財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録
財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第
令和8年7月15日(水)14:30~16:49
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
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1.開会
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2.令和7年度財政融資資金運用報告書
令和8年度政策コスト分析
質疑・応答
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3.大学ファンドの状況報告
質疑・応答
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4.官民ファンドのフォローアップ
質疑・応答
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5.閉会
配付資料
議事次第
| 資料1-1 | 令和7年度財政融資資金運用報告のポイント |
|---|---|
| 資料1-2 | 令和7年度財政融資資金運用報告書 |
| 資料2-1 | 政策コスト分析(令和8年度)の概要 |
| 資料2-2 | 財政投融資対象事業に関する政策コスト分析(令和8年度) |
| 資料3 | 大学ファンドの状況報告 |
| 資料4-1 | 官民ファンドのフォローアップ |
| 資料4-2 | 理財局説明資料 |
出席者
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分科会長 |
翁百合 |
井口理財局長 尾﨑総務課長 田原資金企画室長 奥村管理課長 高橋計画官 鳩間計画官 天井財政投融資企画官 |
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委員 |
土居丈朗 野村浩子 家森信善 渡辺努 |
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臨時委員 |
有吉尚哉 岡田章裕 工藤禎子 西野和美 山内利夫 |
14時30分開会
〔翁分科会長〕それでは、予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。
それでは、議事に移りたいと思います。本日は、4つの議題についてご審議いただきます。時間も限られておりますので、ご質問、ご意見などは、できるだけ簡潔にお願いいたします。
まず、令和7年度財政融資資金運用報告書、令和8年度政策コスト分析について、西川財政投融資総括課長、田原資金企画室長より、ご説明をお願いいたします。
〔西川財政投融資総括課長〕財政投融資総括課長の西川でございます。
説明に先立ちまして、このたび、7月1日付で人事異動がございましたので、お知らせいたします。
管理課長の奥村でございます。
〔奥村管理課長〕奥村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔西川財政投融資総括課長〕資金企画室長の田原でございます。
〔田原資金企画室長〕田原でございます。よろしくお願いいたします。
〔西川財政投融資総括課長〕どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、令和7年度財政融資資金運用報告書について、ご説明いたします。
この報告書は、財政融資資金法第12条におきまして、毎年度作成し、年度経過後4か月以内に審議会に提出しなければならないと定められていることに対応するものでございます。
資料1-2が報告書本体になりますが、そのポイントをまとめました資料1-1に沿って、ご説明させていただきます。
資料2ページをご覧ください。財政投融資計画の執行状況につきまして、年度ごとの推移をグラフで表しております。オレンジ色は財投計画全体、水色は財政融資資金を表しております。令和7年度の財投計画全体の運用額は10.4兆円、執行率は49.7%となっております。執行率は前年度より低下しておりますが、この主な要因としては、国際協力銀行(JBIC)におきまして、日米政府の戦略的投資イニシアティブに係る出融資が翌年度に後ろ倒しとなったことによるものであります。仮に対米投資の影響を除きますと、財投計画全体の執行率は59.7%となっておりました。
次に、3ページをご覧ください。主な機関の運用状況として、令和7年度財投計画の年度内運用額が大きい順に10機関を掲載しております。上から4つ目の国際協力銀行(JBIC)をご覧ください。令和7年度の計画額5兆5,530億円に対して、その右側、執行率が19.3%、さらにその右側ですが、運用残額が4兆4,805億円に上っております。全体の運用残額は、一番下の合計欄に記載のとおり約8兆円ですので、このうち約6割をJBICが占めていることになります。なお、対米投資分として、令和7年度補正でJBICに追加した財政投融資3.9兆円のうち、財務基盤強化のための産業投資2,700億円のみ、執行しております。
続いて、上から2つ目の日本政策金融公庫をご覧ください。計画額3兆1,608億円に対して、執行率が49.9%、運用残額が1兆5,838億円に上っておりますが、さらに右側の参考に記載しておりますとおり、令和6年度の運用残額が約2.5兆円でしたので、こちらと比較しますと、大きく減少しております。
このほか、一番上の地方公共団体につきましては、翌年度への繰越額が多く、例年、執行率が5割程度にとどまっておりますが、地方公共団体の財政融資の仕組みにつきましては、次の4ページでご説明させていただきます。
地方公共団体に対する財政融資は貸付け対象事業の完成を貸付け要件としておりまして、相当程度の財政融資資金を繰越した上で、年度末以降の事業の完成見込みを踏まえ、出納整理期間である5月や翌年の年度末である3月に集中的に貸付けを実施しております。下の図の左側ですが、令和7年度計画額5兆9,226億円は、令和6年度からの繰越額2兆5,521億円と、令和7年度当初と弾力追加を加えた3兆3,705億円から構成されております。それぞれの運用実績を右側に記載しておりますが、まず、令和6年度からの繰越しのうち、2兆1,424億円が運用されておりまして、繰越分の執行率としては、83.9%となっております。また、下の令和7年度分につきましては、5,605億円が運用される一方で、大部分の2兆5,053億円が翌年度、つまり、令和8年度に繰り越されております。令和7年度計画の執行率45.6%は、赤い箱で示した運用額、2つの合計(B)と書いておりますが、2兆7,029億円を令和7年度計画額(A)と書いておりますが、5兆9,226億円で割ったものになりますが、翌年度に繰越しました2兆5,053億円のうち、本年5月末時点で1兆347億円は既に執行済みであるなど、過度な運用残は生じない見込みであります。このように、地方公共団体に対する運用につきましては、翌年度に繰り越す額が相当程度大きいことから、当該年度の執行率としては5割を切るような形となっております。
次の5ページをお願いします。財投計画の残高の推移になります。令和7年度末時点の残高は、一番右側、141.5兆円となっております。財投改革初年度の平成13年度以降、大きなトレンドとしては減少傾向が続いております。令和2年度に、新型コロナ対応により一時的に残高が増加しましたが、その後の計画額の縮小に伴いまして、再び減少傾向となっております。
次に、6ページをご覧ください。財政融資資金の短期運用実績についてですが、資料中ほどの合計欄、令和7年度中の短期運用額は117.9兆円、年度末時点の運用残高は、一番右側に記載のございますとおり、3兆円余りとなっております。残高の内訳としましては、交付税特会が1.8兆円、年金特会が1.4兆円となっております。この表中の運用額と回収額の金額、非常に大きくなっておりますが、これは交付税特会への貸付け、回収は数日程度の期間、また、年金特会の貸付け、回収は1か月程度の期間で繰り返されておりまして、運用実績としては、累積で計上されるため、このような規模となっております。
資料下段の左側のグラフをご覧ください。令和7年度末の財政融資資金の資産(貸付金)の現在高は119.9兆円となっております。主な貸付先としては、地方公共団体が38.1兆円、日本政策金融公庫が12.6兆円、科学技術振興機構が8.9兆円となっております。
右側のグラフは、財投債と預託金の残高を示しております。令和7年度末における財投債の発行残高は90.9兆円、預託金の残高は31.8兆円となっております。
資料7ページをご覧ください。令和7年度の財政融資資金勘定の損益についてですが、貸借対照表の赤枠に記載のとおり、1,061億円の損失となりました。この損失は翌年度に繰り越しまして、金利変動準備金から捕足して処理することとなります。この損失額は前年度よりも増加しておりますけれども、その主な要因としましては2点あると考えております。まず1点目が、令和7年度は金利上昇局面にありましたけれども、短い期間で預けられる預託金が貸付金に先行して高い金利に置き換わって更新されることによりまして預託金利子が増加したこと、また2点目としまして、令和7年度は預託金の払戻しや財投債の償還が年度の前半に発生しまして、これらの資金需要に対応するために、前年度(令和6年度)と比較しまして、年度前半に財投債を発行したことにより、発行初年度の利子計上期間が長くなることで財投債利子が増加したことによるものとなっております。
こうした要因の影響も含めまして、令和7年度末の実績を基に財政融資資金勘定の将来推計を行ったものが、次の資料8ページになります。左側、将来剰余金の推計をご覧いただきますと、令和8年度以降も単年度の損失が生じる可能性はありますが、令和9年度以降の期待値ベースの単年度収支は黒字で推移する見込みとなっております。また、右側をご覧いただきますと、剰余金の推計の結果として、ストックベースの繰越利益は安定してプラスが維持されるとのシミュレーションになっております。いずれにしましても、財務の健全性を確保するために金利変動リスクの低減を図るなど、引き続き、適切なALMを実施してまいりたいと考えております。
次ページ以降は参考資料となりますので、説明は割愛させていただきます。
令和7年度財政融資資金運用報告書についての説明は以上となります。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。続きまして、田原資金企画室長よりご説明をお願いいたします。
〔田原資金企画室長〕私から、財政投融資対象事業に関する政策コスト分析につきまして、ご説明をさせていただきます。この政策コスト分析につきましても、この時期に報告をさせていただいているものでございます。資料につきましては、資料2-1でご説明させていただきます。
資料1ページ目と2ページ目につきましては政策コスト分析の概要でございますので、説明は割愛させていただきまして、3ページ目からご説明させていただきたいと思ってございます。
3ページをご覧いただきまして、今回の令和8年度の分析の対象機関は、27機関でございます。丸の3つ目が、分析結果でございますが、単純に合算いたしまして11兆3,740億円と、前年度と比べまして2.8兆円ほど増加してございます。この要因につきましては、左下にグラフを掲載しておりますけれども、グレーの線が昨年度、赤い線が今年度でございまして、これだけ前提金利が上昇した影響によりまして、コスト分析が増加しているところでございます。
丸4つ目を見ていただきまして、枠組み別の主な要因でございますけれども、やはり、この金利上昇に伴いまして、調達金利の上昇ということで、学生支援機構におきまして利子補給金の増加、その下、国の収入におきましては、日本政策金融公庫、JBICにおきまして、こちらは余裕金の運用利回りも上昇しておりますので、その収益の増加に伴います国庫納付の増加になってございます。こちらにつきましては、コストの減少要因でございます。その下、一番大きな要因になりますけれども、金利上昇に伴う割引率の低下ということで、以前に多額の出資金を受け入れている日本政策金融公庫、高速道路機構の出資金の機会費用の増加といったようなものが生じているところでございます。
1ページおめくりいただきまして、4ページ目につきましては、構成別・機関別の特徴ということで、やはり、それぞれ機関で事業の特性に基づいて試算しておりますので、下の表は、主な機関がどれだけの政策コストが発生しているかを一覧に掲載させていただいているものでございます。一番下の(参考)は、残高機関でございますけれども、JSTにつきましては、国からの出資金によります機会費用のコストの分につきまして、こちらも記載させていただいているところでございます。
1枚おめくりいただきまして、5ページ目でございます。こちら、比較の分析になってございます。上のオレンジ枠でございますけれども、先ほどご説明させていただきました前提金利の大きな上昇によりコストが増加しておりますので、その変動要因を除いた形での増減要因を把握するために経年比較分析を行ってございますけれども、こちら、前年度のものと比べまして2兆1,399億円の減少となってございます。主な減少要因につきましては、下に①、②と書かせていただいてございますけれども、JICAの最長債権回収期間が短期化されたことにより、分析期間の見直しであったり、DBJの令和6年度の実績が確定したことと、令和7年度の見込みの改定を行ったことによる収益の増加といったようなものでコストが減少しているところでございます。
