現在位置 : トップページ > 財務省について > 審議会・研究会等 > 財政制度等審議会 > 財政制度等審議会財政投融資分科会 > 議事要旨等 > 議事録 > 財政投融資分科会(平成29年6月15日開催)議事録

財政投融資分科会(平成29年6月15日開催)議事録

ダウンロードPDF [325kb]

財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録

平成29年6月15日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第

平成29年6月15日(木)10:01〜11:31
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.諸外国における財政投融資類似制度

    • 野村浩子委員 報告

    質疑・応答

  • 3.平成28年度地方公共団体の財務状況把握等の結果について

  • 4.財政融資資金等の実地監査について

    質疑・応答(3.4.まとめて)

  • 5.閉会

配付資料

資料1フランス、EUにおける財政投融資類似制度の概要
資料2平成28年度地方公共団体の財務状況把握等の結果について
資料3財政融資資金等の実地監査について

出席者(敬称略)

分科会長

池尾和人

三木財務大臣政務官

佐川理財局長

北村理財局次長

中村総務課長

井口財政投融資総括課長

木㔟管理課長

花尻計画官

深澤計画官

勝俣資金企画室長

後藤政策金融課長

委員

川村雄介

野村浩子

臨時委員

翁百合

小枝淳子

林田晃雄

渡部賢一

専門委員

中島厚志

沼尾波子


10時01分開会

〔池尾分科会長〕それでは、予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたします。

本日は、諸外国における財政投融資類似制度、それから、平成28年度地方公共団体の財務状況把握等の結果及び財政融資資金等の実地監査の3案をご審議いただきます。

なお、本日は三木政務官にご出席いただいております。

それでは、議事に移りたいと思います。初めに、本年3月、野村委員にご出張いただきましたフランス及びEUにおける財政投融資類似制度の概要についてです。まず、随行した深澤計画官に概要を説明していただいて、その後、野村委員に総括をしていただきたいというふうに思います。

それでは、深澤計画官、お願いいたします。

〔深澤計画官〕おはようございます。私から資料1に基づきまして、フランス、EUにおける財政投融資類似制度の概要について説明させていただきます。表紙と目次をおめくりいただきまして、3ページをご覧いただきたいと思います。フランスの財投類似制度・機関を図にしておりますけれども、真ん中ほどに緑色で表示しておりますBpifrance、公的投資銀行は、2013年に既存の公的金融機関を統合して設立されたものでありまして、中小企業等に対する融資、出資、保証を一体的に実施しているところに特徴があります。民間金融機関との協調融資が原則でありまして、投融資条件も民間と同一条件となっております。出資は、民間資金の呼び水となることに重点が置かれており、少数のマイノリティーの出資者として中長期の期間の出資を行っております。左下に赤色で表示しているCDC、預金供託公庫は、設立200年を超える公的機関でありまして、伝統的に非課税預金を原資として、低所得者向けの住宅等に融資を行っております。左上に青色で表示しているAPE、国家出資庁がありますけれども、フランスでは国がさまざまな大企業の株式を保有しており、APEが一元的にその資産管理を行っております。

4ページをご覧いただきたいと思います。3つ目の○にありますけれども、2013年に既存の諸機関が統合されてBpifranceが設立されたことによりまして、窓口の一元化が行われましたが、その効果として、顧客が各サービスへのアクセスが容易となり、金融サービスの最適化と顧客に対するサービス向上にもつながっているとBpifranceでは自己評価をしていると聞いております。

少し飛びますけれども、6ページをご覧いただきたいと思います。2017年1月以降、Bpifranceは、Bpifrance Assurance Exportという子会社をつくりまして、輸出保証業務を開始しているところであります。Cofaceという国の代理人として公的輸出保証の業務を引き受けていた民間の貿易保険会社から業務が移管されたというものでありまして、これによりまして、完全な窓口一元化が行われたというものであります。

7ページをご覧いただきたいと思います。続きまして、フランスのインフラ海外展開支援策についてご説明申し上げます。インフラ海外展開支援は、日本でも成長戦略に盛り込まれる重要な施策となっておりますけれども、フランスでも、近年強化が図られているところであります。企業の対外進出支援は、国庫総局という組織が所管しており、輸出保険や国による融資等を通じまして支援がなされております。

まず、2ポツの1つ目の○でありますけれども、輸出保険については、基本的に国庫総局が企業から持ち込まれた案件に対して支援の可否を決定すると。実務上は、Bpifranceが保証業務を行うという仕組みになっておりますけれども、一定の金額以下の案件については、Bpifranceに決定権限が委譲されるという仕組みになっています。2つ目の○でありますけれども、支援に当たってはリスク評価を行いまして、過度にリスクが大きい場合は拒否することもあるほか、プロジェクトに占めるフランス製品の使用が20%以上という、フレンチコンテンツといった基準により判断がなされています。なお、場合により、国庫総局がファイナンスのスキームの一部を修正した上で支援決定するケースや、資金調達の一部のみ保証するといった修正を加えた上で支援するケースもあると承知しております。なお、3つ目の○でありますけれども、支援セクターに制限は設けておらず、全セクターが対象となり得ますけれども、やはり世界レベルのプレゼンスのあるフランス企業の大型案件を支援するということで、軍事や船舶、航空といった一部の分野が大きな部分を占めているというふうに聞いています。

8ページをご覧いただきたいと思います。フランスでは従来、公的支援は貿易保険が中心ということでありましたけれども、欧州危機後、フランス企業の国際競争力強化の観点から、新たな国による公的支援措置が打ち出されております。まず、SFILという公的機関によるリファイナンス制度を2015年から新設しております。これは大型輸出案件について、民間金融機関が輸出先に対して有する貸付債権をSFILが買い取ることによりましてリファイナンスを行うというものであります。実績として、2016年にチュニジアのエネルギー案件、1億ユーロの輸出信用のうち、0.95億ユーロをリファイナンスしたということで、チュニジアの電力・ガス公社に対するファイナンスを支援している例がございます。

また、国による融資の拡充ということで、9ページをご覧いただきたいと思います。譲許的融資という従来、新興国支援の融資ということで、いわゆるODAの範疇に入る融資でありますけれども、これに加えまして、2015年から民間ベースの信用供与と同じような条件で融資を行うという非譲許的融資が追加されております。譲許的融資は新興国支援ということで、対象分野も対象国も限定的となっておりますけれども、非譲許的融資については、対象国が大幅に拡大されて約100カ国で利用可能と。さらに、フランスにおける産業雇用にメリットの大きいプロジェクトの融資を行うということでありまして、国みずからがそういった融資を行うという仕組みが新設されております。

続いて10ページをご覧いただきたいと思います。APE、国家出資庁でありますけれども、株主としての国の役割ということで、政府が株式を保有している企業が、長期にわたってフランスの価値を生み出す戦略を実施することが株主としての国の役割ということで、国や国民の資産である企業ができる限り長く企業価値を維持するということを目標に掲げております。そうした方向性のもとで、株式を保有している企業の取締役会等に出席する等、コーポレートガバナンスに対する積極的な取組を見せております。なお、フランスでは2014年、株式を2年以上持つ株主に2倍の議決権を与えるというフロランジュ法が成立しておりまして、当然ながら、国は長期保有株主でありますので、ルノーですとかエールフランス等について2倍の議決権を有して、発言力が大きい状態を確保しているという状況があります。

