財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録
財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第
令和7年10月29日(水)13:58~15:43
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
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1.開会
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2.副大臣挨拶
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3.令和8年度財政投融資計画の編成上の論点
- ①(株)産業革新投資機構
- 質疑・応答
- ②地方公共団体
- 質疑・応答
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4.閉会
配付資料
議事次第
| 資料1 | 説明資料(株式会社産業革新投資機構) |
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| 資料2 | 説明資料(地方公共団体) |
出席者
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分科会長 |
翁百合 |
舞立財務副大臣 井口理財局長 渡辺審議官 尾﨑総務課長 西川財政投融資総括課長 鈴木資金企画室長 天井財政投融資企画官 伊藤管理課長 高橋計画官 鳩間計画官 |
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委員 |
土居丈朗 野村浩子 丸田健太郎 家森信善 渡辺努 |
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臨時委員 |
有吉尚哉 岡田章裕 山内利夫 |
13時58分開会
〔翁分科会長〕それでは、予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。
本日は、舞立財務副大臣にご出席いただいております。開催に当たりまして、舞立財務副大臣よりご挨拶を頂戴したいと思います。報道関係者が入りますので、そのままお待ちください。
(報道入室)
〔翁分科会長〕それでは、舞立副大臣、よろしくお願いいたします。
〔舞立副大臣〕皆様、お疲れさまでございます。このたび財務副大臣を拝命いたしました、参議院議員の舞立昇治と申します。よろしくお願いいたします。
財政制度等審議会財政投融資分科会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げたいと思います。
このたび私は、先ほど申し上げましたが、理財局の担当となりましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
先日発足した高市内閣におきましては、成長戦略として「危機管理投資」を掲げております。経済安全保障、食料安全保障、エネルギー安全保障など、様々なリスクや社会課題に、官民手を携えて先手を打って行う戦略的な投資に向けて、財政投融資についても積極的な役割を果たすことが期待されているものと承知しております。
本日より、令和8年度財政投融資計画の編成に関しましてご議論いただきますが、委員の皆様におかれましては、財政投融資の役割が最大限発揮されるよう、忌憚のないご意見を賜りますことを心よりお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
今日は、どうぞよろしくお願いいたします。
〔翁分科会長〕どうもありがとうございました。
それでは、報道関係者の方々はご退出いただけますでしょうか。よろしくお願いします。
(報道退室)
〔翁分科会長〕それでは、議事に移ります。本日は、「令和8年度財政投融資計画の編成上の論点」として、株式会社産業革新投資機構及び地方公共団体についてご審議いただきます。
時間が限られておりますので、ご質問、ご意見などはできるだけ簡潔にお願いいたします。
それでは、議事を進めたいと思います。
株式会社産業革新投資機構の関係者の方々が入室されますので、しばらくお待ちください。
(産業革新投資機構関係者着席)
〔翁分科会長〕それでは、「令和8年度財政投融資計画の編成上の論点」についてご審議いただきます。
まず、高橋計画官より、株式会社産業革新投資機構についての、要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いいたします。
〔高橋計画官〕計画官の高橋でございます。私から、産業革新投資機構(JIC)に係る資料の説明をいたします。なお、今後の編成上の論点に係る審議につきましては、時間も限られておりますので、各機関の概要や各機関からいただいている要求の内容、それから理財局が考える編成上の論点などにつきまして、私ども理財局からまとめて説明をさせていただきます。
それでは、資料1の中身に入りたいと思います。
まず、1ページ目でございます。目次です。
最初に、JICの概要についてということで、3ページ目をご覧ください。
JICは、オープンイノベーションの推進による新産業の創出を図るため、政策的に意義のある事業分野へリスクマネーを供給する主体として、2018年に従来の産業革新機構(INCJ)を改組する形で設立されています。
資料の真ん中に「JIC」と書いてある箱がありますけれども、そこから3つの資金の流れがあります。1つ目は、一番右側でございますが、JICから民間のファンドに投資する流れです。2つ目が、右から2つ目の箱のJICキャピタルという子会社のファンドからプライベートエクイティに投資する流れ。3つ目が、右から3つ目の箱になりますが、JIC VGIという子会社のファンドからベンチャーに投資する流れ。以上の3つの資金の流れがあります。
なお、一番左にありますINCJにつきましては、今年に入って、保有していた全ての案件がExitしたということから、今月、JICに吸収合併をされています。
次のページ、4ページ目でございます。JICのこれまでの投資実績になります。
上から民間ファンド向け投資48件トータルの状況、それから次にJIC子会社のベンチャー向け、それからプライベートエクイティ向けファンドへの投資、それぞれの状況をお示ししています。
次の5ページ目です。こちらはJICの投資基準をお示ししています。
JICは、記載の4つの重点分野に投資することとしております。
以上が、簡単ではありますけれども、JICの概要の説明です。
次に、JIC・経済産業省からいただいている令和8年度の要求の内容についてです。
資料の7ページでございますが、こちらが要求の金額を示しているものです。
まず、事業規模については、進行年度であります令和7年度3,900億円から1,200億円増額の5,100億円を計画しております。その財源として、産業投資800億円、政府保証債600億円の要求をいただいております。
政府保証債については、法律改正によりJICの運用期限が2050年まで延長されたことを踏まえ、5年以上の長期の政府保証債の発行を希望しており、5年以上の政府保証債を発行する場合には、財投計画に計上されることから、今般要求に上がってきているものです。
次の8ページですけれども、こちらで要求いただいている産業投資800億円の考え方について説明いたします。
JICでは、リスクマネー供給に支障が生じないようにしつつも、一定の自己資本を確保したいという観点から、実投資額の30%に相当する金額を出資金から充てる、つまり、実投資額の30%に相当する金額を出資金として積み立てておきたいと考えています。先ほど説明しましたが、令和8年度には事業規模、つまり、追加の実投資5,100億円を計画しており、それが令和8年度末に積み上がった場合、棒グラフでもお示ししておりますけれども、約2.1兆円と見込んでいます。その約2.1兆円の30%に相当する金額が6,310億円ということでありまして、令和7年度末の見込額が5,510億円でありますから、不足する800億円について今回要求をいただいたところです。
なお、上の文章の3つ目の丸にありますけれども、経済産業省・JICにおいて、リスク環境の変化や投資の進捗状況等を踏まえた適切な資本構成に係る議論が行われています。その議論が行われている間は、実投資額30%を目安とする柔軟な取扱いも検討することとしております。
次の9ページになります。事業規模の内訳をお示ししています。
令和8年度は5,100億円の事業規模を計画しているわけですけれども、その内訳として、一番右の棒グラフですけれども、一番上の薄い青色のところは、民間ファンドに投資する金額として600億円、真ん中の3,500億円は子ファンドを通じてプライベートエクイティに投資する金額、そして一番下の濃い青色の部分が子ファンドを通じてベンチャーに投資する金額としての1,000億円ということです。
なお、棒グラフの一番左、令和6年度の見込みを示しております。当該年度の見込みは6,300億円でした。実績は、ベンチャー向けの投資が1件当たりの金額が見込みより小さくなったことなどによりまして、見込みに比べて2,100億円減の4,200億円でした。
次に、10ページです。10ページは資金調達の多様化についてです。
要求の内容の説明の冒頭でもお話ししましたけれども、法律改正により、JICの運用期限が2050年まで延長されています。従前は短めの政府保証債のみでしたが、資金調達を多様化し、財務基盤を安定化させるため、来年度は長期の、つまり10年の政府保証債の発行を新たに計画されています。
次に、11ページ、「スタートアップ育成5か年計画」などの政府方針に従い、令和8年度の事業規模5,100億円のうち1,500億円をスタートアップ向けに振り向けることが想定されています。
次の12ページで、プライベートエクイティ向けの投資についてご説明いたします。
今年7月末のこの分科会において、JIC・経済産業省から説明がありましたが、プライベートエクイティに投資を行う子会社と新たに8,000億円規模の2号ファンドを組成するということです。来月に立ち上がる予定とのことです。
令和8年度においては、この2号ファンドからの投資を3,500億円計画しているところでございます。