ただ一方で、やはり金利上昇局面でございますので、利子補給金の増加であったり、人件費、物価高に伴いまして、貸倒れ費用の増加といったところで、コストが増加している機関もございます。そういったような機関からは、一番下の丸の中ポツ2つに記載している機関の対応例といたしましては、融資先の経営改善支援の重点化、あとはモニタリング先の拡大など管理体制の強化といったような対応を図っていくというような回答をいただいているところでございます。
その下、青枠でございます。やはり金利上昇局面ということで、注目度も高いと考えられますので、この感応度分析におきましては、前提金利が1%上昇した場合の影響を記載させていただいてございます。前提金利が1%上昇したケースにおきましては、基本ケースよりも2兆8,231億円の増加という形になってございます。やはり、割引率の低下に伴う出資金の機会費用の増加が一番大きな要因ではございますけれども、金利上昇局面ということで、利払費の増加といったところは避けられない状況でございますので、こういったところにつきまして、こちらも機関から対応策等をお聞きしておりますけれども、やはり、この資金調達におきまして、債券を発行する場合には、年限の多様化であったり、あとは資産・負債管理を実施していくといったような回答をいただいているところでございます。
もう一枚おめくりいただきまして、6ページ目でございます。こちらはコスト分析の活用例でございますけれども、これまでどおり、左の青枠でありますとおり、償還確実性であったり、財務の健全性の確認に使っていただいているといったところと、あとは先ほどの感応度分析におきまして、金利上昇の将来のキャッシュフローであり、収益といったところへの影響額が見えてまいりますので、そういったところで、基本的には財投機関なり所管官庁とも情報を共有しながら、彼らにとっての事業の改善といったような気づきに重要な意義があるものと考えているところでございます。
右下のオレンジの枠でございます。実際の具体的な活用事例を記載させていただいてございますけれども、今後とも、さらなる活用が図られるように、財投機関と所管官庁と意見交換をさせていただきながら、引き続き、取り組んでいきたいと考えているところでございます。
7ページ以降につきましては参考資料でございますので、説明は割愛させていただきます。
私から、政策コスト分析の説明は以上となります。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、委員の皆様から、ご意見、ご質問をお願いしたいと思います。こちらの会場にいらっしゃる皆様につきましては名札を立てていただき、オンラインでご出席の皆様は挙手ボタンもしくはチャットにてお示しください。ご発言の際に資料を引用される場合は、資料番号と該当ページをおっしゃっていただきますようお願いいたします。
それでは土居委員、お願いいたします。
〔土居委員〕ご説明どうもありがとうございました。2点コメントと1点質問がございます。
まず、順序が逆なのですけれども、政策コスト分析に関連するところで、日本学生支援機構も今回の対象になっていて、金利上昇に伴う影響というのもこの分析で明らかにされていて、非常にこの分析はタイムリーであると思います。特に、世論に向けてというか、ここはぜひ理財局としても揺るぎない立場を守っていただきたいと思うのですが、何かとポピュリシティックに変動金利の奨学金を借りている学生がかわいそうだということで、金利負担が大変だという話が出てくると、日本学生支援機構が貸しているということ、しかも前もって契約をして、ご本人とそういう形で契約しているということが大前提なわけなので、確かにおつらいという部分については同情しますけれども、あくまでもこれは金融契約であるということはしっかり踏まえていただいて、そこでその立場が揺るがないように、世論に変に流されないように踏みとどまっていただきたいなと思います。それが1点目のコメントです。
2点目のコメントは、運用報告に関連するところであります。資料1-1の7ページに金利変動準備金がありまして、それについて将来推計を8ページにシミュレーション分析としてお示しいただいていて、この点については、必ずしも大きな悪影響があるということではないということを確認できているというところで、よかったと思います。引き続き、ALMをしっかり行っていただくということかと思います。何かと、余裕があるならば、様々な施策の財源に使えばいいではないかという話がまた出てくるのですけれども、財源として安易に差し出さないようにしていただきたい。逆ざやになることも、この時期起こり得ると思いますので、その点ではしっかり、この金利変動準備金を維持していただくということが大事かと思います。
最後は質問なのですけれども、JBICの件で、対米投資に関して、運用残が大きく出たということがご報告にありました。この対米投資に必要な資金は、JBICが3分の1、それから、3メガバンクが3分の2、融資をそれぞれ出すという融資比率であるということを承知しております。今後、さらに対米投資が実施されますと、当然ながら、JBICにもその融資の資金を財政融資資金から出すということにもなりますけれども、3メガバンクは3メガバンクで独自にドル調達をしなければいけないということで、一部報道によると、ドル調達が巨額であるがゆえに、いろいろ影響が多方面に及ぶのではないかという話を承知しております。特に、巨額であるがゆえに、円をドルに交換しなければいけないということで円安圧力が起こるのではないかというような話だとか、確かにNEXIの保証がついているといえども、この対米投資の枠組み以外にも、日系企業がアメリカに向けてとか、ドルで資金を調達するというときに、3メガバンクが資金を供給するとしても、その調達がこの対米投資のために巨額にしなければならないとなると、割高な資金調達コストがかかるのではないかというような話だとか、さらには、3メガバンクの財務状況が脆弱になると、これから現政権が進めようとしている国内投資においても、円滑に国内投資に資金調達ができないというようなことが起こり得るのではないかとかという様々な懸念があって、対米投資ではたかだかJBICの話ではあれども、JBICとは直接関係ないところに波及効果が様々に及ぶのではないかという話が伝え聞かれるところでありまして、その点について、理財局としてどのように捉えておられるのかというところをお聞かせいただきたいと思います。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
丸田委員、その次、オンラインで工藤委員、お願いいたします。
それでは丸田委員、お願いいたします。
〔丸田委員〕丸田でございます。ご説明ありがとうございました。私からは、1点意見と1点ご質問させていただければと思います。
最初に、この財政投融資の運用報告ということで、今、土居委員も触れられましたけれども、やはり私もこの7ページ、8ページ目辺りで、今期、連続して損失になったというところは、理由もありますし、特に不自然なことではないと思っておりますし、8ページ目の今後の分析においても、一番下のひげの線は、場合によっては繰越利益がなくなるというシナリオも考えられるものの、おおむね、それだからといって、すぐに健全性が損なわれるレベルではないと思いますので、安心できる範囲かと思いました。
一方で、この分析で、少し分かりづらいなと思ったのが、将来どういった最悪の事態、例えば金利がどんどん上がっていくとか、そういったシナリオで、この下に振れていくような展開というのが想定されるのかがもう少し見やすくなるとよいと思いました。例えば、7ページ目のバランスシートの構成要素から見て、将来前提条件が変わったときにどのようなリスクが想定されるのか、シナリオのようなものが見えると、より理解が進むのかなと思ったというのが、まず1点目の意見でございます。
続きまして、政策コストでございますけれども、こちらも非常に分かりやすい分析がされておりまして、今回の変化は、実際に金利が上昇したというところがメインで、感応度分析でも金利の上昇に合わせてコストが上がっているといったところも、この8ページ目の参考資料の表などを見ていても理解できたのですが、一方でちょっと見えなかったのが、物価であるとか人件費が実際にかなり上がっていると思うのですが、それによる政策コストへのインパクトが、間接的な貸倒れについては記載されておりますが、分かりにくいと思いました。この点について、実際は物価上昇で政策執行のコストが上昇することで、政策として実施すべきものが何か縮小されてしまって、十分な政策が実行できていないとか、そういったリスクはないのかどうかというところが、逆に、この分析を見て気になったという点でございます。
私からは以上でございます。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは工藤委員、お願いいたします。
〔工藤委員〕工藤です。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
まず、平成13年度の財投改革時点では、資産と負債で大きなデュレーションギャップが存在しておりましたが、その後、財投債の発行年限の適切な調整、デュレーションギャップやマチュリティーギャップの解消に取り組み、財投における金利変動リスクは大幅に低減されたものと理解しております。過去の財投分科会でも、今後金利上昇が起きた場合にも、財投特会財政融資勘定への影響は限定的であるというご説明をいただきましたが、実際に令和7年度の財政融資資金勘定の実績としては、マイナスの1,061億円と赤字にて着地しておりまして、令和8年度以降も当面は損失が発生する可能性があるものの、他方、ストックでは繰越利益のプラスを維持する見込みでありまして、金利変動リスクへの対応というのは、一定程度、効果を発揮しているのではないかと考えております。
一方で、金利が上昇する中で、もちろん危機対応に備えた待機資金など、様々、理由があるとは承知しておりますけれども、政策公庫等から受けている預託金の規模を精緻化することや、財投債の発行年限をさらに調整することなど、金利変動リスクを一層低減する方策を打つことも考え得るように思います。
また、令和7年度の財政投融資執行率については49.7%と今日お話がありましたけれども、JBICの執行率の低いことを一つの要因として、やや低い水準にとどまったのかなと理解いたしました。
ただ、対米投資を除いたとしても、執行率というのは59.7%ということでありまして、コロナ前の7割強という水準には依然届いていない状況です。財投債は適時適切に発行されており、無駄な資金を手元に持っているわけではないというお考えであることは承知しておりますけれども、財投として適切な規律を保つ観点からは、財務省において財投要求の精査をしっかり行っていただきまして、実態に即して、極力、精緻な計画を策定することが望ましいと考えます。
加えて、大幅な執行未達が生じるということであれば、民業の補完等を責務とする財投機関として、適切な執行が促進されるよう、執行状況を詳細に検証すべきケースもあるのではないかと考えます。今後もこういった点については、私自身も委員の一人として執行状況を見させていただきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、ただいまのご質問、ご意見について、ご回答をお願いいたします。
〔西川財政投融資総括課長〕委員の皆様、ご質問、ご意見、ありがとうございます。
まず私から、運用報告の関係について、ご回答させていただきます。
まず、土居委員、丸田委員、そして工藤委員、お三方から、資料7ページあるいは8ページの財政融資資金勘定の損失あるいは将来推計についてのコメント、ご質問を頂戴いたしました。
今、足元、金利が上昇しており、金利のボラティリティーが非常に高い局面になってきていると思っております。これまで財投債の適切な年限の調整により、デュレーションギャップ等を小さくしてきておりますけれども、相対的に金利変動リスクが高まっているというマーケットの状況も踏まえて、しっかりとしたALM管理を行っていきたいと考えております。
また、繰越利益の将来推計におきまして、期待値ベースで、この繰越利益がなくなるといったような推計にはなっておりませんけれども、この金利変動準備金は、まさに財政融資資金勘定の金利変動リスクに備えるための準備金でありますので、これまで、復興財源ですとか、あるいは防衛財源ですとかといったものに貢献してきたわけですけれども、まさに今、本来の金利変動準備金が必要となるような場面になってきていると我々も思っておりますので、しっかりと金利変動準備金を適切な規模を維持できるようにしていきたいと思っております。
繰越利益の推計に関しまして、丸田委員から、利益がなくなるのはどういう場合なのかを説明できると分かりやすいとのご指摘をいただきました。この将来推計につきましては、令和7年度末の財政融資資金の実績を基にしまして、例えば財投計画の規模については、令和8年度の計画の規模を据置きするなど、一定の前提を置いた上で、確率的な金利モデルにより生成した3,000本の金利シナリオを用いまして、将来剰余金の水準等について推計しているものでございます。
それで、この分析結果の線になっている部分は、98%の範囲で、水色の枠内、あるいは赤色の枠内に収まる結果になっておりまして、言わば、この色のついた枠外の上と下で線になっている部分は、金利シナリオの中でも異常値であるということでこういった表記をさせていただいております。例えばB/S上のどの部分が影響して、繰越利益がマイナスになるということは一概にはなかなか言えないものですから、その点はご理解をいただければと思います。