11ページをご覧いただきたいと思います。テーマは変わりますけれども、フランスにおける我が国の海外需要開拓の支援に関連しまして、フランスでは、これまで11ページにありますような取組が行われておりますけれども、今回の出張では、クールジャパン機構の投資先や関係者の方々に現状、課題等についてご意見を伺ってまいりました。その中から、フランスに活動の拠点を置きまして、伝統工芸品等の海外展開支援に関わっておられる2つの事業者のご意見を抜粋しております。

12ページをご覧いただきたいと思います。ヒアリング内容を具体的に記載しておりますけれども、例1はSAS ENISというクールジャパン機構の出資先の企業であります。パリで伝統工芸品等の商材を欧州展開するためのビジネス拠点を置いておりまして、継続的に商材のプロモーションを実施するほか、その後の一連の業務を支援・代行しております。例2は、おもてなしキュイジーヌという会社でありまして、海外展開を目指す有田焼の窯元のプロデュースを行っているというものであります。お二方に共通して指摘されたのは、我が国の海外需要開拓において重要なのは、海外展開した後のフォローまで一貫して行うということ。すなわち常設店舗や販売代理店などの販売ルートの確保や、現地の人脈やノウハウを持つ人材の確保、定期的に商材を輸送できるルートを確立することといった一貫した支援が重要であるということでありました。

続きまして、13ページをご覧いただきたいと思います。フランスにおける女性起業支援の取組をご紹介させていただきます。フランスの女性起業家の比率は約3割で推移をしておりまして、日本の起業の状況に比べますと、公庫調べで18%ということでありますので、かなり先進的であると言えますけれども、フランスは閣僚議員の立候補者の女性比率を半分とするというクオータの法律が制定される等、女性の社会進出の促進が図られているところでありまして、起業の分野でも、さらに改善を目指していくという行動計画が立てられております。

14ページをご覧いただきたいのですが、金融的な支援の面でいいますと、フランスでは、創業段階の資金調達へのアクセスが女性の起業においては困難であるということが課題だということで、女性の起業家の資金調達を促進するための施策としまして、国がFGIFという基金をつくりまして、女性起業振興保証基金といいますけれども、銀行の融資に対して保証を行うという事業を行っております。

実績については、15ページにグラフ化しまして保証件数の推移のグラフを載せておりますけれども、継続して増加が続いている状況で、年間2,000件以上という状況になっております。支援対象者は約8割が失業者であったということでありまして、失業対策として、かなり職業紹介所で起業促進をしていることが要因の一つではないかという指摘もあります。いずれにしましても、FGIFが支援する裾野については、かなり広がりを見せているところでありまして、政府も、この基金による支援策を今後とも行っていく方向にあると聞いております。

続きまして、EUの制度についてご紹介させていただきます。17ページをご覧いただきたいと思います。EUには、欧州投資銀行のEIBと欧州投資基金、EIFがあります。EIBの記述が17ページにありますが、これはEUの銀行として、交通インフラやエネルギー確保、研究開発等の分野に融資を行うというものであります。

18ページでありますけれども、その子会社としまして、EIFという子会社があります。これは、中小・中堅企業に特化したもので、エクイティ投資、ベンチャー投資ですとか、保証を行うファンド会社、アセットマネジャーであります。民間も、EIFに少額ながら出資しているということで、官民パートナーシップを原則としております。なお、このEIFは、エクイティ投資について中小企業に対して直接的にはファイナンスをしないで、民間投資会社との共同によるファンド組成を行っておりますけれども、最終的には民間のアセットマネジャーを育成していって、特にベンチャーキャピタル市場を欧州につくっていくのが目的だというふうに言っております。

20ページをご覧いただきたいと思います。EUとしましては、今申し上げた従来のEIB、EIFの活動では足りないというふうに考えておりまして、最近の動きとして、さらなる投資促進に向けた取組が見られております。2014年11月に欧州委員会のユンカー委員長から欧州投資プラン、通称ユンカープランが発表されています。翌2015年からEFSI、欧州戦略投資基金というイニシアチブが開始されておりまして、EIBの融資やEIFの投資活動にEU保証をつけるということによりまして、よりリスクの高いプロジェクトができるようにしようと。それによりまして、2018年までに官民の資金を呼び込んで、欧州全域で3,150億ユーロの投資を促進するということを目標としております。さらに2016年9月には、期間延長と増額が決定されておりまして、2020年までに5,000億ユーロの投資資金を呼び込むということが新たに目標とされております。

21ページをご覧いただきたいと思います。EFSIというイニシアチブですけれども、EIBやECにより任命されるメンバーから構成される運営理事会により運営されることになっています。インフラストラクチャー・イノベーション枠と中小企業枠というものがありまして、中小企業枠は、約2割を振り向けるという形になっております。

23ページをご覧いただきたいと思います。対象プロジェクトでございますけれども、2つ目の○にありますけれども、本来、そもそものこのイニシアチブの趣旨としまして、通常支援するプロジェクトよりもリスクが高いプロジェクトに対して融資なり投資をしていこうということを想定していたわけですが、当初は、もともとEIB自体がリスクをとらない金融機関であるということも加えまして、高速道路建設への投資など、民間でも十分可能ではないかというような分野の投資がどうしても多くなっておりました。これに対して、リスクをとっていないという批判の声が上がっているところでございます。今後、EFSIの期間が延長されて、EFSI2.0に移行していくという中で、リスクの高い分野への資金供給が検討されているということで、足元でも、環境エネルギーの分野でも再生可能分野に特に投資していこうというような動きがあるところでありまして、対象プロジェクトやセクター等にも今後変化が出てくると考えられております。なお、EFSIについては、公的資金を有効に活用するために各国の政策金融機関がEIB、EIFと協力していくということが必要になってきます。

23ページの3ポツにありますけれども、どうしても案件発掘、組成のためには、各国の政策金融機関を手足として使う必要があるのですけれども、そうしますと、そうした制度が整備されている旧西側の諸国の案件しか上がってこないという状況にありまして、EUとしましては、旧東欧諸国、そうした仕組みが未整備の国々に対しまして、政策金融機関を新たに設置することを慫慂しているところであります。マルタですとかリトアニアといったところでは検討中ということで聞いておりまして、今後の動向を注目していきたいと考えております。

私からは以上でございますけれども、野村委員から補足をお願いいたしたいと思います。

〔池尾分科会長〕それでは、お願いします。

〔野村委員〕今、深澤計画官から全体像をご説明いただきましたので、私からは、総括というよりも3点ほど大変印象に残ったことについて、口頭で恐縮ですが、ご報告をさせていただきます。

1点目、改めまして、投融資を生かすための仕組みづくりが極めて重要だということを再確認いたしました。2つほど事例を挙げたいと思います。1つは、Bpifranceが統合されて非常に成果が上がっているという自己評価でしたが、結果を出すことができた理由を問いましたところ、地方47支店に1,000人ほどのスタッフを置いて、ワンストップのサービスが実現できるようになったことが極めて大きいということでした。これについては、サービスを受ける側の中小企業連盟も同様の評価をしております。ただし、中小企業連盟では、全国47支店あったとしても、それでもなお中小、零細企業の間ではいまだ認知度が十分ではないという課題も指摘されました。

もう一つは、クールジャパン関連のヒアリングを通しまして、非常に伸び代がある分野が多々あるものの、ソフト面での支援体制づくりが遅れていると痛感いたしました。一言で言うならば、長期的な視点を持って全体的な戦略を立てるプロデューサーが不在であるという印象です。現地で伝統産業の海外進出を支援するコーディネーターの方から聞かれた言葉としまして、「戦略なく補助金の奪い合いになっている」とか、「資金面の支援がばらばらで非常に費用対効果が悪い」ですとか、展示会に注目が集まるものの、「展示会のみスポットで支援に来られても、その後の支援がないのでかえって迷惑である」というような声まで聞かれております。そこで、間もなく迎える東京オリンピックを見据えることはもちろんですが、その後、30年後、40年後も見据えての大きな絵を描く必要性があるのではないかと感じました。そのために、どんなプラットフォームをつくるか、どんなシンクタンクをつくるかについては議論が必要かと思います。すぐにできることとしましては、これは私見ではありますが、JETROですとかクールジャパン機構の人的なサポート体制を見直すことから着手してはどうかと考えました。

