このページの本文へ移動

ダウンロード

財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録

令和8年6月18日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第

令和8年6月18日(木)13:02~15:19
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.諸外国における財政投融資類似制度

    質疑・応答

  • 3.財政融資資金等の実地監査について

    質疑・応答

  • 4.官民ファンドのフォローアップについて

    質疑・応答

  • 5.バイアウト投資等に係るJICの取組について

    質疑・応答

  • 6.閉会

配付資料

議事次第
委員提出資料 海外調査報告(インド)

資料1 インドにおけるスタートアップ支援について
資料2 財政融資資金等の実地監査について
資料3-1 説明資料(官民ファンド・フォローアップ(財務省理財局))
資料3-2 改善計画の進捗状況

(国土交通省、株式会社海外交通・都市開発事業支援機構)

資料3-3 改善計画の進捗状況

(総務省、株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構)

資料3-4 改善計画の進捗状況

(農林水産省、株式会社農林漁業成長産業化支援機構)

資料4-1 バイアウト投資等に係るJICの取組について

(株式会社産業革新投資機構)

資料4-2 説明資料(株式会社産業革新投資機構(財務省理財局))

出席者

分科会長

百合

舞立財務副大臣
井口理財局長

渡辺審議官
尾﨑総務課長

西川財政投融資総括課長

鈴木資金企画室長

天井財政投融資企画官

伊藤管理課長

高橋計画官

鳩間計画官

土居丈朗

野村浩子
丸田
健太郎

家森信善

渡辺

臨時委員

有吉尚哉

岡田章裕
小橋文子

工藤禎子

山内利夫


13時02分開会

〔翁分科会長〕それでは、予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。

本日は、オンラインでの参加も含めて、計10名の委員が出席しております。また、本日は、舞立財務副大臣にもご出席いただいております。

まず、議事に先立ちまして、2月と3月に持ち回りによりご審議いただきました「令和7年度財政投融資資金運用計画の一部変更等」の議案につきましては、原案のとおりとなっておりますので、ご報告いたします。

それでは、議事に移ります。最初は丸田委員からと思っていたのですが、少し遅れておられますので、初めに、財政融資資金等の実地監査につきまして、伊藤管理課長よりご説明をお願いいたします。

〔伊藤管理課長〕管理課長の伊藤でございます。順番が前後して大変失礼いたします。私からは、資料の2に基づきまして、財政融資資金等の実地監査について説明させていただきます。

まず、3ページにお進みください。法人等実地監査の概要及び実施状況でございます。法人等の監査では、財政投融資の対象事業を行う法人等に対し、公的資金の貸手としての視点から、財政投融資の対象事業にふさわしい政策的意義、財務の健全性・償還確実性、資金の適正な執行などの実態を実地で確認し、必要に応じて改善を要請しております。令和7事務年度は、資料中央に記載の3つの法人に対して監査を実施しました。監査結果の概要は、次のページ以降の資料で説明させていただきます。

4ページをご覧ください。まず、株式会社脱炭素化支援機構でございます。

令和4年10月の機構の設立以来、初めての監査でした。検証項目の1つ目の支援決定プロセスにおける規程の遵守では、利益相反チェックについて、案件担当者が自ら利害関係にあると判断した場合のみ、自主申告により申請書を提出しており、また、担当者によって提出時期も異なっておりました。このため、利益相反チェックシートを初期審査の段階で統一的に提出させて確認することや、マニュアルを精査して、実効性のある利益相反防止体制を確立することを求めています。

続いて、検証項目の2つ目、モニタリング結果の評価・報告についてでは、モニタリング規程の決裁区分が、損失が見込まれるなどの一部の案件について、代表取締役等が必要と認めた場合に脱炭素化委員会等へ報告または決裁すると定められていますが、「必要と認めた場合」の明確な判断基準がありませんでした。このため、執行部を中立的な見地から監視・牽制する仕組みの中で議論がなされるよう判断基準を明確にすることや、機構の支援決定に責任を持つ脱炭素化委員会への必要な報告が適時適切に確実に行われるよう、体制の見直しを検討することを求めています。また、モニタリング結果を踏まえた投資先の評価について、評価項目が画一的な配点となっていて、必ずしも実態を反映したものとなっていなかったことから、機構が懸念するリスク実態がより的確に反映されるよう、評価項目及び評価方法について改善を求めています。

続きまして、5ページをご覧ください。JICT、株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構でございます。

検証項目の1つ目の支援決定プロセスにおける規程の遵守では、反社会的勢力の確認について、確認体制や具体的な手続を定めておらず、実際の調査も行われていなかったことから、手続を定めての対応の徹底を求めています。また、利益相反チェックについては、案件採択の意思決定に関わる者がチェックシートを提出しておらず、加えて、口頭確認でよいとされていた社員について、確認記録がありませんでした。このため、チェックシートを活用するなど、事後検証が可能となる実施方法とするよう見直すこと、併せて提出時期の早期化を検討することなどの改善を求めています。

次に、検証項目の2つ目、モニタリングプロセスにおけるリスク分析の高度化につきましては、機構では様々な観点からの投資リスクの程度を可視化したリスク・ヒートマップというものを作成しているのですが、リスクスコアリングの基準の明確性に課題があるほか、リスクの発生可能性と影響度を関連づけて、ヒートマップ単体でリスク全体の把握が可能な構成となっていませんでした。このため、リスク事象の特性に応じたスコアリング手法を導入するなど、ヒートマップの改善を図り、将来のポートフォリオ管理などへの活用を検討することを求めています。

6ページをご覧ください。独立行政法人大学改革支援・学位授与機構でございます。

検証項目1つ目の貸付審査等の実効性については、国立大学法人が申告した計数の一部について算出の過程を把握しておらず、計数の妥当性が確認できない状態となっていたほか、法人全体の経常損益等で審査を行う場合に、法人が民間金融機関から調達した借入金等を考慮せずに審査をしており、債務償還額や債務残高が過小に算出される状態となっていました。このため、審査態勢や審査基準の見直しにより、適正かつ効果的・効率的な審査を行うことができるよう改善を求めています。

次に、検証項目の2つ目、貸付審査に用いている基準年数の見直しについては、機構では平成22年度の貸付実績により算出した18年を基準年数として用いており、その後の借入年限の多様化などを反映しておらず、加えて基準年数の見直しに関する方針を定めていなかったことから、どのような設定方法が適するかの検証や、見直す基準となる考え方の整理をすることを求めています。

以上が令和7事務年度の法人等監査の結果でございます。

続きまして、8ページをご覧ください。地方公共団体に対する実地監査の実施状況です。

全国の財務局・財務事務所では、地方公共団体への貸付資金の使用状況と事業の成果や、地方公営企業の経営状況について実地で確認を行っています。また、財投分科会での提言を受けて以降、地方公共団体の課題解決に向けた取組を支援するため、監査で把握した経営課題に対するアドバイス機能の充実を図っています。

令和7年度の実施状況ですが、①の貸付資金の使用状況等監査につきましては、160の団体に監査を実施しました。②の地方公営企業の経営状況監査につきましては、上水道、下水道、病院の合計で249企業に監査を実施しました。

9ページにお進みください。全国の財務局では、先ほどご説明しましたとおり、監査で把握した課題について、セミナーの開催などを通じて、同様の課題を抱える地方公共団体に対して情報提供を行っています。令和7年度には、持続可能な上下水道経営、地方公立病院の経営改善や地域交通戦略などについて、18件のセミナー等を開催しております。こちらの資料では、北陸財務局が昨年12月に開催した上下水道の経営に関するセミナーの事例を掲載しています。料金改定を行った自治体の担当者を講師として招いて開催したもので、参加者からは、料金改定の実務を担当した職員の経験談はとても有益であったと評価されております。

以上で財政融資資金等の実地監査についての説明を終わらせていただきます。ありがとうございます。

〔翁分科会長〕ご説明ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、委員の皆様からご意見、ご質問をお願いします。こちらの会場にいらっしゃる皆様につきましては、名前の札を立てていただきますようお願いします。オンラインでご出席の皆様につきましては、挙手ボタンもしくはチャットにてお示しください。なお、ご発言の際に資料を引用される場合には、資料番号と該当ページをおっしゃっていただくようお願いいたします。

いかがでございますでしょうか。

それでは、有吉委員、お願いいたします。

〔有吉委員〕 有吉でございます。ご報告、ご説明ありがとうございました。私から1点、法人等の監査の関係でコメントを差し上げたいと思います。

今回のご指摘の中では、完全に形式的、手続的な指摘であったとは理解いたしましたが、2つの財投機関との関係で利益相反管理に関する課題が見られたことについて、少々気になりました。一般に、投資運用を担う者が受託者責任として、いわゆる忠実義務の観点から利益相反管理を行うことは重要な要素でありまして、特に公的な資金を運用するお立場としては、自分や第三者の利益ではなくて、当該機関の利益のために活動する体制を厳格に確保していただくことが非常に重要であると思います。

今回のご指摘は、そういったことが実態としては確保されていることを前提に、手続が不十分であったということだとは思いますが、利益相反管理という観点が非常に重要な視点なのだということは改めて周知していただきたく、この指摘の対象になった機関だけではなくて、他の財投機関も含めて、改めて、申し上げた忠実義務とか利益相反管理の重要性を周知徹底していただきたいと思います。こういった手続的なところが抜けていると、そのうち実態面でまさに利益相反の状態が放置されてしまうということにもなりかねないということを危惧してのコメントになります。

私からは以上です。

〔翁分科会長〕 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。特にございませんでしょうか。

丸田委員、オンラインでご出席ですね。よろしくお願いいたします。

〔丸田委員〕丸田でございます。失礼いたしました。ご説明ありがとうございます。

私からは、有吉先生と同じようなコメントでございますが、今回、脱炭素化支援機構とJICTに関して、投資のリスク管理であるとか、投資のモニタリングに関する監査結果が指摘されております。私も、JOINの第三者評価に参加させていただいて、JOINのガバナンスやリスク管理の仕組み等もかなり抜本的に見直していただいていると理解しているのですが、特に投資関係のモニタリングであるとかリスク評価につきましては、官民ファンド間でベストプラクティスの共有などを通じて、管理水準についてより高いレベルに合わせていただきたいと思います。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。他はいかがですか。特にございませんか。

ちょっと私もコメントしたいのですけれども、民間企業だと第1線、第2線、第3線というような言い方をいたしますけれども、やはりこの第1線の、それぞれの組織の内部管理体制とかリスク管理体制、ここがまずしっかりしているかをご確認いただくことが大変重要かと思っていまして、形式的なものとか利益相反とか、本当に一丁目一番地の大事な点だと思いますので、そういう点もぜひ横展開していっていただきたいなと思います。

それでは、今のご指摘について、ご回答をお願いいたします。

〔伊藤管理課長〕ご指摘いただきましてありがとうございます。

まず、有吉委員からコメントいただきまして、おっしゃるとおりでございまして、公的資金を得て活動している法人が利益相反をやっているのではないかと、そういう疑いを持たれるということは決してあってはならないことだと考えております。今回2つの法人に対して利益相反体制についての指摘があったということは残念なことではあるのですけれども、各法人、体制の見直しやマニュアルの見直しなどを進めていただいておりますし、こういった事例が今回の資料で公表されることで、ほかの法人に関しても同じような見直しを進めて、改めて襟を正して業務に当たっていただけるようになればよいなというふうに我々としては考えております。

また、丸田委員からもご指摘いただきましてありがとうございます。リスク管理に加えて、モニタリングについても2つの法人に対して指摘をさせていただいておりますので、こういった事例について、ほかの法人にも認識していただくとともに、もし機会があればベストプラクティスの共有などのことが横断的にできればというふうに考えております。

また、翁分科会長にもご指摘いただきましてありがとうございます。第1線、第2線、第3線、それぞれが役割を果たすことがもちろん重要ではあるのですけれど、特に現場で業務を行っている第1線の職員の方々がきちんと手続を踏まえて行動していくということは非常に重要だと考えておりますので、こうした事例について、改めまして各法人でも見直しをしていただき、正しく業務に当たっていただきたいと考えております。ありがとうございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。それでは、次の議事に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。