あと、執行率につきまして、工藤委員から、引き続き、JBICを除いても、まだコロナ前と比べて低い執行率ではないかとのご指摘を頂戴いたしました。その点、我々も認識しておりまして、日本政策金融公庫と、地方公共団体の執行率が、まだ、コロナ前の水準に回復してきていないことが主な要因であると考えております。こうした要因分析も行った上で、来年度計画の策定に当たっては適正な規模になるように、しっかりと要因の分析含めて、精査していきたいと考えております。
私からは以上となります。
〔田原資金企画室長〕政策コスト分析につきまして、私から回答させていただきたいと思ってございます。委員の方々のご意見等ありがとうございました。
まず、土居委員からいただきましたご意見でございますけれども、本当に金利感応度という意味では、金利の1%上昇、過去においてはかなり遠い話の世界だったものが、現在は1%はすぐといったような話になってございます。現に令和7年度の前提金利に1%を足すと、今の足元の金利になってございますので、そういった意味でも、やはり、この影響といったのが現実味のある数字になってございますので、日本学生支援機構につきましては、足元の影響がそのまますぐ出てきますので、彼らにも気づきを与える一つの材料になってございますので、学生支援機構、主務省がこれを材料としてご検討いただき、理財局としても彼らと意見交換をしながら話を進めたいと思ってございます。
あと、丸田委員からいただきましたご意見でございますけれども、やはり、人件費の上昇であったり物価高といったところがそのままコストに跳ね返ってきてございますので、それが収益の減少になってございます。それがダイレクトに、いろいろ彼らの今後の課題にはなっておりますし、おっしゃるとおり、貸倒れの部分につきましても、これがどんどん金利上昇に伴って償却額が増えていけば、その影響額が出てきますので、収益が1%落ちたら、収入が1%落ちたらといったような感応度分析もしてございます。あわせて、貸倒れ償却額が1%増えたらといった感応度分析もしておりますので、そういった分析結果を踏まえて、この政策コスト分析の結果を材料として、いろいろとご検討いただきたいと思ってございますので、先ほどの回答とご一緒になりますけれども、やはり財投機関と主務省と意見交換をしながら、こういった課題につきましては、きちんと対応を促していきたいと思ってございます。
私からは以上になります。
〔高橋計画官〕計画官の高橋でございます。
土居委員から対米投資のお話がございましたので、お答えしたいと思います。理財局としては、ふだんは民間金融機関というより、JBICとよく話をしておりますけれども、委員がおっしゃった話は新聞報道でも耳にしておりますものですから、よく問題意識は持つようにしております。
外貨調達などの国際金融については、財務省の国際局が担当しており、国際局に確認したところ、確かにこの5,500億ドルの投資の枠組みで、多額の外貨調達ニーズが生じることは事実なのですけれども、資金調達の安定性確保のために幾つかの工夫を講じています。1つは、当然のことながら、案件の進捗に応じて段階的に資金供給しているということです。覚書上、一括払込みを前提としているようにも見えますけれども、実務上は、段階的に資金供給を行っていくということにしておりまして、現在、第1陣の第1回目の払込みの金額は、各プロジェクトの総額の見込みの4%から6%程度となっておりまして、今の段階で不必要に多額な外貨調達は発生していないという状況です。
もう一つは、国内金融機関に加えて、米国の金融機関、外銀も参画できるということでございます。今はこのような形で対応しているのですけれども、今後、安心してプロジェクトに参画できる環境を整えることが大事なので、金融市場の状況とか、プロジェクトの内容とか、民間金融機関を取り巻く状況を踏まえて、民間金融機関の要望についてもよく聞きながら適切に対応していくというのが国際局のスタンスでございますので、私ども、よく注視しながら、検討していきたいと思っております。ありがとうございます。
〔翁分科会長〕土居委員、お願いいたします。
〔土居委員〕今のお答えはよく分かりました。ただ、関わっているのが理財局と国際局なので、やはり看板に傷がつかないように、ぜひ、しっかりと、失敗が起こりにくいような形で進めていただきたい。そういう意味では、今日の後の話もありますけれども、官民ファンドで甘い見通しでうまくいかなかったという他省の例があるので、杞憂であってほしいと思いますけれども、場合によっては、例えばJBICがまだ安心できる場、外国為替資金特別会計のドルも使えるというようなことだとすると、ドル調達に支障を来すということであれば、場合によってはJBICの融資比率を高めるとか、そのときには当然、JBICに出資金が必要であるということであれば、当然、主計局とも話をして、JBICの出資金を積み増すとか、そういうような総合的な対応をぜひお願いしたいと思います。
〔翁分科会長〕いかがでしょうか、今のご要望につきまして。ぜひ、よろしくお願いしたいと思いますが。
〔高橋計画官〕状況を聞きながら、しっかり対応していきたいと思います。
〔翁分科会長〕大変重要な、大規模なものでございますので、ぜひ、しっかりと取り組んでいただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、この件につきましてはこの辺りで質疑を終了しますけど、よろしいでしょうか。
続きまして、大学ファンドの状況報告につきまして、ご審議いただきます。内閣府、文部科学省、科学技術振興機構の方々が入室されますので、しばらくお待ちください。
(大学ファンド関係者 着席)
〔翁分科会長〕それでは、文部科学省、科学技術振興機構より、ご説明をお願いいたします。
〔文部科学省石田研究振興局大学研究基盤整備課長〕よろしくお願いいたします。文部科学省の石田と申します。
大学ファンドの状況について、ご報告をさせていただきます。
まず、お配りしている資料、大学ファンドの資料3の2ページ目からご説明させていただきます。2ページ目をご覧いただければと思います。大学ファンドの運用の仕組みといたしましては、約1.1兆円の政府出資金、それから約8.9兆円の財政融資資金を主な財源といたしまして、令和3年度末より運用しております。国が定めるレファレンス・ポートフォリオの標準偏差の範囲内で長期国際分散投資を行うことで、財務健全性を確保しつつ、助成財源の確保を行っております。
資料の左下の枠にございますように、大学支援の仕組みといたしましては、運用で得られた財源を基に、世界最高水準の研究大学の実現に向けた国際卓越研究大学への助成を行っております。国際卓越研究大学に対しては、外部資金獲得額に応じた金額を助成するとともに、大学からの資金拠出の慫慂や大学独自基金の造成を促進しております。また、国際卓越研究大学への助成に加え、別途、博士課程学生の支援も行っております。
あわせて、資料の右下でございますけれども、財政融資資金の償還確実性の担保に向けて、リスク管理体制の拡充やモニタリングの仕組みの構築を図ってまいりました。
次に、令和7年度の運用状況等について、運用を担当しております国立研究開発法人科学技術振興機構より、ご説明いただきます。
〔科学技術振興機構喜田運用業務担当理事〕本日は、お時間ありがとうございます。JSTで大学ファンドを担当しております喜田でございます。
それでは3ページから、内容に沿って、現状といいますか、昨年度の実績について、お伝え申し上げます。
このページですけれども、先々週7月3日に公表されました業務概況書より抜粋しておりまして、冒頭に記載しておりますのが大学ファンドの資金運用の特徴でございます。2ページと重複しますが、運用目標なり、助成のための支出なりというのを書いた上で、左下、財務構造を踏まえた運営のリスクコントロールのところを見ていただきますと、現状はグローバル株式65、グローバル債券35というレファレンス・ポートフォリオと比較して、保守的なポートフォリオによる運営を行っていますということを記載しております。
それから、ポートフォリオの段階的な移行というのを企図しておりまして、昨年度は4年目でございましたので、4合目まで来たということで、まだ移行期間中でございます。
4ページに移りまして、こちらは経済環境・金融市場ということで、簡単にご説明いたします。昨年度は、期初が米国の関税政策の市場混乱、それから期末がイラン情勢の混乱というのがありましたけれども、総じて見ますと、この左下の主要指標の動きを見ていただきましても、株式は上昇、それから為替は円安に進んだ、これは為替としてはプラスになります。それから、債券の金利は上昇したという1年でございました。
5ページ、それを踏まえて運用実績の概要でありますが、資産構成の割合を見ていただきますと、グローバル債券が56.8%、それから、グローバル株式が28.8%でした。令和7年度末のグローバル株式は25.7%でしたので、7,000億円ほど増加いたしましたけれども、これにつきましては、ほぼほぼ価値の増加ということで、買い進んだというよりは、価値が増加したことによる金額の増加でございます。それから、オルタナティブは1兆7,000億円ということで、こちらは実際に資金投入がメインになされた、債券等から振り替えていったということでございます。結果としての1年間の収益額ですが、合計では1兆1,800億円ということで、メインはグローバル株式7,606億円、収益率にして27.2%でございまして、資産全体の収益率は10.7%ということになりました。
6ページをご覧いただきまして、まず、左下は運用開始以降、先ほど申し上げましたとおり、2022年度、2023年度、2024年度、2025年度ということで、ほぼ丸4年やっていますけれども、累積で2兆3,130億円のプラスを計上しているということでございます。
右下に資産構成の変化もございますが、徐々にリスクを多めに取っているということで、株式性の割合が増えているということでございます。
ただ一方で、レファレンス・ポートフォリオとの比較というのでいきますと、右上にございますとおり、薄い水色が許容リスク、レファレンス・ポートフォリオのリスクでございますが、おおむね6割程度で運用しているということでございます。
恐縮ですが、5ページにお戻りいただきまして、当期純利益ですけれども、3,158億円ということで、前年度から比べますと598億円の増加となりまして、冒頭2ポツ目にありますとおり、純利益3,158億円、それから資本剰余金3,745億円、これが期末の剰余金の合計ということで、助成財源を積み上げている状況にございます。
簡単でございますが、こちらが運用状況でございます。
〔文部科学省石田研究振興局大学研究基盤整備課長〕文部科学省でございます。
それでは7ページから、国際卓越研究大学の第2期公募と選定の状況についてご説明をさせていただきます。
こちらのページでは、公募・選定のポイントやスケジュールを記載してございます。下のスケジュールでございますけれども、令和6年度に東北大学を国際卓越研究大学の第1号として選定いたしました。その後、第2期公募を開始いたしまして、令和7年5月に公募を締め切った以降は、有識者会議において審査を実施しておるという状況でございます。
その結果、これまでに、東京科学大学を国際卓越研究大学に選定したほか、選定候補として計画を磨き上げることとなっておりました京都大学についても、基準を満たし得ることが有識者会議に確認されまして、現在、この夏からの助成開始に向けて手続を進めておるところでございます。なお、東京大学につきましては、引き続き、審査を継続しております。
次に、8ページをご覧いただければと思います。助成実績と会計処理についてのご説明となります。
まず、令和7年度でございますけれども、令和6年度末時点でのバッファ1,527億円と、当期純利益2,560億円の合計4,087億円について、バッファが6,000億円の上限に達するまでは、その3分の1を助成の上限額とするというルールになっておりますので、1,362億円が助成可能な上限額となっておりました。そのうち、実績でございますけれども、先ほど申し上げた東北大学に対して169億円、東京科学大学に対して124億円、それから、博士課程学生に対して168億円を支援し、さらに優秀な海外若手研究者の招聘、受入れのための4億円を支援したということでございます。結果として、令和7年度末時点で残っているバッファとしては3,621億円ということでございます。
最後、9ページをご覧いただければと思います。令和8年度の助成の考え方となります。会計処理のフローをお示ししておりますけれども、5ページでお示しいたしましたとおり、令和7年度の当期純利益は3,158億円でございました。一方、令和6年度からの繰越欠損金はございません。したがいまして、残余の額である3,158億円を③の目的積立金とする財務大臣協議を本年度中に行い、助成財源の一部とする予定でございます。
この場合は、下にございますように、令和8年度の最大助成総額は既にバッファとして積み上げられている3,621億円と目的積立金協議を行う3,158億円の合計の3分の1となります2,260億円となります。
なお、④の積立金につきましては、下方リスクに備えた自己資本として機能するものでございます。令和8年度は積立金への繰入れはございません。
引き続き、必要な運用益の確保に向けて、JSTとともに、文部科学省としても取り組むとともに、運用益の範囲内での助成を進めてまいります。
説明は以上でございます。
