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財政投融資分科会(令和元年11月12日開催)議事録

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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事録

令和元年11月12日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政投融資分科会議事次第

令和元年11月12日(火)9:57〜11:58
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開

  • 2.令和2年度財政投融資計画の編成上の論点

    • 1株式会社国際協力銀行

      質疑・応答

    • 2官民ファンドを巡る最近の動き(報告)

    • 3官民ファンドの投資計画に対する進捗状況等

      質疑・応答

  • 3.閉

配付資料

資料1説明資料株式会社国際協力銀行

資料2説明資料官民ファンドを巡る最近の動き

資料3−1説明資料株式会社海外需要開拓支援機構

資料3−2説明資料株式会社海外交通・都市開発事業支援機構

資料3−3説明資料株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構

資料3−4説明資料 株式会社農林漁業成長産業化支援機構

出席者(敬称略)

分科会長

池尾和人

鑓水理財局次長

嶋田総務課長

柳町管理課長

柴田計画官

大関計画官

堀納資金企画室長

山本財政投融資企画官

渡部賢一

臨時委員

土居丈朗

冨田俊基

冨山和彦

原田喜美枝

専門委員

川村雄介

工藤禎子

家森信善


9時57分開会

〔池尾分科会長〕それでは、出席予定の委員の方は全員おそろいになりましたので、定刻よりも少し前ですが、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたします。

本日は「令和2年度財政投融資計画の編成上の論点」として、まず「国際協力銀行」について、それから後半は官民ファンドに関連しまして、「官民ファンドを巡る最近の動き」の報告、及び「官民ファンドの投資計画に対する進捗状況等」について御審議いただきたいと思います。

なお、本日は国会開会中ということで、事務局の側で欠席の方や、途中でやむを得ず退席されたりする場合がございますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。

それでは早速ですが、まず国際協力銀行につきまして、柴田計画官より、要求の概要及び編成上の論点について御説明をお願いいたします。

〔柴田計画官〕では、よろしくお願いいたします。まず資料1を御覧ください。国際協力銀行(JBIC)でございます。

まず最初に1ページ、目次ですけれども、機関の概要、それから令和2年度要求の概要、それから今回編成上の論点として大きく2つ、1つ目が事業規模及び資金調達等の関係、それから大きく2つ目に特別業務の運用改善、こういったことについて御説明を申し上げたいと思っております。

進んでいただきまして、まず3ページからでございます。機関の概要でございます。これは組織でございますので、恐縮ですが、御説明は割愛させていただきます。

4ページ、JBIC法でどう書いてあるかということでございますが、JBICの位置付けとして「一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ」ということで、資料の真ん中ほどにございますが、資源の確保、国際競争力の維持・向上、地域環境の保全、金融秩序混乱への対応といったことをミッションとして業務を進めているということでございます。

それから5ページでございます。JBICは従来から日本企業による海外の資源・インフラ案件、海外M&A等への支援を行ってきておりまして、これを今「一般業務」というふうに呼んでおりますが、これに加えまして2016年10月から、特に海外インフラ案件につきましてさらなるリスク・テイクを可能とするということで「特別業務」というものを開始しております。

2つ目の丸にございますとおり、一般業務及び特別業務につきましては区分経理をした上で、勘定毎には「収支相償の原則」を規定しているという一方で、特別業務につきましてはリスク・テイク機能を強化するという観点から、個別案件ごとには償還確実性は必ずしも求めていないというようなたてつけになっております。

例えばのイメージでございますが、真ん中に2つ絵があります。例えばJBICがこのような形で民間と協調して発電事業者に融資をするといった場合に、電力公社からの料金の支払いに対して現地政府の保証があれば、これは償還確実性が確保されているということで一般業務でやっていくということになりますが、右にありますとおり、現地政府からの保証がない場合、これはリスクが高い、償還確実性が必ずしも満たされないかもしれないということになるわけですが、こういった場合には例えば特別業務でやっていくというようなことが考えられるというような1つのすみ分けになっているということでございます。

続きまして6ページでございます。JBICの中期経営計画の概要を載せております。リスク・テイク機能の拡充・強化等を図るという観点から、下に囲んでおりますような「成長分野・新領域」以下5つの業務分野に関して集中的に取組を進めておられるということでございます。

続きまして、8ページの要求の概要でございます。少し小さい数字が並んでいて恐縮でございますが、まず一番上の行の事業規模を御覧いただきますと、合計と一般業務・特別業務の内訳が、それぞれ並んでおります。全体の事業規模が2兆1,000億円要求で、一般業務が2兆円、特別業務が1,000億円ということになっております。一般業務は今年度計画から横置きの規模ということで、特別業務に関しては減の要求というふうになっております。

その財源として財政投融資の関係でございますが、この中で今回令和2年度の要求として特に特徴的な部分としては産業投資の部分でございまして、要求総額としては1,100億円で、一般業務で1,000億円、特別業務で100億円ということになっておりますが、今年度計画との比較を御覧いただきますと、一般業務はかなりの増要求となっていると、一方で特別業務に関しては減要求になっているということで、このあたりの要求について後ほど触れたいと思っております。

続きまして9ページでございます。上の四角の箱は今の要求を簡単な文字で書いたものでございますので省略させていただきまして、下の「参考」でございますが、さまざまな閣議決定の文章などにおきまして日本企業の海外展開を支援するということで、JBICなどの機関にも頑張っていただきながら、こういったことを進めていきましょうというようなことが縷々書かれているということでございます。

続きまして、論点のほうにまいります。11ページをお願いいたします。まず論点1「事業規模及び資金調達等について」でございますが、事業規模につきまして、まず最初の丸、今申し上げたような成長戦略等に基づきまして、官民一体となって日本企業の海外展開を促進していくという上で、今回のJBICの要求の規模をどう考えるかということが1点目でございます。

それから2点目、資金調達の関係ですが、JBICの資金調達について、調達コストの抑制、ALM管理等の観点を踏まえたものとなっているかと。特に先ほど申し上げた産業投資の関係でございますが、JBICが融資業務等を実施する上での与信集中管理や一定の自己資本比率を維持するといった観点からリスクバッファとしての自己資本(産業投資)の規模についてどう考えるかと。それから最後の3つ目でございますが、民間資金のさらなる誘発ということで、呼び水としてのリスクマネー供給の観点から、出資の取組状況はどうであろうかと。また協調融資先の裾野を拡大する観点から既往融資の債権流動化などの取組はどうなっていますかといったところあたりを確認してみたいということでございます。

12ページ以下が背景となる参考資料ということでございます。まず12ページでございますが、「JBICを取り巻く国際情勢」ということで、日本企業の海外進出がどうなっているかということですが、左上にあります海外インフラ受注実績、あるいは右上にありますクロスボーダーM&A金額、このどちらを見ても日本が諸外国に比べて若干出遅れているような状況になっているというようなことでございます。

そうした中でJBICの立ち位置ということですが、右下にありますとおり、各国の公的金融機関の中で欧州投資銀行(EIB)とか、中国の国家開発銀行などと並んで世界の枢要な地位を占めていると、大きな規模になっているということかと思っております。

次の13ページでございます。JBICの出融資規模、事業規模が最近どうなってきているかということでございますが、これは2012年以降の推移を載せておりますが、下の棒グラフにありますとおり、全体としては減少傾向となっておりまして、1つの大きな要因として、上に折れ線グラフを2つ載せておりますが、2012年秋以降の為替のドル高傾向、あるいは2014年以降の原油価格の下落傾向と、こういったものを背景としてそういったことになっているとお聞きしております。今後、為替や原油価格の動向も踏まえながら、引き続きJBICには企業の海外展開を積極的に支援していくということが期待されると思っております。

それから14ページ、資金調達のほうでございます。JBICは御案内のとおり、出融資業務の大半を米ドルを中心とする外貨で実施しております。調達手段としては大きく2つございまして、政府保証外債の形でマーケットから調達していくというやり方と、あとは財政融資、私どものほうから円貨で調達をして、それを通貨スワップをかけて外貨にかえていくという、大きく2つあるわけでございますが、そのコストを見てみますと、右上のグラフにありますとおり、5年から10年あたりの比較的短いほうに関しては政府保証外債で取ったほうがコストが安く取れていると、それより長くなると財政融資プラス通過スワップのほうが安く取れているということでございますので、こういったところを組み合わせながらできるだけ調達コストを抑制していくということで取り組んでいるということでございます。

それから右下にありますとおり、JBICのデュレーションギャップでございますが、一時期、何年か前は少し開いていたわけですが、調達年限の調整などを行うことによりまして、最近ではほぼギャップが埋まってきているということでございますので、引き続き合理的な資金調達を行っていくことが重要であろうと考えております。

続きまして、15ページが自己資本の関係でございます。左の真ん中の表にありますとおり、一般業務におきましては近年、ここに書いてあるような幾つかの大型案件を実施してきているということでございます。他方で、その下にあります特別業務につきましてはまだ実績が3件にとどまっているということでございます。ただし、右上にありますとおり、特別業務におきましては今後1,000億円以上の融資が見込まれる案件を、今ここには3つほど分野を書いておりますが、こういった分野で現在組成中であるというふうに聞いております。

こうした状況の中で、JBICの自己資本をどう考えるかということでございますが、右下にございますJBICの与信集中管理ということで大口エクスポージャー管理というものがございまして、いわゆるバーゼル規制に基づく一般的な国際的なルールというものをJBICも踏まえて対応してきているということでございまして、その中身は何かと申しますと、1債務者当たりのエクスポージャーは自己資本の25%以下に抑えなさいという一般的なルールがあるということでございます。

これに適用させますと、一般業務であれば、今は自己資本が約2.5兆円ございますので、その25%以下ということであれば6,000億円余りくらいの規模以下であれば大丈夫ということでございますので、左側の一般業務の大型案件、こういったものもクリアできているということになるわけですが、特別業務につきましては、今自己資本が2,500億円ということでございますので、その25%以下ということであれば600億円程度以下の案件ということになります。

左下にありますような、今の実績であれば全く問題なく行けているということですが、右上にあるような今後1,000億円規模の融資を仮にやっていこうということであれば、このバーゼル規制に基づくエクスポージャーの観点からは自己資本が必ずしも十分ではないというような状況になっているということでございます。

続きまして16ページが自己資本比率の国際比較の表でございます。基本的には、上にあるところは、ヨーロッパの国の公的な金融機関は比較的高いということです。それで中国とか、韓国とかの銀行は低めの下のほうにあると、それでJBICはちょうどその真ん中にあるというような今の位置付けとなっているということでございます。

こうした状況も踏まえながら、引き続きリスクバッファとしての産投出資を通じて一定水準の自己資本は維持していく必要があるだろうというふうに考えているところでございます。

続きまして17ページが民間資金のさらなる誘発という観点で、出資がどうかということでございます。最近の取組の事例ということで右側に絵を載せておりますけれども、1つ御紹介いたしますと、JBICが民間企業と共同で投資のアドバイザリー会社をつくりまして、そこがGPとしてファンドを管理しつつ、左側からJBICがLPの投資家として出資もしていくといったような形で、この海外投資ファンドというものを運営していくといったような取組を最近始めておられるというようなことで、これは1例でございますけれども、こうしたことも踏まえて、引き続き出資業務に関しても取り組んでいただきたいと思っているところでございます。