2点目です。2点目は、フランスにおける女性の起業支援をヒアリングする中で、女性の起業支援、就業支援には、世界共通のメンタリティーの壁があることを痛感いたしました。なぜ女性に特化した起業支援が必要なのかと質問したところ、返ってきた言葉としましては、1つは、銀行側に問題があると。女性に貸したがらない、起業といえば男性と思いがちで、多くの女性が起業を目指すサービス分野の内容をよく理解できないという問題が指摘されました。一方、女性の側にも意識の壁がありまして、自己規制してしまいがち、家族から反対されるといった壁があるということでした。そこで、女性の側の壁に対する対策としては研修の必要性があるということです。先ほど申し上げました中小企業連盟では、全国に女性クラブなるものをつくって、各県に置く取組もしているとのことです。その内容は、書類の書き方を指南するとか銀行での交渉で萎縮しないように交渉方法を教えるという、非常に初歩の初歩からのサポートだということです。これには少し驚きました。ご存じのように、フランスにおいては日本よりも女性活躍は進んでおりまして、例えば女性役員割当制、クオータ制などにより、CAC40という上位40銘柄の女性役員比率は今年40%を超えております。そのように進んでいる国においても、やはり抱える課題は世界共通であり、日本にも通じるものです。なおかつ経済活性化に向けて女性の活躍推進は欠かせないという強烈な問題意識も共通するところですので、推進策を共有していく必要があると感じました。

それから3点目。これはEU本部やEIFなどでのヒアリングを通じて感じたことですが、EUにおいて、リスクをとって投資をしなければ成長が望めないという危機感が非常に高まっていると感じました。例えばEU本部では、EFSIには失敗するプロジェクトがたくさんあったほうがいいというコメントですとか、この設立を通して欧州投資銀行にリスクをとれる能力を醸成しようと考えたというコメントが聞かれました。同じくブリュッセルに拠点を置くシンクタンクのブリューゲル研究所でも、EFSIの不良債権比率が低いことが問題だというコメントさえ聞かれました。すなわちリスクをとっていないということで、イノベーティブかつリスクの高いものにもっと投資をすべきだという問題意識を強く持っていました。同研究所では、そういった問題意識からイノベーティブをどう評価するかという指標をつくって、各プロジェクトごとに評価をするという取組もしておりました。リスクのみならず、イノベーションに関しても、第三者が評価をするということも有効ではないかと感じました。

以上、3点、雑駁ではございますが、私の印象に残ったことをご報告させていただきます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、本件に関しまして、何かご意見、あるいはご質問等ございましたらお願いします。

では、翁委員、お願いします。

〔翁委員〕ご説明ありがとうございました。大変興味深く伺いました。実は私は、リーマンショックの後にフランスにも行ったのですけれども、それで、1つお伺いしたいなと思うのは、日本は例えば今本当にたくさんの官民ファンドができていて、それをどういうふうに効率的にやっていくかというのが問われているという意味で、Bpifranceというのはちょっと関心があります。私が行ったときもそういう印象を受けたのですが、今日お話を伺った感じでも、やっぱりワンストップサービスという、わりと顧客にとって利便性をよくするためにこういった一元化みたいな取組をしているという印象があるのですが、一緒になることによってオペレーションとかを効率化するといった、いわば政策金融を一つにすることによる効率性の向上というような視点での取組というのはいかがなのでしょうか。そういった視点でも随分熱心にやっておられるのか、その点を教えていただきたいなと思ったのですが、いかがでしょうか。

〔深澤計画官〕Bpifranceの中での組織の効率化というところについてまでなかなか評価は難しいのですけれども、Bpifranceが設立する前の段階では、もう中小企業向けの出資機関、ファンド的な動きをするようなメザニンなり出資なりを行う機関というのが幾つか重複しているところだったきらいがありまして、CDCエンタープライズですとか、あるいはFSIとかちょっと乱立するような状況がありました。これが統合されていって、基本的には地方の支店で全て機能を統合して取り扱うことができるということで、相当な効率化ができているのではないかとは考えられます。

〔翁委員〕日本の取組にもすごく参考になる点があるように思うので、また、状況がより深く分かりましたら教えていただければと思います。

〔池尾分科会長〕ほかに。

中島委員、どうぞ。

〔中島委員〕ご説明どうもありがとうございました。今の翁委員のお話の延長みたいな話なのですけれども、フランスの公的機関にしてもEUにしても、レバレッジを相当かける、あるいは官民一緒にやるということで、協調融資みたいなことを基本原則にしているということかと思います。まさに日本でも、官民ファンドを含めて呼び水効果が言われるわけです。先ほどEUについては、優良案件が中心ということでもっと広げなくてはとのお話はあったのですけれども、呼び水効果がヨーロッパでは出ているのか。出ているとすると、日本についても、呼び水効果をもっと広げていかなければ当然いけないのですが、参考になる点があるのかどうか、そこを教えていただければと思います。

〔深澤計画官〕Bpifranceの融資につきましては、先ほども申し上げましたけれども、原則として民間の金融機関との協調融資ということで、Bpifranceですとか、あるいは銀行協会などにお聞きしますと、基本的な形態としては、銀行からBpifranceに案件が持ち込まれる例が多いと、こういう話であります。フランスの金融機関の行動パターンにもよるのでしょうけれども、民間の金融機関同士で組むよりは、ライバル行に案件を持っていかれるよりも自分で融資し切れないところをちょっとBpifranceに持っていただくと、こういうようなパターンが多いというふうに聞いております。Bpifranceの利用率も利用実績も相当近年伸びてきているところでおりまして、そういった意味でも、民間金融機関の融資のサポートになってきているのではないかというふうには思います。

ファンドについては、なかなか評価は難しいところでございますけれども、19ページにグラフを載せておりますが、例えばEIFであれば、最近の実績としましてエクイティ投資、または保証といったところについて相当伸びてきているというところがあります。基本的にEIFにおきましても、自分自身だけで出資を行うというものではなくて、民間と共同でのファンドの組成、あるいは、そもそも自分の自己資金だけではなくて第三者から委託資金を運用していく、EIBの占めるポジションがどうしても多いのですけれども、民間金融機関からの委託を受けてそうしたファンドにお金を流していくという仕組みもありまして、そういったところでかなりのレバレッジ効果は出ているのではないかと思います。彼らも、最終的にはベンチャーキャピタルマーケットを育成していくということを目標にしておりまして、自分自身の活動だけではなくて、民間の現場のアセットマネジャーを育成していって、ゆくゆくは小さいながらも民間のベンチャーキャピタルを多数つくっていき、最終的にはベンチャーキャピタルのエコシステムをつくっていきたいということを目標としていると聞いております。

〔池尾分科会長〕それでは、どうぞ。

〔小枝委員〕ご説明があった官民ファンドで、民間も融資の一部を出すというお話だったのですけど、そういった場合は、一般的に融資をする資金の調達コストは上がると思いますし、あるいはリスクの高いプロジェクトに融資をするというときだと、貸出金利も上げるというのが民間的な筋だと思うのですが、実際こういったフランス、EUの官民ファンドで貸出金利というのはどのように決まっているのかというのをもう少しご説明していただけるでしょうか。