〔翁分科会長〕ご説明どうもありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明を踏まえて、委員の皆様から、ご意見、ご質問がございましたら、よろしくお願いいたします。
西野委員、お願いいたします。
〔西野委員〕ご説明ありがとうございました。
運用につきましては、手堅くおやりになられているということは理解できました。一方で、配分額についてですが、東北大学や東京科学大学に対して外部資金の獲得に応じた金額を支出する、配分するということでございますけれども、昨今の物価上昇であったり、人件費の高騰というのが国内でもありますし、本件、国際卓越ということで、特に海外からの研究員を多くするなどの目標設定によって、海外研究者の人件費が高くなると想定されるものに対して、現状の配分額というものが十分なのかどうか、まだ支出し始めたばかりであろうと思いますけれども、各大学の10年後の目標に照らすと、この額で十分なのか。それよりも、もっと外部資金を獲得するというところに注力させる方針なのか、この加減といいますか、どのようにお考えなのかをお伺いしたいです。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
それでは次に、有吉委員、お願いします。
〔有吉委員〕有吉でございます。ご説明どうもありがとうございました。
私も、資料3の8ページでお示しの助成実績の金額の関係について、伺いたい点がございます。私は、大学のどういう研究に対して助成をすべきかといったことについては素人でございますので、むしろ数値の面で伺いたいということでございますが、この8ページの資料を拝見すると、令和6年度末時点での助成上限額が1,362億円となっており、令和7年度末はさらに2,000億円程度追加された数字になっている一方で、令和7年度の助成実績として、足し合わせると460億円ぐらいとなっており、上限と比べると、大分モデレートな助成実績になっているような印象を受けております。相応に運用益が積み上がっていると捉えてよいのか分かりませんし、また、まだ令和7年度の段階では、京大や東大といった候補が控えていることも踏まえて助成額が低くとどまったという面があるのかとも思いますが、それにしても、上限と示している数値と比べると実績が大分低い数字になっていて、さらに令和7年度は上限がもう一段高くなる状況にあると数字だけを見て感じるところであります。
そういった中で、助成額の算定や給付が過度に保守的になってしまっていないかということと、逆に、そもそもこの上限のほうが過度に緩やか過ぎて、本来もっと低く抑えなければいけなかったのではないかと、この両面のどちらかが成り立たないかということが気になりました。これまで4年ほど運用を行い、それから助成は徐々に始まったところだと思いますが、実際に進めてきていらっしゃる中で、この定められた給付の方針あるいは給付の上限の設定の仕方が適正だったのかということについては、改めて実態を振り返って、もし、直すべきところがあれば直していただきたいと感じました。
私からは以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
小橋委員、お願いします。
〔小橋委員〕小橋でございます。ご説明ありがとうございました。
私もこの8ページの資料に関してなのですが、別の観点から一つ質問をさせていただきたいと思います。この助成額、支援額のスライドを見たときに、博士課程学生に対する支援額の規模というのが、国際卓越研究大学への助成額1件にほぼ匹敵する金額だということが個人的には興味深く受け止めたのですけれども、そもそも、この大学ファンドの大きな目的というのは、日本の国全体の研究力、イノベーションの能力の向上ということにあると思うのですけれども、その一方で、目玉となっている国際卓越研究大学というのは、少数精鋭の選ばれし少数の大学への支援ということかと思います。そうすると、そのバランスというか、選択と集中と、あるいは底上げということのバランスというのがすごく重要になってくるのかなと思うのですけれども、この博士課程学生に対する支援という部分は、何か底上げを重視したそういった支援になっているのか、あるいは底上げのために使える、チャネルとして使えるというような余地があるのかというお考えをご質問したいと思いました。
以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは土居委員、お願いします。
〔土居委員〕ご説明ありがとうございました。私は、これから先の話に関連するところで、今の備えがどうなっているかということをお伺いしたいと思うのですけれども、先ほど、まだ、こちらにいらっしゃらないときに、財政融資資金の政策コスト分析の議論をしていたわけですが、直近の金利上昇の影響というものが財政融資資金にどういう影響があるのかというところで、この政策コスト分析の話がある。直接、今の大学ファンドに関してのところはこれから申し上げるところの質問では関係ないのですけれども、財政融資資金の貸付条件が5年ごとに改定されるということになっていて、もう、お察しだと思いますが、融資が始まってから、今後、貸付条件が改定されるときには、明らかに金利が上がっているということになる。最初の5年間よりかは、明らかに財政融資資金に対する貸出金利の負担が今後重くなるということが今からでも想像できるわけです。もちろん、今年度は今年度で、先ほどご報告のあった運用実績があり、助成額があるということなのですけれども、5年後に――5年後というか、今度、貸付条件が改定されるときになると急に金利が上がるという分だけ、急に助成額に影響が出るということになるかもしれないというようなことが、金利条件からすると考えられるのですが、何か、今のところ、それに対して、急変しないように備えているとか、ないしは、金利上昇も前もって織り込んでいるとか、そういうようなことを何か備えをしていらっしゃるのかどうかというのをお伺いしたいと思います。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
それでは丸田委員、お願いします。
〔丸田委員〕丸田でございます。ご説明ありがとうございました。私からは意見を2つほど述べさせていただきます。
まず、運用の実績ということで、運用益3,000億円ということで、実際には物価金利上昇分等のインフレ部分については少し目標未達だったとはいえ、まだ、レファレンス・ポートフォリオより保守的な段階でも、そこにかなり近い状況の運用成績を達成されたということで、それは非常にすばらしいことだなと感じました。
ただ一方で、今の運用実績の前提には、株高であるとか、あと、やはり為替が相当効いていると思いますので、その意味で、やはり高実績というところとの裏腹で、3ページ目に書いていただいているようなリスクコントロールは、しっかり継続してやっていただきたいというところが1点目でございます。
もう1点は、他の委員の先生方からもコメントがございましたが、私もこの8ページ目の助成の、今回、24ページにあるような助成金額決定のロジック等、改めて確認させていただいたのですが、助成金額が外部から獲得した資金に対する一定割合と、あとは、自らファンドに拠出した部分の一定割合で算定されているのですが、一方で、各国際卓越大学が非常に総合的な素晴らしい中長期のKPIを掲げられていて、これを実現する支援として、外部資金の一定割合等にかなり偏った助成というのが、適切なのかどうか。長期的に、これらの素晴らしいKPIに対する何かインセンティブ的なものも含めて、そこの達成に向けた直接的な助成のようなものは不要なのかという点です。もちろん今、お金があるというところが前提ではあるのですが、このような状況のときにこそ何か、KPIを達成するために追加的に配分するであるとか、そういった機動的なところというのを考える余地はあるのでしょうかというところが私からのコメントです。
私からは以上でございます。
〔翁分科会長〕どうもありがとうございました。
それでは、ただいまのご意見やご質問に対しまして、ご回答いただければと思います。よろしくお願いいたします。
〔文部科学省石田研究振興局大学研究基盤整備課長〕ありがとうございます。まず、文部科学省から、助成を中心にお答えさせていただきたいと思います。
海外からの留学生などの人件費が上がっていく中で、しっかりと外部資金を獲得していく、この関係をどう考えるかというご質問をいただきました。まさにおっしゃるとおりで、長期的に大学が成長していくということをこの仕組みで支援をしていくという関係の中で、特に大学が自立して、しっかりと財政が運用できるように、外部資金の獲得を我々としても慫慂している、そういう制度設計になってございます。したがいまして、現在、ご指摘もありましたように、助成を始めてまだ1年、2年というところでございますが中長期的にどういったことができるかということは、常に心にとどめて運用してまいりたいと思っております。
それから、過度に保守的になっているのではないか、助成額との比較と、それから上限額との比較で、かなり保守的になっているのではないか、そのバランスについて配慮するべきというご指摘だったかと思います。こちらについても、まさにおっしゃるとおりでございます。基本的には、中長期的に運用がなされていく中で、助成についてもしっかりとバランスをとれるような形でやっていく、見直していくということが必要だと思っております。しかしながら、繰り返しになりますけれども、今、助成が始まってまだ1年、2年というところでございますので、今いただいたことは、我々も当然、引き続き、心にしながら、制度の運営に努めてまいりたいと思っております。
それから、博士課程の学生の支援についてのご指摘をいただきました。大体200億円ぐらいをめどとして、支援をさせていただいておるところでございます。おっしゃっていただいたとおり、国際卓越研究大学という、世界に伍するような研究大学をつくっていくということとは、これは少し由来が違っておりまして、個人としての博士学生、これは日本の研究力の基盤となる部分でございますので、博士学生に対してもしっかり支援をしていって、日本全体の研究力の向上を図っていくというものでございますので、そういったところにも併せて意を尽くしながら、制度の運用に努めてまいりたいと思っております。
〔科学技術振興機構喜田運用業務担当理事〕それでは、土居委員からいただきました直近の金利上昇ということで、借入れの負担が増えるのではないか、それに対してどう備えているかについて、お答えいたします。
おっしゃるとおり、今ほぼほぼゼロ、コストとしては120億円弱の借入金利を年間お支払いしているというところでありますが、今、5年金利が2%ということで、貸付条件が改定されるとこれが1,700億円とか1,800億円とかに増えてまいります。その負担は今年度から徐々に増えていく。徐々にと言いながら、借入タイミングはほぼ同一ですので、来年度には、かなりの支払いになります。
一方で、現状、まだ目標の実質3,000億円も届いていないという背景にもなりますけれども、何点かありまして、ポートフォリオがまだ成長段階にあるということで、収益力はこれから上がっていくことを期待しています。具体的には何かというので事例を申し上げますと、1つはオルタナティブ投資で、投資してから、だんだんと分配が増えていきます。今はまだ投資をして手数料を払っているだけということで、収益貢献が限られておりますが、ここがプラスになっていくということです。先ほど収益のところで、評価損益込みでとご説明しましたオルタナティブの収益というのが2,000億円ほどありますけれども、この一部が実現していくということ、これが期待されるというのがあります。
それからもう1点、先ほど丸田委員からもリスクコントロールをしっかりとということでお話しがありましたが、これまで気をつけてきたのがリスクの偏在を極力避けるということで、為替リスクについて、おおむね半分ヘッジしておりまして、2024年のピークですと、ヘッジコストは6%かかっておりました。これが米金利が利下げし、円金利は利上げもありましたので、実は足元は3%下がっているなど、ヘッジコストの減等も、ある程度プラスには寄与していくかなと思います。借入金利だけとらえると、マイナスということで、当然ながら、低いほうがパフォーマンスは出やすいというのは事実でありますが、全体としましては、実現部分の収益力というのを上げていくことで対処していきたいと思っております。ありがとうございます。
〔文部科学省石田研究振興局大学研究基盤整備課長〕失礼いたしました。丸田委員から2点目の点として、特に外部資金の割合を増やすということについて、そういった追加的な配分など、KPIも含めて支援の考え方はあるかというご質問だったと存じます。現在のところ、外部資金の獲得が実際の助成額にもつながっているということもあって、各大学、かなり様々な方策を通してやっておられる現状がございます。ですので、今時点で何か行うということは考えておりませんけれども、ここはやはり大学が自立していくという一つのポイントであると思いますので、しっかりと見ていきたいと思っております。
〔翁分科会長〕ご回答ありがとうございました。
何か追加点ございますか、よろしいでしょうか。
それでは、質疑はここまでとしたいと思います。
ここで、内閣府、文部科学省、科学技術振興機構の皆様にはご退席いただきます。本日はどうもありがとうございました。
(大学ファンド関係者 退席)
〔翁分科会長〕続きまして、官民ファンドフォローアップについて、ご審議いただきます。経済産業省、株式会社海外需要開拓支援機構の方々が入室されますので、しばらくお待ちください。