それでは、ちょっと順番が前後いたしますが、丸田委員より「諸外国における財政投融資類似制度の概要」について、ご報告をいただきたいと思います。丸田委員、よろしくお願いいたします。

〔丸田委員〕先日、3月8日から1週間ほど、インド、デリー、ハイデラバード、ムンバイの政府機関、あと関連金融機関、それと実際の投資先といったところの関係者をご訪問した調査の結果ということでご説明させていただきます。

まず資料でございますが、1ページ目でございます。こちらが今回対象となりましたインド政府によるスタートアップ支援の特長点ということで、5点ございます。

1点目はDPIITという、いわゆる中央政府のほうでスタートアップの定義であるとか、そういったものを認定して、スタートアップを把握すると。その結果、把握したスタートアップのうち優良企業に対し重点的に補助金であるとか税制優遇を、こちらをしっかり管理をしながら提供して、手厚い支援を行っていると。その中にユニコーン120社以上含まれているというところでございます。

2点目は、中央政府と州政府との連携、並びに州政府間のスタートアップ数であるとか体制の比較による競争環境の醸成といったものが非常に特徴的というふうに考えております。

3点目は、今回州政府の取組も訪問してヒアリングしたのですが、その中でも非常にインプレッシブだったのが、成功したスタートアップのマネジメント経験者が、例えばハイデラバードのT-Hubというインキュベーター施設のエコシステムのインキュベーターとかアクセラレーターといったキーの役職に多く就任しているということで、実際成功した方が手厚い支援を行っているという点。

4点目は、スタートアップに対する認識の変化ということで、特にインドでは、最近急激にスタートアップ企業数が増えております。これは多分、10年前までほとんどなくて、当時はスタートアップというのはStigma、要するに起業というのは職がない人の最後の手段というような認識だったものが、かなり若い層がスタートアップを積極的に取り組むという意識改革が急速に起こっているという点でございます。

最後は、これはスタートアップ支援とは直接関係ないのですが、CSR法ということで、一定の民間企業は営業利益の2%をNGOに拠出しなければいけないということで、その中で、今回我々がお邪魔したInstalimbというスタートアップ企業に対しても、この支援によるNGOからの支援といったものが間接的に届けられて、非常にスタートアップに対してもポジティブな影響を与えている、ここが特長点でございます。

次は、2ページ目でございますが、IIT Bombayにお邪魔したのですが、ここでのポイントとして2つございまして、1つは、かなり多くの教授が実際に自らスタートアップに出資を行って、経営にも関与していると。これは例えば自らの研究時間を使ってマネジメントに関与したりということで、その中で、ビジネスとアカデミアが一体となってスタートアップを輩出するというエコシステムが構築されていると。学生との距離が非常に近いというところでございます。それと、IIT Bombayは自らファンドを創設して、この中でディープテックも含むアーリーステージのスタートアップにしっかり取り組むということで、分野も非常に明確化されております。実際、現在スタートアップに関心がある学生というのは2、3%程度いるというふうにIIT Bombayの教授から伺っております。

次のページでございます。今回お邪魔をした中で、私が事前に予想していたよりもかなり、日本に対する期待が非常に高まっているということが認識されました。まずスタートアップの分野でございますが、インドのスタートアップは、恐らく日本の企業よりも、明らかに設立当初からグローバルマーケット全体を対象に事業計画を組み立てております。その中にはやはり日本であるとか欧米というのも入っておりまして、その意味で、恐らくグローバルマーケットを対象にしているので、ブレークしたときにユニコーンのようなものが、やはりマーケットが大きいので確率が高いのかなと。特にフィンテック系であるとかEC系でユニコーンができておりますし、あとはやはりライフサイエンス系もかなり出てきているというところでございます。この中で、日本に対するマーケットとしての期待だけではなくて、日本の投資家とかVC、アクセラレーターともっと連携したいとか、恐らく日本のマーケットへのアクセスを強化したいというような、高い期待が多く寄せられておりました。

それと、スタートアップ分野だけではなくて、今回特にIIT Bombayにお邪魔をしたときであるとか、T-Hubというテランガナ州のインキュベーション施設にお邪魔した際、実際に多くの日本企業が既にこれらのエコシステムとの接点を持っているということが認識されました。例えばT-Hubに実際最も多く来ている企業が、国別に見ると実際には日本だったり、あとIITBの産学連携施設には、既に多くの日本の有力企業というものが参画をしていて、やはり関係者からも、さらに日本の企業との接点を増やしたいとか、あと今、インドは半導体分野などにも非常に注目しておりますので、もちろん自動車もそうですけれども、こういった中で日本企業との連携に対するニーズが非常に強いということを感じております。

最後に、こちらはファンドの運営というところでございまして、次のページでございますが、まず運営面での気づきという意味では、実は今回、実際政府自体が官民ファンドのようなところに資金を入れておるのですが、実はその際の前提として、政府のスタートアップファンドへの参画は、必ず出資比率は5割未満として、民間がマジョリティーということを原則としております。ですので、ファンドの運営とか収益性とか、目標とか規律の維持というのは、全て民間側に委ねております。さらに、このファンドの評価でございますけれども、全ての投資の評価は公正価値評価となっておりまして、期末には第三者による評価というのを取るのが一般的というところでございまして、そういう前提でファンド運営を行っている中、実際に、期待IRRとか実績IRRはもうまさに民間レベルで、非常に高い水準を保っておりました。

ただ、恐らくこのような仕組みで支援をしていると、政策と収益性のバランスという意味では、やはりかなり収益性のほうに偏った支援が行われているように推察されました。その意味では、政策面での工夫ということで記載しておるのですが、恐らく今までは長期目線での取組というのが非常に弱くなったり、政策目線での取組がやや弱いということが弱点としてあるのではないかと考えられます。これを恐らく対応するためというふうに私は推察しておるのですが、2025年にRDIFという、新たな政府系のファンドを創設されております。より長期かつ低収益の案件に取り組めるような仕組みを備えた新しいファンドでございまして、これによって今までの弱点をさらに補強しようとしているのではないかと考えられます。

ただ、このRDIFの仕組みにおいても、先ほどのように民間資金5割超といった基本概念を変えずに、ただリターンの分配などの中で、民間側のファンドであるとか資金がよりリスクが取れるような仕組みを導入しておるのですが、条件とか制度面での前提にやや複雑性が見られますので、その意味では、今後このような長期の取組が成功するかどうかというのは、このRDIFの制度の運用次第ではないかというふうに考えております。その意味では、今時点では、まだその成否というのは見えていないということかと思います。

以上が私からのご報告になります。

〔翁分科会長〕ご報告どうもありがとうございました。それでは、今のご報告に関しまして、委員の皆様からご意見やご質問などございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。

では、野村委員、お願いいたします。

〔野村委員〕大変興味深いご報告、ありがとうございます。2つ、少し細かなことで伺いたいのですが、スタートアップが当初から非常にグローバルマーケットを意識して立ち上げているということですが、初めからグローバルを視野に入れているのは、それはなぜなのか。日本よりも、よりそういう意識が高いとしたら、何か教育が影響しているのか、それともそれを支援するような何か仕組みがあるのか。その日本との違いということで改めて伺いたいと思います。2点目が、日本市場に対する注目度が非常に高く期待されているということですが、日本に何を期待されているのかということをもう少しお伺いできればと思いました。

以上です。

〔翁分科会長〕それでは、丸田委員、お願いいたします。

〔丸田委員〕ご質問ありがとうございます。ちょっと推察の部分もあるのですけれども、分かりやすいように2点目からご説明させていただきます。2点目の市場としての期待という意味では、恐らくやはり今、インドが取り組もうとしている分野では、半導体であるとか、あと製造業、ここの部分について、まだまだインドの中では競争力が国際的に強くないというところについては、明らかに大きな技術面での期待はあると思います。ただ一方で、1つ目の質問にも戻るのかもしれませんが、やはりマーケット、市場としての日本といったところも恐らく興味があるというようなところは非常にあると思います。

ですので、その意味では1点目の質問にもつながるのですが、これは推察もあるのですが、インドの特長として、人口は多いものの、農業地帯であるとか貧困層がまだまだ多く、マジョリティーということで、そういう意味ではインドの中での、いわゆる先進国と同じような成熟したマーケットの規模というのはまだそこまで大きくない中で、彼らが特にやっている、注目しているものとして成功しているものとしてフィンテックですね。その中の決済系のベンチャーであるとか、ECといったものであるとか、あとは最近ですと、やはりライフサイエンスですね。ライフサイエンスについては、日本はなかなか規制面で厳しい部分もあるかもしれないですが、これらのように、かなり人口が多い中で、それをスケールしていくようなビジネスを企画していることが多い傾向にあると思います。イメージとしては、多くの人からある程度、薄くでもいいのですけれども利潤を得ていく、規模の経済の中でビジネスをやっていこうという感覚がある中で、当然インドの中では市場が限られているので、グローバルを最初から見据えているというような雰囲気を感じたというところでございます。

お答えになっていますでしょうか。

〔野村委員〕はい。ありがとうございます。

〔翁分科会長〕ほかいかがですか。

では、小橋委員、お願いいたします。

〔小橋委員〕小橋です。大変興味深い報告をありがとうございます。特にハイデラバードに2015年に設立されたインキュベーション施設について大変興味を持って、特に関わっている現地の日系企業も多いという点に非常に興味深く話を伺っていたのですが、このインキュベーション施設はJICAの円借款の貸付けで設立されたものだというお話も先日の事前説明で伺いました。そのODAの文脈で、いわゆるバンガードエフェクトというような、ODAFDIの誘発効果を有しているというような研究もなされていますが、このODAがやはり、日本のODAの何かグッドプラクティスでもあるのかなというふうに、お話を伺っていて思ったので、もしかすると、お互いにかもしれませんが、ODAのグッドプラクティスから財投の制度が何か学べることというのもあるのかなというというふうに思いました。貴重な報告ありがとうございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

家森先生からも手が挙がっていますので、お願いいたします。

〔家森委員〕ありがとうございます。大変興味深いご報告をいただきました。

2点あります。1点目は、補助金や税制優遇などの手厚い支援を行っているということなのですけれど、我々の財投機関などに相当する、金融上の支援のほうはどんなふうなものがあるのでしょうか。ここもやはり手厚いものがあるのかという点で、もしお調べになっていればお願いします。もう1点は、今説明がありましたハイデラバードにおけるスタートアップのエコシステムというところです。地域においてこういう人材がなかなかいないという、地域での支援者不足というのが課題になっています。こういうマネジメント経験者が就任されるエコシステムができている背景についても何か知見がありましたら教えていただければと思いました。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。それでは、お答えのほう、お願いいたします。

〔丸田委員〕家森先生、ありがとうございます。まず、インドのいわゆる財投に近い、スタートアップを金融面から支援する制度につきましては、事務局資料の6ページ目にご説明をいただいております。こちらです。それで、こちらの中で実際に様々な形で支援がされているのですが、直接インキュベーターに補助金を配ったりとか、あとは真ん中のほうにSIDBIというのがあるのですが、これは恐らくインドにおける政投銀のようなところだと思うのですが、そこにファンドを出資したり、あと今回、SIDBIもお邪魔しましたが、次のNIIF、こういった巨大な官民ファンドのようなところに資金が行っていたりというところでございます。

それと、先ほど私がお話ししたRDIFというのは、無担保の長期融資を財団に一旦、低利で、これをある意味融資することによって、そこからより長期のファンドを拠出していくような仕組みがございまして、これら金額的には、すみません、ちょっと私、手元のメモがなく、金額を失念してしまっておるのですが、それぞれそれなりのファンド規模で、金融的にも実際に支援がされているというところでございます。