〔深澤計画官〕細かいところまでは調査がし切れていないのですけれども、ヒアリングの中では、基本的に民間金融機関とこういった公的金融機関では、同一条件で出資は行うというふうに聞いております。まず、日本の官民ファンドにおきましても、必ず民間金融機関なりの民間の資金と共同で出す形になっています。その際に、民間の投資目線と官民ファンドの投資目線はそれほど違うというわけではありませんし、また、違う場合に折り合いをつけるために、普通株ですとか優先株、劣後ローンといったところを組み合わせながら、うまく折り合いをつけていくような仕組みをつくっておりますので、そこは日本の仕組みも、それほど遅れているものではないのかなというふうに思っています。

〔池尾分科会長〕どうぞ。

〔川村委員〕今の小枝委員の質問と非常に絡むのですけれども、先ほどご報告の総括の中で野村委員から、特に委員の場合に、リスクをどんどんとっていきましょう、エクイティをどんどん入れて、先ほどのお話のように、ゆくゆくは民間ベンチャーキャピタルから起業、IPOに至るエコシステムをつくっていきましょうと。それは理念としてよく分かるのですけども、その場合に、調達コストだとかデフォルトのリスク、つまり原資、特に公的資金である場合に、これでよいのかみたいな議論、まさに財投でよくやる官民ファンドの議論で、もともとリスクというのは、ハイリスクであればハイリターン、ローリスクであればローリターン。ところが官民ファンドというのは、ミドルリスク、ミドルリターンという現実には存在しないものを一生懸命追求しなきゃならない。存在しないというと言い過ぎですが、非常にナローパスを狙わなきゃいけない。一歩間違えたら公金が毀損するというので、一歩間違えると成長分野に投資していないと批判されるという、非常に厳しい状況なわけですね。確かに理念としてどんどんエクイティを出して成長をやりましょうというのは分かるのだけども、現実に財政当局なりの立場から見て、それに対して何かブレーキをかけるとか、あるいはどこかにキャップをかけるとか、そういう議論なり動き、制度というのはないのでしょうか、フランスなりEUの場合。

〔深澤計画官〕EUのEFSIのいわゆるユンカープランのプロジェクトでは、EUが保証を行うという形でリスクをとるという形になっています。これを日本に引き直したときに、国が保証してリスクをとれるのかという問題はあって、ちょっとそれはなかなか難しいというふうには思いますけれども、いずれにしても、EUの保証の枠内で活動していただくというのがユンカープランのシステムになっています。Bpifranceにつきましては、これは完全にBpifranceの自己資金でやっていただいている世界になりますけれども、Bpifranceの資金調達は、基本的には債券発行になっていまして、政府が100%出資子会社をつくって、それが債券発行に対して保証するというシステムをとっています。これも、実質的な政府保証債の発行だというふうに評価できると思いますけれども、いずれにしましても、基本的には融資に当たっていくというふうに認識をしておりますし、国際的にもBpifranceは債券市場で調達をしておりますけれども、基本的には、Bpifrance Financementで調達をしているというふうに認識しております。出資については、これも実績的には伸びているとは認識しておりますけれども、基本的にこれはBpifranceの自己資金の自分のリスクでとっているというふうには認識しています。

〔川村委員〕ありがとうございます。

〔池尾分科会長〕議論はまだまだ尽きないですけど、まだあと議題が2つあるので、そろそろこの案件については終わりにしたいと思うのですが、何か追加でぜひということがあれば。よろしいでしょうか。

それでは、1番目の議案に関しては以上ということにさせていただきまして、続きまして、平成28年度地方公共団体の財務状況把握等の結果について花尻計画官に、それから、法人等実地監査及び地方公共団体実地監査について、木㔟管理課長にご説明をお願いいたします。それでは、よろしくお願いします。

〔花尻計画官〕花尻です。よろしくお願い申し上げます。

私からは資料2に基づきまして、財務状況把握及び補償金免除繰上償還のフォローアップの結果につきご報告いたします。資料2の「28年度地方公共団体の財務状況把握等の結果について」をご覧いただければと思います。

2ページまでお進みいただければと思います。そもそもの話ですが、2番目のポツ、財務状況把握は財政融資の償還確実性を確認するため、地方公共団体の財務状況を債務償還能力と資金繰り状況の観点から把握するものです。債務償還能力は、収支の状況や債務の残高についてチェックし、資金繰り状況は、積立金の状況についてチェックすることとしております。また、結果概要、いわゆる診断表の交付を通じまして地方公共団体にアドバイスしたり、財務状況悪化に対して注意喚起、事前警鐘したりする役割も担っております。上に戻っていただいて、1番目のポツですが、市区町村向けの財務状況把握においては、平成24年度から5年程度で全ての市区町村に1度はヒアリングを行うとの考え方で実施しております。平成28年度は取組の最終年度で、333団体につき実施いたしました。ヒアリングでは、先ほど申した債務・積立・収支の水準につき、検証しております。ページ中段の表では、財務上の問題の要因、それから、右側ですが、問題解消の取組につき、代表例、典型例をお示ししております。詳しくは割愛いたします。判断基準に照らして財務上の問題に該当している団体は、ページの下段の表のとおり、333団体のうち43団体でした。これはおおむね昨年度と同じ割合です。

次に、3ページをご覧ください。財務指標の推移として、市区町村、都道府県に関し、おのおの5年間、4年間の推移を示しております。資料上段のそれぞれの表の数値のとおり、例えば債務償還可能年数であれば短期化するなど、市区町村、都道府県ともに各指標はおおむね改善傾向です。改善の主な要因は、市区町村の場合、積立金等の残高の増加に伴い実質債務が減少したことなど、それから、都道府県に関しましては、地方税、特に景気回復に伴う法人事業税等の増加に伴いまして、行政経常収入の増加が行政経常支出の増加を上回ったことなどであります。しかしながら、地方公共団体は、社会資本の老朽化、将来人口の減少といった大きな課題の中、安定的、継続的なサービス提供のため、今後も健全な財政運営に努めることが重要であります。全国の財務局でも、財務状況把握の充実・活用を進め、財政健全化に向けた各団体の取組の側面的支援に努めております。

次に4ページをご覧いただければと存じます。充実・活用に関する取組結果です。左上の1、これは各財務局がヒアリングで得られた情報を全局で共有し、他団体が抱える課題に対し参考となる取組事例を紹介いたしたものです。右上の2、これは、財務局がヒアリングを行った団体から個別に依頼や相談を受け、財政運営に関するアドバイスを実施した事例です。左下の3ですが、財務状況把握の活用促進としまして、制度の浸透、活用の慫慂に努めてまいりました。その結果、各団体のご判断で財務状況把握の結果概要、診断表を住民の方々に財政状況を説明する参考資料としてホームページに掲載いただくという事例が着実に増加しているところです。右下の4です。財投施策の周知等による団体の側面的支援です。28年度は、各団体が行っている地方創生に向けた取組に活用可能な財投施策、政策ツールを、財務状況把握の機会に積極的に周知しているところです。

続きまして、5ページをご参照いただければと思います。収入増加及び支出削減に関する取組事例をご覧ください。各財務局がヒアリングで得た主な具体的取組、団体の取組に関する情報を項目別に整理し、取りまとめたものです。前のページの1の取組です。このうち、他団体から財務局にお問い合わせいただいたものにはアンダーラインを付しているところでございます。

