、対象の自治体・事業につきましても、厳しい環境のもとで自助努力を行っている事業体に対して支援をするものとしております。
なお、この要件につきましては、内閣府から合理的な範囲内で見直すとの要望もあることから、要求内容をベースに効果的かつ合理的な範囲内で検討、調整してまいります。
15ページをご覧ください。支援対象債権については、金利3%以上とさせていただいております。それから、一番下ですが、支援対象期間につきましては、6月の当分科会でもご指摘がありましたように、先駆的取組を特例的に支援する観点から、平成30年度から32年度までに実施方針条例を制定したところを対象とするとしております。
16ページにお進みください。支援件数でございますが、PFI推進アクションプランにおいて水道6件、下水道6件の事業具体化目標を掲げておりますので、これを目安に支援件数を見込んでおります。支援金額でございますが、最大合計100億円程度、補償金免除相当額につきましては数億円から十数億円程度を見込んでいるとのことです。このほか、支援対象事業に対する新規貸付けは3年間停止する、一定のペナルティー措置を場合によっては講ずるという旨が記載されております。
続きまして、17ページ以降の論点に移ります。
18ページをご覧いただければと思います。「上下水道コンセッションの補償金免除繰上償還を実施する意義」とさせていただいております。閣議決定で繰上償還を行うこととした背景をご説明します。今までのご説明をまとめますと、地方公共団体は効率的かつ効果的な公共サービスの提供が求められているところ、PFIにより民間の資金、ノウハウを活用することで、公的負担の抑制、質の高い公共サービスの提供を行うことが期待されております。その中でも、コンセッションは民間に運営権を長期間付与することにより、民間が更新投資も含めて事業の責任を負うことによりまして、設備の老朽化への対応が可能となること、また、人手不足への解決策となり得るといった利点がございます。
19ページをご覧ください。なぜ上下水道コンセッションを支援するのか説明いたします。上下水道事業は、全ての住民の暮らしに必要不可欠ですが、先ほどご説明したような課題が生じることが予想されております。しかしながら、現状の公営企業の経営体制では、こうした経営環境の悪化に十分対応できないことも懸念されており、コンセッションの活用が期待されているといった次第です。上下水道事業では、民間運営に対する住民の理解が進んでおりませんし、コンセッションの前例が少ないため、具体的に導入を検討するところが少ない状況です。こうした状況に鑑み、広く検討を促していくため、先駆的取組に焦点を当てた支援策が必要であると考えております。
最後に、繰上償還を実施する意義です。コンセッション導入により、地方公共団体は運営権対価を収受することができ、これを原資に繰上償還を行うことが想定されますが、この場合、本来補償金を支払っていただく必要があります。この点、コンセッション導入の観点から、、
に該当する団体、事業については、法改正に基づき補償金を免除し、支援していくことにしたいと考えております。まず、
については、先駆的取組に対して支援を行うということ、
については、先ほどのご説明でも触れましたが、人口減少が進むなど厳しい経営環境にある中で努力をしているところを対象にしたいと考えております。これによりまして、6月の当分科会でもご指摘がありましたように、補償金免除繰上償還がインセンティブ措置として安易に乱発されないようにすることを考えております。
20ページをご覧ください。参考としまして、平成19年度からの地方公共団体に係る補償金免除繰上償還との比較をしております。左側が以前の繰上償還、右側が今回の繰上償還です。過去の措置は、財務状況が悪化したところに対して、早期に元本回収を行い、債権保全を図ることが目的であり、地方公共団体の公債費負担対策という側面がありました。また、団体数や金額の規模が大きく、財投特会の準備率も1,000分の73ございました。これに対して今回の措置は、先駆的取組に焦点を当てた支援であり、地方公共団体の案件形成を支援するもの、つまり、一部の地方公共団体の政策誘導と位置づけられております。また、団体数や金額の規模が小さく、特会の準備率も法定準備率の1,000分の50を大幅に割り込み、1,000分の4となっております。このため、今回は財投特会の積立金以外の財源を活用することも含めて検討し、できる限り財投の健全性に影響を与えないよう検討してまいりたいと考えております。
最後に、21ページをご覧ください。これまでの話をまとめまして、論点を整理させていただいております。
最後に、本日ご欠席の冨田委員からいただいた意見の要点をご紹介いたします。補償金免除繰上償還について、到底容認できるものではないとした上で、今回の提案は前回までの地方負担の軽減のために行った措置とは異なる位置づけであることは理解するが、補償金免除は極めて特例的な対応であり、上下水道コンセッション以外の分野への波及は避けるべきである。また、先駆的取組に限定して効果的、効率的に支援すべきである。さらに、補償金免除繰上償還はしかるべき文書において、国民負担として分かりやすく明記すべきではないかとのことです。