それと2点目の、私も今回非常にびっくりしたのは、先ほど小橋先生からもございましたけれども、テランガナ州のT-Hubというインキュベーション施設、10ページ目にございますが、こちらにお邪魔したのですが、本当に日本で見ないような規模なのです。T-Hubというのはまさに東京ドームとほぼ同じ広さの施設面積ということで、もう本当に巨大な交流施設。この中に、まさに日本のODAの資金で、我々がお邪魔したときはコンストラクション中だったので、まだ完成したものは見えていないのですが、そこもたしか1フロア丸々か、2フロアぐらい入っているかと思いますが、非常に活性化されています。施設も恐らくほぼ満員のような状況ですし、実際に入居希望者が待っているような状況でございます。

その意味で、このT-Hubなんかを拝見していると、やはりそこがある意味、州政府の支援の中でいろいろなエコシステムの関係者が集まる大きな場になっていまして、なので、その中でやはりアクセラレーターとか、そういったことをやるということに対して一定の意義があるということと、実際に成功した、関連している州の方のベンチャー企業のマネジメント層が本当に積極的に関与して、かなりこれを盛り上げていこうという、非常にパッションというか、熱さを感じたというところでございます。

〔翁分科会長〕どうもありがとうございます。そのほかよろしいでしょうか。

一番日本の財投について、何か参考になると思われた点、丸田先生はどんな点にあるというふうに思われましたでしょうか。

〔丸田委員〕そうですね、やはり最後にファンドのところでお話をさせていただいたところなのですが、これは参考というよりは、ちょっと考え方が違うのかなと思いました。やはり日本の支援というのは、収益性と政策面でのバランスを、かなりイコールに近く、それぞれをちゃんと生かせるようにということで、低収益でもしっかりリターンを最低限取りながら、ということなのですが、インドの仕組みは、そもそもが、そこを民間の規律に任せてしまっていますので、恐らくバランスとしてはかなり収益性に傾いていると。ただ一方で、その中で各州に競わせたり、どちらかというと政府のいろいろな仕組みが機能することで、金融以外のところでの政策の効果が出て、このスタートアップが活性化しているというところでそこを補っている部分があるのかなと思われました。

ですので、そういう意味では、やや昨今やはり、本日もございましたが、官民ファンドのいろいろ論点がある中で、今のバランスから、別にインドのようなバランスというのは難しいと思うのですが、取組としては、例えば先ほど申し上げたように、公正価値でちゃんとモニタリングしているとか、そういったところはしっかりできている面もございますので、日本の取り組みのバランスをそこまで崩す必要はないと思うのですが、若干取り入れても良いところはあるのかなというふうに個人的に感じました。どちらかというと財務の専門家からのコメントで申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

〔翁分科会長〕貴重なご報告、どうもありがとうございました。また、質疑にも丁寧にお答えいただきまして、大変感謝しております。

それでは、この辺りで、この議題につきましては終了したいと思います。

それでは続きまして、官民ファンドのフォローアップについてご審議をいただきます。官民ファンドの関係者の方々がご入室されますので、しばらくお待ちください。

JOINJICTA-FIVE関係者 着席)

〔翁分科会長〕それでは、ご説明をお願いしたいのですが、幾つか留意点がございます。

まず、委員の皆様からのご意見、ご質問は、全ての機関の説明が終了した後でお願いいたします。それから、資料3-1の参考資料のうち、令和7年度決算資料につきましては、各機関における正式手続前の資料を含んでおりますので、本日この内容に言及いただくことは差し支えございませんが、公表は後日とさせていただきますので、公表までは対外的にお話しすることはお控えください。

それでは、天井財政投融資企画官兼産業投資室長及び各ファンドのご担当の方より、ご説明をお願いいたします。

〔天井財政投融資企画官〕それでは、資料3-1の理財局説明資料の3ページをご覧ください。この後、各ファンドより詳細なご説明をいただきますけれども、まず私から「経済・財政新生計画 進捗管理・点検・評価表」に基づく各ファンドの改善計画の進捗状況について総括説明を行わせていただきます。

まず、JOINについて、投資額は計画値に未達も、累積損益は計画値を達成しているところでございます。JICTについては、投資額・累積損益ともに計画値を達成しております。最後に、A-FIVEについては、累積損益は計画値に未達という状況になっております。

続いて、5ページをご覧ください。今回の財投分科会においては、各ファンドの方々から、共通の事項として、1.新規案件の組成の状況や見通しはどうなっているか。2.既存案件の進捗状況や見通しはどうなっているか。3.足元の収益性の状況に関し、エグジットや配当などの状況はどうなっているか。4.今後の経営改善に向けた取組はどうなっているか。についてのご報告がございます。

加えて、JOINにつきましては、「JOINの役割、在り方、経営改善策に関する有識者委員会」の最終報告を踏まえた経営改善策の進捗状況について、JICTにつきましては、法改正を伴う設置期限延長を踏まえた改善計画について、A-FIVEにつきましては、令和7年度末解散を踏まえた業務実績の総括、業務全般の振り返りについてのご報告をしていただきます。

続いて、6ページをご覧ください。各ファンドからの報告を踏まえまして、今回の論点でございますけれども、1.収益黒字化及び累積損失解消に向けて、数値目標との対比において、新規案件の組成及び既存案件の回収等の取組が計画どおりに進捗しているか。また、収益黒字化及び累積損失解消に係る見通しの達成可能性に課題はないか。2.前回までの財投分科会ご指摘事項や報告内容について、各機関・各省庁における対応、改善策等が具体化・実施されているか。また、その内容は実効性の観点から十分と言えるか。としております。

理財局からの説明は以上になります。

続いて、各ファンドの方々、ご説明をお願いいたします。

〔国土交通省日笠国際統括官〕国土交通省からJOINの関係でございます。資料に沿って、JOINにおける改善計画の進捗状況についてご説明いたします。

まず、資料3-2をご覧ください。1ページ目でございます。下のほうになりますけれども、JOIN2025年度の半ばに新規支援決定を再開しまして、新たに2件の支援決定を行っております。2025年度の投資額は約62億円となってございます。それから、当期純利益でございますが、プラス58億円を計上しまして、前期に続きまして単年度黒字を達成しております。結果、2025年度末における累積損益額はマイナス861億円となりまして、改善計画上の目標額を上回ってございます。

有識者委員会の最終報告に基づきまして、202412月に策定いたしました経営改善策でございますが、本年3月に開催されました有識者委員会第2回フォローアップ会合におきまして、組織体制や第三者評価を含めまして、着実に必要な措置が実施されていることを確認いただいております。詳細は5ページ、6ページでございますけれども、前回のフォローアップ会合で一部措置が積み残しになっていたものがございましたが、投資リスク管理につきましては、令和7年度より第三者評価委員会を本格導入いたしまして、これまで計2回開催しているとともに、組織体制につきましては、事業委員会等への外部専門家の随時活用や、海外事業投資経験者の採用を行いました。また、国土交通省としても、省全体でJOINへの支援を行っているところでございます。

引き続き、可能な限り早い累積損失の解消を目指しつつ、最終的に資本コストを上回る収益が確保されるように取り組んでまいります。そのほかの状況については、JOINのほうから説明いたします。

〔海外交通・都市開発事業支援機構武貞代表取締役社長〕JOIN社長の武貞でございます。よろしくお願いします。

2ページに戻っていただきまして、2025年度は、先ほど国交省から説明がありましたとおり、62億円の出融資実行ということですが、2026年度は、2025年度からの期ずれのものも含め、引き続き、より着実に収益が見込まれる都市開発・物流分野やブラウン案件に重点化しつつ、案件形成に取り組んでまいります。

3ページをご覧ください。2025年度は、一部エグジットを含め、6事業でエグジットを行い、累計のエグジット件数は、一部エグジットも含めて10事業となりました。現状、損失計上が想定される案件はございませんが、引き続き、中東情勢等、世界の情勢に十分注意しつつ管理していく所存でございます。

収益の状況でございますが、先ほど申し上げましたとおり、2025年度は58億円の純利益となりましたが、2026年度におきましても、現在エグジット作業中の案件から相応の収益が見込まれており、このままいけば、単年度黒字が見込めるところまできております。引き続き、可能な限り早い時期の累積損失の解消に向け、改善計画、経営改善等の着実な実施に努めてまいりたいと思います。

最後に7ページでございますが、以上のとおり、2024年度、2025年度と、2年連続で単年度黒字を達成できましたが、現在も複数の投資候補案件について具体的なデューデリジェンスが進行中で、財投分科会のご指摘に沿った改善計画の内容を念頭に、累積損失の早期解消に取り組んでまいります。また、第三者評価委員会の委員の皆様方にも、個別案件、ポートフォリオ全体を評価していただきながら進めてまいりたいと思います。

JOINの説明は以上でございます。

〔総務省嶋田国際戦略課長〕続きまして、JICTの改善計画の進捗状況について、最初に総務省のほうから概要をご説明いたします。

資料3-3の、まず1ページ目をご覧ください。2025年度は、過去最多となる計6件について支援決定を行っておりまして、投資額は380億円になりまして、計画値の55億円を上回っております。また、当期純利益につきましてもプラス8億円と、こちらも3期連続で単年度黒字を達成しております。累積損益はマイナス114億円となりまして、こちらも計画値マイナス202億円を上回っております。

続きまして、2ページ目をご覧ください。昨年、総務省のほうで有識者検討会を開催させていただきまして、こちらでJICTの在り方を見直した上で、今般、国会におきまして、JICTの設置期限、2035年度末から2045年度末までの10年間延長する法律が成立しております。そちらを踏まえまして、2035年度までは現在の累積損益の計画を維持しつつ、それ以降は着実に収益を確保していく改善計画の延長版、こちらを策定してございます。法律案の国会審議におきましても、累積損失の早期解消に係るご指摘がございましたところ、総務省といたしましては、JICTがさらなる経営改善を進め、早期に累積損失を解消できるよう、今後は改善計画の延長版に沿って適切に監督を行ってまいります。

詳細につきましては、これからJICTのほうからご説明いたします。

〔海外通信・放送・郵便事業支援機構大島代表取締役社長〕JICT社長の大島でございます。

まず最初に、皆様から多大なご支援をいただきまして、本年5月にJICTの設置期限を10年間延長するという法案が可決成立、施行されているということでございまして、この場を借りまして御礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。

改善計画につきましては、中段にございますとおり、設置期限延長を踏まえまして、投資の終期を2030年から2040年度に変更するなど、見直しを行っているところでございます。

次のページをご覧ください。2025年度でございますけれども、新規投資案件として、新たなデータセンター事業のほか、日本・マレーシア・シンガポールを結ぶ海底ケーブル事業であったり、あるいは自動運転技術関連のICTサービス事業等で、合計6件の支援を実施しております。既存案件につきましては、ポートフォリオ全体を対象とした定期的なモニタリングを実施しておりまして、現段階において、既存案件について大きな懸念は生じておりません。

次のページをご覧ください。足元の収益性でございますけれども、昨年度も大型案件からの配当収入や、エグジット案件が2件生じたということも寄与いたしまして、3期連続の黒字となりました。引き続き、投資リスク管理を徹底し、大型案件からの配当収入に加えて、既存案件のエグジットなどを進めることによりまして、4期連続の単年度黒字の達成を目指してまいります。

5ページ目でございます。今後の経営改善に向けた取組でございますが、分科会におけるご指摘も踏まえ、リスク管理のさらなる高度化に取り組みながら、ポートフォリオ全体の中で政策的意義、収益性のバランスを確保しながら、ハードインフラに限らず、ICTサービス事業、また放送・郵便事業など、ほかの分野の案件形成についても積極的に取り組んでまいります。特にデータセンター事業につきましては、分科会のご指摘も踏まえまして、検討に当たっては、国・地域、共同出資パートナー、オフテイカー、用途や通貨の分散等、十分留意しながら、また、電力問題のリスクや収益の実現性についても慎重に見極めながら取り組んでまいる所存です。

また、総務省において開催されましたJICTの在り方に関する検討会においてお示しした2029年度における累積損失解消の見通しの達成に向けて中期経営計画を新たに策定しておりまして、適切なKPIを設定いたしまして、エグジット管理を実施してまいりたいと思います。