次のページ、資料6ページにお進みいただければと存じます。財務状況把握に係る今後の取組について説明いたします。左上の枠内の記載であります。平成26年6月の当分科会からいただいたご報告では、財務状況把握の充実に関し、1から4までのご提言をいただいております。ご提言を受けて、2のヒアリングの有効活用や4の都道府県の担当者との試行的な意見交換を既に開始しております。その後の動きでございます。下から真ん中にかけての枠内に記載した地方財政の見える化の取組が開始されております。この見える化の動きの背景といたしましては、先ほども申しました社会資本の老朽化、将来人口の減少といった大きな課題を視野に、団体ごとに将来の具体的課題を洗い出し、先んじて手を打つ必要があるといった問題意識があるのではないかと考えております。そういった問題意識は、これまで財務状況把握、それから後ほど報告がありますが、公営企業等への実地監査を通じて、さらにはこれらに関してこれまで当分科会で委員の方々よりご意見、ご指摘をいただいたことにより、私どもとしてもまさに痛感しているところ、共有している問題意識でございます。見える化の取組ですが、その中には、下のポツで4つほど書いてありますが、財務状況把握の基礎数値やモニタリングなどで活用可能と思われる数値が含まれております。今後、見える化の取組の公表内容を確認しつつ、財務状況把握への活用を検討していく必要があると考えております。このため、ページ右側の枠の記載ですが、モニタリング、これはいただいたご提言の1、及び都道府県向けの意見交換、ご提言の4については、地方財政の見える化の動きを踏まえて活用を検討していくため、当面、今行っているものと基本同じ対応を継続することといたしております。ただ、同時にヒアリング――これはご提言の2でございます――それから診断表の内容――これはご提言の3でございます――これにつきましては、市町村向けの5年一巡の取組の終了を踏まえまして、実施方法や記載内容を見直すこととしています。具体的には、財務状況が良好な団体に対するヒアリングに関し、将来見通しの確認に重点化し、メリハリをつけること、それから、診断表に関しましては、類似団体比較を追加することなど、内容の改善を行うことを考えております。

以上、駆け足で恐縮ですが、財務状況把握のご報告です。

続きまして、同じ資料の8ページをご覧ください。地方向け財政融資資金の補償金免除繰上償還でございますが、平成19年度から24年度にかけ、地方公共団体の厳しい財政状況等に鑑み、6年間にわたり実施いたしました。地方公共団体は、この実施に当たって5カ年の財政健全化計画等を策定しており、財務省では、その執行状況を毎年度フォローアップいたしております。28年度は、下半分の右下の矢印の囲われた部分ですが、お示ししていますとおり、平成23年度及び平成24年度に提出された計画について、27年度実績に基づきフォローアップを行っております。

9ページにお進みいただければと存じます。9ページがその結果であります。左下の一覧、平成28年度フォローアップ結果でお示しいたしておりますとおり、236団体の311計画について実施いたしましたところ、全ての計画がAからCの、広い意味、広義での目標達成の分類に整理されております。総じて各地方公共団体は、健全化に向けた取組を着実に実行していただいていると考えております。本フォローアップにつきましては次回で最後となりますが、引き続き、厳格に審査してまいりたいと考えております。

私からは以上です。ありがとうございました。

〔木㔟管理課長〕管理課長の木㔟でございます、よろしくお願いいたします。

私からは、資料3に基づきまして、財政融資資金の実地監査についてご説明させていただきます。2ページをお開きください。法人等実地監査の概要及び実施状況です。理財局では、平成17年度より公的資金の貸し手として、財投機関に対して監査を実施しております。28年度における実施状況につきましては、下の表の左の欄にあります3機関に対して実施しております。

3ページをご覧ください。各機関の監査結果の概要です。まず、上段の地域医療機能推進機構です。当機構は、平成26年度に設立され、現在57病院を運営しております。監査結果でございますが、検証項目にあります診療報酬算定業務の請求漏れや医業未収金の患者負担分の管理・督促について、機構本部は各病院の取組を報告させるなどしていますが、その後のフォローアップが十分でないといった状況が見られました。そこで、各病院との情報共有や必要に応じた指導を求めております。

次に、下段の民間資金等活用事業推進機構、PFI機構でございます。機構は、平成25年10月に設立された官民ファンドです。官民ファンドに対する監査につきましては、内部統制の状況について主に手続面から見ております。監査結果ですが、2つ目にあります業務の適正な執行といたしまして、秘密保持契約について決裁日前に契約を締結している案件を確認いたしましたので、契約締結日については決裁日以降とすべきであり、特段の事情がある場合には遡及条項を置くなど、適正な事務運営の確保を求めております。

4ページをご覧ください。水資源機構でございます。3回目の監査となり、前回の監査では、改善を求めた事項はございませんでした。今回の監査では、1つ目にありますが、機構は、長期収支見通しを作成しておりますが、事業の進捗状況や金利水準を1つの前提条件のみで作成していましたので、複数の前提条件のもとで検証を行うことを求めております。

以上が法人等監査の結果でございます。また、27事務年度に監査を実施した先のフォローアップは、参考資料として12ページ以降につけておりますが、説明は省略させていただきます。全て改善済みとなっております。

続きまして、6ページをお開きください。地方公共団体に対する実地監査でございます。全国の財務局・財務事務所では、2行目にありますけれども、資金の使用状況、公営企業の経営状況について実地で確認しております。まず、28年度の実施状況でございます。上段のブルーの表の公営企業の経営状況ですけれども、B、C欄にありますとおり、414企業に対し監査を実施し、改善を求めた先は3企業となっております。次に下段の貸付資金の使用状況ですけれども、254団体に対し監査を実施し、改善を求めた先は10団体となっております。この10団体につきましては、後ほど10ページでご説明いたします。

7ページをお開きください。監査実施企業の経営状況でございます。今ほどの414企業について取りまとめたものでございます。まず、左上の図1は上水、下水、病院事業の経費の回収率を示したものです。水色の100%以上の割合が少なく、費用を料金収入だけでは賄えていない企業が多いことが分かります。次に右上の図2−1は、下水道事業の汚水処理原価と使用料単価の状況です。グラフのピンク色の部分に位置する企業は、収支相償が達成されていないことを示しております。右下の図2−2は、下水道事業の経費回収率について、処理区域内人口別における企業数の割合を示したものでございます。人口規模の小さな処理区域ほど費用を料金収入で賄えていない傾向が見られます。そして、左下の図3は、病院事業の病床利用率と医業収支比率の状況です。通常、病床利用率が高まれば医業収支比率にはプラスに働きますが、そうでない病院も見られております。監査におきましては、個々の病院の背景や地域における役割についても十分確認することが必要と考えております。

次に8ページをご覧ください。下の表は、平成28年度の実地監査において監査先と共有した経営上の主な課題と公営企業の対応を取りまとめたものでございます。上下水道事業では、人口減少による需要の減や施設の老朽化といった課題があり、中央の費用の欄にありますけれども、民間委託による効率化や施設の統廃合といった対応をとる公営企業が見られたところです。また、水道法の改正も予定されておりますので、今後はコンセッションなどが検討されていくものと思われます。