事務局としても、ご指摘を真摯に受けとめたいと考えております。特に明記すべきとの点につきましては、これまでと同様財投レポートでの公表などに取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上です。
〔翁分科会長代理〕ありがとうございました。それでは、質疑をお願いいたします。土居先生。
〔土居委員〕1点質問させていただきたいと思いますけれども、コンセッションのPFI事業者、特に今回補償金免除の対象になるPFI事業者には、当該地方自治体が出資するというような関与のあるものが入っているのでしょうか。
〔内閣府民間資金等活用事業推進室坂本参事官〕現在のところ、出資を行うものというのは、奈良市など検討を行っているところはございます。
〔土居委員〕分かりました。そういたしますと、純粋に民間だと思って議論をしようとしていたんですが、厄介な問題で、パンドラの箱をあけたみたいなところがあるわけですけれども、PFI事業者はノンリコースでやっていただかないと、経営の規律が働かない可能性があるということだと思います。
もしPFI事業に失敗した場合、ないしは債務超過になった場合、その尻拭いは誰がするのかという話になったときに、地方自治体が結局は何らかの追加支出を強いられるということになると、何のためにPFI事業者に任せたのかということに当然なりますから、もちろん出資したから直ちにノンリコースじゃないとまでは申しませんけれども、契約の上ではきちんと経営主体を分離して、自治体の赤字補塡とか減資という形の追加的な補助がないということをしっかり担保していただいた上で、コンセッションを推進していただくということが必要なのではないかと。
そうすると、何のために補償金免除をしてまで支援したのかというところが問われますので、もちろん契約を結ばれるのは当該自治体ですから、そこまで国が関与できないということなのかもしれませんけれども、実際に補償金免除をするということになった場合には、理財局におかれましても、PFI事業者が免除を受けた後どういう運営状況になっているかということをしっかり見届けていただく、ないしはそういう報告を義務づけるぐらいでいいと私は思うのですが、補償金免除に対してのある種の対価をしっかり払っていただくということが必要なのではないかと。
それで、もう一つ申し上げると、金利変動準備金を活用できないという計画官のご指摘があったわけですので、ぜひ政府部内では財政投融資特別会計の金利変動準備金の重要性、意義をこれを機会に再確認していただくということもお願いしたいと思います。
〔翁分科会長代理〕川村委員、お願いします。
〔川村委員〕ありがとうございます。コンセッション方式を導入して、PPPでやっていくというのは一つの方法であり、大いに進めるべきだと思うし、それによって結果として公的な負担が減っていくというのは非常に意味があると思うんです。
ただ、ぜひ現場レベルでご注意いただきたいと思うのは、11ページに空港、道路、水道、文教施設などさまざまなコンセッションの対象がありますが、とりわけこの中でも水道というのは収益性が基本的に低くて、メンテナンスがかなり大変だという仕事だろうと思うんですね。言い換えると、民間としてもそれほど利があるわけじゃなくて、結構3K的な部分もある。そこに出てくる事業者というものは、ある意味で相当きちっとしたスクリーニングとデューデリをやっていかないと、そこの部分の難しさはあると私は思うんです。要するに、官がやっても儲からないから、民がやって儲かるというほど事は簡単ではないわけでありまして、そういう誤解で来る事業者もかなりいるということについては、ペーパー上非常によくても現実は違うということはよくあるので、そこにぜひご留意いただきたいということが1つ。
それからもう一つ、PFI法がさまざま改正されてきているということは承知しておりますけれども、これを活用する民間事業者の側から見たときに、まだまだ使い勝手が悪い。所有者が公的団体であることによって、いろいろコンセッションでやっていこうという業務が単一じゃないわけですね。土管を布設するのか、接合するのか、地上に出すのか、どこかにつなげるのかによって役所の担当部署がみんな違って、それごとにパーミッションが要る。自治体の首長からいいと言われて内諾の紙までもらっているのだけれども、現業部署からの正式な承諾書が出ないから工事に着工できないとかいうケースもままあるわけで、利用のし勝手、利用のしやすさというものについては、複層的に絡まると非常にややこしい話になるので、そういう意味でいくと、一言で言うと、普通の事業者の感覚から言えば、面倒くさいし、手間がかかるし、役所と交渉しなきゃいけないし、儲からないしみたいなはずなんですよね。ですから、そこに出ていくというのは、逆に言うと、よっぽど腹を据えて出ていく事業者さんであるはずなので、その目利きというのは改めてきっちりやっていただきたいと思います。