それから18ページでございます。民間資金の誘発の2つ目ということで、既往融資の債権流動化ということで最近は取組を進めているわけですけれども、実績としては左側の真ん中にありますけれども、このような状況になっているということで、足元で、2018年度で言えば融資承諾額全体の10%程度が流動化対象になっているということでございます。それから右側、地域金融機関等との連携ということで、セミナーなどを開催することによって地銀や生保などがJBICと連携して協調融資といったものにつなげていくというような取組も最近進めておられるということでございます。

続きまして19ページが大きな2つ目の論点として特別業務の運用改善ということでございます。先ほど別の資料でも御説明申し上げたとおり、特別業務につきましては2016年10月に開始されたわけですけれども、実績は今のところ3件にとどまっているところでございますので、こうした状況を打開するために一層の案件形成を促進するための取組が必要ではないかということでございます。

最後、20ページですが、1つ今既に取組を始められているものとして、ここに御紹介しておりますが、2019年、今年の2月から特別業務の支援対象を拡大いたしておりまして、右下にありますとおり、技術の不確実性(技術リスク)ですとか、事業化リスクといったもののリスクも積極的にとれるように取組を始めているということでございますので、これは既にもうやり始めている対応ということになりますが、こうした取組に加えまして、さらなる体制強化ですとか、運用改善に取り組んでいただきたいと思っているところでございます。

簡単でありますが、私のほうからは以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、ただいまの柴田計画官からの説明を踏まえまして、委員の皆様から御意見をお願いしたいと思いますが、配席図の1にありますように、担当部局である国際局とJBICの方に来ていただいておりますので、直接御質問いただいても結構です。

では、渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕ありがとうございます。質問ということで3点お聞きしたいと思います。1点目は6ページの中で、いわゆる「重要取組課題」と書いてございますが、その一番下に業務5で3番、「中堅・中小企業の海外展開支援」と、これについての実績みたいなものをお聞きしたいと思っております。

と言いますのは、やはりいわゆる大企業がポンと海外進出云々ということだけではなくて、産業クラスターというか、いわゆる中堅企業が一緒に出ていくというのが非常に重要、当該国にとっても産業の発展にとっても重要ですし、そういう意味ではJICAさんとのすみ分けというか、協調の度合いというのですか、そういうのもあると思うのですが、その実績、展開度合い。その場合、その中堅・中小企業の例えばメインバンクである地方銀行さん等との何か連携みたいなものもとられているのかどうかというのをお伺いしたいというのが1点目でございます。

2点目が、16ページですか、自己資本の海外の公的金融機関の自己資本の推移というか、水準を書いてございますが、アジア勢は低いぞ、その他は高いぞとあるのですが、例えばこの数字は正しいのかなというか、例えばスペインの公庫で分母が少ないのか、きっと中南米中心なので、だから単純にこれを比較してどうだろうか、ここから得るインプリケーションって何なのだろうなというのが素朴な質問ということで、2点目でございます。

それから3点目が、17ページですかね。右図にあるこの投資アドバイザリー会社、あるいは民間企業に期待されているエクスパティーズというのは、その下の真ん中に出てくる戦略パートナーを見つけてくることなのか。ここに期待している役割は何なのか、今現在の実績、ですから能力と実績は何でしょうかというのが3つ目の質問でございます。

以上です。

〔池尾分科会長〕今の渡部委員からの御質問に直接関連するような御意見とか、御質問は、ほかの方はございますか。では、川村委員。

〔川村委員〕ありがとうございます。今、JBICとJICAというお話がありましたが、むしろ私は特別業務とJOINとの関係をどういうふうに整理するのかというところが疑問に思っています。

というのが、まさにこの特別業務は、いわゆる狭義の意味でも官民ファンドそのもので、またターゲットもほぼ同じであると。現在の実績はまだ少なく、かつ1年半から2年くらいでしょうから、まだいろいろ業績はあれこれ読めない段階だと思うのですが、今後1桁大きい金額に出資するということになったときに、この辺で人材のリソースでありますとか、いろいろな展開を考えたときに、JOINとどういうふうにすみ分け、あるいは協業していくのかという点について御教示いただければと思います。

〔池尾分科会長〕土居委員。

〔土居委員〕渡部委員の中堅・中小企業の海外進出の支援に関連して私も質問があって、先ほど渡部委員はJICAとおっしゃったのですが、むしろJETROのほうがこれに関与しているのではないかと私は思っていて、むしろ経済産業省も一般会計予算も使いながら支援をしているという話を聞いておりまして、そのあたりのデマケーションとか、協力関係とかがどうなっているのかと。デマケーションをきちんと決め過ぎると、重複はないのかもしれないけれども、連携関係が薄くなってしまうおそれもありますし、そのあたりの関連をどうなっているか、現状をお聞かせいただきたいと思います。

〔池尾分科会長〕家森さん、どうぞ。

〔家森委員〕神戸大学の家森です。中堅・中小企業の海外展開の支援のところと関係すると思うのですが、18ページで地域金融機関との連携ということを書かれています。この連携は地域金融機関の資産運用難に対応するための連携なのか、それともまさに中小企業の海外進出への連携のノウハウ移転のための連携なのか、このあたりを教えてください。以上です。

〔池尾分科会長〕それではお答えいただけますか。JBICの方、お願いします。

〔国際協力銀行内田経営企画部長〕ありがとうございます。JBIC経営企画部内田と申します。

まず1点目の中堅・中小企業の実績でございますが、昨年度の承諾実績は、カウントの仕方にもよるのですが、65件程度、今年度は9月末、半年終わりまして、40には届かない40弱の数字が承諾実績としてございます。

それから案件の組成についてなんですが、JICAの海外投融資とは中堅・中小の取組が重なるというようなことはあまりございませんでして、一緒に同一案件の中堅・中小企業にJICAとともに取り組んだという実績も、これまでのところございません。どちらかというと海外の途上国での小さいインフラ案件とか、そういうところでJICAの海外投融資を使ったり、JBICを使ったりというようなことが傾向として多くございます。

一方でJETROなのですが、JETROについては、途上国を含め先進国にも拠点の数がかなりございまして、こちらのほうは中堅・中小企業に海外進出のための情報提供をしたりとか、ビジネスマッチングをされたりとかしてございます。我々の事務所は、今時点で16事務所あるのですが、事務所があるところはJETROとの情報交換もしてございますし、ないところも海外に出張した折には現地の状況とか、JETRO、大使館、それからJICAもそうなのですが、情報交換をして案件組成をしているということでございます。

中堅・中小企業に関連して、連携のところなのですが、我々の法律上のミッションは産業の国際競争力強化なので、一義的には中堅・中小企業の海外進出を支援するということでございます。ただ、地銀さんの、今、この円の金利環境下で資金運用難というのがございますので、動きとして海外のエクスポージャーを取りに行くという動きはございます。海外進出経験がない地銀さん、地銀さんの数はさまざまですので、我々と一緒にやりたいという声も多くございます。そういう意味では地銀さんのニーズも満たす形で我々と連携をするというようなこともございます。

以上が中堅・中小企業に関することの御説明でございます。

それから資料の出資の関係で17ページの海外投資ファンドの出資ということで、合弁した民間の会社さんに期待しているところなんですが、出資というのは投資をすることと、投資をしたらイグジットとして当初の目的を果たしたときに出口で売却するとか、それから上場して投資をした分を回収するというところまで含めた業務ということと認識しています。

我々JBICは出資を歴史的に強化してきているんですが、イグジットという意味では普通株式を取得してイグジットする経験はかなり乏しいのがこれまでのところでして、我々としては本格的な出資業務に取り組むに当たっては、日本の会社さんではなかなか少ないのですが、投資からイグジットまでの経験がある会社、またはそういう方がいらっしゃる会社、その経験がある人と一緒にやらないと、これはなかなか意味がございませんので、そういうことを期待してということがございます。

それから投資、我々は銀行ですので融資の頭づくりでこれまで70年に及ぶ業務をやってきていますが、投資はかなり発想が違います。スピード感を持ってJBICの投資業務を変えていくという意味では、外の方と一緒にやるのがいいのではないかというような議論もございまして、合弁の形で子会社をつくるということに至った経緯がございます。

それから特別業務のJOINとの関係なんですが、JOINとの関係については強みを生かした連携ということで、JOINについては、我々と違うところはハンズ・オン支援を行っていくというところが最大の違いでして、我々の投資、それから融資なんですが、融資の場合には、株主ではありませんのでプロジェクトを進めるというような位置付けからは少し一歩下がった形になります。

特別業務で出資ということも設計上はできるのですが、今、子会社ではなくて本体で行う特別業務については、出資と言っても普通株ではなくてメザニンファイナンスとなる優先株とか、事業の事業主体とは違う立場で出資をするというメニューもございまして、こういうものから進めていくというようなところでJOINとの取組の差別化がございます。1点目はハンズ・オンがJOINというところと、2点目は我々は出資をやるにしても1段階下がったところで連携する、または融資ですと出資者と融資者としての連携をするというような差別化がございます。

もう1点、自己資本の関係については、財務部の渡部部長から説明いただきます。

〔国際協力銀行渡部財務部長〕続きまして、16ページのグラフに関して御質問を頂戴したと理解しております。このグラフのインプリケーションということでございますが、ここには類似公的機関ということで幾つか並べてございます。もちろん類似ということでございますので、各機関が置かれた状況とか、パブリックセクターの中での位置付けとか、いろいろありまして、ばらつきはあるということでございますが、我々としてはやはり他の類似機関と比較しますと、私どもの自己資本比率というものは必ずしも高いとは言えないというのがこのグラフのインプリケーションではないかなと思っておりまして、産投出資等を頂戴しながら、自己資本比率を維持していくことが重要ではないかと思っております。

もちろん、そのリスクバッファとしての自己資本の十分性というのは、このBIS自己資本比率だけではなくて、ほかにも幾つかファクターはございますが、中計にも掲げてございますとおり、リスク・テイク能力強化ということで、その資本充実というのは重要な経営課題と認識しているということでございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕それでは、原田委員、お願いします。

〔原田委員〕ありがとうございます。18ページに御説明いただきました既往融資の債権流動化に関するところで1点だけお伺いします。このページには流動化実施候補案件が少ないということが書かれてあります。今後の予定ですとか、多分ここに書いてある言い方ですと、リスクが安定化した後に徐々に出てくるようなことになるのではないかと思うんですが、おそらく一般業務に関する融資の流動化であろうかと思うんですが、今後は1つの柱になると思いますので、この先の見込みなどがどうなっているのかということを少しお教えください。

融資の対象がインフラなどですと、対抗要件の具備などにはそぐわない話だと思いますので、準備ができたら出していくというものなのか、バランスシートのスリム化にどのくらい貢献しているのかですとか、地銀さんなどを中心にニーズはあるのではないかと思うんですが、その辺の感触などについて少しお伺いしたいということと、あと関連しまして、先ほどから御説明がありました特別業務に関して、先ほど御説明いただいたところでは事業規模が大きいものが今後見込まれているということで、自己資本の増強というお話になっておりましたけれども、特別業務についても流動化の対象になることがあり得るのかということについてもお伺いできればと思います。