(官民ファンド関係者 着席)
〔翁分科会長〕それでは、経済産業省、株式会社海外需要開拓支援機構及び高橋計画官よりご説明をお願いいたします。
〔経済産業省江澤商務・サービス政策統括調整官〕経済産業省でございます。
海外需要開拓支援機構の修正後計画の進捗状況について、ご説明いたします。資料4-1をお開きください。
1ページでございます。改革工程表の2021を踏まえた修正後計画の進捗状況であります。これを踏まえ、抜本的な見直しを行ってきました。最低限達成すべき投資計画を策定し、公表したのが、2022年の11月でございます。本資料では、進捗管理・点検・評価表を踏まえまして、2025年度末の時点に基づきまして、この修正後計画の進捗状況のフォローアップを行ったところでございます。この進捗管理・点検・評価表では、「各官民ファンド及び監督官庁は」というところから始まりまして、2行目、「見直しによる成果が上がらないときは、各官民ファンド及び監督官庁は、他の機関との統合または廃止を前提に具体的な道筋を検討する」と記載されているところでございます。
1ページの右側、2025年3月末と2026年3月末の状況をまとめたものでございます。2025年3月末は、累積損益の目標を達成したところでございます。2026年3月末につきましては、投資額については、189億円の計画に対して、実績220億円でございました。一方、累積損益については、マイナスの426億円が目標であったところ、マイナスの540億円ということで、目標を達成することができませんでした。2025年度の投資額がこの丸のところにもありますが、220億円に対しまして、機構が保有する案件のうち、私的整理を行った投資先、事業が低迷した案件、それから、株式が一段下がった案件について、損失計上、減損処理を行った結果として、当期の純利益がマイナス157億円計上しまして、累積の損益がマイナス540億円に達し、マイナス426億円の目標に対して、下回ったというところでございます。
クールジャパン機構の損失計上及び修正後計画の未達を踏まえまして、クールジャパン機構のこれまでの投資実績の振り返り、要因分析、制度上の課題等について、第三者かつ専門的な観点から検証、検討を行うため、官民ファンド、クールジャパン分野、さらにファンドの実務者等の学識者や専門家で構成される検証等に係る検討会を経済産業省として設置しまして、年内をめどにとりまとめを行いたいと考えております。座長には土居委員にご就任いただく予定でございまして、丸田委員にもご参加いただきながら、徹底的な検証を行ってまいりたいと考えております。なお、累積損益が目標未達となりまして、現在、新規の支援決定は見合わせているところでございます。
〔海外需要開拓支援機構川﨑代表取締役社長CEO兼COO〕クールジャパン機構社長の川﨑でございます。よろしくお願いいたします。
続きまして、投資案件及び収益性に関する現状報告と今後の見通しについて、ご説明申し上げます。
先ほどの説明のとおり、当機構は、2025年度決算におきまして、改革工程表2021を踏まえて策定しました修正後計画の累積損益目標を下回りました。目標を達成することができなかったことにつきましては、代表取締役社長としまして、重く受け止めております。政府に設置される検討会については、当機構としても、その議論や検証に真摯に向き合い、適切に対応してまいります。
それでは、2ページ目をご覧ください。2025年度の新規案件組成の状況や見通しについて、ご説明させていただきます。2025年度の投資額は189億円を見込んでいたところ、投資先を精査し、投資判断を行った結果、実績として220億円を投資いたしました。
具体的には、安定した収益基盤や海外現地事業の実績を有する事業者への投資を重視し、国内に荷物預かりサービスを展開する会社や、日本キャラクターを扱う現地ディストリビューターと公式商品を開発し、製造、販売を行うアパレルブランドへの投資などの案件に取り組みました。また、日本のエンタメ・コンテンツ産業の海外展開促進に資するスタートアップに対する投資を行うファンドへの投資も行いました。
また、過去の分科会におきましてご指摘いただきました国際情勢や地政学リスクにも留意し、新規投資案件の精査及び既存投資先の状況把握やモニタリングにも継続的に取り組んでまいりました。
次に、既存案件の状況や見通しについてですが、財投分科会でのご指摘も踏まえ、既存案件のEXITを進め、ポートフォリオの入替え、ブラッシュアップ、最適化に取り組んでおります。2025年度には5件のEXITを実施し、EXIT済み案件は累計34件となりました。現在保有している案件につきましても、モニタリングや企業価値向上のためのハンズオン支援を行いながら、適切なEXITの実現に向けて取り組んでおります。
足元の収益性の状況及び修正後計画の進捗状況についてですが、2026年度はEXIT案件からの収益、LP出資先からの配当を見込んでおります。
次に、3ページ目をご覧ください。当機構では、2022年11月の財政投融資分科会においてご報告した経営改善策に基づき、投資先の管理と資金回収の強化、案件組成や投資先支援の強化、専門人材の確保と組織運営の効率化に取り組んでまいりました。具体的には、投資チームへの監督機能を持つミドルオフィスを設置し、これを中核とした投資リスク管理の強化、社長直轄組織による案件発掘、投資先支援、オフィス面積の縮小やデューデリジェンスの内製化による経費削減に取り組んでまいりました。しかしながら、結果として、累積損益目標を達成することはできませんでした。この結果につきましては、重く受け止めております。今後につきましては、政府の方針を踏まえ、検討会における議論や検証に真摯に向き合い、対応させていただくとともに、現在保有している案件の企業価値向上に取り組み、適切なEXITの実現を目指してまいります。
以上です。
〔経済産業省江澤商務・サービス政策統括調整官〕再び経済産業省から説明させていただきます。4ページをご覧ください。経済産業省において設置するクールジャパン機構の検証等に係る検討会についてのご説明となります。
クールジャパン機構は、クールジャパン分野の海外需要開拓を支援する官民ファンドとして、一定の政策的効果を生み出してきましたが、2025年度決算で修正後計画の目標を下回ったことを踏まえまして、経済産業省において、クールジャパン機構の検証等に係る検討会を立ち上げます。
検討会では、政策・収益性の面から官民ファンドの特性を踏まえてということでございますが、制度面、これは機構法に基づくルールや支援基準がございますので、こういった制度面からの検証。それから2番目、投資事業面としまして、具体的な投資案件とその政策効果と収益性。組織・経営面としましては、クールジャパン機構の組織・体制、これまでの経営改善の取組などが功を奏したか、こういった取組について、徹底的な検証を行いたいと考えております。
7月中にも第1回を開催しまして、年内にとりまとめを行いたいと考えております。座長につきましては、先ほど申し上げましたとおり、土居委員と、それから、丸田委員にご参加いただくということでございます。
参考資料の説明は基本割愛しますが、6ページはこれまでのKPIの実績、7ページは、これまでの累積の損益の構造について御説明したものでございます。7ページ、少しご覧いただければと思います。累積の投資が1,588億円を投資しまして、EXIT済みが599億円ございます。この投資について、55億円の損失が出ましたが、LP出資の配当が35億円ありましたので、EXIT等による累積の損益はマイナス20億円となります。これと、262億円のファンドの運営費、投資中の減損258億円を年度末の時点で加えておりまして、この積み上がりがマイナス540億円という結果になっております。
8ページ目は、262億円の累積のファンドの運営費の内訳でございます。111億円が人件費でございまして、租税公課としまして、法人事業税、昨年の財投分科会の場でもご指摘のありました租税と、調査研究、家賃等の費用を足しまして、262億円ということでございます。
説明は以上でございます。
〔高橋計画官〕続きまして、計画官の高橋から、資料4-2をご説明申し上げたいと思います。1ページしかございませんが、ご覧いただきたいと思います。
資料上部ですが、これは先ほど経済産業省、CJ機構から説明がありました検討会で行っていく検証の項目について触れております。
これを受け、資料下部が論点でございます。私が考えましたところ、今後、検討会での検証に当たり、次の5つの項目については、重点的に検証が必要ではないかと思っております。
1つ目として、累積損失が拡大していった、その主な要因は何だったのか。
2つ目として、現在お持ちの株式等の売却を適切に進めていただきたい。あわせて、運営コストもできる限り削減していただきたいということ。
3つ目として、従前の投資決定に際して、取締役会、それから社外取を含めた最終的に投資を決定する海外需要開拓委員会など、組織の中の主体が十分に機能を発揮していたのか。
4つ目として、投資決定後ですが、投資先のバリューアップに向け、社外取の派遣などは実際に機能したのか。
最後に、他の官民ファンドに対しても、ということですが、投資方針あるいはリスク管理方針が実効的なものだったのか。産投を活用しているということで、資本コストを意識した経営がなされていたのか。
以上、少なくともこうした点については、今後しっかりとした検証をお願いしたいと思っております。
今日は、こうした論点について、あるいはそれ以外にも重点的に検証すべき点など、委員の先生方からご意見を頂戴できればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
〔翁分科会長〕ご説明ありがとうございました。
それでは今から、委員の皆様のご意見やご質問を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
西野委員、お願いいたします。
〔西野委員〕ご説明ありがとうございました。
事実関係の確認なのですけれども、投資計画で2025年3月末、当初の予定が90億円だったところが実績値126億円ということで増えており、さらに2026年3月末のところでは、189億円の予定のところが220億円になっております。
ここ数年来、この機構に関して、累積損益が多大であることから、投資判断により厳しい目が注がれていたのではないかなと考えるわけで、特にこの2年間においては、やはり、投資先についても、多分、充分に精査された上であろうとは思うのですが、しかしながら、どうしてこの2年間とも実績値が上回っているのか。つまり、これは機構としての投資と回収というものをどのようにお考えなのかというところにもつながってくるのですけれども、累損が多くなっている一方で、投資額も予定よりも多くなっている状況をどのように説明されるのか。この部分がよく理解できず、さらに、追加的に減損処理をされたこともあって、累積損益がどんどん膨らんでしまっている状況でもあるので、この投資額が2年とも予定額よりも多くなっているということのご説明をいただきたいと思います。
以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
オンラインの工藤委員、お願いいたします。
〔工藤委員〕ありがとうございます。ご説明ありがとうございました。
今回、クールジャパン機構において、修正後計画を114億円下回ったことは重く受け止めるべきでありまして、経済財政諮問会議で決められていた方針に従い、統廃合を前提に、当機構の今後の在り方を検討すべきだと考えております。何度も改善計画が策定された当機構において、計画未達が繰り返され、かかる事態に至ったことは極めて残念でありまして、公的資本の回収を最大化しつつ、今後設置される検討会においては、他の官民ファンドにも通じる具体的な教訓、また、今後の施策、政策に対する示唆というのを多く得ることができると思いますので、ぜひ、しっかりとした議論をお願いしたいと思います。
その上で、検討会について、何点か申し上げたいと思います。
まず、真因の徹底的な究明というのをお願いしたいと思います。もちろん投資でございますので、100%失敗しない投資というものはないわけですけれども、投資案件別に損失の要因を精緻に分解していただきまして、検討時に予見していたリスクが顕在化したものなのか、投資決定時に見抜けたにもかかわらず見落とした、本来とるべきではないリスクが発現してしまったのか、また、投資後に想定外のリスクが発現したのか、モニタリングで把握したのだけれども、それを正す機構側の対応が遅れたのかなどを明らかにしていただければと思います。足元では、スパイバーという大口の個別銘柄についての報道がされていますけれども、やはり後講釈にはなってしまいますが、機構の規模として、過大な投資を行うに至った判断のプロセス、こういったところも検証いただけると意味があるのかなと思います。
加えて、機構全体の運営という観点では、運営コストを考えると、割に合わない規模や想定リターンの案件にまで出資を行っていたのではないかという点や、本来的に機構が担うべきである知見を有する投資領域以外にも手を広げるような構造になっていなかったのか、また、そもそも当機構の投資対象としたものが、もともと収益化に時間がかかるものであって、期限があり、リターンが期待されるファンドでやることが不適当だった、政策ツールとしてはこのファンド形式が妥当ではなかった、こういったところも検証していただけるといいかと思います。