〔翁分科会長代理〕ありがとうございます。中島委員、お願いします。
〔中島委員〕数字の確認です。16ページで、これから見込んでいる支援金額は3年間で最大合計100億円程度ということですが、これは、現在の先駆的取組で支援件数は水道事業で6件、それから下水道事業で1件を除く5件ということになっているのですけれども、それ以外にどのぐらい見込んだ数字なのかというのが1つです。それから、15ページですが、支援対象債権が金利3%以上で財融が引き受けているとありますので、上下水道でそもそも全体としてこれの対象になる債権額というのは幾らぐらいあるのか教えていただければと思います。
〔翁分科会長代理〕江川委員、お願いします。
〔江川委員〕今の川村委員のコメント、ご意見とも関連するのですけれども、コンセッション事業自体は私もいい方向性だと思うのですが、海外の実際の民営化の事例を見ていると、かなり大規模な事業者がそれぞれの国に2つとか3つ出てきて、規模の経済をうまく生かしながらこういう事業をやっているという印象を受けます。
今回のコンセッション化というのは、それぞれの地公体が意思決定をして進めるということなので、規模の経済をどう働かせることができるのかというのはなかなか難しいとは思うのですけれども、川村委員もおっしゃったように、民間がやったからすぐに黒字になるということではなくて、むしろある程度広範囲を手がけて、そこでの規模の経済をうまく生かさないと、おそらく民間でやってもそんなにうまくいかないし、伸びていかないのではないかと懸念しています。今回補償金免除繰上償還みたいなことでインセンティブを与えるのであれば、やろうとしているところの周りの地公体も巻き込んで、もう少し広範囲のパイロット事業にするとか、将来につなげていくための工夫にぜひ生かしていただきたいと思います。
〔翁分科会長代理〕それでは、今までのご意見、ご質問につきまして、お答えがありましたらお願いいたします。
〔内閣府民間資金等活用事業推進室坂本参事官〕まず、今のご指摘はまさにおっしゃるとおりで、事業者が一括して引き受けることによって規模の経済、特にPFIについては、設計から運営までトータルでやることによってメリットを出していくという部分はありますので、まずは個別の自治体と契約はするにしても、同じ業者がそれをいろいろな自治体にも横展開していくことによって、さらに規模の経済を出していくというやり方も考えられますので、そのあたりはしっかりご指摘を踏まえて広げていくように進めていきたいと思っております。
それからあと、先ほどの民間の事業者が腹を据えてやってきてくださるというのはおっしゃるとおりでして、そういう意味で、詳しくはまだ申し上げられないのですが、繰上償還も含めて次期通常国会にPFI法の改正案の提出を予定しておりますけれども、そちらの中でワンストップ的な部分も位置づけまして、事業者の方々のご不便をできるだけ解消していく方向で取り組んでいきたいと考えております。
〔廣光計画官〕補足を事務局から。100億円というのは、要求の内容ではありますけれども、16ページの上のほうにあります6件、5件をもとに要求の数字をお書きになっていると認識しています。
それから、そもそも金利3%以上で財政融資資金が引き受けているものを上水、下水についてどれだけ持っているのかということですけれども、いま手元にある数字で申し上げますと、上水で8,400億円ぐらい、下水でいきますと1.4兆円ほどになっております。その意味では、今回対象になってきているものは全体の中の一部になるわけですけれども、まさにこれは先駆的取組への対応ということの表れでもあります。先ほど申し上げましたけれども、上下水道の問題についてはいろいろな形で対応がされていくものであり、広域化や民間活用といった取組があるわけです。そして、民間活用の中の一つとして、その先駆的な取組としてコンセッションに取り組まれる自治体が出てきていて、それに対して呼び水的に支援するといった位置づけかと考えております。
最後に、土居先生からありましたフォローアップにつきましては、よく検討して、分科会のほうにもご相談してまいりたいと思っております。
〔翁分科会長代理〕それでは、一言ずつよろしくお願いいたします。
〔野村委員〕それでは、一言意見です。コンセッションを導入する意義というのは、委員の皆さんがおっしゃるように、補償金免除という特例とくぎを刺した上では導入の意義が大いにあると思いますが、ただ、上下水道という分野では特に、住民の方の理解をどう得るかが極めて重要かと思っております。11ページのいろいろな事例を見ても、議会に提出したが承認されなかったという事例も散見されます。議会承認を得るということは、自治体の住民の理解を得るということだと思いますので、ここが大きなポイントかと思っております。