次に9ページをご覧ください。28年度からの新たな取組といたしまして、地方の病院事業について、本省と財務局が連携して監査を実施しております。公立病院を取り巻く背景としましては、平成37年の医療提供体制を見据え、都道府県では地域医療構想を、病院事業を経営する地方公共団体では、新公立病院改革プランを策定しております。こうした背景を踏まえ、概要欄になりますけれども、医療系の独立行政法人に対する監査のノウハウを持つ本省の実地監査官が財務局と連携し、業務運営上の態勢整備や医業未収金の管理・督促状況といった経営上の問題点及び将来リスクについても確認しております。主な着眼点として3点を下に挙げております。1点目は、人口減少や高齢化といった地域の課題、2点目は、施設整備や医師確保といった病院自体の課題、3点目は医業未収金の管理としており、15ページ以降に添付しております事例の1、2、3がそれぞれ対応しております。15ページの事例1では、過疎地において医療施設の確保に取り組む病院、そして、事例2では、新築移転を予定し、病床機能の分化を行っている病院、そして、事例3では、医業未収金の管理が手つかずとなっている病院を取り上げております。

最後に10ページにお戻りください。左の円グラフは6ページにありました改善を求めた10先について分類したものです。事由別では、控除財源の過小計上が最も多く、これは、貸付額を決める際に事業費から控除すべき補助金等の財源を過小計上した結果、貸付超過となったものです。また、下の措置別では、繰上償還が最も多く、貸付超過額が100万円以上の場合は、繰上償還を求めております。右側には、代表的な事例を3つ挙げております。中央の事例2に対象外事業費である備品類の混入とありますが、この事例では、傘立てや長椅子が入っておりました。事例1から3につきましては、繰上償還を求めております。

以上で、実地監査につきます私からの説明は終わらせていただきます。

〔池尾分科会長〕ここでちょっと追加の説明をいただきます。今の木㔟管理課長からの実地監査の説明の中でも触れられていましたけれども、上下水道事業の民間委託等の最近の動きについて、補足の説明を花尻計画官からお願いします。

〔花尻計画官〕ありがとうございます。私からは、上下水道分野におけるコンセッションの推進につきまして補足いたします。実地監査で把握されているとおり、今後の人口減少、社会資本の老朽化等を踏まえれば、地方公営企業の経営のあり方を早急に見直すべきという問題意識が政府全体で共有されています。資料2、「平成28年度地方公共団体の財務状況把握等の結果について」の19ページをご参照ください。

ページ左上ですが、総務省は、地方公営企業の抜本的な改革の方向性の一つに、民間活用を掲げ、その手段の一つとしてコンセッション、公共施設等運営権方式を掲げているところです。資料右上ですが、コンセッションとは、利用料金の徴収を行う公共施設について、所有権は自治体が有したまま民間事業者に当該施設の運営を委ねる方式のPFIです。20年、30年、40年といった長期にわたる委託が可能です。他の民間活用の手法と比較すると、資料右上の○の2番目ですが、民間事業者の業務範囲に設備投資を含み、これを含めて費用を利用料金で回収する仕組みを前提としている点、また、民間事業者は、契約期初に運営権対価の全部または一部を支払うため、契約期間を通じて投資回収のリスクを負った状態におかれ、長期にわたってしっかりと事業を行わなければ返済ができないという規律のもとで経営が行われる点がメリットと整理されております。しかしながら、空港などの分野、いわゆる成長分野と称されておりますが、これでは徐々に実績が出てきているのに対しまして、上下水道等の分野、これは成熟対応分野と称されておりますが、こちらでは、残念ながら思うように案件形成が進んでいないのが現状です。そこで、政府内では、水道法の改正案の国会提出を始め、さまざまな支援が検討されているところです。

次の20ページをご覧ください。上下水道分野における公共施設等運営権方式、コンセッション推進の議論1のところでございます。6月9日に閣議決定された「未来投資戦略2017」の抜粋です。真ん中あたりの主な取組の記載でご紹介すると、1つ目のポツですが、公共施設等運営権方式、コンセッションを導入する事業に係る地方債を運営権対価で繰上償還する際の特例的な支援も求められており、平成30年度の財投要求が想定されるところでございます。同じページの下段には、一定の集中取組期間を設けつつ、今後の横展開の呼び水となるような先駆的な取組と書かれていますが、こうした支援を行うこととなると新たな趣旨の支援となります。財政融資制度の健全性を損なうことがないよう、秋以降の編成の議論において、しっかり精査、検討し、分科会にもお諮りしてまいりたいと考えております。以上です。ありがとうございました。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

議案の2番目と3番目は関連性が高いので続けてご説明をいただきましたが、あわせて議論したいと思いますので、ただいまの件に関しまして、ご意見、あるいはご質問等ございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

中島委員、どうぞ。

〔中島委員〕ご説明どうもありがとうございました。2点あります。1つは、地方公共団体の財務状況把握等の結果についてです。ご説明にはなかったのですけど、参考資料を拝見すると、13ページに市区町村、それから14ページに全都道府県の行政キャッシュフロー計算書の概要が載っています。このうち市区町村を拝見すると確かにいろんな指標は改善しているのですけれども、行政経常収入のうち、市区町村の地方税が減少している。他方、全都道府県の地方税は増加をしている。全体的には改善傾向ということで大いに結構ですけれども、基本的には景気がよくなった面も相当寄与していると思われますし、とりわけ市区町村の地方税、一部分だけ捉えてもいけないのですが、これが減っているもののそれを上回る形で国からの支出だとか地方譲与税・交付金とか、これが大きく増えていて全体収支は改善ということになっています。その意味では、今回の取組、しかも成果を見える化して共有してということは大変結構なのですけれども、景気がよくなってきたこの数年間が後押ししているという点も踏まえると、ぜひ、収入増もさることながら、収入が全体として増えているから支出もその範囲内で増えていいということにならないように、よく今後とも支出増のチェックもしていっていただければありがたいと思います。これが1点目です。

それから2点目は、後段のご説明についてなのですが、上下水道のコンセッション方式についてです。上下水道は相当収支の悪いところが多いというのは先ほどグラフでもお示しいただいたところなのですけれども、全体として統廃合であるとか、構造的に今後とも収支改善が見込めない場合にはいろんな手立てが必要だし、それに取り組まれているということは大いに結構だと思います。基本的にコンセッション方式についてちょっと申し上げたいのですが、どういうふうにキャッシュフローがあるかというところが民間がやる場合には不可欠です。やはりお金の取り込みというのが期待できなければなかなか民間が参入するのは難しいということになるわけです。したがって、キャッシュフローをどうやって増やすかということは必要なのですが、ただ、先ほどのご説明にもあったのですが、財投制度の健全性を損なうことがないということが一つ大きな前提になるということです。といいますのは、キャッシュフローを出すために償還等といった特例的なことというようなことも書いてあるわけですけれども、それを大胆に実施するということは、財投からの債務を削減する、そのための元利払いを減らすというのも手段として出てきてしまいかねないということになります。当然、案件によっては検討せざるを得ないものはあるとは思うのですが、やはりこれが広く一般的に行われるということがあっては決してならないことです。その意味では、コンセッション方式は大いに結構、キャッシュフローを高めるといういろんな方策は大いに結構ではありますけれども、ぜひそのときに、財政投融資制度の健全性を損なうことがないように、債務を減らすということについてはいろんな基準をしっかり明確に定めていただいて、一般的に、特に民間促進はいいことだということばかりが優先されることのないようにぜひお願いできればと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、林田委員、お願いします。

〔林田委員〕ありがとうございます。私の1つ目は、財務状況把握の充実・活用に関してですけれども、資料2の4ページですか、診断表を活用する自治体が増えているということは大変喜ばしいことではないかと思います。ここにあるようなホームページへの掲載にとどまらずに、財務状況の問題点などについて住民とか議会とか、そういったところとの議論に積極的に活用されていくことを期待したいと思います。こうした活用が進んでいくに従って、確か最初の議論のときに活用・理解が進んでいった場合には数字について開示も検討するというようなことが報告書に書かれてあったかと思うのですけれども、自治体での活用が進んでいくことによって、診断表などへの理解が進みつつある、開示の是非について検討する環境が整いつつあるのかなという感じもしないのでもないのですが、その辺、どういうふうに財投当局で捉えていらっしゃるのか、その辺のご意見をお聞きしたいというのが1つです。