最後に、政策効果の検証についても、極力具体性をもって、対外公表可能な形で検証を行っていただければと思います。本当にこの機構の出資があったからこそ、個別の投資先が発展し、ひいては我が国産業としてクールジャパン分野において海外需要を開拓することができたのかという点の検証については、官民ファンドという政策ツールの意義と限界、これを明らかにするために極めて重要でありまして、事前に定めていたKPIの達成状況評価を超え、しっかり検証することが不可欠だと思います。
なお、クールジャパン機構の統廃合が検討されていくわけですが、今日もご説明があったので大丈夫だと思うのですけど、既存案件について、必ずしも早期売却ということだけを優先すべきではないのではと思います。当機構の保有分を安く買いたたかれないようにするべきであるという観点もありますし、もともとの機構の役割ということを考えますと、投資を受けた企業に潜在力の発揮を促し、その価値を最大限高めるよう支援するということも大変重要だと思います。投資先に最大限迷惑をかけないように撤退を行うためにも、バリューアップ支援や他の投資家の招聘を行いつつ、段階的売却や早期撤退のEXITプランについて、その達成期限と想定回収額を個別具体につくり込むこと、これが重要だと思います。
以上でございます。
〔翁分科会長〕どうもありがとうございました。
それでは岡田委員、お願いいたします。
〔岡田委員〕岡田です。ご説明ありがとうございます。
私からは、やはり、責任の所在というものをはっきりしていただきたいと思います。官民ファンドができるような政治的な背景というと、これができた頃、2013年頃にできていたときというのは、大体、財政的な制約がいろいろある中で、収支相償ということで、いろいろなことをやりたい、その政権のアジェンダというのがあって、各省庁で10以上、官民ファンドができていくということで、それ自体は政治的な背景としては理解しますけれども、そういうときに、政権のアジェンダなので、各省庁はそれぞれ一生懸命やらなければならない。きちんとその最初のときから、一生懸命やるのはいいのだけど、このファンドの全体としての設計、枠組みが各省庁できちんと責任を持って適切な形でスタートできればいいわけですけれども、往々にして、より大きく風呂敷をやっていったほうが政治的なアピールにもなるし、役所としてもプレゼンスが高まるということで、甘くなりがちなのではないかという問題があるかと思います。うまくいっていればいいのですけれども、結果としてこうなったということなので。責任というときに、大体、役所でキャリア官僚の方というのは、2年か3年で変わっていくわけですよね。そうすると、当初、この立ち上げに携わった人たちって、この総括検証でどれだけ責任を問われるのか。局長から、審議官から、課長から、補佐から、その下のラインまでありますけれど、その人たちは、どこまで重く受け止めているのか。その後、モニタリングになった場合は、モニタリングのずっと途中経過のときは、それぞれまた、二、三年ごとにいろいろ人が変わっていって、物事が傾き始めると敗戦処理になっていくというふうな、そうしたところで総無責任体制になっていくという、これ、官の側の責任ですね。官民ファンドの民の方から来るそのファンド側というのも結構無責任体質になりがちで、というのは、こちらもずっと期限が限られた組織なので、きちんとインセンティブの設計をやる必要があると思うのですけれども、ずっとここに、JTCと言われますけど、終身雇用でそこにずっといるわけではないので、ここで実績を上げて、ほかで活躍していくということで、公的な色彩を帯びる案件をやってジョブホップということになるかと思いますけれども、それとて、最初に携わった人が、では十何年ずっといて、最後まで責任を持ってやっているのかという、恐らく、いろいろ人の入れ替わりがあるのだと思います。そうすると、最初、その案件を組成するような立ち上がりのときでも、大体、普通、民間のファンドが、ある程度、収益性がそれなりの確率で見込めるところというのは、みんな民間のお金が入っているので、民間だけではなかなか難しそうだなみたいなところに収支相償ということでできるかなということで入っていくというときに、どこまでそのリスクをきちんと見極められるのか。インセンティブということでいえば、ちょっと難しくても、やらないと実績にならないから、幾らか組成をどんどんしていかなければならない。それも最初の頃の何年かにいらっしゃった方が、今これだけ傾いたときに、あのとき私は、その後、別にここの組織にはいないけれども、責任を感じていますとなるのかどうかということですね。結局のところ、リスクを取った人と損失が出たときの責任というのが切り離されていると、これもまたは総無責任体制みたいな、かつ、これもファンドが傾いて、敗戦処理みたいになってくると、人材だって、いい人が採れない。いい人が採れないと、より目利き力というか、リスク判断なども鈍っていく。それで最後、国民負担になってと、こういうことでは困る。A-FIVEがそうなって、JOINも大きい損失を計上して、また、クールジャパン機構でということで、正直、どうなっているのかなという感じがありますので。そもそも、政策的に効果が少しあるというのだったら、これは一般会計でやればいい話であって、高市政権は責任ある積極財政ということで、10年前よりは積極的財政をやるということであれば、何もこういうスキームでやる必要はないと思いますので、普通の一般会計で、政策的に意味があれば、普通に査定してやればいいと思いますので、その辺の精査ということも、きちんとやっていただければと思います。
以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
次、有吉委員、お願いします。
〔有吉委員〕有吉でございます。
今回のこの検討会では、クールジャパン機構の方向性を決めるというのが直接的な目的となるのだと思いますが、ただ、本日の資料4-2で理財局のコメントにもありますとおり、また、先ほど工藤委員からもお話がありましたとおり、クールジャパン機構だけではなくて、今後の官民ファンドの在り方とか、あるいは公的な資金を有効活用するための指針となるようなことも含めて議論していただきたいと思います。そのために、クールジャパン機構のガバナンスあるいは投資方針のレベルと、それから個別の投資判断のレベルのそれぞれに関する意思決定、デューデリジェンス、モニタリング、こういった運営状況について、何が問題であったのかということをしっかり検証していただきたいということが、まず総論として申し上げたい点でございます。
その上で、検討会で今後議論されるに当たって、4つか5つぐらい、視点的なコメントをさせていただきたいと思います。
まず1点目は、結局、何がクールジャパン機構の強みであったのか、専門性であったのか、あるいは何のためにクールジャパン機構があったのかということと、その強みないし専門性を生かした投資活動を行うことが本当にできていたのかということを、そもそも論として検証していただく必要があるように思います。結果としてのポートフォリオを拝見しても、投資方針の一貫性というのか、思想的なものがよく分からない。クールジャパンということで広い意味では共通項はあるのかもしれませんが、何か統一性がないと感じる次第であります。この点は、以前、クールジャパン機構について、この場で議論になったときも同じような感想を持ちましたのが、最後まで続いていたのかという印象がございます。
次に、具体的な投資先候補を選定する段階、それから、さらにはその候補の中から投資先を決定する段階において、組織として主体的な判断が行われていたのかどうかということについて、踏み込んで検討し、検証していただきたいと思います。実際にこういったことがあったのではないかということを申し上げるわけではないのですが、内部ないし外部の特定のどなたかに言われるままに、投資先候補や投資先が決定されるといったようなことがなかったかどうかであるとか、あるいは特に具体的な投資先の決定プロセスにおいて、何らかの利益相反関係のある第三者の意向が強く反映されるようなことがなかったかどうかとか、また、一般的に対外的に説明していた投資方針と、それから個々の投資の担当者の実際の判断、運用にずれが生じていなかったかとか、こういった観点も踏まえて、組織としての投資判断ができていたかどうかということについて、ガバナンス面を中心に検証していただきたいというのが2点目でございます。
それから3点目は、クールジャパン機構の根拠法の目的規定の条文を見ますと、「我が国の生活文化の特色を生かした魅力ある商品または役務の海外における需要の開拓を行う事業活動及び当該事業活動を支援する事業活動に対する資金供給を行う」と定められていると理解しております。この目的を考えたときに、昨今、一番話題になっておりますSpiberは、なぜクールジャパン機構が投資しているのだろうと、若干疑問に感じたところがございます。Spiberに投資する際のクールジャパン機構のプレスリリースを拝見すると、「環境にやさしい等の新素材の特徴を生かして、アウトドアブランドとプロトタイプを共同開発するなど、アパレルを核に事業拡大を目指しており」、ということでSpiberへの投資が説明されているわけですけど、これですと要すれば、Spiberとアライアンスを組んでいる会社がクールであれば、Spiber自身がクールでなくても投資してよいと読めなくもないような気がします。もちろんSpiber自身の技術のポテンシャルについてどうこう申し上げるつもりはないのですが、果たして、クールジャパン機構の投資対象として、Spiberは適切だったのかというと、若干疑問を感じます。
あるいは、ほかの投資の場面でも、例えば国内の上場企業を投資対象にするようなファンドへの投資ということもなさっていらっしゃるようですけど、そのときのプレスリリースを拝見すると、ファンドの投資範囲には、「我が国の生活文化の特色を生かした魅力ある商品または役務の海外における需要の開拓を行う企業を含みます」という説明があるだけでして、こんなことを言うと、TOPIXのインデックスファンドにも投資できるのではないかという気がしないわけでもないわけであります。個々の投資の方針、個別の投資先企業と、クールジャパン機構の目的自体が果たして本当に整合していたのかどうかというところは、これは個々の案件に政策的な意義があったかとか、収益性があったかという話とは別の次元として、適法性の観点から検証していただく必要があります。その際に、もし2点目でも申し上げたような特定の恣意が働いて、本来、クールジャパン機構として投資すべきでないものに投資をしていたということが出てくるのであれば、そこはしっかり責任関係を明確にしていただく必要があるのではないかと思います。
それから4点目としまして、クールジャパン機構に限らず、これまで官民ファンドの様々なご説明を聞いておりますと、非常に難しいお役目だと認識しております。政策的な効果を実現しなければいけない一方で、収益性は確保しなければいけない、しかも民間の邪魔はしてはいけない、こういう投資活動をしなければいけないということで、これは人的なリソースとしても非常にレベルが高い、難しい、そういった業務なのだと理解しております。
そういったことを前提に、特にクールジャパン機構においては、投資対象というか、目的が他の官民ファンドと比べても抽象的ということもありまして、ますます幅広い対象の中から、先ほど申し上げたような投資範囲を選定して、実際に投資して成果を上げなければいけないという、レベルが高い能力が求められているわけなのですが、果たしてそのような人材がいるのか、実際にそういった人材が採用できていたのかということが4点目の問題意識であります。
また、そういった観点を踏まえた期中のモニタリングとか、ハンズオンの支援とか、こういったものもより難しい能力が求められていると思うのですが、そういった体制が整っていたのか、人が雇えていたのか、そもそも、スーパーマンのようなことを前提とする投資活動というのが実現可能だったのかということを含めて、ご検証いただきたいと思います。そういう意味では、先ほど岡田委員もおっしゃっていたとおり、官民ファンドというか、投資という形が、果たしてクールジャパン機構の目的との関係で適切であったのかということにも通じるのではないかと思います。
最後に、これは既に工藤委員がおっしゃっていた点ではありますが、今後、廃止なのか、縮小なのか、統合なのか分かりませんが、いずれにしろ、ポートフォリオの処分というか、EXIT的な活動が必要になっていく可能性が高い中で、そちらは慎重に、安売りしないということと、投資先に不利益であったり不便が生じないようにするということの、両面含めてうまくやっていただく必要があると思いますので、ぜひ、そこも慎重に検討していきながら進めていただきたいと思います。
私からは以上でございます。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
次、野村委員、お願いします。
〔野村委員〕今までの委員から出たご意見とかなり重なるのですが、少し言葉を変えるようなお話になるかと思います。
まず、クールジャパン機構さんは、今回の改善計画未達を受けて、統廃合を前提に検討が進められることと思います。それに当たりまして、今お話が出ているように、まず、ガバナンスの問題ですね。意思決定のプロセスの検証はなされると思いますし、監督官庁の責任はどうなのかということも問われていくと思います。これを前提として3点申し上げたいと思います。