〔池尾分科会長〕お答えいただく前にもう少し御質問を受けたいと思いますが、工藤委員、お願いします。

〔工藤委員〕ありがとうございます。質問というか、コメントなのですけれども、いいですか。

〔池尾分科会長〕そうですか。

〔工藤委員〕論点に挙げられている特別業務なのですが、一般業務でも幅広い領域に対応されている中で、特別業務というのはさらに深いリスクをとる案件だと思いますので、これはなかなか簡単なことではないと思っております。

予算というものはあるのだと思うのですが、案件は少しずつ積み上げていけばよいと思いますし、逆に過度に目標化してリスク管理等に支障を来さないようにお願いしたいと思います。

一方で、今の特別業務の対象範囲が狭いことが案件発掘の課題になっているのであれば、これを広げていくということには異論はございません。日本企業の海外展開支援ということが目的であれば、海外インフラ事業という指定をあえてする必要もないのかなと思います。

一方、もう1つ、原田先生からお話があった特別業務の流動化ということ、後ほどJBICさんからお答えがあると思うのですが、我々民間金融機関からしますと、この特別業務についても可能な限りJBICさんと協調してリスク評価等のノウハウ蓄積を進めていきたいと考えております。

ただ、私ども民間がいきなりイーブンな立場で協調融資行になれるわけではないと思います。特別業務というのはそういう種類の業務だと思っております。

ですので、例えばNEXIさんになるのかもしれませんが、最初は一部のリスクをカバーしていただけるような枠組みがありますと、民間も特別業務の案件に参加しやすくなると思います。民間資金のさらなる誘発という観点で関係省庁の皆様で連携して御検討いただけるとありがたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕では、冨田委員。

〔冨田委員〕ありがとうございます。我が国の経済が人口減少の中で本邦企業の活動が国内ではかなり限定されてきている中において、私は成長戦略の一環として、我が国本邦企業の海外での事業展開、それを支援する活動ということの重要性というのは、そのとおりだと思います。

そういう中において、今回リスクバッファの原資としての増額の要求というのが示されたわけですが、先ほど来、何人かの委員も御指摘のように、これは必要なのだけれども、同時にやるべきこととして協調融資、それから債権流動化といった御努力も当然前提の中での要求だと思うんですが、そこらがどうなっているかということと、もう1点は、やはりリスクをとるわけですから融資のスプレッドを拡大するとか、そういうこともリスクバッファに代わる手段としてあり得ると思うのですが、そうした並行した努力ということがこの要求の中ではどのようになされているかということについてお聞きしたいということであります。

〔池尾分科会長〕それでは、今の各委員からの御質問・御意見に対するレスポンスをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

〔国際協力銀行内田経営企画部長〕まず債権流動化でございますが、幾つかの視点で取組をしてございます。まず一番大きなところは、JBICに持ち込まれる融資案件の特徴なのですが、やはり大きな金額になるということがございます。しかも長いものが多いという特色がありまして、そこを支援していくことが、日本企業さんのニーズでございますので、それに応えていく。

一方で、大きなものをやりますと、リスク管理上は与信の集中ということが起きます。これをうまくリスクを切り離していくための1つの方法として債権の流動化ということを考えています。

我々の金利は民間の銀行さんとの比較では相対的に資金調達コストも反映して安いわけですが、安い価格で外に売りますと損が出るということになります。ですから設計上はポーションを分けまして、3分の1は協調融資行さんと同じ金利、3分の2は優遇された金利というような仕組みを、ある一定金額のもの以上のものについては入れまして、将来3分の1を売っても実損が出ないというような仕組みを導入した上で、大型案件に取り組むということを2014年以降やってきたということでございます。

そういう仕組みを導入したものがこれだけございます。当初はこの仕組みに対してお客様からの「JBICというのは金利が安いんじゃないのか」というような御意見もあったのですが、お客さんのニーズは低コストということもあるのですが、大きな金額、長いものを我々のほうで御融資させていただいて案件を成立させること、これも大事なニーズでございますので、これにサスティナブルに応えるためにということでこういう取組をいたしました。

これが一番の主眼だったわけですが、副次的な効果としましては、民業の補完でございますので、プロジェクトは一般的には立ち上げ時が一番リスクが高い、これが安定しますと先が見えてきますので、プロジェクトが完工したところのほうがリスクは下がっていて、民間の銀行さんも入りたい、入りやすいというようなことがあると思っています。

そういう意味では、もちろん債権流動化の売り先として、大手の銀行さんが入ることも排除していないわけですが、地銀さんにもこういうものに声かけをして、後からこういうものに入っていただけたらどうか、また、地銀さんを超えて、機関投資家もこういうものが買えたらいいのではないかというような2つ目の、後からの民業補完というか、そういうような視点も入れて取り組んでおります。

実際に、幾つかのプロジェクトが完工の状況に達しているものもあるのですが、売却に行こうとすると、なかなかいろいろと支障がございます。まず機関投資家はうちの融資債権を債権のままで持って管理をするということがなかなかハードルが高いので、まずは銀行さんということになります。次は銀行さんで、特に地銀さんなのですが、やはり海外の英語の契約書になかなかアレルギーが大きくて、買いたいのだけれどもちょっと慎重になるというような銀行さんも多くございます。我々としては、そういう銀行さんにもお売りできるように、ニーズはございますので、プロジェクトファイナンスのセミナー・研修会みたいなものを開く等の取組もしてございます。

それから売却時の支障としてハードルがあるのは、借入人であるプロジェクト、それからその親会社である日本企業、我々が入る意味というのはやはりプロジェクトの安定化、そして現地ホスト国の政府との関係、こういうところの期待感が強くて、我々が出ることを必ずしももろ手を挙げていいよというようなことではない部分もございます。そこは売っている実績があるということが示すとおり、今、資産を回転していくというのは世の中の一般常識なので、日本企業さんには理解を得てもらいながら、全部出るわけではないということで売っていくという努力もしています。

それから3つ目なのですが、これは冨田先生のお答えにも絡むのですが、市中行さんと同じ部分の金利の部分を売るということは、JBICの運用利回りが下がるということですので、そこの部分を全部売ると採算への影響ということも当然出てきます。

ですから、まだまだなかなか売るのが難しいというのが事実なので、もう少し実績をつくっていくということが先なのですが、対象となるプロジェクトを全部売るということは採算との影響も考えながらやっていく視点があるというのが3つ目のポイントでございます。

それから、これに関係して特別業務での流動化なんですが、制度設計上はできないということではないのですが、工藤委員からも御発言がありましたとおり、かなり難易度が高いものに取り組むのを特別業務としてございますので、大型案件が来た場合、仕組みとしては将来安定化したときに売っていくということは当然考えるべきなので、同じ制度設計を考えていくのだと思うのですが、今はなかなか入り口では市中行さんは入りにくいので、冨田委員からもありましたとおり、一緒にやるNEXIも細部のほうでリスク・テイクの深掘りということを手当てしていただいていますので、これまで3件実績がある特別業務ですが、輸出金融についてはいずれもNEXIの保険がついてございます。すなわち保険つきのものを協調融資行さんはやっていますので、我々が売るときは、後から保険をつけるのはちょっと難しいので、制度上今はありませんので、だいぶ国の状況が変わったりとかいうこととともに、売却ができれば売却していくということだと思うのですが、ロット的にも今はそちらのほうはあまり想定をしていないということでございます。

これに関連して冨田委員からありました特別業務の協調融資行の考え方なのですが、これもやはり我々民業の補完ですので、あくまでもNEXIの保険とか、それから国内の銀行が難しくても海外の国際機関、ECA、そのECAのもとで入る銀行、さまざまな民業がありますので、これはやはり我々は他の金融機関とともにやっていくということを追求するというのが基本的な理念でやってございます。

それからスプレッドについては、これは法令上もリスクに見合ったリターンをとるというような制度設計になっていますので、これは一般業務も一緒なのですが、特別業務については法律でそれがはっきり書かれていますので、リスクに見合ったリスクプレミアムというものをとっていくというような制度設計もしてございます。

〔池尾分科会長〕よろしいでしょうか。はい。

まだ議論したいことがおありかと思いますが、そろそろ時間なのですが、特にどうしてもというか、御発言があればお願いしたいと思いますが、特にということがなければ、このあたりでJBICに関する質疑は終了したいと思います。

本日質問できなかった項目等につきまして、後日事務局を通じて追加で出していただいても結構ですので、よろしくお願いいたします。

それでは、国際協力銀行関係者の皆様には御退席をいただきます。どうもありがとうございました。

 

((株)国際協力銀行 退席)

 

〔池尾分科会長〕それでは、次に「官民ファンドを巡る最近の動き」につきまして、山本企画官より報告をいただくということにしたいと思います。

では、お願いします。

〔山本財政投融資企画官〕企画官の山本です。よろしくお願いします。私からは資料2「官民ファンドを巡る最近の動き」について御報告いたします。

1枚お進みいただき、1ページを御覧ください。「官民ファンドを巡る最近の動き(報告)」でございます。このページでは、現在、内閣官房で行われております、官民ファンド幹事会の動きについて報告いたします。

現在、官民ファンドは御覧のページの下部分の「参考」にありますとおり、13の官民ファンドがあり、この中には財政投融資が出資している官民ファンドも含まれております。これら官民ファンドは、いずれも民間資金の誘発、呼び水効果といったものを目的としておりまして、そういった官民ファンドの運営状況の検証を政府一体として行う組織として、各官民ファンドの所管大臣などから構成される「官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議」が設けられ、また、その下部組織として局長級で構成される「官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議幹事会」が設けられ、平成25年から検証が行われておりますところ、第12回幹事会会合が10月4日に開催されました。

第12回幹事会会合では、呼び水効果などに係る官民ファンドの活用状況の検証に加えまして、「官民ファンドの運営に係るガイドライン」の改正について議論されました。このガイドラインは、官民ファンドにおける投資のための態勢や、投資実績の評価・開示などについて定め、各官民ファンドはこれに沿って運営されることになっており、財投が出資する官民ファンドの運営にも影響するものです。このガイドラインは、今回初めて実質的な改正が議論されたものでして、詳細は後ほど御説明します。

また、このほか、第12回幹事会会合では、今年の6月に財投分科会でお取りまとめをいただきました報告書「今後の産業投資について」の概要を理財局から説明いたしまして、各官民ファンドに周知を図ったところでございます。

1枚お進みいただきまして、2ページ、「「官民ファンドの運営に係るガイドライン」の改正」を御覧ください。今回の改正内容ですが、左部分にあります1.KPIの見直し、2.情報開示の充実、3.ESG投資とSDGsへの取組の推進、4.ガバナンスの強化の4つが改正ポイントでございますが、本日は、2から4については説明を省略いたしまして、1のKPIの見直しについてのみ説明いたします。