最後に、今般の設置期限の延長に加えまして、この機会に新たな民間企業から増資の意向を示されるなど、皆様からのJICTに対する期待は一層高まっているものと認識をしております。JICTといたしましては、官民ファンドに求められる民業補完の役割に留意しつつ、しっかりと取り組んでまいります。

JICTからは以上です。

〔農林水産省大臣官房新事業・食品産業部石田新事業・食品産業政策課長〕農林水産省でございます。A-FIVEについてご説明をさせていただきます。

分科会の委員の皆様には、この間様々なご指導を賜りましたこと、改めて御礼申し上げたいと思います。

それでは、資料3-4の1ページをご覧ください。A-FIVEにつきましては、2021年度以降、新たな出資を行わず、可能な限り速やかに解散する、このような方針を農林水産省が示したところでございます。これを踏まえまして、A-FIVEのほうで損失を最小化するための改善計画、これを作成いたしまして、2025年度末を目途に出資等の回収を進めてまいったところでございます。

下段でございますけれども、これまでに行いました163件の出資につきましては、全ての出資先の回収を完了いたしまして、計画どおり、2025年度末に解散したところでございます。解散時点の累積損失額につきましては213億円でございまして、計画額120億円を93億円下回るという結果となったところでございます。昨年度末時点で計画との差が53億円ございました。この2025年度中の株式売却におきましても、出資先の業績低迷等によりまして、計画との乖離を縮小することができず、さらに23億円の損失の拡大に至ったものでございます。

累積損失が拡大した要因等につきましては、昨年の分科会のご指摘を踏まえまして、A-FIVEがこれまでの活動の総括、取りまとめてございます。その中で整理してございますので、後ほどご説明をさせていただきます。なお、A-FIVEは現在、清算手続を進めておりまして、本年9月末までに清算結了する予定としてございます。

それでは、A-FIVEのほうから、総括についてご説明をさせていただきます。

〔農林漁業成長産業化支援機構矢花代表清算人〕A-FIVEの清算人をしております矢花でございます。

まず、最終的にこの多額の累積損失を生じましたことにつきまして、お詫びを申し上げます。本日は、このような結果を招いた要因、背景につきまして、前社長の下で、機構として自ら過去を振り返り、分析を行った結果を取りまとめてございます。総括のポイントについて、これからご説明をしたいと思います。よろしくお願いいたします。

資料の7ページをご覧いただきたいと思います。まず囲みの部分の1つ目の矢尻でございます。この総括は、改善計画で示しました120億円の累損、これを大きく下回る見込みとなったことを踏まえまして、投資損失拡大の原因と背景についての総括的な整理・分析を行いました。あわせまして、政策目的の達成状況についても改めて点検・整理を行っております。

1つ目の要因でございます。出資先の事業計画のフィージビリティーについての検証不足でございます。出資決定に当たりまして、具体的な需要予測等の根拠に基づいた売上げ計画の策定状況を確認する、あるいは事業展開・継続のための条件、外部環境の確認を行う、必要な営業体制・販売戦略の整備状況を点検する、そういった点が不足し、結果的に多くの案件で売上げ実績が事業計画を下回って推移いたしました。加えまして、機構の出資対象は農林漁業者主体の6次産業化であります。事業者の資本基盤、事業経験におのずと制約があり、そういった点も踏まえた対応が必要であったと認識しております。

2つ目の要因でございます。高い投資利回り見通しに基づく投資決定であります。運用利回り見通しを算出する際に、いわゆる類似会社比較法、マルチプルを用いておりました。過大な財務数値と上場企業の株価指標、これを掛け合わせる方法でエグジットの株価を算出いたしました。高い利回り見込みをベースに投資を決定してしまったということも、この要因の一つであると考えております。

次に、8ページをご覧いただきたいと思います。3つ目でございます。2020年以降に生じた経営を取り巻く外部環境の影響・急変でございます。新型コロナの流行、これに加えまして、物価・労働コスト上昇、あるいは業歴が浅い業種におきます価格転嫁の難しさ等、外部環境の急激な変化により、さらなる下押し圧力を受けたと認識しております。

そして4つ目でございますが、規模の大きな直接投資の拡大、それと審査力強化の不足でございます。2017年から新規出資を停止しました2021年3月まで、累積損失圧縮のために、機構が単独で投資金額を拡大できる直接投資を積極的に活用してございます。しかしながら、案件の事前審査の充実が格別図られなかったため、直接投資案件から大口損失が発生いたしました。

5つ目は、資産価値の下落をタイムリーに反映できなかった点でございます。出資株式の減損処理は国内会計基準の考え方に則って、毎年実施をしてまいりました。しかしながら、各時点におきます資産価値を実態に近い形で評価、把握するということが十分ではなかったと反省しております。

6つ目は、劣後ローンの債務不履行の発生でございます。出資と併せまして、この劣後ローンの融資を28件やってまいりました。結果的には約3分の1の案件で元本ロスが発生し、損失の拡大につながっております。出資と併せて行う融資の在り方、融資案件の管理・回収の体制の両面で、より慎重な対応が必要であったと認識しております。

続きまして、9ページでございます。主要な要因のまとめでございますけれども、上記の経験から改めて認識されたこととして、次の3点を整理してございます。

1点目は、経営陣が外部の知見を投資判断に生かして、ガバナンスが機能する組織運営を定着させるように必要な注意を払うこと。2点目は、チェック・アンド・バランスを効果的に機能させる体制と仕組みを構築すること。3点目は、組織内でオープンに議論する体制、企業カルチャーを定着させること。こうした要素が不足していた点が、我々機構にとって反省すべき要点であると考えております。

一方で、政策目的についてでございますが、11ページをご覧いただきたいと思います。農林漁業の成長産業化を支援するという目標を踏まえまして、出資先の事業が意図された政策目的をどの程度達成できていたかという点を確認いたしました。結論を申し上げますと、案件の5割の先が意図された政策目的を達成していたことを確認しております。中段のところ、黄色く塗ったところに、事例を書いてございます。1つ目には、新たな生産技術等の導入。例示しておりますような魚類の品種改良加速技術、これは養殖業の生産性を飛躍的に向上させる、そういった事例でございます。2つ目の丸、新たな地域特産品の開発、3つ目、国産原材料の利用拡大、4つ目は自然環境の維持・資源再生、こういった形で農林漁業、地域経済に貢献する事業展開について、ファンドとしても一定の貢献ができたのではないかと考えております。

ご説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

〔翁分科会長〕どうもありがとうございました。それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、委員の皆様からご意見、ご質問をお願いしたいと思います。官民ファンドの関係者の方々に直接ご質問いただいても結構でございます。

それでは、岡田委員、有吉委員、山内委員の順でお願いいたします。

〔岡田委員〕岡田です。本日、ご説明ありがとうございます。

この農林漁業成長産業化支援機構の報告書ですけれども、ちょっと拝見して、残念ながら全く物足りない総括だと言わざるを得ないかなと思います。前に申し上げたこともありますけれども、官民ファンドって、そもそもリスクテークの在り方が難しいというか、官民ファンドというのは、この2012年頃から3年ぐらいのときというのは、政府として旗を振って、いろいろな省庁が官民ファンドをつくっていったということだと思いますけれど、往々にしてよく言われるのは、国民のほうを向いてというよりは、省益の確保のために、うちの省も何か頑張らなければならないといって立ち上げる。

この報告書が物足りないというのは、全く個人の顔が見えないということです。例えば、これを立ち上げたときにいらっしゃった責任者の方というのが農水省の人にもいろいろラインとしていらっしゃると思いますけれど、もう農水省を退職された方もいらっしゃるかと思いますけれど、一体これだけの巨額の損失を出したときに、最初、きちんと検討したのかと。そういう波に乗って、そのまま安易につくってしまって、こんな500億円近くも出資して、200億円以上の赤字というのは、もう全くスタートからビジネスモデルが成り立っていないとしか思えないのですけれども、そういうふうな、大体役所というのは2年か3年ぐらいで替わっていかれることが多いと思うので、そうするとリスクの取り方で、やるときにやったという人には手柄になるけれど、失敗したときには、それについて、誰も責任取らないというふうな、そういうことに往々にしてなりがちです。

今回も、これがこうした総括になったところで、誰がどういう責任を取っているのかというのが、農水省自体、あるいはずっと遡って、この10年間ぐらいの間でどこかで立て直すことができなかったのかという、それぞれの時期の、それぞれのラインの担当者、あるいはこちらのファンドのほうもどうだったのかと。個人の誰が責任を取って、誰が駄目だったのだというのが全く見えずに全体が整理されているということなので、これでは同じことが繰り返されるのではないかというふうな懸念を持たざるを得ないということです。

結局、JOINのときにもそうでしたけれど、官民ファンドの性質上、官民ファンドといっても、この農林漁業のほうも300億円ぐらいって、ほとんどが国のお金なので、そうしたリスクを取って、責任を取るからこそリスクに関して非常に敏感になって、きっちり見分けられると思うのですけれど、こういうふうなことが繰り返されるようですと、今、政府のほうで、危機管理投資や成長投資ということで、もっと国がお金を出して、民間と一緒にいろいろやっていこうという大きい波がある中で、それが全て官民ファンドになるのか、よく分かりませんけれども、財投の活用というのもよくいろいろ指摘されるところだと思います。こうした根本的な、きちんと誰が責任取るのだというふうな総括をしないままに過ぎていっては、また同じことが繰り返されるのではないかということを強く懸念するというところです。

私からは以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

それでは、有吉委員、お願いします。

〔有吉委員〕有吉でございます。私からは3点、ご質問をさせていただきたいと思います。

まず1点目は、これはJOINJICT、両者へのご質問になります。今回の、特に累積損益との関係での実績は、非常によい数値が出たというご報告だと理解いたしました。このよかった要因をどう評価されているかお聞きしたいというのが1点目でございまして、こちらは、雑に申し上げれば、単に市場環境がよかったから、誰でも儲かるけれど、うちも儲かったということなのか、それぞれ何か特別なことがあって特にうまくいったということなのか、この辺りどう評価されているかお聞きしたいというのが1点目の質問であります。

それから、2点目はJICTへのご質問でして、昨年度の当分科会での議論の中でも、特にデータセンターとか、それから地域としてもアメリカに集中して投資をしているのではないかという意見を、私含めて申し上げたところでございましたが、直近の実績という意味では、資料の見方を誤っているかもしれませんが、引き続き、データセンターや米国への投資が数値としては多かったと理解しております。この辺り、当分科会での意見を直ちに直近の活動に反映してということにはならないことは理解しておりますが、どのように評価されて、今進んでいる1年はどうなりそうなのか。特に集中という点について、データセンターとアメリカについてどうお考えなのかお聞きしたいというのが2点目の質問になります。

それから、3点目はA-FIVEへの質問ないしコメントでございまして、今の岡田委員のお話とも通ずるところがあるという気がしますが、この取りまとめについて、私も分かるような分からないような、前半と後半がどう繋がっているのか分からないというのが素朴な感想でございます。資料3-4の7ページを見ると、要すれば事前のデューデリジェンスがうまくできていなくて、それに併せて投資判断もうまくできなくて、さらに8ページに行くとモニタリングも駄目で、状況の変動も把握できなくて、劣後ローンのような新しい仕組みも失敗してと、雑に申し上げるとこういったことが並んでいる中で、9ページに行くと、でもそのまとめとして、ガバナンスが不十分だったというだけで、規模を小さくすればよかったということが書いてあるのが、どうつながっているのか分からないということであります。もちろん9ページにあるように、ガバナンスがうまくいかなかった、あるいは身の丈に合った規模でなかったというのも課題の一つだというのは、そのとおりだと思うのですけれど、この7ページ、8ページの結果を見ると、そもそもできもしないことをやっていただけのようにも思いました。人の問題なのか、組織の問題なのか、私に十分評価できるものではございませんが、9ページの結論ありきで、問題を抽出していったら7ページ、8ページのように多くのものが出てきたというようにも見え、十分な反省に至った文書になっていないような気がいたしました。