次の13ページでございます。JICのポートフォリオの状況をお示ししております。
プライベートエクイティに投資する子ファンドの割合が大きくなっておりまして、全体の約75%を占めている状況にあります。
最後でございますけれども、私ども理財局が考える編成上の論点をご説明します。15ページです。3つにまとめております。
1つ目です。先ほど説明したところですが、プライベートエクイティに投資する2号ファンドから令和8年度に3,500億円の投資を想定しています。しかしながら、1号ファンドは、新規の投資期間が終了して間もなく、現時点ではExitの実績は1件もありません。2号ファンドは、投資期間5年ということで8,000億円の規模を想定していますが、投資期間初期であります令和8年度において3,500億円の投資を計画しています。こうした2号ファンドの投資ペースについて、どう考えるべきでしょうか。
2つ目です。令和8年度の事業規模は、令和7年度の投資規模から1,200億円増額して5,100億円の計画です。しかしながら、例えば令和6年度においては6,300億円を見込んでいたところ、1,000億円単位で乖離し、投資実績は4,200億円でした。過去にこうした乖離があったことに鑑みて、令和8年度における5,100億円という全体の投資規模は適切と言えるでしょうか。
最後の3つ目ですけれども、7月末の財投分科会のときにも、プライベートエクイティに投資する子ファンドの投資活動によって目指す業界再編の方向性や、それに向けた時間軸が見えにくいのではないかというようなご指摘をいただいています。JIC・経済産業省において、個別案件の投資が目指す産業再編・産業政策の方向性に沿ったものであることを丁寧にご説明いただきたいと考えております。
以上、私から資料の内容についてご説明をいたしました。ご議論いただければと思います。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、委員の皆様からご意見、ご質問をお願いいたします。こちらの会場にいらっしゃる皆様につきましては、名前の札を立てていただきますようお願いします。オンラインでご出席の皆様につきましては、挙手ボタン、もしくはチャットでお示しください。ご発言の際に資料を引用される場合は、資料番号と該当ページをおっしゃっていただくよう、お願いいたします。
要求側の方々もいらしていますので、ご質問いただいても結構でございます。
それでは、左側から行きます。土居委員、丸田委員、有吉委員の順番で、まず、お願いいたします。
〔土居委員〕ご説明どうもありがとうございました。
JICキャピタルPE2号ファンドについて、少しお伺いしたいのですけれども、2号ファンドが1号ファンドとどう違うのかというところについての、お考えをお伺いしたい。単に1号ファンドで全て出資し切ったということだからなのか、それとも、何かまた別の目的なり意図があって、設置されるということなのかをお聞かせいただきたいということが1点目です。
それから2点目ですけれども、産投要求されていて、それは30%の自己資本というおつもりで、その不足額を要求されているということですけれども、もちろんこれは今の見込みで、来年度実施する出資がフルで実行できたときに、それだけ必要だということかとは思うのですけれども、ただ、資料の3ページにあるように、JICが直接その案件に出資するということは、どちらかというとサブで、メインはJICベンチャー・グロース・インベストメンツとJICキャピタルのほうに出資するというようなことになるのだと思いますので、そうするとかなり間接的なリスクですね、出資した先のファンドのリスクが。まずそこで一旦、実際の最終的な出資先になる企業のリスクを受け止めて、そして、それでもなお受け止め切れない場合に、JICがそのリスクを負うことになるのではないかと思うのですけれども、もともとそういうファンドの性質上。そうすると、30%というのは、もちろんそのパーセンテージについては、これまでもこの分科会でも議論があったところですけれども、そういう構造であるということを踏まえて、それでもなお産投要求で800億円と言っているところは必要だということなのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
以上です。
〔翁分科会長〕後で、少しまとめてご回答いただければと思いますので、それでは、丸田委員、次お願いいたします。
〔丸田委員〕ご説明ありがとうございました。
私からは質問と、あと何点か、「編成上の論点」についてコメントをさせていただきたいと思います。
まず1点目です。4ページ目のファンド投資の概況を拝見していますと、現時点で、ネットIRRがマイナス0.1%ということで、資本コストを回収できていないというのが現状かと思いますので、JIC全体としてしっかりリターンを生むために、今後どのような具体的なプランがあるのかどうかをお聞かせいただきたいという点が、1点目でございます。
その上で、15ページの「編成上の論点」に関するコメントをさせていただきます。まず、ポイント2でございますけれども、8ページと9ページを拝見し、中でも特に9ページ目で気になったのが、見込みと実績を比べると、一番下のスタートアップの取組の実績が見込みと比してかなり少ない点です。こちらについては、見込み時に比して1件当たりの投資規模が小さかったというご説明ではありますが、そうはいっても見込みと実績に相当な乖離がございますし、令和8年度でも1,000億円の要求が出されています。資金ニーズとしても十分あると思いますので、JICとして、要求通りの投資をやり切る十分な体制が整備されているのかという点が非常に気になりました。
続いて、ポイント1と3でございますけれども、先ほどご質問しましたように、現時点でまだ結果が出ていない状況で、今後、3,500億円という多額の投資を行うことに対する評価を行うのは難しい面があると思います。JICキャピタルの扱う案件はそもそも1件当たり投資規模が大きい可能性がある点は承知しておりますが、特に最近取り組んだ大型案件について、今後どのようなマイルストーンでどのようにバリューアップを計画していて、今の取組はどこら辺まで来ているのかということがよく分からないまま、IRRがマイナス0.1%という現状で、十分な回収実績がない中で、これを評価するのはなかなか難しい面があるのではないかと思います。
最後の点は質問になるのですが、P13にありますように、今後も含めてJICのポートフォリオの中でJICキャピタルの割合がどんどん増える中で、かつ案件1件当たりの投資金額も非常に大きいものが想定されている中で、JICとしての投資のポートフォリオの考え方を教えていただきたいと思います。具体的には、何か特定の分野やセクターに偏ったりする可能性があるのかとか、リスクについてどのように考えられているのかという点をお聞かせいただければと思います。
以上でございます。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、有吉委員、お願いいたします。
〔有吉委員〕有吉でございます。私からは、既にお二方の委員から指摘があった点と重複しない点について、PE投資の関係で1点、それからスタートアップ投資の関連で2点、ご回答いただくのがJICなのか経済産業省なのか分かりませんが、ご質問させていただきたいと思います。
まず、PE投資の関連でございますが、先ほど副大臣からもお話がありましたとおり、今次の高市政権においては、危機管理投資ということが強調されていると理解しております。この件についてJICの投資方針等において、どう考えているのか、あるいは今の段階ではまだ考えていないのか、教えていただきたいと思います。
併せて、今回お示しになっている計画や要求を検討されている段階では、当然ながら今次の内閣ということは頭になかったと思うのですが、今日お示しいただいているこの資料や数値との関係で、危機管理投資という部分をどう考慮するのか、あるいはどう整合させていくのかということについて、お考えがあれば教えていただきたいということが1つ目の質問でございます。
それから、スタートアップ投資の関連でございますが、本日の資料ではなくて、公表されているJICの資料を拝見すると、スタートアップ投資について個別案件の投資額を見てまいりますと、大半が1桁億円ぐらいの投資規模で、一部、10億円から20億円ぐらいのものがあって、僅かばかり、それ以上の数十億円の規模の投資案件がある。こういった状況だと理解をしております。
ただ、一方で、国内の成長資金の供給という分野での一番の課題というのは、大きな規模の投資、大きな規模の資金調達が、特に投資家側がいなくて、うまくいっていないということだと認識しております。
また、スタートアップ関係の方々のお話など聞いてまいりますと、特にこの一、二年急速に、小規模でのIPOを目指すのではなくて、できるだけ非上場のまま大きく成長して、ユニコーンを目指そうという動きが国内でも高まっていると伺っておりますし、一方で、国内でシードやアーリー段階のスタートアップ投資は、プレーヤーも特に都市部を中心に大分増えてきているのではないかという声も聞いているところです。
そういった状況において、特にJICを含めた官民ファンドのスタートアップ投資における役割は、どちらかというと大規模な投資という方向にますます傾注していくべきではないかとも思うわけでありますけれど、一方で、直近の実績では、先ほど申し上げましたとおり、投資額が1桁億円台が大半であるとか、本日の説明の資料だと、将来を見据えてという頭書きはあるように思いますけれど、アーリー段階からの支援に注力するような方針を考えているというご説明がある中で、昨今の、特にこの一、二年のスタートアップへの成長資金の供給の状況を踏まえて、JICの役割をどう考えていらっしゃるのか伺いたいということが、スタートアップ関連の1つ目の質問になります。
もう1点は、今の質問というか申し上げたことと若干矛盾する面があるというのは自分でも分かっておるところですが、一方で、地方ではアーリー段階、あるいはシード段階の成長資金の供給が必ずしも十分ではないという話も伺うところであります。そういった意味で、JICにおけるスタートアップ投資という中で、地方のスタートアップとの関係について、どうお考えになっているのか。積極的に、こういう施策で取り組んでいくというお考えがあれば伺いたいと思いますし、地方のスタートアップへの支援というのは、むしろ日本政策金融公庫であるとか他の官民ファンドなり財投機関の役割であって、JICのポジションとしては少し違うというお考えであれば、そういうご説明でも結構だと思うのですけれど、地方へのスタートアップへの成長資金の供給という文脈について、どういうお考えがあるか伺いたいということが2つ目の質問であります。