KPIは、現在各官民ファンド毎に設定され、各官民ファンドが達成すべきパフォーマンスの水準を定めた指標となっておりますが、指標の中にはその達成時期が、例えば官民ファンドの設置期限とされており、中には10年以上先というのもあります。また各官民ファンドの指標の数を見ますと3個程度と少ない官民ファンドもあれば、10個を超える官民ファンドもあるといったこともありますし、各官民ファンドの指標の内容を比べてみますと、内容にばらつきがあるという点が課題とされております。

そのため、今回の見直しでは各官民ファンドの設置期限到来前、例えば3年ごとにマイルストーンを置いて、目標達成の進捗を検証できるようにするとか、また、KPIの内容について政策性と収益性をそれぞれ評価できるものとすると同時に、各官民ファンド間を横串で比較できるように内容の共通化を図る、さらには指標の数を減らして簡素化する、そのような方向性が幹事会において打ち出されております。

具体的な指標の内容ですが、御覧のページの右側部分の「KPIの具体的な見直し内容」のボックスの2番目の項目にございます。政策性の指標の1つ目としては、民間資金の誘発についての指標です。これまでの幹事会では、呼び水効果がどれだけあったのかという過去の実績は検証しておりましたが、今回KPIを設定することで、呼び水効果について今後目指す水準が目標として置かれるということになります。

それから政策性の指標の2つ目は、エコシステムへの貢献についての指標です。エコシステムの構築につきましては、今年6月の「今後の産業投資について」でも御指摘をいただいているところでございまして、官民ファンドがエコシステムに貢献することはとても重要なことだと考えます。具体的指標としては人材育成とか、民間企業や大学との連携を数値化したものが考えられますが、どのような定量的な指標が適切かという点については、さらに検討が進められる予定です。

続きましては収益性の指標でございますが、これは累積損益とされております。本日の分科会で、後ほど4つの官民ファンドより、改革工程表2018に基づき、本年4月に策定、公表された累積損失解消に向けた投資計画の進捗状況の報告がございます。これら4つの官民ファンドは既に累積損益の目標を設定していますが、他の官民ファンドについてもこれと同様のものとすることが考えられます。

以上がKPIについての議論の御紹介でございます。今回の幹事会の議論では、見直しの方向性について議論がなされましたので、今後、この方向性に基づき、各官民ファンドが個別のKPIの見直しを行い、年内には大枠を決めて、来年度から新しいKPIに基づき実際に評価を行うというスケジュールが見込まれております。

私からは以上でございます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

続きまして、本年4月に公表いたしました官民ファンドの累積損失解消のための数値目標計画に対する進捗状況等について御審議をいただきたいと思います。関連します4つの官民ファンド及びその関係省庁の担当部局の方が入室されますので、少々お待ちください。

((株)海外需要開拓支援機構、(株)海外交通・都市開発事業支援機構、
(株)海外通信・放送・郵便事業支援機構、(株)農林漁業成長産業化支援機構 着席)

〔池尾分科会長〕山本企画官から御説明いただいた最近の動きも含めて、議論は最後にまとめてしていただくことにしたいと思いますので、お願いします。

そういうことで、まずは官民ファンドの投資計画に対する進捗状況等について、各官民ファンドの御担当の方より御説明をお願いします。

繰り返しになりますが、委員の皆様方からの御意見・御質問については、全てのファンドの説明終了後にお願いしたいと思っております。

それでは、クールジャパン機構から資料に沿って順次、5分ずつくらいの目処で御説明をお願いいたします。

〔経済産業省三牧クールジャパン政策課長〕経済産業省商務・サービスグループクールジャパン政策課長の三牧と申します。本来であれば担当審議官の島田から御説明申し上げるところ、急な国会対応が入りまして、私のほうからクールジャパン機構の改革工程表2018を踏まえた投資計画の進捗状況について御報告いたします。

本年4月に策定・公表された投資計画では、2019年度以降の毎年度投資額を181億円とさせていただいておりました。また2019年度の上半期の投資額の目安としては、過去の投資進捗率の実績、30%程度を踏まえ、約54億円とさせていただいておりました。その中で、2019年度上半期についてですが、新規支援決定案件が9件、合計195億円の投資に加えて既存案件5件に10億円の追加投資をさせていただきまして、合わせて205億円の投資をさせていただいております。結果として、本年9月末時点の投資の目安である181億円を上回る投資をさせていただいております。

そのような状況ではありますが、引き続き新規案件の組成を進めるとともに、既存案件のモニタリングと価値向上を強化することにより、機構の政策目的の実現と収益性のさらなる向上に取り組むことが重要と考えております。

経済産業省としても、今後、投資計画と累積損益の状況について適切なフォローアップを実践しつつ、クールジャパン機構による政策目的の実現と収益性の両立に取り組んでまいりたいと考えております。

引き続き、加藤COO兼CIOから御説明申し上げます。

〔海外需要開拓支援機構加藤専務取締役〕クールジャパン機構の加藤です。クールジャパン機構から現在の活動状況と今後の投資見通しについて御報告いたします。

三牧課長からも御説明しましたように、本年度上半期は205億円の投資を実行しております。私からは当機構の投資の方針等について御説明いたします。

まず現在の活動状況ですが、資料の2ページ目の3に記載のとおり、昨年6月の経営陣交代に伴い投資方針の見直しを行い、5つの投資方針のもと、戦略的案件発掘、モニタリング、価値向上などに取り組んでおり、投資方針の各項目が軌道に乗ってきている状況と考えております。

具体的には、投資案件の政策性と収益性を両立するため、事業実績を重視した投資を行っており、新規立ち上げの事業のみならず事業基盤のある案件にも投資しております。また海外需要動向に通じた現地パートナーとの協働を重視しており、彼らと組むことによって現地の需要を踏まえた形で日本の商品・サービスの海外展開を進めております。

具体的には投資先企業の現地顧客ベースやマーケティングノウハウに基づいて日本の商品・サービスを展開することで、シナジーを享受できるよう支援を進めております。

投資手法については、事業フェーズや投資先との協業形態に適した投資手法を柔軟に採用しております。また、既存案件のエグジットについても、事業の状況をフォローアップしながら戦略的に検討・実行しております。

次に、既存案件の価値向上についてですが、市場開拓や協業先の紹介といったビジネスマッチングは従来から行ってきたところでございますが、新たに投資先の企業価値向上に向けた支援を行う体制を強化いたしました。企業価値向上担当は、主要な投資先に対して価値向上プランの実行を行い、時には投資先に常駐するなどして、投資先の価値向上のための支援を着実に行っております。

このように、投資ステージに合わせて投資先の企業価値向上に貢献することで、政策的意義の十分な実現と収益性を確保することを目指しております。現時点で案件のパイプラインは数百億円積み上がっており、また、新規の投資の相談も寄せられておりますので、引き続き政策性・収益性の両面で意義のある案件を厳選しながら投資をしてまいります。今後も投資計画を踏まえた着実な投資の実行と投資先企業の価値向上に努めてまいります。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、引き続きお願いします。

〔国土交通省岡西国際統括官〕それではJOIN、株式会社海外交通・都市開発事業支援機構について御説明いたします。私は国土交通省の国際統括官の岡西でございます。資料3−2に沿って御説明させていただきます。

ページをおめくりいただきまして、1ページ目を御覧ください。投資計画では、今年度の上半期までに年度投資計画の額222億円の40%に当たります89億円の投資を行うことになっておりましたが、実績としては、その右にございますように、272億円の投資を実行しております。既に年度計画額である222億円を達成しておりますが、今年度後半につきましても、引き続き案件形成及び既存案件の促進に注力し、さらなる投資実行を目指してまいります。また、来年度以降につきましても、右下でございますが、本計画の達成に向け、経済性や回収期間、事業分野等に配慮しつつ、新規案件の発掘に取り組んでまいります。

次に、2ページでございます。今年度の投資計画につきまして、そこにございますように上の段、青いところが上半期の9案件に対して合計271.7億円の投資を実施いたしました。丸がついておりますのが新規案件への投資になります。それが158.2億円、そして丸のついていないものが過去に大臣認可済みの案件に対する追加投資ということで113.5億円になってございます。下半期、オレンジ色の下のほうですが、既に大臣認可済みの2案件について、23.2億円の投資が実施されております。さらなる投資案件の積み上げ及び収益性確保のため、事業が有するリスクを勘案しつつ、案件形成に取り組んでまいりたいと思っております。

また、JOINは海外の交通・都市開発を支援対象にしておりますので、投資及び資金回収に大変時間がかかるものが多くございます。そういう意味では、案件投資後の事業の建設段階、操業段階、それから財務状況等のモニタリングが重要と考えておりまして、客観的・定量的なモニタリングをしっかり進めていきたいと思っているところでございます。

続きまして、3ページ目でございます。JOIN法の附則4条で5年ごとに見直しを行うということにされております。法律の施行状況について、有識者からヒアリングを行ったり、検討を進めてまいりましたが、その結果を踏まえまして、我が国事業者の海外インフラ市場への参入を促進する観点から、四角囲みの中に記載する2点の取組を通じて、さらなる新規案件の発掘を進めていくことといたします。

まずは、1点目ですが、JOINはこれから、今、従来型の都市開発に加えまして、スマートシティ、そして公共交通指向型都市開発(TOD)、そしてMaaSといった交通・都市開発分野における新たな世界的な潮流に取り組むことが期待されているということで、これらを踏まえまして、今後JOINでは従来より実施している交通・都市開発事業に加え、それらを支援するエネルギー、通信施設、水道、廃棄物処理施設、そしてデータ収集・分析、制御管理を行う施設の整備・運営・維持管理等についても、他の公的機関とも協調しながら積極的に支援をしてまいりたいと考えております。

次に2つ目の丸ですが、都心部等において敷地面積の大きさに制約がある場合がございますが、一方で敷地面積の大きさに制約がある中でも高い容積率を確保することができる場合など、実質的に都市機能の増進が図られる規模の都市開発事業もございます。こうした都市開発事業についても、積極的に支援してまいると考えておりまして、そのため、国土交通省令において制限が、おおむね5,000平方メートル以上と敷地面積は限られておりましたが、この規模につきましてさらなる引き下げを行うことといたします。国土交通省といたしましては、以上の取組を通じて今後成長を期待される海外の交通・都市開発事業における我が国企業の参入を促進し、持続的な成長に寄与してまいりたいと思っております。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

では、引き続きお願いします。

〔総務省巻口国際戦略局長〕総務省国際戦略局長、巻口でございます。本日は株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)の投資計画を踏まえた進捗につきまして、まずは総務省から資料3−3に基づきまして概要を御説明申し上げます。

1ページ目を御覧ください。本年4月に策定・公表いたしました投資計画の進捗状況につきましてですが、上半期の計画額は達成しておりまして、下半期の計画額につきましても達成する見込みでございます。具体的に申し上げますと、上半期につきましては計画では6億円程度を投資することとしておりましたところ、既存案件に対して進捗に応じて約8億円を追加融資しておりまして、計画額を達成しているところでございます。今年度末に向けましては、年度計画額40億円の投資を目指すこととしておりますが、その達成に向けては、次の2ページ目を御覧いただければと思います。