1点目が、今、有吉委員がおっしゃったことともかなりかぶるのですけれども、クールジャパン機構さんが政策性と収益性の両方を追求することが難しくなって、次第に政策性というか、政策目的を拡大解釈するようになったのではないかと見ております。というのも、今、有吉さんがおっしゃった根拠法を見ますと、「我が国の生活文化の特色を生かした魅力ある商品の需要を開拓する」とあるのですが、一方でホームページを見ますと、その対象は例えば、コンテンツ、衣食住関連商品、サービス、先端テクノロジー、レジャー、地域産品、伝統産品、教育、観光等と非常に幅広なのですね。やはり、クールジャパン機構さんの投資先を見て、どうしてこの投資先なのかという疑問がわくことが時折ありました。投資先であるスパイバーに関しては、なぜスパイバーなのかと、この分科会で何回か質問させていただきました。そのときのお答えは、個人的には納得できないものでした。後解釈ですけれども、ひょっとしたら、当時、投資対象として注目されていたスパイバーさんに投資をすることで、累損の解消につなげようとしたのかもしれない、かもしれないので分からないのですけど、この辺の意思決定の在り方を検証していただきたいと思います。
そのほかにも、2025年度の投資対象を見ましても、中古日本車のアジアでの販売とか、予防医療のサービスなど、資料をまだ十分読み込めていないのですけど、なぜこれがクールジャパンなのだろうと思ったものがございました。
それから2点目が、投資の専門家はもちろんいらっしゃったのですが、その専門性で十分、適切だったかどうかという議論もあります。加えて、生活文化、日本の文化を海外に広めて、その成長を後押ししようというのが目的だったのですが、その分野、とりわけ、エンターテインメント、コンテンツ産業の専門家として、どこまで専門性の高い方がいらっしゃったのかということが、実はかねてより疑問でした。というのが、以前、私、フランスに視察に行かせていただいたときに現地で見て、それから日本でもヒアリングさせていただいて、そのときも感じたのですけれども、日本のコンテンツ産業のグローバル展開を推進する経験スキルを持った方がいらっしゃるのかなと。また、日本の企業を現地パートナーとつないで、海外展開を着実に進めるという上でのコーディネーターや推進役がいらっしゃったのかどうか、その辺りも含めて、検討会では確認をしていただきたいなと思っております。
それから3点目ですが、今後に向けて、やはり、クールジャパン機構さんの取組の分析というのは非常に重要だと思います。先日、政府が成長戦略の中の一つとして、コンテンツ産業への官民投資というものを掲げました。まさにこれは、そこに述べられているゲーム、アニメ、漫画などはクールジャパン機構さんが手がけられるべき分野だったかと思います。そこに改めて官民投資をするということが打ち上げられて、33年までに年間20兆円まで引き上げるとありますが、果たして、そういうことが官民投資をして可能なのかどうか。今回のクールジャパン機構さんの取組の検証を通して、改めて考える必要があると思っています。つまり、コンテンツ産業の成長の後押しに官民ファンドという形が適切なのかどうか。そうではないと申し上げるつもりはありませんけれども、適切だとしたら、何かもう少し違う方法があるのかということも含めて考えるべきだと思います。
それから、当然、文化産業においては、リターンを求めるだけではなくて、長期的な視点が必要なわけで、1つは現場を支えるということ、そしてもう一つは人を育てるということが、とても大事だと思います。1つ、現場を支えるということで具体例をいいますと、例えば、アニメなどが日本のコンテンツ産業として輸出も期待されると注目されていますけれども、実はその制作現場が安い賃金と長時間労働のたいへん劣悪な環境の下で、非常に疲弊していて、その制作の一部がアジアに流出していると、そういう悲鳴も聞くのですね。輸出産業として後押ししようとしているものの足元が揺らいでいるというような、そんな現場の状況を、まさしくそれは国として支えるべきではないかというのが一つです。
そしてもう一つ、人を育てるというのが、成功例と言われている韓国であるとか、あと、フランスも違う意味で成功例だと思うのですけれども、例えば、あるアーティストが日本での支援は諦めて、フランスでの助成を期待して、フランスに行きたい。なぜならば、フランスは、国籍問わず、アーティスト、無名の人でも見いだして、そして長期にわたって支援するという仕組みがあるから、やはりフランスだというような、そんな話も聞きました。というように、やはり長期にわたって現場を支える人を育てるという仕組みも改めて、成長戦略として掲げるならば、考え直す必要があるのではないかと思っています。
以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、丸田委員、お願いします。
〔丸田委員〕丸田でございます。ご説明ありがとうございました。私もこの検討会の委員として、財投分科会の委員の皆様から出た視点につきまして、しっかりフォローアップをさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
私からは、2点ほどコメントということで、まず1点は、やはり今回のクールジャパン機構の検討会だけでは、クールジャパン機構の検討や深掘りはできると思うのですが、やはり改めて、昨今のJOINであるとかA-FIVEも含めて、これらの官民ファンドとしての今までの失敗につきまして、総合的に、これは財投分科会といった場が適切なのかもしれませんけれども、一旦、横断的な総括をすべきではないかと思います。恐らく、この検討会だけでは、ほかの機構のことについて触れるというのはなかなか難しい面もあると思いますので、今回の検討を受けて、既存の官民ファンドで、そのようなことが起きないようにするとか、あと、今後の新たな投資等に備えて、過去の官民ファンドの失敗経験を生かすということなどを、総括として検討すべきではないかというのが、まず1点でございます。
もう一つは、やはり論点の中で、私個人として、皆さんからのコメントの中でも特に注力すべきだと思っておりますのは、工藤委員、有吉委員からも出ましたけれども、今後、仮に廃止ということになった場合に、EXITに伴って、これ以上損を出さないようにするために、体制であるとか仕組みをしっかり検討しないといけないと思います。先日のA-FIVEの例をみるに、恐らく、結果としてEXITの体制、進め方というのは失敗だったと感じております。このようなことにならないように、投資残高も700億円とか相当な額がございますので、ここは非常に重要な点ではないかと、もちろん振り返りも重要なのですけれども、今後の検討も非常に重要と思います。
以上が私からのコメントでございます。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
それでは、山内委員、お願いいたします。
〔山内委員〕ご説明いただきまして、ありがとうございました。
ほかの委員の皆様からお話しいただいているところと大分かぶりますが、私からはいただいている論点に沿って、技術的なところも含めてコメントさせていただきます。
まず前提として、クールジャパン機構さんのお話の前にクールジャパン戦略があって、私の認識ではこれは2009年ぐらいにはできていて、当時からこの戦略を実行する手段として、株式を使った方法が模索されていたと理解しています。その上で、先ほど岡田委員がおっしゃっていた経緯もあって機構が出来たということで、クールジャパン戦略がいいかどうかという話と株式を使った支援がいいかどうかという話を混在させると、論点がずれてくるかなと思います。クールジャパン戦略は非常に幅が広いというのは委員の先生方おっしゃるとおりだと感じます。私が参加させていただいたJOINさんの会議でも触れたのですが、例えば新幹線の動画を撮ってSNSに上げているインバウンド客の人が多くいらして、新幹線はクールだ、自分の国にも欲しいと言う人たちもいらっしゃいます。クールジャパンはある意味、日本国の全体のマーケティングのスローガンだと、私は捉えています。それを機構法に落とすと幅広い定義になるということがあったのかなと思います。
そうしますと、ご案内のとおり、公共経営の世界ではいわゆるミッションドリフトとかミッションクリープと言われるものになります。ある組織が立ち上がったとき、その組織が追求すべき政策的な役割に対して、組織が存在するための財源をどう確保するか、利益をどう出すかというバランスの中で暗中模索をした結果、行方が分からなくなってしまったのがミッションドリフト。模索しているうちに事業がどんどん拡大してしまって、やはり自組織のあり方が分からなくなったというのがミッションクリープです。私は、クールジャパン機構ではミッションドリフトとクリープが起こったと捉えています。
これに対してどう対応するかというのは非常に難しいところではあるのですが、論点に従いますと1点目の累積損失拡大の主要因について、私はこのミッションドリフト・クリープが主要因と思うのですけれども、ほかの委員の方々からご指摘いただいているとおり、案件がどのような経緯で持ち込まれ、投資実行を判断したかという投資意思決定前の案件ソーシングの分析を、ぜひ検証会で行っていただきたいと思います。個別案件については申し上げませんが、実際に投資なさっている案件で、ほかの官民ファンドが投資している案件が幾つかございます。また、クールジャパンとしての説明を後からつけたのではないかと思われる案件も結構ございます。そういった案件ももちろん、様々な議論をなさって投資を決断されたと考えますので、一番のポイントは、その判断の前に誰が案件を持ち込んできたか、やろうと言ってきたかという点かと思います。これはJOINさんの案件でも同じようなお話はございましたので、ソーシング経緯の分析をお願いし、それを踏まえた上で今の改善計画を出されているという現状がございます。これが1点目です。
2点目の累積損失の最小化というお話は、統合か廃止かという選択肢に関わるお話と考えます。統合されるならば、相手方にメリットがある統合でなければ持続不可能です。受入れ側は現状を改善させる責任を負うことになりますので、本当にその改善が可能かを検証しなければならない。受入れ側が民間ファンドならともかく、ほかの官民ファンドや政府系機関の場合、法改正も含めてガバナンスを変えなければいけません。この部分も論点かと考えております。廃止となる場合、委員の皆様からご指摘のあったとおり、どのような形でEXITするかを丁寧に検討する必要があると考えます。私は前回の財投分科会でA-FIVEさんのお話に関して申しましたが、足の速いファスト・ムービング・コンシューマー・グッズと呼ばれる分野、CJさんが扱っていらっしゃる消費財やコンテンツもこれに含まれますが、こういった分野の投資は早い段階で成功しなければ、株式をずっと保有していても価値が上がらないのが一般的です。長く持っていればいいというものではない。損失拡大を防ぐためにはある程度スピード感をもって早く処分していく必要があります。CJさんでは、直接投資をしているものとリミテッドパートナーで投資をしているものがあるかと思います。リミテッドパートナーの場合は1口当たりの価値が即時に計算できますので、例えばリミテッドパートナーの持分を先に処分をし、相手方との慎重な交渉が必要な直接投資はじっくり対応するなど、メリハリをつけた上での廃止を概ね2年度から3年度をめどとして考えるべきではないかということも検討材料に入れていただきたいと思います。
3点目、取締役会や海外需要開拓委員会等の意思決定につきまして、ほかの官民ファンドでは、上がってきた案件を取締役会やその前の投資委員会でリジェクトしていないケースがしばしば見られます。CJさんは現在の経営陣の皆様のもとで様々な改善をされてきたと認識しておるのですが、過去に一体どれぐらいの案件をリジェクトしたのか、リジェクトしたものが再提案されてきてそれを承認した場合はリジェクト回数に含めていただいて良いと思いますけれども、上がってきたものをそのまま通したことがどれぐらい起こっていたのか、こういうことも検討いただきたいと思います。
下から2番目の投資先の話について、JOINさんのときにも議論になったのですけれども、派遣した方や投資の担当者がどれぐらいの付加価値を出せたかは重要な論点と考えております。ただし、LP投資でできること、直接投資の場合はマイノリティーでできることとマジョリティーでできること、それぞれに違います。その点を踏まえ、案件ごとにどのような付加価値を出せたかを、ぜひ検証いただきたいと思います。
最後に、教訓に関して、丸田委員のおっしゃったとおり、いずれほかの官民ファンドと併せて横串で検討する必要があるかと思います。CJさんに関しては、A-FIVEさんと同様、足の速い分野の投資をなさっていらっしゃいますので、投資をするとき、あるいはEXITするときの両方で、意思決定が遅れるようなことがあったならば、その遅れた要因、阻害要因を検討材料として入れていただければと考えております。
以上でございます。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
オンラインで家森委員から手が挙がっていますので、家森委員、お待たせいたしました。お願いいたします。
〔家森委員〕ありがとうございます。手短にさせていただきます。
財務省から挙がっている論点は、いずれも重要な点だと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
その上で、委員の皆様方と同じようなところでありますが、1つは海外需要開拓という政策目的が、そもそも官民ファンドでやることが可能だったのかという検証をしていただきたい。もし、この政策目的が重要であるとすると、どういう方法でやるのかについても考える必要があると思います。
それから、資料の6ページのところで、政策目的を達成していると書いてあるのですけれども、ややつかみどころがなくて、本当にどんなことができたのだろうかという点について、最後、きちんと分かるように説明していただきたいなと思っています。