今週浜松市が、フランスの企業などが入った企業連合と下水道の運営権で正式契約したというニュースもありました。特に日々の生活に関わる上下水道の運営にフランスの企業が入るというのは、コンセッションがどういうもので、導入意義がどういうものかという知識を十分に持ってない住民にとっては、かなり大きな違和感があると思います。このあたりは広く理解を求めるような働きかけ、努力が必要で、ファーストペンギンのいい事例が出たら、その好事例をかなり積極的に発信していくということが求められるのではないかと思います。
以上です。
〔翁分科会長代理〕お願いします。
〔沼尾委員〕手短に申し上げます。この国の国土構造を考えたときに、水道事業ですとか下水道事業の広域化というのは難しいところも少なくなくて、そういうところで本当に民間レベルで採算を上げていくというのはかなり大変なことだろうと思っています。もう一方で、これだけ公共的な役割を持っている上下水道を民間にとなったときに、行政の側がどうチェックできるのかというのは、当初の契約の部分、その後の維持管理の部分も含めて極めて重要になっていくと思います。
この資料の18ページ、コンセッションの意義のところで、職員の高齢化、人手不足、技術継承への解決策となり得るということを挙げているのですけれども、今後のチェックですとか、さらに契約ということを考えていったときに、専門の技術を持っている職員がいないと対等にバーゲニングできないので、そういう意味で、ここをどうしていくかということは残っていくのではないかと思っています。日本の場合、なかなか転職というか雇用が流動化していないので、海外のように民間の企業経験のある技術者の方が自治体にというのは、最近少しずつは出てきていますけれども、まだまだ多くはないというところも含めて、本気でコンセッションということを考えて、ここまで補償金免除繰上償還ということでやられるのであれば、ぜひ交渉力を強化するための支援施策というものをあわせて考えていく必要があるんじゃないかと思います。
〔翁分科会長代理〕ありがとうございます。何か特にありますか。
〔内閣府民間資金等活用事業推進室坂本参事官〕先ほどの2点に申し上げます。
まず、浜松の話がございました。フランスの会社を中心とするグループが受注をした、優先交渉権者になったということではあるのですけれども、それで契約したということですが、結局とれなかったんですけれども、実際には日本の企業を代表企業とするグループも手を挙げていまして、私も詳しくは申し上げられないのですが、技術的にはしっかりできるものは持っていたと。コンセッションではまだ事例がないですけれども、PFIでは水道のいろいろなメーカー、あるいは水道の事業者が日本の中で頑張っておりますので、今後事例を広げていく中で、また日本の企業にもそういった機会は出てくるのだと思っております。そこは競争なので、どこがいいとか悪いとかこの場では申し上げられませんが。
それからあと、国土構造の話の中で、いろいろなバーゲニング、交渉力をつけるというお話がございましたけれども、おっしゃるとおりでして、水質の検査とか日々の業務は民間にやってもらうということはよろしいかと思うんですけれども、管理者側がしっかりモニタリングをやっていくということが大事になっておりますので、そこは先行事例の空港などでもしっかりやっているところでございます。水道の分野でも管理者側のモニタリング、技術の継承をしっかりやっていきたいと思います。
〔野村委員〕すみません、言葉不足かと思いますので補足しますと、海外企業が入ってくるのがいけないと言っているわけではなく、私は個人的にはむしろコンセッションのノウハウがある海外企業が入ってくるのは歓迎したほうがいいと思っていますが、住民の理解を得るのにはより努力が必要だろうということです。
〔内閣府民間資金等活用事業推進室坂本参事官〕切磋琢磨して、いろいろな企業が頑張って日本の水道サービスが上がるというのは非常に大事ですので。ありがとうございます。
〔翁分科会長代理〕いろいろ貴重なご指摘をありがとうございました。それでは、このあたりで質疑を終了したいと思います。
ここで、内閣府・総務省の担当部局の皆様にはご退席いただきます。どうもありがとうございました。
(地方公共団体 退席)
〔翁分科会長代理〕本日各委員より頂戴しました意見につきましては、今後の財投計画の策定に活用いただければと思います。事務局より何かございますでしょうか。
〔廣光計画官〕本日のご指摘を踏まえて、編成に当たってまいります。よろしくお願いいたします。
〔翁分科会長代理〕それでは、予定の時間となりましたので、本日の議事はここまでといたします。議論いただいた内容のほか、追加のご意見、ご質問などございましたら、事務局までお寄せいただければと思います。
また、本日の議事内容につきましては、この後事務局より記者レクを行います。議事録につきましては、委員の皆様のご了解をいただいた後、財務省のホームページに掲載いたします。
次回は、11月8日水曜日、9時半から、官民ファンド等について審議を行う予定としております。
本日は、ご多忙の中、誠にありがとうございました。これで閉会いたします。