このページにありますとおり、本年10月、東南アジアを中心とした地域における光海底ケーブル整備・運営事業に対して最大7,800万米ドル(約84億円)の新規の支援を行うということを決定しておりまして、本件に係る投資実行により計画を達成することが見込まれているところでございます。

JICTにおきましては、引き続き更なる投資額の上積みを目指して政策性と収益性の両方に配慮しつつ、慎重に投資検討を進めていくこととしております。

今後の案件形成につきましては、次の3ページになりますが、通信・放送・郵便事業における支援ニーズの多様化への対応を検討するとともに、JICTの認知度のさらなる向上に努めることにより、案件組成を進めていく方針であります。

支援ニーズの多様化につきましては、IoT、ビッグデータ、AIなどの新たな技術・サービスの急速な進展に伴い、ICTインフラや当該インフラを活用したさまざまなシステムへの需要の増大が見込まれていることを踏まえ、各国・各地域における多様な需要動向や関係事業者の要望の把握に注力し、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

また、海外における認知の向上につきましては、2国間・多国間の国際会合などの場におきまして、JICTの取組の紹介を行う、あるいはビジネスマッチングの機会を設けることなどによりまして、外国政府や関係機関などにおける認知度向上や人的ネットワークの構築を推進し、さらなる案件組成につなげてまいりたいと考えております。

総務省としましては、JICTの投資検討状況をフォローアップし、引き続き投資計画を着実に進捗できるよう支援してまいりたいと考えております。

総務省からは以上でございますが、JICTのほうから続けて御説明がございます。

〔海外通信・放送・郵便事業支援機構大道常務取締役〕JICTの大道でございます。ただいまの御説明につきまして、JICTから若干の補足をさせていただきます。

JICTでは、今回の計画策定後も国内の主要なICT事業者に対しまして、私どもの支援の活用について役員をはじめ積極的に働きかけを行ってまいりました。ただ、先ほどの御説明のとおり、まだまだ成立させることができた案件は少ない状況でありますが、特に本年3月に欧州におけます電子政府事業に対する支援を行いましたことで、額も190億円ということで割と大きな額の投資を行ったということもありまして、日本の企業の皆様から幅広く御相談をいただけるようになったと感じております。

先ほど御説明のあった海底ケーブルの案件なども、こうした中で御相談をいただき、支援決定に至ったものでございます。

今後の取組につきましては、引き続き主要ICT企業、日本の企業の皆様との関係強化を図るとともに、総務省の皆様とも協力をさせていただき、これら企業の支援に対する需要の発掘を進めてまいりたいと考えております。

特にデータを蓄積処理するデータセンター、そしてそれらのICT基盤を活用したICTソリューションなど、これまで支援してまいりました海底ケーブル等との相乗効果が期待できるような事業、あるいは我が国の技術・ノウハウとシナジーが期待できる海外の技術・ノウハウの取り込みに対する需要についても、重点的に発掘を進めてまいりたいと考えております。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、引き続きお願いします。

〔農林水産省杉中食料産業局審議官〕農林水産省食料産業局審議官の杉中でございます。資料3−4を用いまして、農林漁業成長産業化支援機構(A−FIVE)について御説明をさせていただきます。

まず、最初に1ページ目をお開きください。本年4月に策定・公表した計画でございまして、本年度末までに110億円の出資を計画しておりますが、その進捗状況のフォローアップとして本年9月末までに投資計画額の30%である33億円の投資実行を目指すこととしておりました。しかしながら、本年9月末におけるA−FIVEの投資実績は16億円にとどまっております。目標が未達となった状況を踏まえまして、本年度末に向けてA−FIVEにおいては引き続き投資案件の発掘に努め、投資拡大に努力していくこととしております。

また、農林水産省といたしましては、今後のA−FIVEの在り方について抜本的な見直しを含めて検討を行いまして、令和2年度予算の編成プロセスの中で結論を出したいと考えております。

続いて、2ページ目をお開きください。A−FIVEの現状と課題でございます。A−FIVEは農林漁業者による地域に根差した6次産業化等の取組の支援を目的としておりまして、これまで全国で149件の出資を決定してきました。その大半は地域の案件でございまして、地域の雇用、農林漁業者の所得向上等の農林漁業の成長産業化に貢献していると考えております。具体的な数字を申し上げますと、出資先については全体の約85%に当たる127件を5大都市圏以外の地域で組成しております。また、出資先企業の雇用は平成31年3月末で約4,000人、年間売上は約494億円となっております。地域に貢献するA−FIVEの出資事例を一部でありますが、御紹介させていただきます。

過去のA−FIVEの出資事例を御覧ください。左下のほうにある福島県川俣町のベルグ福島ではワクチンの接種や接ぎ木により付加価値を高めた野菜苗を生産し、販売事業を一貫して行うことで雇用創出が生まれ、東日本大震災の被災地復興に貢献をしております。

続いて、右のファームスズキを御覧ください。広島県のファームスズキでは、新しいカキの輸出に取り組む漁業者が養殖地に併設した外食店を運営し、観光客の誘致等による地域の活性化に貢献をしております。

このように、A−FIVEが果たす政策的な役割というのは農林漁業者の活性化のために重要であると考えております。

次に収益性について説明をさせていただきます。A−FIVEの財務状況を御覧ください。A−FIVEの平成30年度までの収益は、約12億円でございます。一方、費用で見ますと、平成30年度までに約105億円でございまして、累積損失は92億円を計上しております。なお、この92億円の累積損失を計上した原因でございますが、A−FIVEというのは農林漁業者を主たる投資対象としており、投資回収フェーズまでの期間が非常に長いということで運営経費の支出が先行していると。それに加えまして6次産業化ということで、出資1件当たりの金額が1.1億円と非常に小規模であり、加えて、これまで加工流通の業務の経験に乏しい農林漁業者が新しく事業を立ち上げるということでございまして、いわゆるハイリスク・ローリターンな投資分野ということでございまして、収益面から見た構造的な問題があることが要因として挙げられます。

いずれにしても、農林水産省では9月末における投資目標が未達であったことを踏まえ、A−FIVEに対して出資拡大に向けて必要な指導助言を行ってまいりたいと考えておりますが、同時にA−FIVEの在り方について抜本的な見直しを含めて検討を行い、その結果についてしかるべき時期に報告をさせていただきたいと考えております。

以上で説明を終わらせていただきます。

〔池尾分科会長〕どうもありがとうございました。

それでは、議論に入りたいと思いますが、では、土居委員が早く退出されるので、先に御意見をお願いします。

〔土居委員〕先に発言させていただくことをお許しいただきたいと思います。

御説明、どうもありがとうございました。私からは2点質問があります。まずA−FIVEについての質問なのですが、御説明があったように、実績が計画を下回る状況が依然として続いているということですので、これは極めて問題のある状況だと思います。さらなる投資拡大というよりも、むしろ店じまいを考えたほうがいいのではないかと。むしろ心配なのは、ここで大きく既存の案件で毀損して損失が拡大するというようなことにならないようにしていただかなければならないと思うわけでありまして、無理に投資拡大をするよりかは、いかに損失を最小限に抑えるかということに注力していただきたいのですが、何かそれについての方策があるかどうか、今、お伺いできればと思います。

それから2点目は、A−FIVE以外の3機関についてですが、実績が計画を上回っているという点については評価したいと思います。ただ、1つ気になるのは、既存案件への追加投資で実績がかなり伸びているという点であります。これは決して悪くは思わないのですが、もともと計画を立てていたときに、新規案件で計画を達成しようとしていたけれども、ちょっと言葉が悪いですが、数字を、金額をうまく合わせるために追加出資したということでないことを願っていて、見込みがあるので追加投資をして、さらにより多く後年に収益が還元されるように追加出資したということであるのか、どうなのか、そういうような確認を当然ながらしておられるのではないかと思いますが、何がしかの言質をこの会合でいただきたいと。

追加出資に頼り過ぎてはいけないけれども、かといって見込みのある案件に追加出資するということは、今後の収益改善に対して重要な取組であると思いますので、その点について3機関にお伺いしたいと思います。

〔池尾分科会長〕土居委員から質問をいただきましたけれども、個別に質問をやっていくと議論が整理できないので、まずは4機関に共通するような論点とか、官民ファンド全般にわたるような論点に関しまして御意見があれば、それを先にいただいて、その後、個別機関ごとについての質問に移りたいと思います。

それでは、全般に関わる議論ということで、川村委員、お願いします。

〔川村委員〕4ファンド共通のことと、3ファンド共通のことがあると思うのです。前者に関して言うと、やはり収益、損益の見通しを、この春、お立ていただいていると思うんですが、向こう数年、どんどんダウントレンド、ですから毎年、来年も再来年も、今年も損益がさらに突っ込みましたという話が多分出てくる。

そういう中で一方、世の中のメディアの誤解も相当あると思うのですが、損をすれば叩かれるという、この向こう3年、4年、自ら叩かれる数字を出されているわけで、その辺に対してのきっちりした説明というか、覚悟というか、それはちゃんとできているのかということが1つです。

それともう1つは、3ファンドに共通しているという点は、案件は積み上がっていますと。先ほど土居委員の御懸念の追加出資は当該ファンドについては小さいので、これは必要だったと思うのですが、くれぐれもこの出したシミュレーションのつじつま合わせのためのと言うと、ちょっと変な言い方ですが、無理くり数字をつくるために何でもいいから収益が上がりそうなものにお金を出すということは、他方で政策目的という非常に重要な点があるので、これは忘れないようにしていただきたいという、2番目は意見です。

〔池尾分科会長〕では、原田委員、お願いします。

〔原田委員〕今日のお話は投資計画の進捗状況ということで御説明をいただいていて、春の時点の数字と今の時点を比較するという形で、A−FIVEさん以外の3ファンドは計画を上回る投資額を達成しましたということになっていますが、計画を上回る投資を達成したということだけをもって議論するのもおかしな話でして、漠然としたコメントになりますが、もう少し情報開示をしていただきたいというふうに思います。

こういう話をすると、大体ファンドだから個別案件の詳細は開示しないということになるんですが、例えばナンバリングをつけて資料回収をしていただいてもいいですし、議事録から一部削除する形でもいいですので、もう少し具体的な数字などをお示しいただければというお願いです。例えば今日の話ではないかと思いますが、全損案件などもありましたし、売却された案件などもあったかと思うのですが、そういった数字なども多分この場では公開されていないのではないかと思いますので、もう少し具体的なところを今後何らかの形で回収でもいいですし、見せていただければというのが、この議論でいつも思うところであります。

先ほど土居委員から店じまいという言葉も出てきましたし、A−FIVEさんでは抜本的な見直しという話もありました。メディア的には連携という名のもと、官民ファンドの合併の話なども出てきたりしていて、このままうやむやにして解散してほしくないなという点もありますので、今後何らかの形でもう少し具体的な数字の開示というものを考えていただければと思います。