2つ目は、手短にしますが、コンセッション方式です。繰上償還の補償金免除、これが一定のインセンティブ効果を持つであろうということはご説明で分かりました。政策的な意義は理解できます。ただし、補償金免除を使った政策は、補助金的に安易に使われるということになりますと、財投の健全性にも影響がありますので、安易に乱発されることのないよう、財投当局としてはしっかりとした主張をしていってもらいたいと思いますので、その点のお願いです。

以上です。

〔池尾分科会長〕1点目のご質問に関して。

〔花尻計画官〕ありがとうございます。基本的にご指摘のとおり、これまで開示をめぐるご議論がありまして、開示の機運というのが整った段階でというご議論もいただいているところです。ただ、一方で、28年度に333団体のうちの、時期のずれもありますが、約3分の1程度開示いただいているということは、逆に申し上げると3分の2のところについては、まだそういうご判断に至っていないところです。また、私ども貸し手と借り手の立場でいただいたヒアリング等々も含めまして、そういったヒアリングの結果概要というのをこしらえておりますので、それについて今の段階で直ちに開示できるかというと、そこは引き続き検討してまいる必要があるかと考えております。団体の中では、当然マーケットから調達されているようなところも共同債も含めございますので、そういったところに及ぼし得る影響等も十分勘案しながら、引き続き考えてまいりたいと考えております。

〔井口財政投融資総括課長〕1点だけ補足いたします。先ほどの資料の6ページ、「財務状況把握に係る今後の取組について」の下に「地方財政の『見える化』の取組」がございますが、実は総務省でも、こういう形で参考指標を開示する流れになっています。我々も財務状況把握をやっていますが、結局ポイントは、類似団体比較といいますか、同じ規模の自治体との比較です。それを自治体に示すと、これはいい指標なので住民に見せたいとしてホームページに載せている例がございます。一方で、総務省の「見える化」も、最大のポイントは類似団体比較で、それによって住民や議会に対して議論の材料を与えるということなので、流れとしては我々と同じところを総務省も向いていると考えています。我々としてはまだ公表しないという前提で財務状況把握をしておりますが、こうした状況を見ながら開示のあり方については、我々も引き続き検討していきたいと思っております。

〔池尾分科会長〕では、渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕1点だけ意見といいますか、感想ということで、コンセッション方式、民間の運営する経営力というか、運営力を生かしていこうという前提であるならば、そんなにペナルティーなしでの繰上償還というのは全部だめとか、いや、やっぱりやるべきだとか、ゼロイチではなくて、それぞれの公営企業、地方によっても違うと思う。過去の運営の結果できた借入金等の計算と、今後の運営にかかる一定の当然借入金等をつくっていくわけですけれども、そういうのも含めた上で判断していく。ですから、全部ゼロイチということではないような気がいたします。ましてや上下水道等含めて、東南アジア等を含めた海外輸出のビジネスも運営権をもとに展開できる等含めて、今後の広がりも考えれば、複数の物差しを持ってやるのはいいような気がいたします。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕

川村委員、どうぞ。

〔川村委員〕私もこのコンセッション方式のところなのですけれども、補償金免除の繰上償還はいつも話題になっているわけで、まず私どもの分科会の共通認識としては、これは極めて例外的な場合に限るわけで、原則としてはないということです。ただ、4つの基準があって、この基準を充足するときのみ認められるというのがまず大きな立てつけであり、これは上下水道において、国内の当案件についてもそれは基本的には当てはまる話だと思うのですね。一方で、政策的にインセンティブとしてコンセッション方式を導入して、それがいいパフォーマンスであれば、補償金なしの繰上償還を認めてあげるよ、だからやりなさいというのは私はあってもいいと思うのです。20ページですか、先ほどの資料の未来投資戦略の一番下にあるように、一定の期間を設ける、それから、今後の横展開の呼び水となる先駆的取組であるという、ここがやはりポイントで、ここがそのような例外を認める一つの分野だよということは、我々の立場としてはきっちり押さえておかなきゃいけないのではないかと思います。さらに、これはちょっと財投の議論を超えると思うのですけれども、今日の上下水道の、特に人口減少地域における事業としての採算性を考えると、これは正直非常に厳しいわけで、これは地域活性化だとか、さまざまなものが結びついてくると思います。では、そのファンディングは財投資金であるべきなのか、あっていいのか、もうちょっと違う切り口もあるのではないか。つまり、あくまでも投融資という立てつけを前提にしている財投資金でよいのか。例えば過疎地の上下水道をコンセッションでやりますといっても、民間が手を挙げないみたいなことは当然考えられるわけでありまして、この辺はちょっと財投を超える議論でもあるのですけれども、政策というのも考えていかなきゃいけないのかなという感じがしております。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

ほかにご意見いかがでしょう。

翁委員、お願いします。

〔翁委員〕ちょっと異なることで意見を申し上げたいと思うのですが、1つは、実地監査で病院事業についての分析がありまして、病床利用率や医業収支比率のばらつきについて分析されているのですけれども、こういった非常に重要な実地監査で得られたデータをできるだけ自治体とも共有して、今議論して、2025年に向けてやろうとしている地域医療構想などにも生かせるようなデータにしていけばいかがかなというふうに思うのですが、このあたりについてどう思われるかということと、それから、先ほど官民ファンドについての実地監査につきましては、内部統制について主に手続面から見ておりますというふうなご説明があったのですけれども、やはりこちらでは財投の資金を使っていろいろな案件に投融資をしているわけですので、もう少し踏み込んで、例えば監査役と連携しながらでもいいと思うのですけれども、投資案件などにつきましても、具体的に実際に収益がきちんと上がってきているのかとか、そういったことについてもう少し踏み込んだ監査をしていってはどうかというように思うのですが、そのあたりについてご意見をお聞かせいただければと思います。

〔木㔟管理課長〕まず、地方監査の件でございますけれども、地方監査の結果につきましては、団体に通知する際、情報・認識の共有に努めているところでございます。また、借入の説明会といったところでも、監査で把握した状況についてはご説明しております。また、10ページにあるような非違事項が認められた場合には、当該団体だけでなく、県の市町村課にも伝えているところでございます。

そして、官民ファンドにつきましては、最初の仕切りとしまして、個別案件の目ききとか管理につきましては、民間の実績のある方々がまず運営するという基本的な考え方がございました。その上で分科会のご提言等も踏まえて、26年度で大きく見直しており、監査部門との連携を図り、監事、監査役とのヒアリングを監査の前後にきちんと実施するということで、今それは行っているところでございます。

以上でございます。

〔深澤計画官〕すみません、官民ファンドについて補足させていただきますけれども、当然ながら実地監査の場だけではなくて、官民ファンドとしてどのような案件に投資していくか、あとはどういう方針で投融資に臨んでいくのかということについては、編成過程で必ず議論をしていくところでございますし、また、基本的にキャピタルコール方式をとっておりますので、実際に案件をディスバースする際には当然ながら理財局にご相談いただく仕組みになっているということでございます。

〔木㔟管理課長〕あと、1つ追加ですけれども、投資案件のモニタリングについての監査状況ですけれども、投資先の企業そのものの収益見通しは見ておりませんけれども、投資先の企業の収益状況が変化したことが把握できる体制になっているかどうかについては見ております。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕いかがでしょうか。追加で何か。