私からは以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
それでは、続きまして、岡田委員、野村委員の順でお願いいたします。
〔岡田委員〕ありがとうございます。岡田です。
私からは質問ですけれども、こちらの「編成上の論点」であるような、「適切な」という観点ですけれど、規模が膨らんでいくときに歯止めということをどう考えたらいいのかという点です。近年非常に投資の規模が膨らんでいますけれども、どんどん膨らんでいったときに、何を基準に、これは過大だとか、今回だけではなくて、今後、将来にわたってまたどんどん膨らんでいったときに、一体どこで線を引いて歯止めだということを考えるのかという点です。
一つの考え方としては、まだExit案件はないということですけれども、きちんとトラックレコードを見ながら、損失が巨額にならないように進んでいくというのは一つの考え方だと思いますけれども、今回、このケースではまだExitがないという段階での額を非常に膨らましていくということなので、そこはどう考えるのか。
もう一つは、ずっと日本のこういうリスクマネー供給というのは、民間が全然育たないということで、官がある程度出ていかないと、という話がずっと続いていって、本来は民間主導でやるべきですけれども、それでこのように出ていかざるを得ないという中で、この局面でどんどん出ていけば、またさらに民間がそんなに育たないのではないか、民業補完と言いながら、リスクマネーという世界で民間が全然育たないのではないか。
そのときに、金融の世界で、産業革新投資機構の存在のシェアというか規模というか、それを全体の日本の産業と金融という連関の関係で、どの程度のプレゼンスが望ましいと考えていくのかという点。
それと、膨らませていくときに、いろいろリサーチされながら数字として出してこられていると思うのですけれども、これは普通の民間企業であれば、リスクテイクというか事業の計画というのは、民間のそれぞれの組織、企業が、資金集めのいろいろ苦労して、自分たちがリスクをどう取っていくか考えながら資金を投じていくのだと思いますけれども、こういう官民ファンドという組織の特性上、責任問題はどう考えるかというときに、自律的にこの程度でとどめておこうというのは、単に専門家の良心に期待するだけでしかないのか。仮に、JOINでありましたけれども、将来、巨額の損失が生じた場合に、例えば所管官庁の幹部の方が責任を取るとか、産業革新投資機構の責任はどう取るのか、その責任というのは、どんどん膨らんでいっているので、そこはどう考えていくのかという点、その辺りを教えていただければと思います。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
それでは、野村委員、お願いします。
〔野村委員〕野村です。ご説明ありがとうございます。
私は、皆さんと同じく「編成上の論点」に関わることで、お伺いとコメントです。
PE2号ファンドの規模が適正かどうかということですが、小さいとも言えるし大きいとも言える。というのは、第1号ファンドの実績からすると少し大き過ぎるし、それから、この目指すところにある業界再編や事業再編を考えると、逆に規模が小さいのかもしれないとも言えるかと思います。
私がお伺いしたいのは大型案件についてですけれども、この注力5分野、その他4分野が挙げられているわけですけれども、このどこの分野に、特に注力していくのかが見えにくい。全ての分野において業界再編するほどの規模の額ではない。では、どこに注力するのかをお伺いしたいということが1点です。
そしてもう一つは、これはコメントですけれども、やはり大型案件の場合、特に業界再編などに関わるような大型案件の場合、それによってどのように変わっていくのかというストーリーを国民に分かりやすく説明する必要があると思っています。特に、JSRへの1兆円投資などが話題にはなりましたが、半導体の材料の業界再編を目指していらっしゃるということですけれども、やはりストーリーが見えにくい。もちろん、今、技術開発中であり、結果が出ていないから、分かりやすく説明するのが難しいということはあると思いますけれども、とはいえ、やはり投資額が大きいところなので、そこはやはりもっと説明する責任があるのかと思っていますので、その点についても留意する必要があると思います。
以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
それでは、この段階で、皆様のご質問やコメントにご回答いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
〔経済産業省産業政策局河原産業資金課長〕ありがとうございます。経済産業省産業資金課長の河原でございます。まずは、経済産業省からお答えさせていただきます。
様々なご意見を賜りまして、また、ご質問を賜りまして、ありがとうございました。この中で、一部重複されている部分もございましたので、分野ごとにくくりながら、ご説明をさせていただければと思ってございます。
まず、最初に、要求自体、資料で申し上げますと7ページ、8ページ目のところ、特に8ページでございます。
例えば土居委員からは、800億円の要求、あと30%という考え方だけれども、ファンド・オブ・ファンズであるJICにおいて、これの必要性をどのように考えるのかというご質問などを頂戴いたしました。
まず、30%の考え方自体でございますけれども、これは高橋計画官からも一部ご紹介がございましたとおり、30%については、リーマンショックの発生前後におけるアメリカの民間ファンドの平均的な評価損の毀損率が約3割であったということを踏まえまして、これは参考にも書いておりますけれども、それに鑑みて、こういった30%を出資金で賄いたいという考え方でございます。
ただ、留意すべきは、本データがファンド全体のデータを網羅したものではない、また、ファンドごとにばらつきがあるということでございますので、関係者で検討を進めております適切な資本構成に関する議論においても、この点留意が必要だと思っております。
こういった観点から、今回要求では3割ということでご要求させていただいておりますけれども、ご案内のとおり2050年までJICの運用期限が延長されたということもございます。また、足元の状況を見ますと、金利上昇の影響によって、例えば米国市場においては、ファンドの投資家への分配金の停滞、あるいはファンド期間の長期化といったリスク環境の変化も生じておりますので、30%であれば十分であるということにとどまらず、適切な資本構成についてしっかり検討していきたいと考えております。そういったことも念頭に、今般800億円という形でご要求をさせていただいたというものでございます。
また、ご質問の中で、資料で申し上げますと9ページ目でございますけれども、事業規模の内訳、それから今後の見通しについても、ご指摘を賜りました。
例えば、丸田委員からは、令和6年度の実績が少ない、特にスタートアップ分野が少ないのではないか。それから、令和7年度はどうかというご指摘もございました。また、その裏返しで、スタートアップについては、その体制もしっかり考えないといけないのではないかというご指摘も頂戴しておりました。
まず、令和6年度、スタートアップ分野への投資が進まなかったという点につきましては、例えば事業計画や内容、バリュエーションなどの精査を踏まえて、投資適格と判断された対象がシード、アーリー分野に集中したということで1件当たりが小さかったこと、また、投資決定したとしても、先方企業の進捗の遅延などによってキャピタルコールの時期がずれてくる、こういったものも影響してございます。
また、併せて、これはご説明の中では触れられておりませんでしたけれども、JICキャピタルの部分、PEと書かれている真ん中のブルーの部分についても、個別案件の中で、産業競争力強化法の関係からキャピタルコールが先送りになり時期がずれたというのが主要因でございます。
令和7年度、令和8年度に向けては、ご指摘いただいたスタートアップ向けの投資の体制については、1つには、VCに対するLP出資、それからもう一つには、JIC VGIによる直接の投資ございますが、体制整備についても、足元でも進捗しており、引き続きしっかりと整備していくことが重要だと考えてございます。
また、そのほかに、スタートアップ関連で申し上げますと有吉委員から、様々ご指摘いただきましたけれど、より規模の大きい調達が必要になってくるという話、それから地方のスタートアップに関するご指摘も賜りました。
まさに地方のスタートアップの育成というのも非常に重要な論点だと考えてございます。JICがLP出資をしている民間VCの中には、東京ではなく地方を拠点としているものも多くございます。こういったところでのLP出資は、既に足元でも行われていると認識しておりますけれども、こういった取組を通じて、しっかりと地方のスタートアップの支援にも関わっていく、貢献していくということが重要なものだと考えております。
また、1点目の、特に大きなスタートアップに対する支援、規模も大きくなっていく、また、投資側も、大きな規模の投資が必要になってくるではないかというご指摘については、おっしゃるとおり、まさにスタートアップ5か年計画の中でもしっかりとユニコーンをつくっていこうという議論の中で、5か年計画が立てられておりますし、この中で、策定当時8,000億円規模であった投資額を2027年度に10兆円に引き上げていくという議論も行われております。
この中でJICが果たすべき役割でございますけれども、この5か年計画の中でも、2050年まで延長したということに加えて、JIC VGIの1号ファンドに続く2号ファンドの立ち上げ、そしてオポチュニティファンドなどございますけれども、こういったところの取組が進んでいると考えてございますし、この目標に向けて、JICにおいてもしっかり取り組まれることが重要と考えております。
また、特に、併せてご指摘ありました小粒上場よりも大きな形でということで考えますと、まさに東証でもグロース市場改革の議論がございますけれども、JICにおいても、日本のスタートアップ・エコシステムの成長発展のために、グロース、セカンダリー、アフターマーケットなど市場に十分備わっていないプレーヤーの育成などのために取り組んでいくということ、また、グループ会社のVGIのオポチュニティファンドによってセカンダリー市場、また、グロース市場を下支えすることで、この市場の発展、また、小粒ではなく、より大きく、いわゆるユニコーンに育っていくというためのエコシステム拡大に貢献していくことが重要だと考えてございます。