以上になります。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

では、冨山委員、お願いします。

〔冨山委員〕どうも、今日はお疲れさまです。御案内のとおり、私は元祖官民ファンドの創業経営者なものですから、皆さんの御苦労度合いはよく分かっているつもりなので、その辺には改めて敬意を表したいのですが、何人かの委員が言われたことと被るのですが、今回政策性と収益性というのが明確にアンド条件でやっていきましょうというガイドラインができたことは、私は大変好ましいことだと思っていて、実は本質的にはこの問題をめぐって1年前にまた、例の産業革新投資機構の問題で大立ち回りをやってしまったものですから、それはそれとして、改めて確認しておくと、結局、政策性と収益性というものが両立しないのであれば投資をしないのが正しいのです。案件をやらないのが正しいのです。

それで、案件がなくなっていくのだったら、土居委員が言われたとおり、やめちゃったほうがいいのです。というのがこの政策に関する私の明確な信念でありまして、多分これは信念だけでなくて現実であります。

というのは、要は政策性があるから収益性を犠牲にするということになってしまうと、何が起きるかというと、現実には安値でたくさんの案件をとることになります。要は収益性を犠牲にすると、ディスカウントで下げるわけだから、高いバリエーションでバンバン案件をとることになるわけです。これは明らかに民業圧迫です。その挙句に最後に大きな損失を出すことになります。

逆に収益性追求で政策性がどうでもいいのだったら、単なる民間のファンドなので、国がやる必要はないわけで、だからこれは、この官民ファンドというのは絶対にアンド条件以外のところで活動してはいけないのです。

そのいろいろな歪みが、今出てきているのだと私は思うので、今回改めてその両案件というのが明確に、これは多分財務省も頑張って耐えたのだと思うんですけれども、これは非常に好ましいことだと思っているので、ぜひともその路線でやっていただきたいと思っているのですが、その脈絡でちょっとまた生々しい質問をしますが、産業再生機構というのもありましたが、時々やはり政策的なお上の御意向と言いましょうか、どこかの御意向でいろいろなものが来るんですね。こういうのを何とか助けてくれみたいな話が来るんですけれども、来て、「こんなのをやるのかな」みたいな案件が出てきちゃったりする危険性は常にあるんですが、もちろん制度上それがすごく遮断されているようにはなっていますが、その制度上の遮断と実質的な圧力は別の問題で、直接社長さんとか、CIOとかに、偉い人から電話がかかってきちゃったりするので、その辺のある種、悪く言うと政治的圧力の遮断度合いというのは、今はどうなっているのか。

これは、だから一般政治家だけじゃなくて当然閣僚、場合によっては総理大臣も含めてなんですけれども、あるいは事務次官とか、局長もそうかな、それは実際生々しくどんなふうになっているのですかというのを答えられる範囲で、要は遮断してくれればいいのですが、相手が閣僚だろうがくそくらえとやらなきゃいけないですよね。これは皆さん御記憶でしょうけれども、産業再生機構のときは当時の経産大臣と大喧嘩しました。ダイエー問題のとき大喧嘩をして、大変なことになったんですけど、要は皆さんの組織はそういう大喧嘩ができるようになっているのですか、あるいは皆さんはそういう覚悟があるのですかという問いになります。

〔池尾分科会長〕質問はちゃんとテイクノートしておいてくださいね。後でお答えいただきますので。

それで、まず冨田委員から、はい。

〔冨田委員〕ありがとうございます。ガイドラインの改正案としてお示しの中にガバナンスの強化という話があって、これからのガバナンスの強化の方向ですね。今日お話を聞いていまして、モニタリングの話がよく出てまいりました。当然ガバナンスというのはモニタリングを通じて具体化されていくことだと思います。で、それは具体的にどのようなことを考えておられるのか。だからあまり細々したことまで言うと、また大変なことになってしまうので、結局はファンドから支援先、それから主務省とファンドとの関係といったことについて、何かここの強化と言えば済んでしまう話ではなしに、モニタリングとは具体的にどういうふうになっているのかという話を少し伺えればと思います。

〔池尾分科会長〕では、工藤委員、お願いします。

〔工藤委員〕ありがとうございます。これは個別と言うより、どのファンドにもお伺いしたいこととコメントなのですけれども、例えばA−FIVEの資料の2ページ目を見ますと、非常に一般管理費が高いということを御自身でも書いておられます。1件当たり1億円前後の投資を149件やっていらっしゃるということだったと思いますので、大体150億、160億くらいの案件を回しておられる中で、1年間の費用が30億円かかっているというのは、非常に高いと感じます。

ほかのファンドについてはしっかり見られていなくて恐縮なのですが、やはりこの一般管理費の内訳についてもう少し基本的な情報は可能な範囲で御開示いただきたいと思います。その上でよく分析して課題を特定する必要があるのではないかと考えます。

私は中身を見せていただいているわけではないので分かりませんが、他の政策メニューあるいは政策金融機関と連携して、効率化していくという方向性もあり得るのではないかと思っています。

また、一連の政策パッケージで見たときに、ファンドとして、また産業投資として、取り組むべきところはどこなのか各ファンドの役割が前後のパッケージとシームレスにつながっていて、産業の役に立っているのか、というところを、省庁横断できちんと整理していく必要があるのではないかと思っています。

また一般管理費が高いという点について、このように複数のファンドを本当に立てておいたほうがいいのかということも、政策面ではそれぞれ大事な役割を負っておられるとは思うのですけれども、少し考えてもいいのかなと思います。

また、今回、私が非常に面白いなと思ったのは、クールジャパン機構様のつくっておられる資料の3ページ目のところで、5つの投資方針をお書きいただいておりますが、これは簡潔にまとまっていて分かりやすさもあるので、今後ブラッシュアップいただければと思います。ファンドごとに特徴はあると思いますが、こういったことをきちんと整理していくということも横展開できるのではないかと思いました。

ただ、一方で、ファンドとしてのキャッシュフローを重視する観点から、レイトステージをやっておられるということですが、少し手堅い案件に投資するということになりますと、民間でもできるではないかという議論を想起いたします。重要なのはバランスだと思っていますので、失敗も覚悟で深いリスクをとるということもお願いしたいと思います。

この観点から、キャッシュフローも大事ですが、やはり政策としての意味というのもありますので、両方が叶えられるような形で取り組んでいただきたいと思います。

以上です。

〔池尾分科会長〕どうぞ。

〔家森委員〕ごく簡単に。先ほどの御説明があった、官民ファンドの今後の見直しにおいて民間資金の誘発ということが大事な観点とされていました。先ほどの原田先生のお話でも触れられた収益性を考えるとき、民間も資金を出していれば、少なくとも民間の目が入った投資案件だと判断できます。そこで、一体どのくらいの民間資金が誘発されているのかが、このデータ一覧の中にあるといいと思いました。

以上です。

〔池尾分科会長〕それではお答えいただきたいと思いますが……。

〔土居委員〕すみません。私は残された時間が限られているので、A−FIVEから御回答いただいて、全部の回答を聞けないと思いますので、お願いします。

〔池尾分科会長〕じゃあ、一応数字的に実績を達成されている3機関については後で伺うとして、A−FIVEに関して政策性はあるとしても収益性が伴わない状況ではないかと。そうすると官民ファンドという形で行うべきではなくて、もっと伝統的な補助金とか、いろいろな政策でやるべきことで、政策性があるからといって正当化はされないということだと思いますので、そのあたり、抜本的な見直しを予算編成中にやるというお話でしたが、もう1度そこを補足いただけますか。お願いします。

〔農林漁業成長産業化支援機構高橋取締役専務〕A−FIVEの取締役専務の高橋でございます。冒頭少しだけ数字的なところを補足させていただきたいと思います。

先ほど資料で申し上げましたとおり、今年度9月末までの投資済み実績16億円というのは目標未達でございまして、それは我々も反省するところでございます。

その後の進捗状況について、若干補足させていただきますと、投資済みまで至ったものは16億円で現時点でも変わりませんが、その後、会社として農林漁業成長産業化委員会などにかけて支援決定した案件が積み上がってございまして、現時点までで6件で約34億円積み上がってございます。これが年度後半、順次実際の出資に至っていけば、16億円と合わせまして現時点で50億円くらいのところまで目処がついているという状況でございます。

もちろん年度末目標は110億円でございますので、まだまだ高いハードルではございますが、その後の案件も、もちろん政策性なり収益性をきちんと判断した上でございますが、積み上がっていっている状況について若干補足させていただきます。

〔農林水産省杉中食料産業局審議官〕土居先生の質問、あと工藤委員の質問等にも関連しますが、特にA−FIVEについては投資の1件当たりの額が非常に小さいと。これは特に6次産業化というところに重点を置いた投資出資を行うという業務にしているということですが、出資案件の額が小さいと、どうしても一般管理費等のほうが上回っていて、収益を上げにくいという基本的な構造があるということでございます。

そのようなことも踏まえまして、そもそも農林水産業の成長産業化、あと農村における雇用の拡大というのは、投資分野として6次産業化ということに重点を置いていることが適切なのか、もしくは既存の農業関係との連携の在り方等も含めまして、全般的な見直しというものを行いたいと考えております。

その内容については、まだ御報告できる環境ではないのですが、できるだけ早期に見直しの方向について報告をしたいと考えております。

〔池尾分科会長〕少し後知恵的な批判になるかもしれませんが、おっしゃっている構造的問題というのは、スタートする前から分かっていたような問題ではないかという気がいたしますので、申し上げたように後知恵かもしれませんが、だから本当に抜本的な見直しに取り組んでいただくことをお願いしたいと思います。

それでは、一応数字としては計画を上回る実績を上げられている3機関に関しまして、原田委員からありました情報開示については、今すぐというのはちょっと難しいと思いますので、追って事務局を通じてできる限り対応していただくということで。

内容的には1つは、量的には実績を上げていたとしても、その質ですね。中身で追加融資に頼っている部分とかが多いとか、そういうことも含めて、クオリティがちゃんと確保されているのかということについて、追加的な御説明をいただくということと、それから冨山委員や冨田委員からありました、結局ガバナンスがちゃんと効いていて、政治的な介入等からもきちんと遮断できるような、そういう運営体制になっているのか。そういうガバナンス面についてどういうふうな強化策、さらに強化していくということでしょうが、どういうことが現状、それから今後想定しているのかという点について、3機関から手短にお答えいただきたいと思いますので、まずクールジャパン機構からお答えいただけますか。

〔経済産業省三牧クールジャパン政策課長〕クールジャパン機構については、既存案件の出資というのはあまり大きくないですので、新規案件がかなり大きな比率を占めていますが、新規案件についてもしっかり新基準に基づいて、法律に基づいた基準で海外需要開拓委員会で審査していますし、社外取締役の方も半数以上入っていただいて、しっかり審議をしていただいた上で投資をしていると認識しております。

ガバナンスのところですが、2年前に経営陣の刷新を始めまして、昨年度から社長とCIOもかわっていただいて、大臣や局長との意見交換会も定期的に開いておりますし、担当レベルで言えば毎月しっかり意見交換をすることで、特に政策性のところ、国としてこういうことをやってほしいというところは直接意見交換を頻繁に行っております。