質問という意味では、この7ページ、8ページの結果から、「上記の経験から改めて認識されたこと」というのが、なぜ9ページの項目だけに絞られてしまうのか、この辺りどういうロジックでまとめられたのかというのをお聞きしたいというのがA-FIVEへの質問になります。

私からは以上です。

〔翁分科会長〕ちょっと山内委員の前に、家森委員が少し早めに退出されるということなので、家森委員に先にご質問、ご意見、お願いいたします。すみません。お願いいたします。

〔家森委員〕どうも山内先生、すみません。それでは先に、質問をさせていただきます。JICTさんについては、資料の2ページのところなのですけれども、この2年間、かなりの投資実績があるものの、今回延長になって見直された計画は過去の数字のままのような気がするのです。今回見直されるに当たって、2025年度までの足元の実績を織り込まれず、かつて決めた計画の数字のままになっているので、これは今後、さらに見直されるということなのでしょうかということです。我々がこれからレビューしていくときに、この数字との対比を見ることになるので、ここをどう改定されるのかを教えていただきたいということでした。

それから、A-FIVEさんについては、ここまで出ている先生方と私も同じ印象を持ちますが、別の観点で、A-FIVEさんがもともとされようとした6次産業化の政策というのは、こういうファンドを通じてはできないということが分かったのか、ここに書かれているようにやり方が悪かったというふうに理解されているのか、このA-FIVEは6次産業化については補助金を入れるという形で直接的なやり方でないと無理だというふうになったのか、この辺りの政策上の理解はどうされたのかなという点と、11ページのところで、一応成果として上げられているのですけれども、これは官民ファンドだったからできたことなのか、別の方法でもできたことなのかというような観点から、もちろん投資をされてこれができたことは理解しておりますけれども、他の手段のほうがより安く適切にできた可能性もあるのかどうかについて、専門的な見地から教えていただければと思いました。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

それでは、山内委員、お願いいたします。

〔山内委員〕ご説明ありがとうございました。私のほうからは、いただいている論点の2つ目を前提にご質問と申しますか、理財局の皆様へのお願いと申しますか、1点、述べさせていただければと思います。

対象になるのはA-FIVEの件ですけれども、申し上げたかったのは、振り返りをして最終的に解散を決めた場合、スピード感を持ってやらないとなかなか厳しいケースがあるということです。厳しいと申しますのは、もちろん損失が増えていくという点もございますし、投資の実務でファンドを閉じるというのは、うまくいっていても、悪くいっていてもすごく難しい。というのは、ファンドが終わるときになると人が辞めていくのですね。自分の将来を皆さん考えますので。要は、残った少ない人で大変な仕事を背負っていくのがファンドクローズでは一般的で、これはどこでも起こることです。ましてや、損失が出ている場合は残るメリットが実質的にないので、最後に残られた方が非常に苦しくなります。

スピード感が一つ大切なポイントになるのですけれども、とりわけ投資対象分野が足の速い産業では、長く待っていればリターンが返ってくるかというとそれはないです。金融の世界でFast Moving Consumer GoodsFMCGといいまして日用品ですとか、それに関連する消費者向けBtoCサービスも含めた世界は非常に足の速いものです。あえてざっくり申し上げますと、会社を立ち上げて3年で成長が見られなかったら、その後はほとんど伸びません。5年たって収益が出なかったらもう無理です。それぐらい足の速い世界です。例えばJOINさんやJICTさんが扱っていらっしゃるインフラの分野と、A-FIVEさんが扱っていらした分野、これはFMCGに近い分野ですが、同じ時間軸にはなりません。理財局の皆様に申し上げたいのは、まずファンドを立ち上げるときの時間軸、立ち上げ後に資金を拠出し続けるときの時間軸、またリターンが出ても出ていなくても早く閉めたほうがいいということになった場合には早く閉めるなど投資対象分野に応じたスピード感を持った判断、それらを意識頂くことです。

A-FIVEさんの場合、サブファンドを使われていて、A-FIVEさんの有識者報告の中でも利益相反の可能性、融資と出資の両方を提供していてそのバランスが難しい可能性が指摘されていました。そのこともありながら先ほどの人数が少なくなる件もあり、閉じるのに時間がかかったのではないかと勝手に拝察しておるのですが、そういった事情を鑑みながらも、投資対象分野に応じたスピード感のある判断をご検討いただければと思っております。

以上でございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

それでは、丸田委員、お願いいたします。

〔丸田委員〕丸田でございます。ご説明ありがとうございました。私からは、JICTさんに関して2点ほどと、A-FIVEさんに対して何点かご質問並びにコメントさせていただきます。

まずJICTさんですけれども、先ほど有吉委員からもございましたが、私もやはり気になっているのは、データセンターであるとか地域的なポートフォリオの集中の論点ですが、現状のポートフォリオに反映されていないパイプラインのレベルでは、昨年から何か変化があって、よりデータセンター以外の案件もいろいろ取り組まれているのでしょうか。言い換えると、何らかの、2、3年とかでも結構ですけれども、中長期のターゲットのポートフォリオのバランスのイメージは設定されているのでしょうかという点です。データセンターに集中投資するというのは、目の前の現状としては、案件も需要も多くあってよろしいかと思うのですが、リスクとしては集中化によってかなり高まっていると思います。これが一斉にうまくいかなくなると、事業の存続性にも影響を与えるようなぐらいのインパクトがある可能性があると思いますので、将来的な何かデータセンターのポートフォリオに占める割合であるとか、地域的な集中度のターゲットとか、その目標や計画を設定して、実際にパイプラインも含めて、目標や計画にアラインして動いているのかというのが1点目の質問でございます。

2点目は、先ほどご説明があったようにデータセンターの事業は、やはりいろいろなご指摘いただいたリスクがある中で、何か現時点で、インフレや中東の問題も起きている中で、事業計画から遅れが生じたり、実際にリスクが顕在化して事業進捗に遅延が生じているような案件はないでしょうかというのが2点目のご質問になります。

続きまして、A-FIVEさんでございますけれども、A-FIVEさんについては、まず、1点目は感想ですが、先ほど山内委員からもございましたけれど、A-FIVEさんが出資しながら融資をするというところで、なかなか非常に難しい局面であるとか、リスクの取り方も、実際に融資で劣後融資になることによって、その回収率が50%強と非常に低いということで、なかなかここの点は課題があったのではないかというふうに感じました。

それと、ここはご質問ですが、時系列ごとの出資等の状況を拝見していますと、2017年以降、直接投資が増えたり、あと、1件当たりの金額も大きく変わっておりまして、そのリスクのプロファイルが相当変わっていると。この中には、いわゆる6次化支援といったものが新たに始まったというところも背景としてあると思うのですが、一方で、大きくリスクの取り方が変わった段階で、A-FIVEとしてこのタイミングで、例えばガバナンスを強化したり、リスク管理とかモニタリングを強化したり、そういった対策であるとか、組織的な手当てといった十分な対応が当時されたのかどうかというところが非常に気になったというところでございまして、そこら辺の対応、結果として十分ではなかったのかもしれないのですが、教えていただきたいのが2点目でございます。

3点目は、先ほど家森委員からも指摘があったところにも重複するのですが、成果の面で、政策目的の達成状況というところで、目的達成、未達成ということと、あと、事例も記載されているものの、やはり総括としてはこれだけのロスが生じたものに対して、実際に成果と言われているものが一つずつは非常に小粒にも見える部分もあるのですが、総体、全体として、対価に対応した成果として、これが本当に十分なのかどうかというところが非常に分かりづらいというふうに感じました。もちろん、成果があまりないので、このような記載になっているということであればそれはそれなのかもしれませんが、その部分が明確ではないというふうに思いましたので、可能な範囲でもう少し教えていただけますでしょうか。

私からは以上でございます。

〔翁分科会長〕どうもありがとうございました。

次は、野村委員、お願いいたします。

〔野村委員〕まずはJOINJICTさんに関して累積解消が進んでいるということで、取組の成果だと思います。ただ、その数字の裏で、先ほどの前の議題の実地監査などで指摘されているように、ガバナンス面での少し不安もあるという指摘もありましたので、そこはしっかりお願いしたいと思います。

それから、A-FIVEに関してです。これは皆様からご意見が出ているとおり、もっとしっかり分析して、その結果を共有していただきたいと思っています。分析するに当たって、政策性と収益性の両立というのが、先ほどのインドのご報告で見直しの余地もというご提案もありましたが、日本の今の官民ファンドではそれを前提としているということで考えたいと思います。まず収益性に関してですが、このご報告を見ると、厳しい言い方すると、本当に投資のどこまでの専門家がいらしたのだろうか、と思いました。とくに、この規模の投資に見合った専門性を有している方がいたのかなと。というのも、上場企業の株式指標に照らして、それを取り込んだことが適切だったのかという分析もありましたので、このA-FIVEさんの投資規模に見合った投資の専門家がいらしたのかということ。それから、そうした人材確保ができているかを監督官庁がしっかりモニタリングされていたのか。これは岡田委員もご指摘されたように、一体誰が責任を持ってそれを見ていたのかということも含めて継承していただきたいと思います。

もう一つは政策性に関してです。11ページの結果を見ますと、達成したのは半分ですけれど、逆の言い方をすると、達成していないものが半分あるわけです。この半分の案件も、審査の段階では政策性を有していると判断されているはずなのです。このプロジェクトが失敗したから政策性未達成という、ニワトリと卵のようなところもございますけれども、ただ、最初の段階で、官民ファンドに求められる政策的意義が果たしてあるのかということを、どのような物差しで、どのような指標で評価されたのか、いま一度見直す必要もあると思っております。審査の段階ではどう判断されたのか、それを国民に対して説明する責任もあると思いますので、政策性に関する指標の見直しをこれを機に行う必要があるかと思います。

あともう1点、A-FIVEさんに関して言いますと、この政策目的を達成したと考えられる事項を見ますと、それぞれは重要な政策目的であったのではないかと感じています。これを今後、A-FIVEが閉じた後、どこが担っていくのか。それともこれはもう官民ファンド的なもので担わなくていいような政策性であるのか、その判断も必要ですけれども、どこが継承していくのか、いかないのかということも、今後ご説明をいただきたいと思います。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

土居委員、そして、最後は工藤委員になりますので、よろしくお願いいたします。

それでは、土居委員、お願いいたします。

〔土居委員〕どうもご説明ありがとうございました。JOINJICTについては、引き続き単年度黒字ということで、これは大変評価したいと思いますし、これを累積損失の解消に向けて、引き続き取り組んでいただきたいというふうに思っております。確かに、海外の案件ですので、これは現在の環境で、これまでは海外で事業が好調に営めたということが好影響なっているという面はどれぐらいあるのかというのは、さっきの委員の質問にお答えいただくところでお伺いするということにしますけれども、それは大なり小なり追い風になっているというのもあるのではないかなとは個人的には察します。新規案件のご報告もあって、それを見ていると、世界でも名前が通っている有名な日本の代表する大企業も共同出資者になっているということは、これは非常に大事なことだと思います。つまり、官民ファンドだけではなかなか、もちろんメジャー出資するわけでもありませんし、やはり事業を実際に動かしていくのは、共同出資者の側が主体的になるということですので、彼らの主体性、それから、コミットメント。しかも、コミットメントをするだけではなくて、コミットメントのクレディビリティも非常に重要で、そこで、営利目的で事業を営んでいる民間企業がしっかりと収益を上げるという意識を持って、投資案件で力を発揮していただくということがあって、初めて官民ファンドも恩恵を受けると。もちろん恩恵の大前提として、官民ファンドから共同出資者としてサポートしているというのがまずそもそもの最初の官民ファンドの役割というのがここにあるわけですけれども、収益を回収するというところの部分では、もちろんモニタリングとかそういうことも大事ですけれども、共同出資者として主体的に行動する民間企業がしっかり収益を上げるべく、事業を営む推進力がなければ、官民ファンドにもエグジットするところでの恩恵がないということになりますから、やはり共同出資者である民間企業がどれぐらい事業にコミットし、そして、しかもそのコミットメントがクレディブルであるということも重要なのではないかなと思います。