また、PE関係でも様々なご指摘を頂戴いたしました。土居委員からは1号ファンドとの違いはどういうところにあるか、また、野村委員からも、特にどの分野に注力するのか、JSRなどの大型案件への投資意義について、しっかり説明責任を果たしていくべきというご指摘を頂戴しております。
まず、1号ファンドとの違いというところで申し上げますと、今投影いただいております資料の右下にございますけれども、1号ファンドを創設したときと比べて、足元では大型案件が増えているという傾向、また、今後も増えていくであろうという傾向を踏まえまして、ファンド自体こういった規模感での設定となってございます。
その上で、テーマについては、1号ファンドと、おおむね同様の分野が示されておりますけれども、下から2ポツ目にございますとおり、事業会社や民間ファンドとの共同投資を積極的に活用していくということは大変重要な点であると考えてございます。1号ファンドと比べて、さらに共同投資を進めることにより、民間PEファンドの大型案件への取組経験をしっかりと後押ししていくということ、結果として、日本のエコシステムの発展にもさらに寄与していけるのではないかと考えてございます。民間のPEファンドでファンドサイズを大きくする際には、単にLP投資の規模が大きくなるということだけではなく、その前提として、それだけの大型案件に取り組んだ経験があるかというところが大きく問われてくると考えておりますので、共同投資に注力することを通じて、その点も後押ししていければと考えております。日本フォーカスのPEファンド、特に大型案件に対応できるPEファンドの層が、足元では薄いという状況がエコシステム上の大きな課題だと考えておりますので、ここにもしっかり対応していきたいと考えてございます。
また、JSRをはじめとする大型案件への投資につきましては、資料に掲げております注力5分野、そのほか4分野、この中で濃淡が特にあるということではございませんけれども、個別の案件を審査することを通じて、政策的意義をしっかりと確認していくことが重要だと考えてございます。
具体的には、JICにおいては技術開発や事業化までに長期間を要してしまうような大規模な成長投資、あるいは、事業再編のように事業体制の抜本的な変更などに中長期で取り組む必要がある経営改革については、リスク・リターンの観点から、現状では民間のPEファンドのみでは支援が難しいというものも存在しておりますので、こういった部分が、JICが特に注力すべき案件だと考えてございます。
当然ながら、その際には民業を補完するという観点からの判断、審査というものも重要だと考えてございます。
また、JSRをはじめとする大型案件について、政策意義、産業政策の方向性に沿ったものであるかをしっかり説明していくべきというところは、ご指摘のとおりと考えてございます。
JICキャピタルが行いました個別案件については、実施の際に背景や目的、意思決定の過程などは公表されてございます。例えば、ご指摘のJSRにつきましては、半導体材料を主とする電子材料分野の再編統合を目指す案件でございまして、半導体事業を中心とするデジタルソリューション事業などの事業拡大及び業界再編の推進に対して、JICキャピタルが支援を行うことによって、JSRの成長戦略を円滑に推進できるということが政策意義として示されておりこの方針は経済産業省の戦略とも一致していると認識しております。詳細は割愛いたしますけれども、経済産業省においても半導体・デジタル産業戦略を公表してございまして、この中で半導体についても、サプライチェーンの強化を含め、安定供給体制の構築など、しっかりと掲げているものでございます。こういった戦略とも一致するものだと考えておりまして、引き続き、JICにおいて、プレスリリースや記者会見など様々な機会を通じて、ご指摘の点も踏まえて、可能な限り分かりやすく丁寧に説明、発信されることが重要だと考えてございます。
それから、同じくJIC PEファンドにつきまして、有吉委員から、危機管理投資との関連性などもご指摘がございました。JICの投資活動におきましては、先ほど申し上げました政策意義の観点から、すなわち、産業競争力強化法に基づく政策投資機関であるという立脚点に立って、既存企業における産業や組織の枠を超えた事業再編など、民間だけでは対応できないところをしっかりとやっていくという組織でございます。
こういった意義にかなうものという観点から支援したものが、結果として、危機管理的な投資に関わるケースもあろうかと思ってございます。
また、経済産業省におきましても、JICとの間で、政策対話という形で、定期的あるいは必要に応じてアドホックに、政策課題あるいは政府が考える政策的意義、産業戦略などを意見交換してございますので、ご指摘の点も含めて、しっかりとやり取りをしていく必要があると考えてございます。
続きまして、次の13ページ目の関連で、ポートフォリオに関するご指摘、JICキャピタルの2号ファンドの投資ペースに関するご指摘を頂戴いたしました。例えば、丸田委員からは、2号ファンドについて、大型案件の状況をしっかりと見てから考えたらどうか、あるいはポートフォリオのところで、JICキャピタルのポートフォリオをどのように考えているか。また、岡田委員から、その歯止めということで、将来的にどのぐらいの上限を考えるかといったご指摘を頂戴いたしました。
まず、1号ファンドのトラックレコードが出ていない中で2号ファンドを始めるという部分でございますけれども、1号ファンドの投資期間が終了する一方で、国内事業会社で事業再編などの必要性が増大し、案件規模も拡大しているという市場環境の下で、2号ファンドのパイプラインも積み上がっているという状況でございます。この足元のパイプラインから、確度の高い案件を念頭に置いて、来年度、3,500億円の事業規模を想定しているものでございます。当然ながら、案件の状況に依存いたしますので、見込みから変動することもございますし、また、詳細な見通しが立てにくいことは事実でございまして、当然ながら、投資するかどうかのタイミングで見送る案件もあれば、タイミングについても先方の事情で変わってくるということもございます。ただ、いずれにせよ、必要なタイミングで必要な出資がなされるということが重要だと思っております。したがいまして、JICあるいはJICキャピタルの投資検討においては、想定ありきではなく、厳格に審査の上で、必要な案件に必要な投資がなされるよう、しっかりと審査いただき、是々非々で判断されることが重要だと認識しております。当然ながら、1号ファンドの結果が出てくる中で、成果が必ずしも十分ではない、あるいは反省すべき点など出てくる可能性もあろうかと思います。そういった場合には当然、JICにおける、JICキャピタルの運営するファンドの管理や、JICキャピタルにおけるファンドの運営の在り方についてもしっかりフィードバックして、改善を重ねていくことが重要なものだと思ってございます。
また、ポートフォリオにつきまして、JICCの割合は、ご指摘のとおり、冒頭のご説明にもございました74%程度となっております。当然、PE投資とスタートアップ投資では投資対象の企業のサイズやリスクが異なるため、割合のみでの判断はできないと考えております。
ただ、大型案件が全体に与える影響は当然大きいものでございますので、しっかりモニタリング管理していくことが重要ですし、今年の7月の本分科会でも大型案件の進捗をご報告したところでございます。また、こうしたポートフォリオも踏まえて、しっかりと適切な資本構成について議論していくことが重要だと考えております。
いずれにせよファンド・オブ・ファンズとしてJIC全体のポートフォリオ、そして財務管理の徹底を後押ししていきたいと考えてございます。
また、岡田委員から、責任問題の考え方について、しっかりとガバナンスを利かせるべきといったご指摘を頂戴いたしました。こちら、どのようにガバナンスを利かせるかというものは非常に重要な課題、論点だと思ってございます。
国からJICへのガバナンスということで申し上げますと、産業競争力強化法に基づき、経済産業大臣が、まず第1に、取締役、監査役の選任などの認可を行う。また、第2に、JICが投資を行う際に従うべき投資基準を定める。そして第3に、JICの各事業年度の業務実績を評価し公表する。こういった形で、JICに対して一定の権限を有し、ガバナンスを行っているところでございます。
また、先ほど申し上げましたとおり、政策的意義のすり合わせの観点から、政策対話も行っているところでございます。
さらに、産業競争力強化法改正により2050年まで運用期限が延長したことも踏まえ、足元では、直近の投資基準の告示におきまして、出資先ファンドの投資活動の現状をデータに基づいて定量的に判断すべきであり、いわゆるEBPMを徹底していくことや、人材などの経営資源の安定的な確保をしっかり行っていくといったことも明記することで、ガバナンスについても、状況の変化を踏まえながら強化していく形で、今、取組を進めているところでございまして、どういった形が適切なガバナンスかというところを念頭に、今後も政策対話や、投資基準告示の必要に応じた見直しを通じて、JIC側に求めていきたいと考えておりますし、その裏表として、経済産業省も責任を持って、この分野に取り組んでいきたいと考えております。
経済産業省からのご回答は以上でございます。ありがとうございました。
〔翁分科会長〕JICからもよろしくお願いいたします。
〔株式会社産業革新投資機構亀山取締役〕産業革新投資機構の亀山と申します。今の河原課長からのご説明の補足として何点か申し上げたいと思います。
まず、土居委員の2番目のご質問について、JICが直接投資ではない、間接投資であるというお話もございました。ここは、その投資先のファンドがさらに企業に直接投資をしているわけですが、そこで毀損した部分は最終的にはLP投資家としてJICに跳ね返ってくるところはありますし、子会社については、100%子会社でやっておりますので、そこのリスク管理というのは大事であろうと思っております。
先ほど河原課長からもありましたが、資本構成の見直しについて、我々も運用期限が2050年に延びる中でいろいろなシミュレーションをやっておりまして、例えば「バリュー・アット・リスク」という形で、今のエクスポージャーについて市場の環境の変数を入れながらモンテカルロ・シミュレーションを行っておりますが、それに照らすと資本比率30%で十分なのかというような議論もありますので、そこは引き続き政府の皆さんと議論を進めていきたいと思っております。