その一方で、冨山委員から指摘があった政治関係とか、そういうものについては、クールジャパンについてはかなり持ち込み案件も多い中で、しっかり社外取締役の方も入っていただいて、そういうところは我々としてはしっかり遮断していると認識しております。

あとは我々の方針の中でレイトステージを投資しているところですが、我々は当然民業補完というところをしっかり果たしていくという意味で、民間としっかり組むことで、民間がとれないリスクをとっていくというところは認識して、収益性に走らないようにしっかり対応していると認識しております。

以上です。

〔池尾分科会長〕社外取締役を活用されているというお話がありましたが、取締役会の構成とか、社外取締役の人がどれくらいの比重とか、どういうキャリアの人かとか、ちょっと教えていただけますか。

〔海外需要開拓支援機構加藤専務取締役〕今、取締役は現状7名おりまして、2名が社長の北川と私でございます。社外の取締役の方々は、大和総研特別理事の、こちらにも先生としていらっしゃいますが、川村先生、それから元サントリーの執行役員の阿部先生、それからA.T.カーニーの日本法人会長の梅澤先生、それから元資生堂顧問の岡澤先生、それから弁護士の萩谷先生の5名になっております。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、次はJOINの方から、先ほどと同じ質問ですがお願いいたします。

〔海外交通・都市開発事業支援機構稲川常務取締役〕JOINの稲川でございます。そうしましたら、幾つか先ほどの御質問に沿って御説明をいたします。

まず、実績が目標を上回っていて既存案件の追加出資が多いんじゃないかというお話ですが、先ほどの説明で私ども上期は9件の実行をしていて、そのうちの5件が新規でございます。この新規だけでも上期の目標のほぼ2倍ほどの実績を積んでおります。既存案件の追加出資という件ですが、基本的にはグリーンフィールドを中心に私どもは取り扱っておりまして、事業の進捗・建設が進むとともに追加で資金を出していくという形をしておりますので、これは当初想定した、時期が少しずれるとかいうのはございますが、想定した形の出資形態でございます。

続きましてガバナンスの件ですが、まず私どもも7名の取締役事業委員で構成しておりまして、そのうちの5名は社外取締役でございます。どんな方々が社外取締役をやっていらっしゃるかというと、1人は元日揮の相談役をやっていらっしゃった竹内さん、あとは日本経済研究所の代表取締役専務であられる蜂須賀さん、三菱UFJリサーチアンドコンサルティングの常務をやっていらっしゃる桝谷さん、元三井住友カードの副社長をやっていらっしゃった溝口さん、そして2名の常勤、社長と私の7名で構成しております。

実際に持ち込み案件につきましては、このメンバーで議論をして、特にお上からの圧力がどのくらい遮断できているのかというお話ですが、私どもはほとんどの案件は民間からの持ち込みでございます。したがいまして、民間から相談を受けた案件を中心に中で議論をするわけでございますが、今お話し申し上げたように、外部の社外取締役の方々の目を通してしっかりと案件一つ一つについて経済性、いわゆる収益性と政策性について議論をしていると、私どもはそういう認識を持っております。

すみません。先ほどの社外取締役で、もう1人、筑波学院大学の客員教授をやっていらっしゃいます白田先生も入っております。先ほど説明を忘れました。

あとはモニタリングの話ですが、私どもは今まさに次期中期計画の議論をしておりまして、その中でやはり環境とかガバナンス、特にコンプライアンス、その辺は私どもの中でしっかりと認識を今以上に、特に我々が取り扱っているのが海外のインフラ事業でございますので、そこのところはよりしっかりと議論していくべきではないかという議論を中でしております。

あと、投資をした会社、私どもは子会社の管理規程というのを設けておりまして、子会社でどういった形の、例えば就業規則なり、ガバナンスなり、そういったものが進められているかというのを、その規程に基づいてチェックするというやり方も今導入をしております。

もう1つ、これは先ほど最後の御質問ということではないと思うのですが、民間資金の誘発をどのくらいやっているかというのは、私どもはKPIのほうでフォローしておりまして、今手元に数字はないのですが、昨年度の実績ですと3倍近くの民間の資金の誘発ということを実績として私どもは理解・認識をしております。

最後に収益・損益、損すれば叩かれるという、こんな数字を出してきて、これでしっかりした覚悟を持ってやっているのかというお話ですが、当然私どもは1日でも早く収益を上げたいということで、私どもの財務的な自立を目指してやっております。これは特に収益面と費用面、両方に注意をして進めている次第ですが、特に収益性のほうは今年度、私どもは設立して5年たちますが、ようやく配当収入が見込めるようになってまいりまして、これでさらに来年、再来年、今までグリーンだったものがブラウンに変わり、事業が進んでくれば収入のほうを得てきて、それでできる限り私どもの費用のほうを賄っていくと、そんなような方法でやっていきたいと考えております。

以上です。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それではJICTの方。

〔総務省巻口国際戦略局長〕JICTについてでございますが、確かに今年度の計画に対する上半期の実績については、JICTの場合は追加融資ということで目標をクリアしたという形になっておりますが、本件につきましては数字合わせでつくっているというものではございません。光海底ケーブルの案件であり、その工事の進捗に応じて追加融資を行うという形で、もともと計画していたものが出てきているということでございます。

また、実績について、JICTの場合はまだ案件が足りないということだと思っております。今年度1件追加で新規での案件が決まっているということで、これで目標は一応達成はしているのですが、さらなる積み上げについてもJICTのほうで検討を、後ほど補足があるかもしれませんが、進めているということでございます。

JICTの場合も情報通信のインフラの海外展開ということでして、当面はやはり損益、赤字が続くというところはどうしても避けられないところではございますが、できる限り収益性も上げるという形で努力してまいりますし、海底ケーブルなどのインフラにつきましても建設が終わった後の収益はきちんと見込んで、将来的には収益が出るという形で取り組んでいるものでございます。

あとガバナンスの関係ですが、JICTにつきましても、支援の決定をしております事業委員会のところで社外取締役の方を過半数にしております。詳細は後ほど補足していただきたいと思いますが、全部で6名のところ、社外取締役を4名という形で体制を組んでいるところでございます。

〔海外通信・放送・郵便事業支援機構大道常務取締役〕JICTから補足をさせていただきます。既存案件、そして新規案件につきましては、今御説明があったとおり、上期は追加融資ということになっておりまして、これは前回4月の場でも御説明いたしましたが、私どもは3年やってみて、なかなか上期に新規案件ができていないという実態がございましたので、計画時もとにかく追加の部分は見込めるだろうということで上期を追加融資ということで設定したものでありまして、頑張ったのですが、やはり上期には新規案件は間に合わなかったというような状況でございます。

それからあと、ガバナンスにつきましては、私どもも本当に政策性はありながらも、やはりリスクに対してリターンはきちんと押さえなければいけない、あるいは収益性は担保するということで、先ほど御説明がありました社外役員を過半数とした事業委員会で徹底的に議論をするということでございますので、政策性が高くても収益性がとれないだろうというような判断に至ったものについては、総務省様とも御相談の上、「これはできないよね」ということを意識を合わせるということをやってございます。

6名の事業委員がおりますが、内訳としては社内が会長と社長、私は入っておりません。それからあと社外が4名ですが、太田さんという総務省のアドバイザーもやっておられる方、住商の執行役員をやられている中村さん、それからあと弁護士の三尾さん、それから日本政策投資銀行の監査役をやられている栗原さんという4名の方が社外ということで入っていただいて、議論をしていただいているような状況でございます。

基本的には私どももJOINの皆様と同じで、日本企業の皆様の支援をするというのが1つのミッションでございまして、そういう意味では過半をとらないということで、マイノリティ出資というのを前提にしておりますので、やはり、いくら良い、政策性が高くて「これをやろう」と言っても、日本の企業の皆様が経営判断でこれはやらないということになれば、いくらDDを詰めていっても、そこはやらないということになりますので、そのあたりはかなり民間企業の皆様の判断というところが大きいファンドということになってございます。

それからあと、先ほどの民業の呼び込みということはどうなのかということで申し上げると、今決定をしたばかりの海底ケーブルなんかの案件でも、非常にグリーンフィールドの案件でございまして、何千キロにも及ぶ海底ケーブルを製造して、それを海に船で沈めていくと、そして海外において陸揚げをする、そうするとやはり大きな完工リスク、それからあと許認可リスク、そして本当に売れるのかというリスクを抱えている案件でございまして、なかなか民間企業の皆様だけでそのリスクは取り切れないということが多い状況でございまして、そういうところで私どもは日本企業の皆様の御相談を受けてエクイティの投資をするということ、それをすることで民間の金融機関の方々にも入っていただけるという、そういうようなある種呼び水効果というものを実現できているのではないかと思っております。

長くなりましたが、以上でございます。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは追加で個別のファンド等について、より詳しく御質問等がありましたら、お願いしたいと思います。渡部委員、お願いします。

〔渡部委員〕ありがとうございます。A−FIVEについては、もう皆さんおっしゃったのでやめます。それからJOINですが、希望というか、実際の状況。やはり都市開発含めて海外での非常に難しい案件、他国等を含めてコンピートの状況。それからもともと日本企業というのは総合力、総合コーディネートが下手というのが特徴で、部品は上手ですが、全部云々しておいしいところを食べるというのは苦手なのが一般的なんですが、先ほどの資料の中でも他のNEXI等を含めて公的金融機関との協働・協調されていかれるというのは、うまくいっていますか、いませんかをお聞きしたい。

特に冨山さんとは違う意味なんですが、各省庁さんも分かれますし、その辺をうまくコーディネートする、あるいはそれを持って他国の政府ときっちり交渉するみたいなものをうまく回っているでしょうかというのが個別の質問です。

あとは個別ではなくて2点目の意見なのですが、皆様とはちょっとニュアンスが違うんですが、やはり官民ファンドはファンドですので、当然この収益性、こうなるのがこうだよねというのは合意して動いているはずなのですが、先ほどレイトステージで云々、で数字がよくなっているぞというお話、これだとある意味では呼び水効果含めて、意味がないというのは言い過ぎですが、官民ファンドにする必要があるのかと。極論ですが。

そこで、これは会長の仕事なのか、やはり官民ファンドというのはこういうものだと、こういうのがあるんだよと、それから平たく言えば何打数1安打、2安打でもこうなるんだということがあるぞという啓蒙と言ったらおかしいのですが、メディアの人も勉強している人ばかりとは限らないので、むしろそうじゃないことをしゃべればうけるみたいな風潮も若干あるので、やはり政策目的はこういうのがあるぞというもとで、収益というのはこう出るぞというのをもう1度平たく、メディアに発信することが全体のためにはいいような気がします。

以上、2点でございます。

〔池尾分科会長〕それでは1点目に関しまして、コーディネーションはうまくいっているのかというふうな点について、いかがでしょうか。

〔国土交通省岡西国際統括官〕国土交通省でございます。御指摘のとおり、都市開発とか、交通事業というのは向こうの政府とかとのコーディネーション、それから相手国の関係企業とのコーディネーションが必須の事業でございます。そういう意味では日本企業だけでできないケースも多々ございまして、そういう場合は相手国の企業、例えばフィリピンですと基地転換開発公社でありましたり、シンガポールのスバナジュロン、それからタイのアマタ社、インドネシアのシナルマス・ランドなど、海外の投資の企業とも連携しつつ、また国内ではJBICさんとも協調しながら対応しているというところでございます。