そういう意味では、別に共同出資者が有名な大企業じゃなきゃ駄目だということは申し上げませんけれど、要は、有名な大企業とあえて申し上げたのは、クレディビリティですね。ここでしくじったら社運に関わるとか、会社のレピュテーションを汚してしまうとか、それぐらいのコミットメントの深さというものを感じ取れるような案件というものはなかなか、そう簡単には悪化しない面はあるのではないかというふうには思った次第であります。それはJOINJICTの検討会に参加させていただいて感じたところであります。

それと比べると、やはりA-FIVEは、1件当たりの投資案件が小さいし、そういう企業が共同出資者になっているという案件は相当少ないというのも、総括をする上ではしっかりそこを他の官民ファンドと比較して、何が駄目だったのかというところについてはもっと直視していただきたかったなというふうに思います。1件当たりの出資額が少ないというのは産業の性質からやむを得ない面はあるとはいえ、それでもやはり共同出資者がこの案件で損失を出さないようにしようとか、これが減損処理するような事態に至らないようにしようという努力というものが民間側にないと、いかんせん官民ファンドだけで旗を振っても、極端に言えば、やめたいときにはやめるということを民間側が言ってしまえば、それでおしまいということになってしまうということは結構大きなポイントになるのかなというふうに思います。

ですから、本来はそこをA-FIVE自身から提起していただきたかったのですけれど、どうもそうでないらしいので、私がここで、分科会で発言するという形で、私なりに気がついたところを申し上げて、これを様々な形で、ほかの官民ファンドとか、ほかの施策に生かしていただくということを願っております。

それからもう一つは、農水省の関与がどうだったのかというところがやはり検証が甘いのではないかと思います。令和2年7月にA-FIVEの検証に係る検討会で検証報告を出していますけれども、どちらかというと、端で見ていたみたいな感じのまとめ方になっていて、責任はありませんとまではおっしゃっていないけれど、責任があるというところをその報告を読めば理解できるというようなほどでは全然ないと。ましてや、サブファンドが行う投資決定については、大臣認可が要らないというようなスキームでやっていたというわけですから、やはり大臣認可をするということで農水省なりに真剣にコミットするという部分はあるのではないかと思うわけです。そういう意味では、JOINJICTも大臣認可をしっかりやっていらっしゃるので、そういう意味の主務省庁の関与というものがやはりA-FIVEは浅かったということは否めないと思います。

ですから、岡田委員も言及されていましたけれど、結局の責任者はという話になると、いや、それは特にサブファンドは大臣認可が要らないという話だとすると、A-FIVEが勝手にやったことですからみたいなような雰囲気がどうしても出てしまうと。それは今後、少なくともそういう形で様々な政策を実施するということはやはり許されないではないかなというふうに思うわけでありまして、しっかり主務官庁も、もちろんプリンシパルエージェントの関係を保ちつつもということではありますけれども、役割を果たすところではしっかりコミットして果たしていただくということが官民ファンドでも大事なところなのかなと思います。

最後に2つほど質問があるのですけれど、A-FIVEに関してであります。資料3-1の14ページにA-FIVEのバランスシートがあるのですけれども、これで資産を全部換金できれば、出資金は毀損はするが、一部は戻ってくるということになるのだけれども、政府というか、産業投資には幾ら戻ってくるのでしょうかというのを今ある程度概算できるならば、それを教えていただきたい。もう一つは、株式会社なので、そこまで公文書並みの管理を求められないのかもしれませんけれど、A-FIVEで事業を営んでいたときに作成した資料というのは残しておられるのかどうか。それを農水省に託して、しかるべき保存期間でもって保存するというようなことがあったほうがいいのではないかと思うのですけれど、それがないとすると、何かもう全部水に流してしまったみたいな話で、本当に果たしてそういうやり方でいいのかと。私としてはやはり、失敗したということであれば、それは資料としてきちんと残して教訓を得られるようにすべきなのではないかというふうに思ったということで、資料を残していらっしゃるのかというのをお伺いしたいと思います。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

それでは、工藤委員、お願いいたします。

〔工藤委員〕ありがとうございます。ご説明くださった皆様、どうもご説明ありがとうございました。

私のほうからは、3点コメントさせていただきたいと思います。

まず改善計画を策定している4つの官民ファンドの中で、JICTさんが2020年5月に公表した改善計画の目標を一貫して上回って推移しており、JOINさんも202412月に公表した計画について、現時点で累積損益の目標を達成しているということは大変よかったと感じており、再建に尽力されている関係者の方々には頭の下がる思いです。

本日は決算確定前ということで、クールジャパン機構以外の3ファンドだけが議題となっておりますけれども、従前より実績に課題を抱え、改善計画を提出してきている官民ファンドが一定数ある中で、それぞれの教訓が他の官民ファンドにも生かされてきたのか、各省庁各局の縦割りでそれぞれの官民ファンドが設置され、必ずしも効果的、効率的な運営がされていないケースもあったのではないかといった観点からも、引き続きよく検証していく必要があると思っています。

以前にも申し上げたのですが、やはり収益性に深刻な懸念を抱える産投機関の統廃合は当然に行うべきであると考えておりまして、加えて、国として支援すべき産業も時代に応じて変化していくことを踏まえますと、産投の在り方も変えていくということが自然でありまして、統廃合も新設も共に視野に入れながら産投機関の不断の見直しを検討していただきたいと考えます。

2点目ですけれども、JICTさんから、この2022年5月に公表した改善計画を上回っていますと報告を頂きました。累積損益のほうも上回っていますし、投資額のほうも上回っており、目標を達成していますという話でした。ただ、過去から目標額よりもかなり多く投資をしてきており、このように当然インプットが大きければ、損益の改善というのも本来2022年につくられたものよりも早くなされていかないと、最後、蓋を開けたときに、投資のほうの目標額は大きく上回っていたけれども、累積損益のところは、結局、当初計画と同じでしたというということに最後なってしまわないのかなと思っております。普通のファンドでしたら投資額の目標を大きく上回ることは、財源に限度がありますので、必ずしも良いことではなくて、厳選して良い案件をやっていくというのが大事なわけですけれども、これは官民ファンドなので、必ずしもリターンだけではなくて、政策意義もあるので、財源もある中、時を逃さずやるということも大事だと思うのですが、投資額の目標を上回るために投資規律が緩むことがないように、良質なアセットをしっかりと積み上げてもらうということができる仕組みが大事かと考えます。本当は累積損益目標も2022年のままではなく、見直さないといけないのではないかなと思いました。加えて、時を得た投資だとは思いますけれども、今日も何度か議論に出ていた米国でのデータセンター投資がどこまでやるのかというようなことも、リスク管理の観点からもよく考えながらやらなければいけないのではないかということが2点目です。

3点目は、今日のご説明の中でもお話があったのですけれども、官民ファンドであるがゆえに、省庁側の人というのも変わりますし、また、ファンドを運営している人もインセンティブがそれほど高いわけではないので、途中でお辞めになっていく。自分の投資したものの結果を見ずにお辞めになっている方も結構いらっしゃって、結果として、今の状況について誰が責任を取ったのか、取るのかということが見えにくいというのはおっしゃるとおりだと思います。ただ、官民ファンドであり、また、日本の今の構造を考えるとやむを得ないという面もあるのではないかと思っておりまして、それをカバーするためにも、取上げ時には省庁や民間に、先ほど土居先生もおっしゃっていたような、例えばある程度のクレディビリティがあるところが大事なのだということをおっしゃっていましたが、こういうことをしっかりとやってほしいという覚悟を迫り、また、その取組を管理する枠組みを、財投としても何か持っておくことが必要なのかなと思いました。今回、A-FIVE様からも振り返りいただいているわけですけれども、こういった官民ファンドの管理やファンドの分配を財投としてどういうふうにやっていくのか。また、運営をどう利かせて、ガバナンスを持ってやっていくのかというのは、財投分科会自身も変わっていきますので、今回の学びをしっかりと枠組みに落としておくというのも必要なのかなと思いました。

以上です。

〔翁分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、まずご回答をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔天井財政投融資企画官〕まず理財局からご回答させていただきます。

山内委員からご指摘をいただきました点につきまして、インフラ志向のファンドとFMCG志向のファンドでは当然投資分野も違いますし、また、ファンドにおいて黎明期、成長期、最後のクローズ時期のいずれであるかによって当然変わってくるかと思いますので、理財局といたしましては、一律にそうしたものを見るのではなくて、しっかり時期や領域を見極めながら、編成作業を行っていくということになるかと思います。

また、工藤委員からご指摘をいただきました、官民ファンド自身が縦割りになって、効率的・効果的な検証ができていないのではないか、官民ファンドのガバナンスをどのように今後考えていくのかという点につきまして、こちらは中長期的な課題というところでございますけれども、官民ファンドの検証につきましては、財投分科会でも行わせていただいておりますし、別途、内閣官房の官民ファンド幹事会でも行っているところでございます。

ただ、今回のA-FIVEにて、掘り下げるような検証もしていただいておりますので、今後そういった面も含めて、どういったことができるのかということも考えてまいります。

以上になります。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

それでは、各ファンドから簡潔にご回答いただければと思います。よろしくお願いします。

〔国土交通省日笠国際統括官〕国土交通省のJOINの関係、最初に答えさせていただきます。

2年連続単年度黒字ということでご評価いただいたところもございますが、もちろんしっかり、きちんとJOINにおきまして、有識者委員会のご報告を受けて、経営改善をずっとやってきましたけれども、不断に取り組んでいきたい。それから、第三者評価という枠組みをいただいておりますので、その中でもしっかり検証しながら、引き続き早期かつ着実に累損の解消に向けて、JOINにおいて適切な対応を行っていくように国交省としてもしっかり監督してまいりたいと思います。

続きましてJOINのほうから回答いたします。

〔海外交通・都市開発事業支援機構武貞代表取締役社長〕有吉先生からご質問いただきました、去年及び一昨年の上振れの原因でございますが、2点ございまして、1点はやはり通常のハンズオンで事業の売上げを伸ばしていく、それから、適切なタイミングで、適切な価格でエグジットするというものの組合せで、配当額、配当可能事業、それから、エグジットの件数等を伸ばしているというのが1点。

それから、市場の環境のところはおっしゃるとおりで、海外をやっておりますので、為替リスクが一番怖いという意味で、円高になったときのリスクを若干織り込んでおりますので、それが150円台であって、安定というか、150円、160円台で来ていたというところで、為替リスクが発現しなかったというところがプラスに働いております。また、長期的には、やはり世界的なインフレの状況下、アセットを持っているというところが強みになって、その分、持っているアセットによる収益力が今後反映されてくることを期待しております。

また、ご指摘ありましたガバナンスの問題等は、引き続き改善等を鋭意継続してまいりまして、累積損失解消に努めていきたいと思います。

〔総務省嶋田国際戦略課長〕総務省でございます。家森委員と工藤委員から、設置期限の10年延長に伴って延長された改善計画についてのご指摘、あとは野村委員と土居委員から、JICTのガバナンス、あと、今後の取組についてご質問がありましたので、そちらを私のほうからお答えさせていただきまして、その後、JICTのほうから個別の質問に回答させます。

まず改善計画の延長ですけれども、通しページの2ページのほうには、延長された改善計画を載せておりますけれども、こちらは2045年度まで計画ありますので、こちらに沿って、まずは総務省としてもしっかり定期モニタリングですとか、あとは個別認可、こちらを通してしっかり監督していきたいと思っております。

あと、工藤委員から、2022年につくった改善計画、もうこの時点でかなり両方とも投資額も累損も上回っているので、こういった計画も前倒ししたほうがいいのではないかという話ですけれども、実績につきましては、2029年度に累損解消の見込みがあるということで、3年前倒しの予定です。ただ、この計画自体を上方修正してしまうと、そもそも現時点のJICTのポートフォリオの前提が崩れてしまって、なかなか計画の見直しも難しい部分もありますので、前倒しとか、計画自体を上方修正するのはなかなか難しいとは思っているのですけれども、しかしながら、投資規律がしっかりやらないといけないという面は、我々としてもしっかり肝に銘じておりますので、先ほど申し上げましたけれども、定期的なモニタリングですとか、個別の認可、こういったものを通じて総務省としてもしっかり監督していきたいと思っております。