それから、丸田委員からのご指摘で、現状まだネットIRRがマイナス0.1ということでございます。これは、我々投資をしてまだ数年でございますので、いわゆる投資のJカーブを掘っている状況でございます。しっかりリターンを出すためのプランがあるかというご指摘がありましたが、当然1件1件、投資をする際に委員会でしっかり事業成長や投資回収のプランについて議論をしながら決めておりますし、全体としてもしっかりバリューアップの体制を組んで取り組んでおりますので、回収フェーズをぜひ見ていただきたいと思います。
それから、スタートアップの取組について、特に実績が出てないというご指摘もございました。こちら、当然、投資というのはタイミングをコントロールできるものではありませんので、市場環境にもよりますし、相手がいる話でありますので、まず、そこが大前提としてありますが、想定どおりに金額が積み上がらなかったというところがございます。1件当たりの投資規模が小粒になっているところはありますが、件数で見れば、全体としては100件を超える件数になってきておりますし、スタートアップの資金の底上げには貢献できているのではないかと考えております。
先ほどグロース市場改革の話も少しありましたが、上場維持基準の見直しによって、今、足下では、スタートアップ・VC含めて、しっかりバリューアップをしなければいけないという意識や、未上場段階からしっかり、セカンダリーなどを含めてバリューアップをしつつ、上場した後も成長していくという意識がかなり強くなっていますので、これは大きな変化だと思います。今、足下の案件が小粒になっているのは、投資側の問題というよりは、投資を受ける側において、なかなかそういった大規模な調達や、いい案件が出てきていないということが現状であろうと思っておりますが、そこはこれから変わっていく、大型の案件もこれから増えてくるという肌感覚を持っております。
それから、ポートフォリオについてもお話ありましたが、PEのポートフォリオは当然、VCとは全然規模も違いますし、リスクも違うのですが、大事なことは、大型案件の中でもポートフォリオをしっかり組んでいくということだと思っております。大型案件という意味では、まだ2件ぐらいしか我々は投資できておりませんけれども、ポートフォリオを組んで、投資を分散していけば、それだけ元本を毀損するリスクが下がっていきます。INCJも大型案件の中でポートフォリオを組み、しっかり全体としての利益を上げたというところもございますので、そこはそういう観点も踏まえながら取り組んでいきたいと思っております。
それから、有吉委員のご指摘について、スタートアップの話は先ほど申し上げたとおりでございます。足下の案件が小さいことについては、我々も悩んでおります。先ほど少し言及いただきましたけれども、我々として、グロースの段階でもっとお金を出したいというのはあるのですが、案件が出てこないことにはしょうがないので、シード、アーリーの段階から、グローバルマーケットも見据えながら、大きくなろうという意思を持ったスタートアップをしっかり育てていくことが大事であります。したがって、これまで我々は、アーリーステージにはお金が回っているということで投資をしていなかったのですが、アーリーステージの段階からグロースを見据えて支援できる、そういうファンドについて支援をしていこうということで方針を変えております。問題意識は委員のご指摘と全く同じであり、そういった取組を始めているということでございます。
それから、先ほども申し上げたセカンダリーやアフターマーケット、こういったところはそもそも投資家がほとんどおりませんので、そこは積極的にJICがLP出資、それからVGIを通じた直接の投資も含めて、今取り組んでいるところでございます。
それから、岡田委員からのご指摘ですが、大型投資の歯止めが利かないのではないかというのは、しっかりコントロールしていくということに尽きるのですが、我々も2050年まで運用期限が延びましたので、中長期的にどういった投資をして、どういった調達をしていくかということも考えながら、中で議論をしておりますし、JICキャピタルの2号ファンドでは、旗艦ファンドは1,000億円の上限とし、プラスで共同投資ファンドを用いるといった上限も設けながら、しっかりコントロールしていくということであります。
それから、民間をどう育成していくかというご指摘もありました。日本のVCはグローバルで見ればまだレベルアップの余地はあると思っておりますし、国内のPEファンドは大型案件に対応できるプレーヤーが少ないので、そこはまさに、育成という観点が我々の投資の重要な意義の一つでございます。民間の通常のLP投資ではそうした観点は考慮されないわけですけれど、我々は投資先に必要な注文をつけながら、レベルアップを一緒に図っていくということで取り組んでおりますので、そこは我々の存在意義の大きな一つだと思っており、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと思います。
そして最後に、野村委員のご指摘で2号ファンドのサイズ感というのがございました。ご指摘のとおり、政策的には非常に意義の大きい分野だと思っておりまして、産業再編等を各分野でしっかりやっていこうとすると、リソースは幾らあっても足りないと思っております。
したがって、先ほどの話につながるわけですけれども、当然、我々で全部やろうということではありませんで、2号ファンドはそういう観点で民間との共同投資をこれまで以上に積極的に模索していくとしておりますし、その中でしっかり民間プレーヤーを育てていくということで、我々の役割も、民間プレーヤーが育ってくれば当然徐々に小さくなっていくと思っておりますので、そういう方向性で取り組んでいるところでございます。
私からの補足は以上でございます。
〔翁分科会長〕追加的にございますか。よろしいですか。
お伺いしたいのですけれど、PEファンドについては、JICが一緒に取り組まれている、または投資しているPEファンドというのは、ほとんどが国内のPEファンドだという理解でよろしいですか。
〔株式会社産業革新投資機構亀山取締役〕その点は、国内、国外両方あります。最近、トプコンに投資をいたしましたが、これは我々と外資のKKRで一緒に組んで投資をしておりますので、組む相手としては国内外無差別でございます。ただ、育成という観点については、当然我々が外資のPEファンドを育成するというものではないし、そのようなニーズもないので、そこについては国内のPEファンドとしっかり連携しながらやっていくということかと思っております。
〔経済産業省産業政策局河原産業資金課長〕関連で補足させていただきます。今申し上げましたとおりでございますけれども、大型案件を扱う日本フォーカスのPEファンドをしっかり育成していくという観点からは、外資系のPEファンドであっても、日本フォーカスのものがあり、かつ、資金需要がある場合には、対象として入り口で排除しているわけではなく、その意味では内外無差別であるという点も付言させていただきます。ありがとうございます。
〔翁分科会長〕PEファンドを育成するという視点は、国内のPEファンドについては課題なので、取り組んでいっていただきたいという一方で、グローバルで見ると、今、PEファンドは、特にアメリカを中心に、いろいろなリスクが指摘されるようになってきているので、リスク管理という点でも、重要になってきているかと思っております。この多分資本をどういう構成にしようかというところの議論と関係しているのかと思うのですけれども、この辺り、もちろんウォッチされてしっかりと取り組んでいかれることを希望しております。
ほかにはよろしいですか。山内委員、お願いします。
〔山内委員〕どうもご説明ありがとうございました。今ご質問があった育成の点で、ご説明いただいたことで全体像は非常によく私は理解できました。
その上で、共同投資と育成という話で私が認識しているところは、共同投資の場合は育成効果というよりは、向こう側から学ぶことのほうも結構あるのではないかと思っています。特に外資のプライベートエクイティはリターンに対する考え方が根本的に違うので、JIC、JICキャピタルが許容できる政策と収益のリターンの話などなかなか難しいところも出てきて、その点も含めて共同投資先と一緒に考え、投資していく、経験を自分たちも積み、相手にも伝えていくということが、ポイントの一つとしてあるのかと思います。
他方で、日本のPEのマーケットを育てていくという観点では、LP投資のウエートをより増やしていってもよいのではないか。JICキャピタルの残高が大きくなっているのでLPの方が相対的に小さく見えますが、おそらく世の中的に、少なくとも金融エコシステム的にありがたいのはLP投資でもっと入ってきていただくことだと思います。プライベートエクイティは案件をやる際に最初の資金調達で苦労することが多いので、ノウハウの提供だけではなく資金も提供することによって、まさにJICの前身組織のINCJがベンチャーキャピタルの世界を育ててきたのと同じようにJIC、JICキャピタルがLP投資家として、プライベートエクイティを育てていくシナリオというのは十分あり得るのではないかと思います。
これはコメントでございます。ありがとうございました。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは、ここで、株式会社産業革新投資機構についての質疑は終了したいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、ご退席をお願いいたします。
(産業革新投資機構関係者退席)
〔翁分科会長〕続きまして、地方公共団体の関係者の方々が入室されますので、少しお待ちください。
(地方公共団体関係者着席)
〔翁分科会長〕それでは、鳩間計画官より、地方公共団体についての要求の概要及び編成上の論点の説明をお願いいたします。
〔鳩間計画官〕ありがとうございます。計画官の鳩間でございます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
地方公共団体向け財政融資についてご説明させていただきます。本日は、総務省自治財政局からもご同席をいただいております。よろしくお願いします。
それでは、地方債制度の簡単なご説明からスタートさせていただきます。3ページをご覧ください。