まさに民間企業のほうも都市開発とか、交通事業になりますと、相手国政府の意向とか、許認可が大変重要になってまいりますので、そういうところについてはJOINが入ることで、バックアップしている国土交通省もその事業に参加してサポートしていくという総合力を使って案件形成をしているというところでございます。

〔池尾分科会長〕じゃあ、川村委員、お願いします。

〔川村委員〕これも意見なのですが、今まさに渡部委員がおっしゃった後段の点は特段留意しておく必要があると思っています。官民ファンドが発足して六、七年経つ中で、相当の経済部の記者でも低いレベルにとどまっているというか、あるいはあえて、私は最近思うのは確信犯だと思うんです。例えば「これは財政投融資です」、「産業投資です」「原資はこういうもので税金とこう違います。だから投資につながるのです」ということを、おそらく私が自分で数えただけでも2,000回以上は説明しているのですが、翌日「税金を」と、こうなるんです。

要するに税金を溶かしている。それは国会のいろいろな質問なんかを見て、その議員の質問もそれに完全にそういうふうにビルトインされてしまっている。これは年金のように強い誤解か、あるいは意図的な誤解か、どちらかなんです。そこは解かなければいけないので、各ファンドにおかれてはいろいろ努力もされていると思うんですが、まさに官民ファンドにはこういう性格があってこうなんだと、別にそれは責任逃れではない、資金の性格がこうなんだということを各主務官庁と一体になって、ぜひ啓蒙と言うと上から目線になってしまいますが、国民の御理解を頂戴する活動を積極化していただきたいと思うのです。

おそらく政府機関というのは広報は最もへたくそなので、逆切れされる可能性もあるので、そこは多少予算を使っても、そういう世論に対してどういうアピールがいいかを知っている専門家をリテインするとか何とかを考えつつ、政府全体、官民ファンド全体でこれに対応を考えていただく必要が強くあると思っています。相手はわざと誤解していますから。

〔池尾分科会長〕冨山委員、どうぞ。

〔冨山委員〕1つは、インフラ系の、だからJOINさんとJICTさんのところで、先ほどの渡部委員のお話とちょっと被るのですが、これは全体的な今の世界のトレンドとして、この手のサービス領域というか、ビジネス領域って、猛烈な勢いである種の共通アーキテクチャー化が進んでいて、いわば上位のアーキテクチャーサービスレイヤーのもとでいろいろな個々のハードウェア、プロジェクトが動くみたいになっていますね。通信もそうだし。あとは交通系とかもO&M化していますから、多分日立なんかはそれを意識してLumadaという、ある種上位概念を打ち出してやっているのですが、ここはずっと、先ほど渡部さんが言われたように、実は日本の極めて弱いところで、気がついたらそういうのは大体欧米に握られていて、今、その下で下請け的に仕事をするというパターンが多いですよね。

ここは私もすごく問題意識を持っているところで、だから願わくはなのですが、せっかくこういう、ある種官民ファンドが出ていく価値がずっとあると僕は思っていて、できればちゃんと儲かる構造になりますので、かつ政策的にも日本の産業政策上、この後、これはひょっとすると、重電とか含めて、ほとんどの産業で日本のメーカーが下請けにされちゃう感じがあるんです。

なので、その辺の要は上位の、ハードに加えて、これは多分上位レイヤーはソフトになってきますから、ハード・ソフトをある種融合した上位アーキテクチャーのサービスモデルをつくって横展開していくような、そういった動き、実際やるのは日本企業だと思うんですけれども、そういった動きなり、多分NTTさんとか、日立さんとか、あるいはパナソニックかもしれませんけれども、そういった発想とか動きとかいうのをお願いしたいということと、今はそういう発想というのか、あるところでやった、あるところの成功事例を、ある種標準アーキテクトにして世界を席巻していくみたいな、そういうビジネスの展開というのはあるのか、ないのかというのが基本的な、両者に対する質問です。

それからあと、これも先ほど渡部さんが言われたところと絡むのですが、私も実は同じような期待を持っているのは、既存の民間の常識として「あんなもの儲かるわけないじゃん」的に思われているものだけれども、実は理論的に、あるいはグローバルに見たら儲かるようなものって結構あるのです。例えば最近って、多分我々が再生機構でやった地方バス会社の再生なんかはその典型なんですが、最近の事例でも、東京オリンピックの最初のころにいわゆる競技会場が税金の無駄遣いなんてとんちんかんな議論があって、世界の常識としては、あれは絶対儲かるんですよ。で、バンバンコンセッションでローンとかが出ているんですよね。だけどああいう議論になっちゃうんです。先ほど川村さんが言われたように、日本のマスコミってそういう書き方をするので、実はすごく儲かるんです。

多分横浜の国際競技場でのラグビーの決勝戦、あれは多分大黒字になっているはずだし、一番分かりやすいのは東京ドームってすごくいい決算をしていて、今どんどん東京ドームの貸出料が上がっているので、巨人軍はあそこを出たいと思っているようなんですけど、要はそれだけ儲かる。要は、本当は潜在的なすごい収益力を持っているのだけれども、まだ民間としてはトラックレコードがないので、意外と日本の民間は残念ながら、現状としては私も人のことは言えないのだけれども、やはりリスク投資に対して日本の金融システムは脆弱なので、どちらかというとローン型で行くので、したがってトラックレコードがないものにはなかなか応援が出てこないという実情があるので、むしろ私としては、これはお願いなんですけれども、そういう「実は儲かるんだぜ」という、それをむしろ先行的に証明していただくと、官民ファンドの本当の呼び水効果って僕はあるような気がするので、それはお願いしたいと思います。

じゃあ、すみません。質問のほうだけよろしくお願いします。

〔池尾分科会長〕時間が迫ってきていますので、手短にお願いしたいと思いますが。

では、JOINの方から。

〔国土交通省岡西国際統括官〕まさに御指摘のとおりでございまして、都市開発のほうにつきましては割と標準の型というか、単純なんですが、交通につきましては大変難しくて、我々も挑戦を続けているというところが本心でございます。

特に分かりやすい例でいきますと、高速鉄道などは世界中で新しい、各個々はそれぞれ自分の国ではやっているんですが、それを海外に展開するということになりますと、これが大変巨額の投資になりますし、回収も難しいということで、日本のそういう新幹線というノウハウを標準のアーキテクトとして売り込めるかという挑戦を今続けているところでございます。

そういう意味では、まさに今チャレンジ中でございまして、そういう意味では港などは割と民間の日本の企業の荷捌きの状況とかが大変効率がいいということで、ASEAN諸国などでは大変いい例として評価されておりまして、隣の国を見たよその国が「うちでもやってくれないか」ということのお誘いがかかるようになってきていますので、港については徐々に効果が出ているのかなと考えているところでございます。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕お願いします。

〔海外通信・放送・郵便事業支援機構大道常務取締役〕JICTですが、私どもも今御指摘いただいたとおりのことを感じておりまして、常日ごろ日本のICT関連のベンダーさん、あるいは通信キャリア等の皆さんと接点を持っているわけですが、私どももこれまで海底ケーブルとか、放送設備であるとか、そういう極めてハード寄りの重いインフラを中心に投資を進めてきたのですが、やはり御相談いただく内容はだんだんそれらを使った上位レイヤー、あるいはソリューション、そういったところにシフトしてきているのを常日ごろ肌で感じておりますので、私どもとしてはまた総務省の皆さんとも御相談しつつ、そういうところにある程度軸足を移していけるようなことも考えていきたいと思っております。

以上でございます。

〔池尾分科会長〕では、冨田委員。

〔冨田委員〕先ほどガバナンスのことについて御質問したのですが、私は、また川村委員のお話も聞いた上で感じたことは、ガバナンスというか、結局官民ファンドは民間では供給できないペイシェントマネーを供給するのだということで話がスタートしてきたわけです。

だけど、今問われているのは、国民、有権者が果たしてペイシェントマネーを供給することに対してペイシェントでいられるかどうか。で、そのときに我々は、この春までの議論で明らかにしたことは、この累積損益のカーブがありますね。だから決して単年度予算ではないのですよと、単年度で判断することではなしに、ある程度の期間で判断するのだと。そのときにこの累積損益ということの重要性を我々は議論したわけです。そのときに、じゃあこの累積損益がこういう形になるかどうかは2つのことに依存していて、1つは投資額であって、それが多い・少ないの議論は今日ございました。もう1つ、このときの前提はIRRがどうかということなんです。私はガバナンスというふうに申し上げたのは、先ほど新規採択のときの社外取締役の重要性ということで、それはそのとおりだと思います。だけど、その新規の投資のときは、投資枠のことなんですが、モニタリングといったことは、IRRが当初見込んでいたことに対して大きく変わっているかどうかということについて、きちんとフォローされているかどうかということも含めたガバナンスの重要性ということで申し上げたわけなんです。

だから要は国民がペイシェントになり得るための御説明がやはり絶えず要るということだと思うのです。絶えずというのは別に頻繁にという意味ではなしに、そういうことはやはり大事だと思うんです。それを申し上げたいです。

〔池尾分科会長〕ありがとうございました。

それでは、そろそろ予定の時間になりましたので、まだまだ議論したいところですが、本日の質疑についてはこのあたりで終了とさせていただきたいと思います。

それで追加の御質問とか、追加の御回答については、事務局を通じて対応をよろしくお願いしたいと思います。

それでは4つの官民ファンド及びその関係省庁の担当部局の皆様には御退室いただきます。どうもありがとうございました。

((株)海外需要開拓支援機構、(株)海外交通・都市開発事業支援機構、
(株)海外通信・放送・郵便事業支援機構、(株)農林漁業成長産業化支援機構 退席)

〔池尾分科会長〕繰り返しになりますが、本日御議論いただいた内容に追加して御意見とか、御質問がありましたら、事務局までお寄せいただければと思います。

それから本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクをしていただきますということで、議事録につきましては、いつもどおり委員の皆様方の御了解をいただいた後、財務省のホームページに掲載ということになります。

それから次回の開催につきまして、事務局より説明がありますので、お願いします。

〔大関計画官〕次回は12月4日の開催を予定しておりましたが、総理からの経済対策の指示を受けて延期とさせていただく方向で現在事務局において調整を進めております。日程が決まり次第、改めて御連絡させていただきます。

また、11月8日に閣議決定された予備費使用に伴い、地方債計画の改定及び財政融資の弾力追加となる見込みでございます。本件につきましては、持ち回りにて委員の皆様の御意見を頂戴したいと考えております。別途御説明をさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

以上です。

〔池尾分科会長〕それでは本日は御多用中のところ御参集いただきまして、御熱心に議論いただきまして、まことにありがとうございました。これで閉会とさせていただきます。

11時58分閉会

財務省の政策