あと、ガバナンスの話ですけれども、野村委員、土居委員、JICTの有識者検討会、6回、しっかりレビューいただきまして、ご指摘もいただきました。こちらに際しまして、ガバナンスの面、強化する必要があるのではないかですとか、あとは、累積損失解消に向けてしっかりやっていくようにというお話ありましたけれども、こういったところは引き続きしっかりやっていきたいと思っております。

有識者検討会の後の環境の変化といたしましても、先ほど申し上げましたJICT法の改正のご審議ですとか、後は、高市総理のほうが、FOIPデジタル回廊構想、こちらをプレイアップされまして、海底ケーブルとかデータセンターをしっかりやっていくということを政府全体で取り組んでおりますし、あと、経済安保推進法が改正されまして、海底ケーブルに対する新しい支援ですとか、あと、JBICの劣後出資、こちらはデータセンターですとか海底ケーブルが対象になってございますけれども、こういった環境の変化もありますので、総務省としても、これまでの他ファンドの取組もしっかり参考にしつつ、他省庁ですとか、あとは官邸、他省庁、あと、JBICJICAJETRO、こういった関係機関とは今も連携しておりますけれども、より一層連携して、官民連携を超えて、官民一体となって取り組んでいって、日本経済の発展に貢献していきたいと思っております。

個別の話はJICTのほうから説明させます。

〔海外通信・放送・郵便事業支援機構大島代表取締役社長〕ご質問ありがとうございます。大島のほうから申し上げます。

まず、昨年、今年度と実績でございますけれど、有吉委員からいただいたご質問に関してですが、先ほど土居委員からクレディビリティのある企業、事業パートナーとの深度ある対話、これを継続しながら、多少、事業上の困難に直面する投資先もございます。そこをしっかりモニタリングをしながら、また、伴走しながら、しっかり配当収入にもつなげているというところがまずございます。

また、一部、少額のエグジットがあるということであったり、昨年度、公表前ですけれども、昨年度実績ですと当期利益は8億円というところまで上りましたけれども、これは過去の投資で初期にやりましたもので損失を計上したものをしっかりモニタリングして、最終的なエグジットを行ったところで、引当金絡みの回収を行ったということが寄与しておりまして、この辺りは最後までしっかりフォローしていくというモニタリングの成果が現れたものというふうに認識しております。

それから、家森委員、工藤委員からも頂戴いたしました改善計画のところでございますけれども、私どもの実績ということで申しますと、今、累積損失114億円ぐらいまで行っておりますけれども、投資だけを取り上げた累積損失については、昨年度末で数億円のプラスに転じておりまして、この意味では累積損失は解消しております。この中にありますのは、事業税の負担と、私ども管理報酬手数料をいただいておりませんで、最終的な収益はエグジットをもって実現しますので、前倒しで経年の営業費用が出ます。その累積がありまして、その合計が114億円です。3分の1ぐらいは税金でございます。

そういう状況でありまして、実際には需要が非常に強いということでありますので、その需要に応えながら事業者と案件を重ねてまいりますと、当初は、初期段階では収益が発生しにくいということでありますので、Jカーブ的には下押しの効果が働きます。そういたしますと、現在までのところで改善計画を大きく上回る累損の状況でありますけれども、案件によっては、どうしても最初、下押しする部分がございます。そのJカーブが深くなる分、実際に投資を積み上げた場合には、それが回収時においてはさらにこのカーブが上に行くということで、大きく計画を上回る回収が実現し得るものというふうに思いますので、そういう意味では案件を厳選しながら取り組むことで、個々の計画値をコントロールしながら、投資額も実現しながら、累積損失のほうも最終的にしっかり解消するということはできるのではないかというふうに思っております。この辺りは事業パートナーとのニーズ次第というふうには思っているところであります。

それから、データセンターの関連でございますけれども、昨年度の6件の投資案件のところが、私どもの資料3-3の8ページ目ぐらいに出てございますけれども、こちら、データセンター1件になりますが、その他の案件も積み上がっておりますので、地域的なバランスも見ながら、データセンターの中でも地域の分散でしたり、開発の状況等も見ながら分散して、集中化が過度に起きないように取り組んでおります。

足元の案件の積み上げ状況からしますと、今のところ昨年度末は大体半分ぐらいがデータセンターの案件でございますけれども、今年度の見通しとしては、このままでいけば、大体同水準で推移するのではないかと見込んでいるところでありまして、需要が大変強い、事業パートナーのニーズも強いですけれども、しっかりコントロールしてまいりたいというふうに思っているところでございます。

それから、最後、丸田委員から、現状の環境の影響ということでご質問ございましたけれど、確かに金利水準の影響等もございます。インフレの状況ございますけれど、この辺りは、最終的な使用者に転嫁できるものがほとんどでございますので、現段階ではここに大きな懸念は抱いてはおりません。

私からは以上です。

〔農林水産省大臣官房新事業・食品産業部石田新事業・食品産業政策課長〕農林水産省でございます。

まず、岡田委員から国の責任というご指摘を賜りました。この点、農水省といたしましても、結果として大きな累積損失が発生したことにつきまして、これは個人というより、組織として重く受け止めなければならないと思ってございますし、しっかり今後の教訓としてまいりたいと考えてございます。

その上で、立て直すことができなかったのかというご指摘も頂戴しましたが、この点、設立から6年ほどたちました令和元年に一度立ち止まって、立て直せるかどうかということを検証し、その段階で解散せざるを得ないという判断をさせていただいたということでございました。

また、野村委員から、今後、どこが担うのかというご指摘を頂戴いたしましたが、解散を決めた検証の際にも、フードテックですとか輸出など資金需要があるところもあると、そこをどうするのかということが記載されてございまして、現在、投資円滑化法という法律の枠組みの中で、民間が主体となって、投資事業有限責任組合等を立ち上げまして、そこを国が承認して支援するという枠組みがございます。

財投ではないですが、その中で、この資金需要に応えているということでございます。また、土居委員、あるいは工藤委員から、共同出資者の努力ですとか責任というのが大事だというお話がございましたが、今、申し上げた枠組みですと、より民間の主体性が発揮される形になっているというふうに考えてございます。

また、家森委員から、6次化支援についてのご指摘、ご質問を賜りましたけれども、やはり案件によって様々というのは今回改めて思うところでございます。先ほど申し上げましたフードテック関係あるいは輸出などにつきましては、引き続き出資という枠組みがなじむと思いますので、その内容に応じまして、補助、出資等、様々組み合わせながら対応していきたいと考えてございます。

それと、土居委員から、戻ってくるのは幾らかというご質問を賜りましたけれども、国からの出資が300億円、民間含めますと319億円でございまして、おおむね3分の2程度が毀損することになるのではないかと見込んでございます。まだ、残余財産確定前ですので、見込みになりますけれども、このような状況にございます。

ほかのご指摘につきましても、しっかり重く受け止めて、今後に活かしてまいりたいと考えてございます。

A-FIVEのほうから追加の説明をさせていただきます。

〔農林漁業成長産業化支援機構矢花代表清算人〕有吉委員から、非常に分かりにくいというご指摘いただきました。こちら、要因として挙げました幾つかのもの、なぜこういった対応がされたのかというのを改めて考えたときに、やはり一番大きなポイントとしては、投資を推進するというところにかなり重きが置かれていた、いわゆるアクセルのほうに力が入ってブレーキがかかっていなかったというところが非常に大きかったと。そういう形での体制づくりですとか運用がなされる必要があったという点を整理させていただきました。

それから、家森委員からいただきました成功事例について、これは官民ファンドだからできたのか、という点でございます。これは結果論でございますのでなかなか難しいのですけれども、そういった分野に民間がリスクマネーを供給していたか、あるいは、そういった制度の仕組みがあったかというと、それがなかったものですから、そういう点では、やはりA-FIVEといいますか、この出資の仕組みがあった中で実現できたものではないかというふうに思っております。

丸田委員から、この投資拡大の中でモニタリング強化をどうなされたのかという点につきましては、これもモニタリング強化は、体制はつくっていたというふうに認識しております。ただ、その重点が、投資した後のフォローアップをどう行っていくかというところに力が入っておりまして、事前に、いわゆる先ほど申し上げましたブレーキをかけるという点での考え方とか、取組み方が弱かったのではないかということを振り返る中では考えております。

それから、野村委員から、A-FIVEの規模に合う専門家がいたのかという点でございます。ここもなかなか難しいのですけれども、当時、プロである投資の専門家を民間から登用しておりました。ただ、こういったA-FIVEが扱うような分野における十分な投資の経験なり知見があったのかという点は、なかなか難しかったのではないかと、振り返ってみて思います。

最後、土居委員のほうから、資料を残す件につきご質問がありました。これは、今、私どもと一緒に清算人をやっておる弁護士の事務所で10年間保管していくという形にしてございます。

以上でございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。恐らくこれらのご回答に対してのコメントもおありかと思いますので、もしそれがございましたら、事務局のほうにまた追加的におっしゃっていただきまして、それでご回答いただくということにしたいと思います。特に農水省として、これは前社長がなさったレビューですから、農水省としてのレビューというのが、土居先生もおっしゃっていましたけれども、監督の在り方とか任命権を持っていらっしゃる中で、やはりそういったことも私も作業として必要なのではないかなと思っております。それも含めて、ぜひ教訓として残るようにしていきたいと考えております。

今日はどうもありがとうございました。この辺りで、官民ファンドにつきましては質疑を終わりたいと思います。

それでは、ご退席いただきたいと思います。どうもありがとうございました。

(JOIN、JICT、A-FIVE関係者 退席)

(経済産業省、産業革新投資機構関係者 着席)

〔翁分科会長〕すみません。少し時間が押してしまいましたので、できるだけコンパクトにご質問、ご説明いただきまして、もしご質問やご意見ありましたら、できるだけ短く、10分ぐらいで終わらせたいと思っております。よろしくお願いいたします。

それでは、バイアウト投資等に係るJICの取組について、経済産業省及び産業革新投資機構のご担当の方からお願いいたします。

〔株式会社産業革新投資機構亀山取締役CSO産業革新投資機構の亀山でございます。本日はこのような機会をいただきまして、ありがとうございます。

資料をご覧いただければと思います。時間がないということですので、2ページは割愛させていただいて、3ページを出していただけますでしょうか。

JICキャピタルの大型投資案件の状況でございます。大型投資2件ございますが、JSRについては、半導体材料の産業再編を目指しておりますけれども、昨年度の決算におきましては、コア営業利益、当期純利益とも過去最高を達成してございます。特に半導体事業は非常に好調でございまして、収益性も上がっております。それから、懸案でございましたライフサイエンス事業、こちらも事業の整理が進み、財務体質が改善しているという状況でございます。

それからもう一つの新光電気、こちらは半導体パッケージ分野の研究開発・事業化を支援してございますが、こちらは投資して1年たちますけれども、販路の拡大ですとか、人材の採用とか、ハンズオン支援をしっかり進めておりまして、事業自体も好調であります。前年度比で増収増益という形になっておりまして、こちらもしっかり前に進んでいるという状況でございます。

次のページをお願いいたします。現在、適切なJICの資本構成に係る議論を始めておりますので、今日は少しその頭出しをさせていただきたいと思っております。JICは運用期限が延びたこともありまして、足元、リスク管理を強化する取組を進めておりまして、例えば来月からリスク管理室というものを新設して、しっかり取り組んでいくということにしております。

その中で投資案件の毀損に伴う資金ショートに係る投資活動の停止リスク、こちらについても検証しているところでありまして、その中でしっかり純資産の確保を進めていく必要があると思っております。