こちらは地方財政計画・地方債計画・財政投融資計画の関係を表したものでございます。
一番左でございますが、地方財政計画に計上されております普通会計の地方債に水道事業等の公営企業債を加えたものが、真ん中の地方債計画となっております。この地方債計画の資金需要をどうやって手当てするかというのが資金区分、右側でございまして、地方債の調達先を分類したものです。この資金区分の上2つが公的資金で、下2つが民間資金となっております。公的資金のうち財政融資資金分が、一番右の財政投融資計画の一部となっており、2.3兆円ございます。
4ページから5ページにかけましては、令和7年度の地方債計画でございます。財政融資資金に関連する項目の抜粋をさせていただいております。
計画額についてはご覧のとおりでございますが、財政融資資金について制度改正しておりまして、5ページの真ん中のところです。
財政融資資金の償還期間延長ということで、過疎対策事業のうち公共施設マネジメント特別分に限りまして、固定金利方式の償還期間を延長しております。こちらが地方債計画の概要でございます。
続きまして、地方公共団体向け財政融資の現状ということで、これまでの振り返りと足下の状況をご説明させていただきます。
7ページをご覧ください。こちらは地方債計画額の推移を資金区分別にお示ししたものでございます。
左から右にかけて最新のものとなっておりまして、財政融資資金は棒グラフの一番下の濃い緑の部分となっております。地方債全体に占めます割合が、令和7年度は25%程度となっておりまして、近年減少傾向となっております。また、地方債計画全体額で申し上げますと、平成25年度は13.6兆円程度でございましたが、足下は9.1兆円となっております。
続きまして8ページ、こちらは事業ごと、どのように使われているかというところでお示しした区分でございます。
公共事業等は減少傾向になっている一方で、上下水道ですとか教育・福祉施設等整備事業の計画額は増加傾向にございます。
なお、教育・福祉施設等整備事業には、学校ですとか社会福祉施設のほか、一般廃棄物処理施設などの整備事業も含んでいるところでございます。
また、臨時財政対策債、赤く示されているところでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響がありました令和3年度を除きますと減少傾向にありまして、令和7年度は新規発行が予定されておりません。
続きまして、9ページをご覧ください。これまでのページは各年の計画額でございますが、こちらは残高ベースでどのような使われ方をしているかというところでございます。
まず、残高ベースの高さでございますが、平成15年度の72.5兆円をピークに減少しておりまして、足元では39.2兆円、10年ほど前の平成26年度と比べましても、51兆円から大体5分の4ぐらいになっている状況でございます。全体としては、10年間で10兆円以上減少しております。
残高ベースで使途を見てみましても、公共事業は減少している一方で、水道事業ですとか教育・福祉施設等整備事業が増加しているという姿が見て取れます。
次のページ、お願いいたします。こちらは事業区分ごとに、地方債計画に占める財政融資資金の割合の推移をお示ししております。
災害復旧など、国が責任を持って対応すべき分野につきましては、大半を引き受けておるところであります。
上下水道など、国の政策と密接に関係のある分野につきましては、時々のニーズに柔軟に対応しておりまして、近年は教育・福祉施設等整備事業において、財政融資資金の占める割合が増加傾向にあります。
続きまして、現在編成で議論しております令和8年度要求の概要に移らせていただきます。こちらは12ページ以降でございますが、総務省から提出されました令和8年度要求の概要です。
ご覧いただければ分かりますけれども、令和7年度の計画と同様の前提を見込んでおりまして、現在、前年度と同額となっております。
規模といたしましては9兆903億円でございまして、財政融資資金の要求額は2兆2,688億円となっております。いずれにいたしましても、今後の編成の過程で地方財政収支の検討が行われていく中で、数字が確定していくこととなるところでございます。
13ページから16ページについては、参考資料ということで、割愛させていただきます。
それでは最後の項でございますが、「編成上の論点」に移らせていただきます。
まず、18ページをご覧いただければと思います。本年度は、「上下水道の老朽化対策に資する事業への考え方について」を取り上げさせていただきました。
こちらは、本年1月に埼玉県八潮市で下水道管の破裂に起因すると思われる大規模な道路陥没事故がございました。進行するインフラ老朽化への対応は急務となっておりまして、老朽インフラの更新に対する資金需要は増加している状況でございます。
これを踏まえまして、上下水道につきまして老朽化の現状をご紹介させていただきます。左側が上水道、右側が下水道となっておりまして、耐用年数を超えました管路の割合、いわゆる経年化率が年々上昇している姿が見ていただけるかと思います。こちらの背景となっている課題についてご紹介させていただきます。
下のほうをご覧ください。
まず、職員の減少が挙げられます。上下水道事業に関わる職員がピーク時に比べて4割前後減少しているほか、下のグラフにお示ししておりますとおり、特に小さな事業体、5万人以下の流域人口の事業体について、少ない職員数で事業を行わざるを得ないという姿が見て取れます。こちらが人員面での課題でございます。
続きまして、19ページでございます。こちらは、事業規模別での料金回収率等のグラフを載せております。
人口減少等による収入減少と維持管理コストの増大によりまして、経営は厳しさを増すことが確実となっております。一方で、小規模な事業者ほど料金回収率や経費回収率が低く、原価を回収できていないという状況が見てとれます。
こうした課題に対応するため、現在、関係省庁等におきまして、事業の広域化等に向けました様々な施策の検討が進められているところであります。詳細は割愛させていただきますが、例えば、本日ご臨席の総務省におきましては、公営企業のさらなる経営改革ということを推奨されております。23ページに資料をつけさせていただいておりますので、後ほどご参照ください。
また、水道事業の見える化について、国土交通省で水道カルテを公表されていらっしゃいます。上水道が足元の取組ですが、下水道カルテというものも検討されていると伺っておりまして、今後の進捗を期待しているところでございます。
続きまして、20ページをご覧ください。こちらはファイナンス面での分析になります。
地方公共団体向け財政融資貸付の実績におきまして、20年を超える年限の貸付、特に30年を超える年限の貸付の割合が拡大してございます。年限の長い地方債に対する需要は上昇傾向にあると認識しておりまして、長期の財政融資貸付の役割が拡大していると認識しております。
こうした状況を踏まえまして、編成における考え方を21ページにまとめさせていただきました。
まず、償還期間の長い上下水道などのインフラ事業に対する財政融資資金の活用につきましては、長期の事業計画が立てやすくなるといった意義があると考えております。その上で、関係省庁等における広域連携等に向けた取組を資金面からサポートすべく、地域のインフラ老朽化対策ですとか、耐震化の加速化に資するような事業に対しまして、例えば、広域化等の経営基盤の強化に取り組む地方公共団体を積極的に支援すべきではないかとしております。
小さい字で書かせていただいておりますが、例えば上下水道の広域化等に資する事業につきましては、既に地方債同意等基準運用要綱におきまして、公的資金を優先的に配分するとなっているところでございます。
一方で、償還確実性の面について、留意点を書かせていただいておりますのが下の丸でございます。償還年限の長期化に伴いまして、償還確実性の確認を継続して行う必要があると考えておりまして、財務局等による継続的な実地監査ですとか財務状況把握は引き続き重要であると考えております。
また、財務局等においてこうした資金需要の相談に応じるに当たりまして、各地域での広域化等の検討状況ですとか、経営基盤強化への取組状況の把握など、地方公共団体と財務局等とのコミュニケーション、あるいは、この場でもご紹介いたしました課題解決支援も重要であると考えておりますところ、こうした取組を引き続き進めるべきではないかとしております。
以降の資料は参考資料としております。割愛させていただきます。
私からの説明は以上とさせていただきます。ありがとうございました。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明を踏まえまして、委員の皆様からご意見、ご質問をお願いいたします。
要求側の方々にもご質問いただいても結構でございます。
それでは、土居委員、山内委員の順番でお願いいたします。
〔土居委員〕ご説明どうもありがとうございました。
8ページにあります、これまでの財政融資資金の計画額ですけれども、私が18年前に『地方債改革の経済学』という本を出して以降、臨時財政対策債はずっと出し続けられていたわけですけれども、ようやくというか、ついにというか、臨時財政対策債は発行しないという新たな局面に入ったなと。そういう感慨深いところがあるわけですけれども、それはさておき、本題に入りたいと思うのですが。
特に、今日の分科会で上下水道を取り上げられていて、非常に重要な論点だと思います。特に上下水道で長期的に財政融資資金から融資するということになると、当然ながら、21ページにあるように、広域化と整合的に、今後、財政融資資金を融資するということをしていっていただきたいと思います。
その際、一部事務組合などで広域化を対応するということになったとして、ただ、あまり一部事務組合が起債しないようでありますし、さりとて広域化して構成する地方公共団体が、個々の地方公共団体として公営企業が融資を受けるということになると、運営主体は広域的なのだけれども、債務を負うのは個々の構成する公営企業会計ということだとすると、そこはしっかり広域化と矛盾しない形で、債務償還はその責任をそれぞれ債務者が負っていただくというところは、変にそこは混同しないように、しっかりと債務者としての責任を全うしていただけるような形で支援をしていただくことが必要かと思います。
