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財政制度等審議会財政投融資分科会
議事要旨

1.日時
  平成29年6月15日(木)  10:01~11:31

2.場所
  財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

3.出席者(敬称略)
  [委員]
  池尾和人、川村雄介、野村浩子
  [臨時委員]
  翁百合、小枝淳子、林田晃雄、渡部賢一
  [専門委員]
  中島厚志、沼尾波子
  
  [財務省]
  三木財務大臣政務官、佐川理財局長ほか

4.議題
 ○諸外国における財政投融資類似制度
 ○平成28年度 地方公共団体の財務状況把握等の結果について
 ○財政融資資金等の実地監査について

5.議事経過

(1)議題について、事務局より説明が行われた。

(2)委員からの主な意見等は以下のとおり。

○諸外国における財政投融資類似制度

    • Bpifranceは、ワンストップサービス等、顧客にとっての利便性の向上のため政策金融機関の一元化の取組を行っているという印象があるが、オペレーションの効率化という観点からの取組は行っているのか。

    • フランスやEUにおいては、民間金融機関等との協調融資が原則となっているとのことだが、実際に呼び水効果は出ているのか。

    • リスクを取って成長分野への投資を行おうという理念は分かるが、原資が公的資金である場合、政策目的・民業補完性と、収益性とが両立する非常に狭い範囲で投資を行わなければならない。その範囲から外れると、公的資金を毀損させたと批判されたり、政策目的に沿った成長分野に投資していないと批判されたりする。フランスやEUの財政当局においては、そのような投資に対してブレーキをかけたり上限を設けたりするような議論や制度はあるのか。

○平成28年度 地方公共団体の財務状況把握等の結果について

    • 全市区町村と全都道府県の行政キャッシュフロー計算書をみると、行政経常収入のうち地方税が市区町村では減少、都道府県では増加している。全体的な改善傾向は結構だが、景気が寄与している面もある。支出の増加に着目し、今後もチェックをしていただきたい。

    • 財務状況把握について、診断表を活用する自治体が増えているということは大変喜ばしいこと。各自治体のホームページ掲載にとどまらず、財務状況の問題点等について住民への説明や議会での議論に積極的に活用されていくことを期待したい。

    • 積立金低水準の事例として基金の取崩しをしている団体があり、これはきっちり積み立てていくことが大事。一方で、余った財源の基金積み立てから地方財政計画ベースで見たときの交付税総額の必要性についても議論されており、きちんと積み立てるべきものとそうではないものの整理が必要ではないか。

    • (上下水道事業の民間委託等の最近の動きについて、)上下水道事業のコンセッション方式をはじめとする民営化や広域化が言われているところ、小規模で人口減少が進み構造上赤字でやっていかざるを得ないような団体に対し、情報提供や人的サポートも含め経営改善のあり方を考えていくべき。

    • 上下水道事業にコンセッション方式を導入できるかは、キャッシュフローをどのように高めるかが重要。特例的に補償金免除繰上償還等を実施するということも案件によっては検討せざるを得ないと思うが、当分科会の共通認識として、財政投融資制度の健全性を損なうことがないよう極めて例外的な場合に限るべき。「未来投資戦略2017」にもあるように、一定期間を区切ること、横展開の呼び水となる先駆的取組に限ることはポイント。

    • 上下水道事業のコンセッション方式について、民間の運営力を活かすことは有意義。補償金免除繰上償還について、「ゼロイチ」の発想ではなく、過去の運営の結果できた借入金等と、今後の運営にかかる借入金等も含めた上で判断していくことがいいのではないか。

○財政融資資金等の実地監査について

    • 病院事業について、病床利用率や医業収支比率の状況の分析など実地監査で得られた非常に重要なデータを自治体とも共有し、2025年に向けた地域医療構想にも生かせるようにしては如何か。

    • 官民ファンドの実地監査は、内部統制について主に手続面から見ているが、例えば監査役と連携しながら、投資案件などについて実際に収益がきちんと上がっているかなど、もう少し踏み込んだ監査をしてはどうか。

    • 商工中金の問題で、危機対応業務をめぐる不正融資問題がクローズアップされているが、これは個別機関の問題にとどまらず、財投制度全体の信頼にも関わる問題。財投当局としても再発防止、信頼回復などの観点から適切な指導を行うべき。

 

      (注)本議事要旨は、今後字句等の修正があり得ることを念のため申し添えます。

    問い合わせ先

    財務省理財局財政投融資総括課調査係

    電話 代表03(3581)4111  内線2578