林田委員。

〔林田委員〕お先にどうぞ。

〔池尾分科会長〕それでは、どうぞ。

〔沼尾委員〕資料を拝見させていただいて、まず、資料2の2ページのところですけれども、財務状況ヒアリング結果の概要ということで3つの観点を挙げていただいておられて、2番目に、積立金の低水準という話が出ています。非常に厳しい現状で、基金の取り崩しをやっているところがあるとすれば、将来負担に備えてきちんと積み立てておくことが大事だという考え方はそのとおりだと思います。ところが、もう一方で、今、余った財源を基金に積み立てておくことについて、それが地方財政計画ベースで見たとき、余裕とみなされ、交付税の必要水準についての議論がされています。ですが、これだけ人口減少が進む中で、先々の財政状況の見通しが見えづらい状況があれば、個別の事業についてきっちりと計画的に積み立てておかなきゃいけない部分というのも当然あるだろうと。そうすると、やっぱりきちんと積み立てておくべきものとそうではないものとの整理があったうえで、地方の必要財源額の議論がなされてよいと思うのです。それも含めて、中長期的な計画に基づく積立金のあり方については、今、国でも自治体の中でもそれぞれいろいろな意見が出ている中で、どういうふうに考えていけばいいのかということについて、お考えをお聞かせいただければというのが1点目でございます。

あと、それから2点目なのですけども、今確かに上下水道はじめ、コンセッション方式をはじめとする民営化の路線ですとか、あるいは広域化ということが言われているところなのですけども、確かに小規模で人口減少が進んでいるところでは、もう構造上慢性的に赤字でやっていかざるを得ないような状況が、特に下水道事業などではあると思うのですね。そこをどういうふうに対応していくのかというのは、なかなか効率化ということでうまくいかない部分もあると思うのですけども、そのあたりのところで、それぞれの地域の背景とか地域の状況を鑑みながら、あるべき経営のあり方というものをアドバイスしていきたいというようなお話をいただけたことは大変心強いというふうに感じました。個別の事業だけとると経営が厳しいものであっても、小規模ながらも複数の機能、例えば下水道施設で観光客を誘致するだとか、そこを何かうまく組み合わせることで経営改善を図れないかとか、複合的な取組をやっているところもあります。ただ、なかなかそのあたりは単体の経営状況からは見えてこない部分もあると思います。さらに本来であれば、情報提供だとか、マンパワーの確保策、病院であれば人員確保に向けたサポートですとか、そういったところも含めて経営改善に向けた支援策を考えていかなければいけないと思っています。そのあたり、数字の面だけではなかなか厳しいところもあると思うのですけども、ぜひ国として省庁横断的にどういう対応ができるのかということを考えていただければというふうに思いました。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕はい。どうぞ。

〔花尻計画官〕ご意見ありがとうございます。まず、基金残高についてなんですが、私どもの財務状況把握におきましては、個別の団体につきまして、積立ての水準という物差しをつくっております。12ページのところに、ちょっと細かい資料になってしまって恐縮なのですが、積立低水準というのはほかの3つの切り口とともに挙がっているのですが、具体的には、積立金等月収倍率が1カ月未満の場合――これが1です――または2の積立金等月収倍率が3カ月未満かつ行政経常収支率が10%未満ということで、要は画一的な水準というものに照らして経験則的にというか、身長、体重がこのぐらいであればこのぐらいのゾーンの数値の人、そこから外れている人は例えば成人病の可能性があるよといったような意味でのゾーンでありますので、まさにご指摘があったような個別の建設事業が将来見込まれるので積み立てている部分に対してどうかという観点からは、どうしても団体は数多ございますし、私どもも、団体の全ての資金需要に対応しているわけではありませんので、貸し手と借り手との関係でお伺いできる形で、ということです。

それから、全体でお話がありました財政制度分科会での大きなご議論という意味では全体のマクロの話でありまして、私どもの場合には、貸し手と借り手として区切れる部分についての財政投融資の個別の借入先である団体の、しかも、借り入れた資金に関係するところでという、ある程度限定的なところで、償還可能性の観点から財務状況把握をさせていただいております。ただ、財務省全体として、国と地方の財政のあり方という大きな議論ということをちゃんと頭に踏まえながら、理財局としてもこうした取組を進めてまいりたいと考えております。

〔池尾分科会長〕それでは、手短にお願いします。

〔林田委員〕直接今日の議事に関わらないのでちょっと遠慮したのですけども、今日は監査の話もあったのであえて申し上げますけれども、商工中金の問題で、危機対応業務をめぐる不正融資問題というのがクローズアップされておりまして、これは個別の制度、あるいは当該機関の問題にとどまらず、財投制度全体の信頼にも関わる問題なのではないかなと思っております。特に、毎年度の事業規模がノルマというふうに現場で捉えられていたことには大変驚き、失望もいたしました。ほかの機関ではそういうことはないかとは思いますけれども、必要な点検が求められるのかなと。一方で、こうした不祥事をきっかけに、制度融資そのものに対する不要論とかバッシングというようなものが起こって、結果的に中小金融のセーフティーネットに穴があいてしまうというようなことがあってはならないと考えています。一義的には所管官庁の問題であろうかとは思いますけれども、財投当局としても、原因究明でありますとか再発防止、制度の信頼回復などの観点から適切な指導を行っていただきたいなと思います。これはお願いでございます。

〔池尾分科会長〕じゃ、どうぞ。

〔後藤政策金融課長〕政策金融課長でございます。本日は議事に参加させていただきまして、一言だけ、商工中金の事案そのものに携わった者としてコメントさせていただきたいと思います。今回の事案については、報道等でもご案内のとおり、相当大規模に、エビデンスの改ざんが行われていたということで、大変遺憾に思っております。去年11月に不祥事件の届出を受けましてから半年程度、商工中金でも第三者委員会をつくって調査をしていたわけですけれども、当方もいろいろ話を聞いた中で4月にこういう状況でしたという報告を受けまして、35支店、99人、案件数でいくと760件というような大きな件数の不正があったということを我々は承知したわけなのですが、その後行政処分を行いまして、また同時に検査も行われております。最終的にはとにかく全容解明をするというのが大事だと思っているのですが、今の工程表ですと、9月末には一応全容が出てまいりますので、そこできちっとした再発防止策を、責任の所在の明確化なども含めましてきちっとやってもらいたいと思っております。

一方で、今ご指摘のございました制度に何か問題がなかったのかということも当然ございますので、これは、財投当局としてまたご検討いただくと思うのですが、我々としても主務官庁、監督当局としまして、危機対応融資の制度を見直すべきところはないのかというのは検討してまいりたいと思っております。すみません、ちょっと政策金融課からコメントさせていただきました。

〔佐川理財局長〕お時間もありませんので、今の林田委員のご指摘、大変重く財投当局としても受けとめさせていただきたいと思いますので、政策金融課とよく連携をとりながら、秋以降、きちんと対応させていただきたいというふうに思います。

〔池尾分科会長〕それでは、時間が来てしまいましたので、追加のご意見、ご質問等ございましたら事務局までお寄せいただくということで、本日の議論はここまでにさせていただきます。熱心に議論していただきましてまことにありがとうございました。

本日の議事内容につきましては、この後事務局より記者レクを行います。

それから、議事録等につきましては、後日財務省ホームページに掲載する予定としておりますので、ご了承願います。

それでは、本日はご多用中のところまことにありがとうございました。これで閉会とさせていただきます。

11時31分閉会

財務省の政策