もちろん広域的な事業体が融資を受けるということであれば、それはそれで運営主体と債務者は矛盾しない形になる。それは悪くないと思うのですけれども、必ずしもそうでない場合には、そういう運営主体と債務者の間の利益相反みたいなことが起こらないようにしていただきたいということと、既存の上下水道の公営企業債があるわけですが、その運営主体が広域化することもしていただきたいわけですけれども、当然ながら既存の債務があるので、その既存の債務との関係で、特に料金設定とか、そういうところで償還確実性に支障を来さないように広域化を進めていただくということも、これはこれとして、債権者としての理財局の重要な役割だと思いますので、様々にこれまでも実地監査だとか、様々な財務状況把握を通じたアドバイザリー機能とか、そういうことは、今後も引き続き、上手にアプローチしていただいて、償還確実性と効率的な運営が矛盾しないような形で、サポートするということをしていただきたいと思います。
以上、意見です。ありがとうございます。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、山内委員、お願いします。
〔山内委員〕ご説明ありがとうございました。21ページの論点の2点目につきましては、私も積極的な支援に賛成でございます。その上で、これは後藤課長へのご質問となるのですが、人材面について1点お教え下さい。
SNSを拝見していますと最近の上下水道に関しての一般の方々の反応はとても高くなっていると思います。埼玉の件だけではなく、あの後に、うちでもこういうことがあったということが日本全国津々浦々で出てきています。一般の方々の関心がとても高まっている状況だとすると、例えば、資料8ページで、財政融資資金の使途として上下水道はほぼ横ばいで来ているように見えるのですが、我が事になっているからこそ、今後、もっとやってくれと資金的なニーズ、投資活動の活発化が期待されることになるのではないか。しかも、かなりスピード感をもって要求される可能性があるのではないかと、仮説的に考えています。これはあくまで仮説です。
上下水道事業に関して、人材面で、専門性の高い方が特に必要となっているところ、そのような方々がお辞めになって人材が減っていると承知しておるのですが、ニーズが高まっている中で人材が減りつつあるとなってしまうと手詰まりとなってしまいます。その点、総務省の皆様が、人材の確保、仮に需要が急増したときに人材面でどのような対応をされるかということについて、現状でお考えのこと、今取り組んでいらっしゃることがあれば、差し支えない範囲でお聞かせいただければと思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
それでは、丸田委員、お願いします。
〔丸田委員〕どうもご説明ありがとうございます。
私からは意見を述べさせていただきます。21ページ目の論点ですが、今回非常にすばらしい分析が多く含まれておりまして、大変よく理解できました。
ただ、18ページ目や19ページ目の表を拝見していると、やはり上下水道を取り巻く状況は非常に厳しいと改めて認識しております。事業の運営コストもかなり上がってきていますし、今後これらを更新・改修するコストも、今までと全然違うレベルで、上がってくる。さらに金利も今上がってきている状況で、特に18ページ目の下にある小規模事業体の数が突出して大きいという点は非常に憂慮すべき実態だと思います。さらに、19ページ目の表を拝見しても、やはり小規模事業体のほうが、回収率が非常に低いという、特に小規模事業体に取って二重の厳しい状況がある点を認識いたしました。これは平均的なデータなので、個別事業体レベルでは、さらに厳しい事業体も含まれていると思います。
この状況の中でできることとしては、やはり21ページ目に書かれている広域化、こういったコストがアップしてくると、厳しい経営環境を乗り切るためには、やはり広域化をして、小さいところに早急に手を入れなければいけないのではないかという点と、2点目は昨今新聞でも報道されていますが、AIとかテクノロジーの活用、こういったところでコストを下げて、効率性を上げていかないと、立ち行かなくなるのではないでしょうか。この意味では、21ページに記載されている点、実地監査も含めて、かなり具体的に、特に小規模事業体を重点ターゲットとして支援・指導を行っていただく必要があるのではないかと感じました。
以上でございます。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、有吉委員、お願いします。
〔有吉委員〕ご説明ありがとうございます。
私も今回のこの資料を拝見しまして、丸田先生の感想と同じで、非常に厳しい状況なのだということを強く感じました。
21ページの論点との関係でございますが、当然ながら公共的な要素が大きいものでありますし、地方の切捨てみたいなことになってしまってはいけないことは十分承知しているわけですけれど、一方で、予算も限られているという状況もございますので、うまく優先順位をつけて、お金をつけていくことが一層重要になってくると思います。
そういった中では、ここでお示しになっているように、広域化の取組など、効率化に向けて努力をしている地公体に優先的に分配をしていくという発想を強める必要があると思いますし、そういったことによって逆に、各地公体にそういった努力を促すことにもつながると思いますので、やはり優先順位というのか、メリハリをつけるということ、繰り返しになりますが、決して地方を切捨てということではないものの、きちんとしっかりやっているところにはしっかりお金をつけるという発想が重要だと思います。
その際に、お示しになっている広域化という視点も、効率化にとってはとても重要だということは理解したところでありますけれど、丸田先生のおっしゃったテクノロジーを駆使するとか、効率化を進めていくということについては、広域化に限らずいろいろな手法があり得るところだと思います。また、地方それぞれの課題もあれば逆に解決策も違ってくるのではないかと思います。そのため、客観的な基準がないと分配がしにくいということはある一方で、あまり画一的に、こちらで決めた基準を満たせば丸で、満たさないとバツということではなくて、個別の創意工夫が、必ずしも国で決めた基準とは整合しないものであったとしても、効率化につながるような工夫が出てくるのであれば、それをしっかり評価できるような、柔軟な形での優先順位づけというものをぜひ進めていただきたいと思いました。
私は以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、岡田委員、お願いします。
〔岡田委員〕ご説明ありがとうございます。
質問ですけれども、将来像というのをどれだけ具体的に考えていったらいいのかという、例えば2050年をどう見る、あるいはもっと延ばして2070年をどう見るというようなですね。今のところ日本の人口は1億2,000万人ぐらいですけれども、加速度的に減っていって、予測できる将来でも8,000万人台という推計も出ていますから、そういうときには、今限界集落と言われているようなところ、次から次へと人が住まなくなっていくという時代が確実に来ることになろうかと思います。
そのときに、電気、ガス、水道、道路の維持費用みたいなものは非常に大切ですけれども、その費用をフルセットであらゆる地域に、戦後広げていったようには、もうできなくなる時代が必ず来るということ。
ただ、その厳しい将来像をあまり突き詰めると、地方の切捨てということで不安に思われる方もたくさんいらっしゃろうと思います。一方で、リアルな現実のところを少しぼんやりしたまま、ステップ・バイ・ステップで進めていくと、どこかで崖のように状況が悪化することが懸念されるというところもあろうかと思いますけれども、その辺り、将来のある時点の厳しい現実から逆算して今を考えていくというやり方もあろうかと思いますけれども、その辺りの将来像と今何をやっていくべきか、というあたりは、どのようにお考えでしょうかということを伺えればと思います。
以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
それでは、野村委員、その次にオンラインの家森委員、お願いいたします。
それでは、野村委員、お願いします。
〔野村委員〕私も皆さんと同様、上下水道は非常に喫緊の課題であるということを再認識いたしました。こちらの論点にありますように広域連携というのが一つの解であり、非常に有力な決め手になる一つの解だと思います。
それで、国土交通省がいろいろな事例を紹介されていますが、ホームページを拝見しますと、大体、大規模な統合だと10年から12年ぐらいかかっています。そうすると、もう現状を見ると、10年以上も時間をかけていられない現状があると思いますので、これは何かスピードアップする、広域連携を進める上で何かスピードアップする策を講じなければいけない局面かと思っています。
では、どうするかというと、一つは、インセンティブを設けるということですかね。先ほど公的資金を優先的に配分するという策はもう既に講じられているということありましたけれど、それが本当に強力なインセンティブになっているのか、周知されているのか、有効なのかということを、もう一度見直す必要があるかと思っています。
それから、皆さんおっしゃったようにテクノロジーの活用法ですとか、それからもう一つは情報とノウハウの提供というのが、国土交通省と、それから特に地方の財務局と連携して行うということが非常に重要かと思っております。こちらの論点について、自治体とのコミュニケーションとか、課題解決策提示というようなことも言及されていますが、そのぐらいの緩やかなことでは間に合わないのではないかと。連携してコンサルティングを行うような組織を新設して、そこが強力に推し進めるぐらいのことをしないと、コミュニケーションを取るというレベルでは間に合わないのではないかという危機感を抱いております。
以上、意見です。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、家森委員、お願いします。
〔家森委員〕ありがとうございます。神戸大学の家森です。
4-3の論点の2つ目のところです。従来から財務省としては、財務局の方々が自治体とコミュニケーションを取って、いろいろなことをされているというご報告をいただいておりますけれども、目先の改善の助言というのと、それから今先生方から出ているように長期の新しい方向について深度ある対話をしていくという部分と、2種類、大きく言うとあると思います。