従来、過去の金融危機における平均毀損率を参考に、実投資の30%相当の出資金を確保してまいりましたが、これはあくまでグローバル市場における平均値でございまして、これをJICのポートフォリオに即した考え方にしていくことが望ましいと思っております。

参考まで資料の中段に、典型的なリスク量を測定する指標でありますValue at Risk、これはJICのポートフォリオに適用させた形で計算した結果を示しておりますが、こういったことも含めて、今後は下段に記載の3つについて取り組んでまいりたいと思っています。1つ目は、こういったValue at Riskも含む様々なリスク量を図る手法をポートフォリオ構成に応じてリスクを把握していきたいということ。2つ目として、投資活動を継続して、ポートフォリオの分散をしっかり図っていくということ。3つ目として、このポートフォリオ構成に応じた資産減少リスクに備えて確保すべき純資産の量について整理をして、今後の産投要求における資本水準の考え方についても見直しを行っていく。

以上、3つのことを進めてまいりたいと考えております。

私から説明は以上でございます。

〔高橋計画官〕続きまして、計画官の高橋から、私の用意した資料を、簡単にご説明を申し上げたいと思います。資料4-2です。

資本構成に関する論点ということで、3点ほど提示したいと思います。

上記は、先ほどのJICさんの説明のとおりでございます。下記の論点について、3つ、指摘をしております。

1つ目は、VaRはリスク量を計る一つの指標だと思いますが、それ以外にJICのポートフォリオのリスク管理に適した有力な手法はないだろうかという点。

それから、2つ目として、JICが有する政策的意義にも考慮しつつも、あるべきリスクの許容度を検討するとした場合、留意すべき点はありますでしょうか。

3つ目として、確保すべき資本の量を整理する上で、ほかに考慮すべき事項はございますでしょうか。

以上、3つの論点でございます。いずれにしても、今日はこの議論のキックオフということで、私の想像では、今年の年末までかけて議論していくと思いますが、現時点で先生方のご意見を賜れればと思います。

〔翁分科会長〕ご説明どうもありがとうございました。本日の時点で、ぜひコメント、もしご質問などございましたらよろしくお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

それでは、丸田委員、お願いいたします。

〔丸田委員〕丸田でございます。ご説明ありがとうございました。今日の段階ではまだ議論ということで、あくまで何か良い考え方があるということではないのですけれども、Value at Riskは、恐らくここにも書いてあるとおりだと思うのですが、基本的にはポートフォリオが分散されているときに、リスク量を算定するのには適していると思うのですが、JICさんの現在の状況のように、例えば、先ほどご説明がありましたように半導体にかなり大型案件のエキスポージャーが偏っているというところなどを勘案すると、必ずしもその数値は逆にリスクの集中度合いを反映しない低いものになっているのではないかというふうに考えられますので、今のようにポートフォリオがやはり個別案件とか個別のセクターに偏っている状況であれば、場合によってはやはり個別にリスクを見ていくとか、そういった手法にならざるを得ないのではないかというような気がしています。もちろんVaR以外を含む様々な指標を考慮してということで書かれておりますので、そこでカバーされるかもしれませんが、その点が気になった点でございます。

以上でございます。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

それでは、岡田委員、お願いします。

〔岡田委員〕ご説明ありがとうございます。ちょっと雑駁な質問で恐縮ですけれど、JSRについて、この投資をしたときに水平的な再編とか垂直的な再編とか、そうしたことが想定というか、イメージされて、それ自体、そう展開していけば意義深い投資になるのかなと思ったのですけれども、なかなか大変な話なので、今時点で明らかにできることはあまりないのかもしれませんけれども、いろいろ報道等を見ていますと、なかなか簡単ではないという伝えられ方もありますが、事業が改善して、改善してエグジットということでも取りあえずいいのかなということなのか、あるいは、事業の改善というのを梃子にして、やはりあくまで政策的な意義としては再編を目指すのだ、ということなのか。現時点でご説明いただける範囲で何かあれば教えていただければと思います。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

土居委員、お願いします。

〔土居委員〕どうもご説明ありがとうございました。Value at Riskで分析したという意味の客観性というか、主観的な、えいやとやるのではなくてという意味ではいいのですけれども、丸田委員がおっしゃったように、ポートフォリオとの関係は必ずしもVaRでいいのかという問題は、それはそれとして深く考えなければいけないところかとは思います。

それともう一つは、ちょっとこれは定量的な話ではないですけれども、バッファーとしての自己資本ということですので、しかも、これは完全な純粋な民間企業ではないので、しかも、上場企業でもないので、結局、そのバッファーというものが、下手をするとモラルハザードにつながるかもしれない。つまり、もし株主が牽制して、出資金、資本金を毀損するような事業展開を経営者がしたならば、クビにするということで、もちろん借入れをするとか、様々な点で自己資本をきちんと持っていないと事業展開がうまくできないということがあるから、自己資本はある程度持つけれども、しっかり利益を上げていくと。もちろん自己資本が毀損するリスクというのを経営者が認識した上で経営していくということになるわけです。けれども、この出資は、国が出資しているものなので、そうすると、極端に言えば、リスクは取るだけ取って、でも、毀損したらそれはしようがないという、そういうモチベーションに経営者を勘違いさせてしまうかもしれない。手厚過ぎる政府からの出資が、経営者の判断をよりリスキーな方向に持っていくということはあるのかないのかというところは、定性的に少し考えていただく必要があって、手厚過ぎると安心して逆にリスクを過大に取ってしまって、実際、実現したときに資本金を毀損するということになってしまうと元も子もないというところはあるので、その点は、少し定性的な話でありますけれども、申し上げたい。

最後1点、自己資本をどれだけ積むかということと関連になるのですけれども、半導体に投資されているということですけれど、別途、AI・半導体産業基盤強化フレームがあるわけです。このJICの半導体の出資というものと、このフレームとの関係がどうなっているのかと。別途チャネルがあるならば、別にJICがやらなくてもいいという判断もあるかもしれないと。そうすると、JICがそういう投資をやらないということは、それだけ自己資本を積まなくていいということになるということでもあるので、その関連でお伺いしたいということです。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございます。

山内委員、お願いします。

〔山内委員〕ご説明ありがとうございました。ご確認が1点とコメント1点です。

前者は、ご説明いただいた内容のJICグループという言い方なのですが、これはLP投資先も含めたJICの投資先全てという理解で正しいのか。それとも、100%保有しているファンドだけの話なのかというグループの範囲の定義をご確認させていただければと思います。

コメントのほうは、今、先生方からお話にありましたValue at Riskですけれど、ご案内のとおり、Value at Riskは平常時であればよく使われる手法かとは思うのですけれども、金融クラッシュが起こったときに必ずしもValue at Riskは使えないので、ストレスチェックをかけるぐらいの少し厳しめの前提条件を置いた管理もされてはいかがかということで、ご検討にもう入られているかもしれませんが、資料上、少し気になりましたので申し上げました。

以上です。

〔翁分科会長〕ありがとうございました。

今、少し質問ございましたので、もし答えられることがございましたらお願いいたします。

〔株式会社産業革新投資機構亀山取締役CSOありがとうございます。

まず丸田委員からのご質問でございますが、Value at Riskについては、ご指摘のとおり、資産の毀損リスクを把握する一側面の評価方法でありますが、今回お出ししたValue at Riskは日経平均225銘柄などの数字の変動を取っていますので、よりポートフォリオの偏りがあるという観点からは、よりリスクがあるという評価もできると思いますので、これだけで我々もリスク評価をしようと思っているものではありません。当然、資産と負債のバランスとか、キャッシュフローとか、金利も上昇していますし、いろいろなリスクがございますので、そういったことをしっかり考えていきたい。具体的な議論は今後させていただければというふうに思っております。

それから、岡田委員からのご指摘でございますが、JSRについては、これは政策的な意義が大事だという点は変わっておりません。産業再編をしっかり進めるべく、既に投資してから1社合併をしておりますし、まずは足元の収益改善ということをやっていますが、それと並行して、再編についてもしっかり取り組んでいきたいと思っております。

それから、土居委員のご指摘でございますが、厚過ぎる出資金は緊張関係を保てなくなるというお話がありましたけれども、まず、JICの投資は非常に大きなサイズでございます。1兆円以上の借入れを既にしている中で、資本金5,500億円となっておりますが、そこのバランスがそれでいいのか。借入れをしないでやっている官民ファンドもほかにあると認識していますし、資本金が仮に毀損した場合に、我々は1兆円の再調達ができなくなるリスクなどもありますので、そこはしっかり、やはりバランスの取れた資本金というのを積んでいく必要があろうかと思っております。

緊張関係という観点ではご指摘のとおりでございますので、仮にその出資金が大きく毀損した場合については、当然JICの体制も見直しをすべきでありますし、そこは政府に人事権もありますので、それはまた別の話としてしっかり緊張関係、ガバナンスというのは継続をする必要があろうかと思います。

あと、AI・半導体戦略との関係は経産省からお話しいただければと思いますが、政府の半導体担当の部署とは日々連携を取りながらやっておりますので、そこに齟齬はないと思っております。

それから、山内委員からのご指摘でございますが、先ほどのVaRも含めて、これは我々の子会社だけではなくて、投資している先の民間ファンドも含めての計算をしてございますし、我々がリスク管理室を立ち上げて、リスクを把握していくという観点からも、もちろん出資先民間ファンドのリスクも含めて全体のリスクを統合していくということで考えております。

ストレスチェックというのはご指摘のとおりであります。社内でもそういう議論をしておりますし、リスクレジスターをして、ヒートマップをつくって、KRIをつくって、リスクアペタイト・フレームワークをつくって、どこまで取るべきリスク、取らないべきリスクを考えるかということも含めて、今、整理しておりますので、そこはしっかり考えていきたいと思っております。

〔経済産業省経済産業政策局河原産業資金課長〕経済産業省のほうから補足させていただきます。土居委員からご発言ありました半導体への投資の関連でございますけれども、先ほど亀山取締役CSOからも話ありましたとおり、政策的意義については先ほどご指摘のAI・半導体産業基盤強化フレームの話も含めて、JICと政策対話を定期的に行っており、経済産業政策局のみならず、商務情報政策局ともやり取りをする中で、整理された施策の方向性を前提としてJICキャピタル及びJICにおいて投資判断がされているという状況でございます。引き続き、政策的意義の観点での齟齬がないように連携して進めていきたいと考えてございます。

以上です。

〔土居委員〕齟齬がないかどうかということを心配しているのではなくて、JIC以外のところでできるフレームとして、JICが発足した後にAI・半導体産業基盤強化フレームができたという経緯の順序からすると、別にJICが引き続き半導体にも出資するとかということをしなくても、他に代わりがあるということがあるのかないのかというところをお伺いしたかった。

〔経済産業省経済産業政策局河原産業資金課長〕ありがとうございました。AI・半導体産業基盤強化フレームの下では、ご案内のとおり、出資、それから債務保証といった金融ツールが準備されてございます。一方で、官民ファンドたるJICが出資という形で、JICキャピタルから出資という形で資本が供与されているということで、その出資の分野で、どういったところが重なり得るのか。ちゃんと補完関係にあるのか。そういったところはしっかりと今後検討していきたいと考えております。ありがとうございます。

〔翁分科会長〕よろしいでしょうか。それでは、今日のキックオフはこういうところで、とりあえず終了したいと思っております。経済産業省、産業革新投資機構の関係者の方々、どうもありがとうございました。

(経済産業省、産業革新投資機構関係者 退席)

〔翁分科会長〕すみません。予定の時間は過ぎてしまいましたけれども、本日の議事はここまでといたします。

先ほども申し上げましたけれども、ご議論いただいた内容を踏まえ、追加的にご意見とかご質問おありかと思いますので、もしございましたら事務局までお寄せいただければと思います。

本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクを行います。議事録につきましては、委員の皆様のご了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載いたします。

次回は7月15日水曜日14時半より開催いたします。

議題は、定例の報告といたしまして、財政融資資金運用報告書などにつきまして、ご議論をいただく予定でございます。

本日は、ご多用中のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。


15時19分閉会