それから、前回の見直しのとき、私自身は、3ページのところにある、産業技術総合研究所と連携をして、目利き力をアップするのだというのを挙げられていたことに注目していました。その目利き力を、今回までに、どのように活用されて、あるいはそれがやはり投資にはあまり役に立たなかったのかという点です。今後のファンドといいますか、リスクを見るところで、この総合研究所の役割についても、今回見ていただければと思います。
それから累積損失の拡大に関して、A-FIVEでの経験を生かして、何とか二の舞にならないように取り組んでいただきたいというのはほかの委員の方々と同様であります。A-FIVEのときも、後半になるとどうだったのかを指摘されていたように、例えば、もし、あとで振り返ってみると、直近のほうがどうしてもリスクが大きい取引をしていたのですということになると、銀行の破綻処理のときに、これは翁会長のご専門ですけれども、事実上の債務超過になってしまうと、銀行が大きなリスクを取りに行くので、早期に閉鎖をしないといけないと、そういう議論が行われていました。もしそうだとすると、こういう官民ファンドについても早く閉めることが必要になってくるというような議論も起こり得ますので、ぜひ、発足からの期間を通じてどのようなものだったかということについても議論いただければと思います。
以上です。
〔翁分科会長〕皆様から大変貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。主に検討会に向けての論点がたくさん出てきておりまして、ぜひ参考にしていただきたいと思うのですが、本日のところでご質問もございましたので、経済産業省またはクールジャパン機構から、何かお答えいただけることがありましたら、最後にお願いできますでしょうか。
〔経済産業省江澤商務・サービス政策統括調査官〕まず、経済産業省からお答えさせていただきます。
クールジャパン機構の検証等に係る検討会を今月末からスタートしようとしております。制度面、投資事業面、組織経営面の幅広い観点から、本日いただいたご指摘を踏まえまして、徹底検証を行ってまいりたいと考えております。そこで得た気づき等については、この場、その他で、我々としてもしっかり説明していきたいと思っております。
個別の投資に関すること、制度に関することを分けまして、投資に関するものはクールジャパン機構から、制度に関するものについては経済産業省から答えさせていただきます。
西野委員から、投資の目標よりも多く投資をしたという点については、後ほどクールジャパン機構からお答えいただきます。
工藤委員から、統合又は廃止を前提に検討するということをご指摘いただいていますし、まさにそのとおりでございます。その中で、有吉委員からもありましたけれども、要因、原因等の分析の中で気づきということで他の官民ファンドへ活用できるものがあれば、ぜひそこはご報告しますので、活用いただければと思っております。
クールジャパン機構に関する投資のプロセスであるとか、さらに、時間的に投資の範囲が非常に広かったとか、それから規模がどうであったのかといった点、政策効果も含めて、工藤委員のご指摘の点、検証していきたいと思います。
さらに、累積損失の最小化に向けて、工藤委員、それから有吉委員からご指摘をいただいたところでございます。まさに、そういった観点も踏まえまして、既存の案件をどのように処理していくのがよいか、そういった必要な体制や人材といったところも、検討会での議論に入れていきたいと思っております。
岡田委員から、責任の所在ということのご指摘もございました。投資はクールジャパン機構が行うのですが、我々は監督をする責任がございます。その中で、枠組みの整備が十分であったのかとか、投資の範囲はどうであったのかといったことも、当然ながら検証の範囲でありますので、しっかり徹底検証してまいりたいと考えております。
その中で、岡田委員から、一般会計でやればよかったのではないかというご指摘もいただきました。このクールジャパン分野の海外展開において、クールジャパン機構は、財投資金を活用し、主に投資という手法をとったわけでございますけれども、今後、コンテンツを海外に展開するに当たって、どのような手法が適切であるのか、この検討会と、それから、これは経済産業省の今後の政策として、しっかり検討していきたいと考えております。
有吉委員からは、強みであるとか、専門性があったのか、投資方針の統一性があったのかとか、さらに投資範囲が広かったのではないかというご指摘をいただいています。まさに、候補を主体的に決めていたのか、そのプロセス、組織としての判断ができていたのかといったことも含めまして、このクールジャパン機構、大変幅広い範囲で投資を行っていました。それと関連しまして、専門性といったところ、投資方針といったところが適切だったのかといったところも、今後の検証に入ってくると思います。我が国の生活文化の優れたものを海外に展開するということでございますが、この点、スパイバーについては、数多くある投資案件の中で、投資の検証で個別に検証するべき案件だと考えておりまして、その中で、人材については、クールジャパン機構でアドバイザーを採用するであるとか、さらに、社外取にそういった専門性を持つ方々を加えていたという改善を行っていましたが、そういった取組も十分であったのかというところも検証の対象だと考えております。
野村委員からは、ガバナンス、それから、経済産業省の責任、政策性を拡大解釈したのではないかということ、幅広い対象だったということでございます。スパイバーに投資したことも含めまして、これは検証の対象であると考えています。そういった投資の専門家、日本文化の専門家がいたのか、コーディネーターがいたのか、そういった専門人材の確保といった点が十分であったのかということも踏まえて検討していきたいと考えております。
それから、コンテンツ分野の今後の政策についても、野村委員からご指摘をいただいています。これは我々、コンテンツ振興、海外に伸ばしていくのだという、2033年に海外売上高20兆円という目標を別途掲げているところでございます。クリエイターへの還元についても、今の経済産業省が措置している補助金の中で、クリエイターの還元を増やすような方法であるとか、人材育成といったところも文化庁と一緒にやっているところでございまして、もしかしたら、これは検証とは別の枠組みになるのかもしれないですけれども、今後、海外にコンテンツを伸ばしていくためにどうしたらいいのかということも、しっかり考えていきたいと思っております。
丸田委員から、フォローアップとしてJOINやA-FIVEと同様、失敗を総括するべきだというご指摘もございました。これについては、財務省とご相談させていただきまして、この検討会の内容について報告させていただきたいと考えています。
今後のEXITに関して、まだ700億円超の既存の投資案件がございます。どのように売却してコストダウンを図っていくのか、損失を最小化するためにどのような方法が適切であるのか、そういった株式等の売却に関する手法、必要な体制についても、検討会で議論していきたいと思っております。
山内委員から、ミッションドリフト・クリープということで、どのような経緯でソーシングが入ったのかというようなことも、個別の案件を検証する中で検討していきたいと考えています。損失の最小化、さらにそれは早く処理をするのだということも、方法面も含めて、検討会の中で議論していきたいと考えています。
挙がってきた案件のリジェクトであるとか、それから、最終決定して、もう1回再提案したものなど、プロセスの面も検討の対象だと思っております。こういったことも含めて、検討会の中で取り上げていきたいと思います。マジョリティーだったか、マイノリティーだったかということによっても、投資先との関わりも違うということでございますので、投資の政策の効果といった点で、その中で検討していきたいと思います。
家森委員にもご指摘いただいた目利きの件であるとか、連動を通じた対応としてどうだったのか、こういったこともぜひ踏まえまして、検討会の中で検討していきたいと考えております。
以上でございます。
〔海外需要開拓支援機構川﨑代表取締役社長CEO兼COO〕クールジャパン機構社長の川﨑でございます。
西野委員からのご質問につきまして、弊社CIOの水越からお答えさせていただきます。よろしくお願いします。
〔海外需要開拓支援機構水越専務執行役員兼CIO〕水越と申します。昨年の夏から、クールジャパン機構のCIOを務めさせていただいています。
私は、CIOに就任するに当たり、政策性があることはもちろんとして、累積損失の解消を目指す投資とEXIT活動を行っていくことが最重要のミッションであると認識しております。
まず、189億円という計画の数字について、改めてご説明させていただきます。これは、最終損益の着地が10億円となるJカーブへの修正を行ったときに、投資期間の残り数年は少なくとも189億円を新規に投資し、それを1.5倍で回収することでJカーブが達成される、という前提で設定されているものです。そういう意味で投資額の計画値として189億円が設定されており、既存の投資ポートフォリオにおける将来性がない案件や有望ではない案件のEXITを進めると同時に、新規の有望な投資先を組み入れていくことにより、ポートフォリオのクオリティーの改善を図ってまいりました。
その結果として、2026年3月期は220億円という投資になりました。
過去の失敗も踏まえ、個々の案件については、取るリスクと期待できるリターンの見合いを十分慎重に検討しております。例えば、220億円の中にはファンドへのLP出資が幾つか入っています。これはいわゆる分散投資ですので、リスクプロファイルとしてはミドルリスク・ミドルリターンであり、投資額の期待リターンとしては2倍程度になると考えております。過去、クールジャパン機構が初期に投資したLP案件は、5本程度がまだ残っていますけれども、これはファンドにおける投資の回収時期にきております。これらファンドの最終投資回収率、すなわちリターンということでは、下は1倍から上は4倍程度、平均で2倍程度の回収ができると考えています。2025年度にLP出資を決めた案件についても、期待リターンを2倍と考えて投資しております。また、比較的大きな金額を投資した東南アジアの中古車プラットフォームについては、成長投資であり、特にレイターステージの投資ということで、既に大きな売上があり黒字化もしており、上場も間近になっている案件です。レイターステージなので、リスク的には初期のスタートアップと比べて低く、比較的大きな金額の投資となりました。リターンとして大きな絶対値を取れる可能性が十分にあり、リスク・リターンを十分に考慮した投資です。
さらに1件、非常に初期のアーリーステージのスタートアップに投資をしておりますけれども、投資額は10億円で、なおかつ、それを3分割のマイルストーン投資とすることで、投資リスクを抑えた投資としています。このようなことを十分に見ながら対応しております。
以上の事情が、26年3月期において、投資額の計画値が189億円に対し、実績値220億円となった背景です。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
何かありますか。
〔西野委員〕ありがとうございます。
私の質問の意図は、つまり、今、社会的に結構うるさく言われている中で、投資の計画値から実績値が上振れたことに対して、これら投資が妥当なものかどうかの説明責任が問われると思っていて、結果的に投資額が上振れてしまうというのは、見ようによっては、ガバナンス不全であったりとか、先ほど家森委員から意見があったように、経営が危なくなるとリスクの許容量が増えるという、リスクが高い方向に投資行動が振れる傾向がありうることを踏まえれば、リスクの高い投資をしているのではなかろうか、などの推測をしてしまうということがあるために、それを確認したという次第です。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。大変これも重要な視点だと思います。
私が申し上げたかった点も、本当に委員の皆様から全て言っていただいたと思っております。ぜひ、今日、委員から様々出ました視点をしっかりと徹底的に検証していっていただきたいと思いますし、全体の官民ファンドにとっても、また、今後のクールジャパン戦略にとっても示唆が得られるような議論をぜひお願いしたいと思います。同時に、累損を最小化するにはどうしていけばいいかということについても、しっかり議論していただきたいと思っております。
本日は、この辺りで質疑を終了させていただきたいと思います。
経済産業省、株式会社海外需要開拓支援機構の皆様、本日はありがとうございました。
(官民ファンド関係者 退席)
〔翁分科会長〕大分時間が過ぎてしまって大変申し訳なかったのですけれども、本日の議事は、ここまでとさせていただきます。ご議論いただいた内容のほか、追加で今のクールジャパン機構などや経済産業省からの回答について、ご意見やご質問がありましたら、事務局までお寄せいただければと思います。
本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクを行います。
議事録につきましては、委員の皆様のご了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載いたします。
次回の開催日程は、後日、事務局よりご連絡いたします。
本日は、大変お忙しいところお集まりいただきまして誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。
16時49分閉会