財務局のほうで、対話をする人材を育成していくということは、これから上下水道に財投のお金を出し続ける以上、この2つ目の丸として必要だということは私もそう思うので、そうすると担ってもらうような人材を、短期の助言をする部分、それから長期の在り方についてディスカッション、コミュニケーションを取るという、そういう方々をどのように育成するかということも同時に考えていただく必要があります。何も具体的な手段がないと財務局の方々が困られるのではないかと思いました。
以上です。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
それでは、ご回答をお願いできますでしょうか。
〔鳩間計画官〕ありがとうございました。
理財局に寄せられた部分について、まず、お答え申し上げたいと思います。
土居先生から、理財局でしっかりチェックということでおっしゃっていただいて、まさに広域化等の定義にもよるのですけれども、我々のほうで例えば考えている広域化等は、下水道の処理場を共同で使用するとか、そういうところも含めて入っていきまして、おっしゃるとおり、全てを一部事務組合でやってというわけではないというのはご指摘のとおりだと思います。その中で利益相反が発生する可能性があるというところについても認識した上で、償還確実性ですとか、そういうところについても議論させていただきたいと思っております。ありがとうございます。
それから、テクノロジーの活用とか、総務省からもご紹介あるかもしれませんけれど、地方債計画の中でも盛り込まれているところもありますので、我々のほうでも好事例の紹介もしておりますし、あと地方公共団体金融機構でも好事例ということで、例えばDX化、簡易水道でメーターをDXでつけてとか、そういうことも含めて、自治体の方にも分かる形でご紹介されております。このあたりの情報提供はいろいろな形で進められればと思っているところでございます。
岡田委員の将来像のところのご質問ありました。こちらも推計等はいろいろ国土交通省でされたりしております。あと下水道につきましては、若干普及が遅れていたところもあって、特に小規模のところで老朽化の問題が出てくる時期が、少し先のところもあるかとは思っております。そういうところもあるのですけれども、あとは、広域化等というところだけで申し上げますと、単に管路を新しくするだけではなくて、最適化というところも含まれておりまして、合併浄化槽の設置ですとか、そういう形で各地域に応じた一番いい形での効率的な運営を考えていくことが重要かと思っております。
野村委員、家森委員から、財務局等の人材のところについてご指摘、アドバイスいただきました。こちらのほうも、我々のほうでも研修等も行っているところでありますけれども、水道に限らず公営企業会計の経営ですとか、その辺については大変知見が要る分野でありますので、研修等についてもしっかり考えていかないといけないと思っております。
それでは、総務省からお願いします。
〔総務省自治財政局後藤公営企業課長〕公営企業課長の後藤と申します。山内委員から、専門性の高い人材をどのように確保していくのかといった質問に対して、回答を申し上げます。
市町村で上下水道を担当されている方に聞きますと、やはり人材の確保に苦労しているといったお話を聞きます。特に地方部で厳しい。また、土木・建築といった技術職の採用に非常に苦労しているといったお話を聞いております。
当面の対応でございますが、より大規模な市は人材も数が多いですし、専門的な職員もおりますので、そういった大規模な事業体から支援をするということが、まずあろうかと思っております。
例えば京都市では、技術研修所を設けておりまして、京都府下のみならず、関西の事業者からも研修を受け入れてやっているといったことを聞いております。そういった取組があろうかと思っております。
また、県が中心となって、県内の市町村を支援していくといったことも考えられるかと思っております。
具体的に申しますと、秋田県で官民出資会社を県で設立いたしまして、そこで工事の積算ですとか、工事の監督補助といった技術継承の支援を行っているといった例がございます。そういった形で、県が市町村を支援していくといった形もあろうかと思います。
また、上下水道のみならず技術職の確保は非常に厳しいといったことは共通してございますので、都道府県でまとめて採用して、プールするような形ができないかということも検討されていると聞いております。
以上になります。
〔翁分科会長〕他にもインセンティブについてどう考えるかとか、それからテクノロジーの活用についてどう考えるかといったご指摘もあったのですけれども、その点についてのコメントがございましたら、お願いしたいのですが、いかがでしょうか。
〔鳩間計画官〕インセンティブのところについて、お話しさせていただきます。
特に、有吉先生のおっしゃっていた、個別に効率化ということが、広域化というところを一面的に切り取らないでくださいというのはおっしゃるとおりかと思っておりまして、岡田委員へのお話でも少し申し上げましたけれども、それぞれの地域の事情に応じた、まさに地域の切捨てにならないような形で、最適な形で広域化等を進めていく必要があると感じているところでございます。
インセンティブにつきましては、まさに長期の貸付というところについて、我々のほうでもしっかり償還確実性も確保しながらですけれども、自治体の方にしてみれば、長期とすることで資金計画が立てやすいとか、あるいは毎年の支払い額について、一定の抑制ができるというところは、インセンティブという形にもなるかと思いますので、その辺りについては、しっかり自治体の方のご要望も踏まえながら、適正な形でのファイナンスをしっかり講じていくということを考えてまいりたいと考えております。
〔総務省自治財政局梶地方債課長〕総務省の地方債課長の梶でございます。私から、上下水道に限りませんけれども、デジタルを活用した取組への財政ファイナンスをどうしているかということについてお話をさせていただきます。
従来、システムの改修ですとか、端末の整備については、地方債が充当できない、非適債の経費でございますけれども、令和7年の通常国会におきまして、地方財政法を改正しまして、行政DX、住民サービスの提供のためのシステム改修ですとか、内部管理システムを共同で調達をするような場合、また、地域のDXということで、例えばスマート農業ですとかオンライン診療を行う公共的団体に自治体が補助する場合を地方債の対象経費と定めまして、これは償還期間が短いものですから、財政融資資金の引受けはお願いをしていないのですけれども、民間資金で貸し付ける仕組みを新たにつくりました。
その背景は、先生方からご指摘をいただいております、人口減少を踏まえて、市町村におけます、あるいは都道府県におきます職員の担い手も減少している、また、地域においても担い手が減少しており、そのカバーをするのはデジタルであろうということで、デジタル技術を活用した行政DX、自治体DXと地域DXを進めていきたいという観点で、財政措置を講じたものであります。
また、人口減少という観点から、上下水道から少し射程を広げますけれども、公共施設の集約化ということも大事でございまして、これは従来から財政融資資金にも一部引受けをしていただいておりますが、公共施設等適正管理推進事業債という地方債を設けておりまして、施設の集約化、複合化について、地方債を充当し、地方交付税措置もつけております。令和7年度は、今日の提出資料の4ページの通常収支分の丸の2つ目にございまして、その2行目にございます、集約化・複合化に係る事業の対象を、施設を除却する場合にも拡充しました。複数の施設を統合する場合には、片方の施設については、新しい施設のセットであるということで、除却経費についても地方債の対象で交付税措置がある地方債のメニューの対象だったのですが、なくなるほうについては、地方債は充当できたのですけれども、交付税措置がないというような形で、課題があったものですから、この集約化・複合化する事業について、除却だけを行う施設についても、地方債の、公共施設等適正管理推進事業債の対象とすることによりまして、公共施設の数を減らしていきたいという地方のニーズに応えられるような取組をしてございます。
私ども、人口減少を、将来を見据えてどうしていくかということを常に考えながら、仕事をさせていただいておりまして、一つ一つ課題をクリアするための制度改正を毎年、関係省庁と協議をさせていただいて、つくらせていただいているところでございますので、ご紹介をさせていただきます。引き続きよろしくお願いします。
〔翁分科会長〕ありがとうございます。
渡辺審議官からお願いします。
〔渡辺審議官〕すみません。前職で内閣官房のデジタル行財政改革におりましたので、テクノロジーの活用につきましては非常に問題意識を持っております。デジタル行財政改革会議事務局、テクノロジーそのものもそうですし、経営状況をどう見える化していくか、ダッシュボードをつくって見えるようにして、横で比べることによって、自分がどこを改善できるかということも取り組もうとしています。どこまで表に出ているかは分かりませんが、この問題意識は総務省、国土交通省で完全に共有しておりまして、検討の俎上にも上がっております。
恐らく、今日もご認識はされていると思いますが、差し出がましくも、言及させていただきました。
〔翁分科会長〕ありがとうございました。
追加的に何かご質問やご意見ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、どうもありがとうございました。
地方公共団体の関係者の皆様にはご退席をいただきます。どうもありがとうございました。
(地方公共団体関係者退席)
〔翁分科会長〕それでは、本日の議事はここまでといたします。各委員より頂戴しましたご意見等につきましては、今後の財投計画の策定にご活用いただければと思います。
ご議論いただいた内容のほか、追加のご意見、ご質問がございましたら、事務局にお寄せください。
また、本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクを行います。議事録につきましては、委員の皆様のご了解をいただいた後、財務省ホームページに掲載いたします。
次回は、11月21日の金曜日、14時から、独立行政法人福祉医療機構及び株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構についての審議を行う予定としております。
本日はご多忙の中、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。
15時43分閉会

